【モバマス】battle for mobap~戦闘中~【戦闘中】 (前編) (64)


前作 【モバマス】run for mobap~逃走中~【逃走中】
【モバマス】run for mobap~逃走中~【逃走中】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388757338/)

・2作目になります。また、調子に乗って作ってしまいました。

・ソーシャルゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」と、テレビ番組「逃走中」の派生シリーズ「戦闘中」のコラボです。

・今回はシナリオを盛りすぎたので、前後に分けて書いてみたいと思います。

・キャラ崩壊はないようにしたいです。各Pの方、お気を悪くされたらごめんなさい。


頑張って書いてみます。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389187560

-某月某日、山村にひっそりと佇むとある城下町に、あのアイドル達が再度集う。


 前回は逃げる者と狩る者に別れて、壮絶な鬼ごっこ……『逃走中』による、ハンターとの逃走バトルが繰り広げられた。

 今回彼女たちの対戦相手は、ハンターではない。その『逃走中』と時を同じくして生まれ、危険すぎると封印されていたサバイバルゲーム『戦闘中』……アイドルの対戦相手は、アイドル。

 それぞれが勝ち得るものを目指して、彼女たちは再び集まり、真の戦いを始める……たった1人の勝利者を決める、バトル・ロワイヤルを。



『battle for mobap ~戦闘中~』





AM8:00(スタート30分前) 管理室


モバP「またですね」

ちひろ「はい! 『逃走中』の視聴率、平均15%を超えましたらかね! そりゃあ、制作側はまたやりたくなりますよ♪」

モバP「いや、それはいいんですけど、ね?」

ちひろ「この派生シリーズ『戦闘中』も人気高いですよね。ドッジボールとはいえ女の子が戦い合う強い姿は、比較的少ない同性層からの支持を底上げするかもしれません!」

モバP「……何で、また僕が1日言いなりになるのが賞品なんですか? そろそろ、他の」

ちひろ「四の五の言うならこの間の『響子ちゃんとアーン』ビデオ、凛ちゃんやまゆちゃん達、皆に見せますよ♪」ニコッ

モバP「!? ち、畜生っ……これが畜生の笑みか!?」

ちひろ「てか、やるでしょ?」

モバP「……そりゃあ、ね。でも、ちょっとは苦情言っとかないと。制限がないので」

ちひろ(ちゃんと制限かけていますって、あなたと事務所の為ですから♪)

モバP「それで、今回もポイント制ですか?」

ちひろ「いいえ、今回は架空の紙幣・モバマネー(以降、Mm)を支給します。『戦闘中』は、お買いものが大事ですからね。ポイントでは実感が湧きにくいでしょう」

モバP「そういえばそうでした。でも、勝者は最後の1人なんですよね?」

ちひろ「はい。テレビ的には、勝者の所持Mmでテレビ局が用意した商品や権利と交換できる様になっています。100万Mmでゴールデンの帯番組30分間、とか」

モバP「お、そこに当ててきましたか。てか、またゴールデンの番組枠が貰えるかもしれないんですね! これは楽しみだ!」

ちひろ「この間の特番『安部菜々のウサでミンミン言わせてよ!!』も好評でしたからね。菜々さんのアイドル寿命は確実に縮まった気がしますが……」

モバP「それ以上は、やめときましょう。悲しくなるけど、あれも彼女の輝き方なんです。それはそうと、軽く打ち合わせしておきましょうか。あ、その前に出演者を教えて下さい」

ちひろ「はい、こちらです。例によって、希望者の抽選で決めました」

モバP「どれどれ……」ペラッ

◎出演者一覧(簡易プロフィールおよび『勝利した時のモバPへの要望』。データは初期値)


①藤居朋(19)163cm45kg 所属G=クール
出身地=滋賀 趣味=占い 『逃走中』不参加
「いいパワースポット見つけたの! ちょっと遠いからさ、連れてってよP」

②前川みく(15)152cm45kg 所属G=キュート
出身地=大阪 趣味=猫カフェ巡り 『逃走中』不参加
「一緒に猫カフェ回って、みくと猫を1日中にゃんにゃんするにゃ♪」

③片桐早苗(28)152cm47kg 所属G=パッション
出身地=新潟 趣味=マッサージ、スーパー銭湯 『逃走中』不参加
「最近付き合い悪いよねぇ? ひと晩2人で飲み明かしてくれたら許す♪」

④喜多日菜子(15)151cm38kg 所属G=パッション
出身地=秋田 趣味=妄想 『逃走中』不参加
「むふふ、むふふふふ、むふふふふぅ♪」

⑤北条加蓮(16)155cm42kg 所属G=クール
出身地=東京 趣味=ネイル 『逃走中』不参加
「2人で買い物いって、ご飯しようよ。それだけでも特別な日になるよ、きっと」

⑥三村かな子(17)153cm52kg 所属G=キュート
出身地=東京 趣味=お菓子作り  『逃走中』参加者・第2位
「甘いものの食べ歩きに付き合ってほしいです♪ リベンジ!」

⑦新田美波(19)165cm45kg 所属G=クール
出身地=広島 趣味=ラクロス、資格取得 『逃走中』不参加
「一緒にラクロスの試合、いきませんか? いい息抜きになりますよ、フフ」

⑧十時愛梨(18)161cm46kg 所属G=パッション
出身地=秋田 趣味=ケーキ作り 『逃走中』不参加
「うちに来て下さい。おいしいケーキ作ってご馳走しちゃいますよ、ね♪」

⑨佐久間まゆ(16)153cm40kg 所属G=キュート
出身地=仙台 趣味=お料理、編み物 『逃走中』参加者・11位
「うふふ、Pさんからお願いをされたいですねぇ。まゆ、何でもしますよぉ?」

⑩矢口美羽(14)150cm41kg 所属G=パッション
出身地=千葉 趣味=メール 『逃走中』不参加
「今後の方向性についてみっちり話し合いましょう! とことん付き合ってもらいますよ!」

⑪緒方智絵里(16)153cm42kg 所属G=キュート
出身地=三重 趣味=四葉のクローバー集め 『逃走中』不参加
「四葉のクローバー、たくさんある場所を聞いたので、一緒にいきませんか? Pさんと一緒に、幸せのクローバー探したくて……えへへ」

⑫塩見周子(18)163cm45kg 所属G=クール
出身地=京都 趣味=献血、ダーツ 『逃走中』不参加
「久し振りに実家に帰るからさ、荷物持ちしてよ~♪」

⑬成宮由愛(13)150cm40kg 所属G=クール
出身地=滋賀 趣味=写生、水彩画 『逃走中』不参加
「大きな雪山の絵を、書きたいけど……遠くて。パパとママ、お休みも忙しいから……Pさんに連れて行ってほしい、です」

⑭姫川友紀(20)161cm44kg 所属G=パッション
出身地=宮崎 趣味=野球観戦 『逃走中』不参加
「野球! 生ビール! Pさん! これで最高の1日でしょ! あ、もちろん勝ち試合ね!」

⑮輿水幸子(14)142cm37kg 所属G=キュート
出身地=埼玉 趣味=勉強ノートの清書 『逃走中』不参加
「フフーン! Pさんの事だから、いつもだらしのない生活をしているでしょう! だから今回はボクが特別に、Pさんの家に行って家事をしてあげますよ!」




モバP「……今回はまた濃いなぁ」ペラッ

ちひろ(その分、恋も、ね……無事に終わればいいけれど)

◎戦闘中 基本ルール(だいたいわかる人は、とばしちゃっても多分大丈夫です)


・制限時間は180分。プレイヤーは、エリア内で遭遇した他のプレイヤー達と専用のバトルボールをぶつけ合い(要は、自由に動けるドッジボール)、最後の1人になるまで戦う。制限時間を迎えても勝者が決定しない(生存プレイヤーが2名以上・相打ちでプレイヤーがゼロとなる)場合、勝者なし・全員失格となる。また、エスケープ(自首)は原則禁止である。

・プレイヤーには、衣装(専用のトレーニングウェア)・ポーチ・携帯電話・エリアの地図、そして資金20万Mmが支給される。携帯電話での他プレイヤーとの通話は可能だが、メールは運営のからの受信のみが可能で、送信は不可。また、ハンデとして15歳以下のプレイヤーには『盾』(アルミ製で軽い)が支給される。

・バトルボールは、1人で何個でも所持できる。バトルボールはノーバウンド(地面に落とさない)で相手の身体に当てなければアウトとならず、ワンバウンド以上したボールがぶつかっても、相手はセーフ。また、顔・頭部にぶつけても相手プレイヤーはアウトとならない(いわゆる、ドッジボールの顔面セーフルール)。だが、ぶつける事自体は禁止ではない。

・資金は賞金でもあり、プレイヤーは他プレイヤーを倒す事で、相手の所持している資金を全て受け取る事が出来る。最終的な勝者は、この資金によって一定の賞品を得る。なお、バトル以外での資金の受け渡しは厳禁とする。

・プレイヤーは、城下町エリア内の建物に、一部で制限はあるものの、基本的に出入り出来る。なお、城郭には入れず、川への入水も(運営がトラブルによるものと判断した場合を除き)禁止。

・AM9時に開店する城下町のよろず屋で、資金を使って武器を購入する事が出来る。なお、所持している武器を売る事も出来るが、バトルボールは売れない。また、武器の受け渡し・拾ったものの使用・利用は原則不可だが、売却ができないバトルボールは可とする。

・よろず屋などで購入し、バトルアンドロイド【忍】を手に入れた場合=忍は1度に1人1体。契約したプレイヤーの代わりに、相手プレイヤーへの攻撃を行う。その攻撃は、契約プレイヤーの攻撃となる。また防御も行えるが、バトルボールがぶつかった場合は戦闘不能となり、その場で座り込んでしまう。契約プレイヤーが倒れた場合、忍も戦闘不能となる。(再契約が可能な契約の腕輪は、今回とりいれません)

・上記は基本的なルールであり、指令(ミッション)やイベントにより、変動が発生する場合がある。


(これで、戦闘中知らない人も少し分かるかな? 要は、すごく広い場所でやる無差別ドッジボールです)

【舞台の城下町 見取り図】(東京ドーム1.5個ぶん位で、想像ください)

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【ここから本編。あと、ちょこちょこナレーション的な地の文も入れてきます】


AM8:25(スタート5分前) スタート地点・城下町本町正門前


-開始時刻となり、戦闘装束に身を包んだアイドル15名が、スタート地点に集合する。再び訪れた、戦いの舞台……たった1人の勝者を目指して、シンデレラ達は現世に復活した古き城下町を駆け回り、戦い抜く。


『指令0:オープニングバトル』~バトルボールを発見せよ!~


-ブホオォォ~-


かな子「あ、開始5分前の法螺貝だ。つ、ついに始まりますね! カメラも回ってますよ……って、前にも同じこといった気がする。カメラさんも同じ人ですよね?」

かな子担当カメラマン「はい、今回もよろしくお願いします。今度は勝てるといいですね」

かな子「はいっ、頑張ります!」

周子「……ふう。かな子ちゃん、お菓子持ってない? 朝から動いて、お腹すいちゃった」

朋「今から動くんじゃないの、もう。あ、周子って射手座でしょ? 今朝の占いで総合運よかったよ。だから、ちょっとは気合入れなさい」

幸子「フフーン。なら、ボクも射手」


?「静粛に!」ドーンッ!!


一同「!!?」


亜季「今から、オープニングバトルの説明をするであります! 小生、案内係を担当する事となりました、大和亜季であります! どうぞよろしく!!」

早苗「いや、知ってるし。てか亜季ちゃん、いきなりそんなバズーカを鳴らさないでしょ。音だけでも、びっくりするじゃないの! 小さい子もいるのに。それ麗奈ちゃん製でしょ、また。暴発したら危ないじゃない! スタッフも驚いてるとこみると、アドリブ? 周りの事をちゃんと考えて行動しなさい」

亜季「す、すいません、サーッ!」

美羽(……さーと誤って、謝るサー)

美羽「……イケる?」ムムム……

由愛「?」


ネタふっといてなんですが、美波をいじめないでやって下さい(笑)




-オープニングバトルは、バトルボール探し。エリア内には、宝箱に入ったバトルボールが『12個』用意されている。プレイヤーは、戦闘に必要不可欠なバトルボールを確実に手に入れろ!


亜季「……で、あります。なお、1人で複数を見つけて、複数所持する事も可能です。開始時刻となりましたら、このスタート地点から全員一斉にスタートして下さい! 皆のご武運をお祈りいたします、ではっ!」タタタッ


智絵里「15人で12個って、ことは……最低3人は、ボールをとれないんですね。うう……」

まゆ「最初が肝心ですねぇ」

友紀「ふむふむ。まずはボール探しすればいいんだね! ボールがなきゃ野球もできないし、絶対見つけないと!」

美波「フフ、友紀ちゃんはこういうの、得意そうだね。でも、ボールは絶対に手に入れないとね。戦闘が出来ないから、いきなりピンチになっちゃうもの」

みく「そうだにゃ。優勝する為にも、最初の戦いから負けてらんないから、頑張るにゃー!」

愛梨「おー♪」



AM8:30 ―戦闘中、スタート!―



―――

【管理室(お奉行所の一室】

モバP「さて、どうなるかな……『あっち』の方も、どう影響するのやら」

―――

AM8:35(残り175分) 城下町東の町・遊郭小屋付近


加蓮「セット、どれもよく出来てるなぁ……あ、見付けた」テクテク


-北条加蓮、遊郭小屋の前でバトルボールの入った宝箱を発見。エリアは広く数は少ないものの、宝箱はわかりやすく、隠されている訳ではない。言葉通り、見付けた者勝ちだ。


加蓮「ふう、ひと安心だね。真っ先に東の橋を渡る道、選んでよかった。次はどうしよう……先に武器を買いに行こうかな。確か、9時には開くって言ってたよね」タタタッ


-名前通りの可憐な容姿で人気の北条加蓮、体力面で不安を抱えているが、微笑みの浮かぶその表情に不安はない。


加蓮(ここで優勝してPさんと、フフ……凛に奈緒、ごめんね♪)



AM8:37(残り173分) 城下町本町・お食事処「首藤庵」


日菜子「むふ♪」


-妄想が趣味と公言、ちょっと不思議な乙女心を持つ喜多日菜子。皆が屋外から見回る中、屋内捜索を始め、1軒目の食事処で難なく宝箱を発見。妄想で鍛えられた、想像力の賜物か。


店主・葵「お、順調っちゃね日菜子さん。ついでに、あたしの料理食べてく?」

日菜子「ふふ、ありがとうございます。けど、今はお仕事中だし遠慮しますね。次の機会にまた、ご馳走してください~」

葵「オッケー! 同じパッションとして応援してるから、がんばるっちゃ!」

日菜子「むふふ♪」スタスタッ


-喜多日菜子、今求めているのは食事ではなく、勝利。


日菜子(Pさんとの甘い1日を過ごす為に、私は……むふ、むふふぅ♪)


周子「あ、ご飯屋さんだ。セット? 食べられるの、ここ~?」ガラッ


日菜子「!」

周子「!?」

-出口に向かった喜多日菜子の前に、塩見周子! まだ、バトルボールは……所持していない。


日菜子「わ、わ!」スチャッ

周子「もう!? やばっ!」ダッ


-右手にバトルボール、左手にハンデの盾を構えた喜多日菜子を前にして、塩見周子は即座にUターン。店を出て、中央通りを北へ走り出す。


日菜子「ま、待って!」ダッ


-遅れて、喜多日菜子も中央通りへ。だが、体格差がある上に、軽いとは言えバトルボールと盾を装備した状態……追いつけずに、距離はどんどん離れていった。


日菜子「む、無理ですぅ……むふぅ。装備があるだけじゃ、ダメですねぇ~」


-ただの追いかけっこと違い、近接して相手にボールをぶつけなくてはいけない、戦闘中。身体能力と合わせ、武器の扱いを含めた戦略が鍵となる。


周子「もう、お腹すいたーん!」











~その頃、戦闘中の行われている城下町を見下ろす、高台に建てられた城郭・双葉城の城主の間では……~

杏氏「うへへ……よいではないか。よいではないかぁ~」


 双葉城城主・双葉杏氏(あんずのうじ)、亡き父より権力を受け継いで間もないというのに、己が欲に塗れた贅沢で怠惰な生活を送っており、家来達は困惑、将来を早くも不安視していた。


杏氏「はよう、はよう! 南蛮の者が献上した、甘々の飴を殿によこせい~」アーン

側室・お楓「殿、今日はすでに7つも召し上がっておられるではないですか。駄目ですよ、めっ」

側室・おナタ「そうだヨー、虫歯になっちゃうゾ。それよりスシ食べようヨ、スシ!」


老中・菜々介(今日も殿は好き勝手な行いばかり。このままでは双葉城は衰退の一途、情報が漏れれば他国からも簡単に攻め落とされてしまうミン……)


杏氏「むぅ、生意気な。2人とも、殿にそのような口答えをしたらどうなるか、まさか知らぬとは言わせぬぞ……おい、来たれぃ!」パンパン

近衛兵・希羅璃「はぴはぴぃ~☆」スッ


お楓「あ、あなたはっ!」

おナタ「……☆ さいきょうの、このえへいサン!」

杏氏「フッフッフ。諸星の、こやつらお主の特別室に入りたいそうだが、どうだ?」

希羅璃「はぴはぴぃ~!!」

お楓「も、申し訳ございません。それだけは、それだけは……!」プルプル

おナタ「ごめんなさいナ~!」

杏氏「ふん! 手間をとらせおって。では、分かるな……」アーン

お楓「かしこまりました、殿……はい、あーんずにあーんする。フフ」

杏氏「うむ、飴うま~」コロコロ

おナタ「次はスシを食べないと、○のさらをとろうヨ!」


菜々介(駄目だこいつら、私が何とかしなければ……)


杏氏「時に菜々介」

菜々介「は、はひ!? いかがなされました?」

杏氏「この飴を持ってきた南蛮の者達は、城下町で今、何やら行っておるの?」

菜々介「は、その様に。なんでも……球当てを取り入れた、遊びを行っております。相応の貢を納めたので、殿の許可を得て、しばし城下町内を自由に使わせております。無論、不届きな行いをしようものなら奉行所に取り締まらせます。何なら即座に終わらせる事も……」

杏氏「ああ、よいよい。遊びは好きじゃ、1度は許しておるだろう。何、わしもちょいと、お遊びを盛り上げてやろうかと思ってな、幾つか用意があるのじゃよ。フッフッフ、姫がやってくるまでの、よい暇潰しじゃ。のう、諸星のぉ」

希羅璃「……はぴはぴぃ★」(低め)

菜々介「……きゃ、キャハ?」


~城主・双葉杏氏、何やら『戦闘中』に対して介入を考えているようだが、いったい何をするつもりなのか~








―――

モバP「これはまた、ベタでチープなドラマを。でも、新鮮な感じがして面白いメンツだな……断っていいんだぞ、きらり」

―――

AM9:00(残り150分)


―戦闘中が開始し、テンポ早く30分が経過。プレイヤーも状況に少しずつ慣れていき、オープニングバトルのバトルボールは、すでに10個が発見されていた。


○バトルボール獲得状況○


佐久間まゆ=3個

片桐早苗、喜多日菜子、新田美波、姫川友紀、北条加蓮、三村かな子、矢口美羽=各1個

緒方智絵里、輿水幸子、塩見周子、十時愛梨、成宮由愛、藤居朋、前川みく=0個

未発見バトルボール=2個



-そして、いよいよ本格的なバトルが始まっていく……



【30分経過 状況図】


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AM9:04(残り146分) 城下町本町・よろず屋


加蓮「ふう、着いた着いた」


―バトルボールを1つ所持する北条加蓮、慎重に移動したおかげで、誰ともバトルをせずによろず屋まで到着。


加蓮「えっと、店員さんに聞けばいいのかな……すいませーん」ガラッ


店主・ヘレン「よく来たわね、加蓮」


加蓮「!? な、何でヘレンさんが、こ……こんな役を」

ヘレン「驚く、それも無理のない事。でも、世界レベルの店員が出来るのは、私だけ。つまり、そういう事よ……さあ、何が欲しいの?」

加蓮(フ、フフ……全身に着込んでるグレーのローブ姿、ねずみ男みたい……)プルプル

加蓮「ん、んんっ! えっと、何があるんですか?」

ヘレン「これが、世界レベルの売買リストよ」



◎売買リスト

【販売価格(買取価格)】
バトルボール   10Mm(買取不可) 在庫:3
盾        30Mm(15Mm) 在庫:2
バトルシューター 40Mm(20Mm) 在庫:1
バックシールド  50Mm(25Mm) 在庫:1
忍        60Mm(対象外)  在庫:2



加蓮「ああ、こんな感じだっけ。うーん、どんな役割かはだいたい覚えているけど、やっぱりいいのは高いなぁ……どうしよう?」

ヘレン「悩むのも、また当然ね。進む道はあるけれど、あなたのレベルなら、引き返すのも選択の道。それが、世界レベルのよろず屋」

加蓮「……よし、バトルボールを1個だけ買います」

ヘレン「いいのね?」

加蓮「はい。高いのは資金があっても買い辛いし、1番使うバトルボールを幾つか持っておいた方が便利かなって。また、これから考え直すかもしれないけれど」

ヘレン「それもまた、あなたの世界……頑張りなさい」


-北条加蓮、バトルボール1個を購入。合計2個となり、資金は残り10Mm。


加蓮「よし、頑張ろう」ガラッ


友紀「うわ!」

加蓮「!?」


-よろず屋を出た北条加蓮の目の前に、通りがかかりの姫川友紀!


友紀・加蓮(これは、逃げられない!)


-2人とも距離をとることを諦め、すぐにバトルボールを構える! 本日最初のバトルは、姫川友紀vs北条加蓮!


加蓮「やっ!」ヒュッ

-バトルボールを両手に持つ北条加蓮、構えてすぐに、左手のバトルボールを姫川友紀の胸元に向けてスローイング。

友紀「ほっ!」スッ

-しかし、姫川友紀は半身をひねるだけで、バトルボールを素早くかわした。

加蓮(そこっ!)ブンッ

-想定の範囲内か、北条加蓮、戸惑う事なく右手のバトルボールを、体制を崩した姫川友紀の足もとに向けて投げつける!


 ダンッ!


-バトルボールは、見事に当たった……地面に。


加蓮「え、避け」友紀「残念でした!」ビュンッ


 バシィッ!


加蓮「えーっ!!? もう、嘘でしょー! 買い物したばっかりなのに……はぁ」


-北条加蓮が投げたボール、真っ直ぐ相手の足元へ向かったが、ギリギリのところで反応よく姫川友紀が跳躍して回避。手ぶらになったところをついた、姫川友紀の鋭い送球が北条加蓮の左肩にヒットしていた。


友紀「ごめん、加蓮ちゃん。でも、こういう投げるスポーツじゃ負けらんないよ!」


-さすがはプロ野球チーム・キャッツ公認アイドルか。その言動、自信に満ち溢れている。


加蓮「はぁーあ、友紀さんに見つかったのがアンラッキーだね。朋ちゃんに運勢聞いておくんだった……まあ、こうなった以上は私の分も頑張ってね。あ、ボールも持っていって。勿体ないし」

友紀「へへ、任してよ! 祝勝会には誘ってあげるからね!」

加蓮「ビールかけはやめてよ、フフ」


-北条加蓮、アウト(残り14名)

 姫川友紀、資金10Mmとバトルボール2個を獲得。

AM9:09(残り141分) 城下町本町・藤原寺付近


プルルルル! プルルルル!


みく「ん、メールにゃ……あ、加蓮ちゃんが脱落したにゃ!? ああ、友紀ちゃんが相手じゃ、仕方がないかもにゃぁ」


-元祖猫系アイドル・前川みく、バトル結果のメールにも、どこか飄々としている。落ち着いているのはいいが、まだバトルボールは持っていない。


みく「しかし、ボールはどこかにゃぁ。もう皆が持っていっちゃったのかにゃぁ」


?「もし、そこのお方……」


みく「にゃ?」

住職・肇「ちょっと、お願いしたい事があるのですが」

みく「あ、肇ちゃん! そうか、この藤原寺ってそういう意味? お互いに朝から大変だにゃぁ」

肇「フフ、それは言わないお約束でしょ……と、コホン。それで、あなたにお願いしたいことがあるのですが、お話を聞いてもらえますか?」

みく「何にゃ?」

肇「実は、午後から大事なお客様が来られるのですが、お出しする茶菓子を受け取りにいくのを忘れていたのです。私はここを離れる訳にはいきませんので、申し訳ないのですが、表通りの問屋さんに行って、代わりに受け取ってきてもらえませんか?」

みく「(なるほど、そういう設定……)別に構わないにゃ。そんなに離れていないし、行ってあげるにゃ!」

肇「ありがとうございます。藤原寺の使いと言ってもらえれば分かりますので、お願いしますね」

みく「了解にゃ!」


―藤原寺の住職・肇の使いを快諾した前川みく。気分良く問屋へと向かっていく。

 しかし、その先には……


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-バトルボールを持っている、片桐早苗がいる!


みく「にゃ!?」

早苗「お、みっけ♪」


-片桐早苗vs前川みく、開戦。


早苗「ごっめんねぇ、みっくちゃーん!」ブンッ!

みく「にゃあっ!」ガインッ


-元警察官という異色の経歴を持つ片桐早苗、急な対面にも冷静にバトルボールをスローイング。だが、とっさに前川みくが構えた盾にうまく弾かれてしまった。


みく「い、今にゃ!」ダッ

早苗「あ、待ちなさーい!」


-その隙に前川みく、距離をとるために、北に向かって逃走を図る。

 だが、そこにも……


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日菜子「むふ!?」

みく「また、にゃ!?」


-バトルボールをもった、喜多日菜子!


みく「にゃにゃ!!」スチャ

日菜子「む、むむぅ」スチャ


-今度はすぐに盾を前に構える前川みくと、バトルボールと盾を構える喜多日菜子。しばしにらみ合う形で、お互いの隙をうかがう。しかし、前川みくの背後からは片桐早苗が再接近してきている!


みく「くっ、こっちにゃ!」ダッ

日菜子「あ!」


-不利な状況を判断した前川みく、右手の横道に駆け込んでさらに逃走を図る……しかし、何という事だろうか。

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美羽「みくちゃん!?」

みく「嘘やん!?」


-またも、バトルボールを持ったプレイヤー・矢口美羽が目の前に。まさかの、4人巴の対戦に発展だ!


みく「にゃぁぁぁ……」

早苗「ええ、何この状況?」

日菜子「むむ、どうすれば……」

美羽「え、ええっと……」


-皆、流石に戸惑いを隠せない。この状況でどう動けば、自分だけが助かるのか……


美羽「くっ!」ダダッ

-その答えを最初に出したのは、最後に登場した矢口美羽。正面の前川みくがバトルボールを持ってないと気付くと、振り返り、一目散に中央通りへと駆け出した。迷走系アイドルと言われる矢口美羽、ここは素早い判断。


みく(みくも!)ダッ

早苗「行かせないわ!」ブンッ

-矢口美羽に続いて中央通りに駆け出す前川みくに、片桐早苗がバトルボールをその背中に向けて投げつける!

みく「にゃぁ!」カインッ

-そしてそれはまたも、とっさに振り返って構えられた盾によって弾かれる。前川みく、防御が妙に上手い。そして、そこを逃さずに……

日菜子「えいっ!」ヒュンッ

-喜多日菜子が、無防備になった片桐早苗に向かってバトルボールをスローイング!

早苗「ほっ!」スカッ

-しかし、これはスピードがなく、片桐早苗がなんなく避けてしまう。それどころか、地面に落ちたバトルボールを即座に拾い上げ……

早苗「おりゃっ!」ブンッ

日菜子「ひゃんっ!」


バシッ!


早苗「よっしゃー!」

日菜子「あ、あうう……」ヘタリ

-片桐早苗の送球は、構えられた盾の下を潜るように進み、喜多日菜子の左足にヒットした。


みく「た、助かったにゃぁ!」タタッ

-そしてその隙に、前川みくは2人から離脱し、ひとまず東へと駆けていく。辛くも何を逃れた。


早苗「ふう、何だかめちゃくちゃになっちゃったけど、まあ1人倒せたし、よしとしますか! 悪いわね、日菜子ちゃん。妄想では負けても、現実ではまだまだ負けないわよ」

日菜子「仕方がありませんねぇ、私の分まで頑張って下さい……応援しますよ、むふふぅ」

日菜子(負けちゃった事を慰めてくれるPさんを妄想するのも、悪くないですし……むふ、むふふふふぅ♪)

早苗「あんがと♪ みくちゃんには、どっかでリベンジしちゃうぞ~」ポキポキ


-喜多日菜子、アウト(残り13名)

 片桐早苗、資金20Mm獲得・バトルボール1個獲得

 前川みく、バトルボール1個獲得(早苗の投げたものを拾った)

AM9:13(残り137分) 城下町本町・北の橋付近


朋「見付からないわねぇ」トボトボ


-バトルボール捜索を続ける、藤居朋。得意の占いでも、その行方はなかなか見付からず。足取りが、少々重くなっている。


朋「はあ、蟹座は今日の占い、いまいちだったからなぁ……あ、橋だ。赤色、は確か今日の蟹座のラッキーカラー!」


-本町と東の町を結ぶ、北の橋。ラッキーカラーに導きを感じたのか、藤居朋、駆け足で橋に近づいていく。

 呼び込むのは、幸運か……


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-いや、バトルだ。


まゆ「……うふ」ヒュッ

朋「え?」


 パシィッ!


朋「きゃっ!」

-背後から強襲したのは、佐久間まゆ。家屋の陰に隠れ、橋に訪れる者を待ち構えていたその策略、見事に的中。バトルボールは、構える事すら叶わなかった、藤居朋の臀部に命中した。

まゆ「うふふ、ごめんなさい」タタタッ

-さらに、素早くボールを拾い上げて、その場を即座に離れていく姿……前回『逃走中』で惨敗した面影は、ない。


まゆ(今回ばかりは、負けられませんよぉ。待っていて下さい、Pさん♪)


朋「うう、お尻をやられた……もう。まゆちゃんじゃ、相手が悪いかぁ。あーあ、本当についてない。これはPに愚痴らなきゃやってらんない~!」


……タタタッ


朋「? どうしたのまゆちゃん、戻ってきて」


まゆ「……お、お金もらわないと、ダメでした//////」カァァ

-佐久間まゆ、勝負に集中し過ぎ、うっかり忘れ物。


朋(……かわいいな、もうっ)


-藤居朋、アウト(残り12名)

 佐久間まゆ、20万Mm無事に獲得。





AM9:24(残り126分) 城下町本町・問屋


みく「……よし、誰もいないにゃ!」


-4人巴のバトルから逃れた、前川みく。しばらく様子を見て安全を確認し、ようやく目的の問屋に到着。ここで、住職・肇に頼まれた茶菓子を受け取る。


みく「ふう、どこでもバトルが激しくなってきたにゃぁ……こんにちは~」ガララッ



のあ「へいらっしゃい!」

みく「!?!?」


-入店した前川みくを、問屋の主・のあが威勢よく出迎えた。


みく「び、びっくりしたにゃ! のあチャン、何やってるにゃ!?」

のあ「何って、ご覧の通り問屋の主よ。魚屋の主人の方がよかったかしら?」

みく「嫌にゃ。ていうか、無表情でへいらっしゃいとか言わないでほしいにゃ。心臓が飛び出るかと思ったにゃ」

のあ「フフ、おかしなことを言うわね、みぐ」

みく「のあチャンに言われたくないにゃ、てか今さらっとみぐって言ったにゃ!? みくはみくにゃ!! みくは自分を曲げないよ!!」

のあ「……」

みく「……」


のあ「あなた、何をしに来たの?」

みく「急に話戻るにゃ!? のあチャンが脱線させたのに、その冷めた目は酷いにゃ!?」

のあ「フフ……」


-その後、数度の掛け合いを交えた末、前川みくは無事に茶菓子を受け取った。そして、時刻は1時間を経過……残り2時間。


 戦闘中は、ここで新たな展開を迎える!

【指令1】~資金を獲得せよ!~



AM9:30(残り120分) 城下町東町・巨大ゲージ付近


プルルルル! プルルル!


かな子「あ、もうメールだ。また誰かがアウトに……?」ピッ



『【指令1】資金を獲得せよ!
▽9時30分より10時までの30分間限定で、見世物小屋にて行われる主との特別バトルに勝利すれば、資金40万Mm獲得できる! 参加料として5万Mmが必要だが、敗北しても簡単な罰ゲームがあるだけで、脱落にはならない。戦いを優位に進める武器を買う為にプレイヤーは奮って挑むがいい。なお、挑戦権は1人1回だけとする▽』


かな子「うわ、ミッションかぁ……脱落にはならないし、これはチャンスかな? 手持ちの20万Mmと合わせれば忍が……あ、5万Mm払うから無理だ。しっかり考えてるなぁ」

愛梨「あ、かな子ちゃんだぁ♪」


-指令(ミッション)参加を悩む三村かな子の元に、第1回CGプロ総選挙第1位の人気アイドル・十時愛梨がやってきた。その右手には……先程までなかった、バトルボール。


愛梨「私なんとかボール見つけたよ、えへへ~♪」

-だが、敵意は微塵も感じられない。柔和に微笑む三村かな子もそうなのだろうが、共通の趣味がありユニットを組むなど、仲の良い相手だけにバトルをする気にはならない様だ。


かな子「あ、私も1つ持ってますよ。良かったね、愛梨ちゃん♪」

愛梨「うん。このゲージの、あっちの方で見つけたの~♪」

かな子「このゲージも何なんだろう? 中は何だか、丸いテニスコートみたいになってるけど……愛梨ちゃん、戦闘中は見たことある?」

愛梨「ううん、ないんだぁ。何かゲームでもするのかな? あ、そういえばメールは見た?」

かな子「うん。参加をどうしようかなぁって、ちょうど考えていて」

愛梨「そうなんだぁ……どうしようっか?」

かな子「私は……様子を見ようかなって思います。強制参加じゃないから。それに、うまいお話過ぎるかなぁって」


-前回『逃走中』第2位の頭脳は、冷静に不参加を選択した様だ。


愛梨「じゃあ、私もそうしようっかなぁ。あと、かな子ちゃん。一緒に行動しない?」

かな子「私もお願いしようと思ってました♪ 仲間がいた方が心強いですもんね、頑張りましょう!」

愛梨「わーい♪」ギュッ かな子「わわ……エヘヘ」ギュッ


-仲の良いこの2人が、もしも最後の2人となった場合……この笑顔は、どうなるのだろうか。



AM9:37(残り113分) 見世物小屋前


美羽「……ここだね」

-前川みくと同じく、四つ巴の戦いから逃走した、矢口美羽。どうやら、指令に挑む様だ。


幸子「見た感じ、歌舞伎の劇場みたいです。しっかりしたセットですねぇ」

-近くで合流した輿水幸子と共に。


美羽「さあ、行くよ幸子ちゃん! ここで資金を獲得して、忍を買うんだから。それなら、かなり優位になるよ!」

-どうやらこの2人、チームを組み、2人分の獲得資金で忍を1体購入する計画の様だ。


幸子「まあ、ボクにかかればどんな試練でもクリアして当然ですけどね! ところで、何でボクとチームを組んでくれたんですか?」

美羽「うん。1人で挑むのは怖かったっていうのが、本音かな。それと、色々な大チャレンジをしている幸子ちゃんと様々なチャレンジに励む私、この2人のチャレンジ精神が合体すればどんな事でも大丈夫って思ったの!」

幸子(嬉しいけど、ちょっと複雑です……)


-同級生ながらユニットになる事の少ない、この2人。そして、この2人を物陰からうかがうプレイヤーも、2人いた。


美波「うーん……実験みたいで悪いけど、幸子ちゃんと美羽ちゃんがどうなるか、様子を見てみよっか?」

由愛「は、はい……頑張って、ほしいですね」


-東の町で合流した、新田美波と成宮由愛だ。1時間が経過し、チームを組むプレイヤーが現れてきている。この流れが、戦闘中にどう影響してくるのか。


 なお、最後のバトルボールは南の橋下で成宮由愛が発見。これで、オープニングバトルで街中に置かれた12個のバトルボールは、全て発見された。

 これにより、現在バトルボールを持っていないプレイヤーは……



周子「侍屋敷にいってくればいいの?」

肇「はい。すいませんが、よろしくお願いします。この新しい御守りを渡していただいて、古い御守りを受け取り、持ち帰っていただければ……」

周子「いいよ、おにぎりくれたお礼~♪」

―塩見周子。


町の子供達 薫・莉嘉・千佳・舞「わーい♪」ドタバタ

智絵里「あ、みんな。そんなに走り回ったら、危ないよ。もう……フフ、かわいい♪」

-緒方智絵里。そして、輿水幸子の3人となった。



―――

モバP「……周子はともかく、智絵里は何やってるんだ?」

―――

AM9:39(残り111分) 見世物小屋


美羽「おじゃまします!」ガララッ

幸子「カワイイボクがきてあげましたよ!」


【指令1】 第1チャレンジャー/矢口美羽&輿水幸子


-意気揚々と見世物小屋の中に入る2人。しかし、待ち構えていたのは真っ暗闇の空間。表からの光で、大きな広間である事は分かるが……


美羽「あれ、間違えたかな?」

幸子「いえ、そんな事は……ちゃんと看板がありましたので」


 デンッ!


2人『!?』


 デレデレデレデレデレデレデレデレ……


-突如、暗闇の中に響くドラムロール……不気味だ。


幸子「な、何ですか!?」

美羽「あ、入口の扉が勝手にしまったよ!?」ガララ


 デンッ!(カッ!)


美羽「う! ラ、ライトが急に」




主・笑美「第1回! チキチキ、ほんとに辛いの誰じゃろな、選手権ーッ!!!!!」

町娘(アイドル)『ワーッ!!!!!!!』ドンドンパフパフ‐ッ!


2人『!?!?!?』


-明かりがついた大広間、中央はステージ場になっており、その中心に見世物小屋の主・笑美と、5つのミニテーブル席が並んでいた。そして、その周りをパイプイスに座った町娘約30人が囲んでいる。


幸子「豪華にしすぎじゃないですか、1イベントに!?」

美羽「うう、そっちの方がおいしそう……」

笑美「やあやあ、どうもお2人さん。ウチの指令への挑戦、ええ心構えやん? 今からウチらが出すクイズに見事正解したら、資金をプレゼントしたるわ! 細かいルールは特になし、簡単やろ? とりあえず、1人ずつ5Mmウチに渡してな。そしたら、そっちの椅子に座っといて」

2人『あ、はい』


-板についた難波笑美の進行に素直に従い、2人は参加料をそれぞれ払うと、指示されたパイプイスに座る。そこは、5つのミニテーブルの正面だ。


幸子「ここで、何かされるんですね?」

笑美「そや、今から5人の町娘がやってきて、それぞれ用意されたカレーライスを食べてもらうんやけど、その内の1つが超絶激辛! アン○ニオ猪木も1カウントで倒れること間違いなしの辛さのやつな!(嘘) 5人には、誰が当たるかは分からへんけど、辛いカレーを食べる演技をしてもらう様になっとるんや」

美羽「じゃあ、その本当に辛いカレーを食べている1人を当てれば、正解?」

笑美「せや。ちなみに、2人が別々の人を選ぶのはなしな。コンビを組んで挑んでんのは、こっち(運営)も分かっとるから。1人で挑む人がいたら悪いやん?」

幸子「分かりました。まあ、ボクの観察眼なら簡単に演技を見抜きますよ!」

美羽「がんばろうね幸子ちゃん!」

笑美「ふっふっふっ、そないにうまくいくかなぁ? それでは、選手入場~ッ!」


-主・笑美の掛け声と共に、大広間奥の扉が開いて出題者の5人が入場し、各々の席に着いていく。


ありす「……」プルプルプル

小春「……」プルプルプル

千枝「……」プルプルプル

珠美「……」プルプルプル

みりあ「……」プルプルプル


美羽(何で小っちゃい子ばっかり!? かわいそうだよ~)

幸子(み、皆さん震えてますね……それ程なのですか!?)

笑美「そしたら、カレーも入場して~」

シェフ・美嘉「りょーかい! へへへ、皆で私のカレーをおいしくいただいちゃって★」


-5つのテーブルに、全く同じ様に見え、匂いも変わらないカレーが並んでいく。この内、1つだけが……激辛。


笑美「さあ、もう皆心の準備は出来とるね!? 時間に限りあるから巻いていくで! 皆さん一斉に……いただきます!」

5人『い、いただきます!!』



 ギャーッ! カラーイ!


幸子「まあ、まずはそうなりますよね……」

美羽「むむむ、ここからか」


ありす「ひゃあ、からい、からひぃ~!」ジタバタ(全身で暴れてアピールするタイプ)

小春「あわわ、ひゃ~! ヒョ、ヒョフく~ん!」ペロペロ(他のものでごまかそうとするタイプ)

千枝「……っ! ……っ! ……う、うっ!」フルフル(頑張ろうとして耐えるタイプ)

珠美「うわーん!! ひっひっ、ひえーん!!」ボロボロ(ショックで大泣きしちゃうタイプ)

みりあ「えへへ……っ! か、からいよー、わぁ~!」アタフタ(安心して気が緩んじゃうタイプ)



幸子「4人の内、誰でしょう……うう、思ったよりずっと難しいです」

美羽「うーん……珠美ちゃんか、ありすちゃん? でも、千枝ちゃんもあやしいなぁ。というか、今更だけど何で珠美ちゃんがあの中に?」

笑美「悩んどるなぁ。でも、時間もないからね。さあ、どないや!?」


2人「ボショボショボショ……」


幸子「決めましたよ!」

美羽「答えと、覚悟をね!」ドヤァッ

笑美「はいはい。そんじゃ、さらっとどうぞ!」


2人『珠美ちゃん!』


笑美「おお、ええハモりぃ! それでは、答えもさくっと発表するでぇ~……」


2人(……ゴクリッ)



デデーン『矢口、輿水ぅ、タイキック~』(声:こずえ)


2人『!?』


笑美「ざーんねーん!! 正解は、ありすちゃんでしたー! はずした2人には罰ゲーム!!!」

ありす「ほわった、ほわりまひたね!? み、水をくだしゃい~!! ひゃぁ~!!!」ドタドタドタ



プワ~ラプァ~♪ プワ~ラプァ~♪(BGM)

キックボクサー・アヤ「フッ! フッ!」ブンッ、ブンッ


幸子「ちょ、ちょっとちょっとちょっと!?」

美羽「う、嘘でしょアヤちゃん!?」

おやっさん・瞳子「いいから、さあ、お尻をこっちに向けなさい」

トレーナー・夏美「大人しく、テーブルに手をついて、お尻を!」


アヤ「……フッ!」ブンッ!

幸子「いたーい!」バシィッ!

アヤ「……ハッ!」ブンッ!

美羽「きゃぅっ!」ベシィッ!


第1チャレンジャー/矢口美羽・輿水幸子……失敗。


アヤ(ごめんな、2人とも……でも正直、ちょっと気持ちよかったわ♪)



☆残ったカレーは茜ちゃんがおいしくいただきました☆

 オチャクダサイ!!!!!!!

AM9:45(残り105分) 藤原寺


みく「肇チャン、お茶菓子もらってきたにゃ!」

肇「あ、どうもありがとうございます。お疲れ様でした」

みく「ホントに疲れたにゃ……にゃふ」


-前川みく、何とか問屋で茶菓子を手に入れ、藤原寺住職・肇に届ける事に成功。


肇「フフ……あ、そうだ。お礼といってはなんですが、こちらを差し上げます」

みく「別にお礼なんて……って、これ何にゃ?」

-前川みくが渡されたのは、『御奉行所直通』と黒文字で書かれた真っ白い携帯電話、に見えるが……


肇「何でも、いざという時に役立つ南蛮の高貴な御神体との事です。私がいただいたものですが、信仰を曲げる訳にはいきませんので、よろしければあなたに」

みく「よくわかんないけど、ラッキーそうなアイテムなら貰っておくにゃ。これからミッションに挑戦するつもりだからにゃ♪」

肇「お気をつけて」


-前川みく、御神体を手に入れて、見世物小屋へと向かう。はたして、本当に幸運は訪れるのか。




AM9:48(残り102分) 見世物小屋前


美羽「うう、ふぐぅ」ズキズキ

幸子「お、お尻痛い」プルプル

-矢口美羽と輿水幸子、指令に挑んだものの敗北してしまった。見世物小屋の前でしばし、身動きがとれずに震えていた……心も体も、折れそうだ。


由愛「はわわ……お2人とも、ちょっと泣いてる」ガタガタ

美波「な、何があったの……あ!」


-そんな2人を物陰から見つめる新田美波、その両目はしっかりと捉えていた。


友紀「あ、見っつけたー!」


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-2人の事情を知らぬプレイヤー・姫川友紀の接近を!


美羽「あ、しまった!」

幸子「え、ええ!?」


-見世物小屋を出れば、そこは戦闘中。しばし忘れていた襲撃に2人は戸惑う。しかしその間に、姫川友紀はどんどん距離を詰めていく!


美羽「うう……仕方ないや! 幸子ちゃん、逃げて! 私が引き付けるよ!」

幸子「そ、そんな!」

美羽「いいから、私の方だもん!」

-矢口美羽、自分の正面から近づく姫川友紀を前に覚悟を決めたのか、輿水幸子の前に立ち、盾を構える。


友紀「ほっ!」ブンッ

美羽「わっ!?」ガインッ

-姫川友紀の初撃を、何とか盾を防ぐ矢口美羽。だが、バトルボールは1つだけではない。


友紀「お、やるねぇ♪」ジリジリ


美羽「は、早く!」

幸子「でも」

美羽「もう! 私以外が勝つなら、一緒に頑張った幸子ちゃんがいいの!」

幸子「!! ……ありがとう、ごめんなさい!」ダッ


-輿水幸子、弱った身体を復活した強い気持ちで奮い立たせ、その場を離脱。そして……


友紀「むぅ~、そりゃ!」ブンッ、ブンッ!

美羽「あ、2つも!?」ガインッ


 バシッ!


-上下に分けられた鋭い2発は防げず、矢口美羽……姫川友紀の見事な両手投げの前に、撃沈。


友紀「やったね! 幸子ちゃんは、ちょっと無理か……てか、もしかして私、ものすごく間の悪いタイミングで来ちゃった?」

美羽「ん~……ちょっと、そうかな?」

友紀「ううっ、ごめんね」

美羽「いいですよ。フフ、何だか……いい気分です! この気持ち、お仕事の中でもたくさん見つけたいなぁ」


-矢口美羽、勝負には敗れたが、得るものもあったようだ。


美羽「とりあえず、オフに幸子ちゃんと遊びにいこっと。えへへ♪」

友紀「?」


-矢口美羽、アウト(残り11名)

 姫川友紀、15万Mmとバトルボール1個獲得。ただし、戦闘の中で自身のボールを1つ紛失し、プラスマイナスゼロ。



AM9:53(残り97分) 見世物小屋


みく「お邪魔するにゃ♪」ガラッ


【指令1】 第2チャレンジャー/前川みく


みく「ふう、何とか間に合ったにゃ。お店の前に友紀チャン達がいて、なかなか入れなかったにゃぁ……って、広いけど暗いにゃ。ていうか、誰もいにゃい?」


(カッ!)


みく「うっ、急に明かりが!?」




主その2・文香「……こんにちは」

-明かりがついた大広間、その中央には大型のテレビが1台と、イスが2脚。指令に挑む前川みくを待ち構えていたのはそんなセットと、新たなる見世物小屋の主・文香。


みく「あ、文香チャン。珍しいにゃ、こんなバラエティ番組に出るなんて」

文香「これも、また……新しい世界を知る、機会かと思って。似合わないですか?」

みく「んーん、いいと思うにゃ♪」

文香「ありがとう……ええと、それじゃあ、あなたにはクイズを出します。その出題内容を、今からVTRで見てもらいます……あ、そうだ。参加料、もらえますか?」

みく「はいにゃ」

文香「……確かに、頂戴しました。それでは、イスに座って……見ましょうか」


-前川みく、テレビの前のイスに着席。その隣に文香も座る。


みく(文香ちゃんのお隣……何だか、ちょっと照れちゃう、いい匂いするし)

文香「それでは……VTR、スタート」ピッ



『ウオオオオオオオーツ!!!』


みく「こ、これは!?」

-映像の中では、左右に別れた2つの集団が声を上げ合い、1番前の代表者は今にも相手に掴みかからない体制で睨み合っていた。どちらも、似たような服装をしているが……ある1か所だけが、決定的に違っている。



赤ブルマ軍団長・卯月『女の子のブルマは赤に決まってるよ、カワイイもん!』

紺ブルマ軍団長・凛『ふぅ、卯月は分かってないな……紺の蒼さ、カッコいいじゃない?』


みく「……アホにゃ」

文香「……興味深い」

みく「そ、そう!?」


注)VTR中の登場人物は、全員半袖の体操服+各々のブルマを着用しています。


卯月『こうなったら、仕方ない……やるしかないね!』

凛『望むところだよ!』


2人『あれ用意して!』


-2人の軍団長の呼びかけに、ステージ中央にどこからかワゴン台が運ばれてくる。ワゴン台の上には……大量の湯気が出ている、大盛りの皿うどんが2皿。


卯月『この熱々の皿うどんを、1分以内にどれだけ食べられるかで勝負だね!』

凛『当然……勝つよ、私達がね!』



ピッ(映像ストップ)


みく「あ、ここで止めるのかにゃ」

文香「(イスの下からフリップを取り出しつつ)では、問題……赤ブルマ軍団と紺ブルマ軍団の、熱々皿うどん大食い対決、結果はどうなるでしょうか」

みく「まあ、クイズ的にはそうなるにゃぁ……でも、アイドル的にはやる事自体がダメダメな気がするにゃ」

文香「……指令1の終了時間、近づいているので……お早めに」

みく「うっ、分かったにゃ……ここは同じキュートグループの卯月チャン率いる、赤ブルマ軍団を信じるにゃ!!」

文香「赤ブルマ軍団の、勝利……と?」

みく「そうにゃ!」

文香「分かりました……では、VTR再開」ピッ



-先攻後攻制となり、ジャンケンの結果、先攻は紺ブルマ軍団となった。


凛『フッ、大量リードでやる気を殺いであげる……見せてやりなさい、あなたの蒼い力』

むつみ『私の冒険心で、やってやりますよ!』

みく「凛チャンがやるんじゃないにゃ!?」


-先攻・紺ブルマ軍団参謀 むつみ……ファイッ!(プァー!)


むつみ『……えいや!』パクッ

むつみ『あふゅい!?』ブホッ!!

みく「アイドルが食べ物をテレビで噴き出しちゃダメにゃ!?」


-むつみ、健闘するも1分間、食べる→噴き出すを繰り返すだけに終わり、記録……0グラム。


みく「あんなにヒハヒハ言って、かわいそう……でも、これで卯月チャンチームが勝ちだにゃ。ひと口でいいもんにゃ♪」


卯月『フフフ、これはこっちの勝利確定だね! バシッと決めちゃうよ!』

瑛梨華『瑛梨華に、O・MA・KA・SE☆』

みく「それでもやっぱり卯月チャンじゃないのにゃ」



-と、この圧倒的不利な状況に、紺ブルマ軍団が騒ぎ出す。


紺ブルマ軍団員・奈緒『汚いぞー、この為にわざとジャンケン負けたな~』ダラダラ

紺ブルマ軍団員・マキノ『後攻を選ぶことで、自分達の皿うどんを冷ます……お見通しよ』ドヤッ


みく「だったら最初に言えばいいのに……今更言っても、無視されて終わりにゃ」


卯月『ふふっ、見苦しいですよ皆さん。あなた達(紺ブルマ)とわたし達(赤ブルマ)は、格が違うんですよ! ジャンケンは公平に行われたものだし、まだ皿うどんは熱々です。その上、うちの瑛梨華ちゃんは皿うどんを手なんか使わずに顔を突っ込んで口だけで食べるからね!』


みく「何ぶっこんでんの!?」

文香「……」ワクワク


卯月『いっちゃって瑛梨華ちゃん!』

瑛梨華『う……うん』プルプルプル


みく「震えてる……キャラも忘れて震えてるにゃ、瑛梨華チャン。もう分かりきったオチが悲しいにゃ、やめるにゃぁ~!」



-後攻・赤ブルマ軍団副長 瑛梨華…………ファイッ!(プァー!)


瑛梨華『……NA・MU・SA・N★』ガバッ

瑛梨華『-っ!!!!』




~ピーヒャララー♪~

-放送事故が発生いたしました。申し訳ありませんが、しばらくの間、ヒマラヤの大自然で歌う梅木音葉さんをご堪能下さい-




みく「ああ、こんなドイヒーなオチに……」

文香「……興味深かったです」ムフーッ、ピッ

みく「そ、そう? ていうか、ここで終わりかにゃ!? あの後、どうなったのかがすごく気になるんだけど……」


【ワンポイント☆湯気は皿うどんの底に仕込んだ、身体に害のない特殊なドライアイスによるものなんだ。だから、食べた2人のリアクションは演技だぞ! なんくるないさー!】


文香「それは、そうと……みくさん」

みく「にゃ?」

文香「クイズ、不正解なので……罰ゲームです」

みく「あ」



デデーン『前川~、みほたん☆キック』(声:杏氏)


みく「にゃ!?」



ソ ウ ジャ ナ イ~♪ 
みほたん・美穂「……」タタタッ

みく「美穂チャン!? あ!?」ガシッ

イタズラメシテ ヤダモン♪
聖女・クラリス「大人しく、イスに手をついて、お尻を」

ゴホウビガ ホシイモン♪
天女・ネネ「諦めて、ほら、ね? お尻を」

マツゲガ~フレルホド~♪
美穂「ごめんね、みくちゃん……Pさんに頼まれたの!」

キュウセッキン♪ …ナーンテアマイ♪
みく「ちょ、ちょっ……せめて歌を止めて!」

ドキ ドキ シタデショ?
美穂「……えい!」ブンッ!


みく『にゃーお!?』バシィッ!!


第2チャレンジャー/前川みく……失敗。



☆なお、残った皿うどんは加奈ちゃんがおいしくいただきました☆

 コレ、ソバツユニツケルト、アジガマイルドニナリマスヨ!!




-前川みくのチャレンジ終了をもって時刻は10時となり、指令1は成功者なしで幕を閉じた。







~そして、その見世物小屋の一室では……~



杏氏「アハハハハ、愉快愉快……猫め、尻を擦りながら、よろよろと表へ出よるぞ? なかなかに面白く、楽しませてもらったわ!」

希羅璃「はぴはぴぃ♪」


 この指令、実は杏氏が運営に圧力をかけ、手引きをしたものだった。全ては、自分がただ楽しむ為のだけに。


菜々介(ああ、またこんな無茶をして……無駄な経費をとるために急な年貢を町民から徴収し、いきなり町娘達を連れ出すなど……皆にどう思われるか、気にもとめないのだから)

 お目付け役の菜々介、止められない自分と止まらない杏氏に心中で嘆き、1人ため息を吐く。


杏氏「まあ、最初はこれぐらいかの……次は、もっと面白いことになるぞ。お前にも動いてもらうからの、諸星の………フッフッフッ」

希羅璃「はぴはぴぃ★」(低め)


菜々介(ああ、せめて……せめて、あのお方がいれば!)


~この杏氏の動きが、さらに戦闘中のプレイヤー達を混乱させていく。誰かが、暴君・双葉杏氏の動きを止めなければ……はたして、それは現れるのか?~



-そして、戦闘中は残り2時間を切る。残るプレイヤーは……










まゆ「そ、そんなぁ……Pさぁん」グスッ

かな子「う、うーん……」


愛梨「……ごめんね、かな子ちゃん」


-『9』名。


【つづく】

とりあえず、前編おわりです。コメディ要素が多くなりましたが、後編はまたガラリと変わっていくと思います。一応、『結末』は決まっているので、1週間~10日のうちに、また書き上げたいです。HTML化は、まとめてしようと思います。いじりにいじってしまったアイドルのみんな、ごめんね。あと、珠ちゃんの描写ゆるかったかぁ。まだまだ甘いな、みうさぎの事は笑えないや。



お付き合いいただいた方、ありがとうございました。



追伸:後編の前に、いくつかの『おまけ』を、この後にちょこっと書くと思います。すねちゃまとか。

感想ありがとうございます、作者です。

宣言通り、おまけの短編を3本掲載し、この前編は終了と致します。自分で管理しやすいかなぁと思ってスレを別けちゃうので、もしも続きが気になる方はご注意ください。

【おまけ番外編1】


『安部菜々のウサでミンミン言わせてよ!!』 ~喜怒哀楽ダイジェスト版~


(喜)

【某収録スタジオ】

菜々「みんなー、ウッサミーン♪ 始まりました、一夜限りのウサミン星人開拓トークバラエティ! 司会で主役はもちろん、ナナでーす☆ キャハッ!」

 ワーッ! ウサミーン! カワイイ! ミミミンミミミン! ウーサミーン! アナベベサーン! キャーッ!

菜々「えへへ、みんなありがと~♪ この番組、30分とは言えゴールデンですよ、ゴールデン! し・か・も、素敵な超豪華ゲストに来てもらってまーす! 引退からまさかの電撃復帰で人気再爆発、ママさんアイドル・日高舞さんでーす!」


舞「フフ、こんにちは♪」

 キャーッ! マイサーン! マイサーン! キレーイ! ワカーイ! ママ‐ッ!! マイサーン!

菜々「おお、すごい歓声! でも、分かります。私も昔から舞さんの大ファンなんですよ!! 実は、舞さんが主演のドラマ『○○物語』のオーディション、私も受けたことあるんですよ♪」

舞「あら、そうなの。すごい奇遇ね……あら、でもあのドラマって私が中学生の時にオーディション受けたやつよね……」


2人『……え?』


(怒)

【CM中】

菜々「ちょっと! 何ですか次のこの企画! 菜々のアパ……もとい、ウサミン星人の住処をあばくドッキリビデオとか、え? いつの間に仕掛けてたんですか! ナナ、アイドルですよ? おかしいですよね、ウサミン星人にもプライバシーがあります! ウサ権侵害ですよ! ねえ、聞いてます、か……そりは……(土下座)お願いします、何でもしますから流さないでください、マスターテープは潰して下さい!! せめて、せめてスーパード○イとスルメ焼いてる画は編集で消して下さいよー!!!」

☆結局、あまりにも酷いのでお蔵入りとなりました☆


(哀)

【舞さんの人生相談コーナー・収録前リハーサル】

菜々「……辛くないって言ったら、嘘になります。だって、どんなに見た目が若くても、それは外側だけの話。内側は変えられない、ほしくもない経験はつもりにつもって、どんなにキレイで新しいステージに立っても、真っ新な気持ちはどこか濁った感情にすぐに覆われていくんです。ああ、私って本当にこれでいいのかな、楽しくて面白いのが1番の女の子でいてもいいのかな、いつの日かこんなウサミン星にも王子様はきてくれるのかなって……私、もう、私……普通の幸せって、何かわからなくてなってるミン……ッ!」

舞「もういい、もうやめて菜々ちゃん!! 簡単にリハの相手頼んでごめんね!!!」ダキッ


(楽)

【健康アイドル・斉藤洋子の極楽出張マッサージコーナー】

菜々「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~……いいわぁ、これぇ。すごく、きくぅ~」

洋子「菜々さん、すごくこってるねぇ。これは、やりがいがあるよ♪ ……え?(カンペ見る)あ、もうエンディングだって」

菜々「え゛、もう!? 何だかあまりウサミン星人開拓した記憶がない……でも、総合的にはおもしろかったからいいよね、キャハッ☆」

 イェーイ!! タノシカッタヨー!! ゲンキダシテ!! イイコトアルヨ!! ウッヒョー!! オウエンスルヨー!!

菜々「それじゃあ、またいずれお会いしましょう♪ それまで皆さんお元気で……せーのっ!」


『ウッサミーン!!!』


洋子「あ、このツボは大物だ!」グリグリ

菜々「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~」】


【おまけ番外編2】


~小日向美穂、一途なおもい~


某月某日、CGプロ近くの空手道場


美穂「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」

有香「さあ、ラスト10!」

美穂「う、うん……フッ!(バシッ!)フッ!(バシッ!)フッ!(バシッ!)……」


道場生1「あの子、1週間前からサンドバッグ相手にずっと中段蹴りの練習してるな」

道場生2「ああ。何でもあの子たち、人気の若手アイドルらしいよ?」

道場生1「ふーん……何の為に、アイドルがあんなに蹴り練習してんの?」

道場主2「……さあ?」


美穂(待っていて下さい、Pさん……)

【抽選に外れて残念だったわね、美穂ちゃん。楽しみにしていたのに、ね】

美穂(私、プレイヤーにはなれなかったけど、絶対に……)

【……でも、そのイベントには出るんでしょ? なっちゃったものは、仕方ないけど……どんな役でも、努力家の美穂ちゃんなら大丈夫。モバPさんも、美穂ちゃんには期待してるって言ってたから、ね?】

美穂(Pさんの期待に、応えてみせます!)

【いつでも頼りになる良い子だ、美穂は……って、ウフフ♪ 頼られちゃう女の子、素敵よ?】


美穂「えーい、みほたん☆キック!!」ドズンッ!!

道場生1&2(サンドバッグがちょっと浮いたー!?)



ちひろ「……ちょっと応援する為についた嘘が、ここまで……おそるべし、努力の乙女」

有香「道場の外で何してるんですか、ちひろさん?」



【おまけ番外編3】


・拗ねちゃま


前回『逃走中』放送2日後、ある日の事務所・会議室


桃華「……」(ぷくぅ~)


注)桃華ちゃんは、『逃走中』にて追加ハンターとしての役割を与えられたものの、逃走者の活躍で出番がなくなった&ひと言もセリフがオンエアされなかった事に、激おこぷんぷん丸。


モバP「しょうがないだろう、拗ねるなよ桃華。そういう展開になっちゃったんだからさ、あの番組はガチだし」

桃華「それでも、ですわ! もっと、わたくしのことを真剣に考えて下さいまし。あんなに狭くて暗い所で、活躍の機会を真摯に待っていたというのに……ろくに紹介もされずに終わりとは、あんまりではございませんか? Pちゃまなら、途中で多少なりとも介入する事が出来たはずです」

モバP「いや、でもな? あれは俺も」


桃華「ずっと1人で……寂しかったですのよ」ポロポロ


モバP「桃華……ごめんな」ナデナデッ

桃華「あ、頭をなでるのは、やめてくださいまし////// わたくしはもう立派なレディなのですから、そんな子供だましの慰めでこの場を収めようなどとは、笑止千万ですわ!」

モバP「うーん、そんなつもりはないんだけど……じゃあ、どうすれば許してくれる?」

桃華「そんなの、Pちゃまが自分で考えて……答えてほしいですの」

モバP「ふむ……よし、ならばこうだ!」


-フワッー


桃華「あ……この、髪飾りは?」

モバP「ちょっとまるっこっくて、かわいい紅葉の形してるのに、綺麗な赤い薔薇の色だろ? それ、本物の薔薇の色素を使ってるらしいぞ。営業先近くのアクセサリーショップで見かけて、気に入ったから買っといたんだ」

桃華「なぜ、わたくしにこれを?」

モバP「そんなの、決まってるだろ」ポンポンッ

桃華(あ、また……)


モバP「俺は、お前のプロデューサーだぞ? 例えお前がやれない事・出来ない事があっても、励ましあって一緒に前へ進む為の必要なことを考えて絶対に実行する。これが俺流のエスコートだ」ドヤッ


桃華「Pちゃま……全く、まだまだお子ちゃま、甘いですわね。髪飾り1つで完璧なレディのわたくしをエスコート出来るとお思いなんて、お安く見ないで下さい」(ぷくぅ~)

モバP「ええ、また拗ねちゃうの?」

桃華「最初から、拗ねてなどいません……フフ、ただの我儘ですわ♪」タタッ

モバP「おいおい、話の途中でどこへ行くんだ?」


桃華「Pちゃまとわたくしの、逃走中ですわ。さあ、わたくしを捕まえてごらんなさい。その時には、本当のエスコートを教えて差し上げますの~♪」タタッ~


桃華「それまで、絶対にあきらめてはいけませんよ、Pちゃま♪」







なんだか軽くなっちゃった。じゃあ、後編がんばります。


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