勇者「魔王……?」魔王「いかにも」フフン (490)


勇者VS魔王

更新頻度まちまちです。

よくあるまおゆうなので
過度な期待をされても
応えられない気がするだけです。

投下していきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389377156

勇者「………………………」

魔王「不服かな?」

勇者「不服っ……ていうか、不満と言うか……」

魔王「何が気に入らんと言うのだ」

勇者「……俺はな、お前を打倒するために長い旅をして来たんだ」

魔王「知っている」

勇者「時には仲間を失い、時には別れ、時には裏切りられ……」ググッ

魔王「………」

勇者「それでも打倒魔王が俺の宿命だと信じて、一人になっても前に進んできたんだ」

魔王「………」

勇者「それなのにだ! いざ魔王城に来てみればだ!! お前、もう一度名を名乗れぇ!!」

魔王「魔王だ」クスクス

勇者「ウソつけぇぇぇ!? 頼むからウソだと言ってぇぇぇ!!」ギャァァァ

魔王「何が不満なんだ……紛れもなく、我は魔王なり。さぁ勇者よ、剣を取れ」ファサ

勇者「見た目、角としっぽが生えてるだけの黒髪美少女と戦えるかぁぁ!!」

魔王「なんだ勇者? 我の容姿が気に入らんのか?」シュン

勇者「あぁそうだ! もっと禍々しい姿を想像してたのに!! もっと憎々しい姿を想像してたのに!!! 可愛すぎんだろーがぁぁ!!」ジタンダ

魔王「か、かわいい……? そかな?」テレ

勇者「はっ!? そうか! それで油断させようってことだな!!」

魔王「え?」

勇者「さぁ、そうと分かれば! 正体を晒せ!! 本来の姿に戻れ! さぁ!! さぁさぁ!!」ズイッズイッ

魔王「えぇ? 近い近い///」カァァッ

勇者「危うく騙されるところだった……そうだ、俺はもう騙されない……騙されるものか……」ブツブツ

魔王「うぅ……///」ハズカシイ

◆◇◆◇

勇者「くっそ……どいつもこいつも……畜生が!」ブツブツ

魔王「こ、これで良いのか?///」

勇者「おぉっ変身が終わったか!! さぞや恐ろしい姿に……」クルッ

魔王「………う……生まれたままの姿だ///」マッパダカ

勇者 (ちっぱい…だと!?)

魔王「ゆ、勇者? これで我が魔王だと信じてくれたか?///」

勇者「服を着ろ。話はそのあとだ」タラーッ

魔王「あ、鼻血が……だいじょぶ?」テチテチ

勇者「うおおぁぁぁ!! 寄るな! 着ろォォォ!!」バサァ

魔王「わぷ! あ、私の服……それよりホントにだいじょぶ?」

勇者「問題ない。だから早めに頼む」ギュッギュッ

魔王「??」ワカッタ

シュルシュル パサ キュッキュッ


勇者「着たか?」ハナセン

魔王「うむ」

勇者「ホントーにだな?」

魔王「なぜそこを疑うのだ……」

勇者「よぅし………せーの」クルッ

魔王「さ、問題なかろう?」

魔王「人類と魔族の、永きに渡る下らぬ争いに雌雄を決しよう」チャキッ

勇者「………あぁ………」

魔王「……」

勇者「………………」

魔王「……なぜ構えぬ?」

勇者「その前に聞かせてくれ」

魔王「む?」

勇者「なんだそれは」

魔王「う?」

勇者「それだそれ。そのかわいいお手てに握られた存在感の薄い棒っこだ」

魔王「ひのきのぼうだが///」マタ カワイイッテ イッタ

勇者「はぁぁぁぁ………」クラ

魔王「酷くないか?! なんだその溜め息は!!」プンプン

勇者「魔王のくせになんだその武器はぁぁ!!」ガチャーン

魔王「お、おい、自分の剣は大事に扱ったほうが……」

勇者「血の滴る鎌とか! 骸骨の付いた杖とか!! 竜族よりヤバそうな爪とか!! そう言った感じのはないのか!?」ジタンダ

魔王「重いし……骸骨とか怖い、から……///」カァァ

勇者「魔王だろ!?」

魔王「いかにも」フンス

勇者「威厳がねぇ………」

勇者「現時点では、お前を魔王だなんて認めない」

魔王「………(工△工;)」

勇者「そんな、『なに言ってんのこの人』みたいに見られてもな」

魔王「だぁって………」

勇者「そこにある俺の剣を見ろ」

魔王「う、うん……」チャッ

勇者「それが先祖代々より伝わる、勇者の剣だ。幾度となく魔王との戦いに振るわれてきたんだ」

魔王「先代魔王はこれにやられたのか……」シミジミ

勇者「なのに……それなのに、お前は……っ! ひのきの、ぼう……っ!!」グヌヌ

魔王「えと……なんかごめんね?」

勇者「貴様は武力近接タイプではないと判断した。そのひのきのぼうも、つ……杖として見れば良い……そう、それでいい」

魔王「まぁ……(自分を言い聞かせないと納得しきれないのかな)」

勇者「魔法はどうなんだ?」

魔王「フフッ、得意だな」

勇者「ほう? ならば見せろ」

魔王「クスクス……驚くなよ?」ゴアッ

勇者「………っ!! (凄まじい魔力だ……)」ググッ

魔王「生活に便利な呪文」

魔王「側近を呼び出す方法」ユビペチッ

側近「お呼びですか、魔王さま」シュッ

勇者「………………」

魔王「………」チラッ

側近「ふむ? (勇者様がいらっしゃるのですね把握)」

勇者「………………それでおしまいか?」

魔王「えっ? えと、ちょっと待って」アセアセ

側近「魔王さま、こういうのは……」ゴニョゴニョ

勇者「相談は終わったか?」

魔王「フッフフフ……なかなか納得しないお主もびっくりな魔法を見せよう!!」ズオッ

勇者「………」バタバタバタバタ

勇者 (室内に暴風が荒れるほど凄い威圧感なのに……)ハァ

魔王「生活に便利な呪文」

魔王「四天王、ちょっと来て」ゴッ

側近「キャー♪ かっこかわいいです魔王さまー♪」パチパチパチ

勇者「…………また生活に便利な呪文か」

魔王 (ここで、それらしく振る舞えば…!)

魔王「火の三角、水の三角、風の三角、土の三角!」ゴゴゴゴゴ…

側近 (そうです! いかにも呪文ぽく演出すればいかに勇者様とて魔王さまを認めざる得ない!!)

魔王「力のディメティア、大いなる六道を以て遥かなる地より我がも」ガリッ

勇者「………」

魔王「………」

勇者「………」

魔王「………」ウルウル

勇者「……あっ、と……大丈夫か?」

側近「申し訳ありません魔王ァァァァ!!」ダパー

勇者「何でお前が泣いてんだよ」

魔王「ごえんえ……ひっぱいひひゃっは……」ウルウル

側近「謝るのは私の方です! あぁおいたわしや!! こんなことになるとはぁぁ!!」

火王「だっ、大丈夫なのか魔王!!」ボウッ

水王「あぁぁ……痛かったね、すぐに治してあげるからね」ザバァ

土王「痛いの痛いの……飛んでけ……」ドゴォ

風王「クッソォ! スタンバってないでさっさと出てくればよかったよ!」ビュゥゥ

魔王「ごえんぇ……」グスグス

勇者「なんだこれ」

魔王「うぅー………」ウルウル

側近「貴様らァァァァ! 魔王さまに傷を残すわけにはいかない!! 全力でやれぇぇぇ!!」

四天王「オオォォォォ!!!」

勇者「たかが舌を噛んだだけだろう?」

側近「ゴルァ! 魔力が枯渇するほど絞り出せやァ!!」

火王「グオオォォォォッ!!」

水王「ハァァアアアアアッ!」

側近「それでも四天王かキサマらぁぁッ!!!」

土王「………!!」ギリギリギリ

風王「ズァァァァッ!!」

勇者「あー……まぁ、終わったら呼んで?」

側近「魔力! 全!! 開!!」ドンッ

火王「浄化の炎よ!」バオォッ

水王「慈愛の水よ!」ザバァ

土王「庇護の土よ…」ドゴォ

風王「友愛の風よ!」ビュゥゥ

魔王軍『癒しの力を!!』

魔王軍『極! 回復呪文!!』カッ


側近「どどどうですか魔王さま??」オロオロ

魔王「うん……ありがとう、みんな♪」ニコ

水王「ほんと? ほら見せて」ナデナデ

魔王「」ベー

風王「うん」

土王「傷は残ってない……」

勇者 (甘すぎるくらい溺愛してる)

魔王「待たせたな、勇者」

勇者「あぁ……本当に待ったわ」ゲンナリ

魔王「さぁ、これでもまだ我と戦わないつもりか?」

勇者「なんつーか……余計にやる気が削がれたんだが」

火王「わざわざ魔王さまが出るまでもない」ザッ

水王「うふ、私たちだけで充分よ」ザッ

土王「魔王さまを仇なす敵は……」ザッ

風王「我らが四天王が相手をしてくれる!!」

勇者「!!」チャキッ

魔王「これでも我は魔王。皆は見ているが良い」

魔王「それに……さっきので魔力がほとんどないでしょう?」

勇者 (本気で魔力を使い切ったのか)ゲンナリ

火王「なんと……我らの身を案じてくださるとは…」クッ

側近「退がれ四天王。魔王さま自らが戦闘を所望だ」

四天王「はっ!」

勇者「んぁ……本当にやるのか?」

魔王「この期に及んで怖じ気づいたか……勇者の名が聞いて呆れる」クスクス

勇者「口だけは達者だな……」イラッ

魔王「口だけではないことを証明しよう」クスクス

勇者「手加減はしねぇぞ……っ!」ドンッ

側近「さすがは勇者……速い!!」

勇者「喰らえっ! 火炎ぎr」魔王「えいやー」ヒュッ

ゴキッ

勇者「ぐあぁっ!!」ゴロゴロゴロ

魔王「フフ」

勇者「痛ー……!! おい! それ本当にひのきのぼうか!? トロールの棍棒より効いたぞ!」サスサス

魔王「えいやー」ゴキッ

勇者「ぐあぁっ!!!!」

魔王「えいやー」ゴキッ

勇者「ちょ! 待!!」

魔王「えいやー」ゴキッ

勇者「ひぎぃ!!」

魔王「えいやー」ゴキッ

エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ エイヤー ゴキッ

勇者「」ピクピク ピクッ

魔王「ふう……」


勇者「この、野郎……!!」グググ…

魔王「弱い、ね? 勇者」

勇者「」ガーン

魔王「やめよ? 弱い者イジメみたいでイヤだから……」

勇者「」バタ

魔王「あれ? 勇者? 勇者?」

側近「うぅ敵を気遣える優しさ……立派に成長なされて……」ウルウル

火王「くっ……目から鼻水が……」

水王「共に喜びましょう。魔王さまの成長を」グスグス

土王「……」グスグス

風王「よしよし」ウルウル

勇者「」



魔王「大丈夫? 勇者」

勇者「今までの旅はなんだったんだ……」

魔王「ガンバったね」ナデナデ

勇者「……(魔王に同情され、頭を撫でられる勇者は俺くらいだろうな……)」ナデラレ

魔王「ちょっと強くやり過ぎた?」

勇者 (仲間には裏切られ、魔王には敵わず……)

魔王「よしよし」ナデナデ

勇者「俺の存在価値ってなんだったんだ……」グス

魔王「よ、よかったら話くらい聞くけど?」

側近「期待! 期待されてますよ、魔王さま!!」

魔王「うれしい…がんばる///」フンス

勇者「ふざけろ! がんばるのは俺だろうが!」

側近「はーん? 弱っちいくせに何を仰いますかぁー?」

勇者「弱くない!!」

魔王「そうだね、勇者は弱くない」ナデナデ

勇者「………」グヌヌ


ー始まりの町ー

王「勇者よ、よく来てくれた」

王「再び魔王がこの世に目覚め、我が軍は進行してくる魔王軍に押されつつある」

王「だが、もはや恐れるものではない! 我々の元には勇者が表れた!!」

勇者「はっ」

王「頼む……人びとの平和を守ってくれ……」

勇者「お任せください王よ。必ずや魔王を討ち取ってみせます」

王「長く苦しい旅になるやもしれん……頼んだぞ」

勇者「はい!」

大臣「少ないがこれを旅の資金の足しにしてくれ」チャリ

勇者「……ありがとうございます」

勇者 (500Gって……ほとんど無いに等しいな)

大臣「勇者の出立だ!!」

ワァァァ!


ー始まりの町ー

王「勇者よ、よく来てくれた」

王「再び魔王がこの世に目覚め、我が軍は進行してくる魔王軍に押されつつある」

王「だが、もはや恐れるものではない! 我々の元には勇者が表れた!!」

勇者「はっ」

王「頼む……人びとの平和を守ってくれ……」

勇者「お任せください王よ。必ずや魔王を討ち取ってみせます」

王「長く苦しい旅になるやもしれん……頼んだぞ」

勇者「はい!」

大臣「少ないがこれを旅の資金の足しにしてくれ」チャリ

勇者「……ありがとうございます」

勇者 (500Gって……ほとんど無いに等しいな)

大臣「勇者の出立だ!!」

ワァァァ!


勇者「ロックがかかったから連投してみればコレだよ……」

魔王「まぁ、しかたないよ」

側近「そういうコトもあるんです。せっかく見てくださっている皆様にゴメンナサイして続きと行こうじゃありませんか」

勇者「くっ……これから気を付けるが、また同じようなことがあってもどうか見逃してくれ……」

側近「そこで土下座でしょう? 見てくださる皆様に悪いと思わないのですか?」ハァ

勇者「……………」

魔王「だ、大丈夫じゃないかな? にやにやしてくれてる人もいるんだし」

側近「甘やかしてはいけませんよ、魔王さま。ここは厳しく……」

魔王「でも……」

勇者「どうもすみませんでしたァァァァァ!!!」ドゲザァ

側近「うわぁ……本気でしましたよ、あの人」

魔王「こら、側近!?」

勇者「どうか暖かく見守ってくださいィィィ!!!」ドゲザァ

>>1「本当、すみません」ドゲザァ

勇者「宿なんかに泊まれないから、開始直後から野宿の日々……だったな……」シミジミ

魔王「……」

側近 (うわ……思ってたより悲惨)

四天王 (……すでに泣けてきた)

勇者「そして旅立つために仲間を募った酒場……」

勇者「ここなら共に苦楽を歩める仲間ができるだろうか」

カラコロカラン ザワザワ ザワ…

勇者 (活気のある店だ。これなら……)

店主「いらっしゃい。何を飲む?」

勇者「いや、今日は飲みに来たんじゃないんだ」

店主「へぇ……じゃあ何しにきたんだい?」

勇者「魔王討伐のために、仲間がほしいんだ」

店主「へぇ! んじゃあんたが勇者かい?」

勇者「あぁ。それで良さそうな奴はいるか?」

店主「フフ、そう言うのは自分の口で口説かなきゃね」

勇者「それもそうだな」キョロキョロ

戦士「オラオラ! 腕に自信がある奴はいないのか?! 俺が相手をするぜ!!」

勇者「良さそうな男だ。よし……」ツカツカツカ


戦士「ん? なんだい兄ちゃん、お前が挑戦するってか?」

勇者「あぁ、俺が勝ったら魔王討伐のために仲間になってくれ」

戦士「魔王討伐だぁー?」

勇者「そうだ」

戦士「ガァーッハッハッハ!! こいつぁおもしろい! 魔王を倒すか!!」

戦士「だがな、俺は俺より弱い奴の下につくなんざごめんだ。わかってるんだろうな?」

勇者「もちろんだ。そんな生半可な覚悟と力量じゃ魔王討伐なんて夢のまた夢」

戦士「よく言った! さぁかかって来い!!」

勇者「はぁぁぁぁ!!」


魔王「それで、それで?」ドキドキワクワク

勇者「戦士とは互角だった。強く豪快で、誰よりも優しく……」

魔王「うんうん♪」

側近「魔王さまがはしゃいでおられる」ジーン

水王「立場上、おいそれとお出掛けもできませんからね………」ホロリ


勇者「くっ……なんと言う怪力……!!」ハァハァ

戦士「俺の豪腕を受けて尚、立っている奴はお前が初めてだぜ……」ハァハァ

勇者「ぐっ……! こうなったら!!」ググッ

戦士「気に入った! お前の仲間になってやろう!!」

勇者「うぇ?」ガクッ

戦士「なんだ呆けた面しやがって?」

勇者「い、いいのか?」

戦士「おうよ! これからよろしく頼むぜ兄弟ィ!!」バンバン

勇者「痛っ! 痛い! そ、そうか頼むよ。戦士がいるなら前衛は心強い」ヒリヒリ

戦士「ガッハッハ!」

勇者「戦士を仲間にした俺は、次に後衛の要、魔法使いと僧侶を探した」

魔王「ほうほう」ドキドキワクワク

側近「無邪気な魔王さまかわいい」ハァハァ

火王「そんな空気じゃないだろ、さすがに」


勇者「他に必要な人材は……魔法使いに僧侶だな」

戦士「勇者、俺も旅の支度をしてくるから町の入口で落ち合おう」

勇者「わかった。また後でな」

勇者「……さて、じゃあまずは魔法使いから」キョロキョロ

魔法使いヘ「そこでよぉ、俺の魔法で一掃! 大将を取られた敵は逃げる逃げるw」ギャハハハ

魔法使いタ「マジかよ」

魔法使いレ「スゲー!」

勇者「ほう……」ツカツカツカ

魔法使いヘ「まぁ俺って天才魔導師?ってやつだから」ギャハハハ

勇者「それなら申し分ないな」

魔法使いヘ「は? なんだお前」

勇者「俺は勇者だ。お前、天才なんだってな?」

魔法使いヘ「(ゆ、勇者!?)そ、そんな大層なお人が何の用だ?」ビクビク

勇者「魔王討伐に一緒に来てくれないか?」

魔法使いヘ「ままま魔王ゥゥゥ?!」

勇者「お前のその力が必要なんだ」

魔法使いヘ「(やべぇよ! そんなもんに連れていかれたら……)いててっ! ぐぁぁ痛ぇ! クソッ、この間の傷が開いちまった?! 」

勇者「ん、大丈夫か?」

魔法使いヘ「ス、スススマネェな勇者様よ! これじゃ足手まといだ! 他をあたってくれ!」スタコラサッサ

勇者「………」

魔法使いタレ「………」

勇者「………」チラ

魔法使いタレ「!」ビクッ

勇者「なぁキミら」

魔法使いタレ「だだ大丈夫か魔法使いヘ!」ダダダダダ

勇者「………」ハァ

魔王「なっさけなぁい! 何そいつら!」

勇者「まぁ、魔王討伐の旅はそれだけ厳しいってことだよな」

魔王「でもでも!」

勇者「いいんだ。人は臆病にもなる。だから俺のような勇者というモノに頼るんだから」

魔王「むぅー………」プクゥッ

側近「見なさい! 魔王さまが素に戻ってらっしゃるわ!」

火王「レアじゃね?!」

水王「かあいい!! あぁ魔王さまぁ……!」

土王「ぐうかわ…」

風王「ちょ、どけお前ら! お願い俺にも見せてぇ!!」


魔法使い「……」

勇者 (あそこだけ雰囲気が違う……気になる……)ツカツカツカ

魔法使い「……?」

勇者「君は魔法使い、だね?」

魔法使い「……」コク

勇者「………」

魔法使い「………」

勇者「……もしかして俺と話すのイヤ?」

魔法使い「……」フルフル

勇者「そ、そうか」

魔法使い「……」

勇者「単刀直入に聞くよ。俺と一緒に魔王討伐に来てほしい」

魔法使い「……」

勇者「………………」

魔法使い「……」

勇者 (ダメか)


魔法使い「………」

勇者「………」

勇者 (仕方ない…魔法使いは後回しにして、先に僧侶を…)キョロ

魔法使い「………」

勇者「僧侶は教会、だな」テクテク

魔法使い「………」テトテト

店主「おや、いいのは見つかったかい?」

勇者「あぁ、いや、事が事だからな。なかなか……」

魔法使い「………」

店主「…ふぅん?」

勇者「ま、とりあえず僧侶の仲間を募るために教会に、と思ってな」

店主「そうかい」チラ

魔法使い「………」

勇者「騒がしくしてすまなかった。また魔法使いを探しに来るかも知るないから、その時はよろしく」

魔法使い「………」バイバイ

店主「ん」バイバイ

カランカラン

店主「魔法使いを連れて、魔法使いを探しに来る? ギャグのつもりかねぇ…」スパー

勇者「デカい教会、だな」

魔法使い「………」

ガチャ ギィィィ

僧侶「天に召します……我らが神よ…」

勇者 (祈りの最中か……少し待つか)

魔法使い「………」

僧侶「……勇者さまですね?」

勇者「っ……と。悪い、邪魔したか」

僧侶「いいえ、大丈夫です」テトテト

僧侶「お初にお目見えいたします勇者さま。この教会にてお世話になっている僧侶と申します」

勇者「あぁ、こちらこそ。それで……」

僧侶「はい、魔王討伐のお誘いですね」

勇者「驚いた……もう知れ渡っているのか?」

僧侶「神より神託を授かりました」

僧侶「未熟な身なれど、勇者さまのご慧眼に叶いますればお供にお加えくださいませ」ペコリ

勇者「ああ、こちらからぜひ頼むよ」

僧侶「ふふ……ではよろしくお願いいたしますね、勇者さまと魔法使いさま」

勇者「え!?」クルッ

魔法使い「……?」キョトン

勇者「いつの間に!?」ガビーン


勇者「レスにすると、ものすごく少ないんだな………」

魔王「結構大量に書いてたはずなのにね」

側近「そんなことはどうでもいいんです。私たちの出番がものすごく減りましたよ!?」

勇者「お前たちのかわいい魔王が聞きたがってんだから、ガマンしろ」

魔王「///」カワイイッテ…ウレシイナ

側近「魔王さま?! 勇者さまは敵です! 仇敵です!!」

魔王「///」プシュー

勇者「?」

側近「とりあえずここまでです」

>>42
お前が文才伝々言ったんだろうがwwwwww

>>45
文盲かな?才能としかいってないのだけれど

>>47
でんでんクソワロタ


勇者「レスにすると、ものすごく少ないんだな………」

魔王「結構大量に書いてたはずなのにね」

側近「そんなことはどうでもいいんです。私たちの出番がものすごく減りましたよ!?」

勇者「お前たちのかわいい魔王が聞きたがってんだから、ガマンしろ」

魔王「///」カワイイッテ…ウレシイナ

側近「魔王さま?! 勇者さまは敵です! 仇敵です!!」

魔王「///」プシュー

勇者「?」

側近「とりあえずここまでです」


これとかまじで気持ち悪い。死ねよ。

ID丸出しで自演かましたり苦しい言い訳しながらアンカミスったり何なのこのビックリ人間大集合みたいな状況

>>50
何いってんの君頭大丈夫?


魔王「お待たせしてます、魔王です」ペコリ

側近「お気に召されてご覧になられていらっしゃる皆さま、>>1に変わりまして深く感謝いたしております」

>>1 orz ゲザァ
勇者 orz ゲザァ

魔王「もうちょっと時間が欲しい>>1が、要らないかもしれない各キャラスペックを用意したよ」

勇者:
イメージとしてはDQ1のような感じ。
決して弱くはないが、今のところ良いとこ無し。
真の力を垣間見ることはあるのか(震え声)

魔王:
角が生えただけの黒髪ロングの美少女。
見た目に反し、かなり強い。
魔王軍に溺愛され、慈悲も深い。

側近:
時には執事のように、時には待女のように。
魔王の身の回りの世話を生き甲斐としている。

四天王:
四大元素をそのまま起用した。
火王・マッチョな熱血漢。
水王・すらりとした艶やかなお姉様。
土王・幼げな容姿をしたはにかみ娘。
風王・軽そうな雰囲気のやんちゃ坊主。

>>53
なにしれっと続けてんだよマジ気持ち悪いからやめてくれないかな

キチガイの>>1は無視なok

>>56
嫉妬乙

>>57
でんでん君うるさいぞ

ただいま夜勤中なので少量ながら投下していきます。


町の入り口

戦士「おーい、勇者ぁ!!」

勇者「すまない戦士。遅くなってしまった」タタタタ

戦士「かまわん。こっちも今来たところだ」

魔法使い「………」トテテテ

僧侶「あの、勇者さま。こちらの方は?」トタタタ

勇者「あ、彼の名は戦士。君たちと同じこの旅の仲間だ」

戦士「よろしくな、お嬢ちゃんたち!!」

魔法使い「………」コク

僧侶「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」

勇者「そうして始まった、俺たちの旅……」

魔王「アレ? でも魔王城に来たのは勇者だけ?」

勇者「………」グサッ

魔王「他の人たちは?」

勇者「………」グサグサッ

魔王「あ、そーいえばさっき言ってたっけ? 裏切りとかなんとか」

勇者「………」グサグサグサグサッ

魔王「ねーねー勇者、教えt」側近「魔王さま」

魔王「?」キョト

側近「無邪気も度を過ぎれば凶器かと」

水王「もうやめたげて! 勇者のHPは0よ!!」

勇者「………っ」ブワッ

土王「………」ソッ

つ薬草

勇者「これで何の傷を癒せと言うんだ!?」チクショー

火王「………」ポン

風王「………」ポン

勇者「なんだテメーら、この手は……オイ、何とか言えよ」

魔王「勇者、続き続きー!」

勇者「くそがァァァァ!!」

>>61
だから何で続けてんの?頭大丈夫?


勇者「ハァァッ!」ズバッ

戦士「どおりゃっ!!」グシャッ

僧侶「はー……勇者さまも戦士さまもお強いですね」

魔法使い「………」パチパチパチ

勇者「ふぅ、こんなところかな?」パチン

僧侶「お二方、さすがです」

魔法使い「………」コクコク

戦士「まだまだこの辺の魔物は、下級な個体ばかりだからな」ガシャッ

僧侶「すみません、彼のモノたちに祈りを……」テテテテ

勇者「魔物とはいえ、生きるひとつの命だから……か」

戦士「まぁ、人それぞれって奴さ」


魔法使い「………」

勇者「……ん? どうした魔法使い」

魔法使い「…あたし……は、役立たず………?」

勇者「そんなことないよ、危ないところを何度も助けてくれているじゃないか」ニコ

魔法使い「………///」ポッ

戦士「そうだぞぉ! 休める時にはしっかり休む! そういうのも大事なことだぞ!! わはは!」ガシガシ

魔法使い「……(# ゜n゜)…」グシャグシャ

戦士「大体、魔法使いは少し元気がないな? 子供っていうのはな、うるさいくらいがちょうどいい。はしゃげはしゃげ!」ワハハ

魔法使い「(# ゜Д゜)」ピキ

魔法使い「……火焔…」ゴバァ

戦士「おぉっ!? わははは! そうだ、それでいい!」ボオッ

<アチィー!
<センシィー!?

僧侶「皆さま、お待たせいたしました」テテテテ

勇者「よし。それじゃ先へ進もう」

僧侶「え、いや、あの勇者さま……なぜ戦士さまが焦げて……」

魔法使い「………」プンプン

戦士「ワッハッハッハ!!」プスプス

勇者「ん、まぁ……じゃれあった結果?」

僧侶「??」

勇者「仲が良い証拠だってことさ」ニコ

僧侶「……それならいいんです」ニコ


魔王「………」ムスー

勇者「とまぁ、俺たちは仲良く……あれ、どうした魔王?」

魔王「私もじゃれる………」

勇者「……へ?」

側近「え?」

四天王「えぇぇ!?」

魔王「私もじゃれる! 魔界の黒炎!」ドォン

勇者「四天王ガード!」サッ

水王「え、ちょ、勇者さま!?」

勇者「頼む、俺のために犠牲になって!」

風王「死ぬ死ぬ死ぬ!!」

勇者「大丈夫だ! 多分! きっと!!」

土王「……さようなら」

勇者「君のことは忘れないよ!」

火王「ムリムリムリ!! いくら火属の俺でも魔王さまの炎にゃ……!!」

勇者「ありがとうみんな! ありがとう!」

四天王「オイこら、勇者テメェェ! 勝手なこと言ってんじゃ……!」

ゴバァァァッ



魔王「ねぇ勇者。これで私と勇者も仲良し? ねぇ仲良し?」ニコニコ

ゆ■しゃ「アァ…ナカヨシダヨ…ナカヨシ…」

魔王「わーい///」エヘヘ

側近 (あの状況でも死なないとは……さすがは勇者さま)

■天■「」メラメラメラ

>>1頑張れ(`・ω・´)面白いし
荒らしは気にしなくていいよ

側近「ご覧のみなさま、ありがとうございます」

魔王「前回書いたときに荒らしに関しては、重々学んだので大丈夫だと>>1が言ってるよ」

勇者「おもしろいと思って、更にカキコまでしてくれるだけでも、俺や仲間は救われるよ」

この時間はここまでにさせていただきます。

>>71
ちなみに今回のは荒らしとも思ってません。
こんなにも張り付いて見てくださっていますので。
むしろツンデレのタイプかと……(*´ω`*)

>>1が特に反応しないのはツンではなく、
デレているからです。
デレッデレになると代理のキャラたちが
こぞって反応しますので
ご不快になられることもありますでしょうが
どうか見守りくださいませ。

ある程度、書き貯めたら再開いたします。

では、良い夢を……。

数レス投下!


魔王「でもでも、そんなに仲が良かったのに、どうして今は一人なの?」

勇者「……仲良くやってたはずなのに……どこで間違った、俺は?」

魔王「?」

側近 (勇者さまも打たれ強い人ですねぇ)

魔王「ねー、勇者ぁ?」グイグイ

勇者「聞かせてやるから引っ張るな!」ガックンガックン

側近 (ちょっと勇者さまの旅の経緯を調査させてみましょうか)スッ

四天王 (了解)シュッ

………………
………


勇者「山を越えた麓の村……あれか」

僧侶「険しい山道ですね……」ハァ ハァ

戦士「魔物も強力な個体が増え始めたな」

魔法使い「………」フゥ フゥ

勇者「魔法使い、大丈夫か?」

魔法使い「………」コクン

勇者「僧侶の方は?」

僧侶「はい、何とか」

勇者「さすがにこの辺で野営は危険すぎる。何とかあの村まで……」フゥー

戦士「しかし、後衛の消耗が激しい。一端休憩を取らないか?」

勇者「……戦士は元気だなぁ」

戦士「俺はもともと山育ちだからな。このくらいなら平気だ」

勇者「そうか」


魔法使い「………」フゥ フゥ

僧侶「大丈夫ですか、魔法使いさま……」

魔法使い「………」チラ

僧侶「?」チラ

勇者「俺も身体能力には自信があったんだけどなぁ」

戦士「ハハハ、山登りに使う身体は普段のそれとはまた違うからな。仕方あるまい」

僧侶 (お二人を……いえ、魔法使いさまの見つめる相手は、勇者さま……?)

魔法使い「……だいじょ……ぶ」

僧侶「魔法使いさま、あまり無理をなされては……」

勇者「おーい、二人とも! この先に山小屋があったぞ! そこで休憩しよう!」ノシ

魔法使い「………!」シャキッ

僧侶「……ふふ♪」クス

勇者「大丈夫かー?」

僧侶「はーい。今、行きまーす」

魔法使い「………」コクコク


勇者「何にしても山小屋があってよかったよ」

僧侶「本当、助かりました」

魔法使い「………」フラフラ

僧侶「あれ? 勇者さま、戦士さまはどちらへ?」

勇者「周辺の索敵に行ってくれてる」

勇者「で、俺は君たちの護衛。とりあえず戦士が戻るまでゆっくり休んでくれ」

魔法使い「………」

僧侶「わかりました。さ、魔法使いさま。身を休めましょう?」

ザザザザザ……ビュオォォッ

勇者「っ!? 風か……」

僧侶「きゃっ?!」バサバサバサ

魔法使い「………気配」

ガサッ

魔物「ジェアァァァアッ!!」ババッ

僧侶「勇者さまぁぁぁっ!?」

魔法使い「……っ」

勇者「しまっ……!?」

魔物「シャァァーッ!!」

勇者 (避けきれん……やられるっ!?)グッ

ザンッ!


僧侶「いやぁぁぁぁっ!!」

勇者「く……? な、何だ?」ヌル

魔法使い「ゆ……しゃ……よか……間に合っ……」ドサッ

勇者「え? え? ……魔法、使い?」

魔物「ゲギャギャギャ!」ベロリ

僧侶「うっ……」

戦士「どうしたんだ、何がっ……! 魔法使い!? 大丈夫なのか!?」タタタタ

勇者「……魔法…使い…」

魔法使い「………」ハァ ハァ

魔物「ギィィィ」ニタニタ

勇者「消え失せろ…」ギロ

勇者「迅雷」カッ

僧侶「ひっ?!」

戦士「ぐっ!!」

魔物「………ッ!!」ズガーン

戦士「あれが勇者のみが使える雷撃呪文……」

戦士 (魔物が消し飛んだぞ……)ゾワ

勇者「僧侶! 魔法使いの手当てを!!」

僧侶「……」ブルブルブル

勇者「? 僧侶!」

僧侶「っは!? すっ、すみません! こ、小屋の中に運んでください!」ダッ

勇者「わかった!」

勇者 (死ぬなよ、魔法使い!!)


小屋 内部

勇者「あるのは粗末なベッドに、ランタン……他は、ないな」チッ

戦士「こんなものだ。それより、早くベッドへ」

勇者「あぁ」

僧侶「背中に大きく被ダメしてますね……うつ伏せに寝かせたら離れていてください」

勇者「何かっ……何か他にできることはないか!?」

勇者「俺の油断が、魔法使いをこんなにしてしまったんだ……」

僧侶「ありがとうございます。しかし魔法使いの服を剥ぐので、これ以上、勇者さまのお手を煩わせることはありません」サッサッ シュル

勇者「しかし…っ」

戦士「勇者ァ!!」

勇者「!?」ビクッ

戦士「後悔も、反省も、魔法使いが良くなってからにしたらいい。今は僧侶に任せるんだ」

勇者「ぐっ……!!」ギリギリ

戦士「そうやって立ち止まっていると、その分、治療が遅れるぞ?」

勇者「ぐぅぅ……!」

魔法使い「……ぅ……ぁ……」ハァ ハァ

僧侶「勇者さま……」

勇者「頼む……魔法使いを……」クルッ

スタスタスタ…ギィ バタン

僧侶「任せてください! 私たちは仲間です!!」フンス

戦士「俺は勇者を見ている。何か必要なものがあったら呼んでくれ」

僧侶「はい、お願いいたします」

ゴツゴツゴツ…ギィ バタン

僧侶「さて、と…まずは…」


小屋 手前

勇者 (俺の油断が、魔法使いを傷つけた)ギリッ

勇者 (何が勇者だ……目の前の仲間すら守れず、戦士に諭されなかったら治療の邪魔まで……)ヒュッ

ドズン ゴガァァン

戦士「岩石を一撃……荒れてるな、勇者」

勇者「戦士……何か用」グイッ バキッ

勇者「ぐはっ!?」ドザァァ

戦士「立て、勇者」

勇者「な、にしやがる……!!」

戦士「何、わからず屋のバカに説教……てところかな?」

勇者「何だと?」

戦士「勇者なんていう大役に溺れ、自分を見失いつつあるお前は、バカで充分だろう?」

勇者「俺のどこが溺れている!? どこが見失っている!?」

戦士「わかってないから説教なんだ!」バキッ

勇者「がっ!? ……痛ってぇな、この野郎!」ガンッ

戦士「ぐっ! ハハハ、強くなったじゃないか!!」ドゴッ

勇者「強くなるしかないだろう! 俺は勇者なんだ!!」バシッ

戦士「勇者である前に、俺たちの仲間だ!!」ドンッ

勇者「!?」

戦士「お前は最初に、何を求めて俺たちの元へ来た?!」ガシッ ドガッ

勇者「ぐぅ……」フラ

勇者 (そ、そうだ……俺は確か……)フラ



勇者『苦楽を共に歩める仲間が出来るだろうか』



勇者「そうだ……苦楽を共に……」フラッ

ガシッ

戦士「わかっているじゃないか」ニヤ

勇者「せ、戦士……」

戦士「勇者だからって完璧である必要はない。俺たちは互いの足りない部分を補い合える」

戦士「仲間なんだ」

勇者「うっ……うぁ……っ、うぁぁぁっ」

戦士「今回は魔法使いに守られた。だから今度はお前が魔法使いを」

勇者「……あぁ」

勇者「護る、よ……仲間だから!!」ニコ

戦士「それでこそ、俺たちの勇者だ」ニヤ

とりあえずここまで。


おやすみなさい。

よく岩石を投げられたり
想像を絶する大爆発を受けたり
巨大な火球だの

その辺の被ダメを考えたら
このくらいの攻撃力があっても平気かと…。

数レス投下します。


同刻 小屋 内部

僧侶「魔法使いさま、傷を見るために服を脱がしますね」

魔法使い「……ハァ……ハァ…」コクン

シュルル パサ

魔法使い「うぁっ……!」ビクッ

僧侶「すみません、少しだけ我慢してください」

魔法使い「…………」ハァ ハァ

僧侶 (出血ほど傷はひどくない……) グチュ

魔法使い「……んぁ……っ」ハァ ハァ

僧侶「身体の治療を……大丈夫ですよ、すぐに良くなりますからね」ナデナデ

魔法使い「足手、まと…いで……ごめ……なさい……」ポロポロ

僧侶「大丈夫です。勇者さまを守る、立派で大切な仲間です」キィィン

僧侶「慈悲深き、癒しの女神よ…」パアァァ

魔法使い「うぁぁっ……あ、あぁ…っ」ビクッ

僧侶「聖し御手を以ち、傷付いた汝が子に」パアァァ

魔法使い「あっ……ん、ふ……ひぁっ…!」ビクッ ビクッ

僧侶「光、示したまえ」パアァァ

魔法使い「……フゥー……フゥー」

僧侶「……よし、これで癒せましたね」フゥ

魔法使い「……ごめ……な、さ……」

僧侶「もう、謝ることはないんです。さぁ元気になって、勇者さまを安心させてあげましょう?」ナデナデ

魔法使い「………ん…」ニコ


勇者「魔法使い、大丈夫だろうか?」ソワソワ

戦士「なに、僧侶がついているんだ。勇者はどっしり構えておけ」

勇者「あぁ……」ソワソワ

ガターン

戦士「なにごと?!」

僧侶「ゆ、勇者さまぁ! 戦士さまぁ!!」ワタワタ

勇者「ど、どうした?!」

戦士「行くぞ!」ダッ

勇者「くっ!」タッ

ガチャ バン!

勇者「どうしたんだ、僧侶!?」

僧侶「ゆ、勇者さま……魔法使いさまが……魔法使いさまが……」

戦士「どうしたんだ? 落ち着け」

魔法使い「……んぁ……はぐっ……」ハァ ハァ

勇者「魔法使いっ!」

魔法使い「ひぁ……あぁっ……」ハァ ハァ

戦士「これは……高熱、多量の発汗…不整脈までか」

僧侶「……はぃ……」

勇者「どういうことなんだ?」


戦士「毒だ」

勇者「なっ……あの魔物か!?」

僧侶「身体の治療は済んだのですが、それがかえって悪影響を及ぼしたようなのです」

勇者「し、しかし解毒呪文を施せば……」

僧侶「もう試しました……」シュン

戦士「ふむ……魔法使いの単純な体力不足か」

僧侶「はい……」シュシュン

勇者「それは……」

戦士「この山道を余程無理してきたのだろう。蓄積された疲労と、癒しの呪文による身体の活性化が、毒の回りを早くしているようだ」

僧侶「こんなことになるとは思いませんでした……あぁ……私としたことが……」

勇者「いや、僧侶はよくやってくれた。悪いのは俺だ……仲間の疲労も考えず、進むことばかりで……」

戦士「勇者」

勇者「わかっている。後悔も反省も後だ。俺は俺の出来ることをする」

戦士「そうだ。足りない部分は仲間がサポートする」

僧侶「はいっ! 私に出来ることがあるなら何でもします!!」

勇者「麓の村になら、この魔物の毒に対する薬があるかもしれない」

勇者「魔法使いを背負ってすぐに下山しよう」

戦士「わかった」

僧侶「はいっ!」

勇者「戦士が前衛。俺が魔法使いを背負うから、僧侶が解毒呪文を」

僧侶「え、でも」

勇者「毒を打ち消すことは出来ないかもしれないが、進行を遅らせることは出来ないか?」

僧侶「……なるほど」

勇者「戦士には苦痛を強いられる……着いてきてくれるか?」

戦士「任せろ」

魔法使い「…………」ハァ ハァ

勇者「行こう」

仲間『おーっ!!』

身体能力等に左右される解釈をしていますので
こんな感じになっています。

と言うわけで、次は少し間が空きます。


麓の村・宿屋

老医師「ふむ……一応、解毒薬は投与したが、しばらくは安静にしていることですな」

勇者「そう、ですか……お手数おかけしました」

僧侶「ありがとうございます」

老医師「いやいや、何かあればまたお声をかけてくだされ。では、失礼する」

ギッ バタン

魔法使い「………」ハァ ハァ

勇者「少しは落ち着いた、かな」ナデナデ

僧侶「勇者さま、あとは私に任せてお休みください」

勇者「……すまない、頼むよ」

僧侶「大丈夫です」ウフフ

勇者「辛くなったら言ってくれ。交代するからさ」

僧侶「はいっ、その時はお願いいたしますね」ニコ

勇者「ありがとう」ニコ

ギッ バタン

勇者「……やれることは、やった。あとは……魔法使いの体力次第……か」

<ガハハハ

勇者「戦士の笑い声? 食堂からかな」イコウ

………
……



僧侶「解毒薬の成分に、魔力を足して効果を底上げ……」

ゴリゴリゴリゴリ パァァァ

僧侶「ふぅー……私に出来るのはこのくらいですか……」ペタペタ

魔法使い「………」ハァ ハァ

コンコン

僧侶「はい? 勇者さま、ですか?」

??「あの、ここに僧侶って方が……」ギィ

僧侶「はい、私が僧侶ですが……どちら様でしょうか?」

??「あぁ……やっぱり! 会いたかった…!」ダキッ

僧侶「ふぇ!?」

魔法使い「……っ…」ハァ ハァ

??「うふふ♪」


戦士「正直あまり期待していなかったが、なかなか旨い料理だな。酒もたまらん」バクバク ゴフゴフゴフ

勇者「そうだな、この山菜スープなんか身体の芯から暖まる」ズズズズ

勇者 (僧侶と魔法使いにこのスープを差し入れてこようかな?)

僧侶「あの……勇者さま」

勇者「ん、僧侶か。腹減ったろ、差し入れしようかと考えていたとこだよ。交代するから食べていくか?」

僧侶「いえ、その……ちょっと用事ができましたので…」モジモジ

勇者「……そうか? わかった、魔法使いは俺がみているから心配しなくてもいいよ」ガタ

僧侶「すみません……」ペコ

勇者「いろいろ頼んであるから、僧侶も食べるといい」

僧侶「すみません……あとでいただきます」ペコ

テクテクテク

勇者「どうしたんだろう、僧侶は?」

戦士「ま、女にはいろいろあるさ。余計な詮索はせず、頼られたときに全力で支えてやればいい」ゴクゴク

勇者「……そうだな。俺は魔法使いのところにいるよ」

戦士「おーぅ! 俺はまだ飲んでるわ!」ワハハハ




勇者「……まだ飲むの?」

<ガハハハハ !

というわけでここまで。

……進まなくて、すみません。

また、近日中に。

こんばんわ。

当初は面白おかしくなるはずが
なぜかシリアスな方向へ…

いちゃラブ希望されている方、
誰との絡みが欲しいか
お聞かせくださいまし。

参考にルートを設定します。

では数レス投下します。


コンコン

魔法使い「………どぞ…」モゾ

勇者「魔法使い! もう起きても大丈夫なのか?」

魔法使い「……本調子じゃ……ない、けど」

勇者「良かった……」ダキッ

魔法使い「っ…ゆ、勇者?///」

勇者「ありがとうな、護ってくれて……そしてごめんな、ツラい思いをさせて…」ギュッ

魔法使い「………///」カァァ

魔法使い「大、丈夫……」キュッ

勇者「そうだ、腹減ってないか? スープなら飲めるかと思って持ってきたんだ」カチャ

魔法使い「………」コク

勇者「あぁ、そのままでいいよ。食べさせてやるから」

魔法使い「ふぇっ」ビクッ

勇者「ほら、これな、身体の芯から暖まるんだ」スクイ

魔法使い「…へぁっ……///」アセアセ

勇者「あぁ、熱いか。待ってろ……フー、フー……はい、あーん」

魔法使い「///」アセアセ

勇者「少しでも食べて、元気にならないとな」

魔法使い「………///」コク

魔法使い「ん……あむ///」

勇者「どうだ?」

魔法使い「……おいし…い…///」

勇者「そっか」ホッ

勇者「ゆっくりでいいからな、あーん」

魔法使い「んっ……ちゅる……はふ……あむ///」マッカ

魔法使い (味、わかんない……///)

魔法使い (でも……)チラ

勇者「あっ、くそ……もう少し具を小さく切ってもらってくりゃよかった」

魔法使い「……ありがと…ゆーしゃ」ニコ

勇者「…おう!」ニコ


……

………

勇者「と、魔法使いは一命を取りとめてだな」

魔王「……」プクゥー

勇者「……なんだ?」

魔王「べっつにー?」プイッ

勇者「……変な奴」

側近 (あぁ膨らんだほっぺ…愛らしいです、魔王さまぁ!)

魔王 (もう今はいないんだもんね、最終的には私に会いに来てくれたわけだし!! 別に羨ましくなんて……羨ましくなんて……羨ましいィィィ!)

魔王「私も勇者にあーんしてほしいよぉ!!」

勇者「いや、自分で食えよ」

魔王「っは?! こ、心を読んだ!?」アセッ

勇者「でけー声で叫んだくせに!?」

勇者「…おかしな奴だな」ハハ

魔王 (笑ったぁぁ♪ 笑った顔もカッコいいよ、勇者♪)

………
……


コンコン

魔法使い「……っ」ビクッ

勇者「……?」

魔法使い「……どぞ」

カチャ ギィィ

僧侶「ゆ、勇者……さまは、こちらにいらっしゃいますか……?」

勇者「僧侶、どうしたんだ?」

僧侶「……あ、あの…」ググッ

魔法使い「………」ユウシャノ フクノ スソ ギュッ

勇者 (魔法使い……?)

僧侶「あの、ここから北に行った先にある…森に、魔法使いさまが……侵された毒に……」

魔法使い「………」チラ

勇者「………」

僧侶「万病に対する特効薬となる、薬草が……自生しているそう……ですっ」ガタガタ

勇者「………」

僧侶「そ、それで……ですね…っ」ガタガタ

勇者「そっか、調べてくれたのか」

僧侶「……」ビクッ

勇者「じゃあ、俺と戦士で取りに行ってくるよ。僧侶はここで魔法使いを診ていてくれるか?」

僧侶「あ、あの私……っ!」

魔法使い「………」フルフル

勇者「心配するな、大丈夫だ」ポン

僧侶「……っ……」ポロポロ

勇者「帰ってきたら、その涙の訳を聞かせてくれよ?」ナデナデ

魔法使い「……ゆーしゃ……っ」

勇者「行ってくるよ」ニッ

バタン


麓の村・郊外

勇者「すまないな、寝ているところに」

戦士「問題ない。いつでも戦えるように体調は整っている」ワハハ

勇者「あれだけ食って、飲んで、騒いでたのにか!? いよいよスゲーな」カンシン

戦士「ワッハッハ! 経験の差よ!」

勇者「お前を誘って良かったよ」

戦士「なぁに言ってやがる」バシッ

勇者「痛ェ!?」

戦士「まだその言葉は早ぇよ。俺達は魔王を倒すんだぞ?」ニヤッ

戦士「その時までその台詞は取っておいてくれ」

勇者「あぁ!」ヒリヒリ


北の森

勇者「戦士……!」ザザッ

戦士「油断するな、この森は……どこかおかしい」ザッ

??「光に誘われる蝶のように」ユラァ

??「今日もまた、可哀想な羊が一匹……にー匹…」ユラァ

??「うふふふふふ♪」

勇者「誰だ! 姿を現せっ!!」スラッ ジャキン

戦士「それとも、姿を晒せぬ臆病者か?」ガシャッ ズシッ

スゥゥ

??「妾の名は幻夢。魔王さまに仕えし四天王が一人」

幻夢「今宵の甘美な夢へと誘われるは、どちらの殿方かしら……勇者さま? それとも戦士さま?」ウフ

勇者「せっかくのお誘いで悪いが、大事な仲間が俺たちの帰りを待っているんだ」チャキ ザッ

戦士「さっさと貴様を倒して、その秘薬とやらを持ち帰らねばな」ブゥン バシッ

幻夢「哀れなり、人の子よ……」シクシク

幻夢「せめて妾の胸に抱かれ、全ての想いを幻へと還そうぞ!」ユラァ


………
……



側近「四天王……幻夢?」ハテ

側近 (……あぁ! 先代魔王さまに仕えていた奴ですか) ポン

側近 (あのメス豚、未だ先代魔王さまが崩御されたことを知らなかったのですか……) ハァ

側近 (あのドMは、森から1歩も出ませんからねぇ……)

魔王「その僧侶ってのは、仲間の勇者を裏切ったの?」

勇者「理由は分からん。あの時の涙……何かあったと思いたいが、村に僧侶の姿はなかったんだ。今じゃどこにいるかもわからん」

魔王「探せばいいのに」

勇者「…………」

魔王「どしたの?」キョト

勇者「他人事の発言がここまでムカつくとはな」

魔王 (あれ? 私、やっちゃった?) オロオロ

魔王「き、嫌いになっちゃやだよ?」

勇者「今ならお前を全力で切れるかもしれん」

魔王「………」クスン


……

………


幻夢戦

勇者「はぁっ!!」ダンッ

ブンッ

幻夢「ウフフ♪ 感じちゃうわ……でも」スゥゥ

幻夢「そなたでは、妾の奥まで届かない」ユラァ

勇者「ちっ! 剣撃が擦り抜ける!」ザン ババッ

戦士「退いてろ、勇者!!!」ドドドド

戦士「オオオッ!! 撃滅波!!」ゴァッ

ドズゥゥン

戦士「くっ……これもダメか!」

幻夢「素晴らしいわぁ、戦士さま……妾、濡れちゃうぅ♪」ゾクゾクゥ

戦士「生憎、好みじゃない…なっ!!」ブゥン

幻夢「んもう……つれないわねぇ」ユラァ

勇者「ハァァァッ!!」バチバチバチ

幻夢「!」

勇者「物理がダメなら魔力を叩き込んでやる!」バチバチバチバチ

戦士「土竜陣っ!」ドズン ゴバァッ

幻夢「あぁん、おいたし・ちゃ…やん♪」スゥゥ

戦士「勇者ァ!!」

勇者「悪しき者を滅せ! 天雷!!」ズラァッ

ゴシャァァン

幻夢「っ……」ビリビリビリ

戦士「! 効いてるぞ、行けェ!!」

勇者「宣言通り、叩き込んでやるぞ……幻夢!」ジジジ…バチン バリバリ

ゴゴゴゴゴ…

幻夢「……………」

幻夢「ウフ♪」


勇者「雷よ…幾重に束ね束ねて、古き神の怒りと代われ……!!」ババババババ

勇者「降御雷(フルミカヅチ)!!」ガカッ

ゴオオオオォォォン!

勇者「はぁっ…はぁっ…! どうだ、コノヤロー…ッ!」ハァ ハァ

幻夢「お終いかしら? ゆ・う・しゃ・さま♪」ユラァ

勇者「何っ!?」

戦士「まさか?!」

幻夢「子宮が痺れるほどの雷撃…♪」ジュン

幻夢「素敵だったわぁ……」トロ

勇者 (最大出力で放った高位雷撃呪文が……!!)

幻夢「お礼にぃ……見せてあげるわ、妾の力♪」ユラァ

戦士「来るぞ、勇者! 目を離すな!!」

勇者「ぐぅっ!」

幻夢「夢、幻は虚構にして現の如く」

幻夢「妾の虜よ……苛まれ哀れむ者に」

幻夢「永遠の園へと誘え」

魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物
魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物
魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物
魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物
魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物
魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物 魔物

戦士「こいつら……いったいどこから!?」

勇者「はぁ…はぁ…ちくしょ、う……! 囲まれたか……っ」

戦士 (勇者の様子が……さっきの呪文の影響か!!) チッ

戦士「勇者、一度退くぞ!」グイッ

勇者「だが……解毒薬が……」ハァ ハァ

幻夢「ウフフ……フフ……アーッハッハッハ!」ケタケタ

戦士「ぬうっ?!」

勇者「何がおかしい……!!」


幻夢「これを笑わずにはおれまい」ウフフ

幻夢「哀れよの、勇者よ」

勇者「哀れ、だと?」

幻夢「ありもしない秘薬を求めて」

幻夢「そこに待つは夢に包まれた真実」

幻夢「旅を共にした仲間の裏切り」

幻夢「そなたらの願いは幻へと霧散する」

勇者「な、にが……言いたい……!!」

戦士「まさか……」

幻夢「どうして妾がここにいる?」ユラァ

幻夢「そなたら、どうやってここを知った?」ユラァ

幻夢「放棄した思考は呆気なく消え逝くぞ♪」

勇者「僧侶……あいつは泣いていた……」

戦士「このことを知っていたからなのか? それとも……」

幻夢「さぁ、妾の虜たち」スゥゥ

魔王さまの障害たる勇者を始末せよ

魔物「ヴォォオオオ!!」

勇者「これが、お前の……涙の答えなのかよ……!!」

はい、と言うわけで
投下したらスコンと書き溜めを
放出し切りました…

またしばらくお待ちください。

では。

仕事前に数レス投下します。


戦士「今ここで考えたってわからん……だから生きて帰るんだ!! そして僧侶に聞くんだ!」

勇者「あぁ…!」

戦士「すべてを相手にするな! 一点突破だ!! 正面の敵だけ凪ぎ払え!!」

勇者「ハッ! このっ! 迅雷!」ザシュッ ズバッ ゴラァッ

戦士「オオオッ!」ズグシャッ

ガンッ ガキン ズバッ ガコン バチィ ギャリッ ズスッ バチン バリバリバリ

勇者「数が……っ!!」ガキッ

戦士「弱音を吐くな……って言いたいが、これじゃキリがねぇな……っ!!」ガツッ

勇者「ぐっ…この……! 伏せろ……戦士っ……!」シュッ バチン

戦士「!!」バッ

勇者「我が刃に宿れ……雷よ……っ!」ジジジ…ジジ…バチバチバチ

勇者「雷迅…剣!!」

ズガガガガァン!

幻夢「ほう……まだそんな力が残されていたのかぇ? ウフフ♪」スゥゥ

戦士「!!」

勇者「ぐっ…………!? ハァ……ハァ……!」ガクッ

戦士 (ここへ来てから雷撃呪文の乱発……もう限界を超えてしまっているのか……なら!!) ガシャッ

戦士「うおおぉっ、弾丸! 爆走撃ィ!!」ドンッ

ゴバァァァァァッ!

戦士「よしっ、開いた! 走るぞ勇s……!!」ビクッ


勇者「ど、どうした、戦士!?」ハァ ハァ

戦士「……あ、が……!!」ガクガク

幻夢「逃がすと思うかぇ?」スゥ

勇者「幻夢!!」ハァ ハァ

幻夢「さぁ、聞かせておくれ。そなたの魂の叫びを……」

グボォ… ゾブッ

戦士「ぐ、ぎィ…………!!」ギチギチギチ

ドバッ ビチャッ

勇者「くっ?! せ……戦士…?!」 ビシャッ

戦士「ぎギぎ…………アぎァァ……!!」ガタガタ

幻夢「哀れよの……悲しいよの……これほどの脆い肉で魔王さまに立ち向かうなど」シクシク

幻夢「妾がそなたの苦しみを、幻へと還そうぞ……」

勇者「幻夢……貴様ァァァァ!!!!」バチッ バチッ


幻夢「ウフフ……♪ 心地よい、その叫び……あぁ……もっと聞かせておくれ」ゾクゾク

勇者「アァァァァァ!!」バチバチバチ…

幻夢「美しく迸る、悲しき雷よ……もう妾はイキそうじゃ……♪」

幻夢「して、どうする? 妾に当てれば仲間もろとも、よの」ウフ

勇者「ぐぐぐ……!!」バリバリバリバリ

幻夢「今度は勇者さまが、そなた自身が仲間を裏切るのかえ?」グチュグチュ

勇者「ちく……しょう……ちくしょう!!」ハァ ハァ

幻夢「さて、そろそろ勇者さまの肉を愉しませてもらおうかの?」スゥゥ

戦士「っ!」ギンッ

戦士「ふ……ぬぅ!!」ガシッ

幻夢「!?」ギチ…

戦士「は……はっは……ようやく、捕まえたぜ……化け物さんよ……っ!!」ニィィ

幻夢「な、にぃ!?」

勇者「戦士!」ハァ ハァ

戦士「無茶ばっか、してんなよ……勇者ァ……」ニヤ

勇者「……っ」ハァ ハァ


戦士「俺に…構ってんじゃねぇ……っ! テメェの目的は何だァ!?」

勇者「ま、魔王を……倒す、こと……!!」

戦士「そうだろう……? さっさと行けよ……クソッタレが……」ゲホッ

幻夢「の、逃さぬわ! やれぃ、妾の虜共!!」バッ

??「魔氷槍…!」キュババババッ

バシュウッ

勇者「この呪文は……!」

魔法使い「……っ」ハァ ハァ

勇者「ま、魔法使い!? 何でここに……っ」

魔法使い「あたしのことはいい……。戦士の思い、無駄にしないで……!」グイッ

戦士「いい……タイミング、だぜ……魔法使い……っ!」ニィ

勇者「クソォォ……こんな、こんなァァァァ!!」

魔法使い「こっち……早く…っ!」キィィィン

戦士「 テメェとの……旅、悪く……なかったぜ……兄弟ィ…… 」ゴブッ

勇者「戦士ィィィ!!」

魔法使い「亜空間転移呪文……発動……!」コォォォ

バシュン

戦士「へっ……やっと、行きやがった……な……ゴフッ……!」ビチャビチャ

戦士「最後まで、一緒に行けなくて……すまなかったな……」ビチャビチャビチャビチャ

幻夢「クソオオォォォ!! この死に損ないめェェェ!!」

戦士「アイツの歩みを止める奴ァ、俺が許さねぇ!! 貴様はここで俺と一緒に!! 地獄へ行くんだァァァァ!!」カッ

戦士「ハァァァァァアアアアアッ!!」ゴッ

幻夢「ギャァァァァアアアア!! ま、魔王……さまぁぁぁ……!!」

ズドォォォ…ン…

勇者「戦士ィィィィィィィィィィ!!!」


………
……



魔王「………………」ダラダラダラ

側近 (気軽に聞いてたらえらく重い話になってきましたね……)

勇者「魔法使いと俺の二人となってしまった後……」

魔王「待って! ストップ! たーぁいむ!!」バッババッ

勇者「どうした?」

魔王「えへ、えへへ……っ、といれで!!」

勇者「そうか……」フゥ

テトトトト

魔王 (側近?!! すんごいツラい! 聞いてられないよ!!)ボソ

側近 (しかし、今さらやめられたところでどうしようもないのでは…)ボソ

魔王 (なんかね、もうね、お前さえいなければみたいにしか聞こえないの!)シクシク

側近 (えぇ、端で聞いててもそのように感じます)

魔王「そうじゃないでしょぉが!?」ジタンダ

ドズン ビキビキビキ

側近「おおお落ち着いてください、魔王さまァァァ!!」

勇者「なんだ? トイレはいいのか? なら続きだ」ガシッ

ズルズルズル

魔王「やぁーっ! やーっ!! 側近んんん!?」

側近「せめて調査に出掛けた四天王がもどってくるまでは、頑張ってくださいませ」ヒラヒラ

魔王「ちくしょーっ! はくじょーものーっ!!」バタバタ

勇者「俺が一人の理由を聞きたがったのはお前だからな。さぁ、さぁ! さぁ!!」ケケケケ

魔王「ひーん」シクシク

………
……


と言うことでここまで。

次は勤務中の合間に狙います。

ほんの数レス行きます。


北の森・はずれ

勇者「……ハァ……ハァ……」ザッザッザッザッ

魔法使い「……勇者……少し、休まないと……」テトテトテトテト

勇者「頼む……生きていてくれ……戦士……!」ハァ ハァ

魔法使い (聞いて……くれない……)シュン


北の森・残骸跡地

勇者「うっ……うぅぅ……」ガクッ

魔法使い (戦士の……斧、だけ……)ウルウル

勇者「また……俺のせいで……っ!」ドカッ

勇者「また……仲間を護れなかった……!!」ドカッ

魔法使い「違う……戦士は、勇者を……あたしだって……」オロオロ

勇者「わかっている!!」ドガァッ

魔法使い「……っ」ビクッ

勇者「わかって……るんだ……っ……みんな、俺を護ってくれた、ことは……」グス

勇者「ちく……しょう……! ちくしょう……!!」グスグス

魔法使い「…………」スッ

ギュッ

勇者「魔法……使い…………」

魔法使い「…………」ナデナデ

勇者「うぐっ……うぁ……うわぁぁあああ……っ!!」

………
……

勇者「…………」

魔法使い「少し……落ち着いた……?」ギュゥ

勇者「……あぁ……」

魔法使い「1度……村へ戻ろ……?」

魔法使い「勇者には……休息が必要……だから……」

勇者「…………」

魔法使い「行くよ……?」

勇者「…………」

魔法使い「………」ギュッ

魔法使い「空間相転移呪文……発動……」キィィィン

バシュン


麓の村・宿屋 一室

ギィ

魔法使い「勇者……今は眠って……」トコトコ ポス

勇者「…………」

魔法使い「……勇者……?」

勇者「……僧侶は?」

魔法使い「…………僧侶は、彼女はもう……あたしたちの元へは……帰ってこない……」

勇者「……なぜだ?」

魔法使い「…………」

勇者「なぜなんだ……教えてくれ、魔法使い……」

魔法使い「……勇者は疲れてる……今、話しても理解も納得も出来ない……」

勇者「……くっ……」ドサッ

魔法使い「体を癒して……起きたそのときに話す……」

魔法使い「だから……今は寝よ……?」

勇者「迷惑ばかり……かけて……ごめんな……」

魔法使い「……」フルフル

勇者「魔法……使い……キミは……キミ……だけは……」スゥ スゥ

魔法使い「………」

勇者「………」スゥ スゥ

魔法使い「………」モゾ

魔法使い「……勇、者…」ギュ


………
……



魔王「ねぇ、魔法使いと一緒に寝たの?」イライラ

勇者「寝たっつーか、いつの間にか潜り込んでたんだよ」

魔王「寝たんだ」ムスッ

勇者「さっきから何だ? 仲間と何をしようがお前に関係あるのか?」

魔王「関係あるよ!」 バンッ

勇者「何でやねん!?」バシッ

側近 (お、商都の商人言葉ですか。芸達者ですね、勇者さまってば) カンシン

魔王「勇者は私に会いに来てくれたんだよね?! 何で他の女の話をするの!!」モーッ

勇者「お前が聞きたいって言ったんじゃねぇーか! それと俺はお前を倒しに来たんだ!!」

魔王「それでも! 言わなくてもいいことってあるじゃない!! バカバカバカバカ!!」ポカポカポカ

勇者「いてっ! いててっ?! 俺は悪くない! 悪くないぞぉーっ!!」

側近 (痴話喧嘩みたいで微笑ましいです。魔王さま、勇者さま) ホッコリ

魔王 (お、落ち着いて魔王。所詮、もういない人よ、いない人……) スゥー ハァー スゥー ハァー

勇者 (辛い思い出話も、こいつに話してると気が楽になる……気を使ってくれてるのか?) チラ

魔王「………?」スー ハー

勇者「ンな訳、無いか」フフ

魔王「何?///」

勇者「何でもない。続き行くぞ」

魔王「はーい」チョコン

側近 (あぁぁ…魔王さま、かわいいィィ///) ハァ ハァ


……

………


麓の村・宿屋 一室

勇者「………」

勇者 (俺はどうしたらいい……どうすれ……)ゴロ

魔法使い「……」スヤスヤ

勇者 (……え?)

勇者 (え? え? ま、まま魔法使い!?)

魔法使い「……うにゅ……」モゾモゾ

ギュッ プニン

勇者「……っ!!」

勇者 (うおおぉっマジか!? マジなのか!? なんで魔法使いと俺が一緒に……つーか魔法使い柔けぇ!!)フワフワシテルノホォォォ!

魔法使い「……///」スヤ スヤ


………
……



勇者「あー、ここは話さなくても良かったなー」チラ

魔王「……っ!」プクーッ

勇者 (膨れてる……)

魔王「……」トテトテ

ギュッ

勇者「なんだ?」

魔王「……っ! ……っ!」ムギュッ ムギュッ

勇者「痛い痛い、肋骨が痛ーい」グリグリ

魔王「(;゜Д゜)ロッコツ!?」ガーン

側近「ほあぁぁっ!! 魔王さまァァァァはぁぁぁん!!」ブシュウゥゥッ

魔王「……」ペタペタ

勇者「ブフッ!」

魔王「……?」クスン

勇者「……! ……!」グフッ ゲフン ゲフン

魔王 (まだこれから大きくなるもん……負けないもん……) ペタペタ

勇者 (気にしてる……!)プクク


……

………


実際

勇者「……ん……」パチ

魔法使い「……起きた?」モゾ

勇者「…………」ゴシゴシ

魔法使い「………?」

勇者「…………」パチ

魔法使い「………///」ニコ

勇者「なぜ同じベッドに!?」ドスン ゴロゴロゴロゴロ ババッ

魔法使い「……勇者と一緒に……あたしも疲れてた……から……」ムク

勇者「そ……そうか……いや、大丈夫だから、同じベッドはやめよう。違う意味でヤバイ」ハァ ハァ

魔法使い「あたしは……勇者、なら……いいよ……///」ポッ

勇者「ゲフッ……! ゲフン、ゲフン!」

魔法使い「……///」ジーッ

勇者「魔法……使い……」

魔法使い「………ん///」スッ

勇者 (魔法使いさん? 何で目を閉じるの? 何で顔が赤いの?) グウッ

魔法使い「……///」チラ

勇者 (これ、商都で売ってた雑誌に書いてあった、女性が目を閉じたらOKサインって奴!?) グァァッ

魔法使い「……」

勇者「あかん、あかんでぇ魔法使い! 自分を大切にせなあかんでぇ!!」

魔法使い (商都弁出てる……おもしろくて……みんなで、やったね……)

勇者「そ、そうだ! 僧侶の話を聞かないと! なっ! お、俺、外に出てるから、魔法使いも準備が出来たら声をかけてくれ!」ダダダ

ガチャ バタン

魔法使い「勇者の……いくじなし……」クス

………
……

宿屋 食堂

勇者「じゃぁ、俺たちがいなかった間、僧侶に何があったか話してくれ」

魔法使い「………」コク

魔法使い「と…言っても……全部を知ってる訳じゃ……ない」

魔法使い「それに……あたしも理解出来てない……」

勇者「あぁ……なんでもいいんだ」

魔法使い「………」コクン

魔法使い「……僧侶の様子がおかしくなったのは…ある人物が、あたしたちの部屋へと訪ねてきてから……だった…」

スコンと投下終了。

ここまでになります。

数レス投下します。

魔王は勇者といちゃこらハスハスできるでしょうか?


>>103 魔法使い視点

??「あぁ……やっぱり……」ナデナデ

僧侶「あ、あの……?」ナデラレ

??「え、あ……ごめんね。びっくりしちゃったね」

僧侶「はぁ……それで、その、どちらさまでしょうか?」

??「私ね、あなたと生き別れた姉の僧侶姉……なの」

僧侶「ふぇ!?」

魔法使い (何……この気配……気持ち、悪い……)モゾ

僧侶姉「ごめ、ごめんね……ずっと一人にしちゃって……」ギュゥゥ

僧侶「えぇぇぇ!? わ、私の姉妹ってどういうことですか!?」

僧侶姉「会いたかった……ずっと、ずっとあなたを探して……」ポロポロ

魔法使い「…………」

僧侶「あ、の……私にも何のことだか……」オロオロ

僧侶姉「そうだね、いきなりお姉ちゃんなんて言っても信じれないよね……」

僧侶姉「でもね、覚えてないかしら? 小さな村の片隅で私たちと、両親と過ごした日々を」

魔法使い「…………」

僧侶「……神父さまが仰っていたのは聞きました」

魔法使い「……?」

僧侶「その当時、乳飲み子の私は記憶にありませんが、確かに神父さまは焼け落ちた村で唯一生き残りの私を拾ってくださったと……そう、仰られました」

魔法使い「……」ギュッ

僧侶「協会のシスターや僧侶の多くは過激化する王国軍と魔王軍による戦争孤児なのです。その私も例外ではありません」

僧侶姉「あなたには苦労ばかりかけて……本当にごめんなさい……こんなんじゃお姉ちゃんなんて言えないよね……」ポロポロ

僧侶「……聞かせてください」

僧侶「私の記憶にない両親のこと、生まれ育った村のこと」

僧侶「そして……姉さまのことを」ニコ

僧侶姉「……えぇ!!」ニコ


僧侶姉「特別な変化はないものの、平凡で幸せな日々……」

僧侶姉「私は、母が優しい笑顔であなたを抱く姿を見るのが好きだった」

僧侶姉「父は村一番の猟師で、大物が獲れた時は村のみんなを集めて一緒に食べるのが好きだった」

僧侶姉「激化する戦に怯えながらも、慎ましく平穏無事を過ごしていた……」

僧侶姉「そんなある日」

僧侶姉「魔王軍が村の近くに拠点を張り、その討伐として進軍してきた王国軍が村を駐在所として占拠したの」

僧侶姉「村の蓄えは王国軍に搾り取られ、働き手の衆は王国軍の変わりに魔王軍討伐隊に抱え込まれた」

僧侶姉「勇敢だった父は、魔王軍に……人の形すら残らないほど痛め付けられ、村の衆も次々に惨殺されていく」ウルウル

僧侶姉「残った女子供は働き手を失い、他の土地へと散り散りに村を去っていった」グス

僧侶姉「その戦禍に巻き込まれ、あなたを見失い……私も母とはぐれ……他の町の教会に拾われた」ポロポロ

僧侶姉「私は必ずまた家族で過ごそうと、旅に出たの」

僧侶姉「そんな旅の中で、母が病死したことは風の噂で耳にした」

僧侶姉「絶望しかけたけど……今日まで生きてこれたのは、僧侶……あなたの存在があったから」

僧侶「ね、姉さま……」グスグス

魔法使い「…………」

僧侶姉「生きていてくれて、ありがとう……今まで一人にして……ごめんなさ、い……!!」

僧侶「姉さまぁぁ……ああぁぁ……っ!!」


………
……

勇者「生き別れた姉……か」

魔法使い「それすらも……ホントか、わかんない……」

魔法使い「……あたしが感じた、あの……ヤな気配が……今も渦巻いている……」

魔法使い (それは、あたしの身体に絡み付く……気持ちの悪いモノ……)

勇者「じゃあ、僧侶はせっかく会えた肉親と離れたくなくて、旅が嫌になったのか?」

魔法使い「……違う、と思う」

勇者「違う?」

魔法使い「……う、ん」

……
………


僧侶姉「会えたのは嬉しいんだけど、僧侶はなぜこんな村に? それと……その子は?」

僧侶「こちらの方は魔法使いさまと仰っていまして、私たちは勇者さまの旅に同行させてもらっているんです」

僧侶姉「勇者……さまの?」ピク

僧侶「はいっ! 魔王討伐の旅の途中なのです!!」

僧侶姉「……へェー♪」チラ

魔法使い「…………」ビクッ

僧侶姉「ウフフ」ニコォ

魔法使い「……っ……」ゾワッ

僧侶「……姉さま? どうかされました?」キョトン

僧侶姉「いえ……この子、身体の調子が悪いのかしら?」

魔法使い「…………」

僧侶「はい……実は、この山を越える際に魔物から毒を受けてしまいまして。その治療に養生しているのです」

僧侶姉「そう……私に診せてもらえるかしら?」

僧侶「え? でも……」

僧侶姉「私に任せて。これでも神官職だから」

僧侶姉「ウフフ……♪」

魔法使い「……っ」ゾワゾワ

魔法使い「……や……この人……何かイヤな気配が、する……の」

僧侶「魔法使いさま、もしかしたら姉さまがあなたを治せるかもしれないんです」

魔法使い「…………」チラ

僧侶姉「……」ニコ

僧侶「お願いします……!!」ペコッ

魔法使い「……僧、侶……」

僧侶「お願いします!!」ペコッ

魔法使い「……そ……僧侶が、そこまで……言うなら……」モゾ

僧侶「! ありがとうございますっ!!」パァァ

僧侶姉「じゃ、診せてもらうわね」ギシッ

ニヤァ


シュルル…パサ…

魔法使い「……っ」ビクッ ビクッ

僧侶姉「傷があったのは、ここ……ね」ツゥー

魔法使い「ひ……ぅっ……んぁ……」ビクッ

僧侶姉「傷跡も残さないなんて、僧侶としても優秀なのね……お姉ちゃん嬉しいわ」

僧侶「いや……でも、そのせいで悪化させてしまったようなものですし……」

僧侶姉「身体の傷を治してなかったらもっと危なかったわ。それくらいこの毒は特別なのよ」サワサワ

魔法使い「……んっ……///?!」ピクッ

僧侶姉「そう……特別、なのよ♪」ウフ

ズッ ギチュ…トプ…

魔法使い (またっ……んぁ……この、気持ち悪い……気配……っ) ビクッ ビクッ

僧侶「どう、ですか……魔法使いさまの容態は……?」

ズグンッ

魔法使い「っ!……あっ……うぐ……な、にこれ……ぇ?!」ビクッ

魔法使い (こ……い、つ……!?) ビクッ

魔法使い「んあぁぁぁっ!」ビクビクビクッ

僧侶「ま、魔法使いさまぁぁぁ!?」

僧侶姉「……ごめんね、僧侶……これは私にも手が負えないかも……」

僧侶「そん、な……」ガタガタ


僧侶「あぁぁ……あぁ……」ガタガタ

僧侶姉「僧侶、落ち着いて……大丈夫だから」ギュッ

僧侶姉「大丈夫……大丈夫よ、あの子はきっと良くなるから……」チラ

魔法使い「んぁっ……あっ、あん……ひぎっ…!」ビクッビクッ

僧侶「魔法使い、さま……ごめ……な、さい……ごめんなさいごめんなさい」ガタガタ

僧侶姉「僧侶も疲れてるのよ……他の部屋で休みましょう」

僧侶「……あぅ……あぁぁ……」ガタガタ

魔法使い「……んひっ……そ、りょ……ぉ……!」ブルブル

僧侶姉「北の森にね、万病に効くと言われる薬草があるの。それを勇者さまに取ってきてもらいましょう?」チラ

魔法使い (ダメ……行かないで……ぇ!!)

僧侶姉「ウフフ♪」

ギィィィィ……バタン


………
……

魔法使い「これが……あたしの、知っている……最後の姿……」

魔法使い「……その時に、僧侶の……姉を名乗る人物が……言っていた北の森……それを頼りに、いつまでも……帰らないみんな、を……探しに出た……」

勇者「……魔法使いのために、と先走って……挙げ句その魔法使いに助けられてばかり……どっちが勇者かわからんな」ハハ

魔法使い「そんなこと……ない……」

魔法使い「…………ゆー、しゃ………あたしがいる、よ? 一緒、に悩むから……一人で、抱え込まない……で」ギュウ

勇者「……いい子だなぁ」ナデナデ

魔法使い (いい子……!? 子供、扱い……っ!?) ガーン

魔法使い「……勇者……これから……どうする、の?」ムス

勇者「……………」

勇者「そう言えば魔法使い、身体の調子は……悪化したんじゃ?」ハテ

魔法使い「そ、それ……は……」アセアセ

勇者「大丈夫なのか? 無理してないだろうな!?」ズイ

魔法使い「だだ大丈夫、なの……! 今はへーき、だから……っ///」カァァ

勇者「……そうか」

勇者「魔法使い……ありがとう……」

勇者「俺はもう、戦士のように仲間を失いたくない」

勇者「僧侶のことだって、まだ分からないままだ。だけど……まだ死んでいる訳じゃない」

勇者「だから、俺はー」


………
……



魔王「それでそれで?! どうするの?」グイグイ

勇者「ちょ、待って! さすがに話通しで疲れたから、休憩させて!」

魔王「気になる気になるぅー! ね、ね! 休憩30秒あれば足りる? 足りるよね? ハイ、スタート!!」カチッ

勇者「足りるかァァァァァ!!」ザンッ

魔王「あー……すとっぷうぉっちが……」マップタツ

勇者「本当に魔王か、お前……タダの生意気でワガママなガキにしか見えn」

魔王「えーい」キィィン

魔王「いぇーい! すとっぷうぉっち直ったー♪ んじゃ、再スタートぉ」カチッ

勇者「」


……

………

はい、というわけで悲しいかな
本当にスコンと投下が終わりました……

また次の投下までお待ちを。

今夜は投下できそうにもありませんので、
今のうちに投下いたします。

相変わらず数レスですが、お楽しみください。

厨ニ臭さに悶えてます……。


勇者「僧侶の行方を探すなんて言ったが、情報がまったくない」

魔法使い「こっち、も……全然……」フルフル

勇者「どこへ行ったんだ、僧侶」

勇者 (……待て、なぜだ? なぜまったく情報がない?)

勇者「こんな小さな村だ。僧侶を見た人がいないほうがおかしくないか?」

魔法使い「そう……言われると」ウムム

勇者「……なにかある。俺たちが気付いていないだけで何かが……」

ユラァ

魔法使い「………っ」ゾワッ

魔法使い (この……イヤな気配……!) ババッ

魔法使い「……風迅、疾……!!」ドウッ

ザアァァァァァッ

勇者「……魔法使い? これはっ!?」

魔法使い「……」コク

ウフフ……アーッハッハッハ♪

魔法使い「ゆ、勇者……」グッ

勇者「この声……! この感覚……!!」ギリッ

ユラァ ユラァ ユラァァァ

勇者「何故だ………何故、貴様が生きている!!」スラッ ビュオッ

勇者「幻夢!!」ジャキッ

幻夢「ウフフ♪ また会えて妾は嬉しいぞ、勇者さま」スゥゥ


魔法使い「勇者……アイツ……」

勇者「そうだ……戦士が命をかけて倒した魔物だ!!」

魔法使い「……っ」

幻夢「その命をもって放った最後の光……美しく、儚く、見事であったぞ?」ウフ

幻夢「最高のエクスタシーであった♪」

勇者「戦士……っ!!」ギリギリッ

魔法使い「……ゲス……め……石火連、弾……!」ズドドドドドッ

幻夢「ウフ♪ そなた、身体の具合はどうじゃ?」ユラァ

魔法使い「……問題ない……水流鞭……っ」ズバシャァッ

幻夢「そうかぇ。ならば妾からは何も言うことはない」ユラァ

勇者「何を、言っている?」

魔法使い「…………何でも、ない」キュオォッ バオッ

幻夢「ほぅ……? 勇者さまには知られとうないと」ウフフフ

魔法使い「黙れ……っ! 火焔竜……!」ゴオオォッ

ゴバァァァァッ!

幻夢「無駄じゃ。妾には届かぬよ」ユラァ

魔法使い「はぁ……はぁ…………うぅ」ズキン ズキン

勇者「魔法使いっ!」タタタ

幻夢「一人は死に……一人は失踪……唯一残された仲間も手負いと来ている」

幻夢「これでは魔王さまに挑むどころか、辿り着くことすら夢のまた夢」

幻夢「哀れよの、人の子よ……悲しきことよの、人の子よ……せめて二人のもとへ送り届けてやろう!!」カッ

ズオオォォォッ!


幻夢「アハハハハ!! 踊れ、愛しき子よ!」スゥゥ

勇者「チッ……また消えたか……」

魔法使い「……勇者……」

勇者「気を付けろ……どこから来るか……」

魔法使い「あたし……解る、よ……アイツの、気配……」

勇者「…………」

勇者「よし、指示してくれ。俺から離れるなよ」ダキッ

魔法使い「……は、はい///」ギュッ

どうした? 共に仲良く死ぬつもりかえ?

勇者「魔法使い、頼む」ジャキッ

魔法使い「はい……!」スッ

魔法使い「…………」キィィィ…

無駄なことよ……死ねぇ! ヒュオッ

魔法使い「右……」キィィィ

勇者「オラァッ!」ギィン

よくぞ防いだ。なればこれでどうじゃ?

ヒュオ ヒュオ ヒュオ ヒュオッ

魔法使い「上、前方右斜め、左、背後やや上方向……」キィィィ

勇者「はっ! だりゃっ! ふっ! シャァァッ!!」ギッ ガイン ギャリッ ガキィン

な、なんじゃと!?

魔法使い「前方五歩先に本体……」

勇者「ハァァァッ!!」ドンッ

ザンッ

幻夢「うぎぁああっ!? 妾の身体が……!!」ブシャッ

勇者「浅いか!?」

幻夢「許さぬぞ……妾に傷をつけおってェェェェェ!!」スゥゥ


魔法使い「芸の無い奴……勇者……」スッ

勇者「そこだぁぁ!!」ダダダダ

ズバッ

幻夢「ギィィィイイ!? 何故だ、何故妾の居場所が解る!?」

魔法使い「お前の……汚い気配が、プンプン……」クサイ

幻夢「そうか……そなたは妾の魔力を読むのかぇ」ユラァ

勇者「諦めろ、幻夢……」ザッ

幻夢「ウフフ♪ 諦めろ? それはそなたらの方じゃ」ババッ バッ バババッ

ズグン

魔法使い「んぁ……っ! あぎっ……い……っ」ドサッ

勇者「魔法使い!?」

幻夢「廻れ……肉を蝕み、血を腐らせ、死に至らす我が毒よ」バッ バッ バッ

魔法使い「あっ……あぁ……っ! こ、の……!!」ビクビクッ

勇者「貴様、何をした!!」

幻夢「アーッハッハッハ! 惜しかったのぉ、勇者さま!!」


魔法使い「くぅ……ぁ……ゆ、しゃ……見ない、で……」ガリガリッ ガリガリガリッ

勇者「自分の身体に傷を……何をするつもりだ?! 止めろっ!」

魔法使い「……魔方陣、展開……圧縮呪文、解放……っ!!」トンッ

ギュオオオッ ブシャッ

幻夢「ほう……妾の毒に抗うか?」

魔法使い「はぁー……はぁー……」ヨロ

勇者「大丈夫なのか? 何をしたんだ」ガシッ

魔法使い「それより……聞いて……アイツの正体……」

魔法使い「僧侶、の……と……同じ……気配が……」ガク

勇者「僧侶? 僧侶がどうした!?」

幻夢「ウフフ♪ 意識が飛んだか……なかなかやりおるわ」

勇者「何をした……」

幻夢「なぁに、ちょいと毒を盛っただけよ。抵抗したせいで意識が飛んだようだが」

勇者「許さねぇぞ、幻夢……戦士だけじゃなく、魔法使いまで……」ジジ……バリバリバリ

幻夢「また雷かぇ」ハァ

幻夢「バカの一つ覚えよの……」ユラァ


勇者「そう簡単にいくかよ……」ギロッ

幻夢「なんじゃと……?」

勇者「前回と同じと思うな、クソババァ……」

勇者「遮蔽物のないここなら、俺の雷は最大の威力を発揮する……」

幻夢「……っ」スゥゥ

勇者「逃がすか!!」ゴバァッ

幻夢「アギィッ!?」バリバリ

勇者「埋め尽くせ、神の裁きよ!! 森羅万象、尽く凪ぎ払え!!」ズバァン バチバチバチ

幻夢「ひぎぃぃ……」ユラァ ユラァ

勇者「逃げ場が無くなるほど、埋め尽くす雷撃から逃げられると思うなよ!!」

勇者「降御雷・轟雷!!」ガカッ

ゴガァァァァアアアアッ!!

幻夢「アガガガガガガ!? アギェェエエエ!!」

勇者「あの世で戦士に詫び入れてこい!! 幻夢!!」バンッ

勇者「滅 ビ ノ 雷!!」ズオッ ゴゴゴゴ…

ゴオオオォォォ…………ズシャァァァァン!!

幻夢「ごんな……ボノデエ…妾ガ……ァァ!!」ボロボロ

勇者「唸れ雷鳴……迸れ雷光……」ガガガガッ バリバリ

幻夢「グギぃイ…いぇァア…ァアァァ……ッ」ボロボロ

勇者「天 翔 雷 斬 !!」ズオッ

ゴガァァァァァァ……ン





勇者「…………」スッ パチン

…………
……


……


側近「…………」チラッ

魔王「…………」チラッ

勇者「ん? どうしたんだ二人して……上に何かあるのか?」

側近「い、いーえ?!」ビクッ

魔王「うん! 何でもないよ、何でもない!!」ワタワタ

側近 (さすがに魔王城を破壊するほどの雷撃ではありませんよね……?)

魔王城 (耐えきれる自信はありません、はい)

魔王「ほぇー……やっぱ勇者って強いのかな?」

勇者「のかな? じゃなくて強いんですぅー!」

魔王「でも弱いよぅ?」キョト

勇者「人が手加減してやりゃ調子こいて……」

魔王「まっ、それでも側近よりは強いよね♪」ナデナデ

勇者「頭を撫でられるのが当たり前になりつつある自分が嫌だわ……」

側近 (え? 手加減して私と同レベルですか、魔王さま?)


……

………

本当に少なくてすみません。

ここまでとなります。

そろそろ勇者の回想が終わりに近づいてきました。
次回をお楽しみに。

では!

こんばんわ。

毎度の数レス行きます。


魔法使い「…………ん……」

勇者「気が付いたか、魔法使い」ナデナデ

魔法使い「……ゆー、しゃ……?」

勇者「あぁ、俺だ」

魔法使い「……アイツ、は?」

勇者「……終わったよ、全部。戦士の仇も……打てた」

魔法使い「……そう……」

勇者「…………」

魔法使い「…………」

勇者「聞かせてくれないか? アイツが僧侶と何の関係があるのか……」

魔法使い「………」コクン

魔法使い「……アイツは、勇者たち、が、いない間に現れた……その時は……僧侶の姉を、名乗ってた……」

勇者「俺たちに北の森の情報を持ってきた時、僧侶の様子がおかしかったが……アイツに何かされたのか?」

魔法使い「あたし、が…… アイツに、毒を盛られた……から、それを……自分のせいと……酷く、錯乱……してた」

勇者「戦闘の最中、アイツが言ってたのはそのことか……もう、大丈夫なのか?」

魔法使い「…………呪文を施した、から……へーき……」コクン

勇者「そうか。それで、他には何かなかったのか?」

魔法使い「あとは……特に……アイツに抱き締められて、いただけ……」

勇者「何かあるとすれば……連れていかれたあとか……」

魔法使い「ごめん……なさい……あたしがら、もっと……しっかりして、たら……」シュン

勇者「……いや、魔法使いは悪くない。それを言ったら、そんなことになってたのに、のんきに飯を食ってた俺も悪い」

魔法使い「……そんな…っ!」ワタワタ

勇者「結局、僧侶がいないと、分からないことばかりだな」

魔法使い「……探す、の?」

勇者「あぁ……戦士の死を無駄にはしない」

魔法使い「…………」コクン


村人1「んー……何度聞かれても答えは同じだなぁ」

村人2「そうねぇ、勇者さまたちと一緒に来ていた僧侶さまでしょう? あれからは見ていないわね」

魔法使い「そう……ですか……すみません、何度も……」

勇者「何か、何か些細なことでも……!!」

村人2「ごめんなさいね。力になってあげたいのだけど……」

村人1「すまねぇな」

魔法使い「……いえ……充分、です……ありがとう……ございます……」ペコ

勇者「……やっぱりわからない、か」フゥ

魔法使い「………」

??「あたし、知ってるよ!」

勇者「っ!」バッ

魔法使い「……女の、子……?」

少女「そーりょさまね、ゆーしゃさまのあとをついていってた!」

宿屋主人「こ、こら! 勇者さまたちの邪魔しちゃダメだろう!?」

勇者「宿屋の……」

魔法使い「大丈夫、です……。ね、よかったら……僧侶のこと、見ていた……の?」チョコン

少女「うんー! あのねあのね、おほしさまをみてたらね、そーりょさまがでてきてね、ゆらゆらしたへんなのにクルクルーって」

魔法使い「……くるくるー……?」

少女「うん! くるくるー♪」クルクルー

魔法使い「くるくるー……」ニコ

勇者「……」

宿屋主人「……すみません、かえって邪魔したみたいで……」

勇者「いえ、今はどんな情報もありがたいです」ペコ

宿屋主人「そう言っていただけると助かります……ほら、帰るぞ」

少女「おねーちゃんも、くるくるー♪」クルクルー

魔法使い「わーい……くるくるー……♪」クルクルー

勇者「……」ホッコリ

宿屋主人「……」ホッコリ


勇者 (俺たちの後をつけていた? 何のために?)

少女「くるくるー♪」クルクルー

魔法使い「……くるくるー」クルクルー

宿屋主人「ほら、いい加減にしなさい! 戻るよ!」

勇者 (あの場にいたのか? 戦士が死んだ、あの場に……?)

少女「えー? もっとおねーちゃんとあそびたーい!」プクー

魔法使い「……遊びたーい」プクー

勇者 (なぜ来てくれなかった? もしかしたら戦士は死なずにすんだのかもしれないのに……)

宿屋主人「ま、魔法使いさままで?!」ナンテコッタ

勇者 (裏切ったのか? いや……僧侶が来てくれたとしてもあの場は逃げるしかなかった……)

宿屋主人「ゆ、勇者さま! 何とか……!!」

勇者 (北の森に行けば何かわかるのか……?)

宿屋主人「シカト!?」ナンテコッタ

魔法使い「くるくるー……」

少女「くるくるー♪」


北の森

魔法使い「勇者……くるくるー」

勇者「はいはい、くるくるー」

魔法使い「……」ニッコリ

勇者「気に入ったのか、それ」

魔法使い「………」コクコク

勇者「よ、良かったな……まぁ、この辺もまだ、アイツの呼び出した魔物が彷徨いてるから気を引き締めてな」

魔法使い「……くるくる」コクン

勇者「肯定……なのか? そう、か」ウン

ガサガサッ

魔物「ゲギャァァ!」

勇者「魔物だ!! 来る……」

魔法使い「……くるくるー」キィン

ギュウゥゥン ブチィ

勇者「ぞ……って……」

魔法使い「くるくる……」エッヘン

勇者 (ネジ切られてるわ……初めて見たな、あの魔法……出力も魔力も上がってる……どういうことだろう) チラ

魔法使い「……くるくる?」キョト

勇者「あ、あぁ……ありがとな」ナデナデ

魔法使い「……くるくる///」ポッ

北の森・戦闘跡地

勇者「……また、ここへ来てしまった」

魔法使い「……」ギュ

勇者「大丈夫、大丈夫だよ。今はまだ、立ち止まっていいときじゃない……」

魔法使い「………」コクン

勇者 (……戦士…………ん? 足跡……?)

魔法使い「……勇者」

勇者「あぁ……まだ新しいな……僧侶の靴に似ているが……」

サァァァ……

魔法使い (風……それに、この……魔力……)

勇者「僧侶……?」

パァァァァ

僧侶『…………』

魔法使い (……悲しそうな、顔……)

勇者「どうしたんだ、僧侶……もう魔物は倒したんだ。……なのに、どうしてそんな顔をしている?」

僧侶『…………』パクパク

勇者「なんだ? 聞こえない……何を言ってるんだ?」

僧侶『…………』パクパク

魔法使い「……ごめ、んなさ……い……?」

勇者「何を謝っている? もう俺は気にしてない! きっと戦士だって……っ!!」

僧侶『……』

勇者「わかんねぇ……わかんねぇよ!! 謝るくらいなら戻って来てくれ! もう……これ以上、仲間を失いたくないんだ……」

僧侶『…………』フルフル

勇者「戻れないのか? ……何でだよ!! 俺たちは仲間だ! いつも一緒にいる仲間なんだ!!」

僧侶『…………』

勇者「なんで……だよ……なんでそんな顔をしてるんだ……」

僧侶『…………』スゥゥ

勇者「待ってくれ! せめて訳を話してくれ! 僧侶ォォッ!!」

スゥゥ…

魔法使い「……消え、た……」

魔法使い (魔力も……僧侶は、ここには……いなかった……きっと、魔力だけ……を飛ばしたんだ……)

勇者「くっ……俺だ……俺のせいだ……!!」

魔法使い「……ゆー、しゃ……それは……ちがう……」

勇者 (俺が弱かったから、戦士は死んだ……)

勇者 (もっと……もっと強く……!!)

魔法使い (勇、者……)

勇者「行こう……前へ進もう」

魔法使い「………」コクン


………
……



魔王「くるくるー♪」クルクル

勇者「言うと思ったわ」

魔王「くるくるー?」コクビカシゲ

勇者「あー、はいはいカワイイカワイイ」ナデナデ

魔王「くるくるー♪」ゴロゴロ

側近「魔王さま成長日記が捗ります!!」カシャカシャカシャカシャカシャカシャ

勇者「……はぁぁぁ」


……

………

と、言うわけで
一旦締めます。

夜間に来られたらまた来ますので
お楽しみに。

こんばんは。
支援感謝いたします。

夜間に来れず失礼しました。
そして今夜も来られそうにないという……

なかなか進まなかったのですが
少し投下しておきます。


??「止まれ!」

勇者「あ? ……なんだ、王国兵か」

魔法使い「……? あたし、たちは……この先……にある、街に用がある……」ナニカ

王国兵「これより先は我ら王国軍が占有している! 街の者でない限り、入ることは出来ない! そして1度入ってしまえば、許可なく出ることも叶わぬ!」

勇者「ド丁寧な説明、ありがとよ」ヒラヒラ

魔法使い「………」ペコ

王国兵「待たれいィィ!! 貴様ら、いましがた説明したばかりであろう! 某の話を聞いていなかったのか!?」グイ

魔法使い「……きゃ…っ」ドタ

勇者「お前こそ俺のこと知らないんかいィィィ!!」ドベン

王国兵「くっ……貴様ァ……剣の腹で某を叩くとは何事かァァァ!!」

勇者「そっちかよ! ……大丈夫か、魔法使い? ほら、捕まって」

魔法使い「………」コクン

王国兵「ぬぅぅ……あ、あれ? 勇者様じゃないですか?」

勇者「遅いわァァァッ!!」ドベン

王国兵「ひ、ひどいでありますよ、勇者様ぁ……剣は騎士の魂ですよぉ?」サスサス

勇者「そこじゃねぇんだよ! なんだお前!」

勇者「大体、騎士の誇りはその高い忠誠心に正義と秩序を刻み、名誉ある戦いを……とかなんとかだろうが」

王国兵「いえ! 某は極東の地に存在する和の國の騎士、サムルァーイをお手本としているであります!」

魔法使い「……巻き、舌……さむらぁい…?」

王国兵「いえ! サムルァーイであります!」

魔法使い「サムルァーイ……?」

王国兵「ザッツライッ! 良いですよ、では某に続いてサムルァーイ!!」

勇者「サムルァーイ!!」ドベン

魔法使い「……」サムルァイ

王国兵「いつつ……いや、しかしさすがは勇者様のお付きの方。なかなかの教養でありますな……」サスサス

魔法使い「……」v ヴイ

勇者「あー、ハイハイ。勝手に通らせてもらうぞ」スタスタ

王国兵「隅に置けませんな、勇者様。こんなカワイイ娘と二人旅だなんて」コノコノ

勇者「通らせてもらうからな!!」ドベン

王国兵「サムルァーイ!?」ブギュル

勇者「ったく、なんだってんだ……」スタスタ





王国兵「…………」


拠点

魔法使い「……さむ、るぁーい……♪」

勇者「もういいって」

魔法使い「……はーい……」

魔法使い「……勇者、この街……は?」

勇者「ここは戦線に一番近い都市で、王国軍の軍用拠点になっている」

勇者「ここから先は魔王の勢力下になるから、この街でしっかりと準備をしておきたいんだが」

住人1「……」

住人2「……」

魔法使い「……この街……暗い……?」

勇者「はっきり言えば最前線の拠点なっているわけだしな。……いろいろあるんだろう」

魔法使い「…………」チラ

住人「……」ブツブツ

勇者「さ、準備だ準備」

魔法使い「……うん」

いやぁぁぁっ!

勇者「!?」

魔法使い「……勇者」

勇者「行くぞ」

魔法使い「………」コク





住人「…………」


傭兵1「大人しくしろ!」バシッ

傭兵2「俺たちはお前らのために魔物と戦ってるんだ……このぐらいの役得がないとやってらんねぇよ」カチャカチャ

女「や、やめて……やめてくださいっ!」ビリッ

傭兵3「むしろ進んでご奉仕してくれよ」

女「いやぁぁぁ……」

傭兵1「オラッ! さっさと股開けや、クソが!!」バキッ

勇者「どーん!!」ドカッ バキッ ゴンッ

傭兵123「ぐわあっ」

魔法使い「……大丈夫? これ、羽織って……」

女「うぅ……」グスグス

傭兵1「何すんだ、テメェ!」

勇者「それはこっちの台詞だ、コノヤロー」

傭兵2「何だァ? 余所者かよ、コラ」

傭兵3「お前だってかわいい女連れて来てるじゃねぇか。やることは同じだろうが!」

魔法使い「………」キッ

勇者「なんのことを言ってるかわからんが、その粗末なモノをしまえバカ」

パオーン

魔法使い「………///」プイッ

傭兵1「こ、このぉ………!!」カチャカチャ ダダダ

傭兵2「クソが………!!」カチャカチャ ダダダ

傭兵3「覚えてやがれ!!」カチャカチャ ダダダ

勇者「逃がすかバカ!」バリィ

傭兵123「ひぎぃっ!?」バチバチバチ

勇者「ったく……魔法使い、コイツら王国軍に引き渡してくるから、その女の人を……」

魔法使い「………///」ハジメテ ミタ

勇者「魔法使い?」ポン

魔法使い「ひぁっ!?」ビクッ

勇者「………えー、と……」ポリポリ

魔法使い「ふぇ……わっ……あ、の……///」ワタワタ

勇者「いや、アイツら王国軍に引き渡してくるから、その人のこと頼んでいいか?」

魔法使い「………!///」コクコクコク

勇者「……うん、頼んだよ」

勇者「ほら、行くぞバカ共」バチッ

傭兵s「アヒィィィ!?」ビリビリ シュルノ ホォォ!

勇者 (……魔法使いの珍しい声聞いたな///)カワイカッタ

<ビリビリィ アヘェェ! モウユルヒテヘェ!





王国軍「…………」

少なくてすみません。

書き溜めに時間がかかっています。
では、また明日。

おはようございます。
毎度の数レスいきます。

※王国軍の名はややこしいので、
これからは軍師に変更いたします。
前レスについては脳内補正をお願いします。

投下


王国軍(以下 軍師)「わざわざ勇者様のお手を煩らしてすみませんでした……おい、コイツらを連れていけ!」

<ハッ! サッサト コイ!
<アヒィ…

軍師「お見苦しいところをお見せしました」

軍師「しかし、戦線が長期化するにつれて人員の確保もままならず、あのように傭兵を雇い入れてはいるのですが……」

勇者「それに伴い治安の悪化に繋がってる、と」

軍師「王国からの援軍物資も滞っており、防戦一方の有り様。何とか戦線の維持しているのが現状です」

勇者「……そうか」

ドドーン…
<マオウグン ダー!

軍師「くっ……勇者様!」

勇者「わかっている!! 動ける者はついてこい!」

軍師「はっ!!」

ダダダダダダ





傭兵「…………」saga


住人「助けてくれぇー!?」

不死魔物「ゴゴ…グガガガガ」ズズズ…

ザンッ!

軍師「おぉ……意図も容易く……!!」

勇者「戦える者は二人一組で足止め! 非戦闘員は住人の救助及び怪我人の救護!!」

軍師「勇者様は?!」

勇者「俺はいい! 魔物を押し返せェェェ!!」

<ウオォォォッ!!

不死魔物「ォォ…ォォ…」グチャグチャ

勇者「集え、雷精!」キィィィ

勇者「爆ぜろ! 雷光弾ぁぁぁん!!」ズドンドンドンッ

ドガガガ!!

不死魔物「ァァァ…ォォ…」ズルッ ズルッ

兵士「うっ、うわぁぁぁ!?」

勇者「ッ! 迅雷!」バリバリバリ

バチッ

不死魔物「ァァァ…」バチバチバチ

勇者「チッ!」ダンッ

兵士「ひぃぃっ!!」

…爆雷針!

ガスッ ドズーン

勇者「魔法使い!」ウオッ

魔法使い「……ごめん、遅れちゃっ……た……」

勇者「いや、大丈夫。来てくれると思ってた」ナデ

魔法使い「……///」

勇者「よし、残りを掃討する!」

魔法使い「は、い……!」


勇者「我が刃に宿れ、雷よ!」スガァン!

魔法使い「死、より這いづる……モノ、共よ……地の……底へ還れ」パンッ

魔法使い「圧……壊」ズンッ!

勇者 (……まただ。また魔法使いの魔力が膨れ上がった……) タンッ

勇者 (まぁいい。今は……) ギラッ

勇者「飛翔! 稲妻落としー!!」ガオォォォン!

魔法使い「ゆーしゃ、かっくいい……」パチパチ

勇者「まだいるぞ、魔法使い! 最後まで気を抜くな!!」ズザザザザーッ

シュァァァ……ガラガラガラ ベシャッ ボトッ

勇者「な、なに!?」

魔法使い「魔物が……崩れていく……」

勇者「……?」ゾワッ

勇者 (何だ……この違和感……)


軍師「勇者様! 魔法使い様!!」タッタッタッ

魔法使い「……軍師、さん……」

勇者「……まさか、な」

魔法使い「勇、者……?」

勇者「……状況はどうなっている?」

軍師「あなた方二人のおかげで助かりました。殆ど被害は出ておりません」

魔法使い「……よか、った……」ホッ

勇者 (俺たちのおかげ……と言うよりは……) チラ

軍師「いやはや……さすがのお手並み、と言ったところですか」

勇者「……このように街の中にまで侵入を許しているのか?」

軍師「限りある人員で警戒はさせているものの、やはり小さな隙を点かれては……」

勇者「……そうか」

軍師「……何か気になることでも?」

勇者「あぁ……」チラッ

魔法使い「……?」キョトン

勇者「いや、何でもない」

軍師「そうですか……。宿を手配させましたので、今夜はどうかそちらでお身体を休めて下さい」

勇者「あぁ……ありがとう」

魔法使い「……」ペコ

スタスタスタ…





軍師「…………」


不穏な影

勇者「…………」ギシ

勇者 (街の中に突然現れた不死者……なのにこちらの死傷者はゼロ……) ゴロ

勇者 (魔法使いの魔力の膨張……) チラ

魔法使い「……ふゃ……ふにゅ、ふにゅ……」スヤスヤ

勇者 (それに、あの違和感……なんだ? 何かを見落としてるのか?) ゴロ

勇者「眠れないな……少し散歩をしてくるか」ムク

キィッ パタン

魔法使い「…………」モゾ

……


勇者「…………」ザッザッザッ

勇者 (静かだ……何の音もしない)

ゴッ!!

勇者「?!」ゾワッ

勇者 (また……この違和感……魔力か!?)

勇者「この、魔力……は、どこから……!!」ダッ

勇者「より禍々しくなってやがる……!」タンッ タンッ タッ

勇者「何だ、これ……」ヤネノ ウエ


勇者 (あちこちで共振してる……俺じゃ発生源の特定は無理か……)

勇者「魔法使いなら……」

勇者 (彼女なら、魔の気配を敏感に察知出来る)

??「手筈……では、彼らに……」ボソボソ

??「しかし……この魔法には……」ボソボソ

??「実用段階…………構わぬ」ボソボソ

勇者 (魔法……? 実用段階? 何の話している……) スッ

王国兵「まだ……死者を……ですが……」ボソボソ

軍師「よかろう……存分にやりたまえ」チラ

勇者 (危ねっ!) サッ

フッ

勇者 (魔力が消えた……あれは軍師と入り口で会った王国兵……) チラ

…………

勇者 (行ったか……) ヒュッ

勇者 (この街は軍事拠点だけじゃない、何かがある) ストッ


………
……



魔王「うぇぇ……不死者って、あのグッチョグチョのベッチャベチャな奴ぅ?」

勇者「あぁ。アイツらは死なないから、動けないようにすることが最優先だった」

魔王「側近? 私の配下にそんなんいないよね?」

側近「えぇ、ヴァンプなどの高等種以外の不死者はいません」

魔王「……よかったぁー」ホッ

勇者「戦力的には優秀だと思うんだがな?」

魔王「ヤダ、気持ち悪い!」イーッ

勇者「そうかい」フフッ

魔王「さ、口直し口直し」ススス

勇者「ん?」

魔王「勇者分のほきゅー♪」ダキッ

勇者「魔法使い……」ナデナデ

魔王「…………」ギュッ

側近 (……魔法使いさまは、どうやらそこで何かがあったようですね)


……

………

はい、少な目ですが投下終了です。

また次回!

はい、おはようございます。
一応最後までの構想が出来ましたが
壮大になりつつあります。

小出しでモヤモヤは変わりませんが。
いつもの数レス行きますよ。



魔法使い「……」パチ

勇者「おはよう。よく眠れたか?」

魔法使い「……ふぁ…」コク

勇者「そうか……」

魔法使い「……何か、あっ……た?」コシコシ

勇者「あぁ昨夜な。まだ確証はないが……」

魔法使い「……そう」

勇者「…………」ジッ

魔法使い「……?///」モジ

勇者「昨夜、魔法使いは何か……気付くことはなかったか?」

魔法使い「………………」

魔法使い「……」フルフル

勇者「……そっか。いずれにせよ、この街に何かあるのは間違いない。魔法使いも気を付けるんだぞ」

魔法使い「……」コクン

勇者「とは言うものの……」ファア

勇者「ん、悪い……結局、あまり眠れなかったからな。少し横になるよ」

魔法使い「……!」コクコク

勇者「出来るだけ、出歩かないでくれよ……何が……あるか……わから……い……」スー…

魔法使い「………」コク

勇者「……スー……スー……」Zzz

魔法使い「……」スッ

チュ…

魔法使い「………///」ファサ ポンポン

魔法使い「…………」







ゴメン…ネ…


アッ…アゥウッ…

勇者「……ん……」モゾモゾ

ダ…メ…アッ…マダ…

勇者「……んが?」パチッ

アッ…ア…クッ…ファ…

勇者「…!?…」ガバッ

魔法使い「あぁぁっ……! あく……っ……い……やぁ……!」ハァ ハァ

勇者「ま、魔法使い!?」

魔法使い「ゆー……しゃ、ダメ……うぁ……っ! ゆーしゃ…ぁ……ゆーしゃぁぁっ!!」ビクッ ビクッ

勇者「どうしたんだ!? しっかりしろ! 俺ならここだ! ここにいるぞ!!」

魔法使い「ク、る……キちゃう……あぁ……っ! イ……ヤ……」

勇者「魔法使……っ!」ゾワゾワッ

ゴォォォォ!!

勇者「また……!?」

魔法使い「ゆ……しゃ……ぁ……っ……ぁぁああああああああああああっ!!」ゴバァッ ドウッ

勇者「うぐっ!?」ドガッ

ギィィィ…ン

勇者「これ、は……共振……っ!?」

勇者 (魔法使いが……この街を覆う魔力に呼応してるというのか?)

勇者「くそっ!! 何が起こってる!!」ググッ

魔法使い「っ!」カッ

勇者「!!」バッ

ズドドド……ォォン ガラガラガラ…

………
……

勇者「……だあっ!!」ドガァッ ガコン ゴドッ

勇者「ハァッ……ハァッ………こ、これは……?」

住人?「ァ……ァァ……」フラフラ

傭兵?「……ァヒ……ァ」フラフラ

兵士?「……アリ…マセ…」フラフラ

女?「…ィァ……ィィ……ァ…」フラフラ

魔法使い「…………」ヒュォオオ

勇者「魔法使い!! 魔法使い、何があったんだ!」

魔法使い「…………」フイッ

勇者「魔法……使い?」

バシュッ

勇者「ま、待ってくれ、魔法使い!」


■■■■■■■……

傭兵?「アヒ……アヒ、ヒ……」ブンッ

ザクッ

勇者「がっ……!? お、前……!」

■■■■■■■…

女?「イヤ……ィィァァ……」ブンッ

ドガッ

勇者「何で……くそっ!」チャキッ

■■■■■■■……

住人?「ォォ……ァァァ」ブンッ

勇者「ぐっ!」ガギィッ

■■■■■■■…

兵士?「リ……マセ……アリ……マセン…… 」ビュオッ

ドガァッ

勇者「がはっ!?」ドザァ

ァ……ァァ……
ォォ……ァァァ……
ァァ……ァ……ァァァ

勇者「この街の住人……どうなってるんだ……どいつもこいつもおかしいところだらけじゃないか!!」タッ

ブンッ ビュオッ シュッ ブォッ ビュンッ

勇者「くそっ……」サッ バキン パシッ バッ ガキッ

勇者 (さっきから頭の奥を蠢くように聞こえる声……一体何が……!)

勇者「頼む、どいてくれ! 仲間が……魔法使いが俺を待ってるんだ!!」ザッ

ォォ……ォォン……

勇者「ちくしょう……っ」ダンッ トッ

ブンッ ビュオッ シュッ ブォッ ビュンッ

勇者「はああっ!」 バキン パシッ バッ ガキッ

ビュカカカ ズドッ

勇者「うぐ……っ!」ズボッ カラン

勇者「……どけェェェェ!!」ダッ


勇者「魔法使い!」ハァ ハァ

魔法使い「……………………」

王国兵「おや? これは勇者様」

軍師「どういうことですかな、勇者様」

勇者「お前ら、魔法使いに何をした!? 魔法使いだけじゃない! この街の住人も!!」

軍師「は、て……何のことだか」ニヤニヤ

王国兵「私共にはさっぱり」ニヤニヤ

勇者「白々しいんだよ、何だあの生気も感じない集団は!」バッ

ォォ……ァァ、ァ……
ァ……ァァ……

軍師「……ふむ」クイッ

王国兵「……勇者様。魔王の脅威に晒され魔物に怯える人々をご覧になり如何お思いか?」

勇者「……それが何の関係がある?」

軍師「怯えるばかりでなく、なぜ戦おうとしない?」

勇者「眼前に死が迫れば、人は臆病にもなる」

王国兵「そうだ! 人は臆病にも傷付くことが恐い! そして死が恐い! 他人が傷付くことには無頓着なのにも関わらずだ!!」

軍師「しかし、そんなものがなくなるとしたら?」

勇者「………貴様ら……」

軍師「そこで我ら王国軍はある秘法を見出だした!!」

王国兵「己自身、戦いに身を投じることができる。己自身が守りたいものを護れる」

軍師「見よ! 古代呪術書に記された神秘の秘法! それにより新たに生まれ変わった彼らを!!」

勇者「……!!」バッ

ァァァ……ァァ、ァ……
アヒヒ……アヒアヒ……

勇者「そ、んな……」

軍師「死ぬこと無き躯……素晴らしいことではないか?」

勇者「まさか……昨日襲撃してきた不死者は……」

王国兵「ご明察。推測通りでございますよ……勇者様」ニタァ

勇者「この街の住人は……すでに……」ギリィッ


軍師「我が不死軍は不滅! 人も! 動物も!! 魔物すらも!!」

軍師「すべてを取り込み強大になっていく!! 魔王なぞ恐るに足らず!!」

勇者「これ以上、死者の冒涜は許さんぞ!」

軍師「これは異なことを……我らが国王様の御事案ですぞ、勇者様」

勇者「な……に……」

勇者「国王が……国王が臨んでこんなことを!? 自国の民を、人間をなんだと思っているんだ!!」

軍師「ふぅ……やれやれ。おい」

王国兵「国家反逆罪にて勇者様を、いや……勇者を抹殺せよとのご命令だ」

魔法使い「……は、い……」スッ

勇者「そんな……嘘、だろ……魔法使い……」

魔法使い「………………」キィィン

勇者「魔法使いィィィィ!!」スラッ ビュオッ

ズドオォォォン!!


………
……



魔王「不死化魔法ね」

勇者「知ってるのか」

側近「吸血鬼の真祖やリッチなど、元が人間だった者たちが更なる高みを目指すために用いた呪法ですね」

勇者「あぁ、元は己自身に掛ける呪術と聞いた。それを街全域に施し、住人を不死者の戦士と変える」

側近「ふむ……最前線都市であれば大量に人が死んでも不思議はない、という訳ですね」

勇者「そこに漬け込んだんだ。そして新たな死者をも飲み込み、より強大になっていく」ギリ

魔王「………」

側近「心情的にはともかく、非常に利に敵った方法ですよ」

側近「死ぬこともなく、疲れを知らない不死者の軍団……人間は恐るべきモノを造り出しましたね」

勇者「…………」

魔王「側近!」グアッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

側近「は、はひぃ!?」ズル ベタン

魔王「少し……黙りなさい」キッ

側近「ははははいぃぃぃぃ……」ブルブルブル

勇者「………」


……

………

というわけで、また次回!

お楽しみに?

おはようございます。

この先の展開でゴチャつきまして
ただいま整理及び加筆・添削中です。

なかなか来られないお詫びに
まだしていなかった
要らないかもしれない
勇者パーティーの人物紹介です。


戦士 : 使用武器・斧
豪放磊落ながら周りに気を使える大男。
年長者らしく時には仲間を諌め、時には先立って
パーティーの先頭を担ってきた。
その命を賭して勇者を守った。

僧侶 : 使用武器・メイス
若いながらも信仰心の厚い聖職者。
神託を授かり、勇者と共に旅立つことを決意。
姉を偽った魔物に騙され、姿を消した。
後に光の中から勇者の前へと姿を現したが……。

魔法使い : 使用武器・杖
勇者のパーティー中、最年少の女の子。
言葉を発することが苦手で、その声は小さくか細い。
魔力が次第に脹れ上がり、その潜在能力は底が知れない。
勇者に恋心を抱いているが……。



本日中に更新いたします。
もうしばらくお待ちください。

はい、お待たせしています。
これより投下していきます。

擬音ばかりになり見辛いかと思います。
これ伝わるんですかね?
自分の能力ではこれが限界でした……
どうかご容赦くださいませ。


勇者「目を覚ませ! 魔法使い!!」

魔法使い「……氷槍………乱刹……」パキッ パキパキパキ…

ヒュヒュン ヒュンヒュン ヒュンッ

勇者「はあッ!!」ザガァン

魔法使い「………」ヒュィィィン

勇者「魔法使い!!」

軍師「かつての、仲間同士……」ニタニタ

王国兵「そして今は最大の敵」ニヤニヤ

軍師「さぁ行きなさい、我が不死軍よ! 勇者を取り込めば魔王打倒の栄光はこの手に……フフ……フヒャヒャヒャ!」ケタケタケタ

王国兵「■■■■■■…」アーヴーアーダー…

ァ……ァァ……
ォォ……ァァァ……
ァァ……ァ……ァァァ

勇者 (王国兵……あいつの呪詛で不死者を操るのか……) チラ

魔法使い「……閃光……衝…」ヒュゾゥッ

ゴバァッ

勇者「うわっ!!」ズザザザザ

不死者「ァァ……ァ……」ブゥン

勇者「くっ!」ギィン

軍師「ほら、よそ見をしている場合じゃありませんよ?」

魔法使い「……蛇……咬氷……」ビュルルッ ビシュビシュッ

勇者「がっ……!!」ドスドスッ ピキッ ピキピキ

勇者 (か……身体が凍っていく!?)

不死者「ァァァ………ァァ……」ビュオッ

勇者「うぐ……っ」バキッ

軍師「どうした勇者、手が出せんか? それともその程度なのか?」フハハ

勇者「ぐ……ぁ……っ」ハァ ハァ

王国兵「さぁ終わりだ勇者!! 殺してしまえ!!」バッ

魔法使い「………」ドボォッ

軍師「ほ、ほう……なんと言う魔力だ。さすがは勇者と共にいた魔法使い……」

軍師「空間が歪んで見えるほどの超高熱を生み出すとは……」

魔法使い「………」ゴボボッ

勇者「……そうか。キミは……」ニコ

軍師「……気が触れたか?」

魔法使い「………」スッ

勇者 (きっと、キミを取り戻してみせるよ……魔法使い) キッ



魔法使い「煉……獄……」ズドンッ

勇者「瞬雷……っ!!」バリッ

ゴドォォォン……

勇者「危ねぇ……あと少し遅かったら蒸発しちゃうって」シュウウ…

魔法使い「……?!」バッ

軍師「いつの間に!!」

勇者「はぁぁぁぁ……!!」ゴロゴロゴロ…ガカッ

軍師「雷雲……?」ズシャァン ゴロゴロゴロ…

王国兵「まさか、呼び寄せたと言うのか?」ガカッ ゴロゴロゴロ…

勇者「雷帝招来……雷神化ァァァ!!」ジジシ…ゴシャァン!!

魔法使い「…………」

軍師「ほう……まだあの様な力を持ち合わせているとは……これでは魔法使いさまの分が悪いのでは?」

王国兵「ご安心を。彼女の内を探っておりましたら中々……面白いものが見られそうですよ」

魔法使い「……っ」ピクッ

王国兵「さて、と……その小さき肢体に秘めし力を解放しよう……」

■■■■■■……

魔法使い「うぅぅ……ぃやぁ……ぁぁああああっ!!」ドォッ

勇者「魔法使い!?」バチバチ

王国兵「対峙するは愛しき者。せめて己の手で最後を飾ってあげなさい」

軍師「心配はいらぬ。勇者と共にこの不死軍を率いる名誉をくれてやろう」

魔法使い「…………」ゴオオッ

勇者 (秘める力、か……魔法使いの奴…ハハ) バリバリバリ

魔法使い「寄る辺、無き……虚空に、無慈悲……なる終焉、を……」ズズズ…

勇者「何だ……しっかり強いじゃないか」

魔法使い「暴、竜……閉ざせし……異界の、闔……開けよ……開け」ゴン ゴン ゴン ゴン…

勇者「自信がなかったのか? それとも怖かったのかな? でも大丈夫だよな……」

魔法使い「その骸……を、捧げや……捧げ……」ギャリ ギャリ ギャリ ギャリ…

勇者「自慢できるな、これが俺の……俺たちの魔法使いだ! ってさ」ニコ

魔法使い「……我っ、礎……に……っきま……せ、い……!!」ガクガクッ

勇者「キミの全力……見せてくれ。……俺も、それに応えよう!!」バリバリバリッ

魔法使い「……召………喚……!!」ギュゥゥ

ー Azi Dahaka ー

ヴオオォォォォォッ!!


魔法使い「……こ、わ…せ……」ゼェー…ゼェー…

王国兵「不死軍よ! 続けぇ!!」

ァァァ……ァァ……
ォォ………ォォ……

勇者「……邪魔だ、死に損ない共がァァァ!!」ズバァン

王国兵「無駄でありますよ、勇者。不死者は幾度切られようと、標的に向かって進むのみ」

勇者「雷鳴塵!!」ゴバァン

魔法使い「………風、塵………凩……」ズオッ

勇者「はぁぁぁっ!」ドガァ

魔法使い「ハァー……ハァー……」ヒュー…ヒュー…

勇者「……あまり無茶苦茶するなよ? まだ身体が万全じゃないんだから」バチバチッ バリバリバリッ

魔法使い「……っ…」ブルブルブル

グオォォォッ!!

勇者「だあッ!!」バリバリバリッ

ドン! ドン! ドンドォン!!

グルォォォォォォォッ!

勇者「天より来たりて、我が剣となれ!」バババババッ

勇者「ウゥゥォオオッ!!」ゴォォォッ

勇者「 雷 神 ノ 太 刀 !!」ヴォッ ギシャァァン!!

ズズー……ン

王国兵「ハハ……ハハハハッ! 終わった……勇者の終わりだ!!」

軍師「我が不死軍の勝利だ! さぁ王国兵よ、勇者を………」ズバァァン!!

ザッ ザッ ザッ…

魔法使い「………」ハァ ハァ

王国兵「ま……さか」

軍師「そんな馬鹿な!!」

勇者「………」ギンッ


………
……



側近「勇者さま? 素朴な疑問なのですが…」キョシュ

勇者「ん、なんだ?」

側近「ダハーカ竜なんて代物を、一介の人間が……ましてや召喚師でもない魔法使いさまに喚べるものなのでしょうか?」

勇者「いや、知らんよ。俺にはただの黒い影でしかなかったし、本物なんか見たことないからな」

魔王「ダハーカ? 何それ」

勇者「伝説上の竜……だな」

側近「神話に登場する三口六目の姿をした邪竜のことですね。その身を切れば凶獣が涌き出るとのことで封印するしかなかったと記されています」ペラペラ

魔王「ふぅん……私より強いかな?」

勇者「………」

側近「………」

勇者「どうかな……」ウムム

側近「即答しかねます、ね……」ウムム

魔王「?」キョトン

側近 (正直、勝てそうとも思わなくもありませんが……) ジー

勇者 (勝ったら勝ったで、そら恐しいわ)ジー

魔王「?///」エヘ


……

………


勇者「すごいよ……魔法使い。本当に強かった」

勇者 (雷神化してなきゃやられたな……)チラ

ブスブスブス…

勇者 (身体のあちこちが焼けたか……しばらくはまともに動けん) ジュウゥゥ

勇者 (ま、不死者共も一緒に焼け落ちただけ良しとするか) ジュゥゥ

王国兵「ひっ……ひいぃぃ……」ガタガタ

軍師「何をしておる。今のうちに勇者を不死者で…」

勇者「残っていればな」

軍師「王国兵!! 魔法使いだ!! 魔法使いを……」バリバリバリッ

勇者「……っ」ジジ…ジジジ…

王国兵「あ……が……」シュウゥゥ ドサッ


勇者「さ……魔法使いを、返してくれ」

王国兵「………」ピクピク ピクッ

軍師「……やれやれ役立たずめが」

勇者「もう、いいだろう。そいつがいなきゃ不死者は……」

軍師「呪詛を操るのが王国兵だけと思わぬことだ」パキッ ギュォオオオ!!

魔法使い「アぁァァァああアあっ!!」ビクビクビクッ

ズオォォォォッ

勇者「よせ……これ以上、魔法使いを苦しめるな!!」

軍師「やれ! 勇者を殺せ、魔法使い!!」

魔法使い「………ぁぁぁぁああああ!!」ドゥッ

勇者「くっ……魔法使い……」ズザァァッ

魔法使い「……ァ…ァ、ァ……」ゴォォォォ

勇者「魔法使い……キミだけは、護って……みせる……!!」ギシッ ギシッ

魔法使い「……ァァ……ァ…」ゴォォォォ

勇者「も……少、しだ……魔法使いィィ……!!」ギシッ ギシッ

魔法使い「……ユ……しゃ……」ポロ

勇者「……っ!!」

魔法使い「勇……者ぁ……」ポロポロ

勇者「魔法使いぃぃぃっ!!」バッ

ガシッ

勇者「魔法使い!!」ダキッ

魔法使い「………ァ…」シュウ シュウ シュウ…

勇者「魔法使い……」ナデ

魔法使い「………勇、者……」

勇者「魔法使い! 良かった、俺が分かるか?」

魔法使い「……ボロボロ……だ、ね……あたし、の……せいで……ごめ……ん、な……さい……」グス

勇者「大丈夫だよ……」ナデ

魔法使い「ずっと……頭、の……中で……声が、して……た」

魔法使い「『勇、者を……殺せ』っ……て」ポロポロ

勇者「もういいんだ……あまり喋ると怪我に障るぞ?」ナデナデ

魔法使い「怖か……った……イヤ……なの、に……怖、くて……自、分……が……自分じゃ……なく、なって……」ポロポロ

魔法使い「ごめ……な、さい…………ご、め……な…………い」カク

勇者「魔法使い……」

軍師「フン……まぁ、我が不死軍の初陣にしては上々と言ったところか」

勇者「戦士が死に……僧侶も消えた」ゴゴゴゴ…

ゴガァッ ドシャァン!! ゴロゴロゴロ…

勇者「俺にはもう……この子しかいない……護らなきゃいけない……」ガガッ ドオオン!!

勇者「そんな魔法使いを……こんな目に合わせて……貴様らは……」バチバチバチ ジジジ…ガォン!!

ゴゴゴゴゴ……

勇者「情けねぇ……結局俺は、仲間の誰一人救えない、情けねぇ男だ……」ブツン


ガカッ ガシャァン ゴロゴロゴロ…

勇者「総てを喰らえ……禍雷(マガヅチ)よ…」ジジ…ジジジジ…

ゴガガガガガガガッ

軍師「こ……これが……勇者の力……!?」フフ

軍師「フハハハハハ!! いいぞ、もっとだ!! もっとお前の力を見せてみろォォ!!」

軍師「そして私の不死軍が優れていると証明してくれよう!!」フハハハハ

軍師「蘇れ死者共よ!!」ギュォオオオ

ズズズズズ…!!

勇者「恨みはないが……せめてこのようなことが二度と起こさせないと約束しよう」

勇者「雷煌滅牙陣」スラッ ズガッ

ズオォォァァアアッ… ゴオオオオン!!

軍師「……い、一瞬……一瞬で全ての不死者が……」ワナワナ

勇者「1つ、聞かせてくれ」

軍師「……なんでしょう?」

勇者「なぜ、魔法使いはお前らの術に堕ちた?」

軍師「さて、私共にはわかりませぬ。我が呪術は死者を屍のまま蘇らせ、不死者へと換えること」

軍師「元々、魔物からの脅威にここの住人は疲弊しきっていた。不死者へと変貌する際に強烈な痛みを伴うという。肉体的はもちろん、精神、心の痛みに耐え兼ね、崩壊する」

軍師「この呪法の本質は死者を操ることにある。私共がここを実験に選んだのはうってつけだったのだ」

軍師「魔法使いさまは、その高い魔力が仇となったのでしょう」

勇者「……俺に影響がなかったことに関しては?」

軍師「勇者様の魔力は聖。女神の加護。魔法使いさまの魔力は闇。暗黒の力」

軍師「この魔法の影響力はどれ程のものでしょうな」

勇者「……そうか」バリッ

軍師「はい……」





ズガァ…ン

魔法使い「……」


数日後

コンコン

魔法使い「……は、い」

ガチャ キィィ

勇者「やぁ、魔法使い。身体の調子はどうだい?」

魔法使い「…………」コク

勇者「そうか」ギシッ

魔法使い「ゆー、しゃ……は……?」

勇者「俺か? まぁ、全快とはいかないが七割ほどは戻ったかな」

魔法使い「……そ、う」

勇者「…………」

魔法使い「…………」

勇者「俺は魔王城へ行くよ」キュッ ギュッ

魔法使い「………」

勇者「そしてもう、こんなことが起きないように……この手で終わらせてみせる」

魔法使い「………ぁ…」

魔法使い「……あた、しは……」ポロ

魔法使い「もう……行けない……」ポロポロ

勇者「……うん」

魔法使い「……もう……勇者と、ともに……歩めない……」ポロポロ

魔法使い「あ、たし……魔法……が……使えな、い……の……使、えなく……なっ……ちゃった……」ポロポロ

勇者「そうか……多分そうだろうと思ってた」

勇者「魔力が戻らないから気にはしてたんだ」

魔法使い「ご……めん……なさ、い……」ポロポロ

勇者「今まで、ありがとう……」

勇者「こんな危険な旅に付き合ってくれて……嬉しかった」スクッ

魔法使い「怒ら、ない……の?」

魔法使い「役、立たずっ……て……怒って、よ……」グスグス

勇者「怒らないよ……今までも色々助けてくれたんだ」

勇者「だから、俺からはやっぱ……ありがとう、だな。魔法使いと旅したこと忘れない」ナデナデ

魔法使い「うぅ……うぐっ……ゆー、しゃぁ……」ギュゥ

勇者「楽しかったよ、魔法使い。また、会おう」ガチャ

バタン

魔法使い「あた、しは……足でまとい……だから……これ……以、上……行け……ない……」ポロポロ

魔法使い「ごめ、んなさい……弱くて……ごめんなさい……支えて、あげ……られな、くて……」ポロポロ

勇者「…………」ギリッ

勇者 (俺は……どこまでも無力なのか)

スタ スタ スタ…


………
……



魔王「ふーん……」

勇者「一人になった俺はがむしゃらに進んだ。弱かった自分を吹っ切るため、なんて……結局自分のことしか考えてなかったんだ」

魔王「別にいいんじゃない?」

勇者「俺は勇者だ。そういうわけには……」

魔王「一緒だよ。勇者である前に一人の人間。悩んで苦しんで……それでもがんばって前に進もうと足掻き続けた……一人の人間」

魔王 (それは、私たちも同じ……人族と魔族の違いはあっても同じ……生きてる)

魔王「仲間が愛想尽かしても……私がずうっと側にいてあげるね?」ウワメ

勇者「はぁ!?」

魔王「私なら死なないよ? ずっと勇者の側で支えてあげられる、ずっと勇者を見ていてあげる」ギュッ

勇者「魔王……」

側近「素晴らしいです、魔王さま……立派なレディに成長なされて……」ウルウル

勇者「見てないで止めろや! なんで勇者と魔王が一緒になるんだ!!」

側近「そこまで言ったつもりはありませんが」

魔王「……///」ポッ

勇者「オィィィ!! 顔を赤らめるなァァァ!!」

魔王「///」

側近「閨の準備をしてきますね」イソイソ

側近「あ、勇者さま、インキュバス御用達の精力剤もご用意しておきますか?」

勇者「何の準備だ、何の!!」

魔王「は、初めてだけど……いっぱいシてね……?」

勇者「んがぁぁぁぁっ!! 人の話を聞けェェェ!!」ガシガシガシ


魔王「でも、そんなことに、なってるなんて……知らなかった……」

側近「それはそうでしょう」

魔王「ふぇ……?」

勇者「どういうことだ」

側近「魔王さまの知るところではありませんよ。当然です。魔王さまは関与しておられませんからね」

勇者「だからなんだ……知らなきゃ許されるとでも?」イラ

側近「違います。まずは調査に向かった四天王の報告からいきましょうか」

側近「魔王さま、お呼び出し願います」

魔王「はーい。生活に便利な呪文"四天王、おいで"」パンパン

勇者 (そういや、これだったな……) ハァ-ァ

ズアッ

火王「よっしゃ、ウノォッ!」バシッ

水王「させません。ドロー2、ウノ!!」パシッ

風王「追加追加! ドロー2! ウーノッ!」パンッ

土王「……そのちんけな、火種……ワイルドドロー4で、消し飛ばす……うの」パチ

火王「ウォォォ!? き、貴様らァァァァ!!」

側近「何をしているのですかァァァァ!!」ドゴーン

四天王「ギャァァァッ!?」ズシャァァ

勇者「…………」ゲンナリ


急な展開、急ぎ足感は否めませんが
これにて勇者回想編は終わりを告げ、

次回からは魔王と勇者と側近と編が
始まります(?)

語られた過去。
勇者の視点での回想。

戦士の最後

僧侶の謎

魔法使いの想い
それぞれは何を思っていたのか。

また次回をお楽しみに?

お待たせしています >>1です。
お楽しみいただけているようで
何よりですよ。

ストーリーは確定しているのですが
構成に手間取っています。
遅筆 >>1の更新を悶々とお待ちください。

では、いつもの数レス(小)行きます。


四天王の報告

側近「勇者さま」

勇者「なんだ?」

側近「先に申し上げておきますが、魔王さまは魔族の中では人間と争うことに否定的な立場です」

魔王「勇者と会って、完全否定のしゅちょーに変わりました!」

側近「……完全否定の立場を取られるようです。これだけは忘れないでください」

勇者「そ、そうか」

側近「では四天王の報告を」

火王「俺と風は魔物の調査をしてきた」ボロッ

勇者「だ……大丈夫なのか?」

火王「ほっときゃ治る。先を続けるぞ」

勇者「あぁ、すまないな。頼む」

火王「現状、魔物の勢力図は9 : 1の割合で未だ先代魔王によって生み出された魔物が、大分部を締めている」シュウ シュウ

勇者 (本当に治っていくな……) キモイ エヅラダ

火王「先代は非常に好戦的な性格をしていたらしいからな。その魔物たちも獰猛な奴等が多い」

勇者「らしい……って。お前らの前王だろう」

風王「幻夢など一部の魔物は別として、先代の生み出した魔物は基本、知性の無い獣みたあな奴らばかりだよ」

勇者「慈悲や情を持たないように、か」

風王「そういうこったな。魔獣そのものもいれば、獣をベースにしたタイプもいるんだ」

風王「まぁ……創造者の影響を強く受けるから、容赦ない奴等ばかりだけどなー」

火王「ここにいる魔族は皆、現魔王様によって作り出された者ばかりだ」

勇者「……そこはかとなく納得出来るから困る」ハァ

魔王「……どゆこと?」タメイキ?

側近「あ、一応私は先代から仕えていますよ」

勇者「その割りには……?」

側近「えぇまぁ、大っ嫌いでしたからねあの野郎のことは」トオイメ

勇者「……何かあったのか?」

魔王「側近……余計なことは言わないで」

側近「……失礼いたしました」ペコ

勇者 (…………) チラ

魔王 (…………) フイッ

勇者 (何かあったのか……?)


水王「勇者さま、大変心苦しいのだけど……」

水王「王国では、勇者さまたち一行は反逆者として手配されていたわ」

勇者「………」バチッ バリバリッ

魔王 (放電してる……)

魔王城 (ヤバス)

勇者「あのクソ狸……」イラ

水王「罪状としては非常に曖昧な表現をされていたけれど、きっと……」

勇者「不死化の件、だろうな。国王直下の研究と言ってたし」

水王「でしょうね。私としてはこのまま勇者さまをこっちに引き取るのもアリね」チラ

側近「まぁ! それは大変です!」チラ

火王「魔族としてはどうでもいいが」チラ

風王「向こうに戻るとヤバイねぇ」チラ

土王「……」ニコ

魔王「……なに?///」

魔王軍「いーぃえぇ?」ニンマリ

魔王「……///」


魔王「しっかし、死なないだけの存在になんの価値があるの? バカみたい……」

側近「愛する人と共に過ごす永遠……ほら、こうすればとても素敵なことですよ?」

魔王「……愛する、人と……」モヤモヤ

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

勇者「魔王……」ニコ

魔王「……ゆーしゃぁ♪」ダキッ

勇者「この愛に、永遠を誓おう……」ナデナデ

魔王「はい……私も///」

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

魔王「私も誓います!///」ウットリ

勇者「!?」ビクッ

水王「繋がったまま過ごしてみたり……ただ見つめあうだけの時間……」

土王「……憧れる」グッb

魔王「はうぅ……いい、それいいよぉ///」ウットリ



火王「いや、飽きるだろ」ナァ?

風王「年単位で寝過ごしそうだな」ナァ?

乙女s ギロ

勇者「俺にフるな! こちとら百年そこらの寿命しかない人間だぞ!」ヒギィ


土王「……ボクはね、勇者の仲間のこと」

勇者「っ!! それで……?」

土王「それぞれを勇者が見た最後の場所の……探索中」

土王「戦士の斧は……紛失してた」

勇者「な……」ワナワナ

魔王 (あー……)

側近 (勇者さまの仲間の使ってた武器……肩書きとしては一級品ですね。それに今じゃ反逆者として名が広まってしまっていますから……)

土王「人は……強欲」

勇者「…………」

コンコン

勇者「ん? 来客なんかあるのか?」

魔王「そりゃ来るよぅ。宅配便だったり……うん、まぁいろいろ」

勇者「ほう……」

側近「通しますね、魔王さま。……入れ」ガコン ギィィ

猫耳魔物「にゃんにゃー♪(挨拶) 魔王しゃまはいらっしゃるかにゃー?」テチテチ

魔王 (げっ……)アセッ

魔王「うむ、久しいな。元気だったか?」キリッ

猫耳「にゃぁん、元気マタタビですにゃ」ゴロゴロ

勇者「どうしたんだ魔王は?」

側近「配下の手前、威厳を保つのも大変なのです」

勇者「そうか……でかい荷物だな、まさかアレも?」

猫耳「にゃふふ。会いたかったにゃ、魔王しゃま」

魔王「そうか、来るのは構わぬがヒトや魔物には気を付けるのだぞ?」

側近「アレも魔王さまが作り出した魔物ですよ、勇者さま」

勇者 (納得。なんとも平和な魔物だ……)

猫耳「にゃにゃっ! ゆーしゃにゃりか!? ついに魔王しゃまを狙いに……っ!!」フーッ

勇者「なんだ?」

魔王「こ、こら! 止めなさい、あなたの敵う相手ではないわ!」

猫耳「にゃふふ……あちをただの猫とあにゃどるにゃりよ!」ガサゴソ

猫耳「ここへくる道しゅがら手に入れた」ズシッ

猫耳「……この……おー……おにょで……」プルプル

ドタッ ガシャーン

勇者「これ……戦士が使ってた斧……」

魔王 (やっぱり……)

側近「登場タイミングが良過ぎてましたからね」

勇者「……」ジジジ……バチバチバチバチッ

猫耳「にゃっ、にゃっ! びりびりにゃ! ま、魔王しゃま、はにゃくゆーしゃをけにょんけにょんにしてくだしゃいにゃ!!」サッ

魔王「わっ、コラ! なんで私が……っ!」

勇者「……」バチバチ

魔王 (ひーん……戦う気はもう無いのにぃー)シクシク


側近「……」ゴクリ

水王 (勇者さまが……)Gokuri

火王「ついに……」Gokuri

風王「本気で戦うのか……」Gokuri

土王 (魔王さま……) ハラハラ

魔王 (なんでこういうときばっか見守ってるのよー!!) チラッ チラッ

勇者「お前……」バリバリバリバリ

猫耳「ふにーっ」ビクゥッ

勇者「わざわざ持ってきてくれたのか、ありとうな」ナデナデ

猫耳「ふにゃあっ?!」ビクゥッ

勇者「あの時はいろいろあって持ってこれなかったんだ」ナデナデ

猫耳「ふにー……」ゴロゴロ

魔王「……こ、こわかった」プルプル

……


魔王「バイバイ、にゃんこー♪」フリフリ

<ニャンニャー

魔王「……あの子、良い子なんだけどあぁやっていろいろ拾った物をうちに持ってくるクセがあってねぇ……」

勇者「今回はそれが良いほうに作用したんだからいいんじゃないかな」

魔王「……うん」

勇者「……」

魔王「大丈夫……勇者……?」

勇者「あぁ、大丈夫だよ」

土王「……続き、いい?」

魔王「えっ? あっ、うんお願い」

土王「……次は僧侶なんだけど……」

勇者「見つかったのか!?」

土王「ごめん……行方を追うことは出来なかったよ」

勇者「頼む……出来るだけ早く」

土王「ん」コクン

土王「……最後に魔法使い」

魔王「え? 彼女は戦えなくなった以上、必要ないんじゃ……」

土王「……」

勇者「いや、いい。聞かせてくれ」

土王「魔法使いは……」

>>270
一行抜けた……

最初に

土王「も少しボクは情報を集める……それからでも遅くないよ」

が入ります。
脳内転換お願いします。

はい、ということで投下終了です。


次の更新ままお待ちください。

はい、>>1でございます。
本日もまた、更新させていただきます。

では数レス(微)投下。


勇者「魔法使いがどうかしたのか?」

土王「……結論から言えば、魔法使いは勇者が去ってすぐ……何者かによって連れていかれている」

魔王「え!?」

勇者「どういうことなんだ……?」

土王「魔法使いについて、ボクが得られた情報は……魔法使いから勇者宛てに残されていた……」

土王「たったひとつの……言伝て」

魔法使い『…ゆー、しゃ……大……好き……///』

勇者「……」

土王「……それだけを残し、いなくなったそうだよ」

水王「一体誰なのかしら?」

魔王「……」チラ

勇者「………………」

土王「こちらも……情報を集める?」

勇者「…………」

魔王「勇……者?」

勇者「……っ、あぁ……頼めるか?」

土王「お任せ……」vヴイ

火王「大丈夫か?」

勇者「……あぁ」

風王「なんだったらもう休んだらどうだい?」

勇者「……ごめん……少し休ませてもらう」

側近「畏まりました。では、お部屋をご用意させていただきますね」コチラヘ

魔王「あ……勇s」

ギィィ バタン

魔王「…………」シュン

水王「……魔王さま、いいのですか?」

魔王「……」

魔王「私たちも、今夜はもう休もう……」


魔王城・屋根の上

勇者「……満月、か。まさか魔王城で過ごすとはな」ハハ

勇者「…………」

勇者 (魔法使い……あんな身体で一体どこへ行ったというのだ、キミは……)

勇者「クソッ……!!」

勇者 (何も出来ない自分の不甲斐なさがもどかしい……っ!!)ギリッ

勇者 (ダメだ……心身ともに強さが足りない……足りなさすぎる……)

勇者「もっと……俺はもっと強くなりたい……!」チャキッ

……


魔王「……眠れない」ゴロ

魔王 (勇者……は、魔法使いのこと……どう思ってるのかな) ゴロゴロ

魔王 (ダメね、考え過ぎても私にはわからないことばかり)

魔王「私はずっと……アイツの玩具だったか ら……」ギュッ

魔王 (私は玩具……自分の意思など持つ必要なく、ただ悦ばせればいいだけ……そうして生き、そのまま死ぬはずだった私は……)

魔王 (イヤなことばかり思い出しちゃうな……)

魔王「あ……月が、キレイ……」ゴロ…

魔王 (……気分転換に、少し散歩してこよっと) パサ

テチテチ キィ パタン



ビュオッ ブゥン シャシャシャシャッ

魔王「……何の音、かな」テチテチ

パチン シュッ ビュッ シュアッ

魔王「……外、から?」テチテチ

キィ

勇者「ハッ! せあっ! ダァァァッ!!」ブオッ シュン ビュオォッ

魔王 (勇者……満月の光の中で……) ポー…

魔王 (敵対関係とはいえ……私に会いに来てくれた唯ひとりのヒト) ポー…

魔王 (嬉しかったんだよ……? 魔王と言うだけで、怖がって誰も私のところへは来なかったから……)

魔王 (側近たちはちゃんと私を愛してくれる……だけど、それは上司と部下の間柄……)

魔王 (それを、あなたは……)

魔王「私を『私』として対等に見てくれた……」

でも……

『大……好き……』

魔法使い……本当に勇者が好きだったんだね……

魔王「勇者……あなたは、どうするの?」

わがままを聞いてくれるかな……

ずっと……私のそばにいてほしい……なんて……

魔王「…………」チクッ




勇者「ハァァァァッ!!」

ザンッ!

と言うわけで投下終了です。

次回また
お会いしましょうノシ


勇者「おはよう」ファァ

火王「おうっす! すぐに朝飯が出来るからな!!」ジャッジャッ ジュウゥ

勇者 (火王がナイトキャップに水玉模様のパジャマ……これは、ツッコんだら負けかな?) ウーム

勇者「……手際がいいな。いつもやってるのか?」

火王「火の扱いならこの俺様だぜ、ガッハッハッ!!」

風王「おー、勇者! ゆっくり眠れたか?」ヒュッ ストッ

勇者「風王か。おはよう」

風王「アハハハハ! おはっす! 変な感じだな、勇者と朝の挨拶とか!!」

勇者「順応してる自分が怖いわ」

風王「いーことじゃんよ! 細かいこと気にすんな!!」アハハハ

火王「腹が減ってちゃ何もうまくいくわけねぇからな!」ガハハハ

ズルッ ベチャッ… ズルッ ベチャッ… ウゥゥ…

勇者「……何の音だ?」

風王「来るぞ、来るぞぉ」

火王「勇者はたまげるかもな」

勇者「?」

??「うぅ………ァァァァウゥゥ……」フラッ ベチャ フラッ ベチャ

勇者「誰だァァァァ?!」

側近「水王ですよ。おはようございます、勇者さま」

勇者「うおっ! 側近か……おはよう」

側近「彼女はもの凄まじく朝が弱いので、しばらくは放っておいてかまいませんよ」

水王「……火と、風の……バカ笑いが……頭に響……く」ウゥゥ

勇者「そうか……それに比べて、側近は昨日と変わらずビシッと決まってるな?」

側近「魔王さまの側近ともなれば、です」ピシッ

勇者「その魔王はまだ寝てるのか?」

側近「どうやら昨夜はなかなかに寝付けなかったようで……まぁ特にこの時間に起きなくてはというのはないので、ゆっくり寝かせてあげましょう」

水王「……まぁ……だいたい火と……風の騒ぎで起こされるけど……ね」ウツラウツラ


土王「……勇者、よく眠れた?」

勇者「よ、土王。おはようさん」

土王「報告することが……出来るよ」

勇者「マジでか。一晩しか経ってないぞ?」

土王「……」vヴイ

側近「この短時間によくもまぁ……寝てないのですか?」

土王「バッチリ……寝た。寝てないのは使い魔の方……」

側近「そうでしたか。ゆっくりと休ませてあげてください」

土王「……モチ」コクリ

勇者「すまないが、報告を聞かせてもらっていいか?」

土王「……」コク

側近「勇者さま、少々お待ちを……魔王さまをお呼びいたします」

魔王「おはよ……ふぁ……う」ペタペタ

勇者「おはよう。……やっぱ違和感あるわ、俺が魔王城で魔王におはようはないわ」

側近「素敵体験ですね!」

火王「よぉし! 全員揃ったところでいただきます、だ!!」

勇者「いや、報告……」

<イタダキマース モグモグ

火王「なんだ、食わないのか? 毒なんざ入ってねぇから食えよ」

勇者「わかったわかった」パクッ モグ…モグ…

魔王「勇者?」モグモグ

側近「どうしましたか?」モグモグ

勇者「何コレ、やだコレ、もっさ美味い!!」モグモグモグモグ

火王「だろ? よく噛んで食えよ」モグモグ

土王「ゆーひゃ……もぐ……ばべはばばへいひはは……もぐ……ひいへ……もぐもぐ」モグモグ
(通訳 : 勇者……食べながらでいいから……聞いて)

勇者「いや、何言ってるかわからん。まずお前が飲み込んでから喋れ?」

側近「そうですよ、女の子がはしたない」モグモグ

魔王「ほーひょもぐはひははひもぐもぐ」
(通訳 : そうよ、はしたない)

勇者「おい」

側近「魔王さま、飛んでます。行儀が悪いです。土王も話すか食べるかどちらかにしなさい」

魔王「むうー……」モグモグ

土王「もぐもぐ……もぐもぐ」ムグムグ

勇者「喰うほう優先させた!?」

お待たせしています。

強烈なウイルス以外は滅多に移らないので
特に気にしてはいなかったんですが……

子供がかわいそうと思わないんですかね?
弱ってる時くらい親といたいだろうに。

自分もなんとか回復してきました。
いつもより少な目の数レス投下です。


勇者「さ、聞かせてくれ」

土王「僧侶の居場所が掴めた」

魔王「おぉ! さすがだね!」パチパチ

土王「ただ……その場所は」

側近「……あまり良くなさそうですね、その言い分だと」

土王「……」コク

勇者「どこにいるんだ?」

土王「……王都。勇者一味として囚われの身になっている」

土王「そして魔法使いを連れて行ったのは……王国兵」

勇者「アイツ……ッ!?」

土王「こっちも向かった先は……王都という情報……」

魔王「王都へ……? まさか?」

側近「処刑……ですか。魔力を失った魔法使いさまを狙ったのでしょう」

土王「研究を潰された怨恨も……深い」

勇者「無理にでも連れてくれば良かった……」

魔王「でも、魔法使いは自分からメンバーを降りたじゃない? 魔法が使えなくなったからって」

側近「魔法使いさまとて、魔法が使えなきゃただの人間、ただの少女。同じ人間にとってなんら脅威足り得ませんね」

勇者「ぐっ……」ワナワナ

土王「落ち着いて……勇者」

勇者「落ち着いていられるか! 王国の本性を知っているはずの魔法使いが、なぜ……!」

土王「王国兵に吹き込まれた可能性を……示唆」

側近「つまり……僧侶をエサにされたと?」ウワァ

魔王「へぇ……人というのは実に狡猾ね」クス

勇者「っ!!」ジャキッ ダッ

側近「どこへ往くのですか、勇者さま」

勇者「王都へだ!!」

魔王「行ってどうするの?」

勇者「そんなのは決まっている!」

魔王「助け出す……って? 考えが浅はかだよ。浅すぎて水溜まりにもならない」

勇者「なん……だとぉ……!」バリッ

側近「魔王……さま?」

魔王「同じ人間たちを敵にまわすと言うのね?」クスクス


勇者「何が言いたい……」バリッ バリバリッ

魔王「僧侶も、魔法使いも……きっと勇者を誘い出す罠」

勇者「わかってるさ、そんなこと!」

魔王「うぅん、わかってない」

魔王「ホント……仲間のことになると短絡的になるよね」

魔王 (そこも勇者らしいんだけど……ね) フゥ

勇者「例え人を敵に回そうと……仲間のためなら!」

魔王「死ぬまで逃亡生活でビクビク怯えて過ごすの?」

勇者「この……っ!!」ギリッ

魔王「そもそもね、単独で突破出来る程度なのかしら? 私なら勇者が来るとわかってる以上、そんな甘いことはしない」

側近 (魔王城を無血開城したあなたが言いますか?)

魔王「……」ギロッ

側近「はぅん」ドキーン☆

魔王「……それに、仲間を盾にされたら勇者はどう戦うの?」

勇者「しかし……っ!! こうしている間にも処刑されてしまうかもしれないっ!!」

土王「その可能性は……皆無かと」

勇者「なぜそう言い切れる?!」

側近「あくまで向こうの目的は勇者さまにあるから、ですね」

土王「勇者を捉えるまでは……殺されはしない」

魔王「そゆこと。時間はあるよ」

土王「だから落ち着いて」

勇者「ぐ……ぅぅ……!!」

ドサッ

勇者「……教えてくれ……どうしたらいい? 俺はどうしたら……」

魔王「んふふ♪」

勇者「……な、何?」

側近「ここに誰がいるとお思いですか?」

勇者「え? いや……え?!」

土王「魔王と……」

勇者「まさ、か……」

水王「その」ヤット

勇者「お前ら……」

風王「愉快な」デバンガ

勇者「ハハ……」

火王「仲間たち!!」キタァァ

勇者「……本気なのか?」

土王「ボクたち魔王軍と同じように……人間にも無血開城してもらお?」ニコ

魔王「まおゆう軍……結成!」ワーイ


王都近郊

勇者「魔王と手を組むことになるとは……」

魔王「いい? 最終確認するわ。側近」ユビペチッ

側近「はい」

側近「魔王軍(5名)が王城に対し、陽動として攻め込みます」

魔王「いい? ド派手にやるけれども、決して人間側に死者を出してはダメよ」

土王「これは向こう側に……圧倒的な力の差を示すことを主として、件の不死者魔法を使用させないことが目的」

側近「その間に、勇者さまは誰か1人を連れて、囚われの魔法使いさまと僧侶さまの救出に向かっていただきます」

側近「無事救出後、魔王軍と合流し国王に無血開城及び無条件降伏を持ちかけます」

魔王「そして勇者が国民に私との和平を申し立てましょう」

勇者「……うまくいくのか?」

土王「それは……向こう側次第」

勇者「…………」

魔王「大丈夫。この世界で最強の二人が手を組むんだから」

勇者「……よしっ! 行こう!!」バリッ

勇者 (もう少し……もう少しだ。待っていてくれ魔法使い、僧侶!)

勇者「必ず助け出す!」

全員『オオォォォォッ!』


……


魔法使い「……あ……ぅ、……?」ジャラ

魔法使い「……何、これ……鎖……」キョロ

魔法使い「…………」

魔法使い (そっ……か……あたし、捕まったんだっけ……)

僧侶「魔法使いさま!? よかった……目を覚ましてくれましたね……」ガシャッ

魔法使い「僧……侶……?」

僧侶「はいっ!」ウル

魔法使い「僧侶は……どうして……?」

僧侶「ごめんなさい……私……」

魔法使い「…………」

魔法使い「大丈夫……勇者が、助けに来てくれる……から……」

僧侶「私……勇者さまに合わせる顔がありません……」

魔法使い「僧、侶……?」

僧侶「知らなかったとは言え……私は神への冒涜行為を冒しました……」

魔法使い「…………」

僧侶「完成させて……しまったんです……」

……
………


……


王国兵「勇者めが仲間を奪還すべく現れました」

大臣「王様……」

王「……う、む……」

王 (勇者よ……本当にワシを裏切ったのか……?)

大臣「ご英断を!!」

王国兵「王よ!!」

王「……全軍に通達! 反逆者を捕らえよ!!」バッ

大臣「ははぁっ!」ニヤリ


……

ウオオオォォォッ!

勇者「お出でなさったな」

魔王「ふあー……ゾロゾロとよくもまぁ」

側近「さ、いつまでも傍観しているわけにはいきませんよ?」

勇者「わかっている……土王、行こう!」

土王「……」コク

魔王「ツッチーいいなぁ! 私が勇者と行きたかったなぁ!」プンプン

勇者「魔王……」ハァ

土王「…ツッチー…///」

側近「いや、陽動なのですから元から魔王さまはこちらですよ」

魔王「ぶぅー」ツーン

側近「ぁあんっ! 魔王さまったら反抗期っ!」ハァハァ

勇者「その、何だ……まぁ、頼むよ」

土王「行こう……」ダッ

勇者「あぁ!」ダッ


軍曹「大臣の命である! 反逆者を殺せぇぇ!!」

ウオオオォォォッ!

魔王「殺す? 貴様らが勇者を? バカバカしい」

軍曹「誰だ! 反逆者に与する者は全員、処刑だぞ!」

魔王「我は魔王なり……愚者共y」
軍曹「可愛いィィッ! 誰あれ何あれ持ち帰りてぇぇぇ!!」

魔王「はいぃ?!」ビクゥッ

ウオオオォォォッ!

軍曹「はぁ……はぁ……ね、ねぇお嬢さん、おじさんの濃ぉいミルクを子宮で受け止めてくれないかな」ハァハァ

魔王「ひっ?!」

軍曹「のどま○こゴシゴシ擦って、直飲みさせてあげるからね? このカワイイお腹がポッコリするまで注ぎ込んであげるからね?」ハァハァ

魔王「ひぃっ……」ゾワァ

側近「穢らわしい目で見るんじゃありません!」ビュオッ

軍曹「ありがとうこざいますっ!?」バキィッ

グンソォォォォ!?

軍兵1「お、俺を性奴隷にしてください!」

側近「興味がありません」

軍兵2「私、あのお姉さまに処女を捧げますぅ!」

水王「あら、ありがと♪ でも同姓なのよ?」

軍兵3「そこの男の娘、踏んでください罵ってください!」

風王「バッキャロウ! そんな趣味ねぇよ! つーか誰が男の娘だぁぁ!」

軍兵4「や ら な い か ?」

火王「ウホッ! なんて言うかバァァァカ!!」

イヤ オレガ ワタシヨ! ドケッ!!

魔王「……こんなのしかいないの? こんな国、滅ぼしても良くない? ていうか滅ぼした方が世界のためになるよね?」ギンッ

側近「……皆、下がって耳を塞ぎましょう」ギュッ

火 水 風王「……」ギュッ

魔王「混沌の底に蠢く大いなる同胞よ、古き契約に従い我が聲を訊け」

魔王「深き眠りより此方へ……遥かなる思考より彼方へ……贄の器……喰らい尽くす」

魔王「魂の叫び、器の泪、比類なく慈悲もなく……無に還れ」

軍曹「なんと……素晴らしい……」

軍兵「舞踊るように……」

lost…

魔王「□□□□□□□□□□□!!」

ゴッ……

側近「( ゜Д゜)」

……

俺この軍隊入りたいわ

乙。災難だな。

>>314

軍兵4「いいのか、俺はノンケでも……」ニヤ

火王「逃げろ! 超逃げろォォォ!!」

>>315

困ったことに腕はいいんですよね……。
同じように外で待つ人と仲良くなりました。

>>316
病院で出逢って結婚しました

仲人は人呼んで、インフルの申し子姪っ子です
今日も元気にインフルです!


こんな1が見える

王国軍どうしようもねぇ

>>317
そんなでも出会いが欲しい>>1です。

>>318
軍曹「君は目の前に美少女が現れても理性が欲望を上回ると言うのかね?」

軍兵「そうだ! そうだ!」



予定より早めに投下。少な目です。


軍兵5「いたぞ! 勇者だ!」

軍兵6「待て! 隣の少女は一体……?!」

軍兵5「人質なのか! おのれぇ……勇sy」
土王「地走……」ゴガガガガガッ

ウワァァ!
ヒギィ!?

勇者「……地下牢なんだ。あまりムチャクチャすんなよ」

土王「? ボク、殺してないよ」コッチ

勇者「……」クル

軍兵「……」ピクピクッピクッ

勇者 (何か違う罪状が増えてそうなんだけど)
タッタッタ

土王「勇者……」ソッチ

勇者「ん?」タッタッタ

土王「もうすぐ着くよ」アッチ

勇者「魔法使い、僧侶!!」

……


魔法使い「…………そう……」

僧侶「は……い……全て私のせいです……」

魔法使い「うん……でも、きっと勇者は……許してくれる……」

僧侶「……はい」グス

魔法使い「……過去に縛られる、のでは……なくて……過去の経験を……生かし、未来へ繋ぐ……それが一番なんだと……思うよ……?」

僧侶「……はいっ!」ニコ

魔法使い「……あたしも、なかなかできないんだけど……」エヘ

魔法使い「僧侶……この足枷……外せ、る?」

僧侶「すみません……今までも何度か試してたんですが……」

魔法使い「そっか……なら勇者が、来るまで……このまま……」

僧侶「来てくれる……でしょうか……」

魔法使い「来る……きっと……」

マホウツカイーッ! ソウリョーッ!

魔法使い「来た……」

魔法使い (やっぱり……来てくれた……)

僧侶「勇……者……さまぁ……」

土王「勇者、そこの牢屋……」

勇者「魔法使いィィ! 僧侶ぉぉぉ!!」ダダダダダ

ダダダダダ……

魔法使い「…………」

僧侶「…………」

土王「…………」

ドコダァァァァ!? アレ、ツッチー!? ドコイッタ!?

土王「こんなときにボケないで……」ガックリ



僧侶「あの……」

魔法使い「……貴女は勇者と……どんな関係?」ガシャッ

僧侶「魔法使いさま?」

土王「………」

土王 (この子が魔法使い……) ジロジロ

魔法使い「……答えて……」キッ

土王「魔法も使えない貴女に睨まれても……怖くない」

魔法使い「……ッ!」ガシャッ

僧侶「お、お二方、こんなところで喧嘩なんか……」アセアセ

土王「ボクは……」

勇者「こ、ここだったのか!」ハァ ハァ

勇者「いやぁ探した!! 土王も言ってくれりゃいいのに! ビビったぜ、奥までいったら囚人がもうね、逃げ出してて俺をね、よってたかって」ボロボロ

土王「勇sy」
魔法使い「勇者ぁっ………」

勇者「魔法使い……良かった……無事で」ホッ

土王「……」イラッ

僧侶「……」ハラハラ

僧侶「あ、あの……私……」

勇者「僧侶?! ……このバカ!」

僧侶「ひっ」ウル

勇者「……ったく、探したんだぞ」

僧侶「勇者……さま……」グス

勇者「もう勝手にいなくならないでくれ……頼りないだろうが、俺たちは仲間だろ? もっと頼れるように頑張るから、さ」

僧侶「ご、ごめんなさいぃ……」ポタポタ

土王「勇者、早く脱出する……」

勇者「わかった!」ガチャン

勇者「鍵!」
土王「……」フルフル

勇者「鍵?」
魔法使い「……」フルフル

勇者「カギ?!」
僧侶「持ってませんよぅ」

勇者「ですよね」


土王「……大丈夫?」

勇者「うっ!」

魔法使い「っ……! 勇者を……バカにするなら……許さないっ! 勇者は……仲間のこと、に……なると……他のことが……疎か、になる……だけっ!」

土王「バカにしてないし……それも知ってる」フンッ

魔法使い「あんたに……勇者の何、が……解るの……っ」

土王「全部……!」

魔法使い「ぐぬぬ……! ふと、撫でて……くれる……あの優しい、笑顔を……知ってるの……!?」

土王「敵と分かっていながらも、つい手加減してやられちゃうほどだよね……!」

魔法使い「肝心な……所で、手も出せない……へたれっぷり、は……!?」

土王「うちで女の子に囲まれながらも何もしなかったよ……!」

魔法使い「そんな所も、大好き……だもん……!」

土王「魔王さまのほうがもっと……大好きだもん!」

勇者「処刑場ってここだっけ!? 執行人は魔法使いとツッチー!? どんな公開処刑ィィィ!?」ヤメテクレェ

僧侶「……」つ薬草

勇者「……それはしまっといてくれるか」


キャンキャン! キャンキャンキャン!!

魔法使い「がるる……!」

土王「がうぅ……!」

僧侶「ほ、ほら勇者さまのライフはゼロです。そろそろもう……」

土王「……」

魔法使い「……」

勇者「……何?」

僧侶「お二方?」

土王「ハッキリしない勇者が、悪い……!」

勇者「うぐっ!」グサッ

魔法使い「……いくじ……なし……」

勇者「ガフッ!」グサッ

僧侶「勇者さまぁぁぁ!!」

勇者「そ、僧侶……さっきの薬草、くれるかい……?」

僧侶「……」ホロリ


勇者「兵が来る前に逃げよう」

僧侶「でも牢屋の鍵が……」

勇者「こんな牢屋!!」バリバリバリ

勇者「今の俺にかかればこんなもんだァァァ!!」ズガァァン

ゴキ、ン ズゥゥン

僧侶「すごい……」

魔法使い「勇者……かっくいー……」

ゴゴゴゴゴゴ……

土王「! 崩れる……?!」

僧侶「ひーん! やりすぎです勇者さまぁ!!」

魔法使い「ゆーしゃ……」

勇者「え? 何? 俺のせい?」

土王「違う……これは、魔王さまの魔力……?」

勇者「アイツ上で何やってんの!?」

ゴゴゴゴゴゴ……パラパラ

勇者「……とりあえず、今はやるべきことをやろう」ジャキッ

バキンッ バキンッ

僧侶「あの……ありがとうございます」サスサス

勇者「気にするな。さ、魔法使いも」

バキン バキン

魔法使い「っ」ダキッ

勇者「っと……」ギュッ

魔法使い「勇者のこと……ずっと、待ってた……」ギュウ

勇者「うん……待たせた」ナデナデ

魔法使い「……ゆーしゃ……ぁ」ン…

勇者「魔法使」
土王「ほら、早くしないと……崩れる!」グイッ

魔法使い「せっかく……」イラッ

土王「感動の再開を……永遠の墓場にしたい?」

魔法使い「……」プクーッ

勇者「二人とも走れるか?」

魔法使い「……抱っこぉ」

勇者「魔法使い!?」

僧侶「おんぶで我慢します……」

勇者「僧侶まで!?」

土王「一気に、上がるよ……捕まって」ツネッ

勇者「痛っいたたた!! ちょ、土王さん?! 捕まってってキミがつねるのはおかしくない?! そこ、二の腕は地味に超痛いから!!」ヒギィ

土王「知らないっ」プイ

土王「……土竜泳」ドゴン

勇者「あぁぁぁああっ(泣)!!」

ボココココココ…

書き溜めのスピードにムラがありますよ。
なんだか今、頭の回転が速い気がします。

また今夜、投下できたら来ます。
では!!

こんばんわ遅筆の>>1です。

今夜も数レス行きますね。
終わりはどうなるやら……


ズズーン…

大臣「えぇい! 軍隊は何をしておる?! 勇者一人にやられっぱなしとは情けない!」

王国兵「それが……この破壊は一人の少女によって行われています」

大臣「ぐぬぬ……勇者め! 魔法使いの替わりを連れてきておったのか!!」

王国兵「いかがいたしましょうか」

大臣「ならば奴の仲間を盾にしろ! それならば……」

軍兵「報告します! 先程、襲撃を受けて人質が奪われました!」

大臣「なんと!? 誰にだ!?」

軍兵「勇者とその連れと……」

大臣「グキィ!! ならばこの破壊は陽動か!? してやられたわ……!」

王国兵 (なかなかやりますな、勇者殿……)

王国兵「大臣殿、そこまでして勇者が我らに対抗すると言うのならば……」

大臣「うぅむ……よかろう、許可する!」

王国兵「はっ!」

王国兵 (僧侶を使い完成させた不死化魔法……ようやく出番が来たようですな) ニヤリ


魔王「あーっはっはっは!」ズガァン ズドォン

側近「魔王さま! ちょ、落ち着いてください!!」

魔王「ふぇ?」

ズズゥン…カラカラカラ…

魔王「……えーと……あはは」

側近「はぁ……魔王さま自身が率先して根絶しに行ってどうするのですか……」

魔王「えっ?! いやいや、殺してないからね? ほらっ、ほらっ」ゲシッ ゲシッ

軍曹「う……うぅ……美少女の足蹴……我が人生……一片の悔い……無……し」ピクピクッ

軍兵123「し……刺激的……ィ」ピクピクッ

魔王「ね?」

側近「いや、ね!? じゃありませんよ。どうするんですか、勇者の故郷をこんなに破壊して……怒りますよ、きっと」

魔王「や……ヤバい!」ダラダラ

魔王「そ、そうだわ火王! あなたがやったことにしなさい!」

火王「いやいやいや! 行きなり何いってるんだ?! 拒否するわ!」

魔王「……風王?」

シーン…

魔王「あいついねぇ!? 水王ー!」

水王「無茶言わないで。どうせ魔王さまの魔力だってバレてるでしょう?」

ドゴォン

魔王「きゃー!?」チュウ ヲ マウ

側近「魔王さまぁぁぁ!?」ドコヘェェ!?

土王「救出……合流完了」ストッ

僧侶「もぐらの気持ちですね。すごかったですよ」ストン

魔法使い「……別に……あたし、だって……これくい……」スタッ

勇者「ふべっ!?」ベタン

魔王「ふにゃあっ!?」ベタン

勇者「いてて……」サスサス

魔王「ゆ、勇者……」

勇者「魔王、仲間を無事に奪還できたぞ! あとは国王に降伏を……って、なんじゃこりゃぁぁぁ!?」ガーン

魔法使い「……ま、街が……」ガガーン

僧侶「私の……教会……まで……」ボーゼン

側近「あ、あのですね、勇者さま。これは……」

火王「魔王が」

風王「調子こいて」

水王「破壊しました!」

勇者「なぁーにぃぃ……」ユラリ

勇者「やっちまったなァ!!」

魔王「いや、でも誰も死傷者は出してないから! お願い、怒らないで!?」


??「はいはい、茶番はそこまでにしていただきましょうか?」

勇者「っ!」ザッ

王国兵「いろいろとやってくれましたなぁ、勇者殿」

勇者「貴様ァ……!!」

僧侶「!!」グッ

王国兵「これでは本格的に反逆者として処さねばなりますまい」クックック

勇者「貴様らがやっていること、それ自体が反逆行為じゃないのか!?」

王国兵「これは異なことを……これを見ても同じことが言えますかな!?」ブゥゥゥン

僧侶「っ……まさか!」

ゴゥン ゴゥン ゴゥン ゴゥン……

魔法使い「この……魔力……っ!!」ビクッ

魔王「何このドス黒い魔力……気持ち悪い……」ブルッ

側近「この感じ……」キッ

僧侶「やめて! それを使わないでください!!」

王国兵「感謝しますよ、僧侶殿。貴女のおかげで完成しました……」

僧侶「違いますっ! 私は……私はこんなことのために……!!」

王国兵「さぁ! 我が僕となりたまえ!!」ギィィン

軍兵「ぎゃぁぁぁぁ!!」

住人「イヤァァァ!!」

子供「いぎぃぃ! ママァ! ママァァァァ!!」

軍曹「アガガガガガ……ぎゅへぅぇぇぇ!!」

勇者「な……何を!?」

土王「いけない……! 勇者、こっちに!!」グイッ

火王「キナ臭ぇぞ!! 水王!」バオッ

水王「わかっているわ! 魔王さま、側近さま、離れないでね!」ザパァン

魔王「これ……が……」

側近「人の作り出した……外法……」

風王「嬢ちゃんたちも早く!」ビュオオ

四天王「四重結界陣!!」ズァァァッ

魔法使い「……不死化……魔法……」

僧侶「発動……してしまった……」ガクガク


魔王「これが……不死化魔法」

側近「しかし、勇者さまの話では死者を生ける屍に換える魔法だと」

僧侶「勇者さまと魔法使いさまが見たのは、まだ未完成の時のモノ……」

僧侶「囚われている間に、私が……完成させてしまったのです……」

勇者「……なん……だと」

魔法使い「勇者……僧侶、は……悪くない……の……」

僧侶「いいのです、魔法使いさま……全ては私の無知が招いたんです」

僧侶「死者を蘇らせる、再生魔法の究極呪文……蘇生魔法」

僧侶「死者を蘇らせるなんて……神への冒涜……でも、私は……戦士さまを生き返らせたかった……また四人で楽しく……旅をしたかった……」グス

僧侶「戦士さまに……会いたかったんです……」グスグス

王国兵「健気な想い……素晴らしい絆……それを利用させていただきました」

王国兵「蘇生魔法のシステムを少し書き換えるだけですからね。死者に魔力を注いで操ると消耗が激しい」

王国兵「ならばその者自身の魂を使えばいいのだと……」

勇者「……その人たちの命を踏みにじって何のつもりだ」パリッ ジジ……

王国兵「はぁーっはっは!! 我が国の礎となれるのだ!! 光栄の極みだろうよ!!」

魔王「下衆ね……」

側近 (先代魔王といい勝負ですね……)

王国兵「それだけではありませんよ、勇者殿!! そこの僧侶殿は良いモノまで用意してくださったのですから!!」

僧侶「やめ……て……やめてぇ……」

王国兵「こちらをご覧なさい、勇者殿!!」バッ

ザッ ザッ ザッ……

勇者「その……姿……」

魔法使い「そ……んな……なん、で……」

僧侶「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」

??「……」ジャキッ

ここまでです。

少なくてすみません。
次は何とか早めにきます。

では。

はい、お待たせしまくってる>>1です。

追加行きますよ。


??「……」

魔王「勇者たちの様子がおかしいね……」

側近「もしかしたら、ですが……あの不死者は」

王国兵「ご想像通りですよ、美しいお嬢さんたち」

王国兵「彼は勇者殿たちのかつての仲間」ニヤリ

王国兵「戦士殿ですよ!!」

戦士「……」

勇者「貴様ァァァ!」ズガガァァン!!

勇者「アアァァァァッ!!」ドンッ

魔法使い「勇、者……!?」

側近「勇者さま!?」

魔王「雷神化!!」

僧侶「勇者さま、この結界から出ては……!!」

勇者「ハァァァッ!!」ビュオッ

王国兵「フン……。おい」スッ

ガキィィン!!

戦士「……」グッ

勇者「戦士!?」ググッ

戦士「……」スッ

ドゴォ

勇者「ぐはっ……!!」ズザザザ

勇者「どうしてだ……どうしてそんなやつを護るんだ!!」

王国兵「フハハハ! ここにいるのはかつて仲間だった戦士ではない。私たちを護るソルジャーに生まれ変わったのだ!!」

側近 (私……たち?) ピク

戦士「……」ジャキッ


僧侶「よかった……勇者さままで不死者になってない……」

魔法使い「……雷の、化身……」

側近「そうですね、雷に不死も何もありませんから」

魔王「不死者化を防いでるんだ……」

勇者「戦士!!」

僧侶「勇者さまぁっ! もう……もう戦士さまは死んでいるのです!! いくら声をかけても……」

戦士「……」ゴウッ

勇者「ぐぅぅっ!」ギャリィン!!

ガオッ ギャァン ギンッ バチィン ガキィン!!

魔法使い「蘇生、魔法……を……完成させた……けれど……アイツが、書き……換えていた……から……」

魔王「完全な不死者として利用されてるのね」

側近「他人を己の為に犠牲にし、利用する……こういう輩には、ヘドが出ます……!!」ギリッ

王国兵「……先代魔王様に似ているから、ですか?」ニタァ

魔王「……っ」ビクッ

側近「貴様……何を知っている?」ギロ

王国兵「そりゃ知っていますとも……私のお仕えする主が……」

王国兵「その先代魔王様なのだから!!」フハハハ

魔王「……」ガタガタガタ

魔法使い「魔王……?」

僧侶「だ、大丈夫ですか、魔王さん?!」

魔王「……やだ……ヤダ……」ガクガクガクガク

側近「魔王さま!?」

王国兵「先代様は今頃、この国を我が物へと変えようとしている!! 現魔王よ!! 先代様はお怒りだぞ……」

魔王「あ……あぁ……」ブルブル

王国兵「また命乞いでもしてみるかァ?! あの時のようにィィ!!」ヒャハハハ

魔王「やだぁぁぁぁぁ!!」ガクガク


僧侶「よかった……勇者さままで不死者になってない……」

魔法使い「……雷の、化身……」

側近「そうですね、雷に不死も何もありませんから」

魔王「不死者化を防いでるんだ……」

勇者「戦士!!」

僧侶「勇者さまぁっ! もう……もう戦士さまは死んでいるのです!! いくら声をかけても……」

戦士「……」ゴウッ

勇者「ぐぅぅっ!」ギャリィン!!

ガオッ ギャァン ギンッ バチィン ガキィン!!

魔法使い「蘇生、魔法……を……完成させた……けれど……アイツが、書き……換えていた……から……」

魔王「完全な不死者として利用されてるのね」

側近「他人を己の為に犠牲にし、利用する……こういう輩には、ヘドが出ます……!!」ギリッ

王国兵「……先代魔王様に似ているから、ですか?」ニタァ

魔王「……っ」ビクッ

側近「貴様……何を知っている?」ギロ

王国兵「そりゃ知っていますとも……私のお仕えする主が……」

王国兵「その先代魔王様なのだから!!」フハハハ

魔王「……」ガタガタガタ

魔法使い「魔王……?」

僧侶「だ、大丈夫ですか、魔王さん?!」

魔王「……やだ……ヤダ……」ガクガクガクガク

側近「魔王さま!?」

王国兵「先代様は今頃、この国を我が物へと変えようとしている!! 現魔王よ!! 先代様はお怒りだぞ……」

魔王「あ……あぁ……」ブルブル

王国兵「また命乞いでもしてみるかァ?! あの時のようにィィ!!」ヒャハハハ

魔王「やだぁぁぁぁぁ!!」ガクガク


……


??「さぁ、国王よ……すでにそなたの出番は終わった」ズシュ…

国王「だ、大臣……主……は……一体……!?」グブッ

大臣?「フハハ……国王は勇者に暗殺された」スゥゥ

先代魔王「その勇者を反逆者として討ち取った我が英雄となり、この国を支配してくれよう」

国王「ぐっ……貴様……ァ!」

先代「さらばだ、人の王よ」

国王 (すまなかった……勇者よ……せめて、どうか……死なないでくれ)

ドズッ!

ここまでです。

エラーでダブりましたが
そこは忘れる方向でお願いします。

また次回お会いしましょう。
早めに来たいと思います。

臭すぎワロエナイ
病院行け、精神のな

大事な展開だから二回書きましたと…〆(._.)メモっとこう

じゃアンカっとこう>>346
それはともかく

まさか戦士がぁああ…先代め許せん!!


はい、>>1です。

こっそり投下行きますね。

>>352
こういうものには厨二全開、臭い展開が
面白いと思っています。

>>354
>>355
ヌオオォォォ(`;ω;´)ォォオオオ


勇者「退いてくれっ戦士!! 俺はお前とは戦いたくないんだ!!」ギッ ガンッ ビシュッ

戦士「……!」ゴォッ ゴワッ ブオン

王国兵 (ふむ……パワーでは勝るものの、やはりあのスピードに追い付けない、か……。よし) ブツブツブツ…

王国兵「呪縛!!」ズォォアッ

勇者「なっ!? 身体が……っ!」ギシッ

王国兵「やれ、戦士! 勇者の首を落とすのだ!!」

魔法使い「……勇者!!」キィィン

戦士「……!!」ブオッ

ババッ

僧侶「守護・法陣!!」パァァァ ゴキィッ

戦士「……!」

王国兵「なんだと!?」

魔法使い「咲き、誇れ……儚き……花よ……」フワ…

魔法使い「……雪花連弾」キュガガガガ

王国兵「うぼぁぁぁっ!?」ドンドンドンドン

僧侶「大丈夫ですか、勇者さま! 今回復します!!」キュゥゥン

僧侶「浄化の光!」パァァ

勇者「ありがとう、僧侶」グッ グッ

魔法使い「ゆーしゃ……」トテテ

勇者「魔法使い……魔力が戻ったのか?」

魔法使い「……ここ、に漂う……不死化、魔法の……おかげ……」

魔法使い「皮肉……だけど……」ポゥ

魔法使い「だけど……もう、勇者を……傷つけさせは……しない!!」キッ


王国兵「ぐぅぅ……まさか、役立たずが魔力を取り戻すとは……ぁぁ!! 戦士ィィ!!」ビキビキ

戦士「……」ザッ

勇者「くっ……!」ザザ

僧侶「勇者さま……」スッ

勇者「僧侶……!?」

僧侶「勇者さま……戦士さまのお相手は私に任せてくださいませんか?」

勇者「無茶だ! 戦士は強い……とてもじゃないが、キミが敵うような相手では……」

僧侶「やらせてください、お願いします!!」

勇者「そ、僧侶……」

魔法使い「……あたし、からも……お願い……僧侶……に、やらせて……あげて……」

勇者「……ひとつだけ」

勇者「ヤバイと判断したら俺が……戦士を殺る」

僧侶「そうならないようにガンバります!」

勇者「……」

勇者「わかった。戦士のこと頼むな」

僧侶「はいっ!」ニコッ

戦士「……!」ブオッ

僧侶「守護・防盾!」ガギィ

王国兵「そんな盾、さっさと砕いてしまえ! なんのために貴様を蘇らせたと思っているんだ!?」

僧侶「……いくらでもどうぞ」スー…ハー…

僧侶「私の防御壁は生半可じゃありませんよ!!」パキィン


僧侶「っ! ッ!!」ガキィン バキャァン

戦士「……!!」ゴォッ ブオッ ズアッ

僧侶「戦士さま……そんなものに……」ギイッ ガキンッ

僧侶「そんなものなんかに負けないでください……」ゴキィッ ガキンッ ゴガッ

戦士「……!!!!」ブゥン ゴワッ ゴウッ ズォッ

僧侶「私たちの仲間だった戦士さまは……!!」ビキッ ビキビキッ

勇者「防壁が!!」ダッ

魔法使い「……ダメ」ギュゥ

勇者「離してくれ、魔法使い!! このままじゃ……!」

魔法使い「信じて……あげて……あたし、たちの……仲間を……」ギュゥゥ

勇者「魔法使い……」

勇者 (魔法使いも、飛び出したい気持ちを抑えて……戦士!)ギリッ

戦士「!!!!!!」ビュオッ

バキィィィ……ン

勇者「盾が!?」

魔法使い「……ッ!」

僧侶「私の戦士さまは……こんなものに負けるような方じゃ……」

戦士「っ!!」ズォッ

勇者「僧侶ォォォ!!」ダンッ

魔法使い「っ!」バッ

僧侶「……ないですよ、ね?」ニコ



戦士「…………」ピタリ

僧侶「…………」パラパラ



勇者「……止まっ……た」

魔法使い「ギリギリ……」

王国兵「な……なぜだ!! 何故、降り下ろさん!?」

魔法使い「あんたの……ちゃちな、呪詛……に……戦士と、僧侶が……勝ったの……」

王国兵「そんな……そんなバカな!!」

僧侶「さぁ……還ってきてください」ダキッ

戦士「…………」

僧侶「禁忌……蘇生魔法・癒魂」パァァァ

シュバァァァァアア!!

戦士「………………」シュォォォ…

戦士「…………」

戦士「……」


勇者「……光が消えた?」

魔法使い「…………」

僧侶「……戦士……さま」

戦士「悪ィ、遅くなっちまったな……皆」

勇者「せ……戦士!!」

魔法使い「戦、士……!」

僧侶「戦士さまぁ……っ!!」ギュゥ

僧侶「戦士さまっ……戦士さまぁ……」ポロポロ

戦士「おぅ、ただいま!」ニッ


ここまでにしておきます。
やっと……やっとこさ>>1で書いた
勇者VS魔王編に突入しそうです。

ではまた!

戦士もどってきてよかった~

でも、もうちょっと意外性のある話がほしかったな。

>>368
スマヌ……王道のが好みかと。

鬱回避したらこうなりました。



勇者「ほ、本当に戦士なのか……?」

戦士「おいおい、まさか俺の顔を忘れた訳じゃねぇだろうな、兄弟?」

勇者「すまない……俺があの時」
戦士「おっと、何も言うな」

戦士「過ぎたことは、もういいじゃねぇか」サムスアップ

僧侶「……ぐすっ……」ギュゥ

戦士「はっはっは! もうどこにも行きゃしねぇから、安心しな」ポンポン

僧侶「……はい」グスグス

魔法使い「戦、士……おかえり……」

戦士「へっ、相変わらず無表情だなァ魔法使いの嬢ちゃん! もっと笑えば勇者の一人も落とせるのによ」ワシワシ

戦士「それとも……もうヤッたのか?」ニヤ

魔法使い「……っ!!///」ボンッ
勇者「お、おい戦士、何を言うんだ!?///」

魔法使い「九頭……龍……爆炎陣……っ!!」ゴボボボボォッ

戦士「ぬわーーーっ!?」ズドドオォォン

僧侶「せっ、戦士さまぁー!?」

勇者「オイィィィィ! 魔法使いィィィィ!?」

魔法使い「……」プイッ

戦士「はぁーっはっは!! これを食らうのも久々だなぁ! しかも前より強くなってやがる!!」ガハハ

戦士「…………俺がいない間に、いろいろあったんだな」

勇者「あぁ……」

僧侶「はい……」

魔法使い「……」コクン

戦士「だが、俺たち四人が揃えば?」

僧侶「……向かうところ敵無し!」

魔法使い「あたしたち……最強の」

勇者「仲間だもんな!!」


王国兵「何が仲間だ!! クソ役立たずがァァァ! おい、クズ共! さっさと奴等を殺せェェェ!!」

ァァ……ァ……
イ……タイヨ……
タスケ……テェ……クレェ……

勇者「どこまでも腐った野郎だな……」バチバチバチ

魔法使い「こい、つは……あたしが……やる。あたし……こいつに……貸しが、あるの……」

魔法使い「あたし、を……勇、者と……戦わせた……」

魔法使い「あたし……盾に……勇者……を、殺そうと、したァァァ!!」ズォォッ

王国兵 (こ、この小さい躯のどこに、こんな魔力を……?!)

魔法使い「許さな、い……赦さ……ない……」ギンッ

王国兵「なな、何をしている不死者共!! 早くあのガキを……!!」

魔法使い「どき、なさい……用があるの、は……あいつだけ……!」

アァ……ア……
イ……タイ……イタイ……
ドコ……ママ……ドコナノ……

勇者「やはり、アイツを倒さなきゃ……この人達は解放されないのか……!!」

いつまで遊んでいるつもりだ?

勇者「!?」バッ
魔法使い「っ!」ビクッ
僧侶「!!」グッ

王国兵「せ……先代……様」


『何を』躊躇している? そんな脆弱な器を棄てよ

我が眷属とならば、勇者を倒すに容易かろう

さぁ……

王国兵「あぁ……有り難きお言葉……」スッ

勇者「な、何をする気だ?」

王国兵「■■■■■■……」

戦士「おいおい、人が寝てる間に随分とおかしなことになってるじゃねぇか」

王国兵「■■■■■■■■……」ボゴンッ

魔法使い「祈……り……?」

王国兵「■■■■■■……」ガリュゴリュ

僧侶「っ! 勇者さまっ、彼を止めてください!! 早く!!」

勇者「あぁっ!!」ダンッ

王国兵「■■■■……」ゾブァッ ブジュル

戦士「待て、勇者!! 様子がおかしい!!」

歓迎しよう

……我が元に下る、新たな僕よ……

ズルルッ メギョッ ゴボゴボ ゴボッ ズルァッ

不定形「アはハヒヒははヒャヒャ……!!」ベシャッ ブチュウッ

不定形「あハハハははヒャヒゃひャ!!」ズルルッ グヂュッ


勇者「ひ、人であることを棄て……魔物に身を堕としたのか!?」

魔法使い「グ……ロい……」ウプ

戦士「ちっ……ふざけたことをしやがって」

僧侶「戦士さまは休んでいてください! まだ動けるような状態では……!!」

魔法使い「それ、は……僧侶も……同じ……」

僧侶「わ、私ならまだ……!」

勇者「無理をするな」

魔法使い「神、を……信仰し……その御業を……体現し……奇蹟を起こ、す……僧侶が……冒した……禁忌」

魔法使い「死者、蘇生……神への反逆……今までの……ように、奇蹟を……起こせるの……?」

僧侶「そ……れは……」

戦士「……いいじゃねぇか」

魔法使い「……?」

戦士「ンないるかも解らん奴に頼らんでも、これから先は俺が側で護るからな」ニッ

僧侶「せ……戦士さま……?」

僧侶「その……それは、あの///」

戦士「そう取ってくれ」ポンポン

僧侶「///////」

魔法使い「……ごち」


不定形「ビュバァァババババ!!」ジュルッ ブシュルルルッ

僧侶「気を付けてください! 魔物の躯から何か……!」

魔法使い「キモい……触手……?」

戦士「触手プレイがお好みってか? いらねぇんだよ!!」ベシャァッ

勇者「まだ本調子じゃないんだろ、油断するなよ! ハァッ!!」ズパンッ

不定形「バァァァ!!」ビュルルルッ ビュルッ

住民「あ……ガ……!」ギュルルッ

子供「ヒぎィ……」シュルルッ

魔法使い「えっ……!」

僧侶「あ……あぁ……ッ!!」

グボッ ゴブッ

戦士「捕まった街の人達が!?」

ゾブゾブッ ゴポッ

勇者「喰ってる……のか……!?」

不定形「ビャアァァァッ!」シュバァッ ゾブッ

勇者「やめろ……やめろォォォォッ!!」バチバチバチッ

ガカッ ゴバァァァッ!!

不定形「ギぇぎぎギギギ!!」バリバリバリッ

ゴォォォォン!!

不定形「」ジュウゥゥ…ブスブスブス…

勇者「はぁ……はぁ……とどめだ……!」

魔法使い「……」ポウッ

不定形「」グヂュ…ズルッ…

グニュ……

ブヂュウ……ビチャッ

また次回!

仲間だもんげ!



嫌いじゃないぜ!少年漫画的王道展開!

しかしあまり魔法使いとイチャコラさせると魔王様のほっぺたふくらんだまま元に戻らなくなるぞw

>>376
|Д゜)マタ ミスッタ ノ カト アセッタ

>>377
やはり皆、王道(パンチラ等)でエロを覚えていくものですよね。


では投下します!


ゾバッ ジュルルルルッ!!

勇者「うあっ!?」ギュルルッ

魔法使い「勇……やっ?!」ビシュルルッ

僧侶「きゃあぁぁっ!?」バシュルルッ

戦士「うおおっ!?」ジュルルルッ

不定形「ギャぎャギゃギャぎゃ!!」ブヂュッ グチャグチャ

勇者「ぐっ……ぁ! くそ、剣が……」ギチギチ

僧侶「あああ……っ!!」ミシ…

魔法使い「うく……けほっ……」ミシミシ…

戦士「この……野郎っ!!」メキメキ

勇者「ぐううぅぅっ!!」バチバチバチ

魔法使い「あぁぁっ!!」バリバリッ
僧侶「やっ……あぁ!!」バリバリッ
戦士「ぐぉぉっ!!」バリバリッ

勇者「み、みんな!!」

勇者 (この触手が避雷針替わりになってるのか……!!) チッ

土王「側近さま……! 勇者たちが……!!」

側近「くっ……魔王さま!?」

魔王「……」ガチガチガチ

側近「……土王、魔王さまをお願いします」ダンッ

土王「側近さま!? 結界の外は……私たちには……っ!」

側近 (今、助けます。勇者さま) タタタタッ

魔王「……くる……恐いの……くる……」ガタガタガタ


ズリュリュッ ブチャッ

側近「邪魔です、どきなさい」ヒュンヒュンッ

シャシャシャシャッ ビシュッ

側近「捌葉の型」スゥゥ…

側近「乱脚っ!」ダシダシダシダシ ベチャッ キモチワルッ

勇者「そ、側近……っ!?」

側近「もう少しガマンしてください」タンッ

側近「一葉の型・裂脚!」ザォッ ズシャッ

勇者「……っと!」スタッ

魔法使い「ふにゃ……!」ドガッ
勇者「ふぎゅる!」ベタッ

戦士「勇者、大丈夫か?」ダスッ

僧侶「あ、あの……」ダキカカエラレ

戦士「おっと……立てるか?」ソットオロス

僧侶「は……い……平気です……///」

魔法使い「身を……呈して……護っ、て……くれたね……勇者」スリスリ

勇者「た、助かったよ……側近。ありがとうな」タオレタママ

側近「イチャつくのは後にしてください。アレを何とかしなくては……」

不定形「……! ……!!」ゴリュゴリュゴリュ

勇者「肥大化してる……」

側近「今や瓦礫をも取り込み、巨大化が止まりません」


側近「最早あの者自身、先代の力を行使することも制御することもままならないのでしょう」

僧侶「そんな……」

戦士「どうしたらいい?」

魔法使い「……解析……開、始」キュィィン

側近「……ふむ」

勇者「何かわかるか?」

魔法使い「狙う、は……一点……」

側近「肥大化した肉の壁を排除しつつ、中心にある核を撃つことですね」

不定形「……!! ……!!」ウゴゴゴゴ

魔法使い「……」コクン

僧侶「……お願いします」

勇者「よし! 行くぞ!!」

全員『おーっ!!』


戦士「まずは俺からだぜ!!」ブゥン ブゥン

不定形「……!!」ビシュビシュビシュッ

戦士「今更、そんなモノが通じるか!」ドチャァッ

戦士「オオォォォォォォッ!!」ギュゥン ギュゥン

ギュン ギュン ギュン ギュン ドォッ

戦士「初撃! 圧壊怒号!!」ズゴォン

戦士「追撃! 連鎖崩壊!!」ドズゥン

戦士「終撃!! 豪腕爆砕ァァァい!!」ゴガァァァン!!

不定形「……!?!?」ブシャァァッ


側近「あなたに直接的な怨みはありませんが……行かせていただきましょう」タンッ

不定形「!!」ウジュルル

側近「陸葉の型・連脚!」ダドンッ ダドンッ ダドンッ ダドンッ

側近「とっておきです」クルルルル

側近「落葉・終の型……玉葉蹴撃!!」キンッ ズドォォン

不定形「……っ! ……」グラァ


不定形「……!」ジュルジュルジュル

魔法使い「させ、ない……っ、させる、ものか……っ」スッ

魔法使い「破瓜、の血で……染め上げ、よ……鋼の……檻……」ピュイィィ…

魔法使い「惨の刻……捧ぐ……生命の、想い……」
魔法使い「贄の刻……繋ぐ……緋き糸を……手繰り……」
魔法使い「遺の刻……抱く……愛しき者を……その手に……」

魔法使い「零の刻……眠れ……鉄の処女……よ ……」

― iron maiden ―

ガシャァァァン……

不定形「……っ ……」ブシャァァッ


ギィィィ… シュゥゥ

不定形「……」ビクッ ビクッ ビクッ

勇者「見えた! アレが核か!!」ダンッ

魔法使い「勇、者……!」

僧侶「勇者さまっ!」

戦士「勇者ァ!!」

側近「勇者さまっ」

勇者「全開ッ!! 雷光撃滅天昇弾ぁぁぁん!!」ドッ ギュゥゥゥン

不定形「……!」

不定形「…

不定



ゴバァァァァン!!

勇者「殺した人達に、あの世で詫びを入れてこい……」ヒュンヒュンッ パチン

と、言うわけでここまで。

次には空気軍にエアーが入ります。

では!ノシ


魔王頑張れ!
魔法使いに勇者を取られるぞ!

魔王ちゃんは先代殺したんじゃなかったの?

>>389
架空とか実際には無かったとか
どうでもいいんです。
憧れの愛して止まない

あいあんめいでん

平仮名で書くとめっちゃ可愛らしく見える不思議。

>>391

世界で流布したひとつの物語。


空は穢れ、水は淀み
土は腐り、火は色を失くす

人々は凍え、空腹に喘ぎ、
凶暴な魔の遣いに怯える毎日を生きていた時代。

魔の王は、人々を苦しめ、次々と命を奪っていく。

どこからか現れた、ひと振りの剣を携えた不思議な青年。

その一刀は、魔の存在を赦さず。
青年が祈れば、天より稲妻が落ちた。

希望の光。

神より遣わされた救世主だと、人々は喜んだ。
青年もまた、人々の願いを受け入れた。

魔の王と青年の戦いは七日七晩と続く。

長い、長い戦いの末―
青年の最後のひと太刀が、魔の王を貫いた。

魔の王が倒されたことで
世界は徐々に息吹を取り戻して行く。

空は青く澄み渡り、水は清らかに流れ
土は緑を芽吹き、火は赤く燃え上がり…

人々は、いつの間にか姿を消したその青年を、勇気ある者と呼び、この物語を後世へと伝えていった。





…………
……






― 巻末 ―


今は眠りにつくも、必ずや復活を果たそう。

ひと時の平和を、噛み締めるがいい人間よ。

勇者よ、必ずや復讐を果たそう。

その時は恐怖にがいい、愚かな人間よ。







……

…………

と言うことで、魔王はこの時代から生きてますが、
決して表舞台には出てきません。

先代魔王と先代勇者。
まぁ、これは本編とは
全くの別物となりますので割愛しますが、


先代が死に、側近が魔王を「魔王」にすることで
護ってきた。と言う脳内設定です。

蛇足説明失礼しました。

近いうちに本編を投下しますので、
お待ちくださいませ。

はい、では魔王編の投下を開始します。


勇者「さぁ、先を急ごう!」

魔法使い「……」コクン

側近「そうですね……今、魔王さまを」
??「そう急くことはあるまい、側近よ」ザッ

魔王「いやぁぁぁぁっ!」ガクガク

勇者「!?」

側近「……っ、先代……魔王……」ギリ

先代「下僕風情が我を呼び捨てるとは……主に対する口の聞き方を忘れたか?」ギロ

魔王「……ひっ……かひっ……」ブルブル

側近「先代様……死んでいなかったのですね」

先代「我は魔王……闇と暗黒をこの手に絶対無二の支配者なり」ゴォォッ

戦士「コイツが……魔王……」ググッ

僧侶「あ……ぁ……」ブルブル

魔法使い「桁が……違うなん、て……レベルじゃ……」ブルブル

勇者 (先代魔王……! ただそこにいるだけなのに、なんて威圧感……!!)

先代「……ふむ」チラ

勇者「っ……! 雷光弾ぁん!!」バリバリッ

側近「勇者さま!?」

ドゴォォォン!!

勇者「コイツはヤバイ! コイツの存在を許したら……世界が……!!」

先代「……これが『勇者』だと? 笑う気にもならんな」シュゥゥ

戦士「バカな!?」

僧侶「そんな……無傷だなんて……」ガタガタ

魔法使い「下がっ……て……!! 勇者……!!」キィィン

先代「勇気と無謀は別物だ……失せろ、小僧」スッ

ゴォッ……ガォォォォン!!

勇者「ガ…………ハ……ァッ…………」ドザァァッ

魔法使い「勇者ぁ……!!」タタタッ

戦士「なんと言う威力……奴にとって、ほんの戯れ……」

魔法使い「僧侶……っ! 勇者、が……勇者が……!!」

勇者「」

僧侶「今、治療を……!!」

戦士「出来るのか?!」

僧侶「やってみせます!! やらなきゃ……勇者さまが……っ!!」

先代「下らぬ……」スッ

ズォォォォ…ゴォォォォン!!


勇者「……」

戦士「ぐぅ……今……? グフッ……!!」

僧侶「あ……ぐ……」

魔法使い「な……に、が……起こ……った、の……?!」

先代「寝ていろ……汝らに用はない」クルッ ザッザッザッ

先代「我はそなたに用があるのだ」

魔王「あ……あぁ……ひぎっ……」ガクブル

側近「魔王さま! 大丈夫、大丈夫です!! 魔王さまは四天王たちが護って……!」

先代「邪魔だ」スッ

ドッ…!!

火王「ウガァァァッ!?」ドガァッ
水王「きゃぁぁっ!?」ズシャァッ
風王「うぁぁぁっ!?」ズザァァッ
土王「……っ?!」ドシャァッ

側近「あの結界が……容易くっ?!」
魔王「み……んな…………っ」ブルブル

先代「ふ……今は魔王か」スゥ
魔王「……ひっ」ビクッ

勇者「魔王から離れろォォォォッ!!」

ザギィィン!!

先代「ほう、まだ息があったとは……腐っても『勇者』か」シュウ シュウ

勇者「魔王から……離れろって……言ってんだ……!!」ゼェー…ヒュー…

魔王「ゆ……しゃ……」ブルブル

先代「汝に指図される謂れはないな」

側近「何て無茶を……! 死にますよ、勇者さま!!」

勇者「うるっせぇ……っ! あの能天気が……あんだ、け……怯えてんだ……」フラッ

勇者「何…があった、か……知らんが……コイツは……ここで……倒……さ……なきゃ……」ドサッ

側近「勇者さま!!」

先代「鬱陶しい虫けらは、駆除される運命」スッ ギュォォォッ

バッ


魔王「…………っ」ガチガチガチガチ

先代「何の真似だ?」スッ

魔王「勇者は……っ、こ、殺させ……ない……っ」ブルブル

先代「人形が……その人間がそんなに大事か?」

魔王「わた、私は……もう……に、人形なんかじゃ…………!」

先代「いいや、人形だ」ギンッ

ドクン…ッ

魔王「か……ひゅ……っ……かひっ……?!」ブルブル

側近「魔王さま!? やぁぁぁっ!!」ダンッ

側近「弐葉の型・虎爪蹴!!」ダゴッ ダゴッ

先代「我の教育不足だな。まさか飼い犬に噛まれるとは!」ガシッ ブゥン

ズダッ ダォッ ドガァァッ

側近「う……ぁ……」ズザザァァ

魔王「側近……っ」

側近「ま……おう……さ……ま……!」

先代「あの時、勇者に邪魔をされた答えを聞かせてもらおうか、人形……」

先代「いや、姫よ」

魔王「……いや……いや! 何を、されても……何を言われても……私は……!!」ブルブル


先代「まぁよい。頷くまでやることは変わらぬ」
魔王「……っ」ビクッ

先代「我と共に来るんだ」

魔王「……ひっ」ガタガタガタガタ

先代「……この場で皆殺しにしてもよいのだぞ?」

魔王「この……っ!!」キッ

先代「どうする? この者たちの命は、そなたの返答次第だ」

魔王「……」チラ

魔法使い「……くっ……」

僧侶「……はぁ……はぁ……」

戦士「ぐっ……!」

魔王「……」チラ

側近「……魔王さま……ダメ……です……!」ガクガク

四天王「…………」

魔王「…………」

勇者「」

魔王「……」ギュッ

魔王「……わかり……ました……」ブルブル

側近「魔王さま……っ! やめて……ダメ……!」

魔王「一緒に…………行きます……」ポタポタ

側近「魔王さまぁ!!」

先代「よかろう」ニヤッ

先代「聞こえたか、弱き者共よ。魔王の命乞い、その心遣いを噛み締めろ」

魔王 (ごめんね、みんな……ごめんね、勇者……) ポタポタ

先代「フッフッフ……フハーッハッハッハ!!」

ズシュンッ

ハァーッハッハッハ…

ここまでです。

最初のギャグが今じゃ見る影もない…


次は火曜までには投下したいです。

長かったァァァァ!!
ようやく復旧した!!

深夜vipに残りを投下して良しにしようかと
悩みはじめてたから
良かったわー……。

待ってる間に完結しましたよ。
あとは投下して……と思ったけど
手直ししながら投下していきますね!!


私は人形。

言われた通りに行動し、
言われた通りを言葉にし、

自分と言うものがなく、

私の身体なのに、私に自由はなかった。

死なない身体。

死ねない躯。

誰もがそれを求めていた。

……


魔王「……ぅ……」パチ

先代「ようやく起きたか、どうだ」

先代「この部屋は……あの時のままだぞ?」

魔王 (……また、ここに戻ってきたんだ……)

先代「目覚めの感想くらい聞かせたらどうだ?」

魔王「…………」

先代「『また』だんまりか」

魔王「…………」

先代「まぁいい。時間は永遠と言えるほどある」

先代「さっそく始めるとしよう」ザッ

魔王「……っ」ビクッ










イヤアアアアッ


ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ

………


勇者「…………」

戦士「目を覚まさないな……勇者」

僧侶「もう、1週間……傷は治したはずなのに……」

魔法使い「………勇、者……」テ ヲ ニギル

コンコン

魔法使い「は、い……」

側近「失礼いたしますね」ガチャ

戦士「側近さん、か……。どうだったそっちのメンツは?」

側近「厳しいです」フルフル

側近「手酷くやられていて、あれでは使い物になりません」

戦士「そう……か」

側近「勇者さまの方も……未だ、起きませんか」

僧侶「魔法使いさま……少し休まれた方が良いかと」

魔法使い「……」フルフル

魔法使い「一緒に……いたい……側、に……いてあげ……たい……」

僧侶「魔法使いさま……」

側近「……魔王、さま……ご無事でいてください……」

戦士「魔王の嬢ちゃんは無事だろうか?」

側近「えぇ、早く助けにいきたい……」

僧侶「でっ、でも、勇者さまが目を覚まさない事には……」

側近「わかっています」

側近「魔王さまを助けるには……どうしても勇者さまの御力が必要ですので」

勇者「……」スピー…スピー…

側近「……」イラッ

側近「ただ、本当に寝ているのか確かめてもいいですかね?」

魔法使い「もう……すぐ……起、きる……よ」

勇者「……必ず……助ける。任せろ……」ムニャ

側近 (本当に……お願いします……)


ここは……どこだろう。

真っ白で何もない。

??『何もない? 当然だろうな。お前自身が何もない、だからここには何もない』

勇者「誰だ!?」

??『分からない振りをしているのか……それとも本気で分からないのか……』

勇者「な……お前……は……?!」

勇者?『僕はお前だよ』

勇者?『ようこそ、自身の中へ……クソ勇者殿』

勇者「俺、自身の……中?」

勇者?『あぁ、忠告があってな。それを伝えるために呼んだ』

勇者「忠告が……?」

勇者?『このままじゃ魔王に殺されるだけだ。姫のことは諦めろ……そして忘れるんだ』

勇者「殺される、だから諦めろだと?」

勇者?『そうだ……魔王は強く、冷酷で残忍だ』

勇者?『しかし魔王は姫のことにしか眼中にない。余計なことさえしなければ、こちらには何もしてはこない』

勇者「おい、ちょっと待て。さっきから何だ? 姫だの魔王だのと……」

勇者「魔王はアイツだろう? 能天気で嫉妬深くてさみしがり屋で……だけど優しくて、無邪気に笑う……」

勇者?『そうだったな。殺されるとわかっていても、助けに行くと言うのか?』

勇者「アイツは俺の仲間を助けるために着いてきてくれた……今度は俺の番だ」キッ

勇者?『本気なのか……?』

勇者「あぁ!」

勇者?『いいだろう……記憶を、かつて何あったのかを……そして』

勇者「記憶……?」

勇者?『見せてやろう……お前自身が誰なのかを』カッ


かつて、世界を闇が覆った。

光は遮られ、木々は腐り、水は淀み、世界が凍えた時代。

人々は絶望に喘ぐ中、一筋の光が如く闇の中でも笑顔を絶やさない少女がいた。

少女は人の国を束ねる王家の娘。

どんな絶望であっても、姫の心は闇に霞むことがなかった。

しかし、姫は闇に連れ拐われてしまう。

希望を失った人々の中、ただ一人の青年が立ち上がる。

どこから現れたか誰も知らない。

一人の青年は一振りの剣を手に、その闇に立ち向かった。

その戦いは熾烈を極めた。

七日七晩にも及んだ末、青年の持つ剣が光輝き、ついに闇を貫く。

世界は光を取り戻した。

人々は歓び、青年と、姫の帰りを待つ。

……だが、青年と姫はついに帰ってくることはなかった。


勇者「……絵本でよくある話だろ?」

勇者?『だが事実だ』

勇者「その姫とやらが、あの魔王……?」

勇者「だけど、この物語は何百年も前から……」

勇者?『なぜだかわからないか?』

勇者?『姿形を変えても、お前の魂に刻まれたこの想い……簡単には消せやしない』

勇者「待て、待て待て! その言い方、それじゃまるで俺が……その……」

勇者?『青年本人だ』

勇者?『姫を取り戻せなかった理由。それは彼女に深く関係している』

勇者?『彼女はこの世界を創った女神の生まれ変わりだ』

勇者?『生まれながらにして、死なない身体を持つ彼女を狙う魔物は多かった。しかし、その凄まじい光は魔物を寄せ付けはしない』

勇者?『だから魔王は世界を闇で覆い、彼女の力を弱めることにした』

勇者「そんな……」

勇者?『だが、闇が覆うほどに照らす光は強く、姫の力は増していく。だから魔王は彼女自身を狙うことにした』

勇者?『自分自身が狙われている事を知った姫は、自分がいなくなったあとの人々を護るために力を奮った。そして生まれたのが……』

勇者「俺……なのか?」

勇者?『皮肉にもそれが彼女の力を弱らせる結果となり、苦しむことになったがな……』

勇者「なんの話だ?」

勇者?『……さぁ、剣を取れ。そうすればかつての力を取り戻すことが出来る。そして、今度こそ、彼女を救ってくれ……』キィィン

勇者?『彼女の心を救えなかった、僕からの最後の頼みだ……』パァァァ

聖剣『……』

勇者「……よくわからねぇ事ばかりで何が起きて、どうなっていくのか分からない」

勇者「だが俺は俺だ! お前じゃない!!」

勇者「俺は勇者だ!! 闇を祓い、世界を救う!!」

勇者「魔王も、俺が必ず助ける。必ずだ。あとのことは任せてくれ」ガシッ

ズッ ジャキィィン

パァァァァァッ!!

青年「……頼んだよ」

……


パァァァァァッ!

魔法使い「み、みんな……! 勇、者が……!!」アセアセ

戦士「なんだ!? どうした!?」
僧侶「魔法使いさま?!」
側近「なんですか、この光は!!」

魔法使い「……ゆー、しゃ……」

勇者「……おはよう、みんな」

魔法使い「勇者……ぁ……」ダキッ

側近「……こ、これは一体……」

戦士「ようやく目が覚めやがったか? 置いていくところだったぞ、コイツ!」ガハハハ

僧侶「戦士さまったら、もう」クス

魔法使い「勇者……もう、起きない……かと、思……って……」グスグス

勇者「心配かけたな、もう大丈夫だ」ナデナデ

側近「……あなた……本当に勇者ですか?」

勇者「そう見えないか?」

側近「その力は……あの時の……」

勇者「……」

側近「勇者……さま?」

勇者「俺は俺だよ。それ以外の何者でもない」

側近「つくづく不思議な人ですね、あなたと言う人は……」フフ

魔法使い「……?」

勇者「魔王を助けに行こう」

魔法使い「……うん、彼女に……は、助けられた……借りが、ある……」
僧侶「えぇ、これが最後の戦いです!!」
側近「はいっ!」
戦士「行くぞ! みんな準備はいいか!!」

全員『おおっ!!』

勇者 (待っていてくれ……魔王。今度こそ助けてみせる) ギンッ


勇者「結局、ここまで来るんだな」

僧侶「これが……」

魔法使い「魔王……城……」

戦士「瘴気が濃いな……魔物の臭いもプンプン漂ってるぜ」

勇者「ずいぶん形状も雰囲気も、前と大分違うな?」

側近「はい、もともと先代の城を作り直したのですが……」

勇者「それだけ奴の力が並外れてる……か」

側近「先代は強いです……無駄な戦闘は避けて、魔王さまの奪還を……」

勇者「よぅし、そんじゃあ……」スラッ ジャキッ

側近「あ、あの……勇者さま? 何をする気」
勇者「轟雷」ガガッ!

ドドドドォォォ…… ガラガラガラ……

側近「……」アングリ
魔法使い「……」ボーゼン
戦士「やるじゃないか!」ガハハハ
僧侶「……」バタッ

勇者「行くぞ!」

側近「な、何してるんですかアンタ!? 気付かれちゃいましたよ、確実に!!」

勇者「どうせいつかは気付かれるんだ。それが早いか遅いかの違いだよ」アハハ

側近「あぁぁ……あなたは先代の強さをまるでわかってないのです!!」

勇者「わかっているさ……誰よりもな」

側近「……あなたは……」ハァァ


オオォォォォッ コロセェェェェッ

戦士「おー、おー……ぞろぞろ来たぞ!」

僧侶「ひぃ……数が多すぎません?」

魔法使い「……所詮……雑魚……蹴散らすのみ……」

勇者「言うね、魔法使い! んじゃ、一掃してやるか!」

魔法使い「任せ……て……」

側近 (一体、彼に何があったのでしょうか……まるで別人のように……そう)

側近 (かつて先代と戦った、あの人間のような……)

勇者「ボンヤリしてんなよ、側近! 魔王を助けるんだろ?」

側近「わ、わかっています!」

魔法使い「来るよ……!」

勇者「邪魔するな、雑魚共がァァァ!!」ヒュヒュン

勇者「双竜雷斬破!!」ズガズガァァァン

戦士「まーた強くなってる! こりゃ浮か浮かしてられんな!」ジャコッガシャッ

戦士「死にたい奴から前に出ろ! 特攻! 爆走圧壊撃ィィィッ!」ドゴォォォォォン

僧侶「戦士さま、かっこいい! 魔法使いさま、私たちも負けてられませんよ!!」

魔法使い「勇者のほうが……かっこいい……僧侶……合わせて……」

僧侶「はいっ!! 風よ風よ、往く疾きて……」ビュォォォォッ

魔法使い「燃え、盛る……火焔、と……交ざる……」ゴォォォォッ

魔法使い・僧侶「そして、新たなる誕生を!!」

魔法使い・僧侶「超新星……スーパー……ノヴァ!!」ギュォォォオオオッ

側近「……すごい……これが、勇者さまたちの力……」

勇者「魔法使い!」ダンッ

魔法使い「はいっ……天高く…………太古の支配者……吹き荒ぶ、嵐と……なりて……」キィィン

勇者「猛れ! 轟け!! 雷の神よ!!」

勇者・魔法使い「雷神……サンダーブレードォォォッ!!」ガラガラァァァァッ!

側近「本当に……一掃してしまうとは……」


戦士「魔王城の中は、一段と濃い瘴気だ……」

僧侶「禍々しい妖気が蠢いてるようです……」

魔法使い「……これ、じゃ……探知も……狂う……」

側近「魔王さまの居場所はきっと……あの部屋に違いありません……」グッ

側近「新手が来る前に、突破してしまいましょう……」

勇者「……と、行きたかったがお出迎えだ。歓迎してくれているみたいだな」

側近「!?」

先代「ようこそ我が居城へ。招待もしていないのに来てくれるとは……汝らは余程死にたいらしい」

勇者「勘違いしてないか? ここはもう姫の城だ。アイツの家に遊びに来るのに、わざわざ断りをいれる必要もないだろう」

勇者「アイツはいつだってオープンだったぜ?」

先代「口が回るじゃないか。一度は我に殺されかけた分際が……」ズォォォッ

勇者「勇者様を舐めるなよ……」バチンッ バチバチッ

ゴゴゴゴゴ……

僧侶「やはり……魔王の魔力は……桁が違いすぎます……」ブルッ

戦士「しかし、勇者だって負けちゃいない……」ゴク

魔法使い (勇者……あなたに、なにが……あったの……? これじゃ、まるで……)

側近「……勇者さま……」

勇者「側近……みんなを連れて先に行け」ボソ

側近「え……!? 一人で先代を相手にするつもりですか!?」

勇者「心配するな……魔王を助けたいんだろう?」

側近「し、しかし!!」

勇者「アイツは強い……手加減が出来ない。それに……」

勇者「お前たちがいると、全力を出せないんだ」

側近「……っ!」

勇者「頼む。今度こそ魔王を……姫を助けたいんだ」

側近「わかり……ました……っ!!」

勇者「ありがとう」ニコ

側近「必ずあとから追い付いてください……魔王さまが待っているのは勇者さま……あなたなのですから」

勇者「あぁ……」ギンッ


先代「死ぬ算段はついたか?」

勇者「お前を倒す算段ならついたな」

先代「減らず口を……!!」ゴァッ

勇者「側近、行けェェ! 雷竜咆!!」ガォォォォッ

先代「貴様……!? この力は……!!」

ドゴォォォォォン!!

側近「みなさん! 私について来てください!!」ダッ

僧侶「え!? ゆ、勇者さまを置いていくのですか?!」タタッ

戦士「しかし、俺たちではレベルが違いすぎる!! 勇者がそうするように言ったんだろ!?」ダッ

魔法使い「勇者……待ってる、から……!!」タタッ

勇者「オラァァァァアアアッ!!」ガガガガガガ

先代「グヴゥゥゥゥッ!?」

ドドドドォォォ…

勇者「さぁ……一対一だ。心置きなくやろうぜ……魔王!!」ヒュッ ジャキッ

先代「貴様ァァァ……!!」ググッ

先代「なぜ貴様がその剣を持っている!! なぜ貴様があの男と同じ力を持っている!?」ズドオォォオッ

勇者「…………」

先代「我を深き眠りに付かせた忌々しい光……今世こそ、この手で葬り去ってやろう!!」スッ

ゴォォォォン!! ……バシュッ

勇者「ハァァァッ!」ビュォッ

先代「ヌゥゥゥッ!!」シャッ

ガキィィン!! ズシャァァァッ

先代「黒の衝撃!!」ドンッ

勇者「光の一閃!!」キィィンッ

先代「オオオォォォッ!」

勇者「はぁぁぁぁっ!!」

……

とりあえずここまで!

修正したい箇所を発見したので
ちょっと、直してきます。

直し次第また投下します。

お待たせいたしています>>1です。

とりあえず完結しましたが、
まだ次のSSも中々書き溜まらないので
のらりくらり投下します。

エラー?
てすと


ドォォン…ズドォォン…

僧侶「城全体が揺れてます……」タタタ

魔法使い「勇者と……先代、の……力の……ぶつかり、合い……」タタタ

側近 (あの先代と互角に戦える力……彼は……勇者さまは……もしや……) タタタ

戦士「側近の嬢ちゃん! あの嬢ちゃんのいる部屋はまだか?!」ダダダ

側近「は、はい……もう少し……ここの階段を登れば……!」タタタ

魔物「ケケッ、ここから先は行かせな」
側近「邪魔です。三葉の型・飛翔旋脚」ギュルッ ズガッ

魔物「げはぁっ!?」

タンッ スタタタ

魔法使い「ちょっと……通りますよ……」フギュル
魔物「ほげっ」

僧侶「失礼します!」フミッ
魔物「アハん!?」

戦士「ん?」ドガッ
魔物「ぐひょっ!?」

魔物「扱い……酷くない……?」ガクッ

戦士「なんか蹴ったか?」ダダダ

側近「この部屋……!!」

戦士「オラァッ!!」バキャッ ドカァァッ

側近「魔王さまぁ!」

魔法使い「魔、王……!」

僧侶「……!?」

戦士「う……! こ、これは!?」


勇者「……お前、何を考えている?」

先代「クックック……」

勇者「こんなものじゃないだろう? それともこれが限界なのか?」

先代「フハーッハッハッハ!!」

勇者「何がおかしい……」ジャキッ

先代「いや、失礼したな……姿形が違えど、やはり貴様は貴様か。今も昔も詰めが甘い」

勇者「……?」

先代「さぁ……刻は満ちた!! ようやく我が物となったぞ、女神の力!!」ゴゴゴゴゴ…

勇者「ま……さか……」バッ

勇者「姫……姫ェェェェェ!!」

フハハハハハ…

……


側近「魔王……さま……」ガクッ

僧侶「ひど……い……」ウルッ

魔法使い「……」ギリッ

戦士「あのクソ野郎……!!」ビキビキ

側近「魔王さま……魔王、さま……ぁぁぁああああっ!!」ポタポタ

姫「」


先代「さぁ今こそ名乗ろう……」

魔王「我は魔王……闇と暗黒をこの手に絶対無二の支配者なり……」ゴアッ

勇者「せ……世界が……闇に染まる……!!」

ズァァァッ

王国

住人「世界が終わる……」

住人「おしまいだ……!!」

子供「女神さま……ボクたちを、助けて……」

魔法使いヘタレ「この世の終わりだぁぁぁ!!」

麓の村

住民「神様……神様……」

主人「あぁ……勇者様……どうか……」

少女「勇者さま……魔法使いのお姉ちゃん……僧侶のお姉ちゃん……戦士のおじさん……」

前線都市

住人「信じて祈るしかない……あの勇者様たちを……」

女性「あなたたちなら、きっと……この世界を救うと信じてる……」

傭兵「俺たちを救ってくれたお前たちを……信じてるぞ……」

ゴオオオオオッ


魔王「これが……世界を創造した女神の力……」

魔王「不死にして、最強の……力」

勇者「くっ……この野郎……!!」

魔王「さっさと止めを刺していたら……また違う結末にもなろう」

魔王「しかし、最早無意味。貴様は……ここで死ぬのだから」スッ バオオッ

勇者「ぐぁぁぁぁっ!?」ズドォォン

ドガッ ドシャァ…

勇者「ぐっ……がは……ぁっ」ビシャビシャ

魔王「馴染むにまだ時間が掛かりそうだ」フム

魔王「なぶり殺しになるやも知れぬが……許せ」

勇者「ぐぅ……っ!!」ガクガク

魔王「ほう……その身でまだ立ち上がるか? 健気な……」

勇者「約束……したからな……」

俺の命……まだ保ってくれ……

勇者「ガァァァアアアッ!!」ズガァァン バリバリバリ

魔王「……そう来なくては、な……貴様はこの手で葬る」

勇者「ハァッ……ハァッ……!」ジャキン

勇者「雷よ……束ね束ねて幾重に束ねて……神となりて……我が敵を……凪ぎ払えぇぇ!!」ガリガリガリガリ

魔王「来るがいい……そして思い知れ。己の矮小さを」

勇者「ナメんなァァァ!!」バチバチバチバチッ

勇者「神 罰 ノ 光 !!」ゴガッ

ギュゴォォォォ…ゴバァァァン!!

勇者「ゼェッ……ゼェッ……ど、うだ……っ!!」

魔王「それでおしまいか?」

勇者「……!?」ゼェ ゼェ

魔王「過大評価し過ぎた我がバカだったか……」

魔王「もういい……死ね、勇者よ」ゴァッ

勇者「!!」ズッ

勇者「



ズォォォ…ゴガァァァァァン!!

……


魔法使い「っ……!」ドクンッ

僧侶「え……? ゆ、勇者……さま?」

戦士「……!」

側近「……魔王……さま……」ギュウ

姫「」

魔法使い「ゆ……勇者……が……」ガタガタ

戦士「そんなはずがねぇ! アイツは勇者だ!! 誰にも負けない……勇者なんだ!!」ドガァッ

僧侶「……行きましょう!! 勇者さまのもとへ!!」

魔法使い「……っ」

戦士「……」

僧侶「私たちは、勇者さまの仲間です! 勇者さまをお守りするのが使命です!!」

魔法使い「……」コクン

戦士「あぁ……行こう!!」

魔法使い (待っていて……!!) ダッ


タタタタ…

魔法使い「勇、者……!!」
戦士「勇者ァァッ!!」
僧侶「勇者さまぁぁぁ!!」

魔王「ん……虫けら共か」

勇者「……」

魔王「丁度いい観客だ……今から見せるのは、お前たちの大事な存在の……幕引きだ」

魔王「しかとその目に焼き付けよ」キィィィン

魔法使い「……あぁぁぁぁっ!!」ギッ

魔法使い「果てに蠢く、遥かなる終焉! 全ては終わり、光すら残さず!!」

魔王「ほう?」

魔法使い「虚無の彼方に沈むがいい!!」

― black hole ―

ゴンゴンゴンゴンゴン…

魔王「極小型の重力塊か」

魔法使い「……勇者、の仇……!!」ギリギリ

魔王「しかし、所詮人間の産み出した疑似に過ぎん」

魔王「魔力はこうやって使うのだ」ズオッ

ドゴォォォォォン

魔法使い「……かは……っ!」ズシャァァ

戦士「ウオォォォッ! 業魔灰塵滅砕怒号裂壊弾!!」ズォォォッ

魔王「ただの力任せでは、我に傷ひとつつけられはせぬ」パシッ

戦士「なっ、なんだと!? 片手で……!!」

魔王「返してやろう。貴様の技だ」キュィィ

ゴズッ グシャァァァァッ

戦士「げぉ……っ?!」ビシャァ

僧侶「い、今、回復します……!!」ポウ

魔王「小賢しい」スゥッ

ゴオウッ ドガァァァッ

僧侶「あぁぁ…………っ!!」ドザッ

魔王「そこで大人しく見ているがいい。勇者の最期を」
勇者「……テメェの最期、だろ?」ギロッ

魔王「がっ!?」ズバッ



勇者「蒼覇天昇……滅雷陣……!!」シュガガガガガッ

ズバァァン バリバリバリ…

魔王「くっ……」シュゥゥ

勇者「雷神剣……」ジャキン

勇者「龍王斬ァァァン!!」ゴラァッ

ゴギャァァァン!!

魔王「グオォッ!!」バリバリバリ

勇者「はぁ……はぁ……」ジャキッ

魔法使い「勇……者……!」

戦士「勇者……っ!」

僧侶「勇者……さまっ!」

魔王「この……死に損ないがァァァ!! くたばれェェェェェ!!」ゴッ

ズォォォ… ドゴォォォォォン ドフッ

勇者「……雷鳴剣・天牙!!」ザギュッ ガガァッ

魔王「ぐおおっ?! なぜだ……なぜ倒れぬ!!」

勇者「俺の……後ろには護りたい者たちがいる……」

勇者「俺の背中には護らなきゃいけない物がある……」

勇者「俺の手には、護りたい約束がある!!」ギンッ

勇者「これが俺の全てだ、魔王よ!!」

魔王「消えるのは、貴様のほうだァァァ!!」

ズオッ

ゴシャァァァァァッ!!


魔法使い「……ぁ……あぁ……」ガクガク

戦士「ど……どうなった……!?」

魔王「ハァッ……ハァッ……」ビチャッ ビチャッ

僧侶「魔王……っ! 勇者さまは……?」




ヒュウゥゥゥ……





魔王「フハッ……フハハハ! バカめ! 消し飛んだか!! 不死の肉体を得たとはいえ、さすがに肝を冷やしたぞ!!」フハハハハハ!!

魔法使い「……あ……あぁ…」

僧侶「勇者さま……」

戦士「勇者……ぁっ!!」

魔法使い「勇者ぁぁぁぁぁぁ!!」

魔王「そう悲しむ必要はない……今、奴と同じ場所へ送ってやろう……」スゥッ

ゴォォォォォォォッ

なんだかエラーがひどいので、
一旦切りますね。

またのちほどーノシ

テスト

いけそうですね。

なんかもう、最後まで投下します。
待たせてもアレなので。

何だか台詞矛盾がある気がしますが
スルーしてください。
もはや修正できない箇所なので……

いっきまーす


…………

……


勇者「……ここは……?」

勇者「魔王がいない……つーか他に何もねぇ……」キョロ

勇者「……一体どうなって……俺は、負けた、死んだのか……?」

ポウッ キュイン

勇者「何だ、この光……映像?」

勇者「おー、懐かしい……魔法使いと戦士に僧侶。四人で旅に出たばかりの頃か」

勇者「魔法使いはこの頃、ほとんど喋らなかったな」

勇者「戦士……豪快で、頼りになる兄貴分な存在……いつの間にか僧侶と恋仲になるとは、な。ホントいつの間に手をつけたんだか」

勇者「僧侶……教会のシスターでありながらも、その戒律に縛られず、意外な大胆さを併せ持っていたな」

勇者「魔法使い……言葉が上手く発せないながらも、素直にぶつけてくれた好意……嬉しかった」

ポウ… キュイン

勇者「魔王城に来てからか。オープンな魔王城に驚いたな」

勇者「そのあとの魔王との出逢いは、さらに驚かせられたっけ」

勇者「普通に戦っても勝てなかったわけだ。俺はお前が創ったんだもんな」

勇者「側近……真面目な言葉遣いに反してオチャメな笑える奴だ。いつだって魔王のことを気にしていたな」

勇者「魔王……能天気で純粋で……さみしがり屋なくせに強がりで……誰よりも優しい少女……」

勇者「女神……」ポゥ


キュイン

勇者「これは……前世?」

勇者「姫の姿、全く変わらねぇな……角と尻尾がないくらいか」

勇者「人々の希望。闇に煌めく一筋の光……その光を割いて、俺が創られた……」

勇者「姫が囚われて……魔王城での日々」

勇者「魔王から受けるあらゆる拷問……」

勇者「引き裂かれる腹腸……千切れる四肢……しかし、女神の力が死を許さない……」ギリッ

勇者「魔王は、女神のその不死性を求めていた」

勇者「永い……永い拷問の日々に、次第に心が弱っていく」

勇者「……そして、笑顔が消えた……」

勇者「俺のせいで……」

勇者「……姫」

……助ける、それが約束だったからな……

……お前から受け取ったこの生命の光……

……今、返すよ……

キィィィイイイイイ……

パァァァァァン

こんなことで約束を守ったことにはならないんだろうけど

みんな、俺の大切な仲間だから

みんなのこと……頼むな

………
……



シュァァァァァァッ


姫「……ん……」パチ

側近「魔王さまぁ!」ポタポタ

姫「側近……どうしたの、そんなに泣いて……」クス

側近「私は……私はぁぁ……こんなことになるなら……いっそ……」グスグス

姫「大丈夫……もう、私は負けないから」

側近「魔王しゃまぁぁぁ……!」グスグス

姫「バカね……私たち友達でしょう? 昔のように姫って呼んでよ」

側近「!! 姫、さま……」グス

姫「はい」ニコ

側近「姫さま……!!」ギュウゥ

姫「苦しいよ、側近……」ナデナデ

姫「さぁ……行かなきゃ。彼に頼まれたから……」

側近「彼に……? 頼まれた……?」

姫 (死んじゃったら……あなたが消えてしまっては意味がないじゃない……)

姫 (助けてくれるって言ったのに……) シャァァン

女神「約束……勝手に破って……許さないんだからね……勇者」キィィィン


魔王「どうした虫けら共。それでおしまいか?」

戦士「う……ぐ……ぅっ……」ドサッ

僧侶「勝て……ない……っ! どうしても、敵わない……!!」ハァ ハァ

魔法使い「あた、しは……諦め、ない……っ! こいつは……こい、つだけ……は……殺す……殺すっ……殺してやる……っ!」グギギ

魔王「もう飽きた。そのまま死なせてやろう」

魔王「フハハハ! 勇者もあの世でまた再会できることを喜んでいるだろう!」ズアッ

魔法使い (勇……者……!)

ゴォォォォォォォッ ズドオォォン

??「いいえ……彼はそんなことを望まない」

魔王「何者だ!?」

魔法使い「……う……あ、なた……」

戦士「……俺たちも、死んだのか? ……おとぎ話で聞いた……女神さまが見えるぜ」

僧侶「……綺麗……」

女神「私をお忘れかしら? 闇の王よ」ヒュォッ

魔王「……なぜ生きている? すでにその力は失われたはず……」ザワッ

女神「……きっと、まだ私は死ぬべきじゃないと言うことなのね」キィィン

魔王「世迷い言を!!」

魔王「女神よ、我は貴様の力を得て、最早神にも等しい存在となった!」

魔王「不滅なる王は世界を支配し、人間共は我を神と崇め……魔物の世界を、闇の世界を創造するのだ!!」

女神「己を知りなさい。貴方はここで滅ぶのです」キュイン

女神「魔王!!」パァァァッ

キィィィィィィィンッ

魔王「おおおぉぉぉぉっ!!」

女神「光の奔流はひと雫の闇すらも、その存在を赦さず……」ギュォォッ ズァァァッ

女神「迸る雷光は一片の影すらも、残すことを赦しません……」ズバァァァン バリバリバリ

魔王「よせ……止めろ! 我は魔王!! 貴様らを支配する神にも等しく……」

女神「哀れね……光に照らされた闇が天を仰ぐうちに、自らを神と思い上がるなんて」

女神「貴方は神にはなれません……今ここで、その生命が尽きるのだから」

キィィィィィィィン

― 神 焔 ―

シュォォォォォォォ…


魔王「何故……だ……! 躯が……我の躯が崩れてイく……!!」ボロッ ボロッ

戦士「す……げぇ……」

僧侶「あの魔王、が……滅ぶ……」

魔法使い「……これが……浄化……の、炎……?」

魔王「バカな……!? 我、は……女神の……力ヲ……手に…!!」ボロボロッ ボロッ

女神「貴方が私から奪い取った力……それは言うなればコップに残された小さな小さな雫……」

女神「私の力の大半は、勇者に託されていましたから」

魔王「勇者……!? グゥぅ……!!」ボロボロボロ

魔王「マた勇者……勇シャゆう者勇しゃユうシャゆうシャ勇者勇シャユウ者!!!」ボロッ ボロボロボロッ

魔王「アイツはドコまデ我の邪魔ヲすれバァァァ……!!」ボロッ ボロッ

女神「朽ち果てなさい、魔王」

魔王「メ……がミィィィィィィィィィィ!!!!」

女神「永い間、戦い続けた勇者の……あの子達、人間の勝利です」カッ

魔王「グオオォォォォォォォォ!!」

魔王「










女神「もう……蘇ることもないでしょうね」シュゥゥ

僧侶「空が、晴れていく……!」

戦士「終わった……のか?」

姫「はい……あなたたちの勝利です」ヒュンッ

魔法使い (終わっ、た……終わっちゃったよ、勇者……)

サァァァ…


姫「大丈夫、みんな?」クルッ

戦士「……あぁ、女神様のおかげだ」

僧侶「ありがとうございます……全ての生きとし生けるものを代表して感謝いたします」フカブカ

姫「ちょっ……やめてよぅ……そんな畏まられるようなことじゃ……」アタフタ

側近「姫ェェェェェ! ご無事ですかァァァ!?」タタタ

姫「側近、そんなに走ると危ないよ」

側近「姫のためとならばこの身がいくら砕けようどっ!?」バキッ ガンッ ドザァァァッ

側近「お……が……っ!!」パクパク

姫「もう……私は大丈夫だから、休んでなさい、まったく……」クス

側近「あぁ……何と優しきお言葉を……ありがとうございますぅ……」シクシク

側近「しかし、素晴らしかったですよ姫!! あの魔王を……」

魔法使い「…………」

姫「うぅん、勇者……彼がいなくちゃこうはならなかった……」

側近「そうでしょうか? はー……人間離れしてるとは思っていましたが……はー」カンシン

側近「して、その張本人はいずこへ?」キョトキョト

姫「……」

戦士「……」

僧侶「……」

側近「あ、あれ? ……皆様、いかがなさいましたか?」アセッ

姫「うぅん……」チラ

魔法使い (……あの人は……もう、帰ってこない……んだ) ウル

戦士「魔法使い……きっと、アイツは全てを承知で逝ったんだ……なら、せめて俺たちは……」ポン

僧侶「……せめて私たちは笑って……あの人の護ったこの世界を……ね?」 ギュッ

魔法使い「……ひぐっ……うっ……うぁ……」ウルウル

姫「……」

魔法使い「うわぁぁぁぁぁ! うあぁぁぁ!!」ポロポロ

ウァァァ… アァァァァァン…

……




あの日から、瞬く間に時は過ぎていきました。
魔王軍によって、深刻な被害を受けた街の復興。
亡くなった方たちへの供養。

どれも忙しく、今では魔王との戦いが
遠い昔のように感じることがあります。

魔王が死に絶えたとはいえ、
魔物の被害は未だあるようで
戦士は武力の持たない村や、
復興の進まない町を転々としています。

戦士「まだまだ助けを必要としているやつがいる限り、俺は斧を置くわけにはいかん」

そう言って、王都から飛び出していきました。

僧侶は王都にある教会で
身寄りの無くなった子供たちを引き取り
甲斐甲斐しくお世話をしているようです。
……最近、お腹回りがふっくらしてきた気も。
本人は

僧侶「食べ過ぎちゃったかな?」

なんて言っていたけれど。どうかな。

姫……女神さまは側近たちを連れて、魔王城へと戻っていきました。
何でも

姫「王家なんて無駄な権力争いばかりでめんどいの。私はのんびり暮らしたいんだから」

なんだとか。
僧侶がちょくちょく手紙なんかで
やり取りをしているみたいだけど……
ま、彼女にとってみれば自分が敬う神そのものだし。
仲良くしていきたいのかもね。


……あたしは……
ずっと心の中に大きな空洞が出来たまま。
あの日、あの人がいなくなってからずっと……。

決して戻らない日々。
楽しかった思い出も、彼がいない……
それだけであたしの心は引き裂かれるように痛む。
頬を伝う涙も、地に吸い込まれ消えていくように
あたしも……このまま……消えたい。

会いたい……会いたいよ、勇者ぁ……。

あなたの笑顔……
それだけであたしは元気になる。

あなたの困った顔……
少し可愛いなんて思いながら、いろいろからかっちゃう。

あなたの悲しい顔……
せめて少しでもあなたの背負う重圧を分けてくれたら……

目を閉じたら、今でも鮮明に思い出せるよ?

大好き……大好きなのに……

もう……会えない……

勇者……寂しい……よ……

それに、恐いの……

いつか、あなたがいないことに慣れてしまうあたしが……怖い……

いつか、あなたの顔を思い出せなくなってしまうあたしが……怖い……

怖い……よ

勇……者……

……


エピローグ

側近「姫、お友達がいらっしゃいました」

僧侶「女神さまぁー!」フリフリ

戦士「おっす! 相変わらず元気そうだな女神さんよ」

魔法使い「…………」ペコ

姫「あ、ひさしぶり。何年振りかな……あと、女神は止めて? あくまで前世での話だし……」

僧侶「ですが、私にとっては祈りを捧げ、愛した女神さまそのものですから……」

姫「あー……うん、まぁ、貴女のことは諦めもついたからいいや」ハフゥ

魔法使い「……いいの?」

姫「何度言っても、何を言っても聞きゃしないの、あの子……」

魔法使い「……そう」ナデナデ

姫「……ふふ、お姉ちゃんみたい」

魔法使い「……姫のほうが……歳上……ロリババァ……」

姫「不老不死だからね? ロリババァじゃないからね? あの時ならいざ知らず、今じゃ肉体年齢は魔法使いのほうが上なのよ?」

魔法使い「はいはい……」ヘッ

姫「うにゃー!」ガーッ

側近「ひ、姫!? お気を確かに!!」

ウガァァ!!
ロリババァガ…ウツル…
ドーユウコト ソレェェ!!


姫「王都の復興は順調みたいね」

僧侶「それが、ですね……」

姫「……なにか問題が?」

僧侶「国王が崩御され、魔王を倒した勇者さまも不在をいいことに、生き残っていた家臣たちがここぞとばかりに政権争いを始めまして……」ハァ

魔法使い「…………」

姫「いつの時代も……人間のすることは変わらないね……」ハァ

僧侶「そこで!! ですよ、女神さま……いえ、姫さま!!」

姫「うわ……嫌な予感しかしない」

僧侶「姫さまが王都へと来てくだされば」
姫「はい却下ー」バッサリ

僧侶「そんなぁ!?」ガーン

姫「そんなめんどくせーこと、やーよぅ」

戦士「違いねぇ」ガハハハ

僧侶「わ、私は諦めませんからね!」

モウ アキラメテヨー
オネガイシマスー!!

姫「……」チラ

魔法使い「……」ボー


戦士「……あれから数年。世界は平和そのものだ」

僧侶「小さないざこざはありますが、みんな平和を謳歌しています」

魔法使い「……」

姫「……」

僧侶「人の国をまとめて頂けたら、と……」

姫「……よし、決めた!!」

僧侶「え!? では、ようやく私たちの国を」
姫「私、魔王になります!」

魔法使い「はぁ……?」

僧侶「え? え? ええェェェェェェェ!!??」

戦士「相変わらず嬢ちゃんの考えていることは、突拍子もないな」ワハハ

姫「いろいろ考えてみたんだけどねー……やっぱり光に満ち溢れた世界では勇者の存在は確立されないの」

姫「彼は……勇者という存在は、闇の中の希望の光だから」

姫「だから、私が魔王になります!!」

姫「だからこれからもよろしくね、側近!」

側近「……はいっ!」ウルウル

姫「私が魔王になることで……彼もまた……」ニコ

ザッ ザッ ザッ ザッ …


魔法使い「う……うそ……ほ、ホント……に……?」ウルウル

僧侶「あぁ……あぁ……」ウルウル

戦士「……待ちくたびれたぞ!」

皆「「「 勇 者 (さま)!! 」」」




勇者「魔王……?」

魔王「いかにも」フフン




勇者「戦士! 魔王討伐の旅、着いてきてくれるか?」

戦士「おぅ!!」ニッ

勇者「僧侶! お前の癒しの奇跡が必要なんだ、頼めるか?」

僧侶「はい!」ニコッ

勇者「魔法使い……俺と一緒に来てくれ」

魔法使い「…ゆー…しゃ……っ!」ニコ

勇者「さぁ、行こう皆!! 魔王退治だ!!」

おーっ!

Fin

はい、というわけで完・結!

また500いかなかった……
何スレも行く人、すごいですね。
羨ましい。

あと1レスだけ後日談がありますので
それを投下して
この物語は幕を引きます。

捻った話もいいのですが、
やはりまおゆうは王道を突き進むのが
一番あっている気がします。

では、後日談んんんん!!


番外編と言う名の後日談(エロ会話)

魔王「ねーぇ、勇者……そろそろ勇者の子供が欲しいから、私の子宮に子供の素……ぶち込んでほしいな」

勇者「ぶふぉっ!?」ゲフッゴフッ

魔法使い「……勇者の、一番濃いのは……あたしの……しきゅーが予、約……済み」

魔王「予約とかそんなのないもーん! こう言うのは早いもの勝ちなんだよ!!」

僧侶「いや、それ以前に魔王さまが勇者さまを産み出されたのですから……近親相姦になりますよ?!」

僧侶「神様だってお許しになりません! てゆーか神様あなた!!」

魔王「戒律を破りまくってる破戒僧に言われても……」チラ

魔法使い「ねぇ……」チラ

僧侶「え? えぇっ!?」ボテバラ

魔法使い「清らかな……乙女?」

魔王「二人目ちゃっかり仕込んでもらってるくせに……」

僧侶「うぅー……///」

少女「ママ、パパどこー?」グイグイ

僧侶「パパですか? もうじき帰ってくるかと思いますが……」

戦士「おぅ、帰ったぞー」

少女「パパぁー♪」トテトテ

戦士「ハッハッハ、ママの言うことちゃんと聞いて、いい子にしてたかー?」ダキアゲ

少女「うんー♪」

僧侶「あら、この子ったら……」クス

魔王「そういう仲睦まじい姿を見せつけられると、欲しくなるんだよぅ……」

魔法使い「……完全、同意……」

勇者「はは……あはは……」

魔王「この際、二人同時でも文句言わないから!」カモン

魔法使い「むしろ……ケンカしなくなる分、それでも構わない……」バッチコイ

勇者「……可能な限り前向きに検討し、最大限善処させていただきます」

結局、意気地無しの称号だけは返上出来ない勇者だった。

何だかなーとか思う人もいるかもしれません。

しかし、人気が上がった
魔法使いや魔王をどちらかに決めることが
できませんでしたので
こういった形を取りました。

期待してくださった方、スマヌ。

読み返してみたら、もう少し掘り下げながら
書いても良かったかなー…なんて思ったり。

次回への反省点にします。
また読んでくださる方の心境を
操れるような物を書けたら、そう思います。

長い間、読んでくださりありがとうございました。

(*´ω`*)

タモリの前の「世にも奇妙な物語」を司会してた人の挨拶……だったかな?

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