シンジ「H&KのUSPか………面白みのない銃だな」(142)

ミサト「ちょっとシンジ君!?どうやって私の銃をっ!?」」

シンジ「アンタは隙が多すぎる、大方子供だと思って油断してたんだろうが戦場じゃそれが命取りになるぜ」

ミサト「それはおもちゃじゃないのよ!こっちに渡しなさい!」

シンジ「言われなくたってこんなつまらん銃は俺もいらねえさ」

シンジ「第一、俺にはこいつがいるんでね」

ミサト「コンバットマグナムっ!?どうしてあなたがそんな物持ってるの!?」

シンジ「まあ昔いろいろあったのさ……マグナムはいいぞ、威力も安定性もオートマチックとは桁違いだ」

ミサト「子供がそんなもの持つべきじゃないわ、私に渡しなさい」

シンジ「俺の唯一の相棒を奪おうってか?」

ミサト「あなたねえそれがどういうものかわかってるの!?人を殺せるのよ!」

シンジ「だが同時に人を守ることだってできる、違うか?」

ミサト「くっ………屁理屈言ってないで渡しなさい!」

シンジ「人を散々危ない目に合わせておいてこういう時だけ子供扱いか………随分と都合がいいんだな」

シンジ「第一人を殺せるっていうんならエヴァだって同じじゃねえか」

シンジ「俺がその気になればエヴァで街中の人間を嬲り殺すことだってできる」

シンジ「使い方次第じゃ銃なんかよりエヴァのがよっぽど危険さ」

ミサト「どうしても渡したくないっていうのね?」

シンジ「当たり前だ……俺はここに来るずっと前からコイツとともに生きてきたんだ」

シンジ「それを今になってあんたみてえな小娘に奪われるわけにはいかねえ」

ミサト「小娘って!?」

シンジ「あんな貧弱な銃使ってるような女は俺から言えば小娘なんだよ」

ミサト「はぁ………まあいいわ、本当なら絶対ダメだけどあなただけ例外を認めるわ」

ミサト「ただし、絶対に人前で見せたりしちゃダメよ!?」

シンジ「それくらいわかってるさ、俺だって無闇矢鱈この銃を見せて価値を落とすような真似はしねえよ」

ミサト「ならいいわ」

シンジ「………それじゃあお嬢ちゃんからお墨付きも頂いたところでちょっくら出かけてくるわ」

ミサト「出かけるって何処によ?」

シンジ「射撃訓練さ………こっちに来てから長いこと撃ってないんでね、たまには撃たないと腕が鈍っちまう」

ミサト「人前で見せるなって言ってるそばから何言ってるの!?」

シンジ「大丈夫さ、撃ちに行く場所に人なんちゃ居やしねえよ」

ミサト「そういう問題じゃないでしょ!」

シンジ「俺がヘマするようなタマに見えるか?」

ミサト「くっ…………(何よこの感覚?とても中学生が出す雰囲気じゃないわよ)」

シンジ「付き合ってらんねえな、いくか」

スタスタスタ

ミサト「あっ!コラ!待ちなさいッッ!」

バタン

加持「俺もいよいよ年貢の納め時か………」

カツカツカツカツ

加持「おっ、いよいよお出ましか………」

ガチャ

加持「よお、遅かったじゃないか」

シンジ「おめえさんはもっと出来るやつだと思ってたんだがな………どうやら俺の見込み違いだったようだ」

加持「シ、シンジ君だとっ!?ど、どうしてここに!?」

シンジ「どうしてもこうしてもここは俺の射撃訓練場だからな……俺がいるのはおかしくない」

加持「何を行っているんだ君は!?…………ゼーレの諜報員はどうした?」

シンジ「ゼーレ?………ああ表にいた小蝿共か、あいつら鬱陶しかったんで訓練の的にさせてもらったぜ」

加持「訓練の的って………君は人を殺したのか!?」

シンジ「別に驚くことじゃねえ………あのグラサン野郎に呼び出される前はドンパチなんて日常茶飯事さ」

加持「なんだって!?……だがマギのデータを見る限り君は普通の中学生と」

シンジ「あの程度の情報を弄るなんちゃ朝飯前さ」

加持「なんてことだ…………」

ゼーレ1「おい!表の死体はどういうことだ!?」

ゼーレ2「分かりません!死体の損傷を見る限り大口径の銃で殺されたとしか」

ゼーレ3「とにかく加持を始末することを優先するぞ!ほかは後だ!」

シンジ「おっと、お喋りの時間は終わりのようだ」

シンジ「おめえさん、銃は持ってるか?」

加持「あ、ああ一応ガバメントは持っている」

シンジ「ケッ!おめえさんもオートマチックか………まあいいドンパチの時間だ、いくぞ」

ゼーレ1「加持がいたぞ!撃て!」

シンジ「死にやがれってんだ!」

ドンッ!

ゼーレ1「グワッ!」

ゼーレ2「一人やられた!しかも相手はガキだ!」

ゼーレ3「なんだと!どうしてこんなところにガキg………グハッ!」

ゼーレ2「おいどうした!応答しろ!」

ドンッ!

ゼーレ2「ぐわああ!」

シンジ「おしゃべりしてる暇があんなら戦いに集中しろ、ド素人が」

加持「す、すごい!なんという射撃技術だ!」

シンジ「関心してる暇があるならあんたも戦え、敵はまだいるぞ」

加持「あ、ああ」

ゼーレ4「居たぞ撃て!」

加持「おっとと!」

ダンダンッ!

ゼーレ4「グワッ!」

ゼーレ5「ちくしょおおおおお!」

ダダダダダダ!

加持「そらよっと!」

ダンッ!

ゼーレ5「うわああああ!」

シンジ「ほう、オメエさんも中々の腕持ってるじゃねえか……アンタ一人でも切り抜けられたんじゃねえか?」

加持「いや、シンジ君が来てくれなかったら死んでたよ」

シンジ「な~にまだ生き残れるとは決まってねえさ」

ゼーレ6「隙あり!」

パンパンッ!

シンジ「うおっと!危ねえ!……やりやがったなこの野郎!」

ドンッ!

ゼーレ6「ぐわああああ!」

加持「まだまだ油断できないな、こりゃあ」

シンジ「ああ……だが連中も大分消耗してるはずだ、あと一息だな」

加持「よおし、それじゃあ一気に突っ切るか」

シンジ「よし行くぞ」

ゼーレ7「死ねッ!」

パンパンッ!

加持「そんなんじゃ当たらねえぜ」

ダンッ!

ゼーレ7「ぐはっ!」

ゼーレ8「クソがあああ!」

シンジ「おっと、よそ見してると背後を突かれるぜ?」

ゼーレ8「っ!?」

シンジ「死ね」

ドンッ!

バタン

加持「あとは表の奴らだけか……」

シンジ「あと2人だ、ここまで来て死ぬんじゃねえぞ?」

加持「そっちこそな」

シンジ「へっ」

ゼーレ9「こ、この悪魔めえええ!」

ダダダダダダ!

シンジ「サブマシンガンだと!?………チッ、品のない銃使いやがって」

加持「だがどうする?このままだと二人して蜂の巣だぞ」

シンジ「まあ任せとけ…………あの倉庫に逃げ込めばこっちのもんさ」

加持「ここまで来て戻るってのか!?」

シンジ「大丈夫だから………とにかく俺についてこい」

加持「お、おい!」

シンジ「ほら~俺はこっちだぞ~!撃てるもんなら撃ってみやがれ~!」

ゼーレ9「くそがあああああああああああ!」

ダダダダダダダダダダダダ!

シンジ「走れ!走らねえと置いてくぞ!?」

加持「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

ゼーレ9「逃げるつもりか!待てええええ!」

シンジ「へっ!案の定追っかけてきやがったぜ!」

加持「おい、倉庫に来たわいいが、これからどうするつもりだ?」

加持「ここ小麦粉しかないぞ?」

シンジ「シッ………あいつらに居所知られるわけには行かねえんだ、黙ってろ」

ゼーレ9「ちくしょう!どこに隠れやがった!?」

ゼーレ9「出てきやがれ!」

ダダダダダダダダダ!

ゼーレ10「乱射はマズイっすよ!爆発物とかあったらどうするんすか!?」

ゼーレ9「うるせええ!新入りは黙ってろ!」

ゼーレ10「で、でも!」

ゼーレ9「ガタガタ言うな!こんな小麦粉倉庫に爆発物なんてあるわけないだろ!」

シンジ「良い感じだ、よしこのまま反対側の出口まで走るぞ」

加持「走ってどうする!?隠れてやり過ごしたほうが」

ゼーレ9「ん?こえが聞こえるぞ?……そこだなあああ!」

ダダダダダダダダダ!

加持「うおおおおお!?」

シンジ「蜂の巣になりたくなかったら走れ!早くしろ!」

加持「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

ゼーレ9「逃がすかああ!死ねええええええええええ!」

ダダダダダダダダダダダダダダダ!

加持「シ、シンジ君!俺たちはどこに向かって走ってるんだ!?」

シンジ「あの扉の向こうに車がある!そこまでいきゃあ俺達の勝利さ」

加持「車に乗ってもマシンガンで撃たれたらおしまいだぞ!」

シンジ「大丈夫さ、あいつらは車のところまで来れねえよ」

ゼーレ9「うおおおおおおおお!」

ダダダダダダダダダ!

シンジ「よし!このままあの扉に突っ込むぞ!」

加持「もうどうにでもなれえええええ!」

バンッ!

加持「うおおおおおおおおおおおおおお!」

ゼーレ9「外に逃げても無駄だぞおおおおおおおおお!」

ダダダダダダダダダダダダ!

加持「シンジ君!まだ追いかけてきてるぞ!?」

ゼーレ9「死ねええええええええええ!」

ダダダダダダダダダ!

シンジ「死ぬのはアンタの方だ」

どっかああああああああああああん!

加持「うおおおお!アブねッ!ば、爆発だと!?」

シンジ「粉塵爆発さ、小麦粉だらけの屋内であんだけ撃てばそりゃあもうドカンとイクってもんよ」

シンジ「もっとも、こりゃああいつが理性を失ってたからこそできた作戦だがな」

シンジ「仮に冷静な判断を下されてたら今頃二人で体中穴だらけさ」

加持「まあ何はともあれ助けてくれてありがとう、聞きたいことは山ほどあるが今はとりあえずお礼だけ言っておくよ」

シンジ「全くだ……とんだ射撃訓練になっちまったぜ、これに懲りたらもう簡単に命捨てるなよ?」

加持「ああ………せっかくシンジ君に助けてもらったんだ、もう無茶はしない、約束しよう」

シンジ「俺に約束してもしょうがねえと思うがな………まあいい、車に乗ってくれ」

加持「シンジ君、車も運転できるのか?」

シンジ「エヴァに乗るのから見れば車の運転なんて大したことねえさ」

加持「そうか………だが警察に見つかったら厄介だぞ?」

シンジ「ネルフカードって便利だと思わねえか?」

加持「何一つ抜かりは無いということか………ハハッ、シンジ君には敵わないな」

車内

加持「初代クラウンとは………随分と渋い趣味だな」

シンジ「昔訳あって手に入れた車さ、こっちに来る前はダチ公とよくこれでレースとかしたもんだ」

加持「なあシンジ君、君は何者なんだ?君はどう考えても普通の中学生じゃない」

シンジ「あんまり昔の事は語りたくねえ………ただひとつ言えるのは人を殺さねえと生きていけねえような人生だった………」

シンジ「それだけだ………」

加持「どういうことだ?たしか君は碇司令の友人の家に預けられていたはずじゃ」

シンジ「ああ、あいつらか……あいつらなら殺したよ」

加持「なんだって!?」

シンジ「そうしねえとこっちが殺されてた」

加持「まさか………」

シンジ「いわゆる児童虐待ってやつだな」

シンジ「忘れたくても忘れられねえ地獄の日々だった………熱湯を掛けられたり、何百回と棒で叩かれたり……」

シンジ「ある時だ、首を絞められてな……幼いながらに死を予感した俺は必死でモガイて暴れた」

シンジ「そして偶然手元にあった置物を手に取り無我夢中で相手の頭に振り落とした」

シンジ「気がつくと相手はピクリとも動かなくなっていた………」

シンジ「怖くなった俺は慌てて家を飛び出して街に繰り出した」

シンジ「だが当時6歳になるかならないかのガキが一人で生きられるはずもなく」

シンジ「きがつくと俺は街の片隅で死にかけてた………」

加持「シンジ君にそんな過去があったなんて……嫌なことを聞いたな、すまない」

シンジ「別に………今となっては昔の話しさ、構わんよ」

シンジ「それでなあ街でいよいよ死にかけてる俺に声をかけてくれた男がいてな」

シンジ「まあその人は元ヤクザもんだがどこぞやの家の奴よりよっぽどいい奴だった」

シンジ「飯もくれたし、俺にいろいろなことを教えてくれた………銃の撃ち方とかな」

シンジ「その人は俺にとって親父同然の人だった」

シンジ「今でもそう思ってるさ」

加持「その人は今?」

シンジ「死んだよ……俺を庇ってな」

シンジ「どうもこの人無断で組を抜けたらしくてな、脱走の代償を払わされたんだ」

シンジ「危うく俺も殺されるところだったが、気がつくと親父さんの銃を手にとってあいつらを殺してた」

シンジ「そこからというもの俺はヤバい奴らとドンパチに明け暮れた」

シンジ「気がつくと仲間もいた……最も仲間の大半は死んだがな」

シンジ「今も生きてんのは赤い悪魔と呼ばれたあいつくらいだな」

加持「そうか………俺も昔軍に拷問を受けたりしたがシンジ君も壮絶な体験をしてるんだな」

シンジ「今となってはいい思い出さ………辛いことは多かったがいい事もあるにはあったしな」

加持「そうか…………」

シンジ「なんだかシンミリしちまったなあ………煙草でも吸うか?」

加持「悪いな……いただこう‥…」

加持「なあシンジ君……なんで俺を助けた?射撃訓練なんて嘘だろ?」

シンジ「俺は別にあんたがどうなろうが知ったこっちゃねえがな」

シンジ「オメエさんが死ぬと悲しむ女がいる………そして俺はその女が泣いてるのを見たくねえ」

加持「そうか………」

シンジ「それに俺は影でコソコソしてる奴らも嫌いでな、そいつらをぶっ潰すのにあんたが必要だ」

加持「ゼーレを知ってるのか?」

シンジ「詳しいことは知らねえがとんでもねえ計画を企んでるらしいってことくらいは知ってるさ」

加持「お父さんがそれに深く関わってることも?」

シンジ「あのグラサンを親父と思ったことなんてねえ………関わってようが関わってまいがどうでもいい」

加持「ゼーレを潰すのは容易じゃない………君でも死ぬかもしれないぞ?」

シンジ「別に今さらこの命なんざ惜しくねえ、クソッタレ共を潰して死ねるなら本望よ」

加持「だが潰す前に死ぬ可能性もある」

シンジ「そん時はおめえさんが頑張ってくれ」

加持「ハハッ……これまた厳しいことを……」

シンジ「まっ、生きるも死ぬもなるようにしかならんさ」

加持「それもそうだな」

数日後

シンジ「アスカ、頼みがある」

アスカ「バカシンジの分際で私に頼みとは生意気ね」

シンジ「ゼーレを潰せ、ドイツに居るキール・ローレンツら幹部を全員殺すんだ」

アスカ「本気で言ってるの?」

シンジ「俺が冗談でこんなことを言うとでも?」

アスカ「盗聴器は?」

シンジ「んなもんとっくに潰してるぜ」

アスカ「そう………なら言わせてもらうわ、私は無駄死するつもりはない」

シンジ「ケッ!オメエがこの程度で死ぬようなタマかよ!?」

アスカ「ゼーレを舐めると死ぬわよ?」

シンジ「別に舐めてなんかいないさ、むしろ舐めてたらお前に頼んだりしない」

ちょっと中断します

再開

アスカ「どういうこと?」

シンジ「俺は良くも悪くも荒事しかできねえ、コソ泥みたいに隠れたりは苦手だ」

シンジ「そうなるとゼーレとやるには正面からのドンパチっつーことになるが」

シンジ「ゼーレ相手に正面衝突は分が悪すぎる」

シンジ「そこでオメエさんの得意な暗殺が生きるってわけだ」

アスカ「ようは影に隠れてゼーレ幹部を暗殺しろと言いたいのね?」

シンジ「そういうこった」

アスカ「ふ~ん………ちなみに報酬は?」

シンジ「おいおい!報酬をやらなきゃいけねえのかよ!?」

アスカ「当たり前でしょ!こんな危険な仕事タダじゃやってらんないわよ!」

シンジ「何がほしい?フェラーリならもう3台は買ってやったぞ?」

アスカ「そうね、じゃあ次はランボルギーニがいいわ」

シンジ「ランボルギーニだって!?…………わかったよそれを買えばいいんだろ」

シンジ「ったく、外車なんて何がいいのか俺にはさっぱりだぜ」

アスカ「じゃあ報酬の話も纏まった所で仕事の話といきましょう」

アスカ「ターゲットの居場所は?」

シンジ「全員ドイツ国内だ、がしかし居場所がバラバラだからな」

シンジ「狙うとするなら月初めの定期会議だ」

シンジ「場所はミュンヘン中心地の高級ホテル、その地下にあるある一角を貸しきって行われるらしい」

アスカ「そこにゼーレ幹部が集まるというわけね」

シンジ「言っておくが警備は厳重だぞ?」

アスカ「そんなのいっつもの事じゃない」

シンジ「だが相手の規模が違いすぎる、マフィアやチンピラとはわけが違う」

アスカ「でもやるしかないんでしょ?」

シンジ「オレンジジュースになりたくねえならな」

アスカ「オレンジジュースは嫌ね、こちとらまだやり残したことはいっぱいあるし」

シンジ「で、どうするつもりだ?」

アスカ「マッ、なんとかなるっしょ」」

シンジ「おいおい随分適当だな!」

アスカ「こういうのは煮詰めすぎるより多少手抜いたほうが上手くいくのよ」

シンジ「死んでも知らねえぞ?」

アスカ「だ~いじょぶよ、この赤い悪魔と言われた私に任せときなさい!」

シンジ「やれやれ」

アスカ「それよりアンタはどうするのよ?まさか私がやってる間遊んでるっていうじゃないでしょーね?」

シンジ「俺はグラサンを始末する」

アスカ「グラサンて碇司令?」

シンジ「あいつは生かしちゃおけねえよ、嫁さんに会いたいがために人類を巻き込むなんちゃ気が狂ってる」

シンジ「それにな、アイツのせいで泣いてる女もいる……俺は誰であれ女を泣かせる奴は許さねよ」   

アスカ「そう………でもアンタがあいつを殺したいのはそれだけじゃないでしょ」

アスカ「復讐………自分を捨てた父に復讐したいんじゃないの?」

シンジ「それもないとは言えねえかもな………だが俺はあいつを親だなんて思っちゃいねえさ」

アスカ「そっ、まあ好きなようにやりなさい」

シンジ「言われなくてもそうするさ」

数日後

リツコ「お父さんと話がしたい?」

シンジ「ええ、ちょっと伝えたいことがあってね」

リツコ「司令は忙しいわ、私を通して伝えるのじゃダメなの?」

シンジ「大事なことなので出来れば直接あって話したいねえ」

リツコ「………そう、わかったわ(シンジ君の口調、ちょっとへんね)」

司令執務室

ゲンドウ「シンジ、話とはなんだ?私は忙しい早く言え」

シンジ「話っつーのは………」

シンジ「こいつのことさ!」

ドンッ!ドンッ!

冬月「カハッ!」

リツコ「副司令っ!?」

ゲンドウ「シンジ!貴様何をした!?なぜ銃などを持っている!?」

シンジ「んなことはどうだっていいだろう………なにせアンタはここで死ぬんだからよ」

ドンッ!ドンッ!

ピキンっ!ピキンっ!

シンジ「ATフィールドだとっ!?」

ゲンドウ「何がしたいシンジ?私を殺したいのか?」

シンジ「あんたは生かしとくには危険すぎるんだよ!くたばれ!」

ドン!ドンッ!

ゲンドウ「なぜ貴様が銃などを持っているかは知らんがそれでATフィールドを破れると思うか?」

シンジ「あんたイカれてるよ!人間やめてまで生きてえのか!?」

ゲンドウ「私はユイに会いたいだけだ」

シンジ「死んだ女房にもう一度合うためならすべてを犠牲にするってのか!?」

ゲンドウ「シンジ、貴様どこまで知っている!?」

シンジ「ゼーレとかいうクソッタレ共が大量のオレンジジュースを作りたがってることくらいか!」

ゲンドウ「そこまで知っていたのか………」

シンジ「ついでに言うとゼーレのジジイどもはもうじき死ぬ、赤い悪魔からは誰も逃れられねえよ」

ゲンドウ「なんだと!?」

シンジ「どうする?仮に生き残ってもオメエはどっちみち女房には逢えねえぜ」

ゲンドウ「問題ない……仮にゼーレがいなくてもレイが居れば補完計画は遂行可能だ」

シンジ「言っとくが綾波には指一本触れさせねえぞ」

ゲンドウ「貴様に何ができる?」

ミサト「綾波レイは既に信頼出来るネルフ職員達によって厳重に保護されています」

ミサト「そういうわけだからアンタが何かしようったってもう出来っこないわよ!」

ゲンドウ「葛城三佐……」

ミサト「加持君から聞いたわよ………セカンドインパクトを起こしたのはあんたたちなんですってね!」

ミサト「よくも私のお父さんを………絶対にゆるさないわよ!」

パンパンッ!

ピキンピキン!

ゲンドウ「無駄だよ葛城君、ATフィールドがあるかぎり私は殺せない」

ミサト「このやろおおおおおおおおお!」

パンパンパンパンッッ!

ピキンピキンピキン!

ゲンドウ「無駄だといってもわからないのか?」

シンジ「そいつはどうかな?」

ゲンドウ「何っ!」

シンジ「そのATフィールドじゃ背後までカバーできない!」

シンジ「今度こそ死ねっ!」

リツコ「危ない碇司令!」

ドンッ!

ミサト「リツコっ!?」

バタンッ

リツコ「グフッ………」

ミサト「リツコ!しっかりしなさい!」

リツコ「ほんと………わたしってばかね……こんなことしても………むくわれないのに………」

ミサト「本当!本当大馬鹿者よっ!どうして!?どうしてそこまであいつを庇うのよっ!?」

リツコ「あいしてるからよ………司令を………あのひとを………」

ミサト「うううっ………ううっ……私にはわからない……なぜあんな男を愛せるのか……」

シンジ「おい貴様!これでもまだ死んだ女房を追い続けるのか!?」

シンジ「ここまでオメエを愛してくれる女がいるってのに!」

ゲンドウ「私にはユイしかいないのだよ」

シンジ「腐ってる………アンタ程腐った男は初めて見た!」

シンジ「クソッタレが!」

ドンッ!

ピキンっ!

ゲンドウ「何回撃っても結果は変わらん!」

パンッ!

ゲンドウ「グハッ!?」

加持「碇司令………いくらなんでもそこまで酷い人間だとは思っていませんでしたよ」

シンジ「加持……」

加持「シンジ君………君のお陰で俺は大切なことを知ったよ」

シンジ「………俺はオメエさん程立派じゃねえ」

スッ

シンジ「とどめだ、碇ゲンドウ」

ゲンドウ「ユ………イ………」

ドンッ!

ミサト「加持………リツコが………」

加持「分かってる、直ぐネルフの医療チームに連絡を入れよう!」

タッタッタッ

リツコ「けっきょく………あのひとは……さいごまで………ゆいさんのことしか……」

ミサト「喋っちゃダメよ!傷口が開くわ!」

リツコ「こんなことなら………れいに……やさしくしておけばよかった………」

ミサト「何言ってるの!これから仲良くすればいいじゃない!」

リツコ「このきずじゃ………むりよ………」

ミサト「諦めちゃダメよ!助かるわ!」

リツコ「ありがとう………みさと………あなたはいいさいごまで……ゆうじんだったわ」

ミサト「リツコ!しっかりしなさい!意識を保って!」

リツコ「さようなら………」バタッ

ミサト「リツコ!?嘘でしょ!?リツコ!」

ミサト「りつこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

シンジ「……………」


数日後

アスカ「暗いわねシンジ」

シンジ「まあな……」

アスカ「あれは事故だった……アンタは悪くないわよ」

シンジ「だが殺したのは事実だ………彼女はまだ生きるべきだった」

アスカ「あんた今まで数え切れないくらい殺してるでしょ!これくらいで何メソメソしてんのよ!」

シンジ「だがこれまでカタギは殺して来なかった……」

アスカ「リツコはカタギじゃないわ!」

シンジ「まあもういい……この話はこれで終わりだ……」

シンジ「それより……報酬がまだだったな」

シンジ「報酬だが、俺は今車を買いにいけるような心境じゃない」

アスカ「はあ~!?ちょっといくらあんたが今ネガティブだからってそれは道理が違うでしょう!」

シンジ「安心しろ、代わりに別の報酬を用意した」

シンジ「これだ」

アスカ「これは?」

シンジ「俺の全財産が入ったブラックカードだ、それでカウンタックなり豪邸なり好きなモノを買えばいい」

アスカ「こんなもの渡して………あんたまさか死ぬつもりじゃないでしょうね!?」

シンジ「死ぬつもりはない………ただ……」

アスカ「ただ?」

シンジ「オマエさんと会うのもこれが最後だ」

アスカ「それってどういう意味よ!?」

シンジ「足を洗うんだよ、銃を捨ててこの街ともおさらばし、よそで暮らす」

アスカ「はん!無理ね!あんたも私も所詮人殺しよ!アンタが銃を捨てれるわけないわ!」

シンジ「なんとでも言え……どっちにしろオメエにはもう関係ねえさ」

アスカ「あっそ!ならもう勝手にしなさい!」

シンジ「言われなくても勝手にするさ」

グオオオオオン!

シンジ「オマエさんともなげえ付き合いだったな……最後に一つ言わせてもらうとすると」

シンジ「オメエさんも足洗って楽しく暮らしたほうがいいぞ」

アスカ「私は……無理よ……」

シンジ「まっ、後は自分で決まるんだな……せいぜい悔いのないように……」

シンジ「それじゃあさらばだ………」

ブオオオオン!

アスカ「………」

碇シンジの明確な存在がはっきりしているのはこれが最後であった。
これ以降碇シンジと接触したとされる人物は一人もおらず彼が表に現れることはなかった。
愛車である初代クラウンのナンバーを照会しても該当する車両は現れなかった。
彼が今どこで何をしているのか?それを知るものは誰もいない…………

                            完

レイはどうした…

以上で終わりです。
本当は加持さん救出時点で終る予定でした。
がしかし気がつくとこんな話に……
まあ自分の欲望をそのまま書いたのでかなり楽しかったです。
こんな駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

巨乳スパイのマリはどうした…


レイ出てきてほしかったね

>>133>>137
レイは本編と変わらないです
まあ前に書いた作品でメイン級だったから今回は出番なしでもいいでしょう
>>136
世界観が旧劇よりなんでもうしわけない

肝心のエヴァとか使途はぶっつぶしたの?

>>141
まあ殆ど倒してると思ってください
仮に残っててもここのアスカはガチで強いので多分負けません
まあ見るからにネタスレなんで細かいツッコミはあまりしないでください

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