森夏「へえ~富樫くんって例の投票で私を選んだんだぁ…?」(356)

今度こそこのスレで終らせてやるデス!

                    . -‐ァ'''  ‐-、                _ .-=
           _  --   .xく-- '''''' ‐-、ヽミYヽ         . -‐ァ '´
     _ - ァ=-‐   ̄   / /  l 、 、 、 く∨{l l       ィ彡‐ '´| _
   . '´. '´          l l イ/ヘトJヽトハl ',ハ |      彡'   ィ |l
  ィ´ ィ´. _ -==        | |'  、   /   l .| |ハ   /'  /'´ . |l ==―
彡' ^ 彡.'´          |l ぃ __ ` ´ -__」 lハ/|lハ /'′    '´ l| -‐

    ヽヽ ニ -―    |  lヽハ弋ラ  弋ノ イノ ||ハ//      .-‐ l.| -―
/ //ぃヽ - 二三  |  ! .l ハ ''  _  / ト、||∨l.     /'´ _ 」 l  _
      ヘ、ヽ -―    |  .l .| l >. ` ー' イ /  `メ {   /   '´ || ニ -‐
    // ぃヽ. ニニ ┼ |  | /  | レ'  /     \ / /    -‐l |
.        ぃ ニ  .| .l  l/ 、|  レクlハ ン   /    ∧/    -‐ ,l |
         ぃ     | l  〈  ', ({/|l|_}|   ハ    ∧     __ l |
=_- _       ぃ   | l .l/\__∨ |「|r'   l/\      〉       .l|
.  ¨ ‐-ニ ‐     ぃ   | /  / ∨ || ||   |  ヽ   ∧       l |

六花「今日活動はこれで終了する」

凸「え? もうデスか?」

勇太「せっかく丹生谷も来たのに」

六花「……」

くみん「あ~、雨降って来たよ~」

森さま「うそ!? 傘持って来てないのに!」

勇太「ん~、じゃあ強くなる前に帰るか」

森さま「そうね」

凸守「ふっふっふっ……情けないデスね、
偽モリサマー」

凸守「この凸……」

森さま「今日雨降るって言ってた?」

勇太「場所によっては夕方から降るとか言ってたぞ」

森さま「うぅ……天気予報みとけば良かった……」

凸守「……」

勇太「うわ、結構降ってるな」

くみん「ほんとだね~」

森さま「どうしよう……」

勇太「ぁ、あ~……えーっと」チラッ

森さま「なに?」

勇太「お、おお俺の傘入れよ!」

六花「!?」

森さま「え? いいの?」

勇太「だって傘ないんだろ?」

森さま「うん……じゃあ入ってあげる!」

勇太「なんで俺が頼んでるみたいになってるんだよ!」

森さま「あれ? 違った?」

勇太「い、いや……その……」

森さま「ふふっ、ありがとね」

勇太「じゃあ……」

六花「わ、私もっ!」

勇太「ん?」

六花「私も傘ない……」

森さま「え?」

勇太「何言ってんだ? お前いつも持ってるだろ」

勇太「あの、シュバルツなんとかって」

六花「シュバルツゼクスプロトタイプマークⅡは武器、雨を防ぐために使うものではない」

勇太「いや前使ってたよな」

六花「……今日の相棒は機嫌が悪いようだ」

勇太「だからただの傘だろ!」

六花「とにかくこれでは帰れない……どうすれば……」

凸守「つまり……マスターの忠実なるサーバント、この凸守の出番と言うことデスね!」

六花「……」

凸守「ご安心下さいマスター!」

凸守「身を腐らせる雨からはこの凸守の傘が……」

六花「……」バッ

凸守「守って……」

六花「機嫌がなおったようだ、行こう」

凸守「……」

勇太「何がしたいんだ、何が」

森さま「……」

くみん「今日の六花ちゃん変だよね~」

勇太「そうですか? まあいつも変だし……」

六花「……」

凸守「くっ、なんという攻撃! まるで矢が雨のように……」

勇太「いや、雨だろ」

森さま「富樫くん、肩濡れてるよ」

勇太「ん? ああ別にいいよ、これぐらい」

森さま「ダメよ、私が入れてもらってるんだから」

勇太「大丈夫だって、丹生谷が濡れなきゃいいんだから」

森さま「でも……」

森さま「……じゃあもっとくっつこっか」

勇太「なっ!? お、おい……」

森さま「だって、濡れちゃうでしょ?」

勇太「あ、ああ……」

凸守「最近深夜アニメ見るようになったデース」

モリサマ「どうせくだらないアニメでも見てるんでしょ」

凸守「フフフ、通にしか楽しめないという玄人向けアニメなのデース」

モリサマ「まーた、訳がわからないこと言ってるよこの厨房」

凸守「これがその玄人アニメの主題歌デース」

   どしたのわさわさ♪

モリサマ「やめてぇぇぇぇぇ!! そのアニメはやめてぇぇぇ!!」

くみん「なんだか富樫くんとモリサマちゃん、恋人みたいだね~」

勇太「えっ!?」

森さま「な、何言ってんのよ!」

くみん「だって相合傘して仲良さそうなんだもん」

勇太「こ、これは丹生谷が傘わすれたから……」

森さま「そ、そうよ! じゃなきゃなんで私が……」

くみん「ほんとにそれだけかな~?」

森さま「うるさい!」

くみん「まあまあ」

くみん「私はなかなかお似合いの二人だと思うよ?」

勇太・森さま「っ!?」

六花「……」ピタッ

森さま「な、な、な……」

勇太「せ、先輩! 変なこと言わないで下さいよ!」

くみん「そんなに照れなくていいのに~」

凸守「ふんっ! 腐れ一般人には腐れ一般人がお似合いなのデス!」

森さま「あんたは黙ってなさい!!」

凸守「お? やる気デスか? 偽モリ……」

六花「くっ……!」ダッ

凸守「マスター!?」

勇太「お、おい! どうしたんだよ!?」

森さま「……いっちゃった」

勇太「六花……?」

電車

勇太「……」

森さま「……」

勇太「こ、困っちゃうよな! くみん先輩が変なこと言うから……」

森さま「変なこと?」

勇太「その……恋人とか……お似合いとか……」

森さま「……」

勇太「丹生谷?」

森さま「富樫くんは嫌?」

勇太「え?」

森さま「私とそういう風に見られるの」

勇太「ぁ……い、嫌じゃないよ!」

森さま「ほんとに?」

勇太「ほんとだよ! むしろ光栄というか嬉しいと言うか…… 」

森さま「……私も」

勇太「?」

森さま「私もそう見られたら嬉しいよ」

勇太「丹生谷……」

勇太「ぇと……あの……」

森さま「ほら、もう着くわよ」

勇太「え? あ、ああ……」

勇太「そうだ、傘持ってけよ」

勇太「まだ降ってるし」

森さま「ううん、大丈夫」

勇太「でも……」

森さま「だってほら」スッ

勇太「え……? 折りたたみ……持ってたのか?」

森さま「うん、私が忘れるわけないでしょ?」

勇太「じゃあなんで……?」

森さま「……わからない?」

勇太「あ……」

森さま「富樫くんなら入れてくれると思って」

プシュー

森さま「じゃあね! 」

勇太「あ……お、おう」

勇太「またな! 丹生谷!」

勇太「ふんふふーん♪」

勇太「ん? あれは……」

勇太「……おい」

六花「……」

勇太「何してんだ? こんなところで」

六花「……」

勇太「反応しろよ……急に走り出したと思ったら……」

六花「勇太」

勇太「なんだ?」

六花「勇太は私と契約している」

勇太「は?」

六花「……」

勇太「そもそも契約なんてしてないだろ」

六花「……した」

勇太「はぁ……それで? 何が言いたいんだ?」

六花「……」

勇太「……」

六花「最近丹生谷と仲がいい」

勇太「えっ? いや……」

勇太「そんなこと……」

六花「ある!」

勇太「な、なに怒ってんだよ」

六花「怒ってなどいない」

勇太「……まあ仲いいってのは否定しないけど」

勇太「でもそれはお前に関係ないことだろ?」

六花「ある」

勇太「なんで?」

六花「あるから」

勇太「理由になってないぞ」

六花「……」

勇太「まあいいか、帰るぞ」

六花「うん……」

勇太「すぐやむと思ったけどまだまだ降りそうだな」

六花「勇太」

勇太「ん?」

六花「傘入れて」

勇太「なんで?」

六花「いいから」

勇太「……」

六花「お願い……」

勇太「わかったよ、ほら」スッ

六花「勇太!」

勇太「その代わり暴れるなよ?」

六花「心得ている!」

勇太「まったく……」

勇太「ただいま~」ガチャ

勇太「結局あいつが暴れるから濡れちゃったよ」

勇太「まあわかってたことだけど……」

勇太「うう……寒いな」

勇太「樟葉~!」

樟葉「なぁ~に!?」

勇太「風呂って湧いてる?」

樟葉「私もさっき入ったからすぐ入れるよ」

勇太「お~、サンキュー」

勇太「着替え着替え……」

風呂

勇太「ふぅ~、あったまるなぁ……」

勇太「……」

勇太「もうあれだよな……丹生谷」

勇太「そういうことだよな……うん」

勇太「んふ……んふふ……」

勇太「ついに俺もリア充だせ!」

勇太「よっしゃああああああ!!」バシャバシャ

樟葉「お兄ちゃんうるさい!」

勇太「おお! 樟葉! 久しぶりに一緒に入るか!?」

樟葉「……警察に電話するよ?」

勇太「……すみませんでした」

勇太「はぁ~あったまったしゲームでも……」ガチャ

勇太「うおぅ!?」ビクッ

六花「待っていた」

勇太「何やってるんだよ!」

勇太「というか勝手に入るな!」

六花「追っ手を振り切るために仕方なく……」

勇太「あ~、はいはい」

勇太「で、なんの用だ」

六花「……特に用はない」

勇太「なんだそれ」

六花「強いて言うならこの眼が疼いて……」

勇太「目薬貸すから帰れ」

六花「勇太ぁ……ひどい……」

勇太「しらん!」

勇太「用もないのに勝手に上がりこむなよ」

六花「用がない訳ではない」

勇太「さっき無いって言っただろ!」

六花「ただあちらの世界から帰還したばかりで言語プログラムの構成が……」

勇太「無いんだろ?」

六花「……ない」

勇太「やっぱり……」

六花「だって……」

勇太「なんだよ」

六花「用が無かったら来ちゃダメなの?」

勇太「ダメだ」

六花「なぜ?」

勇太「そもそも勝手に人の家に上がりこむのがおかしい」

六花「その方がかっこいい!」

勇太「ただ迷惑なだけだろ!!」

六花「むぅ……」

勇太「とにかく勝手に……」

六花「丹生谷なら」

勇太「はい?」

六花「丹生谷ならいいの?」

勇太「なんで丹生谷が出てくるんだよ」

六花「……」

勇太「そもそも丹生谷は人の家に勝手に上がったりしないだろ」

六花「……だから」

六花「だからすき……」

ピリリリリ ピリリリリリ

勇太「お……」ピッ

六花「勇太……」

勇太「もしもし、丹生谷?」

六花「……」

勇太「どうしたの?」

『明日チア部の練習休みなのよ』

勇太「あ、そうなんだ」

『それでまた一緒に帰れないかなって思って』

勇太「ああ、 いいよ!」

『ほんと? じゃあまた校門で待ってるね』

勇太「うん!」

『あ、でも富樫くん部活……』

勇太「いいよいいよ、部活なんて休むから」

六花「ぇ……」

『いいの? 私は兼部してるからあれだけど……』

勇太「大丈夫だって!」

『そう? わかった、じゃあまた明日ね』

勇太「うん、またな」ピッ

勇太「……ふぅ」

六花「勇太」

勇太「ん? ああ、なんだ?」

六花「今の電話……」

勇太「ちょっとな」

六花「明日結社の活動を休むと言った」

勇太「すまん、用が出来たんだ」

六花「……」

勇太「なんだよ、一日ぐらいいいだろ?」

六花「この前も休んだ」

勇太「まあそうだけど……」

六花「不可視境界線の探索は最重要事項」

六花「これより優先される事などあってはならない」

勇太「ただ毎日ふざけてるだけだろ?」

勇太「それに俺にはもっと大事なことがあるの」

六花「……丹生谷」

勇太「べ、別に関係ないだろ」

六花「……」

勇太「とにかく明日は部活休むから」

六花「……ダメ」

勇太「ダメと言われても行かないからな」

六花「ダメ……来てくれなきゃ……やだ……」

勇太「……」

六花「勇太……」

勇太「……何度も言ってるだろ、俺は休む」

六花「……」

勇太「用事があるんだ」

六花「……わかった」

森さま「……ふぅ」ピッ

森さま「明日また一緒に帰れる……」

森さま「んふふ……」

森さま「お、落ち着きなさい、森夏!」

森さま「こんなことで……」

森さま「……でも相合傘しちゃったし」

森さま「富樫くん優しかったし……」

森さま「うふ……うふふ……」

森さま「きゃああああああああああ!!」バタバタ

森さま「思い出すだけで顔がにやけちゃう……」

森さま「……あっつ」パタパタ

ふぉ

勇太「なあ一色」

一色「どうした?」

勇太「告白ってのはやっぱり男からするもんだよな?」

一色「なんだよ、いきなり」

勇太「いいからさ」

一色「まあそうなんじゃないか?」

一色「男子にかっこよく告白されたいって女子は多いはずだ」

勇太「ふむ……」

一色「まあ俺は女子に告白されたいけどな!」

勇太「かっこ良く、か……」

一色「俺もいつかくみんさんに……」

勇太「かっこ良く、かっこ良く……」ブツブツ

放課後

勇太「(くそっ、かっこ良くってなんだよ!)」

勇太「(キミと俺は前世から……)」

勇太「(いやいやいやいや! なんでこういう時中二的な発想しか出てこないんだよ!)」

勇太「(ましてや丹生谷にこんなこと言ったら寒いとか言われちまう……)」

勇太「(考えろ俺! 全ての脳細胞をフル稼働させるんだ!)」

勇太「(えーっと……えーっと……)」

森さま「富樫くん?」

勇太「うわあっ!!」ビクッ

森さま「大丈夫? 何か考え込んでたみたいだけど……」

勇太「い、いやちょっと前世について……」

森さま「なに寒いこと言ってんのよ」

勇太「あ、いや……」

森さま「じゃあ帰ろっか」

勇太「お、おう!」

森さま「昨日はありがとね」

勇太「い、いや全然そんな……ん?」

六花「……」

森さま「あ、小鳥遊さん」

勇太「どうしたんだ?」

六花「別に……」

勇太「?」

森さま「今日は部活行かないの?」

六花「この後拠点に向かう」

森さま「そう……」

六花「勇太」

勇太「なんだ?」

六花「これが用事?」

勇太「……ああ」

六花「不可視境界線の探索よりも大事な?」

勇太「そうだ」

六花「そう……」

森さま「……」

六花「私よりも……」ボソッ

勇太「え?」

六花「なんでもない」タッ

勇太「あ、おい!」

勇太「なんだあいつ」

森さま「富樫くんってさ、やっぱり鈍いよね」

勇太「え?」

森さま「ちゃんと謝った方がいいかもね」

森さま「ま、私も謝らないといけないんだろうけど」

勇太「??」

森さま「でもまぁ、とりあえず帰ろ♪」クルッ

勇太「あ、おい! どういうことだよ、丹生谷!」

森さま「だから~! 私も小鳥遊さんも女の子ってこと!」

勇太「ええ??」

森さま「もう、置いてくよ!」

勇太「(どういう事だ? 女の子?)」

勇太「(い、いや、今はそれどころじゃない!)」

勇太「(告白……そう、告白だ!)」

勇太「(中二病を卒業した俺にとって初めてのチャンス)」

勇太「(このチャンスを逃すわけには……)」

森さま「富樫くんってば!」

勇太「は、はい!!」

森さま「話聞いてた?」

勇太「あ……な、なんだっけ?」

森さま「もう……」

勇太「ご、ごめん」

森さま「せっかく二人で帰ってるのに……」

勇太「ほんとごめん!」

森さま「……なに考えてたの?」

勇太「え? ぁ……いや……」

森さま「小鳥遊さんのこと?」

勇太「六花? なんで……」

森さま「違うならいいけど……」

森さま「もうすぐね」

勇太「あ、ああ……」

森さま「今日もあの公園行っていい?」

勇太「!?」

勇太「もちろん!」

部室

凸守「今日は偽サマーもダークフレイムマスターも来ないデスね」

くみん「そうだね~」

六花「……」

くみん「どうしたの? 六花ちゃん」

くみん「最近元気ないよ?」

六花「なんでもない……」

凸守「マスターは連日の不可視境界線探索とそれに伴う戦闘によって著しく魔力を消耗して……」

六花「凸守、黙って」

凸守「……」

公園

勇太「……」

森さま「……」

勇太「や、やっぱ寒いな!」

森さま「うん」

勇太「ウチ上がる? そのほうが……」

森さま「いいよ、妹さんに気遣わせちゃうし」

森さま「それに……」

勇太「それに?」

森さま「……」

森さま「ねぇ、くっ付いていい?」

勇太「ぅえ!? あっ……」

森さま「ダメって言われてもくっ付くけどね」ピトッ

勇太「お……ぉ……」

森さま「あとね、手が冷たくて……」

勇太「て、手が?」

森さま「ほら」ギュッ

勇太「!!?」

森さま「富樫くんの手、あったかいね」

勇太「そ、そそそそれはほら! ポポポポケットに手入れてたから!」

森さま「そっか……」

勇太「(これはあああああああああ!!!)」

勇太「(今か!? 今なのか!?)」

勇太「(考えろ俺! いや……感じろ!)」

勇太「……」

勇太「(女の子って柔らかくていい匂いだなぁ……)」

勇太「(幸せ……って)」

勇太「(ち、違う違う! そうじゃないだろ!)」

勇太「(告白だ、告白! もうここは何も考えず一気に……)」

勇太「(そうだ……ストレートにいこう! それが一番かっこいいはず!)」

勇太「(よ、よし! 頑張れ俺!)」

勇太「(いくぞ……いくぞ!!)」

勇太「あっ、あの……」

寝てないよ!
コンビニ行ってただけだよ!
このss終らせるまで寝ないよ!

勇太「にぶ…….」

森さま「こうしてるとさ」

勇太「ぇっ? あっ……」

勇太「な、なに?」

森さま「付き合ってるみたいだね、私達」

勇太「え?」

森さま「思わない?」

勇太「あ、う、うん! 確かに恋人っぽいかも……」

森さま「……」

勇太「あの……?」

森さま「なっちゃおっか……ほんとに」

勇太「……は……え?」

勇太「な、なるって……」

森さま「恋人に」

勇太「それはつまり……」

森さま「……怒るわよ?」

勇太「ご、ごめん! 突然だったから……」

森さま「もう……それで?」

勇太「え、えーっと……俺でいいのか?」

森さま「そうよ」

森さま「私、富樫くんが好き」

勇太「!!」

森さま「……ダメ?」

勇太「……えと」

森さま「……」

勇太「お、俺も丹生谷が好きだ!」

森さま「!!」

勇太「ほ、ほんとは俺から言おうと思ってて……でも先に言われちゃって……」

勇太「そ、それで……今日はずっとどうやって告白しようか考えてて……」

勇太「だから……」

勇太「と、とにかく丹生谷が好きだ!!」

森さま「富樫くん……」

勇太「付き合って欲しい!」

森さま「……ばか」

勇太「だ、ダメかな?」

森さま「ばか、先に聞いたのは私でしょ」

勇太「あ、う、うん……」

森さま「ふふっ……よろしくね、富樫くん」

勇太「……ああ!」

森さま「はぁ~……よかった……」

勇太「俺もだよ」

勇太「丹生谷と付き合えるなんて夢にも思ってなかったし……」

勇太「今でも夢なんじゃ……」

森さま「もう!」ギュッ

勇太「うおっ!?」

森さま「ばかばかばかばか!!」

勇太「お、おい……」

森さま「富樫くん鈍いんだもん! どれだけ私が頑張ったと思ってるのよ!」

勇太「だ、だって俺恋愛の経験とか……」

森さま「私だってないわよ!」

勇太「ご、ごめん……」

森さま「もう……ばか」

勇太「わ、わかったからさ、そろそろ離れてくれないと……」

森さま「ダメ」

勇太「いや、でもほら……通行人の方々が……」

森さま「じゃあ離れたらすぐ向こう向いて」

勇太「え?」

勇太「なんで……?」

森さま「今の顔、見せられないもん」

森さま「嬉しくて……泣きそうで……きっとすごい顔してる」

森さま「そんなの私のキャラじゃないでしょ?」

勇太「丹生谷……」

森さま「……」

勇太「じゃあ……」

森さま「でもね」

勇太「ん?」

森さま「本当はもう少しこうしてたいっていうのが一番」

森さま「誰が見てたって構わないから……」

勇太「……わかったよ」

勇太「もう少しだけな」

六花「……こちらイービルアイ」


六花「邪王心眼察によりダークフレイムマスターの精神汚染を確認」


六花「パターンは青……かなり深刻と思われる」


六花「可及的速やかに……対象の……境界内への転移を……」


六花「……You copy?」


六花「……You copy?」


六花「ゅ………うっ……」

勇太「ただいま~!!」ガチャ

樟葉「うわっ……」

勇太「うわっとはなんだ! 大好きな兄ちゃんが帰ってきたんだぞ!」

樟葉「……」

勇太「ほら樟葉! 胸に飛び込んで来てもいいんだぞ?」

勇太「いや……でももう俺の胸はあいつ専用で……んふふ」

樟葉「おかーさーん! お兄ちゃんがおかしくなったー!」

母「えぇー? またー?」

夢葉「だーくふれいむますたー!?」

勇太「おかしくなってなーい!!」

勇太「ふんっ、なんだよなんだよ」

勇太「人がせっかくいい気分だってのに」

勇太「まあいいさ! おれは生まれ変わったんだ!」

勇太「そう! 念願のリア充に!」

勇太「しかも彼女はクラス一の美少女……」

勇太「すこしSっ気があるけど面倒見が良くていい子だ!」

勇太「丹生谷……可愛いなぁ……」

勇太「んふ……ふふふ……」

勇太「ふははははははは!」

勇太「このダークフレイムマスターに不可能はない!」ビシッ

勇太「……いかんいかん、浮かれ過ぎだ」

勇太「落ち着け俺、素数を数えるんだ……」

勇太「2、3、5……丹生谷可愛いなぁ……」

森さま「……丹生谷が好きだ」ボソッ

森さま「うふっ……うふふふふふ」

森さま「やだもう! 富樫ったらー!!」バタバタ

森さま「そんなこと言われたら好きになっちゃうわよ~!!」

森さま「まあもともと好きなんですけどね?」

森さま「きゃあああああああああ」バタバタ

森さま「ああ! 感謝します赤い鬣よ」

森さま「モリサマーの願いは成就しました!」

森さま「これで私は……」

森さま「おっと……」

森さま「お、落ち着かなきゃ……中二病なんて再発してる場合じゃないわ!」

森さま「これで富樫くんと……んふふ」



勇太「いってきまーす!!」ガチャ

勇太「まさかこんなに学校が待ち遠しいなんて……」

勇太「あの頃の俺からは想像できないな!」

勇太「早くっ! 早くっ!」

勇太「丹生谷もう駅にいるかな?」

勇太「うおおおお! 加速しろ俺えええええ!」ダッ


十花「富樫勇太……」

勇太「お、おはよ!」

森さま「あ、おはよ!」

勇太「ごめん、待った?」

森さま「ううん、さっきの電車で来たところ」

勇太「そ、そっか」

森さま「あれ? 小鳥遊さんは一緒じゃないの?」

勇太「え? なんで?」

森さま「だって登校するときいつも一緒じゃない」

勇太「あ~、最近そうでもないんだよ」

勇太「先に1人で行ってるみたいだ」

森さま「ふーん……」

勇太「ま、まあ2人の方が俺は嬉しいし……」

森さま「あ、朝からのろけないでよ、ばか!」カァアア

森さま「あはは」

勇太「それでさー……」

一色「おっす! 勇太」

勇太「お、一色」

一色「珍しいな、丹生谷と登校なんて」

勇太「あ~……そうだな」

森さま「別にいいでしょ? ね、富樫くん」

勇太「あ、ああ」

一色「……?」

一色「何かあったのか?」

勇太「それは……えーっと……」チラッ

森さま「私達付き合ってるのよ」

一色「……は?」

勇太「お、おい……」

森さま「いいじゃない、 本当のことなんだから」

一色「え、えーっと……すまんもう一回言ってくれるか?」

森さま「だから私達付き合ってるのよ」

一色「あ~……そっかぁ……あは……はははは」

一色「はぁ!!!!?」

森さま「なによ」

一色「付き合ってる!?」

一色「勇太と丹生谷が!?」

勇太「じ、実はそうなんだよ」

一色「お、おほほい……じょ、冗談はよしてくれよ……」

一色「誰がそんな冗談信じるって……」

勇太「すまん一色、本当なんだ」

一色「Nooooooooooooooooo!!!!!」

一色「嘘だろ勇太!! 嘘だと言ってくれ!!!」ガシッ

勇太「一色……」

一色「哀れむような目で俺を見るなああああああああああ!!」

森さま「いい加減信じなさいよ」

一色「う、うるさい! 俺だって……俺だって……」

一色「……」

一色「いつからだ?」

勇太「昨日だ……」

一色「そうか……良かったな……」

一色「性格に難はあるがかわい子ちゃん選手権No.1の丹生谷と付き合うなんて」

森さま「誰が性格に難ありよ!」

一色「い、いや……」

一色「とにかくよかったよ……」

一色「俺より先に……そうか……」

一色「幸せにな……」トボトボ

勇太「お、おい、一色……」

森さま「あの背中は泣いてるわね」

勇太「ああ……」

森さま「一色!」

一色「……」

森さま「先輩が一色くんは面白くていい子だって、一緒に昼寝したら楽しい夢が見れそうって言ってたわよ!」

一色「ほんとか!?」クルッ

森さま「ええ、私いま機嫌がいいから嘘はつかないわ」

一色「丹生谷……」

一色「いよっしゃあああああああああ!! 今日も一日頑張るぜえええええ!!」

森さま「全く……単純ね」

教室

森さま「おはよ~」ガラッ

勇太「あれ? 六花まだ来てないみたいだな」

森さま「ほんとだ……寝坊かしら?」

勇太「どうだろ……あいついつも早起きだった気がするけど……」

森さま「じゃあ病欠?」

勇太「さあ……?」

森さま「富樫くんでもわからないことがあるのね」

勇太「え? そりゃあ……」

森さま「ちょっとした皮肉よ、ごめんね」

勇太「あ、ああ……」

森さま「じゃあ帰りね」

勇太「おう」



勇太「(結局あいつ休みだったな)」

勇太「(ななちゃんも詳しく知らないって言うし……)」

一色「いやーしかし勇太が丹生谷と付き合うとはな~」

勇太「ん? ああ……」

一色「俺はてっきり小鳥遊さんとくっ付くもんだと思ってたよ」

勇太「六花と? なんで?」

一色「だって仲良いだろ? いつも一緒し」

勇太「別に仲良いってわけじゃ……」

勇太「確かによく一緒にはいるけどさ」

一色「付き合ってるって噂も聞いたことあるぞ?」

勇太「えぇ!? ないない、それはないよ!」

一色「まあどっちにしろそう見られるぐらいの仲ってことだ」

一色「お前がそうでもあっちはどうだかわからないぞ?」

勇太「それは……」

ああ
一色「だって仲良いだろ? いつも一緒だし」
だな

放課後

森さま「富樫くん、私今日チア部だけどどうする?」

勇太「あ~それなんだけど……」

勇太「俺六花の様子見に行こうかと思って」

森さま「ああ……」

勇太「ななちゃんにも頼まれてるし、心配だろ?」

森さま「そうね……」

勇太「ごめんな、丹生谷」

森さま「いいのよ、私も心配してないわけじゃないもの」

勇太「うん……」

森さま「……富樫くん」

勇太「なに?」

森さま「私のこと……好き?」

勇太「なっ……!? 何言って……」

森さま「どうなの?」

勇太「い、いやここ学校だし……」

森さま「答えなさい」

勇太「……す、好きだよ」

森さま「世界で1番?」

勇太「に、丹生谷……」

森さま「いいから」

勇太「そ、そうです、世界で1番好きです」

森さま「ふぅ……信じてるから」

勇太「え?」

森さま「じゃあまた明日ね」クルッ

勇太「あ、ああ……」

小鳥遊家

ピンポーン

勇太「……」

ピンポーン

勇太「おーい、六花~! 大丈夫か~?」コンコン

勇太「……」

勇太「今日がっこ……」

ガチャ

勇太「あっ……」

十花「なんだ?」

勇太「あ、いや……六花が学校休んだんで……」

十花「……入れ」

十花「何か飲むか?」

勇太「あ、いえ、大丈夫です」

勇太「それより十花さん仕事は……」

十花「休んだ」

勇太「六花の……」

十花「……まあな」

十花「溜まってた有給を消化しただけだ、問題ない」

勇太「それで六花は?」

十花「……」

勇太「十花さん?」

十花「……わからん」

勇太「え?」

勇太「それどういう……」

十花「このところずっと様子がおかしかった」

十花「塞ぎ込んで……」

勇太「そうなんですか?」

十花「お前が気付いていないとはな」

勇太「え?」

十花「いや、気にするな」

勇太「はぁ……」

十花「私が何かあったかと尋ねても何も答えない」

十花「まあもともと私に何か相談するような子ではないがな」

十花「結局そのまま……今日だ」

十花「学校に行きたくないと言い出した」

勇太「……え?」

十花「理由を聞いても何も言わない」

十花「部屋に閉じこもったままだ」

勇太「そうだったんですか……」

十花「私は何も知らない……」

十花「学校で何かあったのか?」

勇太「……いえ 、特には」

勇太「あんなことばっかり言ってるからクラスで話す人は少ないですけど……」

勇太「それでも避けられてるだとかましてやイジメなんてのは無いですよ」

十花「……そうか」

十花「高校に入ってからは楽しそうにしていたんだがな……」

勇太「はあ……」

十花「しかしお前でも知らないとなると……どうしたものか」

勇太「……とりあえず話してみます」

十花「……そうだな」

十花「私はいないほうがいいだろう」

十花「すまないがよろしく頼む」

勇太「はい……」

十花「私は無力だな……」

勇太「そんなこと……」

十花「出かけてくる」スッ

勇太「十花さん……」

勇太「とは言ったものの……」

勇太「……はぁ」

勇太「おーい、六花? いるんだろ?」コンコン

勇太「……」

勇太「返事ぐらいしたらどうだ?」コンコン

六花「……なに」

勇太「あ~……なんで学校休んだんだ?」

六花「勇太には関係ない」

勇太「そりゃそうかも知れないけど……」

勇太「なんかあったのか?」

六花「……」

六花「なにもない」

勇太「ないわけないだろ?」

勇太「学校休むぐらいだし……」

勇太「聞いてやるから話してみろよ」

六花「話さない」

勇太「なんでだよ」

六花「話したくないから」

勇太「あのなぁ……みんな心配して……」

六花「勇太には関係ない!!」

勇太「!?」

勇太「な、なに怒って……」

六花「休息に入る、もう話しかけないで」

勇太「六花……」

勇太「はい、俺にも何も話してくれなくて」

『そうか……』

勇太「しまいには関係ないって怒鳴られちゃいましたよ」

『……』

勇太「十花さん?」

『お前本当に何も知らないのか?』

勇太「え? そうですけど……なんでですか?」

『いや……いい』

勇太「?」

勇太「とりあえず明日部活のメンバーに六花のこと聞いてみますよ」

勇太「俺が気付いてないことがあるかもしれないし」

『ああ、世話になるな』

勇太「いえ、それじゃ」ピッ

勇太「……六花」

勇太「ただいま~」ガチャ

母「ゆうちゃんおかえり~」

夢葉「だーくふれいむますたーおかえりー」

勇太「だからダークフレイムマスターじゃないって言ってるだろ!」

樟葉「そう言えば最近小鳥遊さん来ないね」

勇太「ん? あ、ああ……そう言えばそうだな……」

母「ええっ!? ゆうちゃん小鳥遊さんと別れちゃったの!?」

樟葉「え!? 付き合ってたの!?」

勇太「母さん! 変なこと言わないでよ!」

母「え~違うの~? お母さんてっきりそういう仲だと」

勇太「違うよ! 」

勇太「それにその……付き合ってる人は別にいるし……」

樟葉「!?」

母「うそ!? 二股!?」

勇太「なんでそうなるんだよ!」

母「冗談よ、それで? 誰なの?」

勇太「丹生谷森夏って子だよ、母さんは知らないだろうけど」

樟葉「え!? あの人!?」

母「なになに? 樟葉は知ってるの?」

樟葉「すっごく可愛い人だよ! スタイルも良くて優しそうで……」

母「えぇ~!? ゆうちゃんそんないい子と付き合ってるの!?」

母「今度連れてきて合わせてよ!」

勇太「わ、わかったよ……わかったから……」

勇太「全く……母さんまで俺と六花が付き合ってるなんて……」

勇太「やっぱりそんな風に見えてんのかな?」

勇太「たしかに良く一緒にはいるけど……」

♪~

勇太「ん? 丹生谷か」ピッ

勇太「……小鳥遊さん大丈夫?か」

勇太「大丈夫じゃないんだよなぁ……これが」

勇太「どうしたもんか……」

勇太「……」

勇太「まあ明日の部活の時でいいか」

勇太「学校行きたくない……なぁ」

♪~

森さま「……」ピッ

森さま「明日詳しく話す?」

森さま「……なに?」

森さま「……」

森さま「小鳥遊さん、大丈夫かしら?」

森さま「私……」

森さま「ううん……明日話を聞いてみなくちゃ」

森さま「それから……」

次の日 放課後

森さま「ごめん、ちょっと遅れちゃった」

勇太「ううん、大丈夫」

勇太「これで全員か……」

凸守「まだマスターが来てないデス!」

勇太「ああ、その六花のことなんだ」

くみん「六花ちゃんなにかあったの?」

勇太「昨日、今日……六花が学校休んでる」

森さま「……」

くみん「風邪でも引いたのかな?」

勇太「それが……病気じゃないんです」

くみん「え? そうなの?」

凸守「マスターは度重なる戦闘で……」

勇太「真面目な話なんだ」

凸守「ごめんなさいデス……」

勇太「……それで、昨日家に行ってみたんだ」

森さま「そしたら?」

勇太「学校に行きたくないって言ってるって十花さんが……」

森さま「……」

勇太「俺も話をしてみたんだけど何も言ってくれなくて」

くみん「そうだったんだ……」

勇太「それでみんな何か気付いたことないかと思って」

凸守「そうデスね……最近あまり話をしなくなった気がするデス」

くみん「元気なかったもんね」

勇太「やっぱりそうですか……」

勇太「それは十花さんも言ってたんですけど……理由がわからなくて」

くみん「私も理由はわからないかな……」

凸守「凸守もデス……」

勇太「うーん……」

森さま「……」

勇太「こうなるといよいよ打つ手が……」

森さま「富樫くん」

勇太「ん?」

森さま「私理由を知ってるわ」

勇太「え? ほんとか!?」

森さま「ええ、たぶんだけどね」

勇太「それって……」

森さま「……私が小鳥遊さんと話すわ」

勇太「え?」

森さま「理由は言えないけど……」

森さま「私が二人で話してみる」

勇太「丹生谷……」

凸守「お前のような偽物の言葉なんかに……」

くみん「凸ちゃん!」

凸守「……」

勇太「……じゃあ頼むよ」

森さま「ええ、やってみるわ」

ピンポーン

ガチャ

十花「富樫勇太……と確か……」

森さま「丹生谷です」

十花「ああ……」

勇太「丹生谷がたぶん理由を知ってるって……それで」

十花「そうなのか?」

森さま「はい、確証はありませんけど……」

十花「……上がってくれ」

勇太「お邪魔し……」

十花「待て」グイッ

勇太「え?」

十花「二人きりの方がいいんだろ?」

森さま「……はい」

てす

勇太「えっ? ちょっ……」

十花「いいから」グイッ

森さま「じゃあまた後でね」

バタン

勇太「あ……」

十花「付き合ってるのか?」

勇太「え!? どうして知って……」

十花「ふっ……可愛くていい彼女だな」

勇太「い、いやぁ……」

十花「さ、行くぞ」

勇太「行くぞって……どこに?」

十花「野暮だな……デートだよ、デート」

勇太「え……? えぇっ!?」

森さま「……」コンコン

森さま「小鳥遊さん、私よ、丹生谷」

六花「っ……!」

森さま「学校……来ないの?」

六花「……」

森さま「行きたくない?」

六花「……」

森さま「富樫くんがいるから?」

六花「ち、違うっ!」

森さま「じゃあ私?」

六花「違う……」

森さま「両方?」

六花「……」

森さま「富樫くんのこと好きだったんでしょ?」

六花「それは……」

森さま「わかってるから大丈夫よ」

六花「……」

森さま「それで……だから言わないといけないことがあるの」

森さま「私、富樫くんと付き合ってるわ」


六花「……え?」


森さま「本当よ」

六花「ぁ……」

森さま「気付いてたのよね? 私達のこと」

六花「ちが……ぅ……」

森さま「……違わない」

六花「ちがう……ちがう……」

六花「ゅ……勇太は……ダークフレイムマスターで……」

六花「だから……契約を結んで……」

六花「目が共鳴して……邪王心眼が……」

六花「それで……私の……」

森さま「小鳥遊さん」

六花「私の……」

森さま「逃げても何も変わらないわよ」

六花「……ダークフレイムマスターは精神汚染を」

森さま「っ……!」

六花「だから……管理局の妨害で……」

森さま「いい加減にしなさい!!」

六花「!?」ビクッ

森さま「そうやって逃げて逃げて逃げて逃げて……」

森さま「自分の世界に篭ってそこで満足して何になるのよ!」

森さま「そりゃあ嫌なことがあったら逃げたくなるし忘れたくなるけど……」

森さま「それじゃいつまでも前に進めないじゃない!」

六花「ぁ……」

森さま「自分でもわかってるくせにいつまでも甘えて……」

森さま「この先ずっとそうやって生きてくつもりなの!?」

六花「……」

森さま「……はぁ」

森さま「……ごめん、ちょっと言い過ぎたわ」

森さま「でも……」

ガチャ

六花「丹生谷……」

森さま「小鳥遊さん……」

六花「ぅ……うぅ……」ポロッ

六花「だって……勇太が……」ポロポロ

六花「ゆうたが……ゆうたがぁ……」ポロポロ

森さま「……ごめんね」

六花「うあああああああああ!!」ポロポロ

森さま「よしよし……」ギュッ

六花「勇太がっ……好きだった……のに……! なのに勇太は違くて……」ポロポロ

森さま「うん……」

六花「でも言えなくて……それで……」ポロポロ

森さま「うん……」

六花「つらくて……かなしくて……」ポロポロ

森さま「ごめんね……ごめん」

森さま「落ち着いた?」

六花「……うん」

森さま「そう……」

森さま「それで……どうするの?」

六花「……ダークフレイムマスターに決闘を申し込む」

森さま「告白するのね」

六花「……そうとも言う」

森さま「私が言えた義理じゃないけど、頑張ってね」

六花「いいの?」

森さま「なにが?」

六花「勇太は丹生谷と契約している……なのに」

森さま「当たり前でしょ?」

森さま「別に好きな人に告白するのに誰かの許可なんて要らないじゃない」

六花「……」

森さま「それに……」

六花「それに?」

森さま「富樫くんは私のことが好きだもの」

六花「ぅぐ……」

森さま「ふふっ、ごめんごめん」

森さま「決めるのは富樫くんよ」

六花「……」

森さま「富樫くんが六花ちゃんを選ぶならそれでいいわ」

六花「わかった……」

六花「……頑張る!」

十花「帰ったぞ」ガチャ

勇太「お、お邪魔しま~す」

森さま「来たわね」

六花「うん……」

六花「……丹生谷」

森さま「なに?」

六花「その……ありがと……」

森さま「ふふっ、どういたしまして」

勇太「あ、話は終わっ……」

六花「勇太! こっちへ!」グイッ

勇太「えっ!? あっ……ちょ……」

森さま「……ふぅ」

十花「迷惑かけたな」

森さま「友達ですから」

十花「ふっ……」

勇太「お、おいっ! どこまで……」

六花「この辺りなら……」

勇太「一体なにを……」

六花「ダークフレイムマスター!」

勇太「はっ?」

六花「邪王心眼の名において決闘を申し込む!!」

勇太「け、決闘?」

六花「すぅ……はぁ……」

六花「(逃げない……)」

六花「爆ぜろ、リアル!」

六花「(逃げない!)」

六花「弾けろ、シナプス!」

六花「(勇太が好きだから!)」

六花「バニッシュメント・ディス・ワールド!!」

勇太「六花……」

六花「……大事な話がある」

勇太「話? 決闘じゃ……」

六花「いいから!」

勇太「う、うん……」

六花「……」

勇太「……」

六花「私は……」

六花「私は勇太が好き!!」

勇太「……え?」

六花「勇太が好きなの」

勇太「六花……」

勇太「……」

六花「返事を」

勇太「俺は……」

六花「……」

勇太「俺は丹生谷が好きだ!」

六花「……」

勇太「だからお前の気持ちには応えられない」

六花「……そう」

勇太「ごめん……」

六花「ううん、大丈夫……」

六花「ありがとう」

六花「勇太」

勇太「……」

森さま「終わったみたいね」

勇太「に、丹生谷!?」

六花「全力を出して……負けた……」

森さま「バカね、恋愛は勝ったも負けたじゃないわよ」

六花「うん……」

森さま「……泣かないの?」

六花「大丈夫、心は晴れやか」

森さま「そっか」

六花「丹生谷……」

森さま「なに?」

六花「……前に進めた?」

森さま「もちろんよ」

六花「えへへ……」

勇太「これで六花も学校にくるようになるんだな」

森さま「そうね」

勇太「しかしまさか六花が俺に惚れてたなんて……」

森さま「はぁ……どんだけ鈍いのよ」

勇太「す、すみません……」

森さま「ま、これにて一件落着ね」

勇太「なあ丹生谷、一つ聞いていいか?」

森さま「なに?」

勇太「もし俺が六花を選んだらって思わなかったのか?」

森さま「あー……まあ考えなかったと言えば嘘になるけど……」

森さま「でも私を選んでくれるって信じてたわ」

森さま「富樫くんのこと好きだもの」

勇太「なっ……お、おう……」

森さま「それに富樫くんも私のこと好きでしょ?」

勇太「あ……えと……」

森さま「違うの?」

勇太「す、好きです!」

森さま「ふふっ、ほらね」

勇太「ぁぅ……」

森さま「改めてよろしくね、勇太!」

勇太「えっ……? あっ……」

勇太「よ、よろしく……し、森夏」

森さま「えへへ……やっぱり照れちゃうね」

勇太「そ、そうだな……」

勇太「……」

森さま「……」

勇太「(な、なんかこれっていい雰囲気なんじゃ……)」

勇太「(い、今なら……キ、キキキスとか……)」

勇太「(いや流石に早まり過ぎか!?」

勇太「(でも……)」チラッ

森さま「?」

勇太「(いけるか……? いや……いけるだろ!!)」

勇太「(勇太の勇は勇気の勇!)」

勇太「(いっけえええええ!!!)」

勇太「し、森夏!」

森さま「今キスしようとか考えてたでしょ?」

勇太「えっ!? はっ!?」

森さま「やっぱりそうなんだ……」

勇太「い、いやそんな……キ、キキキスなんて……」

森さま「バレバレよ」

勇太「……すみません」

勇太「(くそっ……早まった!! 浮かれ過ぎて正常な判断が……)」

森さま「……勇太」

勇太「え?」

チュッ

勇太「…………ぇ?」

森さま「今日はほっぺまで! ばいばい!」タッ

勇太「……またな!森夏!」

次の日

勇太「や、やめろよ森夏……そんなにしたら……」

勇太「ダメだって……そんな……」

勇太「はっ!?」ガバッ

六花「やっと起きたか」

勇太「六花!? なにやって……あれ?」

勇太「お前眼帯は? コンタクトも……」

六花「外した」

勇太「え……?」

六花「もう私には必要ない」

勇太「……そっか」

六花「それより早くしないと遅刻する」

勇太「うおっ!?」

勇太「はぁっ……はぁっ……」タッタッ

勇太「ごめん……待った?」

森さま「当たり前でしょ!! 私まで遅刻したらどうすんのよ!」

勇太「いや、ほんとごめん……」

森さま「ってあんた眼帯は?」

六花「外した」

森さま「へ~……ついに中二病卒業ってわけ?」

六花「……」

森さま「邪王心眼」ボソッ

六花「くっ……!!」

森さま「シュバルツゼクスプロトタイプマークⅡ」ボソッ

六花「うわああああああああ!!」

森さま「あはは! おもしろーい!」

六花「はぁ……はぁ……」

森さま「しばらくは楽しめそうね~」

勇太「おいおい……」

六花「……モリサマー」ボソッ

森さま「!?」

六花「この世界に一番必要なのは……愛」ボソッ

森さま「やめてえええええええええ!!」

六花「ふっ、おもしろい」

森さま「あ、あんた喧嘩売ってんの!?」

六花「それはこっちのセリフ」

勇太「ま、まあまあ……二人とも仲良く……」

森さま・六花「勇太は黙って!!」

勇太「……はい」
                        おわり

                   ,_‐ァ=-、
                 /7゙ /  `jハ
                 广⌒'ー く|│
               /       } |       何スレも使ってごめんなさい
               /       ,ム  | |        無駄な保守させてごめんなさい
             ∠二二.   / l: | |         遅筆でごめんなさい
             /┼┼┼\ |  |: | `ー─=ミ
        ___l ┼┼┼┼∨  L._lう ̄ ̄`ヽ ヽ
        ( r─‐ヒ土士士士.」:::::::::::::::::    ノ 丿
        )'^ス  'ーr┴rャー‐く::::::::::::::     ( __(          おわりです
         ∨ノ  /_  }:::Y___j::::::::      ('⌒')
                /  >'::::::{ │:::         ̄
          r‐' /  ::::゙__ j:::

         ::ノ ノ    :::{ }:

         .:{/      :} }
                    ー'

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom