末原「うわあああああああああああああああん」漫「先輩……」(141)

   姫松高校控室にて

末原「……」

洋榎「恭子……」

絹恵「先輩……」

由子「元気出してなのよー」

末原「わ、わたしのせ……」

洋榎「恭子のせいやないって!宮永とか他の面子が強すぎたんや!」

漫「そうですって!うちでも勝てませんよあんな連中……」

末原「まだなにも言ってないんやけど……」

洋榎「いやまぁそうやけど……」

末原「……」

漫「末原先輩……」

末原「ひっく……」グスン

末原「ううう……」ポロポロ

洋榎「しょ、しょうがないやん!勝負は時の運やと言うやないか……」

末原「運とかそういう次元やないです……ただたんにわたしの実力が無かっただけです……」

漫「末原先輩は強いですって!うちは保証します!」

洋榎「漫に保証されてもあんま嬉しくないんやなぁ……」

末原「2回も続けて宮永に負けるなんて……すいませんすいません……」

由子「恭子……」

末原「2年連続でベスト8止まりなんて……ホンマ……ホンマに……」ボロボロ

絹恵「先輩……」

末原「ホンマにすいませんでした!!」

洋榎「頭あげーや!別に頭下げてほしいなんて思ってへんから!」

由子「そうなのよー!」

末原「う……う……」グジュグジュ

  ガチャン

赤阪「ここですかさず爽やかいくのんの登場や~」

洋榎「面倒くさいのが来たで!」

末原「……」ポロポロ

赤阪「あ~れ~なに泣いてるん末原ちゃ~ん、足の指をタンスの角にでもぶつけたん?」

末原「い、いえ……」グスッ

洋榎「ああもうほっといてや!恭子はいま負けて落ち込んでるところや!代行がおるともっと落ち込むやろ!」

赤阪「ええなんでや~?いくのんこう見えて人を笑顔にさせる天才なんやで~」

漫「苦笑いのほうやないですか……」

末原「すいませんでした……わたしが未熟なばかりに決勝にも行けないなんて……」

赤阪「そやから言うたや~ん、宮永さんに勝つために三重の伊賀へ特訓しに行こうって~」

洋榎「なにが忍者麻雀や!そんなんで勝てるわけないやろ!i意味わからんわ!」

赤阪「ええくノ一かっこええや~ん」

末原「すいません……素直に代行の言う事を聞いとけば良かったですね……」

赤阪「せやろ~?素直にきかへんから宮永さんにはともかくネリーちゃんや有珠山高校の吉川さんにすら良いように弄ばれたんやで~」

末原「ぐすん……」

赤阪「名門の看板に泥塗っちゃったけどどう落とし前つけるんや?あ?」

洋榎「あんま恭子を責めんといてくださいよ!

絹恵「そうですよ!準決勝敗退したのはうちらにも責任が……」

赤阪「そやからうちはあんたらに訪ねたんやけど?末原ちゃんだけに言うてたと思うたん?」

洋榎「え……」

赤阪「なんやのあんたらの麻雀は?あれで全国優勝しようとホンマに思ってたん?」

洋榎「お、思ってましたよ……」

赤阪「あんな打ち方で勝てるほど全国大会は甘くないで、真瀬ちゃん」

由子「は、はいなのよー!」

赤阪「なんやあの打ち方は?全部清澄に読まれてたやないか?2回戦で学ばなかったん?」
   洋榎ちゃんもやで、何が格が違うわや、清澄の子に返り討ちあってたやん?」

洋榎「そ、それは……」

赤阪「絹恵ちゃんもや、なんやあの醜態は臨海の子が勝手に自滅してくれたから良いようなものの、運が悪ければ有珠山の子にトバされてたで」

絹恵「すいません……」ポロポロ

赤阪「……」チラッ

漫「な、なんでしょうか……」

赤阪「特にないわ」

漫「無いんかい!」スゴー

赤阪「今回の敗退は全員の責任やで、それを肝に銘じなあかんで」

洋榎「はい……」

由子「のよー……」

絹恵「ぐすん……」

末原「……」

漫「あの……」

赤阪「なんや漫ちゃん?なんか言いたいことでもあるん?」

漫「たしかにうちらも責任あるけどチームを優勝に導けなかった監督にも責任が……」

赤阪「やかましいわ!」パチコン!

漫「ギニヤ!!」

赤阪「ああもうはいお通夜はもう終わりやで~、あんたらも精いっぱい頑張ったしこれからあんたらの慰労会をやるで~」

洋榎「う、打ち上げですか?!」

赤阪「せやで~、お寿司いっぱい食えるで~、ほな行こか~」

洋榎「よっしゃ寿司やで!腹いっぱい食うで!」

末原「大将は切り替えが早いですね……」

赤阪「今回の敗退は全員の責任やで、それを肝に銘じなあかんで」

洋榎「はい……」

由子「のよー……」

絹恵「ぐすん……」

末原「……」

漫「あの……」

赤阪「なんや漫ちゃん?なんか言いたいことでもあるん?」

漫「たしかにうちらも責任あるけどチームを優勝に導けなかった監督にも責任が……」

赤阪「やかましいわ!」パチコン!

漫「ギニヤ!!」

赤阪「ああもうはいお通夜はもう終わりやで~、あんたらも精いっぱい頑張ったしこれからあんたらの慰労会をやるで~」

洋榎「う、打ち上げですか?!」

赤阪「せやで~、お寿司いっぱい食えるで~、ほな行こか~」

洋榎「よっしゃ寿司やで!腹いっぱい食うで!」

末原「主将は切り替えが早いですね……」

  宿舎の宴会場にて

ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・

赤阪「ええーマイクのテスト中~テスト中~」ビーガー

洋榎「御馳走がいっぱいあるで!寿司に焼き鳥に生ハムや!」

由子「馬刺しもあるのよー」

赤阪「本日は晴天なり~いくのんはコロ助なり~」

シーン・・・・・・

赤阪「場も和んだところで挨拶始めるで~」

絹恵「和んでませんって……」

赤阪「ええ今年も残念ながら準決勝止まりやったけど末原ちゃんたちは十分頑張ったと思うんよ
   だからみんな彼女たちを責めんといて優しくしてあげてや~」

2年生部員A「そうだよ上重さん!落ち込まないでね!」

2年生部員B「漫は頑張ったさかい胸を張り!」

1年生部員「先輩はすごく頑張ってました!わたし感動しちゃいました!」

漫「お、おおきに!(なんでうちばっか慰められるんや……)

赤阪「挨拶もそこそこに、では!おっぱ~い!!」

シーン・・・・・・

赤阪「おっぱいちゃうで!乾杯や!って末原ちゃんに失礼やろ!その完敗ちゃうわ!てなわけでかんぱ~い!」

由子「ひとりノリツッコミ……」

洋榎「大丈夫やろかあのオバハン……」

それから宴会が始まったのだった・・・

ざわ・・・ざわ・・・ ざわ・・・ざわ・・・

洋榎「ンマ~イ!やっぱ本場の江戸前寿司はめっちゃ旨いで!」ムシャムシャ

絹恵「お姉ちゃん中トロばっか食べないでよぉ」

洋榎「あ、絹!あそこに唐揚げがあるで!」

絹恵「ホンマや!やっぱ唐揚げは最高やわ~」

末原「……」

洋榎「なにまだ落ち込んでるんや!ほら恭子もほら寿司食お寿司!」

末原「は、はい……」

洋榎「これなんかどうや!いっぱいあるでどんどん食い!」ピョイピョイ

由子「かんぴょうばっかり押しつけてるのよー」

末原(”カン”ぴょう……)

漫「……」ムシャムシャムシャムシャ

洋榎「なに一人で黙々と食ってんねん!」

漫「しょ、しょうがないやないですか!こんな高級なモノめったに食えへんのですわ……」

ざわ・・・ざわ・・・ ざわ・・・ざわ・・・

洋榎「ああめっちゃ旨いわ~とまらへんで~」モグモグ

絹恵「お姉ちゃんあまり食べ過ぎると太ってまうで……」

洋榎「きょ、今日だけは特別や!いやぁやっぱ焼き鳥はタレに限るで!」

漫「なに言うてるんですか、焼き鳥と言えば塩ですやん……」

洋榎「なんやと!焼き鳥といえばタレやろ!」

漫「タレは焼き鳥そのもの味を台無しにするんですよ、塩は焼き鳥の味を引き立てるんです」

洋榎「どうせ通を気どっとるだけやろ、漫ちゃんはあっちにあるたこ焼きでも食ってればええ!」

漫「なんでわざわざ東京までたこ焼き食わなあかんのですか!うちは焼き鳥が大好きなんや!」

末原(焼き鳥……)

絹恵「先輩?」

末原「な、なんでもないで!」

由子「タレも塩もどっちも好きなのよー」

そして宴会も終盤に差し掛かる・・・

赤阪「女なら~狂おしいままに~恋人も~濡れる街角~♪」

由子「さっきからマイクを離さないのよー、しかし下手くそなのよー」

末原「……」フフフ

由子「ちょっと元気になってきたみたいやね」

末原「はい、いつまでも落ち込んではいられませんし、みんなの気遣いのおかげです」

由子「良かったのよー、暗い恭子を見てるとこっちまで哀しくなるのよー」

末原「すいません、でももうわたしは大丈夫です」

赤阪「うぃ~次は他の人が歌ってや~いくのんばっかじゃ喉が壊れてしまうで~うぃ~」

由子「泥酔なのよー……」

赤阪「あ、そうや末原ちゃんに……」

末原「!!ちょ、ちょっとお手洗いに行ってきます!」スタタタタタッ!

赤阪「なんやつまらんなぁ~、ほな次は悲しい色やねを歌うで~」

  廊下にて

カツン・・・カツン・・・カツン・・・

末原「……」

末原(ふぅ危うく歌わされるところやった……わたしB'zしか歌えないねん……)

末原「ジュースでも飲もう」ピコ

ガチャコン

末原「……」ゴキュゴキュ

末原「ぷはぁ!やっぱコーラは罐に限るで」

末原「カン……」

末原「なに考えてるんやわたしは……もう宮永のことは忘れよう……」

宴会場に戻ろうとしたそのとき・・・近くに人の気配を感じその場で立ち止まる・・・!

末原(話し声が聞こえる……誰やろ……)

末原「……」

スタッ…スタッ…

気付かれるようゆっくりと声のする方へと向かう

末原(いったい誰やろ……)

スタッ……スタッ……

末原(あ……)

声の主は階段の踊り場に居たのだ・・・

絹恵「お姉ちゃん……」

洋榎「どうしたんや絹」

末原(主将と絹ちゃんやないか……なにしてるんや……)

ダメだと思いながらも二人が気になってしょうがない末原
二人から見えぬ位置で聞き耳を立てる

絹恵「きょ、今日はごめんねお姉ちゃん、うちが不甲斐ないばかりに……」

洋榎「なに言うとるんや、今日絹はめっちゃ頑張ってたやないか
   あの原村はほぼ完ぺきに抑え込んだんやで、立派や立派」

絹恵「たまたまや、危うく有珠山の中田さんにトバされるところやったし……」

末原「……」

洋榎「そんなこと言うたらうちのほうがみんなの足を引っ張っとったわ
   いやぁあそこまで清澄の竹井久が食いついてくるとは思わんかったで……」

絹恵「う……う……」

洋榎「ん?どうした絹?」

絹恵「うわああああああん!!!!お姉ちゃああああああああん!!!!」ダキィ

末原「!!」

洋榎「ど、ど、どないしたんや急に!」オロオロ

絹恵「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」ボロボロ

洋榎「なんや泣くのずっと我慢してたんかいな、ほらほら泣き泣き」

絹恵「お姉ちゃああああああああん!!!」ポロポロ

末原「……」

洋榎「絹にはまだ来年があるやん!絹たちなら全国優勝も狙えるで!お姉ちゃんが太鼓判押したる!」

絹恵「ちゃうねん、うちが悲しいのはそれだけやない」シクシク

洋榎「じゃあなんや?あ!わかったで!あれやろ!失恋でもし……」

絹恵「うちはお姉ちゃんと一緒に全国優勝したかったんや……今年で最後のチャンスやったのに……」ボロボロ

末原「う……」

洋榎「絹……」

絹恵「昔からお姉ちゃんに憧れとったんや……インターミドルや春の選抜で大活躍をしてるお姉ちゃんが羨ましかった……」

末原「……」

絹恵「そんなお姉ちゃんと一緒に全国目指したい思って高校から麻雀始めたんや……それがうちの夢やった……」

洋榎「サッカー辞めたのもそういうことやったんか……」

絹恵「そやしうちは一所懸命がんばって全国大会のメンバー入りを目指したんや……大変やったで……」

洋榎「よう頑張ったな絹」

絹恵「最初で最後のお姉ちゃんとの全国大会やったのに……それなのに……!」ポロポロ

末原「……」

洋榎「大丈夫やって、別に高校麻雀だけがすべてやないで!大学だってあるしプロの大会だってある!」

絹恵「お姉ちゃんプロ入りするん?」グジュ

洋榎「当たり前やろ!うちみたいな才能の塊がプロ行かないなんて日本麻雀界の損失やで!そやから今度はプロで一緒にやろうな~」

絹恵「うん……!うちもお姉ちゃんと同じチームに入る!」

末原「……」

末原は静かにその場を後にした・・・

 スタッ…スタッ…スタッ…

末原「……」

絹恵≪うちはお姉ちゃんと一緒に全国優勝したかったんや……今年で最後のチャンスやったのに……≫ボロボロ

末原(全部わたしのせいや……わたしのせいで絹ちゃんの夢を……)

末原はいつの間にぬるくなっていたコーラを口に含む

末原(わたしが宮永相手に何度も振り込まなければ……高望みをせず2位を目指していれば……)

末原「う……う……」

末原はコーラを飲み干すと近くのくず箱に放る
くず箱に入る罐の音が虚しく廊下に響き渡るのであった・・・

末原「……」

スタッ……スタッ……スタッ……

末原「ハァ……」

末原(屋上にでも行こか……)

カツン・・ カツン・・・

末原「……」

末原(屋上の風に当たって頭でも冷やそ……)

カツン・・・カツン・・・

 ガチャン

末原「……」

東京の生ぬるい夜風が末原を襲う

末原(ハァ……しばらくここで一人になっとこ……)

が、しかし、屋上には先客が一人いたのだった・・・!

漫「……ッ!」ブルブル

それは上重漫だった・・・!

末原(漫ちゃん……?いったいなにやっとるんや?)

漫「……ッ!」プルプル

末原「漫ちゃんなにしとるんや?」

漫「せ、先輩っ?!」サササッ!

末原「!!」

漫「ちょ、ちょっと夜風に当たってただけですって!アハハ!」

末原「……」

しかしたしかに末原は見たのだ……漫の目が赤く濡れているのを……!

漫「そ、それじゃうちは会場に戻ります!」スタタタタタッ!

 ガチャン!

末原「……」

末原(漫ちゃんもここで泣いてたんか……)ヘナヘナ

末原はその場にへたり込む

末原(わたしのせいや……わたしのせいで漫ちゃんまでも……)

  ビュー・・・ビュー・・・

末原「……」

末原(わたしは最低の先輩は絹ちゃんを泣かし漫ちゃんを泣かし……)

末原(きっと主将や由子も泣きたいハズなんや……でもみんなの手前我慢しとるに違いない……)

末原(わたしが……わたしがみんなを傷つけたんや……わたしが弱いから……)

末原「ひっ……ひっく……」ブワッ

末原(何より漫ちゃんを泣かせてしまったのが一番辛い……漫ちゃんごめんな……)

末原「うううううう……」ポロポロ





漫「危うく隠れてワンセグでお笑い番組見てるのがバレるとこやったで……」

漫「しっかし横山ホットブラザーズは相変わらずおもろいなぁ!お腹がよじれるとこやった」プププ

末原「……」

洋榎≪恭子!今年こそみんなで全国優勝目指すで!≫

末原「主将……」

由子≪目指すは全国の頂きなのよー≫

末原「由子……」

絹恵≪先輩!一緒に優勝しましょうね!≫

末原「絹ちゃん……」

漫≪え、たこ焼き言うたら普通ソースですやん……醤油味なんて邪道ですよ……≫

末原「……」

末原(みんなの笑顔が浮かんでくる……わたしはそれを台無しにしてしもうたんや……)

末原「う……う……」

末原(いったいわたしはどうすればええんや……)ポロポロ

末原「うぐうぐはぁぐ……」ボロボロ

 ガチャン

赤阪「うぅ気持ち悪い……吐きそうや……」

末原「あ……」

赤阪「およよ?すっえはらちゃんや~ん、どないした~ん」

末原「な、なんでもないです……」グシグシ

赤阪「あ、もしかして泣いてたん?なぁそうやろ?」

末原「いえ、その……」

赤阪「なぁなぁなぁ!泣いてたんやろ~!なぁ!なぁ!!なぁ!!!」

末原「……」コクン

赤阪「相変わらず末原ちゃんは泣き虫やなぁ~、一年生のときから変わらんなぁ」

末原「ほ、ほっといてくださいよ……」

赤阪「どうせあれやろ~、漫ちゃん泣かしてしもうたって泣いてるんやろ~」

末原「な、な、な、な、なぜそれを?!」

赤阪「いくのんはなんでもお見通しやで~」

末原「……」

末原「すいません……」

赤阪「なにもそんな末原ちゃん一人で背負いこむことないや~ん
   今日のはみんなの責任やで~」

末原「しかしわたしが宮永やネリーらに勝ってさえいれば……」

赤阪「今更後悔してもしょうがないや~ん、どうや?伊賀に特訓行っとけば良かったって思うとるやろ?」

末原「いえ……」

赤阪「なんや末原ちゃん甲賀派かい」

末原「いやそう言うわけでは……ただ辛いんですよ何もかもが……」

赤阪「ふーん」

末原「ううう……」ブワッ

赤阪「なぁ末原ちゃん、楽になりたくない?」

末原「え……」

  宴会場にて

漫「あちょいとC調言葉に騙され~泣いた女の涙も知れずに~♪」

洋榎「へたくそー!ひっこめー!!」

由子「これは酷いのよー」

 ガチャン

末原「……」

絹恵「今までどこに行ってたんです先輩?」

末原「うん、ちょっとな……」

漫「ココロから好きだヨミーナ~抱きしめたい~♪」

洋榎「あかん!サブイボが出るわ!」

末原「絹ちゃん、すまんな、ホントに……」

絹恵「え、どうしたんですか先輩、なんかさっきより元気無いですよ……」

末原「……」

次の日から末原と赤阪代行の姿が消えた

  それから2週間後   姫松高校麻雀部部室にて

洋榎「ローン!サンアンコードラ3や!!」

漫「ひぃ!」

絹恵「また上重さんが最下位やね」

由子「絶不調なのよー」

あの夜以来、末原はおろか赤阪代行まで姿を見せなくなってしまった

漫「ハァ……なんか今日は調子悪いですわ……」

洋榎「今日”も”やろ」

由子「調子良いときなんてあったん?」

漫「それ言われるとなんも言えませんわ……」

洋榎「新主将なんやからしっかりし!」

漫「はい……」

船久保「しかしヒロエのとこの大将さんはいまどこにおるんや?」

洋榎「どこやろうなぁ、一応代行がついてるみたいやし大丈夫やと思うんやけど……」

漫「ってなんで千里山のこいつがいるんですか!おかしいやないですか!」

洋榎「浩子はうちらの従姉妹やねん」

絹恵「そやしたまに一緒に麻雀打ちたいし呼んだんよ」

船久保「よろしゅう頼むでウナギ」

漫「鰻ちゃうわ!漫や!」

船久保「ナイスツッコミやでウナギ!」ニコニコ

漫「もうええわ……」

船久保「なにふくれとるんや、同じ名門の新主将同士、仲良くしようや」

漫「なんでこんなナベQなんかと……」

船久保「ナベQちゃうわ!フナQや!」

洋榎「もう仲良くなっとるやないか!二人とも気が合いそうやな」

漫「絶対嫌ですよ!こんな奴!」

絹恵「しかし末原先輩どこに行ったんやろね、みんなになにも言わずに」

由子「朝起きたときにはもう消えてたのよー」

洋榎「あのオバハンいったい恭子をどこに連れて行ったんや!」

漫「もしかして誘拐やないですか」

洋榎「アホか!誘拐ならお金を要求するやろ!」

船久保「それにこんな犯人バレバレな誘拐なんてあるかいな、ウナギはもうちょいと頭を使い」

漫「なんなんやこいつは!」

船久保「ひょっとしてあれやないか、愛の逃避行ってやつやないかな、指導者と生徒の禁断の愛や」

絹恵「禁断の愛///」

洋榎「あんたもアホや!変な小説の読み過ぎやでホンマ……」

   ガチャン

赤阪「みんなおまたやで~」

絹恵「だ、代行!」

洋榎「やいやい!今までどこに行ってたんや!」

赤阪「四国88ヶ所まわってたんや~悟りを開いたで~」

漫「え、お遍路行ってたんですか……なんでまた……」

赤阪「ちょっとうどん食べたくてな~、って真っ赤なウソやで~」

洋榎「嘘かいな!!」

船久保「なんやこの年増は……」

洋榎「で!恭子はどこや!恭子をいったいどないしたんや!」

赤阪「ちょっと待っててや~連れてくるで~」

絹恵「先輩……」

 カラン・・・ カラン・・・

洋榎「なんやこの音は……」

  ガチャン

赤阪「ほな連れて来たで~」カラカラ

洋榎「な……!」

由子「の、のよー!?」

絹恵「せ、先輩?!」

船久保「なんやこれ……」

そこでみんなが見たものとは……

末原「はぁいうぱぁうぱぁはぁいばぶー」

よだれかけを着てオムツを穿きおしゃぶりをくわえた末原恭子の姿だった・・・!

末原「わーきゃっきゃっきゃっ!」

そんな末原が乳母車に乗っていたのだ・・・!

赤阪「どうや~ベイビー末原ちゃんやで~可愛いやろ~」

漫「同じ人間として恥ずかしいですわ……」

末原「ていっ!」

漫「ギニヤ!!」

赤阪「こぉら末原ちゃん、おしゃぶりを人に投げたらあかんって言うてるやろ~」

末原「うわああああああああああああああああああああああん!!!!」

漫「先輩……」

赤阪「おーよしよし、怖かったねぇ、おーよしよし」

洋榎「……」

末原「マァマ、マァマ」

赤阪「うん、どうしたん末原ちゃん?」

末原「だぁっこ!だぁっこちてぇ!」

赤阪「うんうんええで!よっこらしょっと!」

末原「わぁい!きゃっきゃっきゃっ!」

赤阪「喜んでもらえてうれしいでぇ……(あかん腰が……)」プルプル

絹恵「……」

船久保「ちょっとこの二人頭おかしいん?」

由子「いったいこの恭子はどうしたのよー」

赤阪「ん?ちょっと待ってな、末原ちゃんおろすでー」プルプル

末原「もっと!もっとちて!」

赤阪「またあとでやで~」

末原「ぶ~」

漫「……」

赤阪「なんで末原ちゃんがこうなったかというとなぁ」

洋榎「うん」

赤阪「簡単に言えば楽になりたかったからやな、全国大会の責任を全部忘れたいんやな」

漫「だからってこれはちょっと……」

赤阪「だって赤ちゃんって楽やろ、なにも考えずに済むし」

漫「まぁそうですけど……」

赤阪「いくのんは末原ちゃんのことを思って赤ちゃん化を薦めたんやで~」

末原「はぁいちゃ~い」

船久保(姫松に入らんで正解だったわ……)

末原「うあぱうあぱ!きゃっきゃっきゃっ!」

赤阪「ほなあとはよろしく頼むで~」

洋榎「ちょ代行!この恭子をほったらかしにするんですか!」

赤阪「ええやろ……こっちは腰がつらいんや……」プルプル

 ガチャン

洋榎「これやからオバハンは!」

末原「マァマ!マァマ!!マァマ!!!」ジタバタ

絹恵「いったいこれからどうしよう……」

末原「うわああああああああああん!!びえええええええええええええええん!!」

洋榎「ああもう泣きやまんかい!」 カランカラーン

末原「きゃっきゃっきゃっ!」

漫「どうせなら体も赤ちゃんサイズになってくれたら良かったのに……」

由子「体はそのまんまなのよー……」

末原「ヒック……ヒック……」

洋榎「またぐずりだしたで!」

末原「ううううあああああああん!!!!」

絹恵「お腹すいてるんやないかな」

船久保「乳母車についとるその袋の中になにか入ってるんちゃう?」

洋榎「どれどれ……あった!幼児用のお菓子が入ってたで!」

由子「もう3時だしおやつの時間なのよー」

末原「おかし!おかし!」

絹恵「しょうがないなぁ、はい、あ~ん」

末原「うん……」モグモグ

末原「おいしっ!うぱぁ!うぱぁ!」

絹恵「なんやめっちゃ可愛いやん!」

漫「なんか楽しみだしてますやん……」

絹恵「たかいたか~い!たかいたか~い!」

末原「きゃっ!きゃっ!きゃっ!」

漫「さすが元大阪選抜のGKやっただけに怪力ですね……」

船久保「あんまやらんほうがええで、幼児の頭を揺さぶるのは危険や」

漫「幼児やないやろ……もう18やであの人……」

由子「……」

末原「ううう……!うわあああああああああああん!!!」

絹恵「え、え、え、え!どうしたん!またぐずりだしたんやけど……」オロオロ

末原「おっぱああああああ!!おっぱああああああああああ!!!」

洋榎「ははーん、授乳の時間やな」

絹恵「しょうがないなぁ……」サッサッ

洋榎「ホンマにやるん絹?!」

絹恵「だって市販のミルクより母乳のほうが栄養的にええやん」

漫「出るわけないやん……」

絹恵「ほ~らおっぱいでちゅよ~」ボロン

末原「ていっ!!」バシン

絹恵「痛い!なんで叩くん!」

末原「ん!!」ビシっ

絹恵「え、なんやろ……」

末原「ん!!!」ビシィ!

洋榎「なんや指さしとるな……」

末原「ん!!!!!!」ビシィ!ビシィ!

漫「え、なんでうちのこと指さすん……」

洋榎「わかった!恭子は漫の母乳が飲みたいんや!」

漫「全然わかりませんよ!なんでうちなんですか!」

末原「すずちゃ!おっぱ!おっぱ!!」

絹恵「しょうがないなぁ、悔しいけど上重さんに譲るわ」

漫「いらんわ!なんでうちがこんな恥ずかしい真似しなあかんのや!」

船久保「ウナギぃ、空気は読んだほうがええで」

漫「これは空気が読めないとかそういうのとちゃうやろ!」

絹恵「はい上重さん」ヒョイ

末原「すずちゃ!すずちゃ!」

漫「ええええ……」

末原「すずちゃ!すずちゃ!」

漫「……」

船久保「ほら早く、恭子ちゃん欲しがってるで」

末原「ばぶ~」

漫「あの先輩……」

末原「はぁいはぁい」

漫「もうこんなことやめにしませんか……恥ずかしいですよちょっと……」

末原「ちゃああい?」

漫「たしかに辛いのはわかりますけど……これはちょっと人間としてどうなんですか……」

末原「きゃっきゃっきゃっ!」パチパチ

漫「他にもっと方法はあるでしょ……現実逃避の方法ぐらい……」

末原「ばぁぶばぁぶ」

漫「これはただのバカ……」

末原「漫ちゃんいい加減にしてくれませんか?怒りますよ」スタッ

漫「うわっ!急に立った!」

末原「何なんですかさっきから漫ちゃんは」

漫「え、え、え?」

末原「そりゃわたしだって恥ずかしいですよ
   なにが悲しくてこんなアホみたいな格好をしなきゃいけないんですか」

漫「一応恥ずかしいと自覚はしてはるんですね……」

末原「わたしだってね、恥を忍んで漫ちゃんにおねだりしてるんですよ!そこんとこ空気読んでくださいよ!!」

漫「空気は読むものじゃなくて吸うものですよ……」

末原「ん?なにか言いましたか?」

漫「いえ、なにも……」

由子「ねぇ恭子?なんでこんな幼児退行なんかするのよー」

末原「楽しいからですよ、他に理由なんて要りますか?」

由子「そう……」

末原「ではまたここから始めますよ!はい!」ぱちん!

末原「ばぁぶばぁぶぅ!すずちゃ!おっぱ!おっぱ!!」

漫「わかりましたよぉ……」ボロン

末原「きゃっきゃっきゃっ!」

 それから数十分後・・・

末原「ふなきゅー!ふなきゅー!」

船久保「ほぁ~、さすがに高校生とお馬さんごっこするのは辛いわ……」

漫「ううう……胸が唾液だらけで気持ち悪い……」

末原「ふぁっきゅー!ふぁっきゅー!]

漫「やかましいわ!」パチコン!

末原「びえええええええええええええん!!!!」

洋榎「なに泣かしとるんや!!」バチコン!

漫「ギニヤ!!」

絹恵「大丈夫でちゅか~怖かったでちゅね~」

末原「きぬちゃ!だいすき!!」

絹恵「ま///照れるやないかぁ///」

漫「泣きたいのはこっちや……」

由子「もう遅いしそろそろ帰るのよー」

船久保「おばさんの晩御飯楽しみやなぁ」

絹恵「さぁて先輩、帰りましょうねぇ」

末原「は~い!」

漫「明日からこれが続くんか……」

  ガチャン

末原「さてと……」ムクッ

漫「うわっ!また立ちあがった」

末原「みなさんお疲れ様でした、おかげで今日一日楽しめました」

洋榎「そ、そうか……」

末原「ではまた明日」

漫「あの先輩……」

末原「ん?どうしましたか漫ちゃん」

漫「部室の外では普通なんですね……」

末原「当たり前やないか、さすがに部室外では恥ずかしいわ」

漫「部室の中でも恥ずかしいですよ……」

 それからも末原の赤ちゃんの日々は続いた・・・

末原「たたたたたたたたたたた!!!」ハイハイ!

絹恵「ちょっと先輩のハイハイ速すぎて追いつかへ~ん!」

末原「たいっ!たいっ!!」キュッキュッ!

漫「ちょっとデコに落書きやめてくださいよ!」

末原「きゃっきゃっきゃっ!」

漫「うわ!鰻って書いてるやないですか!幼児がこんなん書けるわけないでしょ!」

末原「うわあああああああああああああん!!!」

洋榎「だから泣かすな言うたやろ!!」

2年生部員A「ああもう漫お姉ちゃんは酷い人でちゅね~」

2年生部員B「この鬼」

1年生部員「もっと優しくはなれないんですかあなたは?」

漫「なんやこの言われようは……」

それから数日が経ったある日・・・

  姫松高校麻雀部部室にて  放課後

末原「た……た……」ヨロヨロ

絹恵「頑張れ!あともう少しや!」

末原「あ……あ……」フラフラ

洋榎「いけいけ!その調子や!!」

末原「あ!あ!あ!」

船久保「もうちょい!あと一息や!」

末原「たぁ!!」ジャジャ~ン

絹恵「やったああああああああああ!!!恭子ちゃんが立ったあああああああ!!!」

洋榎「立派に成長したでホンマに」ジーン

末原「はぁい!ちゃーい!」スタスタっ

船久保「歩いてるで!ほぉらこっちやで!」

絹恵「すごいわぁ、ホンマすごいわ感動や……」グジュ

漫「もう18なんやから歩けて当然ですやん……」

末原「ていっ!」

漫「ギニヤ!!」

絹恵「ほぉらおしゃぶりは人に投げたらあかんで!めっ!」

末原「ううう……」グジュ

船久保「相変わらずウナギは好かれてるのか嫌われてるのかわからんね」

漫「ウナギちゃうわ!くそお……なんでまたここにカトQがいるんや……」

船久保「カトQちゃうわ!フナQや!」

洋榎「相変わらず仲ええな二人」

末原「うん……うん……」ウトウト

由子「……」

絹恵「なんか眠そうやな恭子ちゃん」

洋榎「漫、なんか子守唄歌ってやりーや」

漫「え、嫌ですよ……なんでうちが……」

船久保「あーうちも聴きたいわ、アナゴちゃんの美声を披露してや」

漫「アナゴちゃうわ!」

末原「すずちゃ……」

絹恵「ほら恭子ちゃんも上重さんの歌聴きたがってるよ!」

漫「わかりましたよ歌いますよ……」

船久保「ウナギちゃんリサイタルやな」

漫「Oh~愛されたいなら~戸惑いする~だろ~♪」

洋榎「なんやその歌は!」

漫「え、サザンの「松田の子守唄」ですやん、有名やないですか」

洋榎「知らんわそんな歌!」

末原「すずちゃへたっぴ!」

漫「おどま盆ぎり盆ぎり~盆から先ゃおらんと~♪」

船久保「五木の子守唄かいな……よくそんな歌知っとるな……」

末原「きゃっきゃっきゃっ!」

絹恵「なんか逆に目がさえたみたいやね……」

洋榎「まぁ別にええやん!楽しそうでなによりや!」

末原「すずちゃ!おっぱ!おっぱ!」

洋榎「漫ぅ~おっぱいの時間やで~」

漫「嫌や!あれ気持ち悪いから絶対に嫌や!」

船久保「将来の予行練習やと思えばええやん、ほらさっさと出し!」

末原「うわああああああああああん!!」

絹恵「ほら上重さんが冷たいから泣いとるで!」

漫「それでも嫌や!絶対嫌やああああ!!!」

  バンッ!!!

由子「もういい加減にするのよー!恭子っ!!」

末原「!!」

洋榎「ちょ、由子どうしたんや急に…」

由子「どうしたもこうしたもないのよー!もう我慢の限界なのよー!!」

末原「ゆ、ゆーこ……」

由子「いったいいつまでもそんなことしてるん?こんなことしてなんか解決するん?」

末原「は、はぁいちゃあいばぶー!」

由子「いい加減にしなさぁああいい!!」バシーン

末原「ギニヤ!!」

由子「早く目を覚ますのよー!」

漫「こんなキレてる真瀬先輩を見るの初めてや……」

洋榎「うちもや……」

由子「本当にこのままでいいの?こんなこと一生やり続けるつもりなの?」

末原「……」

由子「本当は恭子もこんなことやめたいとココロの中では思ってるんやろ?」

末原「……」

船久保「なんか意外な人が熱くなってるんやな……」

由子「もうこんな恭子を見るのは辛いのよー……前見たいに堂々とした恭子に戻ってほしいのよー……」

末原「……」

由子「辛いことならうちらも一緒に背負ってあげるから……そやし元の恭子に戻ってなのよー……」ポロポロ

絹恵「真瀬先輩……」

末原「……」

漫「末原先輩……」

末原「たしかに……わたしが間違ってしました……」ムクッ

漫「うわっ!立ちあがった」

末原「わたしは逃げたかったんです……赤ちゃんになることによって辛い現実から……」

由子「それで逃げることはできたの?」グジュ

末原「最初のうちは楽しかったんです……昔の……赤ん坊のころのように何から何までみんながしてくれるし……」

由子「たしかに周りもはしゃぎすぎなのよー」チラッ

洋榎「う……」

船久保「な、なんのことやら」

絹恵「す、すいません……」

末原「みんなは悪くないんや!わたしが甘え過ぎたんや!」

由子「それで?」

末原「それで最初は楽しかったけど段々辛くなってくるんや、ホンマにわたしはこのままで良いのかと」

洋榎「恭子……」

末原「このままでは自分が腐ってしまうと毎日思ってました、やめなあかんと思っててもやめられんかった
   だからさっき由子に言われた時はホッとしたで、ああもうこれでやめられるんやと……」

絹恵「先輩……」

末原「ありがとう由子、これでわたしも目が覚めました」

由子「わかってくれたらいいのよー」グジュグジュ

洋榎「しかしなんで赤ちゃんなんかになろうと思ったんや?よりによってや」

末原「代行に薦められまして……」

洋榎「あのオバハンの言うことを聞いたらダメや!あいつは生粋のペテン師や!」

絹恵「そういえば最近代行見ないね?どうしたんやろ」

末原「腰を痛めて静養中らしいです」

船久保「これやから年増は……」

末原「みんないままで迷惑をかけてすいませんでした!これからもよろしくお願いします!」

洋榎「よろしく頼むで!」絹恵「よろしくお願いします!」由子「ヨロシクなのよー」船久保「よろしゅう」

漫「……」

末原「漫ちゃん、迷惑かけてすまんかったな」

漫「あのわかりましたから早く着替えてください
  そんなオムツ姿とよだれかけ姿で語られても恥ずかしいだけですよ……」

末原「あ……」

洋榎「たしかにその格好は恥ずかしいな」

船久保「恭子ちゃんかなりマニアックな趣味しとるな」

絹恵「冷静に考えたらたしかに恥ずかしいな……」

漫「冷静に考えなくても恥ずかしいやん……」

末原「でも着替えが……」

由子「着替えならここにあるのよー」ササッ

末原「さすが由子やな!気がきくな!」

漫「ハァ……それにしても疲れたで……」

末原「漫ちゃん、わたしの赤ちゃん姿はどうでしたか?」うんしょうんしょ

漫「え?いやなんというか……」

末原「可愛かったですか?」

漫「いやその……」

絹恵「めっちゃ可愛かったですよ!」

末原「それはよかったで」

絹恵「うちも早く子供が欲しいなぁ~」チラリ

洋榎「ん?どうしたや絹?うちの顔になんか付いとる?」

絹恵「な、なんでもないで///」

洋榎「どうしたんやいったい?」

船久保「そういえばiPS細胞というもので同性の間でも子供が作れるらしいで」

由子「フナQちゃんは博学なのよー」

漫「……」

末原「わたしも赤ちゃん欲しくなってきたんやな」

漫「へぇそうですか……」

末原「す、漫ちゃんとの子供が欲しいんや///」

漫「は?」

洋榎「おう!告白かいな!」

由子「大胆なのよー」

漫「な、なに言うてるんですか……うちら女やないですか……」

船久保「人を好きになるのに性別なんて関係ないと思うで」

漫「モロQは黙っといてや!」

船久保「フナQや!」

末原「ダ、ダメですか?」

漫「いやそういうわけでは……」

洋榎「やったやん!結婚おめでとう!」

絹恵「おめでとうございます先輩!」

末原「みんなありがとう」

漫「え、なんやこの有無を言わさぬ強引な展開……」

由子「今夜はお赤飯なのよー」

船久保「ホンマにiPS細胞で女同士でも子供ができるのか楽しみやな」

漫「嫌や!うちはノンケや!」

末原「うわああああああああああああああん!!」

洋榎「なに泣かしとんねん!」

漫「あ、あ、あ!す、すいません!」

末原「じゃあ結婚してくれる?」グジュ

漫「ああもう……なんでこうなるんや……」

こうして上重漫と末原恭子はめでたく結ばれ、末原恭子は上重恭子になりましたとさ・・・

    末原「うわあああああああああああああああん」漫「先輩……」    カン

以上です
読んでくれた人サンキュー

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