P「余命半年と宣告されてもう二年経つのか……」(85)

P「しぶといもんだな、俺も」

春香「そんなことないですよ、プロデューサーさんが元気でうれしいです」

P「ははは、あれからずっと入院してるけどな」

春香「よくなるといいですね……」

P「そうだな……」

P「なんか悪いな、迷惑かけて」

春香「そんな事ないですよ……」

P「あのまま、半年で死んでればどんなに楽だったか……」

春香「プロデューサーさん!止めてください、そんなこと……!」

P「ご、ごめん……」

ほう

P「しかし、……一向によくならないんだよな」

春香「そうですね……」

P「あぁ……、たまにさ。凄い苦しいんだわ、発作とかそういうので」

春香「……」

P「ホント、……二年間、ずっと」

P「一年半、余計に苦しんで、皆に迷惑かけてる感じ?」

P「もう……、申し訳ないって思うんだよ。入院費もタダじゃないんだぜ」

春香「プロデューサーさん……」

P「病院のメシはまずいし」

ほう

P「あー、……春香」

春香「はい……」

P「窓開けて欲しいんだけど」

春香「あ、ちょっと待ってくださいね」

ガララッ

春香「いい天気ですね」

P「だな……」

P「どうせ死ぬなら、晴れの日がいいな」

春香「また、そういうこと言って……」

P「いや、死ぬ日はなんだっていいや」

P「せめて、葬式とかお通夜は晴れがいいなぁ……」

P「着てくれる人に迷惑かけたくないし」

P「あ、葬式は身内だけですませようかな」

春香「死ぬ前からそういうこと考えないでくださいよ……」

P「ごめん……」

P「でも、死ぬなら早く死にたいなぁ……」

春香「……」

P「苦しいの続くだけだし、春香たちに病院に来てもらうのも悪いし」

春香「そんなことないですよ……、好きで来てるんですから!」

P「そっか、ありがとう……」

P「でも、俺のこと気にしないで、自分のことに集中してくれよ」

春香「…………はい」

P「よしよし、いい子だ」

春香「じゃあ、私そろそろ……」

P「おう、またな」

春香「……はい」

春香「あ、あの……!」

P「ん?」

春香「明日も、明後日も来ますから……」

春香「その時も、きっと「またな」って言ってくださいね」

P「……ははっ、わかった、わかった」

ほう
期待しえ

支援

P「…………ゲホゲホッ」

P「あー、……あと何日生きて、皆に迷惑かけるんだろうな」

P「先生の言うとおり、半年で死ねてたらな……」

P「社長も、俺をクビにしてくれていいのにいまだに事務所に置いてくれてるしな」

P「ありがたいけど、申し訳ないな」

P「…………」

P「あー、死のっかな」

涼ちんちんぺろぺろ

千早「……プロデューサー」

P「ん、千早か」

P「どうした?」

千早「どうしたって……、お見舞いです」

P「……そっか、ありがとう」

千早「迷惑、でしたか?」

P「そんな事ないよ……」

千早「じゃあ、何でそんな悲しそうな顔……」

P「……」

P「大丈夫、何でもないからさ……」

千早「お体の方はどうですか?」

P「あー、ダメダメだな……」

P「一向に良くなる気がしないんだよな」

P「……悪くもならないから、蛇の生殺し状態だけどなぁ」

千早「プロデューサー……」

P「そんな顔するなって……」

千早「ですが……」

P「そうそう、この前のテレビ見たぞ」

P「凄く良かったと思う」

千早「あ……、ありがとうございます」

P「もう、俺が居なくても大丈夫かな」

千早「そ、そんな事は……」

P「……まあ、皆かんばってくれてるようでよかった」

千早「プロデューサーに、かっこ悪い所を見せるわけにはいかないですし……」

P「あはは、気にするなって。俺なんかこんなだしな」

千早「……そんなこと、ないですよ」

千早「はやく、よくなってくださいね?」

P「あー、そうだな。……そうなるといいよな」

千早「はい、……きっとですよ?」

P「ああ、きっとな」

千早「……あの、私はこれで」

P「ああ、またな」

千早「はい。…………また」

P「……ふう」

冬馬「……どうしたんだよ、そんな顔して」

P「お、お前が来るなんて珍しいな」

冬馬「たまには顔だしとけ、って北斗に言われたんだよ」

P「へー」

P「悪いな、花なんか持ってきてもらって」

P「丁度、萎れかけててさ」

冬馬「気にすんなって」

P「何の花?」

冬馬「ピンクパンサーだとよ」

P「へー、薔薇か」

泣いた

胸が痛い

冬馬「こういうの、どうすればいいかわからねぇし」

冬馬「北斗に聞いたんだけどな」

P「ピンクパンサー自体の花言葉は知らないけど」

P「ピンクの薔薇は、病気の回復とか、そういう意味なんだってよ」

冬馬「へぇ、そうなのか」

P「それに、ピンクパンサーは病気に強いんだぜ」

冬馬「なるほどな……」

P「北斗に、ありがとうって言っといてくれよ」

冬馬「おっと、忘れてた。フルーツも持ってきたんだ」

P「あー、そっちはあれか。翔太が見繕ってくれたのか?」

冬馬「まあな」

P「……ありがとな」

冬馬「……ははっ、気にするなって言ってるだろ」

P「……なあ」

P「リンゴ剥いてくれよ」

冬馬「な、なんで俺が……」

P「ほら、お前料理好きだろ?」

冬馬「好きだけどよ……」

P「……ほら、ウサギにしてくれとか言わないから」

冬馬「わ、わかった……」

こういうのって何の病気ってちゃんと設定してるのか気になる

冬馬「……で、どうなんだよ」

P「あー、ダメダメだな」

冬馬「気の持ちようなんじゃないのか?」

P「はは、病は気からってか」

冬馬「まあ、そうやって後ろ向きになるのって良くないと思うぜ?」

P「でもなぁ、皆毎日見舞いにくるしさ……」

P「もう、申し訳なくて、申し訳なくて」

冬馬「いいじゃねぇか、それだけ大切に思われてるんだろ?」

P「そうかな」

冬馬「そうだよ」

伊織「……あら?」

P「やあ、伊織か」

伊織「冬馬が来るなんて、珍しいわね」

冬馬「お前らは毎日来てるみたいだけどな」

伊織「……」

P「あ、伊織。冬馬がリンゴ剥いてくれたんだ、食うか?」

伊織「う、うん……」

P「うまいな」

冬馬「ああ」

伊織「そうね……」

P「……2人とも、今日はオフか」

冬馬「じゃなきゃ来ねーよ」

伊織「……私も、今日はオフ」

P「じゃあ、春香も千早もオフか……」

伊織「心配しなくても、皆ちゃんとやってるわ」

P「ああ、知ってる……」

冬馬「水瀬もこの前テレビ出てたよな」

P「あー、見た見た」

P「うん、よかったと思う」

伊織「……あ、当たり前じゃない」

前向きにいこ

P「あ、そうそう」

冬馬「ん、なんだよ」

P「冬馬は、どうしてるんだ?」

冬馬「ああ、俺は961プロ止めてから、地道にやってる」

P「自分で言うか、地道って」

冬馬「う、うるせぇっ!」

伊織「でも、それなりに仕事もあるみたいね」

冬馬「まあ、な」

P「よかったじゃないか、冬馬」

冬馬「ああ、ありがとよ」

冬馬「……ちょっと、ジュース買って来ッけど何がいい?」

伊織「私はオレンジね。果汁100%の」

P「俺は……、お茶でいいわ」

冬馬「じゃ、いってくる」

(ぼくファミチキで)

伊織「ねえ、もっと大きい病院にうつったら?」

P「いいよ、皆に迷惑かかったりするだろ?」

伊織「そんなこと、気にする必要ないのよ……?」

P「いや、でも……」

伊織「私達は、あんたにずっと迷惑も心配もかけてきたんだから」

P「はは、質も量もこっちのが上だ」

伊織「……バカ」

P「ごめんなさい……」

これは割と死にたくなるな

P「なあ、俺が死にたいっていったら怒る?」

伊織「怒るにきまってるじゃない」

P「……だよなぁ」

伊織「大丈夫、きっとよくなるから」

P「二年間、それきいたよ」

P「もう、聞き飽きたなぁ」

P「ずっと、ココにいるから、病院にも申し訳ないなあ」

伊織「そんな、卑屈にならなくてもいいでしょ……っ!」

P「卑屈にもなるって……」

紫煙

P「……秋から冬にかけてさ、葉っぱが落ちるだろ?」

P「窓からそれを眺めて、最後の葉っぱが落ちたら死ぬっていうのをやったけど」

P「死なないんだよな」

P「……葉が落ちても、俺は生きてるっていうね」

伊織「葉が落ちてもまた、花が咲くじゃない」

P「……そうだな」

実はPは1年半前にもう体の調子が良くなっていて
それでも皆の気を引こうと病弱のフリしている










とか妄想し出すアホが出てくるだろうから
そうはさせない

いおりんは天使

病名:中二病

>>37
これは治りませんね

犯人は双海

P「なあ、伊織」

伊織「なに?」

P「……俺さ、本当のこといったら、死にたくない」

伊織「…………」

P「生きていたい、伊織たちのプロデューサーやってたい」

P「だから、皆がこうやって来てくれるのは凄く嬉しい」

P「だから、すごく辛い」

伊織「ねえ」

P「何だ?」

伊織「……私達は、全然負担に感じてない、って言っても無駄よね」

P「……こればっかりは、俺がそう感じちまってるからなぁ」

伊織「本当にあんたは……、バカね」

P「こればっかりは、死ななきゃ治らないさ」

伊織「治らなくていいわよ」

伊織「バカは……、治らなくていい」

P「……まあ、今のところは大丈夫っぽいから」

P「だから、その。泣くなよ」

伊織「な、泣いてなんか……!」

P「はははっ、悪い悪い。スーパーアイドル水瀬伊織ちゃんが、そう易々と涙を見せるわけないな」

伊織「何よ、もう……」

冬馬(……これは、まだ入らねぇ方がいいな)

あまとうさんかっこいい!

P「……なあ」

伊織「ん」

P「もし、もしだぞ?」

P「俺の体治ったら……」

P「そん時はさ、皆でパァーッと、飯食いにこうか」

P「冬馬たちも、誘って」

伊織「そうね、……そうしましょ」

伊織「色々、考えておくから」

伊織「無駄にしたら、承知しないんだから」

P「ああ……わかってる」

冬馬さんマジ紳士

ぶっさんかと

羅刹さんマジイケメン

ピピンさんマジアリス

伊織「ねえ」

P「どうした?」

伊織「本当に、本当に……」

伊織「事務所の皆で、あんたの帰りまってるんだから」

伊織「絶対に、戻ってきなさいよね」

P「ああ、快気祝い引っさげて事務所に行くよ」

伊織「ううん。あんたが元気になってくれればそれでいいから」

P「……嬉しいこといってくれるな」

P「ココまで言わせたんだし、俺も元気にならないとな」

P「EDと宣告されてもう2年経つのか…」

木更津キャッツアイスレじゃないのか…(落胆)

伊織「約束してくれる?」

P「ああ、約束する」

伊織「……じゃあ、はい」

スッ

P「な、なんだよ」

伊織「指切りよ、指切り」

P「また、えらく……」

伊織「いいでしょ、……分かりやすい形でやっとかないと、不安なのよ」

P「……わかったよ」

スッ

P・伊織「指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲~~ますっ」

P・伊織「指きった……!」

P「……」

冬馬「……どうやら、意地でも約束守らなくちゃいけなくなったみてぇだな」

P「ん、冬馬」

伊織「あんた、今の見てたの……?」

冬馬「たまたまだよ、……それより」

冬馬「今の指切り、やったのは水瀬だけど」

冬馬「天海とか、如月とか。俺含めたみんなとの約束だからな」

冬馬「その辺、肝に銘じて置けよな」

P「……わかったよ」

あまとういいやつだな

あまとうにならP取られてもいい

ぶっさん.‥

P「……そうだな」

P「約束守れない男にはなりたくないし」

冬馬「だろ?」

P「……うん、生きるように頑張ってみるよ」

冬馬「……じゃ、俺はそろそろ帰るな」

伊織「うん、ありがとう……冬馬」

冬馬「気にすんな、またな」

P「おう、またな」

冬馬コミュ見てれば分かるけど
冬馬って普通に良い子なんだよな
最後の奴なんてリッチャンの悪口いったの許しそうになったわ

まあ悪いのは石原であって、木星とか竜宮はなにも悪くないからな

P「……」

伊織「……」

P「なあ、伊織」

伊織「なに?」

P「……外、見てみ」

伊織「いい天気ね」

P「木、見えるだろ?ちょっと葉が落ちてる」

伊織「そうね……」

P「とりあえず、あの木より早く咲くのが当面の目標だな」

伊織「……」

P「もし、達成できたら……ご褒美くれないか?」

伊織「なにが欲しいのよ?」

P「そうだなぁ……」

P「じゃぁ、……さ」

P「もし、……達成できたなら」

P「俺と────」

伊織「────うんっ」

P「いおりんのスカートの中身…見たかったな」

俺と……マリカで勝負してくれ

伊織√すか

ほう

数ヵ月後

冬馬「へぇ、日取りきまったのか」

春香『うん、6月の大安吉日だって』

冬馬「なるほどな……」

春香『2人が、是非冬馬君たちもって』

冬馬「ああ、喜んでいかせてもらうぜ」

春香『本当によかったね』

冬馬「そうだな、まさか本当に治しちまうとはな……」

春香『でもね、ちょっと妬いちゃうかな……』

冬馬「あの2人につけいる隙なんてねえよ」

春香『そうだよね……』

春香『ねえ、何かいいお祝いないかな?』

冬馬「お菓子でも作ってやりゃいいんじゃねぇか?」

春香『お菓子かぁ……、うん。それがいいかも。ありがとう、冬馬君』

はい

冬馬「……そうだ、本人たちにも言っておかねえと」

プルルルル

P『お、冬馬か。どうした?』

冬馬「天海から聞いたんだよ、式の日取りきまったって」

P『もちろん、来てくれるだろ?』

冬馬「ああ、北斗たちと一緒に行かせて貰う」

冬馬「それと、おめでとう。水瀬にも伝えておいてくれ」

P『本人いるぞ、代わろうか』

冬馬「ああ、頼む」

伊織『……わざわざ電話してくるなんて、律儀ね?』

冬馬「ま、いいじゃねぇか。おめでとう、水瀬」

伊織『あ、ありがとう』

冬馬「幸せにしてもらえよな」

伊織『当たり前じゃない……』

はいじゃないが

このとううさんは童貞じゃない

冬馬「あ、……もう一回。アイツにかわってくれねぇか?」

伊織『わかったわ』

P『冬馬?どうかしたか?』

冬馬「いや、あんたが退院してから、言ってなかったことあったからな」

P『おめでとうは、いってもらったけど?』

冬馬「違えよ」

P『じゃあ、なんだ?』

冬馬「そ、その……」

冬馬「ありがとうな。約束まもってくれて」

P『………プフッ』

冬馬「てめぇっ!?」

P『あははっ、いや、悪い悪い……!』

冬馬「くそっ、もう切るぞ。お幸せにな」

P『おうよ、またな』

ピッ

真の正妻は羅刹さん

よかったなあ…

伊織「冬馬、何て言ってたの?」

P「いや、なんか……」

P「約束守ってくれてありがとうって」

伊織「何それ……、何か似合わない……」

P「まあ、らしいといえば、らしいのかもな」

伊織「ねえ」

P「ん?」

伊織「私からも、ありがとう」

P「…………どういたしまして」

じゃあいいえ

冬馬「…………」

冬馬「ホント、よかったな、お二人さん」

冬馬「さて、と」

冬馬「北斗達でも誘って、クリームソーダでも飲みにいくか」





乙乙


裏があるんじゃないかと勘ぐってしまうのは汚れちまったからか

  /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi. _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     |    |  /    |   丿 _/  /     丿
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

読んでくれてありがとう
乙でした。

オチを飾るあまとうさん
乙乙

乙カレー
治ったと周りに言ってたけど治しようがないから退院してDead Endだと思ってた俺は心が汚れていたのか

>>83
俺もそれを期待していた

>>83の結果みんなが泣いてる姿を見て死ぬほど胸を痛めたいという願望

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