男「なあなんでいつもお前と遊んでんだ」友「お前が好きだからだよ」 (29)

俺はいつも図書館で本を読んでいる。しかし本は好きではない。なぜ図書館にいるのかというと、それは俺が冷暖房のよく効いた文明的な部屋が好きだからだ。

友「おーい♪」

またコイツだ。俺はコイツが嫌いだ。よく知らないのにとても馴れ馴れしい。しかもイケメンだからだ。

男「……うるさい。」

友「そんなこと言うなって♪ねぇ!なに読んでんの?教えてよ」

男「部活やってんだろ?部活に行ったらどうだ?」

友「あぁ、それはいいんだよ!今日は部活休みだからさ♪久々の休みなんだ!それはそうと、なに読んでんの?」

俺は不意に席を立つ。友はキョトンとしている。俺はそれを横目に鞄を持って帰ろうとする。

俺「また明日な。用事を思い出した。」

友「あ……そっか、、わかった!じゃあね!!」

俺は後ろを振り返らず帰る。何も考えず。無心になって。俺はここに転校してきた時のことを考えていた。

なんだお前らホモを求めているのか

俺が転校したのは高校二年の夏だった。もちろんこんな性格なので友達も出来るわけもなく、こうして秋が迫ってるわけだが。

友「おーい!」

俺「……」

追いかけてきたのか。手には本を持っている。

友「本忘れてたよ!はいこれ」

本を差し出す。『動植物辞典』と書いてある。

俺「おう、ありがとう」

友「こんなの読んでたんだ!変わってるね♪」

俺「悪いか?」

友「いや?普通だと思うよ!」

俺「お前今変わってるって…」

友「今度日曜空いてる?」

俺「?まあ、な」

友「植物園いこーや♪」

俺「は?」

友「だって、」

友「そういうの興味あるんだろ?俺も結構好きだし、一緒に行こうや!」

俺「お、おう」

友「よっしゃ!じゃそういうことな!じゃあな!!」

約束してしまった。こうして俺と友の奇妙な生活が始まった。のかもしれない。

【二日目】
俺は図書館にいる。極度に文明的な空間だと俺は思う。そうして俺は植物辞典を眺める。

友「おっす!お疲れー!」

俺「うるさい、ここは図書館だぞ?」

友「まあ固いこと言うなって♪な??
お!また読んでんじゃん!いいねー!」

俺「まあな…」

誰のせいで読むことになったと思ってるんだ。コイツは。

友「俺も調べてみたんだけど、」

俺「うん?」

友「この植物園とかよくね?」

俺「ちょっと遠くないか?ココ」

友「いやでもここ見ろよ、ほら、『日本最大級の植物園です。』って!ここしかないだろ?」

俺「なあ。」

友「ん?どうした」

俺「お前部活は?行かないでいいのか?」

友「あ…俺休部してるから。」

どうしたんだろう。なにか雰囲気が変わったような気がする。

俺「お、おう。そっか、大変だな」

友「いや別にそんなんじゃないよ♪」

こうして一緒に帰ることになってしまった。

俺「なあお前何部って言ったっけ?」

友「あ?あぁ、バレー」

俺「上手いの?」

友「下手いよ。」

でも俺は知っている。コイツが運動神経がいいことを。学期末の表彰式でいつも祭壇の上に立っていることを。

俺「そうなのか、部活頑張れよ」

友「おう、ありがとう」

俺「話変わるけどさ」

友「ん?」

俺「遠いぞ。あの植物園」

友「おう、だから宿取った」

俺「は?泊まるの?お前と??」

友「なんだよ!嫌なのかよ、ヘコむなあ…」

俺「いやそんなのじゃないけどさ…」

友「そうか?なら良かった♪いやさ、俺お前と話した夜にもうホテル取っちゃってさ、断られたらどうしようかと思ってたんだ♪」

俺は大変な奴と絡むことになってしまったのだと、いまさら気付いたのだった。

その日はそうして別れた。またしばらく退屈な日々が続きそうだが、日曜日だけは少し楽しみだった。友だちと言える人とどこかへ行くのは何年ぶりだろう。

【日曜日】
友「おっす♪」

俺「…おっす」

俺「…カッコいいな、お前は私服でも」

友「ガチで?嬉しいなあ♪お前はお世辞が上手くていつも乗せられるぜ!!」

俺「……」

コイツはうるさい。嫌いだ。

読者の方居ますか?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月09日 (木) 23:41:10   ID: Wqc75D2a

いるよー

2 :  SS好きの774さん   2014年10月14日 (火) 00:29:53   ID: MillQu0A

いますよー

3 :  SS好きの774さん   2014年11月14日 (金) 21:47:35   ID: PksizF4h

えー

4 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 11:08:01   ID: ZhO2VZJ9

いますねー

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