【AC3×咲-saki-】照「これがAC……」 (995)

—第一層:第二都市区「トレネシティ」—

<<そろそろ目標地点に到達する。もう一度、君たちに課せられた依頼を説明する>>

「……」

<<目標は、市街地を制圧している部隊の撃破、敵勢力は戦闘メカだ>>

(帰ったら何食べよう…)

<<この依頼を達成した時、君たちはレイヴンとして登録される。このチャンスに二度目はない。必ず成功させることだ>>

「よし……!」

(気合い入ってるなぁ…・・・)

<<これより作戦領域へ投下、ミッションを開始する>>

その声で輸送機から飛び降り、認定試験が始まった

‐システム キドウ‐

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355568791

このスレは咲キャラでAC3をやってみようというよくわからないスレです
・初投稿です。淫夢要素はありません。
・書くのが死ぬほど遅いです
・これを機にACを触ってくれるとうれしい

では、はじめます

◇◆◇◆

惑星規模での大規模な災害から数百年後——。

地上に氾濫していた文明は破壊され、人類はその人口の大多数を失った。
災害を逃れたわずかな人々は、死の大地と化した地上を捨て、
この災害を予見していた、いくつかの国家によって作り出された
地下都市<レイヤード>へと移り住んだ。
最先端の技術をもって建造が進められた、この巨大なシェルター都市は、
人類が生き延びるための「箱舟」でもあった。

その世界は、ただ一つのものによって管理されていた。

あらゆる出来事は、そのものによって決定され、そこに住む人々は、
管理されることを当然のものと受け入れていた。

「管理者」の庇護の下、人々は約束された繁栄を続け、
やがて、力をもつ者<企業>が生まれた。

企業はより大きな力を求め、互いに争いを始めた。
だが、その争いすらも、管理者の掌の上の出来事であった。

全てが予定された世界。
だがそれは、徐々に狂いを生み始めていた。


アーマード・コア。

MT(マッスルトレーサー)と呼ばれる作業用ロボットをコアという胴体パーツを中心

に腕や足といったパーツを取り付け、それを戦闘用に特化させた機動兵器。

アーマードコアは、この世界で最強の存在だった。

◇◆◇◆



「これで最後だ……!」

どうやら敵のMTがあと一機しかいないらしい

「私が仕留める」

MTはホバー移動で左に右にと動きながらバズーカを撃ってくるが、仲間がいなくなって焦っているのか私の機体にかすりもしない

MT「くそっ!なぜ当たらん!?」

レイヴンになる為なんだ。仕方がない

「……これで終わり」

右腕に持っているライフルを打ちながら、MTに接近する

MT「やはりACには……!」

相手のバズーカのリロードの隙を見て、一気に懐に潜り込む。こうなれば、MTはもう鉄塊だ。私は左腕に搭載しているブレードを振る

MT「ぐあっ…!」

ブレードがMTの胴体部分を横薙ぎにして、それは炎をあげながら大破した。

(これで、私も……)

<<なるほど、それなりの力はあるようだ。認めよう君たちの力を。いまこの瞬間から君はレイヴンだ>>

‐モクヒョウ タッセイ‐

◇◆◇◆

レイヴン。

人型機動兵器アーマードコアに搭乗する人たちをそう呼称する。

すべてが管理されるこの世界において唯一の例外とも言える存在。

レイヴンは企業に雇われ、あらゆる依頼をこなす。

◇◆◇◆
—コーテックス—

「……ふう」

レイヴン試験が無事終了し、輸送機で本部まで戻ってきたところだ。
試験の途中で敵の増援があったが、数も少なくこちらも見習い同然だがAC二機だったため、なんとか全滅に成功。私ともう一人の…アップルボーイ?さんもレイヴンになることができた。

「試験お疲れ様でした!試験というか実戦でしたが……」

「ん、お疲れ様……」

アップルボーイさんが元気よく私に挨拶してきた。私はどうも人と話すのが苦手で、ついそっけない返事をしてしまった。

「でも、これで私も晴れてレイヴンになれました!秘密ですが、私小さい頃からレイヴンに憧れていたんです!」

なんだかすごく上機嫌みたいだ。ていうか秘密なのに喋っちゃっていいのかな。

「……なんで?」

「それを聞いてくれますか!?」ガシッ

手を勢いよく掴まれてしまった。アップルボーイさんは目をキラキラ光らせて前かがみになってこちらを見上げてくる。なんだか長くなりそう…





「………ということがあったんです。それで私も人を守れるレイヴンになろうと思ったんです」

アップルボーイさんの話は十分ぐらい続いた。要約すると、幼い頃に市街地のテロに巻き込まれた時に、市民を守りながらテロ部隊を殲滅させたACを見て憧れていたそうだ。ちなみに市民の被害、そのACが来てからは0だったそうだ。凄腕だなぁ…

「……じゃあ長年の夢が叶ったんだね。おめでとう」

「はい!ありがとうございます!」

なんだかとてもいい人そうだ。今もニコニコしていて、まるで汚れを知らない少年のような……

「あ、そうだ!」

「?」

「せっかく一緒にレイヴンになれたんです。一応私の本名を教えておきますね。これからも仲良くしてやってください」

基本的にレイヴンは本名を隠している。やっていることがアレなので、本名を知られるだけでも自分の身に何が起こるかわからない。帰ってきたら家が吹っ飛んでた、なんてこともあるかもしれない。

「大丈夫なの?」

「はい、なんだかあなたは信頼できそうですから」

そんなことを言われたのは初めてだ。私、信頼できそうな顔してるのかな…

「私は亦野誠子っていいます。あなたは?」

言わないわけにはいかないだろう。教えてもらったからには私も教えなきゃ。私は……



「私は……照。宮永照。こちらこそよろしく」



地下都市レイヤードで、新たに二人のレイヴンが誕生した。
彼女たちがこの世界で一体なにを見て、聞き、なすのか。
今はまだ、わからない———

とりあえずここまで
びっくりするぐらい少ないね
需要は皆無だろうけど細々やっていきたいと思います……


                  , 'i´ヽ  ゙i'、
                  i:::ヽ,:l__,l,.ノi  
                 |::::ヾ,| �!|ソ:|  <アップルボーイだ。よろしく!

                  |::::ヾ,|.:�:|ソ:|
                  |::::ヾ,|::  :|ソ:|
         ,,.ィ'''フ''''=、r'"~ ヽ ,|::  :|/i,, `ヽr''"`ヽ、ヽ、

       ,r'"´ ノ"    )、  _、,..ィ'"´i       ヽ、
       (       ノ  ´ ̄ `Y"´            i
         )     __,,..         レ      _,,,,、       j、、
      r''ヽ. ,.ィ'''i"        J   ,,.ィ'"~  `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
     / ,,.イ')'"  人  ・     ,,l、     ・   ノt   ) `ヽヽ
    /   /   / `ゝ、       人       ,,イ  jt、 ヽ    i
   f ,   ノ   /、   `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''"    ノ ヽ、 ヽ  t、、
   )'  f   ノ ヽ、 r  、 f"   `i´ ̄` Y  `ヽ /   ゝ-,ヲ'''   )
.   ( ,.ィ''ーr"~    ヽj  ミi      !    j'   | /       ,r"    ft
   ノ、,ノ   ヽ,     `i  、〉、.__,人,___,..イ、,i" j''       (   ,ノ j
  ( t、    l      i  ヽf     Y    ,j,.  ,/      ) ,.イ´ ノ
  fヽ ヽ、   l      l ヽ、    .|   ノ ,. /     ,.イ '"ノ   ノ
  t i   l、.  t      l  、j`ー‐‐'`ー="レ' j'     // / ,/
  ヽ、 i、   i      l  ヽ  -ニ-  ノ  l     /,,,,ノ ,ィ/
    ヽ、`i  `i、     l   `i     /  ,l    /-,=、ヽv
′   ヽ ヽ、 'i,     人  ヽ    /   ノヽ   ノ''"Y,..ト-、
      `i、,,..=,i、   / ヽ、       /=ィ''i'i''j"  .`=(i-/、
       ヽ ,f`i-、   /   ヽ      /.`ー=''''"t.___  (,,ノ=、
       r-l =f,,ノゝ-''`=''フ  i、:' " ゛ ` ,i' :.    .l、  `ー=''=t_,i

おつ

ジェネはROZ、ブーストはFLEET、軽OBコアにSOL腕が鉄板だったね

まさかのACクロスss

NXから入ったオレは異端ですか?

こんばんは
今日は本編の前にちょっと補足をしたいと思います

>>43
どうして…

>>45
FLEETは手に入るのがかなり遅く、本編では日の目を見ないかもです

>>46
NXからよく入ってくれたなぁと思います
全てのバランスが酷いNXからよくぞ…
ストーリーは好きなんですがね

マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!」

マホ「さてさて、コアなファンが多いことで有名(?)なACシリーズ!」

マホ「『用語わかんねぇ』『世界観がわかんねぇ』『ACって何?外人?歌?』な人達になるべくわかりやすいように説明
   していくこのコーナー!第一回は『世界と企業について』です!」


マホ「まず、地上ですごい規模の災害、通称『大破壊』が起きてしまって地上に人が住めなくなります」

マホ「『地上が荒廃して人住めない→じゃあ地下で暮らせばいいんじゃね?』
   と誰かが考え、人類は地下に住むようになります」

マホ「やがて、争いが起きないように地下を管理するためのコンピュータ『管理者』ができます」

マホ「100年、200年と経つにつれて、地下に住んでいる人は管理者に管理され生活するのが当たり前になります」

マホ「そうこうしているうちに、政府に代わった力を持つ企業が生まれます」

マホ「企業は全部で三つありますです」

マホ「一つは『ミラージュ』
この世界で最大の権力を有する企業。<管理者>の支配から脱することで支配権の強化を目論んでますが、同時に<管理者>の力を恐れて表立った行動を取れず、もっぱら水面下での活動に留まっています。パーツは最新鋭の技術を惜しみなく使い、高性能で真新しいものをつくっています」

マホ「もうひとつは『クレスト』
ミラージュに次ぐ規模をもつ、巨大企業。ミラージュ同様、勢力の拡大には熱心であるが、<管理者>の存在を「秩序を維持するための最適なシステム」として認識しており、その管理下にある現在の体制を肯定してます。特にその点における立場の違いから、強くミラージュを警戒しています。パーツは信頼性と安定性を重視して、手堅いものをつくっています」

マホ「そして最後に『キサラギ』
ライバルである企業ミラージュ、クレストのいずれとも異なり、<管理者>に対するスタンスは至って現実的です。世界の支配権には関心を持たず、ひたすら己の勢力拡大に奔走しています。パーツは、腕部や脚部はつくっていませんが、内装においては一定以上の評価があり、中でも火炎放射器やパイルバンカーといったほかの企業の製品とは全く異なる武装を開発しています」

マホ「この三つの企業が地下世界『レイヤード』でいがみ合っていきます」

マホ「その全ての中間にいるのが、レイヴンを有している『グローバルコーテックス』です。
   照さんが所属しているのはここですね」

マホ「ここでわかりやすく表してみます」

         地上で大破壊が起こる。人々は地下へ
                 ↓
              管理者が生まれる
                 ↓
        管理者によって管理されるのが当たり前になる
                 ↓
            政府に代わる企業が生まれる
                 ↓
             企業同士が争い始める←イマココ!

   ミラージュ→先進的なエリート クレスト→熟練のじいさん キサラギ→変態

マホ「駆け足になってしまいましたが、すっごい大雑把に説明してみました!これがわかるだけでよりACが楽しめるようになるです」

マホ「わかんないところがあったらどんどん教えてほしいです!なるべくわかりやすく答えていきたいと思いますです!」

マホ「ではではまた次回、おたのしみに!」

これだけで一時間ほどかかりました
本編が進むにつれて補足したいところがでてくるかもしれないので、マホさんにはまたお願いしたいと思います

本編は21時ごろから投下予定

それでは本編を投下ー
今日はアリーナ防衛です

「これがアリーナか……」

まさに、といった感じの場所だ。ここでAC同士が死闘を繰り広げるのか……私もいつかそうなるのかな

<<くそ、ACか!>>

<<ACを確認!アリーナへの攻撃はいったん中止だ!目標をACに変更。先にそちらを排除する!>>

敵のMT部隊の通信が耳に入る。その声と同時にアリーナにいるMT部隊の照準が私に向く。モテモテだなぁ私

<<レイヴン、敵は二種類です。逆関節型MTと小型戦闘メカがいるようです。
 逆関節型MTのガトリングガンはそこそこの威力があります。直撃は避けてください>>

淡々とタカミさんがオペレートしてくれる。ガトリングガンに注意、注意、注意……

<<これは……敵は予想以上に戦力を投入してきたみたいです。まだ後方に多数の反応を確認しました。気を付けてください>>

視認できるだけでも小型メカが4機、MTが2機……あ、1機増えた

「これは骨が折れそうだね……」

愚痴っても仕方がない。早速とりかかることにする

「よし、まずは1機……」

地を這っている小型メカをブレードで切り伏せる。切られたメカは炎をあげて爆 発 四 散 !……した
続けざまにガトリングガンをブースタをふかして避けつつ、アリーナ中央にいたMTをブレードで処理していく

<<ぐっ…!>>

切られたMTの搭乗者のうめき声が聞こえる。こんなものまで聞こえなくてもいいのに……

(いけないいけない。仕事仕事)

ぼーっとしている暇はない。MTが撃破されたことで、向こうも殺る気が上がったように見える。殺気がこう、びりびりと……

<<くそっ!やつの敵(かたき)だ!>>

右側にいたMTがガトリングガンを乱射してくる。頭にきているのはわかるが、それだけ離れてちゃ当たるものも当たらな…

<<こいつを食らえ!>>

「ぐっ、何だ!」

後頭部あたりに衝撃を確認。これは…ミサイル?

<<レイヴン、どうやらあのMTにはミサイルも搭載されているようです。MTとはいえ馬鹿に出来ません。注意してください>>

「わかっています」

不覚をとられた。まさかミサイルまで持っているとは…だったらこっちもミサイルだ!
MTをロックオンできる一定の距離でふわふわ動きながらミサイルを撃ち込み、続けざまにライフルをたたき込む

<<くそっ!>>

(だから聞こえなくていいってば、もう)

聞こえないふりをして小型メカをブレードで切ろうとするが、ロケットを正面から喰らい振る動作がキャンセルされてしまう

「鬱陶しいな……」

しかしさすがはAC。まるでダメージにはなっていないようで、損傷はほとんどない

「この調子なら、なんとかなりそう……!」

<<もらった!>>

男の声が聞こえたと思ったら、左右からミサイルが同じ間隔で飛んできた
いけない、また喰らってしまう…!

「……あれ?」

ダメージを覚悟したが、コアの先端からレーザーが出てミサイルを撃ち落としていた

「こんな機能が……」

実はコアがどんな機能を持っているかよく覚えていない
手足を動かすための胴体で、レイヴンが入って操縦する場所という認識しかなかった
ミサイルを迎撃してくれるのか…頼らせてもらおう

「ぐっ……!」

なんて思っていると、飛んできたミサイルに迎撃レーザーが当たらずに、私のACに直撃した
……やっぱり頼るのはやめよう。迎撃してくれたらラッキーぐらいでいこう

そんなこんなで調子よく撃墜していくが、エネルギーがまるで足りない
常にエネルギー切れを防止するためのアラートが鳴り響いている
おじちゃんの言ってることは本当のようだ。まずはジェネレータを変えよう……

「これ、いつまで来るんだ……きりがない」

アリーナの入口から小型メカやMTが続々と入場してくる。1機倒したら1機増える
逆足型MT選手の入場です!なんてね

「APも減ってきたし、弾が足りるのかな、これ」

流石に息切れ気味になってきた。段々考えなくても体が動くようになり、
ミサイルを見たら右から左に切り返す。
ロケット見たらあきらめる。
ガトリングガンはブーストダッシュすれば避らけれる……多分。
小型メカはライフル4発、MTは11発。ミサイルならそれぞれ2発と3発で撃破することができる。
こんな感じで作業的に敵を排除していたけど、

<<ACといえども同じ人間だ!やれるはずだ!>>

敵部隊の士気が落ちない。結構倒してるはずなのに…早くあきらめてくれ……噛んできたバブリシャ○あげるから……
なんて考えていると、また新しい反応が増えた。レーダーは味方信号を発している。誰……?


<<てこずっているようだな……手を貸そう>>


<<ランカーAC、ゲルニカを確認しました>>

すっごい気持ち悪い見た目をした……AC?が現れた。逆関節の足に、あの腕は一体……
それに頭がこんな→干かたちで、なんともMTっぽい……でも色はかっこいいなぁ

<<君が新しいレイヴンか、苦戦しているようだな>>

「はい、数が多くて……」

<<私が来たからにはもう安心だ。にわかは相手にならんよ!>>

「にわ……?」

すごい自信だ。ニワカってなんだろう?

気持ち悪いAC……ゲルニカは手慣れているようで、ぴょんぴょん飛びながらMTたちをミサイルやら腕から発射される拡散レーザーで破

壊していく。あの腕って武器になってるんだ……おもしろいなぁ

<<どうした?まだ敵は残っているぞ?>>

(思わず見とれてしまった。私もあそこまで動かせるようになるかな……)

思い出したように私も自分のACを動かす。レバーを持つ手に力が入る。わたしも負けてられないな……

<<レイヴン、反応が減ってきています!あと少しのはずです>>

「了解」

やっと終わりが見えて力が抜ける。ゲルニカが出てきてからは、ほとんど彼女が倒してしまって私は彼女のおこぼれをもらっている程度だった。最後ぐらいは私が決めるかな

「これで最後だ……!」

いつかのセリフを借りてみる。これ、かっこいいかも……
動きに疲弊が見えるけど、弧を描くように向かってくるミサイルをなんとか前進してやり過ごす
ガトリングガンを撃ってくるが、かする程度で直撃しない。させない

<<作戦は失敗か……>>

最後のMTの搭乗者のつぶやきが耳に入る
MTの左肩から斜めに左腕のブレードを振り下ろす。なす術もないようで、あきらめたように相手は動かない
そのままブレードがMTに当たり、橙色の火花が散ってそれは爆発した

<<いい腕だな、気に入ったよ。お互い生きていれば、また会うとしよう>>

<<レイヴン、作戦は成功です。帰還してください>>

「やっと終わった…疲れた」

長かったアリーナ防衛は、見事に成功した。ひどく疲れたけど……早く家に帰ってお風呂に入りたい
あぁ、お風呂上がりのアイスクリームが待ち遠しい

‐モクヒョウ タッセイ‐

—コーテックス:本部—

依頼を終えてガレージに帰ってくると、アドバイスをくれたおじちゃんが出迎えてくれた
がはがは笑いながら無事で何よりだって言ってくれた
そういうことを言われたことがないので照れてしまって、また笑われた
すると自然と私も笑えてきて、なんだか不思議だなー……なんて

「レイヴン、お疲れ様でした」

「はい。タカミさんもおつかれさまでした」

ガレージを出ると、タカミさんが待っていた。手にはお茶らしきものが入った紙コップを二つ持っている

「これ、どうぞ」

「ありがとうございます」

タカミさんからお茶を受け取る。うーむ、お茶が疲れた身体を癒してくれてるようだ
カウンターっぽくなっている椅子に二人で座り、お茶をいただく。タカミさんも疲れてるみたいだ

「レイヴン、どうでした?初めての依頼でしたが…」

「……疲れました」

「そうですか」

そう言ってニコッと微笑むタカミさん。これ……いい!

「そうだ、収支を報告しますね」

「収支ですか?」

「先ほどの依頼の報酬です。今回は歩合制だったので撃破数に応じて支払われます」

(どれぐらい倒したっけ……)

「今回は……これだけですね。23500c分倒したそうです。ここから弾薬費と機体の修理費が引かれた分があなたの口座に振り 込まれます」

「それって……多いんでしょうか?」

「初めての依頼でこれだけできれば十分でしょう。次もお願いしますね」

「こちらこそお願いします。お疲れ様でした」

(……あ、ゴミ箱わかんないや)

「紙コップでしたら私が捨てておきますよ。今日はゆっくり休んでください。それでは、また」

「最後まですみません。では」

そう言って紙コップをタカミさんに渡して部屋を出た。出てみると……

「待っていたよ。君が新人レイヴンだな?」

奇妙な髪形をした人が腕を組んで壁に背中を預けていた。この声、さっきの……

「あなたが……さっきのゲルニカさん?」

「ゲルニカは私のACの名前だよ。君はつけていないのか?」

つけてないも何も、初期機体のままなので愛着もなにも湧いていない

「ACの名前はアリーナに参加するのなら必ずつけておくことだ。ACは自分の象徴だからな。いい名前を考えておくといい」

「なるほど…ありがとうございます」

「うむ、素直に礼が言えるのはいい人間の証だ。ますます気に入った」

「はぁ……」

「おっと、名前の話だったな。私のレイヴンネームはゲドだ。よろしく頼む」

握手を求められるが……まいったな、自分のレイヴンネームを考えてなかった
まだ名前欄が0824〜号になっているはずだ。えーっと、えーと……

「私は……シャインです。こちらこそ」

適当にこれでいいやって決めてしまった。まぁそんなに呼ばれないと思うし大丈夫だろう

「ふむ、シャインだな。アリーナで待っているぞ」

「アリーナ……」

そういえばアリーナってどうやってエントリーするんだろう。家に帰ってタカミさんにメールをしてみようかな

「ではな」

そう言ってゲドさんは歩いて行った。くるくる巻かれている髪の毛がぴょこぴょこ跳ねている

(ACはちょっと気持ち悪いけど、いい人だった……)

アップルボーイといい、まともな人が多いように感じる
もっとレイヴンっていうのはクセが強い人がいっぱいいると思っていたけど

「帰ろ……」

とにかく今日は疲れた。さっさと帰ってゆっくりしよう

バスに揺られながら、今日食べるアイスクリームの味を頭の中で考えつつ程よい眠気に誘われていた午後だった

◇◆◇◆

—トレネシティ:自宅—

「あーいす、アイスっと」

お風呂からあがってアイスを……

「な、ない」

しまった。アイスを食べることばかり考えていて買ってなかった。なんてことだ

「どうしよう……」

しょうがない、買いに行くことにしよう。幸いさっきの報酬がもう口座に入っているはずだ

報酬は基本的にc(コーム)で支払われるらしい。1cで10000円だそうだ。あれ?ってことは……

『23500c分倒したそうです』

『23500c分…』

『23500c…』

「え、こんなに!?」

思わず変な声が出てしまった。てことは、一般通貨だと、2億3千5百万円といことに……

「におくさんぜん……」

すごい額だった。これだけで何十年暮らせるんだ……

「あ、でも弾薬費と修理費分引かれるとか言ってたな…」

いくら残るんだろう。ていうかそこも私が払うんだ…

「考えてもしょうがない。引き落としに行こう」

着替えて出かける支度をする。よーし、アイスが私を待っている!

◇◆◇◆

「すごい額入ってた…」

さすがに23000cはなかったけど、18000cぐらい入っていた
とりあえず100cぐらいおとして、換金所で交換してきた
よくわからない紙幣1枚が、見慣れた紙幣100枚になった

「壮観だ……!」

今私のバッグには札束がそのまんま入っている。ちょっと富豪の気分で気持ちが昂ってしまう

(さっさとコンビニに行ってしまおう)

大金を持っていると、周りの人が全員このお金を狙っている気がしてしまうのはなぜだろう
ちょっと疑心暗鬼

(……あそこでいいや)

ちょうど換金所の向かいにコンビニがある。まるでここで何か買って行ってくださいと言っているようだ
ふふ、なかなかスキのないコンビニじゃないか

—トレネシティ:コンビニ—

「あれ、照さんじゃないですか!偶然ですね!」

「偶然だね。えーっと……誠子」

「はい!誠子です」

コンビニに入ると、アップルボーイがジュースを物色していた
手に持っているのは……林檎ジュースじゃなくてスポーツドリンクだった
なんかちょっとショックだ

「照さんは何を買いに来たんですか?」

「アイスを食べようと思ったけど、家になかったから……」

「なるほど、アイスですね!衝動的に食べたくなりますよね!」

「う、うん、そうだね……」

誠子は元気がよくて、ちょっと気押されしてしまう

「あ、うるさかったですよね、すみません」

「ううん、気にしないで」

とりあえずアイスを買おう。これと、これと、これと……

「たくさん……買うんですね」

「アイスは……おいしいから」

そうだ、おかしも買っておこう。ふふ、お金がたくさんあるから、おかしもいっぱい…ふふ

「お菓子も買うんですか?」

「おかしは……おいしいから」

「で、ですよね」

ふふ、ふふふ……

◇◆◇◆

—トレネシティ:公園—

誠子に誘われて、公園のベンチにやってきた

『そうだ!ちょっと話しませんか?私もついさっき初仕事を終えたんです』

とのことで、二人でベンチに座って誠子はチョコミントを、私はバニラのアイスを食べている
うん、おいしい

「私の初仕事は工場占拠者排除ってやつでした。ってことは、照さんは…」

「うん。私はアリーナ防衛だったよ」

「こっちはなんか胸糞わるい依頼でした…撃破したメカから来るな!とか助けてくれ!とか聞こえて」

「占拠するのが悪いんだから…仕方ないよ」

「ですよね…すみません。こんなこと言ってられませんよね」

そう言って自嘲気味に笑うけど、明らかに元気がない
誠子は人を守るレイヴンになるって言ってたっけ…最初の依頼がそれって結構きついかも

「大丈夫。誠子は人を守るんでしょ?占拠者がいなくなったことで、死なずに済んだ人もいるかもしれないし」

「はい…ありがとうございます」

かなり深い傷を負ったみたいだ。これはこの先が心配だなぁ……
ベテランでもない私が言うのはなんだけど

「あ、そういえば私が受けた依頼って僚機が雇えたんです。今回初めての任務だったんで、
 リップハンターって人に頼んだんです。MTだったんですが、頼りになりました…」

「味方が雇えることもあるんだ?」

「はい、ミッションによっては認められるらしいです。リップハンターさんはとてもMTとは思えないような動きで…私はACなのに撃墜

数はどっこいどっこいだったんです」

「そんな人がいるんだ…その人もレイヴンになればいいのにね」

「うう、その人がレイヴンになったら、私なんてすぐに超えられてしまいそうです…」

大丈夫大丈夫、と誠子をあやす私。しかし、リップハンターか…覚えておこう

「今日はありがとうございました!聞いてもらって助かりました。また明日も頑張れそうです!」

「うん、気をつけて帰ってね。また何か愚痴りたくなったら呼んでくれていいから…」

「て、照さん…!」

熱い握手をして誠子と別れた。がんばれ、悩める若者よ……

「……私も帰ろ」

これ以上ここにいるとせっかくのアイスが溶けてしまう。カップはまだいいけど、アイスバーには致命傷だ

「帰ってご飯たべて…寝よう」

今日はいろいろあったし、深夜からずっと起きてたし……

「あぁ……疲れた……」

帰ってアイスを冷凍庫にちゃんと保管して、倒れるようにベッドに横になったところで私は意識を手放した

投下終了です
今日はちょっと多めだったかな?
ゲイヴンなんていなかったんや!

これを機にACに触ってくれる方は、みなさんもお薦めしている2か3からだと入りやすいと思います
恐らくPS2の中古なら百円以下で買えちゃいます。ちょっと悲しいですけど

おはようございます。朝っぱらから更新です
レスはホント励みになります。アリシャス!

今回は、レイヴン試験妨害阻止です

〜二日後〜

—トレネシティ:自宅—

「……ふう」

依頼をあまり受ける気にならないので、アリーナに専念していた
順調に勝ち進んで、今はもうE-4。ゲドさんの真下だ
……意外とゲドさんのランクが低かったのに驚いたのは内緒

「変な人たちがいっぱい居たなぁ……」

アデューさんとゲドさんの間には私を除いて五人しかいないのに、個性豊かな人がたくさんいた
ライフルで熱暴走させると『あったか〜い』とか言って喜ぶ人
OBを連発しまくって自滅していく人
せっかくのフロート足なのに直立不動でマシンガンをばらまいてくる人
ちなみにフロートとは、ブースターが内蔵されていてホバー移動する脚部のことだ。ちょっと浮いてる
……本当に変な人ばっかりだなぁ

でも、その変な人たちを倒したおかげでブースターとライフル、それに頭部を換えることができた


頭 :MHD-RE-005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-10-XB
脚 :CLB-44-AKS
B :MBT-OX/002
FCS:VREX-ST-1
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:MWG-RF/220
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWM-S60-10
左肩:CRU-A10

……こんな感じだ。ブースターの出力がかなり上がったおかげで、高機動戦闘が可能になった
逆関節足はエネルギー供給力が高く、ジェネレータが出力不足気味でもなんとかなっている
いい脚部だ……

次はいよいよゲドさんか。……今の私なら、いい勝負ができるかもしれない
…ちょっと自信過剰かな

「……久しぶりに依頼を確認しよう」

と言っても二、三日しか経ってないけど

……ちょうど依頼が入ったところのようだ。メールを開いてみる
依頼主は……コーテックス?

依頼主:グローバルコーテックス
作戦領域:トレネシティ
敵勢力:武装集団
作戦目標:爆撃機の撃墜

『我がグローバルコーテックスに対し、妨害行為を繰り返している武装集団の情報を得ました。
再三の失敗により、最近ではその活動も縮小の傾向が見られた彼らですが、どこから資金を得たのか、再び武装を整え、
破壊行為を再開するつもりのようです。
情報によれば、犯人は爆撃機によるアダンシティへの侵入を図っているようです。
同地域の南では、近日中に新たなレイヴンの試験が予定されており、目的はこの試験の妨害にあると推測されます。
我々の威信にかけても、試験の妨害を許すわけにはいきません。
試験が行われている区画に侵入される前に爆撃機を撃破してください。』

なんだか懐かしい。私もこの試験を経てレイヴンになったんだ
……爆撃機はさすがに来なかったけど
……なんて言っている場合じゃない

依頼の受諾をメールで送る。新しいレイヴンの為にも、成功させなきゃ



—トレネシティ—

爆撃機を撃破するのにミサイルでは効率が悪いと思ったので、代わりに小型ロケットを積んできた
ロックオンはできないが、そのかわりに威力が高く、低速で動くものの破壊に向いているはず
……この判断が功を奏せばいいが


‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐

現地に着くと、軍用ヘリ『ターバニッド』が待ち構えていた。爆撃機の他にもこんなものまで……

<<敵の先行部隊のようです。目標排除のために撃破しておきましょう>>

「わかりました」

ヘリは大した脅威ではない。問題は……

「……っ!」

突然目の前が真っ赤になったと思ったら、私に強い衝撃が走る

「痺れた……!」

<<どうやら、プラズマ砲を装備したMTまでいるようです。レイヴン、大丈夫ですか?>>

「なんとか……」

プラズマは喰らい続けると流石に不味いかもしれない
排除するためにブレードで切ろうとするが、ホバー移動でかわされてしまう


「……フロート型か」

移動が速い上にプラズマ砲まで……これは厄介だなぁ……

ブーストダッシュでビルとの間に追い詰めていく。こうすれば自慢の機動力も使えないだろう
このままブレードで押し切ってしまう

「……ヘリが鬱陶しい」

ストーカーのごとく追いかけてくるヘリをロケットで撃ち落とす
この程度の速度なら、なんとかサイティングできるまでになった
この調子だ……!

<<情報が入りました。爆撃機は一分後に飛来する模様です>>

<<爆撃機だって!?そんなこと聞いてない!>>

それはそうだろう。試験中と思われるレイヴンの抗議が聞こえてくる

<<試験の中止は認められない。爆撃機の始末を頼む>>

今度は試験官の声。中々冷たいなぁ……

「私が、守らないと」


<<爆撃機は北の方向からこちらに向かってくるようです。待ち構えて叩きましょう>>

「了解」

ビルの上に立って素ジャンプし、OBを起動して北に一気に移動する
向こうのビルに……

「……よし、着地成功」

ビルの上で待ち伏せしつつ、ヘリをライフルで迎撃する。キリがない……!

<<爆撃機の到着まで残り二十秒です。迎撃態勢に入ってください>>

北の空に大きな影が見える。本当に爆撃機だ……相当大きい
テロ組織も本気のようだ

<<爆撃機の飛来を確認。撃破して!>>

ビルの上からロケットをおみまいする。ロケットの威力は高いはずなのに……流石に堅い

「……おらおらおらおらー」

上を向きながら気の抜けるような声でライフルとロケットを連射する
……アリーナの人達を馬鹿に出来ないかもしれない

ヘリの機関銃を浴びながらも、攻撃の手は緩めない
助けるためなら、ACなんて安いものだ

爆撃機が炎を上げ始める。もう少しで……!


<<……目標の撃墜を確認>>

爆撃機の積んでいた弾頭にライフルが命中し、空中で爆散する
町に被害が出ないでよかった……

<<こちらの試験は無事成功した。ご苦労だった>>

<<サンキュー、レイヴン助かったわ>>

新人レイヴンのお礼の通信が入ってくる
……認めよう君の力を。今この瞬間から君はレイヴンだ
……なんてね

「どういたしまして」

……さっぱりしたいい性格だ

‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐


—コーテックス:ガレージ前—

「爆撃機を破壊してくれたのはあなただと聞いたのですが……」

「……ん」

ガレージを出るとツインテールの女の子がいた。私、待ち伏せされること多くないかな……?
というか、もしかしてこの子が試験を受けていた子?
性格が随分違うようだけど……

「そうだけど……あなたは?」

「申し遅れました、私はレジーナといいます。今日のうちにお礼を言いたくて……ありがとうございました。
 あなたが爆撃機を撃墜されていなかったら、私はレイヴンになれていませんでした」

「ううん、いいの。仕事だから……」

最初に通信で受けた印象とずいぶん違う。ど、どうなってるの?

「それより、あの……」

「あ、驚きますよね?私、ACに乗っていると性格が変わってしまうらしくて。自分ではよくわからないんですが……」

車に乗ると性格が変わる人がたまにいるけど……それと同じ感じなのかな?


「なるほど……それは難儀……」

「……あの、一つ質問があるのですが……いいですか?」

「うん、どうぞ」

「私の父親を知っていませんか?髪は白で、声がとても渋くて……
 ここへ来て、レイヴンになっていたと聞いているんですが……」

「うーん……その人のレイヴンネームは?」

「わかりません……私には仕事の話を一度もしてくれませんでしたから」

むむむ……

「……ちょっと難しいかな。私も探してみるけど……」

「助けてもらったのにすみません。こんなことまで…」

「いいの。気にしないで」

親はとても大事な存在だ。……最近実感したばかりだな

「親は、大事にね」

「……はい」


レジーナに挨拶をして先に失礼する
それにしても……すごい胸だったなぁ……

投下終了
レジーナ登場です
なぜかこの方にしてもらうことになりました

ツインテですごい胸……?
はっちゃんか

ホワイトファングは隙を生じぬ二段構え!
こんばんは
>>160
はっちゃんは口調違うじゃないですかーやだー

今回はモノレール防衛です

◇◆◇◆


—ファルナ研究所—

「今日はよろしくな、シャイン」

ゲドさんが横から声をかけてくる
今回のミッションは僚機を雇えるようになっていたので、コーテックスで暇そうにしていたゲドさんにお願いしてみた
……この人が横にいるだけで自然と自信が湧いてくる。不思議だ

「よろしくお願いします」

「さて、どれほどの腕になったか見せてもらおうかな」

「あ、あんまり期待しないでください……」

今回の依頼はモノレール防衛
なんでも、ミラージュの研究施設が襲撃を受け、職員たちがモノレールで逃げようとしたが、電力供給が断たれて立ち往生しているらしい。
原因は不明だそうだが……おおかた研究を阻止しようとした他企業の仕業だろう
企業同士のいざこざはほぼ毎日だ。仲良くなれないのか君たち……


頭 :MHD-RE-005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :MLM-MM/ORDER
B :MBT-OX/002
FCS:VREX-ST-1
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:CWG-MG-500
左腕:MLB-LS/003
右肩:CWR-S50
左肩:CRU-A10

今回は狭い場所での戦闘になると予想して、ロケットを積んできている
それに、なるべく早く敵を倒すためにマシンガンを持ってきた
初めてのマシンガンになる。……どんなものだろうか
それに腕部や脚部、ブレードも換えてみた。後弄っていないのはラジエータとFCS、コアぐらいのものか
ラジエータはこのミッションが終わってから換えてもいいが、FCSやコアは高くてまだ手が出ていない


「大分、機体がたくましくなったな。もう新人と呼ぶのは失礼かな?」

「いえ、私なんてまだまだ……」

「ふ、そう謙遜するな。噂は聞いているんだ。最近レイヴンになった奴の中に、かなりの逸材がいるとな」

「うぅ……」

……褒められ慣れてないからすごい照れる

「な、なにか言い返してくれ!これじゃあ私が虐めているみたいじゃないか……」

「……ふふ」

「な、なんだ、今度は急に笑い出して……」

「いえ、別に……ふふ」

……意外にお茶目な人だ


<<レイヴン、お喋りはそのぐらいで。ミラージュの研究員から通信です>>

<<レイヴン、敵部隊がこっちへ向かったという連絡があった。こちらはまだ動けない。護衛を頼む>>

「ふ、お出ましだな。南側は私に任せろ。安心して、背中を預けてくれて構わない」

「……では、遠慮なく」

「そのかわり、私の背中も頼んだぞ?」

「……任せてください」

ちょっと格好つけてみる。……フフ

<<移動反応多数!接近中です!>>

タカミさんの声と一緒に、レーダーに前方、後方から多数の反応が現れる
私は北、ゲドさんは南を向いて横一列に並ぶ

「…じゃ、行こうか」

ゲドさんのその声で、同時に飛び出すようにブーストダッシュを始める
モノレールには指一本触れさせない……!

‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐


敵は……MT部隊だ。あれはスクータム、だったかな?
バズーカと……大きな盾を持っているようだ

マシンガンを出会い頭にばらまいてやる。……くそ、なかなか堅い
接近して、ブレードで持っている盾ごとMTを両断する

「次」

横でバズーカを構えようとするMTに体当たりをかます
そのままブーストダッシュして壁に押しつけ、肩のロケットで頭部を破壊、胴体部分にブレードを突き立てる

「ラスト」

遅れてきた一機は回り込み、背後からマシンガンで蜂の巣にする
盾は前方しか守れない。後ろは隙だらけだ

「なかなかやるな。そうでなくては」

「……そちらこそ」

レーダーを確認すると、南方の反応はすでに消えていた。……流石の手際だ


<<敵、第二派接近>>

レーダーに反応が再び現れる。気を抜くな、私

暗闇の中からブーストダッシュでMT達がこちらに向かってくる
飛んでくるバズーカをサイドステップで避け、マシンガンを浴びせつつ、接近する
小さくジャンプし、MTに飛びつきブレードを突き刺す

次のMTにロケットを射出するが、盾に防がれてしまう

「至近距離からじゃないと意味がないな……ロケットなのに」

しょうがない。横からブレードで薙ぎ、両断する

最後の一機は足をロケットで狙い、態勢を崩させる。こけたところに胴体部分にマシンガンで沈黙させる
一丁、いや二丁あがり?

ゲドさんも相変わらず手際がいい。目立つダメージもないまま第二派を乗りきっている


<<第三派、来ます!>>

恐らくこれが最後だろう。反応は……よし、北南に一機ずつだ。敵も息切れかな……

MTにわざと接近させ、相手がバズーカを構えたところで銃身をブレードで切り落とす
そのままマシンガンとロケットをバックしながら浴びせ、MTは鉄くずになった

<<電力が回復した!全速でこの領域を離脱する!>>

モノレールが動き始める。よし、あとは……

「影」

影が見えたと思った次の瞬間、私は飛びかかってきたMTに振り向きざまにブレードを突き立てていた
MTを挟んで反対側には、ゲドさんが今にも着地しようとしていた

「すまんな、一機取り逃がしてしまった。助けられたよ」

「いえ、数も多かったですし」

「しかし……私の想像以上だな、その動き」

「え、そうですか?」

「うむ。……」

「……どうしたんですか?」

「シャイン、君はアリーナランクが私の真下だったな?」

「はい、そうですが……」

「……よし。この後時間はあるか?君と戦ってみたくなった」

「それって……」


「最近の挑戦者はあまり骨がなくてな。本当に久しぶりなんだ。私を超えられる見込みのあるレイヴンは……」

しみじみ言うゲドさん
……おかしい。私より見た目が若そうなのに

「そんなに昔から……アリーナに?」

「今のランキング上位にいるレイヴンは、ほとんど私とやり合って一度挫折しているよ。
 例外といえば、BBとエースぐらいだな。彼女らは、他のレイヴンとは格が違った」

「……そんなに強かったんですか?」

「ああ。恥ずかしながら惨敗だったよ。新人のころから他人と一線を画していた。
 そう、君と同じような……」

「……え?」

最後の方がうまく聞き取れなかった

「いや、なんでもない。とにかく、戦ってみればわかることだ。受けてくれるか?」

「はい。……是非」

「はは、是非ときたか」

<<護衛目標の離脱を確認。作戦成功です。……レイヴン?>>

いよいよゲドさんに挑む時が来た。
……今の私がどこまで戦えるのかわからないが、出せる力をぶつけるだけだ

‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐


◇◆◇◆

—コーテックス:ガレージ—


ミッションから帰ってきて、この後アリーナに挑むことをおじちゃんに伝える
ついでに、機体をまた少しいじりたい

「嬢ちゃんも忙しいな!で、どうしたい?」

ついさっき帰ってきてメンテナンスがまだあるっていうのに……つくづくいい人だ

「えっと、FCSとラジエータ、それからマシンガンをライフルに換えて欲しいんです」

「今着けてるのは売却ってことでいいんだな?」

「はい、お願いします」

「よし。で、どれにする?」

ふむ、AC戦だと……ターゲットサイトが広い方が便利になるのかな
ラジエータは今着けてるものより性能が高ければいいし……
マシンガンはライフルと同じ値段だから問題はないよね

「FCSはこのAOX-X/WS-3、ラジエータはRMR-SA44、ライフルはMWG-RF/220でお願いします」

……あ、そうだ

「すみません、肩のロケットを持ってるミサイルに変えておいてください」

「ん、ミサイルもだな……OK、発注しておくぜ。二時間もあれば、恐らく整えられるだろう。それまで時間を潰しておいてくれ」

「……忙しいっていうのに、すみません」

「いいってことよ。べっぴんさんにお願いされて、断るわけにはいかねぇしな!」

「ま、またそういうことを……」

「ははは!」

笑いながらばんばん肩を叩かれる
これって、おじちゃんなりの照れ隠しなのかもしれない
……ふふ


—コーテックス:ガレージ前—


「……お、来たか。遅かったな」

「ゲドさん……すみません」

おじちゃんにいろいろ頼んだ後ガレージを出ると、ゲドさんが例のごとく腕を組んで立っていた
……私、人に待ってもらってばかりだな

「おいおい、謝らないでくれ。私が好きで待ってたんだ」

「そう……ですか」

気に入られてるのかな

「立ち話も何だ。カフェにでも行くとしよう」

「はい」

ゲドさんの提案に頷いて、並んで歩いていく

道中。

「今日は急にすまんな。機体の準備にはどれぐらいかかりそうなんだ?」

「えーっと、大体二時間程度で終わるそうです」

「そうか。……ちょうどいい、カフェでその時間を潰すとするか。それとも、私との会話じゃそちらも退屈かな?」

「いえいえそんな、とんでもないです」

……ちょっと意地悪だ


—コーテックス:カフェ—


「……あ、レイヴン。お疲れさまです。……そちらは?」

ゲドさんとコーテックスのカフェに来ると、タカミさんがお茶を飲んで休憩していた

「うむ。私はレイヴンのゲドという。アリーナランクはE-3、ACはゲルニカだ。……君は?」

「えっと……私はタカミといいます。そちらの……し、シャインのオペレータをやっています」

タカミさんが若干おどおどしている。それになんで私の名前を呼ぶときに照れてるんだろう
……そういえばタカミさんに名前で呼んでもらうのはこれが初めてかもしれない

「ははは、そう堅くなるな。相席してもよろしいかな?」

「はい、どうぞ」

手で促されて、私とゲドさんは座らせてもらった
壁側のイスにタカミさんと私、対面にゲドさんが腰掛ける

「とりあえず何か頼もうか」

そう言ってメニューを見始めるゲドさん
私は……アイスティーでいいかな


「私は朝から何も食ってなくてな……オムライスでも食べるか」

「私は……アイスティーで」

「何か食べないのか?これぐらいは奢るぞ?」

「じゃあ……サンドイッチセットを」

ご厚意に甘えさせてもらおう
ゲドさんがウェイターを呼び、注文を取りつける
……待つこと五分ほどで、私のサンドイッチセットが運ばれてくる
この場所で食事を頼んだことはなかったが、うん。中々美味しそうだ

「……私に遠慮するな。せっかくのコーンスープが冷めてしまうしな」

「じゃあ……いただきます」

顔を窺っていたのがばれてしまった
……でも、私って猫舌なんだよね……

「!…美味しい」

「それは良かった」

なぜか得意げになるゲドさん
しかしこのサンドイッチ、できる。
ふわふわでほんのり温かいパンに、冷えたハムとレタスがマッチして……うん、おいしい。
ふーふー冷ましながらコーンスープもいただこうとするが……

「熱っ」

熱かった。やっぱりわたしに出来たては無理みたい


「……ようやく来たか」

私がコーンスープに苦戦している間に、オムライスが運ばれてきた
……なんかゲドさんの目が輝いているような……

「いただきます」

手を合わせてから、ケチャップが程よくかかっている真ん中あたりをスプーンで崩し、口に頬張るゲドさん
幸せそうだ。思わず顔がほころぶ

「うん、やっぱりおいしいな……ってなんだその顔は。二人揃って」

横を見ると、タカミさんもなぜか幸せそうにゲドさんに視線を送っている
……気持ちがわかるぞタカミさん

「いえ、別に。気にしないでください」

「……わかってるよどうせお前たちは『オムライスだってー子供っぽーい』とか思っているんだろう?悪いか!?」

全く……とか言いながらも、手を休めたりはしないゲドさん

「全然そんなことは。私もたまに食べたくなりますし」

ね?とタカミさんにふってみると「はい」と笑顔で答えてくれた
……ゲドさんは見た目が幼いためか、本当に子供が嬉々としてオムライスを頬張っているようにしか見えない
多分私もタカミさんも、はしゃぐ我が子を見つめる母親の如く微笑ましく思っているんだろう


「……ごちそうさまでした」

「ごちそうさま」

私がコーンスープを飲み終わったころに、ゲドさんもオムライスを完食する
私たちの視線に居心地が悪くなったのか、駆け足で食べていた
……こんなところまでちょっと子供っぽい

「ふー……しかし、本当に操縦がうまくなっていたな。驚いたぞ」

ゲドさんが唐突に話し始める
私はよくわからないんだけど……みんなこんなものじゃないの?

「……そうですか?」

「ああ。以前アリーナ防衛の時から、新人にしてはいい動きをすると思っていたが……もう別人だな」

「そんなにですか?」

「そうは思わないか?そっちの……タカミさんだったか」

若干うつむいてお茶を飲んでいるタカミさんに話をふるゲドさん

「ええ……私も、他のレイヴンとは成長する速度が段違いだと思います」

「やはりそうか。これは将来が楽しみだな。もしかすると、とてつもない大物になるかもしれん」

うんうん頷きながらそう言ってくる
そんなに凄いのか私。……照れる



「……ん、そろそろいい時間だな」

時計を見ると、ガレージを出てからもう二時間半も経っていた
そんなに話しこんだ感覚はないのに……

「レイヴン、あなたはこれからアリーナでしたよね?」

「はい、行ってきます」

「……ご武運を」

「ありがとうございます。では」

「よし、行こうか。腹もふくれたことだしな」


タカミさんと別れ、ガレージに向かう。いよいよゲドさんとの対決だ
どこまで自分の力が通用するか……

今回はここまで
次回はいよいよVSゲド戦です!

明日って、今さ!
始めます〜



◇◆◇◆

—トレネシティ:自宅—

「……どうぞ」

「お、待ってました!」

「ふ、まあそう焦んなさんな」

「本当に真緑色ですね……」

「では、私は茶菓子の用意をしよう」

……どうしてこうなった
今私の家にはタカミさん、誠子ことアップルボーイ、ゲドさん、レジーナ、そして菫ことリップハンターが居る

「すぐ冷めちゃうので、早めにいただきましょう」

「おおお、すごい泡立ってる!」

「しかし抹茶か。私も口にするのは初めてだが、期待できそうだな」

「いい香りです……」

「よし、全員に行き渡ったな。……照?どうした?」

……どうしてこうなった


ことは一時間ほど前に遡る

ACが使えなくなったということで、以前にタカミさんと約束していたお茶会をしようと提案した
アップルボーイにそのことをメールで自慢してみたら、私も行きたいと言いだしたので当日に迎えに行った
そうしたらショッピングしていたレジーナとばったり、何をしているんですか?と聞かれたからお茶会をすると言うと、
『お茶会……アリですね』だそうだ。三人で私の家に向かっていると、帰る途中で買い物帰りのリップハンター、菫と会った
何の集まりだ、と聞かれたのでお茶会のことを話したら『ふむ、おもしろそうだな。私も混ぜろ』だそうだ。
ゲドさんは知らないうちに私の家にいた

(……)

「おお、予想以上に甘い!」

「……ほう、これはなかなか」

「程ほどの甘さ。和菓子のやさしい味とよく合いますね」

「……!結構な腕前」

「いえ、そんな……」

本当はタカミさんと二人でゆっくりしようと思っていたんだけど、騒がしいのもいいかもしれない
……こうやって人と集まってわいわいするのは何年ぶりだろう

(私も飲もう)

みんなが口ぐちに称賛の声をあげる
……そんなにおいしいのか
どれ、私も一口……

「……甘い」

想像以上に甘かった。ただ甘いだけじゃなくて……こう、複雑な甘さだ
なるほど、確かにおいしい


「これ、おいしいです」

「……気に入ってもらえて、よかったです」

微笑むタカミさん。みんなの疲れがとれるといいなぁ……

「あ、そっちの煎餅取ってください」

「ふ、見せてあげよう。王者の配付を!」

「王者の……?」

「あ、いや……」

「……お茶会なのに君たちはやたらと騒がしいな」

「ふふふ……」

……うん。なんだかんだでみんなを誘えてよかった
こんな世界だから、こういう時間は大切にしていきたい

お茶やお菓子を頬張っている友人たちの笑顔は、とても輝いて見えた



◇◆◇◆

……

「折角だし、なんかしましょうよ!」

「なんかって……何かできるものはあるのか?」

「トランプとか、花札とか……あと私が昔つくったすごろくがあるよ」

「手作りのすごろくですか……アリですね」

「ふむ、おもしろそうだな。サイコロはあるかな?」

「……多分、そこの棚の中」

「……あ、ありましたよ」

……

「オイ!なんで服を脱ぐなんてコマがあるんだ!?お前何つくってんだ!」

「止まった菫が悪い……」

「女の人しかいませんから大丈夫ですよ」

「ふふ、すごろくの目はー?」

「ぜったーい!、です」

「…クソッ!わかったよ!脱げばいいんだろ!?」

「……先、ふりますよ?」

……


……

「…四、五。……止まった時点で自分と一番近いコマの人とポッキーゲーム……?」

「……なんでこのすごろくはセクハラ臭いんだ?」

「…菫のレイヴンネームの方がよっぽどセクハラ」

「今は関係ないだろ!?」

「一番近いのは……ゲドさんですね」

「ふふん、私はいつでもいいぞ?」

「ひゅーひゅー」

……

「…三、四と……止まった人は実際に右に座っている人のほっぺにちゅー?」

「……なんか、ワンパターンだぞ。このすごろく」

「…菫のリアクションのほうがワンパターン」

「お、ま、え……!」

「ふむ、右は私ですね。ではどうぞ」

「じゃあ失礼して……」

「ついでに口にもいっちゃえよー」

「そ、それは……!」

……


……

「見せてあげよう。王者の賽ふりを!」

「す、すごい!きれいに回転している!」

「……これ、何か意味はあるんですか?」

「かっこいいだろう?」

「出目は……三だな」

「よし。一、二、三、と……え」

「どうしました?……あ」

「一回休みですね」

「……そのコマは作ってるんだな」

「王道は大事……」

……

「一、二。……あ、今日の当たり目だ」

「おい、何だそれは」

「……これを食べることができます」

「す、するめ……」

「おいしそうだな、私にもくれ」

「どうぞ……」

「お、すまないな。……うむ、やはり足の方が味が染みていてうまい」

「あ、それわかります」

「次は私ですね」

……

「出目は……五ですか。ゴールまであと一つ足りませんでした」

「……あ」

「どうした?」

「…コマの内容はなんですか?」

「えーと、『財布を落としていたようだ。最初のコマから一つ進んだ場所に戻る』……」

「ご愁傷様、だな」

「……これ、私服脱いでもいいんで取り消しに出来ませんか?」

「……お前、意外に負けず嫌いなんだな」

……


……

「おい!お前神経衰弱強すぎるだろ!一人で全部取るつもりか?」

「……?菫は見えないの?」

「照さんには何が見えているんだ……!」

「ふむ、まさかこれが強さの秘密か……?」

「……それは、関係ないと思います」

「見えるとか見えないとか、そんなオカルトありえません」

……

「むむむ……これだ!」

「……はずれ」

「あーもう!照さん無表情だから強いっすよー」

「トランプ関係強すぎだなお前……」

「……胸が大きいと、いい下着が中々見つからないですよね」

「ええ、本当に……私ぐらいになると、オーダーメイドしないとサイズがなくて……
 こんなもの大きくてもいい事ないんですけど……」

「……ぐぬぬ」

……

「8切り、階段革命」

「……革命返し」

「やだ……なにこれ……」

「……むむ、このゲーム難しいですね」

「そうか?こんなもの慣れてしまえば簡単だぞ?ローカルルールを全部混ぜるととても複雑になるが」

「……あ。これであがり、です」

「タカミさんつよっ!」

……



楽しかった。久々にこうして人と集まってわいわいすることができた
お茶会からすごろく、トランプ、ジェンガとか懐かしい遊びをやった
……はしゃいだなぁ

気付くと結構いい時間になっていたので、タカミさん以外はそれぞれ自分の家に帰って行った
みんな満足してくれたみたいで何よりだ

「……今日は、楽しかったですね」

「……はい。こんなに笑ったのは、いつ以来でしょうか……」

タカミさんとふたりで麦茶を飲みながら、しみじみ語る

ひとしきり騒いだあと、それぞれ自己紹介をしてまわった
……順番がかなりおかしいけど、レイヴンネームではなく本名を教えあった
レジーナは原村和、ゲドさんは小走やえ、そしてタカミさんは……

「……本名もタカミだったんですね」

「……はい。漢字が難しいのもありますけど、カタカナにしておくと偽名に見えるでしょう?」

タカミさんは本名も尭深というらしい。渋谷尭深でフルネームだ
……確かに読めない


「……レイヴン。あなたの名前も、はじめて知りました」

そういえば、教えてなかったっけ……

「……そのレイヴンって呼び方、変えません?コーテックスの中でならいいんですが、オフでもそう呼ばれるとちょっ
 と……」

「では……なんと?」

どうしようかな……

「……本名でも、レイヴンネームでも」

「……ではレイヴンネームでお呼びしますね。本名はまだ少し……恥ずかしいです」

「……試しに呼んでみてください」

「ええっと……シャ、シャイン?」

ちょっと首を傾げる尭深さん
……フフフ

「……ふふ、なんですか。尭深さん」

「あ、うう……」

同じ読みなのに、なぜかいつもと違って聞こえるから不思議だ


「と、とにかく、今日はありがとうございました。まさかあんなに大人数になるとは思っていませんでしたが……。
 ここにお邪魔した時は、びっくりしました」

「それは……その、なりゆきで……」

「どういう経緯があったんですか……」

「……私がお茶会をすると自慢したら、一人釣れて、あとは入れ食いです」

「なんですかそれ。……ふふ」

呆れ顔になりながらも、その表情は柔らかい
……やれてよかったなぁ、お茶会

レイヴンという仕事上、どうしても暗い話題ばかりで気持ちが沈んでしまいがちだ
そんな時はまたみんなでこうして集まれたら……いいな

タカミさんも帰って、私はお風呂に入ることにした
湯船につかって、今日の出来事を思い出す
焦ったり呆れたり、忙しい菫。常に元気で笑顔の誠子。意外と負けず嫌いで、新しい発見がたくさんあった和
なぜか得意げな表情を崩さないやえさん。そういえば誠子にすごい慕われてたなぁ……
……最後におどおどしながらも、なんとかみんなの中に入って楽しんでいた尭深さん

「今日は、よかった」

……また、みんなで集まりたいなぁ


お茶会をお送りしました!
次回は、侵入者挟撃を予定しています


この短時間でやってのけるとは流石だな、レイヴン

こんばんは
>>212
レスありがとうございます!
0時回ったから明日だよっていうのをやってみたかったんです

今回は、侵入者挟撃です


◇◆◇◆


ゲドさんに挑んでから三日ほど経った。
コーテックスから、私のACが直ったという連絡が送られてきた
……よし、リハビリがてらに依頼を受けてみよう
別にどこか悪くなったわけではないけど、三日もACに触っていないと感覚を忘れてそうだ

PCを操作して依頼を確認する
何か簡単な依頼は……ん、これにしよう


依頼主:キサラギ
作戦領域:立体駐車場
敵勢力:新型MT その他
作戦目標:MT集団の全滅

『現在、我が社の兵器開発部に対し、何者かがハッキングを仕掛けている。
独自に調査を続け、犯人グループの割り出しには成功したが身柄を抑える前に、気付かれてしまった。
犯人たちはMTを使って逃走、現在立体駐車場のD-1ブロックに潜んでいる。
今度こそ、確実に捕らえたい。そこで、君達レイヴンの出番だ。
なお今回は、複数のレイヴンに仕事を依頼する。情報の破壊と漏出を防ぐため、一刻も早く始末してくれ。
状況が状況だ。手早く済ませた分は、報酬に反映させることを約束する。』


うん、これなら大丈夫そうだ。私一人というわけでもないようだし、敵の数も少ないだろう
コーテックスに依頼の受諾を知らせるメールを送る

ふむ、今回は駐車場か。……前から使ってみたかった四脚をデビューさせよう


頭 :MHD-RE/005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :MLF-RE/005
B :MBT-OX/002
FCS:AOX-X/WS-3
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:MWG-RF/220
左腕:MLB-LS/003
右肩:MWC-XP/80
左肩:CRU-A10


……よし、こんなものだろう
折角の四脚なんだから、構え武器を使ってみようという企みだ
パルスキャノンが意外に高かったので、ラジエータのグレードを下げざるを得なかった
エネルギー供給が低い四脚にエネルギー兵器のパルスキャノンはミスマッチだけど、今回のミッションは駐車場だ。
移動でエネルギーを使う機会はそんなにないだろう。……ないよね?

休み明けの初めてのミッション。これまでと同じように動ければいいけど……


—第一都市区:立体駐車場—


<<こちらはトラファルガー。今日はよろしくね>>

「……こちらこそ、よろしく」

同じミッションに挑むトラファルガーさんから通信が入る
今回は私が8階、トラファルガーさんが1階から侵入しMTを挟み打ちにする計画だ

初めての四脚。ガレージで出来上がったのを見て思わず「うわっ」と言ってしまった
タンクだとそんなに違和感もないし不快でもないけど、足が四本生えるのは……ちょっと……

それに、おじちゃんから聞いたが四脚やタンクはその構成上、腕を横に触れないらしい
つまり、ブレードで薙ぐことはできず、パンチするモーションになってしまうそうだ
そのかわりエネルギーが一点に集中して、かなりのダメージが出るそうだ
……ちょっと試してみたい

<<こちらは準備完了。いつでも行けるよ>>

「……私も同じく」

<<了解。ではレイヴン、始めてください>>

そういえば奪われたMTは新型機らしい。油断せずに行こう

‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐


待機している9階から、8階に続く通路を下っていく
四脚はホバー移動ではなく、しっかりと四本の足で歩くため、相当不気味だ
……でもどこかロマンを感じてしまう

8階のゲートを開く。レーダーに敵の反応が表示され、私は早速肩のパルスキャノンを構える
……駐車場内には、いつかの採掘場で見かけたメカが地面を這っている
それに、天井にも貼りついているメカが……

<<各フロアの扉は、ロックされているようです。こちらからでは解除できません>>

<<どうやら天井にいるメカがゲートをロックしているらしいね……破壊していくしかないかな>>

「……そうとわかれば」

四脚を走らせ、まずは地面を這っているメカをブレードで一突き。
すると徐々に黒煙をあげながら壊れていくのではなく瞬時に爆発、メカは文字通り爆散した
……確かに恐ろしい威力だ

今度は天井にいるメカをパルスキャノンで始末しようとするが……

「……固定砲台じゃないんだ」

地面を這っているメカよろしく、天井のメカも天井を這う。しかも結構速い

「煩わし……」

時々なぜか止まってくれるので、その隙を狙ってパルスを当ててやる
……これでこの階は全滅だね

<<五機撃破!……いけるかな?>>

私が8階を掃討すると同時に、トラファルガーさんの通信。
この調子ならいいタイミングで挟み撃ちにできそうだ


7階も敵のバリエーションは代わり映えしない。同じ調子で殲滅していく
すると、駐車場に張り巡らされているパイプらしきものに敵弾がヒットする
……電気が急に消えてしまった

<<照明用の電源パイプです。…破壊しないように気をつけて>>

……壊したのは私じゃないけど、黙っておこう

<<敵機を撃破!>>

トラファルガーさんも調子がいいようだ。私も6階へ向かおう

「……うわ、いっぱいいる」

地上メカがいなくなったかわりに、天井のメカが二倍ぐらいに増えている
鬱陶しいことこの上ない

「……連続で喰らうと、馬鹿にできない」

数も多いし、囲まれてしまうと厄介だ
パルスの一撃で倒せるからいいものの、貧弱な装備では苦戦していたかもしれない

「……ん?」

この階の奥に、何か落ちている。……なんだろう?近づいて確認してみる

‐AC用パーツを入手しました‐

「……タカミさん、何か拾ったんですが……」

<<…もらっておきましょう。落ちていたんですから、拾った人のものです>>

……それでいいのか
駐車場にAC用パーツがあるのもよくわからないけど、まぁここにあっても不自然だよね、うん
もらっておこう……


<<トラファルガーも4階を制圧したようです。…我々も向かいましょう>>

「了解」

……5階で挟み撃ち成功だな
通路を進み、5階に続くゲートを開ける

<<待たせたね>>

ちょうど同じタイミングで、トラファルガーさんも入ってくる
……かっこいい機体だ。左手にも銃を持っている
左手に持てる銃なんかもあるんだ……

<<敵のMTの反応があります。掃討してください>>

<<「了解」>>

私とトラファルガーさんの声が被る。こういうシチュエーションって燃えるなぁ

「……?MTが見当たらない?」


<<これは……どうやらステルスを搭載したMTのようです。ロックオンはできません。レーダーを頼りに撃破してください>>

ステルス……これが新型MTの機能……
これは面倒だ

<<私の装備はショットガンに拡散投擲銃だから、流れ弾に注意してね>>

「わかりました。……左側は任せてください」

ロックオンはできないが、目視しようと目を凝らせば見えないこともないし、レーダーもある
確かに透明になってはいるが、若干の違和感は消せないみたい。空間が歪んでいる場所に向かってブレードを突き立てる
いちげきひっさつ!MTは死ぬ。

<<あ>>

ガタン!と音をたてて、駐車場の照明が落ちる

<<…ごめんね、あたっちゃった>>

「……いえ、大丈夫です」

目で判断はできなくなったけど、レーダーでは確認できる。角に追い詰め、コクピットにブレードを一突き。
次のMTを倒そうとレーダーを確認すると、すでにMTの反応は無くなっていた。いつのまに……

<<目標の全滅を確認。…お疲れ様でした>>

<<噂には聞いていたけど……なかなかいい腕だね。憶えておくよ>>

……私の知らないところで私が有名になってる……

‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐


—コーテックス:ガレージ—


「お嬢ちゃんが、今回拾ってきたパーツのデータができたぜ」

「……どうでした?」

「……まぁ、見てみなよ」

「どれどれ……」

今回のミッションで拾ったパーツの詳細がよくわからなかったので、おじちゃんに調べてもらえるよう頼んでおいた
解析されたパーツのデータを見てみるけど……なにこれ

名称は『RIX-CR5000』
クレスト社製のラジエータのようだ
パーツの説明には高性能だが極端に重い実験型、と書いてある
……確かに恐ろしい冷却性能だけど、重すぎる
単位はよくわからないけど、初期機体のラジエータの重量が125で、このラジエータは775。実に六倍以上だ
それに、今回はキサラギ社からの依頼だった。
ハッキングをしていた犯人の後ろで、クレストが手を引いていたのかもしれない
……それはともかく

「……これ、いらないです」

「やっぱりそうか?」

ちょっと笑いながらいらないよなぁ、と言うおじちゃん
最高級のタンクを愛用しているんならともかく、これはちょっと重すぎる
売却して、臨時収入ということにしておこう


—コーテックス:カフェ—


「お疲れ様でした、レイヴン」

「……尭深さん?」

「う……し、シャイン」

「よくできました」

「……いじわる、です」

「……ふふ」

まだコーテックスだけど、もう仕事は終わったので名前で呼んでもらう
と言っても、レイヴンネームだけど……

「ごほん。それで、今回は三日ぶりの仕事でしたが、どうでしたか?」

「……もう身体が覚えているのか、特にミスもなくいつも通り動けました」

……流石に一ヶ月経つとどうなるかわからないけど、
基本的な動きはちゃんと覚えてくれていた。ありがとう私の身体

「…それはなによりです。今日はもう依頼は入っていません。ゆっくり身体を休めてください」

「わかりました。それでは……」

「……し、シャイン。おつかれさまでした」

「尭深さんも、おつかれさまでした」

……ふふふ、フフフフ。


—トレネシティ:自宅—


帰宅すると、メールの着信を知らせるランプが点滅している。誰だろう?

差出人:トラファルガー

『いい動きだったよ。ゲドの言っていた通りだった。今後もその調子でがんばってね』

ゲドさんは何者なんだ、一体

トラファルガーさんにお礼と、ゲドさんについて教えてもらえるように返信してみる。
ゲドさんは何者なんですか……っと、送信


ピピピ

「!」

随分早い返信だ。私が返信を送ってから五分と経ってないんじゃないかな?
……PCの前で待機してたのかな


差出人:トラファルガー

『ゲドには、私がまだ新人だったときにお世話になったよ。私にとっては先生みたいなものかな』

……本当に何者なんだ、一体

今回はここまで
天井のメカは実際プレイしていてもかなり鬱陶しいです
次回は、ミッション回を予定しています
…名前が横についていた方が読みやすいですかね?

こんばんは!
風呂場はないですごめんなさい

今回は、アリーナミルキーウェイ戦です。Dランクのみなさんごめんなさい


◇◆◇◆

—トレネシティ:自宅—


「……借金した」

前回の依頼の報酬から、修理費と弾薬費を除くだけで赤字、さらにレジーナを雇ったのが自腹だから……
前回のミッションの腕部と脚部を売却して、それより安いパーツを買って……
なんとか黒字にはなる、けど……

「お金が……ない」

そうしても、私の手持ちにはほとんどお金が残らない
……生活もきつくなるかもしれない
こうなったら

「……アリーナに行こう」

これしかない。今の私が赤字を作らずにお金を稼ぐには、アリーナしかない
依頼だと、今回のように赤字になる可能性もあるから……
ある程度余裕ができたら受けるようにしよう

「そうと決まれば」

早速コーテックスに行こう。金欠は早く解決しないと……死活問題だ


◇◆◇◆

〜数日後〜

—トレネシティ:自宅—


「……貯まった」

一心不乱にアリーナに挑戦し続けた結果、知らないうちにCランクにまで上がってしまっていた
Dランクの人達は……必死だったからかあまり憶えていない
機体は癖のある人ばかりだったけど……強烈なキャラはみんなEランクに集まっているみたい
むしろEランクがおかしかったのかな?

(……こうなったら)

行ける所まで行ってみよう。連日アリーナに籠もりっぱなしで疲れもあるけど、突っ走ってみたい

「その前に……」

次の相手を確認しておこう
今の私のランクはC-11だから……
PCを起動させて、アリーナ情報を呼びだす
えーっと……ミルキーウェイさん、か



ミルキーウェイ:ネージュ

『純白にペイントされた機体が特徴。
 女性のであるためか周囲からアイドル扱いされることも少なくないが、その実力は確か。
 観客の声援だけが生き甲斐だと語り、誰もが引きつけられるほどの美貌の持ち主だが、
 その過去を知る者は誰もいない。そして彼女の本当の年齢を知る者もいない。』


……アイドル?
私が会ってきたレイヴンはほとんど女性だった気もするけど……普段は正体を隠してるものなのかな?
あと、年齢って……

ついでに、私のも更新されてるか見てみよう

シャイン:アマテラス

『数々の実践をこなし、ようやく一人前のレイヴンとしての活躍を見せ始めた。
 全ランクを通じて最も曲者ぞろいと言われる、ここCランクのアリーナで、
 どれほどの力を見せることが出来るか。ここを乗り越えることがこそが、
 真の実力者としての資格を持つ証だといえる。』


言われてみれば、Cランクは曲者が多いかもしれない
もう四人Cランクを突破したけど……
火炎放射にナパームロケットで機体を燃やそうとしてくる人
パイルバンカーで執拗に殴ってくる人
武器腕のバズーカを所構わず乱射しまくる人
全身グレネードでレイヴンの恋人がいた人
……最後の人はちょっと違うけど

「……よし」

PCを閉じて、出かける支度をする
今日も今日とてアリーナに挑む
今回の相手はアイドル(仮)さん……どんな人だろう?


—コーテックス:ガレージ—


「お、嬢ちゃん、今日もアリーナかい?」

「はい。……それで、アセンをちょっと換えてみたくて」

「OK!で、どうするんだい?」

「……作ってきました」

そう言って、私は持ってきた紙をおじちゃんに見せる
今日はアセン内容を書いてきた


頭 :CHD-07-VEN
胴 :CCM-01-NER
腕 :MAL-303S
脚 :CLL-01-FKST
B :MBT-NI/MARE
FCS:AOX-WS-3
ジェネレータ:CGP-ROZ
ラジエータ:RMR-SA44
右腕:CWG-HG-80
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWM-GM14-1
左肩:MWM-MM16/1


……こんな感じだ

「ほう、今回はミサイル主体なんだな」

「……いろんな武装を使ってみたくて」

ミサイル主体のアセンは今まで使ったことがない
なんとか積載量と相談して武装を乗せることができたけど……これで果たしてうまく戦えるのかな?

「んー、これだと少し整備に時間がかかるな。待合室で待っていてくれるか?」

「はい。ありがとうございます」

「こっちが終わったら、声を掛けるからよ」

「……じゃあ、また後で」

「おう!」

どう立ち回るのがいいのかな……
待合室でシミュレーションしておこうかな


—コーテックス:待合室—


私がミサイル機体でどう立ち回るかを考えていた時、待合室のドアが開いた
……見たことない人だ。それに、凄い格好……まさか

「あの……」

「ん?何かな?☆」

語尾に何か見えた気がする

「もしかして……ミルキーウェイさん?」

「そうだよー?♪……あ、アナタが今日のお相手さんかな?☆」

「あ、ハイ……シャインと言います」

「おおー!じゃ、私も自己紹介しないとね♪アナタの言った通り、私の名前はミルキーウェイです☆
 今日はよろしくね☆」

……おおぅ
凄い人が出てきた……
今まで見てきたどんな人より強烈なキャラだ
というか、本当にレイヴンなのだろうか……
……ふむ、確かにすばらしい美貌を持っている。それに、私にはかなり若く見えるけど……

「……噂通り、お綺麗ですね」

「あ、やーだもうそんなこと言っちゃって☆調子に乗っちゃうゾ♪☆」

……どうしよう。おじちゃん助けて……

◇◆◇◆

—コーテックス:アリーナ—


向こうにミルキーウェイさんのAC、ネージュが待機しているのが見える
……あの後、ミルキーウェイさんが話を振ってくるたびに苦笑いを繰り返していたら
おじちゃんが救いの手を差し伸べてくれた。おじちゃんがちょっと興奮してて怖かった……

<<さぁー!本気でいっちゃうゾ☆>>

「よ、よろしくお願いします」

今回の試合は、ミルキーウェイさんが戦うということで実況解説の人がついてなんと中継されているらしい
……テレビに映っていると思うとなんだか緊張してしまう

<<……そんなに緊張しなくても大丈夫だゾ☆映るのはACだけだからね♪>>

「……はい。ありがとうございます」

私の気持ちを察してくれたのか、ミルキーウェイさんが気遣ってくれる
……鋭い人だ

AC内のパネルで3……2……1……とカウントダウンが始まる

<<じゃあ、行っくよ〜☆>>

「……行きます……!」

GO!の表示とともに、開始のブザーが鳴り響く
それと同時にネージュが飛び出すように動きだした
さぁ……勝負だ……!


※ここからテレビで見ている人の視点になります


実況「さぁ!今回も始まりました、グローバルコーテックスのアリーナ!みなさんお久しぶりです」

実況「今回は久々にミルキーウェイが試合をするということで、テレビ中継をすることになりました」

実況「その気になるお相手は!最近メキメキと力をつけ、無敗のままここまで登ってきた期待の新人!シャインです!」

実況「実況解説は私“いつもの人”がお送りしていきます」

実況「では、それぞれが使用する機体を説明しましょう」

実況「ミルキーウェイはみなさんご存知のネージュ!純白にコーティングされた軽量機です。
   武装はハンドガンにブレード、ミサイルに加え連動ミサイルも装備!接近戦と遠距離戦、
   それぞれに対応できる機体になっています」

実況「対してシャインのアマテラスは軽量機にマルチミサイル、地上魚雷とミサイル主体の機体構成です!
   ハンドガンやブレードも一応積んではありますが、
   どちらも低威力なのであまりダメージは期待できないでしょう」

実況「両者とも軽量機のため、スピード戦になると予想されます!
   軽量機は装甲が薄いので、短時間で勝敗が決してしまうでしょう」

実況「なお、今回は両者のACの装甲をAP (アーマーポイント)として数字で表示させていただきます!
   ACがダメージを受けるたびにこの数字が減って行き、0になったら試合終了。立っていた方が勝者となります!」

実況「さぁ、二人の準備が終了したようです。どんな対決になるか、今から目が離せませんね!」

実況「……試合開始のブザーが鳴りました!両者スタートします!」


実況「まずは開幕、アマテラスが上に飛んでーOB余剰から上を取っていく!」

実況「後ろを取りながらハンドガンで熱をとってー、たまらずネージュがOBで離脱する!」

実況「そのOBに合わせてアマテラスがブレホを拾って追い付いてくる!これはいやらしいぞ」

実況「アリーナは地形がないので、一旦上を取られるときついですねー」

実況「おっと、アマテラス追い付くがエネルギーが厳しいのであまり派手に動けない!」

実況「ネージュはこの隙に上を取って!逆にハンドガンで熱を取っていく!
   これはエネルギーがないアマテラスには少し厳しいか!?」

実況「アマテラスはOBで離脱!このOBで熱暴走を起こしてしまうが、気にしていられませんね」

実況「追撃にネージュが小ミサを四発五発と当てて、APを取っていく!」

実況「アマテラスも応戦してマルチを連打、ネージュは回避を迫られる!これは避け切らないとかなりのAPを持っていかれるのでなんとかやり過ごしたいところ!」

実況「マルチは意外と前進した方が避けれたりしますからね。これをブレードで潰したいところですが…」

実況「あぁーっと!ここでネージュに魚雷がヒット!アマテラスはマルチに紛らわせて密かに魚雷を混ぜていたようですね。これは痛い!」


実況「この機に乗じてアマテラスが上からハンドガンを降らせてくる!固まってしまうとネージュはまずいですね」

実況「OBで距離を取るが、離脱した先にマルチが飛んでくる!これは素晴らしい試合運びだ!」

実況「ネージュもミサイルで応戦するが……これは地面で潰される」

実況「軽量同士なんでどちらが上を取るかの勝負ですねー」

実況「おっと、ネージュのミサイルが直撃したが……APはわずかにアマテラスがリード!」

実況「ここは一旦仕切り直して、お互いに上を取ろうとする!」

実況「ハンドガン撃って!アマテラスがネージュを下ろしていく!」

実況「魚雷を置いて!またもやネージュの離脱した先にマルチをかぶせていく!」

実況「これはもうネージュは厳しいか!?抵抗するが、うまく相手をサイティングできない!」

実況「アマテラスがとどめと言わんばかりにブレードを振り下ろす!」

実況「これがクリーンヒットして試合終了ー!」

実況「勝者はー……期待の新人、シャインだー!!終わってみれば圧倒的な強さでした!」

実況「立ち回り、エネルギー管理、熱管理も見事の一言!素晴らしい試合を見せてくれました!」


◇◆◇◆

—コーテックス:ガレージ—


「見事な戦いっぷりだったぜ!さすがは嬢ちゃんだ」

「いえ、そんな……」

ミルキーウェイさんに勝つことができた
ちゃんと動けるかどうか心配だったけど、するするっと立ち回り方が頭に浮かんできた
……前世の記憶的な?

「しっかしここまで無敗とはなぁ。今どこらへんだっけか?」

「今回勝てたので……C-10ですね」

「つーとあれか、ちょうど真ん中あたりになるのか」

「そう……ですね。真ん中ぐらい」

そうか……もう真ん中まで来たんだ。気付かないうちに、もうそんなところまで……

「ここまで早かったなぁ……レイヴンになったのもつい最近じゃないかい?」

「えーっと……」

レイヴンになったのが……あれ?二ヶ月も経ってないような……

「二ヶ月も経ってないですね……一ヶ月半ぐらい?」

「あれ、そんなもんか……お嬢ちゃんは天才だな」



「え?」

「いやな、わずか一ヶ月半でここまでランクもあげて、依頼も受けたものは全部成功させてるだろ?」

「はい。まぁ……一応」


「おじちゃん、ここにきて結構経つけどそんな奴ぁ見たことねぇな」

「そうなん……ですか?」

「おうよ。アリーナのAランクの奴らは、ほとんど依頼には手を出さずにアリーナに籠もってばっからしいからな。
 それで食っていけるから依頼を受ける必要はないんだと」

「へー……」

「最強を目指し続ける……なかなかイカすじゃねぇか」

強さの求道者……ちょっとかっこいいかも
レイヴンである以上、情勢も知ってなきゃいけないとは思うけど……
強い人は、そこらへんの考え方も常人とは一線を画しているんだろうか

「ま、この調子だとお嬢ちゃんがその仲間入りするのも時間の問題かもな!」

「それはまだ早いんじゃ……」

がははと笑って肩を叩いてくる
おじちゃんのこれにももう慣れたものだ

「ま、なにはともあれお疲れ様だ。今日はゆっくり休めよ?」

「はい。……では」

おじちゃんに挨拶をして別れる
そうか……私みたいな人は居たことないんだ……ふふふ


—コーテックス:カフェ—


「あ、来たきたー!☆」

「……え」

帰る前にちょっと一服して行こうと思い、コーテックスのカフェに寄ってみるとミルキーウェイさんが居た
……そんなに大げさに手を振らないで……
誘われるままに席に座り、ストレートを頼む

「でも、びっくりしちゃったゾ☆まさかあんなに強いなんてー♪」

「……自分でもよくわからなくて。勝手に身体が動くと言うか……考える前になんとやらと言うか」

私でもよくわかっていない。こう動きたいなーと思っていたら実際に動いていたり……
な、なにを言ってるか分からねーと思うが……

「ほぇー……感覚ってやつ?」

「はい……そんな感じです」

「天才肌だね☆」

今日はそんなことばかり言われる……自分じゃよくわからない……


……

「じゃ、私は帰らせてもらうゾ☆ファンが握手を待ってるからね♪」

「……忙しいんですね」

「うれしい忙しさだから、全然大丈夫!今日はおつかれさま〜☆」

「おつかれさまでした……」

紅茶を飲んで一服
なんとなく世間話をしている間に、結構時間が経っていた
ミルキーウェイさんは私にさよならを言うと、そそくさと去って行った
……アイドルも大変だ

アリーナに籠もりすぎた気がする……そろそろ依頼を受けた方がいいかなぁ
最近、依頼の確認を全然してないから……尭深さん怒ってないかな
まずい。そんなことを考えると受けなきゃいけない気持ちになってきた
明日はミッションの日だ。……あと、タカミさんに謝る日だ

なんて思っていると、そのタカミさんから携帯端末に連絡が来る

「……どうしました?」

『レイヴン、緊急の依頼です!今どこですか!?』

……めっちゃ焦ってる……

「……アリーナに挑戦していたところなので、まだコーテックスです。アセンを変える時間はありますか?」

『よかった……コーテックスにいるのなら、アセンを変える時間はまだあります。急いでください』

何やらただ事ではないみたいだ
……さっきアリーナ戦をしたばかりだけど、がんばらなきゃ


今回はここまでです
今回のアセンはアナザーエイジの強アセン、RTミサイラのオマージュです
ちゃんと書けや!と言われたら書きますごめんなさい
社会人の方は仕事納めな時期ですね。私は受験ですが……

次回は、中央研究所防衛を予定しています

つーか勉強しなくていいのか受験生

>>423
あははうふふ

番外編は早くて20時間後になりそうです

>>415
BIGーBOXLIVEに見えた

>>426
おるか☆旅団ビッグボックスライブ・ショー
めるつぇる「団員(ファンのこと)のみんなー!ビッグボックスへようこそー!歓迎しよう、盛大にな!」
ヴぁおー「ハッハー!まだまだいけるぜ、メルツェール!」
こんなんですか

こんばんは!なんとか書けました
……が、キャラがぶれぶれでもう駄目、な状態です

とりあえず番外編第二回です!



マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!」

マホ「みなさんとってもお久しぶり!夢乃マホです!今回は、番外編第二回をお送りします」

マホ「早速いきましょう!今日は、『そもそもACってなんだよ?』です!コレなんで第一回でやらなかったんでしょう?」

マホ「……ま、まぁ気にしたら負けです!とにかく解説していきますです!」

マホ「今回ここで紹介する『AC』は、ゲーム名のACではなく、
   そのゲーム内に出てくる汎用機動兵器『AC(アーマードコア)』についてです」

マホ「アーマードコア。元々MT(マッスルトレーサー)という組み換え不能の作業用、
   または戦闘用のメカを兵器として発展させた超強いロボットのことをそう呼びます」

マホ「核となるコアパーツを中心に、様々な武装を組み換えることが出来、非常に高い汎用性を持った兵器です。
   基本的にどのシリーズでも最強の存在となっています」

マホ「『AC3』におけるアーマードコアは、14種類のパーツに加え、
   オプショナルパーツというオプションを付けることができます」

マホ「パーツの一覧はこちら!本編の方でも何度か出てきていますね」


   HEAD:頭部
   CORE:胴体
   ARMS:腕部
   LEGS:脚部
   BOOSTER:ブースタ
   FCS:火器管制
   INSIDE:インサイド
   EXTENSION:エクステンション
   GENERATOR:ジェネレータ
   RADIATOR:ラジエータ
   BACKUNIT R:右肩武装
   BACKUNIT L:左肩武装
   ARMUNIT R:右腕部武装
   ARMUNIT L:左腕部武装
   OPTIONALPARTS:拡張パーツ


マホ「では、上から順に説明していきます!」



マホ「『HEAD』はその名の通り頭部パーツのことです。
   外部の情報を分析する機能があり、また機体の安定性も司っています。
   メインカメラや、パーツによってはレーダー、生体センサー、マッピング機能が付加されているのもあります!」

マホ「レーダー等の機能を削ぐ代わりに装甲が分厚いもの、逆に装甲が薄い代わりにたくさんの追加機能があるもの、
   頭部だけでもかなりの選択肢がありますね。ビジュアル重視で選んでみてもいいかもです!」

マホ「次の『CORE』はアーマードコアの核となる胴体部分のことです!
   OB(オーバードブースト)タイプとEO(イクシードオービット)タイプの二つの機能が搭載されています。
   オプショナルパーツはここに取りつけるもので、COREごとに搭載できる数が限定されています!」

マホ「中量級、重量級、軽量級のCOREがあって、
   飛び回って敵を素早く倒したいときは軽量級のCOREを
   どれにしようか迷った時は中量級のCOREを
   どっしりと構えて敵を迎え撃ちたいときは重量級のCOREを使うといいと思います!」

マホ「OBタイプは機動力に優れ、かく乱攻撃をしたり、長距離を短時間で移動できるのが強みです!
   対してEOタイプは、エネルギー弾や実弾をオートで敵に向かって撃ってくれる攻撃的なCOREです!」

マホ「また、OBタイプのCOREにはミサイルの自動迎撃機能があるのに対し、EOタイプのCOREにはそれがありません」

マホ「さらにCOREには積載量の上限があり、例えば軽量タイプに重量級の腕部、さらにグレネードや火炎放射器といった
   重量のあるものを装備すると、腕部重量過多になり動けなくなるはず……なんですが、ぶっちゃけ変わらないです」

マホ「基本的にCOREの積載量は気にしなくていい……と思います」

マホ「あまり細かいことは考えず、自分の戦い方に合ったタイプを選ぶことで充実した地下生活が認可されます!」



マホ「『ARMS』はCOREに取りつける腕部のことで、こちらも中量、重量、軽量タイプがあります」

マホ「さらになんと!ARMSには武器腕という、腕自体が武器になっているパーツがあるんです!」

マホ「腕に武器を持てないかわりに、攻撃力の高い武装が大半を占めています」

マホ「ただ、腕がそのまま武器になっているので装甲が無いに等しく、玄人向けの装備となっています」

マホ「『LEGS』は外装の中でも最も重要と言えるパーツ、脚部です!」

マホ「COREやARMSと同じく、中量、重量、軽量タイプがある他、
   逆関節、四脚、タンク、フロートといった特殊な脚部が存在します!」

マホ「中量はこれといった特徴が無く、使いやすい脚部です。迷ったらこれ!」

マホ「重量はその名の通り重いので装甲が厚く、最大積載量や安定性も高いのが特徴です。
   ある程度の機動力は欲しい、でも武装もたくさん欲しい、そんな時に使うといいかもです!」

マホ「軽量は、軽い故に装甲は薄いし安定性も低いですが、代わりに凄まじいスピードで動くことが出来ます!」

マホ「逆関節は、鳥の足に似た形状の、エネルギー消費が少ないとっても省エネな脚部です!
   また旋回性能も高く、装甲も薄いものから厚いものまでそろっています」

マホ「四脚は足が四本生えており、構え武器という二脚タイプは足を止めて撃たなければいけない武器を
   構えることなく撃つことができる脚部です!ただし、空中では撃てないので注意が必要です」

マホ「また、四脚はエネルギー消費量が極端に高く、燃費の悪いところが弱点です。
   さらに装甲も厚いと言えるものでもなく、最大積載量も低く使いにくい、といったマニア向けの脚部です」

マホ「タンクはキャタピラ型とホバー型があり、前者は機動力を犠牲に火力を、
   後者は火力を犠牲に機動力を確保しています。
   ありったけの火力を積んで、じわじわと近づき敵をバッタバッタとなぎ倒すキャタピラ型、
   四脚とキャタピラの中間の位置のホバー型」

マホ「タンクは初心者さんにもってこいの素晴らしい脚部です!
   初期機体の脚部よりも安く、何と言っても死なない!死ににくい!」

マホ「ジャンプすることができませんが、ブースタは脚部に内蔵されているので安心です」

マホ「どうしてもあいつが倒せない!このミッションがクリアできない!そんな時に頼りになる脚部です!」



マホ「フロートは、タンクと同じくブースタが内蔵されている為つける必要がありません!」

マホ「他の脚部と一番異なる点は、地表に浮く、というところです!」

マホ「フロートを除く他の脚部は、水上では無力になり、水没してしまうのですが……
   なんとフロートは水の上に浮くことが出来るのです!」

マホ「浮いているため旋回能力が高く、また内蔵されているブースタの出力も高いのでかなり速く動けます!」

マホ「ただし、構え武器は足を地面に着けて構えなければ撃てないので、水上で構えると水没してしまうので注意です!」

マホ「脚部は多いので、簡単にまとめてみました!」


中量二脚:特徴が無いのが特徴。無難。すべてがそこそこ

重量二脚:遅い。安定性が高く装甲も厚い。ブースタの出力を上げることで機動力をある程度確保できる。割と載る

軽量二脚:速い。安定性が低く装甲も薄い。ほとんど載らない。スピードを生かして立ち回ろう

逆関節:省エネ。安定性が中量二脚よりも軒並み高い。中、重、軽量がある。旋回が高い。装甲は薄め

四脚:燃費が悪い。立ち回りが難しい。構え武器を地上に限り構えず撃つことが出来る。装甲は薄く、武装をあまり積めない

タンク:超堅い。遅い。ブースタ内蔵。構え武器を構えず地上でも空中でも撃てる。動く要塞。圧倒的安定性。超載る

フロート:浮いてる。速い。ブースタ内蔵。構え武器は普通に構えて撃つ。装甲は薄め。安定性は普通。旋回高め。あまり載らない

※旋回性能とは、機体が振り向く速度。性能が高いほど速く振り向くことが出来る。高いに越したことはない


マホ「これまで解説してきた『HEAD』『CORE』『ARMS』『LEGS』は、所謂『外装』です!
   機体の挙動やビジュアルはこの四つが主に司っています」

マホ「次から解説するのは『内装』となっています!……一つほど違うものがありますが」

マホ「では、いってみましょう!」



マホ「次は『BOOSTER』!タンク、フロート以外の脚部をつけている場合に必須となるパーツです!」

マホ「このパーツが、ブーストダッシュや飛行を可能にしています!
   エネルギーを消費することでそれを行うことができます」

マホ「パーツごとに出せるエネルギー出力の上限があり、出力が高いほど速い速度で移動することが出来ます!」

マホ「BOOSTERを起動しているときに消費するエネルギーはパーツごとに違い、出力が高くなるにつれ消費も激しくなります」

マホ「基本的に、出力の高いBOOSTERを選んでいれば問題ありませんです!」

マホ「因みに初期機体のBOOSTERは産廃なんてレベルじゃないです。すぐに買い換えることをおすすめします!」

マホ「次は『FCS』です!火器管制、と言うとなんか難しいですが、ようはターゲットサイトです!」

マホ「ターゲットサイトの大きさ、二次ロックまでの時間、ロックオンできる距離、ミサイルの最大ロック可能数、
   ミサイルのロックオンまでの時間、予測射撃の精度などがパーツによって違います!」

マホ「説明がややこしいので、簡単にまとめてみました!」

※サイトタイプ:備考

NORMAL:標準。広くもなければ狭くもない。ロックオン可能距離もそこそこ

WIDE&SHALLOW:広くて浅い。サイトが大きい代わりにロックオン可能距離が近い。ハンドガン等

NARROW&DEEP:狭くて深い。サイトが狭い代わりにロックオン可能距離が遠い。スナイパーライフル等

LENGTHWAY:縦長。サイトの形が縦長になっている。ロックオン可能距離はNORMALと同じくらい

SIDEWAY:横長。サイトの形が横長になっている。ロックオン可能距離はNORMALと同じくらい

マホ「詳しいことはまた今度、ということにさせてください……このパーツは、マホの手に負えません……」



マホ「気を取り直して今度は『INSIDE』!
   腕部パーツの中に搭載することができる武装で、武器腕でも問題なく装備することが出来ます!」

マホ「パーツの特徴は、ミサイルを誘導してくれるデコイ、相手のロックオンを妨害するECM、
   ダミーといった相手の邪魔をする武器や、ナパームロケット、爆雷、機雷、地雷といった
   一風変わった武装が多いことです!」

マホ「インサイドミサイルなんてものはありません」

マホ「続いて『EXTENSION』!このパーツは腕の側面、肩のあたりに取りつける補助パーツとなっています!」

マホ「急速旋回、後退、空中待機を可能にする補助ブースタや、追加装甲、連動ミサイルなどの戦術が膨らむ
   パーツが数多くあります!」

マホ「タンク等の旋回が遅い脚部の時に、急速旋回ブースタを付けることで弱点を補ったりと、
   便利なパーツが多いのが特徴です」

マホ「次は『GENERATOR』です!機体のエネルギーを生み出すパーツですね」

マホ「基本的にエネルギー出力が高いものほど良いとされています」

マホ「BOOSTERやエネルギー兵器を使用する時にとても重要になるパーツです!」

マホ「実はすべてのパーツにはそれぞれエネルギー消費量が決まっていて、
   その数値の合計がGENERATORの出力を上回った場合は出力不足となり、うまく動くことができません!」

マホ「初期機体のGENERATORもBOOSTERと同じく産廃で、全くお話になりません。
   この二つを換えるだけで、びっくりするぐらい動かしやすくなります!」



マホ「お次は『RADIATOR』!機体を冷却する装置です」

マホ「敵から攻撃を受けた時、OB、EOを使用した時、特定の武器を使用した時に機体の温度が上昇します。
   そんな時に機体を冷却してくれるのがこのRADIATORです!」

マホ「RADIATORには通常の冷却性能の他に、緊急冷却機能というものがあります」

マホ「後者は機体が熱暴走を起こした時の冷却性能……だと思います、多分」

マホ「対AC戦の時は、緊急冷却性能が高いものを選ぶといいかもです!」

マホ「以上で、『内装(一部外装)』の説明を終わります!
   次からは、いよいよ主な武装の説明ですね!」

マホ「……ふう、ちょっとつかれました……」

マホ「……ぅん?あの人は……」

やえ「随分お疲れのようだな」

マホ「あ、あなたは小走やえさん!!」

やえ「ふむ、見たところACの説明をしているのか」

マホ「はい、今ラジエータまで解説が終わって……ちょっと疲れ気味です」

やえ「……よし、なら後は私に任せろ」

マホ「い、いいんですか!?」

やえ「それだけ疲弊しているのに、黙って見過ごせないさ。私もACの知識はあるからな」

マホ「で、ではお願いしますです……」

やえ「うむ、ゆっくり休んでいてくれ」



やえ「さて、次は……『BACKUNIT R』だな」

やえ「『BACKUNIT』は右と左、共通のパーツを用いるため、『BACKUNIT L』もまとめて解説しよう」

やえ「さて、BACKUNITとは言葉通り、肩(というか背中)に装備する武装のことだ」

やえ「ミサイルやロケットといった高火力の兵装や、チェインガン、スラッグガン、グレネードなどの構え武器」

やえ「頭部より高性能なレーダー、さらには両肩武器もあり、非常に選択肢が多いな」

やえ「レーダー以外の武装は比較的重く、軽量の機体には装備しにくいだろう」

やえ「対して、タンクや重量二脚の機体にはかなりの武装を積むことができる」

やえ「タンクにはグレネードやチェインガンが、重量二脚には多彩なミサイルや大型ロケットを載せると捗るだろう」

やえ「さぁ、次は『ARMUNIT R』だな」

やえ「ライフルやハンドガン、マシンガンにショットガン。射撃系の武器がこちらにかたまっているな」

やえ「まぁ、例外として右腕用のブレードと言う名のパイルバンカーはあるが……」

やえ「『ARMUNIT L』にはレーザーブレード、エネルギーシールドといった近接武器が主だ」

やえ「こちらにも例外はあり、左腕用の銃器である投擲銃、そして火炎放射器が存在する」

やえ「ちなみに右腕のパイルバンカーと左腕の投擲銃、火炎放射器の開発は全て同じ企業の仕業だ。変態だな」

やえ「最後に『OPTIONAL PARTS』。COREに取りつけることで旋回性能が高くなったり、ロックオン時間が短縮されたり、
   ロックオンサイトが広がったり、単純に装甲が分厚くなったり……どういう原理かはよくわからん」

やえ「付けておいて損はないパーツだな。
   実弾防御、エネルギー防御を上げるパーツや、安定性を高めるパーツなんかは必須だろう」



やえ「さて、これで全て説明が終わったな。おい、終わったぞ!」

マホ「……あ、終わりましたか?」

やえ「……やけにくつろいでいるな」

マホ「す、すみません!」

やえ「ふっ、まぁいいさ。じゃ、簡単におさらいしておくか」

マホ「はい!」


 HEAD:頭部パーツ。センサーとかレーダーとか

 CORE:胴体パーツ。OBとEOの二種類がある。OPTIONAL PARTSを搭載する場所

 ARMS:腕部パーツ。普通の腕と武器腕の二種類がある。武器腕は装甲が皆無

 LEGS:脚部パーツ。通常の二脚タイプに加え、逆関節、四脚、タンク、フロートの5種類がある。機体の挙動に一番影響する

 BOOSTER:ブースタ。エネルギーを消費して、ジャンプ、ダッシュを行うパーツ

 FCS:ターゲットサイト。その他にも機能があるが、ややこしいため省略

 INSIDE:腕部パーツの中に搭載できるパーツ。相手を妨害する武装や、特殊な武器が多い

 EXTENSION:腕部パーツの外に取りつけることができるパーツ。補助ブースタや連動ミサイルがある

 GENERATOR:ジェネレータ。エネルギーを生み出すパーツ。出力が大きいほど良い

 RADIATOR:ラジエータ。敵から攻撃をもらう時などに熱が発生し、その発生した熱を冷やしてくれるパーツ

 BACKUNIT:肩に背負うパーツ。ミサイルやロケット、グレネードといった高火力の武装が豊富。レーダーもある

 ARMUNIT R:右腕に装備するパーツ。射撃系の武装がほとんどで、たくさんの種類がある。パイルバンカーは漢のロマン

 ARMUNIT L:左腕に装備するパーツ。近接系の武装が主だが、中には左腕用の銃器もあり、さらにはシールドも存在する

 OPTIONAL PARTS:拡張パーツ。様々な恩恵を受けることが出来る。搭載できる数はCOREに依存する


やえ「……こんなところか」

マホ「や、やっと全部説明できました……」


◇◆◇◆


マホ「マホのわかりやすいかもしれない、なぜなにAC3!第二回をお送りしました!」

マホ「ちょっと駆け足気味になってしまいましたが、いかがでしたでしょうかー!」

マホ「よくわからなかった、という方は……すみません、説明力不足です……」

マホ「今回は通りすがりのやえさんに手伝っていただきました。ありがとうございましたー!」

やえ「うむ。おつかれさま」

マホ「次回のこのコーナーは……わかりません。何か番外編でやってほしいことがあれば何でも言ってください!」

やえ「いいのか?それで」

マホ「はい!」

やえ「はい!って……」

マホ「今回の説明の中で、もうちょっと詳しく教えてほしい場所や、いまいちわからなったという点があれば
   どんどん言ってください!」

マホ「それでは、おつかれさまでした!また次回、お会いしましょう!」

やえ「さようならー」


番外編第二回はこれで終了です
本編の投下一回分の四倍ほど時間がかかりました
よくわっかんねーよクソが、とか
キャラが誰テメなんだけど、とか
その通りですごめんなさい
よくわかんない部分があったら、きっと親切な人が教えてくれるよ!よ!

無理する必要はまったくないんやで
ちゃんと病院行くんやで

できました
滅茶苦茶メタいです。なんかもうメタってより販促です
でもやりたかったんでやります
番外編第三回ー



マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!」

マホ「みなさんとってもお久しぶり!夢乃マホです!今回は、番外編第三回をお送りします」

マホ「前回は『AC』という兵器についてでしたが、今回は『AC』というシリーズについてです!」

マホ「はい、超メタですけど……気にしないでもらえるとうれしいです」

マホ「気を取り直していきます!まずACシリーズは、大まかに6つに分けることができます!」

マホ「記念すべき初代シリーズ(PS)、主に地下世界で繰り広げられる
  『アーマード・コア』(AC)
  『アーマード・コア プロジェクトファンタズマ』(ACPP)
  『アーマード・コア マスターオブアリーナ』」(ACMOA)」

マホ「その初代の後継作品であり、なんと火星が主な舞台の
  『アーマード・コア2』(AC2)
  『アーマード・コア2 アナザーエイジ』(AC2AA)
   この2作は初代シリーズのうん十年後の世界となっています!」

マホ「AC2AAまでの世界観を一新、初代シリーズのリメイクとも言える
  『アーマード・コア3』(AC3)
  『アーマード・コア3 サイレントライン』(AC3SL)
   今照さん達が活躍しているのはここですね!」

マホ「AC3SLから約60年、地上が舞台のPS2最後のシリーズ
  『アーマード・コア ネクサス』(ACNX)
  『アーマード・コア ナインブレイカー』(ACNB)
  『アーマード・コア ラストレイヴン』(ACLR)
   このシリーズを最後に、所謂レイヴンの時代は幕を引きます」

マホ「次世代機に場所を移し、新型アーマードコア、『ネクスト』が主役の
  『アーマード・コア4』(AC4)
『アーマード・コア フォーアンサー』(ACfA)
   今までのACとは全くの別物です」

マホ「そして、今一番新しい
  『アーマード・コア5』(AC�)
   これまた前作とは全く違う世界観で、ACの大きさも縮小とたくさんの相違点があります」

マホ「そして例外として、PSP、PS2で出た
  『アーマードコア フォーミュラフロント』
   一応Nシリーズということにはなってますが、かなり特殊なのでここで」




マホ「では上から順に説明していきます!わかりやすいようにしたので見ていきましょう!」


◇◆◇◆初代アーマード・コア シリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE」(AC1)

・記念すべき一作目。システムはほぼこの時から完成されている。
・二次ロックが有る武器と無い武器がある。(厳密には違うがほぼ同義)
・ミッション数や種類がかなり多い。個人的に難易度は高め。
・メール機能があり、世界の情勢等のいろんなことを知らせてくれる。
・一作目だけど、初めてACシリーズに触る人にはあまりおすすめできないと思う。
・ストーリーは、初めてやると「??」。何本かACシリーズをやってると「ほほぅ」。
・ミサイルがかなり早い。その代わり誘導性能はイマイチ。
・反動が恐ろしい。ハンドガンを当て続けるだけで相手によっては何もできない。
・ブレードを空中で当てると四倍ほどのダメージになる。まさに一撃必殺。
・ゲームスピードは速い。初代シリーズは軒並み速い。
・借金を50000cすると……


「ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA」(ACPP)

・PS初代シリーズの二作目。時系列は……一作目のちょっと前かちょっと後。
・二次ロック、ミサイル、ハンドガン、ブレード等は一作目と同じ。
・ミッション数は少ないが、ストーリーがかなりわかりやすく、初心者には断然オススメ。
・メール機能有。
・この作品からアリーナが登場。他のユニークなレイヴン達と対戦することが出来る。
・魅力的な敵キャラや、素晴らしい名言を聞くことができる。
・パーツ数が一作目から増え、アセンブリ(機体を組み立てること)の幅が広がった。
・一作目をやらなくてもストーリーに違和感はない。……と思う。
・PSシリーズから始めようと思った人にはやはりコレをオススメする。


「ARMORED CORE MASTER OF ARENA」(ACMOA)

・PS初代シリーズの最終作。時系列は一作目とほぼ並行。
・なんとディスクが二枚組。一枚はストーリー、もう一枚はタイトルよろしくアリーナ三昧。
・一作目に比べてまたしてもミッションが少ないが、難易度は高い。
・メール機能有。
・ストーリー的にも、やはり他の初代シリーズをやってから挑んでもらいたい。
・武器の仕様も、前作とあまり違いはない(体感)。けど、強すぎた武器は殆ど下方修正されている。
・みんなのトラウマ。
・(´神`)



◇◆◇◆アーマードコア 2シリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE 2」(AC2)

・この作品からPS2に。時系列は初代シリーズの数十年後。
・グラフィックが向上。
・二次ロックが誕生。またミサイルは初代シリーズとは真逆で、弾速は遅いが誘導性能は高い。
・ハンドガン等の反動が弱体化。
・(確か)機体の当たり判定が大きくなった。おかげでロケットが非常に強い。
・メール機能有。
・機体のスピードが初代シリーズに比べて遅くなった。
・コアの機能に新しく「OB(Overed Boost)」、「リミッター解除」が追加された。
・OBを使用しても熱は発生しない。リミッター解除は、コア毎に制限時間がある。
・リミッター解除をすると、一定時間エネルギーが使い放題になる。しかしそれを越えると、逆にエネルギーが回復しなくなる。
・脚部にフロートが追加された。
・熱の概念が登場。一定の温度に到達すると熱暴走を起こし、AP(体力)が削れていく。
・新パーツ「INSIDE」「RADIATOR」「EXTENSION」が登場。
・アリーナのレイヴンのAIがやたらといい。一ケタ台はまさに猛者。
・難易度は……個人的にはあまりオススメできない。ストーリーはわかりやすいが……
・一定額借金をすると……


「ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE」(AC2AA)

・2シリーズの続編。2シリーズはこれで完結。
・前作はOBに発熱効果はなかったが、この作品から使用すると発熱するようになった。
・アリーナもなければメール機能もない。あるのはミッションのみ。
・ミッション数はなんと100。隠しミッションもある。
・ひたすらレイヴン稼業に勤しみたいならコレ。
・機体のスピードが上がり、軽量機でも渡り合えるように。
・パーツバランスがかなり良い。対戦ツールとして今も愛されている。
・ストーリーは皆無に等しい。
・総合的に難易度が高く、初心者には全くオススメできない。
・是非ACPP、ACMOAをやってからこの作品に挑んでもらいたい。
・名言の宝庫その1。



◇◆◇◆アーマード・コア 3シリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE 3」(AC3)

・初代、2シリーズから世界観を一新。舞台は地下。
・メール機能復活。ミッション数はそこそこあり、種類も多い。
・機体のスピードが前作よりも上がった。
・僚機システムが登場。ミッションによっては味方を雇えるようになった。
・コアの機能に「EO(Exceed Orbit)」が追加。エネルギー弾を自動で撃ち出す。
・EOは二次ロックをなぜかしてくれない。
・右腕用のブレードが誕生。しかしその正体は……
・左腕に持てる銃器が登場(前作までは無かった)。右腕武器のロックオンに依存している。
・つまり、右腕にノーロック武器(ロケット等)を持っていると、ロックオンしないということ。
・ミサイルは初代シリーズと2シリーズを足して2で割った感じ。ぶっちゃけ弱体化。
・パーツ数は前作と比べて減った。迷う必要が無いので、この作品で操作に慣れよう。
・全体的に難易度は低く、初心者にもオススメ。ストーリーもわかりやすい。
・恐らく『AC1』のリメイク的作品。世界観もどことなく似ている。
・PSPに移植されている。


「ARMORED CORE 3 SILENT LINE」(AC3SL)

・3の続編。時系列は3から約数年ほど。
・メール機能有。ミッション数は3に比べて減った。
・難易度が高いミッションがほとんど。この作品から始めるのはつらい。
・アリーナもこれまた難易度が高い。特に3位のフォグシャドウのAIは奇跡。恐ろしい動き。
・3で出てきたレイヴンが登場する。
・僚機システムは続投。特定のミッションで雇うことが出来る。次回作から廃止された。
・左腕用の銃器が大幅に増えた(前作は2つぐらいしかない)。種類も豊富。
・武器破壊システムがある。武器ごとに耐久度があり、壊されると使えなくなる。恐怖。
・AIを育成することができる。根気が必要。
・EOに実弾タイプが登場。しかし二次ロックは相変わらずしてくれない。
・この頃から、両腕に銃を持つ通称「W鳥」(ダブルトリガー)が対戦での主流に。
・恐らく『ACMOA』のリメイク的作品。類似点が多い。
・PSPに移植されている。



◇◆◇◆アーマード・コア Nシリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE NEXUS」(ACNX)

・前作から約半世紀たった地球が舞台。
・新しい操作方式のAタイプ、従来通りの操作方式のBタイプが存在する。
・恐怖の熱システムが誕生。ブースターをふかすだけで熱が上昇するようになる。
・ジェネレータも発熱するようになり、燃える作品として有名。
・さらに、今作から熱暴走するとAPではなくまずエネルギーから減少する。地獄。
・武器のバランスが危うい。軽グレネードを両肩に担ぐだけで勝てる。
・機体のスピードが下がった。
・この作品からほとんどの実弾兵器がマガジン式になり、リロードが必要になった。
・ブレードが超弱体化。
・アリーナの仕様が変更され、ミッションと同じ感覚になった。
・アリーナでは特定のキャラが喋るようになった。この作品から会話が全体的に増えている。
・ミッション数はそこそこあり、ストーリーも熱い。
・メール機能の他に、世界の情勢を教えてくれるニュースがある。かなり良い。
・武器以外のパーツをチューニングすることが可能になった。もっぱら冷却機能にふられる。
・武器の種類が増えた。マイクロミサイル等。
・コアの機能に新しくハンガーユニットが増えた。小型の武器を予備として装備することができる。
・EO、武器腕マシンガンが二次ロックをしてくれるようになった。OBが仕様上使いにくくなり、EOの立場が上昇。
・ディスク二枚組。本編と初代シリーズのリメイクや設定画像等を集めたものの二枚。
・熱システムのおかげで難易度は個人的に高め。
・ミッションを放棄してもストーリーが超進む仕様。ラスト2ミッションまで放棄するだけで進める。金も貯まる。
・OPは必見。名言の宝庫その2。


「ARMORED CORE NINE BREAKER」(ACNB)

・Nシリーズ二作目。なんとストーリーが存在しない。
・アリーナモードとトレーニングモードの二つがある。それしかない。
・機体のスピードが上昇。また、距離によって実弾兵器の威力が変わるようになった。
・熱の上昇率が下がり、かなりまともに戦えるようになった。武器のバランスも優秀。
・トレーニングモードでは、その名の通り基本操作のトレーニングを行う。これが難しい。
・アリーナモードでは、テストマッチと公式戦の二つがある。ややこしいので省略。勝てばいいのだ!
・AIが優秀。アリーナは強敵ぞろいとなっている。
・操作が上手くなりたい人はどうぞ。
・OPが超さわやか。


「ARMORED CORE LAST RAVEN」(ACLR)

・PS2最後のAC作品。Nシリーズ四作目。時系列は『ACNX』から数ヵ月後。
・難易度が非常に高い。前作はこの作品の為にあったと言っても過言ではない。
・機体のスピードがさらに上昇。機体温度の上昇も緩和された。
・機体の当たり判定が小さくなった。さらにスピードが速いので、なかなか当たらない。
・恐怖の部位破壊システムが登場。ブースタ内蔵の脚部は軒並み不利になった。
・脚部の最大積載量から余剰があるほど機体の速度が上がるようになっている。
・その仕様のおかげで、軽量二脚を中量がくっている。
・ブレードが若干マシになった。あくまで若干だが。
・かなり忙しいストーリー。24時間で全てが決まる。
・マルチエンディング。自分がどこに味方するかでエンディングが変わる。
・ストーリーの内容上アリーナは無いが、似たようなシステムが存在する。
・NXで出てきたレイヴンが数人登場する。
・この作品までを旧作アーマードコアと呼ぶことがある。
・初心者には全くオススメ出来ない。高難易度、ストーリーの内容から是非最後にやってほしい。
・名言の宝庫その3。先生きのこはこの作品から。
・PSPに移植されている。PS2でも難しいのに、ボタンが減ったことでさらに難しくなっている。




◇◆◇◆アーマード・コア 4シリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE 4」(AC4)

・次世代機に移行。全く新しいものになった。
・世界観を一新、操作する機体も従来のACとは違い、恐ろしい機動力を誇る。
・活躍するACは「ネクスト」と言い、適正が無ければ乗ることが出来ない。
・ネクストの搭乗者は「リンクス」と呼ばれる。
・コジマ粒子というものがあり、環境や人体に大きな悪影響を及ぼす汚染物質である。
・しかし軍事利用すると非常に高性能で、ネクストもコジマ粒子のおかげで圧倒的な力を持つことができている。
・プライマルアーマー(PA)、クイックブースト(QB)等の新要素が登場。前者はバリア、後者はドヒャア!
・前作までのACはネクストと比較して「ノーマル」と呼ばれている。
・APが旧作シリーズの4、5倍はある。びっくり。
・超スタイリッシュ。戦い方も二次元から三次元的になった。
・ロックオン機能が大幅に変更。ターゲットサイトが無くなり、狙いやすくなった。
・メール機能は無くなった。アリーナも無くなった。
・なんとチュートリアルがある(今作まではなかった)。初心者も安心。
・操作感はNXで登場したAタイプに似ている。
・熱の概念がついに消滅。熱管理に苦しむことはもうない。
・必要なくなったラジエータと共にインサイド、エクステンションも消滅。
・パーツ数は少ない。ミッション数もそこそこ。
・OBが独立したパーツになり、ブースタもメイン、サイド、バックの三つになった。
・スタビライザーという機体のバランスを調整するパーツが登場した。
・チューニングは今作も存在する。仕組みは違うけど。
・ハードモードは一週目をクリアすると選択可能になる。ミッションに追加要素が。
・レギュレーションファイルというパーツバランス等を調節できるものをダウンロードできる。
・PS3は無料だが、箱○は有料。箱○の人はプラコレの方にしよう。
・ストーリーが良い(個人的に)。
・スタイリッシュに戦いたい!という人にオススメ。4シリーズはゲームスピードが非常に速い。


「ARMORED CORE for Answer」(ACfA)

・4シリーズ二作目。4から数十年後が舞台。
・地上が汚染されすぎたので、大半の人類は空で暮らしている。
・前作で登場したリンクスが数人登場する。やはり前作からやってほしい。
・新要素アサルトアーマーが追加。PAを攻撃に転用、周囲を攻撃する。使用するとPAゲージが全て無くなる。
・巨大兵器アームズフォート(AF)が登場。でかい。
・一部エフェクトが変更された。許されない変更をくらった武器が存在する。
・前作と比べてパーツ数もミッション数も増えた。
・チュートリアルがあったり、SIMPLE操作があったりと初心者にもやさしい。
・相変わらず超スタイリッシュ。空中を自在に駆け回ろう。
・アリーナの立場である、オーダーマッチが登場。メール機能は……
・ヴァンガード・オーバード・ブースト(VOB)というAFに接近するための使い捨ての増設ブースタが登場。恐ろしい速度が出る。
・ブリーフィングが秀逸。オサレ。
・僚機システムが復活。特定のミッションでリンクスを雇うことが出来る。
・マルチエンディング。一週目は固定だが、二週目から分岐できる。
・ハードモードでは前作同様、ミッションに追加要素がある。お茶会もある。
・レギュレーションファイルが今作にもある。箱○は相変わらず有料。プラコレにしよう。

こんだけ出てるのアセンブリ画面は初見お断り並にみずらいという
せめてJフェニックスくらい見やすく…



◇◆◇◆アーマード・コア (一応)Nシリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE FORMULA FRONT」(ACFF)

・かなり特殊な作品。なんと自分で操作することはできない。(PSPインタ版は可能)(ACテストでも可能)
・時系列は3SL〜NXの間。
・ACの位置が従来のものとは大きく異なり、今作ではスポーツのようなものになっている。
・AI搭載型無人AC(u-AC)のAIを構築して戦う。
・それぞれがチームでエントリーし、プレイヤーはその一つチームの監督的存在、アーキテクトという位置。
・リーグ昇格、シーズン優勝、ランキング一位が目的となる。
・全体的に他の作品と比べて明るい。メールがかなりの量で、これまたおもしろい。
・なんと企業も参戦している。クレスト、ミラージュ、キサラギチームと戦うことができる。
・5機のACで大会に挑む。軽量機はイマイチで、タンク型が強い傾向。
・アセンブリが好きで、自分で作り上げたものがどこまで通用するんだろう……な人は楽しめる。はず。
・ある程度アセン知識がないと厳しい。他の作品をいくつかやってからにしよう。
・PSP版、PS2版、PSPインターナショナル版がある。


◇◆◇◆アーマード・コア 5シリーズ◇◆◇◆

「ARMORED CORE �」(AC�)

・�←ファイブと読む。カッコいい。
・世界観をまた一新、システムも大幅に変わっている。
・オンラインプレイに重点を置いているためか、オフであるストーリーは短い。
・オフラインのみだとちょっとボリュームが少なく感じる。
・オンラインは領地ミッションとEXミッション、オフラインはストーリーミッションとオーダーミッションがあろ。
・オーダーミッションでは味方を雇うことができる。
・EXミッションはオンラインで特定の時間に発生する特殊なミッション。受けるには色々必要。
・PS3は大丈夫だが、箱○のオンラインは魔窟。気をつけよう。これは4シリーズにも言える。
・機体の大きさが10mから5mに。街が若干大きく見える。
・いろいろ名義が変更されている。(クイックブーストがハイブーストに、実弾が運動エネルギー弾に等)
・新しい種類である化学エネルギー弾が登場。
・仕様上、ブーストで上昇することができない。ビルや壁を蹴って上昇することになる。
・前作がスタイリッシュだったのに比べて、今作は非常に暑苦しく重量感がある。
・ロックオンサイトが復活。旧作シリーズが四角だったのに対して今作は○型。
・レーダーが無くなり、代わりにスキャンモードが導入。戦闘モードと切り替えて使う。
・戦闘モードではエネルギー残量、残りAP等が見えない。
・スキャンモードではAP、エネルギー残量等が見えるようになる。
・スキャンモード中はリコンと呼ばれる新パーツのおかげで目的地までのルートや、画面内の敵の位置がわかる。
・スキャンモード中は攻撃ができなくなるが、ブースト等を使ったエネルギー消費を抑えることができる。
・リコンには種類がいくつかあるが、やってくれることは同じ。追従型が使いやすい。
・OBの代わりにグライドブーストが登場。OBは前方にしか出力できなかったが、グライドブーストは前後左右に出力できる。
・蹴り攻撃がある。重量と当たったときの速度で威力が決まり、重量級の最高速度からの蹴りは脅威。
・オーバードウェポン(OW)という、ACの武装としては規格外の新兵器が存在する。ロマンの塊。
・OWは使う時に腕が飛んだりする。使いどころが難しい。
・アリーナはないが、オーダーミッション内に似たようなものが存在する。
・一つのミッションが他の作品と比べて長い。
・サブクエスト(戦車を10両壊せ、5分以内にクリアしろ等)がストーリーミッション内に存在する。
・ゲームスピードが4シリーズより低下。というか4シリーズが速すぎる。
・ネタ武器であったはずのパイルバンカーが超強化。ブレードと違い段数制限はあるが対人なら問題ない。
・レーザーブレードの他に物理ブレードが登場。夢があふれる。
・肩(背)武器は無くなり、代わりに肩からアーム的なものが追加。手持ち武器なら持つことができる。
・インサイド、エクステンション、ラジエータは相変わらず無い。
・APが4シリーズ同様旧作シリーズの4倍近くある。
・たまにフリーズを起こす。
・総合的に見て……どうなんだろう。むせる人やごついものが好きな人は楽しめるだろう。




マホ「……どうでしたでしょうか!」

マホ「うーん……なんか見づらいような……?」

マホ「そこは置いておいて、番外編第三回、ACとは何だ!?をお送りしましたー!」

マホ「作品に触れてくださる方がいれば、参考にしていただけると幸いです!」

マホ「次回は未定ですが、また次回〜!」

投下終了
書きたかったんです
あと>>1はACFFとAC�はやれていません。ぶっちゃけwiki等の斜め読みです
AC歴は3P→3SLP→2AA→2→NX→AC1→PP→MOA→NB(途中放棄)→LR→AC4→ACfAです

おかげ様で熱は下がってきました。咳がまだ酷いですが、なんとかやれそうです
本編を更新したいー

>>479
病院には行けてませんが、治ってきました。ありがとうございます

>>487
確かにアセン画面は見づらいですね……LRあたりから若干見やすくなった感じでしょうか

百合ゲーとか…







いいよな!PSPの白恋もやるべき

こんばんは!ぎりぎり間に合わなかった……
>>585
ふむふむ、探してみようかな?

今回は、溶解炉破壊阻止です


—コーテックス:カフェ—


「……今回の依頼は、こちらになります」

レジーナが父親と再会した二日後、久々に私に依頼が入ってきた。
丁度アリーナ戦が終わったところに依頼が届いたので、せっかくだからそのまま行くことにした。
今その依頼の内容を尭深さんに説明してもらっているところ。

「クレスト……」

今回はクレストからの依頼、……「溶解炉破壊阻止」らしい。どれどれ……?


依頼主:クレスト
作戦領域:廃物処理施設 溶解炉内
敵勢力:飛行型MT等
作戦目標:全爆弾の解除

『各地で頻発していたトラブルの犯人を突き止めました。全てはユニオンの仕業だったのです。
 彼らは管理者が狂っているという嘘の情報を流し、自分達で芝居を打っていたのです。
 彼らの活動を裏で支えていたのが、キサラギだという事実も判明しています。
 我々を落とし入れ、勢力拡大を図ったのでしょう。これまで全くの謎であった
 ユニオンの資金源についても、これで説明がつきます。彼らの次の行動についても情報を得ました。
 地下都市全域をめぐっている廃物処理施設に爆弾を仕掛けるつもりです。
 各地に部隊を派遣する予定ですが、レイヴンにも協力を依頼します。
 作戦地域は廃棄物が最後に流れ着く、溶解施設です。設置された爆弾を全て回収してください。
 障害となるものはすべて排除して構いません。よろしくお願いします。』


ふむふむ、なるほど。
キサラギがユニオンに加担していたのか。最近動きがなかったから何をしているのかと思ったら……
ユニオンは何のために廃物処理施設なんかに爆弾を仕掛けるんだろう?クレストを引きつけるため……とか?うーむ。
とにかく、爆弾は危険だ。狙いがわからないけど、黙っていられない。

「どうしますか?」

「……受けます。何時ごろ出発ですか?」

「恐らく……あと二時間後には出発準備が完了するでしょう。作戦領域までは少々時間がかかりますが」

「わかりました。じゃあ、私はアセンブリをしてきます」

「では、お願いしますね」


—コーテックス:ガレージ—


「お?さっきぶりだな嬢ちゃん!」

「……さっきぶりです」

ガレージにておじちゃんと再会。本当についさっき別れたばかりだ。

「で、どうしたんだ?」

「実は先ほど依頼が来て……せっかくだからもう行っちゃおうかなと」

「なるほどな。機体はどうする?アリーナ戦の損傷は軽微に収まってるが……変えるか?」

「そうですね……」

今回の依頼は溶解炉での爆弾の解除。軽く、それでいて冷却性能の高い機体がいいな……
武装は……まぁそんなに重要じゃないよね?

「じゃあ……こんな感じで」


HEAD:CHD-07-VEN
CORE:CCM-01-NER
ARMS:MAL-GALE
LEGS:CLL-HUESO
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:VREX-WS-1
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RIX-CR5000
BACKUNIT L:—
BACKUNIT R:CWR-S50
ARMUNIT R:KWB-SBR01
ARMUNIT L:MLB-T/100


「こりゃまた……」

おじちゃんが私のアセンを見てつぶやく。
レーダー特化の頭部に最軽量の脚部、腕部は軽量の中でも放熱率が高いもの、
ラジエータは以前駐車場で拾った冷却性能が最高のもの、おまけに……

「射突型ブレードとは、嬢ちゃん……やるねぇ!」

そう、右腕に装備した射突型ブレードだ。パイルバンカー?とも言うらしい。
射程が非常に短く、しかし威力は桁違いというまさにロマンあふれる武器。……いい。

「今回はあんまり敵の相手をしてられないので、どうせなら、と」

遠距離系の武器は小型ロケットのみ。左腕もブレードだ。
ちなみにこのブレードは、データバンク侵入の依頼の後にユニオンから送られてきたもの。



「近距離戦に特化した機体だな。それにこのラジエータと来たら……場所は狭く暑いところ、溶解炉か?」

「……よくわかりましたね」

ちょっと驚き。

「そんな条件の場所、溶解炉ぐらいしかねぇからな。ま、気をつけるんだぞ?
 滅茶苦茶暑いだろうからな。脱水症状起こす前に終わらせるこった」

「……なるべく、早く終わらせます」

そうか、コクピットも暑くなっちゃうんだ……いやだなぁ。

「ん。……機体の方は、この分なら多分一時間ぐらいで終わるぜ。適当に時間潰しといてくれや」

「ありがとうございます」

一礼してガレージを出る。どうしようかな?
……あ、そういえば、まだお昼を食べていない。カフェで何か頼むことにしようか……


—コーテックス:カフェ—


「……うまうま」

カフェで久しぶりに注文したオムライスを頬張る。うまうま。

「……ん?」

見覚えのある姿が視界の淵にちらり。……あ、こっちに気がついた。

「シャインさーん!」

手を振りながらこないで誠子……じゃなかったアップルボーイ。

「ひはひふひ?」

「何言ってるかわかんないですよ……?」

……んぐんぐ。ごくん。

「久しぶり?」

「ああ、なるほど。……そうですねー、微妙?」

最後に会ったのは……私が退院したとき?

「……微妙だね」

「です!」

今日も元気いっぱいだ。



「そういえば、こうやってコーテックスで会うのは初めてじゃないですか?」

「依頼で一緒になったことは何度かあるけど……うん、こうやって会うのは初めてだね」

もぐもぐ。

「今日はシャインさんはミッションですか?」

「んぐ。……そうだよ。今機体を組んでくれてる最中で、私はそのうちに昼食を食べようと思って」

「なるほどー。……シャインさんのそれ、おいしそうですね」

じゅるり、とアップルボーイ。

「……あげないよ?」

「大丈夫です!頼みますから!」

すいませーん、とウェイターを呼ぶアップルボーイ。

「きたきた!」

「もぐもぐ」

十分ほどで運ばれてくるオムライスに嬉々とするアップルボーイ。

「……うん、やっぱりおいしい!」

「もぐもぐ」

美味い!とは言わないアップルボーイ。

「ぱくぱく」

「むぐむぐ」

一心不乱に食べるアップルボーイ。



「……あ、そういえばレジーナのお父さんが見つかったらしいですね」

「うん。すごい喜んでた」

よく憶えている。

「いいなぁ、親かぁ……」

「……?」

どうしたの?と尋ねるような目を向ける。

「あぁ、私って両親が居なくて。だからよくわからないんですよねー。大事なものなのかなぁ?」

「……うん。家族って、とっても大事だよ」

「なるほど。シャインさんがそう言うならそうなんでしょう!」

それでいいのかな……?

「……というか、アップルボーイ親が居なかったんだね、ごめん」

「いいんですよ!顔もよく覚えていないし、残してくれたものなんて名前ぐらいですから」

「……そっか」

「シャインさんはどうなんです?」

「……両親はずっと前にどこかに行ったっきり。妹が居たけど、色々あって離ればなれになっちゃった。
 みんな生きてるかもわからない」

咲……元気にしてるかなぁ。

「そうだったんですか……すみません、そんなことなっているとは露知らず」

「いいよ。お互い様」

そう言いながら冷水を喉に流し込む。



「……ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした!」

二人ともほぼ同時にオムライスを完食。私が食べるのが遅いのか、アップルボーイが速いのか……

「おいしかったですね!」

「うん、また食べようと思う」

「その時はまた一緒に食べたいですね!今度は明るい話題で!」

「そうだね」

「じゃあ、私は用事があるのでこの辺で!また会いましょう!」

「うん、またね」

ふりふり手を振って、店を出ていくアップルボーイを見送る。
……結構いい時間になっている。私もガレージに行こう。

溶解炉かぁ……依頼を達成して家に帰ったら、まず真っ先にお風呂に入ろう。

「……あ、このえびせんください」

たまには和菓子もいい。


◇◆◇◆


—環境制御区:廃棄物処理所内溶鉱炉—


「あっつい……」

無茶苦茶暑い。
待機している通路がなんか赤い。じりじりという音が聞こえてくる。

<<最下層は非常に高温です。ACでも長くは持ちません。注意してください>>

「了解……」

気が滅入るほど暑い。さっさと終わらせよう。

<<マップ上のオレンジが爆弾を示しています。早急に片づけましょう>>

「ふむ……」

頭部COMのマップ情報を表示する。……全部で四つか。左右斜め上に二つ、上の階に二つ。
軽い機体で助かった。アセンブリは間違ってなかったかな?

「!」

溶鉱炉に続くゲートを開くと、目の前をMT二機がふよふよ浮いていた。
……ミサイルを撃たれる前に、ロケットでおとなしくさせておこう。

肩の小型ロケットを起動、MTめがけて連射する。
MTの動きはそこまで速いわけでもなく、二機はあっけなく撃墜された。

「じゃあ、爆弾を……」

<<待ってください!これは……敵ACの接近を確認>>

「AC?」

<<かなりの速度で向かってきます。フロート脚部でしょうか>>

なるほど、フロート脚部なら最下層に降りても浮くことができるだろう。



<<敵ACが居ては、機体の回収が非常に困難になります。素早く撃破しましょう>>

「了解」

短期決戦しかない。状況的にも武装的にも。
……よし。

溶鉱炉一階上部のコンベアまで上昇して、ここで敵ACが進入してくるのを待つ。
溶鉱炉への入口は下層部分にしかなかったはず。上から奇襲をかけて手早く終わらせてしまおう。

<<敵AC、進入!ボルケイノです>>

レーダーに敵反応が増える。……まだ、まだだ。

敵ACが上昇し始めた。……よし、OB起動のトリガーに指をかけて……
……今!
OBを起動、下層から顔を覗かせたボルケイノ目がけて突撃する。

「……!」

機体が熱暴走し始める。ああもう、ブザーがうるさい。

<<……!?>>

ボルケイノに組みつき、OBを起動したまま下層の壁に突撃する。
……組みついてしまえば、フロートだろうと関係ない!

「……ここ」

左腕のブレードを起動、フロート脚部の中心に突っ込み、動けなくさせる。さらに……!

「こっちも」

<<!!>>

右腕でコアの中心を軽く殴り、そのまま射突型ブレード起動させる。

がしょん!
放たれたパイルバンカーはコア中央を貫通、ボルケイノは動かなくなった。
念のため、離脱を取りながら肩のロケットで追い打ちをかける。……終わった、かな。



<<敵ACの撃破を確認。あとは爆弾解除だけになります>>

「了解」

一階上部のコンベアに乗り、爆弾の位置を確認する。……そうそう、ここだった。

目の前の大きなゲートに取り付けられている爆弾を解除、隣の爆弾も同様に解除する。

<<爆弾の解除を確認。あと二つです>>

「あと二つ……」

残りは二階、か。
金網をロケットで破壊、二階に侵入する。

「MTは……」

もうこの際だから無視しよう。
壁に張り付いている爆弾を解除する。これで残り一つだ。

「……邪魔」

放置していたMTからちくちくパルス弾が飛んでくるのが鬱陶しい。
……ええい。

ブーストで急接近、左腕のブレードでMTを一閃してしまう。これで楽に……

<<敵を倒したことで室内温度が上昇しています。気をつけてください>>

……急がなきゃ。

<<あと残り1分です!>>

「……!」

……あった!
柱に取り付けてあった最後の爆弾を解除する。



<<全爆弾の回収を確認しました。あとはこちらで処理します。帰還してください>>

「……ふぅ」

なんとか無事に終了。ACが出てきた時はどうしようかと思ったけど……よかった。
射突型ブレードは確かに一撃必殺だった。当たれば勝ち……嫌いじゃない。

ユニオンはこれで一歩後退、かな?
このままユニオンがなくなる、なんてことはないだろうけど……

それはともかく。

「……あっつい」

身体がべたべたするし、髪の毛が顔に張り付いているのがわかる。
早くシャワーを浴びたい。考え事は後回しにしよう。

……銭湯に尭深さんを誘ってみようかな……


◇◆◇◆

—コーテックス:ガレージ—


「お、帰ってきたな嬢ちゃん!」

「ただいま……です……」

「なんだ、随分とお疲れだな?……って、すごい汗だな」

「えぇ、まあ。……はぁ、涼しい……」

「確か溶鉱炉だったか?……よし、後は任せて、さっさと一風呂浴びてきな!」

「すみません、ありがとうございます……」

「いいってことよ」


—コーテックス:ガレージ前通路—


「おつかれさまでした、シャイン」

「おつかれさまでした、尭深さん……」

「なんとかなりましたね……」

「……そんなことより」

「え?」

「お風呂に入りませんか?」

「お風呂、ですか?」

「銭湯に行きましょう。さぁ!」

「あの、私……」

「さぁ!」

「ひ、引っぱらないで……!」


—トレネシティ:銭湯「勝手にしやがれ」—


「……大きい」

「……え?」

「やっぱり大きいですね。胸」

「何言ってるんですか!」

「ふむふむ……」

「あんまり見ないでください……」

「……ふむ」

「さ、さわらないで……ください……」

「……尭深さん」

「……?」

「そこで涙目上目遣いは反則です」

「……え?」

「いただきます」

「ちょっと……!」

「フフフ……」

フフフフフ……

今回はここまでです!深夜のテンションは怖い……
ずっとSoundgardenのsuperunknownをかけて書いてましたが……イイ!

次回は、三日以内には出来あがると思います

おつです、やっぱりこの二人は仲いいな
イレギュラー認定ミッションがどうなるのか気になる

プライベートライアン、プラトーン、Uボートを見ました。
中でもUボートが一番私のツボにはまりました。300分と長いですが是非見てほしい映画です!

あと、やっぱりネタバレになりそうなものは控えるか、工夫して隠してもらえるとうれしいです。
例えば>>772の「イレギュラー認定ミッション」を「あのミッション」と書くとか。
AC3が未プレイの方(まだ見てくれているかは解りませんが)がこんなこともあるのかと思ってしまうので……
繊細すぎる……とは思うんですが、どうしても

投下は明日か明後日には出来そうです!が、過去のことがあるので気長にお待ちください……

今からなのか
頑張って

いやいや、アセンといい毎回戦闘描写は楽しみだよ
是非ラストまで駆け抜けて欲しい

AC3は未プレイだけども楽しませてもらってる

3はやった…GW中にSL買ってきてやろっかな

こんにちは?番外編のようなものが出来あがりました。
でもなんか3レス程しかないし内容も読んでりゃわかるしで需要が皆無です。
でもなんとなく書いとかないとすっきりしないんで書きました。

>>802
がんばりました!
>>809
ありがとうございます……
>>810
未プレイの方が居るとは……!
>>811
私は3を50円、SLを180円で買いました。安すぎワロタ



マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!番外編第四回をお送りします!」

マホ「みなさん目茶苦茶お久しぶり!夢乃マホです!今回はー……今までのおさらいです!」

マホ「実際にプレイしていても、ストーリーや起こったことがイマイチ分かりづらいACシリーズ」

マホ「今まで起きたことを超大雑把にまとめてみました!」

マホ「さぁ、どこからともなくまとめたボードが出てきますよー!」



照がレイヴンになる。
     ↓
照、初の依頼を達成。
     ↓
照、アリーナへ初参戦。
     ↓
しばらく企業間の小競り合いが続き、均衡状態。
     ↓
封鎖地区に不法侵入をする等、「ユニオン」という勢力が活動を活発にする。
     ↓
管理者に異を唱えるユニオンと、管理者を崇拝しているクレストの仲は最悪と言える。
     ↓
ここ数年で閉鎖された区画はかなりの数に及んでおり、その事実とユニオンには何か関わりがあるのではと推測する。
レイヤードで一体何が起こっているのか?
     ↓
そういえば、レイヤード各地で多くの異常が発生していると気づく。
突然の電力供給の停止、炉心の暴走による区画の強制閉鎖etc……
     ↓
照、ユニオンとメールで接触。彼らはこの世界の真実を知るため、力を求めているそうだ。
     ↓
クレストの研究所に突如として不明のACが現れ襲撃。迎撃した照と相討ちになる。
     ↓
照が入院。先日襲撃してきたACを調べたところ、通常のACとは異なる数値を示したらしい。
ユニオンによると、その襲撃してきたACは管理者の部隊であるらしい。
     ↓
ユニオンには一つの仮説があり、それを裏付ける証拠を集めるために行動しているそうだ。
そしてその仮説が事実なら、地下世界で起こっている多くの異常にも説明がつくらしい。
     ↓
照が退院。
ユニオンが管理者は狂っているとして、大々的に行動を開始することを宣言。
     ↓
ユニオンがクレストのデータバンクに侵入を試み、照はそれに乗る。
データバンクには中枢への進入経路があるらしく、ミラージュも協力してくれるという。
     ↓
ユニオンが中枢へ至る経路の入手に失敗。来るはずのミラージュが現れなかったためだそうだ。
しかしユニオンは諦めたわけではなく、次の手を考えるらしい。
     ↓
クレストが、レイヤード各地で頻発していたトラブルは全てユニオンの仕業だと主張。
キサラギがユニオンを裏で支えていたとも。
クレストによると、ユニオンは管理者が狂っているという嘘の情報を流し、自分たちで芝居を打っていたという。
     ↓
クレストがユニオンの掃討に本腰を入れる。そしてその隙にミラージュは手薄になったクレストの軍事工場を落とす。
     ↓
クレストによってユニオンとキサラギの合同部隊は壊滅か。と思いきや、そこに正体不明の部隊が登場。
双方を無差別に攻撃し、クレスト、ユニオンとキサラギは互いに大ダメージを受ける。
     
……




マホ「うーん、どうでしょう?分かりやすいような、そうじゃないような……」

マホ「でも、多分マホにはこれが限界です……簡単にまとめるって言いましたけど、まとめられない!まとめにくい!」

マホ「なんというか、これまでに至る流れを汲みとってもらえたら幸いです!」

マホ「さぁ、物語もいよいよ終盤!レイヤード各地で正体不明の部隊が暴れまわり、企業の力は次第に衰退していきます!」

マホ「照さんはどうするのか?菫さんは?」

マホ「かなりゆっくりになると思いますが、それでもみなさんについて来てもらえたら嬉しいです!」

マホ「では、また次の番外編で会いましょー!さようならー!」

はい、無茶苦茶短いです。
次回の本編ですが、今日……は多分無理なので、早ければ明日明後日にでも投下に来れると思います。
ACシリーズは何故か軒並み安い!中古でSLまでなら多分千円札一枚で全部買えちゃいます。
連休ですが、まぁ何の予定もないのでたくさん書けますねヤッター

やっと1から走って追いついた……4とfaと5くらいしか知らないんだよなー やってみようかしら

ようやく追いついた
こんな俺得スレがあったとは

AC3のCMは神

OPも神、特にバックダッシュからのミサイル一斉射撃

SLの敵AC強いんですけど
びったり張り付いて回り込んでくるよ…?
800マシとステルスに手が伸びそうになる

こんばんは。やべぇ予想外の難産でまだ書けてないよ……
とりあえずあと三時間して来なかったら今日は無理ですごめんなさい……

>>847>>848
追い付いてくれる人がいるとは……!
>>847は旧作もやってみよう!退廃的な世界観は素晴らしいよ!
>>849
インサイドミサイルなんてなかった
>>850
SLは敵ACのAIがかなりいいんで、3と比べて強いです。
アリーナでどうしても勝てない敵が出てきたら、
MWR-AR/602を両肩に背負って武器チェンジと攻撃ボタンを交互にひたすら連打し続けてください。
もちろん武器はそのMWR-AR/602だけで、です。変な笑いが出ます。

アサルトロケ百烈拳かww

二度目のこんばんは!書けましたー……

>>852
私は最近まで全然知りませんでした。まさかあんなことが……


—side:照—

—トレネシティ:自宅—


「ん……何……?」

気持ちよく寝ているところを、警報で起こされる。
けたたましい。

「警報?こんなことあるんだ……」

しばらくすると警報が鳴りやみ、代わりに聞き慣れた音が微かに聞こえ始めた。

「襲撃……?」

こんな都市区に……?
一体誰が……

「とりあえず……」

襲撃があったとすると、依頼が入っているかもしれない。
目もすっかり覚めてしまったし、PCを立ちあげて確認しようか。

「……やっぱり、きてた」



依頼主:クレスト
作戦領域:グラン採掘場
敵勢力:近距離戦闘用MT、分離型MT
作戦目標:集結部隊の全滅

『キサラギの残党が、グラン採掘場に集結しつつあるとの情報を得ました。
 どうやら、先日の戦いによって総崩れとなったキサラギの部隊が合流し、体制を立て直すつもりのようです。
 この機を逃す訳にはいきません。
 ただ、あの戦闘の結果、我々も相当の被害を受けています。
 大掛かりな部隊を送り込むのは難しいのが実情です。
 そこでレイヴンに集結部隊への攻撃を依頼します。残党とはいえ、それなりの戦力が予想されます。
 僚機をこちらで同行させますので、協力して作戦を遂行してください。よろしくお願いします。』


今起きている襲撃とは関係なかった。
……かなり重要な依頼と見える。クレストがキサラギを終わらせるようだ。

「……行こう」

クレストが用意してくれた僚機……
まぁ、悪いようにはならないだろう。


—コーテックス:エントランス—


「こんばんは」

「こんばんは」

コーテックスに着くと、尭深さんが待っていた。依頼の再確認といったところかな。

「依頼内容は確認しましたね?」

「はい」

「キサラギに、引導を渡すことになります」

「……わかっています」

依頼を受け、こなす。私はレイヴンだ。
と、まぁそんな理由もあるけど、何よりキサラギは放置しておくと何をしでかすかわからない。
あそこは言うなれば、マッドサイエンティストの楽園だ。良からぬものまで造りだしそうな勢い。
所謂危険因子の一つ、と言えなくもないだろう。

「では、ACの準備をしていてください」

「わかりました」

相手は残党とはいえ、それなりの戦力はあるだろうし、背水の陣で士気が高いかもしれない。
何が来てもいいように、万全の準備をしておこう。


—コーテックス:ガレージ—


「お、仕事か?」

「はい。今日もお願いします」

いつものように、おじちゃんにアセンのオーダーを頼む。
今回は……


HEAD:MHD-SS/CRUST
CORE:CCH-OV-IKS
ARMS:MAH-SS/CASK
LEGS:CLC-D3TA
BOOSTER:—
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RGI-KD99
BACKUNIT R:MWC-LQ/35
BACKUNIT L:CWC-SLU-64
ARMUNIT R:MWG-MG/1000
ARMUNIT L:KES-ES/MIRROR


「こりゃあ……ガチガチだな」

「ガチガチです」

頭部、腕部、脚部を最も装甲の厚いもので固めてみた。脚部は強力な肩武装を積むためにタンクを選択。
レーダーが無いのが気になるけど、グラン採掘場は一度行っているし、まぁ迷うこともないだろう。

「嬢ちゃんがタンクとは珍しいな。しかもシールドまで持って行くたぁ」

「万全の準備を、と言われたので」

「なるほどな。ま、行って来い!」

「行ってきます」

キサラギの残党……MTだけというわけにはいかないだろうしね。


—グラン採掘場:エレベータ—


<<よろしゅうな。レイヴン>>

「よろしく」

作戦領域に到達。
クレストの用意してくれた僚機はスタティック・マン、ストリートエネミーだった。よかった……
彼女とは以前、アリーナで戦ったことがある。
アリーナデータに書かれていた内容がちょっと怖かったので、心配していたんだけど、
実際会ってみれば、気さくで元気な人だった。ちょっと安心だ。
因みに、ストリートエネミーが彼女のレイヴンネーム。スタティック・マンがAC名だ。

<<残党とはいえ、気ぃ抜かんようにな。キサラギのことや、何が待っとるかわからへん>>

「そうですね……」

<<ま、アンタの腕はよう知っとる。心配なんかしとらせんけどな!>>

「買いかぶり過ぎです」

<<はっ、よう言うわ>>

依頼遂行の直前だというのに、つい和んでしまう。

<<……レイヴン。おしゃべりもいいですが、そろそろですよ>>

「……はい」

タカミさんに怒られてしまった。反省。

<<ほな行くで!>>

「了解」


‐システム キドウ‐


—産業区:グラン採掘場—


<<敵は、セクション連絡路から増援を送っているようです。気をつけてください>>

グラン採掘場は、大きなゲートの向こうにある採掘場と、
そのゲートの前に置かれている、何本も存在するセクション連絡路からなっている。
その他にもあるが、大まかに言えばこの二つだ。
ふむ……

<<……二手に分かれた方がよさそうやな。どうする?>>

「じゃあ、私が先に行く」

ここで増援を迎え撃つより、先に突入した方がいいだろう。内部に配置された敵の方が数は多いだろうし。
何より、私の機体の装甲だ。中で暴れまわる為と言える。
ゲートの前で門番をしてもいいけど、せっかくたくさん積んできたんだ。

<<よっしゃ、ここは任しとき!誰も通さへんでー!>>

やっぱり元気な人だ。
……気を取り直して。

ゲートのスイッチを弄り、ロックを解除する。
何が出てくるかな……?



「っ!」

目の前に何かが来た。とっさにシールドを構えてガードする。
……爆風が凄まじい。何だったんだろう?

<<恐らく、その中に居るMTの仕業です……エクスファー、だったでしょうか>>

「エクスファー……」

<<分離型のMTです。先ほどの兵器は、MT1機につき一つしか持っていないので、安心してください>>

安心、できるの?それは……

視界が鮮明になると、エクスファーから放たれたのであろう、爆風が凄まじい何かを確認できた。いくつかこちらに向かってくる。

「遅い……」

見た目は、弾頭に羽がついているみたい。自立してこちらを狙っている……?

肩のスラッグガンを構え、向かってくる二つの弾頭に発射する。
その二つの弾頭は私に辿り着くことなく、虚しく空中で爆発した。

スラッグガンは、言うなればショットガンの強化版のようなものだ。
殺傷力も高いけど、弾が拡散する為こういった防御にも使えるのがいい。



「ん……」

どうやらこの部屋は、エクスファーというMT一種類だけのようだ。
飛んでくる弾頭は先ほど破壊したから、あとは残った本体だけだが……

(……鬱陶しい)

ライフルを連射してくる上、移動速度が速い。
左右にしか動かないことがほとんどだけど、切り返しがとてもスムーズで、止まることがない。
遠くから狙っているとそれがたまらなく面倒で、うまく銃器が当たってくれない。
接近してスラッグガンをぶち当てよう。

シールドとスラッグガンを構えながら、ゆっくりとエクスファーに近づいていく。
なぜか後退ということをしないので、そのまま大ダメージが狙える至近距離まで接近する。

「っ」

スラッグガンを撃つと、目の前のエクスファーが一瞬にして穴だらけになり、爆散した。黒煙を上げる暇もないらしい。

「……」

こういった後退を知らない相手に対しては、かなり有効な攻撃手段になるね。
AC戦となると、相手が速すぎて中々当たってくれないんだけど。
適材適所。……は違うかな?

「……よし」

この部屋の敵は全滅させた。弾頭、と言うか、ボムみたいなものさえなければ相手にならない。
この調子で次に向かおう。



シールドを構えて、奥の部屋へのゲートを開く。そして後ろに下がる。
さっきは中に入った瞬間手荒い歓迎をしてもらったから、その対策だ。

「と……」

案の定ゲートを開けると、すぐに二つほどボムが迫ってきていた。
マシンガンを構え、落ちついて対処。動きが鈍いので空中でも余裕で撃ち落とせた。

さて、気を取り直して中へ入ろう。

「……」

多いなぁ……7機ぐらいかな?
さっき二つボムを壊したから、あと五つもあるのか……

「まぁ」

マシンガンを撒いていれば大丈夫だろう。
入ってすぐに部屋の隅を陣取り、壁を背にしてひたすら撃つ。
前にだけ集中していればいいし、もし攻撃を食らってもシールドにタンクと防御もかなり堅い。

何故か近寄ってきたエクスファーをスラッグガンで粉砕して、奥でふらふらしている奴もマシンガンで掃討する。

「……あ」

スラッグガンとマシンガンばかり使っていて、もう一つ持って来ていたレーザーキャノンを忘れていた。
使ってみよう。

「……」

さっきからずっと障害物に引っかかって動けていない、1機のエクスファーを狙う。
……発射。

「おお……」

オレンジ色の光を放つエネルギー弾が一直線に進み、見事そのエクスファーに命中した。
MTは、その光ったエネルギー弾がぶつかった瞬間に弾けて飛んだ。木端微塵だ。

「強いなぁ……」

この威力で弾薬費はゼロ、だそうだ。
最初から使っておけばよかったかなぁ。

「……」

終わったことをぐちぐち言っても仕方ない。
早く敵を片付けよう。ストリートエネミーも待っていることだしね。



<<……まだ奥に反応が……?>>

「なんでしょう……?」

MTを全て破壊、これで終わりと思ったら、どうやら奥に何かが居るらしい。
エレベータを使って、下りるようだけど……

<<そっちはどうや!?終わったか?>>

「MTは全部倒したけど、地下に何かいるみたい」

<<地下か……怪しいな。どうする?>>

「……私が先に行く。後からついてこれる?」

<<OK!こっちも、もうすぐかたぁつきそうなんや!終わったらすぐ行くで!>>

「わかった。ありがとう」

話はついた。一足先に地下へ向かおう。

<<シャイン、大丈夫ですか?>>

「大丈夫。何がいるかはわからないけど、この機体だから」

この機体構成なら、何が来ても大丈夫だろう。
損傷も極軽微に収まっているし。

ゲートを開き、エレベータに乗り込む。



<<……レイ……ヴ……通………障……>>

「え?」

エレベータが降り始めて、半分くらいだろうか。
タカミさんの声が上手く聞き取れない。

<<……………………>>

「も、もしもーし」

……返事はない。
通信障害?ざざざ、とノイズが走っていて、声は全く聞こえなくなった。

「不味いなぁ……」

強敵の予感が……

「……行こう」

エレベータが停止する。地下に着いたらしい。

<<……>>

あれは……ACか。



<<来たな……待っとったで>>

「……」

あれは……確かDランクの……

<<誰かは知らんが……行くで!>>

「!」

相手はブーストダッシュで動きだし、マシンガンを乱射してきた。
咄嗟にシールドを構えて防ぎながら、こちらもマシンガンで応対する。

そうか……以前アリーナで戦った時と機体構成が違うから、私が誰かわからないんだ。
まぁ、それならそれでいいんだけど。

タンク型で接近されると、いくら装甲が厚くても厳しくなってしまう。
さっきと同じように、後退して壁を背に。レーザーキャノンを構えてよく狙う。

「……ここ」

<<っ!>>

相手の移動先を予想して、そこへ置くように発射。命中。

<<やるやんか……>>

「!……」

エレベータが動いている……?
ストリートエネミーが来てくれたかな?



<<待たせたな!……クライゼン、か!?>>

<<お前、かぁ……まぁお互い仕事や。悪う思うな>>

「知り合い?」

<<まぁそんなとこや。……気いつけぇ!こいつは手強いで!>>

ふむ……

「……私は後ろから援護する。前は任せられる?」

<<っ任せとき!>>

ストリートエネミーが前に、私が後ろに。
彼女がクライゼンを引きつけ、私がレーザーキャノンを叩き込む。これでいこう。

ストリートエネミーとクライゼンは互いに撃ち合い、この地下の中心でぐるぐると回っている。
味方に当てないように、タイミングを計る。

「っ」

<<!……っとと>>

<<っ……>>

私の方にクライゼンが背中を向けた瞬間に、レーザーキャノンを発射する。
見事に狙い通りその背中を捉えて、敵ACはバランスを崩す。

<<……ごめん、シャイン!こいつは私にやらせてくれんか!?>>

「……いいけど、大丈夫なの?」

<<うちは大丈夫や。……それに、こいつとはさしでやりたいんや>>

<<一騎撃ちか……こっちとしては、願ったり叶ったりやな>>

私はシールドを構えて、邪魔にならないように待機する。
……思うところがあったんだろうか。


—side:ストリートエネミー—


<<一騎撃ちか……こっちとしては、願ったり叶ったりやな>>

シャインがさらに下がり、シールドを構えて待機してくれている。
私はクライゼンと対峙し、互いにライフルとマシンガンを向け合っている。

この距離だと……ミサイルは使いにくいなぁ。
前半のダメージを考慮すると……短期決戦しかないか。
相手はマシンガンだし、継続的にダメージを食らうと不味い。

かといってブレードを多用すると、馬鹿にならない威力のロケットの応酬を食らうだろう。
比較的安全に使える武装は、小型ロケットとライフルだけになる。

「ちっ」

<<どうやら、腕は落ちとらんようやな……>>

「そっちもな」

お互い円を描くように回りながら、ライフル、マシンガンを撃ち合う。
双方弾丸がかすり、装甲が剥がれていく。



<<……まさか、こうなるとはなぁ>>

「……そうやな」

言いながら、中距離でロケットを撃ち合う。
流石にノーロック武器は、動きまわっていると中々当たらない。

空中から狙ってみるか。
ライフルでけん制をいれながら、ブーストジャンプで上を取りに行く。
斜め上からロケットを乱射。……よし、2、3は入ったか?

「っ!」

<<腕は落ちてないと思ったけど、鈍っとったかぁ?……遠慮はなしやで>>

ロケットを乱射するまではよかったが、着地の隙を突かれて光波ブレードを食らってしまう。
光波ブレードは普通のブレードと違って、エネルギーの塊を前方に飛ばすものだ。
ロックオンはできないが、その代わり弾数が無限のエネルギーライフル、と思えばいいだろうか。

「……」

いかんなぁ。長引いてしまっとる。

再びライフルとマシンガンの撃ち合いになり、中々勝負が動かない。
ジリ貧ってやつやな……

いや、ここが耐え時や。何かチャンスを……!

やっぱり有頂天民じゃないか(歓喜)



「!」

クライゼンのACの左腕が振りかぶられる。チャンスや!
OBを起動。そのタイミングで向こうから光波が飛んできた。
それをギリギリまで引きつけてから、エクステンションのバックブースタを使ってかわす。
かわした瞬間にOBが時間差で出力され、一気にクライゼンの場所まで接近する。

バックブースタは、横に歩いているときだけ、その方向に出力される。
バックという名がついてはいるが、横方向にも瞬間的に動ける優れものだ。

<<っ!?>>

OBで急接近しながら、ブレードを構える。
クライゼンは意表をつかれたらしく、狼狽して隙ができていた。

「っ!」

懐に一気に入り込んでOBを停止、ブレードを振り上げる。
出力したブレードは、敵ACの右腕を見事に捉えて切断した。これで鬱陶しいマシンガンは消えたな。
バックブースタを使い離脱、近距離でロケットを貰わないため再び距離を取る。

<<っ……やるやんか>>

「……当たり前や」



マシンガンの無くなったクライゼンは、ロケットと光波ブレードで戦わざるを得なくなった。
だが、残った武装は両方がノーロック武器の為、当然なかなか当たらない。
その間に私は右腕のライフルで、堅実に相手の装甲を削って行く。
私の機体は比較的軽く、クライゼンの機体は若干重い。回避率もこちらが上。
もはや勝負がつくのは時間の問題だ。

<<……最後の、勝負や!>>

クライゼンがロケットを掃射しながら、ブーストダッシュで突撃してくる。

「……!」

私も同じように突撃、ライフルを撃ちながら進んでいく。

<<っ……!>>

「くっ……!」

お互い無防備にロケットやライフルを食らいながらも、お構いなしに突っ込んでいく。

<<これでっ……!!>>

クライゼンが光波ブレードを振りかぶり、放ってくる。
避けるつもりはない……!

「……ときぃっ!!」



機体に衝撃が走る。でも……!
光波を食らっても、進むことはやめない。
お互いが接近した結果、そこはもう充分ブレードの当たる領域になっていた。
スタティック・マン左腕を振りかぶり、クライゼンのACの左腕ごとコアを狙い、叩っ斬る……!

「っ……!!」

出力したブレードがクライゼンのACの左腕に食い込み、火花を散らしている。
まだや、出力は続けさせてもらうで……!

<<はっ……>>

クライゼンの、自嘲したようなかすれた笑い声が聞こえた。
彼女のACの左腕は既に切断され、ブレードはその先にあるコアを削っている。

「……っ」

これ以上は、無理だ。
ブレードの出力を止め、バックブースタで離脱しながら、削れたコア目がけてライフルを命中させる。
……

「……」

<<……>>



<<……うちの、負けやな>>

「……」

彼女のACはコアから黒煙を上げ、今にも爆発せんとしている。

「離脱、できへんの……?」

<<したところで……ごふっ>>

「!」

<<もう、持たん……>>

「なんで、こんなことになったんやろな……」

<<……ま、悔いはないなぁ。りゅーかに殺されるっちゅうんは悪くない>>

「……待っててな」

<<ふっ、地獄で会える、か。そうやな。……いつかしてくれてた膝枕、またしてくれや>>

「っ……!!」

黒煙は赤い炎になり、彼女のACのコアを包み、爆発した。

「怜……」


—side:照—


……。

<<悪いな。と……クライゼンとは、一人でやりたかったんや>>

「いい。依頼は達成できた。……それに、勉強になった」

<<そっか。ほな、帰ろうか>>

<<……通信障害クリア。シャイン、大丈夫ですか?>>

「……終わりました」

<<作戦は成功、のようですね。帰還してください>>

ストリートエネミーと共に、エレベータに乗り込む。


‐モクヒョウ タッセイ‐


—コーテックス:エントランス—


「シャイン。あの後、一体何が?」

「ACがいたけど、ストリートエネミーがやってくれた」

作戦は成功。被害は軽微に収まり、弾薬費はそこそこかかったものの黒字にすることができた。
ストリートエネミーは、「ほんならなー」と言うと、一人どこかへ帰って行った。

「相手のレイヴンは?」

「クライゼン。ストリートエネミーの知り合いだった」

「それは……」

クライゼン。私が最後に戦ったのは、まだアリーナDランクに居た頃だ。
地下で遭遇した時の彼女は、以前より強くなっていたように感じる。

「……」

友人だった人と、敵として出会ってしまう。

そうなった時、もし私なら————————


>>869
hai!

今回はここまでです。
関西弁が変じゃないか心配です。
あと「っ……」←これ好きすぎ問題。でもこれ他に表現の仕方がわからないんです……

約束しておいてこのざまです。結果的には来れましたけど……だめだー
次回の投下予定は未定です!

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