宮子「ゆのっちが夜逃げ・・・?」 (57)



宮子「ゆのっちー、学校遅れちゃうよー!」ドンドン

宮子「おーい、ゆのっちー?」

宮子「・・・」

宮子「はいるよー!」ガチャ

宮子「・・・え?」

スッカラカン

宮子「おーい!ゆのっちー!!」

なずな「どうしたんですか?大声出して・・・って」

宮子「これはこれはなずな殿」

宮子「見ての通り、ゆのっちの部屋が空っぽに・・・」

なずな「でも、昨日ここでみんなでお鍋食べましたよね?」

宮子「うーん、謎ですなあ・・・」

なずな「そろそろ予鈴鳴っちゃいますよ!どうしましょう・・・」

宮子「とりあえず学校に行こうか」

宮子「もしかしたらゆのっち来ているかも知れないし!」

なずな「そうだといいんですけど・・・」

スタコラ

乃莉「あ、2人とも早くしないと遅刻しちゃいますよ!」

乃莉「え!?ゆの先輩が・・・?」

宮子「うん、部屋から何もかもが無くなってて」

乃莉「それって」

乃莉「夜逃げってヤツじゃないでしょうか・・・?」

なずな「夜逃げ!!?」

宮子「・・・」

宮子「(ゆのっちが夜逃げ・・・?)」

キンコーン

宮子「(やっぱり学校にも来ていない)」

宮子「(どうしちゃったのかな・・・)」

吉野屋「おや?ゆのさん今日は欠席ですか?」

吉野屋「宮子さん、ゆのさんから何か聞いてませんか?」

宮子「いえ・・・」

宮子「あ、あの・・・」

吉野屋「?」

宮子「後でお時間頂けないでしょうか?」

吉野屋「つまり、今朝、急に居なくなっていたと?」

宮子「はい」

宮子「昨晩はゆのっちも含めてみんなでご飯を食べたんですけど・・・」

吉野屋「そうですか・・・」

吉野屋「親御さんに確認してみます」

宮子「よろしくお願いします・・・」

放課後

乃莉「やっぱり来なかったんですね・・・」

宮子「うん」

宮子「ゆのっちの両親とも連絡が取れないらしくて」

なずな「ゆの先輩・・・」

宮子「ねえ」

宮子「みんなでゆのっちを探しに行こう!」

乃莉「探すと言っても」

乃莉「一体どこを探せばいいのやら・・・」

宮子「うーん・・・」

乃莉「とりあえず私の部屋に来ませんか?」

乃莉「パソコンで地図とか見れますし」

宮子「そうしようそうしよう」

スタコラ

乃莉「地図が出ましたけど」

宮子「地球は広いですなあ・・・」

なずな「そもそも」

なずな「たった一晩で誰にも気付かれずに」

なずな「部屋から家具を運び出すことなんて出来るんでしょうか・・・」

乃莉「宮子先輩、何か変な音とか聞こえませんでした?」

宮子「うーん・・・」

宮子「昨日晩ご飯を食べて部屋に戻ったら」

宮子「なんだか急に睡魔がやって来て」

宮子「気がついたらもう朝になってたんだよね」

乃莉「・・・あ!」

宮子「?」

乃莉「そういえば私も・・・」

宮子「つまり・・・」

宮子「乃莉スケとなずな殿も」

宮子「あの後すぐに寝てしまったと」

乃莉「不思議ですねえ・・・」

宮子「(まさかゆのっちが・・・)」

宮子「(いや、そんなハズはない!)」

宮子「ゆのっち・・・」ポロポロ

深夜

宮子「(みんなで近所を探してみたけど)」

宮子「(ゆのっちを見つけることは出来なかった)」

宮子「(明日起きたら)」

宮子「(何もかもが元通りになってて)」

宮子「(ゆのっちが笑顔で「おはよう」って)」

宮子「・・・」

宮子「(何も出来ないって辛いなあ・・・)」



宮子「ゆのっちー、学校遅れちゃうよー!」ドンドン

宮子「おーい、ゆのっちー?」

宮子「・・・」

宮子「はいるよー!」ガチャ

宮子「・・・え?」

ゆの「あ、宮ちゃん!おはよー」

ゆの「ちょっと待っててね」

ゆの「もうすぐ支度できるから」

宮子「ゆのっち・・・」

ゆの「?」

宮子「ゆのっちーーー!!」

ゆの「わっ!」ギュッ

宮子「よかった・・・ゆのっちが戻ってきてくれて・・・」ポロポロ

ゆの「宮ちゃん・・・?」

ゆの「私が戻ったって」

ゆの「何の話・・・?」ポカン

宮子「何って・・・」

ゆの「私が失踪・・・?」

宮子「そうだよ、何も覚えていないの?」

ゆの「覚えていないもなにも・・・」

ゆの「私はずっとここに居たし」

ゆの「昨日も学校に行ったし・・・」

宮子「(何がどうなって・・・)」

なずな「あ、ゆの先輩、宮子先輩」

なずな「おはようございます」

ゆの「おはよー」

宮子「・・・」ポロポロ

なずな「えっ?どうしたんですか宮子先輩・・・!」

宮子「なずな殿・・・」

宮子「(昨日、確かにゆのっちは居なかった)」

宮子「・・・」

宮子「(私がおかしくなっちゃったのかな・・・?)」

キンコーン

宮子「(クラスのみんなも)」

宮子「(昨日、何事もなかったかのように過ごしている)」

宮子「(吉野屋先生もいつも通りだし・・・)」

宮子「(あれは悪い夢だったのかなあ)」

宮子「(それとも、こっちが夢!?)」ホッペツネリ

宮子「痛い・・・」



ゆの「宮ちゃーん」

宮子「・・・」

ゆの「ねえ、宮ちゃん!」

宮子「わっ!びっくりしたー」

宮子「どったの?ゆのっち?」

ゆの「えへへ」

ゆの「せーのっ」

ゆの「ハッピバースデートゥーユー」オンチ

ゆの・クラスメイト「ハッピバースデートゥーユー」

ゆの・クラスメイト「ハッピバースデーディアミヤチャーン(ミヤコサーン)」

ゆの・クラスメイト「ハッピバースデートゥーユー」

宮子「みんな・・・」

クラスメイト「ワーワーオメデトーイエー」

ゆの「これ、みんなからのプレゼント!」

宮子「ゆのっち・・・みんな・・・」

宮子「開けてもいい?」

ゆの「もちろん!」ソワソワ

宮子「・・・」ガサゴソ

宮子「これは・・・」

宮子「バッテンの髪留め?」

ゆの「うん!だってさ・・・」

ゆの「私にはもう必要ないから・・・」

宮子「そういえばゆのっち・・・」

宮子「今日は髪留め付けていない・・・」

宮子「どうしたの?」

宮子「・・・イメチェン?」

ゆの「うん」

ゆの「外して髪伸ばしたほうが大人っぽいかなって」

ゆの「・・・」

ゆの「そうじゃないんだよ、宮ちゃん」

ゆの「だって、私はもう・・・」

乃莉「ちょっと待ったー!」

ゆの「乃莉ちゃん!?」

乃莉「私の口から説明しますね」

乃莉「宮子先輩、落ち着いて聞いてください」

宮子「・・・」

乃莉「実はですね・・・」

宮子「・・・」ゴクリ

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なずな「乃~莉ちゃん!」

乃莉「わっ!な、なずなぁ!?」

なずな「何してたの?」

乃莉「何も!何もしてないよ!」

乃莉「てか」

乃莉「いつの間に来てたの!?」

なずな「乃莉ちゃんを驚かせようと思って」

乃莉「まあ、うん、びっくりしたよ・・・」

なずな「乃莉ちゃん」

なずな「お誕生日おめでとう!」

なずな「これ乃莉ちゃんにプレゼント♪」

乃莉「あ、ありがとう・・・!」テレ

乃莉「花柄のマウスパッド!」

なずな「うん、今使ってるやつボロボロだったし・・・」

乃莉「ありがと!なずなー」

乃莉「大事に使うね」

深夜

乃莉「・・・」

乃莉「(このSSは過去封印フォルダに移動しよう・・・)」

乃莉「あ」

乃莉「(マウスがスムーズに動く)」ススス

乃莉「(私にも沙英さんみたいな文才があればなあ)」

乃莉「封印封印っと」

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