日向「デッド・タイム・ライン?」【アトラス×ダンガンロンパ】 (106)


 ……ここはどこだろう?俺は目を覚ますと学校の教室のような場所に居た。ような、と言ったのはそこが床も壁も、とにかく目に入るモノ一面真っ青に塗られていたからだ。

???「お目覚めになられましたかな?」

 声のした方に目をやると、異様なまでに鼻の大きな老人が、教卓に手を組んで座っていた。

???「ようこそ……我がベルベットルームへ……申し遅れましたな。私の名はイゴール」

イゴール「この部屋……夢と現実、精神と物質の狭間の場所……ベルベットルームの主を致しております」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388736757

 ベルベットルーム?……聞いたことのない言葉だ。

イゴール「さよう……この場所は少々特別でしてな。”契約”を果たされた方のみがお入りになれるのです」

 老人はこちらの考えを読んだかのように言った。

イゴール「さて……お客様は数奇な運命をお持ちのようだ。絶望を振りまく”ダーク”、ただ生死の境界に関わることから逃げる”ライト”、他者を押しのけても生きようとする”カオス”、それら一切を許さず正義を強制する”ロウ”。……貴方はそのどれとも違う場所に今、立っていらっしゃる」

イゴール「貴方がその道を真っ直ぐ往くのか、それとも他の道と交わるのかはわかりません。ただ、私は手助けをするものです。貴方の往く道が、途中で途切れてしまわないようにね……これをお持ちなさい」

 日向は”契約の鍵”を手に入れた!

イゴール「今、世界には悪魔とも影とも付かないモノが溢れかえっています……けれど、それらは貴方にとっては真の脅威とはならないでしょう。真に恐ろしいのは……」

イゴール「……少々お喋りが過ぎましたな。これ以上お引き止めするのも悪い。行って、己が瞳で確かめてください」

 老人の声はどんどん遠くなっていく……それと同時に視界の青も薄れ……。



???「オイ、聞いてんのかって、おい」

 次の瞬間、俺は教室の机に座っていた。今度は真っ当な色彩の、だ。目の前には紫に髪を染めた派手な格好の男が立っている。

日向「……あれ、鼻の爺さんは?」

???「は?……オイオイ、無視してたんじゃなくてマジに目ぇー開けたまま寝てたのかよ、お前……」

日向「…………」

 どうやらさっきのは夢だったようだ。

左右田「……聞いてなかったみたいだから、もう一度言っとくけど。俺の名前は左右田和一だ。よろしくな」

 そう言って左右田と名乗る男は右手を差し出してくる。

日向「ああ、よろしく……俺は日向創だ」


左右田「日向っつーのか。なあ日向、お前、なんか知らねえか?」

日向「なんかって?」

左右田「なんかはなんかだよ!!……この状況について。入学式に来たと思ったら、校門のとこでなんでか知らねえけど気を失って、気がついたらここにいたんだ……お前もそうか?」

 そういえば……そんなこともあったような気がする。記憶に靄がかかったようで、上手く思い出せない。

日向「ああ、確か俺も、この希望ヶ峰学園の入学式に来て……でもそれ以上のことはわからない」

左右田「オメーもそうか……アイツも同じだっていうし、こりゃ手詰まりだな」

 教室の後ろを指さして左右田が言った。釣られて目をやると、女の子が座っていた。

日向「お前も希望ヶ峰学園の新入生なのか?」

七海「うん……七海千秋っていいます。よろしく……」

 そう言うと彼女は手に持っていたそれにさっさと視線を戻してしまった。

日向「なんだ、あれ? ゲーム機?」

左右田「いや、電子生徒手帳らしいぜ? 確かによくわかんねーペット育成ゲームもついてたけど。俺らが目を覚ましたとき、ポケットに入ってたんだ。お前は?」

 言われてズボンのポケットを漁ると、確かに覚えのない感触があった。

日向「希望ヶ峰学園生徒手帳か……ここが希望ヶ峰学園なのは間違いないみたいだな。校内マップ、校則、ペット、メール、それから?印のついたアイコンに……DTL?」


 どれから弄ってみよう?

>>8 1 校内マップ
  2 校則
  3 ペット
  4 メール
  5 ×印
  6 DTL

1


日向「校内マップか……」

日向「今いるところは【新校舎】だな」

日向「他に大きな建物としては【旧校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】があるみたいだ。あと【グラウンド】と【校門前】にも行けるみたいだな」

次はどれを弄ってみよう?

>>12 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL



日向「ペットか……」

 あの七海とかいう女の子があそこまで熱中するくらいだから、さぞ面白いのだろう、と思ったのだが……

モノクマ「オマエラ、おはようございます。ボクはモノクマ。”力を司る者”だよ。って言っても人間じゃないけどねー! ぶひゃひゃひゃひゃひゃー!」

 モノトーンの趣味の悪い二頭身のクマが一方的にしゃべり続けるだけのゲームとも言えないシロモノだった。どのボタンを押しても反応さえしない。

モノクマ「ここは、まだ”心の力”に目覚めてないオマエラにはここは早過ぎるってことだね。顔を洗って出直してきな!」

 そういうとモノクマはピョコピョコと部屋の中を歩きまわり始めた。どうやら本当にこれでおしまいらしい。

日向「なんだったんだ、いったい……」

七海「あれ? キミのペット、なんだか私のと見た目が違うね」

日向「そうなのか?」

七海「うん、ホラ見て」

 そう言って彼女が差し出した生徒手帳には、確かに白とピンクの可愛らしい兎がピョコピョコと歩き回っていた。それだけじゃなく、ちゃんと「エサ」や「トイレ」などのコマンドもあるみたいだ。

七海「うわあ、バグかなぁ……興味深いな。よければ、あとでちょっと触らせてくれない? ええっと……」

日向「日向創だ。日向でいいよ。よろしくな」

七海「うん、よろしくね。あ、よければ連絡先を交換しない?

どうする?

>>15  1連絡先を交換する
     2しない

2


日向「悪い、もう少しこれを弄ってみてからでいいか?」

七海「……うん、わかったよ」

次はどれを弄ってみよう?

>>18 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL

2


日向「ん? なんだこれ?」

左右田「どうかしたか?」

日向「いや、生徒手帳の校則なんだが……まるで意味がわからなくて」

左右田「どれどれ? 確かにな……まあ、そんなに気にしないでいいんじゃねえか?」

【校則】

1 希望ヶ峰学園の敷地内から外に出ようとする行為の禁止
2 一週間以上希望ヶ峰学園に滞在することの禁止
3 生徒手帳以外の通信機器の使用の禁止
4 DTLに表示されていない殺人の禁止
 

 上記の規則を破ろうとした場合、ペナルティが発生します。また校則は予告なく追加・変更される場合があります。

日向「それにしても、出ようとしても一週間以上居てもいけないって……どうしろっていうんだ? それに殺人だって?」

次はどれを弄ってみよう?

>>21 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL

5


日向「この?印はなんなんだろうな……まだ使えないみたいだけど」

日向「バッテンで潰れてるけど、なにか下に書いてあるな……ぺ……ル……だめだ、わからん」

次はどれを弄ってみよう?

>>23 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL

4



日向「メールか……」

 そういえば、携帯電話はどこにいったのだろう? 上着のポケットを探ってみると、意外にもというべきか、それは元のまま存在していた。しかし……

日向「あれ? 圏外になってるな」

左右田「やっぱりお前もか……俺のも駄目だ」

日向「じゃあ、この電子生徒手帳のメール機能も使えないんじゃないか?」

左右田「そっちは問題ないみたいだぜ。多分学内に専用の無線LANがあるんだろうな。っていってもまだ連絡先がないから使えないが……」

 そう言って左右田はちらり、とこちらを見た。

どうする?

>>25 1連絡先を交換する
    2しない

2


二人とも断られるルートはちょっと予想外だったので書き溜めが……ちょっと時間ください

じゃあ二人とも後で交換するみたいに言っておいてから操作が終わり次第交換するみたいな感じではどうだろう
安価は絶対といえど>>1が楽しむのが最優先だし

>>30 一回バッド行ってコンティニューする感じにしようかと


日向「…………」

左右田「…………」

 あえてこちらからは何も言わずにおいた。


 さて、だいたいの機能は触ってみた。残るは……

日向「なあ、ところでこのDTLっていうのはなんなんだ?……デッド・タイム・ライン?」

左右田「お、日向もやってみるか? これ、案外面白いぜ? タイムラインって名前の通り、一種のSNS機能みてーだな」

左右田「まず最初にアカウント名を登録して……これ、生徒手帳専用アプリみてーだから、複数アカウント作ったりは出来ないからあんまり変な名前にはするなよな」

>>38 アカウント名は?

左右田「ちなみにオレは『女王様ラブ』だ!」



女王様:なるほど。よきにはからってください

女王様ラブ:はい!謀ります!

?暗黒の破壊者?:貴様、それでは叛意があるようにしか見えんぞ

ブー子:謀ったな!シャア!ってやつですなwwww


くさもちもっちもちさんが入室しました

ブー子:こん

aaa:こんとはなんだ

ブー子:こんにちは、の略ですなwwww

aaa:なるほど

クロマク:aaaさんはチャット初めて?

aaa:うむ にゅうりょくむずかしい

くさもちもっちもっち:こん



くさもちもっちもっち:ここはいったい?

クロマク:んー、別に何部屋とかそういうのはないかも

ブー子:ただ、みんな希望ヶ峰学園の新入生らしい

女王様:つまりクラスメートということです!せっかくですから親交を深めましょう!

女王様ラブ:女王様と親交を深めたい(意味深)

くさもちもっちもっち:誰か入学式のこととか知ってる?

クロマク:知らない

?暗黒の破壊者?:俺様が闇の帳を開けたときそこには見知らぬ光景があった

ブー子:↑目を覚ましたら知らない場所にいたってことでおkですかな?

aaa:我もだ



……その後もしばらくチャットを楽しんだ。


 Time 9:45

日向「なかなか面白いな、これ」

左右田「だろ? あー、女王様ってどんな麗しいお人なんだろうな~!」

日向「オイオイ……むさ苦しい男かもしれないぞ?」

左右田「うっせ! うっせ! そんなわけねーし! 俺にはわかるし!」

 そのとき、ぽよよんという気の抜けたような音が俺と左右田、両方の生徒手帳から聞こえてきた。

左右田「ん? ……クロマクさんから個別チャットみてーだな」

クロマク:アンタら三人、結構おもしろいね。直接会ってみたいから、そっち迎えに行くわ

それと同時にシステムメッセージが表示される。



10:00 くさもちもっちもっちさんが退室しました

10:00 女王様さんが退室しました

10:00 ナナミンさんが退室しました



左右田「……10時? 今はまだ9時45分だろ? 何のバグだこれ」

日向「それにナナミンさんって……そんな人いたっけ?」

七海「あ、それ多分私だと思う……さっき一瞬だけログインしてみたの」

日向「じゃあ、ここにいる三人が、あと15分で退室するってことか?……ダメだ、わけがわからないぞ」

七海「問題なのはそこじゃない……と思うな」

日向「え?」

七海「……なんでクロマクさんは、私たち三人が同じ場所にいることがわかったんだろう?」



日向「言われてみれば……確かにな」

左右田「そんなの、この生徒手帳から位置情報が発信されてるとかそんなんだろ?」

七海「うん、そうだと思う……んだけど」

日向「……まあ、あれこれ考えてみてもしょうがない。クロマクさんはこれから来るっていうんだし、直接聞いてみたらどうだ?」

七海「……うん」

Time 9:55

左右田「さて……10時までもう少しだな」

 左右田がそう言った瞬間、教室の前の扉を開けて一人の少女が入ってきた。

 その少女は、絶世の美女といっていいほど美しかった、と思う。けれど、どこか顔の印象が定まらないところがあった。

 ある時はクールな女のようにも見えたし、ある時にはとんでもないぶりっ子のようにも、はたまた出っ歯の某漫画キャラのようにも見えた。

 ある意味で、その女には顔がなかった。

???「ハロー、エブリワーン! みんな元気にしてる~?」

???「まあどんなに健康で長生きしそうに見えても私様の前では平等に無意味なんだけどなァ!」

左右田「……な……」

 そのあまりにも強烈なキャラクターに、俺も左右田も圧倒されてしまっていた。質問をするどころではなかった。

???「さて……さっそくですけど、あなた達には死んでもらいましょう。……ニャルラトホテプ!!」

 その女は自分のこめかみに指を銃のようにして当てて、意味不明な呪文としか思えない言葉を叫んだ。


左右田「……嘘、だろ……?」

 次の瞬間、女の傍らには”なにか”が立っていた。全身を黒い皮膚で覆われた、羽のある怪物。真っ黒な顔に王冠を被ったその姿は、まるで神話に出てくる悪魔のようだった。

???「【メギドラオン】」

 ……その言葉の次の瞬間、俺は意識を、それを宿した体ごと失っていた。


        才とは、己が手で掴み取るもの
       絆とは、他者と手を取り合うこと
         なぜに人は二つの腕持つ
        己の生を繋ぎ止めるためか 
      それとも時に死さえ抱きとめるためか
         それは決してむいみにあらず
   ……しかして答えを知る前に命手放すは敗北なり      

              BAD END


一旦休憩します。なにか質問あれば。

連絡先交換って七海か左右田のどちらか一人のみ?
それとも二人とも交換できる?

>>47 両方できます。


 再開します

>>5から

 どれから弄ってみよう?

>>58 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
   4 メール
   5 ×印
   6 DTL

1

日向「校内マップか……」

日向「今いるところは【新校舎】だな」

日向「他に大きな建物としては【旧校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】があるみたいだ。あと【グラウンド】と【校門前】にも行けるみたいだな」

次はどれを弄ってみよう?

>>60 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL


3

日向「ペットか……」

 あの七海とかいう女の子があそこまで熱中するくらいだから、さぞ面白いのだろう、と思ったのだが……

モノクマ「オマエラ、おはようございます。ボクはモノクマ。”力を司る者”だよ。って言っても人間じゃないけどねー! ぶひゃひゃひゃひゃひゃー!」

 モノトーンの趣味の悪い二頭身のクマが一方的にしゃべり続けるだけのゲームとも言えないシロモノだった。どのボタンを押しても反応さえしない。

モノクマ「ここは、まだ”心の力”に目覚めてないオマエラにはここは早過ぎるってことだね。顔を洗って出直してきな!」

 そういうとモノクマはピョコピョコと部屋の中を歩きまわり始めた。どうやら本当にこれでおしまいらしい。

日向「なんだったんだ、いったい……」

七海「あれ? キミのペット、なんだか私のと見た目が違うね」

日向「そうなのか?」

七海「うん、ホラ見て」

 そう言って彼女が差し出した生徒手帳には、確かに白とピンクの可愛らしい兎がピョコピョコと歩き回っていた。それだけじゃなく、ちゃんと「エサ」や「トイレ」などのコマンドもあるみたいだ。

七海「うわあ、バグかなぁ……興味深いな。よければ、あとでちょっと触らせてくれない? ええっと……」

日向「日向創だ。日向でいいよ。よろしくな」

七海「うん、よろしくね。あ、よければ連絡先を交換しない?

どうする?

>>63  1連絡先を交換する
     2しない

1


メール機能の中に赤外線でのプロフィール交換があった。入力した覚えはないが、俺の名前、性別、誕生日なんかが記入されている。

日向「ああ。ぜひ頼む」

七海「えーっと……あ、来た!」

 そう言って彼女はにっこり笑った。



                     我は汝……汝は我……
                   汝、新たなる絆を見出したり……

                  絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
            汝、”永劫”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり…… 


【永劫】コミュが発生した! 永劫:コミュランク1 

【七海千秋】の連絡先を手に入れた! ※今後はメールで七海千秋と連絡が取れます。

【七海千秋】のプロフィールを手に入れた!

七海千秋 

【永劫】コミュ コミュランク1 
属性:ライト 
ペルソナ ???

HN ???

次はどれを弄ってみよう?

>>70 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL

2

日向「ん? なんだこれ?」

左右田「どうかしたか?」

日向「いや、生徒手帳の校則なんだが……まるで意味がわからなくて」

左右田「どれどれ? 確かにな……まあ、そんなに気にしないでいいんじゃねえか?」

【校則】

1 希望ヶ峰学園の敷地内から外に出ようとする行為の禁止
2 一週間以上希望ヶ峰学園に滞在することの禁止
3 生徒手帳以外の通信機器の使用の禁止
4 DTLに表示されていない殺人の禁止
 

 上記の規則を破ろうとした場合、ペナルティが発生します。また校則は予告なく追加・変更される場合があります。

日向「それにしても、出ようとしても一週間以上居てもいけないって……どうしろっていうんだ? それに殺人だって?」

次はどれを弄ってみよう?

>>73 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL

4

日向「メールか……」

 そういえば、携帯電話はどこにいったのだろう? 上着のポケットを探ってみると、意外にもというべきか、それは元のまま存在していた。しかし……

日向「あれ? 圏外になってるな」

左右田「やっぱりお前もか……俺のも駄目だ」

日向「じゃあ、この電子生徒手帳のメール機能も使えないんじゃないか?」

左右田「そっちは問題ないみたいだぜ。多分学内に専用の無線LANがあるんだろうな。っていってもまだ連絡先がないから使えないが……」

 そう言って左右田はちらり、とこちらを見た。

どうする?

>>75 1連絡先を交換する
    2しない

1

 
日向「じゃあ、アドレス交換しないか?」

左右田「え……しょ、しょうがねえなァ……」

 左右田は妙にてれてれとした様子で頭を掻きながら言った。

左右田「ど、どうすりゃいいんだ?」

日向「たぶんこの黒い部分が赤外線ポートだから、ここを近づけて……」

左右田「……中学の頃は実家の手伝いばっかだったからな。あんまり友達とメールとかしたことなくってよ」

日向「……友達?」

左右田「!? なに言ってんだろうな、オレ……まだ会ったばっかりだってのに。勝手に友達になった気で……」

日向「……いや、俺達はもう友達だ。だろ?」

左右田「日向……へへ、ありがとうよ」


                     我は汝……汝は我……
                   汝、新たなる絆を見出したり……

                  絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
            汝、”魔術師”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり…… 


【魔術師】コミュが発生した! 魔術師:コミュランク1 

【左右田和一】の連絡先を手に入れた! ※今後はメールで左右田和一と連絡が取れます。

【左右田和一】のプロフィールを手に入れた!

左右田和一 

【魔術師】コミュ コミュランク1 
属性:ライト
ペルソナ:???
HN:???



次はどれを弄ってみよう?

>>80 1 校内マップ

    2 校則
    3 ペット
    4 メール
    5 ×印
    6 DTL

6

 さて、だいたいの機能は触ってみた。残るは……

日向「なあ、ところでこのDTLっていうのはなんなんだ?……デッド・タイム・ライン?」

左右田「お、日向もやってみるか? これ、案外面白いぜ? タイムラインって名前の通り、一種のSNS機能みてーだな」

左右田「まず最初にアカウント名を登録して……これ、生徒手帳専用アプリみてーだから、複数アカウント作ったりは出来ないからあんまり変な名前にはするなよな」

>>83 アカウント名は?

左右田「ちなみにオレは『女王様ラブ』だ!」

カムクライズル


日向「適当にっと……あれ?」

日向「『この名前は既に使用されています』か……他のにしよう」

>>85

くさもちもちんもちん


くさもちもちんもちんさんが入室しました

女王様ラブ:お、来たな相棒

クロマク:こん

ドーナッツ大好き☆:女王様ラブさんとくさもちさんは知り合いなの?

女王様ラブ:知り合いっつーか……心の友っつーか

十河風子:心の友(意味深)

くさもちもちんもちん:いや、さっき会ったばかり

女王様ラブ:オイ!

クロマク:wwwww

アニキと呼ばれたい男:軽々しく友情を口にする男は信用できねえ

くさもちもちんもちん:同感だ

くさもちもちんもちん:アニキと呼ばせてくれ

女王様ラブ:オイ!!

十河風子:女王様→くさもち×アニキ





……その後もしばらくチャットを楽しんだ。


 Time 9:45

日向「なかなか面白いな、これ」

左右田「だろ?……けどよぉ、さっきのアレはちょっとヒドくねーか?」

日向「何言ってるんだ、あれは友情あってこそのイジりだろ?」

左右田「……そういうもんか? それならしょうがねえなァ~」

日向(ちょろい)

 そのとき、ぽよよんという気の抜けたような音が俺と左右田、両方の生徒手帳から聞こえてきた。

左右田「ん? ……クロマクさんから個別チャットみてーだな」

クロマク:アンタら三人、結構おもしろいね。直接会ってみたいから、そっち迎えに行くわ

それと同時にシステムメッセージが表示される。



10:00 くさもちもちんもちんさんが退室しました

10:00 女王様ラブさんが退室しました

10:00 ナナミンさんが退室しました



左右田「……10時? 今はまだ9時45分だろ? 何のバグだこれ」

日向「それにナナミンさんって……そんな人いたっけ?」

七海「あ、それ多分私だと思う……さっき一瞬だけログインしてみたの」

日向「じゃあ、ここにいる三人が、あと15分で退室するってことか?……ダメだ、わけがわからないぞ」

七海「問題なのはそこじゃない……と思うな」

日向「え?」

七海「……なんでクロマクさんは、私たち三人が同じ場所にいることがわかったんだろう?」

日向「言われてみれば……確かにな。俺と左右田はともかくとして……さっきから一言も発言してない七海が俺たちといるなんて、わかるわけない」

左右田「そんなの、この生徒手帳から位置情報が発信されてるとかそんなんだろ?」

七海「うん、そうだと思う……んだけど」

日向「……まあ、あれこれ考えてみてもしょうがない。クロマクさんはこれから来るっていうんだし、直接聞いてみたらどうだ?」

七海「……うん」


左右田「さて……10時までもう少しだな」

 左右田がそう言った瞬間、教室の前の扉を開けて一人の少女が入ってきた。

 その少女は、絶世の美女といっていいほど美しかった、と思う。けれど、どこか顔の印象が定まらないところがあった。

 ある時はクールな女のようにも見えたし、ある時にはとんでもないぶりっ子のようにも、はたまた出っ歯の某漫画キャラのようにも見えた。

 ある意味で、その女には顔がなかった。

???「ハロー、エブリワーン! みんな元気にしてる~?」

???「まあどんなに健康で長生きしそうに見えても私様の前では平等に無意味なんだけどなァ!」

左右田「……な……」

 そのあまりにも強烈なキャラクターに、俺も左右田も圧倒されてしまっていた。質問をするどころではなかった。

???「さて……さっそくですけど、あなた達には死んでもらいましょう。……ニャルラトホテプ!!」

 その女は自分のこめかみに指を銃のようにして当てて、意味不明な呪文としか思えない言葉を叫んだ。

左右田「……嘘、だろ……?」

 次の瞬間、女の傍らには”なにか”が立っていた。全身を黒い皮膚で覆われた、羽のある怪物。真っ黒な顔に王冠を被ったその姿は、まるで神話に出てくる悪魔のようだった。

???「【メギドラオン】」

 ……その言葉の次の瞬間、俺は意識を失った。



 ちか、ちかと点滅する光を感じた。瞼を開くと、眼前に電子生徒手帳があった。

モノクマ「うぷぷぷぷ……どうやら、絶望的な状況みたいだね! エクストリームだね!」

 周囲がやけに薄暗いと思ったら、どうやら自分は今半壊した校舎に埋もれているらしい。うまい具合に空洞が出来て、下敷きにならずに済んだようだ。幸運としかいいようがない。

モノクマ「どうやら”力”を使う時が来たみたいだね……”心の力”をさ……なんちて! ボク、かっこ良すぎること言っちゃった?」

モノクマ「まだまだ、こんな程度の絶望じゃ足りないんだよ……逃げて逃げて、足掻いて足掻いて、その先にこそ真の絶望は待っているんだから、さ」

モノクマ「だから、叫んでよ! 声の限りさ! フラレ男が海に叫ぶように、声を枯らして!」

モノクマ「ぺ」

モノクマ「ル」

モノクマ「ソ」

モノクマ「ナ!」


日向『ペルソナ!!!』



    我は汝……汝は我……我は汝の心の海より出でし者
  ……片目と引き換えに叡智を手に入れし者、オーディンなり!!


日向創は愚者のペルソナ、【オーディン】の力に目覚めた!

日向創
【愚者】コミュ コミュランク1 
属性:ニュートラル
ペルソナ:オーディン
HN:くさもちもちんもちん


 ガラガラと音を立てて頭上の瓦礫が崩れていく。見上げるとそこには先ほど知り合ったばかりの顔が二つ、並んでいた。

左右田「いたぞ! 日向のやつだ!」

七海「日向くん! この手を掴んで!」

 そう言って二人は手を差し伸べてくる。その手には至る所に瓦礫の破片が食い込み、血が滲んでいた。

日向「……悪い!」

 俺はそう言って二人の手を掴み、なんとか地上に這い上がった。

日向「さっきのやつは!?」

七海「わからない! でも問題は、あの人だけじゃないの!」

左右田「しっ! ”奴ら”だ!」

 左右田は静かに、とジェスチャーで示しながら右手の方向を指し示した。その先には

モコイ「…………」

日向「なんだ、あのバケモノ!」

左右田「だから静かにしろって! さっきからあんなのがウロウロしてるんだよ」

七海「……私、ああいうのゲームで見たことある。確か、”悪魔”って呼ばれてた」

左右田「悪魔ァ!? ……いや、でも確かにあの化物、なにもないところから急に出てきたし、学校の校舎を吹き飛ばしちまうし……どっちにしろ、まともな生物じゃないよな」


七海「どうする? 一か八か……正面突破で学校の外に出る?」

>>95 1出る
    2出ない




2




日向「いや……【クロマク】以外にもチャットにいた人達がいる……そいつらが心配だ」

日向「それに、あの【校則】……あの時は意味不明だったけど、今ならなんとなくわかる。今ここから出ようとすれば、ペナルティとやらが与えられるかもしれない」

左右田「で、でもよ! じゃあどうするんだ!?」

日向「あの女……【クロマク】を迎え撃つしかない。この状況についてなにか知ってる可能性が一番高いのはアイツだからな」

???「あら……じゃあ早速ヤってみてくれる?」

日向「!!?」

 振り返ると、いつの間に忍び寄ってきたのか。そこにはあの無貌の女が立っていた。

江ノ島「あ、あとクロマククロマク言わないでくれる? アタシには江ノ島盾子っていう立派な名前があるんだからさー」

日向「そうか……じゃあ江ノ島盾子。その変なやつを呼び出せるのが、自分だけだと思うなよ」

江ノ島「へぇ……?」

日向「……来い! オーディン!」


今日はここまで。プロローグさえ終わらなかった……

質問とかあったらなにか。

登場予定のペルソナ

オーディン

北欧神話の最高神でありながら、世界の創造主ではない、成長する神。常に知識を求め、その代償を惜しまない。世界樹ユグドラシルでグングニルで身体を刺し貫いたまま九日九晩首を吊り、9つの詩と18のルーンを覚えた。また知識の泉といわれるミーミルの泉ではその水を飲み洞察力を得る代償に、自らの片目を差し出した。

ツキノウサギ

アフリカ・ホッテントット族の神話に残る。月は人間に永遠の命を与えようと「私が欠けてもまた満ちるようにあなた達の生命も永遠である」と伝えるよう兎に命じたが、彼が「月の命は永遠だが人間は一度死ぬと蘇ることはない」と真逆のことを伝えたため、人の命には限りがあるのだという。
この時月が怒って棒を投げたので、月面に映る兎の唇は割れていると言われる。

ダイダロス

イカロスの父で〈巧みな工人〉の意。半牛の怪物ミノタウロスを入れておく迷宮ラビュリントスを造った。その後、アテナイの王子テセウスが怪物退治にやってきたときにはテセウスに恋した王女アリアドネに、王子が迷宮内で道に迷わぬための糸球の策を授けた。

昨日書いてみて思ったんだけど、やっぱりDTL関連は設定として余分だったかもしれない……

素直に

日向「ペルソナ?」

ってスレタイで立てなおそうと思うんだが。スレタイ的にもとっつきやすくなるし


日向「ペルソナ?」

日向「ペルソナ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388811039/)

続きはこっちでやることにしました。このスレは落とします



 ……時計の針が、10時ちょうどを指し示した。

左右田「見ろ、やっぱりなにも起きねえじゃねえか」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom