はかせ「さかもとーお年玉ちょうだーい」 (37)

阪本「新年明けて開口一番がそれかよ!お前は礼儀ってもんを知らないのか」

はかせ「あけましておめでとうございました」

阪本「何で過去形なんだよ!」

はかせ「今年もよろしくおねがいします」

阪本「お、おうよろしくなガキ」(まあ少しはまともになってきたか…)

はかせ「お年玉ちょーだい」

阪本「やっぱりそれかよ!」

なの「二人ともお雑煮の用意できましたよ~」

はかせ「わーい!」

なの「はいどうぞ」

はかせ「おもち美味しいー!」

なの「はい阪本さんも。今日は鯛ですよ」

阪本「おおお!これが鯛か…!」

阪本「美味い!美味すぎるぞこれ!」

阪本「!!」(骨が喉に…)

阪本「…!…!」

はかせ「さかもとどうしたの?」

阪本「…!」(ガキ早く助けろ!)

はかせ「わかった!さかもともおもち食べたいんでしょー」

なの「阪本さんったら食いしん坊なんだからー」

阪本(ちげえええええええええええええ)

はかせ「はい、はかせのおもち少しあげるね」

阪本(あっちいいいいいいいいいいいい!)

なの「そんなに跳ねちゃって。嬉しいんですね阪本さん」

阪本「げほげほげほっ!」(でも餅のおかげで骨が取れた…)

はかせ「ねーお正月何だし何かあそぼー」

なの「そーですねえ…羽根突きでもやりましょうか」

はかせ「やるやるー!」

なの「じゃあちょっと準備してきますね」

はかせ「羽根突きだー!」

阪本(俺は無視かよ)

はかせ「それじゃいっくよー」

なの「はーい」

阪本(ふっ…お正月に羽根突きとかやっぱりまだまだ子どもだな…)

はかせ「それっ!」ペコン

なの「えいっ!」ガキン

ドゴオオオオオン

阪本「」

なの「阪本さんごめんなさい!ちょっと力入れすぎちゃいました」

はかせ「ぷぷぷ、さかもとビビっちゃってる」

阪本「殺す気か!」

はかせ「次は凧揚げやろー」

阪本「おいまて何のまねだこれは」

はかせ「さかもとを凧にくくりつけてるの」

阪本「俺は忍者じゃねえ!」

阪本「おい娘!こいつを何とかしろ!」

なの「まあまあお正月なんですから」

阪本「意味わかんねーよ!」

阪本「おいガキ少し考えなおせ。こんなことしても面白くな

はかせ「それじゃさかもといってらっしゃーい」

阪本「こいつは人の話聞いてねー!」

阪本「やばいやばいやばいどんどん高くなってきたぞ」

阪本「それに風が冷たい…へくちっ!」

阪本「おいガキ!もういいだろ!そろそろ降ろせ!」

はかせ「はーい」

阪本(ほっ…)

はかせ「あ」シュル

なの「あ」

阪本「え?」

阪本「あれ?何かどんどん風に流されていくんだけど」

はかせ「ごめーんさかもと。たこ糸放しちゃった」

なの「阪本さーん!」

阪本「何いいいいい!?」

みお「…」

よしの「もーみおったら。クリスマスのことまだ怒ってるの?」

みお「当たり前でしょ」

よしの「新年だから去年のことはもう忘れなさい」

みお「忘れる…?忘れるわけないでしょ!」

みお「大体何よクリスマスケーキのイチゴ全部将棋の駒に変えるとか!!」

みお「王将、金将、角に飛車…軽く一試合できちゃうよ!!」

よしの「冗談のつもりだったのよー」

みお「もういいよこのバカ姉…」

ボト

よしの「何の音かしら?」

阪本「いつつ…どこだここ?」

よしの「まあ!黒猫さんじゃない!」

みお「あー!ホントだ!」

阪本「ん?」

よしの「可愛いー!ウチで飼おうかしら」

みお「この猫きっと人のだよ。何かついてるし」

阪本「へくちっ!」

よしの「でも風邪引いてるみたいだしちょっと温めてあげましょう」

よしの「はいロシアンティーよ」

阪本(ちょっと喉が渇いてたところだ…ありがたい)

阪本「ってあちいいいいいいいいいいいいいっ!」

みお「猫がしゃべった!!」

よしの「ごめんなさいちょっと熱かったかしら。お口直しにこれどうぞ」

阪本「にっげえええええええええええええええええええ!!」

みお「何でまだくさやジャム残ってんのよ!」

阪本(し、死ぬかと思った…)

みお「さっきこの猫しゃべったよね?」

よしの「そうだったかしら」

阪本(やべっ!)

阪本「にゃ、にゃー」

よしの「普通に鳴いてるじゃない」

みお「あっれー?確かにしゃべってるように聞こえたんだけど…」

阪本「にゃー」(危ない危ない)

よしの「私キャットフード買ってくるわ」ガチャ

みお「でもこの猫可愛いなあ」ナデナデ

阪本(人に撫でてもらうのいつ以来だっけなあ)

みお「ねえねえにゃーって鳴いて?にゃーって」

阪本「にゃー」

みお「可愛いいいい!」

阪本(何だこの新鮮な反応)

みお「そうだ。ゆっこも呼ぼうっと」


はかせ「さかもとどっか行っちゃった…」

なの「ちょっと心配ですね…手分けして探しましょうか」

はかせ「わかった!」

みお「もしもしゆっこ?」

ゆっこ『どうしたのみおちゃん?』

阪本(ゆっこって確か娘の友達だったよな…)

みお「いやーウチに猫が転がり込んできてさ。すっごい可愛いんだよ!ウチ来なよ!」

ゆっこ『何か楽しそうじゃーん!いくいく!』

みお「じゃあ待ってるからねー」

なの「阪本さーん、どこですかー?阪本さーん」

よしの「あれ、あなた確か…」

なの「あーっ!」

よしの「ねえねえこの間のってどうやったの?」

なの「それは聞かないでくださいよお…」

よしの「いいじゃん教えてよー」

なの「わ、私急いでるんです!飼ってる猫が飛んでいっちゃって…」

よしの「そういえばウチで黒猫拾ったわよ」

なの「そ、それって赤いスカーフつけてましたか?」

よしの「ええ」

なの「じゃあきっとその猫です!案内してもらっていいですか?」

よしの「この間の教えてくれたらねー」

なの「そんなあ~」

みお「ゆっこの奴遅いなあ…」ナデナデ

阪本(今までで一番幸せなのかもしれん…)

みお「遅いよねー?猫ちゃん」

阪本「にゃー」

ピンポーン

ゆっこ「いや~お待たせ!途中ではかせと会っちゃってさ」

はかせ「さかもとがここにいるかもしれないって聞いたから」

みお「ゆっこ、その子は?」

はかせ「はかせです。なのをつくりました」

みお「へえーなのちゃんを…ってええええ!?」

はかせ「ちなみにその猫はさかもとって言ってしゃべれるんだよ」

阪本(バカ!なんでバラすんだ!)

みお「り…理解を超えてるんだけど…」

ゆっこ「まあいいじゃんそんなことは!私にも阪本抱かせてよー」

ゆっこ「うっひょー!かっわいいー!」

みお「やっぱり聞き間違いじゃなかったんだ…」

ゆっこ「ねえねえ阪本?しゃべってみ?しゃべってみ?」

阪本「はあ…バレちまったもんはしょうがねえ」

ゆっこ「おお!ホントにしゃべった!」


よしの「ただいま~」

なの「阪本さん!」

みお「あ、なのちゃん!」

なの「も~阪本さん探したんですよ~」

はかせ「一人で勝手に飛んでいくから…」

阪本「元はと言えばお前が悪いんだろうが!」

よしの「なんだか賑やかねえ」

よしの「おやつ持ってくるからちょっと待ってて」

ゆっこ「ありがとうございまーす」

よしの「はいクラッカー。この特製ジャムを塗って食べてね」

なの「おいしそー!」

みお「バカ姉も少しはおもてなしできるじゃん」

よしの「失礼な!私だってそのくらいできるわよ」

ゆっこ「いただきまーす!」パク

はかせ「わーい!」パク

なの「私もー」パク

みお「どれどれ」パク

阪本「おいおまえら


――――その日、長野原家には絶叫が鳴り響いた

END

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