勇者「安価で魔王を倒してまいります」 (17)

王「安価とはなんじゃ?」

勇者「自らの命運を指し示す、簡単に申すならば占いのようなものです」

王「左様か。それでは勇者よ、魔王討伐の命、そなたに託したぞ」

勇者「はっ」



―城下町―

勇者「さて、そうと決まれば早速この町を出よう」

勇者「っと、忘れていた。まずは武器を買う必要がある」

勇者「修行のし過ぎで剣が壊れてしまったからな」

勇者「この440ゴールドであの>>2を買うとしよう」

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メリケンサック

勇者「旦那、このメリケンサックをくれ」

武器屋「はいよ、3980ゴールドだ」

勇者「……」

武器屋「どうした?」

勇者「3000と900……80ゴールドだ。釣りは要らない」

武器屋「ちょっと待て」

勇者「どうした?」

武器屋「これは440ゴールドだ」

勇者「本当か?」

武器屋「無駄だ。騙されんぞ」

勇者「……頼む」

武器屋「無理だ。これじゃ一番安い木製の剣すら売れんぞ」

勇者「魔王討伐の為にこのメリケンサックは必要なんだ。もしもこれを440ゴールドで俺に売り、もしも俺が魔王討伐の命を果たしたとしたら、旦那は功勲者として後世まで語り継がれることになる。残りの3540ゴールドはこの名誉で後払いしよう」

武器屋「無理だ」

勇者「旦那、欲しい物はないか?」

武器屋「3980ゴールドだ」

勇者「そうじゃない。もっと別の、生涯をかけて欲している物だ」

武器屋「幻獣ベヒーモスの牙だ。超一級品の刀剣の素材らしい。まぁ最もベヒーモスを見て生きて帰ってきたという話は聞いた事がないがな」

勇者「分かった。魔王討伐の道中、必ずベヒーモスを討伐してその牙を持ってきてやる。それでどうだ」

武器屋「無理だ」

勇者「そこをなんとか」

武器屋「無理だ」

勇者「……」

武器屋「ほら、早く金を……」

勇者「すまない! とりあえずメリケンサックはもらっていく!」

武器屋「おい! 泥棒!」




―村外―

勇者「……はぁはぁ」

勇者「とりあえず、逃げ切ったみたいだな……」

勇者「勇者として記念すべき最初の行為が窃盗とは、情けない」

勇者「……ん? あれは……>>5か!?」

幻獣ベヒーモス

勇者「幻獣……ベヒーモス!」

勇者「ここ一帯は世界でも有数の安全地帯……じゃなかったのか?」

勇者「20数年、この村で暮らしてきたがベヒーモスはおろか魔物すら発見されなかったはず……」

ベヒーモス「ギギギギギ……」

勇者「ベヒーモスってあんな風に鳴くのか……」

勇者「……仕方ない、このメリケンサックで戦うしかない」

勇者「破ッ!」

ガキンッ

勇者「弾かれた!?」

ベヒーモス「ギャース!」

勇者「速い!」

サッ

勇者「まさに紙一重……半身を食いちぎられるところだったな……」

勇者「向こうは一撃必殺。こっちはほぼノーダメージ……」

勇者「けどな、体力には自信があるぜ」

勇者「俺の根性と、お前の牙、どっちが先に折れるか勝負だ!」







―3時間後―

勇者「よっと」

サッ

ベヒーモス「ギ……ギィ……」

勇者「疲れが見え始めたな。こっからはチャンスが増える……とはいえ俺の攻撃はいまだノーダメージか……」

勇者「雨だれ石を穿つ! いくら蚊でも何千、何万と刺されたら発狂するだろ! まだまだいくぜ……って、おい!」

ベヒーモス「……ギャース」

ドタドタ

勇者「あいつ……逃げやがった」

勇者「追いかけるか? ……無理だ、疲れてるとはいえ足が速すぎる」

勇者「しかし、大したことは無かったな。ただ、倒せる気はしない」

勇者「いずれ奴を倒すために、この旅の道中、鍛錬は怠れないな」



勇者「さぁ、気をとりなおして目的地に向かうとするか」

勇者「地図を見る限り、次に行くべきは>>7か」


勇者「よし、海へ向かおう」

勇者「ここから海へは……そんなに遠くないな」

勇者「走って5時間くらいか。楽勝だ」

勇者「さ、出発!」



―海―

勇者「ふぅ、海はやっぱり気持ちいいな」

勇者「夕陽が海に反射して、なんとも美麗な景色だ」

>>9「そこの御仁」

勇者「ん?」

>>9「お主、ここで何をしておる」

勇者「魔王討伐の旅に出て、5時間走ってここまで来た。ついたばかりだが?」

>>9「なるほど、勇者か」

勇者「いかにも」

>>9「日が暮れると、この海から口にするのも恐ろしい魔物が陸にあがってくると言われている。早々に立ち去るのが賢いだろう」

勇者「そうでござるか。忠告感謝する」

勇者「ところであんたは?」

>>9>>9と申す」

バーサーカー

勇者「バーサーカー? 狂戦士?」

バカ「いかにも。満月の夜には誰彼構わず斬り殺してしまいたくなるのだ」

勇者「混ざってない?」

バカ「混ざってなどいない、これは儂オリジナルだ」

勇者「まぁいいや。あんた相当歳くってるみたいだけど、今でもバーサクできるのか?」

バカ「愚問だな。齢を重ねれば重ねるほど、バーサーカーとしてのキチガイ度は右肩あがりよ」

勇者「キチガイなのか?」

バカ「左様」

勇者「そうか、達者でな」

バカ「待たれい勇者」

勇者「ん?」

バカ「見たところ一人のようだな」

勇者「それが?」

バカ「儂を旅の共にせぬか?」

勇者「でもキチガイなんだろ? お断りするでござる」

バカ「なぜだ」

勇者「いや、キチガイは怖い」

バカ「偏見はよくないぞ。それに儂が狂戦士と化すのは満月の夜だけだ」

勇者「偏見も何もキチガイという言葉には否定的な意味しか含まれてないだろ」

バカ「難しい話はよく分からん。キチガイだからな」

勇者「やっぱ駄目だわ」

バカ「嘘だ」

勇者「嘘つきは嫌いだわ」

バカ「後悔するぞ? いっておくが斧の扱いに関して、儂の右に出る者はおらん」

勇者「狂戦士らしいですね、斧って」

バカ「さぁ、どうする」

勇者「そんなに迫ってくるな」

バカ「さぁ」

勇者「答えは……>>14だ」

から揚げあげるのでとりあえずここまで

じゃあ入会金3980ゴールド頂くぞ

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