P「定期的にアイドルへの態度を変える」(908)

P「そうだな、ただ態度を変えるのも面白くない」

P「1週間毎に一人に対してすごく優しく、一人に対して冷たく接してみるか」

P「なんでこんなことをするか、といえば」

P「あいつらは現状に満足しすぎている」

P「だからと言ってスキャンダルが発覚しようものならそんな心配後悔に終わるのは目に見えている」

P「ある程度自分を保って行かなければこの業界では生きていけない」

P「それを再認識させるために、それぞれの心境をグラつかせる、というわけだ」

P「……まあ、単に反応が見たいということもあるけどな」

P「さて、それじゃ最初に優しくするのは>>5

P「冷たくするのは>>8にするか」

※765限定 その他二人以外のアイドルには今まで通り普通に接する

ピヨ含むならピヨ
含まないならあずささん

伊織

P「おはようございます」

小鳥「あ、プロデューサーさんおはようございます!」

P「あ、おはようございます! ……あれ、小鳥さんカチューシャ変えました?」

小鳥「え? ど、どうして……今日はちょっと予備なんですけど……」

P「あ、やっぱり。なんとなくいつもと色が違うなぁなんて」

小鳥「わぁ……流石はプロデューサーさんですね!」

P「いやいや、いつも見てたらそれくらいは」

小鳥「えっ……?」

亜美「おはおはー!」

あずさ「おはようございます」

伊織「おはよう」

律子「あ、プロデューサー着てらしたんですか」

P「朝から竜宮全員集合か。おはよう律子」

亜美「ねぇねぇ兄ちゃん! 今日は亜美達初! 大型フェスなんだぜ!」

P「あぁ、知ってる。期待してるぞ?」

あずさ「亜美ちゃん最近頑張ってるんですよ?」

律子「そういうあずささんも、今回はいつも以上に張り切ってますよね?」

あずさ「あ、い、いえその……でも、ちょっと頑張ってみようかな、って思ったんです」

律子「もう、冗談ですよ。私も今回は楽しみにしてるんです! 頑張ってくださいよ~!」

伊織「ま、今頑張りすぎて本番までに体力を使い果たさなきゃいいけど」

P「おい伊織、なんだその言い方」

伊織「え? な、何よ……ちょっとした冗談じゃない」

P「二人とも本気で頑張ってるんだ。茶化すようなことを言うな」

伊織「何よ……私だって……」

律子「プロデューサー、そこまで言わなくても。ま、気持ちはわかりますけど、伊織も頑張ってますし」

P「律子がそういうなら。ま、俺も期待してるからな、ぜひとも頑張ってくれ!」

亜美「よっしゃー、今日もビシバシ頑張っていきましょー!」

伊織「そう言っていつも帰りにはヘトヘトになってるじゃない」

あずさ「ふふっ、頑張りましょうね~」

P「……」

伊織「……」

亜美「あれ? どったのいおりん?」

伊織「え? な、なんでもないわ」

亜美「?」

伊織(……気のせいよね。なんだかあいつの反応が妙にとげとげしいというか……)

伊織(確かに私も、真剣な話の流れで言うべきことじゃなったけれど、あれくらいいつもなら……)

伊織(あぁもう、私らしくない! あれだけしか話してないのよ! 気にする方が馬鹿だわ!)

伊織「さぁ、やるわよっ!」

亜美「い、いおりん?」



伊織「ふぅ……あら?」

P「ん? ……伊織か」

伊織「あ、プロデューサー……」

P「……」

伊織「今、レッスン終わりよ。……そうね、のどが渇いたわ」

P「うん」

伊織「……喉が渇いたんだけど」

P「あぁ」

伊織「……いつもなら、何か言うところでしょ?」

P「そうだな。冷蔵庫に何か入ってるだろ」

伊織「オレンジジュースはないの。買ってきてくれないかしら?」

P「何で俺が」

伊織「な、なんでってその……前までは買ってきてくれてた……」

P「俺今忙しいんだ」

伊織「な、何よ……」

小鳥「あら、伊織ちゃんにプロデューサーさん。まだいらっしゃったんですか?」

P「あっ、音無さん。いや、まだ仕事が片付いてなくて」

伊織「……」

小鳥「毎日大変そうで、お手伝いしたいですけど私も似たようなもんですから。……伊織ちゃんはどうしたの?」

伊織「え? わ、私は、別に。暇つぶしっていうか……」

P「あっ、よかったら音無さん何か飲みます?」

伊織「なっ!?」

小鳥「え、いいんですか? でも、なんか悪いなぁ……」

P「この時期寒くなってきますし。暖かいものでも飲めばもう少しは頑張れます」

小鳥「あ、それじゃもらちゃおうかな……」

伊織「……」

P「……伊織も飲むか?」

伊織「えっ!?」

P「いらないのか?」

伊織「……い、いるに決まってるじゃない! 早く持ってきなさいよ」


P「お待たせしました。結構熱いと思います」

小鳥「うわぁ、嬉しい! どうもありがとうございます! ふふっ、今日のプロデューサーさんなんだか機が利きますね!」

P「あはは、いやいや。あ、これ」

伊織「あ、ありが……なに、これ」

P「あったまるぞ?」

伊織「っ……」バッ

バタン

小鳥「え? 伊織ちゃん、どうかしたんですか?」

P「さぁ? やけどでもしたか、トイレかはたまた腹痛でも起こして帰ったか。さぁて、俺はもうひとガンバりしますかね!」

小鳥「ふふっ、そうですね。お互い頑張っちゃいましょう!」



伊織「……なんなのよ、あいつ……私には」

伊織「ただのお湯とかふざけるにもほどがあるじゃない……」

伊織「小鳥には、あんなに優しいのに……」

伊織「別に、私は……」

伊織「……バカ」

――

P「さて今日も引き続き。今日は伊織に自分だけ冷たくされてることを特に自覚させるか」

P「少々心は痛むが、あと6日の辛抱だからな」

春香「あ、おはよう伊織!」

P「おはよう、っと春香来てたのか。……それと伊織」

伊織「……おはよう」

春香「おはようございますプロデューサーさん! あ、これいつものクッキーです!」

P「おぉありがとう」

春香「伊織もよかったら食べる?」

伊織「あ、えぇ。いただくわ」

P「そういえば春香、どうだ最近?」

春香「最近ですか? うーん、あ! 千早ちゃんとのラジオが楽しくって!」

P「おっ、あれか? 結構いい話聞くぞ、千早がなかなか慣れてないとかで」

春香「あっ、もうそんな話知ってるんですか? もー千早ちゃんにも後で言っておかなきゃ!」

P「伊織は……」

伊織「な、何?」

P「あ、そうだ春香。この前音楽番組に出たろ? あそこのプロデューサーが気に入ったみたいでさ、また出てくれないか、って」

春香「え? あっ、ホントですか!? ……って、あれ絶対ネタじゃないですか!」

P「あはは、そうかもな。でもそういうニーズもあるって言うか」

伊織「そ、そうよ! 春香はそっちの方面でも売っていけるじゃない」

春香「え~……でも、私としては普通のアイドルをしたいというか、バラエティも嫌いじゃないんですけど」

P「いやいや、バラエティに強いっていうのは結構な強みだぞ?」

春香「そうですか、ね……?」

伊織「それこそ、ズッコケたりするのはアンタの十八番なんだから、ちょうどいいんじゃない?」



P「おい、それどういう意味だ?」

伊織「あ……い、いえ……」ゾクッ

春香「あ、あはは! もう、伊織までそういうこと言うんだから……でも、プロデューサーさんはどう思います?」

P「うーん、別にその路線に媚びる必要はないけど、逆に拒む必要もないって思うぞ俺は」

春香「なるほど~……」

伊織「……」


伊織(どうして……私だって似たようなことを言っただけじゃない……)

伊織(……さっきのプロデューサーの声が、耳を離れない……私は、嫌われたの?)

小鳥「あ、今日は春香ちゃんもいれて3人ですか?」

春香「あ、小鳥さん!」

P「おはようございます、昨日はどうも」

春香「昨日? えっ、もしかしてお二人!?」

P「お、おいおい春香。やめてくれよ」

小鳥「そ、そうよ春香ちゃん! 私なんかがそんな……」

P「そうそう。俺なんかが音無さんと釣り合うわけ……あっ、いえこれは言葉の綾ですけど」

小鳥「あ、あはは……」

春香「むー……怪しいですね」

小鳥「伊織ちゃん?」

伊織「はっ! な、何? 小鳥?」

小鳥「いや、その……昨日から、なんとなく変かな、って」

伊織「べ、別になんてことないわ。私はいつでも伊織ちゃんよ!」

小鳥「それなら安心。何の話をしてたんですか?」

春香「聞いてくださいよ! 二人とも私が……」

P「あぁ、もういいだろその話は。せっかく音無さんが戻ってきたんだし、もう少し雑談チックなのでいい」

小鳥「そ、そんな気を遣わなくても。私、もうすぐお仕事戻りますし」

P「いいんですよ、あぁ、もしよかったら座っててください。またお茶入れます」

春香「な、なんと! プロデューサーさんがお茶を入れるところ、初めて見る……これはもしかして本当に」

P「何馬鹿なことを言ってるんだ。俺はたまに入れるし、自分のコーヒーくらいは入れてますよ春香さん?」

春香「あ、あはは……すみません」

P「というわけで、これです。それにほら、春香のクッキーもあるだろ?」

春香「あっ、そうですね! よかったら!」

小鳥「なんか申し訳ないですね……それにしても……」

P「はい?」

小鳥「い、いえ!」

伊織「……」

P「あ、すまんすまん。二人の分も今出す」

春香「あ、いいですよ自分でやります! それにしてもプロデューサーさん、妙に張り切ってますね」

P「そう見えるか?」

春香「どうみても……ね、伊織?」

伊織「え、あ、えっと……」

P「……そう見えるか、伊織?」


伊織「あ……う……」


P「どうなんだ?」


伊織「や、やめ……て……」


小鳥「も、もう春香ちゃんも伊織ちゃんもからかわないで! プロデューサーさんはいつでも優しいでしょ?」

P「音無さんまで……でも、頑張ってくれてますし。音無さん」

小鳥「え? わ、私ですか?」

P「そりゃ、もう。だからたまにこう……点を稼いでおかないと、っていうか?」

春香「あ~今の発言はちょっとダメですよプロデューサーさん! そこまで言ったらもうすこし気の利いたセリフとか……」

小鳥「な、何言ってるのよ春香ちゃん! も、もう大丈夫! ご馳走様、久しぶりに楽しかったわ!」

P「さて、俺も仕事終わらせるかな。春香たちはこの後レッスンか?」

春香「です! それじゃ、いこっか伊織?」

伊織「え、えぇ」



伊織「……はぁ」

春香「……ねぇ、伊織」

伊織「な、何?」

春香「その、さっき変な感じだったから。小鳥さんも言ってたけど」

伊織「あ……」

春香「もしかして、プロデューサーさんと何かあった?」

伊織「……」

春香「私も、たまに喧嘩しちゃったして、気まずくなったりするの。でも、その時はちゃんと謝って」

伊織「……」

春香「ほら、プロデューサーさんあぁいう人でしょ? 結構頑固だけど、根は優しいからこっちから言えば許してもらえると思う」

春香「でも、伊織が悪くないならそれは頑張るべきかな、とか。うーん、でもやっぱり難しいのかな」

伊織「春香……」

春香「あはは、私ったらちょっと偉そうに。ごめんね?」

伊織「……ううん、ありがとう。そう、よね……何か言わないと始まらないもの」

春香「うん、そうだよ」

伊織「……全く、この伊織ちゃんをここまで悩ませるなんて、あいつ……謝っても何も言わないようならただじゃおかないんだから!」

春香「あはは! ……でも、伊織らしくなった?」

伊織「え?」

春香「ずっと、下向いてたでしょ? なんていうか、伊織らしくなくて」

伊織「えぇ……でも、もう大丈夫よ。心配かけちゃったみたいね」

春香「ううん、私こそ。……それじゃ、レッスンしよっか?」

伊織「任せなさい!」

――
伊織(きっと……そう、オレンジジュースのこととか、何かしら気にくわないことがあったに決まってる)

伊織(そりゃ、私だって……悪いとか、想ったりするけど、だったら直接言えばいいじゃない、あのバカ……)

伊織(でも、いいわ。私のこの広い心に免じて許してあげるんだから……にひひっ!)

P「ふぅ……ん? 伊織か」

伊織「あ、プロデューサー、ちょっといいかしら?」

P「なんだ、俺は今忙しい」

伊織「それよ、それ」

P「ん?」

伊織「単刀直入に言うわ……ご、ごめんなさい」

P「……」

伊織「……気になってはいたの。でも、きっと気のせいなんだって思ってて」

伊織「でも、認めない限り許してもらえないって思ったから。謝ったけれど……私のどこが悪かったの?」

P「……」

伊織「そりゃ、たまにはちょっと、ほんのちょっとした贅沢や、わがままを言ったりするけど……」

伊織「いままではなんだかんだ、やってくれてたじゃない。なのに……ちょっと冷たいんじゃないの?」

P「……」

伊織「せめて、どこが悪いとか言ってもらわないと私としても……」

P「お前何言ってるんだ?」

伊織「……え?」

P「別に俺は今まで通りだし、お前に謝られるようなことはしてない」

伊織「そ、そんな……じゃあどうして」

P「俺にはお前の言ってることがわからん。これと言って変えたつもりはないんだ」

伊織「そ、そんなはずないわ! だって……」

P「あぁ悪いな。ある程度筋道が立ってから話してくれ。時間がもったいない」

伊織「な、なんでよ……そういうところからしておかしいじゃない!!」

P「……」

伊織「だって、今まではもう少し、優しいっていうか……話くらいは聞いてくれて……」

伊織「……謝ってるじゃない……心が、籠ってないとか言うの?」

伊織「わからないんだもの……ねぇ、教えて? プロデューサーにとって気にくわないことをしたんだったら謝るから……」

P「……うるさいなぁ」

伊織「……」

P「ただ騒がれてもわからないんだよ。お前の中でわかってても、こっちはわからないからイライラするわけで」

P「あぁ、こうやって説明してるだけでももったいない。もういいか?」

伊織「な、なんでよ……なんでなのよ、このバカ!!! 変態!!」

P「あぁ、なんでもいいや。気を付けて帰れよ」

伊織「……」

伊織「……なんで」

伊織「うっ、あぁ……」

伊織「ぐすっ……ばかぁ……」

伊織「ぷろでゅーさーのばかああ!!」


――

春香「あ、伊織!」

伊織「……春香」

春香「どうだった? 仲直りできた?」

伊織「……ダメだったの」

春香「え?」

伊織「私は、謝ったのに……」

春香「え、えっと……それってどういう」

P「おぉ春香おはよう」

春香「あ、おはようございます!」

P「今日のスケジュールについてちょっと話しておきたいことがある、いいか?」

春香「あ、はい! あ……」

伊織「……」

春香「ご、ごめん伊織……」

伊織「気にしないで」

春香「あ、大丈夫です!」



P「それでこのパートなんだが……」

春香「プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「その、伊織のことなんですけど」

P「伊織がどうかしたか?」

春香「……最近いつもと違う、っていうのわかります?」

P「ふむ、言われてみればそうかもな」

春香「……心当たりとか、ありません?」

P「心当たり? 伊織が変わったことに関してか?」

春香「あ、別に何って言ってるわけじゃないんですけど」

P「ないなぁ。というか、変なことがあればお前たちアイドル同士の方がわかるんじゃないか?」

春香「そ、それはそうなんですけど……実はですね」

P「伊織が、俺に謝った?」

春香「途中までしか聞いてないんですけど……気になったので。あ、何もないなら別に……」

P「……すまんな、やっぱり俺には記憶がない」

春香「そうですか……」

P「でも、そうやって春香が他のメンバーについて気にしてくれるのは嬉しいよ。伊織もまだあの年だ、想う事もあるだろう」

春香「そうですよね。はい、すみませんなんか!」

P「いやいや、こちらこそだ。それで、続きな」



春香「それじゃ、また!」

伊織「あ、春香」

春香「伊織。プロデューサーさんに直接聞いてきちゃった」

伊織「えっ……?」

春香「ごめんね、勝手なことして。でも、少しでも役に経てたらって思ったから」

伊織「……」

春香「伊織?」

伊織「ぐすっ……」

春香「え、えぇ!? ちょ、ちょっとご、ごめん!」

伊織「ち、違うわ……目に、ゴミが……」

春香「そ、そう?」

伊織「それで……あいつはなんだって……」

春香「知らない、って。……だから、さ」

伊織「……やっぱり」

春香「その……言いづらいんだけど、伊織としても何か思うところがあったりするのかな、なんて」

伊織「……え?」

春香「ほら、何でもないような言葉がちょっと、グサッと来ちゃったり、そういう年頃、って片づけるのもあれだけど……ね?」

伊織「春香……」

春香「もう少し、様子見てもいいかも。プロデューサーさんは変な感じなかったから」

伊織「そんな、そんなはず……」

春香「でも、また苦しくなったら相談してくれていいから、ね?」

伊織「は、春香……でも、私……」

春香「大丈夫、伊織もきっと今だけ……」

伊織「わ、私は!」

春香「わっ……び、びっくりした……」

伊織「私は……」

春香「……伊織」

伊織「どうして、なのよ……」

――
伊織(その後もナチュラルに話しかけたり、今までの風を装ったり。試してみたけど軽くいなされて)

伊織(でも、他の人とはいつも通りで……)

伊織(ねぇ……私は何をしたの……)

伊織(いっそのこと、嫌いになったとか、ここがダメだからとか言ってよ……変わってるじゃない……)

伊織(そうじゃないなら、本当に私が変わっちゃったの? ……もう、こんなの嫌よ)

―最終日前日―
真「なんだか最近プロデューサーと小鳥さんが話してるのよく見る気がするんだよね」

雪歩「誰かが言ってたけど、付き合ってるとか……?」

真「え、そ、それホント!? 雪歩!」

雪歩「あ、い、いや……でも、私もすごく楽しそうに話してるのも見たし……」

真美「ナニナニ、何の話してるのー?」

真「あ、真美。ほら、小鳥さんとプロデューサーがさ」

真美「あ、確かに! ふふーん、これは事件のにおいですなぁ……」

雪歩「じ、事件って真美ちゃん……」

亜美「……」

真美「あり? 亜美、どしたの? ここは兄ちゃんのカノジョ疑惑を~! ってのってくるところじゃ」

亜美「……今日ね、いおりんがこなかったの」

真美「……え?」

真「そ、それって竜宮小町にってこと?」

真美「でも、何も言わなかったわけじゃないっしょ?」

亜美「本人は病気って言ってた。なんか具合は悪そうだったんだけど……なんか変な感じなんだよね」

雪歩「確かに……最近伊織ちゃん元気なかった気がする」

真「あ、僕も。というか、伊織の叫び声を聞いてない気がする」

亜美「まこちん、それなんか違くない?」

真美「でも、そうだよね。いおりん、どうしちゃったんだろ」

真「こういう時はプロデューサーの出番じゃない?」

真美「あ、そだね! でも、兄ちゃんはピヨちゃんと忙しいんじゃないの?」

亜美「え、何それ!?」

真美「だから言ってたっしょー? っていうか、二人は?」

雪歩「さっきちょうど会議室に入ってたよ、二人とも」

真美「ほほぅ……これはますます禁断のラヴのにおいですなぁ!」

亜美「てかゆきぴょん、すごいいろんなこと知ってるね……」

雪歩「え!? ち、違うよ! これはたまたまっていうか……その、聞こえてきて……うぅ」

真「それならちょうどいいんじゃない? 頼みに行きながら二人の様子を見るってことで!」

真美「おぉ、まこちんそれナイスアイデア!」

亜美「うん、確かに。そうと決まれば……」

スッ

小鳥「……ぷ、プロデューサーさん」

P「音無さん……」

小鳥「だ、ダメですよ……」


真「なっ!?」ボソッ

雪歩「だ、だめですぅ! じ、事務所でそんな……」

亜美「な、何何? 見えない!」


小鳥「……もう、プロデューサーさんの好きにしてください」

P「そんなこと言って、元からそのつもりだったんでしょう?」

小鳥「……どうでしょうね」

P「ふふっ、そういう顔してます」

小鳥「もう……いじわるなんだから」



真美「これはもう完全にできてますねぇ……」

真「声しか聞こえないんだけど……もう少し中に」

雪歩「だ、ダメ押さないで真ちゃん! あっ!」

真美「わっ、だ、ダメだってば!」

バンッ

小鳥「きゃっ!」

P「なっ……お、お前たち」

真「わ、わわ……」

雪歩「ご、ご、ご、ごめんなさいぃ! 私たち、その……」

真美「お、お邪魔するつもりは……って、あれ? 兄ちゃんたち何やって……」

P「何って……見ればわかるだろ?」

小鳥「今度の衣装とかについて話あってたのよ。でもプロデューサーさん、意外にふざけるから」

P「いやいやいや! だから本気だって言ったじゃないですか!」

小鳥「だったらお一人で決めたらいいじゃないですか~」

P「それは、ちょっと……センスに自信が」

小鳥「ずっとこんな調子で……ふふっ。あ、えっと、4人はどうしたの?」

P「……」

小鳥「なるほどねぇ……」

真「プロデューサー、何か知りませんか?」

P「律子は、なんて言ってるんだ?」

亜美「今日だけは休ませて、って言ってるから仕方ないか、って」

亜美「でも、りっちゃんも心配してるから……明日も来ないようなら様子を見に行くって」

真美「どうするの?」

P「……律子に任せよう。俺たちにはやることがあるし」

亜美「でも……」

雪歩「大丈夫……だといいけどね」

真美「でも、あのいおりんだよ? きっと風邪引いたらしっかり良くなって戻ってくるって!」

小鳥「そうね……やっぱり、何かあったのかしら……」

P「とりあえずこれ、終わらせちゃいましょうか」

真「あの、一応イチャイチャするのは辞めてもらって……」

小鳥「え? わ、私? な、なんで!?」

伊織「……」

伊織「……何やってるのよ、私」

伊織「家に居たって、何も変わらないのに」

伊織「……全部アイツのせいなんだから」

ピロリッ

伊織「……誰よ」






伊織「……ばかっ」

『いおりん、ふぁいと!』

『風邪にまけるなよ、お前は私が倒す!』

『元気出して、戻ってきてね!』

『待ってます!』

伊織「何も知らない癖に……ホント、バカ……」

伊織「……プロデューサーなんて、いなくても」

―最終日―
伊織「……お、おはよう」

亜美「いおりーん!」

伊織「ちょ、ちょっと! 離れなさいよ!」

亜美「ふふーん、さみしかったのだろう?」

伊織「こ、こっちのセリフよ!」

真美「亜美、ずっと心配してたんだぜー?」

亜美「ちょ、ちょっと真美!」

伊織「ふーん、アンタがねぇ……」

亜美「ど、どういう意味さ! もう、いおりんなんてずっと寝込んでおけばよかったんだ!」

伊織「移してあげましょうか!」

P「おはよう……騒がしいな」

伊織「あ……お、おはよう」

P「……おはよう、亜美。真美」

亜美「あ、兄ちゃん。おはおはー!」

伊織「……ふん」

伊織(気が付いたら、1週間……)

伊織(他の皆がいなかったら、私は到底耐えられなかった……)

伊織(でも……でもやっぱり私は)

伊織(プロデューサー……アンタと話がしたいの……)

伊織「……プロデューサー」

P「なんだ」

伊織「喉が渇いたの。オレンジジュースを……」

P「あ、真美。今日は亜美とレッスンの予定だったろ?」

真美「え? あ、うん」

伊織「ちょ、ちょっと聞きなさ……」

P「竜宮の事情で亜美が出れなくなったんだ。だから一人になるか、後になるかわからんがそう思っておいてくれ」

亜美「え? そなの?」

P「おいおい、律子から聞いてないのか? 全く亜美は……」



伊織「聞きなさいよ!!!!」

P「……伊織」

伊織「オレンジジュースが、飲みたいって言ってるの」

P「……」

スッ

伊織「な、何よ……」

P「調子に乗るな」

伊織「なっ……」

P「今、俺は誰と話をしている? 亜美と真美だ」

伊織「……私だって、話を」

P「俺は仕事の話をしていた。お前はなんだ?」

伊織「……だから、オレンジジュース」

P「そんなくだらないことで……」

伊織「くだらないって何よ! アンタは昔、こんなくだらない話をしっかり聞いて買ってきてるのよ!!」

亜美「い、いおりん……?」

伊織「それが何? 今になって急にいい子ぶって! バッカみたい! そこまで私に文句があるならそういえばいいでしょ!」

P「……」

伊織「それなのに、ネチネチ私のことを無視したり……やることが汚いのよアンタ!」

伊織「男ならね、正々堂々言えばいいでしょ! そんなこともできないでプロデューサーなんてやってるんじゃないわよ!」




P「邪魔だ」

伊織「……あ、アンタ」

P「まだ風邪が治ってないのか、熱があるぞ? 休んでろ」

伊織「ば、馬鹿にしないで! 私は……」

P「まだ言わせたいのか?」

伊織「だ、だ、だか、ら……私はっ……」



P「いい加減迷惑だと言ってるのがわからないのかっ!!!」

伊織「っ!」

P「……帰れ、明日出直せ。それか律子のところにいけ、ここに居られても困るんだ」

伊織「かっ……バカッ……ばかばかぁ……」ポロポロ

亜美「に、にいちゃ……」

真美「あそこまで言わなくても……いおりん……」

P「お前らは、甘いんだ。仕事の話をしているのに、あんな風に逆切れする馬鹿がいるか?」

P「いたとしてもそんなやつすぐ消える。だったら今のうちにふるいにかける必要があるんだ」

P「俺、間違えたこと言ってるか?」

亜美「い、いや……」

真美「……」

P「まあ、お前らにはちょっとハードルが高いかもしれないけどさ、これと言って無理を言ってるわけじゃないんだ」

伊織「ぐすっ……ひっく……」

P「あぁならないように、気を付ける。それだけだ」


――

伊織「やっぱり、ダメなのね……」

伊織「私は、もうあいつに愛想、つかされたんだ……」

伊織「……ふふっ、笑っちゃうわね。なんで、気が付かなかったのかしら」

伊織「……う、うぅ……も、もう泣きたくなんてない……どうして、あいつのことで泣かなきゃいけないのよっ!! ばかああああああ!!」

―翌日―
伊織「……」

P「ん? 伊織か、おはよう」

伊織「話があるわ」

P「どうした?」

伊織「私は、この事務所を辞める」

P「……ん?」

伊織「……今まで、迷惑かけちゃったわね」

P「……」

伊織「ごめんなさい、このことに関しては私が悪かったの。……全部、そう」

伊織「でも、後悔はしてない……」

P「やめてどうするつもりだ? 家族に示しがつかないだろう」

伊織「律子に個人的に頼むつもり。事務所の名前くらいなら、どこかでもらえるだろうしね」

P「……」

伊織「……それだけ、忙しいのに悪かったわね」

P「伊織」

伊織「……何よ」

P「こっちを向け」

伊織「なんで……」

P「いいから」

伊織「嫌よ……」

P「こっちを向くんだ」

伊織「嫌!」

P「伊織!」

伊織「嫌って言ったら嫌なの!」


P「……泣いてるじゃないか」

伊織「……だって、だって」

P「後悔なんて、無いんじゃなかったのか?」

伊織「そんなの、ないに……決まって……」



P「少なくとも俺はこのまま伊織を手放したら、後悔する」

伊織「……え?」

P「……伊織に言われた通りだ」

P「なんか、自分でもわからなくなっててさ。実は1週間前に決めたんだ」

P「俺にも頼らないように、頑張ってもらおうって」

伊織「1週間前……あっ」

P「本当は続けていく予定だった……でも、少しずつ違うなって」

P「実際、本心もある。ただ、言いたいことを言い合えない関係っていうのはやっぱりさみしいよな」

伊織「ぷ、ぷろでゅ……」

P「仕事とはまた別に……人一倍頑張れる伊織ならと思ってやったんだが……やっぱり辛かったか」

伊織「ば、ばか……そんなの、そんなの無理にきまってるじゃない!!」

P「すまなかった……今思えば、結構冷たく当たってきたと思う。だから、今度伊織がどうするかは任せる」

P「でも……こうやって過ごしてみて改めて伊織のよさを感じたっていうか……すこし調子がいいけどさ」

伊織「……いいわよ」

P「伊織……いいのか?」

伊織「……でも、条件があるわ」

伊織ってあのハゲだっけ?

P「……買ってくればいいのか?」

伊織「……一個じゃダメ。最初に頼んだ分、昨日頼んだ分。合計3つよ。5分以内」

P「なっ……」

伊織「もうスタートしてるから。早くしなさいよ変態!」

P「へ、変態っておい……わかったよ、まってろ! 絶対買ってきてやるからな!」

伊織「はいはい。……当然、100%よ? まったく……」



伊織「……バカみたい」

伊織「なんで、あんな奴のためにあんな悩んで苦しんで」

伊織「……でも、今すごい安心してる」

伊織「悔しい……ホント、バカよ」

伊織「……帰ってきたら、あのオレンジジュース、頭からかけてやろうかしら、なんてね」

伊織「まだまだ、私への償いはこんなもんじゃ足りないんだから」

伊織「覚悟しておきなさいよね、にひひっ!」


Fin

>>108
そう、生え際が後退してる子。

本当はこのまま冷たくした方を優しくする方に変えて新たに冷たくするアイドルだけ安価で決める
つもりだったんだが眠いんで誰か書くなり任せた
そうじゃないならそのうちまた立てるかも 付き合ってくれた人サンクス

乙でした
>>118が書くから安心して

>>118
期待

>>121だったわ

優しくするアイドル>>128
冷たくするアイドル>>131

伊織

貴音

貴音

翌日

伊織「~♪」

春香「あ、伊織!」

伊織「あら、おはよう春香」

春香「なんだか元気になったみたいだね。プロデューサーさんと仲直りした?」

伊織「まぁ元々喧嘩じゃないから仲直りとはちょっと違うかしら」

春香「そっか。なんにしても伊織が元気になってよかったよ」

伊織「心配してくれてありがとね」ガチャ

伊織「おは

P「伊織っ!おっはよう!」

記憶はリセットの方がいんじゃね、バレちゃうじゃん

>>137
SSだとみんなチョロいので優しくしてると昔の記憶は自動的に消えます

伊織「え、ちょ…プロデューむぎゅっ」

P「伊織ー!会いたかったぞー!」ギュゥー

伊織「ちょ、ちょちょちょっと待ちなさいよあんた!い、いいきなりなんなの!?」

P「伊織が来てくれたことが嬉しくてな。そうだ伊織、ジュース飲むか?プリンでも食べたいか?」ナデナデ

伊織「ま、まだいいわよっ…おでこ撫でるなぁー!」

春香「あ、あははは…おはようございます…」

P「お、春香か。おはよう」

>>140
みんなお前を待ってるんだが?

春香「ちょ、ちょっと伊織っ」

伊織「な、なにかしら…」

春香「なんでいきなりこうなっちゃってるの!?プロデューサーさんすごい伊織に優しいじゃない…」ヒソヒソ

伊織「知らないわよぉ…昨日はこんなんじゃなかったのに」ヒソヒソ

春香「やっぱりあれ?喧嘩のあと程燃え上がっちゃうものなの!?」ヒソヒソ

伊織「な!なにが燃え上がるっていうのよっ」ヒソヒソ

P「ひそひそ話はやめてくれよ伊織」

伊織「え?あ、そうね…」

P「うんうん。素直な伊織が一番可愛いな」ナデナデ

伊織「こ、子供扱いするんじゃないわよ…」

春香「…………」

P「なにかしてほしいことがあったら言ってくれよ?伊織」

伊織「え、えぇ」

伊織「…………」

春香「えっと…お邪魔みたいなので私はさっさとレッスンにいってきまーす…」

P「送ろうか?」

春香「い、いえっ!おかまいなくっ!」シュダッ

P「…いっちゃったな」

伊織「うん…」

キャァァァ!?ドンガラガシャーン!!

P「あーあ…またやったな春香のやつ…」

伊織「…………」モジ

P「…ん?どうした伊織?トイレか?」

伊織「ちち違うわよっ!ばっかじゃない!?」

P「おっと…」

伊織「!…あ、えと…ごめんなさい…また怒鳴っちゃって…」

伊織「私の悪い癖よね…直すから…怒らないで…?」

P「……ぷっ。まさか伊織、また俺が冷たくするとでも思ってるのか?」

伊織「え、いや、あの」

P「…大丈夫だ。安心しろ伊織。俺はもう絶対に伊織の側を離れようとしないから」

伊織「ぷ…プロデューサー…」ウルッ

P「おーよしよし。泣くな伊織。俺はお前の味方でいるからな」ナデナデ

伊織「うん…」

P「落ち着いたか?」

伊織「うん……って!」

P「うん?」

伊織「な、な、な、なに抱き締めてくれちゃってるのよぉ!?」

P「そりゃあ伊織が甘えてくるからだろ?」

伊織「なっ…ばっ…だだ誰がっ……!」プルプル

P「わかったわかった。とにかく落ち着けって。もうすぐ他のアイドル達がくるぞ?」

伊織「あぅ…」

ガチャ

小鳥「プロデューサーさーん!おはようございまーす!」

P「あ、どうも音無さん」

小鳥「…………」

P「ん?なんですか?」

小鳥「あ…いえ…なんでもないです…」

P「伊織。今日の予定はなんだった?」

伊織「えっと…今日は竜宮小町での撮影の仕事が…」

P「そっか。律子達と一緒に行くのか?なんだったら俺が送って…」

伊織「いいっ!これ以上あんたにくっつかれたらたまったもんじゃないわっ」

P「…嫌だったか…?」

伊織「…べ、別に…」モジ

P「ん?」

伊織「い……いやじゃ、ないけど…」モジモジ

P「あ、律子おはよう」

伊織「やひぃっ!?」ビクッ

律子「おはようございますプロデューサー殿。伊織もおは…」

伊織「さ、さぁさっさと現場に向かうわよっ!」グイグイ

律子「え、ちょ…まだ準備が…!」

バタン

P「やけに仕事熱心だな伊織のやつ…」

小鳥「」チラッ

P「さてと、俺も仕事を…」

小鳥「あ、あのぉ…」

P「はい?」

小鳥「あたし…お茶でも…」

P「あ、お願いしていいですか?」

小鳥「で、ですよね!プロデューサーさん忙しいですもんね!」

P「?」

小鳥「ぷ、プロデューサーさんが煎れてくれたお茶が美味しかったとか言うつもりはないですよ!?決して!」

P「はぁ」

ガチャ

響「はいさい!」

貴音「おはようございます」

>>108
>>110
屋上(`Д´)
いおりんはカワ(・∀・)イイなやっぱ

P「お、響か。おはよう」

響「おはようプロデューサー!」

P「さて…こっちがこうで…」カタカタ

貴音「…?」

貴音「あの、あなた様。わたくしもおります」

P「…ん?あぁ貴音か。気づかなかった」

貴音「…そうですか」

P「いや、すまんな。でも俺が気づかなかった時は貴音からあいさつしたらどうなんだ?おります、とか言われてもさ…」

貴音「こ、これは失礼しました…おはようございます、あなた様」

P「おはよ…」

貴音「…………」

響「おっちょこちょいだな貴音はー」

貴音「…そうですね。わたくしの察しが悪かっただけですね」

P「響は今日仕事があったんだっけ?」

響「いや、自分は今日はダンスレッスンがあるんだ」

P「そっか。なら久しぶりマンツーマンにレッスンしてやるかな」

響「え?本当か!?自分嬉しいぞ!」

響「あ、でも今日は貴音も一緒だからマンツーマンにはならないかな」

貴音「そうですね。しかしあなた様に練習の成果…

P「そうか。貴音も一緒なのか…じゃあやっぱり俺はやめとくよ」

貴音「……え…?」

響「なんで?やっぱり忙しいの?」

P「あぁ。まだ終わってない仕事があったんだ。すまんな」

響「ちぇー…それじゃ仕方ないな」

貴音(……貴音も一緒だから…やめとく…?)

響「じゃあ自分達はレッスンいってくるねー」

P「あぁ。いってらっしゃい」

貴音「…………」

響「貴音…?いこう?」

貴音「……あ、あの…」

P「ん?なんだ貴音」

貴音「その…レッスンにこられないのは…」

P「…早く用件を言ってくれないか?仕事の邪魔になるんだが…」

貴音「も、申し訳ありません…!」

P「…で?なに?」

貴音「……レッスンにこられないのは…わたくしのせいでしょうかっ!?」

P「…………」

響「?」

小鳥「お茶ができまし……っ……!」

小鳥(…静かにしてるピョ)

P「…貴音が何を言ってるのかわからないんだが…」

貴音「え…?」

P「いや…貴音のせいだなんて1度も言ってないだろ?俺」

貴音「…ですがわたくしも響と一緒と聞いた途端に…」

P「たまたまその瞬間に思い出しただけだ」

貴音「……そう…なのですか…?」

P「そうだ。別に貴音がどうこうとかそんなのは関係ない」

貴音「…そうですよね。わたくしの思い違いですよね」

P「わかったらレッスンいってこい。響が待ってるじゃないか」

貴音「は、はい…行きましょう響…」

響「ん?もういいのか?」

貴音「えぇ…もういいのです…」

P「ふー…疲れた…」

小鳥「あのぅ…お茶煎れましたけど…」

P「あ、これはありがとうございます」

小鳥「…なんだかイライラしてます?プロデューサーさん」

P「え?そんなことはないですけど…」

小鳥「そうですか?あたしにはプロデューサーさんが…」

P「イライラしてません」

小鳥「あ、はい…ごめんなさい…」

P「ちょ、ちょっとなんで謝るんですか?」



貴音「響…今日のプロデューサー…様子がおかしくありませんでしたか?」

響「ん?別に普通じゃなかった?」

貴音「…そうですよね。わたくしが…わたくしが、過敏なだけですよね…」

P「…よし、一段落っと」

小鳥「お疲れ様です」

ガチャ

真「おっはようございまーす!」

雪歩「おはようございますぅ」

P「あれ?真と雪歩は今日の仕事はもう終わったんじゃなかったか?」

真「はい!仕事が終わったので余った時間をレッスンに使おうかと」

P「なんだ真。やけに熱心じゃないか」

真「へへっ。レッスンは響と貴音に合流してやる予定なんです」

雪歩「私はレッスンしてる皆さんに差し入れを…」

P「それは響達も喜ぶな。よし、レッスン場までつれてってやろう」

真「やーりぃ!」

雪歩「よろしくお願いしますぅ」

響「はぁ…はぁ…」

貴音「はぁ……あぅっ」コケッ

響「あっ!またこけたなー!」

貴音「はぁ…申し訳…はぁ…ありません…」

響「まぁいいけど…貴音にしては珍しいよね。今日失敗ばかりだし」

貴音「…なぜかはわからないのですが…こう…胸が…」

響「胸が?」

貴音「……こう…ぎゅぅぅん…と」

響「……ぎゅぅぅん?」

貴音「こう、ぎゅぅぅん、と」

響「……病院いった方がいいんじゃないのか?」

貴音「な、なんと…」

響「原因はわからないのか?」

貴音「…原因は…」

貴音「原因は…ですね…」

貴音「…………あなた様…」ボソ

響「ん?なんだって?」

貴音「ぷ、プロデューサーと…あんまり意志疎通ができなかった心残りゆえかと…」

響「ふぅん…じゃあプロデューサーと話せばいいじゃないか」

貴音「そうなのですけど…」

貴音(…わたくしは…貴音はなんだか、プロデューサーと話すのが怖くなってしまいました…)

貴音「…………」ビクビク

響「ど、どうしたんだ貴音…?大丈夫か…?」


P「おーい響ー!」

貴音「っ!」ビクッ

響「あっ。プロデューサー!」

P「差し入れにジュースでもどうだ?」

響「え、いいのかー?」

貴音「あ、あなた様…」

P「なんだ、貴音もいたのか」

貴音「…は、はい」

P「ジュース、飲むか?」

貴音「いいのですか…?」

P「あ、だが一本だけだからな!」

貴音「そ、それは承知しております…」

P「こうして注意しないと貴音はすぐに飲み干してしまうだろうからな。みんなの為に買ってきたのに貴音ばかりに飲まれちゃかなわないよ」

貴音「……あ、あの!承知しておりますと言ったではないですか!」

P「…ん、わかってるならいいんだが」

貴音「…………っ」ムスッ

貴音「…あなた様…」

貴音「いえ、プロデューサー!」

P「なんだよ?」

貴音「今日のプロデューサーは何故わたくしにばかり冷たいのです!?わたくしがなにかいたしましたか!?」

P「…………」

貴音「わたくしがなにか気にさわることをしたのならば、それを指摘すればよいのですっ!」

貴音「悪いことをしたのならお詫び申し上げます…!しかしなにをやったのかわからないうちにこういう仕打ちを受けては…わたくし…!」

貴音「胸がいたいのですっ!あなた様!」

P「…………」

貴音「どうか教えてください…わたくしが何をしたのか…」

貴音「そして…それを許していただきたいのです…もう耐えられません…」

貴音「どうかこの貴音を許してください…お願いいたします…」

P「…………」

P「……貴音…」

貴音「はい…」

P「…………」

P「だから、お前がなにを言ってるのかさっぱりわからん」

貴音「……え…?」

P「別に俺は怒ってないし、貴音もなにもしてないだろ?」

貴音「…では…何故わたくしにいじわるするのです…?」

P「してない」

貴音「してるではありませんかっ…!」

P「…そう思うのなら、それはお前が後ろめたいと思ってるからだ」

貴音「…っ!?」

P「やましい感情があるから怒られてるんだと錯覚するんだよ」

これに冷たくしたら神だな

貴音「そんなことは…ありません」

P「嘘だ」

貴音「あなた様に嘘をつくわけがないじゃないですか…!」

P「じゃあ何故お前には人に言えない秘密があるんだ?それもたくさん」

貴音「そ、それは…」

P「お前は、俺のことを信頼しているみたいな言い方をするけど」

P「本当に信頼しているのであれば全て話してくれるはずじゃないか?」

貴音「…………」

P「実のところお前から壁を作ってるんじゃないのか?どうだ貴音」

貴音「…そんなこと…」

貴音「…………っ」キュッ

P「…まぁいいさ。そこはそんなに重要じゃない」

P「俺たちはしょせんアイドルとプロデューサーだ。壁を作って当然かもな」

貴音「…そんな…」

P「問題は、お前自信の欠点だよ」

貴音「欠…点…」

P「さっきお前は、ジュースをたくさん飲むんじゃないかっていう俺の指摘に怒っていたようだが」

P「俺がなんでそんな指摘をしたかわからないのか?」

貴音「…………」

P「お前の普段の行いのせいだろうが!」

さるったんでゆっくりにします
寝落ちしたらごめん

P「お前が普段から暴飲暴食している事実。これはアイドルとしてはあるまじき欠点だ」

P「だからお前が食べ物関連のことで釘を刺されるのはお前の自業自得!そうだろ?」

貴音「……おっしゃる…通りです…」フルフル

P「あーあー俺もあんまりグチグチ言う気はないから泣きそうな顔をするな」

貴音「…………」クスン

響「……あのプロデューサー…なにがなんだかわからないけど、貴音を許してあげてよ」

P「なにも怒ってるわけじゃないんだ。ごめんな空気を悪くして」

響「…うん」

貴音「…出過ぎたことを言ってしまって…申し訳…」

P「だから、もういいから」

真「よーし!いっぱい踊るぞー!」

雪歩「ふふ、真ちゃんやるきまんまんだね」

P「お、着替えてきたか真、雪歩」

真「はい」

P「じゃあ軽いウォーミングアップしたら四人で合わせてみよう。動きチェックするから」

雪歩「私…ちょっと自信がなくて…」

P「響と真に教えてもらえ。ダンスのキレは765プロ最強だ」

響「ちゃーんと教えてあげるぞっ」

貴音(…プロデューサーが見ていてくださるのですね…)

貴音「……頑張りましょう…」

貴音(きっと、わたくしがアイドルらしくしていれば…)

貴音(いい子になってプロデューサーに迷惑をかけなければ…)

貴音(また…あなた様はわたくしに笑いかけてくれる…)

貴音(ならばわたくしは一生懸命頑張ります…だから見ていてくださいあなた様!)


響「はぁ…はぁ…どうだった!?」

真「うんうん!今のはみんなが揃ってたよ!」

雪歩「はぁ…わ、私も…なんとか…」

貴音(…失敗もせず、今度は転びそうにもなりませんでした…)

貴音(どうでしょうかあなた様…どうかわたくしを褒めてください、笑いかけてください…!)

P「うん。今のは悪くない動きだったな」

響「でしょー!?」

P「ただ響はちょっと早めだったな。もうちょいみんなに合わせてみろ」

響「あがっ…」

真「あは、ダメ出しされてやんの」

P「真は無駄な動きが多すぎ」

真「え」

P「雪歩は響と逆にちょっと遅めだったぞ。もうちょい練習しとこうな」

雪歩「はいぃ…」

P「よし、今のことを踏まえて…」

貴音「…!あ、あなた様っ」

P「なんだ」

貴音「わたくしは…どうでしたか…?」

P「うん…まぁいいんじゃないか」

貴音「わたくしにはあどばいすなどありませんかっ!?」

P「特にないな」

貴音「……」

貴音(なぜ…そのようにわたくしにだけ興味がないかのような…)

貴音(わたくしは…見捨てられてしまったのでしょうか…あなた様…)

貴音「…あなた様…あなた様ぁ…」ポロポロ

P「なに泣いてんだよ……あとさ、貴音」

P「あなた様っての、もうやめろよ」

あなた様って言うのはPと二人きりで周りに誰もいない時にかぎるのだが

>>228
勉強不足ですみませんでした

貴音「……え…」

P「あなた様って言うのもうやめろっていってんの」

貴音「わたくし…そう呼んでおりましたか…?」

P「無意識かよ。あのな貴音…」

P「だからお前にはアイドルとしての自覚がないって言ってるんだ」

貴音「…………」グスッ

P「普段大人ぶってはいるが、俺から言わせれば常識がなってないんだよお前」

P「アイドルがプロデューサーに対してあなた様だなんて言っていいと思ってるのか?これがバレて変な噂でも流れたらどう責任とるんだ」

貴音「すみません…すみません…」ポロポロ

P「泣くな」

貴音「……っ!」グシグシ

P「…お前はしばらく、自分がどういう立場にいるのか考え直した方がいい」

P「明日からレッスンには来なくていい」

貴音「!!」

たかねーたかねー

貴音「それは…もうわたくしとはレッスンしてくださらないと言うことですか…?」

貴音「もうわたくしはプロデューサーにとって…何の価値も…ないのですか?わたくしは…もう…」

貴音「…プロデューサーにとって…必要のない人間なんでしょうか…?」

P「…………」

貴音「……どうして…」

貴音「どうしてなにも言ってくれないのですかぁ…」ポロポロ

P「俺を困らせないでくれないか」

貴音「…………」ポロポロ

貴音「…まことに申し訳ありませんでした…今日は…帰ります…」グスッ

響「あ、あの…途中まで自分も一緒に…」

貴音「…ありがとう響。ですが…少し一人にさせてください…」

響「…貴音、泣いてたぞ…」

真「あの…貴音となにがあったか知りませんけど言い過ぎなんじゃないですか?」

雪歩「け、喧嘩はよくないですよ…」

P「そうだな…心配かけてすまない」

P「響、それとなく貴音の様子を探ってくれないか?」

P「もし落ち込んでたら励ましてやれ」

響「うん!わかったぞ」

貴音「…………」

貴音「どうしてこんなことになってしまったのでしょう…」

貴音「昨日まではあんなにも楽しい時間でしたのに」

貴音「……なぜプロデューサーは今日になって突然…」

貴音「……いえ、プロデューサーは理由もなくこのようなことをする方ではありません」

貴音「わたくしが悪いのですね…全てはわたくしの日頃の行いが悪かったせい…」

貴音「……うぅ…」

貴音「胸が張り裂けそうに痛いのです…プロデューサー…」

貴音「……あなた様…」

翌日

貴音(…事務所の前まできてしまいました)

貴音(どうしましょう…今日はお仕事もないのに)

貴音(…用もなく事務所にきてはプロデューサーに叱られるでしょうか…)

貴音(…ですが今は一刻も早くプロデューサーと仲直りしたい…)

貴音(昨日はたまたま機嫌が悪かった可能性もないわけじゃありません…)

貴音(…貴音!勇気を出すのです!)

貴音「……」フルフル

千早(…四条さんはドアのまえで何をやっているのかしら)

冷たくされても特に変わらないクールな千早はよ

貴音(…入る前にチラッと中の様子を確認しましょう)

貴音(タイミングが悪いとまた叱られるやもしれません)キィ

千早(…ちょっとだけドアを開けて中の様子を探ってる…)

貴音(プロデューサーは…)キョロキョロ

千早(キョロキョロしてる…)

P「……」カタカタ

貴音(お、おりました。何やら真面目に仕事をしている様子)

伊織「ねぇプロデューサー」

P「なんだ伊織?どうかしたか?」

伊織「冷蔵庫にあったジュース誰の?」

P「ん?あぁあれはみんなが疲れて帰ってきたときのために用意してあるものだよ」

伊織「あっ…そ、そうだったの…」

P「どうした?」

伊織「あの…あれおいしかったから…の、飲んじゃった…」

貴音(な、なんということを…!)

貴音(あぁ…伊織までプロデューサーからお叱りを受けてしまいます…)フルフル

千早(お尻が揺れてるわ…)

P「そっか。まぁ伊織のために買ってきたようなものだからかまわないよ」

貴音(……!?)

伊織「だ、だってみんなのために買ったんでしょ…?」

P「大丈夫だよ。なくなったらまた買えばいいんだから」

伊織「うん…ごめんね?勝手に飲んじゃって…」

P「あぁ…素直に謝る伊織はえらいなぁ」ナデナデ

伊織「だ、だから撫でるんじゃないわよー!」

P「ははは。伊織は元気で可愛いなぁ」ナデナデ

伊織「か、か、かか可愛いとかいうなっ」


貴音「…………」

貴音「…………」バタン

貴音「…………」スタスタ

千早(あら…?事務所に入らないでどこいくのかしら?家に帰るのかしら…)

貴音(…やっぱり…わたくしだけが特別だった…)

貴音(そうですよね…わたくしの知ってるプロデューサーはあの程度じゃ怒らないはず…)

貴音(先程の伊織にしたみたいに優しく許してくださいます、寛大な方です)

貴音(ですが…わたくしは許してくださらなかった…)

貴音(きっとプロデューサーはわたくしのことが嫌いになったのです…いつもいつもらぁめんばかり食べているわたくしに嫌気が差したのです…)

貴音(もうわたくしなど…アイドル失格なのです…)

三日目

貴音(お許しください…貴音は改心しますから…)

貴音(あなた様が食べるなというのならもうなにも食べません…)

貴音(頑張って改心しますから…どうかそのあかつきには…)

貴音(またもう一度…わたくしのプロデューサーに…)


響「んー…貴音に電話してるのに全然出ないぞ…」

響「メールしとこ」

四日目

響「ねぇプロデューサー。貴音のやつ、全然出ないぞ」

P「なに?…ったく、突然の仕事がきたらどう連絡すればいいんだよ」

P「まったくプロ意識が足りないんだから」

響「そういうなよ…貴音が落ち込んでるのはプロデューサーと喧嘩したからでしょ?」

P「喧嘩というか少し注意しただけだぞ」

響「とにかくプロデューサーから連絡してみてよ!」

P「うーん…まぁわかったよ」

貴音「………………」

貴音「………………」

prrrrr

貴音「…………ん…」

貴音「…………プロデューサーから…」

貴音「…………」

ピッ

貴音「……はい」

P「貴音か?今どこにいるんだ?」

貴音「…………」

P「おい…返事してくれよ」

貴音「……あなた様…もう少しだけ、待っていてください…」

貴音「わたくし…今頑張っておりますから…頑張っていい子になりますから…」

貴音「そしたら…是非…褒めてください…」

お姫ちんはゲームですら依存症な子だからな

P「お、おい貴音…なにをいってるんだよ?」

貴音「…わたくし…またあの楽しかった頃に戻りたいのです…」

貴音「それが叶うなら…わたくしはなんでもいたします…」

P「貴音っ!話をきけ!」

貴音「っ!!」ビクッ

P「……貴音?」

貴音「申し訳ありません…またわたくしはプロデューサーにご迷惑を…!」

P「おい…別に迷惑とかじゃ…!」

貴音「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

プツッ

P折れちゃう?

P「…………」

響「ど、どうだった?」

P「…………ちょっとまだ落ち込んでるみたいだな」

響「えぇ…!?」

P「……まさか貴音があんなに取り乱すなんて……」

響「自分はどうすればいいんだ…?」

P「なんとか響からも励ましてやってくれないか…?」

響「わかったぞ!電話には出てくれないけどメールなら見れるもんなっ!」

五日目

prrrrr

貴音「………………」

prrrrr

貴音「……あなた様…」

prrrrr

貴音「……今は…まだ電話に出るわけには…いきません…」

prrrrr

貴音「貴音は…まだいい子になっておりません…」

prrrrr

貴音「………………」

prrrrr

六日目

響「どうしようプロデューサー…自分心配になってきたぞ…!」

P「落ち着け響…」

響「でも…もうプロデューサーの電話にも出ないんでしょっ!?」

響「これじゃ貴音がどうしてるかなんてわかんない…無事かどうかもわかんない!」

響「も、もし…じ…自殺なんて…!」

P「馬鹿をいうな…そんなわけ…」

響「だって…」

P「……貴音は強い子だ…絶対にそんな真似はしない…」

P「……いや、俺がさせない…」

七日目

貴音「……………………」

貴音「……………………」

貴音「…………今は……何時なの…でしょう…」

貴音「…………携帯電話…を…」

prrrrr

貴音「…………メール……」

『貴音。今すぐに事務所にこい。大事な話があるんだ。必ずきてくれ』

貴音「……………………」

『信じてるからな』

七日目
事務所PM11:29

P「…………」

P「…おそかったな…貴……音……?」

貴音「……はい…」

P「お前…なんでそんなにやつれてるんだ…?」

貴音「…わたくし…プロデューサーに注意されてから…なにも食べて…おりません…」

貴音「プロデューサーの言い付けを…ちゃんと守れました…」

貴音「わたくし…プロデューサー…あなた様に褒めていただきたいのです…」

貴音「また…前みたいに貴音に微笑みかけてくださいませ…」

P「……貴音…」

http://i.imgur.com/Zwiy2.jpg

貴音「どうか…どうか…」

P「……ぐっ…」チラッ

P「…………」

P「…ふざけるなよ?貴音…」

貴音「……あなた様…」

P「自分の体調管理もできないくせに…」

P「…なにを褒めろって言うんだよ…」

貴音「………………」

>>326
怖いwwww

貴音「……そう…ですよね…」

貴音「わたくしが…全部悪いの…です…」

P「だから…その…早く飯を食え…」

貴音「……い…え…」

貴音「ここで食べては…またくいしんぼの貴音に戻ってしまいます…」

貴音「食欲がなくなる…まで…お腹がすかなくなるまで…我慢…します…」

P「…頑固なところは変わってないんだな…」

貴音「……それも…アイドルとしての欠点でしょうか…?」

P「…そんなことはない」

P「遠慮するな……今までの分食え……」

貴音「…あなた様が直せというのなら…すべて直します…」

貴音「ですから…どうか見捨てないでくださいませ…」

P「どうしてそこまで…」

貴音「…あなた様に冷たくされてから…わたくしの胸に耐えきれない程の痛みが襲うのです」

貴音「わたくしにとってのアイドルとは…あなた様に褒められること…あなた様と共にらぁめんを食べること…」

貴音「あなた様に…笑っていただけること…それがすべてだったのです…」

貴音「……ぅ…」フラッ

P「た、貴音!」

P「貴音!大丈夫か貴音!」

貴音「………………ふふ…これは…天罰なのでしょうか…」

貴音「あなた様に…迷…惑をかけ続けたわたくしへ…お月様はきっと…罰をくださったの…でしょ…う…」

P「貴音……くそっ!」チラッ

P「…立て貴音!そんなとこで寝そべるなんて行儀が悪いぞ!」

貴音「……申し訳ありません…ですが…力が入りません…」

P「本当にしょうがないやつだ…!!」

P「しょうがないから…」

貴音「…………え…?」

P「俺がお前を支えてやる…」ギュッ

貴音「……あなた…様…?」

ゴーンゴーン

P「……やっと1週間が終わった」

貴音「あなた様が…わたくしを抱き締めて……?」

P「すまんっ!貴音!いやすいませんでしたぁーっ!」

P「ここまでするつもりはなかったんだ!貴音は悪くない!俺が悪かったぁぁぁ!!」

貴音「…わたくし、なにがなんだか…」

P「よーしよしよし!貴音はいい子だ!本当にいい子!こんないい子は見たことないよ!」ナデナデナデナデナデナデナデナデ

貴音「あの…くすぐったいです…あなた様…」

P「さぁ食え貴音!食べやすいようにゼリー状の栄養食品しこたま買ってきたからっ!」

P「ジュースも飲み放題だぞ!なんならラーメン食うか!?」

貴音「あの…まずは説明をしてほしいのですが…」

P「そんなことより貴音の身体が大事だ!とりあえずこれ飲め!」ガポッ

貴音「ちゅぽっ!?」

P「イッキ!イッキ!四条貴音のちょっといいとこ見てみたい!ホッホーウ!」

貴音「むぐぐ…」ゴクゴク

貴音「けぷ…もうお腹がいっぱいです…」

P「本当か?それだけで足りるのか?」

貴音「はい…徐々に食べますので…」

貴音「ですが…なんだか少し楽になった気がします…」

P「そうか…本当によかった…」

貴音「よくはありませんっ」

P「は、はいっ」

貴音「一体どういうことなのですか?これは…」

P「実は…」

貴音「……………………はい?」

P「すみませんでした…本当に…」

貴音「…………あの、確認させてくださいあなた様…」

P「はい…」

貴音「…あなた様は…わたくしのことが嫌いになったわけではないのですね?」

P「もちろんだ!貴音を嫌いになんてなれるわけがないじゃないか!」

貴音「…そうですか…」

貴音「………………」フルフル

貴音「よかった…本当に…」ポロポロ

P「貴音…?」

貴音「わたくし…本当に胸が痛かったのですよ…?毎日がすごく辛くて…」

貴音「あなた様に嫌われてるのかと思ったら…生きる希望さえ見えなくなりました…」

P「そ、そんな…」

貴音「大袈裟ではありません!わたくしにとってあなた様がいない人生など考えられないのです!」

P「え…」

貴音「…ずっとあなた様にプロデュースしてほしいと…貴音は願っております」

P「た、貴音…」

貴音「あなた様…ずっとわたくしのプロデューサーでいてくださいますか…?」

P「………………」

P「……貴音。今日は満月だな…」

貴音「…………はい」

徐々にネタがばれていくも無視やら冷たくされるのは応えるわけで
それにみかねた経験者達が庇おうとするもフラッシュバックでどうしようもなくなる
そんなギスギスな展開もありかと思いまして

            / /  /    ,>: : , -------ミ: ヽ  \

             / /  ,イ    /, <         \\  \
              /:/   ,'   //             \}  |
          /:/   /   .l/  }     }  }    |   ! V  !
          |::|  /!     |  ,'     ,'  ,'    }   }  }  |
          |::l   /|    | /    /  /    ,'   ,' | !
          / :l   /!    |_/___/__/__/__/  |  |
.           /: :/  /|    | /||ll-===='||||llllll|||ー===\_ノ  ,'
          /: :/  //|    l/ll|__,x===ミヽ   //-ミ||||l/  ,'
          |: /.   //!     |  |l 、_≦ラ_ノ/   /´r=ゥヽ/   /|
         |/    /!    |    ` ̄´´  {||lトニニ//  ./! !
        /    //l      !、                }  / |∧
.       /    ///|     ! \    ____    八   { ∧
      /     / 厶ィ!    .ト、__ \  ` ー一'´ , <Y     !  .∧ いい子に…いい子…
.     /  > '´⌒ヽ |     i/人__ノ> ニ <  、∑V   |    ',
     / /       !     l / /ー(_ノl\_ノlーヘ∨}   |\   }
.    / /         |     |/ /  / /@ | |  ∨,|   !  \ノ

P「…………貴音」

貴音「……はい」

P「…今日は月が綺麗だな」

貴音「……はいっ」


終わり


このPは貯金尽きるくらいまで貴音に尽くせばいい

以下>>245による別アイドルルート

>>370が書く

誰も書き込まなくて落ちるパターン

乙乙
さぁ次は誰かしら

まじかよ……

安価はよ

優しくする子と冷たくする子の安価はよ

P「次は>>385に優しくして>>387に冷たくしよう」

kskst

sageちまったごめん

貴音

たかね

千早

P「貴音、この前は悪かったな」

貴音「いえ、わたくしも普段の行いを反省できました」

P「反省なんかしなくていいんだよ、貴音はなにも悪くないからな」

P「そうだ、お詫びにラーメンを奢ってやろう」

貴音「良いのですか!?」ガタッ

P「ああ、もちろんだ」

貴音「ではさっそく」

P「おいおい焦るなよ、まずは今日の仕事が終わってからだ」

貴音「はい」シュン

ガチャ

響「はいさーい!」

千早「おはようございます」

P「おはよう、響」

貴音「響、千早。おはようございます」

千早「プロデューサー、今日のレッスンなんですが…」

P「響と貴音、今日はラジオの収録だから準備しておけ。後で一緒に行こう」

響「わかったさー」

貴音「わかりました」

千早「あの!プロデューサー!」

P「ん?なんだ千早か。何か用か?」

千早「今日のレッスン、予定ではボーカルレッスンだったはずですが…」

P「今日はダンスに変更だ」

千早「何故ですか!?昨日確認したときにはボーカルレッスンだと…」

P「気が変わったんだ」

千早「そんな……」

P「用はそれだけか?俺は忙しいんだ」

千早「変更を取り消してください!プロデューサー!」

P「貴音ーラーメン楽しみにしとけよー?」

貴音「はい!もう今からお腹がすいてきて……」ジュルリ

P「ははは、気が早いなあ貴音は。1日は長いぞ?」

響「プロデューサーと貴音はラーメン食べに行くのか?」

P「ああ」

響「ずるいぞ貴音ー。自分もプロデューサーとラーメン食べたいぞ!」

貴音「だめですよ響、今日はわたくしの番ですから」

P「別に今日だけってわけじゃないぞ?貴音は特別だからな」

貴音「まあ………あなた様」ポッ

響「と、特別!?」

小鳥「ピヨッ!?それって…」

響「うわっ!ピヨ子いたのか!?」

小鳥「ずっといたわよ……」

千早「………」

小鳥「それよりプロデューサーさん、そろそろ仕事の時間じゃ?」

P「そうですね。準備しろ、貴音、響」

響「直ぐに準備するさー」

貴音「わたくしは準備はできております」

P「千早は早くレッスン行けよ」

千早「はい………」

小鳥「千早ちゃん、ちょっと元気なさそうですね」

P「そうですか?いつもあんな調子ですよ」

響「準備できたぞー!」

P「よし、それじゃあ行くか」

貴音「はい、行きましょう」

ガチャ

千早「私もレッスンに行きます…」トボトボ

小鳥「千早ちゃん…」

ガチャ

伊織「おはよう」

小鳥「あら伊織ちゃん、おはよう」

         | ``ー--、    __/  ..:::::::::::|
         ヤ     `ヽ<二,-‐メ ノ..::::::::::::::::|
         ヤ  .:::::::.<⌒| 、__ビ..:::::::::::::::__〉ヽ、
          } ..:::::::__,, -''彡`ー'   ̄ ̄ ̄ハヽ ヽ ヘ
          >‐竹 /    _,-__‐_, -‐' .| l ヽヽヽヽ

.          l 〃/   _ , ィ「 ̄}) 竹    |} ヘ i ヾi
          | 屮 _,,-''"  {|    ',`、  ヘ.  i i ヾ
          | l| 〃     `     ', `、_ ヽ i i  .|
.         | |∥,-‐、__   ヶ=≡=弋.  ヽ ii l  |
.         | ハ|  孑ャヵテ`  < た戈Zつ`二 |.|! !l |
.         | | >彡ミ  ̄ン |   `ー  ´  ヽ レ匂l l |
.         | |トj   `    |      i , 、 ミト人ソ | | |
.         | |ヘ.iヘ      ,   ヽ    ! ヽV レ勿ノ | ! |i
.         | |. ハ',ヘ    ん`‐ -ふ.      l ノ | | ||
.         | | .| .ヽヘ.   '      `   ./ l | | .| | ||
          || | | |.ト   _,-‐──‐- 、 / / || .| .| | ||  おはよう
          |l | | | |ヘ   _, -─ -、_,,  ノ  |  | .| | ||
          |li .| .|.| .| ヽ  ̄       //  .|  | .| | ||
          | | |  || | ヽヽ      / /   |  | | | |.|
.         | |.|  ソ | ミ   ̄ ̄ ̄   ./    ヽ、|  | | |.|
.         | ||   | .|        __  /      ヽ 、   |
         |   _ ィ´!      .r '".i\/         `ヽ┬i
         ハ /         .|  | ヽヽ          _」 /` ヽ 、
        ノ与     /个、    l  ハ ヘヽ         > / ∥∥(`┬ァ
       ィ´.| 〈     { | \ヽ   l  | 〉、ヾ}        >/ ∥∥ 〉 .| そ
  _メ Y 7ii .ii.| ら____」 .|`ヽヽヽ、. ',  ヒ-┴-ゞ_ --─=マ / ∥∥ > | 糸
   ろ | らi .iiヽ冫‐"i  .| .|``-ヽヽ >.ヘ_ノ    `ヽ、   | ヽ、∥∥く  | くヽ
  ≦⊥ _/.i_ iノ  .::::ヽ  .| |   ソ          ヽ  /  ゙:,-冫-k‐' ̄ ̄/
  ヘ   _入丁ノ.::::::::::ヽ ヽ |   /           ヘS-、__ 戈__/一..:::::::ら
   |   ̄⌒`ー--‐ ̄  ヽ}  |       ●     | /∥∥∥`ヽ::::::::::|ヽ

千早「………」スタスタ

伊織「?」

小鳥「行っちゃったわ…」

伊織「どうしちゃったのあいつ?」

小鳥「なんだか元気無いみたいなのよね…」

伊織「ふーん。ま、千早にも色々あるんでしょ」

伊織「それよりも小鳥、ジュース出しなさいよ」

小鳥「ええーなんで私が…」

伊織「早くしなさい!プロデューサーが私のために買いためたものが冷蔵庫にあるから」

小鳥「はいはい。やれやれね…」

-レッスンスタジオ-

千早「はあ………」

春香「千早ちゃーん!」

千早「春香…」

春香「千早ちゃんもダンスレッスン?」

千早「ええ、まあ…」

春香「あれ?でも昨日はボーカルレッスンって言ってたような…?」

千早「急に変更になったのよ」

春香「へー。珍しいね」

千早「ええ。今までこんなこと無かったのに」

春香「まあ変わっちゃったものは仕方ないよ。」

千早「そうね…」



-レッスン後-

春香「よし!今日のレッスン終わりっ!」

春香「千早ちゃんはこのあと事務所に戻るの?」

千早「ええ、そうするわ」

春香「それじゃあ一緒に行こうか」

-事務所-

春香「ただいま戻りましたー!」

響「あ、春香」

春香「うわわっ」ドンガラガッシャーン

響「あーあーなにやってるのさー」

小鳥「お帰りなさい、春香ちゃん、千早ちゃん」

千早「ただいま戻りました」

千早「プロデューサーはどこに?」

貴音「私たちと仕事から帰ってきたあと、伊織との仕事に出掛けていかれました」

千早「そう…」

貴音「なにか用事があったのですか?」

千早「レッスンの予定に関してちょっと…」

貴音「そうですか」

春香「みんな、クッキー持ってきたから一緒に食べようよ!」

貴音「是非」バッ

響「貴音はこのあとラーメンも食べるのに食い付きすぎさー」

貴音「そんなことはありませんよ
」モグモグ

春香「あはは……千早ちゃんも食べよ?」

千早「ええ、頂くわ」

小鳥「私も貰っていいかしら?」

春香「どうぞ!」

ガチャ

P「ただいまー」

伊織「あら、美味しそうなにおいがするじゃない」

春香「あっお帰りなさい!」

P「ただいま、俺にもくれるか?」

春香「もちろん!伊織ちゃんも食べて?」

伊織「気が利くじゃない」

貴音「ぷろでゅうさあ!」

P「うおっ貴音!」

貴音「早く!らぁめんを食べに!」

P「ああわかった!わかったから少し落ち着け!」

千早「プロデューサー…」

P「それじゃ、俺達は出掛けてくるから」

千早「プロデューサー!」

響「いってらっしゃーい」

貴音「早く行きましょう!」

ごめん急用で出かけるなきゃならない
本当にごめん

誰かあとは頼む…

書けよ!

続き書いてみてもいいかな……

やっぱやめとこう
保守だ

はよはよ

じゃあ保守代わりとでも思ってください



貴音「プロデューサー! さぁ、早くこちらへ」グイグイ

P「わかったわかった……」

ガチャ

千早「あのっ! プロデュ――」

バタンッ

千早「……っ」


春香「……あ、あの、ちは」

千早「……私、今日はもう帰るわ」

小鳥「え、ええ。お疲れさま……」

事務所外

P「いやぁ、もうすっかり冬だな……寒い寒い」

貴音「……そうですね」

P「……貴音? どうした、さっきまであんなに……」

貴音「プロデューサー……いえ、もう、今は違いますね」

P「……」

貴音「あなた様、と呼ばせていただいても、よろしいですか?」

P「……うん」

貴音「あなた様……今度は、千早ですか」

P「……気付いてたか」

貴音「ええ、もちろんでございます。なんと言っても、わたくし自身、アレを受けた身ですから」

P「……」

貴音「それで……、優しくするのはわたくし、と言ったところでしょう?」

P「ああ……」

貴音「わたくしが言って、辞める気は?」

P「ない」

貴音「……ふふっ、そうだと思いました」

P「軽蔑するか?」

貴音「滅相もありません。ほかならぬあなた様のお考えであるなら、わたくしが口を出す権利など……」

P「……意外だな。貴音なら、力ずくでも止めるものかと」

貴音「その言葉、そっくりそのままお返しいたします」

貴音「……申し訳ありません、わたくし、嘘を付きました」

P「え? 嘘だって?」

貴音「わたくしの今の行動、それ自体がもうすでに、あなた様のお考えを邪魔しているのかもしれません」

P「……どういうことだ?」

貴音「……こうして、あなた様を無理矢理外へと連れ出したことです」

P「……」

貴音「やはり、あの光景は、外から見ている者の心すらも苦めるもの」

貴音「ですからなるべく、千早とあなた様を接触させないために……という考えも、あったかもしれません」

P「……そうか。貴音は優しいな」

貴音「勿体ないお言葉です……あなた様」

P「ん?」

貴音「わたくしは……自分が希薄なのです」

貴音「先日のわたくしに対する態度。アレは……確かに、どうしようもなく、わたくしの心をボロボロにしました」

P「……そうだよな。本当に、悪かった」

貴音「……ですが、わたくしは同時に気付いたのです」

P「気付いた?」

貴音「ええ。わたくし自身、どれだけあなた様へと依存しているかということに」

P「……」

貴音「……どれだけ、想像したでしょうか。本当に嫌われているのかと、嫌われていたらどうしよう、と……」

貴音「それはもう……今でも……思い出すだけで……」

P「……貴音」

貴音「……」

ゴシゴシ

貴音「……それでも、わたくしは今、ここにいます。あなた様の隣に、確かに立っています」

貴音「それは、あなた様のことを信じていたから……そして、それが叶ったからです」

貴音「……約束してください」

貴音「本当に千早が絶望してしまいそうになってしまったら……その時点で、止めにしてください」

貴音「あなた様を信頼しているのは、依存しているのは、決してわたくしだけではないのですから」

P「……それは、もちろん」

貴音「信じておりますよ?」

P「ああ」

貴音「……ふふっ、それならば、もう安心ですね」

P「……貴音がこう言ってくれることが、信じられないくらい、嬉しいよ」

貴音「はて……、それはなぜですか?」

P「あれだけのことをしてもさ、まだ、信じてるって言ってくれるから」

貴音「……当然でございます。ふふっ……いつも、言ってくださっているではありませんか」

P「え? いつもって……」

貴音「あなた様は、わたくしにとってかけがえのない、たった一人のプロデューサーなのですから」

ヒュルル……

貴音「……冷えてまいりましたね」

P「そうだなぁ……」

貴音「ではそろそろ、参りましょう」

P「え? 参るって……」

貴音「……らーめん」

P「あ、ああ! すっかり忘れて――」

貴音「……む」

P「あ、あはは……ごめん」

貴音「うふふっ……冗談です。……あなた様?」

P「ん?」

――ギュッ

P「……手」

貴音「……今宵ばかりは、許してくれますよね?」

P「……ああ。今度は貴音の番、だからな」

貴音「……」プイ

P「ど、どうした?」

貴音「……あなた様は、やはり……いけずです」

貴音「わたくしの番でなければ、こうして暖を取ることも出来ないのですか?」

P「い、いや、そんなことはないぞ! うん、いつだって――」

貴音「……ふふっ、冗談、ですよ」

P「……」

貴音「先ほど約束もしてくださいましたし、わたくしの心配事はもうありません」

貴音「ですから……これからしばらくの間。精一杯、優しくしてくださいね?」

P「……う、うん」

貴音「ふふふっ……♪」

P(……いつの間にか、立場が変わってしまっている気がする)

千早の家


ガチャ……

千早「……ただいま」


千早「……」


千早(……なんて)

千早(誰に言っているのかしら。バカバカしい……)

ポチャン ポチャン……

千早(あ……水道……栓、ちゃんと閉めてなかったのかしら)

――キュ、キュ

千早「……」


千早(……さすがに少し、お腹が空いたわね)

千早(今日は、考え事をしてて……朝からろくに、何も食べてなかったから)


千早「……考え事、か……」

千早(今考えてもしかたない……ご飯、食べよう)


ガサ、ガシャ……

千早「……いただきます」


千早(ゼリー飲料、カロリーメイト……こんなものばっかりね。でも、ラクだし……)

千早(……わざわざ、寒い中……値段も高くて、カロリーも過剰に含まれているものを食べにいく意味なんて……ないもの)

お風呂場


ザァァァ……

千早「……」


千早(――バカバカしい)

千早(本当に……)


千早(あれくらいのこと……大したことじゃないのに)

千早(なんで……、こんなに気にしているのかしら)

千早(……そうよ。ただ、行き違っただけ。気にすることはない。決して……)


千早「……っ」

ピチャン ピチャン……

ベッド

千早「……」

千早(……明日になったら、ちゃんと理由を聞こう。やっぱり、納得できないから)

千早(今日はプロデューサーも少し忙しかったみたいだから……タイミングが合わなかったけど)


千早(……そうよ、プロデューサーはいつも、誰よりも早く出勤するから)

千早(私もいつもより早く、事務所へ行って……)

千早(それで……)


千早(……ふふ、それで、どうしようかしら)

千早(明日、ちゃんと話せば……謝ってきてくれるはず、だし……)

千早(……そし、たら……改めて、文句のひと……つ……)

千早「……すぅ……すぅ……」

翌日、765プロ事務所

ガチャ

千早「おはようございます」

小鳥「あら、おはよう千早ちゃん。今日は随分早いのね」

千早「ええ……音無さん、プロデューサーはきていますか?」

小鳥「プロデューサーさん? ううん、まだ来ていないけど」

千早「あ……そう、ですか……」

小鳥「約束でもしてたの?」

千早「……そういうわけではないんですけど」


千早(少し早すぎたのかしら)

千早(……でも、ちょっとだけ、安心したかもしれないわね)

千早(まだ、心の整理というか……どんな話をするのか、はっきり決めていなかったし)

千早「ここで待たせてもらってもいいでしょうか?」

小鳥「ええ、もちろん」

千早「……ありがとうございます」

小鳥「えぇと、今日の千早ちゃんの予定は……っと」

千早「13時から、ネットラジオの収録です。プロデューサーに付き添ってもらって……」

小鳥「あぁ、そうだったわね」

千早「……」


千早(……だからこそ)

千早(今日はプロデューサーと二人で、仕事が入ってる)

千早(だからこそ、昨日のことは昨日のこと。ちゃんとしないといけない……のよね)

カチ、カチ


千早「……」


カチ、カチ……


小鳥「……はい、どうぞ」

千早「え?」

小鳥「ココアよ。あったかいうちに飲んでね」

千早「……ありがとうございます、いただきます」

小鳥「そ、それじゃあ私はまた、お仕事お仕事、っと……」

千早「……ふぅ」


小鳥(――千早ちゃん、さっきからずっと、近寄り難いオーラを出して……)

小鳥(うう……プロデューサーさん、はやく来てぇぇ……!)

ぴよぴよぴぴぴ!

千早「……っ!?」

小鳥「っと、もうこんな時間。そろそろ……」

千早「…………」

小鳥「……来てないわね、プロデューサーさん」


プルルルル……

ガチャ

小鳥「は、はいっ、765プロダクションでございま――」

小鳥「あ、ああ! プロデューサーさんですか?」

千早「」ピクッ

小鳥「……いま、どこにいるんですか? 早く来てくださ……え?」ヒソヒソ

小鳥「ええ……ええ。そう、ですか。わかりました、千早ちゃんにもそう……はい」

千早(……私の話?)

小鳥「……千早ちゃん」

千早「は、はい……今の電話、プロデューサーですか?」

小鳥「ええ、そうなんだけど……今日、夜まで事務所に来れなくなっちゃったみたいなのよ」

千早「え……」

小鳥「なんでも、昨日テレビ局から連絡があったらしくてね。朝から打ち合わせ、ですって」

千早「そう……、ですか」

小鳥「連絡が遅くなってすまなかった、って言ってたわ」

千早「……仕方ないですね。プロデューサーにもプロデューサーの仕事がありますし」

小鳥「今日の収録なんだけど……ひとりでスタジオ、行ける?」

千早「……大丈夫です」


千早(これくらいのこと……そう、気にしてはいけない)

千早(昨日だって同じようなことはあったし)

千早(……でも、それならそうと、一言私に連絡をしてくれればいいのに)

ラジオのスタジオ


千早「――。――……」


千早(……体が、口が覚えてる)

千早(何を話したらいいか……どんな調子で話せばいいか)

千早(だから、機械的に……仕事はこなせる)


千早(……最初は、プロデューサーにも時々、注意されてしまったのよね)

千早(ラジオの仕事。顔が見られないからって、笑顔でなくていい理由にはならない)

千早(頑固で、必要なこと以外必要ない、と言っていたあの頃の私は、それに納得するまで随分時間がかかったけれど)

千早(でも――)


千早「……それでは聴いてください。如月千早で……『蒼い鳥』」


千早(……いつからかしら)

千早(そんな私が、笑いあいながら、プロデューサーと一緒に仕事をするようになったのは……)

帰り道

テクテク

千早「……」

春香「……あれ? おーい、千早ちゃーん!」

千早「え……春香?」

春香「待っ……うわわっ!」

どんがらがっしゃーん!

春香「あいたたた……」

千早「……大丈夫? ほら、手を掴んで」

春香「えへへ……ありがとね、千早ちゃん」

春香「千早ちゃん、今お仕事の帰り?」

千早「ええ……春香も?」

春香「あっ、私は今日もレッスンだったんだぁ」

千早「そう……」

春香「……千早ちゃん、ちょっと元気ない?」

千早「え!? い、いや、そんなことないわよ」

春香「そうかなぁ……」

千早「そうよ、心配することなんて――」

春香「あ、でも! えへへ……千早ちゃん、良いお知らせがあるよ!」

千早「良い知らせ?」

春香「うん! 今日の夜ね、プロデューサーさんがゴージャスセレブプリン、買ってきてくれるんだって!」

千早「……え」

春香「今日レッスンスタジオで、響ちゃんと一緒に練習してたんだけど……途中でプロデューサーさんが顔出してくれてね」

千早「……」

春香「えーっと、貴音さんも一緒だったかなぁ。とにかくそれで……」

千早(……四条さん?)

春香「――って言って、すっごく嬉しそうだったの! それで、今夜……」

春香「……あれ? 千早ちゃん?」

千早「……ねぇ、春香」

春香「うん、ど、どうしたの? なんか顔がこわいよ……」

千早「それって……プロデューサーが来たのって、何時くらいのこと?」

春香「え? んーっと……お昼休憩の途中だったから……」

春香「12時半くらい、だったかなぁ」

765プロ事務所

千早「……」


春香「……」

小鳥「……ねぇ、春香ちゃん」ヒソヒソ

春香「は、はい……」

小鳥「千早ちゃん……何かあったの? 朝よりさらに凄いオーラが出てるんだけど」

春香「……実は私にも、よくわからなくて……」

春香「聞いても、『私とプロデューサーの問題だから』って言って、教えてくれないです」

小鳥「……そう」

ガチャ

千早「!」

P「ただいま戻りましたー!」

小鳥「! お、お帰りなさい、プロデューサーさ――」

貴音「お疲れさまです、小鳥嬢」

小鳥「ん、と、貴音ちゃん。お疲れさまでした」

P「音無さんも、お疲れさまです。おーい、みんなー! お土産があるぞー!」

千早「……あのっ」


P「って、音無さんと春香しかいないのか」

千早「……え」

小鳥「あの、プロデューサーさん……?」

P「あはは! 実は、ゴージャスセレブプリンを買ってきたんですよ!」

小鳥「ぷ、プリンですか?」

P「ええ。貴音に大きな仕事が入ったから、そのお祝いにと思って……奮発しちゃいました」

P「もちろん、音無さんの分もありますからね!」

小鳥「……それは、ありがとうございます」

千早「……プロデュ――」

P「さ、まだ他のみんなは帰ってきてないけど……食べちゃいましょうか!」

P「亜美達に見つかったら食べられちゃいそうだしなぁ」

千早「プロデューサーっ!!!」

P「……」

P「……なんだ、いたのか」

P「いつの間に帰ってきてたんだ?」

千早「っ! さ、最初から……いましたよ……」

P「そうか。目立たなくて気付かなかったよ」

千早「……あの、プロデューサー」

P「なんだ?」

千早「……だから、その……」

P「……ああ、言い忘れてた」

千早「え……」

P「おつかれさん。悪い悪い、そっちにも行くつもりだったんだけど」

千早「……っ!」ギリッ

千早「どの口がそんなことを言うんですか……!」

P「は? 何を言ってるんだ?」

千早「……知っています。12時半にはもう、テレビ局からこっちに帰ってきてたんでしょう?」

P「……あー、そう」

春香「あのっ、プロデューサーさん……」

小鳥「春香ちゃん、今は……!」

春香「でもっ……!」

P「……――な」

千早「……え?」

P「千早、お前、勘違いしてないか?」

千早「勘違い、って……」

P「俺はさ、お前専属のプロデューサーじゃないんだぞ」

千早「……それは、知っています」

P「へぇ……ま、お前の考えはどうでもいいけど」

千早「なっ……!」

P「大方、こう考えてるんだろ?」

P「『私の収録が13時からだから、時間が空いたならこっちにも来てくれれば良かったのに』ってさ」

千早「……」

P「あーでも、説明しなかったから勘違いさせたな、悪い悪い」

千早「説明……?」

P「俺だってずっとこっちにいたわけじゃないんだ。テレビ局の打ち合わせが終わったあと、別件でまた外に行ってたんだよ」

千早「……」

P「春香も知ってるはずだけど。なあ?」

春香「は、はい……千早ちゃんにも、そう言ったんですけど……」

千早(……頭がいっぱいで、聞いてなかった)

P「……それなのに」

千早「……」

P「『どの口がそんなことを言うんですか』、か」

千早「……っ」

P「……なぁ、千早。今まで、あまりこういうことは言いたくなかったけどさ」

P「勘違いして、頭に血が昇った状態で、思ったことを口にするなよ」

千早「そんなつもりはありませんっ!」

P「じゃあなんだ?」

千早「じゃあ、って……」

P「そんなつもりじゃないなら、どういうつもりで言ったんだ? こっちにも事情があったのに、それを知ろうともしないで」

千早「……それは……」

P「……」

千早「……ごめん、なさい」

P「……まぁ、別に怒ってはいないさ」

千早「……っ!」

P「あはは、千早がわかってくれたみたいで良かったよ」

千早「……」

P「プリン、食べるか?」ヒョイ

千早「っ!」

バシッ!

P「……」


コロコロ……


千早「はぁ……はぁ……!」

千早(――私、さっきから……何を……)

P「……なんだ?」

千早「なんだ、って……」

P「まだ、何か文句でもあるのか?」


千早(言いたいことは、たくさんある)

千早(言わなくていいことも、たくさんある……)

千早(昔の私だったら、溜め混んでしまうところだけど……もう、我慢できない)

千早(まず、なにより……!)


千早「……あります……よ……!」

P「そっか。それじゃあ聞かせてくれ」

P「アイドルの話を聞かないでバッドコミュニケーションになるのは御免だからな」

千早「」プチン


千早「――その態度!! 腹が立つのよっ!!!!」

春香「あ、あう、う……!」

小鳥「は、春香ちゃん……」

春香「小鳥さぁん……! わ、私、私……!」

小鳥「……こっちに来なさい」

春香「でも……千早ちゃんが……!」

小鳥「……あの二人の問題だから」

春香「でもぉ……っ!」

貴音「……春香」

春香「た、貴音さんもなんとか言ってあげてくださいよぉ!」

貴音「小鳥嬢の言う通りです」

春香「……」

貴音「……今は、あの方を信じて、待ちましょう」

貴音(――どのような結果であれ……きっと、相応の報いはあるのですから)

P「……腹が立つ、か」

千早「ええ、そうです……!」

P「どのへんが?」

千早「全部ですっ! 私に連絡の一つもしないこともそうだし……」

P「事務所に朝、連絡入れただろ? 音無さんに、伝言を頼んだはずだけど」

千早「それは……」

P「聞いてなかったのか?」

千早「……聞いていました。でもっ!」

P「……それとも、何か?」

P「千早は、仕事の区切りがつくたびに、いちいち俺と連絡を取り合わなきゃ何も出来ない奴だったのか?」

千早「……そんなことは」

P「そうだよな。そんなの、千早らしくない。お前はしっかりしてるし、無駄なことは昔から大嫌いだったからな」

千早「……それじゃあ」

P「……」

千早「……さっきから、私を挑発するような態度ばかり取っているのは……どうしてですか?」

P「あー……そう感じたか。そんなつもりは無かったんだけどな」

千早「当然です!」

P「ごめん」

千早「……は?」

P「これからは気をつけるよ。悪い」

千早「……」

千早「…………」

千早「このっ……!」ガタッ

小鳥「千早ちゃん! 落ち着いて……!」ガシッ

千早「止めないでください音無さんッ!!」

千早「昨日レッスンが急に変わったのも今日の予定が変わったのもあなたがそういう態度を取り続けることもみんなそう!!!」

P「……」

千早「……あれだけっ! あれだけ……!」

千早「どんなにわがままを言っても……、あれだけ私に優しく接してくれたプロデューサーは、どこに行ったんですか!!」

P「……」

千早「なんとか言いなさいよ! あなたが……昔から、そういう人なら……!!」

千早「私だって……アイドル、続けて……なかったのに……今更になってぇ!!」

千早「私のせい!? 私が……ずっと、面倒臭いことばっかり言ってたから、だからあなたはずっと、我慢してたんですか!!?」

P「……別に、そういうつもりはないよ」

千早「ならなんでよ!! 他でもないあなた自身が覚まさせるくらいなら、夢なんて見させないで!!」

P「おいおい、夢って……俺がいつ、そんなこと――」

千早「――」



――パシーン!!

P「……っ」

千早「……はぁ……、はぁ……!」

春香「え、え、え……!?」

小鳥「……嘘……」



千早「……」

千早「……な」

千早「なんでよ……なんで」



貴音「――申し訳ありません、プロデューサー」

P「……」

貴音「……いえ、あなた様」

P「……いや、いいんだ」



千早(……なんで、四条さんが……!?)

貴音「わたくし、あなた様のお考えを邪魔するつもりなどなかったのですが……」

貴音「それは、『わたくしや水瀬伊織にした程度のこと』、ならば見逃す、という話です」

P「……ああ」

貴音「……少々、やり方が悪いかと。これでは、千早の心は、あなた様自身の手で壊れてしまいます」

P「……そうだな」

貴音「それによって、取り返しの付かないことになったらどうするおつもりですか?」

貴音「わからないわけではないでしょう。千早には、洒落や冗談は通じないと」

P「……やりすぎたか」

貴音「それはもう」

P「……」

貴音「……ですが、それはわたくしも同罪ですね」

P「たか――」

貴音「いえ、同罪というより、むしろ……わたくし一人の責任でございます」

P「な、そ、そんな……」

貴音「すべては、プロデューサー程度の人間を信じた、わたくしが悪かったのでございます」

P「な――」

貴音「千早」

千早「え……、は、はい……」

貴音「この者の言うことを、真に受けてはいけません」

千早「……四条さん」

貴音「先日、わたくしも同じことを受けました。しかし、今回のやり方はそれに比べてもあまりに卑怯」

貴音「洒落や冗談にしても、無粋であり、救いもありません」

千早「……あの、言っていることが、よく……」

貴音「説明は後ほどゆっくりと。さぁ、行きましょう」

千早「え、え……?」

P「た、たかn」

貴音「話しかけないでいただけますか?」

P「……はい」

一週間後……


P「」

小鳥(プロデューサーさん……ここのところ、ずっと死んだような顔してるわね……)

小鳥(……まぁ、あんなことがあったんだし……仕方ないか)



――ガチャ

貴音「おはようございます」

千早「おはよう……ございます」

小鳥「あ、お、おはよう二人とも!」

小鳥「助かったわ……息が詰まりそうで……」

貴音「……小鳥嬢。プロデューサーはどこに?」

小鳥「え? それならそこで干物みたいになっている人がそうだけど……」

貴音「そうですか、ありがとうございます」

小鳥「というか、貴音ちゃ――」

貴音「……もう、あれから一週間ですので」

小鳥「へ?」



トコトコ

貴音「……」ユサユサ

P「あ、あ……」

貴音「……プロデューサー。起きてください」

P「え……たか……ね?」

P「……」

貴音「プロデューサー。わたくしのことがわかりますか?」

P「あ、ああ……え、でも……なんで……俺ごときの虫ケラに話しかけ……」

貴音「……こちらの者のことは?」

千早「……」

P「! ちっ、千早……!」

千早「……はい」

P「あ、あ……そ、その……」

P「す……ず……」

千早「……す?」


P「ずみまぜんでじた……!」

千早「……四条さんから、事情は聞きました」

P「はい……」

千早「あなたにはあなたの、考えがあったんでしょう」

千早「ですが……私は、四条さんと違って、そう簡単に納得できるわけではありません」

P「……おっしゃるとおりです」

千早「ごめんなさい、と言われても……許すことは、できません」

P「……そう、だよな」

千早「……でも」

P「え……」

千早「ひとつだけ。私からもプロデューサーに、言っておかなければなりません」

千早「……ごめんなさい、プロデューサー」

P「な……なんで……」

千早「……あんな態度を取られて、そのまま鵜呑みにしてしまったから」

P「……」

千早「何か考えがある、と、気付いてあげられればよかったかもしれません」

P「そ、そんなこと……」

千早「……そうですね。これは、綺麗事です」

千早「頭にきたのは本当だし、腹が立ったのも本当」

千早「でも……プロデューサーに事情があると考えなかった私にも、落ち度はあったかもしれません」

P「や、やめてくれ! そんなこと言わないでくれよ!」

千早「……それだけです。それじゃあ」

スッ

P「あ、待っ……待ってく――」

――バタン

貴音「……プロデューサー」

P「……貴音……」

貴音「わたくしも、腹が立ったのは本当ですよ」

P「……うん。すまなかった」

貴音「……ですから、わたくしからも、ひとつだけ」

貴音「優しさとは、互いに分け合うものなのです」

P「え?」

貴音「……プロデューサーに優しく接していただいたのは、ほんのわずかな時間でしたが」

貴音「それでも、わたくしにとっては……夢のような時間でした」

P「……」

貴音「ですから、これはお返しなのです。……恩着せがましいとは思いますが」

貴音「あなた様の道を正すことが、わたくしなりの、精一杯の優しさになるかと……」

P「……っ」

貴音「……反省、しましたか?」

P「……ああ」

貴音「……ふふっ、それは何より。やはりわたくしにとってのただ一人のプロデューサーは、そういうお人ですね」

P「……許してくれるのか?」

貴音「いいえ、許しません」

P「……」

貴音「わたくしと、千早……」

貴音「二人にとって、プロデューサーがどのような人になるか……それを見極めてからでないと」

P「……はい」

貴音「ふふっ……それでは、これからも、よろしくお願いいたしますね」

おわり

胸糞悪いわこのP死ね
次があるなら、今の流れはなかったことにしてパラレルで頼みませんすいません

いや、最初の伊織の時点でこういう趣旨のスレだってわかるじゃない
それでここまで読んで胸糞悪いから勝手に終わらすって

まだ残ってたかすごいな

まだ外なんだよ
誰か書けばいいんじゃないですかね

春香「またいじめられてるね…」 雪歩「ひどいですぅ…」

響「もう自分もう…泣きそうだぞ…」 千早「私ももう限界よ…」 

真「ボクだって…いくら王子様キャラで売り出してるからってひどいよ!」

貴音「私達は皆に笑顔を届ける為に頑張っているというのに…」

やよい「とても悲しいです…」 美希「美希も許せないって思うな!」

真美「兄(c)達応援してくれてるのは嬉しいけど…」

亜美「人を傷付ける事はやめてほしいな…」

伊織「こんな悪人いなくなればいいのよ!」

あずさ「どうにか出来ないのでしょうか・・・」

律子「でも、私達だけじゃとても…」 小鳥「困ったわねぇ…」

P『このスレを見てるP達、お前らはそれでいいのか?アイドル達は皆
  手を取り合って頑張っているんだ俺達も協力しておかしな奴がいたら
  矯正してやろう!お前らが好きなアイドルは仲間がいじめられてる所を
  放っておくような奴じゃないだろ!真のP達一緒にアイドルを守ろうぜ』

面白いの見っけた

お、続いてる

うっうー

先安価出してしまうか
優しくするアイドル>>630
冷たくするアイドル>>635

千早

美希

ミキミキ失踪エンドなど…

誕生日ェ…

P「……千早への反応ですべてがばれてしまった」

P「このままだと今まで積み上げられてきたものが台無しになる可能性さえある」

P「俺への信用、好感度が下がることでまたそれぞれの意識が下がる」

P「そればかりでなく下手に依存してくるものもあらわれるだろう」

P「どうにかして、それぞれに高い意識を持たせるよう戻すには……」

P「……今の状況を、逆に利用するか」

P「十分俺は悪者になったことだし、ここまできたら徹底的にやってやろうじゃないか」

P「……となれば、美希あたりが適役か」

――

貴音「貴方様!」

P「……貴音か、おはよう」

貴音「1週間ですね」

P「それがどうかしたのか」

貴音「私が今までのことを知ってることを承知の上での問いですか?」

P「さぁな。どっちにしても貴音の好きにすればいい」

良いじゃない

千早「プロデューサー! あ、四条さん」

貴音「千早……ふふっ、それではわたくしはこれで」

P「あぁ」

千早「それで……あの、プロデューサー」

ギュッ

千早「きゃっ! ちょ、ちょっとプロデューサー!?」

P「……すまない」

千早「そ、そうじゃなくて……こ、こんな……」

スッ

P「……つい、な。ちゃんと謝ってなかったから。……ごめん」

千早「……すんなり許そうとは思いませんけど、その様子なら。でも……」

P「どうした?」

千早「1週間刻みで、という話が本当なら今のこれも……」

P「さぁ、どうだろうな」

千早「私はともかくです。他のメンバーにもわざわざ知れているのに、こんなこと……その、別に嫌ではないですけれど」

P「どちらにせよ、俺は思った通り行動してきてる。何もお前たちを陥れようとか考えてるわけじゃない」

P「反応も然りだ。格別憎いとか、そういう行動はしていないし」

P「ある程度気になったから指摘した部分もある。それは理解してほしい」

P「千早だったらわかってくれると思う。下手に自分に自惚れる人間じゃないって、俺の中ではそう思ってるから」

千早「そ、そうでしょうか……でも正直まだよくわからないというか……」

千早「正論を言われようと傷ついたことには変わりがないんです。プロデューサーには、わかってほしい」

P「あぁ、申し訳ないと思ってる。多少なりとも、俺の私情が挟んだりしたことは謝る」

千早「それならいいんです。これからなんとかしてもらえれば私も……」

P「早速だが、何か食べないか?」

千早「え? ……点数稼ぎ、ですか?」

P「そうかもしれない、でも俺は千早と食べにいきたい」

千早「……わかりません、私にはやっぱりまだ」

P「わかった。また気が向いたら頼むよ。……でも、この優しさは償いじゃない。それだけは言っておくよ」

千早「え?」

P「……じゃあな」

美希「お疲れ様なのー」

春香「お疲れ! あ、プロデューサーさん!」

P「お疲れ、春香」

美希「ね、ハニー! 今日はカメラマンさんに褒められちゃった!」

P「あぁそうか。それで春香は?」

春香「私の方も完璧で! ……って言いたいんですけど、ちょっとミスしちゃいまして」

美希「ホント春香はドジなの!」

P「あ?」ボソッ

美希「え?」

P「全く気をつけろよ?」

春香「えへへ、すみません」

P「よし、それじゃ帰るぞ」

美希「あ、あのハニー?」

P「なんだ」

美希「今日、何か変じゃない?」

P「別に。ほら、次もあるからキリキリ動く動く」

美希「むー……」

春香「……もしかして」



P「千早は……もうレッスンに行ったか」

貴音「おかえりなさいませ、プロデューサー」

P「あぁ、ただいま。貴音だけか?」

貴音「先ほど小鳥嬢が出ていかれました。すぐ戻ってくるとのことで」

P「……というかどうしてお前が戻ってきてるんだ」

貴音「お仕事がすぐ終わったのです。美希、春香おはようございます」

美希「おはようなの貴音!」

春香「おはよう、貴音さん!」

P「えっと、3人は次の予定が……」

美希「ミキはこの後レッスンだよ? ふふん、ちゃんと覚えておいたの!」

P「春香が……ラジオの収録か。じゃあ順番に送ればいいか」

美希「ちょっとハニー! 珍しく覚えてたんだから少しくらいほめてくれてもいいって思うな!」

P「ちょっと静かにしててな?」

美希「え?」

P「あぁ、でもその後亜美と真美が帰ってきて……ふむ、どっちが先がいいか」

美希「なんだかハニー、冷たいの」

P「……はぁ」

美希「ハニー?」

P「何」

美希「だ、だからミキ……」

P「早く言えよ」

美希「す、スケジュール覚えてたんだよ? すごいでしょ?」

P「あぁ。で?」

美希「そ、それだけ……なの」

P「あぁ、うん」

貴音「……プロデューサー」

暇だし終わったら引き継ごうかね

P「なんか言ったか、貴音」

貴音「……いえ」

P「よし、なんか無駄な時間食ったけどとりあえず春香を送ろうか」

春香「あ、は、はい!」

P「それと……貴音と、ん」

美希「え? み、ミキ?」

P「亜美と真美が帰ってきたら行くからな。支度だけしておいてくれ」

貴音「……わかりました」

美希「わ、わかったの」

春香「……」



春香「……あ、もしもし貴音さん?」

貴音「あぁ、春香でしたか。どのような用件で」

春香「その、プロデューサーさんのことで……」

貴音「……やはり春香も気が付いておられましたか」

春香「あの時の話を聞いた感じで、さっきのを見ると……今週は美希なんですかね……」

貴音「わたくしもそうだと断言できるほど確証はないのですが、推測するにそう思うのが最も自然かと」

春香「プロデューサーさん、どうしてそんな……」

貴音「あの方には散々言っておいたはずなのですが、こうなってしまうとやはりあの方の中で思うことがあるのでしょう。しかし……」

春香「美希には辛いんじゃないかな……」

貴音「わたくしもそう思います。しかし……」

春香「どうかしたんですか?」

貴音「……い、いえ。少し昔のことを思い出した、だけで……」

春香「あ、あぁ……貴音さんも」

貴音「……わかっていても、きっと辛いでしょう。ですが美希にそれを伝えてもどうにかなるとは……」


亜美「ねぇねぇお姫ちん、何の話してるの?」

貴音「あ、亜美? それに真美も……」

春香「え? 亜美?」

亜美「あ、その声はるるん? おはおはー!」

亜美「あ、そんな話どっかで聞いたことある」

真美「そう言われてみると兄ちゃんなんか変なときあるよね」

貴音「話してしまったのですが、よいのでしょうか」

春香「大丈夫ですよ、だって私も知るべくして知ったって感じですし。そんなの気分悪いじゃないですか」

真美「確かに兄ちゃんにそんなことされたら、ちょっと辛いかもね」

亜美「亜美ならそんなの逆にいじめかえしてやるけどね!」

貴音「あの方は……その、間違ったことは言っていないのですよ。虫の居所が悪いと言ったような怒り方をするだけで」

春香「そうなんですか……でもやっぱり長く続くとキツそうですね……」

亜美「でもさでもさ、お姫ちんの話だと、1週間でなんとかなるんでしょ?」

貴音「え、えぇ。わたくしと伊織、それに千早が経験しておりますが」

真美「あ、そっか!」

亜美「んっふっふ~、真美もわかっちゃいましたかね?」

春香「な、何々? 亜美、なんて言ったの?」

亜美「つまりですよ、冷たくされたら1週間後にはイチャイチャできるってことは……」

真美「今のうちに冷たくされちゃえばいいじゃん! ってことで!」

春香「い、イチャイチャって……でも、それはどうなんだろう」

貴音「いえ……意外と、よいかもしれません。というよりは春香、これは協力する必要があります」

春香「え?」

貴音「一人だけ冷たくされるのが辛いわけであって、数人が同じ状態であればある程度負担は軽くなるでしょう」

春香「あっ、なるほど! それで、うまく行けば1週間後に優しくしてもらえるから……わざと冷たくしてもらう!」

貴音「そうですね、今の段階ではそれが最善かと。亜美、真美。お手柄ですよ」

亜美「お、亜美達活躍しちゃった感じ?」

真美「ま、なんてったって真美達ですから!」

春香「あはは、こういうときは亜美、すごいね」

亜美「ちょっとはるるん! こういうときってなにさこういうときって!」

春香「ご、ごめんごめん……でも、これでプロデューサーさんにちょっとだけ仕返しできちゃいますよね!」

貴音「仕返し、ですか?」

春香「そうです! 私たちがそう簡単に折れないってこと、教えてあげましょう!」

貴音「なるほど、そういった仕返しですか……ふふっ、面白いですね。やりましょう、春香」

春香「はい! じゃ、私はお仕事なので!」
――

P「春香、お疲れ」

春香「……」

P「どうした?」

春香「あ、どうも。ごめんなさい、ちょっと疲れちゃって」

P「おいおい大丈夫か、春香らしくもない」

春香「別にいいじゃないですか」

P「……まあいいんだが」


P「亜美と真美をこのまま迎えに行っちゃうな」

春香「……」

P「春香?」

春香「はい?」

P「いや、返事くらいしてくれてもいいだろ? なんだ急に」

春香「別に返事する必要ないですよね、今の話」

P「どうしたんだよ一体」

春香「プロデューサーさんこそ。私疲れてるんです、少し休ませてもらえませんか?」

P「……あぁ」

春香「……」

春香(こ、こんなのでいいのかな……うぅ、嫌われてないかな……って嫌われるためにやってるんだから!)

春香(やっぱり、ちょっと辛い……けど、1週間の辛抱だし、美希のためだもん!)


亜美「うぃーっす」

真美「出迎えご苦労」

P「あとは……美希か」

春香「亜美、真美お疲れ!」

亜美「おつかれちゃーん!」

真美「はるるんもおつかれ!」

春香「今日は大変だったんだよ!」

亜美「亜美も! 写真とるとき、こーやってさ! そしたらバランスとれなくてどーん! って」バタバタ

真美「あはは、あれはすごかったよねー!」

春香「あはは! 何それ!」

P「おい、ちょっとうるさいぞ? 車の中であんまり騒がないでくれ、危ないだろう」

春香「……だって」

亜美「あー……はいはい了解」

真美「なんかテンションさがるよね……せっかくいいとこだったのに」

P「……なんだお前たち、そろいもそろって。俺、何かしたか?」

亜美「べっつにー」

真美「運転手は前みて運転してればー?」

P「……」



美希「おつかれさまー」

貴音「ありがとうございます、プロデューサー」

美希「珍しいね、車にこんなに人乗るの」

亜美「確かにねーでももったいないよね、せっかくこんなでかい車なのに」

真美「うんうん、たからのなんとか、ってやつ?」

貴音「宝の持ち腐れ、ですか?」

真美「そうそうそれ! 流石はお姫ちん!」

Pさん事務所やめちゃう><;



続けたまえ

美希「でも、人がたくさんのると横になれないの……あふぅ」

春香「あはは、それは事務所に戻ってからでいいんじゃない?」

美希「もー春香はわかってないの! 車の中ってあったかくてゆらゆらしてすごく気持ちがいいんだよ!」

亜美「あー、ちょっとわかるかも」

真美「でも真美は無理かなー、なんていうか気持ち悪くなっちゃう」

美希「みんなまだまだなの。ミキくらいになると……」

P「うるさいぞ美希!!!」

美希「あっ……ご、ごめんなさい……ハニー……」

P「……ったく、そんだけ元気があるならお前ら歩いていけば」

春香「え? 今なんていいました、プロデューサー?」

P「……」

亜美「サイテー、別に亜美達楽しく話してただけじゃん?」

真美「うんうん、なんか最近兄ちゃん怒りっぽいよね」

P「それはお前達が……」

春香「私たちのせいですか? ……もういいですよ、ここで止めてください」

P「は? お前ら何言って……」

美希「み、みんな……」

春香「美希は何も悪くないよ? なんか、その運転手さんがすごく偉そうだから。もう歩いて帰ろう?」

亜美「さんせーさんせー。お姫ちんもいいよね?」

P「……貴音」

貴音「……構いません」

春香「そういうわけなんで、下ろしてください」

P「……勝手にしろ」


春香「……ふぅ。緊張したぁ……」

亜美「ノリノリだったくせにー」

春香「ち、違うよ! あれくらいやんないとばれちゃうでしょ!」

真美「そんなこと言って、結構楽しんでたでしょ?」

春香「亜美と真美だってそうでしょ! もう、本当に私一人で帰るよ!」

貴音「ふふっ、楽しそうで何よりです」

美希「あ、あの……春香?」

春香「あ、そっか。美希には話してなかったね」

貴音「私から話しましょう……」

美希「……ハニー、が」

貴音「誠に信じがたいことで、残念な話ですが。どうやら今のプロデューサーはそれを貫いているようで」

美希「……」

亜美「そうそう、だからミキミキは悪くないんだよ!」

真美「だから真美たちも怒られるようにしたんだしね!」

春香「他のみんなにも、話してみるから。1週間、ガンバろ?」

美希「みんな……ありがと、でもそんなにわかってるならちゃんとハニーに話せば……」

貴音「わたくしは一度それを受けております。ですが、またこうして行われている」

貴音「どちらにせよあの方は、無駄なことは致しませんから。何か意図があってのことだとは思うのです」

貴音「ですが、この状況においても続けることに意味があるならばそれもよし。ないならばやめてもらうのが一番ですから」

美希「……ミキ、正直よくわかんないの。でも、ハニー、プロデューサーがそう言ってたんでしょ?」

春香「私も聞いちゃって。それで、多分今千早ちゃんだけ優しくされてるんだと思う」

貴音「千早は、そのままでいいでしょう。いくらか心の傷も残っているでしょうから」

春香「よし、そうと決まれば事務所に帰ろう!!」

亜美「……でも、はるるん」

真美「意外と、距離あるよね……」

春香「あ、あはは……き、気合だよ気合!!」

美希「もう……やっぱり春香は春香だったの」

春香「もー美希!!」


P「……ただいま」

千早「プロデューサー……」

P「千早、おかえり」

千早「あ、はい。戻りました、ついさっきですが」

P「……」

千早「どうかしたんですか?」

P「いや……なんでもない」

千早「……今日は優しくしてくれないんですね」

P「してほしいか?」

千早「……」

P「今、俺が何を言っても千早には戯言同然、下手すればただの口説き文句に聞こえるんだろう」

千早「そ、そんなことは……」

P「かと言って、ご飯に誘ってもな……優しく、ね」

千早「……何かあったんですか?」

P「いや、大したことじゃない。それに、千早の顔見たら元気になってきた」

千早「なっ! ひ、卑怯ですよそんなの……嘘でも、言っていいことと悪いことが……」

P「つくなら、お世辞でもまともな嘘の方がいいんじゃなかって最近思ってきてな」

千早「……お世辞、ですか」

P「いや?」

千早「もういいです!」

P「ははっ、すまんすまん」

千早「……プロデューサー」

P「ん?」

千早「……いえ、それではお先に失礼します」

春香(その後私たちの頑張りでほとんどみんな協力してくれることになった)

春香(元々そういう……あずささんとか、貴音さん、雪歩、やよいは仕方ないとして)

春香(みんなそれぞれプロデューサーさんへの隠れボイコットが始まった)

P「響、昨日の件考えてくれたか?」

響「それで、昨日の晩いぬ美がひどかったんだ……」

真「へぇ、でも可愛いじゃん」

響「それとこれとは違うんだってば!」

P「響」

響「え? あ、ごめんごめん気が付かなかったぞ」

P「それで、昨日の件についてなんだが」

響「昨日の?」

P「話しただろ? 動物番組に出るペットの名簿を作ってきてくれって」

響「言われてないよ? プロデューサーの勘違いじゃないか?」

P「おいおい、冗談やめてくれよ。俺はしっかりスケジュールを管理してるんだ。間違えるはずが……」

響「でも、知らないんだもん。ごめんな」

P「……真」

真「……あ、うん」

P「真」

真「……それでなんだっけ?」

P「おい真」

真「……あ、ごめんトイレ行ってくる」

P「おい真!!」

真「……なんですか?」

P「聞こえてるんなら、返事をしろ」

真「聞こえなかったんですってば」

P「いや、おかしいだろ。まあそれはいい、明日の日程について……」

真「ごめんなさい、トイレ我慢してるんで」

P「おい、おい真!」

真「スケジュールなら適当にメールしておいてください、ある程度目は通してあるんで」

P「……」

と、思うやよいであった

春香(どれもこれも、日に日にエスカレートしていって)

春香(お仕事に支障が出るんじゃないかって、私までビクビクするような)

春香(でも、小鳥さんが助けてくれたり、貴音さんが後で聞きに行ってくれたり)

春香(なんだろう、この感じ。私たち、何か間違ってるのかな……)

春香(でもその影響はしっかり出てるみたいで、プロデューサーさんは私たちにあんまり仕事以外のことを話さなくなりました)

春香(どうしてここまでしてるのに、しっかりスケジュールには穴をあけないでこなしてくれるんだろうとか)

春香(いろんな不安が混じってる中、みんな1週間たてばなんとかなるって信じて心を鬼にして頑張ってました)

春香(そして、1週間最後の日)

――

響「ちょっと昨日のはやりすぎちゃったかな……」

伊織「あれはアンタ、ちょっとふざけすぎね。あのままアイツが動かなかったらやばかったわよ?」

響「ご、ごめん……でも、つい。プロデューサーをいじめちゃうの、辛いけどなんていうか……やりだすと止まらないっていうか」

真「うん、僕もなんとなくわかるよ。言ってからあっ……って思うんだけど、そのまま行っちゃえみたいな。早く終わらないかな、これ」

春香「……」

貴音「やはり皆、そろそろ潮時でしょうか」

亜美「あ、兄ちゃんかえってきた!」


P「おはよう……」

春香「……」

真「……」

P「……今日も、無視か」

P「……とりあえず今日のスケジュールだけ確認しておくぞ……」

貴音「プロデューサー」

P「貴音、どうした?」

貴音「おわかりいただけましたか」

P「……何がだ」

貴音「これが私たちの痛みです。……ですが、わたくしたちも少々やりすぎた節があり」

P「……」

貴音「もう、これで終わりに致しませんか? このような不毛な……」

美希「おはよー」

貴音「美希……」

P「……遅い」

美希「え……で、でもギリギリだよ?」

P「遅い。何かあってからじゃ遅いんだよ、常に5分前行動と言ってあるだろう?」

美希「ご、ごめんなさい……」

P「それに、いつもと比べて服装が……春香」

春香「プロデューサーさん、思い通りにいかないからってやつあたりですか?」

響「みっともないぞ、プロデューサー」

真「僕たちは別に悪いことなんてしてない。ただプロデューサーの対応に従ってるだけ」

伊織「そ、そうよ」

貴音「……貴方様」

P「……仕事だ、それぞれ仕度をしろ」


千早「おはようございます」

P「……千早」

春香「千早ちゃん、おはよう」

P「春香、おはよう」

P「お前ら、適当に仕度しておけ。千早、ちょっといいか?」

千早「え? あ、はい」

バタン

真「……何あれ、最近本当にプロデューサーが冷たく感じてきたよ」

響「自分たちもそういう扱いをしてるからって言っても、あれはなんか嫌なカンジだぞ……」

伊織「今度は千早、だったものね……」

美希「……ハニー」


千早「どうかしたんですか? あの感じを見るに、普通じゃないっていうのは察しましたが」

P「……千早は俺が嫌いか?」

千早「え?」

P「……俺は今、孤立してるんだ」

千早「……」

P「あの出来事が知れ渡ったんだろう、その復讐と言わんばかりにこのありさま。まあ、自業自得だ」

P「別に、俺は千早にどうとしろとは言わない。ただ、本心が聞けるなら、聞いておきたいんだ。いつあっち側に行かれてもいいように」

千早「プロデューサー……わ、私は……」

クソPさんだなwww

さて、ここからどうなるか

千早(……確かに、あの出来事で私は傷ついた)

千早(でも、あの時反省してくれたプロデューサーは、今私だけを頼りにしている……?)

千早(それがプロデューサーの策なのか、わからないしこれも償いの一つ、優しさの一つなのかもしれない)

千早(……けれど)

千早「……私はプロデューサーを嫌いになれません」

P「……千早」

千早「でも、今のプロデューサーは……なんていうか、やっぱり良くないです」

千早「皆に好かれてこそのプロデューサーというか……」

P「……そうか」

千早「……でも、もうそろそろ1週間ですよね?」

P「……そうかもな」

千早「だったら、今日でお終いなんです。これっきりで、水に流して明日からはいつものプロデューサーになればいいじゃないですか」

P「……千早」

千早「はい」

P「……ありがとうな」

―翌日―

春香「あーやっと解放されるんですね!」

亜美「それだけじゃないよーん! 今日は兄ちゃんから優しくしてもらえるんでしょ?」

真美「え? そうだったっけ?」

亜美「真美……愛してる」

真美「ちょ、ちょっと亜美!?」

亜美「んっふっふ~冗談だよー!」

伊織「全く、あんたたちは気楽ね……」

亜美「そういういおりんは一回経験してるからいいけどさー」

真美「真美達辛かったんだからねー実際兄ちゃんとお話できないし」

春香「あはは、確かに結構長かったよね。1週間」

伊織「そうなのよね……1週間、長いわ」

春香「貴音さんたちはまだきてないけど……どっちが先にくるかなぁ」


ガチャッ

美希「おはよー!」

亜美「あ、ミキミキ!」

美希「おはようなの亜美!んー今日が待ち遠しかったの!」

真美「そうだよねーなんだかんだ兄ちゃんミキミキにあたってたし」

春香「最後の方は本当やつあたりって感じだったから、プロデューサーさんも限界だったんじゃないかな」

美希「でもミキ、もうあんなことは嫌なの。冷たくされるのも嫌だけど、あぁやって悲しんでるハニーを見たくない」

伊織「そうね、確かにこれ不毛だもの」

春香「まあまあ、なんにせよこれで解決するんだから!」

ガチャッ
P「おはよう」

亜美「あ、来た!」

美希「ハニー!! 待ってたの……ごめんね、ずっとずっと……ミキも素直になれなくて……」グスッ

P「……」

美希「ハニー?」



P「邪魔だ、触るな」

美希「……え?」

春香「プ、プロデューサーさん?」

亜美「に、兄ちゃん?」

伊織「ちょっとアンタ……イタズラはもう終わりでしょう?」

P「お前らもまた無視するだろうから、またスケジュールを言っていくぞ」

春香「ちょ、ちょ、ちょっとプロデューサーさん! 1週間、1週間過ぎましたよ?」

P「……で?」

春香「で、でって……だって」

美希「は、ハニー……」

P「美希、お前は特にだ。無視するなら無視してればいいのに、どうしてくっついてくる。邪魔なんだ」

美希「は……」グスッ

真美「兄ちゃん、どうしちゃったの! ねぇ、兄ちゃんってば!」

P「真美はレッスン。他には?」

伊織「ま、待ちなさいよ!」

P「なんだ?」

伊織「……ど、どうしてなのよ……」

P「何がだ、要点を言え」

伊織「だ、だから! 1週間たったら優しくなるはずでしょ!」

P「……何を言ってるんだお前は」

伊織「な……」

春香「プロデューサーさん……私たち、その、美希を守るために冷たく当たってただけで……本当は」

P「本当も何も、よくわからん。仕事もまともにしないやつらとは、口を利かない方がいいことが俺もよくわかった」

春香「あ……」

P「他には? ないなら各自仕度しておけ」

バタン

春香「……」

美希「ひっく、ぐすっ……はにぃ……」

伊織「……どうしてなのよ」

亜美「兄ちゃん……どうしよう、どうしようはるるん! もしこのままずっと兄ちゃんとしゃべれなかったら!」

春香「え? そ、そんなことまさか……」

春香(嘘……でも、本当に本当にプロデューサーさんがそう思ってるんだとしたら……)

春香(確かに私たちがあんな状態でもお仕事は穴ひとつ空いてなかった……)

春香(っていうことは、プロデューサーさんがその気なら……ずっとこのまま……)

春香「ど、どうしよう……」


――
P(ここまでは予定通り)

P(”1週間”という前提をひっくり返すことで制限に先が見えなくなりそれぞれが意識を再構築する)

P(ま、ダメで元々悪役だからな。これならむしろ、安く済んだ方か)

P(さて、ここからがお前らにとって本当の1週間だ)

P(もうお前たちに”他人”を守っている余裕なんてないだろう?)

P(……いや一人いるか、でもそいつは……)

――

千早「……」

P「千早、おはよう」

千早「おはようございます」

P「……あはは、なんか安心する」

千早「え?」

P「あ、いや。今日も朝来て、無視されてさ」

千早「そうなんですか……」

P「もう慣れたけど。でもこうやって千早に会えて。今まともに会話できるの千早くらいだし」

千早「そ、そんな」

P「いやいや本当。結構やばいのよ俺」

千早「……自業自得、じゃないんですか?」

P「んー耳が痛いですな」

千早「……でも、プロデューサー変わりました」

P「え? そうか?」

千早「はい、やっぱり明るくなったっていうか……明るく、なんか変ですけど」

P「まあ、千早のおかげだろうな」

千早「え?」

P「千早のおかげで、今俺は頑張れるんだ」

千早「……また、そうやって」

P「あぁ、いいよ嘘って思ってもらっても」

千早「……」

P「……まだ結構怖くて。千早まであっちにいったら、って思うと」

千早「……」

P「だってな、本来は千早のためにあるような組織でさ、千早は俺の味方なわけだろ?」

P「今のこの安心が、次の日にはあっという間になくなってる、そう思うとやっぱり怖い」

千早「だったら今のメンバーとの関係を戻せば……」

P「少しずつ頑張る予定だけどさ」


P「俺は千早がいてくれればそれで」

千早「っ!!」

P「……なんて、いつまでもバカなこと言ってるわけにはいかないな。せっかくの千早との時間、もったいない」

千早「だ、だからですね……」

P「……今の千早から見て、春香たちにも何か言って欲しい」

千早「……」

千早「……」

千早(私は……どっちを)

春香「ち、千早ちゃん」

千早「春香……その、聞いたわ」

春香「……うん」

亜美「千早お姉ちゃん!」

美希「……千早、さん」



千早「……そう」

春香「私たち、間違ってたのかな……」

亜美「やだよ……このまま兄ちゃんと、ただお仕事だけするなんて……」

美希「ハニー……」

春香「ねぇ、千早ちゃんの方に変わりはない?」

千早「え?」

春香「その、優しくされる、冷たくされるとか」

千早「あ、えっと……」

亜美「千早お姉ちゃん……」

春香「千早ちゃんへの対応でプロデューサーさんの意図がわかる……気がする」

千早「……」

千早(私は、プロデューサーが怖かった……そして、話を聞いたとき呆れたし、恨みもした)

千早(でもそれは、仲間内で悪口を言い合うような些細で瞬間的な憎悪で)

千早(……瞬間的、だったはずが少しずつ傷をえぐられるような感覚で)

千早(いつしか、その記憶が定着してて。なのに私は、プロデューサーのそばにいた)

千早(春香たちが一生懸命に私のために、闘ってくれていたのに)

千早(……でも、もう春香たちにはプロデューサーを救えない?)

千早(私だけが、プロデューサーの支え?)

千早(1週間、それが消えた今誰にプロデューサーの優しさが向けられるかわからない……)



千早(今なら私が、プロデューサーの優しさを独り占めできる)

千早「……私も、似たようなものよ」

春香「そっか……」

千早「ごめんなさい、力になれなくて……」

亜美「ということは、兄ちゃんは本気で怒っちゃったんだね……」

千早「……」




千早(ごめんなさい、春香、亜美……)

――

P「千早は、こんなもんだろう」

P「いよいよ俺も悪役で収まらず犯罪者とか言われそうだな。まあ適当な表現かもしれない」

P「社長、音無さんもたまに心配はしてくれるが、今まで手を出してこなかった人たちが何を言える」

P「律子も竜宮に手いっぱいだし、結局は俺頼みというわけだ」

P「さぁ、リセットも大詰め」

P「……まだ1週間残ってるよ、美希」

――

さてここから改めて美希を追い詰めたいんだけど眠い
ホントいよいよ話がどこに向かってるかわからなくなってきたっていう
ただ>>1の状況に戻したいだけなんですはい

落ちたら立て直すけど残ってたら書く

じゃあその間にパラレルワールドで一つ書いてもいいかね

冷たくする人>>186
優しくする人>>188

どうせご都合主義だから
このまま一人一人対談して普通に戻して美希には冷たく1週間
千早には優しく1週間ではい元通りって予定でした

後は任せた!

んじゃあ再安価

冷たくする>>795
優しくする>>796

春香

やよい

~朝 765プロ事務所~

やよい「おはようございまーす」

P「おう、おはよう。今日ははやいな。」

やよい「えへへ。昨日ちょっと色々あって眠れてなくて。ふわぁ…」グシグシ

P「弟さん達か?」

やよい「ちょっと一番下の子がぐずっちゃって。」

P「そっか。ほんとにやよいはいいお姉ちゃんだな。」

やよい「えへへ。プロデューサーに褒めてもらっちゃいました。」

P「うん、えらいぞ。とはいえ、一睡もしてないのはよくないな。」

P「今日の仕事は…昼からか。ほら、ソファで寝たらどうだ?」

やよい「ソファで、ですか?」

P「眠いんだろう?ぼーっとしてやよいが怪我でもしたら大変だ。」

やよい「うーん…」

やよい「みんなこれから仕事なのに私だけ寝るのはやっぱりダメですっ」

P「やよい…」ジーン

P「でもな、やよいが怪我したり、病気したらみんな悲しむぞ。」

P「みんなのためと思って。な?」

やよい「うーん じゃぁ、その、膝枕してくれたらいいです…///」

やよい「なんて冗談ですよ・・・えへへ///」

P「いいぞ。頑張るやよいのためなら何でもしてやる。」

やよい「ほぇっ?」

P「ほら。おいで。」

やよい「ほ、ほんとにいいんですか…?」

P「おう。」

やよい「そ、それじゃあ、ちょっとだけ…」

P「うん。」

やよい「えいっ」ポスッ

やよい「ふわぁ・・・あったかいです・・・」

P「そっかそっか。最近冷えてきたもんな。ほれ。」パサッ

やよい「はわっ 上着脱いじゃったらプロデューサー、風邪ひいちゃいます!」

P「やよいを温めることの方が大事なの。」

やよい「ぅぅ…」

P(これはやばい…)ナデナデ

ガチャッ


春香「おっはようございまーす。」

千早「おはようございます。」

P「おう、おはよう。二人とも。」

千早「すみません、プロデューサー。ちょっと急ぐので荷物だけ預かってもらえますか?」

P「分かった。俺の机の上に置いといてくれ。」

千早「ありがとうございます。」

P「千早、忘れ物ないか?」

千早「…大丈夫みたいです。また夕方に戻ってきます。」

P「気をつけてな。」

千早「ええ。」

バタン


やよい「むにゃ…zzz」

春香「ふわぁあ…千早ちゃん、今日は朝一でレコーディングらしいですね。」

P「しーっ やよいが起きちゃうよ。」

春香「え?うわっ 何か乗ってると思ったら…何やってるんですか?」

P「やよい、昨日弟さん達の面倒見て徹夜したらしいんだ。」

P「ちょうど今寝たところだから、暫く静かに寝かせてやってくれ。」

春香「あ、はい。分かりました…けどこれから皆来ちゃいますよ?」

P「~♪」ナデナデ

春香「あの、プロデューサーさん?」

P「声のトーン落として… んで、なんだ?」

春香「皆これから来るから、どっちにしろうるさくなっちゃいますよ?」

P「それもそうか…悪いんだけど、春香、ちょっと外出て来た人に伝えてくれないか?」

春香「ええ?全員ですか?」

P「しーっ  全員といっても午前中に来るのは真と響と亜美真美だけだし…頼んだ。」

春香「うー…外寒いのに…」

P「俺はやよいを寝かせるのに手一杯だからな。」

春香「むぅ…わかりましたよ…」

P「~♪」ナデナデ

春香「はぁ…それじゃ外いってきます。」

P「うん。」ナデナデ

春香「ほんとに聞いてるのかな…」トコトコ

ガチャッ   バタン

春香「うぅ…さむっ」

春香(こんな中で待つの…?)

春香(プロデューサーさん、この仕打ちはちょっとないよぅ…)

春香「いいなぁ、やよい。」ボソッ

春香(あっ…何言ってんだろ。やよいはもっと大変だったんだもんね…)

春香「あーあ、私も膝枕してもらいたいなぁ…」

春香「あれ?あの走ってくるのって…響ちゃん?」

響「待てー!イヌ美ー!予防接種は打たなきゃだめだってばー!」ドタドタ

春香「あはは…またやってるよ。元気だなぁ。」

響「捕まえたっ!よしよし、ちゃんと打つときは自分がついててやるからなー…って、あれ?春香?」

春香「おはよ、響ちゃん。」

響「なんでこんなとこに…ってもう事務所!?どんだけ自分達走ってきたんだ…」

春香「あはは…あ、あのね。」

響「うん?」

春香「今中でやよいが寝てるから、入るとき静かに入ってね。」

響「やよいが?そっか。わかったぞ。」

響「よし、イヌ美、大人しく待ってるんだぞ。」

ガチャッ

響「はいさーい…」コッソリ

春香「響ちゃん…ちょっと賑やかだから心配だな。大丈夫かな。」

P『おう、おはよう響。』

響『おっ ぐっすり寝てるなぁ。』

P『静かに入ってきてくれてありがとな。』

響『え?別にお礼言われるようなことでもないさ。』

P『まぁでも、もう熟睡してるから、もうちょっと声だしても大丈夫だぞ。』

響『そっか。…隣座っていい?』

P『おう。』


春香「あれ…もうあんまり静かにしなくていいのかな?」


P『響もだいぶ冷えてるな。…俺の机にあるホットミルク、飲んでいいぞ。』

響『ほんとか?ありがとうプロデューサー!』


春香「おーい…ここにもっと冷えてる人がいますよー…」

春香「なんか私だけ冷たくされたような…気のせいかな。」

春香「そうだよね。きっと。 あはは、私何考えてるんだか。」

春香「あとは真と亜美と真美かぁ。いつもだとそろそろ真が来る時かな。」


P『やよいは本当に偉いと思うよ。こんなに小さいのに家族の面倒を見て。』

響『そうだなぁ。自分もやよいには無理してほしくないぞ。』

P『ほんとにな。やよいは自分がどれだけ愛されて、大切にされてるか、ちょっと自覚が足りないよ。』



春香「…」ズキン 

春香「まだかなぁ…真。」

春香「…」

春香「…あっ 噂をすれば。来た来た。」

春香「毎朝ランニングで事務所に来るってすごいよねぇ…」

真「ふぅっ。温まったー。あれ、おはよう春香。」

春香「おはよう。」

真「事務所あいてないの?」

春香「ううん。空いてるよ。今ね、中でやよいが寝てるから、そっとドア開けて入ってね。」

真「やよいが?あはは、朝っぱらからなんてミキみたいだね。」

春香「昨日なんか徹夜だったんだって。」

真「ええ?そうなんだ…やよいも大変だなぁ。」

真「…春香は入らないの?」

春香「うん。ちょっとね…やることあるから。」

真「そっか。風邪ひかないようにね。」

ガチャッ バタン

真「おはようございまーす」

P『おう。おはよう、真。走ってきたのか?』

真『おはようございます。毎日のことですけどね。』

P『そっか。スポーツドリンク冷蔵庫にあるぞ。』

真『ありがとうございます。あ、ほんとにやよい寝てる。』

P『そうなんだ。弟さんたちの面倒見て徹夜したらしくてな。』

真『へぇー。やよいはなんというか、苦労が多いなぁ。』

P『できることなら、少しでも代わってやりたいんだけどな。』

P『なぁ、やよい。俺にも少しでいいから、手伝いさせてくれよ。』

P『こんな小さな体にたくさん背負い込んで…』

真『プロデューサー…ボク、帰りに何かお菓子買ってきましょうか?』

P『え?』

真『疲れたときには甘いものって、相場は決まってます!』

P『そっか。ありがとう。頼むよ。』

真『お安い御用ですよ。そっちで丸くなってる響も疲れてるのかな?』

P『あはは、響はただ朝弱いだけだよ。』

春香「…もう普通に話しちゃってるな。」

春香「もうはいっていいよね。中。」

???「んっふっふー。はるるんを補足!」

???「食らえっダブルホ→ルドッ!」

春香「うひゃあっ…!?って、亜美に真美?」

亜美「驚いた?ねえ驚いた?」

真美「朝からはるるんに会えるとは今日は良い日ですなぁ。」

春香「あ、うん、驚いたけど、あ、ちょっと待った亜美!」

ガチャッ

亜美「おっはよ→!」

真美「ございま→す!」

春香「あわわ…あんなに大声で…怒られちゃうよ二人とも…」

P『おはよう、亜美、真美。二人とも朝なのに元気いっぱいだな。』

真美『兄ちゃん台詞が年寄りくさいよ?』

P『あはは、でも今ちょっとやよいが寝てるから、もう少しだけボリューム絞ってもらえるか?』

亜美『え?やよいっちが?』

P『ああ。昨日弟さんたちにかかりきりで寝てないらしくて。』

真美『そっか…ごめんね。』

P『気にするな。』

亜美『おお…やよいっちの寝顔…これはレアですなぁ。』

真美『天使ってほんとにいるんだねぇ。』


春香「あ…」

春香「…どうして私だけあんな反応だったんだろ…」

春香「嫌われてるのかな…」

春香「でも何かしたっけな?嫌われるようなこと。」

春香「普段から、迷惑かけすぎてるのかな…」

春香「あ、そうだ。もう中入っていいんだった。」

春香「…入りづらいや。仕事いくまでここに居よう…」

春香「はぁ…寒いなぁ。」



~夕刻 765プロ事務所~

春香「ただいま戻りましたー」

P「おう。お帰り。」

春香「あれ?他のみんなは?」

P「ちょっと最近スケジュールが過密すぎたかもしれないって思ったからさ。」

P「今日は全員、夕方のレッスンを無しにして休んでもらってる。」

春香「そうなんですか…じゃあ私のボイトレも無くなr…きゃっ!?」

ドンガラガッシャーーン

春香「いつつ…またやっちゃった・・・」

P「おいおい、いい加減それ直したほうがいいぞ。危なっかしくて見てられん。」

春香「えへへ…ごめんなさい」

春香「よいしょ…あれ?」

春香「あれ、どうしたんだろ…」

春香「力がはいんないや。」

P「おい春香?いつまで寝転んで…」

ガチャッ

千早「ただいま戻りました。」

P「おう、千早、おかえり。悪いがちょっと春香に手かしてやってくれ。」

千早「へ?ああ。春香…また転んだの?」

春香「うん…」

千早「…どうしたの?春香。」

千早「何これ、手がすごく熱いわよ?」

春香「力が…はいんなくて。」

千早「ちょっと、すごい熱じゃない。」

千早「プロデューサー!春香、熱が…」

P「えぇ?ちょっと…ええと、音無さん、体温計ありましたよね。」

小鳥「ありますよ。はい、春香ちゃん。とりあえずここ座って。」

春香「はぅ…」

ピピピピヨッ

小鳥「38度9分…かなりありますね。」

千早「春香…大丈夫?」

春香「寒い…」

P「…まずいなぁ。」

春香(もしかしたら、プロデューサーさん、『休め』とかいって膝枕してくれるのかな…)

春香(だったら…このだるさも…悪くないかな…)

P「音無さん、申し訳ないんですが、春香を家まで送ってやってくれませんか?」

春香「…え?」

小鳥「いいですけど…プロデューサーさんは?」

P「俺はやよいの家へ今から行かないと…」

P「あいつも今日一日ふらふらで。あの体じゃ危ないから、少し手伝いに行きます。」

小鳥「そうですか…一気に二人もダウンなんて…」

P「万一怪我なんかしたら大変ですからね…」

P「それじゃあ俺は行って来ます。」

小鳥「え、ええ。お気をつけて。」

小鳥「春香ちゃん、私達も行きましょう?」

春香「…」グスッ

千早「春香…」

春香「あ…ごめんなさい…お手数おかけします…」

小鳥「そんなかしこまらなくていいのよ。いきましょ?」

小鳥「プロデューサーさんには、後でちょっとお話しとくから。」コソッ

春香「…ありがとうございます。」

~翌日朝 高槻家~

P「よし、いこうか。」

やよい「はいっ」

P「おっ だいぶ元気になったな。」

やよい「プロデューサーがお手伝いに来てくれたおかげです!」

やよい「ありがとうございます!」

P「気にするなって。俺もやよいの元気な顔が見られて嬉しいし。」

やよい「えへへ…」

P(結局、昨日はあのままやよいの手伝いをして、家に泊まった。)

P(春香…大丈夫かな。俺が寒い中待たせたせいで風邪ひいちゃって。)

P(病気のアイドルに負担かけるわけにはいかないし、一日しかたってないけどネタバラシしよう。)

P「やよい、すまないがちょっと用事を思い出した。先にいっててくれ。」

やよい「用事ですか?わかりました。あ、ちょっと待ってください。」

やよい「今日も一日頑張りましょう! はいっ」

P・やよい「ターッチ!」

~天海家~

P「見舞いがてら、ネタバラシだな。」

ピンポーン

春香『はい…』

P「春香か?」

春香『ぷっ プロデューサーさん?』

P「ああ、お見舞いに来たぞ。」

春香『あ、えと、すぐ開けます!』

ガチャッ

春香「プロデューサーさん…」

P「お、おはよう。」

春香「おはようございます…」

P「あがってもいいか?」

春香「あ、どうぞ。今ちょうど誰もいないので。」

~寝室~

P「寝てたほうがいいんじゃないか?」

春香「いえ…大丈夫です。」

P「そっか…ほんと、申し訳なかったな。」

春香「え?」

P「俺が昨日春香にあんな役目押し付けたせいで…本当にすまない。」

春香「あ、いえ、謝らないでください…」

P「俺の責任だ。」

春香「あの、プロデューサーさん。」

P「?」

春香「来てくれて、ありがとうございます。」

春香「私昨日、とっても怖かったんです。嫌われちゃったのかなって…」

やよいだけには冷たくしようとしても、体が拒否ると思う俺なら

P「それなんだけどな。ちょっと理由があって…」



P「…というわけだったんだ。」

春香「…そんな理由で私は…あんな寒い中待たされたんですか。」

P「申し訳ない。」

春香「さすがにちょっと納得がいきません…」

P「だよな…」

春香「でも、私のこと嫌いになったわけじゃないんですね。」

P「勿論だ。春香は大切なアイドル…嫌いになるわけがない。」

春香(大切な、アイドル…か。)

春香「そうですか。」

春香「…もうこんな突飛なことしないでくださいね。」

P「ああ、誓って。」

春香「じゃぁ、今回のことはもう水にながしましょう。」

P「春香…」

P「体調が戻ったら、ご飯でも食べに行こうか。」

春香「ごはんかぁ…いえ、いいです。」

春香「その代わり。」

春香「私にも」

春香「膝枕、してくれますか?」

書き忘れた…

これで
おしまい

何だかんだあって最後にやよいの番となった

やよい「うっうー♪おはよーごさいまーす」

P「遅い。仕事いくぞ早くしろ」

やよい「あ、はいごめんなさい…」ショボン

やよい「じゃ、じゃあ今日も元気に張り切っていきましょー!ハーイ、たっち!」

P「」

やよい「う、うぐぅ」ウルウル

P「……」スッ

やよい「!」パァ

やよい「たーっち!」パンッ

その他「おいぃぃーー!!」

やよいに冷たく出来る人がまずいるのだろうか…

書けるの昼過ぎになる

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