女「王道少女漫画の展開なんて期待しない」(15)

8月末

女「転校してきた女です、よろしくお願いします」ペコッ

担任「じゃあ女はあの席な」

女「はい」スタスタ


女(私は都会から田舎の高校に越してきた高校一年生の女)

女(都会では小学校からずっと好きな人がいたが、思いを伝えられないまま今に至る)

女(これでも恋に関する物事には已然やる気を出して取り組んできた)

女(そもそも今まで学校に行っていたのも好きな彼に会えるからだった)

女(だからこんな学校には正直行きたくもないしいく価値もない)

女(お母さんめ……私は絶対中退してやるからな……!)

女「」スワル


女(え?こういう場合隣になった席の男子がかっこよくて、恋が始まるって?)


女「………………」チラッ

眼鏡「………………」


女(眼鏡のロン毛男かよ、引きこもってパソコンいじってそうだな)

女(分かったか、世の中そんなに甘くないんだよ)

女(少女漫画なんて夢の世界だからね)

休み時間

ガール「ねーねー、女ちゃん!」

女『はいきた転校生に絡むが想像以上につまらない奴でガッカリして立ち去る女子』

女「なに?」

ガール「女ちゃんって、何かピカチュウみたい!」

女「……え?ピカチュウ?」

ガール「うん!」

女「そんなの、初めていわれたけど……?」

ガール「似てるよ~!」

女「どこが?」

ガール「可愛いところ!でもピチューの方がもっと似てるかなあ……」ウーン

女(なんだこの子)

女「でも、あなたの方がもっと可愛いよ」

ガール「そういうの、いらないから。」

女「!?ご、ごめん……」

ガール「………………」

茶髪女「おはよー!ガールちゃんは今日も可愛いねー」スタスタ

ガール「うるさい。」

茶髪女「はは、照れちゃってーもう!」パシパシ

ガール「黙れ。触るな。」

女(何この子……何なの!?普通に可愛いのに何か突然雰囲気変わった!?)

ガール「女ちゃん、わたしはガールだよ、仲良くしようね!」ニコッ

女(笑顔がより一層怖さを引き立ててるんですけど)

茶髪女「あたしは茶髪女!よろしく!あ、茶髪女でいいから」

女「ガールちゃんと茶髪女ね、よ、よろしくです」


女(明日には中退します、お母さん)

体育


ガール「女ちゃんはクラスでかっこいい人とかいる?」

女「え?いや特には」

茶髪女「隣の席、誰だっけ」

女「メガネ」

茶髪女「あー眼鏡か!ははは!」

ガール「眼鏡くんは優しいよ、隣、眼鏡くんでよかったね」

ガール「それに眼鏡くんは素直でいい人だよ」

茶髪女「ガールはやたらと眼鏡くん推すねぇ、好きなの?」

ガール「うーん、でも私ロン毛が生理的に無理なんだ」

女「分かります」

ガール「わかる?女ちゃんわかる!?」

女「はい」

茶髪女「男子の中でもぼっちだしな」

女「なるほどです」

ガール「あ、女ちゃんにひとつだけ忠告しておくね」

女「?」

ガール「同じクラスの爽男くんとツン男くんだけは狙わないほうがいいよ」

茶髪女「あー……あの二人ね」ウンウン

女「え?何故でしょうか」

ガール「爽男くんは爽やかで優しくて頭もよくてかっこいいし」

ガール「ツン男くんは照れ屋だけど男前でかっこいいし」

茶髪女「クラスでもいつも一緒にいるからイケメンペアとして女子の中でも人気」

ガール「もちろん、他のクラスの女子にもモテモテだよ」

ガール「でも……あの二人、実は……!」

「ガールちゃーん次試合だよー!」

ガール「わかったー!」

ガール「とにかく絶対だめだよ!あの二人だけは!」

ガール「傷つくのは自分なんだから……」ボソッ

女「うん……?頑張って」

ガール「ありがとーう!!!」タタタ

女(まあどうせ、彼女がいるとかそういうことだろうな)

女(だってそんな二人に彼女がいなかったらおかしいでしょ)

女(それに大丈夫、私の心の中には都会にいる彼しかいませんから//)

女「そういえばガールちゃんって……多重人格なの?」

茶髪女「え?違うけど何で!?」

女「いや……何だか突然口調やら態度やら変わるもので……」

茶髪女「あー……褒めると怒るよ」

女「何故なのでしょうか」

茶髪女「まあ……ガールは本当に思ったことしか言わないから安心して」

女「そうですか……いやそうじゃなくて」

茶髪女「ガール!ほらしっかりトスしろー!」

女(何なんだ)

 ー昼休みー

ガール「一緒に食べよ、女ちゃん!」

女「はい」

男「おいガール」

ガール「なにボーイ」

男「お前……太ったな」

ガール「ボーイ……痩せたね」

女(こいつ、女の子に対してのデリカシー無いなと思ったんだけど……)

男「しっかし相変わらずブスだなお前」

ガール「ありがとう、ボーイ」ニコッ

男「きも」

ガール「……いくらなんでもひどいよ!うああああああん!」ポロポロ

男「えっ、ああごめん……嘘だから泣くな」アセアセ

ガール「嘘とか最低、今すぐ立ち去れ。」

男「ほんと面倒くさい奴だなお前……」

男「あ、転校生、こいつに誉め言葉は無駄だからさ」

女「え?」

男「こいつ、お世辞が異常に嫌いなんだよ」ボソッ

女「へえ……」

女(私もお世辞が嫌いだから、ガールちゃんとは相性いいかも?)

ガール「はやく立ち去れ。」

男「嘘ついて悪かったな、でも……」

ガール「去れ。」

男「はいはい、じゃあな」スタスタ

ガール「あっ、ごめん女ちゃん!わたし職員室に行かないといけなかったんだ!」

女「そうなんだ……いってらっしゃい」

ガール「うん!」ダダダ


女(なんか疲れたなあ……さっきのやりとりもイマイチ分かんないし)

女(とりあえずガールちゃんを褒めるのはよくないってことか……)

女(……トイレ行こ)タタタ

女(男くんとガールちゃんも仲がいいのかよく分かんないなあ……ん?)


「ずっと好きでした……!だから、付き合ってください……///」

「……ごめん、気持ちは嬉しいけど俺、付き合ってるヤツいるから」


女(え、こ、告白!?しかも相手は確か同じクラスの爽男くんだ!)

女(本当にモテてるんだ、しかも彼女持ち……やっぱガールちゃんの言いたかったことはこのことだね)


「…………誰なんですか、彼女」

爽男「え……?誰って……」


女(あれ、何か困ってる?そんなに言いにくい彼女なのかな……)

コロコロ

女(ん?二人の間に野球ボールが転がってきた……?)


「悪い……邪魔したな」

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