和「宮永咲の消失・・・」(170)

一応
和「宮永咲の消失」
和「宮永咲の消失」 - SSまとめ速報
(http://www.logsoku.com/r/news4vip/1351600003/)
和「宮永咲の消失?」
和「宮永咲の消失?」 - SSまとめ速報
(http://www.logsoku.com/r/news4vip/1351918714/)
の続きっす

~朝 通学路
チュンチュン
和「残り2人…なんとしても見つけないといけませんね…」テクテク

優希「うちの高校は部活を結成するためには最低でも5人必要だからな~ まあなんとかなるじぇ!」

和「…お気楽ですね、ゆーきは」タメイキ

和「…それにしても」チラリ

優希「?」

和(どうしたら短期間でここまで発育するんでしょうか…)ジー

優希「なんだじぇ、のどちゃん私のムネ眺めて…」

和「! すみません、つい…」

優希「のどちゃんはのどちゃんでご立派なモノをおもちなんだから、人のを気にする必要なんかないんだじぇ!」

和「おもち…何やら懐かしい言葉ですね」

優希「? おもち?」

和「いいえ、こちらの話です」

和(おもちで思い出しましたが…奈良の皆は今頃どうしているでしょうか…)

和(ゆーきとよく似ていた憧も今のゆーきのように成長しているかもしれませんね)クスリ

~阿知賀、通学路
憧「へくち!」

穏乃「? 憧、どうしたの花粉症?」

憧「吉野に住んでて今更花粉症はないわよ…」

穏乃「プロテインとったら治るかもしれないよ~」

憧「だから、人の話を…」

穏乃「あと牛乳とか」

憧「牛乳…」ピタッ

穏乃「? どうしたの憧…あっ」

憧「…」ワナワナ

穏乃「…ゴメンゴメン、そういう意味で言ったんじゃ」アセアセ

憧「…私が」

憧「私が貧相な体型してること気にしてるの知ってるくせにー!!」ドカーン

穏乃「うわわ!?」

…少し時間経って
穏乃「…機嫌治った? 憧」

憧「…もういいわよ、あたしもちょっと理不尽すぎたし」タメイキ

玄「おはよっ」

穏乃「あ! 玄さん、おはようございます」

玄「ん~? 憧ちゃんどうしたの?」

穏乃「アハハ…実は」カクカクシカジカ

・・・
玄「ふんふむ、なるほど~なるほど~」

玄「でも私は今の憧ちゃんのままでいいと思うけど。お人形さんみたいで可愛いよ!」

憧「…」ジッー(玄の胸見る)

玄「?」ボヨーン

憧「…」ペターン(自分の胸見る)

憧「…そのムネで」

憧「…そのムネでそんなこと言ってもイヤミにしか聞こえないのよ~!」クロノムネワシズカミ

玄「あ、ひゃ、憧ちゃん!?」

憧「いったい(モミモミ 何(モミモミ)食べたら(モミモミ)こんな(モミモミ) 
  玄が言うところの“おもち”になるのよ~!!(モミモミモミモミ)お姉ちゃんも
  大きいし(モミモミモミモミモミモミモミモミモミ)」

玄「あ…あこちゃん…やめ…」ビクッビク

穏乃「あ、憧もうそれくらいにしておいた方が…」

憧「…!? あれ私ったら何を…」ワレニカエル

玄「」フラッ バターン

穏乃「玄さん!?」

玄「…お」

穏乃「お?」

玄「おもちには貴賤は存在せず…」ガクッ

穏乃「く、玄さーん!!」

ギャーワー


~清澄校門前
ザワザワザワザワ

和「…? なんでしょう校門前に大きな黒い車が…」

優希「お~ “姫”のご登場だじぇ」

和「姫?」

優希「? あれのどちゃん知らなかったか?」

和「いえ…私は…。 運転席のドアから誰か出てきましたね…あれ、あの方は…どこかで…」

??「…様、お足元にお気をつけて…」ウシロノドアアケル

??「…」スタッ

和「!!!」

和(…どうして)

??「…」スタスタ

和(どうして、あなたがここに居るんです…!?)

??「…お嬢様。お父上のお話ですが…」

和(なぜ、清澄の制服を着て…)

??「…不要です。今あの人に会うつもりはありませんわ、ハギヨシ」

ハギヨシ「…御意」

和(龍門渕高校の副将さん!!)

透華「…」

透華「…」スタスタ

男子学生「“氷姫”のご登校だ… 俺噂は聞いていたけど初めて見たよ」ヒソヒソ

女子学生「必要最低限しか登校しないらしいからね…朝この時間に来るのも珍しいし」ヒソヒソ

男子学生「けど、龍門渕ってあの龍門渕だろ? どうしてうちみたいな学校に…」ヒソヒソ

女子学生「さあ? なにか事情があるんじゃないの?」ヒソヒソ

和「…何やらよくわかりませんが勧誘のチャンスです!」ダッ

優希「お、おい、のどちゃん!」

和「龍門渕さんっ!」

透華「…」ピタッ

和「私達と一緒に麻雀で全国に「原村…和でしたわね、確か」

和「え?」

透華「…今のあなたに興味はありませんわ」スタスタ

和「…」ボーゼン

男子学生「…原村さんすげー。氷姫が話しかけた人に返事するなんてほとんどないのに…」ヒソヒソ

女子学生「そういえば私、氷姫が笑ってるところ一度も見たことないよ…」ヒソヒソ

優希「のどちゃん、すごいじぇ…まさかあれだけの反応を引き出すとは… しかものどちゃんのこと
   知ってるみたいだったし」

和「いえ、私は…」

和(まるで氷のように冷たい目に見つめられてまったく動けませんでした… 試合や県合宿の時、私が知ってる
  龍門渕透華さんとはまるで別人)

和(いったい何があの人に・・・?)

~昼休み

和「あの麻雀部に…」

女子学生「ゴメン、わたしもう部活に入ってるし、麻雀そこまでうまくないから」

和「そうですか…」タメイキ

和(これで断られたのは何人目でしょうか… でも考えてみれば咲さんが入るまで誰も
  入部しなかった。元々望み薄ですね)
 
和(しかも、単なる人数合わせではなく、試合で勝てるメンバーを集めないといけない。
  これはかなり難しいですね)

女子学生「…それにしても、原村さんもすっかりたち直ったね~」

和「? 立ち直ったとは、どういうことでしょう?」

女子学生「いや、“あんな”ことがあったのにもう一度麻雀に…」

男子学生「おい!」

女子学生「…ゴメン、今の忘れて」

和「?…はい」
 (“あんな”こと…?)

~屋上

和「…風が騒がしいですね」

和(気がついたらここに足を運んでいました)

和(そういえばいつかここで咲さんとお弁当を食べましたね… ここから部室が見えるとか言ってましたね)

和「今はもう取り壊し工事で見る影もない…」

和「…」

??「失礼します」ウシロカラ

和「ふきゅ!?」

??「ああ、驚かせてしまいましたか。申し訳ありません」

和「いえ…」(ヘンな声が出てしまいました…)ズーン

ハギヨシ「私、透華お嬢様の執事をさせて頂いておりますハギヨシと申します。以後お見知りおきを」

和「はい…」(気配もなかったのに一体どこから…)

ハギヨシ「本来学校には部外者が立ち入るべきではないのは百も承知しております。しかし私もお嬢様の身の周りのお世話をする身。
    関係者としてどうしても貴方の耳にお伝えしたいことが」

和「?」

和「何でしょう?」

ハギヨシ「今朝、貴方はお嬢様を呼び止められた。その時お嬢様が見せた反応は私が久方見たことのないものでした」

和「…?」(もう興味はないと言われましたが)

ハギヨシ「お嬢様は以前から貴方の事を存じておりました。原村和さん…貴方は“のどっち”さんですよね?」

和「!? どうしてその名前をあなたが…」

ハギヨシ「失礼しました。私も龍門渕家に仕える身として麻雀を嗜んでおりまして。ネット麻雀を少々」

和「はい」(意外ですね…)

ハギヨシ「不躾な物言いですが、先日ネット麻雀は大騒ぎになりました。あの“のどっち”が復帰したと…あれは貴方ですか?」

和「復帰した…という言い方がよくわかりませんが先日の対戦は私です」

ハギヨシ「!! ああ、やっぱりあなたが…」

和「…それがどうかされましたか?」

ハギヨシ「…順を追って説明しましょう」

すまん、30分ほど抜ける
落ちてたらまた立て直すよ

ハギヨシ「まず、透華お嬢様がなぜ清澄高校に通われているかの説明をしなければなりません…。
     透華お嬢様は龍門渕家の跡継ぎ。本来ならば龍門渕高校に通われてしかるべきなのですが…」

和「…」

ハギヨシ「…貴方を信頼できる方と見込んでお話しますが、透華様と透華様のお父上の間に確執があるのです」

和「…確執?」

ハギヨシ「はい、かれこれもう2年ほど…。しかし直接的な原因は6年前に遡ります」

ハギヨシ「透華お嬢様はご幼少の時より我が龍門渕家の親戚のお子様と親しくしておいででした。
     …お嬢様からみて従姉妹に当たられます。非常に仲睦まじくまるで実の姉妹の様でした」

ハギヨシ「しかし、透華様のお父上はあまりそれを好んでいらっしゃいませんでした」

和「…なぜ」

ハギヨシ「…曰く不幸が移る、と。他の方達は何を迷信めいたことをと真剣にとりあってはいませんでした。
    しかし、そうは言ってられない事が起こってしまったのです」

ハギヨシ「…6年前。そのお子様のご両親が研究で旅行に行かれることになりました。ご両親はお二人とも国文学者で
    それまで数々の優れた業績をあげてこられました。ただあまりにご多忙でお子様と十分接する機会がなかったのです。
    そこでご両親が短期で学校の休暇中ということもあってお子様を誘われたのです…そしてお嬢様も」

ハギヨシ「…それまで一度もできなかった家族旅行も兼ねてということだったのでしょう。
    また親しく遊んでくれたお嬢様に対するねぎらいという意味もあったものと思われます」

ハギヨシ「当然お嬢様は大喜びなさり、一緒に行くということになりました。
     もしその場に透華様のお父上がいらっしゃれば先ほど述べたような理由で反対されたのでしょうが
     あいにくその時は出張でご不在でした」

ハギヨシ「そして4人でご旅行に行かれました。…その中途で事故が起こったのです」
    

和「…事故!?」

ハギヨシ「はい。4人の中で一命を取り留められたのは透華お嬢様ただ一人でした」

和「…名前。その時亡くなられた子の名前は」
 (私の予想が正しければ…でも当たってほしくない…)

ハギヨシ「…衣といいます。天江衣」

和「」

和「…」(道理で藤田プロが知るはずがない… いや他の誰も知ってるはずがなかったんです)
    (だってもう亡くなっているんですから)

ハギヨシ「…当然のことながら、お嬢様にはかなりの精神的ショックがありました。
    事故から4年たってその傷がやや癒える兆しを見せ始めた頃に確執が起こる事件が起きたのです」

ハギヨシ「命日の法事で深夜…たまたま起きてこられたお嬢様がお父上の会話を聞いてしまったのです」

ハギヨシ「不幸を呼ぶ者が死んでよかった。透華まで道ずれにされなくてよかった…と」

ハギヨシ「…その場に居合わせた者の話によりますとお嬢様は半狂乱でお父上と取っ組みあったそうです。
     以来お嬢様はお父上と直接言葉を交わされたことは一度もありません」

和「…」

ハギヨシ「状況を重く見た龍門渕グループの総帥…お嬢様の祖父にあたります…はしばらく冷却期間が必要だろう
    とのことで龍門渕高校ではなく外部の公立の学校、清澄高校にお嬢様を進学させることになったのです」

ハギヨシ「しかし、今の所お嬢様とお父上の関係はまったく修復される気配はありません」

和「…」(あまりに重すぎます)
     

ハギヨシ「…お嬢様もこちらの学校に移られてからあまり積極的に他の生徒と関わろうとは
     されておりません。ただ唯一お嬢様が熱中されていたのがネット麻雀です」

和「ネット麻雀?」

ハギヨシ「…はい。麻雀そのものは従姉妹のお子様がご健在であられた頃から嗜んでおられたのですが
     人との関わり合いをあまり好まれなくなってからはネット麻雀を好まれるようになりました」

ハギヨシ「なかでも、“のどっち”というプレイヤーを大変好まれていました」

和「!」

ハギヨシ「お嬢様の“のどっち”への憧れは相当強いものがありました。
     そして昨年のインターミドル大会に出場したあなたが“のどっち”
     ではないかと思われたのです」

和「…」

ハギヨシ「あなたは個人戦で順調に決勝まで進まれた。しかし…すみませんこれ
     以上言うのは野暮ですね」

和「?」

ハギヨシ「…その件でお嬢様はあなたが“のどっち”ではないと思われました。
     しかし同時期にネット上から“のどっち”は姿を消しました」

和「??」
 (確かに当時の私のデジタル打ちはお世辞にもそれほど洗練されたものではありませんでしたが…)

ハギヨシ「…それ以来お嬢様は増々内に籠られるようになりました。今では以前ほど
     ネット麻雀にご興味を示されなくなっています」

ハギヨシ「しかし、先日の件から私はあなたが“のどっち”であると思い、今確証を得ました
     お願いします、どうかお嬢様のために力を貸して下さいませんか?」

和「力…?」

ハギヨシ「はい、このような手順で…」

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

和「…なるほど」

ハギヨシ「よろしくお願いします。では放課後手筈通りに」シュパッ

和「消えた!?」
 (よくわからない人ですね…)

~放課後清澄高校情報室

まこ「麻雀やる言われてウチでやるんかと思うたらネット麻雀かい…」

優希「パソコンがいっぱい並んでるじぇ~。パソコン部の活動場所なのに
   私達が使っていいのか、のどちゃん?」

和「大丈夫、許可はもらってあります…いいですよね、パソコン部の皆さん?」

パソコン部部員「「はい…」」(執事っぽい人にニコニコ顔で迫られた…)

まこ「それにしてもあと一人はどうするんじゃ?CPUにするのか?」

和「…大丈夫来ます、必ず」

まこ、優希「?」

~同時刻透華部屋

透華「…なんですの、ハギヨシ」

ハギヨシ「お嬢様、ネット麻雀をして頂けませんか?」

透華「…今日は麻雀やる気分じゃありませんわ」

ハギヨシ「…お嬢様。“のどっち”復活の噂はご存じですか?」

透華「! …ええ、知ってますわ。でも単なる偶然か、万が一仮に復帰したとしてもそれにそうそうネット上で遭遇するはずが…」

ハギヨシ「こちらをご覧ください」

透華「え…“のどっち”…?」

透華「…」

ハギヨシ「どうでしょうお嬢様?」

透華「…半荘1回だけですわよ」


crystal:よろしくお願いします

まこまこ:おっ、来たようじゃの

タコスウマー:それじゃ、始めるじぇ!

のどっち:お願いします

透華「のどっち…本物かどうか見定めさせてもらいますわ」

透華「…」

ハギヨシ「どうでしょうお嬢様?」

透華「…半荘1回だけですわよ」


crystal:よろしくお願いします

まこまこ:おっ、来たようじゃの

タコスウマー:それじゃ、始めるじぇ!

のどっち:お願いします

透華「のどっち…本物かどうか見定めさせてもらいますわ」

~対戦終了後

透華「…なんですの、これは…」

透華「あの私が恋い焦がれた“のどっち”、いやそれ以上…数段の進化を遂げている…」

透華「まさか本当に本物…?」

crystal:のどっち、あなたは誰ですか?


のどっち:あなたに私を見つけられますか?

透華「!! 見つけてみせますわ、この龍門渕透華が! ハギヨシ!」

ハギヨシ「ハッ」

透華「のどっちの居場所を突き止めますわよ!!」

ハギヨシ「御意。……どうやら清澄高校からアクセスしているようです」

透華「なんですって!? 清澄から… 離れる前に現場を押さえますわよ、ハギヨシ、車を」

ハギヨシ「御意!!」

~清澄高校校門

ハギヨシ「お嬢様。どうやら情報室からアクセスしているようです」

透華「わかりましたわ!」タッタッタッタ

男子生徒「!? おい、氷姫が血相変えて走ってるぞ!」

女子生徒「ホントだー、何があったんだろ」

男子生徒「見に行こうぜ!」ガヤガヤ

透華(ハギヨシが車を飛ばしてくれましたが、それでも十数分は経過していますわね…)タッタッタッタ

透華(ひょっとしたらもう帰ってしまっているかも…急がないと…)ハアハア

~情報室
ガラッ

透華「」ハアハア

まこ「…ん? うちと同じ学年の…ってそんなに息きらせてどうしたんじゃ!?」

優希「初めて見たじぇ…」

透華「…っちは」

優希「ん?」

透華「どこにいますの!? のどっちは!!」

まこ、優希「!!」ビクッ

和「…ここにいますよ」スッ

透華「!? あなたは…」

和「今朝もお会いしましたが、私の方から自己紹介がまだでしたね」
 「原村和です」

透華「…龍門渕透華ですわ。あなたが本当に…」

和「はい、私がのどっちです」ニコッ

和「麻雀で私と一緒に全国に行きませんか?」

透華「…」ポロポロ

和「! 大丈夫ですか?」

透華「…すみません。まさか本当に会えるなんて思いもしなくて…」

和「…麻雀部に入ってもらえますか―龍門渕さん?」

透華「…その呼び方はキライですわ。透華と呼んでくださいまし」

和「わかりました…透華さん?」

透華「はい、よろこんで」ニコッ

和以外全員「!!??」

「…笑った」
「今の見た…!?」
「うん見た…」
「…氷姫が笑ったぞー!!」
「あんな表情もできるんだ…」
「私、龍門渕さんが笑ってるとこ初めて見たよ…笑うとすごいキレイ…」ワイワイガヤガヤ

優希「…のどちゃん、朝に無視られた女を夕方にはもう口説き落とすなんて…魔性の女だじぇ」

まこ「まったくじゃ。まさかここまで考えていたとはのう…」

和「ちょっと、二人とも口が悪いですよ!!」

透華「…あの、他のメンバーは?」

和「あっ、そうでした。こちらが…(紹介中)」

透華「よろしくお願いしますわ。…団体戦に出場…そうすると後1人足りませんわね」

和「そうなんですね…」タメイキ

透華「…アテがあるかもしれませんわ」

優希「あてとは?」

透華「多分有力な候補だとは思いますけど…明日話をしに行きましょう」

~翌日校門前で待ち伏せ

優希「有力な新人候補というのはどこにいるのだ、透華先輩?」

透華「…貴方と同じ1年ですわ。私も直接の面識はないですけれど」

優希「なんだとー!! あんなに勧誘したのに」ガガーン

和「…意外ですね」

まこ「まったくじゃ… あれだけ勧誘したのに網に引っ掛からんとはのう」

透華「元々網の鋭さを知ってる魚は網を大きく避けますわ… そうしても仕方ないですし」ボソッ

まこ「?」

透華「あっ来ましたわよ」

訂正
「…貴方と同じ1年」→「…私と同じ2年」

??「」テクテク

和(見たことのない人でしょうか?…でも…あれ…どこかで見た記憶が…)ウーン

優希「何かのどちゃんが考え込んでるじぇー」

透華「行きますわよ」ダッ

透華「ちょっと、お待ちなさい!!」

??「?」

??「何か用?」

透華「私達と麻雀をして頂きたいんですの!」

??「!? え…でももう、ボ…私は麻雀は…」

透華「知ってますわ。あなたが昔しでかしたことも」

??「…ッツ」ビクッ

透華「それを承知でお願いしていますの」
  「国広一さん!!」

一「…」

和「!!!」
 (驚きました…まさか龍門渕の中堅さんまでもが清澄に…)
 (でも私が知っている国広さんとは頬のタトゥーシールがなくなっているし、髪も下して伸ばしている…
  ぱっと見ではわかりませんね)

一「言った通りだよ…。私はもう麻雀はやらない。やめて何年も経つしもう忘れてる」

優希「そこを頼むじぇ~」

一「…だからやらないって」

和(あれ? …でももう一つ違う点が。たしか県合宿の時国広さんは…)

和「あの」

一「…? 私の頬に何かついてる?」

和「いえ、タトゥーシールがないことも気になるんですが」
 「その『私』って呼び方いつ変えたんですか? 確か国広さんは自分の事を『ボク』って言ってましたよね」

一「」

和「どうして変え…きゃ」

一「…どどどうしてボクの中学時代の一人称を知ってるの!? シールのことも? 君と前に会ったことあった?」

優希「…地が出てるじぇ」

一「…ッツ~」顔真っ赤

透華「よくわかりませんが、チャンスですわ!!」

透華「国広さん。どうやら和はあなたの恥ずかしい過去を知っているようですわね。
   …和はあなたが麻雀部に入らないと『うっかり』周りに喋ってしまうかもしれませんわよ?」

和「え…私別に…、あっそうだ。これはかなり私の個人的な趣味なんですが今でも露出度の高い私服を」

一「うわああああああ!! わかったよ、入るからその話だけはやめて~!!
  せっかく離れた高校選んだのに、恥ずかしい過去は思い出したくないんだ~!!」ジタバタ

優希「…のどちゃん天然で言ってるのか? それともやはり魔性の」

まこ「さあ、まあ結果オーライじゃろ」

和「これで五人集まりましたね」

透華「ええ」

一「」ガックシ

優希「おう!」

まこ「うむ」

和「清澄高校麻雀部再結成です!!」

・・
・・・・・
・・・・・・・・

~学生議会室

和「不許可!? どうしてです!?」

内木「どうしても何も一度廃部になって活動場所もなくなった部の再開を
  そうやすやすと認めることなんてできん。しかも部の結成に飽き足らず
  今週末が締め切りの県インターハイ出場を認めるなんて急すぎる」

和「でも…」

内木「それに以前君には拷問に近い責め苦を味わっている。あの恨みはわすれてないぞ」ギロッ

和「うっ…」
 (正論すぎて返す言葉が…)

優希「のどちゃん、会長に何したんだじぇ?」コソコソ

まこ「さあ、まああまり良いことではなかったようじゃの」

透華「くっ、ここが龍門渕なら会長のクビを飛ばしてでも鶴の一声で認めさせてやりますのに…」

一「言ってることが物騒だよ…」

和「くっ」
 (ここまで来たのに… 出ることもできず終わってしまうんですか!)
 
―和ちゃん
 (このままでは咲さんともう会うことも…)

和(何か…何か手はないんですか! 会長を頷かせるような…)

ダダダダダダダダダ
コラロウカハハシルナー
ゼンハイソゲデス!

内木「…? 何だ、外が騒がしい」

ガラッ

マホ「はぁ、はぁ、和先輩!!」

和「…マホ!! どうしてここに」

ムロ「すみません、急に押しかけて。
   優希先輩から県インターハイに出るってメール受け取ったら
   マホがいてもたってもいられなくて…」

マホ「和先輩…」

和「はい?」

マホ「ホントにインターハイに出るんですか…?」

和「もちろんです」アッサリ

マホ「…目標は?」

和「団体戦で全国優勝です」

マホ「…」ブワッ

和「マホ?」

マホ「う、う、うわあああああああん!!」ポロポロ

和「!? マホ急にどうしたんです!?」アセアセ

マホ「…ヒックヒック、のどか先輩が帰って来た…。マホの憧れてたのどか先輩が…ヒックヒック帰って来た!!」ポロポロ

ムロ「…ネット麻雀ののどっちもまさか」

和「ええ、私です」

ムロ「そうですか…ホントにもう一度…麻雀…ヒック…やってもらえるんですね…」

和「ええ…」
 (尋常じゃない喜びようですがどうしたんでしょうか?)

和「ただ人数は集まったんですが、最後の許可が下りなくて…」

マホ「…ヒック許可?」

和「ええ、部活の結成には学生議会長の許可が必要なんですけど…」

マホ「…」グイグイ

内木「……ハッ、き、君! 部外者の校内立ち入りは禁止だ。事務所で許可証を」

マホ「かいちょーさん」

内木「へ?」

マホ「マホからのお願いです…。麻雀部承認して下さい…」ナミダメ+ウワメヅカイ

内木「」ズキュウウウン

内木「……」

紫芝(書記)「…会長?」

寺平(会計)「一体、どうしたんで…」

内木「いいだろう。麻雀部設立とインターハイ出場を認めよう」キリッ

紫芝(書記)「」

寺平(会計)「」

紫芝(書記)「え、ちょっとまって下さい!? いくらなんでも前例が…」

内木「麻雀部は正式部員がゼロになった年に1年生で現3年生の者の中に仮入部
  していたものが居たはずだ。そいつを幽霊部員とみなすことで休部していた
  部が再び活動を始めたとみなす」キリッ

紫芝(書記)「顧問はどうするんですか!?」

内木「僕が兼任する。学生議会長なら先生方も異論はあるまい」キリッ

寺平(会計)「予算配分は…」

内木「余っている所から適当に融通しろ」キリッ

紫芝(書記)「…」

寺平(会計)「…」

優希「やった…やったじぇ、のどちゃん!!」

透華「やりましたわ、和!!」

キャーキャー

内木「盛り上がっている所を済まないが、部長は誰になるんだ?」キリッ

優希「部長…」

まこ「そんなこと決めなくてもいいようなもんじゃのう」

透華「ですわね」

一「そうだね、ここまでされたら認めるしかないよ」

ジー
和「…!? ええ、私ですか!!」

まこ「何をいまさら、慌てとるんじゃ」

優希「ここまで来れたのはのどちゃんの頑張りがあってのことだじぇ」

和「…え…でも1年生の私が2年の先輩を差し置いて部長に…」

透華「和、あなたがふさわしいですわ」

一「うん」

和「…」

和(…久部長が負った大きな役目、私に勤まるんでしょうか…?)ブルッ
 (…でも)
 (…ここまで来たらもうやるしかありません!)

和「わかりました。お引き受けします」

マホ「やった~、和先輩が部長だ~」ダキッ

和「マホ!?」

ムロ「こらこら、お前はまだ清澄に入っていないだろ」

マホ「そうでした…」シュン

マホ「…先輩」

和「ん?」

マホ「頑張って下さい! 私達応援してます!!」

和「…ありがとう」

・・
・・・・・
・・・・・・・・

~土曜日長野県インターハイ会場

透華「…それにしても出場登録のためにわざわざ会場に出向かないといけないなんて不便ですわ」

和「仕方ありませんよ…規則なんですから」

透華「むう…まあ和がそういうならそういうものなんでしょうね」

和「それに、登録だけなら別に私一人でも…」

透華「そういうわけには参りませんわ!」

透華「この龍門渕透華! 副将を任されたからには副部長として全力で貴方をサポートしますわ!!」

和「ありがとうございます」
 (オーダーは、先鋒ゆーき、次鋒染谷先輩、中堅一さん、副将透華さん、大将私と決まりました)

透華「…それに、せっかく和と休日に二人っきりに…」モジモジ

和「? 何かいいました?」

透華「!! な、なんでもありませんわ」アタフタ

和「はあ」

透華「…あら? あの人だかりはなんでしょう?」

ザワザワ

透華「ああ、風越女子のご登場ですわ」

―ドクン

透華「少々スポットライトが当たりすぎな気がしますわね、目立つべきは私達だというのに」

―今年の優勝最有力候補は“7”年連続優勝の“風越女子”だ

和「風…越…」

透華「…どうしましたの?和」

―福路美穂子と・・・のツートップの鉄壁の組み合わせでここ2年は県の主な大会を総なめしている

透華「ねえ? どうしましたの、和?」ユサユサ

―ドクン

和「…」

―福路美穂子と・・久のツートップ

和「部長…」

―福路美穂子と“上埜”久のツートップ

To be continued

最後らへんはFuturistic Player脳内再生してほしい
支援に感謝

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom