澪田「寄り目になるとハムちゃんが二じゅ田中「それは残像だ」(71)

 MorningTime レストラン


澪田「うげっ! マジッすか! 軽音界の妖精と呼ばれる唯吹にもついに
   幻視というファンタジー能力が!?」

田中「フッハッハ! 残念だがそれは見当違いだ」

田中「貴様の眼(まなこ)は下等な人間がもつ1パーツにしては上等なモノのようだ――だがしかし
   俺様が率いる破壊神暗黒四天王のスピードを、人間如きの肉眼で捉えようとは笑止!
   つまり貴様がいま見ているのは、破壊神暗黒四天王の力であって貴様の力にはあらず!」

澪田「でもー、唯吹が寄り目を直すと残像きえてますよー?
   これで唯吹が自発的に寄り目になるからこそ、ハムちゃんが増殖することが証明されたっすねー!」

田中「ぐぬぬぬ……!」


 正式スレタイ→澪田「こうして寄り目になってみると、ハムちゃんが二重になって見えるよ!」 田中「それは残像だ」
 今回はPCから投下

左右田「最近、妙に仲がいいよなあの2人」

日向「そうだな」

左右田「南国の島に訪れる一夏かぎりの恋のアバンチュールかー ロマンだよなー」

左右田「ソ、ソニアさんはどうですか?
    そういうの興味あります?」

ソニア「……」

日向「……ソニア?」

ソニア「はい! 水戸黄門は未来人だったと思います!」

日向「え? いや、誰もそんなこと聞いて――」

ソニア「そうですか! では私はDVDに録り溜めていたドラマを脳内再生する作業があるので、これにて失礼いたします!」

日向「いやだから、それにいろいろ矛盾してる……って、行っちまった」

左右田「スゲー! 王女様となると後頭部あたりにDVDスロットとか内蔵されてんのかなぁ!
    ソニアさん解体してぇえええええ!」

日向「クイーンをマシーンにしてどうすんだよ」

澪田メインとか俺得

九頭竜「ったくよ……メシ食ってる時に解体だのどうの騒ぐんじゃねーよ……食欲が失せるだろうが」

終里「ふぉーか?」

九頭竜「そりゃあお前は平気だろうよ……」

西園寺「そんな事よりどチビちゃんさー そこにある醤油とってくんないかなー?」

九頭竜「どチビだぁ? 西園寺くらいしか見当たらねーな、自己暗示かけてるヒマあんならテメーで取りやがれ」

西園寺「はぁあああああああ!? 私は需要があるチビなんだよ!
    アンタみたいに自分の役割に則(そく)してないチビじゃないから!」

九頭竜「ご、極道にだってチビくらい居んだよゴラァ! 俺だって需要があるチビだ!」

罪木「さ、西園寺さんも九頭竜さんも、それくらいに――」

西園寺・九頭竜「うるせぇんだよ!」

罪木「ひぇええ! 二人いっぺんにですかぁあああ!?」

日向「……アレは仲がいいのか?」

左右田「……前よりはマシなんじゃね?」

狛枝「あんな取るに足らない事でぶつかりあう希望……! ボクはね、朝から最高の気分だよ!」

左右田「あーはいはい……お前のソレは学級日誌の出来事欄にでも書いてろよ」

日向「見た担任が泣くぞ ケンカを煽って喜ぶ生徒とか」

澪田「はじめちゃーん! おはよーっす!」

日向「うわぁあっ!?」

左右田「い、いつの間にこんな近くに……」

澪田「知らないんすかー? 人が感じる時間の早さは、各々違うんすよ?
   だから「いつの間に」なんてのは、的外れもいいとこなんす! 左右田い性理論っすねー!」

左右田「いやいやいや、今のは何かニュアンスが違った! ぜったい違った!」

田中「相対性理論だと!? オレの前でその名前を出すとは、かの運命石の扉に導かれても責任はとれんぞ!」

左右田「面倒くせぇのも召喚されるしよぉおお!」

日向「ははは……」

七海「浮かない顔だね」

日向「え? あぁ、そういう顔してたか?
   ……多分、ちょっと疲れてるだけだ」

七海「そっか、みんなには私から言っておくからさ 戻って休んでてもいいよ?
   今ならみんなも騒いでて気づかないしさ」

日向「……そうだな じゃあ頼むよ、七海」

七海「任せて おつかいはRPGの基本だから」

日向(……今のは遠回しにお礼のアイテムを催促されたのか?)


 弐大がモノクマのバズーカに倒れて数日が経った

 弐大の経過が知れないのもそうだけど、「後付けの病原体」がどうの独り言をしていた
 モノクマの悪巧みを推し量れない事がなにより不安をかきたてる

 こうして横になってもそんな感情は一向に消えない
 せめて目が覚めた時は、もう少しマシな世界で目覚められたら――

左右田い性理論wwwww

 DayTime 日向のコテージ


日向「……」

日向「……よく寝た、な」

日向「歩いて眠気でも覚ますか」


 DayTime ミライホテル敷地内


日向「やっぱり外の空気はいいな」

澪田「おやおやー? はじめちゃんじゃないっすか!
    顔色もスッカリ晴れ晴れ愉快ですなー!」

田中「体はもういいのか?」

日向「あぁ、もう大丈夫 ……田中と澪田は、どこかに出かけるのか?」

田中「ライブハウスだ コイツが我が破壊神暗黒四天王に楽器を弾かせろと、うるさくてな」

日向「そうか」

日向(良かったな澪田 一緒に表現したい誰かが、また見つかって)

スレタイしか見てないけど、こういうSSを待ってた

澪田「じゃあまたっす! はじめちゃん!」

田中「疑心暗鬼の発露は縁の切れ目と同時に、縁の繋ぎ目をも紡ぎ出す
   貴様が俺様のコトバの真意を推し量れた時に、再び合間見えようではないか!」

澪田「あーら不思議! 疑心暗鬼疑心暗鬼って早口に言うと、ギシアンギシアンって聞こえますね!」

田中「ぐぬぬ……!」

日向「……あはは、またな――」

日向「――ん? ……ソニア? どうしたんだ、そんな物陰から」

ソニア「……」

日向「おーい、ソニアさーん」

ソニア「……」

日向「ソニアちゃーん」

ソニア「……」

日向「……ソニアたーん」

ソニア「は! どうかいたしましたか日向さん!」

日向「それはこっちが聞きたい」

ソニア「べ、別にわたくしは上の空などではありません! 女心と秋の空っていうじゃない! です!」

日向「それじゃ余計に挙動不審だぞ……?」

ソニア「はぅ……そ、そうでしたか」

日向「どうしたんだよ 何か悩みでもあるのか?」

ソニア「田中さんが……構ってくれないんです」

日向「あー……」

ソニア「わたくしはドラマでよく言うあの、過去の女になってしまったのでしょうか……」

日向「いや、それは誇大解釈が過ぎるから余り言わない方がいいと思う」

日向「田中に構って欲しいか……自分から何かアクションを起こしたりはしたか? その、現状を改善するために」

ソニア「お出掛けの誘いは何度かいたしましたが、どれも先着一名様なるタイムサービスでして」

日向「そ、そうか……」

日向(いつから日本のタイムサービスはそんなイジワルな難易度に……?
   左右田……早くきてくれ (ツッコミが)間に合わなくなっても知らんぞ……)

日向(でもその先着って十中八九“澪田”の事だよな
   アイツらを応援した直後に、手のひらを返すような助言をソニアに与えるのはどうなんだ……?)

澪田好きだけど田中△に寝取られるなら本望です

日向(オレにはみんなの未来を創れないのか……いや、そんな事はない)

日向(どちらかの意志をとれば反発してしまうなら、どちらの意志も通せるジンテーゼを創るしかない
   それが、未来って事なんだ!)

ソニア「ひ、日向さん……? なんだか、最後の難局に挑む主人公のような顔つきになってますよ?」

日向「ソニアと澪田が先着一名を争うなら その先着一名を二名にするまでだ」

ソニア「ですが、両手に花な田中さんがお相手では集中してお話できません!」

日向「ならソニアと澪田が交互かつ均等に、田中と二人きりになれるような状況を考えよう
    三人で一緒に出掛けるのは愚問だな そしてソニアが田中といる間に、澪田の気を引ける何か、いや……誰かでもいいか
    ソレに従事している必要もある」

日向「そうなると、ソニアと田中と澪田と不特定多数の誰か
    ソイツらが全員、同一の場所にいながら何かを楽しめるイベントを催すのが
    最も自然だと思う」

日向「澪田とソニアのどちらにも、田中に構う理由が出来ると同時に、田中から離れる理由も出来るからだ」

ソニア「なるほど、問題はイベントが何かという事ですが……そこまで任せてしまってはソニアの名折れ!」

ソニア「ありがとうございます日向さん 考えがまとまりましたわ!
    失礼します」

日向「またな」

日向「……それにしてもテンプレートな三角関係だ いや四角か」

日向「左右田、本当に間に合わなくなっても知らないからな」

モノクマ「日向くゥウウウん!」

日向「わぁああ!?」

モノクマ「朝から晩までぼっちぼっちぼっちで、日向クンまさかの仲人プレイ?
     自分の好きな人を寝取られて感じちゃうアブノーマラー?」

日向「う、うるさいあっちいけ!」

モノクマ「なーんだつまんないのー ところで新しい動機の話なんだけどさぁ」

日向「代わりの話題選びも最悪だなコイツは……相変わらず」

2なら日寄子が一番可愛い

モノクマ「その種になるハズだった病原体なんだけど、いろいろと滞っちゃってんすよ」

日向「そのまま挫折してくれ頼むから」

モノクマ「まっ、ボクがバラまくまでもなく
     オマエラってばもう病気にかかってるようにも見えるけどね、うぷぷ」

日向「……恋の病とか言うなよ?」

モノクマ「なぬ!? 日向クンに思考を読まれただと!?」

モノクマ「ミスター凡夫の異名をもつ君に遅れをとるなんて、ボクは非常にショックだよ……」

日向「そんな不名誉な異名を与えられた俺の方がショックだよ……」

モノクマ・日向「はぁ……」

モノクマ「ボクの予定ではね?」

日向「うん?」

モノクマ「あの絶望病が広まれば、3人ていど余裕でブチ死んでたんだよ?
     ツインテが刺殺されて盛り髪が絞殺されて、ざんばらヘアーが犯人してた予定だったのに……」

日向「なんで髪型に死因もり込むんだよ! イメージがイヤに固まるだろ!
   中途半端な匿名する位なら最初から実名だせよ!」

モノクマ「いやいや、最初から匿名にする気ナッシングだから
      オマエラってば髪型だけで言い分けられるから面白いよねー、アンテナヘアー君」

日向「誰がアンテナヘアーだ!」

モノクマ「パツキン七三分け」

日向「十神を愚弄するな」

モノクマ「M字ハゲ」

日向「ハゲてねーよ! 生まれつきだよ!」

モノクマ「お、左右田クンの真似も似てるね」

日向「孫悟空」

モノクマ「オワコンさん――鉤爪オールバック」

日向「田中 うーん……横はねボイン」

モノクマ「七海サンだけど、さっきから髪以外の特徴をつかう日向クンの負けー!」

日向「クソっ!」

それにしてもこの二人
仲良しである

モノクマ「で、日向クンの好きな子は誰なの? 当然いるんでしょ?
     仲人プレイが許されるのはゲームの中だけだもんねー 
     まぁこれゲームだけど、うぷぷぷぷぷぷ」

日向「そうだなぁ――ってなんでお前にそんなこと教えなきゃならないんだよ!」

モノクマ「だってこれ修学旅行じゃん? 寝そべりながら好きな子を暴露しあうのって修学旅行の様式美ちゃうん?
     知らんけど」

日向「普通じゃない旅行を強要するやつが、今さら普通の旅行のマネを提案しても説得力皆無だからな!?」

モノクマ「正論ティーもいいところだけど、それならボクが日向クンにも暴露を強要すればいいんちゃうん?
     知らんけど」

日向「な、何をする気だよ」

モノクマ「何とは言わないけれど何でも出来るよ? その気になれば」

向「い、言わないからな!」

モノクマ「まぁ何となく分かってるからいいけど、七海サンっしょ?」

日向「違う! な、七海は――」

モノクマ「うぷぷぷ、ミッションコンプリート! じゃあまた今度ぉー!」

日向「は? ちょっ待てっ! ミッションって何だ!」

日向「……なんか、どっと疲れた……もう一眠りするか」


 NightTime 日向のコテージ


ソニア「日向さん! いい加減目覚めなさい!」

日向「……ん? なんだ、ソニアか……」

日向「……ソニア!? 何でっ!? どうやって俺の部屋に!?」

ソニア「鍵の開け方であれば澪田さんに教わりました! さすがは先進国ニホンです!
    開錠の種類ひとつ取っても様々なのですね!」

日向「いやいや一つだから! 真実はいつも一つだから!
    鍵を壊して開ける手順を種類にいれるな!」

スレ見る限り前スレか他にロンパSS書いてたの?

ソニア「そ、そうなのですか? それは申し訳ありませんです……」

日向「ま、まぁ別に……勝手に修復されるからいいけど
   それよりどうした? こんな夜中に」

ソニア「あっ、そうでした 日向さん! これから皆さんと肝試しをする事になりましたので日向さんも一緒にどうですか?」

日向「肝試しって……あぁ、さっきの今でもう段取りがすんだのか」

ソニア「善は急げと申します! 私としても、アドバイスをくださった日向さんには
    是非とも参加していただきたいのですが……駄目でしょうか?」

日向「いや、行くよ」

ソニア「そうですか! では空港でお待ちしておりますね!」

日向「またな」

日向「……それにしても空港で肝試しか、土地勘のない場所を夜に徘徊するのはいまだに慣れてないけど――」

日向「今は急ぐか」

 NightTime 空港のロビー


左右田「よぉ日向! 楽しみだなぁ! 楽しみだなオイ!
    ソニアさんが俺たちの為に、催し物を開いてくださるなんてなぁ!」

日向(少なくともお前の為ではないんだけどな)

罪木「うゆうぅ、と、とても怖いですぅぅぅ! せめて電気くらいつけましょうよぉお……」

西園寺「えー、怖いくらい発育してるアンタのオッパイほどじゃないよー?」

罪木「そ、そんな事ないですよぉ! これでも最近の女子高生では平均的な方ですぅ!
   だから……そ、そのぉ……西園寺さんが小さいだkい、痛いですぅうう足を踏まないで下さぁーい!」

日寄子もすぐにデカくなるけどな

日向(続々とみんなが集合してきたな)

終里「メシと聞いて飛んできました! うへへへ」

七海「じゃあ私は、タイラントやシザーマンが出ると聞いて」

左右田「出ねーよ! 特に終里は空港になに求めてんだ!」

終里「機内食?」

左右田「機内はもぬけの殻って言ったろーが!」

九頭龍「へっ、このオレに肝試しをけしかけるなんてよぉ、期待したリアクションは見せてやれねぇぞ?」

狛枝「この肝試し(ぜつぼう)を乗り越えた君達が、どんな希望を放つのか
   ボクは楽しみにしてるよ!」

日向「お前ほど驚かし甲斐がないヤツも珍しいな」

澪田「オハコンバンニチワ! スク水マイスターの唯吹ちゃんどえす!」

田中「漆黒の帳をくぐり抜けた先にあるのは桃源郷か、はたまた首魁が治めし魔の城か
   ふははっ! どちらでもよかろう! この俺様にとってはな!
   さぁ、始めようではないか! 阿鼻叫喚のシンフォニクスを!」

左右田「お前らは普通に挨拶できないのかって……」

ソニア「皆さん揃いましたね! ではルールの説明をいたします!」

ソニア「皆さんには今から、空港の一室に設けたゴールを目指していただきます!
    スタートは3分おきに一人ずつ ゴールはこちらの地図に明記してあります
    道中は一切の照明が切られている為、各自こちらの懐中電灯をお使いいただきます――そして、この肝試しの特別ルールとして――」

ソニア「ゴールに至った方々はすぐさま“お化け役”に扮していただき
    ゴールしていない方々を妨害する役に回ってもらいます!」

ソニア「では、こちらのクジを引いて下さい 出発する順番はコレで決定していただきます!」

左右田「……クジといったら、お前だよな」

狛枝「あははっ、不安を煽ったなら申し訳ないけどね
   さすがに下準備も計算も兼ねてない運頼みで、コロシアイを誘発させるのはボクの性分じゃないよ」

ソニア「その通りです! 狛枝さんをお誘いしたのはをついさっきですし
    この空港の中で遊ぶ許可をモノクマさんに頂いたのも、ほんの一時間前なのですよ!」

七海「じゃあ問題なさそうだね 先にクジ引きまーす」


【結果】 1 狛枝 2罪木 3澪田 4九頭龍 5田中
     6七海 7日向 8西園寺 9終里 10左右田


田中「とある国では忌ましき数とされているNo.5……これも宿命か……」

澪田「うっきゃー! 3すかー! まぁイイっす!
   “ライブも3曲目からが本番”って、昔の偉い人がボトルメールに書き綴って
   砂漠に埋めたと伝わってるっすから!」 ※伝わってません

終里「機内食うめぇ」

西園寺「ど、どこから持ってきたのさ!」

スーダンスレか

九頭龍「4ね、まぁ悪くねーな」

罪木「うゆぅ……お化け役が少ないのは嬉しいですう」

七海「……ネムネム」

日向(7か……我ながら凡庸(ぼんよう)だな)

左右田「日向ぁああ」

日向「うわぁ!? なに泣いてるんだよ!」

左右田「クジがぁあ ヒデェんだよクジがぁあ」

日向「何でだよ、最後だからか?」

左右田「そんなんじゃねーよ! み、耳貸せ――ソニアさんはクジを引かなかった
    つまり参加しないって事だろ」

日向「みたいだな」

左右田「参加してないソニアさんに近づくには、オレも参加してない状態になるのが一番だろ
    それは出来れば早い方がいい つまりオレは早くゴールがしたいんだ」

日向「なるほど、そういう考え方もあるか――分かった、じゃあ交換しよう
   オレの7番でいいならな」

左右田「マジか! ヤッホォォイ! 恩にきるぜ!
    これが終わったら好きなもん造ってやるよ!」

ソニア「静粛に! では今この時をもって、超高校級の肝試しを開催いたします!」

ソニア「私は一足先にゴールで待機していますので、皆さん頑張りましょう!」

狛枝「ボクが一番みたいだね バイバイ日向クン、先に失礼するよ」
 
 ―3分後―

罪木「い、行ってきまぁす……」

西園寺「あっそ、もう帰ってこなくていいからねー」

罪木「お、お化けにさらわれるのは嫌ですぅう!」

 ―3分後―

澪田「ヒャッハー! お化けさーん出てらっしゃーい! 唯吹とセッションするっすよー!」

七海「……怖い気分でいる人には幽霊が近づきやすい、ってよく聞くけどさ
   怖い歌を暗い声で歌う人を見かけたら、幽霊はどうするんだろ」

田中「よもやあの歌“君にも届け”とは、降霊術の一種であるまいな
   キレイな顔をしておぞましい女よ」

左右田「それにしても、案外みんな声とか出さなくね?
    罪木なんかすぐ叫びだしそうな様子だったのによ」

日向「確かにな」

モノクマ「それにはボクがお答えしましょう!」

九頭龍「けっ、やっぱ出やがったか」

モノクマ「オマエラあるとこボクがあり、オモシロあるとこボクがあるのよね!
     というわけで説明するけど、この空港のロビー内には簡易的な防音設備が施されているんです
     つまり、廊下から先で発生する音の一切を、ここまで漏らさず遮断する作りになってんすなぁ」

モノクマ「え? 壁がない? バリバリ吹き抜けてる? こまけぇことは気にすんな
     そんじゃまったねー」

終里「なるほどなー、オニギリみたいなもんか」

左右田「おまえ絶対きいてないだろ!」

 ―二十分後―


日向「いよいよオレの番か」

日向「懐中電灯は……よし、ついた」

日向(みんなは、この肝試しに自分の……想いの進退を賭けている)

日向(オレ自身、何をしたくてこの場所に来たのか
   その答えはまだ無いけれど)

日向(答えを見つけ出すために努力することは出来るはずだ)

日向「よし、行くぞ」


 《超高校級の???》日向創 肝試し――開始

 NightTime 空港内廊下


日向(職員用の通路みたいだな、人が3人ならんで通れるかどうかの狭い道が続いてる)

終里「日向ぁああああああッ!」

日向「ひゅ!?」

終里「【お化け役】として来たぜ! さぁ【オレと戦え】!」

日向「そ、それは違うぞ! お前が出発したのはオレの三分前のはずだろ! まだゴールもしてないのに、お化け役になれるわけ――」

終里「あー、ソニアも驚いてたな ホントは片道20分くらいかけなきゃ、ゴールには辿り着けないんだってよ」

終里「ワリーな日向 鼻とスピードに頼ったらすぐ着いちった」

日向(ゴールに着いたとしてもここ入り口付近だぞ!? 往復すんの速すぎだろアホか!)

終里「聞きたいことはそんだけか? じゃあ俺と戦――」

日向「もっ、もうちょっと! もうちょっとだけ待ってくれ!
   俺と戦えっていうのはその……そうだよ! 一体なんの意味があるのか聞かせてくれ!」

終里「弐大のオッサンから聞いたんだけどよ、オメーもなかなかイイ身体のバネ持ってるらしいじゃねーか」

終里「いちど戦ってみたいと思ってたんだよ! 【殴り合いでバトって】な!」

日向「それは違う! 絶対違うぞ! なんでお化けが肉弾戦を迫ってくるんだよ!
   古きよき肝試しの定義を何だと思ってるんだ!」

終里「オレはストレートなんだよ」

日向「ストレートさせるベクトルがおかしいだろ!
   仮にもお化けなら、仮装とか心理に働きかける形でストレートしろよ!」

終里「うるせぇええ! 来ねぇならこっちから行くぞぉおお!」

日向(き、来た! に――逃げ道は、駄目だ……! こんな直線ばかりの道で、終里をかわし続けるなんて絶対に無理だ
   なら――)

日向「この部屋に逃げ込む!」

終里「なっ!」


 NightTime 空港内 更衣室


日向(よし、鍵は閉めた)

 ウラァアアアア! アケロォオオ!

日向(ヒィイイイイイ! 何だよコレ!
   何でオレだけバケモノに追跡される脱出ゲームしてんだよ! これもう別次元の恐怖だろ!)

日向「と、とりあえずこのロッカーを押して、ドアを完全に封鎖だ――よし」

 ――ピンポンパンポーン

日向「わぁああああ!?」

日向(館内放送!? モノクマの機械からじゃない、この空港の中のモノか?)

 ――マイクチェックマイクチェック、さぁ記念すべき第10回目
   本当にあった(狛枝)の怖い話だよ

日向(狛枝!? っていうか有りなのかコレ!? お化けって直接目の前にでてくるだけじゃねーの!?)

――あくる夏の日、喉が乾いたボクは
   自動販売機で一本のジュースに目をつけて硬貨を投入した

 ――そして目当ての購入ボタンを押すと あぁ、やっとボクはこの茹だるような不快感から解放されるんだと、喜んだ覚えがある

 ――だけど、ボタンを何度押しても、ジュースは落ちてこなかった
   売り切れかと諦めて、試しに別のボタンを押しても同じ
   いっそ熱い飲み物でもいいかと押しても、また同じ

 ――全てのボタンを押しきってやっと気付いたんだ この自販機の飲料は全て売り切れていたんだと

 ――いや故障かも そう勘ぐったボクは、最寄りのもう一台に手を這わせて
   さっきと同様の行程を繰り返した でも、すべからく同じ結果が訪れただけ
   その自販機からは飲み物の一切が排出されなかった

 ――仕方ないから徒歩十分で着くコンビニに足を運んだ
   だけど、そこにもジュースはなかった 水もお茶もお酒も何もかも

 ――何故なにもないのかと、疑問をぶつける相手を探すために、ぼくらは辺りを見回した
   でもレジには誰もいない、いつもは一人二人は目につく来客者が、今日に限ってはどこにもいない

――仕方ないとボクはコンビニを出て、近くの公園の水を蛇口をひねった、何も出ない

 ――なかば諦めながら隣町のデパートまで歩いた、何もない誰もいない何も出ない

 ――正常な判断が失われた脱水状態でめまいがする喉が乾く壁に背をあずけて
   頭を一度振り、乱雑に入り乱れるワードを正しながら、ボクはこういう結論に至った

 ――ボクはこのまま死んでしまうかも、なんて結論に

 ――せめて最後のあがきにと、朦朧とした意識のなかで救急車を呼ぼうと、携帯でコールしても駄目

 ――そして、そこで意識が途絶えた

 ――目を覚ますとそこはボクの部屋だった

 ――自分の汗で濡れたシーツから跳ね起き、すぐさまテレビをつけると
   朝のニュースがやっていた 人がいた さっきのあれは夢だったという安心感がどっと押し寄せてくる

 ――ボクは今朝の支度を終えて登校しようと外に出た そして、目的をもって自販機の前にたった

 ――ボクの考えが正しければ、とボクはボタンを押す
 自販機はガタンという音を鳴らしてジュースを吐き出した

 ――お釣りがでてくると同時に、ルーレットのような電子音がなり始めた
 オマケの抽選を行う電子音が自販機からでた音だ

 ――アタリ ジュースがもう一本吐き出されたと思えば、再び抽選が始まる
 普通は一回で打ち止められるはずなのに、そしてまたアタリ

 ――ジュースが出るアタリジュースが出るアタリアタリジュースジュースアタリジュース
   アタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリ
   アタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリ

 ――ボクの足元はいつしか、今朝みた夢とは逆の有り様
   一人の身には有りあまる飲み物だらけになったんだ

 ――ここまで言えば分かるよね?

 ――アハハハハッ! そうだよ! 現実はもちろん夢の中でさえ、ボクは自分の才能に縛られ続けなくちゃならないってことなんだ……

 ――でも良いんだ……いくらボクが夜な夜な不運な悪夢に苛まれても、キミたちの希望が潰えるわけじゃないんだから!

 ――アハハハハハハハハハハッ! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!

 ――ブツンッ


日向「……」

日向「結局お前が怖いだけの話じゃないか!」

 アケロォオオオ!

日向「ヒィ! お、お前だけじゃないな、超高校級みんな怖い!」 七海「やっほー」

日向「また出たぁあああ! あ、あ……
   って、七海……? いつからここに」

七海「最初から居たってばよ というわけでハイ」

日向「へ? これは携帯ゲーム機?」

七海「ん、いちおう私もお化け役の義務を果たさなきゃだからさ
   日向くんにはホラーゲームで怖がってもらおうかなと思って」

日向「……やらなきゃ駄目?」

七海「うん でもやってくれれば、この肝だめしの攻略法を私から伝授するよ」

日向(攻略法が必要な肝だめしって一体……)

七海「クリアまで頑張ってね」

日向「クリアすんの!? このゲーム昔やった時、12時間かかったぞ!?」

七海「大丈夫 私の言う通りにやれば、一時間もハンドガンもいらないよ」

七海「指差しでナビするから、ほら、スタートして」

日向「な、七海っ近ひっ!」

七海「む、離れられると困るから腕組むね ほらほら」

日向(胸が当たってるるるるる――)

 ―二十分後―


七海「よく出来ました」

日向「マジでクリア出来ちまった……」

七海「じゃあ行こう? このダストシュートから一階に降りれるはずだから」

日向「あぁ、って七海もいくのか!? お化け役は!?」

七海「只今をもって、お役御免になりました」

日向「自由な奴だよ相変わらず、じゃあ行くか」

七海「うん」

日向「よっと」

七海「うんしょ」

日向「これで終里はまけたな アイツの頭じゃ、あそこから移動するなんて選択肢は思いつかないはずだ」

七海「でもそうなると、あの通路以外の道を経由して、ゴールの管制塔
   その五階にある主要管制室を目指さなくちゃならなくなるね」

日向「どうだ、行けるか?」

七海「モチロン、一度ここから空港の外に出て
   管制塔まで歩くのが手っ取り早いはずだよ」

日向「まさに離れ技、いや裏技だな よし、案内を頼むぜ七海」

七海「うん、じゃあ行こう」

 NightTime 管制塔第一階


日向(一階は飛行機ひとつ格納できそうな、広い空間になっているみたいだ)

日向「誰もいない、よな」

澪田「そうはいかんざき!」

日向「うわぁああああ! マイク音声、またアナウンスか!?」

七海「違うよ日向くん、こっちに簡易的なライブステージがある」

田中「またせたな! 真打ちの登場だ!」

日向「ステージにスポットライトが、くっ……何をする気だ田中!」

田中「『何をする気だ田中』 ふっ、イイセリフだな」

日向「……」

田中「だがセッションの時はこれからだ! 覚悟せよ貴様ら!」

澪田「じゃあ久しぶりいっくよーみんなー! 君にも届け!
   withガンダムちゃんと破壊神暗黒四天王!」

日向「ヤ、ヤバい! 早く行くぞ七海!」

七海「あいあいさー」

日向(ぐっああああっ! あの歌詞が一つ一つが耳に届く度に、足が鉛のように重くなる……!)

日向(元々が呪いのような歌詞だったが、田中の入れ知恵で刷り込まれた黒魔術の術式により、その力を増幅させているのか!)

日向「も――駄目、だ……い識g遠n……く」

日向「……な、な――み」

 ??? ????


日向「ここは――? 真っ暗で、まるで宇宙みたいで……」

??「少しは想定外の出来事が起きてオモシロイと思っていましたが
   このままアナタに死なれては、彼女を復活するためのプランに過度な支障をきたすかもしれない」

日向「お前は……?」

??「まぁいいでしょう このまま朽ちていくのは、何よりもツマラナイ
   少しだけ力をお貸ししますよ」

神座「私の名は神座、神座出流 もっともアナタが目覚める頃には全て忘れているでしょうが、あぁ……
   ツマラナイ」

 NightTime  空港内 管制塔第一階


七海「ひ、日向くん……! 起きて日向くん……!」

日向「はい」

七海「日向くん! 大丈夫……?」

日向「はい」

七海「……日向、くん? だよね?」

日向「七海さん、身体を楽にしてください」

七海「……キミは、誰?」

日向「さぁ? 少なくとも今は、“超高校級のマネージャー”でしょうか
   この場を脱するための急ごしらえの才能ですが
   ……一時的にアナタの身体能力を上げます その隙に逃げましょう」

七海「……キミは――んっ」

 NightTime 管制塔第二階


日向「――ん? あれ、七海? ここは……俺たちは確か田中達に」

七海「私達がいるのは管制塔の二階になるのかな
   ついでに、日向くんの頭があるのは私の膝の上になるね」

日向「……わぁ!? いやあのその……スマン」

七海「ううん、別に平気……」

七海「……じー」

日向「な、何だよ オレの顔になんか付いてるか?」

七海「ううん、別に平気……と思うよ?」

日向「顔を見られて合否を問われると傷つくな……」

日向「それより、七海がオレをここまで運んでくれたのか? 意外と力持ちなんだな」

七海「……」

日向「……七海?」

七海「うーん、ゲームキューブの取っ手を握ってきた成果が、ここに出たのかも」

日向「あははっ、力こぶまったく出てないぞ……まぁ、ありがとな」

七海「どういたしまして じゃあ行こっか この廊下をまっすぐ行けば、三階へ続く階段があるはずだよ」

日向「作りは終里に追われた廊下に似てるな よし」

七海「……」

 NightTime 管制塔第三階


西園寺「わぁあああああああああああん! 怖いよぉお!」

七海「この声は」

日向「西園寺か!」

西園寺「おにぃい!」

日向「うぐっ……熱烈なタックルだな」

西園寺「おにぃー……怖かったよー……」

日向「あ、あぁ、そうか……?」

西園寺「まだ怖いよーそっちの部屋で休ませてほしいよー」

日向「そ、そうだよな 西園寺にだって怖いモノもあるよな じゃあ俺達がここに居てやるから、お前一人で――」

西園寺「だっこ」

日向「は?」

西園寺「もう歩けない動けない! 私の奴隷なら働け馬車馬のように!」

日向「わ、分かったよ これでいいか?」

西園寺「わーい、だっこだだっこだー!」

七海「……じゃあ私はここで待ってるから、早く戻ってきてね」

日向「あ、あぁ」

西園寺「ほら進め 早くしろよ地味おにぃ」

日向(ム……ムカつく)


 NightTime 管制塔第三階 会議室


西園寺「わーいありがとー日向おにぃー」

西園寺「じゃあしよっか」

日向「する? ってなに鍵しめて服を脱いでんだぁああああ!」

西園寺「男女が裸ですることなんて一つしかないと思うけど?」

日向「人を公共施設で全裸になる変態みたいに言うな!」

西園寺「大丈夫だよー、今からイヤでも変態になるんだからさー」

日向「お前ってそんなキャラだったか!?」

パンツあげた

日向(ヤるのか? ヤっていいのかオレ! でも相手はこんなに小さくて……ゴクリ
   いや、でも高校生同士なら見た目がどうであろうと合法だよな だからいいんだよな?
   いつ死ぬか分からない修学旅行なんだから、少しくらいハメてもじゃなくてハメを外してもいいんだよな?
   オレはまだイキたいべ! 西園寺の[ピー]を開きたいべ!
   オレにも【子供】を作れるんじゃなくて【未来】は創れるんだよな七海ぃいいい!)

西園寺「日向おにぃの種を、わ、わたしの中に仕込んで欲しいな」

日向(いや待てオレ 今までオレは頭で、西園寺がお化け役ではないという前提でロジックを組んでいた
   だがもし仮に、西園寺がすでにゴールしていてお化け役だったとしたら
   この状況は、先程までとは正反対の有り様として見えてくる!)

日向(性行為に恐怖はない あるとすればその後、残る現実 プチプチした女の子を犯した結果のみが残る)

日向「そうか分かったぞ!」

日向「西園寺」

西園寺「え?」

日向「そうはいかない オレはまだ、恐怖に落ちるわけにはいかない
   だから――ゴメン!」

西園寺「おにぃ! 日向おにぃ!」

西園寺「グスッ、おにぃの馬鹿……」


 NightTime 管制塔第三階


七海「あらら、意外に早く帰ってきたね」

日向「あぁ……七海……ハニートラップって怖いな……」

七海「よしよし」

 NightTime  管制塔第四階


九頭龍「よぉ待ってたぜ」

日向「九頭龍か」

九頭龍「良い目してんじゃねえか どんな修羅場を越えてきたんだか」

日向「さあな、それでお前は何を見せてくれるんだ」

九頭龍「あぁ、オレは今から腹を切るぜ」

日向「そうか」

九頭龍「都市伝説なんてのはえてして理不尽なモンだ
    口裂け女が迫る選択肢とかがいい例だな」

九頭龍「そして、オレの切腹を止めようとしねえ奴には――」

九頭龍「オレに腹を切られてもらう」

 NightTime 管制塔第五階


九頭龍「待てやコラァ!」

日向「怖い怖い怖いい!」

七海「さっきまでの威勢はどこに?」

日向「だってアイツ目がマジだぞ! 走るの意外に速いしさぁああ!」

七海「まぁまぁもうすぐゴールだよ そこの廊下を右に曲がれば――
   ……あれ? 左から誰か――」

罪木「ひーなたーさーん」

日向「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

罪木「まってくださいよぉーわたしもまだごーるしてないんですぅー」

日向「嘘つけ! そんなあからさまな包帯な巻き方してるやつが、お化け以外に有り得るかぁああああああああ!」

 超高校級の凡人(仮)であるオレは、超高校級の物理的恐怖から逃げおおせ
 超高校級の精神的恐怖をも華麗にスルーし

 超高校級のおっぱいとホラーゲームを味わいながらも、超高校級の音楽祭でおののきながら立ち上がり

 超高校級の性犯罪者という烙印を押される恐怖から脱し、今は超高校級の腹切りボーイと包帯女の恐怖から逃げている最中だ 左右田は知らん

 そして今まさに、全ての超高校級の恐怖から脱する為のドアノブに手をかけた

 これはまさしく、希望へと続くドアノブ――。



??「うぷぷぷ……甘いよ、激甘だよ日向クン
   このボクの目の前で希望に手をかけようなんて――」

モノクマ「甘いんじゃないかなぁ! うぷぷ、うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」

――キンコンカンコーン わざわざ自分から肝試しなんてモノを開催する
   怖がり足りないオマエラのためにこのボク、モノクマ学園長が用意したサプライズプレゼントを放送しまーす!

 ――まぁただ単に今日録りたての、とある音声を流すだけなんだけど
   うぷぷぷ、ではお聞き下さーい


 ――「で、日向クンの好きな子は誰なの? 当然いるんでしょ?

 ――「い、言わないからな!」

 ――「まぁ何となく分かってるからいいけど、七海サンっしょ?」

 ――「違う! な、七海は――横はねボイン」


日向「や、やめろ……!」


 ――「違う! な、七海は――横はねボイン」

 ――「違う! な、七海は――横はねボイン」


日向「リピートするなぁあモノクマァアアアアアアアアァアアアアアアアア!!!!!」


 ――追記、絶望的な恐怖も――だな

 ――一時間後 NightTime 空港ロビー


日向「」←虚無顔

左右田「お、おーい……大丈夫か日向」

日向「」←虚無顔

左右田「駄目だこりゃ……」

日向「」←虚無顔

七海「日向くん」

日向「ビクッ」

七海「大丈夫だよ みんな分かってるから、澪田さんが言うには
   音声を合成したような違和感もあるって言ってたしさ」

日向「……そう、なのか?」

左右田「まぁ、横はねボインってところは明らかに合成じゃnむぐく」

メカ弐大「黙っとれい!」

終里「あーあ、あの場所でずっと張ってても日向のやつ来なかったなぁ
   って、弐大のオッサンじゃねえか!」

罪木「よ、よく見た目で見分けましたねぇ」

メカ弐大「なにやら立て込んでたみたいじゃのう、あんまりインパクトのない登場になったが
   この通り、完全復活したぞぉ!」

七海「……ね? 今は喜ぼう? 探せば喜ぶべきことも、沢山あるはずだよ」

日向「七海……」

日向「あぁ、そうだな」

七海「ほら、あっちも多分、大丈夫」

田中「くっ、あまりの音波に二匹もの四天王が没してしまった……」

田中「これでは到底、【四天王は名乗れん】」

澪田「それは違うっす!」

田中「なに……?」

澪田「言ったじゃないっすか! 唯吹から見れば、四匹は八匹になるって
   ガンダムちゃんが望めば、唯吹がいつでも寄り目になって、ハムちゃん達を四天王にするっす」

澪田「だから、そんな悲しい事、言わないで欲しいっす……」

田中「ふ、ふっははははっ! たかが、に、人間ごときがッこのオレを慰めようなどとっ!」

終里「ネズミでも揚れば食えっかな」

田中「き、貴様、チャンPの亡骸に触れる……なん、だと!?」

チャンP「がおー」

終里「うわ! 動いたぞコイツ!」

九頭龍「もう一匹も息を吹き返したぜ!」

澪田「なんか唯吹の一世一代の名台詞がどこ吹く風っすねー!
   まぁ喜ぶべきことっすヒャッホー!」

田中「そんなことはない 誰が忘れようとも、この田中眼蛇夢は記憶しよう
   お前の言弾を 永遠にな」

澪田「ガ、ガンダムちゃん――」

七海「ね? 大丈夫なんだよ」

日向「あぁ」

西園寺「グスンそれで、日向おにぃってば鬼畜でさグスッ」

ソニア「さ、西園寺さんたら泣いてばかり、私も泣きたくなって――うぅ……」

左右田「だ、大丈夫! ソニアさんにはオレが――」

ソニア「黙りなさい!」 西園寺「黙れよこの短小!」

左右田「はいい! って西園寺に言われる筋合はねーよ!」

日向「……肝試しって最初に聞いたとき、あまりピンと来なかったけどさ」

日向「実際に仲人プレイばっかしてたオレが、この場にきても邪魔してしまうじゃないか
   とか思ってた」

七海「うん」

日向「でも今は違う 誰かの為じゃない、自分のためにここに居たいんだ」

七海「うん、それはどうして? 聞かせて欲しいな」

日向「あぁ、七海 オレは、お前のためにここにいたい そう思ってる」

日向「それは多分、オレは……オレはお前の事が 狛枝「横はねボイン」

狛枝「あはは、なんてね」

日向「狛枝ァアアアアアアアアアアアァアアアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


 怖がりっぱなしで、笑いっぱなしで、叫びっぱなしな夜の締めは結局、狛枝への飛びかかりをキッカケに訪れた

 七海のために、なんて言ったばかりだけど 七海からもう一度同じ問いかけをされても、同じ返答はもう出来そうにない

 ギターで俺たちを煽る澪田 何故か戦い始める弐大と終里
 なんだかソニアになつき始めた気配のする西園寺だって
 お化けの型に最もハマってた九頭龍や罪木が珍しく雑談してる姿さえも
 短小扱いされて落ち込む左右田に声をかける田中や
 加減したオレの蹴りをくらいながらちょっと嬉しそうな狛枝も含めて、そして何より
 とてもキレイに微笑んでいる七海――そんなみんなと

 ずっと一緒いたいから


おしまい

前例どおり次のスレタイ募集して寝ます! 寝るったら寝るよ!
 投票率が高いスレタイほどいろいろ期待値高いからね! 朝勃ち並っすよ! うぷぷ

 ヒヨコンシリーズ「後日談か前日譚」

 日向「モノクマ太極拳を極めたらスゴいことになった」

 日向「田中のパンツで七海のパンツを覆いながらする寝取られ風パンツオナがやめられない」

 神座「超高校級の妹になりたいのですが」 左右田「」


ではおやすみなさい

おつ

ヒヨコン

七海はビジュアルと声優がウリ…個人的に思っているので、SSだとメイン張ってもツマラナイ

太極拳で
あれ太極拳でどーこー出来る状況かよww乙

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