クラリスさんがモバマスP に恩返しするお話 (14)

モバマスSSです
二次創作なので注意をしてください
テスト的な割合が大きいので、なにかあったら指摘をください
安価ではありません
致命的なミスを見つけ、あたらしくしました申し訳ありません

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これはクラリスさんを好きになってしまったプロデューサーのお話

アイドルにはならなかったクラリスさんのお話

クラリスさんにとってプロデューサという男には大きな恩がある。
クラリスは教会に勤めるシスターである。
しかし、勤める教会の経営はお世辞にもよくないものであった。
プロデューサーそれを救った。
単純に言えば、そうだ。
だが、そこには数えきれない苦労がある。
はい、ありがとうございました
ですませるほどにクラリスは薄情ではない。
彼女はこの恩を返さなければならないと考えた。
彼女の性格からしてそれは当然の流れであった。
彼がブロデューサーと呼ばれているのは彼がアイドル事務所でプロデューサーをしているからだ。
意外にもこの事務所のアシスタントさんが彼女に話を持ちかけてきた。

プロデューサーさんに恩返しをしてください、と。

クラリスにとってプロデューサという人には大きな恩がある。

クラリスは教会に仕えるシスターである。

しかし、仕える教会の経営はお世辞にもよくないものであった。

プロデューサーはそれを救った。

単純に言えば、そうだ。

だが、そこには数えきれない苦労がある。
通常ではあり得ないと言っても過言ではない。

はい、ありがとうございました

ですませるほどにクラリスは薄情ではない。

彼女はこの恩を返さなければならないと考えた。

彼女の性格からしてそれは当然の流れであった。

彼がブロデューサーと呼ばれているのは彼がアイドル事務所でプロデューサーをしているからだ。

意外にもこの事務所のアシスタントさんが彼女に話を持ちかけてきた。


プロデューサーさんに恩返しをしてくれませんか、と。

クラリスは道を歩いていた。

通いなれている、というほどでもない。

けれど何度か通ったことのある道。

空は灰色で今にも雨が降りだしそうだった。

天気予報はほぼ雨である、と予測していた

しかし、クラリスにそれを気にかける余裕はなかった。

いくらか歩いたあとにアパートの一室の前についた。

クラリスはこの部屋に何度か訪れている。

それは甘い関係からでなく、ただ教会のことについて相談があったりしたからだ。

ただそれだけ。

一息つくとクラリスはインターホンへと指を伸ばした。

「あれ?クラリスさん」

その目的の人物の声は後ろから聞こえた。
今帰ってきたところのようだった。

「どうしたんですか、今日は?」

招かれた部屋は殺風景である。
私物はほとんどない。
ところどころにアイドルからの贈り物やらがあるが、趣味はてんでばらばらでまとまりはない。

「教会の手助けをしていただいたこと、それへの恩返しを思いついたのです」

プロデューサーは沈黙する。
わざわざ恩返しをする、と宣言するどころか。
その内容まで教えに来た、プロデューサーには奇妙に感じられた。
そして帰ってくる答えはクラリスにとって聞きなれたものだった。

別に礼はいらない、好きでやったことだ。

謙虚ですばらしい答えだ、考えと実行だ。
それが本当に本心であるならばその通りに恩返しなどいらないかったかもしれない。
だが、そうとはいいきれない。

意地悪な質問をクラリスは出すことにした。

「…そういえばプロデューサーさんはどうして私をアイドルにスカウトしなかったのですか?」

「シスターさんをスカウトなんていうのは私には考えつきませんね」

冗談ぽくプロデューサーは笑いながら言う。

「ではなぜあのアイドル事務所の力を使うのは避けたのですか」

プロデューサーはこれでも業界の人物である。
コネはこれでも持っている。
そのコネを活用し、教会の手助けをした。
しかし、そこには一切アイドルは絡んでないのだ。

「千川さんの入れ知恵ですか」

「ええ、恩返しをしてほしいと頼まれ、色々教えてもらったのですよ」

「…雨、降っちゃてますよ」

紛らわすため半分、本当に濡れて帰るはめになることへの不安。
プロデューサーは窓にうつる光景を見るがクラリスの視線は動いていない。

「答え分かってて聞いていますよね?」

観念したような、今度は苦笑いへとプロデューサーは顔を変える。

「恩を返す前にこのことが気になったのです。教会を手助けした真意を直接ブロデューサーの口から聞きたかったのです」

そうでなければ恩返しも空回りで終わってしまうから。
クラリスは目を開き、見つめる。







「で、二人は愛を確かめあっておしまい?」

「ちゃかさないでくださいよ」

事務所で二人が雑談している。
幾人かがこの会話を盗み聞いているがブロデューサーにとってはどうでもよかった。

「元はプロデューサーさんが悪いんですよ?素直に思いを伝えていればヒロインのピンチを救ったヒーロー、そしてそこから始まるラブストーリーで終わったのに」

「不純な思いで助けた、なんていうのは彼女に失礼だと思ったんですよ」

「違いますよ、愛の力ですよ、愛。私はいいと思いますよ」

「千川さんが言うと気味が悪いですね」

「え、ひどくありません」

そんなことをいうのはクラリスさん、いや有浦もか
ともかくその二人で十分だ、そうプロデューサーは考え、笑う。

「でも、いろいろと無茶をしたのは反省してくださいよ、事務所の大黒柱なんですし。今回のだって長引いてこじれたかもしれませんし」

気をつけまーす、と背中を見せるプロデューサーにちひろはあきれる。

そういえば、とちひろはプロデューサーに問いかける。

「クラリスさんの恩返して一体なんだったんですか?


プロデューサーは封筒から一枚の紙を取り出すとホワイトボードに張りつける

地図と書き込まれた文字
困ったことがあったらここ
優しいシスターさんがあなたの相談にのってくれます
○○教会

これまた幾人かの写真をとる音。
ドタドタと外にでる音。

「いいんですか、あれ」

「別にラブラブハッピーエンドを迎えた、なんて言ってませんよ」

「!?じゃあどうなったんですか!?」

プロデューサーは帰り道を歩いていた。
途中の公園が目につき、はいるとベンチに座る。
ガサコソと懐をいじり、封筒を出す。

プロデューサー様へ
たくさんのものをありがとうございました

綺麗な文字で書かれた手紙、短い一文。
その文をジッと見つめ、封筒に入れ直す。
公園のベンチにいるプロデューサーを照らしているのは街灯の光だけ。
ぽつり、ぽつりと頬になにかを当たるのをプロデューサーは感じた。
べたつく感じに雨ではない、と感じる。

「雪か」

つぶやいても一人。

「?」

ふと雪が止んだことに驚きプロデューサーは顔をあげる

傘があった

「プロデューサー様、風邪をひいてしまいますわよ?」

それはクラリスの差し出した傘だった。

プロデューサーは一言つぶやく、クラリスも一言返す
そうして二人は進みだした。

クラリスさんの恩返しはこれからだ
end です

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