玄「彼女居ない歴0年です!」(188)

ID:bv42IiXj0の代行

かなり前の、玄「彼女募集中!」の続き

憧「あのさあ、しず。今12月だよ」

穏乃「うん、知ってるけど」

憧「冬にその格好は無いでしょ」

穏乃「え?ちゃんと防寒してるよ」

穏乃「手袋もマフラーもしてるし」

憧「それの前にもっと重要なところ防寒しようよ!」

憧「足とか見てて超寒い!」

datくれ

玄「お姉ちゃんが見たら寒さで倒れちゃうね」

穏乃「でも着込むと動き辛くなるし……」

玄「霜焼けとかしちゃうよ?」

穏乃「私そういうのは平気だから大丈夫!」

憧「信じられない……でもよく考えたら小学生からそうだった……」

穏乃「あ、12月といえば玄さん!」

玄「なに?」

穏乃「クリスマスイブの日って暇ですか?」

>>7
ログ速でいいか?

玄「クリスマスイブ?どうして?」

憧「麻雀クラブの子達とクリスマスパーティーする事になったんだよね」

穏乃「私と憧がサンタとトナカイやるんだー!」

憧「もう皆サンタとか信じてる年じゃないけど盛り上がりそうだし」

玄「多分大丈夫だと思うよ」

穏乃「やったー!」

憧「でも本当に良いの?」

玄「なにが?」

憧「だって折角のクリスマスイブだよ?」

玄「?うん、そうだね」

憧「千里山の人と一緒に過ごさないの?」

穏乃「あ、そっか」

玄「……どうかな」

憧「え?予定とか話し合ってるでしょ?」

玄「ううん」

憧「何で!?」

玄「何でって言われても……話題に出なかったし」

穏乃「喧嘩とかしたんですか?」

玄「してないよ。普通に仲良しだもん」

憧「じゃあ誘ってみれば?」

玄「でももう予定入ってるかもだし……」

穏乃「とりあえず聞いて玉砕とか」

憧「玉砕したらダメでしょ……」

憧「でもしずの言うことにも一理ある」

憧「クリスマス会はダメだったらで良いし、一度聞いてみなよ」

穏乃「クリスマス会は朝から晩までやってるから、いつ来ても大丈夫!」

玄「うん……」

……

玄(あれからもう3ヶ月経ってるんだよね)

玄(一応名目上で恋人になってもらってるけど……)

玄(毎日メールや電話してるしお休みの日も時々一緒に遊びに行ったりもする)

玄(これ、普通に仲の良いお友達って感じだよね)ムムム

玄(本当の意味での恋人だったら躊躇無く誘えたりするんだけどなあ……)

玄(あの時は何も考えてなかったけど、考えると凄い微妙な関係だよ)

玄「電話で誘うかメールで誘うか……メールの方が困らせないかな?」

玄「文面どうしよう……?」

玄「普通に24日あいてますか?とかでいいかな」カチカチ

玄「送信っと。ふう……」

玄「断られたら断られたらですごいショックだよ!」

ブブブ……ブブブ……

玄「あ、メールきたかな……って電話?!」

ピッ

竜華『もしもし玄ちゃん?』

玄「は、はい!」

竜華『突然電話してもうてごめんなー』

玄「いえっ、全然大丈夫ですっ」

竜華『クリスマスの事なんやけどな?玄ちゃんその日開いてるん?』

玄「一応聞いてから埋めようかなって思ってたんですけど……」

竜華『午前中はちょっと用事あるから無理なんやけど』

竜華『午後からは予定入れてへんから、玄ちゃんがええなら一緒に過ごそー』

玄「え、良いんですか?」

竜華『うん』

竜華『どこ行くとかまだ決めてへんやろ?それちょっと話そうかー』

玄「はい!」

……


ピッ

玄「……ビックリ」

玄「OK貰っちゃった!」バタバタ

玄「午前中はクリスマス会に参加できるし!」

玄「クリスマスを2人で過ごすって如何にも恋人ってかんじ!」

玄「……まあ実際は違うんだけど」ハァ…

……

玄「ってことで午前中なら行けることになったよ」

憧「そう?良かったー……」

穏乃「みんな玄さん来れないかもって聞いたときのテンションの下がりっぷり凄かったよね」

憧「ほんとほんと」

玄「あはは、ちょっと嬉しいかも」

穏乃「玄さんの分のトナカイもあるから安心して下さいね!」

玄「え……私もやるの?」

憧「うん。私サンタ、2人がトナカイ」

穏乃「大丈夫大丈夫。玄さんにもきっと似合うから!」

玄「私もサンタさんが良かったなー」

憧「あー、ほら。玄の名前的に黒いサンタって不吉だから」

穏乃「え、そうなの?」

憧「そうそう。あくまで迷信だけど」

玄「うーん、残念かも」

……
憧「メリークリスマース!」

ギバ子「サンタさんだあああああ」

綾「もうそういう歳でも無いけどね」

穏乃「ケーキ開けようケーキ!」

憧「まだ始まったばっかだから!」ビシッ

晴絵「いやー、懐かしいなこの面子」ハハハ

灼「何で私まで……」

穏乃「麻雀部の集まりでもありますから!」

晴絵「あれ、麻雀部といえば宥の姿は見えないけど?」

灼「そういえば」

玄「あ、お姉ちゃんなら朝から居ないんです」

晴絵「何?……あいつ抜け駆けでもしたのか」

憧「もしかして白糸台の人と?」ヒソヒソ

玄「うん、多分 」ヒソヒソ

ギバ子「抜け駆けって何のーー?」

ひな「まだ私たちには早いお話の様子ー」

穏乃「ケーキ食べたいケーキ!」

ギバ子「ケーキ!」

憧「その前にプレゼント交換します!」

晴絵「ふっふっふ、私のが当たった奴は当たりだぞー?」

灼「社会人なのに学生よりしょぼいプレゼントは無いと思……」

憧「はい、じゃあクジ引きして!」

ワイワイ オカネノカカッテルヤツガイイナー アカドサンノキニナルー

穏乃「私のは何かなー?」ワクワク

晴絵「お、玄のやつが私のじゃないか」

憧「晴絵のプレゼントって何よ」

玄「これ……本ですか?」ガサゴソ

晴絵「ふふふ、開けてみ?」

玄「えーっと……麻雀入門?」

晴絵「値段張ったんだぞー?」

憧「……私達麻雀部で一応全国大会行ったんだけど」

晴絵「いやー、チビッ子どもにあげるつもりだったんだけどさ」

綾「え、そんなのもういらないよー!」

灼「微妙……」

穏乃「部室に常備すればいつか使えるかも!」

晴絵「あ、あれ?そんな微妙だったかな……」ションボリ

ギバ子「私のはーーー、ボーリング無料券だあああ」

玄「あれ灼ちゃん?」

灼「特に思いつかなかったから」

ギバ子「やったあああああ」

ひな「私もボーリングしたい所存ー」

憧「お小遣いの少ない小学生にはお宝か」

晴絵(素直に図書券とかにしとくんだった…… )

穏乃「私のは……クッキー?」

玄「あ、それ私のプレゼントだよ」

憧「え、しず当たりじゃん」

晴絵「玄の手作りか?」

玄「はい。一応みんなの分も持ってきたのでプレゼントの意味無くなっちゃうけど……」

ギバ子「憧ちゃんのはー?」

憧「ふっふっふ」

憧「憧サンタからのプレゼントは秘密!」

憧「今からサンタさんのプレゼント争奪麻雀をします!」

玄「あ、だから交換に加わって無かったんだ」

穏乃「うおおおおお」

灼「結局麻雀なんだ」

憧「晴絵みたいに微妙なやつじゃないから安心してね」

晴絵「言ってくれるな」

灼「でも麻雀だと私達有利すぎだとおも……」

憧「麻雀部チームにはちゃんと縛りをかけて貰うから」

晴絵「ふふ、どーれ。久しぶりに本気出しちゃおうかなー?」

灼「大人げな……」

ギバ子「憧ちゃんのプレゼントだああああ」


……
穏乃「ロン!6400!」

晴絵「ぐああああ!」

憧「ねえ玄」ヒソヒソ

玄「なに?」

憧「もう行かなくて良いの?時間じゃない?」

玄「あ、もうそんな時間なの?あっという間だったよ」

憧「適当に言っといてあげるから行きなよ」

玄「ごめんね憧ちゃん。ところでプレゼントって結局何だったの?」

憧「あー、夢の国のペアチケットだよ」

玄「そんな高いやつ大丈夫だったの?」

憧「お姉ちゃんから貰ったやつだから平気平気」

憧「それに打算もあったり?」

玄「打算って?」

憧「小学生組がペアチケットなんて貰っても微妙でしょ?ていうか縛りしてたって多分私達の誰かが勝つし」

玄「憧ちゃん何だかせこいよ……」

憧「賢いって言って。ま、私が勝ったら玄にあげるから行ってきなよ」

玄「え、悪いよ」

憧「何なら宥姉のほうにあげてもいいし。ほら、時間だよ」

玄「う、うん」

玄(夢の国なんて一緒に行ってくれるかな?)

玄(映画とかならまだしも、夢の国なんてハードル高いよー……)トボトボ


……

玄(約束の20分も前に来ちゃった……)

玄(いや、でもこれは電車とかが止まったりするかもしれないことを見越して来ただけであって)

玄(というか憧ちゃんが急かしたのもあるしっ)

玄(楽しみすぎて早く来たとかそういうことではないのです!)ウン!

ピトッ

玄「わひゃ!?」

竜華「だーれだー?」

玄「りゅ、竜華さんですか?」

竜華「あったりー」

竜華「早く来すぎたなあとか思ってたんやけど、玄ちゃんが居たからビックリしたわ」

玄「あ、え、えっと、これは電車の遅延とかを見越して来たらですね……」アタフタ

竜華「あー、今日雪降るとか言うてたしな」

玄「そう、そうなのです!」

竜華「何や、私と同じかなー思ってたのに。残念」

玄「へ?」

竜華「楽しみでちょお早く来てもうたん」アハハ

玄「!」

玄「あ、あの、私も、」

竜華「まあでも予定より早く会えたってことで結果オーライやんな」

竜華「早いけど、もう行こか?」

玄「はい……」

玄(私のバカ……素直に楽しみだったって言っておけば良かったのに……)ションボリ

……

竜華「さて、映画館に来たわけやけど」

玄「なに見るか決めてませんでしたね」

玄(今話題の恋愛小説ものとー、長編ファンタジーの一作目)

玄(あとなんか口コミで有名になったホラーに、女の子向けアニメのやつか……)

玄「何か見たいものとかあります?」

竜華「特に決めてきてないからなあ。今やってる映画も把握しとらんかったし」

竜華「玄ちゃん決めてええよ」

玄「じゃあえーっと」


>>60

ホラー

玄(よ、よしチャレンジしてみよう!)

玄「このホラーとかどうですか?」

竜華「玄ちゃんホラー好きなタイプなん?」

竜華「うちも怖いもの見たさでよく見るんよ」

玄「そうなんですか?」

玄(実はあまり好きじゃないんだけど……)

玄(所詮作り物だし……うん大丈夫大丈夫)

竜華「人多いなあ」

玄「口コミで有名になったらしいので、みんなそれで来たのかも」

竜華「クリスマスにホラー見るとか物好きやんなー」ハハハ

玄「それ、私達もですよ」

玄(大丈夫大丈夫)

……

「○○が行方不明?」
「どうしよう……絶対あれの仕業だよ!」

玄(始まったばかりなのに……)

玄(ううう……既に怖いよぅ……)ビクビク

……
ドタン!バタン! キャーーー!

「何今の悲鳴……」
「もうこんなところ居られない!私もう帰るから!」
「あ、今行ったら……!」


玄(やっ、やっぱり違うやつにしとけば良かったよーーー)ギューッ

玄(竜華さんは……?)チラッ

竜華「」ジーッ

玄(映画に見入ってる……)

……
玄(も、もう目を開けられない……)

「誰か、誰か居ないの!?」
「扉が開かない!!」
「ね、ねえ……あんたの肩……」

ピトッ

玄(わひゃあっ!?)ビクゥッ!!

竜華「うわっ」

玄(あ、い、今の手竜華さんのか……)

竜華「玄ちゃん大丈夫?」ヒソヒソ

玄(しょ、正直もう出たいけど……)

玄(竜華さんはずっと見てたし、途中で出るのも悪いよね……)

玄「まだ大丈夫です……」ビクビク

竜華「そんならええけど……」ヒソヒソ

竜華「あ、じゃあ手繋ご」ギュッ

玄「え?」

竜華「実を言うと私もかなり怖いねん」アハハ

玄(……多分嘘だよね……)

玄(でもこれならまだ大丈夫かも……)

……
ザワザワ チョーコワカッタネー

竜華「めっちゃ怖かったなあ」

玄「今日の夜、私寝れないかも……」

竜華「最近はホラー系でハッピーエンドって見いひんもんな。今回のもそうやし」

竜華「あれきっと続編出るで」

玄「怖かったけど、続きは気になりますね」

竜華「そしたらまた一緒に見に行こか?」

玄「うっ」

玄「今度は違うやつ見ましょう!」ウン!

竜華「ホラー苦手なのに見ようなんてチャレン……あれ?」

玄「どうしたんですか?」

竜華「いや、あれ玄ちゃんのお姉ちゃんやない?」

玄「え?あ、ほんとだ……」

竜華「また奇遇やんな?あの子らも映画見るんかな」

玄「そりゃここに居るんですし……」

竜華「どうする?話しかける?」

玄「うーん……」

>>75

話しかける

風呂入ってくるから20分くらい保守しといてくれ

玄「話しかけちゃいましょうか」

竜華「そうする?おーい」

菫「!」ビクッ

宥「あ、玄ちゃん……」

玄「お姉ちゃん達も映画だよね?」

宥「うん……」

菫「」ダラダラ

竜華「?」

玄「何見るの?」

宥「えっとね……」

菫「ゆ、宥!もう時間だぞ!」

宥「え?あ、ほんとだ人入ってる……」ワタワタ

宥「ごめんね玄ちゃん」

玄「ううん楽しんでね」

玄「……結局何見るんだろう?」

竜華「それなら入り口の前に書いてあるんやない?」テクテク

竜華「あの2人は何見るんかな?」

玄「イメージ的にファンタジーのあれじゃないですか?」

竜華「あー、弘世さんに恋愛もののイメージ無いからなあ」

竜華「あ、でもギャップでそうやったらおもろくない?」

玄「それもそうですね。それにお姉ちゃん、恋愛系割とよく見るし」

竜華「2人が入ったんはあそこか。えーっと」

竜華「……プリキュア?」

玄(物凄いギャップだーーー!)

竜華「……あ、でもほら、最近は見る層も違うらしいし」

竜華「きっと小学生くらいから見とったんやな」

玄「そうですよね多分」

玄(最近お姉ちゃんが日曜日に早起きするなーと思ってたら……)

玄(これ見てたのかな?菫さん、お姉ちゃんに付き合って見てあげてるんだ。凄い)

竜華「意外なもん見たわあ……」

……

玄「大分外暗くなっちゃってますね……」

竜華「あの映画結構長かったしな」

玄「それに日が暮れるのも早くなったし……」

竜華「春が待ち遠しいなあ」

竜華「玄ちゃん、この後どっか行きたいとかある?」

玄「いえ、特にないですけど……」

竜華「そんなら、ちょう行きたいところあんねん」

竜華「大規模なイルミネーションしとる公園があるんよ」

玄「あ、それ雑誌で見たかも」

竜華「見に行かへん?ずっと見に行きたかったんやけど」

竜華「1人で見に行くのってめっちゃ寂しいやん?」

玄「私も見たいです!」

竜華「良かったー……。大分歩くけど平気?」

玄「田舎で歩きなれてるので!」

……


玄「……くしゅっ」

竜華「大丈夫?ちょう曇ってきたからなあ」

竜華「風邪引かんように温かくせんと……」

玄「大丈夫ですよ、私健康がとりえなので!」

竜華「そうは言うてもな……ほら」ギュッ

玄「あ……」

竜華「手、めっちゃ冷たいやん」

玄「竜華さんも大して変わらないですよ?」

竜華「あれ、そう?」テヘ

玄「そこのコンビニでホッカイロとか買います?」

竜華「うーんそれもええけどな」

竜華「手ぇ繋いだら温かいで?」

玄「……どっちも冷たいですよ」

竜華「人肌が一番なんやで?ほら、行こ」テクテク

玄(でも何だか温かいかも)

玄(そういえば、誰かと手を繋いで歩くなんて最後にしたのいつだったかな……)テクテク

……

竜華「人めっちゃおるなー!さすが有名スポット!」

玄「ごった返してますねー」

竜華「こんだけ人おったらムードも何も無いやんなー?」アハハ

玄(……でも人は確かに多いけど)

玄(みんなカップルだよね……2人で行動してる人が殆どだし)

玄(うう、気持ち的に何か場違い感が……)

玄(表面上だけで、実際は違うし……)ションボリ

竜華「あれ、何か玄ちゃん元気ない?」アレー?

竜華「人混みとかあかんかったかな?」

玄「あ、いえ、そういうんじゃなくて」

玄「ちょっと場違い感がですね……」

竜華「場違い……ああ」

竜華「でも平気やろ?うちらも端から見たらカップルみたいなもんやで?」

竜華「手ぇ繋いどるし」

玄(端から見たら、ってだけだもん……)ションボリ

玄「でも現実では違うわけですし……」

竜華「それ言われると何も言えへんなるわ」

玄「……ほんとにごめんなさい」

竜華「何?」

玄「何か私のつまらない意地に付き合わせちゃって……」

竜華「別に気にしとらんで」

竜華「いや、むしろ嬉しかったかも」

玄「え?」

竜華「きっかけはまあ、ちょっと変わってるけどそれでも仲良うなれたわけやし」

玄「……確かにそうですね」

竜華「弘世さんとか、色々面白いもんも見れたしなあ」

竜華「もしかして玄ちゃんと結婚したら弘世さんをお義姉さん呼ばなあかん感じやんな?」

玄「!」

玄「そ、それは」ワタワタ

竜華「何かあの人怖いイメージあるから、そうなったら大変やろうなー」

竜華「実際は違うんやろうけど、大体の人は怯んでまうで?」

玄「う……確かにお姉ちゃんはどうやって仲良くなったんだろう」

竜華「世の中不思議な巡り合わせがあるもんなんやなあ」

竜華「あ、ほらイルミネーション見えてきたで」

玄「わあ、すごい!」

竜華「綺麗やけど何か電気代気にしてまうな?」

玄「……確かに電気代凄そうですけど…」

竜華「まあそんなん気にしても何にもならんしな?」

竜華「素直にこれ堪能しよ」

玄(もしかしてお姉ちゃん達も映画見たら行くのかな?)

竜華「人混みやから少し温かいなあ」

玄「お姉ちゃんとか喜びそう……」

竜華「あ、そういえば寒がりなんやっけ」

玄「はい。いつもは完全防備で……」

玄(……そういえば完全防備じゃなかったよね)

玄(……確かにデートでマスクとメガネは嫌だけど、大丈夫なのかな?)

竜華「玄ちゃん、こっちこっち」グイグイ

玄「え?でもそっち道から外れて……」

竜華「ええからええから」

竜華「ここの地元に住んどる友達から穴場聞いたん」

竜華「もうちょい奥行くと全体が見渡せるんやってー」

玄「そうなんですか」

竜華「もうすぐ着くでー」

……

竜華「おお、確かによう見えるわ」

玄「ほんとだ!」

玄(穴場なだけあって人少ない……急に静かになっちゃった)

玄(それに完全にカップルだけしか居ない……)

竜華「静かやし、ちょっと休憩できるやん?」

玄「そうですね。人混みって案外体力を使いますし……」

竜華「私もそこまで人混み得意なわけやないから」

竜華「ここで休憩できたらなって計算もあったん。綺麗やし」

竜華「まあそれだけやないんやけど」

玄「他にも何かあったんですか?」

竜華「……ここ来たんはちょっと理由があってな」

玄「それってここからのほうが綺麗とかじゃなくて?」

竜華「元々ここにはここらで有名なジンクスみたいなのがあるって聞いてん」

竜華「あとは願掛けみたいなのも兼ねてかな」

玄「どんなジンクスがあるんですか?」

竜華「ん、まあそれはおいおいな。ジンクスが成立するか分からんし」ボソッ

玄「??」

玄(っていうか……周りの雰囲気が凄い濃密……)ソワソワソワ

玄(何だかここに居ると目のやり場に困るような……)

玄(な、何も無いのに緊張してきた)ドキドキ

竜華「……きっかけはどうであれ、仲良うなれて嬉しいって言うたやん?」

玄「え、あ、はい!」

竜華「まだ短いけど玄ちゃんと一緒におると楽しいねん」

玄「それは私も……です」

竜華「それで……あー、電話とかも結構楽しみにしとるんよ」

玄「私もしてますよ?」

竜華「休みの日に遊びに行くんも楽しいしな?」

玄「私も楽しいです」

竜華「まあ、うん、それでそれは玄ちゃんやからやとうちは思うねん」

玄「私も竜華さんだからこんなに楽しいんだと思ってますし」

竜華「……」

玄「……??」

竜華「やっぱあかんわ」

竜華「回りくどいんは駄目やな私」ハハ

竜華「ちゃんと言葉考えてたんやけど、頭真っ白になってもうた」

玄(……ひょっとして、ひょっとする?)ドキドキ

竜華「玄ちゃん」

玄「は、はいっ」

竜華「好きです。付き合って下さい」ペコッ

玄(こ、これ夢?ドッキリ?本当だよね?)カアァァ

玄「え、えっと、その、」アワアワ

竜華「今までの名目だけの恋人やなくて、本当の恋人になりたい」

竜華「まだ仲良くなって3ヶ月くらいやし、いきなり好きとか言われても信用できへんかもしれんけどっ」

玄(も、もしかして竜華さんテンパってる?)ワタワタ

竜華「時間とかはこれから埋めていけると思うし、」

玄「……竜華さん」

竜華「もしかして玄ちゃんもそうおもってくれてたりしたら嬉しいなー?なんて思ってたり」

竜華「いや、これ私が勝手に勘違いしとるだけで玄ちゃんにとっては迷惑やったかもやけどっ!」

玄「竜華さん!」

竜華「」ビクッ

竜華「……うん」

竜華「……それで、返事教えてくれると嬉しい」

竜華「駄目やったら恨むとかそんなん全然無いから、正直に答えて欲しいと思ってる」

玄「……きっかけが本当に私の身勝手なことで不安に思ってたんです」

玄「竜華さん本当は迷惑だとか思ってないのかなって」

竜華「そんなことないって!」

玄「それで、最初は皆に嘘を通せたことでホッとしてたんですけど」

玄「段々寂しくなってってる自分も居て」

玄「何でなのかなって最初不思議だったんですけど、私、」

玄「……私も竜華さんのこと、好きです」

竜華「……玄ちゃん」

竜華「ほ、ほんまに?」

玄「はい、本当に」

竜華「……」ポロポロ

玄「え!?ど、どうして泣いちゃうんですか?」

竜華「あ、これ嬉し泣きやから心配せんとって……」

竜華「ほんまはめっちゃ不安やってん……映画とか見てる時からずっと……」

竜華「人に告白なんてしたこと無いし、断られたらほんまどうしたらええんか分からなくて……」

玄(竜華さんもこうやって泣くんだ……)

玄(……最初に告白するほうが怖いんだもん。当たり前だよね)

竜華「……いや、でもホッとしたわ」

玄「私も……ってのはおかしいですね」

玄「えっと……よろしくお願いします」ペコッ

竜華「うん。大事にする……って言い方もおかしいなあ」

玄「……それで一つ聞きたいことがあるんですけど」

竜華「ん?」

玄「ここのジンクスって何ですか?」

竜華「あー……」

竜華「凄いありがちなもんやで?特別なこととか何も無いし」

玄「聞きたいです」

竜華「……ここに来たカップルはずっと一緒で居られるとかそんなん」

玄「そういうジンクス、自分にはずっと無縁なものだと思ってたんですけど」

玄「……何か凄い嬉しいです」

竜華「……うん、そやな。最高のクリスマスプレゼントになったわ」

玄「……ん?」

玄(プレゼント……?)

玄(あーーーー!)

玄(わ、忘れてたよ!!)サーッ

玄(クリスマス会の時に置いてきちゃった!)アワワワ

竜華「玄ちゃん?」

玄「……ごめんなさい竜華さん 」

竜華「……え」

竜華「……それはやっぱりキャンセルとかそういう……」

玄「そういう事じゃなくてですね、プレゼント持ってくるの忘れました……」

竜華「あ、なんや、そんな事か」

竜華「私も今日持ってきとらんで?」

竜華「今日、午前中まるまる使おうて探したんやけど見つからんくて」

竜華「せやから気にせんといて?」

玄「……でも……折角だったのに……」

竜華「ふむ」

竜華「そんなら……うーん」ムムム

玄(何で忘れてきたんだろう私……)

竜華「……あ」ピコーン

竜華「玄ちゃん、念の為に聞きたいことあるんやけど」

玄「何ですか?」

竜華「ファーストキスはまだやっとらん?」

玄「……したことないですけど」

竜華「ああ、そんなら良かった」

玄(……え、もしかして……)

竜華「玄ちゃんのファーストキスでええよ」

玄「そ、それだと竜華さんはファーストキスじゃないみたいですよ」

竜華「いや、ファーストキスやで?玄ちゃんにとってのプレゼントになるか分からんし」

玄「プレゼントですよ!嬉しいです!」

竜華「そんならええ?」スッ

玄「……で、でも人目があるし」

竜華「元々ここそういう所やし。皆目の前の子ぉに夢中で周りなんか見てないで」

玄「う……」

竜華「玄ちゃん」

玄(どどどどうしよう、緊張して心臓が)バクバク

竜華「……うち今めっちゃ緊張しとる」

玄「わ、私も……」ドキドキドキ

竜華「そのうち慣れるとええなあ」

玄「はいっ」

竜華「目ぇ、瞑って?」


チュッ

玄「」

竜華「玄ちゃん」

玄「」ドキドキドキ

竜華「玄ちゃん、もう終わったで」

玄「き、緊張で体が震えて……」ガクガク

竜華「せやからキス終わったって」

竜華「でも私も冬なのにめっちゃ体火照っとるわ」フーッ

玄「私も汗かいてます……」

玄(何だか今凄い幸せかも)

玄(何だかんだいって、これは皆のおかげなのかな?)

玄「竜華さん」

竜華「うん?」

玄「これからも恋人としてよろしくお願いします!」

竜華「勿論!」


カン

今まで書く書く詐欺しててほんまに申し訳ない
真面目な竜華と玄の恋愛を書いてみたかったんだ
あとこれは宣伝になってしまうが、密かにこのSSの続きとして近いうちに渋のほうに小説上げると思う

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