怜「演技の練習……?」(313)

ID:vl/pNDiF0

改めてスレ立てサンキューです

前スレ
照「演技の練習?」

久「さて、今日も張り切っていきましょう」

怜「昨日の様子見た感じで言わせてもらうと、出来れば辞退したいんやけども……」

久「クラスのためだから」ニコ

菫「昨日は私と竹井だったから……今日は照と園城寺か」

照「あの、私は照明がしたいって何度も……」

怜「どうせそんなこと言うても聞いてくれんやろ。諦めた方がいいで」

久「ふふ、聞き分けが良い人って好きよ♪」

菫「まあ、園城寺には役者でもやらせないとサボりそうだし」

怜「うっ」

菫「照の照明なんて不安すぎるからな」

照「そんなぁ……」

菫「二人に役者をやらせるのは賛成だ。クラスのためにも頑張ってくれ。というかたまには貢献しろ」ジト

怜(めんどいなぁ……)

照「演技なんて出来ないのに……」

菫「だから練習するんだろ」アキレ

久「委員長命令ってことで、二人とも頑張りましょう」アハハ

久「今回は園城寺さんから行ってみましょうか」

怜「はいよー」

久「宮永さんは長くなりそうな気がするからね」

菫「練習相手はどうするんだ? 私たちの誰かか?」

久「それでもいいけど……昨日みたいに通りがかった人でもいいかもね」

練習相手>>10

竜華

怜「通りがかった人なぁ……」

菫「人を待つにしてもなかなか人が来ないし、そもそもやってくれるかどうか分からないだろ」

怜「照か久あたりでええんとちゃうん? それか演劇部の誰か引っ張って来るとか」

久「うーん、そうねぇ……宮永さんか演劇部の誰かでもいいんだけど……」

照「……誰か来る」

「「えっ?」」

久「あ、そこのあなた!!」

竜華「は、はい!?」

久「素敵だわ! あなたみたいな綺麗な人が演劇を……って」

怜「竜華……」

竜華「ど、どないしたん竹井さん……? それに、怜……」

ど忘れした。竜華の一人称って私? ウチ?
教えてください

>>15
ウチだね

>>16
サンキュー

竜華「宮永さんに弘世さんもおるし……クラスのなんかで集まってんの?」

久「文化祭に向けて演劇の練習をちょっとね」

照「ちなみに清水谷さんは何の用でここに?」

竜華「ウチはゴミ捨ての帰りやで」

怜「どんだけ人気あるねん、このゴミ捨てルート……」

菫「私もよく使っているぞ? 三年棟からなら一番近いからな」

久「清水谷さん、そういえばあなたのとこのクラスも確か演劇だったわよね?」

竜華「よう知ってんなぁ竹井さん。って言ってもまだ内容も何も決まってないんやけども」アハハ

久「そうは言っても大体みんな何やるかくらいは考えてるんでしょ?」

久「清水谷さんは何するの?」

竜華「ウチは役者したいかなぁ。どうせ演劇やるんやったら、小道具とかよりかは面白そうやし」

久「ほうほう……」ニヤリ

久「それなら清水谷さん、私たちと一緒に演技の練習しない?」

竜華「演技の練習?」キラーン

怜(アカン、竜華興味津々や……)

久「実はねー……」

―――――――――――

竜華「なるほど……面白そう!」

久「でしょ?」フフン

菫(ここまで乗り気な人間も初めてだな……)

久「ってことだから園城寺さんの練習に付き合ってもらえない?」

久「二人とも幼馴染みで仲も良いし、互いに良い練習になると思うんだけど」

竜華「うん、別にええよー。断る理由がないわ」ニッコリ

照(断る理由がない!?)

怜(まあ、照とかとは別の人種……でもないか)

竜華「それにしても、怜が文化祭の演劇の練習なんて……ウチ嬉しいわぁ」

竜華「1年生の時はほぼ病院で、2年生の時はやさぐれてて……学校の行事なんか参加する素振りすら見せてなかったから……」ウルウル

怜「な、なんでそこで竜華が泣きそうになってんねん……」

竜華「ウチめっちゃ心配やったんやで?」

竜華「暇があれば年中保健室行って、クラスではウチくらいとしかロクに話さんくて……」

照「怜っと不良だったんだね……」

怜「不良言うな。ってか昔の話すんのやめてくれへんかな……?」

怜「そない嫌な思い出ってわけでもないけども、掘り返されるのはちょっと……」

竜華「宮永さん、竹井さん、弘世さん。怜と友達になってくれてホンマにありがとうな」

竜華「三年なってウチとクラス離れて、だんだん学校に馴染んで来てた怜がまたやさぐれてまうと思うと、夜も眠れんかったから……」

怜「りゅ、竜華。ホンマに恥ずかしいからやめて……」

久「園城寺さんの保護者なのは相変わらずね」アハハ

菫「こんなにも思ってくれてる人がいるのに、どうしてお前は……」

竜華「どういうこと弘世さん? もしかして、怜がまた迷惑を……」

菫「掃除はサボるしゴミ捨ていかないし、授業中はたまに消えるし体育に関してはまったく参加する素振りがないし……」

竜華「怜……?」ゴゴゴ

怜「ホンマにやめて委員長……」

久「まあ、それも含めての園城寺さんだし、多めに見てあげても……」タハハ

照「あと、この前女たらし序列2位になった」

竜華「女たらし? それはどういう……」

怜「ひ、久。そろそろ始めよや。みんなも本来の目的思い出して」

菫「くく、まるで三者面談だな……」

照「怜は相変わらず清水谷さんには弱いんだね」

久「そんじゃまあ、園城寺さんの要望通り始めましょうか」

久「時間も勿体ないしね」アハハ

竜華「……怜。あとで話訊かせてや」

怜「うぅ……」


―――――――――――

怜『ただいまー』

竜華『……』

怜『いやぁ、今日も疲れたわ……竜華、今日のご飯なにー』

竜華『……』

怜『竜華……?』

竜華『……』

怜『どないしたん竜華? 無視せんといてや。もしかして体調悪かったり』

竜華『……怜。これなに』

怜『えっ?』

竜華『この髪の毛、ウチのちゃうよな……?』

地保守


怜『なっ……』

竜華『怜の髪の毛でもないよな……? だってこんな赤い髪の毛、あり得へんもん……』

怜『りゅ、竜華。待って。落ち着いてや。それは友達をここに呼んだときのヤツで……』

竜華『ウチに内緒で誰かここに呼んだってこと……?』

竜華『ここ数ヶ月でそんなこと知らされてないんやけど……』

怜『ご、ごめんな。竜華がおらんかったときに、この家で遊ぼうってことになって、たぶんそんときに……』

竜華『誰か呼ぶ時は互いにちゃんと知らせような、ってゆったやん……』

竜華『この前も早く帰って来るって行ったのに結局帰ってこんくて、また朝帰りやったし……』

竜華『なんで約束守ってくれへんの……? 付き合う前はしっかり守るって言ったてのに……』

怜『ごめんって……急な話やったし、ちょっとお酒も回ってたから伝えんの忘れてて……』

怜『それに朝帰りは大学での付き合いとかで友達の家に泊まる事も多いから、しょうがないねん……この前も言ったやろ?』

竜華『そやけど……』

怜『心配させてホンマにごめん。でも、竜華が思ってるようなことは絶対にないから』

怜『ウチを信じてや。疑われるんは……ちょっと辛いわ』

竜華『と、怜……』

怜『ウチが好きなんは竜華だけやのに、信頼されてないなんて……』

竜華『そ、それは怜が最近怪しいことばっかしてるから……!』

怜『怪しいことってなに……?』

怜『付き合いで友達の家泊まったり、知り合いをここに呼ぶことが怪しいことなん……?』

竜華『そ、それは……』

怜『ちょっと疑心暗鬼すぎると思うで……?』

竜華『そんなことないよ……だって怜、帰って来たらすぐお風呂入ったり、ウチと一緒におるのに携帯で誰かとメールしてたり……』

怜『……』

竜華『そういうことが日常的にあるんやから、ウチやなくても疑うよ……』

竜華『その友達のこと教えてって言っても、言葉濁すだけで教えてくれへんし……』

怜『竜華……』

竜華『ウチやって辛いよ……怜が浮気してるなんて考えただけで耐えられへんもん……』

竜華『大学で他の女の子と一緒におるの見るだけでも辛いのに、そんなん……』

怜『ごめん、竜華……竜華がそこまで思い詰めてるとは思わんかったわ……』ギュッ

竜華『と、怜……?』

怜『最近あんまし一緒にいてなかったもんな……ごめんな、寂しい思いさせて』

竜華(え、演技でも怜に抱きしめられてるって……なんかドキドキする……)

怜『これからは竜華のために早く帰ってくるし、一緒におる時間もいっぱい増やすようにするから……』

竜華『怜……』

怜『ウチが好きなんは竜華だけやで』

竜華『う、ウチも……ウチも怜のこと好き……世界で一番好き……』


菫(なんだこの脚本)

照「これは純愛? それとも……」

久「ふふ、ここからが面白くなるところよー」

菫「お前が一筋縄でいくような台本を用意するなんて思ってはいないが……」


怜『そうや竜華、久しぶりに膝枕してや。ちょっとしんどい話して疲れてもうた……』

竜華『あっ……大丈夫? ごめんな、ウチのせいで……はい、頭貸して』

怜『ありがとー……やっぱり竜華の膝枕は気持ちええな……』

竜華『またそんなこと言って……でも、こうするのホンマに久しぶりやね……』

怜『最近は大学でも家でも一緒におる時間少なかったからな……』

竜華『でも、これからは高校の時みたいにこうやって過ごせるんやんな?』

怜『うん。みんなには悪いけど、竜華の方が大事やから……』

竜華『ふふふ、もう、そんなこと言って……』

怜『ふぁ……あったくて良い匂いで……心地よくて寝てまいそう……』

竜華『別に寝てくれていいでー。ウチもこうやって怜の頭撫でるの好きやし』ナデナデ

怜『そんじゃお言葉に甘えさせてもらうわ……良い時間になったら教えて……』

竜華『はいはい。おやすみ』

怜『……』

竜華『……』

竜華『……怜? 寝てもうた?』

怜『すぅ……すぅ……』

竜華『ふふ、ホンマ、怜は可愛いなぁ……』

竜華『ウチのこと大好きって言ってくれたし、高校から付き合ってるんやし……浮気なんてあり得へんよな』

竜華『……あっ、怜の携帯……』

竜華『……』

竜華『と、怜? 起きてる?』

怜『すぅ……むにゃむにゃ……』

竜華『ね、寝てる、よな……』

竜華『……う、ウチら恋人同士や……携帯見るくらい、ええよな……?』


照「し、清水谷さん……」

久「宮永さん、これ演技だからそんなにも緊迫しないで」アハハ

菫(リアリティがありすぎるんだよ……)


怜『うーん……りゅうか……』

竜華『……ご、ごめん怜、ちょっとだけやから……』

竜華『……』スッ

竜華『メールアドレスは……』ピッピッピ

竜華『いっぱいあるけど誰が誰か分からへん……』

竜華『着信履歴は……』

竜華『ウチ、○○さん、ウチ、ウチ、××さん、ウチ……』

竜華『ん……? この宮永照って……誰やろ……?』


照「!?」

久「くくく……」

菫「竹井……」


竜華『なんで、怜からこんなにもいっぱい電話かけてるんやろ……?』

竜華『ウチ、こんなにもいっぱい怜に電話かけられたことなんて……』

竜華『い、いや。何か急用で連絡取り合ってただけかもやし……』

竜華『そ、そうや……メールボックス見れば……』ピッピッピ

竜華『!』

竜華『ロック、かかってる……』

怜『んぅ……すぅ、すぅ……』

竜華『怜……どういうこと……? 宮永照って……誰……?』


照「こ、怖い……」ブルブル

菫「演技上手いな……本当にそれっぽく見えるぞ

久「感情移入しちゃってるのかもね」アハハ

久「さて、ここでっと」

菫「?」


ブーブーブー

竜華「きゃあ!?」

竜華(こ、こんなところまで台本通りにするんや……)

竜華『ちゃ、着信……しかもこれって……』

怜『ん、んぅ……竜華……?』

竜華『!』

怜『ウチの携帯鳴ってない……?』

竜華『だ、誰かから着信きてるで? はい』

怜『ありがとう……誰やろ……』

怜『……』

怜『ごめん、ちょっと』スッ

竜華『えっ? あ、うん……』

ピッ

怜『どないしたん? ……うん……いや、大丈夫やけど……うん……』バタン

竜華『……さっきの着信、宮永照ってなってた……』

竜華『怜……?』


照「な、なんで私の名前なの?」

久「いや、リアリティ出るかなって……ふふっ」

菫「照……お前、まさかとは思うが……」

照「ふ、二人とも何言ってるの……? な、なんか清水谷さんこっち見てる……」

久「くくく……」


竜華『怜、なんの話してるんやろ……電話、ちょっと長いし……』

竜華『……盗み聞きしてみよ』スッ


怜『……うん、え? そんなことないよ……』フフッ

竜華『怜、あんなにも楽しそうに……』

怜『うん……ふふ、なんやそれ……急にどうしたん? なんか変やで』

竜華『……』

怜『もう……いつも言っとるやん……好きやで、照』

竜華『!!』

怜『今、彼女と一緒におるから……うん、ごめんな。えっ? もう一回? ふふ、今日はホンマにどないしたん……?』

竜華『と、き……』

怜『もう、ウチも恥ずかしいんやから……ウチがホンマに好きなんは照だけやって……』

竜華『……』

怜『うん……分かってる……もう、だから今彼女と一緒に……』

竜華『怜……?』

怜『!!』

竜華『どういうことなん……?』

怜『りゅ、りゅうか……!?』

竜華『さっきのなに……? ホンマに好きなんは照だけって……』

怜『ち、違うんや竜華……こ、これは……』

竜華『照って誰……?』ギロ

怜『ひっ』

怜(え、演技迫真すぎるんやけど……)

照「こ、怖い……」

久「すごく良いわね、ぞくぞくするわ……玄さんもそうだけど、ここまでの逸材が……」

菫「相手が園城寺だからあそこまでなってるんだと思うぞ……止めなくて大丈夫なのか……?」


怜(ってここからアドリブ!?)

怜「て、照は、その、竜華が知らんウチの友達で……」

竜華「トモダチ……? ってことは、あの赤い髪……」

怜「あっ」

竜華「そっか……そいつがここに来たんやな……」

怜「お、落ち着いて竜華……違うんや、これは、誤解で……」

竜華「何が誤解なん……怜、さっきハッキリと言ってたよな……そいつに好きやって」ユラユラ

怜「りゅ、竜華ぁ……」

怜(ホンマに怖い)

竜華「なぁ……そいつとここで何したん……?」

怜「えっ……?」

竜華「ウチと怜の大切な場所で……何したん……?」

怜「べ、別に何もして……」

竜華「嘘つかんとって!!」

怜「ひっ」

竜華「寝たんやろ……?」

怜「……」ガクガクガク

竜華「えっちなことしたんやろ……!? そいつと二人で……ウチらのベッドで……!!」ギリリ

怜「りゅ、竜華……これ、演技のれんしゅ……」

竜華「……怜が汚れてもうた」

怜「は……?」

竜華「ウチが、綺麗にせな……汚された怜のこと、綺麗に……」

怜「ひゃっ……!?」

怜「な、なにしてんの竜華!? やめっ……んっ!」

竜華「怜……怜……」サワサワ

怜「や、やめてや竜華! これ、演技っ……」

竜華「綺麗にせな……体も、唇も……全部……」チュッ

怜「きゃあ!? 」

怜(竜華、今、本気でキスしようと……!?)

竜華「なんで避けるん……? いつもしてることやのに……やっぱりその女に……」

怜(め、目にハイライトが……)

怜「だ、誰でもいいから助けて!! 今の竜華ホンマにやばい!!」


久「よし、行って来なさい宮永さん!」

照「えええぇ!?」

照「む、無理! 絶対に無理!」

菫「園城寺を救えるのはお前だけだ」ボウヨミ

照「菫までなんでそんなこと!?」

久「だいじょーぶだって。所詮お遊びの演技なんだから。ほら、これも練習だと思って!」ドンッ

照「きゃあ!?」


照「と、怜……」

怜「きゃっ……ちょ、竜華どこ触って……!」

竜華「怜……好き……怜……」サワサワ

怜「あっ……た、助けて照!!」

竜華「照……?」

照「ひぃ!?」

竜華「アンタが、怜を唆した女か……」

久「宮永さん! 盛り上がってるんだから空気読んで!」

照「ええぇ!? え、えっと……と、怜を離して!」

竜華「は……?」ギロ

照「ひぃぃ……!」ガクガク

怜「て、照! 頑張って! あの畜生二人助ける気なしや!」

菫「お前に言われたく無い」

久「今最高に面白いからね♪」

竜華「なんなん……? 怜はウチの恋人なんやで……? 付き合ってるんやで……?」

竜華「それをぽっと出のアンタが何をする気なん……?」

照「わ、悪いのは全部私! 怜は何も悪く無い! だから離してあげて!」

怜「照……」

竜華「悪いと思ってるんやったら今すぐウチらの前から消えろ……!」

照「」

怜(アカン)

久「くくく……」

菫(清水谷が演技なのかネジが飛んだのかが分からない……)

照「そ、そういうわけにはいかない! 私がいなくなったら清水谷さんは怜に酷いことする!」

竜華「酷いこと……? ウチらが愛を確かめ合うのが酷いことや言うん……?」

照「む、無理やりはよくない」

竜華「ウチと怜は恋人なんやで……? 恋人同士がこういうことして何が悪いん……?」

照「と、怜は嫌がってる! 私としたときはそんなんじゃなかった!」

竜華「は……?」

怜「ノリに任せて適当なこと言うな!」

竜華「やっぱり、二人で寝たんやないか……ウチの怜に……ウチの怜にそんなこと……!!」

照「あわわわ……」

竜華「絶対に許せん! 大阪湾に埋めたる!!」フシャア!

照「ひぃぃぃ!?」

怜「や、やめて竜華! これは演技であって、フィクションで……」

竜華「なんで怜……? なんでその女庇うん……?」

怜「庇ってないから!? ただ目覚ませと言ってるだけで……」

竜華「ウチよりその女が大事なん……? ウチら、中学の時からずっと一緒やったのに、なんで……!!」

照「と、怜は愛が重い清水谷さんのこと面倒臭いって言ってた!」

怜「おいコラ!!」

竜華「面倒臭い……? う、嘘やんな怜……? そんな、そんなこと……」


久「くくく……清水谷さんも宮永さんも最高……」

菫(アイツは本当に……)

照(標的を怜に向けなくちゃ……!)

照「わ、私は怜に清水谷さんみたいな人がいるなんて聞いていなかった!」

照「怜に言われるがまま誘われるがまま、その、そういうことしちゃって……」

怜「照……頼むから黙って……」

照「怜、私と会うたびに清水谷さんの悪口ばっか言って……ご飯がまずいとか早く別れたいとか……」

菫(こいつが一番酷いな……)

竜華「嘘や、そんなん、嘘や……お前の言うことなんか、そんなん……!!」

照「とりあえず私は謝ります! 本当にごめんなさい! だから、あとは怜とゆっくりしていって……」

怜「お前なにしにきたねん!!」

竜華「怜……嘘やんな……? ウチのこと重いとか、別れたいとか……」

竜華「好きって言ってくれたやん……竜華だけやって……言ってくれたやん……!」

怜「お、落ち着いて竜華……これはフィクションで、ウチはそもそも竜華と付き合ってないし……」

竜華「付き合って、ない……?」

怜「りゅ、竜華……?」

竜華「ウチと怜が、付き合ってない……」

竜華「全部ウチの勘違いで、怜が好きって言ってくれたんも一緒に住もう言ってくれたんも全部嘘で……」

怜「いや、ウチそんなこと一言も言ってないんやけど……」

竜華「……怜」

竜華「一緒に死のう?」ニッコリ

怜「ひぃぃぃ!?」

久「清水谷さん! パス!」ポイッ

カランカラーン

竜華「……そうやん……怜がウチのこと好きやなんやったら……全部嘘なんやったら……」スッ

竜華「死ぬしかないやん」ギラリ

怜「」

9行目、修正
竜華「怜がウチのこと好きやないんやったら……

菫「おい竹井、まさかとは思うがアレ……」

久「小道具に決まってるでしょ。本物なんてこんな場所にある訳ないじゃない」アハハ

照「本当に怖かった……」グスン

菫(こいつもちゃっかり帰って来て……)


怜「りゅ、竜華……ホンマに、目覚まして……」ガクガクガク

竜華「怜……これで一生一緒におれるな……」ユラユラ

竜華「二人一緒に……幸せに……」

怜「いやや……やめて……竜華、お願いやから……」ナミダメ


竜華「大好きやで怜。ウチもすぐに行くから」ドスッ


怜「りゅう、か……」

怜「……」バタッ

照「と、怜……!」

菫「んなわけないだろ」

久「いやー、迫真の演技だったわ。これにて終了ね」


竜華「……ふふ、くふふ……」

怜「……え。りゅ、竜華? ってウチ、別になんとも……」

竜華「怜、演技やのにあんな本気で怖がって……くふふ……めっちゃおもろいお腹いたい……!」

怜「……」ポカーン

竜華「はいこれウチの台本。ここ読んで」

怜「浮気相手の恋人を刺して終了って……」

竜華「ウチの演技そんなに上手かった?」

竜華「本気で狼狽える宮永さんと怜が面白くて、途中で何回か笑ってたしまいそうになってたんやけど」クスクス

怜「はぁ……」

9行目修正
怜「浮気をした恋人を刺して終了って……」

怜「女優なれるで竜華。いや冗談抜きで……」

竜華「ふふ、おおきに♪」

久「いや、改めて。素晴らしい演技だったわ清水谷さん。演劇部入らない?」

菫「竹井と遜色ないレベルだったな……私も演技なのか本気でおかしくなったのか分からなかったよ」

竜華「もう、そんな褒めても何も出えへんで?」ニコニコ

照「あ、あれが、演技……」

竜華「でも、怜のことやから感情移入出来ただけやと思うで?」

怜「それはそれで怖いんやけども……」

久「園城寺さんも演技普通に上手だったわね」

菫「電話で浮気相手と話すシーンは、本当に誰かと話しているようだったしな」

竜華「良かったやん怜。二人とも褒めてくれてるで?」

怜「喜ぶ体力も残ってないわ……」

久「さて。練習付き合ってくれてありがとうね、清水谷さん」

竜華「いえいえ。ウチもめっちゃ楽しかったし、こっちがお礼言う方やで」

照「清水谷さんのクラスの劇、すごく楽しみです」キラキラ

菫「こんな天才がいるんだ。私たちもしっかり練習しないとな」

竜華「もう、ホンマお上手なんやからー」ニコニコ

怜「はぁ……ウチはちょっと休ませてもらうわ……」

竜華「膝枕する?」

怜「……お願い」

竜華「……練習する前にゆうてた女たらしがなんやらっての、ちゃんと話し聞かせてな」ニッコリ

怜「」

―――――――――――

久「さて、ラスト宮永さんね」

照「わ、私はさっき練習参加したし、もう今日はこれくらいで……」

菫「いいわけないだろ」

照「あうぅぅ……」

怜「みーんな辛い思いしてるんやから、照もやってもらうに決まっとるわ」

竜華(さっきの宮永さんのアレ根に持っとるんかな……)アハハ

久「さーてお相手は……ふふ、誰になるやら。楽しみだわー」ワクワク

>>149

荒川先生

安価了解です
ちょっとリフレッシュ+ネタ練りがてら風呂飯行ってきます
23時30分くらいまでには再開するので、すみませんが保守お願いします

保守ありがとうございました
再開しまう


―――――――――――

菫「まあ、分かってはいたが……」

怜「誰もけえへんな」

照「こんなにも時間が経ったのに誰も来ない。これはもう今日は終わろうって神様が……」

菫「んなわけあるか。それに時間が経ったとは言ってもまだ10分くらいしか経ってないぞ」

久「でもこのまま待ちぼうけってのもアレだし……来ないならこっちから呼びましょう」キュピーン

照「よ、呼ぶって……」

竜華「どういうことなん竹井さん?」

久「まあ見てて♪ ……あ、もしもし? 今大丈夫? えっとね……」

菫(一体誰に電話を……)

怜(うーん。なんか嫌な予感が……)

久「うん。ありがとー。そんじゃよろしくねー」ピッ

久「これでよし」

竜華「誰に電話してたん?」

久「優しい後輩♪」

菫(一声かけただけですぐに人を動かせるなんて……本当に恐ろしい……)

照「だ、誰が来るの?」

久「私たちみんなが知ってる人」フフン

竜華「ウチらが知ってる人……同級生の誰か?」

久「ふふ、違うわ」

菫「3年以外で私たち全員が知ってる人なんて、教師くらいしか……」

怜(教師? ま、まさか……)

憩「大怪我した人はどこにおるの!?」ガラッ

久「きたー」

照「あ……」

菫「荒川先生……」

憩「へ? 宮永さんに弘世さん……それに……」

久「うふふ……」

怜(よりによって……)

竜華「はは、どうも……」

憩(こ、この面子はなに……? 見事なまでに問題児だらけなんやけど……)

久「こんばんは、荒川先生。演劇しましょう」

憩「……な、なに言うとるの竹井さん?」

憩「ウチは大怪我したって人がおるって聞いたからここまで飛んで来たんやけども……」

照「本当に早かった。久が電話し終えて30秒後くらいにきた」

竜華「保健室の先生の鏡やね」アハハ

菫「先生、本当にすみません……実は……」


―――――――――――

憩「帰らせてもらいます」ツーン

菫(そりゃそうだ)

久「ま、待ってください先生」

久「確かに嘘をついたのは謝りますが、これにはさっき説明したとおり事情があって……」

憩「クラス演技の練習に付き合わすために養護教師呼び出すなんて言語道断です。ほとんどイタズラやないの」ジトー

久「あはは……」

憩「本当やったらちょっと説教するところやで?」

菫「まあ、確かに非常識的だな」アキレ

怜「そうやな。荒川先生も忙しいはずやし、ここは帰ってもらお。あかんあかん」

照「先生にやらせるなんてダメ」

久「みんながそんな常識的な反応するなんて……」

竜華「ウチはちょっと見てみたいかも……なんて」アハハ

憩「し、清水谷さん……?」

久「そうよね清水谷さん! 学校一の人気教師荒川先生が演技するところなんて、このチャンスを逃せば一生見れないものね!」

菫「そう言われれば確かに……」

照「気になる……!」

怜「な、何言うてんのみんな。保健室の先生ってこう見えて忙しいんやで?」

怜「こんなくだらんことに付き合わせたらアカンに決まってるやろ」

照「不良の怜がまともなこと言ってる……」

菫「明日は槍でも降るのか……?」

憩「ウチも驚きやわ……」

怜「どういうキャラやねんウチは……」

竜華「怜は改心したもんな! やさぐれてたのなんて昔の話やもんな!」

憩「確かに……将来保健室で働きたいとか言い出すほどウチのとこに入り浸ってた頃のこと考えるとだいぶマシにはなったけども……」

照「怜……」

怜「おのれらぁ……!」

久「園城寺さんの素行不良の話題は置いといて」アハハ

久「お願い出来ませんか荒川先生? これも生徒のためだと思って」

憩「せ、生徒のためとかずるいこと言われても出来んものは出来ません」

竜華「先生忙しいんですか?」

憩「いや、忙しいってわけではないけども……」

照「暇じゃないと30秒でここまで来れませんよね」

憩「いつもは宮永さんらのおかげで忙しいんですけどねー。今日は大人しいから暇ですわー」ジトー

久「あはは……」

菫「なあ竹井。荒川先生は流石に厳しく無いか?」ボソッ

久「まあ、交渉してる感じだとねー……」

菫「ここはもう諦める方が早いと思うんだが……」

久「うーん……穏便に済ませたかったんだけど、しょうがないか……」

菫「た、竹井……?」

久「荒川先生、ちょっちナイショの話が」チョイチョイ

憩(内緒の話て……)ハァ

憩「……なんですか、竹井さん」

久「荒川先生って……園城寺さんとすごく仲良いですよね」ボソッ

憩「!?」

久「ただならぬ関係だという情報をつかんでいるんですが……」ニヤ

憩(こ、この子はホンマに……!)

憩「お、園城寺さんはよく保健室に来るだけなんやけども」ピクピク

久「本当にそれだけですか? 聞くところによると、およそ教師と生徒がするようなこととは思えないをしているらしいですが……」

久「ここにこんな写真が……」ピラ

憩「!!」

竜華「二人とも、さっきから何の話してはるの……?」

菫(まさか竹井のヤツ……)

憩「な、なんでもあらへんよ? すぐに終わるから」アハハ

憩「……その写真渡しなさい」ギロ

久「もちろん等価交換、ですよね?」ニコ

憩「はぁ……ホンマ、あんたには一回痛い目遭わせなあかんらしいな……」

久「もう、そんなこと言って。痛い目なら常に遭ってますよ♪」

二行目修正
久「およそ教師と生徒がするようなこととは思えないことをしている~~」

憩「……こんなことが許させるのは今回だけやで」ジト

久「ふふ、ありがとうございます……みんな、荒川先生やってくれるって!」

照「えっ?」

竜華「すごいすごい!」

菫「本当ですか……」

怜(憩……ネタは分からんけど脅されたか……)

憩「で、演技の練習って言っても具体的になにしたらええの」ハァ

久「簡単に説明すると、宮永さんと一緒に寸劇をしてもらいます」

憩「宮永さんと?」

照「よろしくお願いします」キリッ

怜(なんでやる気になってんねん……)

>怜「むかつくわぁ……年下のクセに……」
>
>憩「……何度も言っとるけど、年齢について他の子に話したら怒るからな」
>
>怜「ウチと憩だけの秘密やな」
>
>憩「先生方は知っとるけどな」



>竜華「誰に電話してたん?」
>
>久「優しい後輩♪」


部長って物知りなんですね

久「とりあえず台本渡すんで、途中までその通りに演技してください」

久「途中から台詞がなくなるんで、そっからはアドリブで」

憩「エチュードみたいな練習しとるんやね……」

久「流石先生、博識ですね」

憩「まあウチもテレビで軽く見たくらいやけど……」

竜華「ウチ、先生の演技とかめっちゃ楽しみわ!」

菫「確かに興味深いな……」

久「私は宮永さんがこの脚本でどんな演技するのかが気になるわ」

憩「当事者置いてけぼりでえらい盛り上がって……」

照「緊張するけど……頑張る」

菫(照が意外と演技上手そうだな……)

怜「憩が演技なぁ……」ボソッ

憩「ちょ、ちょっと!」

久「ふふ、それじゃあ、早速スタートで」

ごめん、どんなシチュエーションにするかガチで悩む
ちょっと自保守しながら考えます


――――――――――――

コンコンコン

照『どうぞ』

憩『失礼します、宮永先生』

照『……荒川さん』

憩『まだ働いてはるんですか? もう勤務時間も過ぎてるんですから、お帰りになった方が……』

照『……まだ書類仕事が残ってるから。それを終わらせたら、帰ろうと思う』

憩『終わらせてからって……昨日もそんなこと言って結局病院に泊まってましたやん……』

憩『あんまり無理せんとってください。宮永先生が倒れたりしたら、患者さんにしわ寄せが来るんですから』

照『……私は倒れたりしない』

憩『5日も家に帰ってないんですよ……? 顔色も悪いし……ホンマに無理せんとってください』

照『ちゃんと休む時は休んでるから、心配しないで。昨日は3時間も寝たし』

憩『3時間って……』

照『それに、夜は急患が多い。人が足りなくて夜勤の人たちだけじゃ手が回らなくなってるときもよくある』

照『緊急のときに対応出来る人間がいないと……人命に関わることだってある』

照『そんな命を救うためにも、私がこうやって待機しておかないと……』

憩『それは確かに、そうですけど……』

照『それに、叩き起こされるよりかは起きている方がマシ。だから心配しないで』

憩『宮永先生……』

照『私のことを言うなら、荒川さんもとっくに勤務時間が過ぎてる』

照『ナースをこんな遅くまで働かせるわけにはいかない。早く帰って休んで』

照『荒川さんは今日は休みのはず。ここにいることはまずおかしい』

憩『宮永先生がこんなにも遅くまで働いてるのに、ウチが休める訳わけありません……!』

照『……私と荒川さんじゃ立場が違う。これは上の人間の務め』

憩『そんなこと……』

照『帰ってください。上司命令です』

憩『……!』

照『お願いします。荒川さん』

憩「ウチは……先生のお力にはなれないんですか……?』

照『……あなたが辛そうにしている姿は、見たくないです』

憩『っ……』

照『自分では気付いていないかもしれませんが、荒川さんも相当に顔色が悪いです』

照『まだまだ経験の浅いあなたには……夜勤の仕事は負担が大きすぎる』

照『私としては、あなたに倒れられる方がよっぽど困ります』

憩『先生……』

照『だから、無理をしないでください』

照『休める日にはしっかり休んで、遊ぶときにはたくさん遊んで息を抜いて……』

照『そして、働くときには一生懸命働いてください』

照『患者さんのためにも……私のためにも』

憩『……』ウルウル

憩『駄々をこねて、勝手な事をして……申し訳ないです』

憩『ただ……ここに、宮永先生と一緒におるだけでもダメですか……?』

照『……そこの私の仮眠用のベッドでよければ、使ってください』

憩『……!』

照『本当なら、今すぐにでも帰って欲しいですけど……』

照『……言う事、聞いてくれそうにないから』ハァ

憩『宮永先生……ありがとうございます……』

照『こんなところで寝ても、疲れなんて取れないのに……あなたも物好きですね』

憩『……宮永先生が、好きなんです』ボソッ

照『えっ?』

憩『な、なんでもありません! それじゃあ、何か用があったら声かけてください!』

照「了解です。それじゃあ、ゆっくり休んで』フフ

憩『は、はい……おやすみなさい……』

照『おやすみなさい』ニコッ

憩『宮永先生のベッド……ふふ……』

怜「なんやねんこの背筋かゆなるような脚本は……」

久「緊急病棟で働く外科医とナースよ」フフン

菫「照に白衣まで着せて……」

菫(似合ってるのがまたなんとも……)

竜華「荒川先生も本物のナースみたいやし、話に引き込まれるわ……」


照『荒川さん……荒川さん……』ユサユサ

憩『んぅ……ふぁ……?』

照『起きてください。そろそろ勤務時間ですよ』

憩『ふぇっ……う、うそ、もうそんな時間……!?』

照『はい。あっという間に朝です』

憩『ってことは……宮永先生は……!』

照『まあ、一日くらい寝ないってのは、よくあることですから』

憩『そ、そんな……ウチのせいで……!』

照『荒川さんのせいじゃないです。気にしないでください』

照『深夜に来た急患の対応とかもしてましたし……今日は元から眠れない日した』

憩『宮永先生、ダメです……こんな生活繰り返してたら本当に……』

照『仕事ですから。生き甲斐でもあります』

照『この生活が命を縮めていたとしても……それで死ぬなら本望です』

憩『そんなっ……死ぬなんて、言わんとってください……』

照『お、大げさに言っただけですから。だから、その、そんな顔しないで……』

照『それに、今日の昼頃には仮眠も取れますから……』

照『ほら、呼ばれてますよ荒川さん。早く行ってください』

憩『宮永先生……』

照『命に関わる仕事です、気を引き締めて。それじゃあ』テクテクテク

憩『このままじゃ……いつかホンマに……』

怜「どんだけ忙しいねん。ブラック過ぎるやろ」

久「フィクションなんだから、あんまりツッコミ入れ過ぎるのは無粋よ?」アハハ

竜華「そろそろ一波乱ありそうやね……!」

菫(清水谷もこういう点は照に似ているな……)


憩『失礼します……宮永先生、いますか?』

照『……』

憩『宮永先生?』

照『すぅ……すぅ……』

憩『寝てる……昼頃に仮眠取る言うてたけど、やっぱり……』

照『……』

憩『全然眠ってないんやろうな……死んだみたいに寝てる……』

憩『宮永先生……』

憩『仕事には熱心で、院内での信頼も厚くて……患者さんからは好かれてて……』

憩『すごく、綺麗で……』


怜(な、なんやねんこの雰囲気……ま、まさか……)

竜華「……」ドキドキドキ


憩『宮永先生……』ギュ

憩『好きです……宮永先生……』ギュウゥ

照『ん……』


怜「……なんやねんこの脚本」イライラ

久「ふふ……」

竜華「うわぁ……職場恋愛や……甘酸っぱぁ……」

憩『はぁ……このまま時間が止まってまえばええのに……』

照『すぅ……ん、んぅ……』

憩『ずっと、このまま……』

憩(……宮永さん良い匂いするなぁ)スンスン

照(む、胸があたって……)ドキドキ

憩(っとアカンアカン。話進めな……)

憩『……宮永先生、起きてますか?』

照『すやすや……』

憩『寝てます、よね……』

憩『……』

照(な、なにされるんだろ……)

憩(うっ……こ、これは……)

照(……? 間が長いような……)

憩『……宮永先生。き、キス、してもええですか……?』

照「っ……」

照(き、キス……)

憩『ウチ、ずるいですよね……寝てる宮永先生に、好き放題して……』

憩『でも、ごめんなさい……我慢、できないんです……』

憩『宮永先生……』スッ

照(目、閉じてるから分からないけど……け、気配が……!)

憩(……この子、黙ってたらめちゃくちゃ美人やよな……)

憩(カッコいい系というか、凛としているというか……)

憩(な、何考えとるんやウチは! 生徒に対してこんなっ……でも、本当はこの人年上で……)ドキキドキ

怜「……」ジトー

久「くくくっ……」

竜華「き、キス、してまうんかな……」

菫(荒川先生……?)


照「あ、あの……先生……」ボソッ

憩「ご、ごめん……話進めるな」

憩『……んっ』チュッ

照「……!」

照(ほ、ほっぺた……)

憩『う、ウチ、一体なにを……』

照『うぅん……荒川、さん……?』

憩『わわっ……』

照『どうしたんですか……? もしかして、もう勤務時間……』

憩『ま、まだまだ大丈夫です! お、起こしてしまってごめんなさい……』

照『そう、ですか……それならまだ眠れる……』

照『目覚ましが指定した時間より早く作動したような気分です……』アハハ

憩『ごめんなさい……宮永先生、疲れてはるのに……』

照『気にしないでください……ところで、何か用でも……?』

憩『……!』

憩『ほ、ホンマにごめんなさい! 失礼します!』タタッ

照『あっ……』

照『荒川さん……』

怜「なぁ、いつ終わるんこれ?」

怜「延々とイチャついてるの見せられるってあんましいい気分やないんやけど……」

久「うーん、今で半分くらいかなー……アドリブ次第ではもっと長くなるかもだし」

竜華「荒川先生の片思いが実るんか気になるわ……!」

菫「しかし、照のヤツ普通に役をこなせてるな……」

怜「普段とあんまし変わらん感じやからやろ……てか医者はいつの間に敬語キャラなっとんねん……」

竜華(怜イラついとるなぁ)アハハ


照『まさかあなたの問診をすることになるとは……』

憩『すみません……お手間かけさせてもうて……』

照『別に大丈夫です。こういうことがまったくない、という訳でもないので』

照『足、見せてください』

憩『はい……』

照『これ、どうしたんですか?』

憩『考え事してて、ぼーっとしてた時に……階段、踏み外して……』

照『しっかり者の荒川さんらしくないです……何か悩み事でも?』

憩『えっ……そ、それは……』

照『私には言えないこと?』

憩『っ……』

照『そうですか。……なら、言わなくていいです』

憩『……』

照『軽く固定しときますね。大事を取って、3日は松葉杖を使ってください。もちろん、仕事も休んで』

憩『宮永先生は……気にならないんですか?』

憩『……ウチの悩み事』

照『……気になるか気にならないかで言えば、気になります』

憩『……!』

照『でも、無理に聞き出そうとは思いません』

憩『……宮永先生。少しだけ、質問してもええですか?』

照『質問……なんでしょうか?』

憩『……恋人とか、いますか?』

照『……えっ?』

憩『それか、好きな人、とか……』

照『すみません……何の話でしょうか……?』

憩『……ウチの悩みごとに関係ある話です』

憩『それで……どうなんですか? おるんですか? そういう人……』

照『……いないです』

憩『!』

照『学生時代から勉強ばかり。医師になってからも恋愛をする暇なんて無くて……すみません』

憩『な、なんで宮永先生が謝るんですか!?』

照『その……私は恋愛相談を受けられるような人間じゃないから……』

憩『そ、そんなこと……』

照『そういう話なら、私なんかよりもっと適任な方がいると思いますよ……』アハハ

照『少なくとも、今まで恋愛経験のない私よりかは確実に……』

憩『こんなにも素敵な人やのに、恋愛経験ないなんて……』ボソッ

照『あ、荒川さん?』

憩『もっと、好きになってしまいました……』

照『……えっ?』

憩『それじゃあ、その……キスとかもしたことないんですか……?』

照『こ、こんな年にもなって、恥ずかしいですが……』

憩『ってことは、そういう経験も……』

照『さ、察して欲しいです……』

憩『すみません!』

憩『でも、嬉しいです……』ボソッ

照『あの、私の恋愛経験と荒川さんの悩み事になんの関係性が……?』

憩『……ま、また今度お話させていただきますね! ありがとうございました!』

照『あっ……』

照『一体なにを……?』

怜「は? 処女? 年齢設定どうなっとるねん」

怜「医者なるってことは大学は確実に出とるから、22以上で……」イライライラ

久「お、園城寺さん。これフィクションだから落ち着いて」

竜華「でも、ホンマにあんなお医者さんおったら素敵やわ……」

菫「アイツに人命なんて間違っても任せられないがな……」


憩『み、宮永先生』

照『どうしました荒川さん? なにか御用ですか?』

憩『明日は、その……お休みですよね?』

照『そうですね……久しぶりに家でゆっくりしようと思います』

憩『もしよければ……今日の夜、一緒にお食事でもどないですか……?』

照『私と……?』

憩『ほ、他に予定があるんやったら大丈夫です! もしよろしければの話で……!』

照『……嬉しいです。私のような、何の面白みの無いような人間を誘って頂いて……』

憩『そ、そんなことありあません! 宮永先生ほど素敵な人なんて他には……あっ。う、ウチは何を……!』

照『ふふ、荒川さんは相変わらず面白い方ですね……』

憩『あぅぅ……』

照『それじゃあ、今日の夜、よろしくお願いします』

憩『は、はい!』


怜「……なんやねんこれ。少女漫画か」

怜「どうせこのあとどっちか酔っぱらって家送るついでにそこに泊まる事になってー、とかっていうべったべた展開やろ……」

竜華「と、怜落ち着いて……」アハハ

久「園城寺さんが暗黒面に堕ちかかってる……ふふっ……」

菫(とっくの昔にお前と一緒に堕ちてるだろ……)

照『うぅ……あたまいたい……』

憩『だ、大丈夫ですか宮永先生……?』

照『大丈夫じゃ、ないかもです……』

憩『ご、ごめんなさい……ウチ、宮永先生がこんなにもお酒弱いなんて知らんくて……』

照『言わなかった私が悪いんです……荒川さんは、関係ない……うぅ……』

憩『もうすぐ部屋ですから、頑張ってください……!』

照『はぃ……』

憩『にしても、すごい綺麗なマンション……』

憩『宮永先生、こんな場所で住んでるのにほとんど帰らずに……』

照『うぅ……』

憩『えっと、部屋何階ですか?』

照『3階です……301号室……』

憩『か、鍵もらっときますね』

照『はい……』

憩『着きましたよ宮永先生……宮永先生……?』

照『すぅ……すぅ……』

憩『ね、寝とるの……? この状態で……?』

憩『と、とりあえずベッドまで……電気どこ……?』

照『んぅ……すぅ……』

憩『……やっぱり、日頃の疲れが溜まってるんやろうな……』

憩『台所も洗い物溜まってて……ウチが支えてあげたいわ……』


怜「……チッ」

久「くくく……」

竜華(と、怜不機嫌すぎるわ……もしかして、ホンマに宮永さんのこと……)

菫(園城寺がここまで感情を出してる姿は初めて見るな……)

憩『ここが寝室かぁ……宮永先生の匂い、いっぱいする……』

照『すぅ……すぅ……』

憩『寝かせますね……よっと』

照『ん……』

憩『ふぅ……これで一安心やな』

憩『あとは、帰るだけやけど……』

照『すぅ……すぅ……』

憩『ちょっとくらい、ご褒美もらってええよな……?』

照(ご、ご褒美ってなに……?)ドキドキ

憩(よりによってこの台詞のあとにアドリブ開始って……)

憩(……憧れの宮永先生と一つになって終了)

憩(ホンマにあの子はなんちゅう脚本を……)

久(さーて、どうなるやら)

憩「……宮永先生」ギュゥ

照「ゃっ……」

憩(そ、そんな声出さんとってや……)

憩「ウチ、頑張って家まで送ったんやから……添い寝くらいはいいですよね……」

照(これ、話の流れ的に寝たフリしか出来ない気が……)

憩「だ、大好きです……宮永先生……」ギュー

憩(ウチは一体生徒に何をして……)

怜「……終了条件ってどんな感じなん?」

久「なんて書いたかなぁ……確かナース役が憧れの先生と一つになって終了で」

怜「」

久「医者役がナースと既成事実を作って終了だったかな」

竜華「そそ、それってつまり……!」アワワ

菫「言い方が違うだけで同じ意味じゃないか……」

久「せっかく先生に参加してもらうんだから、一番難しいの渡したわ」ニコ


憩(てかここからどないしよ……)

憩(ほ、本当に一つになるわけにはいかんし……)

憩(でもこのままじゃ終わられへんし……)

照(既成事実……)

照(既成事実ってなんだろう……)

照(一人で作れるもの? それとも二人で作るもの?)

照(わからない……ここは先生に任せよう……)

憩(一つになる……あかん、どう曲解してもキスくらいしか納得させられそうなんがない……)

憩(……演技なんやし、キスしたフリでええか)

憩「……宮永先生。起きてますか?」

照「!」

照(せ、先生が動いた……)

照「……すやすや」

憩「寝てます、よね……」

憩「……先生。ホンマにごめんなさい」

憩「寝てる先生にしか何も出来へん臆病なウチを、許してください……」

憩「……」スッ

照「!!」

照(け、気配が……たぶん、今、顔が近づいてきてるような……)

憩「……ん」

怜「っ……!!」

竜華「あわわっ……」

久(キスしてるフリだと思うけど……)

菫(ここから見れば正直わからないな……)

憩(フリとは言え、こんなにも顔近づけてこんなこと……!)

照(め、目を開けられない……)

憩「……ふふ。や、やっと一つになれましたね、先生……」

憩「これからも、ちゃんと支えていきますから……よろしくお願いしますね」ギュッ

照「ん、んぅ……すぅ……」

憩(これ以上は教師として何も出来んのやけど……)

久(うーん、正直、ここからがクライマックスなんだけど……)

久(荒川先生と宮永さんじゃ、ここまでが限界そうね)

久(てかこれ以上やらせると園城寺さんが絶対に止めに入りそうだし)アハハ

怜「……」ゴゴゴゴゴ

竜華「と、怜……」アワワ

久「うん、二人ともお疲れ様です。これにて終了ね」

憩「はぁ……」

照「お、終わり……」

久「いやぁ、良い演技でした。てか宮永さん全然イケるじゃない」

照「ほ、本当に……?」

菫「園城寺の言う通り、普段とそこまで変わりがなかったおかげかもしれないがな」

菫「まあそれを言うなら、竹井以外の私たち三人にも言える事だが」

竜華「いや、でも宮永さんの先生役めっちゃはまってたで。不器用で優しい先生みたいな感じがよく出てたというか」

照「うへへ……」

久「荒川先生もお上手でしたしね」クスクス

憩「褒めても何もでえへんで」ハァ

怜「ホンマお上手でしたね。まるでプライベートでの先生見てるような気分になりましたわ」ジト

照「プライベート?」

竜華「それってどういう……」

憩「な。何を言っとるの園城寺さん?」

怜「別になにも」ツーン

憩(もしかして妬いてる……?)

菫「しかし、もうこんな時間か……」

久「今日はここまでね。いやー、昨日と今日、すごく楽しかったわ」

久「ついでに良い練習にもなったでしょ」

((今ついでって言った……))

久「宮永さんなんてあんなにも嫌がってたのに」フフ

照「自分の隠された才能を見つけた」ドヤ

菫「調子に乗るな」

怜「隠された才能見つけた言うんやったら竜華やろ……」

竜華「ふふ、照れるわ♪」

憩「さて。それ以上のお喋りは帰りながらしてや。もう下校時間やで」

久「ってことで今日はこれにて解散ね。また集まってもらうかもだけど……ま、そんときはよろしくね♪」

照「今から咲たちのところ行かなくちゃ……それじゃあみんな、また明日」

菫「私も待ち合わせがあるから……これで失礼するよ」

久「私は生徒会にでも行ってみようかしら」

怜「ウチは保健室にでも行こうかなー」

憩「帰りなさい」

怜「……ケチ」

竜華「ふふ、先生も付き合わせたせいで忙しいんやって。ほら、帰るで」

怜「ちょ、竜華……」

竜華「で、女たらし序列2位ってなに? ウチそんな話知らんやけど」

憩「ウチが教えたるわ清水谷さん。この子、くじ引きで引いた女の子にキスするっていうふざけた遊びを……」

怜「ちょっ……」

終わり

遅くまで支援してくださってありがとうございました
>>215に関しては部長が知り合いの後輩に指示して先生呼んでもらった、って感じの意図でしたが
後輩=荒川先生の発想はすごく感心しました。思いついてたらそう書いたと思います

では、お疲れ様でした

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