森夏「元中二病でも恋がしたい!」(405)

勇太の部屋

勇太「お、お茶入れてくるね!」

森夏「うん、お構いなくー」

ガラッ

森夏(さて、部屋の主もいなくなったことだし早速アレを探さないと……)

森夏(富樫くんがお茶を入れてくるまでに見つけないと駄目ね……どこから探せば……)

森夏(待って、感覚を研ぎ澄ますのよ森夏……そうすればきっと簡単に見つかるはず…………ここ!)

森夏(あった!あとはバッグに隠して……)スッ

ガラッ

勇太「お、お茶入れてきたよ」

森夏「わぁ、ありがとう!(あ、危なかったぁ)」

勇太「あのさ、それで話って?」

森夏「え?」

勇太「なんか、二人で話したいって言ってたよね?」

森夏「う、うん!そうそう!(そういえばそんな口実で来たんだっけ)」

勇太「わざわざ俺の家まで来るってことは結構大切な話なのかなーとか思ったり……」

森夏(どうしようかしら、目的は済んだわけだしもう帰ってもいいんだけど……)

森夏(でもそれだと不自然よね……ここは何か適当に質問でもして……そうだ、実に高校生らしい無難な質問を思いついたわ)

森夏「あのね、私、富樫くんに聞きたいことがあって」

勇太「な、何?」

森夏「富樫くんってさ、彼女いるの?」

勇太「え、ええ!?な、何でそんなこと……」

森夏「えっと、ちょっと気になって。そんなに慌ててるってことはいるのかなぁ?」

勇太「い、いいいいいいないよそんなの!いたこともないし!」

森夏「へえー、そうなんだぁ(何か様子が変ね……私おかしなこと聞いたかしら?)」

勇太「そ、そういう丹生谷はどうなの?彼氏とか……」

森夏「私も富樫くんと同じ。いないし、いたこともないよ」

勇太「そ、そうなんだ」

森夏「……」

勇太「……」

森夏(何か妙な空気ね……うーん、もう帰っちゃっても大丈夫かな?早くコレを処分しちゃいたいし)

森夏「それじゃ、そろそろ帰るね。」

勇太「えっ!?か、帰るの?」

森夏「うん、これからちょっと用があって」

勇太「そ、そうなんだ」

森夏「あっ、お茶ご馳走様でした」

勇太「ど、どういたしまして!あ、駅まで送ろうか?」

森夏「ううん、大丈夫。お気遣いなくー。それじゃ、また明日学校でね。バイバイ!」

ガチャッ

勇太「ば、バイバイ!」

バタン

森夏の部屋

森夏「ふふっ、バレることなく無事にマビノギオンを手に入れることが出来たわ」

森夏「さて、コレは後で燃やすとして、同好会はどうしようかしら」

森夏「あの中坊からマビノギオンを回収するのが目的だったわけだし、もう用はないのよね。明日にでも適当に理由をつけて退部でいいかな」

勇太の部屋

勇太「来てる……来てるぞ……!俺の青春の始まりが!」

勇太「家まで来て彼女がいるか聞いてくるなんて、もうこれ以上ないフラグだろ!」

勇太「やっぱあの妙な雰囲気だったときに告白した方が良かったか……?いやでももっとロマンチックな場所とかシチュエーションのほうが丹生谷も嬉しいだろうし……」

勇太「大丈夫だ、クラスも部活も一緒なんだし、これからチャンスはいくらでもある……。何なら明日の放課後にでも六花達の目を掻い潜って……」

六花「私がどうかした?」

勇太「うわぁ!お、お前いつからいた!?」

六花「勇太が『来てる……来てるぞ!』とか言ってた辺りから」

勇太「部屋に入って来たなら声くらいかけろよ」

六花「かけた。しかし勇太は不可視境界線を探すのに夢中だったから気づかなかった」

勇太「あー、そうか……」

六花「探索中にどんな幻覚を見たのか非常に興味深い」

勇太「幻覚?なんだよそれ。具体的に言ってくれないと分からん」

六花「告白した方が良かったとか丹生谷が嬉しいとか」

勇太「そ、それは気にしなくていい!お前には関係ないことだから」

六花「関係ない……?」

勇太「そうだ、全くもって関係ない!だから忘れていいぞ」

六花「……」

勇太「と、ところで異世界へは行けたか?」

六花「……残念ながら特異点を発見するには至らなかった。私と凸森の力を合わせても足りないなんて、流石に異世界は伊達じゃない。
    いつかDFMの力が必要になるかもしれないから、勇太も日頃から鍛錬を怠らないで」

勇太「分かった分かった!お、上から物音がしたぞ。プリーステスが帰ってきたんじゃないか?」

六花「…………」

六花「…………」

勇太「何だよ、黙り込んで」

六花「別に。……そういえば凸守から伝言。明日必ず魔術師モリサマーが記したマビノギオンを持ってくるようにと。
    持ってこなかった場合、DFMはおろか学校の全ての人間の安全は保証しないとも言っていた」

勇太「そりゃ大変だ。忘れないようにするよ」

六花「それでは明日、ランデブーポイントAで」サッ

勇太「行ったか。あぁ、しばらく丹生谷のことが頭から離れそうにないな。忘れない内にマビノギオンを鞄に入れとくか。確かここに…………あれ?」

教室

七瀬「それでは、ホームルームを終わりま~す。みんな、また明日ね~」

勇太「ふぅ、まさかあの同好会に行くのが待ち遠しく思う日が来るとはな」

勇太(今日はチア部が休みらしい。つまり放課後はずっと丹生谷と一緒……!)

森夏「とーがしくん!部室行こ?」

勇太「う、うん!

廊下

森夏「そうだ、大事な話があるんだけど、いいかな?」

勇太「だ、大事な話!?」

森夏「うん、部室に着いたら話すね」

勇太「えっ、部室で大丈夫なの!?」

森夏「え?何で?」

勇太「いや、部室だと他の部員もいるし……」

森夏「同好会に関することだからそのほうが都合がいいかなって。何か駄目だった?」

勇太「なんだ……そういう話か……」

森夏「……?」

部室

勇太「他の皆はまだ来てないみたいだね」

森夏「そうみたいね。そういえば、小鳥遊さんはどうしたの?」

勇太「あー、なんか魔力が枯渇して力が出せないから家で魔力を補充するとか言って帰ったよ……」

森夏「へ、へぇー、そうなんだ。んー、とりあえず、先に富樫くんにだけ話しておこうかな」

勇太「分かった、聞くよ」

森夏「私ね、この同好会をや」

バタンッ

凸守「む、現れたデスね!ダークフレイムマスター!」

森夏(来たわね、中坊)

勇太「現れたのはお前だろ。あとその呼び方はやめろ、今すぐにだ」

凸守「そんなことはどうでもいいデス!さあダークフレイムマスター、ミョルニルハンマーの力が暴走する前にマビノギオンを差し出すデス!」

勇太「あー、それなんだけどな……すまん凸守、どうやら失くしたみたいだ」

凸守「……な、何ですとおおおおおおおお!?」

森夏(ふふっ、残念だったわね、中坊。アンタのマビノギオンはとっくの昔に灰と化したわよ)

勇太「本当にすまん、探したんだが見つからなくて……」

凸守「そんな……凸守の大事な……大事な……」

森夏(仕方なかったとはいえ、悪いことしたわね……富樫くんには。あんなものを探して時間を無駄にすることになっちゃって。今度、何か埋め合わせするから許してね)

凸守「……ゲフッ」

勇太「……げふ?」

森夏(……げふ?)

凸守「ゲフッ、ゲフ、ゲフゲフゲフゲフフフフうぅぅ!心配無用デース!こんなこともあろうかと、しっかりコピーを取っておいたのデスよ!」ドヤッ

森夏「ハァァァァァァァァァッ!!??」

勇太「に、丹生谷!?どうしたんだよ、急に大声出して!?」

森夏「な、何でもないの!気にしないで!!」

勇太「そ、そっか……」

凸守「マスターに免じて今回の失態は水に流してやるデスが、次に何かしくじるようなことがあれば、二度と闇の力を行使出来ない身体にしてやるデス!」

勇太「ははは……そりゃ怖いな、肝に銘じておくよ。そういえば丹生谷、何を話してたんだっけ?確か同好会をどうとか……」

森夏「いいの……もういいの……振り出しに戻ったみたいだから……」

勇太「……?」

森夏(迂闊だったわ……まさかコピーを取っていただなんて……全く、あんな塵のどこがそんなに良いってのよ)

くみん「うっ……うーん、みんなうるさいよぅ。人の昼寝を邪魔しないのがこの同好会の掟なんだよぉ?」

勇太「あれ?先に来てたんですか?先輩。そんなはずは……」

くみん「ううん、来たのは凸ちゃんの後だよ~」

勇太「どんだけ寝つきが早いんですか!?の○太もビックリですよ!?」

森夏「と、ところで、凸守さんってどこに住んでるの?教えてくれないかな?」

凸守「ふん、やなこったデス!」

森夏「……あ?」

凸守「貴様のような腐れ一般人が、ミョルニルハンマーの使い手であるこの凸森の牙城を突き止めようなど一億光年早いデス!」

森夏「誰が腐れ一般人よ!!……はっ!?」

勇太「……」

森夏「もっ……もう、女の子がそんなこと言っちゃ駄目だよ?」

森夏(このクソ中坊……絶対にマビノギオンを奪い取ってやるんだから……!)

森夏の部屋

森夏「うーん、どうしようかな……あの中坊から住所を聞き出すのは難しいし、仮に住所が分かってもそう簡単にマビノギオンを奪えるわけがないわよね……」

森夏「諦めちゃ駄目よ、森夏……きっと何か手はあるはず……」

森夏「そういえば、あのクソ生意気な中坊も、小鳥遊さんの言うことは素直に聞くのよね……」

森夏「そうだ、小鳥遊さんに頼んで、マビノギオンを全て差し出すよう説得して貰えばいいじゃない!」

翌日 教室

森夏「富樫くん、おはよう!」

勇太「おはよう、丹生谷」

森夏「……あれ?今日は小鳥遊さんと一緒じゃないの?」

勇太「それが六花のやつ、風邪引いて寝込んでるらしいんだよ」

森夏「え、そうなの?」

勇太「ほら、昨日魔力が枯渇したとかで部活に出てこなかっただろ?あれは熱が出て苦しいって意味だったらしい」

森夏「なるほどね、そういうことだったんだ……」

勇太「あいつ、お姉さんと二人暮らしなんだけど、お姉さんは仕事で帰りが遅いんだ。それに朝になってから風邪引いてるって知ったもんだから、お姉さんも用意する暇がなかったらしくて。
    だから学校が終わったら様子を見に行ってやろうと思ってる」

森夏(なるほど……これはチャンスね)

森夏「ねぇ、私も行ってもいいかな?」

勇太「え?そりゃ構わないけど、どうして?」

森夏「同じクラスで同じ同好会だもの、私も小鳥遊さんのこと心配だから。駄目かな?」

勇太「分かった、じゃあ一緒に行こうか」

森夏「うん!」

森夏(体調が悪いところ申し訳ないけど、事は一刻を争うわ。絶対に小鳥遊さんを説得してマビノギオンを回収してもらうんだから……)

六花の家の玄関前

森夏「へぇー、小鳥遊さんって富樫くんと同じマンションに住んでるんだ」

勇太「少し前に引っ越して来たんだ」ピンポーン

勇太「……」

森夏「……」

森夏「……出ないね」

勇太「……出ないな」ピンポーン

『……はい……』

森夏「あ、出た」

勇太「六花、俺だ。お見舞いに来てやったぞ」

『……今開ける……』

ガチャッ

六花「……ふっ……ふふ、よく来たダークフレイムマスター……」フラッ

勇太「お、おいおい、大丈夫かよ。熱は何度なんだ?」

六花「……朝に測った時は38度くらいだった……」

勇太「んじゃ今は?」

六花「39度……だが私は普段から闇の炎に身を焦がされている……この程度なら何の問題もない……」

森夏「ちょっと!39度って重症じゃない!多いに問題あるわよ!」

六花「……なぜ丹生谷が……?」

勇太「お前のことが心配で来てくれたんだよ」

六花「……そう……」

森夏「とにかくベッドまで行くわよ。ほら、肩貸すからつかまりなさい」

六花「いい……敵の助けを借りるなんて邪王真眼の名折れ……あぅ……」バタッ

森夏「そんなフラフラの状態で何訳分かんないこと言ってるのよ。ほら!早く!」

六花「うぅ……勇太ぁ……」

勇太「強がらずに手助けしてもらえって。丹生谷は同好会の部員なんだから敵なんかじゃないだろ?」

六花「……分かった……」

丹生谷「よいしょっと……うわっ、汗でビショビショじゃない!これは、後で着替えないと駄目ね。あなたの部屋はどこ?」

六花「……あっち……」

六花の部屋

丹生谷「散らかってるわね、足の踏み場もないじゃない」

丹生谷「しかもそんな面倒くさい格好して。そんなんじゃ治るものも治らないわよ。パジャマはどこ?」


六花「これは邪王真眼の力を抑える霊装……安易に脱げば闇の力が暴走することになる……」

森夏「いいから教えなさい」

六花「……そこ……」

森夏「ここね……うん、これでいいかな。それじゃバンザイして。服を脱がせて身体拭いてあげるから」

六花「うぅ……それくらい自分で出来る……」

森夏「身体を少し動かすだけでも辛いでしょ、良いから言う通りにしなさい。女の子同士なんだから別に恥ずかしくないでしょ?」

六花「……うん……」

勇太「……」

森夏「……ちょっと富樫くん?」

勇太「……えっ?何?」

森夏「何?じゃないわよ。小鳥遊さんが着替えるから、部屋から出て欲しいんだけど」

勇太「……あっ、そうか。分かった」

森夏「もう入ってもいいわよ」ガラッ

六花「うぅ……ダークフレイムマスターの前でこんな姿をみせることになるなんてなんたる屈辱……」

森夏「まったく、こんな状態になってまでこの子は何いってるんだか。富樫くん、ちょっと小鳥遊さんの様子見ててあげてくれない?私、色々看病の用意するから」

勇太「ああ、分かった」

勇太「丹生谷遅いな……何やってるんだろ……」

ガラッ

森夏「遅くなってごめんね、ちょっと買い物で外まで行ってて」

勇太「え?外まで買い物?」

森夏「そ。ちょっとスーパーまで」

勇太「な、なんで?」

森夏「冷蔵庫とか見させてもらったんだけど、使えるものが何もなくって。ほらこれ、スポーツドリンク。ちゃんと水分取らなきゃ駄目よ。あと小鳥遊さん、食欲はある?」

六花「朝から何も食べてない……お腹空いた……」

森夏「それじゃあ、アイス買ってきたからとりあえずこれ食べてて。これはマスクね。あと富樫くん、この冷えピタ貼ってあげて。ちょっとキッチン借りるわね」ガラッ

勇太「あ、ああ。……よし、貼るぞ、六花」

六花「……や、優しくしてほしい……」

勇太「誤解を招くような言い方はやめろ。……よっと」ピタッ

六花「つめたっ……」

勇太「……ちょっと、丹生谷の様子を見てくるけど、おとなしくしてろよ」

六花「……心得ている……」

リビング

勇太「丹生谷?」

森夏「あ、もう少しで出来上がるから待ってて」

勇太「この匂いは……へぇ、卵粥か。……って、これ自分で作ったのか?」

森夏「別に驚くようなことじゃないでしょ?これくらい誰にだって出来るわよ」

勇太「いやいやそんなことないって……凄く美味そうだな……」

森夏「結構多めに作ったし、少しくらいなら食べてもいいわよ。……って、なに人の顔じっと見つめてるのよ」

勇太「……え?あー、いやちょっと思ったことがあって」

森夏「なに?」

勇太「いや、別にたいしたことじゃないから気にしなくていいよ!」

森夏「そう言われるとますます気になるじゃない!いいから答えなさいよ」

森夏「そう言われるとますます気になるじゃない!いいから答えなさいよ」

勇太「……いやその、丹生谷は良いお嫁さんになれるなって。結婚する男は幸せだなって思っただけ」

森夏「は、ハァ!?なっ、何馬鹿なこと言ってるのよ!?」カァッ

勇太「だ、だから言いたくなかったんだよ……」

森夏「へ、変なこと言ったから富樫くんの分は抜きね!余った分は冷蔵庫に入れとけば後で小鳥遊さんが食べられるし!」

勇太「えぇ、そんなあ」

六花の部屋

六花「……」モグモグ

森夏「どう?」

六花「……美味しい……プリーステスに引けを取らない……」

森夏「そう、良かった。ところで、プリーステスって?」

勇太「六花のお姉さんの十花さんのことだよ。調理師で、料理が凄く上手いんだ」

森夏「へぇー、そうなんだ。もしかして小鳥遊さんのお弁当を作ってるのがその人?」

俺「そうです」

六花「うん」

勇太「今の誰だ?」

俺「さあ」

森様「おめえだよ」

俺「は?」

勇太「そうそう。それにしても、けっこう遅くなっちゃったな」

森夏「7時か……そろそろおいとましようかな。それじゃ小鳥遊さん、またね。あ、ちゃんと大人しく寝てないと駄目よ?」

六花「あっ……あの……えっと……」

森夏「ん?何?」

六花「あ……ありがとう……」

森夏「気にしなくていいわよ、別にたいしたことしてないし。富樫くん、お姉さんが帰ってくるまで小鳥遊さんの様子見ててあげなさいよ。あと手洗いとうがいはしっかりね、移ったら


大変だから。それじゃあね」

勇太「……ごめん六花、ちょっと出かけてくる。大人しく寝てろよ」

六花「……ゆ、勇太……」

勇太「ん?何だ?」

六花「……何でもない……」

勇太「何だよ、おかしなやつだな」

六花「……私は大丈夫だから、自分の目的を果たすといい……」

勇太「悪いな、なるべく早く戻ってくるから」

マンション近くの道路

勇太「ハァハァ……丹生谷!!」

森夏「え!?どうしたの富樫くん!?私、何か忘れ物でもした?」

勇太「いや、もう暗いし駅まで送ろうと思ってさ」

森夏「そ、そんなの別にいいわよ、道は覚えてるから迷ったりしないし……心配しなくても……」

勇太「丹生谷がよくても、俺はそうしたいんだ。どうしても嫌ならやめるけど……」

森夏「別に嫌ってわけじゃ……分かったわよ、それじゃ駅までお願い」

勇太「ああ!」

森夏「……」

勇太「……」

勇太、森夏「あのっ!」

勇太「なっ、何!?」

森夏「と、富樫くんこそ……」

勇太「に、丹生谷から先にどうぞ」

森夏「えっと……あの……た、小鳥遊さんのことなんだけど!」

勇太「り、六花がどうかした?」

森夏「熱は下がってきてたけど、ぶり返す可能性もあるから気をつけてあげてね。あと、キッチンとか色々使ったから、お姉さんに宜しく伝えておいて」

勇太「わ、分かった」

森夏「そ、それで、富樫くんの方は?」

勇太「ああ……俺はお礼が言いたくて」

森夏「お礼?」

勇太「今日、丹生谷がいてくれて助かったよ。俺一人だったら、しっかり看病出来なかったと思う」

森夏「そ、そんなの大袈裟だって。普通に看病しただけだし……」

勇太「いや、わざわざ外まで買い物に行ってくれたり、お粥作ってくれたり……用意してくれた物も的確だったし、ここまで出来る人なんてそういないよ」

森夏「そ、そうかな?」

勇太「そうだよ。だから……丹生谷がいてくれて本当に良かった、ありがとう」

森夏「え、あ、あの……えっと……」カァッ

勇太「……ん?どうかした?何か顔が赤いけど……」

森夏「な、何でもないわよ!も、もうすぐ駅だしここまででいいから!それじゃ富樫くん、また明日学校でね!」タタタタッ

勇太「お、おい!?丹生谷!?」

森夏の部屋

森夏(な、何!?何なのこの気持ちは!?)

森夏(富樫くんが変なこと言うから調子狂っちゃったじゃない……!)

森夏(でも何だろ……私、ドキドキしてる……?どうして……?)

森夏「……そういえば、何か大事なことを忘れてるような……」

森夏「……あっ!小鳥遊さんにマビノギオンのこと頼むの忘れてた……」

森夏「はぁ……でもまあ仕方ないか……小鳥遊さん凄く辛そうだったし、また今度でいいわよね」

翌日 教室

森夏「富樫くん、おはよ!」

勇太「おはよう、丹生谷」

森夏「小鳥遊さんの容体はどう?」

勇太「熱はだいぶ下がったらしいけど、まだまだ安静にしてないと駄目って感じかな」

森夏「そっか。……ねぇ、今日も一緒にお見舞い行かない?」

勇太「今日も?俺は全然構わないけど、チア部は?」

森夏「うん、だから部活が終わってからになるけど、それでも良かったら」

勇太「分かった、それじゃ部室で適当に時間潰して待ってるよ」

六花の家の玄関前

ピンポーン

『合言葉を……』

勇太「そんなものは知らん。いいからさっさと開けろ」

『あぅ……』

森夏「ふふっ、昨日より元気そうね」

勇太「確かに。調子が出てきた感じだ」

ガチャッ

六花「管理局の連中に見つかってはまずい……早く中へ……」ヨロッ

森夏「……ちょっと、なんでまたその格好なのよ。あなた、ちゃんと大人しく寝てたんでしょうね?」

六花「私が呪いに侵されているからといって、敵対勢力による侵攻が止まる訳では無い……むしろ邪王真眼を持つ私の力が弱まっているこの時こそ敵対者にとっては絶好の機会……」

森夏「そういうのはいいから。真面目に答えなさい」

六花「うぅ……起きてました……」

勇太「お前なあ……十花さんに安静にしてるようしつこく念を押されてただろ。熱は?朝測った時は7度6分だったって十花さんが言ってたけど」

六花「朝から測ってないから分からない……」

森夏「とにかく、お邪魔するわよ」

六花の部屋

ピピピピッ

勇太「どれ、見せてみろ。……8度2分……上がってるし……」

森夏「あなたねぇ……いったい何やってたのよ……」

六花「うぅ……だって退屈なんだもん……」

森夏「だからって、動き回ってたら良くなるものも良くならないでしょ。風邪が治るまで大人しくしてなさい。いいわね?」

六花「はい……」

勇太「反省が見られないようなら、十花さんに報告するからな」

六花「うぅ、勇太ひどい……」

森夏「さて、そろそろ帰ろうかな」

勇太「俺もいったん家に帰って晩飯食べてくる」

森夏「早く風邪治して学校来なさいよ。ちゅ……凸守さんや五月七日先輩も心配してるんだから」

勇太「凸守はなんか心配する方向がズレてる感じだったけどな」

森夏「じゃ、またね」

勇太「ちゃんと寝てろよ?後でまた来るからな」

六花「……待って」

勇太「ん?」

六花「……話がある……丹生谷と」

森夏「私と?なに?」

六花「……勇太にはちょっと……」

勇太「俺が何だよ?」

森夏「私と二人だけで話がしたいってことじゃない?富樫くんは先に行ってて」

森夏「それで、話って?」

六花「単刀直入に聞く……丹生谷は……好きな人いる?」

森夏「……え?それは男子でってこと?」

六花「そう……」

森夏「うーん、いないかな」

六花「……本当に?」

六花「……本当に?」

森夏「本当よ。私に好きな男の子なんて……あっ……」

森夏(なんでこんなときに富樫くんの顔が頭に浮かぶのよ……)

六花「……丹生谷……?」

森夏「と、とにかく私に好きな男の子なんていないから!話ってそれだけ?」

六花「……うん……あ、あと……」

森夏「ん?」

六花「お見舞い……来てくれてありがとう……」

森夏「お礼なんていいから、ちゃんと風邪を治しなさい。お大事にね」

六花の家の玄関前

勇太「丹生谷!」

森夏「と、富樫くん!?なに!?家に帰ったんじゃ……」

勇太「駅まで送ろうと思ってさ。だいぶ遅くなっちゃったし」

森夏「あ、ありがと……」

駅の近くの道路

勇太「――それにしても、凸守を連れて来なくて正解だったな。『マスターに魔力を供給するのがサーヴァントの努めデス!』なんて言ってたけど、
    あいつが来たらますます六花が悪い意味で元気になりそうだし」

森夏「…………」

勇太「……丹生谷?」

森夏「……えっ!?な、なに!?」

勇太「大丈夫?さっきから何か心ここに在らずって感じだけど……なんか顔も赤いし、まさか六花の風邪が移ったとか……」ピトッ

森夏「ちょっ!?何突然おでこ触ってるのよ!?」カァッ

勇太「……あ!?ご、ごめん!熱がないか気になって……」

森夏「な、ないわよそんなの!次変なことしたら怒るから!」

勇太「は、はい!もうしません!」

森夏「…………」

勇太「…………」

森夏(何なのよ、何でこんなにドキドキしてるのよ私は……。何か喋ってないと変になりそう……)

森夏「……富樫くんってさ」

勇太「ん?」

森夏「小鳥遊さんと仲良いわよね」

勇太「んー、別に仲良いってわけじゃないと思うけど」

森夏「良いわよ。だって、いつも一緒にいるし、お昼だって二人で食べてるし……この間なんて小鳥遊さんにごはん食べさせてもらってたじゃない。間接キスでしょ?あれって」

勇太「あれは事故というか間違いというか……」

森夏「同好会を作るのにだって協力したんでしょ?何もなかったらここまでしないわよ」

勇太「それは成り行きというか何というか……」

森夏「もしかして小鳥遊さんのこと好きなの?ううん、実はもう付き合ってるとか……」

勇太「六花と!?ないない!ほんと全然そんなんじゃないから!」

>>152
うっかり明後日の方向見てたんだいやなんでもない気にしないでくれ

森夏「本当!?本当に本当!?」

森夏(なんで私、こんなに必死になってるんだろ)

勇太「本当だって!前にも言ったじゃん、今までそういうのはなかったって!それに俺は……あっ、いや……」

森夏「……なに?」

勇太「何でもない!そ、そういう丹生谷はどうなんだよ。好きな奴とか……」

森夏「わ、私!?私は……わた、しは……」

勇太「丹生谷……?」

森夏「ご、ごめんなさい!私急ぐから、またね!!」タタッ

勇太「あっ、危ない!車が!!」ギュッ

森夏「きゃっ!」

勇太「だ、大丈夫……?」

森夏「あっ、ありがと……もう大丈夫だから……離して……」

勇太「この辺りは車の通りが多いから気をつけないと……」

森夏「……うん、そうする……またね、富樫くん……」

>>154
おととい来やがれド素人めが

森夏(やっと分かった……何で富樫くんといるとドキドキするのか……何で小鳥遊さんに……嫉妬したのか……)

森夏(私……富樫くんのことが好きなんだ……どうしようもないくらいに……)

数日後 部室

バタンッ

凸守「チャチャチャチャンチャッチャラー!凸守が来たデスよ、腐った一般人共!……おおっ!マスター!」

六花「数百年ぶりか……久しいな、我がサーヴァントよ」

凸守「お戻りになるのをこの凸守、待ちわびていたデス!」

六花「戦線の方はどうなっている?」

http://i.imgur.com/UbHxu.jpg

凸守「マスターを欠いた戦いは熾烈を極めましたが、ミョルニルハンマーの封じられた力を解放することによって、何とか戦線を維持することが出来たデス!」

六花「うむ……此度の経験はそなたの力を管理局の連中に知らしめる良い機会となったな。これからも我が右腕として仕えてほしい」

凸守「仰せのままに、我がマスターよ」

勇太「はぁ……まったく、相変わらずだなお前らは……」

森夏「…………」

くみん「あ~、森夏ちゃん、まただ~」

森夏「……え?またって何がですか?先輩」

くみん「また富樫くんのこと見つめてる~。今日何回目だろう」

森夏「み、見てないですよ!寝ぼけてるんじゃないですか!?」

くみん「え~見てるよぅ。ここ何日かずっとそうだもん」

森夏「そんなことないです!!」

くみん「ふぇぇ、森夏ちゃんが怖い……」

花「おお、そうだ。我がサーヴァントよ。此度の件において、丹生谷が多いに私の力になってくれた。凸守からも礼を言うがいい」

凸守「あいつが?ふん、そんなの必要ないデス!邪王真眼は凸守のような力を持つものしか触れてはならないもの。
    むしろ、あのような腐った一般人が、マスターの力になれたことを感謝し、誇りに思うべきデス!」

六花「凸守」ジッ

凸守「うぅ……分かったデス……」スタスタ

>>163
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  ,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
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  彡ゝ `'' "  |ミミミ'       ‐'"ひi,;'´  ,ィ;;ァ'  { {   ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l      .| | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
   '彳`ー‐i  |ミミミ'          `゙ーシ'   |、ニ'  .ゝヽ、 ~]| ,i i  i l i l  i i .i i  .i .i      .| | i i  i l  .| i  .i |
 --、/    i  |ミミ         .,,r‐''"   | ノ    `ー-‐'"  ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ     .l l  ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
 く'ノ    :i  ミミ         ´  ., '   |'                              (~'-'ノ
 、\     .l  ヾ            .ノ(_,,、.   |                            `~~
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 \、:::::::::ヽヽ      /::ヘ ) `゙'ー、_         /:::::::::Τ  ̄ `l
 〃`゙ー、;;;;\\   /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、      /:::::::::::┼‐- -ノ



>>1も完結まで頑張れ

森夏「…………」

凸守「ま、マスターがどうしてもと言うなら仕方ないデス……我がマスターを救ってくれたこと、感謝するデス。腐った一般人にしてはよくやったデス!」

森夏「あー、うん……そうね……」

凸守「こ、この女……魂の抜けた抜け殻と化しているデス!これが邪王真眼に触れた力無き者の末路だというのデスか……恐ろしい……恐ろしいデス!」

くみん「やっぱり見てるよぅ」

六花「それでは今日はこれで解散とする。各自警戒を怠らないよう……」

くみん「ふぁぁ、今日も頑張って部活して充実感たっぷりだぁ」

勇太「昼寝を頑張るっていったい……。あ、丹生谷!」

森夏「ふぇ!?富樫くん、な、何!?」

勇太「ちょっと話があるんだけど、いいか?」

森夏「う……うん……」

六花「…………」

部室前の廊下

森夏「それで、話って……?」

勇太「あー、えっと……丹生谷さ。明日の休みって何か予定とかある?」

森夏「明日?明日はチア部が休みだし、他に特に予定もないけど……」

勇太「じゃ、じゃあさ……もし良かったら、明日二人でどこか遊びに行かないか?」

森夏「えっ……二人で……?」

森夏(そ、それってデートってことじゃないの……!?)

勇太「良かったらでいいんだ本当に。嫌なら……」

森夏「全然嫌じゃない!行く、行きます!!何時に何処で待ち合わせする!?」

勇太「よ、良かった。時間と場所は後でメールで相談しよう。ここではちょっと……」

森夏「え?どうして?」

勇太「いやだって、ほら……」チラッ

くみん「わぁ、すごーい!富樫くんと森夏ちゃんがデートだぁ!」

凸守「ふむ、下界の女に現を抜かすとは、所詮ダークフレイムマスターもその程度の存在だったというわけデスか。……マスター?どうかしたのデスか?」

六花「……勇太…………」

森夏の部屋

森夏「まさか富樫くんからデートに誘われるなんて思わなかったな……」

森夏「デートに誘うってことはもしかして、富樫くんも私のこと……好き……とか……」

森夏「……ああぁぁぁ!なんか凄くドキドキしてきた!どうしよ、何着て行こうかしら!?富樫くん、どんな服装が好みなんだろ!?
    どういう格好がベストなのかしら……ああもう、デートなんてしたことがないから分からないわよ……」

森夏「あ、富樫くんからメールだ……『待ち合わせだけど、10時に駅前で良いかな?』……。『うん、それで良いよ。楽しみにしてるね』と……。ふふっ……うふふふ……」

駅前

森夏「おはよ!富樫くん!」

勇太「おはよう丹生谷。早いな、ごめん待った?」

森夏「ううん、私もついさっき来たところだから。(本当は30分前だけど)それで、どこに行くの?」

勇太「最近新しく出来たショッピングモールがあるだろ?あそことかどうかなーって思ってるんだけど……」

森夏「あ、良いわね。ちょうど行ってみたいなって思ってたの。行きましょ!」

ショッピングモール入口

森夏「へぇ、お店だけじゃなくて映画館やゲームセンターもあるんだ。ねぇ、どこから回る?」

勇太「そうだな……とりあえず、これなんてどう?」

森夏「……映画の割引券?あ、これって面白いって評判のやつじゃない?」

勇太「そうそう、だからちょうどいいかなって。」

森夏「気になってたのよ、観ましょ観ましょ!」

映画館 上映中

森夏(すぐ隣に富樫くんがいるってだけでもドキドキするのに、暗いから余計に……)

森夏(て、手とか握っちゃったりしても大丈夫かしら!?フィクションだと良くあることだし別におかしくないわよね……!?)

森夏(ううん、待って……落ち着くのよ森夏……何もないのにいきなり手を握るのは流石に不自然だわ……)

森夏(怖いシーンやびっくりするシーンが来たときにさりげなく握るのが定石……!)

森夏(早く来ないかしら……あぁもう……!もどかしいわね……!)

映画館 上映後

森夏「……」

勇太「丹生谷、どうかした?」

森夏「え?べ、別に何でもないわよ?」

森夏(はぁ、結局良いタイミングがなくて、手握れなかったわ……)

勇太「……?ところで、どうだった?映画は」

森夏「うーん、そうね……。ヒロインの愛が主人公を蘇らせるシーンが凄く良かったわ!」

勇太「あ、良かったよなあのシーン!泣いてる人もいたし」

森夏「そうよ……やっぱりこの世界に一番必要なのは愛なのよね!……はっ!?」

勇太「丹生谷?」

森夏「わ、私お腹空いちゃったな!ねぇ、何か食べない?」

勇太「そうだな……それじゃフードコートに行こうか」

森夏(いけない……私ったらつい昔のアレが出ちゃったわ……)

フードコート

勇太「店は色々あるんだけど、結局これになっちゃうんだよなぁ」

森夏「そうなのよね、何故かみんなワクドナルドばっかりだし。ここまで極端だと他の店が少し可哀想に思えちゃう」

森夏(あっ、こっちは富樫くんの紙コップか……紛らわしくて間違えそうになっちゃったわ。)

森夏(……待って、これを飲めば富樫くんと間接キス!?)

森夏(いやでも流石にそれは……でも富樫くん、前に小鳥遊さんと間接キスしてたわよね……)

森夏(……間違えちゃったなら仕方ないわよね、うん、仕方ないのよ!)

森夏(ええい、行っちゃえ!)スッ

サッ

森夏「あっ!」

勇太「え?あっ、もしかして俺、コップ間違えた!?」

森夏「う、ううん、そっちで合ってるよ!」

森夏(間違えてないから問題なのよ……!)

勇太「そうだ、これからどうしようか。回りたい店とかある?」

森夏「え?うーん……服が見たいかな、気になるお店が多くて。富樫くん、試着するから感想よろしくね」

勇太「あっ、うん。でも俺なんかの感想で良いの?」

森夏「もちろん。むしろ富樫くんだから……あっ……」

勇太「……え?」

森夏「な、何でもない!ほら、食べ終わったし行きましょ!」

服屋

森夏「どう?」

勇太「凄く似合ってる。凄いな、丹生谷は。何着ても似合うじゃん!」

森夏「そ、そうかな……」

森夏(ふふっ、当然でしょ!)

勇太「やはりスタイルの良さと肉付きの良さを兼ね揃えているからか……」

森夏「……ん?肉付きが良いってなに?ぽっちゃりしてるってことかしら?」

勇太「あぁ、いや……そういう悪い意味じゃなくて……あっ、あっちに丹生谷に似合いそうな服があるから取って来る!」タタッ

森夏「ちょ、ちょっと!待ちなさいよ!」

ショッピングモール内

勇太「結構遅くなってきたし、そろそろ帰ろうか」

森夏「あっ、最後に寄りたいところがあるんだけどいいかな?」

勇太「いいよ、どこ?」

森夏「えっとね……」

ゲームセンター

勇太「本当に良いの?俺なんかとプリクラ撮って……」

森夏「良いから誘ったの。それともなに?富樫くんは私と撮るのいや?」

勇太「そんなことあるわけないよ。でも、ちょっと恥ずかしいかな……」

森夏「それは私だって同じだよ。ほら、撮るよ!」

カシャッ

森夏「はい、これは富樫くんの分」

勇太「あ、ありがとう」

森夏「大事にしてよね!……ふふっ……」

女子1「ねぇ、あれ丹生谷さんじゃない?」

女子2「あ、本当だ。中学のときと雰囲気が全然違うから分からなかった」

森夏「!?」

女子1「へぇ、プリクラ撮ったりするんだ……何か意外」

女子2「隣の男の子ってもしかして彼氏かな?」

女子1「えぇ、まさかぁ。丹生谷さんと付き合う人なんていないでしょ」

女子2「もしかしたら、同じような人なのかも……」

森夏「……冨樫くん、行きましょ」

勇太「え?あ、でも知り合いじゃないの?あの二人」

森夏「いいから!!」

勇太「あっ、ちょっと!」

帰り道

森夏(危なかった……まさか中学で同じクラスだった子と出くわすなんて……)

森夏(……何浮かれてたんだろ……私……)

森夏(もし冨樫くんが私のことを好きだったとしても、それは猫を被ってるときの私であって本当の私じゃない……)

森夏(それだけじゃない……冨樫くんは中二病だった頃の私を知らない……)

森夏(そのことを知ったら冨樫くんはきっと幻滅する……私のことを嫌いになる……)

勇太「……丹生谷、大丈夫?」

森夏「……え?どうしてそんなこと……」

勇太「ショッピングモール出た辺りからずっと元気ないから。もしかして、今日つまらなかったとか……」

森夏「そ、そんなことない!楽しかった……凄く楽しかったよ……」

勇太「良かった……。……あのさ。俺、丹生谷に大事な話があるんだ」

森夏「……大事な話?」

勇太「いつ言おうかずっと迷ってたんだけど、このままじゃいつまで経っても言わなそうだから、今言うよ」

勇太「俺、丹生谷のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」

森夏「……ありがとう、富樫くん……。私も、富樫くんのことが好き……」

勇太「ほ、本当?」

森夏「でも駄目……富樫くんとは付き合えない……私にはそんな資格ないから……」

勇太「な、なんで?」

森夏「富樫くんが好きになってくれた私は、本当の私じゃないから……」

勇太「え……?」

森夏「私は……私は富樫くんが思ってるような子じゃないの!普段の私はずっと猫被ってて、本当はもっとキツい性格で……!!それだけじゃない……!!
    私、中学の頃は小鳥遊さんみたいな中二病だった……!!」

森夏「500年に渡り生きてきた魔術師だなんて自称して……!マビノギオンを書いたのも私なの!!」

勇太「じゃ、じゃあ、丹生谷が凸守の慕うモリサマー……?」

森夏「そう……。ごめんねこんなこと聞かせて……。私のこと嫌いになったでしょ?でも私、富樫くんには嘘をつきたくなくて……!
    好きって言ってくれてありがとう、嬉しかった……。さよならっ……!!」タタタタッ

勇太「に、丹生谷!!くそっ、追いかけるか!?いや、追っても……」

六花「勇太…………」

勇太「……六花……?お前、何でここに……」

DFMとお似合いですな
邪王心眼介入はナシか?

六花「ここでダークフレイムマスターと邪王真眼が巡り合うことは定め。理由など存在しない」

勇太「……どこから見てた?」

六花「……勇太が丹生谷に想いを告げるところから」

勇太「そうか……恥ずかしいところ見られちまったな」

六花「仕方ない……相手は凸守が忠誠を誓う魔術師モリサマー。互角に渡り合うだけでもかなりの力が必要」

勇太「……なぁ、六花。一つ聞いてもいいか」

六花「何?」

勇太「……俺、モリサマーに勝ちたいんだ。でも打開策を見出せなくて。どうすれば良いと思う?」

六花「…………」

勇太「……六花?」

六花「……心配ない。勇太がダークフレイムマスターの力を解放すれば、きっとモリサマーとも渡り合える。だって……ダークフレイムマスターは最強なのだから」

勇太「そんなこと言ったって……あっ……!そうか!そうだよ、そうすればいいじゃないか!」

勇太「サンキュー、六花!お前のおかげで良い考えが浮かんだよ」

六花「気にしなくていい。盟友に力を貸すのは当然のこと」

勇太「んじゃ俺、帰って準備するから急ぐわ!」

六花「待って……」

勇太「何だよ?……えっ?」

ギュッ

六花「…………」

勇太「ど、どうしたんだよ六花!急に抱きついたりして……」

六花「…………」スッ

六花「……勇太に邪王真眼の力を付与した。今の勇太は、ダークフレイムマスターの力と邪王真眼の力を兼ね揃えた、究極の存在。
    次は必ず……モリサマーに勝てる。私が邪王真眼の名において保証する」

勇太「良くわかんないけど、応援してくれてありがとな。それじゃ!」タタタタッ

六花「……ばいばい、勇太……ばいばい……」

森夏「完全に……愛想つかされちゃったわよね……」

森夏「もう、同好会にも行けないかな……」

森夏「……良かったのよ……これで……。良かったんだから……」

ピロリン

森夏「……メールか……えっ?富樫くんから?『公園で待ってるから来てくれ。来るまでずっと待ってるから』って……。
    そんなこと言われたら行かないわけにはいかないじゃない……」

公園

森夏「こんなところに呼び出してどういうつもりなのかしら……。富樫くんはどこに……」

フハハハハハハッ

森夏「え!?な、何!?滑り台の上に誰かが……富樫くん……?」

勇太「クックックッ、待ち侘びたぞ、丹生谷森夏!いや……魔術師モリサマーよ!!」

勇太「我、ダークフレイムマスターと貴様が対峙することは遥か昔、世界が創造されたときから定められし宿命!
    さあ今こそ雌雄を決する時だ!真の姿を現わすがいい、我が闇で貴様の光を食らい尽くしてくれよう!」

森夏「…………」

勇太「…………」

森夏「……何やってるの……?富樫くん……そんな変な格好して剣まで持って……」

勇太「いや、その……。はぁ、やっぱ恥ずかしいなこれは……」スタッ

森夏「……いったい何の用?」

勇太「さっきの話の続きがしたくて。丹生谷、言いたい放題言って帰っちゃったからさ」

森夏「続きって何よ、もう話す事ないでしょう……?」

勇太「ある。まず丹生谷が猫被ってるって話だけどさ、正直に言うと、何となくそうなんじゃないかって思ってたよ」

森夏「えっ……?」

勇太「凸守と話してるときとか、二人で風邪引いた六花を看病しに行ったときとか、なんか普段とキャラが違ってたし」

森夏「あっ……」

勇太「分かってて告白したんだから、丹生谷はそのことを隠してたことに引け目を感じる必要なんかないんだよ」

森夏「でも……」

勇太「中学の頃、中二病だったことか?それも思い詰めるようなことじゃないんだよ。だってほら、見れば分かると思うけど、俺も中学の頃、中二病だったし」

森夏「富樫くんも……?」

勇太「ああ。ゲームとかアニメが好きで、夢中になりすぎることがあって……俺には闇の力があるなんて思い込んでさ。
    中学では自己紹介のときにやらかして、それ以来ずっとぼっちで友達は一人も出来なかったよ。」

森夏「……」

勇太「それでも俺は中二病を貫き通して……飯食うときに痛いこと言ったり痛いラブレター送ったり……
     今こうやって話してるだけでも恥ずかしすぎてどうにかなりそうだよ」

森夏「そんなに辛い過去なのにどうしてわざわざ……」

勇太「丹生谷だって昔中二病だったこと話してくれただろ?なら俺も話さないとフェアじゃないかなって思ってさ。
    でも、お互い元中二病だから昔のことなんて気にしなくていいとか、そういうことじゃないんだ。そういうことじゃなくてさ……」

勇太「猫被ってたとか、元中二病だとかそんなことどうだっていい。俺は丹生谷の良いところをいっぱい知ってる。
    面倒見がいいところとか、気が利くところとか、気が強いのに御人好しって言っていいくらい優しいところとか……俺はそんな丹生谷に惹かれたんだ。」

勇太「たとえ過去に戻って、丹生谷の中学時代を見せられたとしても、この想いは絶対に変わらない。大事なのは昔どうだったかじゃなくて今どうなのかだって、俺はそう思ってる」

森夏「富樫くん……」

勇太「何度だって言うよ。俺、丹生谷のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」

森夏「……はい……!」ポロッ

5分後

森夏「うぅ……グスッ……」

勇太「ごめん、泣かせるつもりなんてなくて……。なぁ、そろそろ泣きやんでくれよ」

森夏「……」

勇太「丹生谷……?んっ!?」

森夏「……」

勇太「……ぷはっ!お、お前、な、なんで急にキ、キス……」

森夏「……ふん、女の子を泣かせた罰よ……」

勇太「……」

森夏「……」

チョット!ソコノキミ!

勇太・森夏「!?」

警官「そんなおかしな格好して女の子相手に何しようとしてるのかな?ちょっと話聞かせてもらえる?」

森夏「やっ、やば……!」

勇太「くっ、聖府の猟犬か!一匹相手でもこの場では分が悪いか……!」

森夏「こんなときに何馬鹿なこと言ってるのよ!」

勇太「はっ!?こんな格好してるせいでつい……くそっ、逃げるぞ丹生谷!」ギュッ

森夏「ちょっ、ちょっと!」タタタタッ

勇太と立花のマンション前

勇太「ハァ……ハァ……追いかけて、来てないよな……」

森夏「ハァ……ハァ……ええ、多分……」

勇太「良かった……こんな格好で警察のお世話になったら俺の人生はお終いだ……」

森夏「ところで……そろそろ離してくれない?手、痛いんだけど」

勇太「あっ、ご、ごめん!」バッ

森夏「……」

勇太「それじゃ、えーっと……駅まで送ろうか?」

森夏「はぁ?あれだけ走らせておいて休憩もなしに歩かせる気?」

勇太「じゃあどうしろと……」

森夏「……富樫くんの家で休ませてよ」

勇太「えっ!?いやでも今、母親や妹がいるし……」

森夏「何か問題でもある?」

勇太「いえ、ありません……どうぞ上がっていってください……」

勇太の家 玄関

勇太「ただいま」

樟葉「あっ!もう、お兄ちゃんこんな時間にどこ行ってたの?中学生のときみたいな格好して……えっ?」

森夏「こんばんは」

勇太「あー、紹介するよ。丹生谷、上の妹の樟葉だ。で、樟葉、この人はクラスメイトの丹生谷。ちょっと色々あって家に……」

森夏「初めまして樟葉ちゃん、富樫くんの彼女の丹生谷森夏です。よろしくね!」

樟葉「彼女……?えっ……?」

勇太「ちょっ!?」

勇太の母「えー!?勇太に彼女が出来たの!?」

森夏「あ、富樫くんのお母さんですか?富樫くんの彼女の丹生谷森夏です、どうぞよろしくお願いします!」ペコリ

勇太の母「これはご丁寧にどうも……勇太の母です、こんな子で良ければ仲良くしてあげてください」

勇太「と、とにかく俺の部屋に行くぞ丹生谷!」

勇太の部屋

勇太「まったく……いきなり何言い出すんだよ……」

森夏「何よ、いいじゃない別に。本当のことでしょ?」

勇太「いや、そうだけどさ……唐突すぎるというかなんというか……」

森夏「ふーん、富樫くんは私が彼女だって知られるのが嫌なんだ……」

勇太「そんなわけないだろ。……えっと、お茶でも入れてくるよ」ガラッ

森夏「あ、うん。ありがと……」

森夏「……」

リビング

樟葉「あ、お兄ちゃん。ちょっとどうなってるの?」

勇太の母「あんな可愛い子が勇太の彼女だなんて、お母さんびっくりして気絶しそうになっちゃったわよ!」

樟葉「しかもその格好で連れてくるなんてさ……変だよ、どう考えても」

勇太の母「これは詳しく尋問する必要があるわね。さあ、吐け!吐きなさい!」

勇太「うるさいなあ!別にいいだろどうだって!」

勇太の母「あら、黙秘するつもり?いいわよ、別に。あんたが言わないなら森夏ちゃんに聞くから」

勇太「それも駄目!ああもう、丹生谷が待ってるから行くわ」

勇太の母「ちょっと待ちなさい勇太」

勇太「……なんだよ?」

勇太の母「いくら女の子と二人きりだからって我慢できなくなって襲ったりしちゃだめよ?森夏ちゃんを傷つけたらお母さん許さないから」

勇太「襲わねえよ!」

夢葉「ねえねえ、おそうってなーに?」

樟葉「そんなこと聞いちゃだめ!」

勇太の部屋

勇太「はぁ……丹生谷、お茶入れてきた……っておい!」

森夏「ふーん、月刊メロンガールねぇ……」パラパラッ

勇太「いやそれは、その……」

森夏「富樫くんは巨乳が好きなんだぁ……」ジトーッ

勇太「いや別に好きになった人のなら大きさなんて気にしないって言うか……」

森夏「どうだか……」

勇太「て、ていうか丹生谷のだってそれなりに……」チラッ

森夏「ちょ、ちょっと!?どこ見て何変なこと言ってるのよ!?」カァッ

勇太「す、すみません!」

森夏「と、とにかくこれは没収だから!」

勇太「そ、それだけは勘弁を!」

森夏「何よ、そんなに必死になって。私がいるんだからもうこんなもの必要ないでしょ!?」

勇太「え?そ、それって……」

森夏「……あっ!?ち、違うわよ!?べ、別にそういう意味で言ったわけじゃ……!」カァッ

勇太「に、丹生谷……」

森夏「と、富樫くん……」

十花「やれやれ……やけに熱いな、この部屋は」

勇太・森夏「!?」

勇太「と、と、十花さん!?なぜここに……!?」

森夏「こ、この人が小鳥遊さんのお姉さん!?」

十花「仕事が早く終わって帰ってきたら、お前が女を家に連れ込むのが見えたのでな。つい気になって見に来てしまったというわけだ」

勇太「な、何て間の悪い人だ……」

十花「何か言ったか?」チャキッ

勇太「いえ、何でもありません」

十花「それで、君は?」

森夏「あ、丹生谷森夏です。小鳥遊さんのクラスメイトの……」

十花「ああ、君がか。妹から話は聞いてるよ。妹が風邪を引いたときに大変世話になったそうだな」

森夏「いえ、そんな……全然たいしたことしてませんから……」

十花「あんな妹だが、これからも仲良くしてやってくれ。君のような女友達があいつには必要だ」

森夏「……はい!こちらこそよろしくお願いします!」

勇太「そういえば、六花はどうしたんです?」

十花「ああ、あいつか?私が家に帰ったら既に部屋の明かりが消えていてな。恐らく眠っているのだろう。いつもは夜中まで起きているというのに、珍しいことがあったものだ」

勇太「そうですか……」

十花「なんだ、あいつに何か用でもあるのか?」

勇太「ええ、ちょっとお礼が言いたくて……。でも寝てるならまた今度にします」

十花「ふむ、そうか。……さて、もう遅い。そろそろ家に帰ったほうがいいだろう。妹が世話になった礼だ、私が家まで車で送ろう」

勇太「必要ないですよ!俺が……」

十花「いや、先ほどのやり取りを見る限り、それは危険だろう。妹の友人が送り狼の手にかかるのは私としても避けたいのでな」

勇太「は、ハァ!?何言ってんですか、そんなことないよな、丹生谷!?」

森夏「確かに十花さんの言う通りかも……」

勇太「おい!」

森夏「馬鹿ね、冗談よ」

十花「ふっ、本当にからかいがいのある奴だな、お前は……。さて、それじゃあ私は車を回しておく。支度が出来たら来るといい」サッ

勇太「まったくあの人は……」

森夏「……私、お姉さんの好意に甘えることにするわ」

勇太「え?でも……」

森夏「富樫くんの気持ちは嬉しいけど、今日は何と言うか、色々有り過ぎていっぱいいっぱいなのよ。これ以上何かあったら、どうにかなっちゃいそう……」

勇太「丹生谷……」

森夏「それじゃまたね…………勇太」

epilogue

森夏「……はぁ……本当に美味しいわね、ここのケーキは!」

勇太「おいおい、まだ食べるのかよ……流石に食べすぎじゃないか?」

森夏「何言ってるのよ、せっかくのケーキバイキングなんだからいけるとこまでいくわよ!」

勇太「ったく、知らないぞ太っても……」

森夏「え?何か言ったかしら?ちょっと聴こえなかったからもう一回言ってくれる?」

勇太「いえ、なんでもありません!」

森夏「まったく……」

勇太「……チア部を辞めてなかったら気にしなくて済んだのに」

森夏「はぁ、またそれ?良いでしょ、こうして放課後すぐに一緒にいられるんだから」

勇太「そりゃあ、し、森夏と一緒にいれる時間が増えたのは嬉しいけどさ」

森夏「あなたね……付き合って二ヶ月も経つんだからいい加減慣れなさいよ」

勇太「そんなこと言われたって恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ……」

森夏「小鳥遊さんのことは躊躇いなく名前で呼ぶくせに……」

勇太「そりゃ彼女と友達じゃ違うだろ色々と!」

森夏「あっそ……。しかし、何でそこまでチア部にこだわるんだか……あっ、分かった」

勇太「な、何だよ?」

森夏「あなた、私のチア服姿が見たいんでしょ」

勇太「え、あ、い、いやそんなことはないぞ!?」

森夏「嘘ついてもだめよ。チア部に仮入部したとき、他の男子に混じっていやらしい目で私のこと見てたの覚えてるんだから」

勇太「くっ……そんなことは……」

森夏「さあ、白状しなさい。服はまだ持ってるから、正直に認めれば別に着てあげないこともないわよ?」

勇太「はい、その通りです。チア服姿の森夏さんが見たいです!」

森夏「ほら、やっぱりね。……そんな変態さんの前でチア服なんて着たら何されるか分かったものじゃないからこの話は無しね」

勇太「ええ!?そりゃないだろ!?」

勇太「ふん、さっき変なこと言ったお返しよ……これに懲りたら私に勝てるなんて思わないことね」

勇太「ところでさ……ずっと気になってたんだけど。いいのか?」

森夏「何がよ?」

勇太「マビノギオンだよ、結局凸守から奪い取ってないんだろ?いいのか?」

森夏「あー、そのことね。いいのよ、もう。あの中坊を懐柔するのは骨が折れそうだし、それに……もう……別にバレてもいいかなって」

勇太「どうしてだよ?あんなにこだわってたのに」

森夏「だって……」

森夏「例え私の中二病時代が明るみに出て皆に引かれたとしても、誰かさんはずっと私のことを大好きでいてくれるでしょ?」ニコッ






fin

自主休講確定だぜえ、ひゃっふうううううううう!

最後の台詞の前に何行か改行するつもりだったのに何故か失敗した……ちくしょう、ちくしょう……

いちおつ


対象スレ:森夏「元中二病でも恋がしたい!」
キーワード:森三中
検索方法:マルチワード(OR)


抽出レス数:3

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月30日 (火) 20:33:28   ID: VqNbmAES

良作

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