モバP「新年あけましておめでとう」 (31)

モバマスSS、メインは杏です。
お話があるわけではなく、
プロデューサーと杏の新年の過ごし方って、こんな感じかなって
妄想を文に起こしたものです。拙作ですが、お楽しみいただければと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388578482

杏「んあ……?」

モバP「お、ようやく起きたか」

杏「プロデューサー? ……あれ、ここは?」

モバP「女子寮。おまえの部屋」

杏「えーっと……不法侵入?」

モバP「ちげぇよ。覚えてないのか?」

杏「んー、仕事終えてからきらりに乗って帰ってきた……ところで記憶が途切れてる」

モバP「その後きらりにここまで運んでもらったんだよ」

杏「あれ、じゃあきらりは?」

モバP「実家に帰るって言って出てったよ」

杏「そっか。……まあ、今度会った時にお礼でも言っておくよ」

モバP「そうしろそうしろ。そしたら新年初ハグもらえるぞ」

杏「生命の危機を感じるんだけど、プロデューサー変わらない?」

モバP「譲渡不可能だ。残念ながらな」

杏「プロデューサーはどうして杏の部屋にいるのさ」

モバP「おまえな……今この寮にはおまえ一人なんだぞ」

杏「あれ、そうなの?」

モバP「みんなそれぞれ実家に戻ったりな」

杏「あー……杏は面倒だったから」

モバP「誰もいない寮に一人残しておけるわけないだろ」

杏「別に平気なんだけどな―。こうしてだらけるだけだし」

モバP「それでも、大晦日までしっかり仕事してくれたからな。労らないと俺の気が済まない」

杏「プロデューサーが仕事押し付けたようなものなのに?」

モバP「だからというのもあるだろうな」

杏「そんなの気にしなくてもいいのに」

モバP「普段から休ませろって言ってるおまえが言える言葉じゃないぞ」

杏「それを言うならプロデューサーもね」

モバP「……だな」

杏「似た者同士だよね、杏とプロデューサーって。勤勉さは正反対だけど」

モバP「わかってるなら少しは努力して欲しいもんだ」

杏「で、杏は起きたけど、いつまでここにいるのさ、プロデューサー」

モバP「なんだ、出てって欲しいのか?」

杏「そうとってもらってもいいけどさ、プロデューサーだって予定あったんじゃないの?」

モバP「なんでそう思う」

杏「そりゃ、年末いつもより機敏に仕事してたしね。何かあるって思うに決まってるじゃん」

モバP「まあ、ないことはないけど……」

杏「それなら杏にかまってる場合じゃないでしょ。さっさと済ませに行きなよ」

モバP「んー……そうするか」

杏「……ん、そうしなよ」

杏「杏はひとりでも平気だったけど、一応礼は言っておくよ」

モバP「気にするなって。俺が杏といたかっただけだ」

杏「……ねぇ、プロデューサーさぁ」

モバP「なんだよ」

杏「無自覚だよね?」

モバP「へ?」

杏「うん、今のでもうわかったからいいよ。気にしないで。忘れて」

モバP「変なやつだな。……まあ、それは今までと変わらないか」

杏「担当アイドルに対してそれはヒドイよ」

モバP「まあまあ。というわけで、さっさと出かけてくるか」

杏「ん、行ってらっしゃい、プロデューサー」

モバP「は? なに言ってんの、おまえ」

杏「へ?」

モバP「おまえも行くんだよ」

杏「……どこに?」

モバP「初詣」

杏「もうやだ帰りたい早くコタツに潜り込みたいごろ寝してゲームしたいチャンネル無意味に回していたい印税たんまりもらってアイドル引退宣言したい」

モバP「引退宣言(仮)ライブならしたろうが」

杏「ファンが誰も信じてくれなかったことに絶望した」

モバP「なんだかんだ言ってアイドルしてるおまえの姿をわかってくれてるんだよ」

杏「分かってもらえなくてもいいんだけどね……」

モバP「まあまあ、アイドル冥利に尽きるということで」

杏「尽きないよ、まったくもう。……で、杏はこの人混みを見て帰りたくなってるんだけど」

モバP「同じく。とはいえ、来てしまったんだからこのまま行くぞ」

杏「うぇーい」

モバP「ああ、あと杏」

杏「なにさー、行くなら早く行って済まそうよ。寒いし」

モバP「その服、かわいいよ。杏に似合ってる」

杏「な、なぁっ!?」

モバP「はっはっは、じゃあ行くか」

杏「ち、ちょっ……プロデューサー!?」

杏「プロデューサーに弄ばれた」

モバP「心外な。本心だというのに」

杏「どうせ振袖来たら七五三っぽいとか言うんでしょ」

モバP「そうか? お姫様っぽくて俺は好きだけどな」

杏「………」

モバP「ともあれ、杏ならどの衣装もうまく着こなしてくれるってわかってるしな」

杏「……ま、それが仕事だしね」

モバP「とは思えないくらい自由にやってるようにしか見えないけどな」

杏「プロデューサーって計算高いのか天然なのかわからなくなるよ」

モバP「いきなりなんだよ」

杏「褒めたり貶したり……まあ、意識してないんだろうけどね。意識しちゃうこっちは疲れるよ」

モバP「なんだ、疲れたのか?」

杏「いや、そういう意味じゃなくて――」

モバP「それなら俺が手を引いてやるよ。そろそろ混み具合も酷くなってきたし、逸れないようにするためにもな」

杏「……はぁ、いいよもう、疲れました、はい、疲れました。だからちゃんと掴んでてよ。杏、この人の流れには逆らえなさそうだし」

モバP「了解。しっかりと拝殿前までエスコートしますよ、お姫様」

杏「……お腹空いた」

モバP「そういや俺も年末から何も食べてないな」

杏「そういえば今何時なのさ」

モバP「午前十時。何か食べるには中途半端な時間だけど……」

杏「お腹空いてたら食べたくなるでしょ」

モバP「まあな。どれ、何が食べたい?」

杏「奢ってくれるの? さっすがプロデューサー」

モバP「言われなくてもそうするつもりだったが、言われてしまうと反攻心がこう、ふつふつとな」

杏「きゃープロデューサーってば太っ腹―。すてきーちょうすてきーほれるー」

モバP「印税全部スタドリに変えてやろうか」

杏「申し訳ございませんでした」

モバP「とりあえずベビーカステラ買ってきた」

杏「定番だよね」

モバP「昔はたこ焼きとかたい焼きだったよなぁ」

杏「そうなの?」

モバP「こういったものが流行りだしたのはそれでも杏たち世代だとは思うがな」

杏「ジェネレーションギャップでも感じちゃう?」

モバP「さすがにな」

杏「で、どうして杏に持たせるのさ」

モバP「俺はちょこっと摘ませてもらうだけで十分だしな」

杏「杏もそこまで量はいらないんだけど」

モバP「余ったら夜にでも食べればいい」

杏「アイドルの食生活も注視してるプロデューサーとしての発言とは思えないよ」

モバP「お、そろそろか。杏、小銭用意しとけよ」

杏「財布持ってきてない」

モバP「………」

杏「べ、別にいいだろー。急いで用意したんだし、忘れ物の一つや二つあっても仕方ないじゃん」

モバP「ほれ、五円玉」

杏「……ありがと」

モバP「お、順番が来たぞ」

杏「え、もう?」

モバP「早く入れないと後ろから押されるな。……っと」

杏「………(届かない。というか見えないんだけど)」

モバP「……よし、こっちは終わったけど」

杏「……手伝って、プロデューサー」

杏「ねえ、プロデューサー」

モバP「なんだ?」

杏「確かに手伝ってと杏は言ったけどさ、これはないんじゃない?」

モバP「そうか?」

杏「いや、だって肩車って……」

モバP「きらりにもやってもらったろ。同じだ同じ」

杏「はぁ……もういいや。参拝するから、少し待っててよ」

モバP「おう。終わったら教えてくれ」

モバP「ほい、甘酒」

杏「ありがと。……あー、やっと落ち着けた」

モバP「だな。拝殿前はさらに混み始めたな」

杏「うっわ。……早く来て正解だったのかな」

モバP「だな。まあ、今は一息つこう。まださっきのカステラも余ってることだし」

杏「だね。寒いけど甘酒であったまるし」

モバP「なー、杏」

杏「どしたの」

モバP「杏は何お願いしたんだ?」

杏「気になるの?」

モバP「ま、秘密なら秘密でいいけどな」

杏「人に喋ったら叶わなくなるってやつ?」

モバP「そうそう。そんなこともあるらしいな」

杏「別に杏は形式上やってるだけだから気にしないけどね」

モバP「神様全否定かよ」

杏「杏は現実主義者だよ」

モバP「印税がっぽがっぽ言ってる時点で現実味薄いわ」

杏「プロデューサーはどうなのさ。そっちが教えてくれたら教えてあげるよ」

モバP「……本当か?」

杏「こんなことで嘘ついてどうするのさ。それに聞かれてまずいものをお願いしたわけでもないからね」

モバP「んー、俺も教えてもいいんだが……」

杏「なに、杏には言えないの?」

モバP「そういうわけじゃなくて、ただ単に恥ずかしいんだよなぁ」

杏「聞いてきた本人がそれを言うの?」

モバP「ま、杏も薄々わかってるだろうし言わないよりはマシか」

杏「そーそー。どうせプロデューサーのことだからアイドルみんなのことトップアイドルにしてみせるって感じでしょ」

モバP「……当たり。あとは、まあ、杏ともっと同じ時間を過ごせますように、ってとこかな」

杏「……は?」

モバP「だって最近は事務所の調子が良くなってきたこともあって、当初からいたアイドルたちとあまり交流が持ててないからな」

杏「そういえば、プロデューサーとまともに会話したのって久々な気がする」

モバP「もう半年以上だぞ、半年。信じられるか?」

杏「昔からじゃ信じられないね」

モバP「毎日杏を迎えに行っていたあの頃が懐かしいよ」

杏「今じゃ暇な人が杏の部屋に押し入ってくるからね。いい迷惑だよ」

モバP「それはおまえが起きる努力をしないからだ」

モバP「ま、そんな思いもあったんで、今日はおまえと過ごせてよかったよ」

杏「……バカだなぁ、プロデューサーは」

モバP「おう、いきなり言われようのない罵倒が」

杏「別に杏は平気だよ。プロデューサーが頑張ってるの、知ってるもん」

モバP「そっか」

杏「逆に頑張り過ぎで体調崩さないか心配してるくらいだし」

モバP「……そうだったのか」

杏「……今のは忘れて」

モバP「……わかりましたよ、かわいいお姫様」

杏「か、からかうなーっ!」

杏「ま、プロデューサーも元旦からいきなり仕事やってなくて安心したよ」

モバP「まあな。相手先が休みだからな。営業はどうしてもな」

杏「じゃあ、今のうちにしっかりと休まないとね」

モバP「おう。杏を見習ってだらける」

杏「杏の教えは辛いぞ?」

モバP「頑張ります、師匠!」

杏「では、まずあまいものが食べたくなったので綿菓子を所望する」

モバP「ただのパシリじゃねぇか。まあいいや。ここで待ってろよ」

杏「いってらー……。杏の願いも、実は叶っちゃったしなぁ。プロデューサーとなんでもないような一日、過ごせればよかったんだよ。というか、叶ったことをお願いするのってどうなんだろ」



おしまい

というわけで、短いですが、これにておしまいです。
今回の杏のSRがかわいすぎて、当初他のアイドルで初詣・元旦SS書くはずが杏を書いてしまいました。
SR+よりもSRのほうがすっごいお気に入りで……おむかえしてしまいたくなります。(ガチャガチャ

あ、ちなみにこんなシチュエーションも入れてみたかったなぁという感じのものを追加で投稿しておきます。

おまけという名のこんなシチュもいいなぁ妄想パートVer1



モバP「なー杏。ちょっとやってみたいことがあるんだけど」

杏「何さ」

モバP「はい、あーん」

杏「っ!?」

モバP「あ、顔が赤くなった」

杏「い、いきなりなにするのさっ!」

モバP「いや、いつもと変わらないだろ? 飴がベビーカステラになっただけだし」

杏「それでも、なんかいつもと違うっていうかさ……プロデューサーは感じないの!?」

モバP「……なんだか、少し気恥ずかしいな」

杏「で、でしょ」

モバP「……で、食べないなら俺が食べるけどさ」

杏「……食べる」(パクッ

モバP「おまっ、ゆ、ゆびっ! ゆび加えてるから!」



飴玉を口の中に放り込むのはやっていそうですけど、
こうやって指ごとぱくりっていうのもいいと思います。(変態

おまけという名のこんなシチュもいいなぁ妄想パートVer2



モバP「なーんか、こうして手をつないでるとさ」

杏「うん」

モバP「恋人……いや、兄妹で初詣来感じみたいだな」

杏「………」(ゲシゲシッ

モバP「いたっ、いたいっ。なんで蹴るんだよ!」

杏「自分の心に聞いてみろ、バカプロデューサーッ!」



仕事関係以上恋人未満(笑
アイドルが心の中を打ち明けられるまでの葛藤もいいものですね。

おまけという名のこんなシチュもいいなぁ妄想パートVer3



モバP「こうして肩車してるとさ」

杏「なにさ。さっきみたいなこと言ったら怒るからね」

モバP「父親と娘って感じで、なーんかほんわかするよな」

杏「………」

モバP「(む、無言で足で首を絞めるな……)」



杏のおさなく張りのある太ももで挟まれたい!

おまけという名のこんなシチュもいいなぁ妄想パートVer4



モバP「なー、杏」

杏「なにさー。今杏はゲームで忙しいんだけど」

モバP「どうして杏は俺の膝の上に乗ってるわけ?」

杏「重いなら降りるけど?」

モバP「いや、このままでいいけど。ほら、せっかくのコタツなんだし、向かい側とか隣も空いてるじゃん」

杏「プロデューサーは杏専用の椅子なんだよ。ほら、プロデューサー、ちょっと角度落として」

モバP「ほいほい……。って、これ以上落としたら寝転んじまうぞ」

杏「べーつにいいよ~」

モバP「ゲームは?」

杏「んー、今はいいや。こうしてる」

モバP「りょーかい。寝るなよ?」

杏「プロデューサーがあたたかいから寝ても平気だよ。ぬくぬく」



リクライミング機能付きのプロデューサー。
添い寝機能も付いています。……羨ましい!

おまけという名のこんなシチュもいいなぁ妄想パートVer5



モバP「そういえば、おみくじ買ってきたんだ」

杏「へぇ。珍しいね」

モバP「まあ、暇つぶしになると思ってな。……見る?」

杏「見る」

モバP「どれどれ……」

杏「恋愛運:だらしないところを見られてしまう恐れあり。常に異性の前では意識を高く。さすれば待ち人来たれり」

モバP「ふぅん」

杏「………」(ビリビリ

モバP「なんで破くの?」

杏「なんとなくイラッとしたから」



実際には、だらけているところも見せられるほどの信頼関係も羨ましくなりますよね。

おまけという名のこんなシチュもいいなぁ妄想パートVer6



モバP「そういや、初夢って何か見たか?」

杏「………」

モバP「おーい?」

杏「初夢はいろんな説があるから、どれがどうとか言われても困るよ」

モバP「そ、そうなのか? じゃあ、大晦日、きらりにおぶられながら見た時の夢でいいや」

杏「……忘れた」

モバP「そっか、そりゃ残念」

杏「(プロデューサーときらりとコタツでのんびりしてただなんて言えるかっ)」



きらりいたらのんびりできるかな?(汗

というわけで、これで本当におしまいです。
HTML化依頼を出してまいります。

拙作ですが、最後まで読んでいただき、楽しんでいただけましたら幸甚です。

SRの服装はかわいすぎていてもたってもいられません。(ガチャガチャ

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