主人公「俺の日常は始まらない」 (37)

――朝・主人公の部屋――

主人公「ZZz…………ZZz」

???「起きるのデース!!目覚めるのデース!!」

と、ベッドの隣に居た少女は、思い切り少年の腹にダイブした。

主人公「うぉおお!!目覚まし時計さん!?思い切りルパンダイブするのは止めて欲しいんですけれども!!」

目覚まし時計「嫌ならさっさと起きるのデース!!」

主人公「分かったから!!分かったからジタバタするなよぉ!!」




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―台所・リビング―

主人公「いててて…………何なんだよあの目覚まし………」

?「おぉ、起きたかコウ。やっぱりあの目覚まし時計は便利だな」

台所で朝食を作る、体格のいい青年は、主人公ににっこりと笑いながら話しかけた

主人公「冗談きついぜ兄さん。アンタが"異能"使わなければもっと痛い思いしないで起きれたっての」

兄「便利だろ?『魔法でできた南瓜の馬車(マジシャンズチルドレン)』は」

主人公「道具を擬人化するだけの能力、しかも少女のみとか、悪趣味かつ趣味悪い能力だよ」

兄「これでも便利な能力だよ。話し相手にもなってくれるしお使いにも行ってくれる」

主人公「ふーん」

??「それより飯!!飯を持って来い!!」

食卓の要である机をバンバンと叩く少女は、空腹の音で訴えていた

主人公「それがご飯を分けてくれる家主に言う言葉か!!」

兄「まあまあ、シヨちゃん。もう少しでできるから、我慢しといてな」

少女はお嬢様(自称)と言い放ち、この家に居座る居候だ。

最近兄が拾ってきたらしい。犯罪にならなければいいけど。

お嬢様「あーい♪………ふふん、何だろーなー?コレが、兄と弟の違いって奴?」

主人公「マジでコイツ捨ててきていい?主に足に重しつけて東京湾辺りに」

兄「いや、本当に駄目だって」

お嬢様「ほらほらー早く支度しないと学校に遅れるかもだよ?」

主人公「あ?」

お嬢様「あ?じゃねーよ、早く学校行けよ」

目覚まし時計「遅刻デース!!登校時間が五分遅れていマース!!」

部屋から出てきた目覚まし時計(擬人)は、俺の向かってぎゃーぎゃー騒いでいる。

主人公「いや今日は休日だろーが寝ぼけてんじゃねーよ」

兄「いや、今日補習だろ?お前異能習得してないし」

主人公「…………え?」

目覚まし時計「六分!!六分遅刻デース!!」

―――――――学校―――――――――

主人公「はあ…はぁあ………はぁ、着いた……………」

中性男子「あ、でも遅刻だよ?」

主人公に近寄ってきたのは中性な顔立ちをした男だった。

主人公「つか……ナカセ……お前も補習かよ」

中性男子「うん、僕は入院してたからね、異能の発現はできなかったんだ」

主人公「そうか…………あー、疲れた」

先生「よーしコウお前遅刻なー、ついでに俺も遅刻ー」

扉から出てきた先生は、出席簿で主人公の頭を叩いた。

先生「んじゃあ授業を始めるぞー、コウ、ナカセいるなー?」

主人公「へーい」

中性男子「はーい」

先生「えー、今日は頭が悪いお前らでも分かるように、異能の仕組みを教えるぞ」

先生「異能とは、"異世界"の"果実"を食す事で発現する」

先生「ある一人の少年が、突如異世界に飛んでしまい、そこで果実を食し、異能を発現した」

先生「そして気がついたらこの世界に戻っていたんだ、異世界の果実を持って」

先生「その果実の種で量産し、異能を持つものを増やした、が、政府は危険なものだと判断しそれを処分するように命じた」

先生「しかし、果実を処分しても他の者たちが食った果実の種でまた果実を増えてしまい、政府が処分を命じる」

先生「これが延々と続いてしまったので、政府はついに果実の存在を認めたんだ」

先生「その事件が50年前、そして今現在公式として認定されたのが異能」

先生「これが異能の仕組みだ、分かったな?」


中性男子「よーするに異世界からとってきた果実を食うと異能を発現するんですね」

先生「そー言うことだ」

主人公「んじゃあ何で俺らは果実を食ったのに異能が発現しないんすか?」

先生「異能の発現は肉体と精神力に影響されてると言われてんだ」

先生「精神と異能。異能と肉体。これらは一心同体みたいなものだ」

先生「ナカセは肉体的に問題があり、発現が遅れていると思う」

先生「ナカセ、そーいやなんでお前入院したんだっけ?」


中性男子「あー………何て言うんでしょうか、胃癌になったんですよ」

中性男子「本来ならば末期で死んでいるところだったんですけど、医者の異能のお陰で生きてる感じですね」

主人公「じゃあ、何で俺は異能を発現しないんすか?」

主人公(まあ、実際は異能がないだけなんだけど)

先生「知らん。お前が馬鹿だからじゃないの?」

主人公「へー…………」

主人公(最近までは異能持ってたんだけどなー)

――――――――――

???「今から契約でもあり呪いです」

???「彼女を助ける代わりに、貴方の異能をいただきます」

???「彼女を助ける条件でもなく、貴方を憎む脅迫でもありません」

???「これは対価。同じ状況で行える、不条理で不気味で不利益な対価」

???「結果的には、貴方は損をする事に」

???「それでも、彼女を救いますか?」

――――――――――


訂正

×「今から契約でもあり呪いでもあります」

○「今から行うことは契約でもあり呪いでもあります」

主人公(一生異能を使えないのは辛いけど、もう一度果実を食えば何とかなるのかな………)

主人公「先生、もし異能を奪う異能があるとして、異能を奪われた者は果実を食うと新しく異能は発現するんすか?」

先生「さっきも言ったとおり、精神と異能、異能と精神。これは一心同体」

先生「異能が奪われたら、もう他の異能は発現することは無い」

先生「例えるなら、腕が切断され、引っ付けるとしても自分の腕以外だと引っ付かない」

主人公「例えが怖えーよ」

先生「悪かったな………んじゃあ、一応、次進むぞ………」

―――――――
――――
――

―――放課後――

主人公「あー、疲れた、面倒くせーよな、補習も」

中性男子「まあ、面倒だけどさ、僕は早く発現したいんだよ」

主人公「ふーん………なんで?」

中性男子「何でって………護身用の為?」

主人公「あー、良くお前、ナンパとかされるもんな、女子に」

中性男子「うん、しかも強面の人ばかりだからさ………あ、僕こっちだ」

主人公「そうか、じゃあな」

中性男子「うん、じゃあね」

友と別れを告げ、自分の帰宅路を歩く。

異能が存在する世界。だけど俺は使えない。

それが俺の日常。最近できた、安定した日常だった。

主人公(………ん、羽?空から?)

???「………」

だけど

主人公(………え?え?空から女の子?飛行系の能力?)

???「………コウ様……ですね?初めまして」

俺の日常は

主人公(ん?ん?)

???「一ヶ月前、助けていただいた」





















天使「天使です」



始まらない

ここで投下終了なのですが、最初にこれ出すの忘れてました


何でもあり系ss

最初はあけましておめでとうで終わらすはずだったのに何か長くなった。


改めて明けましておめでとうございます
今年からよろしくお願いします

お…おう

能力系か、期待

期待…?

がんばってくれ
こういうの大好きだから

がんばってくれ
こういうの大好きだから

色々混じってるな
期待大

投下します

お嬢様「なー兄様、ここの新居様の名前ってなに?」

兄「主人兄だけど」

お嬢様「なんて読むん?」

兄「主人 兄(おもうど けい)だけど」

お嬢様「無理すぎじゃありません?」

兄「設定上の都合だから」

――――路地裏――――

主人公「て、天使………」

天使「はい!!先月助けていただいた天使のアマネです!!」

主人公「知らん。帰れ」

天使「え!?」

主人公「天使って言うけどよ、どうせ異能だろ?その翼も異能で作られたんだろ?」

天使「ち、違いますよ!!だったら見てくださいよこの天倫!!そして」

ボンッ、と煙が立ち、出てきたのは弓と矢。

天使「この弓矢であの空き缶の射抜きます!!ハッ!!」

弓を引き、矢を飛ばす。が、地面に転がってる空き缶を通り越す。

主人公「外れじゃんか」

天使「いーえ!!当たりますよぉ!!」

矢は向きを変え、転がってる空き缶に命中した。

天使「どーですか!!」

主人公「ほー、すごいな、絶対命中か」

天使「そうでしょそうでしょ!!これが天使の力です!!」

天使「異能は一つしか使えませんから!!複数使えば異能じゃない事!!これ証明になりますよね!!」

主人公「……で、総合名称は?」

天使「………はい?」


主人公「いや、だから総合名称だって」

主人公「いやまさか、あれは異能じゃありません複数使うから天使ですとでも言うつもりだったのか?」

主人公「"総合名称"ってのはな、能力の総合名だ。」

主人公「虹とかもそうだろ?赤橙黄緑青藍紫とそれぞれ別の名前がある」

主人公「お前の場合……自称天使からして『腹黒天使(エンゼルブラック)』ってところかな」

天使「私、腹黒じゃありません!!」

天使「思い出してくださいよ!!一ヶ月前、異能と引き換えに私を救ってくださったこと!!」

主人公「ん~~?」



主人公「……………確かに異能を引き換えに人を救ったけど、お前じゃないと思う」

主人公「だって、少なくともあの子は俺が救った後、人身事故で死んだはずだ」

主人公「結局俺は助けられなかったんだからな」

天使「私は生まれ変わって天使になったんです!!」

主人公「へ~」

天使「信じてくださいよ!!」

主人公「だからさぁ、信じろっていっても、異能がある限り、嘘だと思うんだよ」

主人公「それに俺は天使とか、オカルト系は信じないんだよ」

主人公「……まあ、何故生まれ変わったのかは聞いておきたいな」

天使「…………オカルト信じてます?」

主人公「信じてない、話をしてくれ」

天使「え、はい、えーっと、六道輪廻って知ってますか?」

主人公「あぁ、死んだら新しい世界へ輪廻する奴だろ、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六つ」

天使「はい!!それで私、天道に決められまして、姿形はそのままで、新しく人生を送るようになりました」

天使「………と言うのが世間の推測ですが、実は、六道輪廻と異能の果実はつながってるんですよ」

主人公「……どーいう意味?」

天使「異世界の果実で異能が発現する。じゃあその異世界は何なのか?」

天使「その答えは、六道輪廻だったんですよ」

天使「正確には死んだ者の魂が異世界に飛ばされ、その世界に留まり続ける」

天使「でも、私がいた"天道"は魂から肉体を作り出す技術……いえ、"異能"が作られ、私はその世界で転生した」

主人公「………信じにくいがただ気になることがあるんだが…………」

天使「?」

主人公「何でお前はこの世界に来ることができたんだ?」

天使「あー、人間界ではまだ異世界システムが出来てないんですね………」

天使「天界では、異世界に飛ぶことが出来るシステムがあるんです」

天使「まあ、そのシステムを使うことが出来るのはごく一部なんですけど………」

主人公「じゃあなんでお前使えるんだよ」

天使「いやー………」

主人王「?」

天使「勝手に使用しちゃいました☆」

主人公「かわいくねーんだよ」

天使「あ、すいません」

主人公「はあ………お前何だっけ?アマネ、お前俺に会いに来たんだっけ?」

天使「あ、はい」

主人公「じゃあもうお前の望みは叶ったろ?天界って所に帰れよ」

天使「いやー…………」

主人公「あん?どした?」

天使「実は私、追われ身でして…………」

主人公「………」

天使「異世界システムを無断で使用したらいけないんですよね…………」

天使「ついでにかかわった人たちも全員罰を与えられますし………」

天使「良くて此方の世界で言う"終身刑"悪くて"死け――――って何処行くんですか!?」

主人公は、早歩きで天使から遠ざかる。

主人公「俺は知らない見てない聞いてないあいつとは何も関係は無い」

天使「ちょ!?早口言葉でそんな事言っても駄目ですよ!!待ってください!!」

主人公「俺は知らない見てない聞いてない!!あいつとは何も関係ない!!」

天使「テンション上げただけで意味は同じじゃないですか!!って待ってください!!」

主人公「俺はあ!!知らないぃ!!見てないぃ!!聞いてないぃ!!あいつとは何も関係ないぃいいい!!」

天使「大丈夫です!!幸い天界では何十人の天使が異世界システムつかって逃げてますから!!」

天使「一人ぐらい逃げても捕まえるのに三日はかかりますって!!」

主人公「…………本当か?」

天使「はい!!」


天使「それで…………お願いがあるんですけど………」

主人公「……………何?」

天使「異世界システムは一日一回しか使えなくて…………」

主人公「体売って泊めて貰え」

天使「いやいやいや!!とめてもらおうとか考えてないです!!」

天使「ただ、いちにちだけ………雨風しのげる場所を教えてくれたら嬉しいかと………」

天使「……」

主人公「…………」

主人公「ったく………着いて来い」


―――――自宅――――――

天使「ここって………」

主人公「俺の家」

天使「えぇ!?」

主人公「何だよ、文句あんのか?」

天使「いえいえいえいえいえ!!私の話聞いてました!?」

主人公「お前とかかわった奴全員殺すんだろ?」

主人公「知ってるわ、それぐらい」

天使「それじゃあ………なんで……」

主人公「何でって…………お前、『主人一家(オモウドファミリー)』をなめんなよ」

主人公「家族は、どんな者より強いんだよ」


えーここで投下終了です




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