隣人「ちょっとかくまってください」(180)

男「はあ……?」

隣「困っているんです」

男「急に言われても」

隣「あ、これからお出かけですか?」

男「いえ昼食ですけど」

隣「えっ」

男「なにか?」

隣「お隣さん、昼食とかとられるんですか?」

男「そりゃまあ……人間なんで……」

隣「はー……なるほど。もりもり食べますか?」

男「まあ、男なんでそれなりにもりもり食べますけど」

隣「おおー、もりりん……」

男「えっ。なんですか」

隣「いえなんでも」

男「今もりりんっt隣「言ってないです」男「いやでm隣「言ってないです」

隣「あ、話がそれましたね」

男「そうですね。なんでしたっけ」

隣「かくまってください」

男「逃げてるんですか」

隣「逃げてます」

男「なにからですか?」

隣「それはまあ……ちょっと冷えてきたのでお茶でもしながらじゃだめですか?」

男「はあ、まあいいですけど」

隣「お邪魔します」

男「はいどうぞ」

隣「あの、私が言うのもなんですけど」

男「なんですか」

隣「人がいいですね!」

男「よく言われます」

男「コーヒーでいいですか?」

隣「できたら紅茶がいいです」

男「ありません」

隣「あらー。じゃあマンゴーラッシーでお願いします」

男「ありません」

隣「むう……あっ、シャトーマルゴー!?」

男「ありません。ありませんし、そんな名案思いついた! みたいなノリで出てくる飲み物ではないです」

隣「コーヒーでお願いします」

男「わかりました。砂糖は?」

隣「甘いです」

男「正解です。でもそういうことを聞いてるわけじゃないです」

隣「? …………あっ、いりません」

男「時間かかりましたね」

隣「あ、話がそれましたね」

男「そうですね。なんでしたっけ」

隣「かくまってください」

男「逃げてるんですか」

隣「逃げてます」

男「なにからですか?」

隣「それはまあ……ちょっと冷えてきたのでお茶でもしながらじゃだめですか?」

男「はあ、まあいいですけど」

隣「お邪魔します」

男「はいどうぞ」

隣「あの、私が言うのもなんですけど」

男「なんですか」

隣「人がいいですね!」

男「よく言われます」

男「はあ……?」

隣「困っているんです」

男「急に言われても」

隣「あ、これからお出かけですか?」

男「いえ昼食ですけど」

隣「えっ」

男「なにか?」

隣「お隣さん、昼食とかとられるんですか?」

男「そりゃまあ……人間なんで……」

隣「はー……なるほど。もりもり食べますか?」

男「まあ、男なんでそれなりにもりもり食べますけど」

隣「おおー、もりりん……」

男「えっ。なんですか」

隣「いえなんでも」

男「今もりりんっt隣「言ってないです」男「いやでm隣「言ってないです」

男「どうぞ」

隣「ありがとうございます」

男「お口に合えばいいですが」

隣「あちっ」

男「あ、気を付けてください」

隣「もうちょっと早く言ってくれれば助かりました」

男「それはすみません……」

隣「もう一度お願いできますか?」

男「え?」

隣「もう一度、気を付けるようにわたしに言ってくれますか?」

男「はあ……熱いので気を付けてください」

隣「おっけーです!! ばっちりです!!」

男「それはよかったです」

隣「あちっ」

男「ダメだこの人」

男「寒いときはあったかいものがいいですねえ」

隣「まったく同感です」

男「こうやって午後の時間をまったりするの、好きなんですよね」

隣「いいですね。ところで」

男「なんでしょう」

隣「聞かないんですか」

男「ん…………?」

隣「すごくのんびりされた方ですね」

男「…………!」

隣「思い出しましたか?」

男「はい。えっと、かくまってくださいってなんですか?」

隣「まあ端的に言うと、これくらいの時間になると嫌な来客がくるもので」

男「え、毎日ですか?」

隣「はい」

男「いやな来客っていうのは?」

隣「聖書もったおじいちゃんですね」

男「ああ、宗教勧誘」

隣「え、あれわたし勧誘されてたんですか」

男「多分ですけど」

隣「すこしお話をさせてください、なんて最初は言うからわくわくしてたんですけど」

男「面白いお話でしたか」

隣「足しびれちゃいました。長くって」

男「正座して聞いてたんですか」

隣「最初は立ってたんですけど。疲れちゃって」

男「なんかお隣さん、簡単に宗教勧誘されちゃいそうですね」

隣「騙されやすいってことでしょうか」

男「そういう感じです」

隣「わかります」

男「わかっちゃいますか」

隣「わたし、『騙されやすい顔』だと思うんです」

男「どんな顔ですか」

隣「こんな顔です」

男「なるほど」

隣「よく見てください」

男「はい」

隣「……」

男「………」

隣「………あの」

男「?」

隣「近いです……」

男「あ……失礼しました」

隣「恥ずかしいです」

男「かわいい顔ですね」

隣「!?」

隣「あの」

男「はい」

隣「ありがとうございます……」

男「? ああ」

隣「結構誰にでも言っちゃう感じですか」

男「あ、いえ。初めて言いました」

隣「初めてですか……」

男「ええ、多分」

隣「焦っちゃいました」

男「そうなんですか」

隣「はい。あまりこういうシチュエーションで言われたことがなかったので」

男「自分も初めてです。こういうシチュエーションは」

隣「まあいきなりお隣が押し掛けてくるとか、ないですよね」

男「自覚あるんですね」

隣「それなりには」

男「そんなに嫌ですか。宗教勧誘」

隣「おじいちゃんはラブリーなんですけど」

男「ラブリーなんだ」

隣「でもなんかこう、お話聞くのって苦手で」

男「なるほど」

隣「校長先生の話とか、聞くの得意なタイプですか?」

男「校長先生の話聞くの得意なタイプっていなそうだなあ」

隣「ですよね」

男「ですね」

隣「とにかく、留守なら回避できるだろうということで」

男「結構必死だったんですね」

隣「死にもの狂いって言葉が頭をよぎりました」

男「っていうか居留守使えばよかったんじゃないですか」

隣「あ」

男「思いつかなかったんですか」

隣「居留守……なんか禁じ手……って感じですね!」

男「いえ正攻法だと思いますけど」

隣「あう」

男「でもいいですよ」

隣「?」

男「これからもたまに、避難してきていいですよ」

隣「! 優しい言葉!! どうしたんですか」

男「いえ、お隣にこんなかわいいひとが住んでたの知りませんでしたし」

隣「!! もしかして恋心ですか」

男「いえ下心です」

隣「!!! あの、失礼だったらすみません」

男「なんでしょう」

隣「馬鹿正直って言われたことないですか?」

男「よく言われます」

隣「いえでも、下心でもそういっていただけるのは素直にうれしいですね」

男「よかったです」

隣「多分もうおじいちゃん行っちゃったと思うので、今日は帰ります」

男「あ、行っちゃいますか」

隣「あまり長居してもご迷惑かと」

男「急に押し掛けてきた人のセリフではないですね」

隣「う……それはすみません」

男「いえいえ。どうせ一人でもコーヒータイムでしたので」

隣「好きなんですね」

男「話し相手がいるだけですこし充実してました」

隣「お役に立ててよかったです」

男「一つお願いしていいですか」

隣「なんでしょう」

男「今度来るときは肩出しとかニーソとか、微妙な露出がある服でお願いします」

隣「美徳域ぶっちぎりの正直さですね!」

翌日

男「あれ、お隣さん」

隣「あ、お隣さん」

男「いやお隣さんはあなたですけど」

隣「わたしからしたらお隣さんはあなたです」

男「ややこしいですね。男です」

隣「隣です。男くんって呼びますね」

男「いいですね。どうしたんですかうちの前で」

隣「いえ、昨日の言葉に甘えてお邪魔しようと思ったんですけど」

男「ああ、すみません。学校のほうに長居しちゃって」

隣「そうなんですか。ちょっと凍死寸前でした」

男「もしかしてずっと待ってたとか?」

隣「待ってたというか、ちょうどここで例のおじいちゃんと鉢合わせちゃって」

男「ああ」

隣「今日もありがたいお話を頂戴しました」

男「とりあえず中に入りましょうか」

隣「わあ、いいんですか」

男「寒かったんでしょう?」

隣「とても」

男「多分寒かった責任僕にもありますし」

隣「?」

男「あれ、違うんですか? その肩出し、僕が昨日言ったからなのかと」

隣「あ……うん……そうです」

男「似合ってますよ」

隣「ありがとうございます。でもこの時期に肩出しはないですよ」

男「そうなんですか。女性のファッションには疎くて」

隣「安い女みたいです」

男「身持ち固いんですか?」

隣「固いつもりです。知り合ったばかりの男の人のうちにほいほい上り込むくらいの身持ち固さです」

男「結構アウトですね」

隣「お邪魔します」

男「今日は紅茶も買ってきましたよ」

隣「わあ、わざわざありがとうございます。優しいんですね」

男「コーヒーは、苦かったかと思いまして」

隣「いえ、とてもおいしかったですy……ひゃっ」

男「あ、すみません。綺麗な肩だったのでつい」

隣「……いきなり指でなぞらないでください」

男「ほんとにすみません」

隣「次からは事前に言ってください」

男「事前に言ったらオッケーなんですか」

隣「気分次第ですね」

男「はい!」

隣「なんでしょう」

男「肩ペロペロしていいですか」

隣「全力で遠慮してください」

隣「あったまりますね」

男「いい季節になりましたねえ」

隣「女性の露出は少なくなりましたが」

男「肩か太ももが出てればいいんですよ」

隣「フェチですか」

男「多分そうなんでしょうね」

隣「全身太ももの人が好みなんですねえ」

男「全身太ももの人はさすがに愛せない気がしますが」

隣「全身肩のほうがいいですか?」

男「全身肩ってどんなんですか。なんかごつごつしてそうなんですけど」

隣「もやっとボールみたいな形ですかね」

男「あーもやっとボールかあ……」

隣「です」

男「……あり、かな」

隣「!?」

男「隣さんって、学生ですか?」

隣「いえ、働いてますよ」

男「えっ、もしかして年上?」

隣「男くんは大学生ですか?」

男「はい」

隣「それじゃあきっと、同じくらいですね」

男「萌えますね」

隣「えっ」

男「社会人萌えですね」

隣「そういうのあるんですか」

男「制服とか」

隣「残念ながら、ほとんどおうちにいてできる仕事なので私服が制服です」

男「じゃあ今も制服ってことですか」

隣「ああ……その発想はなかったなあ……」

男「萌えますね」

隣「結構男くんはなんにでも萌えるんですね」

男「なんにでも萌えていく覚悟です」

隣「わたし耳たぶとか触るの好きなんだけど」

男「ありがちですね」

隣「なんかそういわれるとちょっと辛い」

男「いえでも素敵です。さあどうぞ」

隣「触らせてとか言ってないのに耳たぶを差し出してくるあたり男くんって感じ」

男「さあ」

隣「急かすね。ではちょっとだけ失礼して」

男「………」

隣「………」

男「………あっ……」

隣「!?」

男「あ、すみませんつい」

隣「変な声出すの禁止!!」

男「あれ、もういいんですか」

隣「こんなピンク色の雰囲気の中耳たぶさわれない」

男「結構至福だったんですけどね」

隣「続けてたら、変な雰囲気になりそうです」

男「それ狙いだったんですけど」

隣「きみはあざといな……」

男「そうだ。お風呂入っていきます?」

隣「露骨すぎ!! こんな会話した後にお風呂なんて入れません!!」

男「残念です」

隣「男くんはアレだね。女の子を引っ掻き回すのが上手だね」

男「隣さんは引っ掻き回されるの上手ですね」

隣「うれしくない、うれしくないよー」

隣「コーヒーごちそうさまでした」

男「あれ、もう帰るんですか」

隣「なんかとてつもなく恥ずかしいので」

男「顔真っ赤ですもんね」

隣「うそっ!?」

男「なんかちょくちょく素がでるようになってきましたね」

隣「うう……」

男「かわいいですよ」

隣「男くんのかわいいがなんだか信用できなくなってきました」

男「馬鹿正直がとり得なんですけどね」

隣「世間一般では男くんみたいなのを、たらしといいます」

男「不名誉ですね」

隣「ではまた」

男「また来てくれるんですね」

隣「う………」

翌日

男「あ、どうも」

隣「すみません。今日も図々しく」

男「いえいえ、待ってました。上がってください」

隣「お邪魔しまーす…………ん?」

女「…………?」

隣「…………」

女「…………」

隣「……こ、こんにちはー」

女「あ……ど、どうもー」

男「女はコーヒー、隣さんは紅茶でいい?」

隣「あ、はい」

女「あ、お構いなくー」

男「りょうかーい」

隣・女(誰…………!?)

隣(え、え、彼女!? 彼女さんだよね!? なにこれ修羅場!? 修羅場なの!?)

女(こんなナチュラルに家に上げるってことは……彼女!? 男、彼女できたんだ!?)

隣(でも修羅場っていってもわたし男くんとはコーヒー飲んだだけだし……)

女(今日いきなりきたのまずかった? いやでも約束してるなら一言言ってくれれば……!)

隣(あ、でもわたし肩触られたりしてる……セーフ!? いやアウトかな!? え、どっちだろ!?)

女(うわあどうしよ私帰ったほうがいいかな!? いやでもここでいきなり帰るとかそれはそれで気まずい……)

隣(いきなり頬ひっぱたかれたらどうしよう……なんかずっとこっち見てるよねこの子……)

女(かわいい人だなー……こんな人が男の彼氏に……あの変態が………)

隣(ああもうなんか考えてる間に時間経っちゃった。なんて声かければいいんだろ?)

女(男台所から戻ってこないし!! 彼女なら彼女と一言紹介してけ!! 馬鹿!!!)

隣(彼女さんですか? かな。やっぱりそうだよね! わたしはただの隣人です……これでいいのかな……)

女(付き合ってるんですか? いつから? どれくらい? キスはしましたか? これはさすがに聞き過ぎかな)

隣(考えててもしょうがない……! とりあえず第一声を!!)

女(自然に……まだ浮気とかそういう誤解を解くには遅くないはず……自然に自然に……)

隣・女「あのっ………」

隣・女(出だしかぶったぁーーーー!!!!)

隣「あ、えっとどうぞ……」

女「え、いや、全然……そちらが……」

隣「あ……」

女「う……」

隣・女(また沈黙してしまった…………)

男「あれ? 二人ともなんで黙ってんの?」

女「あっ男!!」

隣「男くん!!」

男「ごめん、ちょっとフィルター切れてたから買ってくる。二人で留守番しといてくれる? それじゃ」

バタン

女「え」

隣「え……」

隣・女(えええええええええええ………)

女「あ、あの……」

隣「あ、はい……」

女「お名前聞いても?」

隣「と、隣です」

女「隣さん……」

隣「はい」

女「あの……なんかすみません!!!!!!」

隣「!? えっ……ええ!?」

女「男に彼女できたとか全然知らなくて!! その……今日約束してたとかも全然……」

隣「かっかのじょっ!?」

女「はいだからその、私は別にそういうのじゃなくて……その、ただ男朝弱いから起こしたげたりとか」

隣「朝起こしたり……」

女「男低血圧だから……あとたまにご飯つくってあげたりくらいのものでええ……」

隣(それ……彼女なんじゃ……)

隣「わ、わたしも!!」

女「!?」

隣「わたしもそんなんじゃなくて!! ただ午後一緒にコーヒー飲んだり、肩いきなり触られたり!!」

女「肩……」

隣「なんかよくじろじろ肌見られたりしてるくらいでっ!! 別にそんな深い仲じゃ……!!!」

女(いやそれはもうそういうプレイの一種なのでは)

隣「とにかく! か、かか彼女なんかじゃ……!!」

女「ん……?」

隣「え……っと?」

女「彼女じゃないんですか?」

隣「彼女じゃない……?」

男「ただいまー」

隣「男くん!!」

女「男っ!!!」

男「うおお……なんで二人ともそんな食い気味に俺の名前呼ぶの」

隣「はー……幼なじみさんでしたかー」

女「はい。男、すぐお隣の部屋にこんなかわいい人住んでたんだねー」

男「あげないよ」

女「いやどういう状況想定してんの」

隣「正直最初超焦っちゃいました。来てはいけないところに来ちゃったかと」

女「いや私もいてはいけないところにいちゃった感がすごかったです……」

男「ちゃんと自己紹介すればよかったのに」

隣「いや男くんが紹介してくれればスムーズにいったと思う……」

女「うん……」

男「いや悪い悪い。コーヒーミルの刃見つめてるの面白くって」

女「私たちが右往左往してる間そんなどうでもいいことしてたのね……」

隣「ん、おいし」

女「料理はできないのに、お茶いれるのだけはすごくうまいよね男」

男「料理はほらなんていうか……難しい……」

女「でも紅茶いれるときお湯が何度とかやってるじゃん。あれよりは楽だと思うけど」

男「温度はほら触ればわかるから」

女「温度計いらずだ!!」

男「料理はほら、塩と砂糖触ってもわかんないじゃん」

女「なめろ」

隣「……ん? わあ!!?」

女「こらこらこらこら!! 隣さんの肩舐めようとしない!!!」

男「しゅん」

女「落ち込んだフリしない!!」

男「じゃあもう女の太もも舐める」

女「叩くよ? 机で」

隣(こわい……)

隣「でも男くんいいねー。女ちゃん朝起こしに来たりご飯作ってくれたりするんでしょ? かいがいしいね」

女「いえーほっとくと男なにもできないんで」

隣「ここまで尽くしてくれる子なかなかいないよ? お嫁さんだねー」

女「!! お嫁さん……? って、ないないないですよー……! 別に全然そんなんじゃ……」

隣(うわあ女ちゃんわかりやすっ!! 好きなの顔に出過ぎだ!!!)

男「いやほんともう二千回くらいプロポーズしてるんですけどね。いつもお茶を濁されちゃって」

女「男の言葉は心こもった感じがしないの!」

隣(うん……それに引き替え男くんは何考えてるかほんとにわかんないなー……)

女「じゃ、私はご飯作るね」

男「おお、悪いないつも」

女「はいはい。今度またご飯おごってねー」

隣「あ、よかったら手伝わせて!」

女「あ、ほんとですか? よかった助かりますー」

男「じゃあ俺は二人の後ろでミニ四駆走らせて鼓舞する役するね」

女「いやここでおとなしくしててくれる?」

男「御意に」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女「あの、隣さん……」

隣「はい……」

女「カレーを作ってます」

隣「はい」

女「なんでジャガイモも人参も野菜スティック状なんですかね」

隣「…………」ニコッ

女「かわいい笑顔ですね。ごまかせてないですよ」

隣「ミニ四駆手伝ってこいと言われました」

男(ああ……追い払われたんだな)

隣「っていうか男くんミニ四駆とかしてるの?」

男「いえ、この前実家帰った時にたまたまコース見つけまして」

隣「持って帰ってきたんだ」

男「まだ売ってるんですね。一台買っちゃいましたよ」

隣「へえ……かっこいいねー」

男「お! でしょでしょ!! このバンパーがいいでしょ!! バンパーってダサくて嫌いなんですけどつけないとコースアウトしちゃってー云々」

隣(うれしそうだ……)

男「走らせてみます?」

隣「あ、みたいみたい」

男「いきますよー」

シャーーーーーーーーー

男「………………………」
シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隣「……………………………これ、たのしい?」
シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーガゴッ……ウィィィィィィィィィィィィィンッ

男「いただきます」

女「いただきます」

隣「いただきまーす」

男「相変わらずうまい……けどなんでこれフライドポテト入ってんの?」

女「ああそれは………ね」

隣「ごめんなさいでした」

男「なんだー、隣さんも料理できない組なんですね」

隣「ち、違うんだよ。なんかちょっと遊び心が出ちゃうだけなの」

女「料理中は制御するとおいしいご飯ができますよ」ニコリ

隣「わあ……」

男「含みのある笑顔だ」モグモグ

隣「でもおいしいねー。どこのルー使ったの?」

女「ルーは使ってないですよ。カレー粉とか」

隣「えっ………ルー使わずにカレー作れるのって作り話じゃなかったんだ……」

女「隣さん……遊び心抑えても料理できなさそうですね」

お隣さんat自室

隣「ふぁああ……疲れたー」

隣(でも今日は楽しかったなー。カレーすごくおいしかったし)

隣(男くん、あんな幼なじみいるんだーいいなー。美人で料理もうまくてしっかりしてて)

隣(仲良きことは美しきかな……わたしにいたっけ? 幼なじみなんて……)

隣(あんな子が近くにいたらわたしだったらほっとかないね! 男くんも隅におけないなあ)

隣(…………………? 今わたしもやっとした?)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女on帰路

女(今日は焦ったなー。あんなかわいい女の子部屋に連れ込んでくるなんて)

女(男いつのまにお隣さんと仲良くなんて……あいつ変態だけど妙にモテるからなー)

女(隣さん、かわいかったな……女の子ーって感じで。ふんわりしてて)

女(男ああいうの好きそうだもんなー。ラッキーなやつ、ああいう子がお隣さんとかもう)

女(どっちから話しかけたのかな? お隣さんと仲良くなる機会なんてそうそう……)

女(ん……………なんかちくちくするな……なんだろ)

翌日

女「おーい」

男「…………」

女「授業終わってるよー」

男「……? ??」

女「おはよ」

男「お、おおー。女」

女「女です。そんなんじゃまた試験前苦労するよ」

男「だいじょぶだいじょぶ聞いてたよ。上底たす下底かける高さ割る2……だろ?」

女「台形の面積は求めないよこれ民法の講義だよ」

男「ああ……台形を二重に転売したときの直角二等辺三角形の気持ちを答えよみたいなやつだ」

女「法律なのか数学なのか国語なのか全然わかんない問題だね」

男「答え:つらい」

女「まとめたなあ。直角二等辺三角形さん何者なの」

女「今日もご飯作りにいこっか?」

男「お、ツーデイズか? いいよいいよー」

女「っていうか男普段なに食べて生きてるの?」

男「学食とか……」

女「家では?」

男「マヨネーズ」

女「マヨネーズ!!?」

男「たまに味噌も」

女「あー……もう」

男「おいしいよ」

女「おいしいよ、じゃないでしょ! 死ぬよ!」

男「それは薄々感じてた」

女「言いなよ……」

男「ん?」

女「ご飯ないときは、言いなさい。作りにいってあげるんだから」

男「どうしたの?」

女「え、なにが?」

男「今日はやけに優しい」

女「わ、私はいつも優しいでしょ?」

男「それもそうか」

女「ね?」

男「助かってる」

女「う……急に素直になんな」

男「じゃあツンデレっぽく対応する」

女「それはちょっとうざそうだから遠慮する」

男「どうしろって言うんだ」

女「普通にしてて」

男「そうか。それならやっぱり、ありがとうだ」

女「!! もー……こいつは……」

男「?」

隣「お邪魔します」

男「どうぞどうぞ」

隣「今日は女ちゃん来ないの?」

男「夕食の買い物に行ってくれてますよ」

隣「そうなんだー」

男「つまり今は二人きりですね」

隣「!! そ、そういうこと言わない!!」

男「ちょっ、大きな声出さないでくださいよ。なんか恥ずかしくなるじゃないですか」

隣「え、あ、え、ごめん……ってこれわたしが悪いの……?」

男「いや俺が全面的に悪いですけど」

隣「だよね……知ってたよ………」

男「紅茶淹れますね」

隣「いつもありがとね」

男「ところで隣さん」

隣「んー? なーにー?」

男「今日も素敵な首筋ですね」

隣「あ、ありがとう……」

男「なめてもいいですか?」

隣「えっ……!!」

男「いや大丈夫です。ひとペロするだけなんで」

隣「なにその単位!?」

男「ひとペロ……」

隣「う………い、いい…よ………?」

男「えっ! 断られるかと思った」

隣「ひ、ひとペロだけだよ!!」

男「わかってますわかってます」

男「髪、触ってもいいですか?」

隣「えっ」

男「いえ首にかかっちゃってるので」

隣「あ、わたしかきあげよっか?」

男「いえできれば俺がやりたいです」

隣「なんか並々ならぬこだわりがあるんだね……」

男「それほどでも……」

隣「褒めてないからね」

男「じゃあちょっと」

隣「ん……」

男「…………」

隣「…………」ドキドキ

男「…………」ペロッ

隣「んっ……!」

男「はい」

隣「え?」

男「終わりましたよ」

隣「あ………え? あ、もう?」

男「? ひとペロですから」

隣(うわあめっちゃ満足そうだ……)

男「最高でした」

隣「そう……それはまあ、よかった……のかな」

隣(ほんとにひとペロだけって……まあある意味本物…………)

ガチャ

女「お邪魔しまーす」

隣「!」ビクッ

男「おー、サンキュー」

女「スーパー近いよねここー」

男「うらやましいだろー」

女「なにしてたの?」

隣「」ギクッ

男「まあいつものようにお茶してた」

女「いつものように、ってまた隣さんにセクハラしてたんじゃないの」

隣「っ!」

男「おー、してたしてた」

女「懲りないなこいつ……」

隣(あああ……女ちゃん男くんのこと好きなんだよねえ……)

隣(わたし……邪魔者? っていうかやなやつ……?)

隣「最低だあ……」

男「ん?」

女「え?」

隣「いや、なんでもないです……」

うわすまん寝ちゃってた
ちょっと今忙しいからこのまま残ってたら
夜にでもまた書くことにするぜ
最悪落ちてても立て直す
保守ありがとう

男「今日ご飯なに?」

女「コロッケだよ」

男「なにコロッケ?」

女「肉じゃが風味」

男「おお! いいねえ!!」

女「男のは段ボールしか入ってないコロッケだけどね」

男「マジかよそれっておいしいのか」

女「できるだけおいしくなる努力はしたよ」

男「その努力で普通のコロッケ作ってくれてもよかったんだよ」

女「はい。これ持って行って」

男「任せろ」

隣「男くん、段ボール好きなの?」

男「段ボール工作は好きでしたね」

隣「食材としての段ボールは?」

男「そんな段ボールがさも存在するかのように聞かないでください」

保守ありがとう
書きますね


隣「いただきます!」

女「いただきまーす」

男「フイッフゥー!」

女「いやフイッフゥって」

男「ホワッホォー! のほうがよかった?」

隣「なんか、そっちのほうがいただきますのニュアンス伝わるね」

男「でしょう?」

女「そんなわけないでしょ」

隣「そんなわけないよ男くん」

男「えええええええ……今のは隣さんが………」

女「テレビつけてい?」

男「あ、どうぞ」

女「ボジョレーヌーボーかー」

男「あれ、お前ワイン好きだっけ?」

隣「あ、わたし大好き!」

女「えっ」

男「えっ」

隣「えっ、なにその意外そうな顔」

女「隣さん……お酒飲めるんですか?」

隣「飲めるよ!! 成人したよ!!」

男「よしんば飲めたとしてもほろよいとかカロリとか、そっち系一本飲んだら寝ちゃうキャラじゃないですか」

隣「そんなキャラ付けなの!?」

女「この子酔わせてお持ち帰りしちゃおう! って近づいてきた輩が若干ひくレベルのお酒の弱さっぽい」

隣「ひくレベルってなに!? リバース!? リバースしてるよね!!?」

男「飲み会行って朝起きたら家じゅうのふすま全部外れてるタイプ……ですよね?」

隣「なんか確定事項の確認みたいになってる!? っていうか何があったわたし!!」

男「はー……衝撃の事実だった」

女「隣さんがお酒を……」

隣「なにわたしそんなロリかな。そんなつもりはまったくないけど」

男「いやまあ半ば冗談ですけどね」

女「かわいいけど子供っぽくはないですよ」

隣「あ……やった。よかった……」

男「それにほら」

女「ああ、うん。だよね」

隣「えーなにー?」

男・女「いやおっぱいあるし」

隣「おっぱい!!?」

隣「もーひどいよ……二人とも……」

女「やー、すみません……おっぱい触らせてください」

隣「さりげなくなにいってんの!? だめだよ!!?」

男「なめるだけでいいんで」

隣「ハードル上がってるよ!!?」

女「ごちそうさまでしたー」

男「ごちそうさまー」

隣「あ、ごちそうさま……」

女「食器洗ってくるー」

隣「あ、わたしもー」

女「食器は洗えるんですか?」

隣「そ、それくらいなら……」

男(うわあ自信なさげだ)

男「ビール飲みます?」

隣「あ、好きー」

女(もしかして酒好き?)

隣「二人も一緒に飲もうよー明日土曜日でしょ?」

女「えっ」

男「いや……」

隣「ん?」

男「お前はやめとけよ」

女「男こそ。すぐつぶれる癖に」

隣「二人とも弱い感じだ?」

男「いや弱いっていうか……」

女「好きなのは好きなんですけどね……」

隣「じゃあちょっと付き合ってよー。一人で飲むの寂しいな……」

女「う……まあちょっとだけなら………」

一時間後

隣「やっ……もうっ! 女ちゃんどこ触って……」

女「まあまあ、いいじゃないですか!! あはっ! 隣さんやわらか……」

隣「もうううぅ……うあっ男くんあんま動かないでっ!」

男「んん? んんんんんー……」

女「あはは、いいなあ男。隣さんにひざまくらしてもらえてー」

隣「ひざまくらしてあげたっていうか男くんが腰にしがみついて離れない感じなんだけど……」

女「酔うと男、そんな感じなんですよねえ。ああもううらやましいなあ。隣さんちゅーしましょうちゅー」

隣「だっ、あっ、だめっ! んっ!!」

隣(ものすごい絡み酒だ……男くんはともかく女さんもこうなるもんなの……!?)

隣「お、男くん……スカートまくれちゃう………」

男「………ギニア」

隣(ギニア!? ギニアってなに!!?)

女「ほっぺ! ほっぺならいいですよね!?」

隣「わっ、もっ、もおお……たすけてええぇぇぇ………」

隣人宅

隣(あーー………やっと落ち着いた…………)

女「あがりましたー」

隣「あ、はーい」

女「すみませんお風呂までもらっちゃって」

隣「んーん。というか立ち直り早いねー……」

女「意外とケロっとすぐ」

隣「記憶とかあるの?」

女「それが全然……でもご迷惑かけた空気を肌で感じてます」

隣「いやいいんだけどね……でも女ちゃんはお酒気を付けたほうがいいね」

女「よく言われます……というか隣さんはまだ飲んでるんですね」

隣「あ、うん。なんか飲み足りなくて」

女「あ! 男どうしたんですか?」

隣「なんとかベッドにおいてきたよ……」

女「ご苦労様です……」

隣「ヤクルト飲む?」

女「懐かしいですね」

隣「毎日飲んでるんだ」

女「なんか毎日ヤクルト飲んでそうなおっぱいですもんね」

隣「またおっぱい!? そろそろおっぱいネタやめようよ!!」

女「あはは、すみません……でも正直な話、カップはいくつですか?」

隣「えっ」

女「いいじゃないですかー。女同士」

隣「でぃ、D……?」

女「負けた……C」

隣「で、でも女ちゃんスタイルいいよ!」

女「そんな猥褻な身体の人に言われても……」

隣「わいせつ言うな!!」

女「褒めてますよ?」

隣「うれしくないよ!!!」

女「地味に気になったことがあるんですけど」

隣「? なんだろ」

女「この部屋一人暮らしですか?」

隣「そうだよー」

女「なんか端々に、二人暮らしっぽい気配が見え隠れするんですけど」

隣「あー……ちょっと前までね」

女「!! 同棲とかですか!!!」

隣「そんな色っぽいものじゃないよー。歯ブラシとかカップとかでしょ?」

女「そうそう。二つずつあるから」

隣「お兄ちゃんのだよ。今はもういないけどね」

女「!!! す、すみません……」

隣「?」

女「なんか……聞いちゃいけないことを……つらいですよね………」

隣「! いや、死んでないよ!?」

女「え、そうなんですか! てっきり」

女「海外勤務ですか」

隣「何年かね。急に決まっちゃったみたいで、ばたばたと出てったよー」

女「それで結構生活の痕が」

隣「ねー。わかるもんだねそういうの」

女「仲良かったですか?」

隣「うーん、どうだろ。喧嘩も結構してたけど、いなくなったら寂しいし、やっぱり仲良しだったのかなあ」

女「寂しい……んですか?」

隣「あ、でも最近は全然平気だよ! 女ちゃんも、男くんとも知り合えたし……」

女「あんなのでも役に立ってるならよかったです」

隣「あはは、きついねえ……なんか似てるんだ、男くん」

女「お兄さんとですか?」

隣「そうそう。人が良いところとか、ポーカーフェイスなとことか」

女「変態なとことか?」

隣「それはないけどね……」

隣「でもそう考えると、無意識にそこに甘えたかったのかなあ」

女「ん?」

隣「最初から警戒もなにもせずに男くんの家に自然に居ちゃったのって、きっと男くんがお兄ちゃんに似てるからなんだなあって」

女「ああそういうことかあ……なんかお兄さんにあってみたくなりますね」

隣「普通のお兄ちゃんだけどねー」

女「隣さんは男のことお兄ちゃん的な感じに思ってるんですか?」

隣「それはないないー。よくも悪くも男くんはわたしを女として見てくれてるしね」

女「性的な目で……」

隣「いやまあそれはそうなんだけど……その表現は語弊があるよね……」

女「私もよくわかんないんですよね」

隣「なにが?」

女「男と一緒にいて長いけど、長すぎたのかなあ……それこそ兄弟姉妹みたいな」

隣「ああー……」

隣(いや女ちゃん、多分男くんのこと好きだと思うよ……結構…………)

ガチャ

男「女ー、隣ー……」

隣「男くん!!」

女「起きてきた!!」

男「太もも…………」

女「あっこいつまだ膝枕中毒モードだ!! 逃げてください隣さん!!」

隣「えっ? えっ?」

男「いや、だいじょぶだよ?」

女「ふらふらじゃん!!」

男「女……太もも」

女「触るなーーー!!!」

隣(仲良いなあ……)

数日後

隣「おいし」

男「よかったです」

隣「今日女ちゃんは?」

男「今日はやらなきゃいけない課題があるそうです」

隣「そっか。二人きりだね」

男「!」

隣「ん?」

男「いえ、隣さんからそういうこと言うとは思ってなかったので」

隣「ふふー仕返しだよー」

男「お茶目かわいいですね」

隣「でもやっぱり顔にはでないね男くん」

男「そんなに出ませんかね、俺……」

隣「恥ずかしい空気ついでに恋バナでもしよっか」

男「なんか高校生みたいですね。最高です」

隣「さっそく興奮しないで」

男「すみません」

隣「男くんはさ、女ちゃんのことどう思ってるの?」

男「脚がエロい」

隣「それだけ!?」

男「いいやつですよ。俺の心配ばかりしてくれて」

隣「恋愛感情とかないの?」

男「さあどうでしょう……」

隣(表情からは読み取れないなあ、やっぱり)

隣「わたしお兄ちゃんいるんだけど、男くんに似てるんだあ」

男「あ、それ女から聞きました」

隣「それでね、これが二週間前にお兄ちゃんから届いたエアメール」

男「海外勤務でしたっけ。え、読んでいいんですか?」

隣「読んでみて」

男「……………………………これ、お兄さんのところに隣さんが行くみたいな前提で書いてあるんですけど」

隣「せいかーい!」

男「海外住まいになるんですか?」

隣「んー……もともとそういう予定だったの。わたしの仕事はネットさえあればできるし、両親もお兄ちゃんと暮らしとけってさ」

男「これ、二週間前の手紙ですよね?」

隣「うん、返事してない」

男「まずいんじゃないですか?」

隣「まずいよーお兄ちゃんからばしばしメール来るよー。離れてわかったけど、お兄ちゃん若干シスコンみたい」

男「だったらなおさら連絡とらないと」

隣「迷ってるんだもん」

男「え?」

隣「海外いくの」

隣「男くんと知り合ったからかなー」

男「どういう意味ですか」

隣「寂しくてしょうがなかったのに、そういうの全然なくなっちゃったから」

男「お兄さんは寂しがってるかもしれませんよ」

隣「そこなんだよねえ……お兄ちゃんもわたしと似て、寂しがり屋」

男「シスコンなんですねえ」

隣「もう毎日すっごいよ! メール見る?」

男「遠慮しときます」

隣「面白いのにー」

男「寂しいですね」

隣「寂しい?」

男「せっかく仲良くなれたのに」

隣「もう見送りムードなんだね」

男「だってそれは、俺が口を出せるようなところじゃ……」

隣「出せるよ?」

男「えっ……だって家族の問題じゃないですか」

隣「それでも男くんには、口を出せる権利があるんだよ」

男「?」

隣「もお………察してよ」

男「いや難しすぎますって」

隣「わたしが………男くんのこと好きになっちゃったからだよ」

男「!?」

隣「多分だけどね」

男「そ、そうなんですか?」

隣「あ、動揺してる! やった! 初めてみたよ男くんのそういう顔」

男「もしかしてからかわれてます?」

隣「ううん、これは本気のやつだよ」

男「いつから……?」

隣「最初からなのかなー」

隣「最初に男くん見たときにね。無意識に思っちゃったんだと思う。お兄ちゃんに似てるなって」

男「隣さんもブラコンですね」

隣「それを言わないで……まあきっかけはどうあれ、そうこうしてる間にどんどん親近感が募っていったわけです」

男「んー、でもそれって恋愛感情なんですか?」

隣「さあ……正直わかんない! でもね、なんか意識したら言いたくなっちゃってたまんなかったの」

男「うわあ……隣さんがそんな素直な感じだと、さすがに照れます………」

隣「照れて照れて!!」

男「顔見ないでください」

隣「だって珍しいんだもんー」

男「不覚だ…………」

隣「それじゃあ、今日は帰ろうかな」

男「えっ、ここでですか?」

隣「うん、それじゃあね」

男「あ、え、はい」

隣(…………………………………………………………………死ぬほど緊張したぁ!!!!)

隣(さて、わたしは言ったぞー)

隣(あとはがんばれ女ちゃん!)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日

女「今日隣さん来ないの?」

男「え、あ、ああ……隣さんね。どうなんだろ」

女(動揺してる……珍しいな。まあ告白されたら無理もないか)

男「今日はもしかしたら来ないかも」

女「どうして?」

男「それはまあ……その………」

女「うそうそ。なにがあったか知ってるよ」

男「えっ……なんで!?」

女「それはまあおいといて、私も男に話があります」

男「?」

女「…………ああ、恥ずかし。一度しか言わないからね?」

三日後 男宅

隣「それで女ちゃんは振っちゃったんだ」

男「はい」

隣「なんかわたしがけしかけちゃったみたいだ……正直女ちゃんと付き合うだろうと思ってたのに………」

男「隣さんがいけないんですよ」

隣「わたしー?」

男「正直一目ぼれしてもおかしくないくらいに、隣さんのこと気になってたんですから」

隣「わ……それはうれしいな」

男「あんな顔真っ赤にして告白されたら誰でもおちます」

隣「うそっ!? わたし超余裕な大人の女顔してたはず!!」

男「強がり大失敗でしたね」

隣「うわああああああ………聞きたくなかったよー……」

男「っていうかほんとに行っちゃうんですか」

隣「うん、もう荷物いくらか送っちゃったしねー」

男「せっかく告白したのに、結局あっち行っちゃうって……」

隣「ごめんね。これでも最後のけじめのつもりなんだ一応」

男「どういうことですか」

隣「わたし告白したときに、多分好き! って言ったよね」

男「言いましたっけ」

隣「言ったよー。それってつまり、親愛と恋愛を勘違いしてない自信がないってことなの」

男「俺をお兄さんの代わりと思ってるかも、ってことですか?」

隣「そういうこと! 今日は察しがいいね。だから、確かめたいの」

男「わざわざ離れる、ってことですか」

隣「あっちに行ってお兄ちゃんと過ごして、それでも男くんに会いたくて会いたくてしょうがないようなら、それは本物の恋愛かなあって」

男「なんか回りくどいですね。本末転倒な気もします」

隣「回り道も本末転倒もいろいろ許してよー。わたしこれ一応、初恋だからね?」

男「初恋は実らないっていうけど……」

隣「だいじょぶ! 男くんへの愛が本物だとわかったら文字通り飛んで帰ってくるよ!!」

女「あのー………」

男「あ、女」

女「ご飯できたよ! あと台所に声聞こえる!」

隣「うそっ」

女「ふられた私にそのイチャイチャトークは結構くるよ……」

男「いやそういうつもりは……」

女「まあ、その分開き直ったけどね。隣さんが余裕綽々であっち行ってる間に、男、私のこと好きにさせるからね!」

隣「ここまですがすがしく略奪宣言されるとなあ……」

女「あとで泣いても知りませんよー」

隣「色仕掛けはやめてね!!」

男「ああ、絶対ひっかかるわ」

隣「ひっかからないの!! おっぱいわたしのが大きいよ!?」

女「足は私のほうが長いけどねー」

男「幸せな状況だけど、迫られると躊躇するタイプだわ俺……」

女「では、明日から隣さんの前途を祝して!」

男・隣・女「「「いただきます!」」」

二ヶ月後 男宅玄関

隣「ちょっとかくまってください」

男「…………どうしたんですか?」

隣「いやしばらく離れてた後の兄の愛情って重たいね……」

男「逃げてきたんですか?」

隣「日本に帰るーって言ったらなんかお兄ちゃんついてきちゃって」

男「シスコン重症化したんですね……ていうかどうするんですか?」

隣「?」

男「隣の家、引き払っちゃったじゃないですか」

隣「あ」

男「あ、って……」

隣「それじゃあ、一生かくまってください」

男「! …………いいですよ」

隣「人がいいね!!」

男「よく言われます」
                                             おわり

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