照「咲のお誕生日会に呼ばれたい」(229)

こんなのが見たいです。
咲さんお誕生日おめでとうございます。

菫 「はあ?」

照 「だから、咲のお誕生日会にお呼ばれしたい」

淡 「妹さんだっけ? 長野の」

照 「そう。とても可愛い」ムフー

菫 「……いや、呼ばれるわけがないだろう」

照 「何故」キョトン

菫 「普段から『私に妹はいない』なんて言ってる姉だぞ? そんなのを誕生日に呼ぶヤツがいるか」

照 「それはいわゆるツンデレ。愛情表現」

照 「遠回しな愛情表現で咲をやきもきさせる作戦」フンスッ

淡 「なるほどー。テルーは策士だねー!」

照 「それほどでもない」ドヤッ

菫 「……」ハァ


菫 「照。たとえ話をしよう」

照 「?」

菫 「お前に好きな人がいたとする」

照 「咲のこと?」

菫 「その人が『照のことなんて知りません』と言ったとする」

照 「!?」ガーン

はじまた

すばらですよ!

菫 「そんなことを言われたらどう思う?」

照 「咲に嫌われた人生なんて価値が無い。もうダメ、死ぬしかない」ドヨン

淡 「ちょ、テルー! これたとえ話、たとえ話だから!」

菫 「そんな相手を誕生日会に誘おうと思うか?」

照 「無理、絶対無理。もっと嫌われそうで……」

菫 「…それが、今のお前の妹の状況だよ」

照 「!」

菫 「お前の作戦とやらは知らんが、すこし妹さんを遠ざけすぎだ。
   そんなじゃ嫌われていると勘違いされても仕方ないな」

照 「…うぅ」ションボリ

淡 「……スミレー、なんとかならないの? テルーが可哀そうだよー」

照 「うー……咲ぃ……」ズーン

菫 「…まあ、直接妹さんのところに行けば良いんじゃないか? 招待されてなくとm」

照 「菫は何も分かってない」ガバッ

菫 「うおっ!? 急に顔を上げるなッ!」

照 「招待状を貰ってこそのお誕生日会。招待状無しで遊びに行くなんて趣がない」キッ

菫 「趣なんて気にするのか、お前が……」

淡 「なるほどなるほどー」

菫 「……」


菫 「…淡。先日、お前の誕生日会をこの部室で行ったな」

淡 「? うん、すごく楽しかったよー!」

菫 「瑞原プロがサプライズゲストとして来てくれたことを覚えているか?」

照 「!」

淡 「うんうん! びっくりしたけど、とっても嬉しかった!」

照 「……サプライズゲスト」

照 「気が変わった。やっぱり長野に行ってくる」

菫 「そうか。招待状はいいのか?」

照 「……たまには、菫の案を採用するのも良い」

菫 「ん。分かった」


淡 (さすがだね、スミレー。テルーのコントロールはばっちりって感じ?)ヒソヒソ

菫 (まあ、もう3年の付き合いだからな。あいつの考えることは大体分かるさ)ヒソヒソ

淡 (アハハ、まるで夫婦だ)ヒソヒソ

菫 (……先輩を茶化すんじゃない)ヒソヒソ


照 「それじゃ、今から長野に行ってくるから。今日の部活は休むね」

菫 「ん、そうか。頑張ってな」

 ガチャ バタン

菫 「……」




菫 「ちょっと待てぇッッ!!」

俺の誕生日は丁度親父の転勤で引っ越しと重なる時期だったから・・・

>>17
涙拭けよ

菫 「今から!? 今から長野に行くと言ったかアイツは!?」

淡 「言ってたねー」

菫 「あの超ド級の方向オンチが一人で長野へ!? 行けるわけがないだろ!」

淡 「前言撤回、全然コントロール出来てなかったねー」ケラケラ

菫 「亦野! 亦野っ!」


亦野「サー! いかがなさいました!」

菫 「照は今どこに?」

亦野「サー! 宮永上官は正門を抜け、駅に向かって……」

菫 「! 駅の方向が分かっていたのか、アイツは!?」

淡 「あはは、ひどい言いぐさだねー」

亦野「…向かっていましたが、途中焼き芋屋のトラックを発見、そのトラックを追従しています」

亦野「白糸台部室より西南に500mの地点であります、サー!」

菫 「ありがとう亦野。また今度、美味しいレーションを御馳走しよう」

亦野「サー、サンキューサー!」

菫 「淡、私は照を追う。今日の部活は……そうだな、渋谷の指示に従うように」

淡 「はーい」

菫 「それじゃあ。 …まったく、アイツは……」ブツブツ

 ガチャ バタン



渋谷「……? 淡ちゃん、今弘世先輩が出て行ったけど…何かあったの?」

淡 「あっ、タカミー! えっとねー、またテルーのことだよ!」

渋谷「そっか、宮永先輩か。 仲良いね、あの二人」

淡 「まったくもって!」

渋谷「…そういえば、宮永先輩に麻雀部宛てでこんなのが届いてたんだけど……」

淡 「?」

亦野「『宮永咲・お誕生日会 御招待状』……」

淡 「……どうしよー!」ケラケラ

――――――――――
【長野】

照 「やっと長野に着いた」

菫 「まったく…方向感覚ゼロのくせにうろうろするから迷子になるんだぞ、お前は……」

照 「長野の空気……」クンクンクンクン

照 「咲の匂いがする!!」キラキラ

菫 「人の話を聞いてるのか、お前は」ポコン

照 「ちゃんと聞いてる。菫も咲の匂いをかぎたいんだよね」

菫 「…はぁ……」

照 「でも、菫が来てくれて助かった。菫がいなかったら、ひょっとすると迷子になって咲の誕生日に間に合わなかったかもしれない」

菫 「……ふん」

菫 「妹さんの誕生日は明日だろう? いくらなんでも迷子でそこまで遅くなるということは……」

菫 (…函館行の新幹線に乗ろうとしていたコイツならあり得るか……)

意外と多趣味な相良軍曹

菫 「それで? 今日はどうするんだ? 妹さんの誕生日は明日だろう?」

照 「咲と一緒に寝る。当然」フンッ

菫 「…サプライズは?」

照 「……」

照 「…と、とりあえず、家の前に着いてから考える。うん、そうしよう」

菫 「分かった。じゃ、妹さんの家まで案内してくれ」

照 「お任せあれ!」

菫 「ふふ、冗談だよ。方向オンチのお前が道案内なんて出来るわけ……」

照 「クンクンクン…… …!」

照 「こっちの方が咲の匂いが強い! こっち!!」トコトコ

菫 「……冗談のつもりだったのだが」

 ・ ・ ・

菫 「表札に『宮永』……まさか、本当に到着するとはな」

照 「咲が関わることならざっとこんなもの」ドヤァッ

菫 「すごいな、照は」

菫 (……軽く引いてしまうが)

照 「…ん!」ズイッ

菫 「うん? どうした、頭突き出して」

照 「……ん。ほら」

菫 「…あー、なるほど」

 ナデナデ

照 「……ふふふ」

菫 「まったく…これで良いか?」

照 「もうちょっと。私、褒められれば褒められるほど伸びるタイプだから」

菫 「はいはい…。 で、結局どうするんだ?」ナデナデ

照 「……どうしよう」

菫 「お前なあ……」



久 (遅くなっちゃったなー…もうみんな、誕生日会の準備始めちゃってるかしら)

久 (…あら、あれは……)



菫 「やめろ照! インターホンを舐めまわすのはやめないか!」

照 「咲の触れたインターホンと一体化することで名案が思い付くかも」ペロペロ

菫 「うるさい馬鹿っ!」



久 (咲のお姉さんと白糸台の部長さん?)

久 (……なんだか面白そうじゃない!)ワクワク

照 「これが毎日咲が踏みしめている地面……!」スリスリ

菫 「コンクリートに頬ずりするのはやめろぉ!」

久 「ちょっといいかしら?」

菫 「!」

久 「白糸台の部長さんよね、アナタ。それとそっちの……」

照 「咲の足の匂いがする……」ポワーン

久 「……宮永照さん?」

菫 「すまない、ちょっと頭が残念なヤツで」

久 「アハハ……。もしかして、咲の誕生日会に?」

菫 「ああ。実は……」



久 「なるほど、サプライズゲストで……」

久 (招待状のこと、知らないのかしら? ……まあ、面白そうだから黙っておくけど)

菫 「そのつもりだったのだが、今日どこで一晩過ごすかを決めていなくてな」

久 「うーん……そうねぇ」

久 「…なんだったらウチに泊る?」

菫 「……は? いや、だがそんな迷惑を……」

久 「いいっていいって! 私一人暮らしだから!」

久 (それにこんな楽しそうなこと、見逃せないわ!)キランッ

久 (まこ達には悪いけど……メールしておけばいいかな?)

 ・ ・ ・

 ブブブブブ……

優希「染谷先輩、携帯鳴ってるじぇー?」

まこ「…部長からじゃ。えーと…?」

 『今日の準備、行けなくなっちゃった! 悪いけど後はヨロシク、まこ!』

まこ「……相変わらず自由なヤツじゃねえ」

京太郎「部長来ないんですか? この辺りの飾りとか、どうしようか相談しようと思ってたんですけど」

優希「お前の判断に任せるじぇ! テキトーにやっちゃえばいいのだ!」

京太郎「そんなアバウトな……」

和 「まあ、これだけ人数がいれば問題ないでしょう。残りも済ませちゃいましょう」

まこ「よっしゃあ! いっちょ頑張っちゃるけえ!」

優希「犬、お前も頑張るんだじぇ!」

京太郎「おう! …って、お前も働けっ!」ペチン


咲 「……」ハァ

和 「…咲さん? どうかしましたか?」

咲 「和ちゃん。 えっと……」

和 「お姉さんのことですか?」

咲 「……うん」

和 「招待状はちゃんと送ったんですよね?」

咲 「うん。 でも、来てくれるかどうか心配で……」

和 「きっと来てくれますよ」

咲 「でもでも、もし来てくれなかったら……私、私っ」ウルウル

和 「……失礼します、咲さん」

 ギュッ

咲 「! の、和ちゃんっ……」

和 「大丈夫です。お姉さんだって、きっと咲さんと仲直りしたいはずですよ」

和 「それに、来る前から来ないことを考えるなんて悲観的すぎますよ」

和 「私は……その。 ……明るい咲さんの方が、す…好きなので……」ゴニョゴニョ

咲 「…うん、そうだね。和ちゃんの言う通りだよ」

咲 「ちょっと元気出たかも。ありがとう、和ちゃん!」ニコッ

和 「!」キュン

和 「……いえ、どういたしまして。さ、誕生日会の準備を続けましょう」

咲 「うん!」

和 (……それにしても、さっきから外が騒がしいですね。誰かが表で騒いでいるような……)

 ・ ・ ・

菫 「照! いい加減にしろ! 早く行くぞ!」グイグイ

照 「あと3時間。久しぶりの咲成分、たっぷり補給していかないと」グググ

菫 「ドアノブから何が補給できるっていうんだ、このシスコン!」グイーッ

久 「アナタも大変ねー……」シミジミ

これはキレイなのどっちか?

2レス後ぐらいに本性を現す和が見える

――――――――――

久 「さ、入って入ってー」

菫 「お邪魔します。 …いつまで拗ねてるんだ、照」

照 「……」ムスー

菫 「…まだ根に持ってるのか」

照 「菫のせいで私の必須咲成分、サキニウムとサキ酸が不足している」

照 「菫とはもう口をきかない。私は怒ってる」プンスコ

久 「チャンピオンって素はこんなだったのねー」カラカラ

菫 「まったく……」


菫 「照」

照 「聞こえない。菫の声が聞こえた気がするけど気のせい」

菫 「あのまま妹さんの家の前に居座っていたらどうなっていたと思う」

照 「……」ツンッ

菫 「外が騒がしいのを不審に思って、妹さんが家から出てきていたかもしれない」

久 「騒がしかったのは主にアナタだけどね」

菫 「玄関の戸を開けた妹さんの目に写るのは、ドアノブにむしゃぶりつく姉」

菫 「…これは嫌われても仕方ないよなぁ」

照 「! ……それは困る」

菫 「そうなってはマズいと思ったからこそ、私は無理矢理お前を連れてきたんだ」

照 「そうだったのか……」

照 「ありがとう、菫。危うく咲に嫌われるところだった」

久 「なんていうか…扱いに慣れてるわねぇ」

どうせならあわあわも来て欲しかったなーチラッ

照 「じゃあ私も、お邪魔します」

久 「うん。適当にくつろいでねー、ちょっと散らかってるけども」

菫 「本当にありがとう。 …ええっと……」

久 「あ、名前覚えてなかったかしら。竹井久、久でいいわよ」

菫 「ああ、ありがとう久。迷惑をかける」

久 「いいのよ、私も天下の白糸台の部長と話してみたかったし」ニコ

菫 「む…そ、そうか……」

久 「ねえ。私も、菫って呼んでいい? アナタのこと」

菫 「ああ、構わないが」

久 「ありがと。 …菫」

菫 「! ……ああ、いや、こちらこs」

照 「久、お腹すいた」

菫 「……」ハァ

菫 「…少しは遠慮というものを知れ、お前は……」

 ・ ・ ・

 ハムッ モグモグ ングッ

照 「…とても美味しい。久は料理が上手い」

久 「あら、チャンピオンに褒められるなんて光栄ね」

菫 「悪いな、夕飯までいただくなんて」

久 「大丈夫よー、どうせ残り物だから。じゃんじゃん食べちゃって!」

照 「ん。おかわり」ズイッ

菫 「お前は……」

 ・ ・ ・

久 「ウチ、お風呂だけは広いのよねー」

菫 「3人同時に入ってなお余裕があるとは…」

照 「……」ブクブクブク

菫 「照。湯船でぶくぶくするのは行儀が悪いぞ」

何するためにそんな大きい風呂があるんですかねえ…

照 「…2人ともずるい」ジトー

菫 「ずるい? 何のことだ?」

照 「……」ブクブク

久 「…ははーん、なるほど」ニヤ


久 「確かに、菫のスタイルは同姓から見てもそそるものがあるわよねえ」

菫 「久? 何を言って……」

久 「えいっ!」ドンッ

菫 「うおっ!?」

 バシャーン

菫 「久…な、何を……?」

久 「ねえ照。照が言うズルいって……これのことじゃない?」ムニッ

菫 「ひゃうっ!?」

照 「うん。私はこんなぺったんなのに、菫はズルい」

久 「…ねえ。提案があるんだけれど」

照 「…オーケー、大体分かった」

菫 「お、おい。久、何のつもりだ……。照、お前も何だその手は…」

菫 「馬鹿、バカ、やめろ、近づくな……。やめて、いやだ……イヤ……」

 イヤーーーーッ

 ・ ・ ・

久 「いやー、いいお湯だったわ!」ツヤツヤ

照 「気持ち良かった」ツヤツヤ

菫 「……お前ら、覚えておけよ……」

久 「あら、覚えててもいいのかしら?」

菫 「…やっぱり忘れろっ!」

久 「さ、そろそろ寝ましょうか」

菫 「…なんで布団が人数分あるんだ……」

照 「寝床が違うと寝つきが悪くなる。ゆっくり眠れそうにない」

菫 「羊でも数えてろ」

久 「電気消すわよー?」

 パチン



照 「ぐう」

菫 「早っ!」

久 「寝つきが良いっていいわねー」

このスレのうえに「照栄です」ってスレがあって
照栄「咲のお誕生日会に呼ばれたい」
に、見えた

久 「…菫?」

菫 「ん、どうした」

久 「あは、良かった。起きてたんだ」

久 「…咲のことなんだけれど」

菫 「……」

久 「あの子、明日の誕生日を本当に楽しみにしてたの」

菫 「…照とのことか」

久 「そ。お姉ちゃんと絶対に仲直りするんだ、って。姉想いよねー」


久 「……咲の気持ち。大切にしてあげてね?」

菫 「…ああ、分かった。照にも伝えておくよ」

久 「んー。その必要はないかも、ね」

菫 「? どういう意味だ?」

久 「ふふ、別にー?」

照 「…ぐー」

ちょっとコンビニ行ってきますー
栄養ドリンクぶち込んできますので

ユンケル代行はよ

――――――――――

久 「朝よー! さっ、起きて起きて!」

菫 「ん……あー、おはよう……」

照 「うーん……さ、咲ぃ……」

 ・ ・ ・

久 「さ、これからのことを決めていきましょうか」

照 「咲とちゅっちゅする。以上」

菫 「異議あり!」

照 「どうして。作戦はシンプルな方が良いはず。これ以上シンプルなプランはない」

久 「あはは……そうねぇ」

久 「照。アナタ、恋愛映画とかって観たことあるかしら?」

照 「? 当然。特に姉×妹系のジャンルが好き」

菫 「あるのか、そんなジャンルが…」

咲の世界ならあっても不思議ではない

久 「ああいう映画って、2人が両想いになって結ばれるまでの過程を描くのよね」

照 「そう。恋仲になるまでを見守るのがとてもドキドキする。まさに見せ場」

照 「……あっ」

久 「そ。そういうことよ」

久 「大抵のことはシンプルな方が良いけれど、恋愛っていうのは複雑な方が好まれるのよ」

照 「なるほど……奥が深い」

菫 (……久も慣れてきたな、照の扱いに)


久 「それじゃ、改めてこれからのプランについて」

久 「まず咲のお誕生日会の時間ね。13時から18時までを予定しているわ」

久 「場が盛り上がったりしたら、もう少し延長したりもするかもね」

菫 「特に気にするようなこともなさそうだな。 問題は我々がいつ入っていくか、ということだが」

久 「それね。私から提案なんだけれど……」

久 「プレゼントを渡すときに、っていうのはどうかしら? 大体17時頃になると思うのだけれど」

菫 「プレゼント?」

久 「そ。タイミングを見計らって咲を部屋の外に連れ出して、その間にみんなからのプレゼントを準備して……」

久 「部屋の電気を消しておいて、咲が帰ってきたところで電気を点ける! プレゼントどんっ!」

久 「…っていうのを予定しているの」

菫 「なるほど。そしてそこに照を……」

久 「ええ。良いサプライズになるんじゃないかな、って」

菫 「良いアイデアだと思う。照、お前はどうだ?」

照 「咲といちゃいちゃ出来るならなんでもいいよ」

菫 「……。 …それで行こう」

久 「OK。じゃ、タイミングが来たらメールするから。それまで待機ってことでヨロシクね!」

照 「任せて。どんとこい」フンスッ

菫 「……不安だ」ハァ

――――――――――

菫 「……」

照 「菫、もうちょっとそっちに退いて。よく見えない」モゾモゾ

菫 「…なあ照。確かに待機とは言われたが……」

照 「ああ、やっぱり咲は可愛いなあ……」ウットリ

菫 「こんなところに隠れる必要はあったのか? 庭の垣根の中って……」

照 「中の様子はしっかりチェックしておかないと」

菫 「確かにそうだが…痛たたっ! 枝が、枝が刺さるっ!」

照 「静かに。気付かれたらすべてが台無し」

菫 (……正論なんだが、何でだろうな。コイツに言われるとイラッとくるのは)

 ・ ・ ・

衣 「咲ー! お呼ばれして来たぞー!」

咲 「あ、衣ちゃん。 いらっしゃい」

衣 「だーかーら! 衣は年上だ! 『ちゃん』ではなく!」

池田「お、龍門渕のも来たのか」

衣 「お前は風越の! …えー……」

池田「池田! 池田華菜ちゃんだし!」

衣 「すまない、凡俗どもの名前を覚えることには疎くてな」

池田「よっしゃ、その喧嘩買ったし!」ニャー

衣 「ん? 塵芥が衣に挑むつもりか?」ゴッ

まこ「はいはい、そこまでじゃ。せっかくの誕生日会を乱闘祭りにする気かいのう?」

福路「そうよ、華菜。私たちは一応、風越の代表として来てるんだから」

池田「キャプテンがそう言うなら……」

純 「衣も。今日は清澄の大将をお祝いに来たんだろ?」

衣 「…そうだな。せっかくの誕生祝いに喧騒で水を差すのも不粋だ」

池田「この喧嘩は次に持越しだし!」

衣 「ふん、いつでも来るが良い!」

加治木「向こうは随分と盛り上がっているな」

久 「そうね。楽しそうで何よりだわ」

透華「……」ムスー

久 「あら、龍門渕さんは不機嫌そうね」

透華「…私が全然目立てていませんわ」

加治木「今日の主役は宮永さんだからな。仕方ないだろうさ」

透華「それはそうですけど……」

一 「大丈夫だよ、透華。ボクの視界には透華しか映ってないからさ」

透華「な、何を言ってますの! 貴方は……! ……もう」

加治木「……相手がいる、というのは良いものだな。あの2人を見ているとつくづくそう思うよ」

久 「あら、自分にはそういう相手がいないような言いぐさね」クス

加治木「はは、あそこまで深い関係の相手はいないさ」

久 「そっか。じゃ、私が立候補してm」


モモ「先輩! 危ないっす!」

加治木「モモ!?」

モモ「ふー…危機一髪っすね。先輩、今この女に狙われてたっすよ!」

久 「狙うだなんて、そんな人聞きが悪い」

モモ「あ、ダメっす! 先輩に近づいちゃダメっすよ! 先輩は私のものっすから!」

加治木「お、おいモモ……」

モモ「さ、先輩! あっちの料理見に行きましょ、ほらほらっ!」グイーッ

加治木「こら、引っ張るんじゃない……。 それじゃ久、また後で」

久 「ふふ。うん、また後で」

優希「京太郎! タコスが品切れってどういうことだじぇ!」

京太郎「自分の胸に手を当ててよーく考えてみ」

優希「……?」サワ


智紀「まったいら」ボソッ

未春(…この人、やっぱり敵……!)


優希「さっぱり分からんじぇ!」

京太郎「お前が昨日のうちにほとんど食っちまったからだろーが!」

優希「むむむ……これもタコスが魅力的すぎるが故に……」

優希「よし、京太郎! お前に買い出しを命ずるじょ!」

京太郎「はあ!? 今からか!?」

優希「ほら、もたもたしないっ!」

蒲原「ワハハ、なんだったら車出そうかー?」ワハハ

京太郎「あ、鶴賀の……蒲原さん、でしたっけ?」

蒲原「あのタコスは私ももっと食べたいしなー。ほら、行くぞー!」

睦月「プロ麻雀せんべいが……!」

文堂「こんなにも……!」

和 「お二人とも、プロ麻雀せんべいが好きだと深堀さんと妹尾さんから聞いていましたので」

深堀「カードは2人にあげよう、ってことも決まってます」

妹尾「良かったね、2人とも!」

文堂「ありがとうございます! ではさっそく!」バリッ

睦月「うむっ!」バリッ


睦月「…うむ……」

睦月「藤田プロ……」

文堂「こっちもです……」

和 「そんなオカルトありえませんっ!!」

 ・ ・ ・

菫 「なかなか盛り上がっているようだな。 …照?」

照 「入りたい……今すぐあの中に入って咲と……」ハァーッ ハァーッ

菫 「照!? ストップ、落ち着け! まだだ、まだ久から合図は来てないぞ!」

照 「…うん、分かってる…。我慢、我慢……」プルプル

菫 「しかし、人の集まりがすごいな。人望がある、ということか」

照 「私の妹だから当然……」プルプル

菫 「……ん? あれは……」

 ・ ・ ・

咲 「……」ソワソワ

和 「咲さん」

咲 「あ、和ちゃん」

咲 「…お姉ちゃん、遅いね……」

sssp://img.2ch.net/ico/kossorisan.gif
なんか懐かしいノリだな
最近のは菫とお姉ちゃんの絡みばっかりだし

和 「…大丈夫ですよ」ギュッ

和 「東京はすこし遠いですから。遅くなるのも仕方ないです」

和 「ですから…2人で、待ちましょう? お姉さんを」ニコ

咲 「…! うんっ!」


優希「咲ちゃーん! こっちの料理も美味しいじぇー!」

純 「お前にはこれがお似合いじゃねーのか?」ヘラヘラ

優希「焼き鳥……ってふざけんなノッポー!」ムキー


和 「もう、優希ったら…。 …行きましょ、咲さん」グイッ

咲 「わわっ、和ちゃんっ!」

 ・ ・ ・

照 「あのピンク…! 私の咲の手を……!」ギュルルル

菫 「おい馬鹿、落ち着け! その右腕を止めろ!」

>>86
ぽんこつお姉ちゃんとあったかお姉ちゃんのどっちのことだよ?

 ・ ・ ・

久 (垣根がこれでもか、ってくらい揺れてるわ……。照はもう我慢できない、って感じかしら)

久 (もうちょっと待ってて欲しかったけれど、限界かしらね)

透華「…? どうかしましたの? 窓の外をぼけーっと」

久 「へ? ああ、いや……そろそろ、アレを始めちゃっても良いかなって」

透華「アレというと……」

透華(誕生日プレゼント、ですわね)ヒソッ

久 (そ。ちょっと早いけれど……こういうのは盛り上がってるうちに、ね?)ヒソヒソ

透華(分かりましたわ。 ……智紀)クイッ


智紀(…透華からの合図。了解、っと)スッ

智紀(……)カチャ カチャカチャ タンッ

福路「? 沢村さんは何をしてるのかしら?」

未春(アレですよ、誕生日プレゼントの。多分、PCで須賀くんに連絡を取ってるんです)ヒソヒソ

福路(! あのノートみたいなものはパソコンなの!?)

未春(…キャプテン……)

 ・ ・ ・

蒲原「たっぷり買えたなー。これでタコスがたくさん作れるぞー」

京太郎「ありがとうございます、車出してもらって。おかげで助かりましたよ」

蒲原「なーに、いいってことよー」ワハハ

 ティロロンッ♪

蒲原「ん、メールかー?」

京太郎「そうみたいっすね。…あ、とうとう始めるみたいですよ」

蒲原「おっ、始めちゃうのかー。よーし、ガンガン電話しちゃってくれー!」

京太郎「それじゃ、失礼して……」

 ピポパポ……

 ・ ・ ・

 プルルルルル プルルルルル

和 「あ、電話ですね」

咲 「ごめんね、ちょっと電話出てくるよ」トトトッ

 ガチャ バタン

久 「…よし、行ったわね!」

透華「今のうちにプレゼントを準備しますわよ! 各自プレゼントをお出しなさいっ!」キラキラッ

衣 「おぉ、透華が溌剌と!」

一 「今まで全然目立ってなかったからねー」アハハ

純 「お前ら何持ってきた?」

衣 「衣はこれだ! 限定盤・アヒルちゃんプロペラ!」

一 「アヒルちゃんプロペラ?」

衣 「うむ。以前、智美からもらってな。趣深き品ゆえ、是非咲にも!」

一 「ボクは無難に服だよ。可愛いやつ」

純 (無難……ねぇ)

透華「私はアクセサリーですわ! 宮永さんはもう少しオシャレに気を遣うべきと思いましたから!」

智紀「本を数冊……」

透華「…何の本ですの?」

智紀「秘密」

智紀「松実姉妹の薄い本を」

菫「」ガタッ

純 「お前ら色々考えてんのなー。俺なんてフツーに菓子とか作ってきただけだぜ?」

透華「あら、良いじゃないですの。お菓子だなんて」

一 「わ、クッキーにチョコレートにマカロン!女の子してるねー」

純 「う、うるせえっ!」カァァッ

優希「ふっふっふ、ノッポじゃ所詮その程度しか持ってこれまい……」

純 「ほー、じゃあお前は何を持ってきたって言うんだ?」

優希「これだじぇ! 家庭で作れるタコスレシピ100選!」ドヤーッ

優希「これで咲ちゃんも呪われしタコスの血族の仲間入りだじょ!」

純 「……」


加治木「モモは何を持ってきたんだ?」

モモ「ちょっとしたハウツー本を持ってきたっす」

加治木「なになに……。…『百合のススメ』……」

モモ「一押しっす!」

加治木「そ、そうか……」

モモ 「そういう先輩は何を?」

加治木「CDだ。以前、このアーティストが好きだという話を聞いてな」

モモ 「……いつ聞いたんすか? 私の知らないうちに、そんな好みまで教え合う仲に…?」ゴゴ

加治木「合同合宿のときに…。 …ってモモ? ど、どうした、何か怒らせるようなことを言ったか?」アタフタ


妹尾 「加治木先輩も大変だねー…。 …睦月ちゃんは何持ってきた?」

睦月 「うむ、これを」

妹尾 「わ、かわいいリボン! きっと喜んでくれるよー!」

睦月 「妹尾先輩は?」

妹尾 「麻雀の戦術書だよー。私の愛読書!」

睦月 「う、うむ。なるほど」


睦月 (…アレに今更戦術書なんて役立つのだろうか……)

>>103
かおりんとむっきーは同級生(;´д`)
つか、あの中で3年はワハハ、かじゅ、キャップ、部長だけ

福路「あら、華菜。それは?」

池田「キャプテン! 見てください、このネコミミ!」

福路「可愛いわね。これをプレゼントに?」

池田「はい! 宮永にきっと似合うはずだし!」

福路「さすが華菜ね。良いチョイスだと思うわ」ニコリ

池田「! キャプテンに褒めてもらったし! にゃあーっ!」

深堀「キャプテンは何を持ってきたんですか?」

福路「マフラーと手袋よ。これから寒い季節になるでしょ?」

文堂「わ、もしかして手編みですか?」

福路「ええ、ちょうど毛糸が家にあったから」

未春「すごい…しかもイニシャル入りだ」

>>105
あっ……
…脳内変換、よろしくです

×:睦月「妹尾先輩は?」
○:睦月「佳織は?」

池田(…あたしもキャプテンの手編みのマフラー欲しいし……)

福路「……華菜にも誕生日に編んであげるわね?」

池田「にゃっ!? ほ、本当ですかキャプテン!?」

福路「華菜にはいつもお世話になってるから」フフ

池田「……にゃ、にゃにゃ、にゃにゃにゃにゃーーーっ!!」ピコピコピコ

未春「華菜ちゃんのしっぽがものすごい動きを!?」


文堂「みんなは何を持ってきたんです?」

未春「私はこれだよ! 髪留めー!」

文堂(まさか吉留とかけた、なんてことは……)

深堀「私は小物入れを」

未春「文堂さんは?」

文堂「私のはすごいですよ! じゃんっ!」

文堂「今シーズンのトップレア、小鍛治プロのプロ麻雀せんべいカードです!」

未春「……わー、すごいねー」

まこ「みんな凝ったものを持ってきちょるのう」

久 「まこは何を持ってきたの?」

まこ「これじゃ! 増えるワカメ!」デンッ

久 「……」

久 「の、和は何をm」

まこ「冗談! 冗談じゃから! さすがにこんなもんプレゼントには出来んよぉ!」

久 「はいはい、それで、本当は?」

まこ「まあ、大したもんじゃないんじゃがねぇ。ほれ、これじゃ」

久 「色紙? …って、何これ!? 小鍛治プロに三尋木プロに戒能プロに……どうしたの、これ?」

まこ「ちょっとツテを頼ったんじゃあ」

久 「ツテ……ああ、靖子ね」

和 (……まずいですね。みんな、思ったより普通のプレゼントばかり……)

和 (これでは私のが浮いてしまいます。包装されてるからまだマシですが)

和 (……)



和 (…下着は失敗だったのでしょうか)

和 (いや、しかしこのエロ可愛い下着をつけた宮永さんを想像すると…!)

和 (……このチョイス、やはり間違ってはいませんね)キリッ

久 「のーどか」

和 「あ、部長」

久 「プレゼント、何持っt」

和 「ぶ、部長はプレゼントに何を持ってきたんですか!?」

久 「あら、私? うーん、そうねえ……」

久 「ま、もうバラしちゃっても良いかしら。みんな、外を見てもらえる?」

 ・ ・ ・

菫 「…おい、照。久からの合図が来たぞ」

照 「あと5分……」

菫 「起きろ」ポコン

照 「あうっ!?」

菫 「何寝てるんだ、お前は……」

照 「咲がいない場所なんて見張ってても仕方ない」

菫 「よだれを垂らしながら何を言ってるんだ。ほら」フキフキ

照 「ん」

菫 「…久からの合図だ。行くぞ」

照 「がってん」

 ・ ・ ・

透華「な……あれって」

加治木「おいおい、まさか……」

福路「上埜さん、こんなサプライズを……」


久 「じゃーんっ! 私のプレゼントは実の姉、宮永照ですっ!」

菫 「プレゼント扱い!?」

照 「~~~っ」テレテレ

菫 「お前も照れてるんじゃない!」

久 「で、おまけに白糸台高校麻雀部の部長さんの菫です」

菫 「私はおまけ扱いか!」

 ワイワイ    ガヤガヤ
     ワイワイ    ガヤガヤ

久 「ほらほら、色々話したいことはあると思うけれど、もうそろそろ咲が戻ってくる頃よ!」

透華「! そ、そうですわよ! 電気を消す! みんなは隠れるっ!」

菫 「私たちはどうすれば?」

久 「菫は一緒に隠れて! 照はそこに立ってて!」

照 「えっ? えっ?」アタフタ

モモ「電気消すっすよー!」

 パチン



咲 「京ちゃんったら、長電話すぎだよぉ……よくあんなに話題を作れるよね……」

咲 「みんなー、戻ったよー」ガチャ

咲 「あ、あれ? 真っ暗?」

照 (咲が……咲がすぐそこに……)プルプルプル

咲 「み、みんなー……どこー…?」

咲 「…あれ、そこに誰か立ってる?」

照 「!」ビクンッ


久 「さー、どうなるかしら」ニヒヒ

菫 「さては久、お前これを見るためだけに協力してたな?」

久 「だって面白そうなんだもーん」

菫 「やれやれ……」


咲 「あ、あのう…みんなどこに行ったんですか…? どうして電気が消えてるんですか…?」

照 (咲の匂い……ああっ! 今私、咲と同じ空気を吸ってるっ!)ドキドキドキ

咲 (暗くてよく見えない…もっと近づかないと)

 トコトコ

照 (! 咲の匂いがより一層強まって……!)

咲 「ど、どうして黙ってるんですか…?」

照 (かぐわしい咲の香り…! ダメだ、脳が蕩ける…っ!)ドキドキドキドキ


モモ(な、なんかヤバそうなんすけど……電気、まだ点けないんすか?)チラッ

久 (ま・だ)クイッ クイッ

モモ(…あれは絶対楽しんでるっすね)ハァ


照 (咲咲咲咲咲咲咲サキサキサキさきさき)

咲 (顔がよく見えない…もうちょっと)トコトコ

照 (! ……)プッツーン

咲 「あの……」

照 「……咲」

咲 「へ? ってその声、もしかs」

照 「咲ぃぃぃぃぃぃっっ!!」ガバァッ

咲 「わ、ひゃ、うわあっ!?」

 ドテッ

まだ~?

モモ(さ、さすがに電気点けるっすよこれは!)パチンッ




    『『『『『咲ちゃん! お誕生日おめでとう!!』』』』』




咲 「……」

照 「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ」

咲 「…おねえ、ちゃん?」

照 「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ」

    『 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 』


菫 (お、おい。どうするんだ、この空気)

久 (さあ?)

菫 (さあ、って……)


咲 「……」

照 「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ」

咲 「……」



咲 「…ふふ」

咲 「くすぐったいよ、お姉ちゃん」ナデ

照 「ぺろぺろ…… …ん。ごめん」

咲 「ううん。 …あ、あのね」

咲 「お…おか……」ウルッ

咲 「おかえりっ…! おね、ちゃ……!」ブワワッ

照 「…うん。ただいま、咲」ギュウッ

咲 「! ……おねえちゃっ…! う、うわああああ……! ああぁぁん!」ボロボロ

照 「ん。咲は泣き虫だね」ナデナデ



 アーン ウワーン

久 「…何とか良い感じに収まったんじゃないかしら?」

菫 「照が妹さんを押し倒したときはどうなるかと思ったがな」

久 「ま、ハプニングは付き物ってことで」

菫 「…まったく」

菫 (だが……こうして照が妹と仲直りできた。それは良いことだと思うよ)

菫 (良かったな、照)

 ・ ・ ・

和 「……」

和 「…ハッ!? あまりのことに思わず思考のヒューズを飛ばしていました!」

和 (一体どうなって……。 そしてお姉さんはどこに……)

和 (!)


優希「アンタが咲ちゃんのお姉ちゃんかー。確かに似てるじょ!」

照 「そう? …えへへ」テレッ

咲 「似てるって! …えへへ」テレッ

まこ「仲が良いのう。とても喧嘩しとったとは思えんわ」

照 「別に喧嘩していたつもりはない」

咲 「えっ、そうなの?」

照 「私が咲を嫌いになるはずがない」

咲 「そっかー…。 …私も大好きだよ、お姉ちゃん」

照 「咲……」


 イチャイチャ イチャイチャ

和 「……」ギリギリ

和 (…っと、いけないいけない。冷静にいきましょう、原村和)

和 (久しぶりに会えた家族なんです。少しは仲良くしていても……)

 イチャイチャ イチャイチャ

和 (…少しくらいなら……)

 イチャペロ イチャペロ

和 (……)



咲 「それでね、お姉ちゃん! その時の京ちゃんったら……」

照 「ふふ、京太郎は相変わらずなんだな」

 ずずいっ

照 「!」

咲 「あ、和ちゃん」

和 「はじめまして、お姉さ……いえ、お義姉さん」

優希「? なんで言い直したんだじぇ?」

和 「私、咲さんの 親 友 の原村和です」

和 「この1年間、咲さんと ふか~い 関係を築いています」

まこ(和……照に対抗意識燃やしすぎじゃ)

和 「よろしくお願いしますね。 お 義 姉 さ ん 」ニッコリ


照 「……」

照 (このピンク、さっき咲の手を汚した……)

照 (ここで××することも出来るけど…。 …今は咲が見てるし)


照 「ああ。よろしく、 原 村 さ ん 」ニッコリ

照 「握手しないか?」

和 「握手……いいですね」

 ギュッ


和 「……咲さんは渡しません」ボソッ

照 「……潰す」ボソッ

 ギュウウウウウウウッ

さるったばかりではありますが、2時間ちょっと外出してきます。
13時までには帰って続き(といっても、も少しで終わりそうですが)を書きますので……

和 「ぐ、ぐ、ぐ……」ギュウウウウッ

照 「く、ぬ、ぬ……」ギュウウウウッ

咲 「お姉ちゃんと和ちゃんも仲良くなってくれたようで何よりだよー」ホッコリ

まこ「いや、これは仲良くなっとるというより……」

照 「ふ、ふふ……! 聞いたか、咲はお前より先に私を呼んでくれたぞ……!」ギギギ

和 「お義姉さん……咲さんは私のことを『名前』で呼んでくれているんですよ……?」ゴゴゴ


久 「はいはい、ストップストップ! 今日は咲の誕生日なのよ?」

透華「貴方達まで目立ってしまっては私の立場がありませんわ!」

照 「……」

和 「……」


照 「それもそうだな」パッ

和 「それもそうですね」パッ

優希「お姉ちゃんというプレゼントに喰われてしまった感があるが、他にもプレゼントはたくさんあるんだじぇ!」

咲 「わ…すごい……! これ全部、私に?」

和 「そうですよ。それだけ咲さんがみんなに愛されてるということです」

照 「その中でも一番愛しているのが私」ドヤッ

和 「何年もほったらかしにしていた姉が言えた台詞ではありませんね」フフン

照 「! ……菫」グス

菫 「擁護のしようもない事実だな」

照 「うう……」


優希「さあ咲ちゃん! 気になるものを存分に手に取るのだ!」

咲 「うーん……これとか可愛いね」

衣 「お! それは衣が持ってきたのだ!」

咲 「衣ちゃ……衣おねえちゃんが?」

衣 「そうだ! 音に反応して飛ぶんだぞ」フンスッ

咲 「飛ぶの!? へー……ありがとう、衣おねえちゃん!」

咲 「これは……なんだろ、布?」

一 「ああ、それはボクが持ってきた物だよ」

咲 「えっと……何ですか、これは」

一 「何って、見れば分かるじゃないか。服だよ服」


    (((((服……? アレが……?)))))


和 (この場のほぼ全員の思いが一致した気がしますね……)

照 (しかし、服か……)

和 (アレを咲さんが着たとしたら……)

照和「……」ホワンホワーン



照和「ごぼぉっ!!」ブーッ

優希「わわ! のどちゃんと咲ちゃんのお姉ちゃんが吐血しながら鼻血を!!」

>>162
>咲 「飛ぶの!? へー……ありがとう、衣おねえちゃん!」


テルテルはこれはスルー?(・ω・`)

咲 「あと……これは、本かな? 2冊あるけど」

透華(わ、私のプレゼントがスルーされましたわ!)キーッ

純 (どうどう、俺のもスルーされてんだから落ち着け)

モモ「本だったら私が持ってきたヤツっすかね」

智紀「…私も」

咲 「こっちの本は……『百合のススメ』?」

和 「!」キュピーン

照 「!」キュピーン

モモ(2人とも、頑張るっすよ。私も陰ながら助力させていただくっす)グッ

和 (ありがとう、東横さん……!)

咲 「それでこっちはマンガかな? ……わわわ!」

咲 「誰ですかっ、こんなの持ってきたのはっ! もー……」カァァッ

和 (間違いありません、あれはえっちなマンガですね)

照 (ジャンルを確認しないと……。…『テルテルアイ』っ、倍率×10!)カシャシャシャッ

>>166

照 「『お姉ちゃん』と『おねえちゃん』は別物。それくらいは許せる」

照 「さすが私、人としての器が広い」ドヤッ

和 「そうですね、『 お 義 姉 さ ん 』」

照 「……それはダメ」

照 「……見えた。あれは……」

和 「…! 馬鹿な、姉妹モノですって……!?」カタカタ

照 「!」バッ

智紀(和×咲はもうお腹いっぱい。次は照×咲に切り替えていく)

和 (なんてことでしょう……彼女はお義姉さん派でしたか……)


咲 「もー…もっと普通なのは……」

池田「私の持ってきたネコミミはどうだ! 可愛いぞ!」

咲 「ネコミミ…あ、これだね」

まこ「せっかくじゃ、付けてみたらどうかいの?」

咲 「今ですか? んっと……」ゴソゴソ



咲 「こう、かな……?」テレテレ

照和「イエスッッッッ!!」ブバババッ

優希「うわああっ! 体中の穴という穴から出血!?」

咲 「…あ、あったかそうなマフラーと手袋」

池田「それはキャプテンが編んだものだし! キャプテンのまごころに感動しながら使うといいぞ!」

咲 「へえ……。あっ、イニシャル入りだ! S・Mって!」


照 「S!?」ピコーン

和 「M!?」ピコーン

菫 「お前ら仲良いな……」


咲 「わ、プロ麻雀せんべいのカードもあるよ」

文堂「それ、私が持ってきたヤツです! 小鍛治プロですよ!」

睦月「うむっ…! さすが星夏ちゃんだ。いつでもプロ麻雀せんべい魂を忘れていないな」

文堂「そういう津山さんだって、さっきからプロ麻雀せんべいの山を探る手が止まってませんよ」

 ハハハハ……

照 「……」じーっ

菫 「そういえば、お前もプロ麻雀せんべいカードを集めていたな」

菫 「…混ざりたいのか? あの中に」

照 「……」コクン

菫 「だったら行って来ればいいだろう」

照 「でも恥ずかしいっていうか…その……」モジモジ

菫 「ああ、もう! うだうだ言ってないで行って来い!」ドンッ

照 「うわわ!」


文堂「…で、瑞原プロだけずっと出なくて困ってるんですよ」

睦月「うむ、確かに瑞原プロの出現率は他のスターカードより低めに設定されているな」

文堂「ですよね! 気のせいじゃないですよね! この前だっt」

照 「あの……」

睦月「うむァ!?」ビクッ

文堂「チャンピオン!? な、何か用ですか…?」ビクビク

照 「その、あの……」モジモジ

文堂(え? 何これ、何で私、チャンピオンに話しかけられてるの?)

睦月(まったく分からない…チャンピオンの意図が)

照 「……!」スッ

睦月「…プロ麻雀せんべい?」

照 「……」コクン

文堂「…ひょっとして、チャンピオンも集めてたり?」

照 「!」パァァッ



菫 「…お、どうだった?」

照 「友達になれた! 星夏ちゃんと睦月ちゃんだって!」ウキウキ

菫 「そうか。良かったな」

照 「ん!」ニコー

咲 「……これで大体のプレゼントは見たかな?」

和 (…良かった。どうやら私のプレゼントは触れられずに済みそうですね)ホッ



優希「咲ちゃん、まだその包みを開けてないじぇー」

和 (優希っ……! 余計なことを……!)

咲 「あ、ホントだ。これは誰からの物かな?」

 シーン

咲 「あれれ……?」

和 (黙っていればバレないはずです。咲さんには悪いですが)



久 「それ、確か和の持ってきたのじゃなかったっけ?」

和 (ぶ、部長ーっ!!)

久 (ふふ、私も中身が気になるのよねー)ニヤニヤ

咲 「そうなの? 和ちゃん」

和 「え、ええ。まあ、一応……」

優希「よっしゃ、それじゃ早速開けちゃおうじぇい!」

咲 「うん。開けちゃうね、和ちゃん」

和 「ま、待ってください!」

咲 「?」

和 「それを開けるのは、その……みんなが帰ってからにしてくれませんか?」

優希「どうしてだー? 何か問題でもあるのか?」

和 「そういうわけではありませんが……何となくです、何となく!」



照 (…あの反応。さてはピンクめ、恥ずかしいものをプレゼントにしたな)

照 (私だってこんな機会があれば同じことをする。間違いない)

照 (……と、なれば。あれを無理矢理開けてしまえばピンクの株を落とすことが出来る)

照 (そうすれば私の株が逆に急上昇、咲ルート一直線)

照 「…よし、やるか」ギュルルルル

咲 「…うん、分かったよ。それじゃ、これは後で開けることにするね」

和 「! ありがとうございます、咲さん!」

優希「ちぇー、つまんないじぇ……」



照 「……」ギュルルルル

照 「……ふんっ!」



 ゴォォォォッ!!

まこ「な、なんじゃ!? 急に突風が!」

優希「咲ちゃんの持つ包みに向かって!」

咲 「うわっ!?」

久 「あら、上手い具合にラッピングが破れていくわね」

 バリバリッ ビリッ


咲 「……ぱんつ?」

和 「 」

咲 「和ちゃん? これ……」

和 「さ、咲さん。違うんでs」アタフタ


照 「うわー なんだーこれはー!」

和 「!」バッ

照 「まさかたんじょうびにー ぱんつをぷれぜんとする へんたいがいたなんてー!」

照 「ひゃー これはびっくりだなー ひととしてどうなんだろうなー!」

照 「こんなへんたいはー さきのおよめさんにはふさわしくないなー!」

和 「……」ワナワナ


菫 (…うわあ)

久 (すっごい棒読みね、照……)

文堂(あれでも本人的には迫真の演技なんだろうなあ……)

睦月(うむ……)

モモ(お姉さん、さすがにそれは必死すぎっすよ……)

智紀(ぽんこつな姉のヘタレ攻め……アリかも)

咲世界にパンツなんて概念ないだろ…(;´д`)

照 (ふふふ……これでピンクの信頼は地に落ちた。これであとは私の独壇場)

和 (うう……)プルプル

咲 「……」

 スタスタ

照 「これはもー わたしがかわりにさきのおよめさんになr」



 パシンッ

照 「……」

咲 「…お姉ちゃん。」

照 「さ…さき……?」

咲 「いくらお姉ちゃんでも、和ちゃんを馬鹿にしたら怒るよ?」

 クルッ

咲 「和ちゃん。ぱんつ、ありがとうね!」

和 「咲さん……」ウル

照 「…う……」 

菫 (そりゃ友達を馬鹿にされたら怒るわなあ…自業自得としか)

智紀(照NTRモノ……なるほど、これは盲点)



照 「う……うぐっ……」プルプル

照 「さ、咲ぃ……」グスッ

咲 「? お姉ちゃん?」

照 「ご、べん、なざいっ…私が、悪かった、がらぁっ」ヒック ズズッ

照 「私のごと……嫌いに、なっちゃ、やだぁっ……」グスンッ

咲 「……」

咲 「ちゃんと人に謝れるお姉ちゃんだったら、私は嫌いにならないよ?」

照 「…! う、うんっ!」

照 「ごめんなさいっ、咲!」ペッコリン

咲 「…お姉ちゃん」


咲 「謝る相手が間違ってるよ」ニコッ

照 「……へ?」

咲 「お姉ちゃんが謝らなきゃいけないのはこっちだよね?」

和 「……」

照 「…なんでこんな変態ピンクに」

咲 「お姉ちゃん?」ゴッ

照 「ぐ……」



照 「…メンサイッ」ピコッ

咲 「聞こえないよ、お姉ちゃん」

照 「……ごめんなさい」ペコリン



菫 「あの照が人に謝っている……!?」ワナワナ

菫 「馬鹿な、私は夢でも見てるのか? こんなことが実現するなんて……!」

久 「ひどい言いぐさねー」

咲 「和ちゃん。どう? お姉ちゃんのこと、許してくれる?」

和 「そうですね。あと土下座して私の足を舐めて『二度と咲さんに手を出しません』と誓えば」

咲 「……」ゴゴゴ

和 「…こほんっ。まあ、咲さんに免じて許してあげます」

咲 「良かったー! これで仲直りだね、2人とも!」パァァッ

照 (…ふふ。咲には敵わないな)

和 (やっぱり咲さんが一番ですね)



久 「さ! 良い感じの雰囲気になったところでお開きにしましょうか!」

咲 「あの、今日は本当にありがとうございました! とても嬉しかったです!」ペッコリン



 パチパチパチ パチパチパチパチ
     ヒューヒューッ       ヒューッ


久 「それじゃ、解散っ!」

 ・ ・ ・

優希「そうか、もう帰っちゃうのかー……」

菫 「私たちも学校があるからな。今日中には東京に戻らなければ」

まこ「ま、またいつでも来んしゃい。歓迎するけえ」

久 「そのときはまたウチに泊っていく?」

菫 「それはお断りだ!」

久 「あら、残念ね」ヘラッ

菫 「……おい、照! そろそろ出発するぞ!」

照 「待って、菫。もう少しだけ咲とお話してから」

菫 「……」

優希「本当に妹想いだじぇー……」シミジミ

菫 「少しは妹離れすべきな気もするがな」

久 「まあ、久しぶりの再会なんだし。今日くらいはいいんじゃない?」

菫 「…まあ、そうだな」

 ・ ・ ・

照 「…それじゃ、そろそろ私は行く」

咲 「そう……」シュン

照 「大丈夫。咲が寂しくなったときは、また会いに来る」

咲 「本当?」

照 「ああ、必ずだ」

咲 「…うんっ! 絶対だよ!」キラキラ


和 「……もういいんですか?」

照 「…ピンク」

和 「ピンク呼びはやめてください。私には原村和という名前があります」

照 「ん。分かった、和」

照 「…私がいない間、咲のことをよろしく頼む」

和 「! それって……」

照 「勘違いしないで欲しい。何も、咲と和の関係を認めたわけじゃない」

照 「ただ、私並みに咲のことを思っているのがお前だけということ」

和 「……お義姉さん」

照 「お義姉さん呼びは認めてない」

和 「…分かりました。照さんがいない間、私が貴方以上の愛情を持って咲さんと接していきます」

照 「ちょっと待って。その言い方じゃまるで、私より和の方が咲への愛が深いみたい」

和 「事実ですから」

照 「……」グヌヌ

和 「……」ムムム



照 「……はは」

和 「……あはは」

     「「ははは、はーっはっはっは! あははははっ!!」」

照 「咲を任せた!!」ドンッ

和 「任されました!!」ドンッ

 プップー

蒲原「ワハハ、もう待ちくたびれたぞー」

京太郎「買い出しから帰ったと思ったら既に終わってて、しかも即送迎に付き添えだなんて……」ヨヨヨ

久 「ごめんね、須賀くん?」

優希「まあこれも運命だじょ。受け入れるんだな!」

京太郎「やかましいっ!」



照 「…じゃあ、本当にもう行く」

和 「ええ。お気をつけて」

照 「でも、最後に一つ。 …咲、ちょっと来て」

咲 「ん? なあに、お姉ちゃん」トコトコ

照 「うん、こっち。顔を向けて。 …うん、いいよ」

和 「……って、それはちょっと待っt」


 チューッ


咲 「…お、お姉ちゃん……?」カァァッ

照 「誕生日プレゼント。 じゃあね、咲」タッタッタッタ


 ガチャ バタン
 ブロロロロロ……


咲 「…えへへ」ポーッ

和 「……ず」




和 「ズルいですよ、お義姉さーん!!」ムガーッ

―――――

淡 「…へー。仲直り出来たんだ、テルー」

照 「うん。もう咲といつでも会える。文通もしてる」

淡 「メールじゃなくて文通ってあたりがいいねー。 …ところで」

照 「?」

淡 「ほら、お土産は無いの? お土産!」

照 「お土産。欲しいの?」

淡 「うんっ!」キラキラ

照 「仕方ないな。 はい、これ」スッ

淡 「…? 何コレ、ビニール袋?」

照 「中に咲の息が詰まってる。至宝」

淡 「…スミレー……」

菫 「…ほら、おやき」

淡 「! ありがと、スミレー!」モグモグッ

菫 (…あの後聞いた話だと、招待状が届いていたとか)

菫 (色々とムダな遠回りをしたような気がするな)ハァ

菫 (……まあ)

菫 (2人が仲直りできたことだし、すべて良しとしようかな)

菫 「なあ、照?」



照 「……サ……キ……」ピクピク

淡 「あわあわわ! 照がビニール袋で吸引しすぎて酸欠に!!」アワアワ

菫 「……」





カン

>>218

×:淡 「~~~! 照がビニール袋で~~~」
○:淡 「~~~! テルーがビニール袋で~~~」


ラストで間違いとかイカンでしょ

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