奴隷商「ほほぅ!これは上玉だ!」奴隷女「あら?ありがと!」 (172)


奴隷女「上玉だなんて…あなた中々見る目をお持ちのようね?」

奴隷商「…フン」

奴隷女「さぁ私にいくらの値をつけるのかしら?」

奴隷商「1000ガルド!!」

奴隷市主催者「おおっとさすが天下の奴隷商さん!いきなり破格の1000ガルド!ありがとうございま」

奴隷女「まぁまぁ待ちなさい。他のお客様の入札時間も考慮しなくてはいけませんわよ?」

主催者「奴隷の分際で自惚れんじゃねぇ!お前ごとき小娘に誰が高値なんぞつけ」

奴隷女「私…処女なんです」ウワメヅカイ

北の商人「1500ガルド!!」

南の商人「2000ガルド!!」

東の商人「5000ガルド!!」

主催者「なっ…!?」

奴隷女「ほら…?面白くなってきましたわね!ほらほらもういらっしゃらなくて?損はさせませんわよ!」

奴隷商「10000ガルド!!」ドン!

シーン

北・南・東「ぐぅ…」

主催者「10000ガルドお買い上げぇ!!」チリンチリン

奴隷女「よかったですわね!これでいいお医者様に掛かれば御国のお母様のご病気もきっと良くなりますわ!」

主催者「おまえ…何故それを…!?」

奴隷女「必死に非情を装っていても目の奥にある優しさは隠せませんわよ!これを機にこんな商売からは足を洗って身でも固めてご両親を安心させて差し上げなさいな。貴方を待ってる方の一人や二人ぐらいいらっしゃるのでしょう?」

主催者「へっ…なんでもお見通しかよ!余計なお世話だ!だが…頭の片隅ぐらいには置いといてやるよ…!ほらもう行った行った!お前はもう売られたんだ!新しい主人のとこでコキつかわれちまえ!」

奴隷女「えぇ。そろそろ失礼致しますわね。ごきげんよう」



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終わっててワロタwwww

奴隷女「さてと…」

奴隷商「おい。さっさと来い。今日はもう競る気はねぇ…帰るぞ」

奴隷女「ご挨拶ぐらいさせて下さいな。旦那様。」

そういうと女はボロボロの肌着のすそを摘まみ貴族のように、うやうやしく頭を下げた。

奴隷女「私奴隷女と申します。これから貴方の手となり足となり御奉仕させて頂きます。何なりと命じてくださいませ。但し一日三つまで。これを上回った場合は舌を噛んで死にます。」

奴隷商「ほう。我ながら面白い買い物をしたな…さっそく命令だ。さっさと馬車に乗れ」

奴隷女「あら?もう一つ目をお使いになるのですか?」

奴隷商「なんなら二つ目を使ってもいい。黙って乗れ。」

奴隷女「ふふっ…では失礼致しますわ。」

奴隷商「」

期待
とりあえず乙

ごめん>>1で完結かと思った
期待

奴隷商「フン…屋敷に着いたら仕事をやる。楽しみにしておけ」

奴隷女「ふふっでは楽しみにしておきますわ」

奴隷商「その生意気な笑顔がいつまで続くかな…?」

期待

これは続けろください

超期待かも

あぁーこれは、奴隷女を調教しようとして逆に奴隷商の人が調教されるんですね。分かります

奴隷商「帰りに市場に寄っていくぞ!」

召し使い「へい!」

奴隷女「ふふっ旦那様この時期に何を買うのかしら?」

奴隷商「む?この時期は大麦と塩だ。」

奴隷女「あら?塩はお待ちになって?」

奴隷商「なに?」

奴隷女「まぁまぁ面白い買い物ついでに奴隷風情の戯言に賭けてみるってのはいかがかしら?」

奴隷商「小娘が…まぁいい良かろう。その代わりこれで商団が損した時は損害は埋めて貰うぞ」

奴隷女「ふふっ。楽しみになさって下さいな。」

市場に付き
大麦の競りに向かう途中。

奴隷商「お前はここにいろ。」

奴隷女「あら?命令ですの?三つ目ですわよ?」

奴隷商「着いてきたいのか?」

奴隷女「えぇ是非!」

奴隷商「好きにしろ」

奴隷女「まぁ!こんな寛容な主に仕えられるなんて私はなんて幸せなのかしら!」

奴隷商「はしゃぐな…それと…おい!召し使い!いつまで馬車をつないでいる!」

召し使い「はいっ!ただいま!!」

奴隷商「これでこの女の身だしなみを整えろ。身なりの汚い女を連れて歩くのは好かん」ポイ

召し使い「あわわっ!!こんな大金投げないでくださいっ!」

奴隷商「俺は先に大麦の競り会場に向かっているからな、二人とも終わったら来い。いつもの席だ」

召し使い「はい!ほら行こう。始めまして僕は召し使い。宜しく!」

奴隷女「宜しくお願いしますわ。貴方ずいぶん若いわね?いくつ?」

召し使い「子供扱いはやめて下さい!これでももう16になるんです!」

奴隷女「あら?同い年なんて嬉しいわ。改めて宜しくね?召し使い君?」

召し使い「///…っ!早く行かないと旦那様にまた遅いとお叱りを受けてしまうよ!急いで…///」

奴隷女「クスクスッ!焦らないでも大丈夫よ?私達がいない方がやり易いから旦那様はわざわざこうして足止めを食わせてるのよ。景色でも眺めながらゆっくり行きましょう?」

召し使い「本当かな?」

奴隷女「本当よ!あなたの仕事が早いに越した事はないからどんなスピードで仕事をしても彼は「遅い!」っていうでしょうね!」

召し使い「プッ今の旦那様の真似?すごく似てたよ!ププッ!」

奴隷女「「さぁ!いくぞ!召し使い!」どうかしら?」

召し使い「あはははっ!奴隷女さん面白い方だね!」

奴隷女「ふふっありがと。さてまずは服ね!確かに着なれたとはいえこれでは町中を歩けないわね。じゃ、まずはこっち!」

召し使い「あっ待ってよ!お金は僕が持ってるんだよー!?」

奴隷女「それはどうかしら?」ジャラッ

召し使い「あれ!??あれれ!?いつのまに!?」

奴隷女「さぁ早く!置いていきますわよ!」

召し使い「まっ…待ってくださいよぉ!!」

奴隷女「御主人。あれとこれをくださる?」

服屋主人「おぉ奴隷のお嬢ちゃん。このシルクのレースを二つだね?お使いかい?はいどうぞ。毎度あり」

奴隷女「ありがとうございます!ここで着ていっても宜しくて?」

服屋主人「それは構わないがレースだけ着ていくつもりかい?服を仕立ててあげたいが家内を亡くしてから仕立てはやめてしまったんだ。すまないね。」

奴隷女「いえいえ仕立てて頂かなくても結構ですわ!試着室だけお借りしますわね?」

召し使い「はぁ…はぁ…!やっとついた!あれ?」

奴隷女「さてと」シュルシュル…ギュッ

召し使い「あれ?奴隷女さんは?」

服屋主人「今試着室に入っていった子かい?シルクのレースを二つだけ買って今試着してるよ?」

召し使い「レースだけ!?」

奴隷女「御主人?どうかしら?」スッ

服屋主人「おぉ!布だけでこんな着方があるのか!」

奴隷女「南国ではこれが主流ですのよ?」

召し使い「ちょっ…ちょっと露出しすぎだよ!お腹も背中も足もほとんど隠れてないじゃないか!まるで
色町の踊り子じゃないか!」

奴隷女「あら?殿方はこういうのが好きなのではなくて?」

召し使い「僕の趣味だと思われるじゃないですか!頼むから 普通の服にして下さいよ!」

奴隷女「ふふっ!私は旦那様の命令しか聞かないわよ?」

つまり、品詞に気を付けながら読めば、この文は、バッファローの地に暮らすバッファローたちの社会的階級に見られる上下関係を描写したものとして解釈することができる。
{{Indent|
[Those] (Buffalo buffalo) [whom] (Buffalo buffalo buffalo) buffalo (Buffalo buffalo).<br />
{{small|(バッファローのバッファローがおびえさせるバッファローのバッファローは、バッファローのバッファローをおびえさせる)}}<br />
[Those] buffalo(es) from Buffalo [that are intimidated by] buffalo(es) from Buffalo intimidate buffalo(es) from Buffalo.<br />
{{small|(バッファロー出身のバッファローは、バッファロー出身のバッファローにおびえているが、バッファロー出身のバッファローをおびえさせている)}}<br />
Bison from Buffalo, New York, who are intimidated by other bison in their community also happen to intimidate other bison in their community.<br />
{{small|(ニューヨーク州バッファロー出身のアメリカバイソンは、同じコミュニティー出身のほかのアメリカバイソンにおびえているが、同時に同じコミュニティー出身のほかのアメリカバイソンをおびえさせてしまっている)}}
}}
動物のバッファローを「人間」に置き換え、動詞の "buffalo" を "intimidate" に置き換えれば、この文の理解はより容易になるであろう。
{{Indent|
"Buffalo people [whom] Buffalo people intimidate [also happen to] intimidate Buffalo people."<br />
{{small|(バッファローの人々におびえるバッファローの人々は、同時にバッファローの人々をおびえさせている)}}
}}
文の意味を変えないように、動物の "buffalo" の代わりに "bison" を、動詞の "buffalo" の代わりに "bully" を用い、市名の "Buffalo" をそのまま残せば、次のようになる。
{{Indent|
'Buffalo bison Buffalo bison bully bully Buffalo bison'<br />
{{small|(バッファローのバイソンがいじめるバッファローのバイソンはバッファローのバイソンをいじめる)}}<br />
'Buffalo bison whom other Buffalo bison bully themselves bully Buffalo bison'. <br />
{{small|(他のバッファローのバイソンがいじめるバッファローのバイソンは彼ら自身、バッファローのバイソンをいじめている)}}
}}
この文の構造をさらに理解するためには、"Buffalo buffalo" を何でもいいから他の名詞句に置き換えてみればよい。他の "Buffalo buffalo" をおびえさせる "Buffalo buffalo" を指す代わりに、"Alley cats"(野良猫)、"Junkyard dogs"(猛犬)、"Sewer rats"(ドブネズミ)を使ってみよう。するとこの文は次のようになる。
{{Indent|
"Alley cats Junkyard dogs intimidate intimidate Sewer rats." <br />
{{small|(猛犬がおびえさせる野良猫はドブネズミをおびえさせている)}}
}}
上の文が、'Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffalo' と同じ文構造、意味を持っているのである。

同音異字によるわかりにくさのほか、この文は以下の理由により、語法を理解するのが難しくなっている。
# 動詞の "buffalo" があまり一般的でない上に、この語自体が複数の意味を含んでいる。
# 名詞の "buffalo" の複数形に "buffaloes" を用いず、単複同形として動詞の "buffalo" や地名の "buffalo" と同じ形を取っている。
# "buffalo" の複数形は "buffaloes" でも良いのにも関わらず、あえて動詞と同じ形を持つ "buffalo" を含んでいる。
# 文中に冠詞や明確な複数形など、構文上重要な手掛かりが存在しない。
# カンマを打たないことで、文の流れがつかみにくくなっている。
# 結果的に袋小路文、つまり文を読み返さずに、さっと読んだだけでは意味を捉えることができなくなっている。
# この文では、ある集合についての[[全称記号|全称的]]な叙述を行なっているが、そこからさらに第2の集合(おびえさせられたバッファローによっておびえさせられているバッファロー)を導き出している。この第2の集合は、当初の集合と同じものとも違うものとも解釈可能である。
# 大文字を無視すると意味の判別が曖昧になる。形容詞の "buffalo" には "cunning"(悪賢い)という意味もあり、この用法によって文を解読すると次のようになる。'Buffalo bison [that] bison bully, [also happen to] bully cunning Buffalo bison'{{small|(バイソンがいじめるバッファロー出身のバイソンは、悪賢いバッファロー出身のバイソンをいじめる)}}
# 関係詞節が中央に埋め込まれており、理解しにくくなっている。

ああー召し使いもMになるんですねわかります

,. ---. .

                                  ノ'´ ̄`ヽ,.ヽ
                 ,, =ァ'テ'⌒¨´ ̄ ̄`'く⌒テ斤㍉,        }. .}
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     ヽ、       i   {             `¨⌒'{'⌒{(  }. ./.,i . i . . . .', . . . . `.、
      \     |  '.                 ,〉 U  厂∨i . l . .i. . i . . . . . . ',
                    、               }      ‐'く| . l . .l. . l. . . . . . . :
   __   、__)⌒7介ー  \  ___.ゝ、___.ノ'⌒7  ,〉   __人_,ノ| . l . .l. . |ミ . 、. .i i.i
        _爻 __, ,ノ    / ̄ ̄{ 厶___.ノ}_厶_/   `フ.i !. / `|.7!.7|. /㍉\∨ i.l
         __廴,___)八   { く⌒ン介く `マ777{    ,/j从|/  l/_j/_,|/  ミ. )}. .i.|  ゲコ太~
        {__‘⌒^ {___人__,/_/5}_,ハ 〈//人_,x仁;三    三三;玉   ]介i.|.i.|
       r‐'┘         ,( (,{]5【__ _} }]]]]]]'⌒}{_,{         {__,{   )ノ从l.|
       └r'つ _,ノ-‐…¬’] [三】川リ hn {T爪              ,こイ.川.|
        ,ノ(__,厂   ___/{__,し'7Z7⌒{匸匚)__}j_(`¬、___~'^'ー~ ___.人. 人{.i.i.{_
      i'⌒)     (,ノ′/凸 / /⌒7川川川 {`ーrヾ⌒'⌒て¨¨´   `¨⌒{ヽ.)i从`ヽ、
       `¨´     (〕-‐‘⌒''く___{__,ノ'^⌒¨¨¨⌒''く}二, ∨             ,ハ  \ ヽ. \__
            ,ノ′ _____     ____,(⌒)__,__└ヘ,_,ノ           / /|    丶 \ __,)、
              / _y'7´     厂 ̄ ̄.;i:i:i∨  (  }__),  }__、        .ノ'⌒'く }  /⌒ヽ、 `¨て)
          {_ _{/      (___,i,i;i;i;i;i;i;i;i;{    (___,),ノ   `¨¨¨⌒¨´     ∨ ′ _ \__,[
          `¨7       、}  `¨¨⌒¨¨〉、____{_,)               {  {  {{_]}  i{ }
          i⌒′ {  n   )¨⌒¨¨⌒¨´  /                       iヽ. \`¨´   八「
          `¨^ー'^ー' `¨´         ∠                       | {\ `¨¨⌒′ )

奴隷女と奴隷商のいちゃらぶセックスはよ

この奴隷は何者なんだ…

テイルズキャラは出てくるのか?

いいじゃないか

召し使い「そんなぁ…!」

奴隷女「さぁ行きましょう?早くしないと競りが終わってしまいますわ」



ザワザワ

町人「おい誰だよ…あの美女…」

町人「あんな子この街にいたか?」



召し使い「ほら!変な注目集めちゃってるよ!」

奴隷女「私は一向にかまいませんわよ?別に見られても減るもんじゃないですし」



町人「隣の男は誰だよ?」

町人「なよなよしたガキが…美女連れて歩きやがって…」



召し使い「僕が構うんですよ!」

奴隷女「ふふっ。あら?市場はここでは無くて?」

召し使い「ここは普通の人の市場です。旦那様はあちらの闇市にいらっしゃるんです。」

通過単位がガルドか…

奴隷女「闇市…?」

召し使い「入り口はこちらです。少し暗いので気をつけて着いてきて下さい…」

奴隷女「すごく楽しみですわ!すごく楽しみですわ!」キラキラ

召し使い「もうちょっと静かに着いてきて下さい!」


トントン


召し使い「旦那様…お待たせいたしました」

奴隷商「遅いぞ…入れ」

奴隷女「失礼いたします」

奴隷商「お前その格好は!?」



女はクルッと回って見せた。


奴隷女「お気に召しまして?旦那様?」

奴隷商「フン…立っていられると落ち着かん。さっさと座れ」

奴隷女「では失礼しますわね?」


そういうと奴隷女は奴隷商の足の上に座った。

奴隷商「フン…好きにしろ」

奴隷女「あら?狼狽えて下さると思ったのに残念ですわ」

召し使い「ちょっと…!女さん!旦那様に失礼だよ!」

奴隷商「召し使い…いつまで見ている?さっさと、馬の世話をしてこい」

召し使い「し…失礼いたしました!しかし…」

奴隷商「しかし…?それは俺にいっているのか?俺は好きにしろと命じたのだ。」

召し使い「も…申し訳ありません!差し出がましい真似を…!」

奴隷商「もう良い。行け」

召し使い「は…はいっ!」タタタタッ



奴隷女「ふふっ…人払いをなさってどうするおつもり?」

奴隷商「どうする気も無い。お前は競りに興味があるのだろう?」

奴隷女「興味…確かに興味はありますわ。でも、それは競り自体では無く旦那様が何を欲しがっているかを知りたいのです」

奴隷商「フン…」


期待

流石に無礼過ぎじゃないすかね...


奴隷商は奴隷女を膝にのせたまま目も合わせずに鼻で笑った。

気に止める事も無く奴隷女は奴隷商の頬に手を当て囁いた。

奴隷女「女が欲しい訳でも無く…商いこそすれどそれほど富みに執着があるようにも…見えませんわね…?」

ツツツ…と奴隷女の細い指先が奴隷商の体を降りていく。

奴隷女「一体なぜ私のような奴隷をあのような大金をはたいて競り落としたのか…教えて下さらない?」

更に下へ下へと奴隷女の指先は進む…そして…

奴隷女「あら?不能の殿方かとも思いましたが…その可能性は無いようですわね?」

奴隷女の細く絡み付くような指先に奴隷商のソレは雄々しく反っていた。

そして競りが始まりを告げる静かな鐘がなった…

チリリン…チリリン…

闇市司会「お集まりの各々方…今日はようこそ闇市へ…本日も貴方様方へ今必要な物をご用意致しました。心行くまでお楽しみ下さい…」

奴隷女「ドキドキしますわね…」ニッチャ…ニッチャ…

奴隷商のソレに自分の唾液を垂らし擦りあげながら耳元で囁く奴隷女…

それが初めての闇市を見物する事を指すのか
それともこの薄明かりの競り会場の情事の事を指すのか…あるいは両方か…

奴隷商「フン…」

奴隷商は眉ひとつ動かさず奴隷女の愛撫を受けていた。並の男ならば快感で足腰が立たぬようにされそうな程の奴隷女の両の手の責めにも動じる様子は無かった。

奴隷女「慣れているのね…?ご奉仕のしがいがありますわ。旦那様… 」

そういいながら奴隷女は頭をゆっくりと下へ…

奴隷商の股間へと埋めていった。


まるで壊れ物を支えるように両手を添え
下から上にゆっくりと舌を這わせる。

奴隷女「ん…んぐ…」

奴隷女の小さい口にはとても入らない程の奴隷商の怒張の先を加えただけで奴隷女は苦しそうな声を漏らす。

奴隷女「まだ大きくなる…」

奴隷女が見てきた中でも断トツの大きさのソレが目の前で脈打っていた。
好機と畏怖の入り交じる目で見とれていると奴隷女の頭に奴隷商の大きな手が添えられた。

奴隷商「終わりか?」

そういうと奴隷女の小さな口に子供の腕程もある奴隷商の一部がねじ込まれた。

奴隷女「ふぐっ…んんっ!!」

無表情で苦悶の表情を浮かべる奴隷女に目をくれず抽出を続ける奴隷商。

その眼光は静かに競りを見下ろしていた。

そして…

グプッ…グプッ…

薄明かりに漏れる音が激しくなってくる。

奴隷女「んんっ!!んぐっ!!」

奴隷商の眉がピクリと動いた。

ドギュッ!

奴隷女の頭を押さえ付ける手に力が入ったかと思うと奴隷女の喉に焼け付くように熱い奴隷商の液が注がれた。

奴隷女「んぐぅ!!んんんんんっ!!!!」

ドギュッドギュッ!

止めどなく打ち付ける奴隷商の精液を目を閉じ、必死に喉を鳴らして受け止める奴隷女。

昂りの波が治まりやっと奴隷商の大きな手は奴隷女の頭を解放した。

奴隷女「ゲホッゲホッ…はぁ…はぁ…はぁ…ふふっ…乱暴なのがお好きなのね…?でも求めてくださって光栄でしたわ…ケホッ…」

奴隷商「求める?」


奴隷女「えぇ…あんなに大きくさせて…クヒッ!」

ガシッ

奴隷商の大きな手が奴隷女の細い喉を掴む。

奴隷女「うぐっ…」

奴隷商「年頃の女が上に乗れば自然と昂るのが男だ…それが摂理。首を折れば人は動かなくなる…これも摂理だ」

そう言いながら奴隷商は指に力を込めていく。

ググッ

奴隷女の体が少し浮く…そして…

奴隷女「ぐっ…んっ…んふふっ…ふふふっ…」

奴隷商「…?」

ドサッ

突然笑い出した奴隷女を見て奴隷商はつい手を緩める。
死を前に笑いだす者など今まで一人もいなかった。
皆怯えおののき…なりふり構わずに命乞いをする。

この生意気な小娘に相手に達してしまった自分のプライドを守る為にしたはずだった。

しかしこの小娘は命乞い所か死を前に笑いだす…それに驚き手を離してしまった。

つい力を緩めた自分の手のひらを見つめながら
嗚咽をついている奴隷女に問いただした。

奴隷商「貴様…死ぬのが怖くないのか?」

奴隷女「…ふふっ」

奴隷商「答えろ…っ!」

奴隷女の端正な顎を掴み自分の方を向かせる。

奴隷女「旦那様は…私を殺したりしませんわ…」

奴隷商「なぜだ?何故そう言い切れるっ!」

奴隷女「ふふふっ…」

奴隷商「答えんかっ!」

奴隷女「まだ…」

奴隷商「まだ…?」

奴隷女「まだ元を取っていらっしゃらないでしょう…?ふふっ…」

奴隷商「元を…?…フフ…フフフ…はっはっはっはっはっは!!!!」

奴隷女「クスッ」

奴隷商「今日は買い運がいいな!本当に面白い物を競り落としたっ!気に入ったぞ!おい!お前!この競りお前が競れ!」

奴隷女「本当ですかっ!?本当に宜しいのですか!?」キラキラッ

さっきとは打って変わって子供のような無邪気なの表情を浮かべる奴隷女の頭を撫で…

奴隷商「商人に二言は無い」

そういうと競りの仕方を奴隷女に教えた。


闇市の一般単位は一般市場の一袋いくら等というチンケな物ではなく一農村丸ごとの収穫を競る。

各地方の農村の状況は新聞などで知らされている物のそれは博打のような物だった。

故に高値で競り買ったとしてもそれが価値のある物かどうかは収穫の季節になってみなければ分からないといった物だった。

奴隷女は広大な畑を持つ農村を二つ競り落とした。

しかし内戦で焼けたその農村の去年の収穫量は雀の涙程…他の誰も手を出そうとしなかった為奴隷女の言い値で競り落とされた。

奴隷商「…フッ」

どの商人もとんだ素人が闇市に紛れ込んだとせせら笑っている中、奴隷商だけは輝く目で純粋に競り楽しむ奴隷女の背中を優しい目で見守っていた。

奴隷女「あー今までで一番楽しかったですわ!刺激的な時間をありがとうございます!旦那様っ!」

奴隷商「今日の獲物は小娘が一人に焼けた農村が二つか…フッ…手ぶら同然だな…」

奴隷女「ふふっ楽しみにしておいて下さいな?」



奴隷商「あぁそうさせて貰おうか。召し使い!戻ったぞ!召し使いっ!」

召し使い「はっ…はい!!」

奴隷商「さっさと帰路の準備をせぬか!」

召し使い「はいっ!ただいまっ!」



召し使いは慌てて奴隷商の上着を預かり馬を繋ぎ荷物を荷車に乗せた。

奴隷女「ふふっ…手際がいいのね?」

召し使い「あ…ありがと…ございます///」

奴隷商「コラ…勝手に甘やかすな。」

奴隷女「あら?たまには褒めないと下は育ちませんわよ?」

奴隷商「男は叩いて伸ばすのだ。時に根性が物を言う時もある」

奴隷女「それは勉強になりましたわ、旦那様」

奴隷商「貴様…」

召し使い(旦那様を…手名付けてる…)

奴隷商「召し使いっ!何をボーッとしておるかっ!」

召し使い「はっ…はいぃ!!」

パシン!パシン!

召し使いに優しい鞭を入れられゆっくりと馬車は走り出した。

まさかのエロ
おつ


奴隷商はどうやって抽出したんだろ
腰を振ったの?

乙です、これは後が楽しみです

奴隷女は土地の買い方を知ってるな
俺のオヤジもこんな買い方して
今の相場の1割位で農地を広げてたわ

ガタゴトガタゴト…

馬車に揺られ三人は街道を進んでいた。
気が付けばもう夕刻…日も沈み掛けていた。

夕焼けが遥か地平から馬車を照らし
奴隷女の白い肌を紅く照らしていた。

ピーヒョロロロロロロ…

天高く鳶が無く声が空しく草原に響いていた。

奴隷女「…旦那様…お出迎えのようですわね」

奴隷商「ほう…気付いたか?」


ゆっくりと進む馬車が走る街道の先に
かがり火が揺れていた。

召し使い「あれ?こんな所で検問ですかね?」



奴隷商「小娘…何があっても外に出るなよ。」

奴隷女「あら?これでも少しぐらいは戦えましてよ?」


無精髭「止まれーぃ!!ここを通るなら通行量をおいていけーぃ!」

召し使い「だだだ…旦那様っ!!山賊です!!山賊が出ましたっ!!」

奴隷商「狼狽えるな…奴等の数は?」

召し使い「三人ですっ!でも丘の上にも篝火が見えます!」

奴隷商「そうか。お前は奴等のいう通りにしろ…後は俺に任せておけ」

召し使い「は…はいっ!」

無精髭「よぉし!止まれぇ!そうだ!手綱を置いて手を上げろぉ!」

召し使い「は…はいっ!」

無精髭「よぉし!そうだ!そのまま動くな!!おいっ!バンダナ!荷物を改めろぉ!」

バンダナ「へいっ!悪いが荷台を見させてもらうぜ!」ガチャ

バンダナ「バッグが一つ…中身が…日用品ばかり…お頭ぁ!この馬車外れですぜっ!」

無精髭「目ぼしい物は無しか…では金を置いていってもらう他無いな!おい主人は中か!?」

召し使い「…!」

無精髭「主人は中かと聞いているんだっ!!!」

召し使い「は…はいっ!!」

無精髭「そうか…おい!出てこいっ!!」

シーン

無精髭「出てこいと…いっているんだっ!!」

ドガーン!!

無精髭「うぉぁっ!」

無精髭の山賊が馬車のドアに手をかけようとしたその時、扉ごと無精髭が吹き飛ばされた。

無精髭「いってててて…何事だぁ!?」

ぬうっと中から奴隷商が出てくる。

バンダナ「てっ…てめー!やる気かっ!!」

バンダナの男が短銃を取り出しながら叫ぶ!

しかしバンダナの男が出した短銃に突然、布が巻き付き短銃を奪い去った。

奴隷女「あらあら?フリントロック式の短銃なんて随分と古風な物をお使いですわね?これ既に骨董品の類いですわよ?」

奴隷女は布を巧みに使いバンダナの男から奪い取った短銃をしげしげと見つめため息を吐く。

上に巻いていた布を使ったせいで奴隷女の上半身はたわわな胸が露出していた。

それを見たバンダナは銃を奪われた事も忘れて叫んだ。

バンダナ「お頭ぁ!女だ!女がいる!それもかなりの上物だ!」

無精髭「女だと?」

吹き飛ばされた時に打ち付けた後頭部を擦りながら無精髭の男は立ち上がり馬車の屋根で短銃を眺める女を見上げた。

無精髭「ほう…」

奴隷商「いい女だろ?今日競り落としたばかりだ。」

無精髭「あぁいい女だ…。色町の売女どもとは比べ物にならねぇ…決めたぜ。その女…置いていけ。そしたら命までは助けてやる」

奴隷商「ほう?断ると言ったら?」

無精髭「殺してから奪うまでよっ!!」ヒュバッ

いうが早いか無精髭がカトラスで奴隷商に斬りかかる。

ガキィン!

それを腕輪で受け止める奴隷商。

奴隷商「勢いはいいが…そんなちゃちな武器じゃ俺は殺れねぇ…」

そういうと奴隷商は無精髭の腕を掴みバンダナの男に放り投げた。

無精髭「うぉぁ!」

バンダナ「ぎゃひっ!!」

奴隷商「俺を殺りたきゃ…帝国軍でも連れてきな…」

バキバキと指を鳴らしながらもんどり打って転がった二人に歩み寄る。

無精髭「な…なんなんだこの化け物はっ!野郎共やっちまえっ!!」

無精髭は笛を吹いた。

ピーヒョロロロロロロ!!

鳶の鳴き声のような音色が響き渡る。すると…

丘の上や岩場の影から部下がゾロゾロと出てきた。

無精髭「へっへへへ…命までは取らねぇって言ってんだ…考え直すなら今の内だぜ?」

奴隷商「フン…数だけは一人前だな…来い。戦いが数比べではないことを教えてやろう」

無精髭「そうか…それが答えか…。野郎共!!!遠慮は要らねぇそうだ!!こいつを討ち取った物にあの女を最初に犯す権利をやろう!!」

部下「ひゃっはぁぁぁぁ!!!!」

丘の上から部下が10数名岩場に隠れていた者が5名ほど一斉に奴隷商に襲いかかる。

ドカッ!

部下1「おげっ!!」

バキッ!

部下2「ぐぉえ!!」

一人に対して一撃で沈めていく奴隷商の闘いを奴隷女は馬車の上から眺めていた。


召し使い「あーぁこうなると旦那様は止まらないんだ…」

馬車の屋根に登りながら召し使いも奴隷商の鬼神のような闘いを見ている。

奴隷女「彼…旦那様はあんなに強いのに何故商人なんてされてるのかしら?宮廷のお抱え騎士と互角か…それを遥かに凌ぐ力を持っているのに…」

奴隷商「おらおら!もう終わりかっ!?もう半分になっちまったぞ!!」

無精髭「ひ…ひるむな!全員で一斉にかかれ!!」

ウオォオォオオォォォ!!!

奴隷商「そうら!!!」ブォン

一斉に飛びかかる部下達を文字通り一蹴で散らして奴隷商は残る一人の前に立ちはだかる…

部下「こ…殺さないで…」カランカラン

武器を落とし震えながら命乞いをする山賊の部下を見下ろしながら奴隷商は言った。

奴隷商「そうか…死にたくねぇのか…」

部下「お願いします!お願いします!命だけは!命だけは!!」

奴隷商「だったら最初から…武器なんて持つんじゃねぇっっっっっ!!!!!!!!」

ビリビリビリビリッ

部下「あ…あぁ…」ブクブク

奴隷商の怒号に山賊の部下は泡を吹いて気絶した。

面白いな 期待

カトルかよ

素晴らしい

あれだけいた山賊は全員伸びてしまい、もう無精髭ただ一人になっていた。

奴隷商「さて…」

無精髭「ひっ…!」

奴隷商はまっすぐに無精髭の山賊を見据えて言った。

奴隷商「まだやるか…?」

無精髭「くっ…ぐぅう…!!」カランカラン…

心底悔しそうな唸り声を上げ無精髭の山賊は武器を捨てその場に座り込んだ。

無精髭「好きにしやがれ…!」

奴隷商「ほう…てっきり部下を捨てて逃げるかと思ったが…」

無精髭「俺はこれでも昔は名のある傭兵、男の端くれだ…敵に背を向けるぐれぇなら死んだ方がマシってもんだ…!ほら!一思いに殺せよ!」

奴隷商「」

奴隷商「そうか…」ガチャ

奴隷商は落ちていた山賊の銃を拾うと
無精髭の眉間に狙いを定めた。

無精髭は諦めたように目を閉じた。

無精髭「ま…待ってくれ。」

奴隷商「命乞いなら今更だぞ」

無精髭「そんなんじゃねぇ!俺の死に場所はここでいい!この寂れた街道の隅っこでいい!それでも俺には上等過ぎるぐれぇだ!賊とは言え…死に行く男の最後の頼みだ…聞いてやっちゃくれねぇか…?」

奴隷商「…言ってみろ」

無精髭「ここから西に馬で半日行った所に村がある。俺達の村だ…女やガキもいる…そいつらに俺達はもう戻れない事を伝えて欲しい…。頼めねぇか…?」

奴隷商「フン…聞くだけ聞いた。叶えるかどうかは地獄で見てな」

無精髭「あぁ…すまねぇ…すまねぇ…恩に着る…!」

無精髭はたまらず泣き出した。



カチャ…

奴隷商は撃鉄を起こし


引き金を引いた。

ターン…!

乾いた音が夜の街道に響き渡った。

無精髭「………」ドサァ

奴隷商「…フン」



召し使い「あー!怖かったぁぁ!!私山賊なんて初めて見ましたぁ!ねっ!奴隷女さん!…ってうわっ!? むむむっ胸がっ!」

奴隷女「あら失礼?ふふっでも中々スリルがありましたわね?」シュルシュル…ギュッ

レースを首の後ろで結びながら奴隷女が答えた。


奴隷商「久々の戦闘で疲れた。俺は少し眠るとする。召し使い」

奴隷商「召し使いはドアを直せ。」

召し使い「はいっ!ただいま!」

奴隷女「私は何をいたしますか?旦那様がおやすみになられるまで添い寝などいかがです?」


奴隷商「いやいい。好きにしていろ」

奴隷女「あら?残念ですわ」

少し残念そうに肩をすくめて、奴隷女はまた馬車の上に乗り荷物上に腰掛け空を仰いでいた。

召し使い「うんしょ…うんしょ…こうかな?」ガタガタ


無精髭「違うこうだ…」

召し使い「あっありがとうございます!」

無精髭「わざわざ直す事も考えて関貫を抜いてからドアを吹っ飛ばしたのか…山賊に襲われてるってのに冷静なもんだな…お前の主人は…」

召し使い「」

無精髭「ん?どうした?」

召し使い「…あ…あぁ…あ…」

無精髭「なんだってんだ!どうした!?」

召し使い「でたぁぁぁぁあああぁぁ!!!悪霊退散悪霊退散!!!!」ポカポカ

無精髭「いてっ!いててっ!落ち着け落ち着けって!!」

召し使い「あれ!?幽霊なのに触れる…」ペタペタ

無精髭「てめぇぶっ殺されてぇのか?」

召し使い「ひぃぃ!!!不死身の山賊だったんだぁぁああ!!旦那様ぁ!!旦那様助けてぇぇぇ!!」

奴隷女「クスクスッ」

無精髭「おうねーちゃん、さっきは悪かったな…野郎共女日照りでよ…いい思いさせてやりたくてな…」

奴隷女「あら?いい思いなら大歓迎ですわよ?貴殿方に私の相手が務まれば…ですけれど?それで?気分はいかがかしら?」

無精髭「最悪だ…こんな稼業だ。いつでも死ぬ覚悟は出来てたつもりだったんだがな…俺らの銃、一発目は空砲なんだが…それを忘れてビビって気絶しちまうなんざ…男の覚悟が聞いて呆れるぜ…」

召し使い「まさか旦那様はそれを知った上で!?」

無精髭「そうだろうな。戦ってる家に勘づかれていたはずだ…そら直ったぞ」ガチャン

召し使い「えっ!?もう!?すごいっ!!お頭さんってなんでも出来るんですか!?なんでそんなに手際がいいんですか!?」

無精髭「フフン!まぁな!…う…うるせぇ…実家が…大工だったんだよ…」

召し使い「なるほどぉ!道理でっ!!」

無精髭「うるせぇってんだろ!褒めんじゃねぇよ!むず痒いだろうがっ!!」

召し使い「ひっ!すみませんっ!!」

奴隷女「それで?その大工のご子息様が何故山賊の頭領なんてやってらっしゃるのかしら?」

無精髭「最初はな…大工を継ぐのが嫌だったのよ…傭兵になって成り上がってやるっ!そう思った村を出た。何度も戦火を潜ってきた。名前が売れかけたいた頃だ。あっ「無精髭の死神」って聞いた事ねぇか?」

召し使い「ぼ…僕はそういうのうといから…」

奴隷女「私は結構そういうの気にしてきたつもりですけれど…聞いた事ありませんわねぇ?」

無精髭「そ…そうか…まぁ話が逸れたな。… やっとこさ前線の部隊長を任されて、さぁこれからって時に軍が前線を放棄しやがった。俺らごとな」

召し使い「そんな…ひどいっ!」

奴隷女「帝国軍は物量に物を言わせて非道な采配をすると聞いていたけどどうやら本当のようね?」

無精髭「食料も物資も来ねぇんだ。俺らが取れた行動は二つ。死ぬか…奪うかだ…」

無精髭「近くの村を襲った。軍人を以外[ピーーー]
気は無かった…がそこには農奴しかいなかった。どこにいっても奴隷ばかり…だった」

無精髭「何が連合国だ…同じ人を虐げ…搾取する…こんな理不尽が罷り通るのか…」

奴隷女「それがこの社会ですもの…」

無精髭「ふざけんじゃねぇ!!そんな事で納得出来るかっ!!」

召し使い「あまり大きな声を出さないで下さい!旦那様の眠りを妨げた者は例え王族でも容赦ないんですよ!!」

ドガァン!!

無精髭「なにっ!?」

無精髭がせっかく直したドアはいとも簡単に破壊された。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

奴隷商「…うるせぇんだよ…人が寝てるってのに…どいつだ?ギャーギャー喚いてる死にたがりは…」

無精髭「あっ…あんた…!俺を生かしてくれたんだろっ!?あんたに生かされたこの命だ!俺は…俺は…!!」

ドゴォッ!!

無精髭「グッハ…ッ!」

奴隷商「てめぇか…?」

無精髭「ゲッホッ!いやっ…待ってくれ!お…俺は…」

奴隷商「オラァ!!」

無精髭「ブホォ!!」

奴隷商の豪腕に殴られ天高く舞う無精髭の山賊の目には満点の星空が映っていた。

奴隷商「召し使いっ!!まだドア直ってねぇじゃねぇか!!何チンタラやってんだ!!俺が次起きる時までに直しとけっ!!」

召し使い「はっ…はいぃ!!」

奴隷女「クスクスッ」

そういうと奴隷商はまた馬車に戻りドカッと乱暴に横になると寝息をかき始めた。

召し使い「ちぇっ…自分で壊したのに…」

奴隷女「ふふっ。手伝ってあげるから頑張りましょう?」

召し使い「そんな奴隷女さんは座ってて下さいっ!こんなのすぐですから!」

奴隷女「あらそう?」

召し使い「そうですよ!」ガタガタ…カンカン!

奴隷女(本当に手際が飛躍的に向上してる…?)

奴隷女「あなたなんでも出来るの?」

召し使い「いえ!今さっき頭領さんがやっていたのを見てましたので!」

奴隷女「たった一度で職人技を…」(旦那様が側に置くのも頷けるわね…)



無精髭「ぐっ…いてて…」

奴隷女「あら?もう目を覚まされて?」

無精髭「おうよ…俺はこの頑丈さだけが取り柄だからなっ!」

奴隷女「これ以上ドアが壊されたら溜まりませんわ。お静かになさって?」

奴隷女は無精髭の口に人差し指を当てると囁いた。

無精髭「ぐっ…!」


奴隷女「先程の話で大体想像は出来ましてよ。仕事が欲しくはなくて?それも長期的で比較的安全な…」

無精髭「お前…」

奴隷女「クスクス…もしその気があれば動ける者を連れてこちらにおいでになって?お待ちしておりますわ…チュッ」

奴隷女は無精髭の頬にキスをすると胸に紙切れを置いた。

召し使い「奴隷女さん!直りましたよ!さぁ帰りましょう!こんな時間に帰ったらコックさんも心配してますっ!」

奴隷女「えぇ!では頭領さん?そういう事でお願い致しますわね」

無精髭「お…おう…!仕事の内容は!?」

奴隷女「な・い・し・ょ!ですわ…」

無精髭「なんだとっ!?」



召し使い「はぁ!」

パシンパシン

またもや召し使いの優しい鞭で馬車は走り出す。

ガタンゴトンと荷台を揺らして…

乙乙。



人間味あっていいわ

奴隷女ちゃんエロかわいい

奴隷女は馬車の屋根にくくりつけてある荷物の上に座りながらゆっくりと進む景色を眺めていた。

召し使い「ふふっ、そこ気に入ったんですか?」

奴隷女「えぇ夜風がとても心地いいですわ」

召し使い「そうですか。ここから道が少しあれますので落ちないように気を付けて下さいね?良かったら中に入られますか?」

奴隷女「えぇ。ご忠告感謝致します…でももう少しだけ景色を眺めていたいんです」

先程とは打って変わって緩やかな時間が流れていた。



んー♪んーーー♪…んーー♪



召し使い「…歌?」

奴隷女「うるさかったらおっしゃってくださいね?」

召し使い「いえ…歌なんて久しぶりで…忘れていました。どうか続けて下さい…」

奴隷女「クスッ…はい…」


ー♪











奴隷女は目を閉じて透き通るような声で歌った。
召し使いはその声に耳を傾け、荒れた渓谷へ馬車を進めていた。
奴隷女は歌い終わると目を開け言った。

奴隷女「いかがでした?」

召し使い「すごくお上手です!でも…なんだか…とても悲しい歌です…」

奴隷女「ふふっ分かりますか?昔帝国で流行った悲劇の歌ですのよ?」

召し使い「悲劇…」

奴隷女「えぇ…大国に嫁いだ姫が召し使いとの結ばれない恋に落ちる…というお話ですわ」

召し使い「そ…それでその召し使いは…」

奴隷女「残念ながら火炙りの刑にされましたわ。」

召し使い「ひっ…ひあぶ……。ゴクッ…えっ…!?じゃ…その姫様は?」

奴隷女「末長く幸せに王子と暮らしました。」

召し使い「そう…ですか…。よかった…」

奴隷女「よかった…?薄情だとは思わないのですか?」

召し使い「いえ…僕だったら例え命が尽きても…好きな方が幸せになってくれるならそれで…」

奴隷女「フフッ…優しいのね?」ストン…

そういうと奴隷女は召し使いの隣に腰掛けた。
肩が軽く触れ…召し使いは気が動転する。

召し使い「あの…あの…」

奴隷女「ここの眺めも悪くないですわね…?」

そう口には出していても景色などまるで興味は無さそうに下から召し使いの顔を覗き込みながら言った。

召し使い「はい!そそ…そうでしょう!?あっ…えっとこの馬達は左の鹿茶の子が「キャスカ」で黒毛の子が「ルドルフ」って言うんですっ!旦那様がお付けになられたんですよ!素敵な名前でしょう!?」

奴隷女「えぇ…素敵ですわね?」

奴隷女は恍惚の表情でそういいながら
手綱を持つ召し使いの手に指を絡ませた。

召し使い「う…あう…///」カァァ

奴隷女「ねぇ?私にも…その鞭を…」

召し使い「えっ…!?む…鞭を…!?」


・・・


奴隷女「その鞭…いれて下さらない…?///」

パシーン!パシーン!

奴隷女「あうっ!!そうよ!!召し使いさん!もっともっと強くっ!!」

召し使い「こうですか!?これでいいんですか!?」

パシーン!パシーン!

奴隷女「そうよっ!!すごいいい!!あはーん!!」

・・・


奴隷女「聞いておりますの?」

召し使い「えっ!?」

奴隷女「私にもその鞭と手綱貸してくださらない?と言っているのですけれど…?」

召し使い「あっ!?えっ鞭!?手綱!?」

めしつかいさんwwww

召し使い「はい…どうぞ…///」

奴隷女「宜しいのですか?」

召し使い「え…えぇ奴隷女さんなら大丈夫かと…まずは両手でしっかり手綱を持って下さい」

奴隷女「わかりましたわっ!宜しくね!キャスカ!ルドルフ!」

馬「ブルルッ」

奴隷女「あら?賢い子…あとで撫でてあげるわね?」

召し使い「鞭は殆ど使いません。左右にずれたら手綱でずれてる事を馬に教えてあげて下さい」

奴隷女「分かりましたわ」

召し使い「そう…そうです!うまいですね!乗馬の経験があるんですか?」

奴隷女「ふふっ誰かに手綱を引かれてなら…」

召し使い「なるほど!それにしても上手です!」

奴隷女「ふふっありがとうございます。それにこの子達がとても素直なので…。きっとお世話してくれる人が大好きなのね…」

召し使い「そ…そうですか?」

奴隷女「この子達は本当に素直…私達よりずっと潔い…餌を貰ってるだけでこんなに尽くせるんですもの。それに…走れなくなったらもう…」

召し使い「…奴隷女さんは…何故奴隷をやってるんですか?」

奴隷女「…それが…定めだからですわ」ニコッ


召し使い「定め…」

奴隷女「…誰も定めから抜け出す事が出来ない…。そう…誰も…」

召し使い「僕は…そんな風に思った事はありません…」

奴隷女「え?」

召し使い「嫌だけど嫌なことの程度が分かってる明日と…今よりよくなるかも知れないけど今より更 に嫌な思いをするかもしれない明日だったら…嫌な日々の繰り返しの中に小さな幸せを探して生きてしまうのが生き物だと思うんです。」

奴隷女「確実な絶望の明日と不確かな希望の明日は等価値…という事ですわね?」

召し使い「難しい言葉は分からないですけどきっと…そんな感じです…」

奴隷女「ふふっ…」

召し使い「だから定めなんて関係なく…皆…自ら望んでいるんです…奴隷も…誰もが…」

奴隷女「本当に…その通りですわね。貴方は賢いですわね…」

召し使い「いや…そんな…僕は無知です…。孤児だったし学校にも行けなくて…」

奴隷女「あら?知識と賢さは関係ないですわよ?寧ろ無駄な知識を抱えてそれを賢さと思ってる人は愚かですわよ?」

召し使い「ありがとうございます。僕、あまり人に褒めて貰った事が無くて…すっごく嬉しいですっ!」

おもしろい

奴隷女さん、たしかまだ16だよな。艶がありすぎるが何者だ?
そして、その奴隷女さんが一目置く召使の活躍に期待する。

奴隷女「ふふっ。」

召し使い「奴隷女さん…もう一度歌って下さい。それに僕も混ぜてもらいたいんです。」

奴隷女「それは構いませんけれど。貴方歌は歌えて?」

召し使い「歌は…歌えませんが…口笛なら自信があります!」

奴隷女「それは楽しみですわねっ!早速あわせてみましょうっ?」



そういうと二人は悲劇の歌を奏でた。

奴隷女の、悲しい程澄んだ歌声に
召し使いの、恋人の幸せを願うような優しい音色が加わり荒れた渓谷に響き渡った。



ーーーー♪ーー♪ーーーーー♪

奴隷商「うるせぇぞゴラァ‼︎」
         ひぃぃ
      ∧_∧           バコンッ!
     ( ;´Д`) |________

     「 ⌒ ̄ |    |    |    | _  _     .'  , .. .∧_∧
     |   /       |    _ .- ― .= ̄  ̄`:, .∴ '     (    )
     |    | |     |" ̄ ̄      __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
     |    | |     |  ̄\-―  ̄ | ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
     |    | |   ロ| ̄ ヽ \_. ロ|             |  /  ノ |
     | ∧ | |    |    \__) .|             , ー'  /´ヾ_ノ
      | | | | >    |    |    |            / ,  ノ
     / / / / |     |    |    |          / / /
     / / / / |     |    |    |         / / ,'
    / / / /. └──┴──┴──┘      /  /|  |
                             !、_/ /   〉

歌が終わり…二人は目が合う。
奴隷女の歌を一度聞いただけでここまで合わせられてしまう召し使いに感心しながら奴隷女は言った。

奴隷女「素敵でしたわ…」

召し使い「奴隷女さんこそ…すごく綺麗な声でした…ずっと聞いていたくなるような声で…」

奴隷商「おい…」

突然馬車から奴隷商の声がした。
それに驚き馬車から落ちそうになる召し使い。
きっと口笛が耳に障ったに違いないそう考えると冷や汗が止まらない。

召し使い「は…はひいぃ!!」

奴隷商「今どの辺だ…?」

召し使い「い…今は荒れた渓谷を抜ける所ですっ!」

奴隷商「そうか…分かった。ついたら起こせ」

召し使いの口笛が気に障ったからでは無いようで安堵の溜め息をつく。

奴隷商「それと…」

召し使い「ひゃいっ!!」

今度こそ叱られるっと目を閉じる召し使い。
しかし…

奴隷商「さっきのはもう終わりか?」

召し使い「お耳に障ってしまいましたよねっ!?申し訳ありません!私が奴隷女さんに無理を言って…!」

奴隷商「もう一度だ」

召し使い「は?」

奴隷商「もう一度聞かせろ。何度も言わすな…」

召し使い「はっ!はい!!!」

奴隷女「クスッ」



二人は歌を続けた。
奴隷商は馬車の中で目を閉じて聞いていた。
そして…


寝た。

ほんわかする

馬車は渓谷を抜け森の近くに立つ屋敷に着く。
ここが奴隷商の屋敷だ。

召し使いは馬を馬小屋にいれ荷物を下ろす。

屋敷の呼鈴を鳴らすとエプロン姿の男が現れた。

コック「おぉ!帰ったか!帰りが遅いんで心配したぞ!山賊にでもやられちまったかと思ったぜ!ガハハハハ!」

そういいながら丸々太ったお腹を抱えて豪快に笑うコック。

コック「おやぁ?見ねえ顔がいるじゃねぇか?」

奴隷女「初めまして料理長さん。これからこちらの屋敷でお世話になります。奴隷女ともうします。」

コック「こりゃまた随分とベッピンさん連れてきたじゃねぇか!先にいってくれりゃもっと旨いモン作っといたのによ!ガハハハ!」

そういうと笑いながら大荷物を軽々と抱え
屋敷に運んでいった。

召し使い「あの人はこの屋敷のコックさんでして、人の話を聞かない玉に傷ですが、料理の腕は一流なんですよ!」

召し使い「あら?それは楽しみですわね」

コック「あーそうだ!お嬢ちゃん!嫌いな物はあるかい?」

屋敷の入口から顔だけ出し大声で叫ぶコック。

奴隷女「嫌いな物はありませんわ!好きな物は果物ですわ!お構い無く!」

コック「そうか!嫌いな物がねぇか!ガハハ!
こりゃいい娘が入ってきた!」

奴隷女か

うん?

奴隷女が答えるとまたもや豪快に笑いながら屋敷へと入っていった。

奴隷女「賑やかそうな所ですわね!楽しみですわ!」

召し使い「賑やか過ぎる程賑やかですよ…でも退屈しませんけどね!そうだ!旦那様を起こさなきゃ!」

奴隷商「もう起きてる。あのコックのでかい声で寝てられる訳ねぇだろ…」

頭をかきながら奴隷商は馬車から降りて来た。

奴隷商「召し使い…荷下ろしか終わったら後で今日競り落とした農村の権利書を持ってこい。俺は先に部屋に戻る」

召し使い「はいっ!」

奴隷女「旦那様私にも何か命じて下さいな?屋敷に着いたら仕事を下さる約束でしてよ?」

奴隷商「着いてこい」

奴隷女「はいっ♪」

奴隷商「お前にはこの屋敷の家事全般のサポートをしてもらう。召し使いの掃除・コックの料理の補佐だ。そして俺の仕事もな」

奴隷女「あら?仕事ってそれですの?喜んで!」

奴隷商「それとお前が今日競り落とした農村…被害は甚大だ。たまたま二つの村が近いようだがこれも考えの内か?」

奴隷女「さすがは旦那様ですわ!」

奴隷商「やはりかてん農奴の購入や必要な物資があれば言え…」

奴隷女「ありがとうございます。その時はお願い致しますわ」

奴隷商「フン…」

奴隷女「所で…旦那様のお相手は仕事に含まれておりませんの?」

奴隷商「無い。が…気が向いたら相手をしてやる。」

奴隷女「あら残念」

奴隷商「貴様本当に処女か?」

奴隷女「お確かめになられますか?」

奴隷商「いやいい」

奴隷女「あら残念」

奴隷商「貴様がそうだというならそうなのだろう。それに貴様に演じられたら俺には見抜けんだろうしな」

奴隷女「信じてくださらないのね?」

奴隷商「俺が信じるのは俺だけだ」

奴隷女「そんな風には見えませんわ」

奴隷商「なんだと?」

奴隷女「召し使いさんもコックさんも貴方を信頼してるようでした。人を信じられない人が人に信じられるとは思えませんもの」

奴隷商「フン…」

奴隷女「それにしても随分と大きい屋敷ですわね」

奴隷商「お前の部屋はこっちだ」

奴隷女「私の個人部屋なんてくださるのですか?」

奴隷商「奴隷の飼い方は人に寄って違う。俺は俺のやり方でやる」

ガチャ

奴隷商「最低限の物は用意させた。他に何かあれば言え」

奴隷女「素敵ですわ!私本当に奴隷商に買われて幸せですわっ!」ダキッ

奴隷商「俺は仕事の出来るには常に出来うる限りの報酬・環境は与えるつもりだ。怠けたらもちろんその分の評価をする。精々馬小屋行きにならないようにな」

奴隷女「絶対に損はさせませんわ」

奴隷商「そうか…飯が出来てるはずだ。行くぞ」

奴隷女「はいっ♪」

3点リーダを「てん」で変換してることだけはわかった

二人は食卓に向かった。

既に召し使いは食卓についており
奴隷商が広間に入ると召し使いは立ち上がった。

奴隷商が手で「座れ」と合図すると
奴隷商が命じると召し使いは一礼して座った。

奴隷女「このお屋敷では当主と世話人が食卓を同じくするのですね」

珍しそうに聞く奴隷女に奴隷商は答える。

奴隷商「そうだ。これが俺のやり方だ」

奴隷女「素敵ですわ」

奴隷商「コックはまだか?」

コック「またせたな!ガハハハ!今日はこの俺が仕留めたヘラジカのソテーだ!」

召し使い「ほんとですか!?すごいですね!」

奴隷商「信じるな馬鹿者。どうみても牛肉だろうが…」

召し使い「もう!コックさん!!」

コック「そうだと思って食った方がありがたみがますだろうがよ!ったく相変わらず奴隷商は夢がねぇな!」

奴隷商「夢じゃ腹は満たされん」

コック「俺なりのスパイスの加え方だよ!ガハハハハ!さぁ冷めちまう前に食ってくれ!」

召し使い「では旦那様お願い致します。奴隷女さん、お祈りをしてから食べますので手をこうして、奴隷商の言った事を復唱して下さい」

奴隷女「分かりましたわ。」

奴隷女は召し使いの手の形を真似て祈りの形を取る。コックも帽子を置いてそれに続いた。

それを確認して奴隷商が食卓の祈りを捧げる。

奴隷商「今日一日働いた自分の体に感謝を…いただきます」

奴隷女「!?」

召し使い「今日働いた自分の体に感謝を…」

コック「今日働いた自分の体に感謝を…」

奴隷女「きょ…今日働いた自分の体に感謝を…」

三人「頂きます。」

奴隷女「か…変わったお祈りですわね?」


奴隷商「俺のやり方だ。神が飯を食わせてくれるなら神に祈ってやってもいい」

奴隷女「ふふっバチ当たりな方。でも素敵なお祈りでしたわ」

奴隷商「さてと食うか」

召し使い「はい!」

コック「今日の味付けは最高だぞ!なんたって海の秘宝と呼ばれる塩のクリスタルから削り出した最高級の塩を使ったんだからな!」

召し使い「ほんとですか!本当だ!!おいしい!!」

奴隷商「そんな訳ねぇだろ。先週お前と市場で買った塩だろうが。」

召し使い「あっそうでした…もう!コックさん!」

コック「本当に夢がねぇなぁ!!ロマンと空腹が最高のスパイスなのによ!なぁ!?そう思うだろ?お嬢ちゃんも!」

奴隷女「ふふっそうですわね?じゃこのサラダはどうやってお作りになられたんですか?」

コック「おぉ!!よくぞ聞いてくれた!これはな幻の大地にしか生えない伝説の野菜を…!」

奴隷商「勝手に裏庭を伝説の大地にすんじゃねぇよ」

コック「おいおいおいー!たまには奴隷商も夢見ようぜぇぇい!?夢のスパイスを味わってみろって!最高だからよー!」

奴隷商「そんな物なくてもうちのシェフの腕は一流だ」

コック「お……おう///」

奴隷商「当たり前だ。俺が見込んだシェフなんだからな」


コック「さ……さっさと食いやがれ!お代わりならまだあるんだからよ!」

召し使い「おかわり!」

コック「相変わらず食うの早ぇなぁ!ほらよ!」

召し使い「ふぁい!あいがとうほぉざまふっ!」ガツガツ

奴隷商「うるさくてすまんな。うちの食卓は大体こんな感じだ。早く慣れろ」

奴隷女「ふふふっ!すごく楽しいですわ!こんなに楽しい食卓は生まれて初めてですわ!」

奴隷商「そうか。それならいい。時にお前酒は飲めるのか?」

奴隷女「えぇ嗜む程度でしたら」

奴隷商「そうか!それはいい!おいコック!上等のワインを持ってこい!今日はこいつの歓迎会も兼ねて盛大にやるぞ!」

コック「おう。珍しいな奴隷商が酒を飲むなんて」

奴隷商「お前らが酒飲まねぇから普段は飲まねぇが俺は結構酒好きだぞ」

コック「酒は好かねぇからな。頭がいたくなりやがる」

そういながらコックは酒蔵にワインを取りに向かった。

召し使い「僕もお酒飲むと目が回ってしまいます…」

奴隷商「大の男二人がこういう訳でな。丁度酒を飲める相手がいりゃ最高だと思ってたとこだ。そうかお前飲めるのか!ほんとにいい買い物をした」

奴隷女「喜んで頂けて何よりですわ、旦那様。」


コック「ほらよ。つまみも要るだろ?なんか作ってくるからよ。ちょっと待ってろ」

奴隷商「あぁすまねぇな」

召し使い「僕が開けます!」

奴隷商「ほう…やってみろ」

召し使いは手際よくコルクを抜くとワイングラスに注いだ。

奴隷商「中々様になってるじゃねぇか。どこで覚えた?」

召し使い「この間、街に連れていって頂いた時に社交場で見まして見よう見まねですが…」

奴隷商「そうか…その調子で酒の味も覚えてくれりゃあな」

召し使い「はい…頑張ります」

奴隷商「フ…明日は特に予定も無い。コックの片付けの手伝いをしたら今日はもう休め」

召し使い「はい!」

召し使いは食卓の皿を重ねると厨房に下げていく。

召し使いスペック高すぎだな


奴隷商「では乾杯」

奴隷女「ふふっ乾杯」

奴隷商「久しぶりに飲んだがやはり旨いな」

奴隷女「えぇとってもおいしいですわね」

奴隷商「そういえばお前俺に雇われる前はどこで雇われていたんだ?」

奴隷女「ふふっどこにも…強いていうなら帝国に仕えておりましたわ」

奴隷商「なんだと?」

奴隷女「ねぇ旦那様…ゲームはお好き?」

奴隷商「ゲーム?」

奴隷女「えぇ…ルールは簡単ですわ。お互いひとつずつ質問をしていく、答えたくない場合は答えない換わりになんでもひとつ言うことを聞かなければならない。ただし命とお金に関わる事や時間が掛かる事は命じることが出来ないというゲームです」

奴隷商「面白そうだ。その勝負乗ってやる」

>>69
「てん」変換の汎用性なめんな

良作の予感

面白い
期待

ここからどう広がってくのか期待しかない

召し使いの特技は、瞬間記憶と模倣の合わせ技か? 確かに高スペック。

旦那様からどうぞというように奴隷女は奴隷商に促した。

奴隷商「お前は何者だ?」

奴隷女「私はあなた様の奴隷でございます」

奴隷商「そういう事じゃない。俺が言ってるのは」

奴隷女「訂正は質問に答えるまでに行ってくださいな」

奴隷商「くっ…良い。次だ」

奴隷女「何故私を買われたのです?」

奴隷商の「お前が唯一競りにかけられた奴隷の中で怯えていなかったからだ。怯えが無いと言う事は恐怖を回避する能力があると判断した。」

奴隷女「納得致しましたわ。では旦那様どうぞ」

奴隷商「帝国で何をしていた?」

奴隷女「さる方にお仕えしておりました。」

奴隷商「それはさっき聞いた」

奴隷女「質問の答え方に間違いはありませんわやね?」ニコッ

奴隷商「なるほど単純と見せかけてその実、如何に的確な質問をぶつけ、如何に質問の穴を見抜き答えるか…そういうゲームか…」

奴隷女「さすがは旦那様ですわ。もうこのゲームの本質に気付くなんて」

奴隷商「面白い…!さぁお前の番だ!」

奴隷女「では…旦那様の初体験はおいくつでしたの?」

突然の砕けた質問に奴隷商は笑いながら答える。

奴隷商「そんな事を知りたいのか?」

奴隷女「質問はご自身の番のみに行って下さいな?」

奴隷商「15の時だ」

奴隷女は満足そうな顔で微笑むと奴隷商に次を促す。

ちょっと奴隷無礼すぎやしませんかね
勝手な行動もすぎるし
これは廃棄物だな

いや
肉便k…
グヘヘ

>>80
初体験15歳とかどんな貞操観念してんだよ
俺はまだ記録更新中だから見習ってほしい

元服の年齢考えるとまぁ普通ぐらいじゃね
早くも遅くもないな

奴隷を買った商人だから奴隷商なんだよな?

村購入といい商人というより職業は資産運用家って感じか
家業じゃないなら商人からの叩き上げってことで商人なのかな
奴隷商は40前ぐらいのイメージなんだけど実際の設定って出てたっけ?

奴隷商「貴様はなんと言う者に仕えていた?」

奴隷女「ルーディリッヒ・ド・ラヴェールと言う者にお仕えしておりました」

奴隷商「帝国の現国王だと…!?そこで何をしていたっ!?」

奴隷女「あら?私の番ですわ。旦那様」

奴隷商「分かっている!早くしろ!」

奴隷女「旦那様の前職を伺いたいですわ」

奴隷商「…」

奴隷女「どうしましたの?」

奴隷商「それは…答えられん…」

奴隷女「では私の言うことをなんでも聞いて頂きますわ?宜しくて?」

奴隷商「言えん。これだけは言えんのだ…」

奴隷女「ではワインを注いでくださるかしら?」

奴隷商「なに?そんな事でいいのか?」

奴隷女「これはゲームですわ旦那様…いかに相手をどうこうしてやろうと言う物ではありません。もっとリラックスして下さらないと肩が張ってしまいます」

奴隷商「あ…あぁ少し酔って白熱した。すまん」

奴隷女「いえまだ夜は長いのですから…楽しみましょう?」

そう言った奴隷女の顔を蝋燭の光が妖しく照らした。

奴隷女「では私の番ですわね。旦那様は何故奴隷商と呼ばれているのですか?奴隷を売って商いをしているようには見えませんけれど?」

奴隷商「正確には元奴隷商だ。最初に始めた稼業が奴隷商だった。奴隷を買い、そして鍛え、高値で売る。今はもう止めてしまったがな」

奴隷女「つまり戦奴(せんど)を売っていたと?」

奴隷商「そうだ…あっいや、おい。俺の番だぞ。」

奴隷女「あら?失礼しました。旦那様の事が知りたくてつい重ねて質問してまいましたわ」

奴隷商「フ…まぁいい。貴様は現国王の所で何をしていた?」

奴隷女「妾をしておりました」

奴隷商「なに?処女というのはやはり…」

奴隷女「嘘ではありませんわ」

聞けば聞くほど分からない事だらけの奴隷女のいう事に奴隷商は戸惑う。嘘を言っている様子は無い。頭のなかを掛ける疑問を流すようにグラスのワインを飲み干す。

奴隷商「分かった…次だ。」

奴隷女「旦那様は何人の人をその手にかけて来られたのです?」

奴隷商「それは…数えきれんな…」

奴隷女「ふふっ私…旦那様の前職が分かりましたわ。それと私旦那様を帝国にでお見かけした事があります」

奴隷商「なにっ!?」

奴隷女「コロシアム…」

奴隷商「…!?」

奴隷女「旦那様はコロシアムの英雄でしたわね?」

奴隷女「よく沢山の妾をつれて王は見物に参られておりましたもの…」

奴隷商「フ…もはや隠せんな。よく言い当てた…そうだ。俺は元戦奴だ。連合国の精鋭部隊にいた俺は戦いに負け捕虜となり、戦奴として帝国のコロシアムで戦った。何人殺したかは分からん。俺の飼い主から自分を買い戻すまで戦った。その飼い主の名前は…ルーディリッヒ・ド・ラヴェール。貴様の元主と同じだ」

奴隷女「ふふっ、奇遇ですわね」

奴隷商「なるほど…これが…定めか…」

奴隷女「ふふっお久しぶりですわね。貴方が去る時の王は本当に悔しそうにしてましたわよ?」

奴隷商「あぁあの野郎…。俺が約束の金額まで命懸けで戦ったってのに近衛兵に俺を捕らえろとか命じやがったからな…」

奴隷女「ふふっそれを旦那様は捕らえに来る全ての兵士をなぎ倒して城をお出になられたと聞きましたわ。本当に威張り散らしてる兵士が伸びてる様は痛快でしたわよ!ふふふっ」

奴隷商「フハハ!俺はちゃんと自分を買ったんだ。捕らえられる理由がねぇだろ?」

奴隷女「えぇ。まったく持って王が勝手ですわね!」

気付くとワインのボトルは四本目が空いていた。
二人ともかなり口調が砕けて来ていた。

もうゲームなどお構い無しにお互い自分の事を話した。

奴隷商は帝国に滅ぼされた武の国の道場の息子で、今回の連合国の戦争では民間人を人質に取られ敗れ捕虜となった。戦奴となりコロシアムで戦わされたが全ての戦いを勝ち抜き自分を買い戻し帝国を去り、僅かな資金で見込みのある奴隷を買い鍛えそれを傭兵団などに売るという仕事をしていた。
かなり評判が上がり奴隷商としての名を欲しいまはまにしてた頃、自分の仕事に嫌気が差し普通の商人として最近経営を始めた。

奴隷女は帝国に滅ぼされた森と風の国の姫。
武力などほとんど無い国で中立を保っていたのにも関わらず帝国が要求してきた物資や食料の提供を断るとそれを引き金に敵対国と見なされ一気に蹂躙されてしまう。
国民は無抵抗を貫いたにも関わらず国土の3分の2は焦土と化し王族は女以外全て殺され国民は奴隷として帝国に徴用された。
奴隷女を含む他の国の姫達は、王の趣向に応じて様々な魔術をかけられた。
どれもこれも悪趣味な物だった。
奴隷女にかけられた魔術は「齢16のまま体の時を留める」魔術であった。
体の時が止まっている為どんな事をされても死なない。
何度破瓜を経験しても体が再生してしまう為、王は苦悶の表情で痛みに耐える姿を喜び何度も犯した。

そんな王にも終わりの時が来る。
革命が起きたのだ。

革命の混乱に乗じて逃げたが奴隷のほとんどが他の人さらいや奴隷商人に捕まりまた売られた。

奴隷商「待て、森と風の国なんてかなり昔に帝国領土になってるぞ?お前いくつだ?」

奴隷女「ふふっ奴隷とはいえ女性に歳を聞くものではありませんわよ?」

奴隷商「フハハ!それは失礼した。さて夜も更けた。今日はお開きにするとしよう」

グイッと最後のワインを飲み干すと奴隷商は立ち上がった。

奴隷女「あっ旦那様。明日の新聞を楽しみになさっていて?」

奴隷商「新聞?」

奴隷女「えぇきっと旦那様に取って素敵なお知らせですわ。おやすみなさいませ」

奴隷商「おい。誰が寝ていいと言った。歳を聞いて答えなかったんだ。俺の言う事を聞け」

奴隷女「私は旦那様の奴隷です。なんなりとお申し付けくださいな?」

奴隷商「ならば部屋まで連れていけ」

奴隷女「仰せのままに」

奴隷商の大きな体を支えるには華奢すぎる奴隷女だったが部屋まで奴隷商を送る奴隷女。

部屋に付くなり奴隷商は奴隷女をベットに強引に引き込んだ。

奴隷女「あっ旦那様っ…何をなさるおつもり?」

奴隷女は分かっている事をあえて口に出して聞く。

奴隷商は何も答えない。

何も答えず奴隷女の体に包むシルクを剥ぎ取ると…そのまま…

寝た。

それを見て奴隷女はクスッと笑うと
奴隷商の赤く短い髪を撫で奴隷商に寄り添うように眠りについた。



そして次の朝…


奴隷商「う…うん…頭が…」

奴隷女「あら?お目覚めになられて?」

奴隷商「お前か…ここで何を…?いてて…」

奴隷女「何って旦那様が連れてこられたのですよ?」

奴隷商「なにっ!?」

奴隷女「覚えてらっしゃらないのですか?」

面白いなあ。更新が毎回楽しみだ

農地フラグ回収と容易に推測できても楽しみすぎる

奴隷商は頭を抱え少し目を閉じた。
昨日の記憶が所々曖昧で、それが記憶なのか想像なのか判別出来ないでいた。

奴隷商「俺はお前に何かしたか?」

奴隷女「いいえ。何も?」

奴隷商「そうか。久しぶりに酒を飲める相手が出来て少し飲み過ぎてしまったようだ。迷惑を掛けたか?」

奴隷女「とんでもございませんわ。旦那様が楽しんで頂けたのなら私も嬉しゅうございます」

奴隷商「そうか。朝食までまだ少し時間があるな。すまんが水をくれ」

奴隷女「おまちください」

奴隷女は水差しの水をグラスに移すと奴隷商に渡した。
奴隷商はそれを一気に飲み干すとベッドに仰向けに倒れ込んだ。そしてふうと一息つくと

奴隷商「来い」

と奴隷女に言うと片腕を広げ腕枕を差し出した。

奴隷女は微笑みながら黙って奴隷商の隣に横になりその腕に白銀の頭を預け目を閉じた。

奴隷商「すまなかったな」

奴隷女「え?」

奴隷商「救ってやれなくてすまなかった」

奴隷女「旦那様…」

奴隷商「業つく張りの豚の王を見てれば妾のやつらにどんな仕打ちをしてるかなんて、分かってた事だ。俺は自分の事しか考えてなかった」

奴隷女「いいえ。旦那様のお姿を見た皆が言っていましたわ。私もあの方のように自分で自分の命を奪い返したいと…もちろん私もそう思いました。そして皆で革命軍に協力して王を討ったのですよ」

奴隷商「そうか」

奴隷商は大きな手で奴隷女の頭を優しく撫でると
言った。

奴隷商「お前は自由になりたいか?」

奴隷女「私はここに居たくてここにいますわ」

奴隷商「フ…そうか」

奴隷女「まだ少し頭が痛むのではありませんか?もう少しおやすみになられては?」

奴隷商「あぁそうさせて貰う」

旦那様、お優しゅう御座います・・・

タスサマか、そりゃ強いわ…なんて一瞬思ってしまった

コンコン…

召し使い「旦那様。新聞をお持ちしました 」

奴隷女「どうぞ」

召し使い「あれ?奴隷女さんここで何を?まさかっ…!?」

奴隷女「えぇ昨日は楽しかったですわ…旦那様の事色々とほじくりかえしてしまいました」

召し使い「旦那様を…ほじくりかえす…?」

・・・・・

奴隷女「旦那様すごいですわ!ほじればほじるほど別の所からなにか出てきますわよ!」

奴隷商「うっ…あぁっ…もっと頼む…」

奴隷女「頼む?そんな頼み方では止めてしまいますわよ?ほぉらどうして欲しいのかおっしゃって?」グリグリ

奴隷商「うぉっ…お願いしますっ!もっと…もっとほじって下さいっ!」

奴隷女「いい子ですわ…ねっ!」グリッ!

奴隷商「アーッ!」

・・・・・

奴隷女「クスクスッ」

召し使い「あ…あの…えと…///」

奴隷女「ふふっそういえば新聞見せて下さる?」

召し使い「どどどどうぞ…///」

新聞の見出しは帝国軍と革命軍の衝突の記事が掛かれていた。

奴隷女「革命軍と連合国軍の板挟みにより帝国軍が劣勢。王が落ちて一度は沈静化した戦局も各地で領土争いの小競り合い…」

召し使い「戦争なんていやですね…」

奴隷女「えぇ…腐った頭が落ちたぐらいじゃ怪物は止まらないのね…」

召し使い「怪物?帝国がですか?」

奴隷女「えぇ全てを飲み込み…憎しみと悲しみを増やして行く…まさに怪物ですわ…」

召し使い「王さまを落としても終わらない戦争なんてあるんですか?」

奴隷女「普通は無いですわね…キングを落としたらチェスは終わりですわ…」

召し使い「…普通の戦争じゃないって事ですか?」

奴隷女「一時は大陸の半分を欲しいがままにしていたのですもの…王など飾りに過ぎませんわ…帝国の核を潰さなくてはこの戦争は終わらないのです…」

召し使い「…僕は戦争が嫌いです…でももし戦災孤児じゃなかったら旦那様にもコックさんにも奴隷女さんにも会えなかったと思えば前向きになれます」

奴隷女「えぇ…。過去は変えられない…変われるとしたらその過去を今自分がどう捉えるか…という事ですわね?」

召し使い「難しい言葉はわかりませんが…そんな感じです」



奴隷商「うー…頭が痛くて起きちまう…いてて…」

召し使い「大丈夫ですか?新聞来てましたよ?」

奴隷商「おう…また戦争の記事か…帝国もしぶてぇな…」ペラ

奴隷商「!?」

召し使い「旦那様?どうしました?」

奴隷商「おい…お前これ…どういう事だ?知ってたのか?」

奴隷女「言ったはずですわ。損はさせませんと…」

1ページめくった新聞の見開きは
「塩の精製に革新的技術!塩を安価で大量に生産可能に!」

と書いてあった。

召し使い「奴隷女さんはそれを知っていたから昨日塩は待つように言ったんですか!?」

奴隷女「ふふっ。えぇそうですわ」

奴隷商「帝国の最新技術か…」

奴隷女「これからも革命軍は帝国の技術をドンドン盗みだしてくれますわ。それが欲しくて連合の商団はこぞって革命軍に出資しておりますもの…」

奴隷商「この他にはどんな技術が…」

奴隷女「それはまた時期が来たらいいますわ。焦らずお待ちくださいませ。それに革命の混乱に乗じて逃げた娘達と手紙のやり取りもあります。他国の技術をここから発信していくことも可能ですわ」

奴隷商「フ…どうやら10000ガルドじゃ安すぎる買い物だったようだな」

奴隷女「お褒めに預かり光栄ですわ。旦那様」

奴隷商の「ふふっその代わり忙しくなりますわよ?」

奴隷商「望む所だ…ちょうど退屈していた所だからな!」

奴隷女「では私は朝食の支度をして参りますわ」

召し使い「あっ奴隷女さんの部屋に給仕用の服を用意してあります!それに着替えて下さいっ!」

奴隷女「まぁ楽しみですわ!さっそく使わせて頂きますわね?」

そういうと奴隷女は奴隷商の部屋を出ていった。

召し使い「不思議な方ですね…」

奴隷商「そうだな…」

召し使い「時に少女のように純粋で…時に女神のように全てを見通しているような…」

奴隷商「あぁ…そうだな。さて我らも朝の稽古だ。支度をしろ」

召し使い「は…はいっ!」

ガルドとか帝国とかでてくるとテイルズめいてくるな…

召し使いと奴隷商の鍛練は

薪割り
水汲み
瞑想
格闘術の指導

に分かれており、奴隷商の故郷の武の国では日々の生活の中に常に己の肉体を鍛える術を見つけ、実践するという物だった。

・水汲み

奴隷商「遅いぞっ!次は倍の水を持てっ!」

召し使い「はいっ!!」

・薪割り

奴隷商「常に力を入れるんじゃない!力を入れる瞬間、抜く瞬間を感じろ!」

召し使い「はいっ!!」

・瞑想

奴隷商「今日は怒りを力に変える訓練だ。お前ちょっと怒ってみろ」

召し使い「ムッ!」

奴隷商「顔だけ怒ってても意味ないぞ。真面目にやれ」

召し使い「ムムッ!」プンスプンス

奴隷商「ふぅ…これだけは覚えないな…お前は」

召し使い「す…すみません」

奴隷商「まぁいい俺とお前ではやはり武の種類が違う。俺は剛の拳。お前は柔の拳だな…」

召し使い「ゴウ?ジュウ?」

奴隷商「俺の故郷の言葉だ。俺の拳には怒りや憎しみと言った感情が必要不可欠だ。それに寄って威力が変わってくる。お前の拳は常に冷静に相手の動きを見てとっさに正確な対応をしなければならない。器用なお前なら柔の拳の方が向いてるんだろうな。」

召し使い「僕は旦那様の拳を繋いでいきたいんです…わがままですいません…」

奴隷商「フ…さぁ今日は柔軟して終わりだ!そろそろ飯が出来てるだろうしな」

北斗の拳みたいだな

召し使い「旦那様…僕はどのぐらい強くなったのでしょうか…この間の山賊の時も怖くて動けませんでした…もし…どんなに技術を磨いてもこの臆病な自分のせいでいざと言うときに旦那様から教わった事を実行出来ずに…また…大事な人を失ってしまったら…僕は…」

奴隷商「怖いか?」

召し使い「恐ろしくなりました…旦那様にも無駄なお時間を割いて頂いてるのかと思ったら申し訳無くて…」

奴隷商「お前は強くなってる。恐らく並みの兵士ならば訳ないだろう。だがな…強さってのは言わば人の獣の部分だ。手綱をしっかり握ってねぇと逆に自分の強さに飲まれる。少し強くなったら試さずにはいられなくなって命を落とした奴とかな。俺はそういう奴を何人も見てきた。お前ぐらいしっかり手綱が握れてれば大丈夫だ。心配するな」

召し使い「…はい…」

奴隷商「俺はそんな返事を教えたか?」

召し使い「っ…!はいっ!!」

もう飽きたのか?

>>105
早漏乙

コック「おーぉい!!朝飯だぞぉ!今日のはすげぇぞ!マジですげぇ!!」

奴隷商「ほら飯だ。男だったらウジウジ考えるな」

召し使い「はいっ!」



二人が食堂に行くとそこには
白い穀物が湯気を立て、見慣れないがいい香りのするスープ、焼き魚の塩焼きが並んでいた。

奴隷商「始めてみる食べ物だな。これはお前が作ったのか?」

奴隷女「えぇ東の国の姫の便りに作り方が書いてあったので是非作ってみたかったのです!」

コック「朝市に行った時のお嬢ちゃんのはしゃぎ様ったら無かったぜ!しかも魚屋の野郎「かわいいお手伝いさんにはサービスだ!」とか言って来やがる!俺のがなげぇ付き合いなのによ!」

奴隷女「コックさんのお陰ですわ!」

召し使い「すごい…おいしそうです…」ゴクリ

奴隷商「まぁまずは食うか…いただきます」

三人「いただきます」

期待

奴隷商「むっ、これは…」

召し使い「お…おいし…おっ…おい…し…」ガツガツ

奴隷女「ふふっお気に召しまして?」

奴隷商「一見味気無い淡白なこの穀物が…少し塩気のある焼き魚と良く合う。そしてこのスープ…これは…なんというか優しい味だな。」

奴隷女「白い穀物はご飯。そのスープはお味噌汁といいます。東の国では毎朝決まってこれを食べるそうですわ」

コック「ほほう!毎朝同じなら楽でいいな!」

ジパングぜよ

まだか

召し使い「モグモグモグモグ…ゴクッ!毎日ですか!東の国はなんて贅沢な…!」

奴隷女「これでもかなり質素な方なんですわよ?」

奴隷商「しかしこれなら毎日でも構わんな。明日もこれで頼む」

奴隷女「お気に召して頂いてよかったですわ!でも他の国の姫の便りにもあった料理を作りたいのです。せっかく料理をさせて頂けるんですもの!」

奴隷商「そうか…お前に任せる」

コック「いやぁ!マジで勉強になるぜ!世界の料理の作り方が細かく書いてありやがる!この珍味ってのも気になるな!おいお嬢ちゃん!これ貸してくれよ!読み足りねぇ!」

奴隷女「えぇ。私はもう覚えてしまったのでそちらのレシピは差し上げますわ」

コック「マジかよ!ありがてぇっ!」

奴隷女「ふふっ!その代わり食材の調達にまた私を連れていってくださいな?」

コック「そんなの御安い御用だ!ガハハハ!」

奴隷商「フッ…時に、奴隷女今日はこれと言ってよ予定は無いがどこか行きたい所はあるか?」

奴隷女「でしたら農村の視察に参りましょう?どの程度の被害なのか気になりますもの」

奴隷商「そうだな。では朝食がすんだら出るとするか…昼には着くだろう」

奴隷女「はい!コックさん!作りたいものがありますの!手伝って下さる?」

コック「おうよ!」

奴隷商「何をする気だ?」

奴隷女「買ったとはいえ手土産もなしには参れませんわ!お任せになって?」

奴隷商「フッ…好きにしろ」

奴隷商達は準備を整えると焼けた農村に向かった。

奴隷商「お前が競り落とした村は川に沿って隣接しており一つは川の上流にある川上村、そしてもう一つは川の下流にある川下村だ。二つの村の間には小高い丘がある。どちらから行くんだ?」

奴隷女「では川上村から参りましょうか」

奴隷商「聞こえたか?召し使い!川上村を目指すぞ!」

召し使い「かしこまりました!はぁっ!」

パシンパシン

召し使いの鞭で馬車は走り出す。

ガタガタと揺れながら馬車は荒れた渓谷を通る。
奴隷商は少し微笑みながら窓の外を眺める奴隷女を眉間にシワを寄せて見ていた。

奴隷商「…お前昨日の話本当か?」

奴隷女「昨日の?」

奴隷商「とぼけるな。お前に魔術が掛かっている…という話だ」

奴隷女「それでしたら…嘘ですわ」

奴隷商「フッ…だろうな。そもそも魔術なんて物はねぇんだ。幻覚や幻聴を及ぼす毒はあるだろうがな」

奴隷女「魔術というと尊大に聞こえますがせいぜい暗示が関の山ですわ。」

奴隷商「フッ…酒ってのは恐ろしいな…酒を呑むと口が軽くてだめだ」

ほほぅ!これは上玉(なss)だ!

農村のフラグ回収が楽しみだ

奴隷女「楽しそうな旦那様を見れて私も嬉しかったですわ」

奴隷商「フッ…お前には敵わんな。なるほど嘘か誠かより相手を納得させ興味のある事実を引き出す事があぁ言う場では最適…か」

奴隷女「さすがは旦那様ですわね。それがあのゲームの真理です」

奴隷商「もはやお前に隠し事をする気にもならん」

奴隷女「ふふふっ」




wktk

奴隷女は戦奴としての生活を根掘り葉掘り聞いた。
奴隷商はその全てに快く答えた。ずっと隠していた秘密を話すのを実は楽しんでいたからだ。
帝国から逃げ出してから自分が元コロシアムの英雄だなどと口にすれば噂を聞きつけ帝国の刺客が王への侮辱罪で裁きに来るだろう。
誰が来ても負ける事は無いであろうがいちいち相手をするもの面倒だった。

奴隷女「私が初めて見た貴方の試合はとても理不尽な物でしたわ。獅子との一騎打ちなんて・・」

奴隷商「あんな物は対した事は無い。象の方がでかい分まだ厄介だった」

奴隷女「象!?あの象を倒されたのですか?」

奴隷商「しかも体中に剣が装備された戦象という奴だな」

奴隷女「すごいですわ!是非その時のお話聞かせてくださる?」

奴隷商「あぁいいぞ。普段は温厚な生き物だが荒れ狂った象は獰猛でな・・」



奴隷女は子供のようにはしゃいで聞いていた。


一頻り聞くと奴隷女は奴隷商に聞いた。

奴隷女「命の危険を感じた事はありましたの?」

奴隷商「これは俺も不思議なんだが一度も無かった。どんな戦いでも勝てる自信があった・・俺は生きなきゃならん・・滅ぼされた国の為にも[ピーーー]ないと・・そう思ってたからな」

奴隷女「貴方は奴隷の希望の星でしたものね・・」

召し使い「旦那様ぁ村が見えましたよ!」

奴隷商「そうか!分かった!村長の家の前に止めろ!」

召し使い「分かりました!」



奴隷商の一団は川上村に到着した。



召し使い「どこが村長の村なんだろう?あっ人がいる!聞いてみよう!」

村人「・・・」

召し使い「あのー!すいません!」

村人「!?」

召し使い「村長の家はどの辺でしょうか?」

村人「ねぇよ。村長の家なんて・・もう・・この村にはなんにも残ってねぇよ・・」

召し使い「え?」

奴隷商「・・・」

村人「あんたら闇市でこの村の収穫を買った商人だろ・・?残念だったな・・・もう・・・・この村は終わりだよ・・廃村同然だ・・いい村だったのに・・それなのに・・・」

召し使い「・・・そんな事おっしゃらずに・・また頑張ればいいじゃないですか!こうして生きてるんですから!」

村人「あんたらに何が分かるッ!!!畑はなぁ!!俺ら農民にとっちゃ家族だ!!それを馬や兵器や!!鎧の兵隊が踏み固めて殺しちまったっ!!あんたらみたいな金持ちに・・・何がわかるってんだよぉぉぉ!!!!」


村人はうつろな目で召し使いにつかみかかった。


召し使い「わっ!」

奴隷商「おい!!!」

村人「!?」ビクッ

奴隷商「そいつは俺の所有物だ。勝手な真似してみろ・・ただじゃすまんぞ」

村人「あんたは・・!?奴隷商!?もしかしてこの村を買ったのってあんただったのか!?」

奴隷商「何か問題があるか?」

村人「無い・・無いがこんな田舎者の俺の耳にまで届いてる程のあんたがこの村に手を出したって事は・・この村はまだ・・価値があるって事なのか!?」

奴隷商「価値があるか無いかは買い手が決める事だ。お前でも俺でも無い」

村人「・・そうか・・!あんただったのか・・・!!この村にはまだ・・・希望があるんだなぁ・・そうか・・・くぅ・・」

奴隷女「どこに行っても・・貴方は人々に希望を与える存在のようですわね?」

奴隷商「フン・・・柄じゃないな」

村人「さぁこっちだ!みんなの所へ案内する!ほらあんちゃんこっちだって!」

召し使い「は・・はい!」



一団は村人の案内で村はずれの家に向かった。

村人「ここでさぁ!さぁ狭い所だが上がってくれ!おーい!みんなぁ!客人だぞぉ!」

嬉しそうに村人は中に入っていた。

小さな家の中には村中の人が身を寄せ合って座っていた。
皆やせ細り、目からは光が消え失せていた。
村人達は横になるスペースも無いだろうという中に
僅かなスペースを空けそこに三人を通した。

村長「これはこれは・・奴隷商殿・・よくぞ参られた。見ての通りでなんもお構いできませんが・・」

奴隷商「構いなどいい。詳しくはこいつと話してくれ俺は外にいる」

奴隷商はそう言うなり立ち上がり外に出る。後を頼む、というように奴隷女と目を合わせた。
奴隷女は優しく微笑むと口を開いた。

奴隷女「初めまして・・私占術師のローラレイと申します。此度は戦災に合われたこの村に吉兆ありという占いが出ておりこうして旦那様と参った次第でございます」

奴隷商は「始まったか・・」と思いフッと笑うと外に出た。

村長「吉兆ですと?」

奴隷「私の得意とするのは占星術・・星が示したこの村は大きな繁栄の篝火になると出ました」

村人達がざわ付く中奴隷女は「まずは・・」といい屋敷から持ってきたとても大きな袋ととても小さな袋をを差し出した。

村長「これは?」

奴隷女「まずはお近づきの印にこちらをお召し上がりになって下さい」

大きな袋を開けると白い穀物を握り拳程に丸めた物が沢山入っていた。

奴隷女「どうぞ。」

それを一つ渡し奴隷女は村長に促した。

村長「う・・・うむ」モグモグ

奴隷女「どうですか?」

村長「う・・うまい・・・ッ!!これは・・これはなんという・・こんなに・・うまい物が・・・」

村長は言葉にしようとするも止まらぬ咀嚼に阻まれてしゃべる事も出来ずに平らげた。

奴隷女「みなさんもどうか召し上がって下さい!皆様に食べてもらう為に沢山用意させてあります」

奴隷女は召し使いに皆に平等に配るように大きな包みを渡し召し使いはそれを皆に配った。

皆は震える手でそれを受け取り食べた。

中には涙を流す者までいた。

村人達「うめぇ・・っ!!」「ありがてぇ・・っ!」「あぁ・・神様・・っ!」

それを見て召し使いは昔の自分と重ねていた。

召し使い「よっぽど空腹だったんでしょうね・・やっぱり僕戦争なんて大嫌いです・・」

奴隷女「この村は広大な農地があったと聞きます。村人用の蓄えは無かったのですか?」

村長「えぇ・・来年用の種籾も軍に徴収されてしまい、いざという時の備えに取ってあった麦は年貢として取り上げられてしまい・・もう私たちは飢える他無かった・・」

奴隷女「それは持ってきた甲斐がありました。では本題に入らさせて頂きます。皆さんこれを作って見る気はありませんか?」

村長「・・つくる?この村でですか?」

奴隷女「そうです。そしてこちらには今食べた物より更に美味な実りを宿した種籾が入っています」

小さな袋を開けるとその中には麦よりも小粒で少し艶のある穀物が入っていた。

奴隷女「私は占いの力しかありません。どんなに星から知らせを聞いても一人では実行する力は無いのです。貴男方さえその気になれば星はきっと運命を変える力を授けて下さるでしょう」

村人達「やりましょう!村長」「命の恩人なんだ!やるしかないでしょう!」

村長「しかしここにはもう僅かばかりの農具があり男手も少ない・・ありがたい話ですが・・」

奴隷女「次の収穫までの食事や道具はこちらで揃えましょう。それと人手も宛を付けてあります」

村長「なんと・・そこまでして・・何故この村の為に・・?」

奴隷女「それが星の導きだからですわ」

村長「言葉も・・ありません・・・。ありがとう・・・ありがとう・・・貴方方はこの村の恩人です・・」

話を聞いていた召し使いは奴隷女に耳打ちした。

召し使い(いいんですか?旦那様に断りも無くそんな約束しちゃって・・)

奴隷女はニコッと笑うと
『乗りかかった船だ。好きにしろ』
奴隷商の真似をして見せた。

来たか!

村人達の目に再び光が宿された。

奴隷女は奴隷商に必要な物を伝え、奴隷商はそれを二つ返事で承諾した。

先程の奴隷女が真似たままに奴隷商が答えたので召し使いは笑いを堪えるのに必死だった。

その時だ。

村人「山賊だぁぁ!!!山賊が出たぞぉぉ!!」

村人の声に皆が凍り付く…

村人達「山賊だと…!?」「これ以上何を奪う気だ…」「うぇぇぇん!怖いよぉ!」

村長「くっ…この矢先に…奴隷商殿はどうかお逃げなされ…この村はどうやら神に見放されたようでございます…」

奴隷商「この村はもう俺の所有物だ。勝手な真似はさせん」

奴隷商は立ち上がり石を手に取り遥か彼方から向かってくる山賊達に向けて投げつけた。

奴隷女「旦那様!お待ちになって…!!」

奴隷女は止めたが既に投石のモーションに入っていた奴隷商の豪腕は止まらなかった。

ヒィィィィン!!バキャッ!

彼方から飛んできた石のつぶてが無精髭を掠めて散らし後ろの馬車の壁にめり込んでいた。

無精髭「ひっ…!」



奴隷女「いきなり何をなさるかと思ったら…!」

奴隷商「安心しろ。わずかにずれた。当たってはいない。あれはあの時の盗賊か…」

奴隷女「あの物達は山賊ですが敵ではありません。皆さん安心して下さい!」

奴隷女がそういうと皆安堵のため息をついた。

村長「まさか…人手の宛とは…」

奴隷女「えぇあの者達ですわ」

村長「山賊達と仕事をしろと…?」

奴隷女「人を選んでいる余裕などないはずですわ。村長。村の為にも使える物は使わなくては」

村長「おっしゃる通りだ。しかし村の者達がなんと言うか…」

村人達「山賊が味方?」「確かに襲ってくる様子はないな…」「本当に大丈夫なのか?」

無精髭「おいおい!なんだってんだ!仕事をくれるって言うから来てみたら!いきなり石投げてくるなんて随分じゃねぇか」

奴隷商「だったらもっとまともな格好で来い。賊丸出しの奴が石投げられたぐらいで喚くな」

無精髭「俺たちはこれしか服がねぇんだよ!ただの石なら何も言わねぇがなんだあの威力は!こっちは砲弾かなんかかと思って肝冷やしたんだぞ!」

奴隷商「フン…外してやったんだ。感謝しろ」

無精髭「おーこぇえ…」

奴隷女「皆さんよくぞ来てくださいました」

無精髭「あんな事言われたら来るしかねぇじゃねぇか。それより比較的安全で長期的な仕事ってのはなんだ?まさか農民やれってんじゃねぇだろうな?」

奴隷女「いいえ農産はこの村の皆さんの仕事です。皆さんにはこの村の建物の修理と建造と農具の作成を行ってもらいます」

無精髭「へっ…報酬は?」

奴隷女「それは…」

奴隷女は奴隷商を見る。

奴隷商は「…好きにしろ」

奴隷女「食べるのに困るような事にはならないぐらいは用意があります」


無精髭「上等だ。出来れば酒もありゃ最高だな」

奴隷商「ほう…貴様飲めるのか?」

無精髭「おうよ!ウチの山賊団は酒豪揃いよ!俺を筆頭にな!」

奴隷商「そうか!そいつはいいな!今夜は前祝いだ!盛大にやるぞ!」

無精髭「そりゃいい!最高だ!野郎共今夜は久々の酒だ!気合いれて仕事しろ!!」

山賊「ウォォォォォォ!!!」

村人「た…頼もしそうだな…」

村人「なんか大丈夫そうだぞ」

奴隷商「おいそこのお前!」

バンダナ「はい!?あっしですか!?」

奴隷商「これで酒買ってこい!買えるだけな!」

バンダナ「おおっとっと…す…すげぇ…こんなに!酒蔵ごと買えちまいますぜ!?」

奴隷商「それは結構!さっさと行け!召し使い!お前も付いていけ!」

召し使い「はいっ!あの…その…宜しくお願いします」

バンダナ「そんなかしこまんなよ!お頭ぁ!馬車借りますぜ!」

無精髭「おうよ!壊すんじゃねぇぞ!」

奴隷女「お待ちになって!お酒のついでにこれを買ってきて下さる?」

そういうと奴隷女は一枚のメモを取り出しバンダナの男に渡した。

バンダナ「あの時のねぇちゃんか…ちゃんと俺の銃返してくれたんだな。ありがとよ。親父の形見なんだ…」

奴隷女「お礼は働きで返して下さいな?」

バンダナ「おうよ!任せとけ!」

そういうとバンダナの男は馬に威勢よく鞭を入れて村を出た。

ヒヒィンと馬は嘶き走り出した。

召し使い「そんなに強く叩いたら可哀想です!」

バンダナ「なんだよ…!うるせぇなぁ!ちょっと調子に乗っちまっただけだよ!」

召し使い「あっすいません…つい」

バンダナ「いや…悪かったな。かバルケル、クレイモア。」

ブルル!

馬は気にしてないというように鼻を鳴らした。

召し使い「いい子達ですね!」

バンダナ「そうだろう?俺が世話してんだ!」



二人の会話のやりとりを聞きながら奴隷商は召し使いの初めての友には丁度いいか、フッと鼻で笑った。

奴隷女「まずは村長とお頭さんと私と旦那様でこれからの村の方針を決めねばなりませんわね」

村長「初めまして…この村の村長です。山賊のお頭さんとお話するのは初めてでして…何か無礼がなければいいのですが…」

無精髭「こちとら無礼の固まりみてぇなもんだ!改まらねぇでくれよ!」

村長「はい!宜しくお願いします!」

奴隷女「では旦那様の馬車の中で話しましょう。女性の皆さんは食材がありますので食事の用意を、男性の皆さんは農具をこちらに集めて下さいな。壊れた物も全てです」

そして昼が過ぎ夕刻になる。

山賊達は二手に別れ材木を調達する班と瓦礫を撤去する班で仕事を始めた。

農民達は荒れた土地を再び耕し畑にする奴隷女の持ってきた白い穀物の生産方法の通りを籾を苗にする作業に移った。

奴隷女は農地に行き土を触ると安心したように笑った。

奴隷女「やはり強い土地ですわ。固まってるのは表面だけ…皆さん安心して耕して下さいな」

村長「占い師さんはそんなことまで分かるんですか?」

奴隷女「えぇ…土も活きてますもの」

それを聞いた村人達は勇気付けられ一層鍬を振るった。

奴隷商「川下村にはいつ行くんだ?」

奴隷商が奴隷女に聞くと奴隷女は

奴隷女「本当は早い方がいいのですが、今日は宴もあるようですし明日の朝出ましょう。」

奴隷商「そうか。分かった。飲みすぎないように気を付けろよ」

奴隷女「ふふっ!かしこまりましたわ」

稲作稲作!

・・・・・・・

宴が始まり皆が騒いでいる間、奴隷女は村長に一冊の本を渡した。

村長「これは?」

奴隷女「必要な事は全てここに書いてありますわ。今年は皆を水田に慣れさせるために収穫は一度。今年の春に植えれば秋には収穫出来ます。来年からは二毛作に切り替えます。来年には酪農も始めます。土の力を衰えさせずに二毛作をするには畜産は必要不可欠ですわ」

村長「そ…そんな一度に言われても…すみません。明日明後日の命と思っていたのにこんなありがたい事になって…頭が中々付いていかず…」

奴隷女「ふふっ…いいのですよ。その為にしたためた書ですもの。ゆっくりお読みになって下さいませ」

村長「あ…ありがとうございます」

奴隷女「村長さんは立派ですわね」

奴隷女は村長の目を見て言った。
村長はその金色の瞳に目を奪われたが吸い込まれそうな感覚を覚えすぐに視線を逸らす。

奴隷女は村長の老いに垂れ下がった顎に手を添えて自分の方に向き直させる。

村長「ははっ…こんな老いぼれをからかわないでくだされ…」

クスリと笑い奴隷女は言った。

奴隷女「闇市に村を売りに出したのは何故?」

村長「そ…それは…背に腹は変えられぬと…」

奴隷女「ではそのお金はどこへ?」

両手で皺の深い頬を掴んだままはっきりした声で問いを続けた。


これは面白い

村長「それは…既に村の為に…」

奴隷女「占い師に嘘は通じなくてよ?」

村長「ぐぅ…私の家の跡地の裏手に地下倉庫が…岩の下です…」

奴隷女「そう…いい子ね…」

村長「お…お願いします!村の皆にはどうか!」

奴隷女「あら?何故かしら?」

村長「こ…殺 されてしまいます…きっとみんな怒る…」

奴隷女「それはそうでしょう?それだけの事を貴方はしたのですよ?村長という立場を利用し闇市で売ったお金のほとんどを横領した…死罪を適用されても文句は言えませんわ…」

村長「出来心だったんです!この老いぼれの後生のたのみです!どうか!どうか…!」

取り乱し慌てる村長の白髪を一撫し奴隷女はクスッと笑った。

奴隷女「そのお金…私に下さる?もちろん村の為に使わせて頂きますわ。貴方は安心して村長を続けていればいい。私のいう通りにね?出来まして?」

村長「もちろん!やります!なんでも…なんでもやります!」

奴隷女「そう…?だったら貴方…死になさい」

そういうと奴隷女はテーブルにあった果物ナイフを村長に突き刺した。



奴隷女「」

村長は激痛で膝から崩れ落ちる。

村長「か…はっ……痛たたた…痛く…?ない…」

よく見ると奴隷女はとっさに柄を持ち替えたようで刃は逆を向いていた。

奴隷女「今村を騙した悪い村長は死にましたわ
。貴方の心に巣食う悪い強欲な悪魔も」

村長「あ…あぁ…」

奴隷女「これからは誠心誠意村の為に尽くして下さいますわね?」

村長「…は…はひ…」

奴隷女「私たちは明日この村を発ちますの…そんな事では心配で出発出来ませんわ」

村長「…はい!誠心誠意村の為にこの身を捧げさせて頂きますっ…!」

奴隷女「そうでなくてはいけませんわ」

そう言いながら奴隷女は村外れの小さな家から出た。

奴隷商「済んだのか?」

奴隷女「えぇ」

怯えながら奴隷女の背を追う村長は閉まるドアから奴隷商の虎のような目が光るのを見て更に震撼した。

奴隷商「俺を失望させるなよ」

バタンッ

村長「は…はいぃぃぃい!!!」

涙声で村長は叫びにも似た返事をした。

奴隷女「いらしてたのですね。旦那様」

奴隷商「あぁお前と村長が宴を抜けるのが見えたからな」

奴隷女「ふふっこれでももう憂いなくお酒の呑めますわよ!」ダッ

奴隷商「あっ…おい待て!」

奴隷女「早くしないと全部飲んでしまいますわよ!」

奴隷商「待てと言ってるだろうが…!」

宴会場に付くなり奴隷女はバンダナから果実酒を奪うと豪快に飲み干した。

奴隷商「おい!飲みすぎるなと話しただろう!」

奴隷女「あら?こんなの飲んだ内に入りませんわ」グイッ

奴隷商「おい!その辺に…」

奴隷商が奴隷女を掴み止めようとしたその時。

奴隷女「いやぁぁぁ!!旦那様ごむたいなっ!こんなみんなの見てる前で!!」

奴隷商「なっ!?」

無精髭「おいおい…旦那ぁ!レディは優しく扱わなきゃいけねぇって教わらなかブボァ!」

しゃしゃり出てきた無精髭の説教が言い終わる前に叩き潰し奴隷商は奴隷女に迫る。

奴隷商「貴様いい加減に…」

村人女「ちょっとあんたいい加減にしなさいよ!」

村人おばさん「そうだよ!嫌がってるじゃないか!」

奴隷商「ちが…それは…誤解だ!我々は明日…」

村人女「まぁ明日を約束した間柄ですって!」

村人おばさん「こんな若い子に粉をかけるなんて…!」

奴隷商「そうじゃな…!そうじゃなくてだな…!」

立ちはだかる婦人軍団にタジタジになっている奴隷商を見て奴隷女は酒の肴と言わんばかりに果実酒を煽るのだった。

旦那は萌え要員か

続きまだ~(チンチン

続きまだ~?(マンマン

続きまだ~ (シコシコ

↑お前らww

書き貯めて一気に書くのでお待ちを

いくらでも待とうじゃあないか 支援

奴隷女さんエロかっこかわいい
つづき楽しみにしてます

しえん

支援
復活したことに気づくのか

復活確認!!

おお 復活してらっしゃる。 あとは1が返って来るのみだな

奴隷女さん、待ってます

はよ!はよ!

どっかで他で書いてるとかないよね?

さてボチボチ、続きを書くとするか…

さ~て明日から書きますかな

おお 待ってる

楽しみだったのにエタったんかな?

続きまーつわ いつまでもまーつわ

そして出発の朝…

奴隷女「さて出発しますわよ!」

召し使い「うぅ…頭がぁ…」

奴隷女「ご無理をなさって飲むから」

召し使い「それはバンダナ君が強引に勧めて来るから…」

頭を抱えながら青い顔でフラフラしている召し使いに水を差し出しながら奴隷はクスッと笑った。

奴隷女「旦那様は?」

召し使い「もう馬車で寝ていらっしゃいます…「 絶対に起こすな」との事です」

奴隷女「あら?そうでしたの?まぁいいですわ」

奴隷女は立ち上がりながら朝日に向かって伸びをしながら一息つくと

奴隷女「一時間後に発ちましょう。召し使いさんはその間に準備を。私はもう一度村長の所に行ってまいりますわ」

きたー

キター

コヒー

おお、再開したか
期待してます

まだー?

まだかね?

奴隷女さん、「一時間後」が長すぎやしませんか?

バンダナ「いってて…」

頭を擦りながら簡易テントから出てきたのはバンダナが出てきた。

召し使い「あっおはよう…昨日は散々だったね…すごい飲まされてたけど大丈夫?」

バンダナ「最悪だよ…あー頭が…いてて…」

召し使い「あはは!バンダナ君って言う ほどお酒強くないんだね!」

バンダナ「るせー!お前だって酔って潰れて俺にもたれて来た癖に!あっ…つつ…」

召し使い「ふふっこれ僕の飲み掛けだけどよかったら飲む?」

召し使いはさっき奴隷女に渡された水を差し出した。

バンダナは悪いなと手を軽くあげると水を飲み干して一息ついた。

召し使い「大丈夫?」

バンダナ「あぁいくらかマシになった…わりぃ」

召し使い「うん…」



召し使い・バンダナ「あのさ」


召し使い・バンダナ「!?」


召し使い「ど…どうぞ」

バンダナ「お…お前から言えよ」

召し使い「あっうん…あのもし良かったらなんだけど…あの…バンダナ君さえ良かったら僕とその…友達に…」

バンダナ「あ?」

召し使い「あっ…ごめん…いやだよね…」

バンダナ「ばーか」

召し使い「え…?」

バンダナ「一度酒を交わしたら…もう兄弟だろ! 」

召し使い「ほんと!?」

バンダナ「嘘ついてどうすんだよ!」

召し使い「ううん!すごく嬉しいんだ!ありがとう!」

バンダナ「礼を言われるような事はしてねぇよ!お前こそ山賊なんかの兄弟でいいのかよ!って話だ」

召し使い「山賊とか関係ないよ!バンダナ君はバンダナ君だもん!」

バンダナ「ふっ…そうかよ」スッ

召し使い「え?」

バンダナ「兄弟の握手だよ…さっさとしろ」

召し使い「う…うん!」ガシッ


その光景を奴隷女は微笑ましげに見ていた。

ふと簡易テントの方に目をやると荷物の陰やテントの陰から山賊たちが涙ぐんで見ていた。

奴隷女「ど…どうしましたの?」

無精髭「思えば…まだ子供だったあいつを拾った時から友達を作る環境なんて与えてやれなかった…剣の扱いや銃の使い方…そんな事ばかり教えて来た…」

奴隷女「まぁそうでしたの…」

無精髭「最初は気紛れだったのさ…ガキに罪はねぇなんて啖呵切った割にな…気付けば俺らの真似事をするようになってな…すっかり男に…いや男みたいに育っちまった…」

奴隷女「え?男…みたいに?」

無精髭「あ?気付いてなかったのか?あいつは女だぞ?確かに女っけもさらさらねぇし胸もぺっちゃんこだしこれっぽっちも女である証明はねぇかもしれねぇが…確かに女だ…」

奴隷女「えっ!?女!?どうみても殿方かと!?」

バンダナ「あのさぁ…」

無精髭「!?」

バンダナ「お頭ぁ…胸の事は言わねぇって誓ったじゃないっすかぁ?」ユラァ

無精髭「ひっ!」

バンダナ「フンッ!」シュッ!ドゴォ!

無精髭「ふぃぶぉ!」ゴロゴロゴロゴロ!

バンダナのソバットが無精髭の側頭部にクリーンヒットした。

無精髭はそのまま転がって静かになってしまった…。

召し使い「お…女の子だったの…?」

バンダナ「あぁ…ばれちまったらしょうがねぇな…女じゃ不満か?」

召し使い「ううん!びっくりしただけ!バンダナ君はバンダナ君だってさっき言ったじゃないか…!」

バンダナ「そうか…じゃびっくりついでにもうひとつ聞いてくれ」

召し使い「な…なに?」

バンダナ「俺はお前が好きだ」

召し使い「えっ?///」

バンダナ「えっ?じゃねぇよ!」グイッ

召し使い「わっ!」



チュッ


山賊達「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

バンダナ「これでわかったかよ」

山賊達「いやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!キスゥゥゥゥ!!」

バンダナ「うるせぇよ!!で?返事は?」ドン!

召し使い「いや…あの…その…」

奴隷女「召し使いさん?乙女の唇を奪っておいてそれはないですわよ?」

召し使い「はい!ご…ごめんなさい!」

バンダナ「…!」ガーン!

召し使い「あっいやそうじゃなくて…!びっくりして戸惑っちゃったけど…嬉しいです!僕も好きです!」

バンダナ「ば…ばーか///」

奴隷女「ふふっいいの?愛娘だったんのではなくて?」

奴隷女は微笑みながら伸びている無精髭に話しかけた。

無精髭「だからこそだ…!娘の初恋が叶ったんだ…これを喜ばねぇ父親がいるかよ…」グスッ

奴隷女「泣いてるくせに…」

無精髭「るせぇ!蹴られた傷が痛むんだよ…!」

奴隷女はクスリと笑うと賑やかな宴会場を後にした。

奴隷女は村長と会い、村長が横領した闇市からの代金で山賊たちへの給金、そして村人達の食料、必要な物を手配させた。

そして旅立ちの時間になる…

きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

更新、待ってました!

更新、乙です!
バンダナかわいい

まだかね?

まってる

まだかい

これは続きが楽しみだ…痛快すぎる

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年05月16日 (月) 00:13:21   ID: Qpxufqbd

凄く面白い話ですね!
途中で切れてしまっているのがとても残念です。

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