櫻子「うぅ……勉強もうやだー!!」(343)

向日葵「毎日言ってるじゃありませんの」

櫻子「だって毎日勉強なんだもん!!」

向日葵「当たり前ですわよ」

向日葵「今のあなたは勉強することが第一でしょ?」

櫻子「そうだけどさぁ……」

向日葵「とにかく頑張りなさい、私はアルバイトに行ってきますわ」

向日葵「わからないところがあったら後で教えてあげるから」

櫻子「はぁい……」

向日葵「お昼ご飯は作ってあるから適当に食べなさい」

櫻子「はいはい」

向日葵「……ちゃんと勉強しますのよ?」

櫻子「わかってるってば! 向日葵はうるさいなぁ」

向日葵「なんですって!? あなたの為に……!」

櫻子「バイト遅刻するぞ~」

向日葵「くっ……いってきますわ!」ガチャ

櫻子「いってら~」

バタン

櫻子「はぁ~……勉強するか……」

櫻子「ん~……四面体OABCにおいて……辺ABを1:2に内分する点をP,辺BCを……?」

櫻子「うああ!! 問題文が長いんだよ!!」

櫻子「もっとこう……スマートに書けよ!」

櫻子「んあ~……」グテー

櫻子「……ちょっと寒くなってきたなぁ」

櫻子「もう11月か……」

櫻子「ん~~~~~……あと2ヶ月ちょっと……」

櫻子「……まだあるよね!」

櫻子「明日から毎日15時間やれば間に合う!!」

櫻子「よし! 明日から本気だす!!」

櫻子「ということで漫画買いに行こーっと」

本屋

櫻子「えーっと……新刊は……」キョロキョロ

あかり「あ! 櫻子ちゃん!」

櫻子「あかりちゃん! ちなつちゃんも!」

ちなつ「久しぶりだね! 勉強はかどってる?」

櫻子「ぇ……あ、あ~……ぼちぼちかな!」

あかり「今日はどうしたの? 参考書とか?」

櫻子「え!? あ、そうそう! 新しい参考書欲しくてさ!」

ちなつ「勉強頑張ってるんだね」

あかり「でもここ漫画コーナーだよ?」

櫻子「い、いや、あんまり来ないからわからなくて!」

あかり「そうなんだ、参考書はこっちだよ~」

櫻子「う、うん……」

ちなつ「なんの参考書買うの?」

櫻子「えーっと……す、数学!」

ちなつ「数学かぁ~……だったらこれとか……」

あかり「あ、これあかりも使ってた!」

櫻子「へ、へぇ~、じゃあ私もこれにしよう!」

あかり「あ、でも七森大学ぐらいのレベルだと物足りないかも」

ちなつ「確かにそうかも」

ちなつ「こっちの難関大向けの方がいいんじゃない?」

櫻子「あ、あ~……」ペラペラ

櫻子「(全然わからない……)」

あかり「櫻子ちゃんは七森大学に入るんだもんね!」

櫻子「う、うん! このレベルにする!」

櫻子「(結局買っちゃったよ……漫画も買えなかったし……)」

あかり「久しぶりだし良かったら何処かでご飯食べない?」

櫻子「え!!」

ちなつ「でももうすぐ受験だし櫻子ちゃんに悪くない?」

あかり「あ……そっか……ごめんね、櫻子ちゃん」

櫻子「い、いいよ! 大丈夫! たまには息抜きしないとね!」

ちなつ「でも……」

櫻子「大丈夫だって! この前の模試もいい判定出てたし! 」

あかり「じゃあ行こっか!」

櫻子「うん!」

櫻子「……あ」

櫻子「(向日葵がご飯作ってくれてたんだ……)」

ちなつ「どうしたの?」

櫻子「な、なんでも! どこいこっか!」

櫻子「うぅ~! 友達とご飯なんて久しぶり!」

あかり「勉強ばっかりだもんね」

櫻子「そ、そうそう! 家にこもりっきりで息が詰まっちゃうよ」

ちなつ「向日葵ちゃんとは行かないの? 一緒に住んでるんでしょ?」

櫻子「あ~……向日葵はバイトばっかりだし」

櫻子「休みの日も勉強してるから」

あかり「そっかぁ……向日葵ちゃん偉いよね」

ちなつ「もう模試でも七森大学志望者のなかでトップレベルなんでしょ?」

櫻子「うん、去年の時点で余裕で受かるレベルだったし」

ちなつ「もう東大にも入れるくらいじゃない?」

あかり「確かに向日葵ちゃんなら行けそう!」

櫻子「わかんないけど、地元離れる気はないんだって」

ちなつ「そっか……あっちは家賃も高いし」

あかり「離れちゃったらさみしくなるもんね」

櫻子「向日葵は寂しがりやだからな~」

あかり「それにしても櫻子ちゃんが七森大学行くって言い出した時は驚いたよぉ」

櫻子「い、いやぁ……」

ちなつ「しかも今年は受かりそうなんでしょ? すごいよね」

櫻子「ま、まあね」

あかり「向日葵ちゃんっていうすごい家庭教師もついてるしね!」

櫻子「そうかなぁ~」

ちなつ「大学行ってもやっぱり二人で暮らすの?」

櫻子「向日葵がどうしてもって言うならね!」

あかり「あはは……」

あかり「そう言えばあかり達も来年から二人で暮らすんだよ!」

櫻子「え!? そうなの!?」

ちなつ「うん! 大学一緒だし、一回家を出てみようと思って」

櫻子「へぇ~、相変わらず仲いいんだね」

ちなつ「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんほどじゃないよ」

櫻子「誰があんな奴……」

あかり「まあまあ……」

あかり「あ、デザート食べる?」

櫻子「食べる食べる!」

櫻子「勉強には糖分が必要だ!」

ちなつ「あはは、でも向日葵ちゃんもよくお菓子作ってくれるんでしょ?」

あかり「向日葵ちゃんお菓子作り上手だもんね」

櫻子「あ~、最近はあんまり作ってくれないよ」

あかり「え? そうなの?」

櫻子「またバイト増やしたみたいでさ」

ちなつ「そうなんだ……体壊さないといいけど……」

櫻子「ふー、お腹いっぱい!」

あかり「久しぶりで楽しかったよぉ」

ちなつ「時間とらせちゃってごめんね」

櫻子「大丈夫大丈夫! これでまた勉強頑張れるし!」

あかり「その意気だよ! 頑張ってね、櫻子ちゃん!」

ちなつ「じゃあ私達こっちだから」

ちなつ「向日葵ちゃんにもよろしくね」

櫻子「うん! またねー!」

あかり「ばいばぁい!」

櫻子「……ふぅ」

櫻子「漫画買って帰ろ~っと」

櫻子「あはははは! おっかし~!」ゲラゲラ

櫻子「はぁー面白かった」

櫻子「ん~……眠くなって来たなぁ」

櫻子「……」

櫻子「ま、難しい参考書買ったし!」

櫻子「今日は少しぐらい休んでもいいよね」

櫻子「寝よーっと」

向日葵「ただいま……」ガチャ

向日葵「櫻子、勉強は……」

櫻子「すぅ……すぅ……」

向日葵「……はぁ」

向日葵「櫻子、櫻子! 起きなさい!」

櫻子「ん……? ふぁ……?」

向日葵「こんなところで寝ると風邪ひきますわよ」

櫻子「ぁ……うん」

向日葵「それにあなた勉強は?」

櫻子「あー……ちょっと参考書買いに行ってて……」

向日葵「……漫画も買ったみたいですわね」

櫻子「い、いいだろ! 息抜きだよ!」

向日葵「まあ少しぐらいならいいかも知れませんけど」

向日葵「あなたこの前の模試も良くなかったのに……」

向日葵「あら? あなたお昼ご飯は食べませんでしたの?」

櫻子「あ、ごめん」

櫻子「本屋であかりちゃんとちなつちゃんにばったり会ってさ」

櫻子「そのまま外で食べて来ちゃった」

向日葵「……そうですの」

向日葵「じゃあ夜ご飯はこれでいいですわね?」

櫻子「え~!? 冷めてるじゃん!」

向日葵「レンジで温めればいいでしょ」

櫻子「出来たてがいい!」

向日葵「……」

向日葵「じゃあ私が食べますわ」

向日葵「櫻子の分の夕飯すぐ作りますわね」

櫻子「ステーキがいい!」

向日葵「そんなもの出せませんわよ」

櫻子「ええ~! じゃあハンバーグ!」

向日葵「……ひき肉がありませんわ」

櫻子「買ってこればいいじゃん」

向日葵「はぁ……」

向日葵「今日は疲れてるのであるもので我慢なさい」

櫻子「ちぇっ……向日葵のケチ~」

向日葵「……」

向日葵「はい、出来ましたわよ」

櫻子「え~! お肉ないじゃん!」

向日葵「買い物行けないんだから仕方ないでしょ」

櫻子「さっき行けばよかったじゃん」

向日葵「……近くのスーパーはもうしまってますわ」

櫻子「駅前はまだやってるし」

向日葵「あそこは高いんですわよ」

櫻子「そんなこといって行きたくないだけだろ~」

向日葵「……違いますわ」

向日葵「私だって食費を考えて……」

櫻子「お金ないのは向日葵だけじゃん」

向日葵「……」

向日葵「そもそも家事全般私がやってますのよ?」

向日葵「それなのにあなたは文句ばかり……」

櫻子「誰も頼んでないし!」

向日葵「じゃああなたにできますの!?」

櫻子「な、何怒ってんだよ」

向日葵「……怒ってませんわよ」

櫻子「怒ってるじゃん」

向日葵「怒ってないって言ってるでしょ」

櫻子「ふん……」

櫻子「私だって家事ぐらい出来るし!」

櫻子「やらないだけでやれば出来るもん!」

櫻子「それぐらいで威張るなよ!」

向日葵「威張ってなんか……!」

向日葵「……もういいですわよ」

         /⌒⌒ヽ
    〃〃∩| |」ハ」」キハ
     ⊂⌒ζリ ;д;ノζ < やだやだー! やだー!!
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ジタバタ
     r" ⌒⌒ヽ
     ハ」」ハキ」 | |
    ζ;д; リ∩ < やだやだーー!
     ⊂   ヽ
       ヽ∩ つ  ジタバタ
         〃〃

向日葵「それにあなたがしないといけないのは勉強ですわ」

向日葵「もう受験も近いんだから頑張りなさい」

櫻子「言われなくてもわかってるっつーの!」

向日葵「……」

向日葵「今年落ちたら流石の私も面倒見切れませんわよ」

櫻子「ふん! 一人の方が勉強はかどるかもね!」

向日葵「そうですか……それなら……」

櫻子「な、なんだよ」

向日葵「……なんでもありませんわ」

向日葵「早く食べて勉強なさい」カチャ

櫻子「言われなくてももともとする気だし」

向日葵「ならいいですわ」ガタッ

         /⌒⌒ヽ
    〃〃∩| |」ハ」」キハ
     ⊂⌒ζリ;Д;ノζ <一緒に帰ってくれなきゃヤダヤダ!
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ジタバタ
         /⌒⌒ヽ
    〃〃∩| |」ハ」」キハ
     ⊂⌒ζリ;Д;ノζ <宿題見てくれなきゃヤダヤダ!
       `ヽ_つ__つ
              ジタバタ

        , ⌒⌒\
      ハLLキハ| |
     ζ;Д; (i∩ <夕飯和牛ステーキがいい!
     ⊂   (

       ヽ∩ つ  ジタバタ
         〃〃
         /⌒⌒ヽ
    〃〃∩||」ハ」」キハ
     ⊂⌒ζリ⊃Д;ノζ <向日葵の手作りワッキーがいい…
       `ヽ_ ノ ⊂ノ
              ジタバタ

       ∩/⌒⌒ヽ
     ⊂⌒||」ハ」」キハ <向日葵が…いなきゃ…
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ヒック...ヒック...

       ∩/⌒⌒ヽ  zzz…
     ⊂⌒||」ハ」」キハ  、-,
       `ヽ_つ ⊂ノ   (_)

>>40
どうしても気になったんだが向日葵の手作りワッキーってなんぞ

櫻子の部屋

櫻子「なんだよ、向日葵のやつ」

櫻子「私だって勉強する気ぐらいあるし」

櫻子「……」

櫻子「えーっと……今日買った参考書……」ガサガサ

櫻子「これだってちゃんと考えれば……」ペラペラ

櫻子「……」ペラペラ

櫻子「ふぅ」パタン

櫻子「ダメだ……わからん」

櫻子「そもそも高校の時の参考書も終わってないのに……」

櫻子「ああ~もう! 明日だ、明日!」

櫻子「明日になったらやればいいや!」バフッ

>>41
これのクッキーがワッキーにしか見えなくて困る
http://i.imgur.com/Ho5d2.jpg

>>44
なるほど元ネタがあんのか

向日葵「……ふぅ」パタン

向日葵「今日はこのくらいでいいですわよね」

向日葵「櫻子はちゃんとやってるのかしら……」

向日葵「……」

向日葵「櫻子? 入りますわよ?」コンコン

向日葵「櫻子、勉強は……」

櫻子「すぅ……すぅ……」

向日葵「……はぁ」

向日葵「櫻子、起きなさい! 勉強するんじゃなかったんですの?」ユサユサ

櫻子「ん……ぁ……?」

向日葵「勉強はどうしましたの?」

櫻子「なんだよ向日葵……うるさいなぁ」

向日葵「……勉強、するんじゃなかったんですの?」

櫻子「今日は疲れたんだよ~……」

櫻子「明日からちゃんとやるって」

向日葵「あなたいつもそればっかり……」

櫻子「今度は本当だって」

櫻子「今日は本屋言って疲れたからもう寝る」

向日葵「そんなこといって……」

櫻子「すぅ……すぅ……」

向日葵「勉強……」

向日葵「……」

次の日

向日葵「櫻子! 起きなさい!」

櫻子「んぁ?」

向日葵「私もうバイトの時間ですわ!」バタバタ

向日葵「朝ご飯はパンがあるから……お昼ご飯は自分でどうにかしなさい!」

向日葵「わかりましたわね!?」ドタドタ

櫻子「騒がしいなぁ」ムクリ

向日葵「いってきます!」ガチャ

櫻子「はぁーい」

櫻子「……寝坊?」

櫻子「向日葵が寝坊なんて珍しい……」

櫻子「疲れてるのかな」

櫻子「ま、いっか! もう一眠りしよーっと」バフッ



櫻子「ふぁ~あ……」

櫻子「あーよく寝た!」

櫻子「えーっとご飯ご飯」ドテドテ

櫻子「ん~……? あ、イチゴジャムないじゃん!」

櫻子「なんだよ向日葵、買っとけよ~」

櫻子「……まあいっか」

櫻子「ふんふんふ~ん♪」

櫻子「……そういや向日葵今日寝坊してたな」

櫻子「バイトして勉強して家事だから大変なのかも」

櫻子「全くしょうがないなぁ」

櫻子「たまにはこの櫻子様が夕飯家事してやるか!」

櫻子「となると何しようかな」

櫻子「とりあえず今日の夕飯は私が作ってやろう!」

櫻子「買い物も行っちゃうし!」

櫻子「ん~、なに作ろうかなぁ」

櫻子「最近向日葵の料理も手抜きが多いし……」

櫻子「すごいの作って見返してやろう!」

櫻子「よーし! やる気出てきたぞ!」

櫻子「本屋でレシピ本買ってこよう!」

本屋

櫻子「ん~……」パラパラ

櫻子「これは簡単すぎるかな」

櫻子「もっと凝った感じの……」ペラ

櫻子「……」

櫻子「よしこれだ!」

櫻子「後はスーパーいって……」

櫻子「いい食材買っちゃうもんね!」

櫻子「ふっふっふっ……見てろよ、向日葵!」



櫻子「ああ~! 重かった!」ドサッ

櫻子「途中でケーキも買っちゃったし」

櫻子「……ちょっと休憩してから作ろう」

櫻子「えーっとお菓子お菓子……」ガサガサ

櫻子「もう夕方かぁ」パリパリ

櫻子「今日も勉強しなかったなぁ……」

櫻子「……ま、今日は仕方ないよね」

櫻子「家事してやってるんだし! ケーキも買ってきたし!」

櫻子「向日葵も大目に見てくれるはず!」

櫻子「むしろ感謝して優しくなるかも!」

櫻子「よーし! やるぞー!」

櫻子「えーっと……鳥肉はそぎ切りして?」グチャグチャ

櫻子「なんだよ、この包丁! ちゃんときれないじゃん!」

櫻子「全く! せっかくの食材が台無しだ!」

櫻子「まあいいや……そんで塩コショウ……」

櫻子「それと小麦粉か」ペチペチ

櫻子「なんだかすごく料理してるっぽい!」

櫻子「やっぱり私やれば出来るじゃん!」

櫻子「みてろよ向日葵!」

櫻子「で……えーっと……ボウルに……」

櫻子「あとはオーブンで焼くだけか!」

櫻子「えーっと」ピッピッピッ

櫻子「よし! これであとは出来上がりを待つだけ!」

櫻子「ふー……いい仕事したぜ~」

櫻子「……そうだ! 洗濯もしといてやろう!」

櫻子「向日葵嬉しすぎて泣いちゃうな!」

櫻子「洗濯なんてボタン押すだけだし簡単簡単」

櫻子「向日葵の服も洗ってやるか!」ポイ

櫻子「スイッチオーン!」ピッ

櫻子「ふぅ……終わるまで暇だな……」

櫻子「漫画でも読もーっと」

向日葵「ただいま」ガチャ

向日葵「あら?なにか焦げ臭い……?」

向日葵「櫻子!?」

向日葵「何か……」

向日葵「なんですのこれ……」

向日葵「櫻子? 櫻子!!」

櫻子「お、向日葵おかえり~」ガチャ

向日葵「あなた何をしてますの?」

櫻子「ふっふっふっ……この櫻子様が夕飯をつくってやったんだ!」

向日葵「夕飯を……?」

櫻子「感謝しろ!」

櫻子「私が本気を出せばこれぐらい……」

向日葵「オーブンですわね……」

櫻子「え?」

向日葵「やっぱり……」パカッ

向日葵「焦げてるじゃありませんの……」

櫻子「うそ!?」

向日葵「はぁ……」

向日葵「台所もこんなに散らかして……」

櫻子「そ、それは食べ終わってからやるし……」

向日葵「普通使わないような調味料も、すでに家にあるようなのも買ってきて……」

櫻子「すごい料理作るにはいい材料が必要なんだよ!」

向日葵「出来たのはただの黒い塊じゃありませんの」

櫻子「う、うるさいな! たまたま失敗しただけだろ!」

向日葵「まともに料理もしたことないのにいきなり凝った料理作ろうとするからですわ!」

櫻子「なんだよ! 私は向日葵の為に……」

ピピッ ピピッ

櫻子「あ……」

向日葵「洗濯機?」

櫻子「せ、洗濯もしてやったんだぞ!」

向日葵「洗濯……?」スタスタ

向日葵「……」パカッ

櫻子「この櫻子様が手伝ってやったんだら感謝して……」

向日葵「この服……」

櫻子「向日葵の服も仕方なく洗ったんだぞ」

向日葵「色が移って……買ったばかりなのに……」

櫻子「ぇ……」

向日葵「せっかくお金貯めて……買ったのに……」

櫻子「それは……洗濯とかしたことないから……」

櫻子「わかんないし……」

向日葵「……なんでこんなことしましたの」

櫻子「向日葵が……向日葵が……」

向日葵「私が……なんですの?」

櫻子「疲れて……」

向日葵「?」

櫻子「向日葵が悪いんだぞ!!」

向日葵「私が……?」

櫻子「向日葵が家事出来るぐらいで偉そうにするから!」

向日葵「……」

櫻子「私だってやれば出来るんだから……だから……」

向日葵「……出来てないじゃありませんの」

櫻子「う、うるさいな」

向日葵「それにあなたがしないといけないのは勉強ですわよ」

向日葵「それなのにこんなこと……」

櫻子「うるさい!」

櫻子「だいたい向日葵だってちゃんと家事やってないだろ!」

櫻子「最近料理だって手抜きだし!」

櫻子「お菓子も作ってくんないし!」

向日葵「ちゃんとご飯は作ってますでしょ……」

櫻子「もっと良いものが食べたいの!!」

向日葵「私だってちゃんとバランスと食費を考えて……」

櫻子「お金が無いのは向日葵だけだろ!!」

向日葵「っ!!」

櫻子「私は向日葵の食費に合わせて同じ額出してるだけだもん!」

櫻子「私がお金出せばもっと良いものたべれるし!」

向日葵「それはあなたのお金じゃないでしょ! それを偉そうに……」

櫻子「だ、だからなんだよ! バイトしてないんだからしょうがないだろ!」

向日葵「ならその分一生懸命勉強してますの!?」

櫻子「し、してるし!」

向日葵「そうは見えませんわ!」

向日葵「わからないところも全く聞きに来ないじゃありませんの!」

櫻子「向日葵に聞くようなことなんてないんだよ!!」

向日葵「じゃあ模試の成績はなんですの!?」

櫻子「たまたま悪かっただけだし!!」

向日葵「いつもそればっかり!! そんなんじゃ七森大学なんていけませんわよ!!」

櫻子「うるさいな!! 向日葵には関係ないだろ!!」

向日葵「ここまで世話させておいてどの口がいいますの!?」

櫻子「うるさいうるさいうるさい!!」

櫻子「自分はいいだろ! 余裕で受かるぐらいなんだから!」

向日葵「私じゃなくて櫻子の話ですわ!」

櫻子「だから関係ないって言ってるだろ!」

向日葵「私だけ受かっても仕方ないんですわよ!」

櫻子「ああ~!! もういいよ!」

櫻子「向日葵といると疲れる! 一緒に暮らすんじゃなかった!!」

向日葵「なっ……」

櫻子「豪華なご飯も食べれないし! ぐちぐちうるさいし!」

向日葵「……」

櫻子「どいて! 片付けるから!」

向日葵「ぁ……」

櫻子「全く……」カチャカチャ

向日葵「……私がやりますわ」

櫻子「はぁ? いいよ、私がやるから」

向日葵「いえ……大丈夫ですわ」

向日葵「それより夕飯はどうします?」

向日葵「お米も炊いてないみたいですけど」

櫻子「……わ、私はケーキあるからいい」

向日葵「ケーキ? でもケーキだけじゃ……」

櫻子「二つあるからいいの! 自分のお金で買ったんだから文句ないだろ!」

向日葵「え、ええ……」

櫻子「今日は部屋で食べるから!」ガチャ

向日葵「わかりましたわ……」

向日葵「はぁ……」カチャカチャ

向日葵「……」

向日葵「櫻子……」

向日葵「私のせいですわね」

向日葵「私がちゃんとしてないから……」

向日葵「もっと頑張らなくては……」

向日葵「……」


向日葵「……」

次の日

向日葵「櫻子、朝ですわよ」

櫻子「……んん」

向日葵「朝ごはん出来てますわ」

向日葵「冷めないうちに食べるのよ」

櫻子「あ、うん」

向日葵「それでは私アルバイトに行きますので」

櫻子「……いってらっしゃい」

櫻子「……」

櫻子「なんだよ向日葵のやつ」

櫻子「いつも通りじゃん……」

櫻子「昨日は言いすぎたと思ったのに……」

櫻子「まあいいや! ご飯ご飯~」

櫻子「やっぱりケーキ二つじゃ足りなかったからなー」

櫻子「お腹空いちゃった」

櫻子「お! この匂いは……」

櫻子「フレンチトースト!」

櫻子「やったぁ! 今日はついてるぞ!」

櫻子「牛乳、牛乳~」ガチャ

櫻子「あ! イチゴジャム買ってある!」

櫻子「やっぱりこれがないとね」

櫻子「向日葵もわかってるじゃん!」

櫻子「さー食べよ食べよ」

櫻子「ふぅー美味かった!」

櫻子「向日葵のフレンチトーストなんて久しぶりだったなぁ」

櫻子「ふわふわで甘くて……」

櫻子「向日葵なりの謝罪の気持ちかな」

櫻子「ま、まあ私もあれだったけど向日葵だって偉そうなのが悪いんだし……」

櫻子「……」

櫻子「勉強……しようかな」

櫻子「そろそろやらないと流石にね」

櫻子「よし! 勉強しよ!」

30分後

櫻子「うあー! 飽きた!」

櫻子「なんだよ! わかんないよ!」

櫻子「もぉ~……なんだよぉ……」

櫻子「向日葵~わかんない~」

櫻子「……はぁ」

櫻子「ちょっと休憩しよ」

櫻子「テレビテレビ……」

櫻子「あははは! バッカでぇ~!」

櫻子「ん? もうこんな時間か」

櫻子「ちょっと休憩しすぎたかな」

櫻子「勉強勉強……」

櫻子「っていってもわかんないことだらけだし」

櫻子「なにからしていいか……」

櫻子「……」

櫻子「うー……今日は社会をやろう」

櫻子「数学はまた今度でいいや」

櫻子「んぁ~……!」

櫻子「結構勉強したなぁ~」

櫻子「もう7時半か……向日葵遅いな」

櫻子「いつもなら帰ってる時間なのに」

櫻子「なんか……」

向日葵「ただいま帰りましたわ」ガチャ

櫻子「あ、帰ってきた」

櫻子「向日葵遅かったじゃん、どうしたの?」

向日葵「少し買い物に」

向日葵「すぐ夕飯作りますわね」

櫻子「あ、うん……」

うお残ってたか
すまんあと一時間ちょっとしたら書く
もう終わり近いから戻ったらすぐ終わると思う

向日葵「櫻子、出来ましたわよ!」

櫻子「ほーい」トテトテ

櫻子「ってステーキじゃん! なんで!?」

向日葵「なんでって…….櫻子ステーキ好きでしょ?」

櫻子「そ、そうだけどさ」

櫻子「いつもは贅沢言うなって……」

向日葵「櫻子はそんなこと気にしなくていいんですのよ」

向日葵「ほら、冷めないうちに食べなさい」

櫻子「う、うん……いただきま……」

櫻子「あれ? 向日葵の分は?」

向日葵「あ、ああ、私は後で食べるので大丈夫ですわ」

櫻子「後で?」

向日葵「今はお腹空いてませんの」

櫻子「ふーん……」

櫻子「ま、いいや! いただきまーす!」

櫻子「んっ!」パクッ

櫻子「うめー!! 向日葵! これ美味い!」

向日葵「それは良かったですわ」

向日葵「これで櫻子も頑張れますわね」

櫻子「うん! やっぱりお肉食べないと!」

向日葵「うふふ」

櫻子「はぁー! 美味しかったー!」

向日葵「満足しまして?」

櫻子「大満足!」

向日葵「良かった……」

向日葵「勉強すればまた夜お腹が空きますわよね」

向日葵「何かお菓子を作って差し上げますわ」

櫻子「え!? ほんと!?」

向日葵「ええ、何が食べたい?」

櫻子「ん~……プリン!!」

向日葵「分かりましたわ」

向日葵「また夜に部屋まで持っていきますわね」

櫻子「あー……うん」

櫻子「でも……」

向日葵「なんですの?」

櫻子「なんていうか……昨日の……」

向日葵「……?」

櫻子「な、なんでそんないきなり優しく?」

向日葵「当たり前ですわよ」

向日葵「櫻子が大学行く為に頑張ってるんですもの」

向日葵「私が邪魔するわけにはいきませんわ」

櫻子「じ、邪魔って……」

向日葵「さ、早く片付けてプリン作らないといけませんわね」

櫻子「……」

櫻子の部屋

櫻子「……向日葵」

櫻子「どうしたんだろ」

櫻子「昨日はあんなに怒ってたのに……」

櫻子「……ま、いっか! ご飯も豪華になったし!」

櫻子「お菓子も作ってくれるし!」

櫻子「いいことだらけだ!」

櫻子「たまにはガツンと言ってやるのがいいのかも」

櫻子「うん!」

櫻子「よし、ステーキ食ったし、勉強しよーっと!」

数時間後

コンコン

向日葵「櫻子? 入りますわよ?」

櫻子「(やべっ!)」バサッ

櫻子「い、いいよ!」

向日葵「勉強してましたのね」

櫻子「う、うん!」

向日葵「プリン出来ましたわ、ココアもいれましたけど……」

櫻子「あ、ああ! もらうもらう!」

向日葵「プリンはもう一つありますわよ」

向日葵「食べます?」

櫻子「あー、後でいいよ、まだ勉強するし」

向日葵「偉いですわね」

櫻子「ま、まあ流石にね」

向日葵「あら……これ……」

櫻子「(漫画読んでたのバレた!?)」

向日葵「この前言ってた新しい参考書ですわね」

櫻子「え? あ……ああ! そう! 」

向日葵「難関大レベルのものを買ったんですのね」

櫻子「そうなんだけど……良くわかんないんだよね」

向日葵「そうですの? どの辺りがわかりませんの?」

櫻子「え、えーっと……」

櫻子「ここからここまでと……あとこの辺りも全部……」

向日葵「そうですの……」

向日葵「よかったら私が教えて差し上げますけど……」

櫻子「え~……あー、今は社会やってるから……」

向日葵「それは残念ですわね」

櫻子「ま、まあ出来るだけ自分でやってみるよ!」

向日葵「ええ、頑張りなさい」

向日葵「あともう少しでお風呂沸きますけどどうします?」

櫻子「入る入る!」

向日葵「わかりましたわ」

向日葵「じゃあ頑張るのよ」パタン

櫻子「はーい」

櫻子「ふー、あったまったあったまった」

櫻子「さーて風呂上りのプリンっと~」

櫻子「ん~! うまい!」

櫻子「いやーこの瞬間の為に生きてると言ってもおかしくない!」

櫻子「ん~……」

櫻子「どうしてお風呂入ると眠くなるかなぁ」

櫻子「……」

櫻子「まあ今日は結構勉強したし……」

櫻子「上出来かな!」

櫻子「寝よーっと」



向日葵「櫻子、朝ですわよ!」

櫻子「んん~……」

向日葵「ほら、起きなさい」ユサユサ

櫻子「わかったよ~……」

向日葵「朝ご飯出来てますから冷めないうちに食べるのよ」

櫻子「はいはい」

向日葵「じゃあいってきますわね」ガチャ

櫻子「ほーい」

バタン

櫻子「……あと1時間」

櫻子「すぅ……すぅ……」

櫻子「ん……んあ?」パチッ

櫻子「あ~……もうお昼か」

櫻子「ご飯ご飯……」トテトテ

櫻子「冷めてる……」

櫻子「ん~……ハンバーガーの気分かな」

櫻子「よし! ハンバーガー!」

櫻子「ふふんふ~ん♪ハンバーガー♪」

櫻子「ふふん……ん? ノート……櫻子へ?」ペラッ

櫻子「櫻子がわからないと言っていた問題の要点をまとめました。良かったら使ってください?」

櫻子「え!? これ全部!?」ペラペラ

櫻子「一晩で……?」

櫻子「向日葵……」

櫻子「やっぱりご飯食べよ……」

櫻子「……」

櫻子「今日はちゃんと勉強しよっかな」

櫻子「せっかく向日葵がまとめてくれたし」

櫻子「数学やらないと……」

櫻子「……」

櫻子「大学……行けるかな……」

向日葵「ただいま帰りましたわ」ガチャ

向日葵「櫻子?」

櫻子「すぅ……すぅ……」

向日葵「あら……勉強しながら寝てしまいましたのね」

向日葵「もう少し寝させてあげましょうか」

向日葵「……やっぱり私が頑張れば櫻子はちゃんと勉強してくれますのね」

向日葵「もっと頑張れば櫻子も七森大学にきっと入れますわ」

向日葵「私がもっと……」

向日葵「もっと……」

向日葵「櫻子、夕飯出来たわよ、起きなさい」

櫻子「んあ? 向日葵……」

向日葵「勉強頑張ってたんですのね」

向日葵「夕飯出来てますわよ」

櫻子「あ、うん」

向日葵「今日はハンバーグカレーですわよ」

櫻子「ハンバーグカレー!? すごい!」

向日葵「櫻子のためですもの」

櫻子「しかもハンバーグおっきい!!」

向日葵「喜んでもらえて嬉しいですわ」

櫻子「あれ? 向日葵のハンバーグは?」

向日葵「ああ、私はカレーだけで大丈夫ですわ」

櫻子「でも……」

向日葵「大丈夫ですわよ」

向日葵「櫻子は勉強頑張ってますものね」

櫻子「だけど向日葵だって……」

向日葵「大丈夫って言ってるじゃありませんの」

向日葵「櫻子は自分の心配だけしてなさい」

櫻子「う、うん……」

向日葵「あ、もうこんな時間!」

櫻子「なにかあるの?」

向日葵「アルバイトですわ」

櫻子「え?」

向日葵「オーブンにマドレーヌが入ってますわ」

向日葵「もう少しで出来るからお腹空いたら食べるんですわよ?」

向日葵「あとお風呂は洗ってあるから……」

櫻子「ちょ、ちょっとまって!」

向日葵「なんですの?」

櫻子「またバイト増やしたの?」

向日葵「ええ、そうですけど……」

櫻子「なんで? 今まででさえ休みなしで毎日働いてたのに……」

向日葵「櫻子が気にする事じゃありませんわよ」

櫻子「でも!」

向日葵「大丈夫ですわ」

向日葵「じゃあ12時過ぎには戻って来ますから」ガチャ

バタン

櫻子「向日葵……」

ピピッ

櫻子「あ……マドレーヌ……」

櫻子「……」パカッ

櫻子「よいしょ……」

櫻子「……」スッ

櫻子「……おいしい」

櫻子「おいしいよ、向日葵」

櫻子「……私の」

櫻子「私のせいだよね?」

櫻子「勉強しなきゃ……」

櫻子「向日葵の為にも私の為にも……」

櫻子「七森大学に……」

櫻子「向日葵と同じ大学に行きたい……」

櫻子「やらなきゃ……」

櫻子「いつまでもこんなんじゃダメだ」

櫻子「いつかは向日葵にだって見捨てられちゃう」

櫻子「そしたら私……」

櫻子「向日葵がいなきゃ……」

櫻子「私……」

向日葵「ただいま……」ガチャ

向日葵「流石にこの時間まで働くとなると疲れますわね……」

向日葵「櫻子はもう寝たかしら?」

向日葵「櫻子? 入りますわよ?」ガラッ

櫻子「すぅ……すぅ……」

向日葵「櫻子ったらまた机で寝て……」

向日葵「櫻子、こんなところで寝ると風邪引きますわよ?」ユサユサ

櫻子「ん~~……」

向日葵「しょうがないですわね」

向日葵「よいしょ……」

向日葵「ふぅ……おやすみなさい、櫻子」

向日葵「えーっと食器を洗って……洗濯……明日の朝の準備をして……」

向日葵「それからやっと勉強出来ますわね」

向日葵「櫻子の為にノートもまとめてあげたいですし……」

向日葵「本当は直接教えてあげたいんですけれど……仕方ありませんわね」

向日葵「ふぅ……大変ですわ」

向日葵「それでもやっと櫻子が勉強してくれるようになりましたし……」

向日葵「ここでくじけるわけにはいきませんわね」

向日葵「頑張らなくては……」

次の日

向日葵「櫻子、朝ですわよ」

櫻子「んぁ……おはよ」

向日葵「ご飯出来てますわよ」

櫻子「うん……すぐ行く」

櫻子「ん~……」トテトテ

向日葵「お昼ご飯は冷蔵庫に入ってますわ」

向日葵「昨日のマドレーヌもまだあるからおやつに食べなさい」

櫻子「向日葵……」

向日葵「なんですの?」

ふぁっく

櫻子「あんまり寝てないの?」

向日葵「え?」

櫻子「目の下……隈が……」

向日葵「そんなこと……」

櫻子「顔も疲れてるよ」

櫻子「やっぱりバイト……」

向日葵「だ、大丈夫ですわよ!」

向日葵「ちょっと難しい問題があったので寝るのが遅くなっただけですわ」

櫻子「でも……」

向日葵「櫻子は自分の心配だけしてなさいって言ったでしょ?」

向日葵「とにかく私は大丈夫ですわ」

櫻子「……」

向日葵「それより櫻子、他にわからないところはありますせんの?」

向日葵「あなたベクトルが苦手でしたわよね」

櫻子「あ……うん……」

向日葵「またあの参考書に沿って要点をまとめておきますわ」

向日葵「他にもわからないところが会ったら言うんですのよ」

向日葵「数学だけじゃなくても他の教科も……」

櫻子「向日葵……」

向日葵「本当は直接教えるのが1番良いんですけれどアルバイトが……」

櫻子「向日葵!」

向日葵「な、なんですの?」

櫻子「そ、その……あんまり無理したら……」

向日葵「……大丈夫ですわよ」

向日葵「私は大丈夫ですわ」

櫻子「でも!」

向日葵「とにかく、櫻子は勉強を頑張りなさい」

向日葵「それ以外のことは考えなくてもいいんですわよ」

櫻子「だけど……」

向日葵「あ、そろそろいかなくては……」

向日葵「じゃあいってきますわね!」ガチャ

櫻子「……」

櫻子「大丈夫じゃないよ……」

ふぁっく

櫻子「……」カリカリ

櫻子「……」

櫻子「向日葵……」

櫻子「私向日葵に頼りっぱなし……」

櫻子「私も家事とか出来ればいいのに……」

櫻子「……そうだ、お風呂掃除ぐらいなら出来る!」

櫻子「キリのいいところまで行ったらお風呂掃除しよう!」

櫻子「よーし!」

向日葵「ただいま」ガチャ

櫻子「あ、向日葵おかえり」

向日葵「櫻子……なにしてますの?」

櫻子「何ってお風呂掃除だけど」

向日葵「そんなこと私がやりますわよ」

向日葵「あなたは勉強……」

櫻子「これぐらいなら私にもできるって」

櫻子「それに向日葵バイトばっかりで大変だし……」

向日葵「そんなことありませんわよ」

向日葵「櫻子は……」

櫻子「それに向日葵だって勉強しないといけないじゃん」

向日葵「私の勉強について心配はいりませんわ」

向日葵「確かに油断はよくないですけど受かるレベルは保てていますもの」

櫻子「いいからいいから!」

櫻子「あとご飯は出前頼んどいたから」

向日葵「え?」

櫻子「今日は次のバイトまでちょっと寝てればいいよ」

向日葵「あ……じ、じゃあお金を……」ゴソゴソ

櫻子「いいよ、そんなの」

向日葵「良くありませんわ」

向日葵「食費を管理してるのは私ですもの」

向日葵「別にお金がかかったら払わないと……」

櫻子「だからいいって!」

向日葵は自分で学費&生活費を稼ぐために浪人してる設定
入学金とか高いよね

向日葵「よくありませんわ!」

櫻子「いいっていってるじゃん!」

櫻子「だいたい向日葵は自分一人でなんでもやろうとしすぎなんだよ!」

向日葵「そんなこと……」

櫻子「あるだろ!」

櫻子「どうみても無理してんじゃんか!」

向日葵「してませんわよ!」

向日葵「そもそも櫻子が何にも出来ないから私はこうして……」

櫻子「私だって向日葵に無理してまで世話してもらいたいなんて思ってない!」

向日葵「だから無理してないって言ってるじゃありませんの!」

櫻子「してるだろ!」

櫻子「バレバレなんだよ!」

向日葵「あ、あなたに何がわかりますの!?」

櫻子「わかるよ!バカ向日葵!」

向日葵「わかりませんわよ!」

向日葵「私がどんな気持ちで……」

ピンポーン

向日葵「……」

櫻子「……ちょっと受け取ってくる」トタトタ

向日葵「櫻子のバカ……」

櫻子「はい、向日葵の分」

向日葵「あ、ありがとう」

向日葵「あ、あの……」

櫻子「私今日は部屋で食べるから」ガチャ

向日葵「ええ……」

バタン

向日葵「……櫻子」

向日葵「また私のせいで……」

向日葵「きっとまだまだ頑張りが足りないんですわ……」

向日葵「これぐらいで疲れていると悟られるようではダメですわね……」

次の日

コンコン

向日葵「櫻子、起きてます?」

櫻子「……うん」

向日葵「私もういきますわね」

向日葵「ご飯は出来てますから」

櫻子「わかった」

向日葵「ではいってきますわ」ガチャ

バタン

櫻子「……」

櫻子「今日も完璧な朝ごはん……」

櫻子「無理すんなって言ってるのに」

櫻子「……」

櫻子「向日葵のわからずや」

櫻子「……」モグモグ

櫻子「……おいし」

向日葵「ただいま……」ガチャ

向日葵「櫻子は……勉強してるみたいですわね」

向日葵「早く夕飯作らなくては」

向日葵「私のせいで櫻子の勉強に支障が出てはいけませんものね」

向日葵「頑張って……櫻子」

向日葵「櫻子、ご飯出来ましたわよ」

櫻子「……部屋で食べる」

向日葵「……じゃあドアの横においておきますわね」

向日葵「洗い物は台所に置いといてくれれば……」

櫻子「それぐらいやるってば!」

櫻子「いま集中してるから邪魔しないで!」

向日葵「ご、こめんなさい」

櫻子「別にいいよ」

向日葵「……じゃあいってきます」

櫻子「……」

櫻子「……」ガチャ

櫻子「私の好きなものばっかり……」

櫻子「お菓子まで……」

櫻子「……」

櫻子「ほんと……わからずやなんだ」

櫻子「ばか向日葵」

2週間後

櫻子「……」カリカリ

櫻子「……はぁ」

櫻子「結局向日葵とはずっと喧嘩したままだし……」

櫻子「喧嘩って言っても私が一人で怒ってるだけだけど……」

櫻子「そもそも向日葵がわからずやなのが悪いんだ」

櫻子「あんなに言ってるのに」

櫻子「……ああ! もう!」

櫻子「勉強だ、勉強!」

櫻子「……」カリカリ

櫻子「えーっと点O,A,Bを通る平面に垂直だから……」

ぎゅるるるる

櫻子「あ……お腹」

櫻子「もう8時過ぎかぁ……勉強してたら何時の間にか……」

櫻子「え?」

櫻子「8時12分……」

櫻子「向日葵……まだ帰ってないのかな?」

櫻子「おーい! 向日葵~!」ガチャ

櫻子「ひ~ま~わ~り~!」

櫻子「……」

櫻子「やっぱり帰って来てない……」

櫻子「連絡は……」パカッ

櫻子「……ない」

櫻子「………向日葵?」

櫻子「っ!」ピッピッ

prrrrrrr prrrrrrr prrrrrrr prrrrrrr

櫻子「……」

prrrrrrr prrrrrrr prrrrrrr prrrrrrr

櫻子「なんだよ……早く出ろよ……」

櫻子「向日葵!!」

櫻子「もうっ!!」ピッ

櫻子「なんだよ……なんだよ!!」

櫻子「向日葵のバイト先……えーっと電話番号……」ピッピッ

ピリリリリ ピリリリリ

櫻子「うわっ!!」

櫻子「電話……? 向日葵!!」ピッ

櫻子「おい! 向日葵!! 遅くなるなら連絡ぐらいしろよ!!」

『ぁ……』

櫻子「もしもし! もしもし!?」

『さ、櫻子お姉ちゃん?』

櫻子「楓……?なんで楓が……?」

『あ、あのね、お姉ちゃんがね……』

『お仕事してる時に倒れちゃって……』

櫻子「ぇ……?」

『それでいま病院に……』

櫻子「どこ!?」

『な、七森病院……』

櫻子「すぐ行く!!」ピッ

櫻子「……バカ」ギリッ

櫻子「バカバカバカバカバカ!!!」

櫻子「向日葵の大バカ野郎!!」

櫻子「はぁ……はぁ……」

櫻子「私の……私のせいだ……」

櫻子「バカなのは……」

櫻子「ごめん……向日葵!」ダッ

病院だけど

櫻子「向日葵!!」ガラッ

楓「あ、櫻子お姉ちゃん……」

櫻子「向日葵は!?」

楓「今は寝てて……過労だって」

櫻子「くっ……!」

櫻子「バカ……バカ向日葵!!」

櫻子「無理するなって……」

向日葵「ん……うるさいですわね」

櫻子「向日葵……!」

向日葵「櫻子……」

櫻子「バカ!! あんなに無理するなって言っただろ!!」

向日葵「ちょっとここ病院……」

櫻子「うるさい! なんでこんなになるまで働いたんだよ!!」

櫻子「私のわがままなんか聞かなくていいんだ!」

櫻子「なのにどうして……!」

向日葵「それは……櫻子の為に……」

向日葵「私のせいで櫻子の勉強が進まないと思って……」

櫻子「そんなわけないだろ……全部私が悪いんだ……」

櫻子「私がただ怠けてただけ……」

櫻子「向日葵にわがまま言ったのも逃げてただけだよ!!」

向日葵「でも……それで櫻子の勉強が捗るなら私は……」

櫻子「こんなになるまで頑張る事じゃないだろ!」

櫻子「私はそんなにしてもらう程の人間じゃない……」

櫻子「ろくに勉強もしないで遊んでばっか」

櫻子「何かと理由つけて逃げてるだけ……」

向日葵「櫻子……」

櫻子「向日葵が……」

櫻子「向日葵がいなくなったら私はどうすればいいんだ……」ポロッ

櫻子「私が行きたいのは七森大学じゃなくて……向日葵のいる大学なの……」ポロポロ

櫻子「だから……だから……」ポロポロ

向日葵「もういいですわよ、櫻子……」

櫻子「ごめん……向日葵……!」ポロポロ

櫻子「ごめんね……」

向日葵「よしよし」ナデナデ

櫻子「もうわがまま言わないから……」

向日葵「ええ……」

櫻子「出来る範囲で家事も手伝うから……」

向日葵「ええ……」

櫻子「ちゃんと勉強もするから……!」

向日葵「ええ……一緒に七森大学、行きましょうね」ギュッ

櫻子「うあああああああん!」

向日葵「ほんと、世話の焼ける子ですわね」

向日葵「ありがとう、櫻子」

櫻子「うぅ……勉強もうやだー!!」

向日葵「ダメですわ!! あなたセンターの点数ボーダーギリギリだったじゃありませんの!」

櫻子「そうだけど~……」

向日葵「二次まで時間がありませんのよ? 私もアルバイト減らして勉強付き合って上げてるんだから頑張りなさいな」

櫻子「でも疲れた~!! お菓子食べたい~!」

向日葵「ダメって言ってるじゃありませんの!」

櫻子「でも~……」

向日葵「はぁ……仕方ありませんわね」

櫻子「え!? いいの!?」

向日葵「このページまで解き終わったらいいですわよ」

櫻子「んなっ!? こんなに!?」

向日葵「その代わり櫻子の大好きなマドレーヌ焼いてあげますから」

櫻子「む~……」カリカリ

合格発表

櫻子「う、うううううう受かってるかな…….」

向日葵「緊張しすぎですわよ」

櫻子「そういう向日葵だって緊張してるだろ!」

向日葵「少しですけどね」

向日葵「まあ試験の手応えからすればそんなに心配していませんわ」

櫻子「くそ~……おっぱい大魔神のくせに……」

向日葵「いいから、ほら、貼り出されますわよ」

櫻子「うぅ~!!頼む!! あってくれ!!」

向日葵「えーっと……100423……100423……423……19……21……22……」

櫻子「100219!100219! 219……219……11……16……17……」


向日葵・櫻子「あ……」

櫻子、アウトー

櫻子「……あのね、向日葵」

向日葵「なんですの?」

櫻子「一年間ありがと」

向日葵「急にどうしましたの?」

櫻子「べ、別にいいだろ!」

向日葵「まあいいですけど……」

櫻子「あ、あと受かったら言おうと思ってた事があるんだけど……」

向日葵「……?」

櫻子「その……だから……つまり」

櫻子「だ、だ……だ……」

向日葵「だ?」

櫻子「大好き……」ボソッ

向日葵「え?」

向日葵「ごめんなさい、聞こえなくて」

櫻子「!?」

向日葵「もう一度言って下さる?」

櫻子「な、ななな……うああああ!!」ダッ

櫻子「向日葵のバカー!!」タッタッタッ

向日葵「ちょ、ちょっと!」

櫻子「はぁはぁ……」クルッ

向日葵「?」

櫻子「向日葵!! 大好き!!」

向日葵「櫻子……」

向日葵「ふふっ……」

向日葵「私も櫻子が大好きですわ!!」

『これからもよろしくね』
                  おわり

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