池田「スーミンのダイエット大作戦だし!」深堀「……」(129)

  風越女子麻雀部部室にて

ワイワイ ワイワイ ざわ・・・ざわ・・・

池田「ローンだし!リーチ一発ドラドラだし!」

後輩A「そ、そんなぁ……」

池田「にゃはは!あたしに勝とうなんて100年早いのだよ!」

後輩B「やっぱ池田キャプテンはすごいですね!」

池田「なに言ってるんだあたしの実力はこんなもんじゃないぞぉ!こんなのまだ9割の力だし!」

文堂「ほとんど本気じゃないですか池田先輩……」

池田「なんだと文堂!お前はそんなこと言ってないでもっと頑張れよ!」

文堂「す、すいません……」

県大会が終わり数週間、風越女子は3年生が卒業し新キャプテンに池田華菜が就任していた

池田「キャプテン最高だし!」

                        ___
                      //l

                      √7/`、
                     /_/ |-、/|  「| , - 、_         ____
                     rニi//'--r-┴「r‐´`‐rー,---r'´ ̄ ̄ ::/
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              /"/`i/___, -┴,-、八   ,-‐-、  (=) ::| |  l|r-ri´ヽ
             /"`O)/ヲl〕   人 ::〕,ゝ‐‐',---、`'‐┬‐'ト'、  l|⌒i'トi l:)
        .   /  ::/`iニヲ'ー'-ニ',__,ゝ'/ ̄ ̄ ▽   ̄ ̄ ̄`i| _|___| `iノ
           /-、::/           〉--、/ ̄| ̄`、_,--‐、∧ |__ト、::|
         /-、::/           〈     ::||    [iii] :::|l_ノ、 lト,ノ
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     /"  ::/              〈_ `ー-‐i´`ー‐‐i"´ ::|   ̄
    /"  、/               / `'、,√ハ   _|  __;:|
  /   ::/7               λ_/∨ |__ノ   | 〉l´ `i´〕
  〈 ◯ )/‐'′             /i___/ ̄'、i_λ    〉l|   |l '、
  `'ー ´                / /  / ̄ ̄  |    | `'r-i´  `ヽ,
                     7'ー、∠_     ゛ i|   |  |_||  ヾ ::ヽ,
                    /`'ー/-- ヽ,   il|:::::....|  l|__|__   ::::〉::::...
                   /ー-、∠___,ヽ、 ::::ノ::::....|_/ |__|_`ヽ、_;;ノ::::..
                  /   /i  _, -―‐ヽ-':::::::.... |`、._| |__,ノ|:::::::.::::.......
                  `'ー-' " ̄::::::::::::::::::::........    \_|  |__,ノ:::::::::::::....:....
                                     `ー´::::::::::::::::::::.......

池田「さてと、ちょっとみんなの様子見てくるから席を外すし

文堂「はい」

池田「そこのお前!あたしの代わりにこの卓に入れ!」

後輩C「は、はい!」

池田「他の卓の様子はっと」トテトテ

未春「華菜ちゃ~ん」

池田「みはるん!調子はどうだし!」

未春「みんな真面目にやってるよ、みんなキャプテンの言いつけを守ってるし……」

池田「キャプテンの言うことは絶対だし!」

深堀「……」モグモグ

池田「スーミン……麻雀のときぐらい食べるのやめなよ……」

深堀「ごめん……」バリバリボリボリ

深堀「……」ムシャムシャ

池田「いったいなに食べてるんだし……」カサッ

深堀「……」モグモグバリバリ

池田「プロ麻雀せんべい……まーた文堂がスーミン使ってせんべいを処理してるのか……」

深堀「……」バキバキ

池田「おい文堂!ちょっと来い!」

文堂「な、なんでしょうか先輩!」

池田「お前はまた先輩を利用してせんべいを処分してるんだろ!いい加減にやめろし!」

文堂「すいません!プロ雀士カードが欲しくてついつい買ってしまうんです……」

池田「買うのは良いけど学校に持ってくるなよ……いくつ買ったんだよ……」

文堂「3袋です」

池田「誰が出たんだ」

文堂「3枚とも藤田プロです……」

池田「あちゃー」

文堂「おかしいですよこれ!絶対裏でなにかあるハズです!」

池田「まぁえてしてこういうのは微妙なのが連続して出るもんだよ
   あたしもこの前プロ野球チップス買ったらロッテの的場がいっぱい出たし」

深堀「……」ボリボリ

池田「ってそんなことより!今度から麻雀せんべいを部室に持ってくるのは禁止だからな!」

文堂「はい……」ショボーン

池田「キャプテンの命令は絶対だし!!」

深堀「ふぅ……」ポンポン

池田「スーミンも食べ終わったなら早く練習だし」

深堀「わかった、でもその前にコーラを……」ガサッ

池田「!!なんだその大量のペプシは!!」

深堀「……」ゴキュゴキュ

池田「どうしたんだしそのペプシは!尋常じゃない数だし!」

深堀「吉留さんからもらった……」

池田「み、みはるんからもらった?!」

未春「ごめん華菜ちゃん……」

池田「どうしたのみはるん!なんでまたこんな数のペプシを……」

未春「このペプシコーラに貼られてるシールが欲しくて……
   いっぱい集めて送るとB'zのライブのチケットがもらえるんだよ」

池田「で、行けたの?」

未春「無理だったよ……」

深堀「……」ゴキュゴキュ

未春「でもカロリーZEROだし大丈夫だよきっと!」

池田「そーゆー問題じゃないし!」

 放課後 帰り道にて

池田「ふんふんふ~ん♪」

未春「華菜ちゃんご機嫌だね」

池田「だってコーチが1か月も横浜に研修行ってるんだよ!まさに天国だし!」

文堂「今の言葉を久保コーチに聞かせたらどんな表情になるでしょうかね……」

池田「ぶ、文堂!余計なことは絶対言うなよ!!」

深堀「……」

池田「スーミン?なんか元気ないね」

未春「どうしたの?体調でも悪いの?」

深堀「いや……そういうわけでは……」

池田「わかった!食べ過ぎてきもちわるいんだろ!さすがあれだけ食べれば気分も悪くなるし」

深堀「違う……お腹すいた……」

池田「そっちか……」

文堂「お腹すいたならあそこの店に入りましょうよ」

 雀荘「Roof-top」にて

 ウィーン

まこ「いらっしゃいませー」

池田「華菜ちゃん登場だし!!」

まこ「なんじゃあんたらかい……」

池田「あ!お前は清澄の次鋒の染谷まこ!久しぶりだな!」

まこ「冷やかしなら帰ってくれんかのう……」

池田「客に対してその態度はなんだし!華菜ちゃんたちは客だし!」

未春「失礼します」

まこ「おお吉留さん、久しぶりじゃのう全国大会以来かのう」

未春「はい、全国優勝おめでとうございます」

まこ「て、照れるのう」

池田「へっ!優勝出来たのは宮永咲のおかげだろ!なに照れてるんだし!」

まこ「へいへい卓はこっちじゃから大人しく麻雀してろ」イラッ!

深堀「……」チャッ

池田「ローン!チャンタドラドラドラ!満貫だし!」

深堀「ううう……」

池田「またスーミンが最下位だし」

文堂「さっきから調子が悪いですね……」

深堀「お腹がすいて力が……」グー

池田「ケロッグのCMかし……」

未春「そういえばこのお店注文すれば料理が出てくるらしいよ」

深堀「ほんと?」

文堂「そういえばそうですね、藤田プロも自身のブログでここの出前を絶賛してました」

池田「しょうがないなぁ~、おーい!料理を注文するし!!」

まこ「あんたはさっきからうるさいんじゃ!」パチコン!

池田「痛いし!!」

まこ「なんじゃどうしたんじゃいったい」

池田「お腹すいたから食べ物注文するし!」

まこ「こんな時間に食べると夕飯食えなくなるんじゃないかのう……はいメニュー」スッ

池田「おお色々あるし!みはるんはなにが食べたい?!」

未春「その前にメニュー見せてよ華菜ちゃん……それ見ないとなにがあるか分からないよ……」

池田「ご、ごめん」サッ

未春「じゃあわたしは……軽くサンドイッチで」

池田「じゃああたしもそれで!みはるんとおそろだし!」

文堂「私はミルクティーだけでいいです」

池田「文堂はいつもミルクティーだな」

まこ「サンドイッチ2名、ミルクティー1杯っと、で、あんたはなに頼むんじゃ」

深堀「まずは軽くかつ丼にカレー、大盛りで」

池田「全然軽くないし……」

  数分後

まこ「お待ちどうさま、かつ丼にカレー大盛りじゃ」カタッ

深堀「どうも……」

池田「す、すごい量だし……」

深堀「~~~♪」

文堂「すごい楽しそうですね……」

池田「しかしなんでまたかつ丼にカレーなんて注文したんだし?手っ取り早くカツカレーでいいじゃないか」

深堀「こっちのほうがカツカレーで注文するよりボリュームが多い……かつも揚げたてでカラッとしてるし……」

池田「さいですか……」

深堀「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」

まこ「すごい勢いでカレーとかつが減ってくのう……」

池田「すごいスーミン、体中で食べてるし……」

深堀「ふぅ……ごちそうさま……」カラッ

池田「はやっ!もう食べ終わったのかし!」

深堀「次は……」ペラッ

池田「まだ食べるのかし!」

深堀「……牛丼焼き鳥丼カルビ丼生姜焼き定食にロコモコ、それとチーズカレー」

まこ「か、かしこまりました……」

池田「ちょ!そんな食べたら死ぬし!」

深堀「大丈夫、夜食でいつもこれぐらい食べてるから」

文堂「普段の食生活どんななんですか……」

深堀「これぐらい食べないと本気でないし……」

未春「深堀さん……」

池田「……」

  数十分後

池田「リーチだし!」

文堂「相変わらず池田先輩は絶好調ですねぇ」

深堀「……」ムシャムシャ

池田「うううスーミンが気になって集中できないし……」

深堀「……」ゴキュゴキュ

未春「すごい……カレーを飲んでるよ……」

深堀「カレーは飲み物だからね……」ハッシュハッシュ

池田「もう牛丼カルビ丼を平らげてるし……」カチャッ

深堀「ロン」モッキュモッキュ

池田「ひぃ!初めてスーミンが和了したし!」

深堀「ジュンチャンリャンペーコードラドラ、倍満です」ムジリムジリ

池田「えええ?!そんな最後の最後でまくられたし!」

文堂「食べ物パワー恐るべしですね……」ゴクリ

それから深堀の快進撃が始まった・・・・・・

深堀「ロン!ハネ満です」ムシャムシャ

池田「ああもう!!」

深堀「ロンっ!イッツードラドラ!満貫です」モキュモキュ

未春「うう……」

深堀「ツモ!リーチ一発ドラ3」バクバク

文堂「私の点棒が……」

深堀「ロン!サンショクチャンタチュン!」モグモグ

まこ「そんな食い方しよってからに!」

深堀の圧倒的パワーに誰も太刀打ちできない状態が続いたのであった・・・

深堀「牛丼おかわり」

深堀「……」ハフハフ

文堂「すごいですね先輩!さっきから無敵じゃないですか!」

未春「もしかしたら校内ランキングで1位狙えるかもしれないよ」

深堀「そ、そう?」モリモリ

池田(くそお……これじゃあキャプテンの面子丸潰れじゃないか……!)

池田は悔しかった……
福路美穂子が引退し、部内で最強は自分だと自負していたのに深堀にいいように弄ばれたのだから・・・

池田(次こそは絶対華菜ちゃんが勝つんだし!)

まこ「さぁてさいころ回すかいのう」

池田「なにしれっと入ってるんだし」

まこ「ええじゃろ!ヒマなんじゃこっちも!」

深堀「……」ムシャムシャ

    南4局  9巡目

深堀「リーチ……」ハッシュハッシュ

まこ「こりゃやばいのう……」

池田(うう結局またスーミンにやられたい放題だったし……)

現在、深堀1位で池田は3位である

池田(でも華菜ちゃんは勝負を諦めないし!!)チャッ!

池田の決してあきらめないココロが牌を引き寄せる・・・!

池田(来たし来たし!役満テンパったし!)

ここに来て国士無双をテンパったのだ・・・!

池田(イーピンが来たら和了だし!来い!イーピン来い!)

深堀「……」トンッ!

池田「イーピン来たし!!!ローン!!国士無双だしぃぃぃぃ!!!」

深堀「!!!!」

池田「やったあああああ!!!華菜ちゃん奇跡の逆転優勝だし!!!」

深堀「……」

池田「やったやった!これでキャプテンの面目が保てたし!やったやった……」

深堀「…………なかった」ボソ

池田「やったやった……」

深堀「聞こえなかった池田」

池田「え?」

深堀「それチョンボ」

池田「え?え?え?だってイーピンだったから……」

深堀「それイーピンじゃない……白……」


池田「ええええ?!そんなハズないし!どう見たってイーピ……」

池田は改めて深堀が捨てた牌をじっくりと見る……

池田「げげげ!!なんじゃこりゃああ!!!」

なんと捨て牌はイーピンでは無かった……!真ん中がカレーで汚れた白だったのだ……!

まこ「汚いじゃろうが!もっとキレイに食わんかい!!」

深堀「ごめん……」

池田「ごめんで済んだら警察は要らないし!!!」

  1時間後

池田「結局勝てなかったし……」ヘナッ

文堂「深堀先輩強すぎですよ……」

深堀「満腹……」ポンポン

未春「遅くなると困るし早く帰ろう」

池田「そうだね」

まこ「もう帰るんか、また気が向いたらいつでも来てくれ」

池田「うんまた来るし!」トテトテ

まこ「ちょっと待たんかい!会計がまだじゃろ会計が!」

池田「ケチだなぁ、ちょっとサービスしてくれたっていいじゃんかし、一緒に合宿した仲じゃないか」

まこ「それとこれとは話が別じゃ!はい!」ペラッ

池田「えーっといくらかな」

池田「……」

池田「ちょっとゼロが1コ多くない?」

まこ「どう計算したってその数字になるんじゃのう」

池田「でも3万はおかしいし!ぼったくりだし!この店は悪徳だしぃ!!」

まこ「なに言うとるんじゃ!あんだけ注文すりゃこんだけ掛かるわ!」

池田「で、でもこんなに払えないし……」

文堂「私も無理です……」

未春「わたしも……」

深堀「ごめん……」

まこ「こうなったら体で今日の分を払ってもらうしかないのう」ニヤリ

池田「ひぃぃぃ!!」

次の日から1週間、池田たちは「Roof-top」で働かされるはめになるのだった・・・

 1週間後 風越女子 麻雀部部室にて

池田「ハァ……腰が痛いし……」

未春「華菜ちゃん大丈夫?」

池田「全然大丈夫じゃないしぃ~、あのメガネ人使いあらすぎるんだよ~」

文堂「池田先輩働きっぱなしでしたからね……」

池田「文堂は良いよな!ずっとおしぼりをあっためてただけだし!」

文堂「す、すいません……」

池田「こうなったのも全部……」ジロリ

深堀「……」ムシャムシャ

池田「全部スーミンのせいだし!無尽蔵に食べすぎなんだし!」

深堀「ごめん……」ムシャムシャ

池田「ホントにごめんと思うなら食べるのやめろよ!」

未春「か、華菜ちゃん落ち着いて……」

深堀「ごめん……」

池田「ううううスーミン!!!」バンッ!

深堀「な、なに……」

池田「もう今日から暴飲暴食禁止!ダイエットだよ!ダイエット!!」

深堀「え……」

池田「このままだとスーミンはぶくぶく太って早死にするし!30で死ぬよ!」

深堀「べ、別に太ってない……」

池田「こんな腹しといてない言ってるんだし!!」モニュモニュ

深堀「や、やめて……」

未春「ダメだよ華菜ちゃん!触るならわたしのお腹を触って!!」

文堂「なに言ってるんですか吉留先輩……」

池田「今日からスーミンダイエット大作戦開始だし!!」

深堀「そんな……」

池田「もう金輪際部活中に飲食禁止!1日3食だし!」

深堀「でも……」

池田「デモもパレードも無いし!あたしはスーミンのことを心配して言ってるんだし!」

文堂「たしかにそうですね、このままだとホント危ないですよ」

深堀「大丈夫だって……」

池田「そんなこと余裕こいてると病気になって死んじゃうよ!」

深堀「大げさだよ……」

池田「大げさじゃないし!このままだと……」

文堂「死ぬな」

池田「いや!」

文堂「「死ぬね!!」」池田

深堀「……」

文堂「津山さんもそう思いますよね!!」

睦月「う、うむ……」

池田「ってなんで鶴賀の部長がここに居るんだし!」

睦月「文堂さんに会いに来たんです……」

文堂「合宿のときに仲良くなったんです、たまに一緒に遊びに行ったりしてるんですよ」

睦月「うむ」

池田「そうだったのか……そんなことよりスーミン!ダイエットするよ!」

深堀「……」

池田「意外と頑固だなぁスーミンは、あのねスーミン、うちらの部が他の生徒たちからなんて呼ばれてるか知ってる?」

深堀「知らない……」

池田「風越部屋って呼ばれてるんだよ」

深堀「!!」

池田「それに新入部員を勧誘することは新弟子検査って呼ばれてるんだし!もうなんのことか分かるよね!」

深堀「……」

池田「周りから馬鹿にされてるんだし……」

深堀「……」

池田「これでもまだ痩せない気なの?このままだとずっと笑い者だよ!」

深堀「ううう……」

池田「痩せようスーミン!あたしたちも手伝うから!」

文堂「そうですよ深堀先輩!私も協力しますから!」

深堀「……わかった、痩せる」

池田「それでこそスーミンだし!今日からダイエット頑張るんだし!」

睦月「ホントに風越部屋とか新弟子検査とか言われてるんですか……」

未春「多分華菜ちゃんの創作だと思う……」

  ガラガラ

福路「ニコニコ」

福路「みんなお久しぶり」

文堂「ふ、福路先輩?!」

未春「どうしたんですか?」

池田「キャプテ~~ン!!」スタタタタタッ!

福路「もう華菜ったら、わたしはもうキャプテンじゃないのよ」

池田「あたしの中ではキャプテンは永遠に福路先輩のことだしぃ~!」ギュウウウウウ

福路「あらあら華菜ったら」ウフフ

未春「くっ……」

池田「それよりキャプテンどうしたんですか?受験勉強はいいんですか?」

福路「みんなの顔が見たくなってね、またこれから夏期講習なの」

文堂「受験生は忙しいんですね」

福路「そうだったみんなにお土産持ってきたのよ」バサバサ

池田「お土産!どれどれ!」

福路美穂子が持ってきたのは大量のお菓子だった……!

福路「福引で当たったの、みんなで食べてね」

池田「ああキャプテンそれは……」

福路「こういうの嫌いだったかしら……」

池田「そういうわけではないですけど……」

文堂「ちょっとタイミングが悪すぎですね……」

福路「ごめんなさい……なんかわたし余計なことしたみたいで……」ウルウル

池田「そんなことないですし!ホントありがたいですし!」

文堂「ちょうどみんなお腹すいてとこなんですよ!ありがとうございます!」アタフタ

福路「うふふ良かった」

睦月「……」

福路「鶴賀の津山さんも来てるみたいだしみんなで食べてね、それじゃわたしはこれで」

   ガラガラ

文堂「行っちゃいましたね……」

池田「ああもうこの大量のお菓子どうしよう……」

未春「すごいいっぱいあるね……」

文堂「子供会とかでこういうお菓子の詰め合わせとかよくもらいましたよね」

睦月「懐かしいね」

深堀「……」ウズウズ

池田「!!そうだし!!このテがあったし!」ピコーン

未春「どうしたの華菜ちゃん?」

池田「スーミン!これは試練だし!このお菓子で我慢力を身につけるんだし!」

深堀「我慢力?」

池田「みんなはお菓子を食べるけどスーミンはじっと堪えるんだし!これでダイエットのためにメンタルを鍛えるんだし!」

深堀「そんな……」

文堂「良いですねそれ!やりましょう!」

池田「さっそく華菜ちゃんお菓子を食べるし!あ、カールがあるし!!」

文堂「私はプリッツを頂きますね」

池田「みはるんも倉敷さんも遠慮せずにどんどん食べていいんだし!」

睦月「津山です」

池田「リーチだし!ああカール美味しいし~」ムシャムシャ

深堀「ううう……」

未春「おっかけリーチ!ポテロングも美味しいよ華菜ちゃん」パクパク

深堀「ああ……」

睦月「あ、ツモです、わたしはやっぱ麻雀せんべいは一番です」バリバリ

深堀「せんべい……」

文堂「プリッツはやっぱトマト味が一番ですよね!」ポリポリ

深堀「……」

文堂「美味しいですよ深堀先輩!」ポリポリポリ

深堀「……」

文堂「音だけでも楽しんでくださいね」ポリポリポリポリ

深堀「……」

文堂「こんな美味しいのに食べられないんなんて深堀先輩が可哀想です!」ポリポリポリポリポリ

深堀「文堂あんま調子に乗ってるとしまいにはぶっ飛ばすぞコラ」

文堂「すいません」

池田「ンマ~イ、やっぱカールはスナック菓子の王様だし!」

深堀「……」ウズウズ

池田「ん?どうしたスーミン、ひょっとして食べたくてしょうがないんだな」

深堀「うん……」

池田「しょうがないなぁ、だった役満で和了したらあげても良いし!」

深堀「わかった……」

池田「まぁ宮永咲や天江衣じゃないんだしそう簡単に役満なんて出な……」

深堀「ツモ、字一色」

池田「げげげ!なんでそんな簡単に出るんだし!」

深堀「カール!!」バキボコ!

池田「ギニヤ!!!」

深堀「ハフハフ」バリボリバリボリ!

深堀「ハム!ハムハフ!!」

池田「すごい……袋に手を入れたら5本の指全部にカールがくっ付いてるし……」

深堀「ハァムハァム!!」バリバリボリボリ

睦月「」

未春「津山さんがすごい引いてる……」

深堀「次!!」バッ!

池田「ああみはるんのポテロングが……」

深堀「はん!!」スポっ!

未春「すごい全部飲んじゃったよ……」

深堀「次!次!次!」

こうして深堀は欲望にまかせるままに、福路が持ってきたお菓子を喰らい尽くしてしまったのだった

深堀「ふぅ……」

池田「なにうっとりしてるんだし……」

深堀「やっぱり私にダイエットは無理……」ポンポン

池田「そうみたいだね……」

睦月「ううう……」

未春「どうしたの?気分悪いの?」

睦月「深堀さんの食べっぷりを見てたら気分が……」

未春「そのに長椅子があるから横になってたほうがいいよ」

睦月「うんありがとう……うっぷ……」

深堀「お腹すいた……」

池田「スーミンのダイエット大作戦……早くもとん挫したし……」

文堂「ダメですよそんなんじゃ、深堀先輩は痩せるべきなんです」

深堀「なん……だと……」

池田「文堂……?」

文堂「食べ物にがっついてる深堀先輩を見てましたけどね!あんなの人間のやることじゃないですよ!」

深堀「文堂……!!」カチン

文堂「動物ですよ動物!いや家畜です!」

深堀「貴様っ……!」

池田「落ち着いてスーミン!文堂!!お前はなにを言ってるんだし!!」

未春「深堀さんを家畜だなんて……そんな言い方酷いよ……」

文堂「酷くありません!これを見てくださいよ!!」

文堂がとりだしたのはビデオカメラだった

文堂「このカメラにさっきの深堀先輩を録画しました、再生しますので見てください!」カチッ

池田「どれどれ……」

文堂『今日は津山さんと上田市に来ています、津山さんこんにちは!』

睦月『ちょっと文堂さん恥ずかしいからやめてよ////』

文堂『いいじゃないですかぁ、美人な津山さんを記録に残しておきたいんですよ!』

睦月『そんな美人だなんて////』

文堂「っとこれは津山さんと上田市に行った時の映像でした、こっちじゃなかった」

睦月「/////」

池田「いったいお前らは上田市に何しに行ったんだし」

文堂「こっちでした!えいっ!」カチッ!

深堀『ふんがー!!』バリバリボリボリ!

池田『カールが根こそぎ無くなって行くし!!』

深堀「!!」

深堀『次!次!次!』

そこに映っていた醜く、意地汚く、そしてみっともない深堀の姿だった・・・

文堂「どうですか!これが深堀先輩なんですよ!」

池田「どれどれ……」

文堂『今日は津山さんと上田市に来ています、津山さんこんにちは!』

睦月『ちょっと文堂さん恥ずかしいからやめてよ////』

文堂『いいじゃないですかぁ、美人な津山さんを記録に残しておきたいんですよ!』

睦月『そんな美人だなんて////』

文堂「っとこれは津山さんと上田市に行った時の映像でした、こっちじゃなかった」

睦月「/////」

池田「いったいお前らは上田市に何しに行ったんだし」

文堂「こっちでした!えいっ!」カチッ!

深堀『ふんがー!!』バリバリボリボリ!

池田『カールが根こそぎ無くなって行くし!!』

深堀「!!」

深堀『次!次!次!』

そこに映っていたのは醜く、意地汚く、そしてみっともない深堀の姿だった・・・

文堂「どうですか!これが深堀先輩なんですよ!」

深堀『ハムハム!ハァフ!!』バリバリ

深堀「……」

深堀『ハァムハム!!』バリバリボリボリ

深堀「……」

深堀『次!次!』

深堀「……もう止めて」

 カチッ

文堂「どうでしたか深堀先輩、これを見てもまだ痩せない気でいるんですか?」

深堀「……」

池田「スーミン……」

深堀「……痩せる」

未春「え?」

深堀「頑張って痩せる!もうデブなんて呼ばせない!」

池田「スーミンがその気になったし!文堂でかしたし!」

文堂「えへへ……」

未春「でもどうやって痩せるつもりなの華菜ちゃん?」

池田「そんなの決まってるし!とにかく運動だし!」

文堂「ダイエットの基本ですよね」

池田「華菜ちゃんが考えた地獄のトレーニングを3週間もやれば20キロは痩せるし!」

深堀「20キロ……」

未春「えーっと、女の人にこういうのを訊くのは失礼だけど……深堀さんいま体重いくつ?」

深堀「98キロ……」

文堂「20キロ痩せるだけじゃあんま意味ないですね……」

池田「と、とにかく!頑張ってスーミンのダイエットを成功させるし!稲葉さんも協力してくれるって言ってるし!」

睦月「津山です……(なんで私まで……)」

池田「よおしダイエット頑張ろう!おー!」

こうして深堀の減量が本格的に始まったのだった……

  風越女子グラウンドにて

深堀「ハァハァハァハァ……」

ザッザッザッ

池田「ほらほらもっときびきび走るし!」

深堀「うぐ……」

ザッザッザッ!

文堂「深堀先輩ガンバレー」

深堀「ハァハァハァ……」

ザッザッザッ!

睦月「頑張ってください……」

深堀「タイヤ引ききつい……」

池田「なにバテてるんだし!もう1週したらもう1コタイヤを増やすし!」

深堀「うへぇ……」

ザッザッザッ!

まずはタイヤ引きで汗を流す・・・!

   サウナにて

深堀「ぐ……」ポタポタ

池田「暑いし……」

深堀「あ、足が……」ポタポタ

未春「はぁ……」

睦月「どうしたの吉留さん?」

未春「な、なんでもないよ!気にしないで!」

深堀「ハァ……ハァ……」ポタポタ

文堂「頑張って先輩!」

深堀「足がしびれて……」ポタポタ

池田「空気椅子始めてまだ10分しか経ってないし!あと20分だしぃ!」

サウナで地獄空気椅子・・・これを3セット行う・・・!

深堀「ううう吐きそう……」

   学校の庭にて

深堀「重い……」

池田「そりゃ麻雀部全員の洗濯モノなんだし重くて当然だし、ほらきびきびやらないと日が暮れるし!」

深堀「ハァハァ……」

池田「そこシワになってるし!干すときはちゃんと張らないと!」

深堀「ご、ごめん」

池田「ほらまだ1年生の分が残ってるし!キャプテンはこれを全部自分ひとりでやってたんだぞ!」

深堀「すごい……」

池田「洗濯が終わったら次は部室の掃除だし、まだまだ仕事はいっぱいあるんだからな!」

麻雀部の雑用・・・これが意外とキツイのだった・・・!

池田「買いだしがあるのも忘れちゃダメだし!!」

未春「これは華菜ちゃんの仕事を押し付けてるだけじゃ……」

  視聴覚室にて

ビリー『ワンモッセ!へイ!』

深堀「ううう……」ブンブンブン

ビリー『おいおいどうしたんだい!もう諦める気かい!そんなんじゃいつまでたっても痩せることはできないぜ!』

深堀「ハァハァハァ……」

ビリー『ほらもっと腕を伸ばして!ハイ!ハイ!ハイ!』

深堀「くぅ……」ブンブンブン

ビリー『そうだその調子だ!良いぞぉ!ガンバレ!ワンモッセ!!』

深堀「ハァハァハァ……」ブンブンブン

池田「家に転がってたビリーズブートキャンプを持ってきたし、今のスーミンにはぴったりだし

懐かしのビリーズブートキャンプ・・・!これはキツイ・・・!

池田「ふぁ~眠いし……」

文堂「池田先輩さっきから怠けてばっかですね……」

    食堂にて

池田「今日はサバ味噌定食にするし!」

文堂「私はラーメンで」

未春「わたしはカレーで」

睦月「私は生姜焼きを……」

深堀「わたしは……」

池田「スーミンはこれだし!」サッ!

深堀「え……」

池田が差し出したのは冷ややっこだった……

池田「スーミンはしばらくは豆腐だけで生活をするんだし!」

深堀「そんな……」

地獄のトレーニングをこなし食事は豆腐だけ
そんな日々が1か月も続いたのだった・・・

そして・・・

   保健室にて

深堀「……」カチャ

池田「ぐ……」ゴクリ

深堀「101キロ……全然痩せない……」

池田「逆に重くなってるじゃないか!」

なんとダイエットは失敗してしまったのだ・・・!

睦月「増えてますね体重……」

池田「なんで……なんでだし……」

未春「実は家では間食とかしてたんじゃ……」

深堀「してない……ちゃんと豆腐だけで生活した……」

睦月「もしかして筋肉が付き過ぎて逆に重くなったんじゃ……」

文堂「たしかにザ・ガッツのタカさんみたいになってますね……」

池田「誰だしそいつ……」

深堀「ハァ……」

文堂「大失敗でしたね……」

池田「……」

未春「華菜ちゃん……」

池田「ふ……ふふふふ……」

睦月「池田さん?」

池田「ま、まだだし!まだ奥の手があるし!」

文堂「奥の手……ですか?」

池田「そうだし!ぐふふ……」

深堀「……」ゴクリ

それからまた3週間後・・・

   風越女子 麻雀部部室にて

久保「研修が伸びまくったぞこの野郎!!」

福路「おかえりなさいコーチ」

久保「おお福路、どうだ勉強のほうは」

福路「おかげさまで順調です」

久保「まぁ福路なら志望校に余裕で受かるだろう、それはそうと福路、あいつはどうなんだ?」

福路「あいつ?」

久保「池田だよ池田!ちゃんとキャプテンの仕事をしてるのか?」

福路「華菜なら大丈夫だと思います、ただ」

久保「ただ?」

福路「最近華菜たちの姿を全然見ないんですよ……」

 ガラガラ

深堀「……」

福路「深堀さん!」

久保「おお深堀久しぶりだな」

深堀「どうも……」

久保「しかしなんだな、しばらく見ない間に」ジロジロ

深堀「……」

久保「ずいぶん鍛えなおしたな……プロレスラーにでもなる気か……」

深堀「……」

久保「まぁいいや、お土産だ、鳩サブレに有明のハーパーだぞ」

深堀「どうも」ペコリ

久保「しかし池田はなにやってるんだ!もう部活は始まってるって言うのに!」

深堀「……」

  ガラガラ

池田「すいません!遅れました!」

久保「い、池田ァ?!」

福路「え?!」

深堀「……」

池田「お久しぶりですコーチ!!」

未春「ど、どうも……」

文堂「研修お疲れ様でした!」

睦月「……」

久保「お、お前ら……」

コーチたちがそこで見たのは・・・

池田「ちょっと食べすぎちゃったし!」

ぶくぶくに太ったデブ池田たちの姿だった!

久保「ちょっとどころじゃないだろ池田ァァァァ!!!」

久保「なんだその醜い姿は!デブってレベルじゃねェぞ!!」

池田「実は……」

池田は今までの経緯をコーチに説明した

池田「だからあたしたちが太ってスーミンが痩せて見えるようにしたんだし!」

久保「お前……!」

池田「みはるんたちにも協力して太ってもらったし!ありがとう!」

未春「ぽっちゃりした華菜ちゃんも可愛い///」ポチャ

文堂「これも深堀先輩のためですからね!」ポチャ

睦月「なんで私まで……」ポチャ

池田「これで傍から見たらダイエットは大成功だし!やったあああ!!!」

久保「どう見たって大失敗じゃねェか!!池田ァァァァァァァァァァ!!!!!」バキボコ!

池田「ギャーし!!!!!」

久保「テメェキャプテンのくせに麻雀もしないで2カ月もなにしてんだこの野郎!!キャプテン失格だァァァァァ!!!」

こうして深堀のダイエットは失敗し、池田はキャプテン失格の烙印を押されたのだった・・・

       池田「スーミンのダイエット大作戦だし!」深堀「……」    カン

以上ですお
読んでくれた人サンキュー

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