ほむら「杏子、幼い子がするような遊びをしましょう」(136)

杏子「なんでだよ……」

ほむら「あなたは幼い頃にまともに遊んだ記憶はある?」

杏子「ん?そりゃあモモと……ままごととか」

ほむら「でも妹さんを気遣って自分のしたいような遊びはしていないんじゃないかしら?」

杏子「ま、まぁそりゃあ貧乏だったし……」

ほむら「私も幼い頃に遊んでいないのよ」

杏子「ん?あぁ、病気か」

ほむら「えぇ、そこであなたと私で幼い子がするような遊びを経験してみましょう!」

杏子「何を思ってそうなったんだよ……」

ほむら「ごたごたが終わって見るとこうして体が自由に動かせることに感動して思いたったのよ」

杏子「なんであたしなんだよ……」

ほむら「暇でしょう?」

杏子(否定出来ない……)

ほむら「というわけで公園にいきましょう!」グイ

杏子「あ、おい引っ張るなって」

ほむら「そうしないと逃げるでしょう?」

杏子「……」

ほむら「……」

杏子「あーもう、わかったよ、やればいいんだろやれば」

ほむら「えぇ、素直が一番よ」

―公園―

ほむら「さてと……何をすればいいのかしら」

杏子「考えてねぇのかよ……」

ほむら「とりあえず砂遊びをしましょう」

杏子「んでいきなり汚れそうな遊びかよ!」

ほむら「目についたのだからいいじゃない」

杏子「はぁ……」

ほむら「砂遊びといえば砂のお城よね」

ほむら「杏子、このバケツに水を入れてきて」

杏子「へいへい」

ほむら「泥だらけになることも汚れも気にせず行くわよ」

杏子(他の遊具で遊ぶガキの目線が……)

杏子「もってきたぞってその道具はなんだ?」

ほむら「へらとかスコップとかその他もろもろよ」

杏子「何で持ってるんだよ……」

ほむら「はぁ……あなたはまだわかっていないのね」

杏子「?」

ほむら「子供は手加減なんてせずに遊ぶのよ」

ほむら「だから初心に戻って本気で遊ぼうって私は言っているのよ」

杏子「それって恥ずかしくないか?」

ほむら「羞恥なんて忘れなさい、子供になるのよ杏子」

ほむら「これぐらいの大きさの砂のお城にチャレンジね」

杏子「お、おう……」

ほむら「まずは形を作っていかないとね」

杏子(本気でへらで形を作り始めてやがる……)

ほむら「杏子?」

杏子「はぁ……わかったよ……」

ほむら「待ちなさい杏子、城というのは砦よ、堀ぐらい必要じゃないかしら?」

杏子「あん?馬鹿野郎、城まで攻められてるならもう勝ち目なんてねぇだろ」

杏子「それよりもこっちの形をもっとシンメトリーにだな」

ほむら「そういうのは任せるわ」

タツヤ「おー」

ほむら「あら、私達の城の出来に釣られて子供がきたわ」

杏子(って気がついたらなんであたしまで熱中してるんだ……)

タツヤ「おしろー」

ほむら「えぇ、お城よ」

ほむら(あれ?この子どこかで……)

ほむら(まぁいいわ、今は童心に帰るのよ私)

ほむら「砂遊びといえばトンネル開通と相場は決まっているわ」

杏子「失敗したら城は終わりだな……」

ほむら「えぇ、慎重にトンネル開通をするのよ」

タツヤ「トンネルー」

ほむら「待っていなさい、今完成された砂遊びの作品というものをあなたに見せてあげるわ」

杏子「ここまできたらしっかり完成させないとな」

ほむら「結構深くまで掘ったわよね……」

杏子「そろそろ開通するんじゃねぇか」

まどか「あ、タツヤ見つけた!」

タツヤ「ねえちゃ?」

まどか「もう、一人で走って行っちゃだめだよ?ってほむらちゃんと杏子ちゃん?」

ほむら「え?ま、まどか!?」

グシャ

杏子「あ……」

ほむら「あ……」

タツヤ「崩れたー」

まどか(も、もしかして私のせい?)

まどか「え、えっと……ご、ごめんね」

ほむら「気にすることはないわまどか」

ほむら「ちょうど次の遊びをしようと思っていたところよ、ねぇ杏子」

杏子「え?あ、あぁそうだな」

ほむら「まずは泥を落としましょう、というわけでまたねまどか」

まどか「え?え?」

杏子「逃げるのかよ……顔まで泥ついてるぞ」

ほむら「まぁ童心に帰って遊ぶ以上程度の泥は諦めなさい」

杏子「まぁ案外楽しかったからいいけどさ……逃げる必要あるのか?」

ほむら「私のイメージの問題よ」ファサ

杏子「それすると泥が髪につくぞ」

ほむら「えぇ、もう遅いわ」

ほむら「そうだわ、子供といえば鬼ごっこよね」

杏子「鬼ごっこか」

ほむら「というわけで鬼はあなたね」

杏子「別にいいけど二人でか?」

ほむら「二人でよ」

杏子「へっタッチされて泥を付けられたからって文句言うなよ」

ほむら「あら、追いつけると思っているの?」ピョン

杏子「っておい!」

ほむら「何?」

杏子「魔法少女の跳躍力使って屋根の上に飛ぶなんてありかよ!」

ほむら「わかってないのね杏子、本気で鬼ごっこをするのよ」

杏子「あーもう、見られてもしらねぇからな!」

杏子(クソッぴょんぴょん飛ばれて方向もランダムだし全然追いつけねぇ)

ほむら「勝てないと思ったらギブアップしてもいいわよ杏子」

杏子「な!そんなわけねぇだろ!」

杏子「おら!」

ほむら「あら、動きが良くなったわね」

杏子「うるせぇ!」

ほむら「体がここまで動くと楽しいものね」

杏子「ちょこまかと!」

ほむら「っ!」

杏子「この!」ヒュン

ほむら「っと」

杏子「しめた!これで鬼交代だ!」タッチ

ほむら「はぁ……はぁ……魔法少女でも疲れるわね……はぁ……はぁ……」

杏子「となり町までノンストップなら……そりゃあこうもなるだろ……はぁ……はぁ……」

ほむら「まぁ結果は私の勝ちよね……はぁ……はぁ」

杏子「はぁ!?どう考えてもお前のあれは卑怯だろ!」

ほむら「タッチされてから相手が逃げるまでの無敵時間が発生するなんてルール知らないわ」ファサ

ほむら「それに結局納得してあなたは追いかけてきたじゃない」

杏子「うっ……」

ほむら「その時点で私の勝ちよ」

杏子「なら次だ!次は私がやることを決める!」

ほむら「いいわよ、なんでも本気で遊んでみせるわ」

杏子「じゃあそうだな、かくれんぼでどうだ」

ほむら「望むところよ」

杏子「範囲はそうだな、もう一回公園に戻るか」

ほむら「そうね、範囲のないかくれんぼはさすがにひどいすぎるわ」

杏子(さっきのお前の鬼ごっこも相当ひどいと思うんだがな……)

まどか「あれ?ほむらちゃん達戻ってきたんだね」

ほむら「えぇ、杏子との勝負のためにね」

杏子「あぁ」

まどか「え?だ、だめだよ喧嘩しちゃ!」

ほむら「じゃあ10数えるからあなたは隠れなさい」

杏子「ってちょっと待ってくれ」

ほむら「なによ……」

杏子「かくれんぼってお前の敗北条件はなんだ?」

ほむら「……ないわね」

杏子「缶蹴りにしよう、蹴られたら負けだ」

ほむら「じゃあくずかごにある缶を持ってくるわね」

杏子「あぁ、頼んだ」

まどか「えっと、どういうことなの杏子ちゃん」

杏子「ん?どうもこうもあいつと幼い子のやる遊びで本気で戦ってるんだ」

まどか(あ、それでお城を……あれ?でも勝負じゃないよね砂遊びって……)

ほむら「もってきたわ、じゃあ10数えるわよ」

杏子「あぁ」

ほむら「いーち、にーい」

杏子「んじゃ私は隠れるからほむらに教えるなよまどか!」

まどか「う、うん」

ほむら「さてと……もーいーかーい」

杏子(誰が返事するかよ……場所がバレルじゃねぇか)

ほむら「……罠にかかるほど愚かではないようね」

ほむら「まどか、杏子を見なかった?」

まどか「え?えーと……」チラッ

ほむら「ふふっありがとうまどか」

まどか「え?え?」

ほむら(チラ見した位置を考えると隠れられる場所はおそらくあのあたり……)

ほむら(残念だったわね杏子!)

ガサッ

ほむら「!?」

ほむら「……」

ほむら(移動していた?それとも何か仕掛けとか生き物がいたとか……)

ほむら(くっ缶から離れられない……)

ほむら「……」

ほむら(いえ、ここで離れないと杏子はでてこない)

ほむら(まどかの視線の先と物音の中間のところを歩いて行く……)

ほむら(これなら双方に注意を向けることができる……)

まどか(なんだか凄い勝負だなぁ……)

まどか(よかったらタツヤと一緒に混ぜてもらおうかなって思ったけど……)

まどか(これじゃあ入ったら邪魔になっちゃいそうだよ……)

杏子「しめた!」

ほむら「な、後ろから!」

杏子「まどかに聞いて目線で私の位置を探るなんてお見通しなんだよ!」ダッ

ほむら「クッ」ダッ

まどか(私ってそんなにわかりやすいのかなぁ)

ほむら「でも足の速さで勝てばいいのよ!」

杏子「勝てると思うなよ!」

ほむら「杏子見つけ」スカッ

ほむら「え?」

杏子「もらい!」カン

ほむら「え?ど、どうして」

杏子「勝手にバランス崩したんだろお前が」

ほむら(間違いなくカンを踏んだとおもったのだけど……)

杏子(幻覚で少し認識をずらしたなんて言ったら怒りそうだな……)

ほむら「まさか負けるなんて……」

さやか「ふんふーん」

ガン

さやか「あ痛!な、なにこれ缶?どこのいたずら小僧だー!」


杏子「やべ、なんか怒って叫んでる人がいるぞ」

ほむら「思いっきり蹴ったりするから」

杏子「逃げるか」

ほむら「待って、まどかに冤罪がかかるんじゃ」

まどか(その前にさっきの声って聞き覚えが……)

さやか「ってあれ?なんか見覚えのある顔が……」

ほむら「だるまさんがころんだ」

タツヤ「うー」

ほむら「はい、タツヤくん動いたわね」

まどか「……」プルプル

杏子「……」

ほむら(まどかはもう少し見ていれば転けそうね……)

杏子(これで缶なんて蹴ってないって言い訳をするにはちょっときついんじゃ……)

ほむら「だーるまさんがーこーろーんだ!」

まどか「!?」グラッ

ほむら「まどか、アウトね」

まどか「いきなり速くなるなんてずるいよぉ」

ほむら「勝負とは非情なものなのよ」ファサ

杏子「……」

ほむら(さすが杏子ね、歩くポーズで足をあげていても微動だにしない……)

さやか(なにこれ……)

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「だるまさんがころんだ!」

まどか(早い!)

杏子「!」

まどか(これでもダメというのね……)

さやか(なんか声かけづらい……)

ほむら「だるまさんがころんだ!」

杏子「……」

ほむら「はぁ、ここまで近づかれては完敗ね」

杏子「まぁな」

ほむら「あ、動いたわね杏子」

杏子「な!お前ずるいぞ!」

ほむら「動いたら負けなのに動くのが悪いのよ」

まどか「あはは」

さやか「あのーあんたら何してるの?」

ほむら「見ての通りだるまさんがころんだよ」

杏子「あぁ、だるまさんがころんだだな」

まどか「うぇひひ、だるまさんがころんだだね」

タツヤ「だるまさんー」

さやか「あのさぁ、こっちから缶が飛んできたんだけど」

ほむら「大丈夫?缶は空を飛ばないわ」

杏子「そうそう、自分でコーラを飲んで上にでも投げたんだろ?」

さやか「杏子、なんでコーラの缶ってわかってるのかなぁ……」

ほむら「杏子の馬鹿!」

杏子「やべ、逃げるか」

ほむら「待ちなさいさやか!」

さやか「何?」

ほむら「今私と杏子は小さい子がするような遊びで戦っているのよ」

ほむら「さっきはまどかもいたけど……」

まどか「うぇひひ、久しぶりにやってみたら楽しかったよ」

ほむら「ということで影踏みをしましょう、鬼はさやかね」

杏子「お、いいなそれ」

さやか「は?何言って」

ほむら「じゃあスタート」ダッ

杏子「範囲は見滝原全域な」ダッ

さやか「ちょ、広すぎでしょ!逃げるんじゃないって早!」

まどか「すごいよね二人共」

さやか「まったく、素直に謝れば許すのに……」

ほむら「撒いたわね」

杏子「あぁ、まどかにはわるいことをしたな」

ほむら「大丈夫よ、まどか相手ならさやかは何もできないわ」

杏子「で、次は何をするよ」

ほむら「乗ってきたみたいね」

ほむら「あ、これはシロツメクサ」

杏子「それがどうしたんだ?」

ほむら「これをこうしてこう……えい」ピュン

杏子「うおっあぶねぇ」

ほむら(当たっても怪我なんてしないけどね)

杏子「ってその遊びはなんか盛り上がりにかけないか?」

ほむら「そう?じゃあそうねぇ、落とし穴でも作ってみる?」

杏子「勝負じゃねぇな、というか突然どうしてだよ」

ほむら「子供の頃、落とし穴って作ってみたいって思わなかった?」

杏子「んーまぁ人が入るような穴を掘ろうって時点でやる気にはならなかったな」

ほむら「そう、でも今の私達なら可能よ」

杏子「まぁいいか、おもしろそうだし」

ほむら「じゃあ早速樹の枝と葉っぱを集める必要があるわね」

杏子「ん?するどい竹じゃねぇのか?」

ほむら「それを実行したら殺人になりかねないわよ……」

杏子「それもそうだな、なんか一緒にイメージしちまって」

ほむら「まさかこんなに早くできるなんて思わなかったわね……」

杏子「あぁ、それでこの落とし穴どうするんだよ」

ほむら「どうするって……放置したら危ないわよね」

杏子「でも自分たちでかかるのもなんかなぁ……」

ほむら「おちても大丈夫な設計にはしてあるけど……」

杏子「うーん……」


マミ「あら?佐倉さんと暁美さんじゃない、こんなところにいるなんて珍しいわね」スタスタ

ほむら「え?マミ!?」

杏子「あ、おいこっちに来るなマミ!」

マミ「え?な、なんd」ズボ

ほむら「……」

杏子「……」

マミ「これは何?」

ほむ杏(やばい、絶対説教される……っていうか穴から首だけ出てて生首みたいで怖い……)

ほむら「マミ、警泥っていう遊びを知っているかしら?」

マミ「えぇ、それが?」

杏子(すっげぇ怒ってる……)

ほむら「今私と杏子は悪いことをしてしまったわ、だから泥棒よ」

ほむら「一方あなたはそんな私達を捕まえる正義の警察官」

ほむら「ということで私達は逃げるわね」

マミ「そう……」

ほむら「行くわよ杏子!」ダッ

杏子「おう」ダッ

ガシ

ほむら「あ、あれ?」

杏子「う、うごけな……」

マミ「ふふふっ二人共捕まえたわ……悪い泥棒さんにはお仕置きが必要よね」

ほむら(リボンを忘れてた!)

杏子(ほむらも私も縛られたらなにもできねぇ!)

マミ「さてと、皆でお風呂に入って泥も落ちたし」

ほむ杏(説教タイム……・)

マミ「いい?二人共、まだ私がかかっただけで済んだからよかったけど」

マミ「もしも他の人がかかっていたらこんなものじゃすまないのよ?」

ほむ杏「はい……」

マミ「今日迷惑をかけた人皆にちゃんと謝りなさい」……」

ほむら「まどか、さやか、ごめんなさい」

杏子「悪かったよ」

まどか「あ、ううん、タツヤと遊んでくれたから私も助かったよ、私も参加できるようなものなら楽しかったし参加したいなって」

まどか「タツヤもとっても喜んでたから相手してあげてくれても嬉しいなって」

ほむら「え、えぇ!是非いっしょにやりましょう!」

さやか「なんかほむらがそういうことを考えてたって意外かも」

ほむら「動かなかったものが動くようになると色々したくなるのよ、上条くんに聞いてみてもわかってもらえると思うわ」

マミ「もう、謝っているようにあまりみえないけど……まぁいいわ」

マミ「さてと、ケーキと紅茶をを出すわね」

ほむら(マミってケーキを出さないと落ち着かないぐらいケーキを常に作ってるのかしら……)

マミ「はい、鹿目さん」

まどか「あ、ありがとうございます」

マミ「はい、美樹さん」

さやか「ありがとうございますマミさん」

マミ「で、暁美さんと佐倉さんにはこれ」

ほむら「二人分だけどお皿が1つ?」

マミ「佐倉さんと幼い子がする遊びを本気でするのでしょう?」

マミ「それなら是非新婚夫婦設定でおままごとでもやってみて欲しいと思ったのよ」ニコニコ

ほむら(説教の空気じゃないからってあんまりよ……)

杏子(新婚夫婦のおままごとって晒し者じゃねぇか……)

ほむら「ほ、ほらあなた、あ、あーん」

杏子「あ、あーん」パク

杏子「や、やっぱり君の食べさせてくれるケーキは最高だね」

杏子(なんでこんな事に……・)

さやか「ぷっくく……」

ほむら「や、やだもーそんな風にいつも調子いいんだからー」

ほむら(せめてまどかが相手なら……)

まどか「わ、笑っちゃだめだよさやかちゃ……ふふ」

マミ「ふふっ二人が楽しそうでよかったわ」

ほむ杏(誰か助けて……)




終わり

ほむらちゃんと杏子ちゃんを遊ばせたかったんだけど
幼い子がする遊びって鬼ごっこ系列とかくれんぼ系列とおままごとぐらいしか浮かばなかったっていう
昨日はごめんなさいおやすみなさい

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