妹「実の兄を好きになるとかありえない」(387)

妹「そんな時期が私にもありました♪」

兄「引っ付くなよ、暑いだろ?」

妹「嫌だもーん!」

兄「気になるのは?」
妹「実の兄」
兄「木に生るのは?」
妹「実の兄」

兄「大体、お前俺のこと毛嫌いしてたじゃないか」

妹「昔の事を気にしても仕方ないよお兄ちゃん♪」

兄「呼び捨てだったのに、甘い声でお兄ちゃんとか呼びやがって……」

妹「……………………イヤ?」

兄「……まぁ、嫌じゃないけどさ」

妹「ありがとうお兄ちゃん!」

違う
なんか求めてた妹となんか違う
誰か頼む


妹「まず世界に男性が兄しかいないと仮定します」
妹「その時、私は兄を恋愛対象とみなすでしょうか?」
妹「答えはYes。男性が兄しかいない以上、私は兄を恋愛対象とするでしょう」

妹「では次に兄と、もう一人誰か知らない男性がいたとした場合」
妹「その時、私は兄を恋愛対象として選ぶでしょうか?」
妹「答えはYes。どこの誰だかも解らない人よりかは私は兄を選びます」

妹「この事から次の仮定が成り立ちます」
妹「世界の男性数nが1の場合、私は兄を恋愛対象とする」
妹「男性数がn+1の場合もまた、私は兄を恋愛対象とする」
妹「つまりnがいくつであっても私は兄を恋愛対象とする」

妹「ゆえに私が兄を好きになるのは当然にして必然たる自然な行為なのです」
妹「Q.E.D.」
兄「Q.E.D.じゃねぇいいから離れろドヤ顔でみるな眼鏡の位置を直すな」

妹友「そうかなぁ?」

妹「絶対そうだよ」

妹「大体、自分の兄って言う時点で、血の繋がりが……」ブツブツ

妹友「……」

妹友(いきなり自分からこんな話しだして、どうしたんだろう……)

妹「生まれたときからずっと一緒にいるなんて、そんな関係……」ブツブツ

妹友「妹ちゃん」

妹「裸だって見られたことあるし……」ブツブツ

妹友「妹ちゃん」

妹「向こうが私のことどう思って……」ブツブツ

妹友「好きなの?」

妹「……」

妹「?」

妹友「お兄さんのこと、好きなの?」

>>8
奈良梨取考?

妹「ではもう一つ、昔の人は言いました」
妹「兄居りはべり、妹(いも)よがり」

兄「文章違うし昔の人の言葉じゃないしお前はそもそも眼鏡じゃないだろ」
妹「眼鏡属性は無いですか、では隣のお爺ちゃんに返却しましょう」
兄「今すぐ返してこい」

>>22
よく分からんのでググったけどやっぱりよくわからなかった

兄「大体お前が言い出したんだろ、実の兄を好きになるとか」
妹「待ってください。今の言葉をもう一度」
兄「は? 実の兄を好き」
妹「もう一度ひらがなで」
兄「じつのあにをす」

妹「違います。私が言ったのはクラスメイトの実(みのる)くんの事です」
妹「その兄を好きになるとかありえない、そう言う事です」

妹「Q.E.D.」
兄「だからドヤ顔するなシャツに顔を突っ込むな臍を舐めるな変態かお前は」
妹「肯定したら臍ペロ解禁しますか?」
兄「そ
妹「Yesです。ではいただきます」

妹「……」

妹「…………」

妹「………………」

妹友「!」

妹友(い、言っちゃいけないこと言っちゃった?私……)

妹友「え、えっとね、妹ちゃんが、ずっとお兄さんの話ばっかりしてるから、それで……」

妹「……」

妹友「……?」

妹友「妹……ちゃん?」

ドサッ

妹友「気絶してる!?」

……

……

妹「もぉ……」

妹「友ちゃんが変なこと言うから……」

妹友「ご、ごめんね」

妹友(でも、まさか、気絶するなんて……)

妹「とにかく!!!!」

妹友「」ビクッ

妹「実の兄を好きになるとかありえない」

……

……

妹「……」ガチャ

妹「……」ソーッ

兄「おー、お帰り」

妹「」ビクッ

兄「?」

妹「……っ」サササッ

兄「おい、どうした、何コソコソして……」

妹「ぅ、うるさいっ!」

兄「……?」

兄「なんだよ、折角お前の好きな菓子、帰りに買ってきてやったのに」

妹「!」

妹「……」

妹「いらない!」

兄「そうか」

妹「いらないもん!」

兄「じゃあ、俺が食べるわ」

妹「いいもん」

兄「……」スッ

妹「あ……」

兄「……」パクッ

妹「!」

兄「……」モグモグ

妹「……」ウルッ

兄「なんてな、今どき食ったふりなんかに引っかかるなよ」

兄「ん、やるから腹減ったら食えよ」

妹「あ……」

バタンッ

妹(行っちゃった……)

妹「……」

妹(お菓子……)

妹「……」

妹(買ってきてくれた)

妹「……」

妹「……」パクッ

妹「……」モグモグ

妹(おいしい)ニコニコ

兄「ああ、そういや……」ガチャ

妹「……」ニコニコ

妹「!!!?」

兄「はは、美味かったか」

妹「……!」カァァァ

妹「やだ!」

兄「え?」

妹「もうやだ、出てってよぉ、入ってこないで!!」グイグイ

兄「お、おい」

妹「うぅぅ……!」グイッ

バタンッ!

兄「……」

兄「なんだよあいつ……」

続任

>>37
期待

いい妹だ

まだー

姉、妹、幼なじみ、委員長、お嬢様

のどれかあれば勃起までいける

>>57
近所のお姉ちゃんは委員長にしてお嬢様にして妹持ち
そんな姉妹とある日を境に姉兄妹となる事になり……!?

妹「ほ」
兄「も」
妹「兄」

友「そりゃお前、アレだろ。反抗期ってやつだろ」モグモグ

兄「反抗期ねえ」

友「だってよ、お前んとこの妹さん……たしか、中二だっけ?」

兄「中三」

友「だろ~? やっぱね、そんなぐらいの歳になるとね、兄貴とか父親とか、とにかく身内の男を敵視し始めるもんなんだよ」

兄「弟は?」

友「や、下の子はやっぱさ、可愛いもんでしょ。フツー」

兄「そんなもんかねえ」

友「うちの姉貴とかも、けっこうなブラコンだしね」

兄「ほんとかよ……」

友「だからさ、お前もそんな気に病むことねーって」

兄「べつにそんなんじゃないよ……。ただ、やっぱ兄妹なんだし。ずっと、とは言わないけど、まあそれなり仲良くしていきたいしさ」

友「おうおう。愛されてるね~、妹ちゃん」

兄「茶化すな」

友「ま、とりあえずアレだな。適切な距離感? っつーのを掴むところからだな、お前の課題は」

兄「十年以上一緒に暮らしといて今更そんな……」

友「いやいやいや、男子三日会わざれば刮目して見よって言うだろ? でも女の子なんか一日でコロコロ変わるもんだからね。その都度こっちも対応変えてかなきゃ駄目よ」

兄「お前は女の子の何を知ってるんだよ」

友「いやいやいや、俺こう見えてもアレだよ? 女の子のハートを掴むことにかけちゃそれなりのもんよ? マジな話」

兄「童貞なのに?」

友「うるせーよ!」

来てた

友「あ、そういえばさ」

兄「ん?」

友「今日の放課後、クラスの奴ら何人か誘ってカラオケでも行かねーかって話があってさ」

兄「そうか。楽しんでこい」

友「いやいやいや、違ぇよ。お前もどうよ? って誘ってんだよ」

兄「あー、悪い。今日は早く帰って、しっかり妹に謝ってやりたいんだ」

友「は? お前、妹ちゃんになんかしたの?」

兄「いや、だから昨日のことでだよ。俺がなんかやらかしたから、機嫌損ねたんだろ。こういうのは出来るだけ早い方がいいしさ」

友「……はぁ」

兄「?」

友「お前ねー、そんなんだから女にナメられんだよ」

兄「俺がいつ女にナメられたんだ」

友「ダメダメダメ、そんなんじゃ。兄貴としての貫禄っつーか、まず男としてダメだわ!」

兄「なんでお前にそこまで言われなきゃならんのだ……」

友「いい? 男はね、どんな時にもどっしり構えてなきゃいかんのよ」

兄(ま~た始まった)

友「それがなに? ちょっと妹の機嫌損ねただけでビビってヘコヘコしてたんじゃ、アレですわ。そう、アレだよ……アレ」

兄「なんだよ」

友「…………とにかくさ、男はね、どんな時にもどっしり構えてなきゃいかんのよ。分かる?」

兄「わがんねー」

友「いや、だからアレなんだって! ちょっと待って、十秒待って。思い出すから」

兄「…………」

友「…………」

女「友くん」

友「うぇ!?」

女「もうお昼休み終わるから」

友「あ、うん」

女「どいて」

友「あっ……ご、ごめん、すぐどきます!」

兄(男はどんな時にもどっしり構えとくもんじゃなかったのか)

友「つ、つーわけで兄、放課後ちゃんと空けとけよ!」

兄「え、俺行くなんて一言も」

友「いいからいいから! せっかく親友が気利かせてやってんだから、快くオーケーしとけって! な?」

兄「……はいはい、分かりましたよ。けど、あんまり遅くなるようだったら途中で抜けるからな」

友「おしっ! じゃ、楽しみに待っとけよ!」

女「……」ジー

兄「?」

女「行くんだ」

兄「へ?」

女「カラオケ」

兄「あ、うん。もしかして、女さんも?」

女「いや、私は断ったんだけど……。やっぱり、行こうかな」

兄「そうなんだ。女さんがこういうのに参加するって、なんか珍しいね」

女「そう?」

兄「うん。失礼な話かもしれないけど、あんまり大勢でワーワー騒ぐタイプには見えなかったから、ちょっと意外」

女「私も」

兄「?」

女「意外」

兄「へ?」

キーンコーンカーンコーン

教師「うーっす」ガラガラ

女「じゃ、放課後はよろしくね」

兄「ああ、うん」

兄「…………」

兄(やっぱ、何考えてるんだかよくわかんねえ)

教師「コラーお前! いつまで弁当広げんとだ、コラー!」

兄「あ、やべっ」

放課後
───────────

コギャル「あぁ~、こんな性格じゃ~キスは遠いかな~♪」

友「いいぞーコギャルちゃん!」

チンピラ「……」

コギャルⅡ「……」

チンピラⅡ「……」ブツブツ

女「……」

男(なんでコギャルとチンピラばっかなんだよ!)

パチパチパチパチ

友「いやーコギャルちゃん歌上手かったんだねー!」

コギャル「あ、ありがとうございます!」テレテレ

兄(見た目はアレだけど、真面目だし成績もいいんだよなあこの子……)ズズズー

女「兄くんも」

兄「ん」

女「飲んでばっかりいないで歌ったら?」

友「そうだぜ兄、パーっといこうぜ!」

兄「つっても俺、最近の歌とか全然知らんぞ」

友「いいからいいから、選べってほら!」

兄「わかった、わかったから」 

兄「始めようか天体観測~♪ 二分後にきみが来なくとも~♪」

友「……」

女「……」

その他「……」

兄「きみと二人追いかけてるぅ~↑」

全員「…………」

友「兄、お前……」

兄「……」

友「めっちゃくちゃ音痴なんだな」

兄「うっさいわ!」

コギャル「い、いや、でも、感情は篭ってたし……よかったと思います!」

チンピラ「うん……言うほど悪くはなかったよ。うん」

兄「いたたまれねえ」

女「あー、おかしかった」クスクス

兄「」ビキッ

兄「……女さんも、そろそろ歌いなよ。歌うよね?」

女「べつにいいよ?」

友「おっ、なにやら自信あり気ですねえ!」

兄(ふん、どうせ強がりだろ……)

女「きみと居た夏は遠い~夢の中ァーアァアァ↑」

女「空に消えてぇったぁ~↑ ウチあーゲー花火ィ~↓」

兄「」パチパチ

友「」パチパチ

その他「」パチパチパチ

女「……なんか言ってくれない?」

兄「いや」

友「なんか」

兄「予想以上に、なんかだったよね」

友「うん」

コギャルⅡ「耳逝っちゃう系だよね~」

女「」ムカッ

兄「あ、俺ちょっとトイレ」

友「いってらー」

兄「おう」バタン

兄「…………」

兄「一応、妹にメールしとくか」

『今日ちょっと遅くなるから、先に飯食っといてくれ』

兄「……よし」

女「メール」

兄「!?」ビクッ

女「彼女、とか?」

兄「いや、妹だよ。帰り遅くなるって伝えてなかったからさ」

女「……ふーん?」

女「仲いいんだ?」

兄「まあ、悪くはない……かな」

女「兄くんってけっこう、クラスの子に人気あるよね」

兄「そんなことはないと思うけど」

女「告白とか、よくされるでしょ。今日までで、三回?」

兄「……なんで知ってるの?」

女「ほんとはねえ、もっと多かったはずなんだよね」

兄「?」

女「今日ここに来る女の子の数」

兄「そうなんだ。知らないけど」

女「なんで来なかったかわかる?」

兄「さあ」

女「答えは、私が居るから」

兄「…………」

女「私のこと、何考えてるのか分かんないやつだなとか、思ったことない?」

兄「……どうだろ」

女「あるんだ」クスクス

兄「……なにが言いたいのかな」

女「女の子って、そういうタイプの人間が嫌いなんだよね」

兄「ふーん」

女「じゃあ、どういうタイプの人間が好きなのかわかる?」

兄「……よくわかんないけど。言いたいことをハッキリ言うような……自分に正直なタイプ、とか?」

女「残念、逆なんだな。自分に嘘をつくような女の子の方が、同性にモテるんだよ。考えていることを正直に話したり、隠したりする子が嫌われる」

兄「それを俺に話してどうしたいの?」

女「私たちさ」

兄「うん」

女「付き合わない?」

兄「は」

───────────

兄「……ただいま」

妹「あっ……お、おかえり」

兄「母さんは?」

妹「今日も遅くなるって」

兄「そっか」

妹「うん」

兄「……って、もしかして待っててくれたのか。先に食べていいって言ったのに」

妹「べっ! べつにそういうんじゃないし! なに言ってんの、もう、ほんとに自意識過剰マン!」

兄「そんなことないマン」

妹「も、もしかして、外で食べてきちゃったマン?」

兄「いや、これから食べるよマン」

妹「じゃ、温めなおすマン?」

兄「もうやめようぜ」

妹「はい」

スレ立てた甲斐があったね
妹キャラ最高

兄「あの、さ」

妹「うん」

兄「昨日は、その、悪かったな。ごめん」

妹「えっ、なんでお兄ちゃんが謝るの」

兄「いや……なんつーか、デリカシーに欠けていたかな、と」

妹「ううん。そんなことないよ。こっちこそ、ごめんね」

兄「……そうだ」ガサガサ

妹「ん?」

兄「お菓子、今日も買ってきたから。ほら」

妹「あっ……あり、がとう……」カァーッ

兄「プッ、なに照れてんだよ」

妹「照れてない! 照れてないから!」バシバシ

兄「いでででで」

兄「やっぱさ」

妹「うん」

兄「お前の作るオムライス、美味いわ」

妹「……どーも」

兄妹「……」モグモグ

兄「そういえばさ」

妹「うん」

兄「……いや、やっぱいいや」

妹「途中で止めないでよ。気になるじゃん」

兄「……」

妹「お兄ちゃん?」

兄「いや、隠してもしょうがねえよな。うん」

妹「……」

兄「俺、彼女出来たわ」

妹「は」

兄「女さん、っていうんだけど。同じクラスの人でさ」

妹「……」

兄「なんか、今までよく知らなかったんだけど、話してみるとけっこう面白い人でさ」

妹「……」

兄「俺、今まで彼女とか作ったことなかったけど。っていうのも……うちってほら、母さんも普段帰り遅いし、アレだろ」

妹「……」

兄「やっぱり、気がかりだろ。兄貴としてはさ。妹放ったらかしにして女と遊んだりとか、したくねーなって思ってたんだけど」

妹「……」

兄「……そういうの、最近鬱陶しいみたいだしさ。俺なんか、居たら寧ろ邪魔なんじゃね?って感じで」

妹「ッ!」ガタン!

兄「妹?」

妹「うっさい! 死ね、クソ兄貴!」

バタンッ

兄「……俺、なんか間違ったかな」

妹(鬱陶しい?)

妹(邪魔?)

妹(そんなこと、一言も言ってない!)

妹(考えたことだってない!)

妹(なのに)

妹(なんで、勝手に……)

妹(…………)

妹(いや、でも、)

妹(これで、いいのかな)

妹(だって)

妹(実の兄を好きになるとか、ありえないし)

兄「そんな時期が私にもありました♪」

兄「引っ付くなよ、暑いだろ?」

兄「嫌だもーん!」

兄「大体、お前俺のこと毛嫌いしてたじゃないか」

兄「昔の事を気にしても仕方ないよお兄ちゃん♪」

兄「呼び捨てだったのに、甘い声でお兄ちゃんとか呼びやがって……」

兄「……………………イヤ?」

兄「……まぁ、嫌じゃないけどさ」

兄「ありがとうお兄ちゃん!」

翌日
───────────

友「あれ、お前今日弁当は?」

兄「あー……ちょっと、色々あってな」

友「ふーん? ま、いいけど」

兄「ていうか、昨日はごめんな。メールはしたけど、勝手に帰っちゃってさ」

友「今更?」

兄「いや……お前のことだからてっきり朝一で問い詰めてくるのかと思って、その、な」

友「……」

兄「友?」

友「お前さ」

兄「うん」

友「もしかして、女さんとデキてたりすんの?」

兄「えっ」

友「悪いことは言わねえ。あいつだけはやめとけ」

兄「えっ……?」

友「お前、女さんが他の女子とつるんでるの見たことあるか?」

兄「いや、あんまり……」

友「ちょっと耳貸せ」

兄「お、おう」

友「いいかよく聞けよ、あいつはな……」

女「友くん」

友「……」ビクッ

女「兄くん、借りていい?」

友「ど、どうぞ」ササー

女「兄くん、行こ」

兄「えっ、ああ、うん。悪いな、友、また今度」

友「…………」

屋上
───────────

女「お弁当」

兄「うん」

女「作ってきたんだ」

兄「あ、ほんとに?」

女「食べて」

兄「うん。ありがたく頂くよ」

女「彼女っぽい?」クスクス

兄「彼女っぽいね」

女「美味しい?」

兄「うん、すごく。女さん料理上手なんだね」

女「いつも自分で作ってるから」

兄「もしかして一人暮らし?」

女「ううん。そうじゃない、けど……」

兄「ああ、いや、言いづらかったらいいんだ」

女「ごめんね」

兄「や、こっちこそ……」

女「…………」

兄「…………」モグモグ

女「オッケー」

兄「?」

女「貰えるなんて、思わなかったなあ」

兄「え、なに、フラれるつもりの告白だったの?」

女「うん」

兄「すごいな」

女「すごい?」

兄「うん。普通、出来ないよ。勇気ある」

女「兄くんは、フラれるって分かっていたら告白出来ない?」

兄「……たぶんね」

女「ふふ」

女「日曜日」

兄「うん」

女「デート、する?」

兄「……しよっか」

女「やったね」

兄「やったやった」

女「初デート?」

兄「だね」

女「ふふ」

兄「女さんは?」

女「……ひみつ」

兄「ずるいなー」

女「そうだね。女の子は、ずるい」

───────────

妹友「今日はお弁当じゃないんだね」

妹「……うん。ちょっと、寝坊しちゃって」

妹友「そっか」

妹「うん」

妹友「……」

妹「……」

妹友「なにか、あったのかな」

妹「ううん。ないよ……なにも」フルフル

妹友「今日、うちにおいで」

妹「え?」

妹友「……や、違うな。うちに来なさい」

妹「命令?」

妹友「命令です」

妹「なら、仕方ないね」

放課後
───────────

妹友「そっか。お兄さんに、彼女が……」

妹「……」

妹友「つらいね」

妹「そんなことない」

妹友「妹ちゃん……」

妹「どうして、お兄ちゃんに恋人が出来たからって私がつらくなるの。バカじゃないの。そんなこと、あるわけない」

妹友「自分の気持ちに嘘をつくの。今日ぐらい、お休みしてもいいんじゃないかな」

妹「私は……嘘なんて、ついてない」

妹友「…………」

俺もいるぜ!

妹友「名乗るほど大した名じゃないが~♪」

妹「!?」

妹友「誰かがこう呼ぶラフメイカー♪」

妹「……なに、それ」

妹友「泣いてもいいんだよ」

妹「は」

妹友「つらい時は、いっぱい泣かないと。そうしなきゃ、あとでいっぱい笑えないんだよ」

妹「わけわかんない」

妹友「よしよし」ナデナデ

妹「やめて」

妹友「……」ナデナデ

妹「やめてよ。優しく、されたらッ……」グスッ

妹友「泣いちゃう?」

妹「……泣かない」グスグス

妹友「はいはい」

───────────

兄(女さんと過ごす時間が増えた)

兄(代わりに、妹は過ごす時間は減った)

兄(これでよかったんだよな)

兄(妹も、あれからは普段通りだし)

兄(これでよかったんだよな……?)

兄(…………)

兄(妹は思春期、か……)

日曜日
───────────

女「こんにちは、兄くん」

兄「こんにちは」

女「ごめんね、待たせちゃった?」

兄「ん、ちょっとだけね」

女「そこは今来たところって言わなきゃ」

兄「なにそれ。お約束、ってやつ?」

女「ふふ」

兄「…………」

女「どしたの。じっと見つめちゃって」

兄「……いや、私服可愛いなって」

女「ふふ、ありがと。でも少し地味じゃない?」

兄「や、俺好きだよ。黒い服」

女「いいよね、黒。全身黒尽くめ、みたいなのはどうかと思うけど」

兄「はは、居る居る」

───────────

兄「ご飯食べてきた?」

女「ううん」

兄「じゃ、なんか軽く食べ行こっか。モスでいいよね?」

女「……初デートで彼女をファーストフードに連れてく男の人って……」

兄「うっ……じょ、冗談だって。じゃあ……ラーメン、とか?」

女「……うん。お店は私が選ぶね」

兄「ご、ごめんね。あんまりそういうお店知らなくてさ」

女「初めてだもん、しょうがないって。でも、次からはちゃんと勉強しておくこと」

兄「はい、善処します」

女「よろしい」

喫茶『世界一美味しいよ!』
───────────

女「ここはペペロンチーノが絶品なんだ」

兄「へー、じゃあ頼もうかな」

女「デート中にニンニクはNGだと思います」

兄「……けっこう難しいものなんだね、デートって」

女「回数こなしていくうちに慣れるよ。私も最初はそうだったから」クスクス

兄「……女さんってけっこう、経験豊富だったりする?」

女「まあ、人並みには」

兄「そっか」

女「うん」

───────────

女「次はどうする?」

兄「うーん……ウィンドウショッピングとか」

女「……もしかして」

兄「?」

女「プラン、なんにも考えてなかったりする?」

兄「……うん」

女「もう、しょうがないなあ」クスクス

兄「……重ね重ね申し訳ない」

女「でも、まあ、そういう初々しいところが人によっては高得点だったりするしね」

兄「あー、なんか分かる気がする」

女「ふふ。じゃ、行こっか」

イオソ
───────────

兄「服でも見てく?」

女「イオソの服はちょっと……」

兄「そ、そうなの?」

女「んー、ちょっと私本屋寄りたいな」

兄「あ、いいね本屋」

女「兄くん、本読むの?」

兄「漫画ばっかりだけどねー。たまに小説も読むけど」

女「へえ、どういうの?」

兄「最近読んだのだと、恋沼とか」

女「え、よりによってそれ……?」

兄「いや、なんかドラマ化されてたし、面白いのかなと思って……」

女「ああ……」

兄「あれ、友じゃん」

友「げっ……」

兄「おいおい、いきなりそりゃないだろ」

友「いや、悪ぃ悪ぃ。ついうっかり」

女「こんにちは、友くん」

友「あー……ハイ、こんにちは。それじゃ、また」

兄(こいつ、女さんのこと苦手なのかな?)

友「あっ、そうだ兄」

兄「ん、どうした?」

友「流されるなよ」ボソッ

兄「……? お、おう」

友「んじゃーな」スタスタ

女「友くん、なんて?」

兄「あー、いや、楽しんでこいよ! 的なことを……」

女「……ふーん?」

───────────

兄「もう暗くなってきたね」

女「そうだね」

兄「……映画つまんなかった?」

女「そんなことないよ」

兄「そっか」

女「うん」

兄「それじゃ、そろそろ帰ろっか?」

女「えっ」

兄「えっ」

女「帰っちゃうの?」

兄「あ、もしかしてまだ遊び足りない?」

女「そうじゃなくて」

女「えっちしないの?」

兄「は」

兄「なに、それ。ギャグ、だったりするのかな」

女「? 普通するでしょ?」

兄「いや、だって、まだ、デートだって、一回目で、」

女「関係なくない?」

兄「そうなの?」

女「私は兄くんのこと好きだよ」

兄「はい」

女「兄くんは?」

兄「え」

女「兄くんは私のこと好き?」

兄「そ、そりゃ……まあ」

女「ちゃんと言ってよ」

兄「……好き、ですよ?」

女「じゃあ、えっちするでしょ?」

兄「は」

兄(はは)

兄(なるほどね)

兄(友が言ってた、『流されるな』の意味がわかった)

兄(こういうことなのね)

兄(きっと、この子は他の男にも平然とそういうことを言ってきたんだろう)

兄(そりゃ、女子に好かれるはずないわ)

女「兄くん?」

兄「……」

女「黙ってるってことは、いいってことだよね?」

兄「無理だ」

女「は?」

女「わけわかんない」

兄「……俺も同じ気持ちだよ」

女「じゃあ、えっちするんだ?」

兄「いい加減にしてくれ」

女「なんで?」

兄「もう、帰ろう」

女「ねぇ、なんで? なんでなんで?」

兄「やっぱりさ、そういうのは、もっとお互いをよく知ってからでも……」

女「死ぬ」

兄「……なんて?」

女「してくれなきゃ、死ぬ」

兄「ちょ」

女「車に、飛び込む」フラフラ

兄「馬鹿か、やめろ!」ガバッ

兄「ハァ、ハァ……なに考えてるんだ、マジで」

女「……」

兄「顔、真っ青だぞ。帰ってゆっくり休もう。な?」

女「……気分、悪い」

兄「ああ。わかってるから。送ってくよ、歩けそう?」

女「……ここから家、遠い」

兄「ん、まあ、隣町だし……あ、そうだ、タクシー呼ぶ?」

女「いい。こっちに休める場所、あるから」

兄「そうなの? 俺、この辺あんまり詳しくないからなあ」

女「うん。付いてきて」

兄「……変なところじゃないよね?」

女「大丈夫だよ、変なところじゃない」

兄「なら、いいんだけどね」

───────────

兄「ってラブホやないかーい!」

女「兄くん、うるさい」

兄「もー! 変なところじゃないって言ったでしょー! お兄ちゃんと約束したでしょー! もー!!」

カップル「キャーナニアレー」「アラテノマンザイシジャネ?」

女「兄くん、人見てるから! すっごい見てるから!」

兄「あ、ごめん。取り乱しちゃったね」

女「じゃ、入ろっか」

兄「うん、そうだね……って違うでしょー! 流されるなって約束したでしょー!」

女「だいじょぶ、休むだけ。休むだけだから」

兄「先っちょだけ! 先っちょだけだから! と同じぐらい信用出来ないんだけど」

女「あ、えっちしたくなった?」

兄「したくなってません! いいか、ほんとに休むだけだからな。俺絶対やらないからな」

女「はいはい、嘘ついたら針千本飲むから。ていうか、ほんと恥ずかしい。早く入ろ」スタスタ


妹「…………」

兄「おっ、すげえ。ほらほら、これ! PS2!」

女「PS2ではしゃぐ人初めて見たよ……」

兄「最近のラブホって色々あるんだなー……おお、北斗入ってる! 対戦しようぜ対戦!」

女「いいよ。私けっこう格ゲー好きなんだ」

兄「UNIやってる?」

女「それはまだ手つけてない」

兄「P4Uは?」

女「陽介」

兄「へー、ニンジャかあ……お、点いた点いた」

女「私シンね」

兄「俺トキ使っちゃうもんねー」

女「うわ、ひっど」

ウィーントキィ (パーフェクト)

兄「ふはは、女さん弱いねえ」

女「や、家庭用じゃなきゃユダでボコボコにしてたからね?」イライラ

兄「……あ、待って」

女「ん?」

兄「今何時?」

女「そうねだいたいね~……八時半」

兄「やば、妹に連絡入れるの忘れてた」

女「親は?」

兄「日曜でも仕事仕事だよ」

女「大変だねえ……」

兄「よし、もう大丈夫だよね? 流石にそろそろ帰ろうか」

女「えっ」

兄「えっ」

まだあったのか

女「するでしょ?」

兄「しないでしょ?」

女「私の胸、どう思う?」

兄「……は? いや、どうって…………ふつう?」

女「そう思うでしょ? でもね、脱ぐとけっこう凄いんだよ」

兄「いや、脱がなくていい、脱がなくていいから!」

女「ん、しょっと……」ヌギヌギ

兄「俺は見ないぞ。絶対見ないからな」

女「指の隙間から視線を感じるんですが」

兄「…………」

女「どう?」

兄「……大きいですね」

女「ブラも外すね」

兄「それはだめ!」

女「じゃあ、外してくれる?」

兄「外さない」

女「こっち、来て?」

兄「行かない」

女「近くで見て?」

兄「…………」

女「来て、見て、触れて?」

兄「そうやって聞くと、なんかえろいよねそれ」

女「じゃあ、私から行くね」

兄「なっ」

女「兄くんも、脱いで」

兄「脱がないから!」

女「でも、苦しそう」

兄「これがスタンダードだから!」

女「ふーん?」

女「わかんないな」

兄「……なにが」

女「みんなは私のことがわからないって言うけど、私は、みんなのことがわからない」

兄「だから、なにが?」

女「楽になっちゃえばいいのに。どうして嫌がるのかな。ほんとはしたいって思ってるくせに」

兄「……」

女「男子高校生なんて、猿みたいなものじゃないの。頭の中を開けば、セックスって言葉しか出てこないんじゃないの」

兄「いや、それは流石に偏見だよ」

女「私のこと、綺麗だって思う?」

兄「……うん」

女「欲情する?」

兄「…………」

女「答えて」

処女ビッチってすごいな

兄「ああ! 思うよ、思います! 女さんとエッチしたいって考えてます!」

女「だったら……!」

兄「でもさ、それだけじゃないんだ。男とか女とかだからじゃなくて、人間だから、当たり前なんだけど。もっと、複雑なんだ」

女「……」

兄「俺が今こうして見てるのは、女さんの身体だよ。それを無茶苦茶にしてやりたいって気持ちも、なくはないよ。健全な男子高校生だしさ」

兄「でもさ、頭の中にはさ、女さんじゃなくて、別の女の子の顔が浮かんできたりもするんだ」

女「なにそれ。ふざけてるの。早々に浮気宣言?」

兄「妹なんだ」

女「は」

女「なに、それ。え、シスコンってこと?」

兄「……そうかもしんない。笑いたければ笑っていいよ」

女「や、ぜんぜん笑えないから」

兄「だよね」

女「だよねじゃないよ」

兄「止まらないんだ。たとえデート中でもさ、一度あいつのことを思い出すと。今、なにしてるんだろうなとか。一人で寂しくないかなとか」

兄「寂しがってる妹を放って、そういうことするのはさ。兄貴失格だと思うんだ、やっぱ。俺はあいつの兄貴でいたいんだ。それに、こんな気持ちで女さんとするのは、女に対しても失礼だし」

女「女の子の誘いをふいにする方が、よっぽど失礼じゃない?」

兄「かもね。けど、俺は俺で、女さんは女さんだから」

女「死んだ方がいい」

兄「ははっ」

女「……もう帰る」

兄「送っていこうか」

女「ッ……死ね!」バタン!

兄「……はは、また女の子に死ねって言われちゃったよ」

自宅
───────────

兄「ただいま」

シーン

兄「…………」

兄「……妹?」

兄「おーい、居ないのかー?」

兄「モス買ってきたぞ―!」

兄「ん」

兄「なんだ、これ」

兄「置き手紙?」

兄「どれどれ……」

『遠いところへ行きます。探さないでください』

兄「……………………」

兄「な」

兄「だめだ、電話にも出ない!」

兄「つーか!」

兄「遠いとこってどこだよ!」

兄「北海道!?」

兄「いや、いや、いや、」ブンブン

兄「北海道なら、まだいい。……よくないけど」

兄「最悪のパターンは……」

ピロピロピロリン♪

兄「! メール!」パカッ

『From:母 本文:今日帰れそうにないから。あとビールとちーかま明後日までに用意しといて』

兄「それどころじゃねえよ!」

ピロピロピロリン♪

兄「! メール!」パカッ

『From:友 本文:お前今日大丈夫だった? あと、お前に借りてたエロ本だけどさ、ついぶっかけちまったから、捨てたわ。ごめん』

兄「心配してくれてありがとう! でも死ね!」

兄「あーもう」

兄「やべえよやべえよ」

兄「探しに行くか?」

兄「アテもなく?」

兄「補導されるオチしか見えないのに?」

兄「…………」

兄「いや、行くしかねーか。……よし!」

ピロピロピロリン♪

兄「今度は誰だよ!」パカッ

『From:妹 本文:メール見ました。今、彼氏の家に居ます。だから安心してください』

兄「は」

兄……「……」

兄「なんだって?」

兄「彼氏?」

兄「居たの?」

兄「嘘だろ?」

兄「で?」

兄「安心しろって?」

兄「は」

兄「ははははは」

兄「…………」

兄「……わかんね」

兄「もう、なんもわかんねーなあ」

うそだよっ!
お兄ちゃんを心配させたかっただけなの!(在来)

───────────

妹友「ほんとに大丈夫なの?」

妹「私は……平気」

妹友「妹ちゃんじゃなくて……や、妹ちゃんもだけど、それよりお兄さんのこと」

妹「……」

妹友「彼氏の家に居るだなんて嘘ついて」

妹「だって」

妹友「仕返しのつもり?」

妹「だって……!」

妹友「明日になったら、ちゃんと帰るんだよ」

妹「……」

妹友「ちゃんと、安心させてあげるんだよ?」

妹「……安心もなにもないよ。お兄ちゃんは、私なんか居なくてもいいんだ」

妹友「そういうこと言っちゃだめ」

妹「……」

マジレスすると妹は家族として関わっちゃったからいないと困るだけ
恋愛に口出しされるとウザイだけ

妹「女さん。綺麗なひとだった」

妹「美人で、スタイルもすごくよくて」

妹「……ホテルの前で、楽しそうにはしゃいでて」

妹「わたしは」

妹「可愛くないし」

妹「胸もないし」

妹「性格だって悪いし」

妹「お兄ちゃんが傷つくってわかってて、あんなメール送るぐらいだし」

妹「でも、いいんだ」

妹「お兄ちゃんは私なんか居なくても、いいんだ」

妹「女さんが居るもん」

妹「だから私は要らないんだ」

妹友「……」

つーか妹を恋愛対象に見るのは犯罪だぞ?

>>266
えっ


へ(^o^)へ お兄ちゃーん!
   |へ   ジャコスいくの!?
  /

\(^o^ )へ ジャコスいかないの!?
  \|
   >

┐(^o^)┌ なんだージャコスいかないのかぁ…
  ( )     ざんねん…
 ┘┘

<(^o^)/ えっ!?やっぱりいくの!?
 ( )     やっぱりジャコスいくの!?
  ||

<( ^o^)> やったぁー!!ジャコスいけるんだ!!
 三) )三  ゲームしていいよね!?クレーンゲームがやりたいな!
< ̄ ̄>

Σ ( ^o^)  
 <) )>グキッ
< ̄ ̄>


_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄

妹友「そうやって……!」

妹友「そうやって自分を卑下して、何になるの!」

妹友「あなたの大好きなお兄ちゃんが、それで振り向いてくれるっていうの!?」

妹「は」

妹「はは」

妹「わかんない。もう、頭の中が、ぐちゃぐちゃしてて。自分を傷つけるだけじゃなくて、他人まで平気で傷つけようとしてて」

妹「なにが、正解なんだろ。どう言えばよかったんだろ。わかんないよ」

妹友「好きって言うの」

妹「無理だよ」

妹友「言いなさい」

妹「だから、無理だよ。だって、お兄ちゃんはもう女さんと……」

妹友「そんなの、関係ない」

妹友「お兄さんが、女さんと恋人になったぐらいで、一緒にホテルに入ったぐらいで、あなたはお兄さんを嫌いになったの?」

妹「……なってないよ。お兄ちゃんを嫌いになんて、なれないよ」

妹友「だったら、言えるでしょう」

妹「だけど」

妹友「うん」

妹「……やっぱり、だめだよ」

妹友「どうして?」

妹「実の兄を好きになるとか、ありえない」

妹友「倫理的に?」

妹「それも、あるし」

妹友「うん」

妹「私は」

妹友「……」

妹「私は、私のわがままで、お兄ちゃんを不幸にしたくない」

妹友「不幸になるって、決まってるの?」

妹「決まってるよ」

妹友「どうして?」

妹「だって、気持ち悪いでしょ」

妹友「そんなことない」

妹「実の兄妹だよ!? そりゃさ、二人だけで生きていけるんだったら、いいよ。周りの人なんて関係ないしさ!」

妹「……でもさ、無理じゃん、そんなの。誰も祝福なんてしてくれない。ぜったい、気持ち悪いって言われる。白い目で見られる。……私は、それでもいいよ」

妹「だけどお兄ちゃんまでそんな目に遭ってさ。私が、気持ちを抑えきれなかったせいでさ。そんなの、私耐えられないよ」

妹友「そっか」

妹「……うん」

妹友「怖いんでしょう」

妹「……」

妹友「ただ単に、今のお兄さんとの関係を崩すのが、恐ろしいだけなんでしょう」

妹「どうして……そういうこと言うの」

妹友「……たとえばね」

妹「……?」

妹友「たとえば、もしあなたがこのままお兄さんへの想いをひた隠しにし続けたとする。出来るか出来ないかは置いておいて」

妹友「そうして、あなたはお兄さんではなく他の誰かに恋をするかもしれない。もしかしたら、お兄さん以上に素敵な人を見つけられるかもしれない」

妹友「あなたはその人と結ばれて、お兄さんも女さんのような恋人と結ばれて、二人はそれぞれ別の道を歩んでゆく」

妹友「それがあなたの考えるハッピーエンド?」

妹「……ちがう」

妹友「考えられないでしょう。お兄さんがあなたを残して、どこかで、あなたでない誰かと幸せに暮らして」

妹友「そしてあなたも、お兄さんの居ない世界で、お兄さんでない誰かと幸せに暮らしてる。そんな光景は、今のあなたでは考えられないでしょう」

妹友「今だけなの。あなたが今一番大好きなお兄さんに、一番の想いを伝えられるのは、今しかないの」

妹「いま……」

はーうんこちんちん

早くしてください(全裸)

>>308
妹「全くです(全裸)」
兄「お前は着てろ(全裸)」

妹「……でも、やっぱり、怖いよ」

妹友「うん」

妹「私は、お兄ちゃんが…………好き」

妹友「うん」

妹「お兄ちゃんが、大好き」

妹友「うん」

妹「……はは。ほら、見て。手、震えてるでしょ。本人に言ってるわけでもないのにさ。こんなんじゃ……」

妹友「実況パワフルプロ野球」

妹「は?」

妹友「実況パワフルプロ野球、しよう」

妹「ちょ」

妹友「はい、ツーコン」

妹「ええっ」

妹友「私コレね。チーム名は……リトルバスターズ!」

妹「話聞いて!?」

妹友「妹ちゃんも早くチーム選んで」

妹「だ、だってやったことないもん! えーっと……どれが強いの?」

妹友「モバゲーベイスターズが一番強いよ。最強」

妹「それ絶対嘘でしょ!?」

妹友「あ、そういえば言い忘れてたけど」

妹「うん」

妹友「もし私が勝ったら、妹ちゃんはお兄さんに告白する」

妹「なっ……!」

妹友「妹ちゃんが勝ったら、その時は……好きにすればいいよ」

妹「妹友ちゃんにリスクないじゃん! ていうか、そもそも私初心者だよ、フェアじゃないよ!」

妹友「私も似たようなものだよ」

妹「嘘じゃん! この前めっちゃやり込んでるって言ってたじゃん!」

妹友「さー、プレイボール!」

たとえば君がー傷ついてー
くじけそおーになーったときは
必ず僕がそばにいてー↑
支えてあげるよその肩をー
世界中のー希望のーせてー
この地球はー回ってる��
いまー別れのー(付き合ってすらいないけど)
時が来たなーらー
あーいびりーぶふゅーちゃー
しーんじーてるー(裏声)

───────────

妹「あ、勝っちゃった」

妹友「……」

妹「やー、あはは。ビギナーズラックってやつかな? なんか、ごめんね」

妹友「……」

妹「あ、あれ」

妹友「……」

妹「妹友ちゃん?」

妹友「……」

妹「おーい?」

妹友「寝る」ブチン

妹(うわ、ゲームで負けたからって即リセットとか……子どもじゃないんだから……)

妹友「電気消すね」

妹「ちょ、ちょっと」

って何の曲だっけ?

っ④

妹「わ、私どこで寝ればいいの?」

妹友「さあ。廊下が空いてるんじゃない?」

妹「いくらなんでも怒りすぎじゃない!?」

妹友「……あはっ、冗談だって。おいで」

妹「え、一緒に寝るの?」

妹友「いいでしょう? 女の子同士なんだから」

妹「う、うん……」

妹友「ほら、おいで」

妹「じゃ、じゃあ……おじゃまします?」ソロソロ

妹友「んふ」

妹「?」

妹友「妹ちゃん」ギュッ

妹「っひゃ!?」

妹友「あったかーい」スリスリ

妹「ちょ、ちょっと、くすぐったいって」

妹友「……ごめんね」

妹「?」

妹友「私、妹ちゃんに、いっぱいひどいこと言っちゃった」

妹「……ううん。いいよ、ぜんぶほんとのことだし。私のため言ってくれたんだって、わかってるから」

妹友「妹ちゃん……」

妹「私、さ」

妹友「うん」

妹「すぐに告白とか、出来ないかもしれないけど」

妹友「うん」

妹「変えていこうと思うんだ。ちょっとずつでも。……妹友ちゃんが、背中を押してくれたから、変えられる気がするんだ」

妹友「……」

妹「だからね。ありがとう、妹友ちゃん」

妹友「……ッ」ギュッ

妹「よしよし」

───────────

兄「妹ォ!」

兄「やべえよやべえよ」ハァハァ

兄「どこ行ったんだよあいつッ……」

兄「つか、走り回っても、無駄か!?」ハァハァ

兄「ちきしょう! 妹!」

兄「妹妹妹妹ォッ!」

兄「妹オォォォォォォーッ!」

兄「俺は……ここに、居るぞオォォォォォォォッ!!」

兄「イィ妹オォォォォォォーンッ!」

近隣住民「お巡りさん、こっちです!」

兄「あ、やば」

死亡フラグ

自宅
───────────

兄「いや、冷静に考えてさ」

兄「べつに心配する必要なくね?」

兄「彼氏のとこに居るっつってんだからさ」

兄「むしろ、こう、男らしくどっしり構えてさ。で、帰ってきたら、おめでとうって言ってやりゃいいじゃん。なあ?」

兄「……は」

兄「ははは」

兄「無理だ」

兄「おめでとうなんて、言えねえ」

兄「そもそも、こうやって口に出してる時点で自分に言い聞かせてるようなもんだし」

兄「つーか、彼氏って誰だよ。ふざけやがって。しばき倒して海に捨ててやろうか」

兄「あー」

兄「心配だ」

兄「めちゃくちゃきっつい」

兄「早く帰ってきてくれよ、妹……」

妹「た、ただいまー……」ソロー

兄「」

妹「うぃっ!?」ビク

兄「」

妹「げ、玄関で寝てるし……」

兄「」

妹「おーい、お兄ちゃーん?」ツンツン

兄「ん……」

妹「お兄ちゃんってば」ユサユサ

兄「ぬー……?」

妹「おっ、起きた?」

兄「…………妹?」

妹「妹だよー」

兄「妹ォッ!」ガバッ

妹「ちょっ……!」

兄「こんのバカ! 散々心配かけやがって!」

妹「ちょ、お兄ちゃん、苦しいって」

兄「俺の方が苦しかったわボケー!」

妹「……心配、してくれたんだ」

兄「当たり前だろ、アホか!」

妹「……さっきから聞いてればバカとかボケとかアホとか、ちょっと傷つくんですけど」

兄「じゃあなんて言って欲しいんだよ」

妹「おかえり、なんてどうかな」

兄「…………ああ、おかえり、妹」

妹「ただいま、お兄ちゃん」

兄「うん」

妹「ねえお兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「もう少し、このままでいてほしいな」ギュウッ

兄「……うん」

兄「で、いったいどんな輩なんだよ」

妹「……? 誰が?」

兄「だから、その、お前の彼氏だよ」

妹「ああ、アレ?」クスクス

兄「なに笑ってんだよ。そりゃ兄貴としてはどんなやつなのかなとか、ちゃんと妹を幸せにしてやれるのかなとか、色々考えるだろ」

妹「あれね、ウソ」

兄「は?」

妹「妹友ちゃんのお家でー、一晩お世話になってたのでしたー」

兄「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

妹「なになに、もしかして信じてた?」

兄「……死ね死ねアンド死ね」

妹「うわひっど。言うかなあフツー、妹に向かってそういうこと」

兄「はいはい、ごめんなさいね~」ナデナデ

妹「んもー……」

妹「ていうか、お兄ちゃんこそどうなの」

兄「どうって、なにが」

妹「女さんと」

兄「あー、その話は……いいだろ、べつに」

妹「や、よくないから」

兄「ハイ、やめやめ!」

妹「やめないから!」

兄「ん、まあ、情けない話なんだけどさ」

妹「うん」

兄「なんだろ。とにかく、一言で表すなら……」

妹「一言で表すなら?」

兄「破局寸前」

妹「はぁ!?」

妹「なんで!? ホテルまで行っといてどうして!?」

兄「……え?」

妹「あ」

兄「なんでお前がそれ知ってる?」

妹「や、ほらその、と~っ、友だちから聞いて……」

兄「尾けてたな?」

妹「えへっ」

兄「誤魔化すな」

妹「ううっ、だって……」

兄「……はー」

妹「ご、ごめんね? もうしないから、ほんと。ね? お願いだから、嫌いにならないで?」

兄「だからあんなバカな真似したのか」

妹「……」

兄「……まあ、俺も悪かったっちゃ悪かったっつーか……いや、全面的に俺が悪いな。こっちこそ、ごめん」

妹「……うん」

兄「けど、誤解はしないでほしい。……その、女さんとそういう行為に及んだわけじゃないから」

妹「……ほんとに?」

兄「ほんとだよ。なんだったら、女さんに直接聞いてくれてもいいし」

妹「嘘ついたら?」

兄「お菓子千円分買ってやるよ」

妹「安い。千袋じゃなきゃ許さないから」

兄「太るぞ」

妹「お兄ちゃんが一緒に食べてくれるから大丈夫」

兄「……そうだな」

妹「うん」

妹「理由は?」

兄「ん」

妹「破局寸前の」

兄「あー。……うーん、なんでだろうな。俺がシスコンだってバレたから、かな? たぶん」

妹「えっ」

兄「どうした」

妹「お兄ちゃん」

兄「うん」

妹「シスコン……だったの?」

兄「うん。俺も昨日気付いたんだけどね」

妹「っ……、って、いうことはさ」

兄「うん」

妹「私のこと、すっ、好き……だったり、するの?」

兄「うん。好きだよ」

妹「は」

妹「や、お兄ちゃん、わかってるの?」

兄「えっ、なにが?」

妹「私、妹だよ?」

兄「うん」

妹「も、もう一回……」

兄「ん?」

妹「す、好きって言ってよ」

兄「好き」

妹「はうっ」ビクッ

兄「大好き」

妹「はうううう~っ!」ビクンビクン

兄「……なんだお前、きもちわりー」

妹「――って違うんでしょー!?」

兄「……お前、大丈夫か?」

妹「いやいや。だめでしょ。兄が妹を好きになるとか。だめすぎるでしょ」

兄「そうかなあ」

妹「そうだよ」

兄「それほどいけないことだとは思わないけどな。俺は」

妹「……待って、一つ確認したいんだけど」

兄「うん」

妹「お兄ちゃんの言う好きって、どういう好きなの?」

兄「べつに、どういう好きでもいいよ」

妹「ふざけないで」

兄「ふざけてないよ。もちろん家族としても好きだし、一人の女の子としても好きだ」

妹「その考え」

兄「うん」

妹「人格が宇宙人に支配されてると思う」

兄「そこまで言う?」

妹「私も」

兄「うん」

妹「私もっ、お兄ちゃんのことが、好き」

兄「やったね」

妹「だから、お兄ちゃんが私を好きって言ってくれて、私と同じ気持ちでッ、すごく……ッすごく嬉しかった」ポロポロ

兄「じゃあ泣くなよ」

妹「ぐすっ……泣くに、決まってるじゃん……」

兄「嬉し泣き?」

妹「それもあるけどっ、それ以上に、つらいの!」グス

兄「なぜ」

妹「お兄ちゃんは楽観的すぎるの! 宇宙人なの!」

兄「わっけわからん……」

妹「もし私とお兄ちゃんが恋人同士になっても」

兄「うん」

妹「そのことはずっと隠していかなきゃだめだし」

兄「えっ、俺ってそういう扱い? そこまで恥ずかしい人間なの?」

妹「そうじゃなくて! 私たち兄妹でしょ!?」

兄「うん」

妹「兄妹同士の恋愛は、報われないの! 許されるものじゃないの!」

兄「やー、けっこうあると思うけどね、そういうの」

妹「お兄ちゃんゲーム脳にも程があるよ! それか少女漫画の読み過ぎじゃないの!?」

兄「んー……まあ、そりゃ実の兄妹ならそれなりに問題あるとは思うけどさ」

妹「それなり、で済むわけないでしょ? やっぱりお兄ちゃん頭おかし…………って、え?」

兄「え?」

妹「今なんて?」

兄「そりゃ実の兄妹なら云々っての?」

妹「は」

兄「?」

妹「……私たちってさ」

兄「うん」

妹「兄妹だよね」

兄「だな」

妹「実の」

兄「いや、義理だろ」

妹「は?」

兄「あー……もしかして、母さんまだ教えてなかったか」

妹「や、あの、」

兄「悪い、聞かなかったことにしといて」

妹「や、」

兄「こういうのはやっぱ、親から直接言ってもらわんとさ、アレだろ」

妹「ちょっと」

兄「……」

妹「わたし、」

兄「……」

妹「お母さんの子どもじゃないの?」

兄「……いや、お前はお母さんの子どもだよ」

妹「じゃあ、お兄ちゃん、は」

兄「母さんにさ、兄貴居るだろ」

妹「うん」

兄「その人のお嫁さんの、妹の子どもらしいよ」

妹「は?」

兄「いや、は? って言われてもね……」

妹「……」ガクッ

兄「お、おい、どうした。そこまでショックだったか?」

妹「……」ブルブル

兄「ほ、ほんとに大丈夫ですか?」

妹「は」

兄「は?」

妹「はは」

兄「ははは」

妹「はははっ!」

兄「うはははっ!」

妹「笑ってんじゃないよ!」ゲシッ!

兄「いってぇ!」

妹「はははっ…………はぁっ」ペタン

妹「……実の兄を好きになるとかありえない、か」


おわり

ごめんち☆

良ければ過去作教えて下さい

>>371
昨日兄「妹を思いっきり可愛がってみた」ってスレ乗っ取ったら落ちたよ

まあ、あれだよね。保守支援してくれた人とか最後まで見てくれた人とか、ありがとうね……

妹「追いついたら終わってた」
兄「長時間乙」

ふむ

あ、ミスった

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