竜華「五人揃って!」(147)

全国大会決勝戦当日 阿知賀女子控え室

晴絵「……遅い」イライラ

晴絵「もう試合開始30分前だってのに…誰も会場入りしていない」

晴絵「私より1時間も早くホテル出たはずなのに…」

晴絵「電話かけても誰も出ないし…何してんだあいつら…」

晴絵「まさか何か事件に巻き込まれて…?」

ドンドンドン!!

運営「すみませーん!阿知賀女子さーん!そろそろ試合開始なんですけど宜しいでしょうかー!?」

晴絵「あっ、はーい!」

運営「え… 誰も来ていない…?」

晴絵「あ、あの!ちょっと遅れてるだけですから!もうすぐ揃いますんで!」

運営「困りますよーどうするんですか? 監督不行届きですよねえ?」

晴絵「はあ…すみません」

運営「このままじゃ最悪、試合放棄になりますよ… 少なくとも今日の試合は中止ですね」

晴絵「そ、そんな!」

運営「集まったたくさんのお客さんにマスコミにTV中継… 損害賠償も大変なことですよ」

運営「とりあえず、謝罪会見の打ち合わせに来ていただけますか」ガシッ

晴絵「え、ちょ、そんな!誰か!誰か助けてー!」


「待てーい!!」


晴絵「!」

ガラッ

竜華「おもちドラゴン!」シャキーン

洋榎「あったかお姉ちゃん!」シャキーン

初美「ツインテール巫女!」シャキーン

怜「おかっぱジト目!」シャキーン

恭子「凡人大将!」シャキーン


五人「五人揃って!」


五人「阿知賀女子麻雀部!」ジャーン

運営「あ、揃ったみたいですね じゃあ時間通りにオナシャスー」タッタッタッ

竜華「さあ!今のうちに逃げるんや!早く逃げるんやー!」

晴絵「ありがとー!」

晴絵「…ってオイ」

竜華「?」

晴絵「違う」

洋榎「えっ」

晴絵「お前らおかしい」

晴絵「何?お前ら何?」

竜華「阿知賀女子」

晴絵「…阿知賀女子じゃないよ。お前何?誰のつもり?」

竜華「……玄ちゃんです!」ビシッ

洋榎「五人揃って!」

五人「阿知賀女子!」ジャーン

晴絵「ちょ待てや!待て待て!」

晴絵「…お前は何?」

洋榎「宥やで」

晴絵「お前は?」

初美「憧ちゃんですよー」

怜「…灼や」

恭子「穏乃ちゃ…穏乃です!」

竜華「五人揃って!」

五人「阿知賀女子!」ジャーン

晴絵「違う違う!違ーう!」

洋榎「?」

晴絵「おかしいやないか!何で千里山が2人に姫松が2人やねん」

初美「……」ニヤリ

晴絵「いやお前も永水だし」

竜華「あのー、だからウチらそのー、千里山とかそういうんやないんで」

晴絵「いや、他校の生徒だろ!」

竜華「一人一人の個性見てもらいたいから」

晴絵「いやいや、そんなのわからへんやん!」

晴絵「そんなもんお前、ちびっこは見た目やで!」

晴絵「っていうか!大人でも見た目だろっていうか一目見て別人だろお前らは!」

竜華「でもそれは、努力でなんとかなっていくと思うし」

竜華「彼女なんかも凡人大将言うてますけど、これから凄い化ける可能性もあるんで」

晴絵「いや、いい、いい!そんなんどうでもいい!」

晴絵「別人の段階でもう成立してへんから!」

怜(この監督、関西弁になってきとるな…)

恭子(しかもこちらのノリに付き合ってくれている…)

初美(なかなかやるですよー)

洋榎(気のせいかちょっとクチビル厚うなってへん?)

晴絵(何やってんだこいつら…)

晴絵(服装こそ全員阿知賀の制服、うちの子らと同じ格好だが…)

晴絵(誰がどう見ても千里山の清水谷竜華、園城寺怜、姫松の愛宕洋榎、末原恭子、永水の薄墨初美)

晴絵(ていうかあのマフラーとかネクタイとかシズジャージとか、明らかにうちの子のやつだろ)

晴絵(うちの子たちが来ないことと関係…ないわけないよな)

晴絵「…他校の生徒がこんなところで何やってんのよ?うちの子たちは?何かあったの?」

五人「…?」

晴絵「…その「何言ってんだコイツ?」って目線はやめなさい」

竜華「五人揃って!」

五人「阿知賀女子!」ジャーン

晴絵「だーかーらー!!質問に答えろやコラァ!!」

―控え室前―

恒子「ほらすこやん!今だよ!入るタイミング!」

健夜「わ…私はいいって…」

恒子「颯爽と現れて『そして私が阿知賀女子監督、れじぇんど☆すこやん!』でしょ!」

恒子「それで監督さんに『なんでやねーん!』って突っ込んでもらって、大団円の台本どおり!」

恒子「…って、ちょっと!着替えてないじゃない!」

健夜「あ…あんなはやりちゃんの2Pカラーみたいな服、恥ずかしいもん…」

恒子「すこやんが阿知賀の監督さんに会いたいっていうから、自然に乱入できる作戦考えたんじゃない!」

健夜「大会終わったらって言ったよね!?今朝すぐなんて言わなかったよね!?」

恒子「あの子たちの他にも協力してもらってるんだから!もう後には引けないよ!」

健夜「ううう…」

―昨日―

健夜「間違いない…赤土晴絵さん、あのときの…」

恒子「どしたのすこやん?さっきから阿知賀の資料ばっかり見て?」

恒子「気になる選手でもいたー?」

健夜「あ…えっとね、選手じゃなくて監督さんなんだけど」

健夜「昔私がインターハイで対戦した人かも…」

恒子「あー、準決勝の時言ってた、跳満くらったっていう人ー? 監督やってたんだー」

健夜「…会いたいな…」ボソッ

恒子「すこやん?」

健夜「あ、あれっきりお話もできなかったし、できたら一度会ってお話したいなあ…って」

健夜「でも、迷惑だよね…私なんかが…」

恒子「すこやん…」

恒子「よし!私に任せて!段取り組んであげるから!」

―そして現在から1時間ほど前―

穏乃「ついに来たね!決勝戦!」

宥「赤土先生置いて先に来ちゃったけど…いいのかな…?」

灼「大丈夫、許可はもらってあるから」

憧「そうそう!一刻も早く決勝の舞台を見たかったし!」

玄「みんな気持ちを抑え切れなかったんだよねー」


咏「おーっと君たち!阿知賀女子だよね!ちょろんとお話聞いてもいいかい!?」

五人「!?」

咏「うたちゃんえりちゃんの、突撃!試合直前インタビュー!!」

えり「あ、あはは…」

憧「み、三尋木プロと…そちらは…」

えり「アナウンサーの針生えりです 2回戦まで阿知賀女子さんの試合実況させていただきました」

玄「あ、それはどうも…」

咏「今ちょうど、決勝進出校の直前の意気込みを聞いてまわっているんさ!決勝の合間に映せるようにね!」

咏「ちょっと別室でお話聞かせてもらえるっかな?」

穏乃「は、はい!そういうことなら喜んで!」


えり「い、いいのかなあ…足止めするだなんて…」

咏「すこやんのおごりで高級焼肉食べ放題って言われたら断れないっさね~」

えり「それ、本人じゃなくて福与アナが言ったんですけどね…」

咏「裏メニューでレバ刺し出るって聞いて真っ先に釣られたのはえりちゃんだぜぃ~?」

えり「うう…それを言われると…」

―別室―

穏乃「はい!旧友の和と戦うためにがんばってきました!」

咏「ほおーう まさか清澄の原村和と知り合いだったとはねー」(知ってた)

憧「もちろん戦うだけじゃなく、勝つために!優勝が目標です!」

咏「いいねいいねー」

咏「じゃ、ちょっと衣装チェンジしてみようか!」

宥「衣装?」

咏「景気づけに撮影会だっ!いっぱい衣装用意してるから!魔法少女とか!」

灼「し、試合前なんですけど…」

咏「大丈夫だって!そちらの監督さんに話は通してあるっからさ!」(嘘)

灼「うーん、それなら…まあ…」

玄「楽しそー」

咏「着替えたかいー?」

五人「はーい」

咏「よーし写真撮影だー!隣にスタジオ用意してるから移動して!」

ゾロゾロ

恒子「ほら今のうちだよ!更衣室入って阿知賀の制服ゲット!」

ニセ阿知賀「ラジャー!!」

恒子「ご協力、どうもです!」

咏「おーう、報酬よろしくなー」

えり「あれだけの選手を集めるなんて… 焼肉って恐ろしい…!」

咏「決勝に出ないから皆ヒマだったんじゃねー?私らもだけどさー」

え・・・姫松、準決勝で負けてしまったん??(´;ω;`)

>>30
決勝に出てたらこんなことやってる暇がないってことでひとつごめんね

―そして現在―

恒子「もういいよ、その私服でいいから出ようよ!」

健夜「で、でも… できれば顔を隠せる服とか…ないかな…」

恒子「何言ってるの!?会いたいのに顔合わせたくないとか!」

健夜「だ、だって… その…恥ずかしいし…」

健夜「…もう私のこと覚えてないかもしれないし…」

健夜「……嫌われてるかもしれないし……」

グズグズ

恒子「あーもう!じゃあ服探してくるから!待ってて!」

晴絵「あのなあ…ふざけてる時間は無いんだ あと30分くらいでうちの子たちが来ないといろんな所に迷惑がかかる」

晴絵「何か知ってるなら…教えてくれないか」

竜華(ど、どないしよか…)

初美(もうとっくに小鍛冶プロが入ってくるはずですよー…)

洋榎(何をモタモタしてんねや…)

チラッ

恒子(引き伸ばしてーもうちょい引き伸ばしてー)

五人(引き伸ばしのジェスチャー!?)

怜(……ハァ)(溜息)

恭子(仕方ないですね)

五人(焼肉のため…了解!)コクッ

竜華「五人揃って!」

五人「阿知賀女子!」ジャーン

晴絵「あーもう!」

晴絵「はあ… わかったよ」

晴絵「そんなにお前らが別人じゃないって言うのなら、」

晴絵「一人ずつ具体的に違うところ指摘していくから、それで認めなさい」

五人「!」

晴絵「認めたら、どうしてこんなことしてるかちゃんと話してもらうわよ」

晴絵「こっちも遊びじゃないんだ、容赦しないからね」

初美(これは…勝負ですよ…)

恭子(ごまかしきって…時間を稼ぐ…)

竜華(望むところや…!)


晴絵「まずわっかりやすいところで……宥」

洋榎「なんや…なんですか?」

晴絵「さっきから汗だくだぞ、お前」

晴絵「冬服でマフラーで手袋までして…暑いだろ?」

洋榎「そ、そんなことあらへ…ないですよ…」ダラダラ

晴絵「無理するなって」

洋榎「むしろもっとあったかくなりたいぐらいやで!」キリッ

恭子(あっ…)

怜(アホ…)

初美(墓穴ですよー)

晴絵「ほーう じゃあ玄、いつものあれやってあげなよ」

竜華「い、いつもの?」

晴絵「「おねえちゃんのおもちあったかーい」って胸に抱きつくやつ」

竜華「!」

洋榎「!」

洋榎「だ…抱きつく…」

竜華「む…胸に…」

洋榎(ど…どうすんねん… 抱きつくんか…?)チラッ

竜華(べ…別に緊張することはあらへん… 玄ちゃんなら日常茶飯事や…)チラッ

バチッ

竜華(! うわー思いっきり目が合った…)カァァ

洋榎(なんやねん!何を顔赤くしてんねん!意識してまうやろ!)ドキドキ

晴絵「どうしたー?できないなら無理しなくていいぞ別にー」

洋榎「え、ええですよ!やりますよ!」

洋榎「玄ちゃん、おいで!」

竜華(ええの!?ええんやな!?)ヒソヒソ

洋榎(しかたないやろ!思い切って来んかい!)ヒソヒソ

竜華(ほ、ほないくで!?)ヒソヒソ

竜華「う、うわー、おねえちゃんのおもちあったかーい」(棒読み)

ペタン

竜華「おや?」

竜華「お、おねーちゃんの…」

ペタペタ

竜華「おもち…?」

ペタペタ

洋榎「う…うぐ…」

洋榎(そ…そない何回も顔をペタペタすんな…アホ…)

初美(あったかいのと違うダメージが来てるですよー)

恭子(耐えて!我慢してください主将!)

洋榎(こんなん耐えられるか!だからウチはポニテの穏乃ちゃん役がええ言うたやんけ!)

恭子(お姉ちゃんが主将しかおらへんかったんですから仕方ないやないですか!)

竜華「うわー、おもちーおもちー」(棒読み)

ペタンペタン

洋榎「もう……ゴメンナサイ…」

顔?

>>57
顔を(胸に)ペタペタすんな…
てことで

晴絵「…ギブアップか」

洋榎「…………」ズーン |||orz

怜「落ち込んでもーたな」

初美「この人なかなか手ごわいですよー」


晴絵「次…憧」

初美「は、はいですよー」

晴絵「さっき自分のこと「ツインテール巫女」って言ってたけど」

晴絵「憧が巫女だっていう情報、どこから仕入れたの?」

晴絵「別にそんなキャラは見せてなかったはずだが」

晴絵(神社の娘っていうだけで巫女じゃねーし)

初美「うっ…」

初美(福与アナに聞いたとは言えないですよー)

初美「や、やだなー私は憧ちゃんですから知ってて当然ですよー」

晴絵「ほう… じゃ、何か神様降ろしてみて」

初美「!」

晴絵「巫女さんならできるんだろー?」

晴絵(永水の巫女なら何かやりかねんが… できた時点で逆にダウトだ)

晴絵(憧がそんなのできるわけないしな…)

初美(ど、どうするですよー…)

初美(はっ!そういえば!)

初美(福与アナに見せてもらった極秘取材資料には、「神社の娘」としか書いてなかったですよー!)

初美(それに神様を降ろせるなら、今までの試合でもとっくにやってるはずだし、)

初美(降神してたら私達永水が気付かないはずないです!)

初美(そして、それをあえてここで聞いてくるってことは…)

初美(ずばり!「神様を降ろせる」はフェイクですよー!)

初美(つまり…)

初美(ここは神様を降ろすフリだけして、「できないですよー!」が正解です!)

晴絵「どうしたー?やらないのかー?」

初美「や、やりますよー!」

初美(適当にフリだけ…)

初美「うーん、うーん」

晴絵(お…本当にやる気か…?)


??(おーい、はっちゃんはっちゃん)

初美(?誰ですよー?)

??(オレオレ、まいど)

初美(あ、あなたは私にいつも憑いてる、脱げば脱ぐほど麻雀が強くなる神!)

初美(何の用ですよー!?)

脱神(いやー、またはっちゃんに降りたいなーって思ってたら、)

脱神(降神の所作やってるのが見えたんで来ちゃった)

初美(今忙しいんですよー!あなた長野で有望な降り先見つけたからしばらくいいって言ったじゃないですかー!)

脱神(かたいこと言うなってー ちょっとだけにするからさー)

初美(あ、ちょ、やめ…)

脱神(いくでー)

脱神「降臨!」


バサパサッ


初美「あ…」

恭子「制服が… ひとりでに全部脱げた…」

怜(…いつものあいつや)

晴絵「…それが、神様降ろした結果?」

初美「……」

晴絵「……」

初美「……」

晴絵「…薄墨初美だよな、お前?」

初美「……ゴメンナサイ」

晴絵「次、玄は…」

竜華「…………」ドキドキ

晴絵「雀卓用意するから、ちょっと一局打とうか」ゴトッ

晴絵「玄だったら当然ドラが集まるし、私にドラは来ないよな」

竜華「あー…でも今ちょっと調子が…」

晴絵「何言ってんの、ドラが来ないならまたドラゴン復活の儀式やらなきゃいけないだろ」

竜華「ぎ…儀式…」チラッ

怜(こっち見られても…)

初美(そんな儀式知らんですよー)

晴絵「ほらほら早く!」

竜華(だ、大丈夫や…落ち着け私)

竜華(玄ちゃんほどピンポイントにドラ縛りやなくても…私かて場の支配には自信ある…!)

竜華(二人打ちの一局勝負でドラを渡さへんくらいなら…なんとかやったる!)

竜華(やったるで… 全ての牌は私の膝の上や!)


対局中…

竜華(ほーら、ドラちゃーん おいでおいでー)

竜華(りゅーかちゃんの膝枕やでー)

竜華(よってらっしゃーい あったかいでー ぽよんぽよんやでー)



晴絵「はい、ドラツモった」

竜華「ああん」

怜「もう!竜華のドアホ!もうちょっと粘れや!」

竜華「だ、だって!無理に決まってるやん!玄ちゃんやないんやから!」

怜「さっき自信ある言うたやんけ!何が「全ての牌は私の膝の上」や!テキトーこいて!」

竜華「うう…」

怜「竜華の膝枕は… 私のもんやっちゅーねん…」

竜華「!」

竜華「…怜…」

怜「竜華…」

恭子「あの、お二人さん?」

晴絵「おーい」

竜華「あ、すみません、取り乱しました」

晴絵「さて…じゃあやる?ドラゴン復活の儀式」

竜華「あー…えっと…」

竜華「そ、それじゃ7つの星が入った球を捜しに行ってきますんで…」

晴絵「待てや」

晴絵「そういうのもういいから まさか儀式のやり方知らないんじゃないよなー?」

竜華「うっ」

竜華「し、知ってますって!まずはドラゴンオーブをぷーさんに渡して…」

晴絵「……」

竜華「……」

竜華「き、今日はこのくらいにしといたるわ!」

怜「めだか師匠かーい!」バシン

晴絵「……はい次」

晴絵「じゃあ、灼」

晴絵「あんたもここ座って、ちょっとリーチしなさい」

怜「り、リーチ? 一局打てってことですか?」

晴絵「打たなくてもいいわ リーチの振りだけでいいから」

怜「そ、それでいいならやりますけど…」

怜「リー…、はっ!」


…一巡先…

晴絵「その点棒立てるリーチは園城寺怜だろうがーー!!!」

…未来視終…

怜(見えた… 危ない危ない、いつもの私のリーチするとこやったわ)

怜(それが狙いやったか…、あかん、灼ちゃんのリーチを真似せんと…)

怜(…でも灼ちゃんのリーチってどんなんや…?別に普通やったと思うけど…)

怜(あえてここで言うてくるくらいやから、ほんまはもっと特徴ある必殺のやつが…?)

怜(何か…何かないんか… 灼ちゃんのバッグの中とか…)

ゴソゴソ

怜(!これや!)


怜「いきます… リーチ!」

ゴトッ

竜華「あ、あれは…」

恭子「点棒じゃなくて…ボウリングピンを立てた…?」

どっかで見たぞこれ

晴絵「……」

怜「……」

晴絵「…何?これ…」

怜「……」

晴絵「……」

怜「…ボウリングの…ピンです…」

晴絵「……」

怜「……」

晴絵「……」

怜「……ゴメンナサイ」

>>97
たぶんそれ書いた人です

激ファイト!亦野VSウルトラ灼

晴絵「最後、穏乃」

恭子「はい…」

晴絵「シズのジャージ着てわざわざポニテにして…そこまではいいが」

晴絵「その赤いリボンは何?」

恭子「うっ…」

恭子「こ、これは決勝への意気込みで!」

晴絵「そうか…ならそれもまあいい」

恭子(…ホッ…)

晴絵「でもシズだったらスパッツは脱げよ」

恭子「!」

晴絵(スパッツ脱いだら絶対ジャージの丈が足りないよな… シズならそれでも脱ぎそうで怖いけど)

恭子「い…いや… え…そんな…」

怜(なんや!それくらい我慢せえや!洋榎よりマシやろ!)

初美(そもそもなんでスパッツなんて穿いてきたですよー!)

恭子(だって…穏乃ちゃんのジャージ小さいんやもん!…見えてしまう…)モジモジ

洋榎(お前だけでもがんばれや!後がないねん!)

恭子(あきませんって!丸出しになれ言うんですか!?)モジモジ

晴絵「ほーらほーらー なんなら私が脱がそうかー?」フヒヒヒ

竜華(悪い顔をしている…)

恭子(メゲるわ…)

晴絵「シズはメゲても絶対諦めないぞー」

恭子「心の声を読まないでください!」

晴絵「ていうかもう脱がしてやるからこっち来いよフヒヒ」ジリジリ

恭子「うう…こっちに来ないでください…」ジリジリ

怜(もう…間が持たへん…)

初美(限界ですよー…)

洋榎(早く来てーや…小鍛冶プロ…)


ガラッ


全員「!」

五人(やっと来た!)

健夜「あ…あの…えっと…」


竜華(え…?)

晴絵(…なんだあれは…?)

竜華(…カエルの被り物…?)

恭子(でっかいお盆持って…上に乗せてるのはジュースやろか…?)


健夜「こ…こんにちは…」

健夜「わ、私は優しいカエルさんだぴょん」

健夜「あ、阿知賀のみなさんにお飲み物の差し入れだぴょん…」


五人(うわぁ…)(ドン引き)

晴絵(またワケワカランのが増えた…)

健夜「お、オレンジジュースです…ぴょん。どうぞ…」トテトテ

洋榎(…アレ、小鍛冶プロやんな?)

恭子(そうやと思いますが…)

洋榎(あんな被り物してたら顔が見えへんやん…)

初美(なぜ顔を隠してるですよー)

怜(ていうかあんなもん被ってたら…)

竜華(うん、足元見えてへんのんちゃう…?)


健夜「あっ」コケッ


バシャ


初美「あ…」

恭子「監督さんが…ジュースまみれに…」

健夜「あ……」

晴絵「………」ブルブル

晴絵「…ぜ…」

晴絵「 全 員 正 座 ー ! ! 」

六人「ひいいいい!」


晴絵「全く!決勝戦前の大事な時間になんなんだお前らは!」ガミガミ

晴絵「もう早くうちの子たち連れてきなさい!こっちは本気で心配してるんだから!」ガミガミ

晴絵「それからカエルのお前!この濡れた服どうしてくれるんだ!」

晴絵「ていうかいい加減に顔ぐらい見せろ!いつまでそれ被ってるんだ!」グイッ

ガバッ

健夜「あっ」

晴絵「あっ」


…………………(気まずい沈黙)



―とても描写できないほどの酷い気まずさのため、キングクリムゾン―


―その夜 高級焼肉屋―

穏乃「うう…結局優勝できなかった…」

洋榎「ええやんか!結果はしゃーないけど、自分ら大健闘やったで!」

怜「そやでー、ええ勝負やったわ」

玄「や…やっぱり私がもっと落ち着いてたら…」

恭子「朝ちょっとドタバタしたしなー それは申し訳なかったわ」

竜華「着替えが間に合わなくて、結局コスプレ衣装で先鋒戦やったもんなー」アハハ

怜「それは竜華がモタモタしとったからやろ」ボソッ

竜華「うっ…ごめん…」

憧「ま、まあ、いい試合できたのはみんな納得してるし、気にしないでください!」

初美「みんな一緒に残念会ですよー!」

ワイワイ

宥「あ、そういえば赤土先生は?」

灼「小鍛冶プロもいない…」

咏「あー、あの二人はここには来てないぜー」

えり「二人きりで話したいって、別の店に行きましたよ」

灼「そう、なんですか…」

恒子「まあ積もる話もあるだろうし、たまにはゆっくりさせてあげなよー」

灼「……はい」

怜(あんな最悪の再会からよく二人で話す気になったもんやな)

恭子「え、じゃあここの支払いは?小鍛冶プロのおごりって話じゃ?」

恒子「えっ」

全員「えっ」

全員「…………………」

全員「…………………」アイコンタクト

全員(……了解!)コクン

全員「福与アナ、ゴチになります!!」

恒子「うそー!!」


カン

あ、オチだった……
ごめん

おわりです 読んでくれた人ありがとう
レジェすこがまともに話すとシリアスになりそうだったので今回はこんな感じで。

>>102-103
たぶんそれも書いた人です 読んでくれてありがとー
>>122
気にせんといてー

―居酒屋―

健夜「あ、あの… 今日のことは本当にゴメンナサイ…」

健夜「私の個人的な希望で、迷惑をかけてしまって…」

晴絵「…いいですよ 大体わかります」

晴絵「あのアナウンサーにそそのかされた感じでしょう?」

晴絵「あなたのことはよく知ってます… 性格も、打ち筋も」

晴絵「あんな目立つことを積極的にやりたがる人じゃないですもんね」

健夜「こ、恒子ちゃんは… 悪い人じゃないの…」

健夜「私が、はっきりしなかったから…」

晴絵「…そういうところも、わかってますよ」

健夜「あなただけじゃない…あなたの生徒さんたちにも、」

健夜「申し訳ないことをしてしまいました…」

晴絵「…まあ確かに」

晴絵「決勝戦前で集中したかった時に、集中できなかったのも事実です」

晴絵「特に先鋒の玄は、あの慌しさに飲まれてちょっと集中できてませんでしたね」

健夜「……本当にごめんなさい!……」

晴絵「…でも、あの子たちはこうも言ってるんですよ」

晴絵「あなたの集めた偽者の阿知賀女子たち…」

晴絵「あの子たちがずっと控え室に居てくれたおかげで、」

晴絵「凄く励まされたし、力になったって…」

健夜「あ、集めたのは恒子ちゃんですけど…」

晴絵「でも、最初の予定ではあなたがあの子たちの監督だったんでしょう?」

健夜「は、はい…」

晴絵「結果は負けでしたし、朝の騒ぎの影響がどれだけあの子たちにあったかはわかりませんが」

晴絵「決勝戦が終わった時のあの子たち、すごくいい顔をしてました」

晴絵「…ですから、もう迷惑もお詫びも無し!ってことで!」

健夜「……ありがとうございます……」

晴絵「そうそう、もうひとつ、」

晴絵「あの子たちから伝言を預かっているんです」

健夜「…阿知賀女子の皆さんから…?」

晴絵「いえ、ニセモノ阿知賀の子たちからです」

健夜「!」

晴絵「『楽しかったです。またこんな機会があったら、次はしっかりしてくださいね!』」

晴絵「『小鍛冶"監督"へ』」

健夜「!!」

晴絵「…ということで、これは私から」

スッ

健夜「これは… フリー参加の麻雀大会の申込書…?」

晴絵「…私もただ昔話をするために、トラウマ相手さんに会いに来たわけじゃありません」

健夜「……」

晴絵「私達阿知賀女子麻雀部は、今度この大会にエントリーしようと思っています」

晴絵「そこで…小鍛冶プロにお願いがあります」

晴絵「ニセモノ阿知賀の子を率いて、この大会に出場していただけませんでしょうか!」

晴絵「お願いします!」

健夜「で、でも私は一応プロで…」

晴絵「監督の立場ならプロ参加も大丈夫な大会をちゃんと選んでいます」

健夜「うう~」

晴絵「聞いてください」

晴絵「全国大会を経て…昔これなかった場所に連れてきてもらって、」

晴絵「もうひとつ…私の心に残ったことがあります」

晴絵「小鍛冶プロ… 私はあなたに勝ちたい!」

晴絵「勿論いずれは、あなたと対等に打てる立場に立って、」

晴絵「自分の力であなたに勝ちたいと思っています」

晴絵「でも…今の私には、」

晴絵「ここまで育ててきた、大事な教え子たちがいます」

晴絵「私の力だけでなく、あの子たちの力をもっとあなたにも見てほしい!」

晴絵「それも含めて、私の歩いてきた道だから!」

晴絵「あなたには私の全てをぶつけたい!受け取ってください!」


店員(…あれ告白だよな…?)

. / /: :.,ィ: : : : : : : : : : : : : : : \i
/ / / i: : : : : : : : : :i: : : : : : : :.\
__i /  /: : : : : : : ;ィ: :}: : : : : : : : : : :.
 i 「`7 /!: : : :∠」_ ハ: i: : : : : : : : :i

=-x /// : :/   ! 「 卞}: : : : : : : : :}
::::i.   / / ==ェx、_ i/i: : : : : : : :/
:C        !::::::::::「ヾ' i: : : : :..:/
''′      |::::::::C  /イ: : :/
        ∨::::ソ i,厶イ\

          ̄`  .!: : / \\
             }: :.!   )::)   阿知賀の監督やるやん
  /\        ノ|: .:| // 
;,、  ̄ ̄   _,,   <  |: :.!//
    | ̄           !: :|/
    |∧           |: :|
ヽ_,/   ',__        |: :i
_/ ヘ    .i  \.    !:/
》ェ≪    |    \   /
.|| || 》__/     `ヽ

.|| |〃 ̄`ヾ      ハ

健夜「赤土さん…」

健夜「私なんかのために、そこまで…」

健夜「私と麻雀打った人は、いつも私を避けるようで…」

健夜「そんな風にぶつかってきてくれる人なんて、いままで居なかった…」

健夜「…嬉しい!…」

健夜「わかりました!全力でお応えします!」


店員1(…あれ告白の了承だよな…?)

店員2(…本人同士が気付いてなけりゃしょーがないんじゃないっすかねー)

健夜「あ、でも、」

健夜「にせもの阿知賀の子たちは了承してくれるでしょうか…?」

晴絵「小鍛冶プロのお誘いにNoと言う奴なんかいませんよー」カッカッカ

晴絵「今一緒に焼肉してるでしょうから、聞いてみましょうかー?」

晴絵「もしもしー?ちょっと代わってほしいんだけどさ…」


健夜(赤土さん… 凄く明るい人だ…)

健夜(あの時絶望の顔をしてた一年生とは別人みたい…)

健夜(人は変わるもの… いえ、頑張って変わってきたのよね、あれからここまで…)

健夜(私も… 負けられない…!)

晴絵「では、その大会で…」

健夜「はい!楽しみにしています!」

健夜「あ、そ、それから…」

晴絵「?」

健夜「こ、これからも!末永くよろしくお願いします!」

晴絵「?…フフッ ええ!こちらこそ!」

ガシッ(握手)


店員1(…おい、あれさあ…)

店員2(…ほっときましょー 仕事仕事)


晴絵「あ、それはそれとして、今日の服のクリーニング代は払ってくださいね」

健夜「えぇ~」


もいっこカン

今度こそ終わりです
またどこかのスレで~

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