葵「私が誰かわかる?」誠「え?」 (40)


誠「と、突然どうしたの?」

葵「私って名前にすると誰かわからなくない?」

誠「そんなことないと思うけど…」

葵「じゃあみんな名前で表示してよ!」

誠「え?じゃあボクは誠か…」

葵「どう?なんかしっくり来なくない?」

誠「たしかに…ボクたちって名前で呼ばれることないからね」

葵「でもさ、他のみんなはそうでもなくない?」

誠「え、そうかなぁ…」

葵「そうだよ!ちょっと確かめにいこうよ!」

誠「まあいいけど…」



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※ダンガンロンパSSです
※1・2ネタバレあり


LEON「お、苗木じゃねーか。なにしてんだよ?」

葵「ほら!ずるい!」

LEON「は!?いきなりなんだよ?」

誠「確かにこれはずるいよね…名前がダイイングメッセージとして使われてるし」

LEON「さっきから何言ってんだよオメーラ」

誠「試しに漢字に戻してみようか」

怜恩「は?漢字?」

葵「やっぱりしっくりきてる気がするよ」

誠「そうだね…桑田クンの名前って珍しいしなかなかいいよね」

LEON「お、もしかしてオレのこと褒めてんのか?いやースターはつらいね!」

誠「しかもダイイングメッセージの11037ってスーダンでは重要なパスワードとして使われてるしね」

葵「苗木ってば桑田君の名前をパスワードにしてたってことだよね」

誠「桑田君の名前だと思うとちょっと萎えるな…」

葵「桑田なんかさっさと千本ノックされちゃえばいいのに!」

LEON「…アポ?」

誠「次行こうか」


葵「次は誰がいいかな?」

誠「あ、大和田クンちょうどいいところに」

紋土「おう、どうかしたのか?」

清多夏「朝日奈君と苗木君ではないか」

葵「…ずるい」

千尋「ずるいってなんのこと?何か悪いことしたならごめんねぇ」

誠「いや、なんでもないんだ。こっちの話」

葵「やっぱりあの3人は名前でもしっくりくるよ」

誠「ダイヤモンド兄弟の大亜と紋土…この肩書きのおかげで大和田クンは名前も覚えやすいよね」

葵「石丸も名前が個性的だし…不二咲ちゃんはちーたんっていう愛称があるからいいよね」

清多夏「む、もしや名前の話かね?朝日奈君の名前は葵だったかな…」

清多夏「なかなか良い名前ではないか!親に感謝して名前負けしないようにならなければいかんぞ」

葵「あんたなんか自分を石田とか呼び出すくせに…」

清多夏「石田…?なんのことかね?」

誠「石丸と大和田で石田だよ」

紋土「ああ?なんで名前を組み合わせんだよ?」

誠「そんなの知らないよ…」

千尋「僕の名前は入ってないんだね…」

清多夏「む、それはいかん…じゃあ3人合わせて石田咲にしようじゃないか!」

誠「もう意味がわからないよ」

葵「じゃあ次だよ」


多恵子「山田君、早くロイヤルミルクティーを淹れてきてください」

一二三「やれやれ、僕はセレス殿の執事じゃないんですけどね」

康比呂「そんなことよりセレスっち。お金の件についてなんだが…」

多恵子「お金なら一銭も貸しませんわよ。担保がわりに内臓を提供してくださるなら考えて差し上げますけど…」

誠「……」

葵「どう?これ見ても他の人も自分の名前のように普通の名前だと思う?」

誠「山田クンはともかく…やすひろ2人はずるいかもね」

葵「そうだよね!思いっきり事件で重要なポイントになってたし!」

多恵子「あの…もしかしてそのヤスヒロというのにはわたくしも含まれているのでしょうか?」

誠「あ、いやこれは違うんだよ」

多恵子「そうですよね?もしわたくしのことをあのださい名前で呼んだら…わかってますよね?」

誠「あはは…もちろんわかってるよセレスさん」

康比呂「なあ…苗木っちからもセレスっちにお金を貸すように一言いってもらえんか?」

誠「やだよ…借金関係のことで葉隠クンには関わりたくないし」


多恵子「それよりなんだかわたくしの名前表示がおかしいことになっていませんか?」

誠「え…じゃあこっちで」

ルーデンベルク「……これだと少し長いのでセレスの方でお願いしますわ」

葵「セレスちゃんは注文多いなぁ…一人だけ偽名名乗ってるし」

ルーデンベルク「偽名?なんのことでしょうか?」

誠「とりあえず名前の方に戻すよ、はい」

セレスティア「そうそうこれで…」

葵「そういえばセレスティアが名前だったよね」

セレスティア「たしかにわたくしの本名はセレスティア・ルーデンベルクですが気軽にセレスと呼んでくださってかまいませんのよ?」

誠「いや、本名は…」

セレスティア「なにかおっしゃいましたか?」

誠「なんでもないです」

セレス「わかればよろしいのですわ」


一二三「…セレス殿、ロイヤルミルクティーを淹れてきましたぞ」

多恵子「あら、ありがとう。山田君」

葵「なんでだろう…?山田を名前で呼ぶ人なんていないのになぜか名前が印象に残ってるんだよね」

誠「最初の自己紹介のときに"すべての始まりにして終わりなる者"なんてこと言っていたからかもしれないね」

葵「…あ、そういえば名前で呼んでる人いるじゃん!」

誠「え?そんな人いたかな?」

葵「しかも苗木のことも名前で呼んでる!私のことは呼ばないくせに…」

誠「誰のことだろう…?山田クン自身のことじゃないよね?」

葵「ほら、腐川ちゃんだよ!……ん?いや、腐川ちゃんというよりジェノサイダー翔かな?」

誠「ああ、ジェノサイダー翔ね」

葵「そういうわけで次はジェノサイダー翔のところにいくよ!」


白夜「おい、臭いからさっさと消えろといってるだろう」

冬子「ふ、ふふふふふふ…白夜様があたしの心配をしてくれてる…」

白夜「誰がお前のことなんか心配するか…目障りだといってるんだ」

誠「うーん…十神クンは腐川さんに名前で呼ばれてるだけあって普通だね」

葵「腐川ちゃんも珍しい名前だから誰かわかりやすいよね」

白夜「お前たち何の話をしている?そんなことよりこいつをどうにかしろ」

誠「ねえ、腐川さん。ちょっとジェノサイダー翔と替わってもらえないかな?」

冬子「い、嫌に決まってんでしょうが…」

白夜「おい、どういうことだ苗木!?説明しろ!」

葵「十神から何か言ってやってよ!腐川ちゃん連れてってあげるからさ」

白夜「腐川、さっさとジェノサイダー翔になって消えろ」

冬子「わ、わかりました…白夜様がそういうのであれば…ハックション!」

ジェノサイダー翔「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」

誠「それで呼び出してどうするんだっけ?」

葵「たしか名前を確かめようと思って…」

ジェノサイダー翔「…?」

葵「あんたって私のことなんて呼んでたっけ?」

ジェノサイダー翔「おっぱいスイマー」

葵「……」

誠「いや、そうじゃなくって…」

葵「もういいよ!次行こう!」

白夜「ちょっと待て、こいつをどうするつもりだ!?」

葵「まあいいじゃない、私達は忙しいから後は好きにしてよ」

ジェノサイダー翔「よくわっかんねーけど白夜様を好きにして言い訳?やっちゃうわよーん」

白夜「おい、待て、やめろ、な、苗木ぃいいいい!!」


葵「次はさくらちゃんだよ」

さくら「む…朝日奈に苗木か」

葵「さくらちゃんはさくらちゃんだね」

誠「朝日奈さんが普段から名前で呼んでるから自然だね」

さくら「むう…そうだろうか…」

葵「むー、さくらちゃんも私のこと葵って呼んでよ」

さくら「葵か…名前で呼ぶのは少し恥ずかしいな」

葵「でもケンイチロウさんのことは名前で呼んでるじゃん」

さくら「あやつは長い付き合いのある我の戦友だからな…」

葵「私のことは名前では呼んでくれないってこと?」

さくら「そうではない…お主がそれを望むならそう呼ぼうではないか…」

さくら「あ、葵」

葵「さくらちゃん」

誠「……」

葵「あ、苗木は駄目だよ。苗木は苗木なんだから」

誠「わ、わかってるよ。ボクも名前で呼ぶのは恥ずかしいしね」


さやか「苗木君…私のことは名前で呼んでくれますか?」

響子「私のことも名前で呼んでかまわないのよ」

誠「舞園さんに霧切さん…いきなりだね」

葵「…なんか2人も違和感がないように感じるんだよね」

さやか「そうですか?私の名前は某キャラとかぶるから名前表示だと別人に見えませんか?」

杏子「そんなこといったら私もギリギリよね…漢字が違うから大丈夫だけど…」

誠「以外ときょうこっていう名前のキャラっているからね」

響子「そうね…私達の名前に違和感がないのはそういう理由もあるのかしら?」

葵「舞園ちゃんと霧切ちゃんは別世界で苗木に名前で呼ばれることがあるからかも…」

誠「そうかなぁ…」

さやか「そうですよ!ぜひこの世界でも名前で呼んでください!」

響子「どうせならあなたのことも名前で呼びましょうか?…ま、誠」

さやか「あ、ずるいです。私も名前で呼びます。…誠君」

誠「え…なんか恥ずかしいな。ボクも名前で呼ばなきゃ駄目?」

葵「うん、私のことも葵って呼んでね」

誠「朝日奈さんも?」

葵「朝日奈じゃなくて葵だってば!」

さやか「さやかって呼んでください」

響子「響子と呼ぶのよ、誠」

誠「…あ!ボク用事思い出した!帰るね!」

葵「あ、駄目だってば!逃げるなー!」


誠「…ふう。なんとか逃げ切れたかな」

盾子「ところがどっこい逃げられない」

むくろ「まだ私達が残ってるからね」

誠「江ノ島さんに戦刃さん…やっぱり2人は名前だけでもしっくりくるよね」

むくろ「盾子ちゃんは盾子ちゃんだからね」

盾子「ま、アタシほどのカリスマがあれば当然ね」

誠「戦刃さんも珍しい名前だからね。印象に残りやすいよ」

むくろ「そうかな…どうせだから苗木君には私のこと名前で呼んで欲しいな」

誠「え?戦刃さんも?…でもやっぱり恥ずかしいかな」

むくろ「そっか…残念…」

盾子「やっぱりお姉ちゃんは残姉ってあだ名がお似合いだよ」

むくろ「うん…盾子ちゃんがそういうならそうなのかも」

誠「えーと、戦刃さん残姉の意味わかってる?」

むくろ「残念な姉ってことだよね…?」

誠「……」

盾子「……」

むくろ「私なにか変なこと言った?」

誠「いや、わかってるならいいんだけど…」

盾子「うぷぷぷ、それよりアイツラやってきたみたいだよ」

誠「に、逃げなきゃ!」


誠「ど、どこかに隠れよう。…あ、あそこに混ざればわからないかも」

白夜「…む、どうした愚民よ」

誠「ちょっとかくまって欲しいんだ」

輝々「もしかして女の子に追いかけられているのかい?まったく羨ましいよ!」

猫丸「がっはっは!お前さんも大変じゃのぉ!」

赤音「もぐむがむがもぐもぐもぐむがが」

白夜「おい、食いながら喋るな!汚いだろうが!」

赤音「」モグモグ

誠「と、とりあえずこの辺に隠れさせてね」

白夜「ふん、まあいいだろう。俺の食事の邪魔だけはするなよ」

猫丸「食事もいいがお前さん少しは運動したらどうじゃ?脂肪が付きすぎじゃぞ」

赤音「」モグモグ

白夜「馬鹿いえ、俺がどれだけの投資をしてきたと思っている?貴様ら愚民には想像もつかんだろうがな」

赤音「」モグモグ


葵「あ、あそこにいるの十神だよね?」

さやか「十神君と言っても太ってるほうの十神君みたいですね」

葵「名前表示だとどっちがどっちだか区別つかないね」

響子「苗木君がどこに行ったのか知ってるかもしれないわ。聞いてみましょう」

葵「あのー苗木のヤツ見かけませんでしたか?」

白夜「苗木だと?ああ、アイツならあっちの方に行ったぞ」

さやか「そうですか、ありがとうございます」

輝々「お礼ならいらないよ。それより今度僕のレストランに来ないかい?みんなまとめて食べて…じゃなかった。ごちそうしてあげるよ」

さやか「ええ、ありがとうございます。…ええと、花山さん?」

輝々「花村だよ。僕の名前ってそんなに覚えずらいかな?」てるてる

猫丸「花村はその擬音があるから名前は覚えやすいと思うがのぉ」

赤音「花山も花村もそう変わんねーと思うけどな」

響子「ところであなたたちは誰かしら?」

葵「何いってるの霧切ちゃん!猫丸は弐大先輩のことじゃん」

響子「赤音って誰かしら?」

輝々「そういえば終里さんの名前ってほとんど出てこないから名前だけ見ると誰かわからないかもね」

猫丸「ワシは通信簿で少しばかりネタにされてるからいいが終里は名前で呼ばれたことないからのぉ」

赤音「そうかぁ?小泉や澪田はオレのこと名前で呼ぶぞ」

輝々「うーん…そんなシーンあったかなぁ…」

響子「まあいいわ、苗木君はここにはいないようだし次いきましょう」


誠「…ふう、行ったようだね。助かったよ」

白夜「愚民を導いてやるのも俺の宿命だからな、気にするな」

誠「うん…でもこのまま逃げても埒が明かないよな」

猫丸「それなら超高校級の相談窓口に相談してみたらどうじゃ?」

誠「相談窓口?」

猫丸「うむ、日向創といって予備学科から本科に移籍した生徒がいるのだ」

白夜「日向ならおそらく"超高校級のゲーマー”七海千秋といるだろう」

誠「じゃあその人に会いにいってみるよ、ありがとう!」

赤音「」モグモグ


さやか「苗木君はどこに行ったんでしょうか?」

葵「あそこにいる先輩たちに聞いてみようよ」

響子「あの…少しいいかしら?」

凪斗「え、ボクかい?ボクみたいなゴミでよければなんでも聞いてよ」

さやか「なんかこの人怖いです」

葵「どことなく苗木に似てるのに狂気を感じるよ」

凪斗「ずいぶんな言われようだね。まあしかたがないかな」

和一「オメーはいつもいろいろとやりすぎだからな。少しは自重しろ」

凪斗「えっと…キミは誰?」

和一「誰じゃねーよ!一緒のクラスだろうが!」

冬彦「名前だけだとマジで誰かわかんねーな」

ペコ「南の島でも名前で呼ばれたことないんじゃないのか?」

凪斗「まあいいじゃないか、それより何の用かな?」

響子「ええと…苗木君がこっちの方に来たか知りたいのだけど、見てないかしら?」

凪斗「超高校級の希望の彼かい?残念ながら見てないなぁ」

響子「そう、ありがとう。さ、次いきましょう」

さやか「え?もう行くんですか?」

響子「…ええ、急ぎましょう」

葵「あ、待ってよー!」


さやか「なんでそんなに急いでるんですか?」

響子「彼は"超高校級の幸運”狛枝凪斗。要注意人物よ」

葵「こまえだなぎと?なんか名前まで苗木と似てるね」

響子「そう、彼は苗木君のストーカーよ」

さやか「え?ストーカーさんですか?霧切さんのことじゃなくてですか?」

葵「霧切ちゃんてストーカーだったの!?」

響子「違うわよ。とにかく彼は名前まで苗木君と似せるような変態ストーカーだから近づかないほうがいいわよ」

さやか「名前を似せるってありえないんじゃ…」

葵「考えすぎじゃない?ただの偶然だと思うけど…」

響子「だって彼は苗木君と同じ超高校級の幸運で声もそっくりで服装もどことなく似てるのよ」

響子「しかも彼は誰よりも希望を愛する変態。だから超高校級の希望である苗木君をつけまわしてるのよ」

さやか「そうだったんですか…今度からは気をつけないといけませんね」

葵「怖いねー。そんな変態がいるとは思わなかったよ」


凪斗「ずいぶんあっという間に行っちゃたよ。ボクって嫌われてるのかな?」

和一「そりゃそうだろ」

冬彦「それにしても本当にテメーは無個性な名前してやがんな」

和一「うっせうっせ!オマエだってそう変わんねーだろ!」

ペコ「そんなことはない。ぼっちゃんのことを悪くいうなら私が相手をするぞ?」

和一「くっそ、オメーはいいよな!ぺこぺこなんて強烈な名前してんだからよぉ」

ペコ「いいだろ別に名前のことは!」

冬彦「そうだぜ…それに俺はペコって名前…可愛くていいと思うぜ」

ペコ「ぼっちゃん…」

凪斗「あはは、らーぶらーぶしちゃってるね」

和一「ちっきしょー、俺だってソニアさんとらーぶらーぶしたいぜ」

凪斗「それは無理だと思うよ。ソニアさんならさっき田中くんとらーぶらーぶしてたし」

和一「」


誠「うーん…相談窓口見つからないな…」

眼蛇夢「む、貴様…もしや特異点か!?」

ソニア「まあ!この方があの特異点さんなのですか?」

誠「とく…なんだって?」

眼蛇夢「特異点だ…くくく、まさかこんな所で会うことができるとはな」

誠「えーと…たしか田中クンにソニアさんだったよね」

ソニア「そうですわ。よくわかりましたね」

誠「まあ…名前が特徴的だからね。ソニアさんにいたってはそのままだし」

眼蛇夢「田中という名前など真名を隠すための仮名にすぎんがな」

誠「いや、田中というか…眼蛇夢なんて名前は他にいないもんね」

ソニア「その通りです!とてもかっこいい名前だと思います!」

眼蛇夢「む…その…ありがとう」

誠「ところで超高校級の相談窓口を探してるんだけど知らない?」

ソニア「日向さんなら先ほど七海さんと視聴覚教室でゲームをしてるのを見かけましたよ」

誠「視聴覚教室だね。ありがとう!」


葵「苗木のヤツ見つからないなー」

さやか「どこにいったのでしょうか…そんなに私達を名前で呼ぶのが嫌なのでしょうか」

響子「おかしいわね…苗木君は私の事が好きで好きで仕方がないはずなのに…」

葵「あそこにいる人に聞いてみようか?」

さやか「今度は大丈夫そうな人たちですか?」

響子「…今度は要注意人物はいなさそうね」

さやか「すいません、聞きたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」

唯吹「お!唯吹たちに用っすか?」

響子「この写真の人物を探しているの。知らないかしら?」サッ

葵「苗木の写真常備してるんだ…」

日寄子「ずいぶんちっちゃいねー、きっと見かけても気付かないよ」

唯吹「日寄子ちゃんがそれを言うんだ!?」

蜜柑「私も見てないですねぇ」

真昼「この写真…」

響子「何か心当たりがあるのかしら?」

真昼「よく撮れてるわね…でもこれ盗撮よね?」

響子「ええ、そうよ」

さやか「あ、そこは素直に答えるんですね」

真昼「この人ならさっき見かけたけど…どうしてこの人を探してるわけ?」

葵「えーと、実は…」


真昼「なるほど…名前で呼んでもらいたいねぇ…」

唯吹「そんなに恥ずかしいことっすかね?唯吹なんてみんなのこと名前で呼んでるっすよ!」

日寄子「小泉おねぇも名前で呼んでるよね。下品で無能で臭くて汚い男どもとゲロブタは別だけどね」

蜜柑「なんで私ものぞくんですかぁ!?」

日寄子「おまえの名前なんて誰も覚えてないんだよ!ゲロブタで十分だ!」

蜜柑「そんなぁ!?ひどいですぅ…」

唯吹「唯吹は蜜柑ちゃんの名前可愛いと思うっすけどね!」

唯吹「もちろん日寄子ちゃんも真昼ちゃんも可愛いっすよ!」

さやか「ひよこさんですか?西園寺さんらしくてかわいらしい名前ですね」

日寄子「あ!おまえ今絶対わたしのこと馬鹿にしただろ!ちきしょう…アイドルやってるからって調子にのりやがって」

真昼「こらこら、いじけないの。そんなこと誰も思ってないから」

響子「それより苗木君はどこに行ったのか教えてもらえるかしら?」

真昼「さっき視聴覚教室に行ったのを見たわよ。超高校級の相談窓口に会いに行ったのかもね」

響子「そう…情報提供ありがとう」

葵「よし!苗木を追い詰めるよ!」

さやか「絶対名前で呼んでもらいましょうね」


真昼「それにしても名前ねぇ…たしかに異性の名前を呼ぶのは恥ずかしいよね」

唯吹「そんなに恥ずかしいことっすかね?唯吹なんてみんなのこと名前で呼んでるっすよ!」

蜜柑「それさっきも言ってましたよぉ…」

日寄子「男なんてそれとかあれとかでいいんだって」

唯吹「あ、でもでも唯吹は名前で呼ばれてみたいっす!唯吹を名前で呼んでくれるのは真昼ちゃんと唯吹しかいないっすからね」

蜜柑「名前で呼んでもらうのもいいですねぇ、人間扱いされてるみたいで…えへへ」

日寄子「ええーそうかなー?わたしを名前で呼んでいいのは小泉おねぇだけだよ」

真昼「そうねぇ…名前で呼び合う…か」

日寄子「あ、小泉おねぇが名前で呼んでほしいなら名前で呼ぶよ!真昼おねぇ!」

真昼「は、恥ずかしいからいいわよ」

唯吹「その点ソニアちゃんはいいっすよね!唯吹も改名して外人風の名前にすれば名前で呼んでもらえるっすかね」

蜜柑「私の名前だったらオレンジとかですかね…」

唯吹「蜜柑は英語でsatsumaっすよ!」

日寄子「っぷ!ゲロブタにはお似合いの名前じゃない?サツマちゃん」

蜜柑「あ、たしかにサツマちゃんは可愛いかも…」

日寄子「死ねっ!」

蜜柑「ええ!?なんでですかぁ!?」


真昼「まあどうせアイツは名前でなんか呼ばないと思うけどね」

日寄子「アイツって?」

唯吹「おやおや、真昼ちゃんは名前で呼んでほしい男子がいるのかな?」

蜜柑「も、もしかして日向さんのことですか?」

真昼「べ、別に日向のことなんてどうでもいいわよ」

蜜柑「でも私は日向さんに名前で呼んでほしいですぅ」

唯吹「唯吹もそれに賛成っす!」

日寄子「ええー、日向おにぃとかありえないんですけど」

唯吹「そうっすか?じゃあ唯吹と蜜柑ちゃんだけで創ちゃんに名前で呼んでもらうことにするっす!」

蜜柑「たしか日向さんは視聴覚教室にいるんでしたね」

真昼「あ、ちょっと待ってよ」

唯吹「真昼ちゃんも行くっすか?」

真昼「い、いや…日向のことはどうでもいいけど彼女たちのことが気になるからアタシも行くわ」

日寄子「し、しかたがないなぁ、小泉おねぇが行くならわたしも行くー」

唯吹「素直じゃないっすねぇ」

蜜柑「ふふふ…日向さん…ふふふふふふ…」

唯吹「澪田唯吹の澪は秋山澪の澪!澪田唯吹の田は田井中律の田!」

唯吹「澪田唯吹の唯は平沢唯の唯!澪田唯吹の吹は琴吹紬の吹っすよ!」

真昼「なんで今それを言ったの!?」


→視聴覚教室

誠「…えーと、あのスクリーンを使ってゲームをしてるあの2人が相談窓口なのかな」

千秋「日向君、まだまだ甘いよ。そんなじゃ私には一生勝てないよ」

創「たしか今やってるゲームは協力ゲーだったと思うが…」

千秋「こういう遊び方もあるんだよ?」

創「まあかまわないが…それより誰か来たみたいだな」

誠「あ、キミが超高校級の相談窓口の日向クンかな?」

創「ああ、それは俺のことだな。もしかしてお前も俺に相談か?」

千秋「君はたしか不二咲君と同じクラスの苗木君だね」

誠「そういうキミは七海さんだね」

千秋「うん、それで相談ってなにかな?」

誠「実は…」


創「なるほどな、女の子が名前で呼ばれたがってて困ってるといるということか」

誠「うん、そうなんだ。何かいい案はないかな?」

千秋「…名前で呼んであげるべきだよ。創君もそう思うよね?」

創「そうだな、それができればそれがい…え、なんて?」

千秋「名前で呼ぶべきだよ、創君」

創「…いや、なんでお前が俺のことを名前で呼んでるんだ?」

千秋「前から名前で呼び合う仲だったでしょ?創君」

創「…いいか、七海。名前でよ」

千秋「私の名前は千秋だよ?」

創「そうじゃな」

千秋「ち・あ・き」

創「……」

誠「……」

千秋「……」

創「……千秋」

千秋「うん、なにかな?」

創「恥ずかしいから苗字で呼んでいいか?」

千秋「駄目…だと思うよ?」

創「そうか…」

誠「駄目だ…これじゃ解決しない…別の解決方を…」

響子「見つけたわよ、苗木君」


さやか「さあ、苗木君…いえ、誠君。私のことさやかって呼んでもらいますよ」

葵「私の事も葵って呼ぶんだよ!」

誠「ちょ、ちょっと待って…」

響子「私の事も忘れないでね…誠」

千秋「あらら、苗木君は人気者だね。創君」

創「ああ、そうだな。千秋」

ガチャ

唯吹「やっほーーーーーい!!創ちゃーーーん!!」

蜜柑「あ、あの…創さん…私の事…名前で呼んでくれますか?」

日寄子「ど、どうしてもっていうなら創おにぃはわたしの事も名前で呼んでもいいんだからね」

真昼「アタシは別にどうでもいいんだけど…ひとりだけ名前で呼ばれないのも癪だから名前で呼びなさいよね、創」

創「」

千秋「創君のほうが人気者だったね」


誠「とりあえずみんな落ち着いて」

さやか「私はいたって冷静ですよ」

葵「もう逃げられないよ、誠」

創「お前らも落ち着け」

蜜柑「私は落ち着いてますよぉ…ところで今七海さんのことは名前で呼んでませでしたか?」

唯吹「千秋ちゃんやるっすねぇ」

日寄子「あのネクラは名前で呼ぶのにわたしのことを名前で呼ばないとかありえないよねー?」

真昼「あんたも男なんだからさっさと覚悟を決めなさい」

千秋「ふあぁ…ねみぃ」

誠「くっ…こうなったら覚悟を決めるしか…」


プシュー


「!?何!?」

「きゃっほーーーい!!これはマジやべーっす!」

「これは…煙幕ですか!?」

「ま、前が見えないよ!?」

「こっちだ苗木君!」

「え!?」

「さあ、ついでに君も来るといい」

「おい、ちょっと待てって」

「ちょっとー!何よこれー!」

「あ、足を踏まないでくださぁーい!」


「さやか!葵!響子!ボクはここにいるよ」

「え?苗木君が私の名前を呼んでくれた!?」

「この声は間違いなく誠君ですね!?」

「さあ、みんなボクの胸に飛び込んでおいで」

「誠…私も愛してるわ」


「オイラ創だ!蜜柑!唯吹!日寄子!真昼!愛してるぞ!」

「え…これどう考えても創ちゃんの声じゃねーっすよね」

「創さんは自分のことオイラなんて言いません」

「誰か知らないけどわたしの名前を軽々しく呼ばないでくれるかなー?最高に気持ち悪いんだけど」

「アンタ誰よ!?創をどこにやったわけ!?」

「…zzz」


響子「…煙幕がはれてきたわね」

さやか「そんなことより誠君が私の名前…を…え…?」

凪斗「やあ、"超高校級の踏み台"狛枝凪斗だよ」

日寄子「げ…あんたいつの間に…」

唯吹「創ちゃんもいなくなってるっすね」

罪木「この変なおじさんは誰ですか?」

田田田「オイラの名前は色葉田田田。超高校級の植物学者さ」

真昼「え?誰?」


創「…なんとか逃げられたようだな」

誠「ありがとうございます。学園長」

仁「気にするな。それはそうと私の名前はどうだい?」

誠「え?名前?」

仁「名前表示だと一段とかっこよくないかい?」

創「ええ、たしかにかっこいい名前だとは思いますが…」

仁「そうだろう?」

誠「…あの、なぜボクを助けてくれたのでしょうか?」

仁「さっき説明したじゃないか」

誠「え?」

仁「名前表示での出番が欲しかったから」

誠「」

仁「田田田君も出番が欲しいといってたから協力してもらったよ」

創「田田田って誰だ」

仁「それにしても私たちが揃うと誰が誰だかわからなくなるな」

誠「え?本当に出番欲しさに助けてくれたんですか?」

仁「まあそれはもちろん冗談だ」


仁「聞くところによると君は私の娘をたぶらかしているようじゃないか」

誠「いえ、そんなことは…」

仁「しかも私の娘だけならまだしも他の娘にまで手を出して…」

誠「それは違うよ!」

仁「とにかくだ、君の本命はいったい誰なんだね?この際はっきり言ってもらおうか」

誠「本命と言われてもな…ボクが名前で呼ぶと決めている人は…」

仁「いや、待ちたまえ。苗木君が心に決めた人がいるならそれを娘たちの前ではっきりと言ってもらおう」

誠「わかりました。いつまでもこのままじゃ埒があかないしはっきりと伝えます」

仁「うむ、なんにせよこれで娘のストーカー行為も止まってくれるだろう」

誠「ところで日向クンはどうするつもりなの?」

創「俺は別に名前で呼んでもいいんだが…」

誠「大丈夫?突然刺されたりしない?」

創「………」


葵「見つけたよ、誠」

響子「ここまでよ」

さやか「誠君…観念してください」

誠「朝日奈さん…霧切さん…舞園さん…」

千秋「創くん、私以外は名前で呼んじゃ駄目だよ」

蜜柑「うふふ…創さんは私と結婚の約束してるんですから邪魔しないでくださいね」

創「いや、そんな約束はしてないぞ」

日寄子「はあ?ゲロブタごときが何言っちゃってんのかな?創おにぃはわたしの下僕だよ」

真昼「私と一緒に写真撮る約束したよね?」

唯吹「じゃあ全員でバンド組めばそれで解決っすよ!」

創「待ってくれよ。俺は全員名前で呼ぶからそれでいいだろ?」

千秋「むぅ…創くんのお馬鹿」

葵「それで誠はどうするのよ?」

誠「この際だからはっきりと言っておきたいことがあるんだ」

響子「何かしら?結婚の申し出かしら?」

誠「ボクが名前で呼ぶ女の子はただ一人って決めてるんだ」

さやか「もちろん正ヒロインの私ですよね?」

葵「いや、スレタイ的に私しかありえないって」

響子「苗霧は公式カップルよ。それ以外は邪道ね」

仁「セレス君というオチだったりしてな」

誠「あれは偽名だからノーカウントで」

多恵子「あら、残念ですわ」

冬子「ど、どうせあたしじゃないことは確かなんでしょ」

盾子「大穴をついてオーガとかどーよ?」

さくら「それはないだろうな…我にはケンイチロウもいるしな」

千尋「ぼ、僕は女の子じゃないから違うよねぇ?」

響子「それで誠の決めた相手って誰かしら?」

誠「それは…」


~モノクマ漫才劇場~


モノクマ「どーもモノクマでーす」

モノミ「え、えーと…モノミでちゅ」

モノクマ「二人合わせて…」

モノクマーズ「「モノクマーズでーす」」

モノクマ「って名乗る前に名前表示されてんじゃねーか、オラァ!」ボコス

モノミ「うげぇ!理不尽でちゅー!」

モノクマ「しかたがないからもう一回だ」

モノミ「くすん…わかったでちゅ」


モノクマ「次は両方名前表示でいくぞ」

モノクマ「どーもモノクマでーす」

モノミ「モノミでーちゅ」

モノクマ「二人合わせて…」

モノクマ・モノミ「モノクマーズでーす」

モノクマ「モノが多くてうっとおしい!」ボコス

モノミ「ぎゃああああ!痛いでちゅー!」

モノミ「うう…あちしをこんな体にしたのはお兄ちゃんじゃないでちゅか」

モノクマ「うるさいぞ!口答えするんじゃない!」

モノミ「ひどいでちゅ…」


モノクマ「次は台詞を分けて言うぞ!」

モノミ「はいでちゅ…」

モノクマ「どーもモノクマでーす」

モノミ「モノミでーちゅ」

モノクマ「二人合わせて…」

モノミ「モノクマー」

モノクマ「お兄ちゃんを呼び捨てにするんじゃない!」ボコス

モノミ「うぎくプげッ!まだ台詞の途中でちゅー!」

モノクマ「もうオマエとはやってられんわ!」

モノミ「全部悪いのはお兄ちゃんなのに!?」


モノクマ「うぷぷぷ、さてさて苗木クンの運命やいかに?」

モノミ「どうなっちゃうんでちゅかね。苗木クンが刺されないか心配でちゅ」

モノクマ「それでは後半お楽しみに!あと2レスで終わるけどね!」

モノミ「ええ!?」


誠「ボクが名前を呼ぶと決めた女性は…」

誠「苗木こまるだ!」

葵「は?」

さやか「は?」

響子「は?」

こまる「お兄ちゃん!」

誠「こまる!好きだ!結婚しよう!」

こまる「お兄ちゃんがそれを望むなら…私…いいよ」

誠「こまる!」

こまる「誠お兄ちゃん!」



こうしてお兄ちゃんと私は結ばれることとなった
美しい兄弟愛の前に舞園さんや霧切さん、その他のみなさんからも祝福された
日本では兄弟同士結婚できないはずだったけどお兄ちゃんの友達が法律を変えてくれたので兄弟でも結婚できるようになった
お兄ちゃんが学園を卒業後、私達は結婚した
お兄ちゃんはいつも言う、愛があればどんな絶望がこようとも負けないと
希望は前に進むんだよ!


――――
――




こまる「っていう話はどうかな?」

誠「え?どういうこと?」

こまる「お兄ちゃんが家に帰ってきた理由は私に会いたくなったからじゃないの?」

誠「それは違うよ。家族に紹介したい人がいるから帰ってきたんだ」

こまる「紹介したい人?」

誠「うん。さあ入ってきて、むくろ」

むくろ「うん」

こまる「え?この人が紹介したい人?」

むくろ「えっと…戦刃むくろ。超高校級の軍人です」

こまる「あ、どうも。お兄ちゃんの妹の苗木こまるです」

誠「そういうわけでむくろと結婚しようと思うんだ」

こまる「」

誠「苗字で表示すると誰が誰だかわからなくなるからこれからは名前表示にするね」

むくろ「もう…誠君ってば気が早すぎだよ」

誠「いいじゃないか、むくろ」

むくろ「誠君…」

誠「むくろ…」


こまる「オマエラ爆発しろ」







終里

とりあえずオチに困ったら残姉結婚オチにすればいいって誰かが言ってたっちゃ
ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月30日 (土) 21:22:13   ID: 4gMwl3Vr

こまるエンドでいいだろうが

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