モバP「ナスちゃーん」 茄子「もう怒りました」 モバP「え」 (43)

ピンポーン

モバP「あ、はーい。今出ま………」

茄子「こんばんは」ニコニコ

モバP「あ………………」

茄子「夕飯、作り過ぎちゃって」ニコニコ

モバP「あ、ありがと………………」

茄子「……………」ニコニコ

モバP「………………」

茄子「……………」ニコニコ

モバP「………………こ、ここ数日毎晩作りすぎてな」

茄子「何のことですか?」ニコニコ

モバP「あ、いえ、なんでもないです………………」

茄子「……………」ニコニコ

モバP「………………」

茄子「……………どうぞ、麻婆茄子です」ニコニコ

モバP「………………どうも」



モバP「鷹富士のことナスって呼び続けたらついにキレて執拗なナス責めをしてくるようになってしまいました」

ちひろ「いや知りませんよ」

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ちひろ「というかなんですか、ご近所さんなんですか?」

モバP「つい先日隣に引っ越してきて……」

ちひろ「ああ、そろそろ引っ越すって言ってましたもんね。Pさんから隣を勧めたんですか? うわぁ……」

モバP「そんなわけないでしょ! 公私混同反対! 向こうも条件に見合った場所を選んだらちょうど隣に来てしまったとかなんとか」

ちひろ「さ、さすがですね、それ………」

モバP「何がさすがなんですか……はぁ、どうしましょう、これから」ハァ

ちひろ「まあ、深いため息。結構お怒りなんですか?」

モバP「まあ、それなりに。この前も………」ホワンホワンホワン



茄子「PさんPさん」

モバP「ん、どしたの?」

茄子「DVD借りてきたので、一緒に見ませんか?」

モバP「いいよ、見よう」

モバP(DVD? 映画か何かかな……)


茄子「あはは、面白いですねこの人」ニコニコ

モバP「う、うん、そうだね………」

茄子「ほら、Pさんももっと笑ってください。せっかく借りてきたんですから」ニコニコ

モバP「謝るから。謝るから茄子ちゃん」

茄子「何のことですかー? あとカコじゃなくてナスでいいですよー」ニコニコ

モバP「いや、本当に悪かったって思ってるから。だから、その………」

モバP「なすびさんの懸賞日記見るのやめよう……?」



モバP「ね?」

ちひろ「うーん」

ちひろ「やっぱり、名前で遊ぶのはよくないんですよ」

ちひろ「茄子ちゃんなんて、子供の頃それでからかわれてたかもしれませんから余計に」

モバP「ですよね……………」

モバP「はぁ、なんであんなことしたんだろ………」

ちひろ「Pさん、子供っぽいところありますものね」

モバP「ナスって呼んだ時の茄子の困ったような笑顔が可愛いのなんの」

ちひろ「やだ、駄目な大人」

モバP「今となっては申し訳なさでいっぱいです。この前も………」ホワンホワンホワン



茄子「あはは、Pさーん。ナスを捕まえてくださーい」

モバP「このクールとは思えない陽気さ! このパッション娘めー」

茄子「ナスはクールですよー。Pさんがクール担当なのでー」

モバP「何それー」

茄子「何でもないですよー。ほら、早く来てください! ソフトクリーム食べましょー」

モバP「はいよー。いやぁ、元気だな茄子ちゃん。でも……」


モバP「那須高原だったんですよねぇ、誘われて向かった先」

ちひろ「うーん」

モバP「困りましたよこれは………調べたら那須から始まる地名って結構あるんですよね」

ちひろ「那須ハイランドとか、那須どうぶつ王国とかですね」

モバP「ただでさえ少ない休日にこんな嫌がらせをされると困りますよ、まったく」

ちひろ「断ったらどうですか?」

モバP「それはちょっと、可哀想なんで……」

ちひろ「ああ……………」

モバP「何度謝っても許してくれないし、ホントどうしましょう」

ちひろ「強引な解決だけはしないでくださいよ。茄子ちゃんも立派なうちの稼ぎ頭ですから」

モバP「茄子ちゃんの気が済むまでやらせるしかありませんよね………」

ちひろ「それがいいんじゃないですか? Pさんにとっても、茄子ちゃんにとっても」

茄子「ただいま帰りましたー」

ちひろ「お帰りなさい、茄子ちゃん」

モバP「おかえり、茄子ちゃん」

茄子「ナスでいいですよーPさん」

モバP「うう………これですよちひろさん。切ない」

ちひろ「ですねー。あ、茄子ちゃんちょっとこっちに」

茄子「はーい!」テコテコ

モバP「女の子二人で内緒話ですか? じゃあその間にコーヒー淹れときますね」

ちひろ「お願いします。お砂糖は要りません。茄子ちゃんは?」

モバP「一つでいいよね? いつも通り」

茄子「はい。少し濃い目で」

モバP「はいはーい」

ちひろ「うーん」

ちひろ「茄子ちゃん幸せ?」

茄子「それはもうっ」

ちひろ「Pさんが茄子ちゃんのことばっかり考えてるから?」

茄子「…………え、えへ」

ちひろ「いや、いいんですよ? Pさんも茄子ちゃん専属ですし。茄子ちゃんだからマスコミのことも気にしないで済みますし」

茄子「Pさん、優しいから……ナスですよーって言う度に申し訳なさそうに苦笑するんですよ。それが可愛くて可愛くて」

ちひろ(ああ、似た者同士なんですね…………)

茄子「でもひどいんですよちひろさん。DVD見た後寝たふりをしてもベッドには運んでくれるんですけど、それきりなんですよ」

ちひろ「不思議ですねー。幸運を引き寄せる茄子ちゃんにしては」

茄子「魅力ないんですかね、私」ウーン

ちひろ「そんなことはないはずなんですけどね」ウーン

茄子「お出かけも日帰りでしか行ってくれませんし………」

ちひろ「うーん」

モバP「あ、会議終わりました?」

ちひろ「とりあえずPさんがホモという結論に至りました」

モバP「えぇー」

茄子「あいさんあいさん、ボーイッシュな話し方教えてくださいっ」

あい「君はそのままが素敵だよ」

茄子「君はそのままが素敵だよ」キリッ

モバP「じゃあホモでいいよもう」

茄子「そ、それは困りますよぉ」

モバP「えぇー」

あい「何の話だい?」

ちひろ「茄子ちゃんが幸せなんですって」

あい「Pくんがホモだと幸せなのかい?」

ちひろ「そんな腐女子みたいなことではなく……」

モバP「茄子ちゃんにボーイッシュは似合わない気がするけどなぁ。それでもしたいの?」

茄子「目指せ宝塚ですよー」

モバP「うわレベル高い。そんな高みに行かれたらもう気軽にお話もできないね」

茄子「!! じゃ、じゃあやめます!」

モバP「意志薄っ」

あい「…………楽しそうだね」

ちひろ「ですねー」

あい「ふむ………Pくんが振り向いてくれないと」

茄子「はい……もう、どうすればいいのやら………」

あい「幸運を引き寄せる君にしては珍しいね」

茄子「お出かけに行ったり一緒に映画を見たりはしてくれるんですけどねー」

あい「…………寄せるべき幸運をそうやって別の所で使っているからではないのかな」

茄子「はっ…………なるほど」

あい「それに、押してダメなら引いてみろという言葉もある。ここは一度、引いてみたらどうだろうか」

茄子「な、なるほど………それなら一挙両得ですね!」

あい「やってみる価値はあると思うよ」

茄子「ありがとうございます、あいさん」

あい「気にしなくていいよ。でもそこまで積極的になれるものなんだね、事務所でも随一穏やかな君が。ふふ、私も少し頑張ってみようかな」

茄子「あ、あげませんよ?」

あい「君のプロデューサーじゃなくて、私のプロデューサーにだから安心したまえ」

茄子「あいさんのプロデューサーさん…………」

あい「恋する乙女な君に言ってもなんだけど、なかなかいい男なんだ。私のプロデューサーは」

茄子「……………ごめんなさい、あいさん」

あい「や、理解してもらえなくてもいいよ。ただ、私が好きなだけだから」

茄子「そうじゃなくて、その……………後ろに……」

あい「え? あ……………営業から帰ってきたのかい? 随分と早かったね」

あい「そのコメントしづらい微妙な表情…………何も言わなくていい。ただ、うん………今夜飲みに行こう」

茄子「なんだか、すいません………」

あい「いいよ。いずれ言うべきことだったから………茄子くんも、頑張りたまえ」

茄子「は、はい!」

ピンポーン

モバP「あ、はーい。今出ま………」

茄子「こんばんは」ニコニコ

モバP「あ………………」

茄子「夕飯、作り過ぎちゃって」ニコニコ

モバP「あ、ありがと………………」

茄子「でも食べきれました」ニコニコ

モバP「そ、そうなんだ………」

茄子「はい」ニコニコ

モバP「……………じゃ、じゃあまた明日」パタン

茄子「はい、また明日です」ニコニコ

茄子「………………」ニコニコ

茄子「………………」ニコニコ

茄子「……………あれ?」



モバP「茄子が夕飯おすそ分けするフリして満腹で幸せそうな笑顔を見せつけてくるんですけどどう反応すればいいんですかね」

ちひろ「デザートでも食べさせてあげたらいいんじゃないですかね」

茄子「駄目でした…………アーニャちゃーん」

アナスタシア「ダー………何が駄目だったのかは知りませんが、とりあえず逆転の発想です」

茄子「逆転?」

アナスタシア「駄目だった方法とは真逆のことをすれば案外うまくいく、と私のプロデューサーは言ってました」

茄子「真逆のこと………ふむふむ………」

アナスタシア「間違いの反対が正解とは一概には言えませんが、やってみる価値はあるかと」

茄子「アーニャちゃんは真逆のことしたことある?」

アナスタシア「ダー…………萌え? カワイイ? のために語尾に『にゃ』を付けて猫の真似をしたらそれはちょっと違うと言われてしまったので代わりに犬の真似をしたら喜ばれました」

アナスタシア「この前も犬の真似をして従順にしていたら、プロデューサー、いっぱいいっぱい可愛がってくれ……あ、プロデューサー。え? それは秘密? ごめんなさい………」

茄子「いいなぁアーニャちゃん………」


ピンポーン

モバP「あ、はーい。今出ま………」

茄子「こんばんは」ニコニコ

モバP「あ………………」

茄子「夕飯、作れませんでした」ニコニコ

モバP「が、ガスでも止まったの?」

茄子「お腹ぺこぺこです」ニコニコ

モバP「そ、そうなんだ………」

茄子「はい」ニコニコ

モバP「……………あ、あんまり量はないけど、食べてく?」

茄子「はいっ!」パアッ


モバP「ご飯あげたら持参してた犬耳つけてご主人様とか言い出したんですけど演技力上げるためのレッスンか何かですかね」

ちひろ「Pさん犬派ですか?」

モバP「うさぎ派ですけど」

ちひろ「はいはーい」

ピンポーン

モバP「あ、はーい。今出ま………」

茄子「こんば」バタン

茄子「………………」ニコニコ

茄子「………………」ニコニコ

茄子「……………Pさーん、風邪引いちゃいますよー」ドンドン

茄子「ほら、Pさんの好きなうさぎさんですよー」ドンドン

茄子「うさぎはー寂しいと死んじゃうんですよー」ドンドン

茄子「Pさーん、Pさーん」ドンドン


モバP「バニーガールが押しかけてきたんですけど新手の詐欺か何かですかね」

ちひろ「何かしたんですか?」

モバP「人参のグラッセあげたら喜んで帰りました」

ちひろ「役者魂あるなぁ」

茄子「うさぎでも駄目でした…………」

のあ「そう…………それは残念ね」

茄子「うさぎ、可愛いのに……」

愛梨「可愛いですよねー。私が着た時はプロデューサー嬉しそうでしたし」

茄子「何が駄目だったんでしょうか……」

のあ「名案があるわ、茄子」

のあ「私も以前同じ方法でプロデューサーの気を引いたわ」

茄子「そ、そんな必勝法が!?」

愛梨「のあさんの案なら安心できますね!」

茄子「はい! のあさん、ぜひ教えてください!」

のあ「いいわよ、あなたの友人として力を授けるわ……」


ピンポーン

モバP「あ、はーい。今出ま………」

茄子「こんばんは」ニコニコ

モバP「あ………………」

茄子「夕飯、作り過ぎちゃって」ニコニコ

モバP「あ、ありがと………………」

茄子「代わりにPさんの夕飯ください」ニコニコ

モバP「えっ」

茄子「つまみ食いさせてください」ニコニコ

モバP「いや、もう盛り付けも終わってるからつまみ食いはできないんだけど……」

茄子「そんなぁ………」ショボン

モバP「……と、とりあえず食べてく?」

茄子「つまみ食いできないのならいいです…………」ショボン

モバP「何そのこだわり………………」

茄子「また明日です………おやすみなさい」ペコリ

モバP「あ、うん……おやすみ………」

茄子「これ、肉じゃがなんでよかったら」

モバP「あ、ありがと…………」パタン

モバP「………………」

モバP「………………」

モバP「………せっかく、茄子ちゃんの好物作ったのになぁ」

モバP「…………肉じゃが美味しいな」

茄子「つまみ食いできませんでした…………」

のあ「……………………」

愛梨「…………………」

茄子「な、なんですか、この沈黙」

のあ「いえ………………」

愛梨「茄子さん…………」


モバP「つまみ食いってそんなにいいものなんですかね」

ちひろ「知りませんよ」

茄子「美優さーん」

美優「わ、私?」

茄子「茄子に男の振り向かせ方教えてください」

美優「わ、私に聞かれても…………えっと、そうね………ひ、膝枕、とか?」

茄子「それはもうしました」

美優「そ、そうなの? じゃあ………お弁当作ってあげる、とか」

茄子「それももうしました」

美優「じゃあ、その…………動物のコスプレをしてみたり、とか」

茄子「それももうしました」

美優「ええっ…………そ、それじゃあ…………えっと………」

茄子「美優さん、美優さんのプロデューサーと仲がいいから聞いたんですけど………心当たりありませんか?」

美優「ふ、振り向いてくれてるのかしら…………そ、そうね。私がしたことと言えば…………」


モバP「や、久々にナス関連でない場所に誘ってくれたのは嬉しんだけどさ、茄子ちゃん」

茄子「…………………」

モバP「雨は降らないんじゃないかな、天気予報でも一日中晴れって言ってたし」

茄子「……………Pさん」

モバP「うん、何?」

茄子「あ、雨の日……む、昔のこと思いだしちゃうな………」

モバP「降ってないよ雨…………」


モバP「茄子ちゃんが頑なに安産祈願のお守りを買おうとしてたんですけど茄子ちゃんの周囲警戒した方がいいですかね」

ちひろ「結局買ってあげたんですか?」

モバP「仕方ないから買ってあげようとしたんですけど、真っ赤な顔して断られました」

ちひろ「やだ純情」


茄子「さすがに子供はまだ………」

美優「買ってもらえそうだったんだ……茄子ちゃんすごい………」

茄子「あと鎌倉綺麗でした」

美優「…………お出かけに誘える時点で私より進んでるかも」

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