モモ「ネットアイドル…?」霞「……ふふふ」(340)

ID:XRL5uzHzOの代行

代行ありがとうございます。早速書きます

和「桃子さん」モモ「和ちゃん…」 - SSまとめ速報
(http://m.logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1350572739/1-10)

前スレログです

星の数ほど存在するネットアイドル界に彗星の如く登場した一人の少女。

彼女の名はモモ。その名が界隈に浸透するまでに1日とかからず
光の速さでファンを増やしていった。

彼女のどこか影のある儚げな雰囲気、反比例するかのような笑顔、少女特有の健康的な色気、それらを包み込む可愛いらしい洋服。

非の打ち所は一分も無く、 男女問わず見るものを魅了する彼女の生みの親の名は、N。

ネットアイドルモモのホームページの管理人という情報以外全てが謎に包まれている。

噂では、モモの狂信的なファンであるHNアネトヨのみがNと連絡を交わしあっているらしい

モモの周囲を取り囲む不明瞭な人間達の暗躍ですら彼女の魅力となる。

そんな彼女を愛する
者達の間で、とある議論が頻繁に行われている。


モモは実在するのか。


素性がまるでわからない。似たような子をみかけたという情報は稀に見受けられるものの
どれも曖昧で信頼性に欠けるものばかり。
彼女の実像の影すら見えてこない。

遂には彼女は本当に二次元の存在なんだと設定を受け入れた者をんなわけねーだろと
嘲笑しモモちゃんの言う事が信じられねーのかと罵倒しモモなら俺の隣りで寝てるよと煽り
それ高1最強()のネットアイドルさんじゃんと返す悪口雑言渦巻くその、ある情報が度々投下された

今年の麻雀インターハイの全国会場に、モモが現れる

出所不明、真偽不明のその情報に有象無象が群がるわけが一つあった。

この情報の真相を問おうと詰め掛けたファンに対するNの反応である。

ひたすら沈黙。うんともすんとも言わぬ姿勢に、ファンはもしかしたらという一抹の期待を隠せずにはいられなかった。








和「……大分情報が拡散されていますね。もっとです。もっともっと踊ってください」カチカチ

和「もっともっと盲目的に、夢中になり、注目し、忘我し、心酔し、驚喜し、乱舞し、
崇拝し、崇敬し、信仰し、信奉し礼賛し、絶賛し、賛美し、愛し焦がれ
飢え求め、讃えるように名を呼ぶのです…」カチカチ

和「桃子さん……必ず私があなたを救い出しますからね」カチカチ

和「さて、今日も全国のファン達に桃子さんの愛らしい姿を供給するとしましょうか」カチカチ

和「(それにしても桃子さん…回数を重ねる毎に…可愛くなっているような)」カチカチ


和「…………」ポーッ

和「…………」ポーッ

和「…………」ポーッ


和「……………はっ…!?」ビクンッ


和「(私はなにを…同性相手に…)」ドキドキ

和「(いえいえ、可愛いものは可愛い。そう感じることはおかしくありません。
同性のアイドルに夢中になる人など珍しくありません。そうに決まってます)」

和「…………ファンの反応を確かねば…まぁ確かめるまでもありませんがね」カチカチ

和「ふふふふふ。カウンターが回る回る。コメントが増える増える。
全国大会までにどれくらいファンが増えるか見物ですね」カチカチ

和「(…う……一仕事したら急に眠気が)」うつらうつら


和「(最近…ハイペースで更新していましたからね…麻雀も疎かにするわけにもいかず…
桃子さんのあれもありますし…寝不足が限界にきているようです…)」ウツラウツラ

和「(…………桃子さん…私は…)」

和「………すぅ……」

咲「和ちゃん…机に突っ伏して寝ちゃってる」


まこ「やれやれ……咲、和をベッドまで運ぶけぇ、肩を貸すのを手伝ってくれ」スタスタ

咲「はい、わかりました」トテトテ

京太郎「え?俺の出番じゃ」

優希「邪な気がだだ漏れだじぇ。そんな奴に和ちゃんの肢体を触らせるわけないじょ」

京太郎「ひでぇ…」

久「………」

久「(今日も今日とて和和…私になくて和にあるものとは一体……
胸は違うわ。百パーセント無関係。胸なんて脂肪の塊に過ぎないのよ)」

咲「起こさないように…よいしょっと…」グイッ

まこ「よう寝とるのぅ。ちょいと揺すったくらいじゃ起きそうにないわい」グイッ

和「すぅ…くぅ…」

久「(あのステルス娘をネットアイドルに押し上げようと画策し始めた時から和に皆の気を持っていかれたわけだから…
やはり咲をリンシャンアイドルにするしかないようね)」ゴゴゴゴ

咲「(この視線…部長だよね。…また私に変な服着せようとしてるのかな)」ビクビク

和「……んぅ…桃子さん……」

咲「…むー」

鶴賀in

モモ「先輩、聞いてくださいっす。最近偶に視線を感じるんすよ」

ゆみ「そうか」

モモ「そうかって、驚かないんすか?」

ゆみ「別に減るものじゃなし、いいじゃないか。寧ろ喜ばしいことだ」

モモ「………そうっすか」

ゆみ「思うことがあるなら言っておけ」
モモ「嬉しいような、怖いような…微妙な気分っす」

ゆみ「その内慣れるさ」

モモ「私が視線に慣れるっすか…信じられないっすよ」

ゆみ「いつかはそうならなきゃならない。いつまでも学生でいられるわけじゃないんだ。
社会に出た時、今のままじゃ大変だろう?」

モモ「……そうっすね」

ゆみ「そうさ」

モモ「…和ちゃんのおかげなんすかね」
ゆみ「和のおかげだと思うならあの格好で積極的に出歩いてみたらどうだ?」

モモ「先輩!あの格好の話題は公共の場ではNGっすー!
どこに誰の耳が潜んでいるかはわかったもんじゃないんすよ!?」

ゆみ「その様子じゃ、部の皆に言える日が来るのはまだまだ先だな」

モモ「う…………和ちゃんも人が悪いっすよ。
先輩だけじゃなくいっそ皆にバラして欲しかったっす」

ゆみ「自分から言わなきゃ意味がないさ」

モモ「…わかってるっす」

(少しずつでいいですから桃子さんの色んなところを見せていきましょう。
そうすれば、きっともっと多くの人に見えるようになりますよ)

モモ「(和ちゃん、不甲斐ない私を許してほしいっす……
傍にいて恥ずかしくない人間になりたいと誓ったのに、周囲の些細な変化にも恐れて)」シュン

ゆみ「…変わったよモモは。麻雀も昔より攻撃的になった。
ステルスに頼りがちだった頃に比べて強くなっている」

モモ「先輩…」

ゆみ「自身の変化は、自覚しづらいものさ。
十分変わってるし、変わろうとしているよモモは。私が保証する」

モモ「…ありがとうっす。でも私は、その優しさに甘えちゃいけないんすよ。もっともっと強くならなくちゃ…」

ゆみ「和も言ってくれたんだろ?少しずつでいいと」

モモ「(先輩も和ちゃんも優しすぎっす…)」

ゆみ「この話しはもう終わりにしよう。堂々巡りになるのは目に見えている」

モモ「そっすね………」

ゆみ「どうなんだ、和とは?」

モモ「どういう意味っすか?」

ゆみ「どこまで進んだんだ?」

モモ「な…ななななななにを…」プルプル

ゆみ「…?」

モモ「わ…私はそんな淫乱じゃないっす!先輩の直結野郎!」ガーッ

ゆみ「待て待てモモ!誤解してるだろ…!?変な意味じゃなくてだな、和と友達としてどの位仲が進んだのかと」

モモ「…前々から思ってたんすけど、わざとじゃないっすよね?
そうやって色んな子にわざと勘違いさせるようなこと言って手込めにしてるんじゃ」

ゆみ「モモこそ私をなんだと思っているんだ!私はただモモと和の仲を思って…」

モモ「ふーーん…ん?」

ゆみ「ん?」

モモ「先輩…さっきっから大分ナチュラルに和ちゃんのこと呼び捨てにしてるような…」

ゆみ「してるぞ」

モモ「……なんでっすか?」

ゆみ「本人に名前呼びで構わないと言われたからな」

モモ「ふーん…そうっすか…」ジー

ゆみ「なんだその目は…」

モモ「ちなみに私はメールアドレスと携帯番号交換した翌日には名前で呼び合う仲になったっすけどね」フンスッ

ゆみ「原村さんって呼んでただろ」

モモ「………あ」

ゆみ「…………」

モモ「…………間違えたっす。3日後っす」

ゆみ「…そうか」

モモ「…ほんとっすよ?」

ゆみ「そうか」

モモ「明日は晴れるっすかね」

ゆみ「そうか」

モモ「…ほんとっすもん!」ムキーッ

ゆみ「そうか」

モモ部屋にて

モモ「……ついつい張らなくていい見栄を張ってしまったっす」ショボン

モモ「先輩が悪いっす。人の友達にまで手を出して…女の敵っす」


モモ「あのたらしは要注意っす。しっかりと動向に目を光らせて
和ちゃんをたらしの毒牙から守りきるっす」


モモ「(さて……個人的に収集した全国の魔物のデータをチェックするっすかね)」パラパラ

モモ「(流石全国っす。シンプルな化物の見本市っす。
特にこの鹿児島永水の副将…もし和ちゃんが…)」

モモ「(こんな服を着たら……)」ゴクリ

モモ「……そうじゃないっすよモモ!考え所はそうじゃないっすー!!」ブンブン

モモ「うぅ……私は和ちゃんをそんな風にしか見ていないんすか…?…
これじゃ思春期の男子中学生っす…和ちゃんの闘牌に目もくれずひたすらエトペンになりたいと願う男子と同じっす」


モモ「(いやいや…着眼点をミスっただけで、この永水の副将も化物は化物っす。
まぁ同卓者三人でがっちり風牌ガードすればなんとかなりそうっすけど)」


モモ「和ちゃんは…そんなオカルトありえませんで気にせずスパッと切りそうっすね」

モモ「(それが和ちゃんの強みなんすけど…和ちゃんが空気読めてないみたいな扱いされたらと思うと…)」ムカムカ

モモ「(和ちゃんは気にしないと思うっす。でも私が気にするっす)」

モモ「(…考えても埒無いっすね。気を取り直して…
永水は他にも化物が二人いるっす。神代小蒔…そしてこの大艦巨砲主義の化身人妻おっぱい女)」


モモ「(思ってた通りっすね。デカけりゃいいってもんじゃないんすよ。
和ちゃんの重力に反逆し続けるおっぱいこそ至高っす)」

モモ「(他は…はぁ…もうデータを見れば見るほど生きてるのが嫌になってくるっす…。
非オカルトの打ち手もオカルトみたいなもんっすし)」

モモ「(グチってもしょうがないっすね。自分で選んだ道っすから)」

メールガキタデー

モモ「和ちゃんからっすね。見なくてもわかるっす。登録件数的な意味で」スチャッ

frm原村和

sbそろそろ

ピンク色にも挑戦してみませんか?


モモ「和ちゃん…かまってくれるのは嬉しいっすけど、全国大丈夫なんすかね」
モモ「…大きなお世話だと思うっすけど…私は…」カチカチ

和in自室

メールガキタジェー

frm 東横桃子

sb ピンクは勘弁っす…

慣れてきたとは言えそれは…

ところで、全国に行く前に会って話したいことがあるんすけど…いいっすか?


和「(話したいこと…ですか。あれも量がたまってきたことですし…
私もありますが…あの話しもするべきかどうか)」


和「(あちらから誘ってくれた。この事実から間違いなく好感度は一定数を超えている…
とは言え…いくら桃子さんが心優しいとは言え許してくれるでしょうか)」

和「(……保留にしますか。今はあちらから誘ってくれたことを素直に喜びましょう)カチカチ

和「(話しとは一体…なんでしょうね)」


和「………まさか…バレた…!?」

和「(仮に、ですがバレたとしましょう。その上で会いたいということは
直接会って言いたいことがあるということ…つまり)」


(ひどいっす和ちゃん…あんまり見せちゃだめって言ったのに)ウルウル

和「な、泣かないでください桃子さん…!これは、桃子さんに
とって大切なことなんです!悪意はないんです…!」オロオロ

和「ここまで仲良くなったのに…そんな…そんな…」ショボン

和「落ち着くのです原村和…あくまで仮の話しです」

和「(ですが、可能性はあります。ならば…シミュレーションに
シミュレーションを重ね、万全の態勢で臨みます!)」ゴッ

多分次の日

久「最近、私たちの絆が薄れてきたと思わない?」


まこ「そうかのう?」

京太郎「そうですか?」

和「どうなんでしょう」

優希「特に感じないじょ」


咲「………」


久「部長の私が言うんだから、間違いないわ」

まこ「薄れているのは絆というより久の存在感」

久「それ以上言わない!いい?全国大会が迫るだけ迫っている今、
ひび割れた絆を早急に修復しなきゃならないわ」

和「ひび割れていたんですか?」

優希「ひび割れどころか埃ひとつ被ってないと思うじぇ」

京太郎「仲違いなんてした覚えはないし」

まこ「ひび割れてるのは久のちっぽけな自尊心で」

久「まこ、黙らないとコンタクトにしてストパーかけて髪の毛黒色に染めてやるわ」

まこ「そこまで必死にならなくともいいじゃろ…
みんながお前さんを蔑ろにしているわけじゃ」

久「有罪」ヒョイッ

まこ「なにするんじゃ!?眼鏡返さんかい!」ピョンピョン


久「ひび割れた私達の絆を修復するために、
今度の日曜みんなでなんかしらするわよ!」

優希「肝心な部分が曖昧だじぇ…」

京太郎「何かしらってなにするんですか?」

和「…………」


久「私は…部長として悲しいわ。私達の仲は所詮ひと夏のアバンチュール…
良くてビジネスライク止まりなのね」

咲「……私は賛成ですっ!」

久「咲…!(カモがネギ背負ってやってきたわ…!)」

京太郎「え?咲は俺たちの仲にひびが入っていると思ってるのか」


咲「それはその…置いといて…!みんなで集まって遊ぶのは良いことだと思うよ!?
京ちゃんは悪いことだっていうの!?いつからそんな血も涙もない冷血人間になっちゃったの!?」

京太郎「そこまで言わなくても…」


優希「おぉ…雀卓の外だというのに咲ちゃんからオーラが迸ってるじょ…!」

和「すみません咲さん。私は先約がありますので付き合えません」

咲「……………そっか」シュン

和「あの…いつかこの埋め合わせはしますから」

咲「いいよ和ちゃん…」

京太郎「みんなの予定が合わないならお流れですかね」

優希「仕方ないじぇ」

久「…わかった。わかった。わかったわよ。みんなの気持ちがよーくわかったわ」

まこ「わかったなら眼鏡返さんかい!」

久「咲…他のみんなは放っておいて二人っきりで絆を深めましょう」

咲「ふぇ…!?」

久「そう……嫌なの。私は部長失格ね。こんなに部員からの人望がないなんて…」

咲「そ、そんなことありません…!私は部長のこと頼りにしていますっ」

久「いいのよ咲、慰めなんていらないわ…」

咲「慰めなんかじゃありません!私、部長ともっと仲良くなりたいです!」

久「……嘘じゃない?」

咲「嘘じゃありません!」

和「(部長…目に見えて落ち込んでいた咲さんのために…
なんだかんだで部長は部長ですね。見直しましたよ)」

京太郎「(咲には悪いが茶番の臭いがプンプンするぜ)」

優希「(咲ちゃん…良い子だじぇ)」

まこ「眼鏡返さんかーい!!」

咲「和ちゃん。私は部長と遊ぶから、埋め合わせなんて考えなくていいからね」

和「……いえ、いつか埋め合わせは必ずします」

咲「…………どうせ東横さんを優先しちゃうくせに」ボソッ

和「咲さん?」

咲「なんでもないもんっ」

和「さ、咲さん?」
久「(……とても楽しみだわ。…ふふふふ)」

まこ「眼鏡ー!わしの眼鏡ー!」

モモ部屋in

モモ「(またこの部屋に和ちゃんが来るんすね…)」

モモ「……えへへ」ニヤニヤ

モモ「……目的を見失っちゃだめっすよ東横桃子!」

モモ「(和ちゃんは私の能力をある程度認めてくれたっす…
少しは私の忠告を聞き入れてくれるはずっす)」

モモ「(大きなお世話なのは重々承知っす。でも和ちゃんには…負けてほしくないっす)」


モモ「…掃除、するっすかね」

例の日

和「おじゃまします桃子さん」

モモ「どうぞどうぞっすー(和ちゃん…また鞄になにかしら入ってるんすかね)」

モモ部屋in

和「相変わらず綺麗に整頓されていますね」

モモ「(いつの間にやら綺麗好きという印象がついてしまったっすからね…
最近は神経質なほど掃除してるっす)」

和「それで、話したいこととはなんですか?」


モモ「とりあえず飲み物とってくるんで座って待っていてほしいっす」


和「はい」チョコン

モモ「じゃ、行ってくるっすー」スタスタ

和「(……………様子はいつも通り。バレた訳ではない?
いえ、嵐の前の静けさという線も…)」ドキドキ

和「(結局良さげな案は何も浮かばず…当日を迎えることになるとは)」

和「(もしバレていたら…このタイミングでアレを渡すと、
安易なご機嫌とりだと思われて怒りを買うかも…)」


モモ「お待たせっすー」

和「(何にせよ…ここでこの関係を壊すわけにはいきません…!)」

一息付いた後

和「桃子さん、急かすようで悪いのですが話しとはなんですか?」


モモ「あの…それは…っすね…」ソワソワ

和「…言い辛いことなんですか?遠慮なく言って下さい」

モモ「ほ…本題からはすこーし逸れるっすけど、
和ちゃんは全国の相手の牌譜をチェックしたりしてるっすか?」

和「……まぁ、私は誰が相手でも自分の麻雀を打つだけですから」


モモ「ぅ…そうっすか。和ちゃんらしいっすね」

モモ「(予想通りの反応…うぅ…話し難いっす…。だいたいなんで本題から逸れるなんて言ったんすか。私のヘタレ…)」ズーン

和「(空気が重くなったような…もうこれは…九割方バレたとしか)」ドキドキドキドキ

モモ「(……腹を括るっすモモ!大きなお世話で終わったとしても
言わずにモヤモヤするよりマシっすよ!)」

モモ「和ちゃん。実は私、対戦相手のデータをまとめてみたんすけど…その…会話のネタ程度に見てみないっすか…?
あの…もし私が同卓したらどうすりゃいいかーみたいなアドバイスとか…和ちゃんがどうのこうのってんじゃなくてっすね…」モジモジ


和「アドバイス…ですか。私に出来るかどうかはわかりませんけど…」


モモ「い、いいんすか!」ガタッ

和「も、桃子さん…顔…近いです」カァァ


モモ「す…すいませんっす…!」

風呂入ってきます

再開します

和「ふむふむ…」パラパラ

モモ「………」ドキドキ

和「……なるほどなるほど」

モモ「…………」ドキドキ


和「結論から言いますと」

モモ「な…なんすか…?」

和「こんな偶然に惑わされず自分の麻雀を打つべきです」


モモ「そ…そうっすか…」ズーン

モモ「で、でも…偶然も何度も続けば必然だという言葉もあるっすよ?」

和「えぇありますね。だからこそ人は偶然に惑わされるのです」


モモ「でもでも…!和ちゃんは私の能力を認めてくれたじゃないっすか!?」

和「う……も、桃子さんは特別というか…例外というか…ですので、基本的にオカルトは認め…」

モモ「私は…!和ちゃんに負けてほしくないっす…」

和「桃子さん…あの…桃子さんにアドバイスをするという話しじゃ…」

モモ「見りゃわかるじゃないっすか…化物ばっかりで……
ステルスなんざ可愛いもんってなとんでもオカルトばっかで…」

モモ「だいたい和ちゃんはおかしいっすよ…身近にリンシャンさんみたいな人がいるのにオカルト否定して……!」プルプル

和「桃子…さん?」
モモ「わかってるっすよ…!それが和ちゃんの強みで、誰が相手でも自分の打ち筋を貫いて、
全中チャンプという結果も出して…そんな和ちゃんに何の結果も出していない私が
打ち筋に文句つけるなんて身の程知らずもいいとこっす…!」

和「………」


モモ「わかってるっすけど…負けてほしくないんすよ…勝ち続けてほしいんすよ…」

モモ「(やばいっす…泣きそうっす…)」プルプル

モモ「(多分私は…どっかで自分は和ちゃんにとって特別なんじゃないかって…思っていたんすね)」

モモ「(断固としてオカルトを否定し続ける和ちゃんが…私のステルスを認めてくれたから)」


モモ「(私の忠告は聞き入れてもらえるんじゃないかって…)」
モモ「(でも違ったから…私は……)」

モモ「(バカみたいっす…これだから距離感の掴めないぼっちは…勝手に勘違いして…違くて…泣きそうになるなんて)」プルプル

和「桃子さん…どんなに強い打ち手も負けるときは負けます。
赤アリ一発裏アリのアリアリなんて運の要素が強いルールなら尚更です」

和「それに団体戦は私一人で戦うわけじゃありません。みんながいます。私が点数状負けたとしても…」

モモ「(やばいっす…限界が…)」ポロポロ

和「桃子さん…!?な…泣かないでください」アワアワ

モモ「わかってるっす!…なんもかんもわかってるっす!
でも負けてほしくないっすー!全部全部勝ってほしいんすよー!!」ビエーン


和「桃子さん、あの、ほら、落ち着いてください。
負けるときは負けると言いましたが負けるつもりで打つわけでは…」オロオロ


モモ「ヒック…嫌っす…負ける所なんて見たくないっす…グスッ…絶対勝つっすー!!」グスグス


和「さ、さっきも言ったじゃないですか…私一人で戦うわけじゃ…」


モモ「知ってるっすよ!聞いてたっすから!和ちゃんは私をバカにしてるっすか!?」クワッ


和「えぇ!?」

モモ「…絶対優勝するって言ったのに…和ちゃんは嘘つきっす…」グスグス


和「で…ですから」

モモ「全国にはすごいのがいっぱいなんす…麻雀だけじゃなくておっぱいもすごくて…」グスグス

和「え…」


モモ「和ちゃん並みの子も居れば遥かに超える人妻も居て…」グスグス

和「ひ…人妻?」

モモ「でも前も言った通り和ちゃんのおっぱいが至高っす…!
けど大きさしか目にいかない奴らに…和ちゃんを超えたなんて言われたら…
私は悔しいっす…大きさだって、成長性を考慮すれば…」グスグス

モモ「嫌っす…和ちゃんがバカにされたり低く見られたりするのは嫌っす…」グスグス

和「(なんだか…だだをこねる子どもみたいですね)」

モモ「嫌っす……嫌なんすよー…」グスン

和「……」ナデナデ

モモ「な…なにするっすか!頭なんて撫でて…私は子どもじゃないっすー!
私はそんなことで籠絡されるほどチョロくないっすー!」

和「す…すみません。つい…」サッ

モモ「……ひっく……」グスグス

和「……………」

モモ「なんでやめるっすかー!」

和「えぇ!?」

和「あの…撫でていいんですか?」

モモ「言いに決まってるっす…なんでやめるんすか…私のこと嫌いなんすか?」グスグス

和「な…撫でます…!撫でますから泣かないでください…!」ナデナデ


モモ「…………」グスグス


和「…………」ナデナデ

モモ「………」グスン

和「………(落ち着いてきたようですね)」ナデナデ

モモ「…………」

和「(…ほんとうに子どもみたいで、可愛いです)」ナデナデ


モモ「(し…死にたいっす…!前も一度こんな感じで逆切れしたような…)」カァァァッ

和「…落ち着きましたか?」ニコッ

モモ「(あぁぁ!死にたい死にたい死にたい死にたい死にたいっすー!!)」カァァァッ

和「桃子さん。桃子さんの気持ちはよくわかりました」

モモ「は…はいっす…」

和「…何度も何度も言いますが…負けるときは負けます。それが麻雀なんです」ナデナデ

モモ「………」

和「桃子さんの気持ちは嬉しいですが…私は私の麻雀を変えることができません」ナデナデ

モモ「わかってるっす…なのに私は…わかって…和ちゃんにあんなこといって困らせて…」

和「ですから、誓います。この先、どんな打ち手が
現れようと決してブレずに自分の麻雀を貫き通すと」

モモ「和ちゃん…」

和「そして…桃子さん。誰の事かはわかりませんが、
女子高生に対し人妻だなんて悪口を言ってはいけませんよ」

モモ「うっ…で、でも…和ちゃんも見てみればわかるっす…どうみても人妻で」
和「桃子さん」ジーッ
モモ「…ごめんなさいっす」

和「えらいえらい」ナデナデ

モモ「(す、すっげー子ども扱いされてるっすー!!同学年なのに…!)」カァァァッ

モモ「(……でも…撫でられるの…気持ち良いっす…)」ボーッ

和「そしてもう一つ…胸、気にしてるっていいましたよね?」

モモ「」ビクッ

和「………」ジーッ

モモ「……ごめんなさいっす」

和「はい、許します」ニコッ

モモ「(和ちゃん……天使っす……)」

和「………次はありませんよ?」ボソッ

モモ「は、はいっす!心に刻み込んだっす!」

モモ「あの…和ちゃん。なんで和ちゃんは私のステルスだけ信じてくれるんすか?」

和「…………全肯定してはいませんが…当初は桃子さんに近付くための口実でした」

モモ「口実…っすか?」

モモ「(つまり…私と友達になりたかったってことっすか…!?)」

和「………はい。ですが今は信じていますよ。友達、ですから」

モモ「和ちゃん」パァァァ

和「………」ズキン

モモ「そうっすか…友達だからっすか」テレテレ


和「……(地獄行きですね私は…)」ズキズキ

和「桃子さん。今日は桃子さんに渡したいものがありまして…」ゴソゴソ

モモ「渡したいものって……まさか…」
和「ピンクじゃありませんよ」

モモ「エスパーっすか和ちゃんは…」

和「デジタルです。桃子さん、これを」パサッ

モモ「これ…牌譜…っすか?…何だか見覚えが……っ!ひょっとしてこれ、私の牌譜っすか!?」

和「はい。桃子さんが頑張っているという話しをゆみさんから聞きまして…
ゆみさんにお願いして牌譜のデータを送ってもらって、私なりに添削してみました」

モモ「の…和ちゃん…!」ジーン

和「何分不慣れなもので…私の主観的な添削ですし、
役に立つかはわかりませんが」

モモ「和ちゃーん!ありがとうっすー!」ギューッ

和「きゃっ…!?…も…桃子さん…!」

モモ「嬉しいっす…!嬉しいっすよー!」ニコニコ

和「あの、雀力の向上に結び付くかは保証しかねるのですが…」マッカ

モモ「するっす!メキメキあがるっす!絶対強くなるっすー!」ギューッ

和「(桃子さん…こんなに喜んでくれて…けど私は、それを後ろめたさから
逃げるための道具にしてしまった)」ズキズキ

和「桃子さん…こんなに喜んでくれるとは思いませんでした。やって良かったです」ニコッ

モモ「和ちゃん……私、和ちゃんと友達になれて本当に良かったっすー!」


和「(桃子さん…いつか全て話します。許してくれなくても構いません。
…いえ、許してくれはしないでしょう。全てを話すその時は、私一人程度の視線など
消えて無くなっても痛くも痒くもないはずですから…)」


和「……桃子さん。それで本題はなんなのでしょうか?」

桃子「ほん…だい…っすか?」キョトン

和「今までの話しは本題じゃないのでは?」

モモ「…えーっと…」

モモ「………ごめんなさいっす。今のが本題っす。嘘ついたっす」

和「どうして嘘なんて…本題なら本題だと言ってくれればいいのに」


モモ「…その………大きなお世話かもしれないって……だからついで程度に聞く感じでいこうかなと」

和「友達が心配してくれているのに
大きなお世話なんて思わないですよ」

モモ「和ちゃん……」

和「もう一つ、言うことが増えました。桃子さんは嘘をつくのが下手なので、つかないほうが身のためですよ」

モモ「……へ?」

和「さっきのが本題だと気付いてましたから」ニコッ

モモ「ま…またはめたっすねー!」ガーッ

モモ「それならそうと言ってくれれば良かったのに…!」

和「すみません。どこまで嘘を突き通せるのか見てみたくてつい。
桃子さんは良い子ですね。すぐ白状しましたものね。えらいですよ桃子さん」ナデナデ

モモ「なーんで和ちゃんはさっきっから私を子ども扱いしてるっすかー!同い年っすよ同い年ー!」

和「子どもみたいにだだをこねてたじゃないですか。泣きながら」ニコニコ


モモ「だだなんてこねてないっす!子どもじゃないっす!頭撫でるのやめるっすよー!」

和「嫌じゃないのでは?」


モモ「うぅぅ…和ちゃんがいじめるっすー…」

和「桃子さん…話しは終わったんですよね」

モモ「はいっす。終わ……ぁ」

モモ「(互いの用事を終えたわけっすから…今日はお開き…!?)」

モモ「ってないっす!まだあるっす!」

和「そうですか。なら話してください。どうぞ」ニコッ


モモ「えーと…えーと…」ワタワタ

和「(すみません桃子さん…可愛いものは可愛いのです)」ニコニコ

モモ「麻雀!和ちゃんと麻雀打ちたいっす!」

和「構いませんよ。2人で打つのもなんですから…
私の先輩の実家が雀荘を経営しているのですが、そこに行きませんか?
勿論ノーレートですし、場代もそこまで高くはありませんから」

モモ「オッケーっす!」

和「では、行きましょうか」


モモ「(和ちゃんと麻雀打てるっす…!今日の私のアドリブ力は冴えてるっす!
無意識に最高の選択肢を選んだっすよー!)」




久「……」

咲「……」


まこ「………おまえさんら、2人っきりで遊ぶんじゃなかったんかい?」

すみません。寝落ちする可能性大です…スレタイは回収したいので、保守を頼みます

お待たせしました。
再開します

雀荘 roof-topにて


久「……」ゴゴゴゴ

咲「……」ゴゴゴゴ

まこ「2人とも、無意味にオーラ出されると客が怯えるし
何より営業妨害じゃ…せめて麻雀打ってくれんかのぅ」

久「まこ…これから始まるのは聖戦よ」

まこ「聖戦…?」

久「えぇ…ランドセルと名札と黄色帽子をかけた聖戦よ」

まこ「……けったいなもんをかけた聖戦があったもんじゃわい…」

咲「部長……私は負けません。負けるわけにはいきません。
それが私に似合うなんて…絶対に認めません」


まこ「……似合いそうじゃが…」ボソッ

咲「似合いませんっ」プクー

咲「私だって…私だって頑張れば…もうちょっと大人っぽい服も似合うもんっ」

久「まだ認めないのね咲…好みの問題じゃないのよ。
和のように似合う上に自身と趣味が完全一致する例は稀も稀。
大概の人間が似合うかどうかを判断基準にする。咲…現実を見なさい。あなた、どうみてもロリ」

咲「私はまだ成長期です。夢見たっていいじゃないですか…!」


まこ「(儚い夢じゃ…)」


久「成長期…良い言葉ね。ロマンに溢れているわ。私も昔は自分の胸…だけじゃないけど、胸だけじゃないけど、希望を抱いていたわ…
が、成長は麻雀と同じよ。思い通りにはいかないものなの。いや、麻雀より残酷だわ。バストアップ体操なんてなんの意味もないもの」

咲「やめてください…!聞きたくありません…!部長だってまだ高校生じゃないですか!諦めていいんですか!?」


久「この期に及んで私の未来を気遣うとは…咲は心底優しいわね。
そんな優しい後輩が、限りなく0に近い可能性にかけて傷口を広げる前に…私が塞いであげるわ」

咲「なら私は思い出させてあげます。諦めないことの大切さを…!」


まこ「(なんじゃこら)」

まこ「……二人とも、いつになったら打つんじゃ。
バトル系少年マンガ的熱血口上かましてから結構時間が経ったけぇ…」

久「言ったわよね、聖戦だって。半端な相手に同卓されたら興醒めなのよ。
今日に限って頼みのツテは皆都合つかないし…野生の獣の登場を待つわ」

咲「染谷先輩…この勝負には私の未来がかかっているんです。後悔の残る要素は極力排除したいんです」

まこ「……好きにせぇ」

ガチャリ

まこ「いらっしゃま…おぉ、和………と…そっちは鶴賀の」
和「染谷先輩、こんにちは」

モモ「どうもっすー(この人にもいくらか見えてるっすか…なにか法則があるんすかね?)」

久「っ!」ガタッ

咲「の…和ちゃん!?」ガタッ

和「咲さんに、部長?どうしてここに?今日は二人で」

久「それを話すと長くなるわ…あなたは此処に世間話をしに来たの?此処は麻雀を打つ場所よ」フッ

和「……染谷先輩…部長は一体どうしてしまったのですか?」コソコソ

まこ「すまん和…あのポンコツの気が済むまで相手してやっちょくれ」


咲「(東横さんも一緒…予想通り、用事って東横さん関連だったんだ…むー…)」ジー

モモ「(み…見られてる!?リンシャンさんにバッチリ見られてるっす…!)」

咲「(……はっ…!?だめだよこんな…私が一方的に拗ねてるだけで…東横さんも和ちゃんも悪くないのに…)」シュンッ

モモ「(うぅ…なんでリンシャンさんがここに…?最初の街でお使いイベントをこなそうと
思ったらラスボスにエンカウントした気分っすよ…)」


久「和。それとそっちのステルス娘…卓に着きなさい。始めるわよ…戦いを」

和「はぁ…」


モモ「(え?これはもしや…リンシャンさんと同卓っすかー!?
清澄の部長さんも相当な実力者っすし…こんなの考慮してないっすよ…)」

咲「(和ちゃんがあんなに仲良くしているってことは東横さんは良い人なんだろうなぁ
…元々悪い印象なんて全くなかったし…私も東横さんと仲良くなりたいな)」ジー

モモ「(なんすかなんすか…!?品定めっすかー!?私は食べても美味しくないっすよー!)」

咲「(よーし。麻雀でいいとこ見せて…それをきっかけにして…うん、いけるよね?)」

咲「東横さん」テクテク

モモ「な、なんっすか?」ビクッ


咲「(え…!?怖がられてる!?私なにかしちゃった!?)」オロオロ

咲「(……それもそうか…出会ったばかりなのに変な目で見ちゃったし…仕方ないよね)」

咲「東横さん。あの、一緒に麻雀…打ってくれませんか?お願いします」ペッコリン
モモ「……(あれ?なんだかイメージと違うような…)」

咲「だ…だめ……ですか?」ウルウル

モモ「だ、だめじゃないっすよ!寧ろお願いしたいくらいっす!」

咲「あ…ありがとうございますっ」パァァァ

モモ「(可愛い…普通に可愛い女子高生っすね…)」

咲「じゃあ、早速打ちましょう」ニコニコ

モモ「はい、よろしくっす」

モモ「(どうやら私は視線慣れしてなくて、軽い恐慌状態に陥っていたみたいっすね…じゃなきゃこんな可愛い子をラスボスだなんて…)」


和「(咲さん…桃子さんと友達になりたいんでしょうか?そうだと嬉しいです。
桃子さんも咲さんのこと悪く思ってないようですし…仲良くなれるよう私もサポートします…!)」

久「話しはついたわね。早く座りなさい」

久「んじゃま、よろしく」

和「よろしくお願いします」

モモ「よろしくっすー」

咲「よろしくお願いします」

咲「(よーしっ。東横さんにいいとこ見せて…絶対に部長に勝つ…!)」ゴゴゴゴゴゴ

モモ「………(あ…あれ?)」ビクッ

久「ふふ…それでこそ倒しがいがあるわ…咲!」

和「(あの二人…なにがあったのやら)」

~対局ダイジェスト~

咲「カン!…ツモ!」

咲「カン!カン!ツモ!」

咲「カン!カン!もいっこカン!ツモ!」

咲「(えーと…衣ちゃんと仲良くなった時は…そうだ!)」

咲「東横さん。麻雀って楽しいですよね。一緒に楽しみましょうっ」ニコッ

モモ「」

帰り道

モモ「ひ…酷い目にあったっす…麻雀怖いっす…リンシャン怖いっす…」ギューッ


和「も、桃子さん。麻雀を打っていれば3連続焼き鳥くらいよくありますよ」テクテク

モモ「よくあってたまるかっすー!うぅ…もうメゲそうっす…所詮私なんか本物の怪物には太刀打ちできないんすよー…!」ガクガク


和「そんなことありませんよ。努力を重ねれば桃子さんはもっともっと強くなりますよ」ナデナデ

モモ「……ほんとっすか?」

和「本当です」ニコッ


モモ「……和ちゃんが言うなら…信じるっす…頑張るっす…」ギューッ

和「まだ時間はありますし、帰ったら基本から学び直しましょう。手始めに何切るあたりから」ナデナデ

モモ「……よろしくっす」ギューッ

雀荘roof-topにて


久「…燃えた…燃え尽きたわ…真っ白に……」ガクリ


咲「(東横さんとお話しすらできなかった…仲良くなる以前の問題だよぉ…)」ガックリ

咲「(東横さん…途中で体調崩してたみたいだけど…大丈夫かなぁ?)」

久「ふふふ…咲。勝った気になるのはまだ早いわよ。私は竹井久の中でも最弱…第2第3の竹井久が」ブツブツ


咲「(和ちゃんとも、全然お話しできなかったし…私、何やってるんだろう)」

まこ「咲、そう気に病むことは無いけぇ。あの子と仲良くなりたかったんじゃろ?次はもっとうまくやりゃあええ」

咲「染谷先輩…」

まこ「あと……ついでといっちゃなんじゃが和のことも言っておくが、和もまだ高校一年生じゃ。
器用に人付き合いをするにはまだまだ若い。人の気持ちに鈍かったり鋭かったり…まちまちじゃ」

咲「…」


まこ「今はあの鶴賀の子に気がいっているようじゃが、咲のことを蔑ろ
にしてるわけじゃないけぇのぅ。あんまり卑屈になったらいかん」

咲「はい……」

まこ「…これは心の底からついでなんじゃが…あそこでトリップしてるぽんこつのことじゃ」


咲「部長のことですか?」

まこ「最近は空回りに空回っちょるがな、咲が寂しそうにしているのを察して遊びに誘った…
という気もあるはずじゃし…あれも言うほど器用じゃない。見捨てんでくれ」


咲「見捨てたりなんかしませんよ。私、部長のこと好きですから」

まこ「…咲はええ子じゃのぅ」ナデナデ

咲「や…やめてください…!恥ずかしいです…!」テレテレ

咲「もう…染谷先輩も私のこと子どもみたいだって思ってるんですか?」ムー

まこ「すまんすまん」

咲「…染谷先輩。ありがとうございます。部長にもそう伝えておいてください」

まこ「ん、了解じゃ。帰るんかい?」

咲「はい。一人で考え直したいことがあるので、今日はもう帰ります」


まこ「ほか、そいじゃまた明日の」ヒラヒラ

咲「はい。また明日会いましょう。では、失礼します」ペッコリン


スタスタ ガチャン


まこ「…ありがとうじゃと。よかったのぅ」

久「………うるさい」

モモ部屋in


モモ「すんません。トイレ行ってくるっす。すぐ戻ってくるっす」

和「慌てなくていいです。ゆっくりで構いませんよ」


モモ「な……!」

和「え?」

モモ「そ…そこまで時間がかからないやつっすー!和ちゃんのセクハラ魔神ー!」ダッ


和「えぇ!?」

和「………ふぅ」

和「(早めに引き上げて正解でしたね…あのまま続けていたら取り返しのつかないことに)」

和「(咲さん…おそらく東横さんにいいところを見せようと張り切って…
すみません咲さん。何もサポート出来ませんでした…)」


和「(次の機会には必ず咲さんと桃子さんを友達にしてみせます)」


和「(………しかし、さっきの桃子さん……プルプル震えて…私にしがみついてきて…可愛かったです…)」ウツラウツラ

和「(う…眠気が…いつもの作業に加え…不慣れな牌譜の添削が祟りましたか)」コクリコクリ

和「(寝ちゃだめです…寝ちゃ……こういう時は……羊を数え……)」コックリコックリ

和「(るのはぎゃく…こう…か…)」コックリコックリ

和「………すぅ」コテン

和「んん……桃子さん…寝てません…寝てませんよ…すぅ…」

モモ「和ちゃん!早く戻ってきたっすよー!」

和「………すぅ…すぅ…」

モモ「和ちゃん……寝てるんすか…?」

和「…寝てません…寝てませんから…すぅ」

モモ「寝てるっすね…」


モモ「(大会も近いのに…私の牌譜の添削してたわけっすから…寝不足だったんすかね…)」

モモ「お疲れ様っす…和ちゃん…」


和「……んぅ………」ゴロン

モモ「寝顔…可愛いっすね…」ジー


モモ「…………」ドキドキ

モモ「………私はまた…何を考えて…」ズーン

モモ「(邪念を払って…天使をベッドに………っ)」

モモ「(膝枕って…選択肢もあるっすね…あるっすよね)」ドキドキ

モモ「(別に…いいっすよね…?いいっすね。いいに違いないっす)」ドキドキドキドキ

モモ「…いいっすよねー和ちゃーん」ボソッ


和「……………くぅ」

モモ「(否定しないということは同意とみなすっすよ…)」ドキドキ

モモ「和ちゃん…ちょい頭上げるっすよ…」クッ

和「…………すぅ」
モモ「(…和ちゃんの体温が…!寝息が…!)」ドキドキドキドキ

和「………んん…」

モモ「(髪…サラサラっす)」サワサワ

モモ「(………頭…撫でていいっすよね?あんだけ私の頭撫でられたわけっすから私にも撫でる権利はあるっすよね?)」ドキドキ

モモ「…ねー?」

和「…くぅ…すぅ……」

モモ「沈黙は同意っす…」ナデナデ

和「…………」

モモ「……和ちゃん…和ちゃんと友達になってから…毎日が今まで以上に
楽しくなって……感謝してもしたりないっす…」ナデナデ

和「んん……すぅ……」ワキワキ

モモ「(?…指が…何かを掴もうと……)」

和「んん……」ギューッ
モモ「ひゃっ…!?」ドテン

モモ「(和ちゃんが私の腰に抱きついてるっすー!)」カァァァ


和「……んぅ………エトペン…」ギューッ


モモ「…わ、私はエトペンじゃないっすよー」


和「………エトペーン…」ギューッ


モモ「あんなに太ってないっす…まん丸くないっすー…」

モモ「(……気付いたっす…気づいてしまったっす)」

和「……すぅ…」

モモ「(和ちゃんの顔…けっこう際どい位置にあるっす…!大体太ももらへんっすけど…
ズレたら大変なことに…!)」ドキドキドキドキ

和「んん…」スリスリ

モモ「(和ちゃーん!?頬擦りはまずいっすよー!!)」


モモ「和ちゃーん良い子だからちょこっと腕を放してほしいっすー…」

和「………んん…」ギューッ

モモ「………和ちゃん…悪い子っすよー…」

某県某所

?「ネットアイドルモモ…よもやうちの姫様親衛隊に反逆者を出すほどとは…予想以上の実力だわ…」


?「…………ふふふふ…相手にとって不足なし。大会が楽しみね」

?「あの情報は十中八九関係者が故意に流したもの…Nかアネトヨのどちらか…」


?「なら、モモは間違いなく会場に現れるはず…」


?「一度、個人的にあっておきたいわね」

?「当日が楽しみだわ…早く来ないかしら」ワクワク

某県某所

?「ふっふっふー…ついに姫様の牙城の一部を崩したよー!モモちゃんちょーすごいよー!」

?「でも、油断は禁物。これで姫様サイドの人間からなんらかのアクションがあるかもだし…当日は気を抜けないよー」

?「モモちゃんは二次元の存在。それを弁えない人間とモモちゃんが接触したら大変なことに…!」


?「私もNさんも当日はやることがあるから四六時中ガードできないけど、可能な限り目を光らせておかないと!ぴかーって!」


?「………実際には光らないよー?」

再びモモ部屋


和「……ん」パチリ

和「(…私……寝てしまったんですか…)」ボーッ

モモ「すぅ………すぅ……」

和「(………桃子さんも寝てる…気持ちよさそう…)」ボーッ

和「(………おやすみなさい…桃子さん…エトペン…)」ギューッ

桃子「んっ……」ピクッ

和「(なんだか…今日のエトペンはいつもよりあったかいですね……やたらとすべすべで…まるで人の肌…)」スリスリ

桃子「ふぅっ………」ピクン

和「(………ん?)」パチリ
モモ「………すぅすぅ…」

和「も…桃子さん!?」ガバッ

和「(な…なんで私は桃子さんに抱きついて眠っていたんですか!?)」


モモ「んん…和ちゃん…?起きたんすか…?」ムクリッ


和「あっ…大声出してすみません…起こしてしまいましたね」

モモ「いいっすよ和ちゃん…それより…時間は大丈夫っすか?」

和「時間…はっ…!?」スチャッ

和「た…大変です!急いで帰らないと…!」ワタワタ

モモ「すんませんっす。時間が来たら起こすつもりだったっすけど…寝ちゃってたっす」

和「謝らないでください…私が眠ってしまったのが…」

モモ「言ってる時間、あるんすか?」

和「…ですね。慌ただしくてすみませんが今日はこれで失礼します」

モモ「和ちゃん。急いでいるとこ悪いっすけど…言わなきゃならないことがあるっす」

和「なんですか?」

モモ「私はエトペンじゃないっす。あんなにまん丸くないっす」プクーッ


和「…すみません」

モモ「もいっこあるっす…全国大会、応援に行くっすから!」

和「……知ってますよ?」

モモ「………え?」

和「ゆみさんから聞かされていましたが…そのこと、桃子さんは知らなかったんですか?」


モモ「……知らなかったっす…」ムーッ

モモ「(私が最初に教える予定だったのに…!先輩め…!)」ゴゴゴゴ

和「…何だかすみません」

桃子「いいっすよ。なんもかんも先輩が悪いっす。それより、帰らないと…時間、マズいんじゃないっすか?」


和「そうですね。ではまた」フリフリ

モモ「またっす。和ちゃん」フリフリ

モモ「………」ゴロン

モモ「(今日も今日とて色々あったっす。泣き出して、逆切れして、頭撫でられて、牌譜もらって、
リンシャンさんにフルボッコにされ、和ちゃんが眠っちゃって…膝枕して…抱きつかれて…)」


モモ「(…和ちゃん…良い匂いだったっす…)」

モモ「(私は…結局それっすか…)」ズーン

モモ「………そうだ。牌譜…」ムクッ


モモ「(私のために……和ちゃんが…友達の私のために…)」パラパラ


モモ「…えへへ。えへへへへ」ニヤニヤ

モモ「今日はリンシャンさんにボコられたっすけど…
和ちゃんの気持ちに答えるためにも…いつかは…!」

(麻雀って楽しいですよね。一緒に楽しみましょうっ)ニコッ


モモ「………」カタカタ

鶴賀in

モモ「……むぅー」ジー

ゆみ「…すまん。あのなモモ、一刻も早く和に教えたほうが和も喜ぶと思って…」

モモ「……私が教えたかったす」プイッ


ゆみ「だからこうして謝って…」


モモ「知らないっすー」ツーン

ゆみ「(くそぅ…なんで最近の私はこうも空回ってばかりなんだ…!?)」

清澄in

久「……咲…ごめんなさい。ここ数週間の私はどうかしてたわ」

咲「部長…私こそすみません。昨日、一人で色々と考えたら…
部長に対してひどい態度をとっていたことに気付いたんです」

久「咲…許してくれるの?」

咲「それは私の科白ですよ、部長」


久「許す。許すわ…許すに決まってるわよ」

咲「私も許します」ニコッ

久「…さき」プルプル

まこ「(やれやれ…結果として絆は深まった…か)」コソコソ

和「(あの二人…やはりなにかあったんですね…仲直りしてよかった)」コソコソ

和「(咲さん…桃子さんとも友達になってくれませんかね)」

そして、様々な過程が大分ぶっ飛び

鶴賀in全国会場


蒲原「ここが会場かー。テレビで見るのと生で見るのとじゃ大違いだなー」ワハハ

妹尾「おっきいですねー」

睦月「うむ」


モモ「(来たっすよ和ちゃん……ん?)」


?「………」ジー

モモ「(あの人…間違いないっす…あのバカデカいおっぱい…見間違えるはずがないっす)」

モモ「(私のこと…見えているみたいっすね…)」

?「ふっ…」クイッ

モモ「(ついて来い…ってことっすか…?)」

ゆみ「モモ…?」

モモ「すみませんっす皆さん。ちょこっと別行動を取らせてもらうっす」タッ

ゆみ「おい、モモ…!」

蒲原「まぁまぁゆみちん。女には行かねばならん時があるのだよ」ワハハ

妹尾「どういう時ですか?」

蒲原「わからん」

睦月「………」

モモ「……何の用っすか…鹿児島永水の岩戸霞さん」

霞「あら、私の名前を知っているの?光栄だわ」ニコニコ

モモ「(麻雀も容姿も…一度見たら忘れられないっすよ)」


霞「あなたの名前…教えて頂けないかしら?」

モモ「名前も知らない相手を会話に誘ったんすか?」

霞「実は、知人にあなたとよく似た子がいて気になっちゃってつい…だめかしら?」ジー

モモ「(悪い人じゃなさそう…っすね)」

石戸っすよ

モモ「(怪しいことは怪しいっすけど…私に名前を知られていて
光栄というのも意味不明っすし…悪意は感じないんすけどね…)」ジー

霞「………?」ニコッ


モモ「う……東横桃子っす」


霞「東横桃子…そう…東横桃子…ね…。教えてくれたお礼とお近づきの
記しもかねて、面白い話しを聞かせてあげるわね」ニコッ

モモ「面白い話しっすか?」


霞「えぇ、東横さんは大会のルールについてどう思う?」

>>295
すみませんミスりました脳内変換でなんとか

霞「えぇ、赤アリ一発裏アリのアリアリ…競技麻雀主流の現代でインフレが激しすぎるとは?」

モモ「それは…」

霞「数字よ」ニコッ

モモ「っ!」

霞「視聴率…視聴率よ。まぁたとえるならジャブを沢山当てての判定勝ちより
派手なKOの方が盛り上がる。それが本当の所」

モモ「でも…」

霞「言いたいこと、わかるわよ。偶然に頼らなくてもそれを可能とする
怪物が全国には集うわ。でもね、どんなに強烈な刺激もいつかは慣れるし…イレギュラー要素って大切だと思わない?
もしかしたら、ありえるかもしれない奇跡。それに笑う子泣き伏せる子…見るものを感動させる大切な調味料」


霞「けどね、まだ足りない。まだまだ足りないと運営は判断した…
そしてそれを補うべくある一つの仕掛けを打ったの。かなり…急造だけど」

モモ「…」

霞「今大会にはね…その道では有名な選手が、結構出場しているのよ」

モモ「……その道…っすか?」

霞「えぇ…その道とは…ネットアイドルよ」

モモ「………はぁ?ネットアイドル…っすか?」

霞「ふふふ………さすがネットアイドル界の超新星ね。設定は守りきる、か」ボソッ


モモ「?今なんて…」

?「そこまでだよー!」

?「……敵意はないようだから黙ってみてたけど、無粋な突っ込みは見逃せないよー」ゴゴゴ

モモ「(あの人は…確か…)」

霞「あなたは…そう、私の予想通りだったのね。姉帯豊音さん」

豊音「なんのことだかさっぱりわからないかなー」


霞「…なる程ね…ごめんなさい。先ほどの失言、お詫びするわ」

霞「東横さんもごめんなさいね。急にこんな話しさ
れても混乱するわよね。けど嘘じゃないの。事実なのよ」

モモ「………」

霞「あなたには…信じてほしくて」

豊音「むっ」

霞「そう警戒されると悲しいわ…どうしてかしら…
私って裏でなにか企んでるとかよく邪推されるのよ」シュンッ


モモ「あの…石戸さん」


霞「なにかしら東横さん?」


モモ「……………頭、だいじょうぶっすか?」





霞「………………ふぇ?」

霞「え?え?え?」アワアワ

モモ「いや、え?じゃないっすよ。あんな話し信じられるわけない
じゃないっすか。ユダヤ陰謀論のがまだ説得力あるっす」

霞「そこまで!?」ガーン

モモ「だいたいなんでネットアイドルなんて地下世界の住人呼ぶんすか?
本物のアイドル呼べばいいじゃないっすか?」

霞「あ、あのね東横さん。最近のネットアイドルはすごいのよ。
それこそトップレベルクラスは現実のアイドル顔負けで、それも麻雀の実力もトップクラスなの!すごいでしょ!」


モモ「すごいっすね」シラケッ

霞「発言と態度がまるっきり一致してない!?」ガーン

豊音「(とりあえず…成り行きを見守るよー)」


霞「と、に、か、く!ほんとにほんとなの!それを盛り上げるための予算だって組み込まれてるのよ!
そのせいで男子の大会会場が新宿ロフトプラスワンに急遽変更されたのよ!?」

モモ「………その情報のソースを教えてほしいっす」

霞「それは…ネットアイドルと関係者に秘密裏に」

モモ「はぁ…」

霞「うぅ…!」

霞「そう…!そこまで言うならとっておきの情報を教えてあげるわ」ゴゴゴ


モモ「………」

霞「これは…知り合いのスーパーハッカーから仕入れた情報なんだけど…」

モモ「」スタスタ

霞「ちょ待っ!?ほんとう!ほんとうなのよ!HNともきーっていう凄腕のハッカーが…」

モモ「あのっすね…石戸さん…一度嘘をついたら一生嘘を
突き続けなければならないんすよ」

霞「(年下の子に説教されてる!?)」

モモ「(あれ…この構図…今の…私の科白…既視感が…)」

霞「…ほんとうなのに…ほんとうなのにー…!」プルプル

モモ「(これは…和ちゃんと私が仲良くなるきっかけの…あの日とよく似てるっす)」

モモ「(まぁ似てるってだけで中身は別物っすけど。私のステルスはマジモンっす)」

霞「うぅ…!」プルプル
モモ「(どうして彼女はこんなあからさまな嘘をつくんすかね…気になるっす…それに、何だか可哀想っす)」

モモ「石戸さん…」ポンッ

霞「なによ…なんなのよもぅ…」

モモ「石戸さんの言うこと、信じるっす」ニコッ

霞「(一転して慈母のような笑み!?)」ガーン


豊音「(うわー…)」

霞「う…うぅ…」プルプル

モモ「(あ…あれ?)」

霞「後で教えて欲しいって言っても教えてあげないわよーー!」ダダダダーッ!







豊音「ちょーかわいそーだよー」

モモ「次会った時は…もっと優しくしてあげなきゃっすね」



すみません。切りのいいところで終わらせて下さい

毎度毎度長期保守ありがとうございます。

多分次で終わります

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