エレン「魔物を……駆逐してやる!!」(47)



…………ン


――なんだよ


……て……エ…ン…


――人が気持ちよく寝てるのに


……レン……おき……


――うるさいな……ほっといてくれ


……レン……エレン!




「エレン!」

*直接的なネタバレはなるべくしないようにしますが、間接的に示唆するような内容を含むので注意


エレン「っ……ハッ!」

ミカサ「!……来て、アルミン。エレンが目を覚ました」

――ミカサ?

アルミン「よかった!中々目を覚まさないから心配したよ」

エレン「お、おい、どうしてミカサがいるんだよ!ここは旧本部の地下じゃ……」

――ん?なんで……空が見えるんだ?





エレン「……え?草原?」

エレン「……お、おい!ミカサ!アルミン!どこだよここは!」アタフタ

アルミン「落ち着いて!まださっきのケガはまだ治りきってないんだから!」

ミカサ「もう少し体を休めるべき。幸い、魔物もあまり強力じゃない」

ミカサ「ので、私たちだけでも対処することができる」キリッ

エレン「ま、魔物!?……ていうか質問に答えろよ!」

エレン「昨日はちゃんと寮で寝たはずなのに……それになんだよ!その格好!」

ミカサ
装備:赤いマフラー
   鎖帷子
   革のブーツ
   鉄の剣

アルミン
装備:布のローブ
   魔法使いの杖

また寮になってる死にたい
《訂正》
エレン「……お、おい!ミカサ!アルミン!どこだよここは!」アタフタ

アルミン「落ち着いて!まださっきのケガはまだ治りきってないんだから!」

ミカサ「もう少し体を休めるべき。幸い、魔物もあまり強力じゃない」

ミカサ「ので、私たちだけでも対処することができる」キリッ

エレン「ま、魔物!?……ていうか質問に答えろよ!」

エレン「昨日はちゃんと部屋で寝たはずなのに……それになんだよ!その格好!」

ミカサ
装備:赤いマフラー
   鎖帷子
   革のブーツ
   鉄の剣

アルミン
装備:布のローブ
   魔法使いの杖

ミカサ「?……アルミン、どこか変なところはある?」キョトン

アルミン「いや、いつも通りだよ。……エレンは多分ケガのショックで混乱してるんだ」

エレン「さっきから何言ってるのか……うっ」ズキッ

――何だ!?頭が痛……包帯?

ミカサ「!!エレン、まだ痛むの?」

ミカサ「……あの魔物は調子に乗りすぎた……いつか私が然るべき報いを……」

アルミン「さっきミカサが真っ二つにしちゃったじゃないか!?」

――よく見たら俺も変な格好じゃねえか……

エレン
装備:革の帽子
   革の鎧
   革のブーツ
   ショートソード


エレン「どうしてこうなった」

アルミン「ごめんエレン……僕の魔力が貧弱なせいで回復もロクにできなくて……」

ミカサ「アルミンは悪くない。私がこの剣を買わなければ薬草も沢山買えた」ションボリ

アルミン「そ、それは違うよ!ミカサの剣があったお陰で「ちょっと待てって!」

エレン「色々聞きたいことはあるんだけど……まず魔物って何だよ?」

アルミン「えっ」
ミカサ「えっ」
エレン「……え?」

ミカサ「そんな深刻なダメージを受けていたなんて……」ガタガタ

エレン「え?あの」

アルミン「一度ちゃんとした医者に見てもらわないとダメかも知れない!」

エレン「は?いや」

アルミン「ローゼ国は大きいから、そこまで行けばいい医者がいる筈だよ!」

ミカサ「そうと決まれば先を急ごう。エレンの命が掛かっている」

ミカサ「さあエレン、背負っていくから早く乗って」

エレン「いや、自分で歩……」

ミカサ「エレン」

エレン「」


エレン(普段なら絶対にこんなことさせないけど……)ノソノソ

ミカサ「そう、それでいい」ヨイショ

アルミン「じゃあ行こうか」

エレン(……状況が把握できるまでは素直に従っておこう)



アルミン「ところでミカサ、エレンを背負ったままで戦えるの?」

ミカサ「この辺りの魔物なら問題ない。知能も力も低級」

ミカサ「エレンにケガをさせてしまったのは一生の不覚。二度と同じことは……」ギリッ

アルミン「そ、そう……」

エレン(また魔物、か……聞きたいけど、さっきみたいに心配されるのは……)

ミカサ「!……魔物の気配!」

エレン「えっ!?」

[魔物の群れがあらわれた!]

??「ピギー!」
??「ピギッ」
??「ぷるぷる」


エレン「うわっ!なんだよ、このゼリーみたいなやつら!?」

アルミン「ただのスライムも忘れてしまっているなんて……」

ミカサ「安心して、エレン。この程度の魔物なら」


スライム「ピギッ!」ピョン

ミカサ「ふっ!」ビュン

ズバッ!

スラ/イム「」

スライム「ピギ!?」
スライム「ピギッピギッ」



ミカサ「」ギロッ


ミカサ「私の特技は肉を削ぎ落とすことです……必要に迫られればいつでも披露します」

スライム「」ビクッ
スライム「」プルプル
エレン「」

ミカサ「私の特技を体験したい方がいれば……どうぞ一番先に近づいて来てください」クワッ

アルミン(削ぐっていうより完全に断ち切ってるけどね……)




ミカサ「もう安心」フゥ

エレン「あいつら、あんな体の癖にすげえスピードで逃げるんだな……」

アルミン「僕も、スライムがあそこまで素早く動くのは初めて見たよ……」

ミカサ「エレン、少し揺れたけど気分は大丈夫?」

エレン「馬鹿にすんなよ!大体、ケガだって大したことないっての!」

アルミン「……エレン、その、ケガのことについてなんだけど……」

アルミン「忘れてるのは魔物のことだけ?それとも他にも何か思い出せないことがあるの?」

エレン「え!?あ、いや……」アセッ

アルミン「あるんだね、エレン」

ミカサ「……そういえば、本部とか地下とか、私たちの格好が変とか」

ミカサ「……私たちのことは覚えているのに。まるで別の世界から来たみたい」

――別の……世界……

エレン「ミカサのいうことが正しいのかもしれねえな……」

アルミン「?……エレン、どういうこと?」

エレン「どうもこうもねえ……この世界には巨人もいないし、壁も無い……」

エレン「代わりに、訳の分からない化け物があちこちにいる……」

ミカサ「エ、エレン……?」


エレン「巨人はいないけど、結局この世界も残酷なんだ」ブツブツ

アルミン(うわあ……)

ミカサ(本格的に危ない)

エレン「……教えてくれ。俺たちのことを。そして、この世界のことを」

アルミン「え!?……あ、ああ」

アルミン(……話を聞くうちに、もしかしたら記憶を取り戻すかも……)

アルミン「分かった。まず僕達の関係についてだけど……」


――俺達の関係は、大体一緒だった。俺とアルミンは幼馴染みで、ミカサは……例の事件のあと家に来た

――歴史も似ている。魔王が滅び、魔物が一掃されてから安寧と繁栄の100年間を人類は過ごしていた

――……そして、そこからの悪夢


アルミン「僕たちの国のことも……覚えてないよね」


――南北に伸びた大陸。『マリア国』の『シガンシナ街』はその最南端にあったが……

アルミン「……5年前、大陸の南から突如現れた魔物の群れが、全てを壊したんだ」

――南の海上に浮かぶ渦巻く闇の中から、魔物は現れた

――……そして、そのほとんどが、歴史書にも載っていないような、新種の魔物だったという

エレン「……母さんはその時……死んだんだよな」

ミカサ「……そう」

アルミン「……人類は新種の魔物相手になすすべがなかったんだ」

ミカサ「さっきのライムも、5年前から現れ始めた魔物だと聞いている」

ライムは魔物ちゃうで

《訂正》
アルミン「僕たちの国のことも……覚えてないよね」


――南北に伸びた大陸。『マリア国』の『シガンシナ街』はその最南端にあったが……

アルミン「……大陸の南から突如現れた魔物の群れが、全てを壊したんだ」

――南の海上に浮かぶ渦巻く闇の中から、魔物は現れた

――……そして、そのほとんどが、歴史書にも載っていないような、新種の魔物だったという

エレン「……母さんはその時……死んだんだよな」

ミカサ「……そう」

アルミン「……人類は新種の魔物相手になすすべがなかったんだ」

ミカサ「さっきのスライムも、5年前から現れ始めた魔物」


アルミン「マリア国は農業や漁業が盛んで、『ウォール大陸の食糧庫』と呼ばれてたんだ」

アルミン「ローゼ国やシーナ国も、食糧面ではマリア国に依存していたから……」

エレン「ってことは……」

――やはり、この世界でも『口減らし』が行われたのだ

エレン「……畜生!人の命をなんだと……!」

アルミン「……全くの無駄死にだったわけじゃないよ」

エレン「え……?」

アルミン「討伐隊は、魔物の群れを半数近くまで減らすことに成功したんだ」

エレン「そ、そうなのか?」

アルミン「幸い、魔物が現れた渦のようなものは、すぐに消えたんだ」

ミカサ「魔物は無限に湧き出したわけじゃない……」

ミカサ「ので、人類は何とか敗北せずに済んだ……多大な犠牲と引き換えに」

エレン(……この部分は、『巨人』の世界とは違うな)


アルミン「マリア国は農業や漁業が盛んで、『ウォール大陸の食糧庫』と呼ばれてたんだ」

アルミン「ローゼ国やシーナ国も、食糧面ではマリア国に依存していたから……」

エレン「ってことは……」

――やはり、この世界でも『口減らし』が行われたのだ

エレン「……畜生!人の命をなんだと……!」

アルミン「……全くの無駄死にだったわけじゃないよ」

エレン「え……?」

アルミン「討伐隊は、魔物の群れを半数近くまで減らすことに成功したんだ」

エレン「そ、そうなのか?」

アルミン「幸い、魔物が現れた渦のようなものは、すぐに消えたんだ」

ミカサ「魔物は無限に湧き出したわけじゃない……」

ミカサ「ので、人類は何とか敗北せずに済んだ……多大な犠牲と引き換えに」

エレン(……この部分は、『巨人』の世界とは違うな)

今日はこの辺で

脱字とか連投とかミス多すぎて禿げそう

プロット書いてたら、最初に考えてたのに比べて話がどんどん壮大になっててヤバい
そして話が壮大になるにつれて、ちょっとした発言が矛盾を生む可能性が増大するという恐怖


アルミン「マリア国の被害が大きかったのは、マリア国の軍備が貧弱だったせいでもあるんだ」

アルミン「もし魔物が現れたのがシーナ国やローゼ国だったら、被害は大きくならなかったはずだよ」

エレン「?……そんなに軍備が貧弱なのに、なんで独立できてるんだ?」

エレン「そんな豊かな国を、シーナ国やローゼ国が放っておくはずがないだろ」

アルミン「形式上は独立国だけど、実際はシーナ、ローゼ、マリアの三国で一つの連合国家なんだよ」

ミカサ「シーナ政府を中心とした、『ウォール連邦』……」

ミカサ「シーナ国は技術の粋を集め武器を開発・量産し、独占している」

アルミン「そして、古くて不要になった装備を南部に流してくるんだ」

エレン「な、なんでそんなこと……」

アルミン「反乱を防ぐためだよ……シーナが常に軍備の最先端を進むように仕組んでね」

エレン「そ、それじゃあ、マリアが滅びたのはシーナのせいじゃねえか……っ!」ギリッ

アルミン「エレン!それは結果論だよ……この構造のお陰で今まで平穏を保ってきたんだ」

エレン「そりゃ……そうなんだろうけど……」グッ
アルミン(僕が初めてこの話を聞かせた時と全く同じ反応か……)

アルミン(エレンはやっぱりエレンなんだけど……)

ミカサ「……アルミンの話から思い出せた?」

エレン「えっ?あっ、おう!バッチリ……じゃないけど大体……いやちょっとは……」

ミカサ「……エレン、耳が真っ赤」ジーッ

アルミン(厄介な記憶障害だよ……)ハァ



――魔物掃討作戦後も、避難民がマリア北部とローゼで溢れかえっていた

アルミン「職も住み処も失ったマリアの人々は、ローゼで開拓民となるか……」

アルミン「マリア北部の訓練所に入って、兵士になるしか道は無かったんだよ」

ミカサ「そして、私達は兵士になる道を選んだ……」

メモしてある設定見直したら矛盾を見つけたから、投稿済みの分と破綻しないように修正していったんだけど、
更に設定が壮大になってしまったでござる

いや、設定が複雑になっただけなら自分が頑張ればいいだけの話なんだけど、入れる予定のなかったネタを追加したせいで、結構ネタバレが多くなってしまったのがヤバい

>>2にある通り直接的な表現ではないけど、間接的、というか普通に察せちゃうレベルの表現
(具体的に言うと、この世界のキャラに与えられている役割から分かっちゃう感じ)




つまり要約すると
◎ネタバレ大量につき注意(特にアニメ派)



.


エレン(訓練所は訓練兵団のことだよな……)

エレン「……大体事情は分かった」

エレン「で、俺達はどうして魔物のうろつく大草原を、三人だけで進んでるんだ?」

エレン「訓練所を卒業してるってことは俺達は兵士になったんだよな?」

ミカサ「いいえ、無職」

エレン「えっ」

アルミン「いや、だってエレンが……」


~~~~~~~~~~~

キース『イェーガー、どちらに入隊するつもりだ?』

エレン『……どちら、とは?』

キース『ローゼかシーナか、だ……成績優秀者の希望をある程度把握しておけ、という北からの指示だ』

キース『無論、後で希望を変更しても構わん。とりあえずの調『……です』

キース『……ん?』


エレン『マリアに残って……とにかく魔物をぶっ殺したいです……』ブルブル

キース『』

~~~~~~~~~~

アルミン「……って」

エレン「なんか色々スマンかった」

ミカサ「構わない。私はエレンに付いていく」

アルミン「僕も……三人がバラバラになるなんて嫌だから……」

エレン「アルミン……お前そこまで……」

ミカサ「エレン。私はエレンに付いていく」

エレン「は?さっき同じこと言っただろ」

ミカサ(……解せない)




エレン「……で、俺達は魔物を狩りつつローゼとマリアの街を往復して……」

エレン「魔物退治の依頼をこなしたりしながら生計を立ててきた、と」


エレン「どれ位……その生活を?」

ミカサ「1年前に卒業してから、魔物狩りを続けている」

エレン「……ってことは、訓練は2年間だったのか?」

アルミン「いや、4年前に訓練を始めて、卒業まできっちり3年間だけど……どうしてそう思ったの?」

エレン「いや、ちょっとな」アセ

エレン(この世界じゃ1年早く訓練を始めたのか……)

――ん?マリアが襲撃を受けて5年目ってことは……

――この世界は『巨人』の世界と似た歴史を辿っているから……

エレン「……なあ。ローゼは、まだ魔物に侵攻されてないんだよな?」

アルミン「うん。都市から離れたところには低級な魔物がいることもあるけど……」

エレン「そうか」ホッ

アルミン(?……『まだ』?)

エレン(この世界についてはよく分からないけど……)

エレン(……やっぱり人が死ぬのはいい気がしないからな)

エレン(もしローゼに魔物が現れたらその時は俺が…………)



エレン「……どうするんだ?」



ミカサ「エレン?何か言った?」

エレン「あ、ああ。独り言だ、気にすんな……」

エレン(この世界で巨人化なんて出来るのか?巨人自体が存在しないのに?)

エレン(それとも魔物にでもなるのか?もしそうなら、どうすりゃなれる?巨人化と同じ?)

エレン(……いや、そもそも俺が特別な力を持っていることを前提にしていいのか!?)

エレン(大体の歴史が一緒とはいえ、食い違ってる部分も多い)

エレン(……俺が単なる平凡な一狩人だって可能性もあるんだ)

エレン「ローゼに魔物が出ないことを祈るか……」ボソッ

ミカサ「?」

エレン(……大体、他の世界の心配をしてる余裕なんてあるのか?)

エレン(初めての壁外遠征だって近いってのに……どうやったら戻れるんだよっ)



ミカサ「……そこの丘を越えれば、ローゼの一番近い都市までは4時間位」

アルミン「うーん……このペースだと日が暮れる前に着くのは難しそうだね」

ミカサ「構わない。夜も歩いていく。一刻も早くエレンを医者に連れていかないと……」

エレン「はあ!?何言ってんだよ、そんなの無茶だろうが!」

ミカサ「私は歩き続けられる。たとえエレンを背負っていても。体を揺らすことなく」

エレン「馬鹿言うな!……やっぱり降りるぞ!」モゾモゾ

アルミン「だ、駄目だよエレン!こんなに激しい記憶障害、絶対脳に大きな異常があるはずなんだ!」

アルミン「本当は動かすのだって避けるべきだし……」

アルミン「……僕が転移魔法を使えたら良かったんだけど」

ミカサ「仕方がない、あれは高等な魔法。人間ほど質量のあるものを運ぶのは困難」

エレン(……そういや魔法がどうとかも言ってたな)

ミカサ「とにかく、エレンは安静にしていればいい。何も心配する必要は……」


........ズダァァァァン.........


エレン「!?」

アルミン「い、今のは?」

ミカサ「っ!銃声……!」

アルミン「この丘の向こうからだよ!」

ミカサ「エレンたちはここで待ってて……アルミン、エレンをお願い」スッ

ミカサ「私は様子を見てくる」ダダッ

エレン「お、おい!待てって……」

アルミン「エレンは駄目だよ!ミカサなら大丈夫だ!」ガシッ

エレン「なんでそんなこと言えるんだよ!銃持った奴がいるんだぞ!」ハナセー!


アルミン「だってミカサだよ!?」




エレン「……」

アルミン「……」



エレン「……それもそうか」

アルミン「でしょ?」


~~~~~~~~~~

ミカサ(銃を持つのを正式に許可されているのは、兵士か傭兵団だけ)

ミカサ(……そう……『正式に』は)

ミカサ(違法に銃を入手し、行商や旅人を襲う犯罪者もいる)

ミカサ(もしそんなのに遭遇すれば厄介。危険な奴らであるようなら……)

ミカサ(奇襲を仕掛けて、削ぐ)ジャキ

ミカサ(もうすぐ丘の頂上に……)





ミカサ「!!……アレは……」


~~~~~~~~~~~


........ゴォォォォォォオオ........


兵士A「銃弾をぶちこんでみたが、なんの反応もねえな……」

兵士B「これってやっぱり……5年前に出た、『渦』かな?」

兵士A「『闇の渦』なんて馬鹿らしいと思ってたが、こりゃあそうとしか言いようがねえな……」

兵士A「大きさはヒト一人分くらいってところか」

兵士B「話で聞いたのよりはずっと小さいけど……すぐにローゼに戻って報告した方がいい」

兵士A「だな。少なくとも、訓練所への『おつかい』よりはよっぽど重要……っ!?」


........シュゥゥゥン........


兵士B「う、『渦』が消えた……?」

兵士A「……フフッ……フッ……あっはっは!何だよ、驚かせやがって!」ククッ


兵士B「わ、笑い事じゃないよ!……今の『渦』はどう見ても異常だ、とにかくローゼへ……」



ドシャァァァ!!



ミミズ「……」ウネウネ

[巨大ミミズが現れた!]



兵士A「」

兵士B「」



ミカサ「」

エレン「?……おい、ミカサの様子がおかしくねえか?」

アルミン「確かに……顔色がなんだか悪いし……ってエレン!?」

エレン「やっぱり俺も見てくる!待っててくれ!」ダッ

アルミン「だから安静にしてないと……もう!」ダッ



ミカサ(あの二人は兵士みたいだから、心配する必要はない)

ミカサ(それに、近くに馬がいる……四頭もだ)

ミカサ(彼らのものだろう……替え馬を連れているところを見ると、おそらくシーナ兵……)

ミカサ(……馬を借りられれば、日が出ている間にローゼの街に着ける!)

ミカサ(問題は……)チラッ

兵士A「くそっ、見た目より頑丈だ!銃が効かねえ!」

兵士B「散弾じゃだめだ!見たところ、生命力もかなり強い!」

兵士A「ちっ!……銃は駄目だ!剣に切り替えるぞ」

ミミズ「ギシャァァァアアア!!」ブルブル


ミカサ(あの魔物が、純粋に凄く気持ち悪い)サーッ

ミカサ(……いえ、やるしかない!たとえどんなに敵の見た目が気持ち悪かろうと!)ギュッ

ミカサ「……うおおおぉぉぉおっ!」ダッ

~~~~~~~~~~

兵士B「駄目だ、斬撃が浅すぎる!全く効いてない!」ザッ

ミミズ「ギィイィ!」ガバッ

バクン!

兵士B「うわっ!」ズザッ

兵士A「大丈夫か!?」

兵士B「危うく、噛み付かれるところだったよ……」

兵士A「……埒があかねえ、逃げるが勝ちだ!馬のところまで……ん?」

兵士「……何?」

兵士A「……丘の上から……凄いスピードで誰か来てるぞ」

兵士B「!……盗賊団!」

兵士A「いや、違う。ありゃあ……まさか!」


ミカサ(坂を駆け降りたスピードをそのまま維持……)ジャキ

ミカサ(踏み込みは強く……腰を落とし重心を下げ)グッ

[ミカサの攻撃!]

ミカサ「全身を使って……削ぐっっ!!」ギュオンッ!

ザシュュウウ!!

[会心の一撃!]

ミミズ「ギィ!?」ビタッ

ミカサ(剣先は下げ過ぎず、地面と平行に……ニ撃目っ!!)ヒュン

~~~~~~~~~~

アルミン「……エレン、やっと…ハァ…止まっ…ゲホッ……」

アルミン「フゥ……何を……見てるの?」

エレン(何だよ……アレ……)

――大人数人が両手を広げても抱えきれない、巨大なミミズの化け物。そして……

――宙を舞う、ミカサ。

エレン(なんで、あんなに高く跳べるんだよ……)

――空中のミカサめがけて、大口を開けたミミズが襲いかかる。

エレン「っ!空中じゃかわせない!ミカ……」



エレン(え……?避けた……?)



――ミカサは空中で、何かに弾かれたかのように進行方向を変えていた。

エレン(……なん、で)

――着地するなり体勢を整え、標的へ矢のように突っ込む。

エレン(……身体能力がどうとか、そういう話じゃねえ)

――見えない立体機動装置をつけているかのような動き。

アルミン「魔力自体はあまり強くないけど、自分の戦闘スタイルに合わせて効率的に使ってる……」

アルミン「……あれがミカサの『風魔法』だよ」

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