:【俺ガイル】材木座「超能力に目覚めたので童貞を卒業する」 (31)

・若干18禁要素あり、材木座視点のはず
・駄文につき注意

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材木座「久しぶりだな八幡よ」
八幡「おー、久しぶり」

親友は本から目を離さずやる気なく答える

八幡「それで何の用だ材木座?」
材木座「お主にも見せてやろうと思ってな、一皮むけた男の顔を」
八幡「別にいつもと変わらんだろ」

顔見てないじゃない、せめてこっち見てくださいマジで

八幡「一皮剥けた材木座の顔も見たことだしそろそろ帰れ」
材木座「この際はっきりと言わねばなるまい。その態度が気に入らぬ」
八幡「?」
材木座「我(われ)は剣豪将軍としてお主とともに幾百の時を、幾重の地獄をくぐり抜けてきた
そのお主が我に対しそこまで等閑に付すのは許容できぬ
武将は主従を尊ぶ、故にお主との格の違いを改めて確認し、正しき主従の関係を取り戻さねばならん」
八幡「おーすげー、新しいラノベの設定か?なら俺は漆黒の翼とか名乗っちゃう」

親友はやる気なく答える、というか全く意に介してない

材木座「フッ、いまのうちに平静を装っておくがいい、お主の驚愕する顔が目に浮かぶ」
八幡「違う意味でならいつも驚いてるけどな…」
材木座「活目せよッ、そして牢記せよッ、剣豪将軍の真の力をぉおおうおおお」

まばゆい光を放ち、さすがの親友も何事かとこちらを見る
というか今日はじめて目を合わせたよこの人

八幡「!?…なん…だと?」
材木座「どうだ?」
八幡「お、俺が二人!!なんだか知らんが凄え!仰々しいポーズを取らなきゃいかんのが玉に瑕だが」

それはやらなくてもできるのだが黙っておこう

八幡「まあ凄いのはよくわかったがそれと主従の格と何の関係があるんだ?」
材木座「む?」
八幡「例え誰かの姿になれたとしてもそれは上辺にだけに過ぎないし、俺とお前との格に
   さほど影響はないだろ」
材木座「心得ておる、当然男の価値は中身で決まる。」
八幡「かもな」
材木座「だがこの能力(ちから)を使い男としての格を上げる行動をとればどうだ?」
八幡「つまり?」
材木座「我はこの能力で童貞を卒業し、主としての格を従者に示すのだ」
八幡「・・・」
材木座「なんだその我を憐れむような目は」
八幡「いや、それはそれで悲しくねえのかなって。自分の外見全否定するのって」

材木座「案ずるな八幡。男の価値は中身。つまり外見の評価は仮初の価値に過ぎぬ」
八幡「案じてないしどちらかと言うと仮初なのは化けた後の姿なんだけどな」

あれ?おかしいな?特別な能力に目覚めても八幡からの扱いがあんまり変わってないぞ?

八幡「とは言え話はわかった。なるほど、葉山あたりに化ければ入れ食いだろうな」
材木座「それはできぬ」
八幡「何故だ?」
材木座「この能力は友達の少ない者にしかなれぬ。その中で容姿の良し悪しを加味した結果…」
八幡「・・・それで俺か」
材木座「然り」

八幡「なら材木座、お前の目論見は外れている。だいたい外見が俺になったところで女子の好感度は上がらんし
むしろ学校中から嫌われてるまである。どうするんだ?」

自分の外見全否定ってお主は悲しくならんのか

材木座「知れたこと、真っ当な方法では営みなど望むべくも無い。しかし法を顧みない外道の道を行くなら…どうだ?」
八幡「!?」
材木座「察したか八幡よ。さて、そろそろテニス部の練習が終わる。」
八幡「戸塚が危ない!がっ!ああ!」

八幡が我を静止させようと立ち上がるがそのまま膝をつく

八幡「ざ・いも・・くざ、何を・・・」
材木座「どうやら効いてきたようだな。MAXコーヒーに仕掛けた薬剤が
そこでおとなしくしているがよい。今この時より、俺が、俺達がハチマンだ!」

  ・・・・・・
予め戸塚氏には放課後用事がある旨の知らせを送っておいたが時間をかけていたせいで
既に部活を終わらせた足で八幡の部活のある部室へと探しに向かったらしい

材木座「確か・・・奉仕部の部室はここであったか?」

何度か来てるが慣れない部室の戸を開けるとお目当ての戸塚氏はおらず、代わりに別の女子が座っていた
その女子は興味なさげに一瞥をくれると不思議な生き物でも見た顔をして再び視線を本に落とした
この部活は他人をぞんざいに扱うのが活動方針なの?たしか雪ノ下といったか・・・
戸塚氏もいないし以前自作の小説を散々批判された借りを返すという意味でも代わりにこの女子でもいいかもしれない

雪ノ下「入るときはノックをするのが常識だと思うのだけど・・・」

発せられる視線が尖すぎてうまくいく気が微塵もしないが大丈夫。成功率は単なる目安だ!後は勇気で補えばいい!

雪ノ下「要件は何かしら?」
材木座「汝と男女の契りを結ぶべくここに馳せ参じた!」
雪ノ下「この場合、推参と言うほうが正しいわね・・・」

普段なら会話はおろか目を合わせるのも困難だが八幡の姿故か普通に話せる

材木座「返答はいかに?ふむ、聞かずともわかってはいるがな」
雪ノ下「その前に私からももう一つ質問いいかしら?あなたは誰?比企谷君・・・に似ているようだけど」
材木座「それ以外の何者に見える?」

雪ノ下「彼はもっと目が腐っているし、その気味の悪い口調も彼のものではないわ」
材木座「ぐぬう」
雪ノ下「それに…そうね。あなたから夏場でも我慢して着ているロングコートみたいな悪臭がするわ。気づいてる?」
材木座「ぐぬぬう。仕方なかろう、汗っかきなのだから。お主は鬼か?悪魔か?」
雪ノ下「少なくとも初対面の女性にいきなり性交を求める卑劣漢に人格を諭される謂れは無いわ」
材木座「ならば問答は要らぬ!力ずくでいかせてもらうぞ」

自らの秘部を晒して一歩近づいたと同時にティーカップの湯を秘部に命中させられた

材木座「ああぁつついい」

思わず跪くようによろける。上を向くと湯沸かしポットを構えた姿を確認すると同時に熱湯が降ってきた

  ・・・・・・
数日後。またもや親友は視線を合わせず小説を片手に興味なさげに話を聞いている

八幡「あー、そりゃ相手が悪い」
材木座「であろう?まさしく悪神百鬼の類であった」
八幡「いや、そうじゃなくてお前じゃ勝てそうにない相手って意味だよ」
材木座「あやつエスパーか?ひと目見ただけで我が正体を看破しおった」
八幡「それはお前の能力見抜いたわけじゃなくて、様子がおかしい俺を無理やり他人認定しただけだな」
材木座「なにゆえそう思う?」
八幡「じゃなきゃ今後二週間部室に顔出すなとか言われんだろう」
材木座「で、あったか・・・」

八幡「つかイレギュラーがあったとはいえ腕力ではお前が勝る。トライアルアンドエラーを覚悟すれば目的は
   達成できるとは思わなかったのか?」
材木座「思わぬ」
八幡「なぜだ?」
材木座「あのような冷たい視線で見つめられたら勃つモノも勃たぬ。そうでなくともしばらく勃たぬ」
八幡「心弱えぇ!まあ俺もどのみち無理だろうとは思っているがな」
材木座「他人の似姿を借りて童貞を卒業しようというのが、やはり間違っていたようだ」
八幡「そうだな。というか人間正しかった時のほうが少ないくらいだ」
材木座「だが肉体を乗っ取る能力ならどうだろうか?」

八幡「どうだろうと聞かれてもな。そんなことできるの?としか言い様がない」

材木座「人気のない場所だから言えるが・・・無論できる」

八幡「そうか、葉山あたりを捕まえれば簡単に達成できるな。まあがんばれ」

材木座「この能力はボッチが相手でなければ効かぬ」

八幡「ま、待て。無理やり行為に及ぶなら別に俺である必要は無いだろ」

材木座「左様、適当なボッチを捕まえても実行は可能だ」

八幡「ふう、ビビらせんな。うっかり最後のガラスをぶち破って逃走するところだったわ」

材木座「だが忘れていないか?八幡よ」

八幡「?」

材木座「当然乗っ取りは人気のない場所でやったほうが望ましい」

八幡「だろうな」

材木座「たった一人で・・・人気のない場所にホイホイ付いて来てくれるような

・・・コミュ力が我にあると思うか?」

八幡「・・・・」

材木座「・・・・」

八幡「やめろ」

材木座「俺は童貞を辞めるぞハチマーン!貴様のち○○でだァ──ッ!」

八幡「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

  ・・・・・・

材木座「フハハ、軽い、軽いぞ!やはりボッチの体はよく馴染む。今この時より俺がハチマンだ!」

以前と同じく戸塚氏に知らせを送り、テニス部の練習が終わるの待つ予定だったが、いかんせん元の肉体を

掃除用具入れに隠すのに手間取り先に奉仕部へと行ってしまったらしい。重すぎるぞ我の体
八幡の体はわりと軽快に動き、我よりも視力が良いためわずわらしさが無い
自称平均以上のスペックは伊達ではないようだ

由比ヶ浜「あれ?ヒッキー」

材木座「・・・・」

由比ヶ浜「今日は部活でるの?」

今どきの女子校生というか遊んでそうというか正直我の苦手とするタイプの女子だ。八幡のクラスにいたなこやつ

材木座「いや、わ・・・俺は今日はでない」

口調で足が出てしまうならばいたし方無い。八幡の口調を模倣して会話を続ける

由比ヶ浜「最近ヒッキー部活にきてないよね。ゆきのんに聞いても何も答えてくれないし、もしかして何かあったの?」

材木座「・・・」

正直困った。このまま奉仕部へと向かっても部員全員と鉢合わせることになる。その中で戸塚氏のみを釣れ出すのは
困難に近く、木下とかいう女子と出くわした場合に感付かれる可能性もある
ならば蛇の道は蛇に聞けというし、経験豊富そうなこの女子から手合わせ願ったほうがいいかもしれん
戸塚氏は後でも問題は無いはずだ

材木座「そのことでちょっと話がある。ついてきてくれないか?」

由比ヶ浜「あ、うん。いいよ!」

人気のない多目的室に呼び出し、まずはカギを閉める

由比ヶ浜「それで話って?」

材木座「これから」

由比ヶ浜「なに?」

材木座「お前を犯す」

棒羽ロボット主人公っぽく言い放つ。普通ならドン引きではあるが他人の体なのでなんとでも言える

由比ヶ浜「・・・えっと、どういうこと?」

材木座「そういうことだ」

さすがにエロ同人みたいに乱暴しますとまで口に出すと罪悪感を感じるのでニュアンスで察してほしい
困惑し、身動きが取れなくなっている隙を逃さずに後ろに敷いてあるマットに押し倒す
教室からも遠いため泣こうが喚こうが助けはこない・・・はずなのだがあまり抵抗する様子がない
むしろレイプ目どころか熱っぽい視線すら感じる

由比ヶ浜「・・・いいよ」

材木座「むむ?」

由比ヶ浜「ヒッキーなら」

あっさりファイナルフュージョン承認?ちゃんす!材木座ちゃんす!
興奮してきたのか思考のあちこちにおかしなものが挟まる

正直八幡の体を使っている以上、チャンスがあるのは八幡じゃないかと思える。だが待って欲しい
八幡の体を使って、八幡でもたどり着けぬ境地にいるということは我の内面より溢れる魅力の賜物
ではないだろうか?普段意識的にセーブしている他人への積極性が他人の体で開放された結果ではないだろうか?
またひとつ自身の隠された魅力を発見してしまった。とはいえこの後どうすればいいのかわからない
とりあえず下を脱がす。上は秋とはいえ今日は寒いのでやめておいた

材木座「ほう、遊んでるわりには綺麗な色をしているな」

秘部を露わにしたところで薄い本みたいな台詞を放つが、正直色とか詳しくはわからぬ

由比ヶ浜「いったじゃん、わたしそういうの・・・したことないって」

まさかの乙女であったか。それを聞いてさらにいきり勃ったモノを取り出すべくチャックを下げる
因みにわれのよりデカイぞ?

材木座「ゆ?ゆい、ゆい?」

呼ぼうにも名前が思い出せない。ゆい原?ゆいノ下?

由比ヶ浜「わ、わたしも八幡って呼んでいい?」

材木座「よ、よしてるって呼んで」

由比ヶ浜「なんで厨二?」

材木座「ごふぉっ!」

由比ヶ浜「!?」

今、露骨に嫌な顔をされて正直傷ついた。と同時にさっきまでチャックを下げていた右手が
何故かチャックを上げ始め、そのまま左手をつかみだした

材木座「まさか、さっきの衝撃で肉体の主導権を取り戻しにきたか!沈まれ我が右腕ェ!」

由比ヶ浜「え?」

八幡「由比ヶ浜!今のうちに逃げろ!」

由比ヶ浜「えっと、逃げろって・・・襲ってきたのヒッキーだよね?」

八幡「まあそうなんだけど、とりあえずお前の貞操の危機なんだよ」

由比ヶ浜「わたしは、いいよ」

八幡「違げぇよ!お前が犯されるのは材木座だ!」

由比ヶ浜「言ってる意味はわからないけどそれは嫌」

材木座「ごっふぉおおおおおおおおおおおお!」

由比ヶ浜「・・・・」

八幡「・・・・材木座は消えたのか?」

八幡「(とにかくまずい。未遂とはいえ完全に犯罪者だ。抱きつかれてて逃走も図れない)」

八幡「由比ヶ浜、とりあえず話そう、話せばわかる」

由比ヶ浜「ヤダ、離さない」

八幡「?」

由比ヶ浜「わたし言ったよね?ヒッキーならいいよって」

八幡「なんでそんなに積極的なんだよ」

由比ヶ浜「誘ってきたのはヒッキーじゃん!」

八幡「お、おう」

由比ヶ浜「だからここまでしておいて・・・させておいて

・・・やっぱり無しっていうのは・・・わたし許さない・・・よ?」

八幡「・・・・」

度重なる心理的ダメージにより乗っ取りを解除せざるを得なかったが結果的にこれでよかったのかも知れぬ
奴も童貞我も童貞。我らの関係において恥じることなど何一つ無い。

材木座「しかし八幡遅いぞ」

八幡「おう、材木座」

材木座「うむ、戻ったか八幡よ。思えば我らは対等な関係。童貞如何で格を競うというのがそもそもの間違いよ」

八幡「そうか」

材木座「童貞は恥じるにあらず。我は誇りをもってこの称号を守ってきた。」

八幡「そうか」

材木座「八幡、お主とて生まれてこの方称号を守り続けた猛者であろう?」

八幡「そうだったな」

材木座「だいたい自身の童貞も守れぬ者に何が守れるというのか?なあ八幡よ」

八幡「家庭とか恋人とかじゃねえの?」

材木座「・・・・どうしたのだ?心ここにあらずといった目をしておるぞ?」

八幡「俺もう帰るわ」

材木座「え?ちょっとどうしたの?八幡?はちまーん!」

後日、親友が童貞を卒業したという事実を知った
最初の頃はいつもと変わらぬ日々が続いたが、次第に親友の周りには少しづつ人が集まるようになり
体育のペアを組むことも必然的に無くなった。もちろん、話しかければいつものように
返してはくれるが我の好まぬ輩とも仲良くなり始め、自然と疎遠になっていった
そしてあれから二ヶ月がたったある日


材木座「おっ、はち――」

街で見かけた親友に声をかけようとした矢先、隣に女がいるのが見えた。自然と手と声が止まる

材木座「そうか、今日はクリスマスだったな」

あのときは確かにあったのだ。我と親友が唯一共有していて、そして今は失ってしまったものが・・・
果たして、我が本当に守りたいと、そう思ったものはいったい、なんだったのだろうか

             終

お付き合いありがとうございました

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