みほ「蒼いランタン光……」(93)

焼硬鋼のランタンを提げた歩兵と遭ったら味方だと思うな

だが決して敵には回すな
そのランタンは持ち主の魂をくべる炉

奴らは……

――あんこうチームⅣ号戦車内――

みほ「突然夜間訓練だなんて……」

沙織「全くだよ、夜ふかしはお肌によくないのにぃー」

麻子「私は平気だ」

沙織「まぁ、麻子は夜型だからね」

華「それにしても、夜の森は何だか怖いですね」

麻子「オバケとか人魂とかが出たりしてな」

華「怖いこと言わないで下さいよ」

みほ「…………」

優花里「…………」

沙織「どうしたの、二人とも黙っちゃって」

みほ「ちょっと戦車乗りの怖い話しを思い出しちゃって……」

華「怖い話しですか……」

優花里「……西住どの、ひょっとしてアレですか?」

みほ「うん……でもあれは作り話だし……」

沙織「みほりん、それってどんな話しなの?」

みほ「えっと、それはね……」

麻子「おーい、目標地点に到着したぞ」

亜美(ラジオ オールレンジ)『全車位置についたようね』

亜美『今回のルールは殲滅戦』

亜美『最初の授業でやった時とルールは同じ』

亜美『最後まで生き残ったチームが勝ちよ』

亜美『それでは、試合開始!』

―カメさんチーム38t戦車内―

桃「ふっふっふ……全部まとめてぶっ倒す!」

柚子「前みたいに滅茶苦茶に撃っても……」

杏「いいんじゃない、桃の好きに撃たせれば」

柚子「会長……」

柚子「あれ?」

杏「どうしたの、柚子?」

柚子「前方に蒼い光が……」

桃「なんだかわからんが撃ってしまえ!」

柚子「ちょっと待って!あれ人だよ!?」

杏「なんでこんなところに人が居るのさ」

桃「ひょっとして迷い込んで来たのか」

杏「だろうね、ちょっと注意してくる」ガシャン

―車外―

杏「おーい、そこのアンタ!」ヒョコッ

――「……………」ザッザ

杏「ここは戦車道の演習場だよ」

――「……………」ザッザッザッ

杏「危ないから早く離れなさい」

――「……………」ザッザッザッザッ

杏「ちょっと!聞こえてるの!?」

――「……………」ザッザッザッザッ

杏「こっちじゃなくて、早く向こうの方に……」

――「……………」ザッザッザッザッ

杏「えっ……?」

T o t e n s i e

―カバさんチームⅢ号突撃砲車内―

エルヴィン「あれは会長たちの38t!」

左衛門佐「ライトも付けたまま道の真ん中にいるとは」

おりょう「無防備じゃな」

カエサル「罠かもしれない、しばらく様子を……」



――ドン……

エルヴィン「攻撃か!?」

おりょう「いや、何かが戦車の上に落ちたようじゃ」

カエサル「ちょっと様子を見る」ガチャン


カエサル「……あ?」

カエサル「え………鋏……」


…………ブチンッ

――あんこうチームⅣ号戦車内――

『カエサルが!カエサルがぁ!!!』

沙織「Ⅲ突から?ちょっと、一体何があったの!?」

『血が、血がブワッって……』

みほ「落ち着いて!何があったの!」

『[ズガン]』

『きゃああああああ!!!!』

『おりょう!おりょうぅううう!!』

『嫌!いやああああああああ!』

『助けて!ころs[ズガン]………』

『……………』

みほ「ッ………教官、緊急事態を宣言します!」

みほ「全車の座標位置を教えて下さい!」

亜美『わ、分かりました』

亜美『Ⅲ突はA―901に、38tがB―908………』

みほ「カメさんチーム聞こえますか?」

みほ「貴女たちが一番Ⅲ突に近い位置にいます」

みほ「すぐに向って下さい」

『……………』

沙織「応答がないよ!?」

華「会長たちにも何かあったんじゃないでしょうか?」

優花里「に、西住どの……」

みほ「……全車、周囲を警戒しつつ先ほどの座標に向って下さい!」

みほ「……PANZER VOR!!」

―アヒルさんチーム八九式中戦車内―

典子「いた!カバさんのⅢ突!」

あけび「向こうに会長たちの38tも」

典子「よし、停車!」

典子「私と妙子で様子を見てくる、二人は待機してて」

忍あけび「「はい、キャプテン!」」

―車外 Ⅲ号突撃砲前―

妙子「うっ……キャプテン……」

妙子「カバさんのⅢ突って色を塗り替えたよね……」

典子「……うん」

妙子「だったらどうして、Ⅲ突が真っ赤に!?」

典子「……とにかく戦車に戻って皆に知らせ……」

妙子「キャプテン!後ろ!!」

典子「え?」

ブチンッ………ぼとっ……

典子「あれ?……なんで私の手が落ちて……」

典子「拾わないと……手が無きゃ、ボールを……」

ーー「……………」バサァ

典子「きゃあああああぁあぁあああ[ブチンッ]あああぁあ[ブチンッ……

妙子「嘘、うそ………」ガクガク

妙子「いやぁああああああ!!」ダッ


ーー「…………………」ジィッ………

何このホラー

―アヒルさんチーム八九式中戦車―

あけび「悲鳴!?」

忍「あ、妙子がこっちに走って……」

妙子「助けて!化も………」

ズドン―

忍「あ、頭が……吹きと……」


――「……………」ヌゥ……


あけび「あ………え………」

忍「ぜ、全速後退!」ギュイィィィ

忍「逃げなきゃ、逃げなきゃアイツに殺される!」

あけび「待って!そっちは崖が!」

あけび「忍!止まって!」

あけび「ダメ、止まっ……」



ズガラガラ………

元ネタなに?

>>35
南瓜鋏だっけ?

―ウサギさんチームM3戦車内―

亜美『八九式が崖から落ちたわ!』

みほ『……ウサギさんチーム、Ⅳ号の後ろに続いて!』

みほ『決して私達から離れないで!』

あや「一体どうなっちゃってるの……」ブルブル

紗希「怖いよ、私……」ブルブル

梓「とにかく、今は西住先輩たちに付いていこう」

――あんこうチームⅣ号戦車内――

麻子「ん?前に何かいる」

華「ひょっとして会長たちが?」

麻子「暗くてよく分からないけど、蒼いライトみたいだ」

みほ「!?」

みほ「冷泉さん!緊急停車!!」





ズガァアアン……

華沙織「「きゃあ!」」

梓『すみません、止まり切れなくて追突を……』

みほ「……大丈夫、Ⅳ号の全員怪我はないみたいだから」

優花里「あの……西住どの、蒼い光って……」ブルブル

みほ「………今、確かめる」ガチャン






みほ「うそ、でしょう……」

みほ「蒼いランタン光……」

みほ「華さん!主砲照準!目標前方の蒼い光!」

華「あ、はい!」

みほ「照準に捉えたら直に撃って!」

華「はい、仰角調整……ピントあわ……!?」

華「西住さん!あれは人ですよ!?」

みほ「構わないから撃って!」

沙織「ちょっと!みほりん、どういうことなの!?」

単眼の火葬兵も出るのかな~

みほ「っ……冷泉さん全速力で目標に向けて突進して!」

麻子「断る、どうしたんだ西住」

沙織「変だよ!おかしいよ!」

みほ「……全速後退、この場から離脱を……」ギリリ……

梓『こちらウサギさんチーム、すみません、さっきの追突でこちらの戦車の履帯が外れて……』

みほ「っ……!!!」

みほ「砲手交替!秋山さん撃って!」

優花里「了解です、西住どの!」バッ

華「お二人とも正気ですか!?人を撃つだなんて!」

沙織「そうだよ!落着いて!」

優花里「……戦場に伝わるお伽話です」

お伽話キタ━(゚∀゚)━!

焼硬鋼のランタンを提げた歩兵と遭ったら味方だと思うな

だが決して敵には回すな

そのランタンは持ち主の魂をくべる炉

奴らは……



みほ「……蒼い鬼火と共にやって来る!!」

優花里「西住どの!撃ちます!」

ズドォォォン………







――「…………」ザッザッ

みほ「……目標健在!次弾を!」

麻子「嘘だろ、撃たれたのに近づいてくる……」

優花里「次弾、発射!」


ズドォォォン………

みほ「外れた!?早く次弾を!!」

優花里「近すぎてピントが……」

みほ「とにかく撃って!」

たとえその瞳を灼かれても

優花里「発射!」ズドォォォン……

たとえその腕をもがれても

みほ「次弾装填!!!」

みほ「急いで!早く、早く!」



――「…………………」ザッザッザッ……

奴らは決して歩みを止めない

>優花里「近すぎてピントが……」

カルッセルの装甲列車のやつのセリフか

死沼へ誘う鬼火に導かれるまま

――「……………」ザッザッ……

保身なき零距離射撃を敢行する

――「……………」ザッザッ……

生を棄てた跫音、死を産み散らす銃爪

――「……………」ザッ……ピタッ……



みほ「これが……」

みほ「……命を無視された兵隊(ゲシュペンスト イェーガー)」

沙織「え……………」

ズガン………

華「きゃああああああ!沙織さん、沙織さんが!!!!」

みほ「………冷泉さん発進して!轢き倒すの!」

麻子「わ、わかった!!」ギュイィィィン

マルマン・チェダとドア・ノッカーで女の子を屠るとはなかなかやりおる

――「……………」ドゴン

――「……………」ギュリギュリリ……

――「……………」グッ


みほ「ダメ!完全に取り付かれた!!」

――「…………」ジャキン…

ピト…………ズガン

――「………………」


ズガン………


――「……………」


ズガン………

みほ「…………沙織さん」

沙織「」

みほ「華さん…………」

華「」

みほ「秋山さん、冷泉さん………」

優花里「」

麻子「」

みほ「……………」

――「……………」スチャッ………

みほ「次ぎは私ね……」

――「………………」ジャキン…

みほ「私やっぱり、戦車に乗らなければ良かったのかな………」ポロポロ



………ズガン

※このひき肉はスタッフが美味しく頂きました

―後日 聖グロリアーナ女学院 演習場―

―チャーチル歩兵戦車内―

オレンジペコ「聞きまして、大洗の……」

ダージリン「全滅、そして原因不明だそうね……」

オレンジペコ「一体なにが彼女達に……」

運転士「緊急停車します!!」ギギギギッ

ダージリン「何事?紅茶が溢れるとこでしてよ?」


運転士「その……前方に宇宙服みたいなのを着た人が……」



――「……………」ボォ……チリチリ……



―了―

ハンス・・・ハンスじゃないか

>>1ありがとう!

>>1


さて軍支給のコンビーフでも食べてこよう

ご支援ありがとうございました。

ガルパンでやる必要あんの?

>>89
ガルパンだからこそじゃね?

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