勇者「超強い仲間見つけてサクッと魔王倒す」 (560)

王様「では、頼んだぞ勇者よ」

勇者「任せてください。やるからには魔族一匹残らず始末しますので」

勇者「ただ・・・一人では心細いので仲間が欲しいのですが」

王様「よかろう。ではこのリストから選ぶが良い」ヒョイ

勇者「ふむ・・・」ペラペラ

勇者「では彼女を」

王様「ほう、良いのか? この娘はまだ16歳の初級魔法使い・・・とても貴方の力になれるとは思えん」

勇者「構いません。信じてください。この勇者を」




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(・∀・)イイネ!!

勇者「というわけで、君を選んだ」

魔法使い「よろしくお願いします」

魔法使い「ところで、何故私なんかを選んだんですか?」

勇者「長旅になりそうだからね。年が近い人の方が良いと思って(とても16歳には見えないほどに発達した胸。癒してくれるように輝く綺麗な金髪。飲み込まれそうな深い青の瞳。スラッとした体系。整った顔立ちに、豆腐のように白くて繊細なその肌・・・選ばないわけがない)」

魔法使い「選んで頂けて光栄です。勇者様」

魔法使い「頑張って魔王を倒しましょう!」

勇者「ああ、仲良く行こう」

ある意味強いな

勇者「ここは東の町だっけ? じゃあ取り合えず北に行こうか」

魔法使い「そうですね。そこに何かあるんですか?」

勇者「お宝があるような気がする」

魔法使い「へぇ、勇者の勘ってやつですね」

勇者「魔物もたくさん出てくるだろうから、援護は頼んだよ」

魔法使い「任せてください!」

どうせなら戦士を選んで後ろからいろいろ見たり
一緒に特訓しながらあははだろ!!!

スライム(私、可愛い女の子。まだ10歳なの。最近、胸だって大きくなったの。お兄ちゃん、倒さないで)

魔法使い「あっ、勇者様! 魔物ですよ」

勇者「いや、あれは見逃そう」

魔法使い「何故ですか!?」

勇者「人間は魔物をすぐに悪だと決め付けるが、あの子は優しい魔物なんだよ」キリッ

魔法使い「すみません、勇者様。私、魔物は全員敵だと思ってました」

勇者「いいさ。誰にだって間違いはある」

言ってることは正論だよな

期待

〈北の村〉

勇者「なんか魔物が出なかった」

魔法使い「途中の優しいスライムが仲間に出てこないようにって言ってくれたのかも知れないですね」

勇者「なるほど(しまった、南に行けば魔法使いの薄着姿が見れたのに)」

魔法使い「それにしても・・・寒いですね」

勇者「うん、結構着込んでるね」

魔法使い「寒いですからね。それよりもう暗くなってきましたね」

勇者「まあ北の村までずっと歩いてきたからね」

勇者「じゃあ、そろそろ宿屋に行こうか」

おっさん「一泊、一部屋20ゴールドだよ」

勇者「ええ!? 高くない!? まだはじめの方の町ですよ!?」

おっさん「魔物共のせいで、どこもこんなもんだよ」

勇者「そうなんですか・・・。魔法使い、悪いけどお金はあまり無駄にしたくないんだ」

勇者「王様はケチであまり金をくれなかった。だから・・・同室でもいいかな?」

魔法使い「・・・はい、私は大丈夫ですよ」

勇者「ありがとう(王様は一万ゴールドくれたけどね)」



―翌朝―

勇者「えっ」

魔法使い「おはようございます、勇者様」

勇者「あ、おはよう(夜中にこっそり魔法使いにあんなことやこんなことするつもりが・・・)」

魔法使い「疲れは取れました?」

勇者「あ、うん。早く寝たからバッチリ」

勇者(って違うよ! 疲れたからってはよ寝てんじゃねぇ俺!)


魔法使い「じゃあご飯食べて、買い物でもしましょう!」

勇者「おう(いや、今日の夜にワンチャンあるはず・・・)」

まぁ1万ならしょうがないよな

ぶっちゃけおかしいよな>旅資金が1万

魔法使い「薬草とか買います?」

勇者「そうしよう」

魔法使い「すみませーん、これくださーい」

勇者「む・・・!(可愛い娘発見」

魔法使い「え? 何か言いました?」

勇者「ああ、いや。俺ちょっと武器見てくるから、買い物任せても良い?」

魔法使い「はい! 任せてください」

勇者「どこ行くんだろ」コソコソ

勇者(ふんわりとした髪でショート、魔法使いと同じ金髪。背は低めで乳も少なめ。とても可愛い。目は緑っぽいな)

勇者(格好からして僧侶っぽいんだが・・・何故か獣耳がついてんだよな)

勇者(あれは本物の猫耳か?)

勇者「あ、協会に入った・・・っビンゴ!」

僧侶「ああっ神様」

勇者「熱心なお祈りですね」

僧侶「・・・旅の人ですか?」

勇者「どうも」

僧侶「なんなら神父様をお連れしますけど?」

勇者「いえいえ、俺もお祈りしようと来ただけなんで」

勇者「実は死ぬかもしれないような危険な旅をしてまして・・・」

僧侶「そのような旅を・・・」

僧侶「分かりました。私からもささやかながら祈らせてもらいます」

勇者「ありがとう」

神父「おや、僧侶。買出しは終わったのですか?」

僧侶「神父様・・・はい、終わりました」

神父「ほう。お前でもそれくらいはできるんだな」

僧侶「・・・」

神父「まぁ、落ちこぼれの僧侶でもそれくらいはできて当然か」

勇者「貴方が神父さんですか」

神父「おや、旅の人。よくいらっしゃいました」

勇者「僧侶さんが落ちこぼれっていうのは違うんじゃないですか?」

神父「なに?」

勇者「見てください、彼女の姿を。必死に祈りをささげて・・・素晴らしいじゃないですか(可愛い)」

神父「私が言う落ちこぼれっていうのは、そういう意味ではありません」

神父「この子は人間と魔物の子でね。ほら、見てみなさい猫耳がついている」

勇者「だからなんだというんです? ハーフの子なんてどこにでもいる」

神父「魔物とハーフの子なんて・・・けがらわしい」

勇者「そんな言い方はないでしょう」

勇者「いいですか。この世界は貴方が思っているよりもずっとずっと広い。世界で見れば彼女のような人は大勢いる」

勇者「魔物とのハーフがなんだって言うんだ! 俺から言わせればそんなものは普通なんだ!」

勇者「けがらわしい? ふざけやがって・・・(猫耳は正義だ!)二度とそんなこと言うんじゃねえ!」

かわいいは正義!!!!!!!
猫耳は正義!!!!!!!!!!

神父「・・・そこまで言うなら、その子を連れて行ってくださいよ」

勇者「なに?」

神父「ほら、嫌でしょう。そんな子は」

勇者「上等だ! 連れて行く!」

勇者「さあ、行きましょう」

僧侶「え、ええ」

神父「待ちなさい。タダであげるわけないでしょう」

勇者「あ?」

神父「5000・・・5000ゴールドで差し上げます。どう使おうが貴方の勝手だ」

勇者「アンタ、それでも神父か?」

神父「生憎欲深い人間でね」

勇者「・・・ほらよ」ヒョイ

神父「ん。確かに。じゃあ僧侶、あとは好きにしな」

僧侶「は、はい」

勇者「・・・アンタを見てるとまだ魔物の方がマシに見えるよ」

〈宿の前〉


魔法使い「あれ、勇者様。誰ですか?」

勇者「僧侶っていうんだ。旅の仲間にするから」

僧侶「よ、よろしくおね・・・勇者様!?」

勇者「ん。そういえば言い忘れてたな」

僧侶「あ、ありがとうございました! 私、ずっと憧れだったんです!」

勇者「おう」

僧侶「どうか、私をパーティに加えてください」

勇者「だからそうするつもりだって」

僧侶「ホンマですか!? やったー!」

勇者(可愛い)

勇者「もう暗いな。そろそろ休むか」

魔法使い「それなんですけど、勇者様。実は良いことがありまして・・・」

・・・・・・

おばちゃん「あんたが勇者かい。しっかりしてるねぇ」

勇者「マァ(買い物中に出会ったおばさんが今晩泊めてくれるんだってー)」

おばちゃん「取り合えず、ご飯食べな」

勇者「イタダキマス(俺と僧侶と魔法使いとおばちゃんとで寝るんだってー)」

勇者「オイシイデス(金が浮いたねー。やったねー。ラッキーだねー。)」

おばちゃん「たんとお食べ」

ヤッタネー

〈翌朝〉

勇者「お世話になりました」

おばちゃん「またなんかあったら来なよ」

僧侶「ありがとうございました」

魔法使い「またねー」

おばちゃん「あ、魔法使いちゃん」チョイチョイ

魔法使い「なんですかー」

おばちゃん「あの勇者様、ちょいと怪しいから気を付けな」ゴニョゴニョ

魔法使い「勇者様が? 分かりました」ゴニョゴニョ

おばちゃん「じゃあ気を付けるんだよー」

勇者「あの人、何て?」

魔法使い「何か、勇者様に惚れたそうです」

勇者「へえ(オエー)」

おばちゃん(たぶんだけど、あの勇者様はヘンタイだね)

30分ほど休憩してきます

おばちゃんやめろや
おつー

俺も風呂に入るか
今日ははかどりそうだな

どんどんスレタイからかけ離れていくなw

―数日後―

勇者「もうすぐ西の町に着く。ここまで魔物と戦い、夜は野宿であった」

魔法使い「はい」

勇者「なのに何故か金が底をついているんだ」

僧侶「すみません・・・私のために50っぷ」

勇者「いや、君のせいじゃない(5000ゴールドのことを言われるのはまずい)」

勇者「さて。どうしよう」

魔法使い「こんなのはどうでしょう!」ペラッ

勇者「ん、紙切れじゃないか」ドレドレ

勇者「殺伐☆絶対トーナメント? 優勝金・・・10万ゴールド! 準優勝でも5万か」

魔法使い「勇者様は剣の腕とか凄いですし、どうです?」

勇者「そうだなーやるか」

僧侶「かっこいいー」

勇者「はは(なんか魔法使いが避け気味なんだが・・・何かしたっけ)」

魔法使い「それでは、西の町に向かいましょう」


〈西の町〉

勇者「さーせん、トーナメント出たいんですけど」

受付「おーけーベイビー。1000ゴールドが必要だぜぇ」

勇者「まじか」

僧侶「勇者様、私のヘソクリ使ってください」ヒョイ

勇者「ありがとう・・・ってかヘソクリしてたの!?」

受付「あ、今朝八時だっけ。試合は後一時間で始まるから」

勇者「早くねっ!」

受付「今日がトーナメントの日だぞ」

司会「さあ今年もやって参りました! 第七回目のトーナメントです」

司会「試合はこうなっております」

 一戦目・・・女騎士・機械男

 二戦目・・・おっさん・ウルフ

 三戦目・・・筋肉ゴリラ・女戦士

 四戦目・・・魔王・側近

司会「では、一回戦の準備をしてください!」

勇者「ちなみに俺がおっさんな」

魔法使い「ていうか魔王ってやつがいるんですけど」

勇者「どうせ偽者だろ。1mくらいの紫色の河童みたいな禿げたおっさんに決まってるさ」

勇者「というか・・・人が少ないな」

女戦士「当たり前だ」

勇者「あんたは・・・女戦士だっけ。どういうことだ」

女戦士「この大会はもう僕が4連チャンピオンだからな。年々僕には勝てないと思って人口が減ったんだよ」

勇者「なるほどなぁ。お手柔らかに頼むよ」

司会「さあ、では第一回戦の始まりです」

司会「赤コーナー・・・泣くんじゃねぇぞ! 女騎士ィ」ワアア

司会「青コーナー・・・お前は誰だ! 機械男ォ」ワアア

女騎士「ふぇぇえぇええ」

機械男「」ジイ

女騎士「ふぇえ。棄権するよぉ」

司会「おおっと、まさかのリタイアだああああ」

勇者「まじかよ。次、俺じゃねぇか」

僧侶「頑張ってください!」

司会「では、気を取り直して第二回戦!」

司会「赤コーナー・・・説明は不要、おっさん!」

司会「青コーナー・・・手に鍵爪をつけたその姿はまさに狼! ウルフううう」

勇者「司会仕事しろ」

ウルフ「おい小僧。痛い目見る前に棄権した方が良いぞ」

勇者「ったくうるせえな。アンタこそ棄権した方がいいぜ」

ウルフ「てめぇ、おちょくってんのか? 俺の異名は狼殺し・・・ウルフキラーだぜ?」

勇者「うwるwふwきWらぁーwwwww」

ウルフ「っち。ぶっ殺してやる!」ゴォ

司会「おおっと、ウルフが攻撃を仕掛けたああ」

勇者「悪いな。俺は別名・・・勇者だ!」ギィン

司会「おっさんの剣がカギ爪を折ったああ! 続けて一太刀・・・」

ウルフ「」

司会「おっさんの勝ちいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

僧侶「やった、やりましたよ」

魔法使い「流石です。勇者様」

司会「では、続けて第三回戦」

司会「赤コーナー・・・きもす! 筋肉ゴリラああ」

司会「青コーナー・・・無敗の女戦士ィ!」

筋肉ゴリラ「棄権する」

司会「マジかああ! 今年は棄権者が多いぞおお」

女戦士「張り合いのない男だ」

女戦士(おっさんとかいうやつの斬りは素晴らしいものがあった。一体何者だ?)

司会「疲れてきました。第四回戦。魔王対側近」

司会「はじめ」

魔王「ぐへへ」

側近「大火炎魔法」キュォ

 ボオオォォオン

勇者「魔王が予想通りのやつだった」

女戦士「それよりも側近ってやつ、魔法使ったから失格だろ」

司会「魔王選手ノックアウト。側近は失格。勝者なし」

司会「ということで女戦士選手は一気に決勝ですね」

女戦士「ラッキー。じゃあおっさん頑張ってね」

勇者「ああ(女戦士ってよくみたら美しいな。黒髪、黒の瞳。ほんのりと付いた筋肉。胸も微妙にある気が・・・)」

司会「では第五回戦!」

司会「赤コーナー・・・意外に強いかおっさん!」

司会「青コーナー・・・なく子も黙る! 機械男!」

勇者「アンタを倒して準優勝だ」

機械男「・・・準優勝? どうせなら優勝をネラエヨ」モコモコ

司会「突然機会男選手の体が盛り上がったーああ」

勇者「この感じ、てめぇ魔物だな」

ゴーレム「ホンキニナッタダケダ」

勇者「っち、ゴーレムの弱点はコアをつくこと」チャキ

司会「おっさん選手、剣を構えました」

勇者(こういうのは大体・・・)

司会「おっさん選手が足へと切りかかった・・・!」

勇者「頭ァア!」ゴリギイン

司会「違う、フェイントだああ! 頭から一太刀! ゴーレムが真っ二つだア」

ゴーレム「」サア

勇者「砂へと変わったか」

司会「おっさん選手。見事、決勝戦へ!」

女戦士「やるじゃん」

魔法使い「やりましたね」

僧侶「勇者サマー」ダキッ

勇者「うおっ」ダキツカレ

勇者「・・・なぁ「おい」

女戦士「両手に華とはいい身分だねぇ」

勇者「女戦士・・・」

女戦士「私との勝負のとき、本気で来なよ」

女戦士「じゃないと、斬っちゃうから」

勇者「・・・」

これはピンチ!!!
ここは必殺腹痛でしょ→

ォイwwww
さらっと魔王だしてる

司会「ではでは、最終決戦です!」

司会「赤コーナー・・・その実力は本物だった! おっさん」ワアア

司会「青コーナー・・・無敗のチャンプ、今回も優勝か!? 女戦士」ワアア

女戦士「ふんっ」ヒュッ

司会「女戦士いきなり斬りかかったああ」

勇者「・・・」キイン

司会「おっさん選手、いやおっさんはヒラリと避ける!」

女戦士「言っただろ。本気で来なさい」キイン

勇者(行きたいけど、傷つけたくない)

勇者「うらァ(ここはあの剣を折るしかない)」ブオン

 ガッキィン・・・・・・

司会「おっさんの剣が折れたああ! リタイアするのかぁああ」

女戦士「今、僕の剣を折ろうとしたね? 残念ながらこいつは特別製でね」



勇者「っち。リタイ「僕に勝てたら何でもしてあげるよ」

勇者「・・・ん?」

女戦士「勝てたらね」


―勇者の脳内―

「ぬ・・・ぬがすからね、良いね! 女戦士」

「ぁん...優しくして?」ウワメヅカイ

「な、なんでもするって言ったもんね」ボロン

「きゃっ///」

「ま、まずはコイツの世話をしてもらおうか」ユウシャノユウシャ

――――――

勇者「お前は今。俺に勝ち目がないと思ったからそう言ったんだな」

勇者「だとしたらそれは大きな間違いだ」

な、なんだってー!!

女戦士「え?」

司会「おっさんいきなり剣を放り投げたあああ」

勇者「俺は強い。誰にも負けないくらいに強い。だから剣なしでも女戦士に勝てる(股間の剣は必要です)」

女戦士「まさか、魔法でも使うつもりじゃないだろうね。魔法の使用は禁止されてるよ」

勇者「さあな(君に恋にかかる魔法をかけたった)」

勇者「こいよ女戦士。斬るんだろ? こっちは丸腰だぜ」

女戦士「・・・どうなっても知らないよ」ヒュン

勇者「掌底(とみせかけての、パイタッチ)」ヨロイノウエカラ

女戦士「まさか・・・剣相手に体術で戦おうってんじゃ」

勇者「だとしたら?」

女戦士「私も舐められたもんだね」

勇者(舐めまわしたいです)

紳士はセクハラしないんだぜ!
そこは攻撃してよろけたとこをキャッチして相手を照れさせるのが変態勇者だろ!

女戦士「腕一本もらうよ」ヒュン

勇者「よっと」ガシ

司会「おっさんが女戦士の腕を掴んだああああ、痴漢です!」

勇者(このまま背負い投げてやる)

女騎士「ぁん///」

勇者「なんで!?」ユル

女騎士「空きあり」ビュン

勇者「っく」マワシゲリ

 ガンッ

司会「おっさんの蹴りが女戦士の後頭部に直撃ィいいい」

女騎士「」

司会「おっさんの勝ちだああ」

勇者「だ・・・大丈夫?」

女騎士「」

勇者(終わった・・・一応勝ったけど)

勇者「いや、勝ったら何でもしてくれるって言ったもんな」

魔法使い「おめでとうございます」

僧侶「勇者様すごい!」

勇者「・・・あのさ、あと3日はここに居ないか?」

魔法使い「何かあったんですか?」

勇者「いやー体をゆっくり休めたくてな(女戦士が起きるのに3日はかかるんだって。ごめんね)」

司会「あっ。おっさんさーん」

勇者「あ、うるさい人」

司会「どうぞ10万です」ドン

勇者「ありがとう」

司会「またのご参加をー」

勇者「じゃあ行くか」

魔法・僧侶「「はい」」

「あーにーきー」

勇者「ん? 誰か呼んだか」

女戦士「兄貴!」

勇者「うぇっ女戦士!?」

勇者「もう大丈夫なのか・・・ってか兄貴って」

女戦士「僕を弟子にしてください!」

女戦士「自分、まだまだ未熟だと思い知らされました!」ガバア

女戦士「お願いします!」

勇者「お、おう」

魔法使い「なら私たちの仲間になりましょう」

女戦士「仲間?」

僧侶「実は私たちは魔王を討伐するための旅に出ているんですよ」

女戦士「ってことは兄貴は・・・勇者?」

勇者「まぁ」

女戦士「兄貴、いや師匠! それと皆さん」

女戦士「これからよろしくお願いします!」


―宿屋―

勇者「ってな訳で、仲間がまた増えました」

勇者「実は今、夜中なわけですよ」

勇者「ちょっと不幸な出来事があったので回想しますねー」

―回想ッ―

魔法使い「お金はたくさん入ったので、部屋は分けましょうか」

僧侶「えー、みんなで一緒がいいよ」

魔法使い「女戦士は?」

女戦士「僕は・・・その」

魔法使い「勇者様だって疲れているんだから、一人部屋にさせてあげましょう」

――――――

勇者「ってな感じですねー」

勇者「なんかおばちゃんのところに泊まってから、魔法使いに避けられてるんだよなぁ」

勇者(あの婆さん、疫病神なんじゃね)

勇者「まぁ・・・私は今、一人な訳ですよ」

勇者「こんな時、皆さんならどうしますか?隣の部屋に女の子が3人もいるんですよ」

勇者(俺は一体誰に話してるんだ)

勇者「いやー。私ならこうしますね」

勇者「妄想・・・とか」

勇者「ってー一人でなにやっとんねーん。あははははは」

勇者「ふぅ。行くか」

―女子部屋の前―

勇者(俺は今まで、色々な厳しい試練を乗り越えてきた)

勇者(勇者に選ばれる前もひたすら体を鍛え、勉強した)

勇者(今の俺にやってやれないことはない)

勇者(そうだ! 見るんだろ・・・壁の向こうの世界を!)

勇者(死ぬ覚悟なら・・・すでに出来ているんだああああああああああ)

 ガチャ・・・・・・ガチャガチャ

勇者(あかない)

勇者「取り合えず、部屋に戻ってきた」

勇者「うん。うん・・・無駄にカギなんてつけやがってえええええええええ」

勇者「恨むぜ、宿のおっちゃん」

勇者「どうしよー」

勇者「待てよ。女戦士なら約束があるから・・・」

勇者「うーん、無理やな」

勇者「しゃあない。あれを使うか」

とりあえずRECなのか

勇者(言っただろ。壁の向こうを見ると、死ぬ覚悟は出来ていると)

勇者「」ピッキング

 カチャ、カチャ・・・カチカチ・・・・・・ガチャン

勇者「キター」ボソッ

勇者(ぐへへ)

 ガチャ、ガチャ・・・・・・ガチャ

勇者(あれ!? なんで開かないのー)

勇者(ピッキングは完璧だったはず・・・)

勇者「!?」

勇者「魔法がかかってやがるッ」ボソッ

勇者(魔法使いの仕業か・・・)

勇者「はぁ・・・寝よ」

魔法使い、勇者よりおばちゃんを信じるのかよ
勇者悪いことしてないじゃん

あきらめたら
そこで試合終了ですよ

ここまでにしてワイは寝ます


勇者はおそらく10代後半だよね
おっさんっていうのは名前なんですかね



もはやこのSSはどこに
むかっているのだろう



>>61

最強(容姿)軍団でハーレム



なんだよ魔法使いー
勇者はここまで妄想以外なにもしてないだろー
それよりお前なにも役に立ってないんだからポロリくらいしてやれよー

旅の仲間よりババアがポロッと言った言葉信じるのかよ

―翌朝―

魔法使い「勇者様。昨日はよく眠れましたか」

勇者「・・・うん」

魔法使い「魔王のいる魔界に行くには、この町から船に乗ってさらに砂漠を渡らなくちゃいけないそうです」

勇者「へぇ、情報ありがとう」

僧侶・女戦士「おはようございます!」

勇者「おはよう」

勇者(何気にこのパーティ、俺以外は女なんだよな)

勇者(まあ……まだ旅の序盤辺りだしチャンスはいつでもあるはず)

勇者(たぶん)

魔法使い「行きましょう」

ちなみにこの勇者がおっさんと名乗ったのは、心が紳士だからです

〈船乗り場〉

僧侶「そういえば勇者様。あと3日は居るんじゃなかったんですか?」

勇者「いや、もういいんだ。それより早く魔王を倒して世界を平和にしたい」

女戦士(師匠カッケー)

魔法使い(勇者様・・・)

係員「四人で一万だ」

勇者「高いな。はい」ヒョイ

係員「確かに受け取ったよ」

女戦士「師匠、砂漠の町までは一週間かかるそうです」

勇者「ってことは、一週間も船の上かよ」

勇者「まあこの船はわりと豪華で広いし良いか」

勇者「みんな自由にしていいよ」

僧侶「じゃあ私はプールで泳いで来まーす」

勇者「おう」

勇者「・・・え! プールだって!?」

女戦士「師匠! 稽古付けてください」

勇者「え・・・おう」

魔法使い「じゃあ私は船内を歩いてきます」

―船内・練習場―

勇者「大変なことに気付いた」

女戦士「なんです?」

勇者「俺の剣、折れたままだった」

女戦士「それじゃあ・・・」

勇者「稽古は無理だ」

女戦士「そんなぁ」

騎士「……」

勇者「その代わりにあそこの騎士にお願いしてくるよ」

勇者「すみませーん。ちょっと手伝ってもらえないですかー」

騎士「・・・」テクテク

勇者「この女戦士の練習相手になってほしいんですけど」

騎士「……分かった。引き受けよう」

女戦士「お願いします!」

勇者「じゃあ任せました!」

―展望台―

勇者(あれ、プールってどこにあんだ?)

魔法使い「はぁ・・・」

勇者「ん、よぉ」

魔法使い「勇者様……稽古はどうしたんですか?」

勇者「ああ実は剣がなくてできなかった」

勇者「それよりため息なんかついてどうしたの?」

魔法使い「いえ・・・」

勇者「話してよ、仲間だろ?」

魔法使い「実は――」

勇者「実力が足りてなくてこのままじゃ足を引っ張ってしまうから、パーティを降りたいだって?」

魔法使い「はい・・・実際私が一番弱いですし……」

勇者「ったく、そんなこと考えてたのか」

魔法使い「そんなことって・・・」

勇者「なぁ、魔法使い。俺は勇者だぞ?」

勇者「お前は俺が選んだんだ。それを間違っているって言うのか?」

魔法使い「勇者様は私が年と近いからって言う理由で選んだんでしょう」

魔法使い「以前にそう言ったじゃないですか」

勇者「……確かに言った、けどな」

勇者「本当の理由はそうじゃないんだ(嘘は言ってない)」

魔法使い「え?」

まぁ嘘入ってないよなwww
しかもメンバー的に魔法使いはいるよなwwww

勇者「俺が魔法使いを選んだ本当の理由は、お前に内に潜めた才能を感じたからなんだ」

魔法使い「私に……」

勇者「ああ。俺の目に狂いはない」

勇者「魔王って野郎はとてつもなく強い敵だろう」

勇者「そんな強敵に俺が勝てるわけがない……俺一人だったらな」

勇者「魔王を倒すには絶対に、魔法使いの力が必要になる」

魔法使い「・・・」





いいこと言ってるけど変態です

勇者「もう一度言う」

勇者「魔王をサクッと倒すには、超強い仲間が必要なんだ」

勇者「それは君だよ。魔法使い」

勇者「弱いなら強くなれば良い」

勇者「弱いのなら俺が守るよ」

勇者「だから、一緒に居てくれ(夜はカギ開けてーー)」

魔法使い「ゆう、しゃ...さま」グスッ

魔法使い「分かりました。私、頑張って強くなります!」

勇者「ああ、応援するよ」



側近「ったく、魔王様の偽者が居たから吹っ飛ばしてきたってのに・・・」

側近「あれで魔方陣が消し飛んでワープできなくなるなんてねぇ」


勇者「あれは・・・丁度良い。魔法使い」

魔法使い「はいっ」

勇者「あそこにいる人は確か、トーナメントで魔法を使って失格になったやつだ」

勇者「あの人に稽古つけてもらわないか?」

魔法使い「・・・出来るなら、やりたいです」

勇者「よし。すいませーん」

側近「ん?」

側近「なんだい?」テクテク

勇者「この魔法使いに稽古をつけてもらえないでしょうか?」

側近「はあ!? なんでアタシが」

魔法使い「お願いします!」ヒッシ

勇者「お願いします!」アタマサゲ

側近「……まぁ一週間暇だからね。ちょっとくらいなら良いよ」

魔法使い「ありがとうございます!」

勇者「あざっす、じゃあ任せました」

―ラウンジ―

勇者「僧侶はどこだー」

美女「あら」

勇者(! おっぱいのでかい女性がこっちを見ている!」

美女「ほーう」

勇者(可愛いというより美しい。大事なことなのでもう一度言う)

勇者(美しい!!)

美女「おにいさーん」フリフリ

勇者(だれだァ! あんな絶世の美女の兄貴はァ!)

美女「ちょっとー」

勇者(ん、あれ。あの人さぁ……俺呼んでね? いや、でも接点なんて何もねぇぞ)

美女「そこのかっこいいおにいさんってばー」

勇者(僕だあああ)

勇者「ゴホン」

勇者「はーい」ダッシュ

勇者「なんでしょう」

美女「一緒に遊ばない」

勇者「あ、遊びとは」

美女「一緒にプール行かない?」

勇者「いい、い、い、行きましょう!」

美女「ありがとう」

勇者(パーティに加えたい)

職業は美女か

―プール―

勇者(どうやら僧侶はもういないみたいだな)キガエ

勇者「やれやれ。勇者って仕事は辛いねぇ」

勇者「じゃあ行くかい、大海原へ」ダッシュ

 ザッブンゥン・・・・・・

「飛び込みは禁止ですよー」

勇者「っぷは、さーせん」

美女「おにいさーん」フリフリ

勇者「!」

勇者「あれ、着替えないんですか・・・?」

美女「ちょっと日焼けしたくて」

勇者「でも、でも、一緒に遊ぶって……」

美女「おにいさんのこと・・・ み て る わ」ハアト

勇者「あっ、でもー、せっかくの白い肌がもったいないですよー」

美女「焼けた肌見たくない?」

勇者「・・・服とか脱いだほうがよく焼けると思います」

美女「ええー」

美女「じゃあ、サンオイル塗ってくれる?」

勇者「!」

勇者「も、もちろん」

 ドオオオオゥォオオオオン・・・・・・


勇者「な、なんだ?」

「大変だー魔物が現れたぞー」

「うわークラーケンだ」

勇者「大変だ(っち空気読めよ、フライにすっぞ)」

美女「あらあら、どうしましょう」

勇者「うーん、この船って結構強い人が乗ってますよ」

勇者「彼らに任せたら大丈夫なはずです」

美女「へぇ、アタシも一応魔法が使えるんだよー」

勇者「すごいっすねぇ」

「助けてくれー」

「痛いよう」

勇者「・・・」

美女「助けてあげないの?」

勇者「え?」

美女「このままじゃ、死人が出るわよ」

勇者「でも一般人の僕にはどうにも・・・」

美女「ふーん。見損なったわ」テクテク

勇者「ちょっと・・・」

「ギャーー」

「食われるー」

勇者「何だこの状況」

勇者「・・・」

勇者「あー、はい。行きますよ、はいはい」

―クラーケンエリア―

女戦士「師匠!」

勇者「ああ、死人は?」

女戦士「それは大丈夫です、彼が助けていたので」

勇者「彼?」

騎士「大丈夫か?」ナデナデ

幼女「ふぇえぇえ。怖がったぁ」

魔法使い「勇者様!」

勇者「魔法使い・・・」

側近(クラーケン?)

側近(ここらの海にそんな魔物は居ないはずだよ)

側近(こんなことができるのは・・・)

僧侶「勇者様、私はけが人の治療をしてきます」

魔法使い「どうします?」

勇者「……」

勇者「あの魔物はデカすぎる。それにここは海の上だ」

勇者「無駄に攻撃しても暴れられて、船が沈んじまう」

女戦士「師匠・・・」

勇者「万事休すか……」

勇者(何が勇者だ。何が紳士だ)

勇者(俺はこんなにも弱い)

魔法使い「私、やります」

勇者「何を言ってんだ!?」

魔法使い「初級魔法使いですが、初級の魔法しか使えませんが・・・」

魔法使い「何もしないよりはマシでしょう」

魔法使い「このままじゃ全員沈みますよ」

女戦士「だったら僕も戦う!」

勇者「っ分かってるのか!? これ以上暴れられたら船が持たないんだ!」

魔法使い「じゃあ何か他に手はありますか?」

勇者「っ・・・」

魔法使い「私は勇者パーティの一員です」

魔法使い「諦めたくない」

女戦士「姉御・・・」

魔法使い「行きましょう、女戦士」

勇者「……待て」

勇者「俺が行くッ」

女戦士「どうやって倒すんすか!?」

勇者「ヤツが暴れる前に足を全て叩き切る」

女戦士「そんな・・・」

勇者「無謀なことは分かってるよ」

魔法使い「・・・みんなで」

魔法使い「皆で倒しましょう」

女戦士「! 僕もそれがいい」



勇者「分かった。その代わり、誰も死ぬな……!」

勇者「なぁ魔法使い」

魔法使い「はい?」

勇者「初級雷魔法は使えるか?」

魔法使い「一応使えますけど・・・」

勇者「よしッ・・・勝てるかもしれない」

女戦士「本当っすか!」

勇者「ああ、今から俺の言うとおりにしてくれ」

勇者「まずは――」

用事が入ったんで出かけてきます
続きは夜にします

乙カレードゾー

一応勇者の自覚はあるんだなww

―展望台―

勇者「あ、っと」

美女「・・・」

勇者「ここに居たんですか」

美女「ここは景色が良く見えるからね」

美女「それよりあの魔物を放っておいても良いの?」

勇者「あれくらいならまだ大丈夫です」

勇者「ただ余り時間がない」

勇者「そういえば貴方、魔法が使えるんでしたよね?」

美女「ええ、・・・中級までなら全部こなせるわよ」

勇者「ならば是非とも力を貸してもらいたいんですが」

美女「何故?」

勇者「・・・死なないために」

勇者「クラーケンは海の王様と言っても過言でないほどの魔物です」

美女「確かにね」

勇者「どうか自分を助けると思って・・・」

美女「良いわよ。乗った」

勇者「ありがとう!」

―クラーケンエリア―

側近「今回だけだからね」

魔法使い「分かってます」

側近「肝心のあいつはどこに行ったんだい?」

魔法使い「もうすぐ来るはずです」

勇者「おーい」

美女「・・・」

側近「!」

魔法使い「来ましたね」

勇者「始めよう」



勇者「女戦士、剣貸してくれ」

女戦士「はいっす」スッ

勇者「じゃあ皆、タイミングを合わせて頼む」


魔法使い・騎士「「初級雷魔法」」

美女・側近「「中級雷魔法」」

 ズドオオン・・・・・・シュウウウ・・・

「グギュルグオオオオオ!」

勇者「やっぱり倒せないか」チャキ

勇者(でも代わりに体が痺れて動けないはずだ)スッ

勇者(切らせてもらうぜ)シュッ

 ザシュッ・・・ドン

女戦士「クラーケンの足を切った!」

勇者「もう一本!」シュッ

 ザシュ・・・ドン

「ギィェグエェエぇォ!」ビュッ

勇者「!」チクッ

勇者(何か刺さったッ)

勇者「ゥウオオオオ」ザシュザシュザシュ

勇者(足を落としたはいいが・・・体が痺れてきやがった)

勇者(気分も悪い・・・まさか……)ピタ


女戦士「急に師匠の動きが止まった?」

側近「おそらく、毒をくらっておる」

魔法使い「毒!?」

側近「それにクラーケンの痺れはなくなってきたみたいだぞ。動き始めておる」

側近「このままじゃ、あいつは魔物の餌になるよ」









僧侶「解毒魔法!」

勇者「・・・僧侶」


勇者(完治じゃねぇけど、アイツを仕留めるには・・・)

勇者「十分だあああぁ!!」ズン






クラーケン「」

女戦士「や、やったー」

魔法使い「勇者様!」ダッシュ

魔法使い「良かった」ダキツキ

勇者「お、う」ムニュ

勇者「一件落着だ」モミモミ






側近「あんた、ちょっと来な」

美女「・・・」

―夜・船室―

勇者「いろいろあったけど、夕食のイカフライはうまかったなあ」

・・・・・・・・・・・・

魔法使い(今日の鍵はどうしようかしら・・・)

魔法使い(勇者様って、その、かっこいいし・・・怪しいこととかしなそうなんだけどなぁ)

僧侶「そろそろ寝ましょうか」

女戦士「ですね」

魔法使い(うーん。一応掛けておきましょうか)マホウ

魔法使い「じゃあおやすみなさい」

・・・・・・・・・・・・

勇者「また部屋は別々なわけだけど、今日は俺、良いところたくさん見せたんだよなぁ」

勇者「鍵がかかってない可能性もあるわけだよ、うん」

―ドア前―

勇者(というわけで、やってきました)

勇者(まずはピッキングで・・・)

 ガチャ・・・ガチャガチャ・・・・・・カチ、ガチャリ

勇者(よしよし、ここまでは出来た)

勇者(あとは魔法使いが鍵を掛けてない事を・・・祈る!)

 ガタン、ガチャ

勇者(かかってたorz)

―三日後、夜―

美女「あら」

勇者「あっ」

美女「奇遇ね」

勇者「そうですね。先日はお世話になりました(夜の意味も含まれてます)」

美女「・・・ええ」

美女「ああ、そうそう。アタシはここで船を下りるわ」

勇者「え? でもこの船、港までの途中停船はありませんよ」

美女「言ったでしょ? 魔法が使えるって。飛んでいくわ」

勇者「へぇ、残念だなぁ」

美女「心配しなくても、またすぐ会えるわよ」

勇者「そうですかね?」

美女「ええ。貴方と私は間反対だもの」

勇者「? よく分かりませんが、仕事があるので失礼します」

美女「分かったわ。じゃあまた」

・・・・・・・・・・・・

魔法使い「もう船生活も4日目ね」

僧侶「そうですねー」

魔法使い「私は側近さんのお陰でかなり強くなれたわ」

女戦士「どれくらいなんです?」

魔法使い「そうね。もう中級魔法はこなせるわよ」

女戦士「すごいっすね!」

僧侶「確か側近さん曰く、魔法使いさんには膨大な魔力が秘められてるんでしたっけ?」

魔法使い「そう言ってたわ。今までは魔力の使い方が下手だったのがいけないみたい」

魔法使い(勇者様の言うとおりだったわね)

魔法使い(すごいお人だわ。そういえば今日の鍵はどうしましょう)

魔法使い(……あの人なら、信じても大丈夫ね)

僧侶「そろそろ寝ましょうか」

魔法使い「そうね(カギ魔法は使わないことにしましょ)」

・・・・・・・・・・・・

勇者「美女さん帰っちゃうのかー」

勇者「はぁ。夜の仕事するかぁー」

勇者(どうせ今日も鍵かかってんだろうけど、一応な)

・・・・・・・・・・・・

美女「飛ぶ前にアタシも一仕事しとこうかしら」

―ドア前―

美女「カギ魔法」ボソッ

 カチャリ

美女(彼の心を読む限り、ヘンタイな行動で溢れてた)

美女(今夜も忍び込もうとしてるみたいだし・・・)

美女(邪魔しちゃったかしら?)

・・・・・・・・・・・・

―ドア前―

勇者(どうせカギかかってんだろーなぁ)

勇者(ピッキングっと)

 ガチャ・・・カチャカタ・・・・・・ガチャン

 ガタ、ガチャ・・・

勇者(ほら閉まってる)

勇者(魔法使いもちょっとは俺のことを心配してくれたら良いのに)

勇者(もう明日から忍び込もうとする気も失せるな……)

勇者(僕だってね、夜のおかずが欲しいんですよ)

勇者(というかね。健全な年頃の男の子だよ?)

勇者(そういうとこだよ。おかず提供くらいしてくれてもいいじゃないか)

勇者(僕の息子が心配じゃないっていうのか魔法使いは!)

勇者(はぁ・・・寝よ)

休憩してきます

おつ



夜の勇者をみると安心できる
なぁ

―数日後・朝―

 ボオオオオオオ

勇者「うし、到着だな」

僧侶「長かったですねー」

勇者「魔法使いはどれくらい強くなったんだ?」

魔法使い「なんと・・・上級魔法が使いこなせるようになりました!」

勇者「すごいじゃないか! やっぱり俺の眼に狂いはなかったろ?」

魔法使い「はい、側近さんも驚いてました」

女戦士「師匠! 僕も強くなったんですよ!」

勇者「頑張ったな(確かに筋肉がついてより良くなったな)」

僧侶「私は特に・・・」

勇者「僧侶はクラーケンのときに真っ先に人の救助に向かった」

勇者「それって十分すごいことだぜ?」

僧侶「そうでしょうか」

勇者「ああ、普通のヤツならあんな魔物を見ただけで逃げ出しちまうよ」

勇者「さぁ行こうぜ」

〈砂漠地帯・入り口〉

女戦士「港からここまで30分ほどでしたね」

勇者「ああ、水は買った?」

魔法使い「はい」タイリョウ

僧侶「バッチリです」タイリョウ

勇者「じゃあ入ろう」

勇者(しまった。剣を買い忘れたぞ・・・)

勇者(まぁ皆が居るから大丈夫か)

〈砂漠地帯・中盤〉

勇者「ここまで二時間半かぁ」

僧侶「魔物は現れませんでしたね」

魔法使い「いえ、丁度現れましたよ」


ゴーレム「・・・」


女戦士「あれは師匠がトーナメントで倒した・・・」

勇者「よし、丁度良い。女戦士頼んだ」

女戦士「良いんすか?」ワクワク

勇者「剣買うの忘れてたんだ……それにお前の強くなった姿が見たい」

女戦士「分かりました!」

勇者「人間でいう鳩尾辺りにコアがあったから、頭から真っ二つに切れば倒せるぞ」

女戦士「了解っす」ヒュン

ゴーレム「・・・」ネムネム

女戦士「やぁあああ」ビュン


ゴーレム「」


勇者「一週間で大分変わったなぁ」

魔法使い「ていうかあのゴーレム寝てませんでした?」

〈砂漠地帯・中盤から終盤の間〉

勇者「あち~水くれー」

僧侶「どうぞ」スッ

勇者「すまん」ノミノミ

勇者「ぷはぁ生き返る」

魔法使い「きゃぁあ!」

女戦士「姉御!」

勇者「大丈夫か!?」ダッシュ

勇者「これは・・・流砂か・・・魔法使い、氷の魔法を使うんだ」

魔法使い「うっっくっ」アセアセ

勇者「クソッ、掴まれ!」テヲノバス

魔法使い「ゆ、しゃ」ガシッ

女戦士「師匠!」

勇者「うッ……やべ、落ちる」

 シュウウウウウ


僧侶「あわわわわわわ」

女戦士「やばいっす、二人が飲み込まれた」

やばいっす!

〈地下〉

魔法使い「ううっ」

勇者「ッぺ」

勇者「無事か!?」

魔法使い「大丈夫です、何とか」

勇者「良かった~」

魔法使い「すみません、私が焦らなかったら・・・」

勇者「あまり気にすんなよ」

魔法使い「ところでここはどこでしょう?」

勇者「たぶん、空洞に入ったんだろう。運がよかった」

勇者「ここに居たって仕方ないから進もう」

勇者「広いんだな」

魔法使い「勇者様・・・!」ボソッ

勇者「ん」ボソッ

魔法使い「あそこに魔物の群れが」ユビサシ

勇者「あれは……地下になんでゴーレムや大蠍がいるんだ」ボソッ

魔法使い「どうします?」ボソッ

勇者「魔法で一掃してくれないか?」ボソッ

魔法使い「分かりました。でも何魔法が・・・」ボソ

勇者「火炎魔法を凝縮して火の玉にできないか?」ボソ

魔法使い「できます・・・!」ボソ

勇者「じゃあそれを一発づつ奴等にあてていってくれ。魔力は足りそう?」ボソ

魔法使い「大丈夫です。約30匹くらいなら持ちます」

魔法使い「上級火炎魔法・大火炎魔法・・・凝縮」ボウ

魔法使い「火球」ヒュン


 ドン...ドンドンドン...ドンドンドン・・・








ドン

魔法使い「やりましたっ」ハアハア

勇者「ああ、本当に強くなったな。助かったよ」

勇者「大丈夫か?」

魔法使い「はい、もう平気ですっ」



 


勇者「ん・・・?」

勇者「あそこ、何か光ってるな」

勇者「ちょっと見てくるから、休んでて」

魔法使い「分かりました」

勇者「コインか?」ダッシュ

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...

勇者「なんだ!? まさかさっきので・・・」

勇者(地面が割れてきている……まずい、魔法使いとの距離は10mはある)

勇者「っく、(落ちる...!!)」

勇者「魔法使いィ! じっとしてろォ」

 ガゴオン・・・




魔法使い「ゆ・・・勇者さまぁああ!」

女戦士「姉御ぉ」

僧侶「大丈夫ですか!?」

魔法使い「二人とも……どうして」

僧侶「二人が心配で、一か八かで流砂に飛び込んだんですよ」

女戦士「師匠はどこへ?」

魔法使い「っあ、それが・・・」


――――――――――――

『しゃ・・・ゆうしゃ……勇者』

勇者父『これ、いいかげんに起きなさい、勇者』

勇者『ん……なんだよ父ちゃん。まだ寝かせろよ』

勇者父『なに言ってんだ。今日は母ちゃんの墓参りだろう』

勇者『ああっ! そうだった先に言えよ』

―墓―

勇者父『母ちゃん、勇者は9歳になったぞ』

勇者『へっへっへー』

勇者『最近は剣の練習もして、勇者試験に受かるように頑張ってんだぜ』

勇者『17歳になったら試験受けるんだー』

勇者父『ってわけだ。天国から見守ってやってくれ』

――――――――――――


勇者「う……ん」

勇者「痛ってぇ、生きてたか、俺」

勇者「ここはどこだ? 地下の地下? 確かまた落っこちたんだよなあ」

勇者「剣もねぇし・・・詰んだか」

――――――――――――

勇者『わーい10歳の誕生日プレゼントありがとう』

勇者父『ったく魔物の本なんて貰って何が嬉しいんだか』

勇者『いずれ勇者になるんだから、早めに勉強した方がいいだろー』

勇者父『……勇者。実はな、父ちゃん、勇者試験に受かったんだ』

勇者『本当に!?』

勇者『すげぇえええ。流石父ちゃんだ』

勇者父『勇者、いいか? 魔王を倒すための旅には必ず死ぬような危険が付きまとう』

勇者父『だから・・・もしも父ちゃんが死んで、お前が勇者になる日が来たときは……必ず良い仲間を選べ』

勇者『分かった。でも父ちゃん、死んだりしないだろ?』

勇者父『当たり前だ。魔物だって心優しい魔物は必ずいる。なんなら命乞いでもして助けてもらうさ』

勇者『ははっ。父ちゃんらしいや』

――――――――――――



勇者「なんでこんな時に親父のことを思い出すんだよ・・・」




――――――――――――

国王『君が勇者君か』

勇者『どうしたんですか? 僕はまだ12歳なので試験は受けれませんよ』

国王『すまない!』ガバア

勇者『え?』

国王『君のお父さんは、魔物に殺された』


勇者『嘘だ!』

国王『すまない』

勇者『俺の父ちゃんが死ぬわけないだろ!』

国王『これは遺品だ……彼の仲間から聞いた話だが、彼は最後まで魔物と戦ったらしい』

勇者『父ちゃんが? はい、嘘決定。父ちゃんは死にそうになったら命乞いしてでも生きるって言ったもん』

国王『彼は母魔法使いという人を守るために戦ったらしい』

勇者『母、魔法使い?』

国王『そうだ』

勇者『父ちゃんぁは、ホントに死んだの?』

―――――――――――― 


大丈夫だ回し蹴りがある

勇者「死んでたまるかぁ」

勇者「俺はまだ! ドーテーなんだ!」

勇者「考えろ! ここから抜け出す方法を」



勇者(砂漠、空洞、地下。魔物、ゴーレム、大蠍…………!)

勇者(おかしい、待てよ、いろいろおかしいぞ)

勇者(どっからだ・・・)




勇者「そうだ(あのクラーケンからだ)」

勇者(父ちゃんから貰った本にはクラーケンは魔界にしか居ないはずだ)

勇者(待てよ、それならゴーレムっていうのもおかしいぞ)

勇者(ゴーレムは元々人が作り出した、宝を護るためのものだ)

勇者(こんな砂漠に何体もいるわけがない)


 パラパラ・・・

勇者(それに、流砂の下に空洞があったのはいいとして、さらに地割れで下に落ちるってどういうことだ)

勇者(ありえるのか。そんなことが)


勇者(もしも俺の考えが正しいのなら――)

勇者「おい! いるんだろ、そこに! 魔物」

 シーン・・・・・・

勇者「隠れたって無駄だぁ! てめぇのくっせぇ魔物臭がプンプン漂ってきやがる」

勇者「姿を現せ!」


・・・・・・・・・・・・

側近「ったく。まさかあの子達が勇者一行だったとはねぇ」

側近「魔女もよく気付いたもんだよ。まぁあの子は読心術が使えるからねぇ」

側近「思えば魔女にも困ったもんだよ。クラーケンを出したり色々と・・・」


側近「さ、そろそろ魔王城につくころか」


・・・・・・・・・・・・


美女「お久しぶりね」

勇者「び、美女さん!?」

美女「言ったでしょ。すぐに会うことになるって」

勇者「アンタ・・・魔物だったのか?」

美女「ええ、そうよ」

勇者「なるほど、あの時に俺とは間反対と言った理由はこれですか」

勇者「人間と、魔物」

美女「そうね」

勇者「俺を殺すつもりですか?」

美女「ええ。魔王様を護るために」

勇者「ならば何故、船の上では協力してくれたんですか?」

美女「気まぐれよ」

勇者「見逃しては・・・くれなさそうですね」

美女「もちろん。ここで仕留めるわ」ギュムギュム


魔女「本気でね」


勇者「それが、本当の姿ですか」

魔女「ええ、人間の姿になると戦力がダウンして困るわ」

勇者(姿変わっても胸は大きいんですね)

魔女「・・・来なさい、ヘンタイボーイ」

どこみてんだwww

勇者「本来ならば美しい女性に手は出したくないんですけど」

魔女「ならばおとなしく死になさい」

勇者「それは嫌です(取り合えず掌底入れるか?)」ヒュン

魔女「剣はないみたいね」

勇者(こっそりパイタッチ)シュ

魔女「中凍結魔法」


勇者「う、足が」パキン

魔女「無駄よ私は心が読めるもの」

魔女「ただの中級魔法よ? 火炎魔法で溶かしなさいよ」

勇者(え。心が読めるって何? じゃあ今までのヘンタイ的なことバレバレじゃん)

魔女「そうよ」

勇者(まじか。魔女カワイイ、魔女キレイ、魔女ウツクシイ、魔女ケッコンシテ、魔女ヤリタイ)

魔女「中凍結魔法」

勇者「っぐ」パキン

魔女「アタシの全てはすでに魔王様のもの」


勇者(っち。中古か)

魔女「殺す」

勇者(ごめんなさい。油断させようと思っただけなんです)

魔女「・・・・・・」

勇者(ちょれぇwwwwww)

魔女「大火炎魔法・・・凝縮」ボワ

魔女「爆発」ブン


 ブオオオオオオォオン・・・



勇者「」

魔女「本気で戦わないからよ。戦闘中にふざけるから、貴方は死んだの」


勇者(っ・・・)


魔女「! まだ生きてるんだ」

 

勇者(ごめんなさい。見逃してくれ、まだ死ぬわけにいかないんだ)

勇者(お前ら魔物は年々数を増やしてる。それに比べてこっちは減少の一途を辿っている)

魔女「だから?」

勇者(俺たち人類は僅かな希望を乗せて『勇者』という人に希望を託してきている)

勇者(それは俺が生まれる前からも続いていて、俺の親父も勇者だった)

勇者(俺が死んだら、また新たな勇者が生まれる。その間に人間はもっと死んでいくだろう)

勇者(お前ら、魔物によってな)

魔女「だから魔物を作り出している魔王様を殺すって言うの?」

勇者「っごふォ、ごほっ。はぁ、そうだ」

勇者「このままじゃあ人間は絶滅する」

魔女「……心配しなくても、いつか私たちは同じ種族になれるわ」

勇者「どういう、意味だ?」

魔女「それが魔王様の計画なのよ」

魔女「もうお喋りはおしまいよ。さようなら」

勇者「まっ待ってくれ。見逃してくれ」ドゲザ

魔女「命乞いのつもり?」

勇者「ああ、俺の親父が言ってた。魔物にも優しいやつがいるって」

魔女「確か前にも同じ行動をした人がいたわね」

勇者「え?」

魔女「まぁ結局戦って、殺しちゃったけどね」

魔女「大火炎魔法・・・凝縮」ボウ


勇者「待ってくれ。その人の名前は?」


魔女「・・・確か、勇者父と名乗っていたわ」

魔女「さようなら。チェリーボーイ」






魔女「爆発」ブンッ


 ドウオオオオオオン・・・

新車って特有の匂いあっから
中古のほうがいいぜ(棒

3分間だけ待ってやる

>>126
中古の方がいい味出てるよな(棒

――――――――――――

勇者『父ちゃん・・・なんで死んだんだよ!』

勇者『俺を一人にしやがって!』ブンッ

 ガシャン

勇者『あんな遺品なんていらないっ』

勇者『・・・? 手紙が落ちてる』



 勇者へ
 
 なぁ勇者。元気してるか?
 
 俺はとうとう、魔界まで来たぞ。

 お前はもうすぐ12歳になるなぁ、早いもんだ。

 魔界ってところはめちゃくちゃ危険なところだ。命が何個あっても足りやしない。

 そんなわけで、もしも死んだときのためにこの手紙を書いた。

 父ちゃんからの誕生日プレゼントだとでも思ってくれ。

 これから書くものは我が家に代々伝わる魔法でな、たぶん魔力がないお前でも使うことが出来る。

 恐らく、魔法使いの者達でもこれを使うことは出来ないだろう。

 俺は結局身に着けることが出来なかった。でもまぁお前なら出来るはずだ。

 その名も『究極雷魔法』。

 言っておくがこの技は体に物凄い負担がかかるらしい。

 だからお前がこれを使えるようになってもあまり使うな。長生きしたいならな。

 
 ・・・まぁけど、どうしてもって場合もあるだろう。

 だからこういう場合にだけ使え。

 
 誰かを守るとき。本気で許せない敵が現れたとき。命が本当に脅かされそうになったとき。


 いいな? 約束だぞ。

 魔法の使い方はこうだ――



 ・・・

 父ちゃんより




勇者『父ちゃん、俺、絶対にこれを使いこなすよ』

勇者『勇者になって、魔王を倒して、父ちゃんの敵をとる』


――――――――――――


 シュウウウウ・・・・・・


勇者「そうか、てめぇだったのか。人の父親勝手に殺しやがったのは」

魔女「な・・・! あれをくらって生きてるなんて……」

魔女「一体どうやって・・・」

勇者「親父の敵だ」

魔女「大凍結魔法!」


勇者「『究極雷魔法』」ビリビリ

 


 ・・・ズドオオオオオオオオオオオオ・・・・・・




勇者「死んで詫びろ」


魔女「」



・・・・・・・・・・・・


「しゃ、ま・・・勇者様!」

勇者「ん・・・」

魔法使い「良かった……本当に」

勇者「ここは?」

僧侶「砂漠の町の宿です。皆で運んできたんですよ」

勇者「……そっか。ありがとう」

女戦士「何か大きな音が聞こえたと思ったら、砂漠の上に戻ってたんですけど」

女戦士「師匠は何かあったんですか?」

勇者「まぁ色々と(魔女を倒したから戻ってこれたのか)」

勇者「あーなんか体がだるい」

魔法使い「大丈夫ですか?」

勇者「しばらく休ませて貰うよ」

魔法使い「分かりました。みんな、行きましょう」

―次の日・昼―

魔法使い「勇者さまー」

勇者「ん・・・ん?」

勇者「何かいい匂いがするなぁ」スンスン

魔法使い「お粥をつくってきました」

勇者「ああ、ありがとうな」

魔法使い「いえ」

勇者「いただくよ」

魔法使い「・・・」

勇者「?」

魔法使い「あ、あ~ん」

勇者「えっ」

魔法使い「ほら、口開けてくださいよ」

勇者「・・・あーん」パクッ

魔法使い「ど、どうですか?」ドキドキ

勇者「うん、うまい」ニコ

魔法使い「良かった~、はい」

勇者「ぁむ」パク

魔法使い「はい、あーん」

勇者「む」パク


勇者(あれ。これって何か良いかも)

ここまでにして寝ます

中古が良いよね(棒



1は新車派だろ

乙。
魔法使いってどうなんだろう……新車的なあれかな?

前向きというかセイヤッて感じの中古よいよね

(つ∀-)オヤスミー
中古は使いやすいからな

中古取っ替え引っ替えするのいいよね(棒

おまいら、新車と中古はいいが、新古には手を出すなよ。
あいつはどっちつかずだから、後悔するぞ。

おt

―数日後―

勇者「全快した」

魔法使い「この先にある大きな山が魔界との国境らしいですよ」

僧侶「この町の人が教えてくれました」

女戦士「ついでに剣とか探してみたんですけど、この町は魔物の被害が大きいらしくてろくな武器がないそうです」

勇者「そうなのか・・・皆、俺が休んでる間に色々とすまなかった」

魔法使い「気にしないで下さいよ」

勇者「それと、看病ありがとな」

勇者「にしても・・・勇者が剣なしで魔界に入ってもいいのかねぇ」

女戦士「皆ついてるし大丈夫じゃないっすか?」

僧侶「私が全力でサポートします!」

・・・・・・

女戦士「でやぁ!」ザシュ

魔法使い「中火炎魔法」ボウ


魔物「」

女戦士「痛てて」

僧侶「大丈夫ですかー」パアア

女戦士「すまねっす」

勇者「確かになんとかなってる」

〈大きな山の前〉

勇者「こっからが魔界?」

魔法使い「この山の丁度中間辺りかららしいです」

僧侶「緊張してきた・・・」

女戦士「頑張るッス」


勇者「皆強くなったなぁ」

女戦士「まだまだ強くならなくちゃ・・・!」

魔法使い「私ももっと強く・・・」

僧侶「me to」

勇者「頼もしい限りです」

・・・・・・

魔法使い「! 見えてきましたよ、中間が」

勇者「おおーあそこから色が違うな」

僧侶「不気味な色・・・」


 ガサガサ

女戦士「あそこに何か居ます・・・」

勇者「恐らく魔物だな」

僧侶「魔界の魔物って強いのかなー」






・・・

幼女「ぷはぁ」

魔法使い「人間!?」

僧侶「あの子、どこかで見たような」

勇者「船で見たな。騎士が助けた(とてもかわいらしい)女の子だ」

幼女「ふぇええええ」

女戦士「大丈夫ですか~?」


勇者「待て女戦士。こんなところに人が居るなんておかしい」

勇者「しかも幼女だ、怪しすぎる」

魔法使い「どうします?」


勇者「俺が行くよ(ぐへへ)」

勇者「ほら~。大丈夫かなー^^」

勇者「どうしてこんなところにいるんだい^^?」シンシスマイル


幼女「ふぇ!?・・・」グスッ

幼女「ふぇええええええええええええええええええええええええええええええええ」ナキナキ


僧侶「あーあ勇者様が泣かせたー」

勇者「なっ・・・」

女戦士「怖くないよー」ニッコリ



幼女「ふうええええええええ」

幼女「ふぇえぇえぇえええ」

幼女「ふぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」



 ガサ・・・ガサガサ・・・

ようじょ は なかまを よんだ !!!

「何だ貴様らは...ワシの孫を泣かせおって」

「仲間の呼び声が聞こえたと思ったら・・・」

「ッチ。また人間か」

「・・・」


僧侶「魔物がたくさんやってきましたー」

魔法使い「でも・・・」

勇者「ああ。猫の姿をしていてとてもキュートである(もふもふしたいの!)」

女戦士「かわええwwww」


勇者「言葉を話すってことは、かなり高等な種族だな?」


村長「いかにも。ワシらはニャンコ族じゃ。村長と申す」

猫太郎「猫太郎だ」

猫広「ッチ。猫広」

猫美「・・・猫美」ボソッ


村長「そこの子はワシの孫でのぅ」

幼女「ふぇえぇ」ナキヤミ

勇者「孫って・・・爺さん。その子は人間だぞ」

猫太郎「俺たちは人間に化けれるんだ」

猫美「・・・そう」


幼女「ふぇえええ・・・」ドロン


ニャンパソ~「ふえぇえええ」

村長「その子はニャンパソ~って名前じゃ」


僧侶「変わった人たちですねー」






村長「む?」

僧侶「?」

村長「そこのお前。何かワシらと同じ匂いがするのぉ」

僧侶「私ですか?」


勇者「・・・確かに僧侶は猫耳がついてるが・・・」

猫美「!? あなた・・・」

猫太郎「こりゃ驚いた・・・」

猫太郎「もしかして、猫美と戦士のガキじゃあねぇか?」


僧侶「ええ!?」


女戦士「衝撃の事実」

ニャンパソ~「ふえええええ!」


勇者「嘘だろ!(猫美さんって人化したら綺麗なんだろうなぁ)」

僧侶「あなたが・・・私のお母さん・・・?」

猫美「・・・」

村長「抱きしめてやりなさい」


僧侶「お・・・お母さんっ!」カケヨリ

猫美「僧侶・・・」ギュッ


女戦士「感動の場面」

魔法使い「良かったですねぇ」

勇者「僧侶。お母さんに会えてよかったな(猫耳は正義)」


猫広「・・・ッチ」ナミダメ

猫太郎「皆さん、なんなら村に来ますか?」

勇者「良いんですか? じゃあお邪魔します」

女戦士「まさかの和解」





さあ勇者急いでまたたびを
てに入れてくるんだ

勇者(どこかにマタタビ売ってませんかねぇ)

村長「どうしてこんなところへ?」

僧侶「かくかくしかじかなんです」

村長「そうなのか・・・魔王討伐のために」

勇者「あんたらすげーな」

村長「それならばここからは魔王討伐のことは話さないほうが良い」

村長「魔物はほとんど魔王をしたっているからのう」

勇者「アンタは違うのか?」

村長「ワシらニャンコ族には縁のない話じゃ」


猫太郎「ほーれこっちだこっち」

ニャンパソ~「ふえっ」


勇者「・・・まぁ確かにそんな気はするな」

猫美「ところで僧侶は何歳になったんだい?」

僧侶「16です」

村長「ほう」

村長「ならば儀式を受けれる年じゃのう」

勇者「儀式?」

村長「我らニャンコ族は16になると儀式というものを受ける」

村長「それを見事最後までこなせると、莫大な力を手にすることが出来るんじゃ」

勇者「へぇ、すごいな」

村長「なんなら猫広と戦ってみるか? 彼は強いぞ」

猫広「ッチ」

勇者「いや、遠慮するよ。今剣がないんだ」

村長「勇者なのに剣がない?」

勇者「まぁ色々とあってな」


「たいへんだああ」

「エルフ族が攻めてきたぞぉおお」


勇者「なにぃ!?」ダッシュ



村長「ふむ。さすがは勇者と呼ばれる男だのぅ。すぐに駆け寄るとは逞しい限りじゃ」

僧侶「私も行ってきます!」


勇者「はぁはあ(エルフたんエルフたんエルフたん)」ダッシュ

「応戦しろぉ」

「戦えぇええ!」

勇者(エルフたんエルフたんエルフたんエルフたん)ダッシュ


――――――――――――

勇者『今日で俺も15歳か』

勇者『筋トレも続けてるし、知識だって身に着けてる』

勇者『この調子で二年後の試験にも受かってやる...!』

勇者『・・・』


勇者『・・・』ホンヒラク

勇者『魔物の本・・・』ページメクル

勇者『!』


勇者(あった、エルフのページ・・・!)ハアハア

勇者『白い肌、その素敵な耳』ハアハア


――――――――――――


勇者(あのエルフに会えるんだ!)ダッシュ

勇者(あの時はお世話になりました)ダッシュ


勇者「うっし、後はこの角を曲がれば――」

ダークエルフ1「駆逐してやる」

勇者「」

ダークエルフ2「これでこの辺りの敵はあらかた片付きましたね」

勇者「」

ダークエルフ3「待て、あそこにまだいるぞ」

ダークエルフ1「あれは・・・人間じゃないか」

ダークエルフ2「ふーん、ニャンコ族以外にもいたのか」

勇者「」

ダークエルフ1「駆逐してやる」ユミカマエ


勇者「ふっざけるなぁああ!」


ダークエルフズ(全部で20匹)「」ビクッ


勇者「ダークエルフだとぉ!? 貴様ら人の気持ちを弄びやがってぇ! この魔物の風上にも置けないド畜生が!」


勇者(親父。本気で許せない敵が現れた)

勇者(俺には分かる)

勇者(今が魔法を使うときだ)


勇者「そうだろ? 親父」






勇者「『究極雷魔法』」

 ズドオオオオオオオオオオオオン・・・


ダークエルフズ「」


勇者「うっ」バタッ

ダークエルフ23「ど・・・どういうことだい?」

ダークエルフ25「精鋭たちが全員やられてやがる・・・」


猫広「驚きてぇのはこっちだ」

僧侶「ゆ、勇者様ぁー」

魔法使い「遅れてすみませんって・・・勇者様!」

女戦士「しっしょおおおお!」


ダークエルフ28「て、撤退だ・・・上に伝えろ、ニャンコ族は思いのほか強い」

魔法使い「そうはさせませんよ・・・」

魔法使い「上級風魔法・大風魔法!・・・凝縮」


魔法使い「カマイタチ」ビュン



―次の日―

勇者「うっく」ガバッ

村長「起きたか。小僧」

勇者「あ、ああ」

村長「あのエルフたちを20も殺るなんざぁやるじゃねぇか」

勇者「ん・・・今どういう状況だ」

村長「一言で言うならば、大ピンチ」

村長「お前さんの仲間はエルフ族の村に行ったよ」

勇者「なんで・・・?」

村長「儀式に必要な道具を奪われちまったんだ」

村長「そしたら魔法使いが、僧侶のレベルアップには必要ですからって」

村長「猫広と一緒に奪い返しに行ったわけ」

勇者「そうなのか。俺も行かねーと」

村長「やめておけ、なんでか知らないがお前さんの体はボロボロになってたぞ」

村長「あと二日は休んでおけ」

勇者「んなこと言っても、何かあったらどうすんだよ」

村長「心配すんな、猫広がついてる」

勇者「・・・そいつのことえらく気に入ってるみたいだな」

村長「お前だって弱い仲間を引き連れてるわけじゃあないだろう?」

村長「ワシは仲間を信用してるだけじゃ」



何でだよ、褐色エルフもいいじゃねーかよ

―エルフの村―

魔法使い「儀式の道具ってどんなのですか?」ボソボソ

猫広「まあるい金の玉だ」

女戦士「把握」

僧侶「どうやらあの建物の中にありそうですね」

・・・・・・

ダークエルフ側近「正気ですか、ボス」以下、闇エルフ

ダークエルフボス「ああ。あの兵器を使う」以下、闇エルフボス

闇エルフ「しかしボス。あれを使うとニャンコ族は気が狂ったようになってしまいます」

闇エルフ「あの状態は少々酷かと...」

闇エルフボス「ほう、君は私に逆らうつもりかね」

闇エルフ「い、いえそんなことは・・・」

闇エルフボス「いいから君は早く戦争の準備をしてきたまえ」

闇エルフ「・・・やるんですね? 本当に」

闇エルフボス「当たり前だ。でないと我々の好物であるネコジャラシが絶滅してしまうぞ」

闇エルフ「分かりました、皆に呼びかけてきます」

・・・・・・

―天井―

僧侶「とんでもない話を聞いてしまいました」ボソッ

魔法使い「どうやら戦争を仕掛ける気みたいね。おまけに虐殺兵器も用意してるみたい」ボソ

猫広「ッチ」

女戦士「とりあえず、あの闇エルフボスの首をとってきましょうか?」ボソ

猫広「やめておけ。あれは恐らく・・・お前らのリーダーくらいしか倒せん」

女戦士「猫広先輩でも無理なんすか?ボソ

猫広「・・・ッチ。そうだ」

僧侶「では勇者様に伝えてきましょうか?」ボソ

魔法使い「駄目よ。今の勇者様が戦ったら死んでしまう」ボソ

僧侶「ではどうしたら・・・」ボソ

猫広「・・・猫美を呼んで来い。あいつは中々強い」

僧侶「お母さんを?」ボソ

猫広「あいつとなら何とか倒せるかもしれん」

僧侶「分かりました。では探してきます」ボソ

魔法使い「彼女がくるまではどうするんですか?」ボソ

猫広「・・・戦争を止める」

猫広「俺と女戦士が行くから、お前は情報収集だ」

魔法使い「分かりました」ボソ



―村長宅―

勇者「爺さん、暇だ」

村長「我慢せい」

勇者(魔法使いにお粥あーんされたい)

村長「・・・そうじゃちと昔話をしてやろう」

勇者「昔話? いらねぇよ。爺の昔の話なんざ聞きたくもない」

村長「僧侶の父と母の話じゃ」

勇者「・・・へぇ、聞かせてくれよ」

村長「今から丁度、20年前じゃの」

村長「あれは...雨の日の出来事じゃった」

――――――――――――

「参ったな。まさか迷子になるなんて・・・」

「勇者爺も死んでしまい、魔法使い婆は自殺」

「そして今、俺も死にかけている」

「ああ。雨が冷たいなぁ」

「・・・」

(ここまでか・・・)

(次世代の勇者。あとは頼んだ、ぜ)

・・・・・・

村長「人間なんぞ連れてきおって」

猫美「いいじゃない。減るもんでもない」

村長「魔王様が今一番人間を嫌っている時期に・・・」

猫美「こんな魔界の入り口よ? 人間だって迷い込むわ」

「・・・ん」

猫美「あら。起きたみたいね」

「助けてくださったんですか?」

猫美「そうよ、貴方名前は?」

戦士「戦士と申します」

戦士「助けてくださり、ありがとうございました」

猫美「なんであんなとこにいたの?」

戦士「実は・・・かくかくしかじかで」

猫美「へぇ、魔王様を殺そうとする馬鹿がまだいるなんてねぇ」

村長「お前ら凄いな」

猫美「それで? 勝てないからって逃げてきたんだ」

戦士「・・・はい」

戦士「勇者爺が死んでしまってはなんとも・・・」

猫美「へぇ、人間界に戻ったらどうすんの?」

戦士「できることなら、次の勇者と共に戦いたい」

猫美「死ぬかもしれないのに?」

戦士「誰かがやらなければ、被害が広がってしまう」

猫美「ふーん。でもさぁ、本当に魔物が悪いって言える?」

戦士「・・・え?」

猫美「どこかの話じゃ人間が環境を汚染してるって話もあるのよ」

戦士「そうなんですか...」

猫美「例えばさ、共存するとかって出来ないのかな?」

村長「これッ、何を言い出すんだ」

猫美「村長は黙ってて」

猫美「今まではさ、人間が魔物を殺そうとしたり、魔物が人間を食おうとしたりって関係じゃん?」

猫美「そこを・・・こううまく仲良くするとかさぁ」

戦士「……今の勇者は49代目です。つまり魔王が現れて49年が経っている」

戦士「そんなことができるなら誰かがやっている」

猫美「で?」

戦士「はい?」

猫美「そんなの誰も仲良くしようって思わなかっただけかも知れないし、うまくいかなかっただけかもしれないでしょ」

猫美「貴方は仲良くする気はあるの?」

戦士「そりゃ魔物にだって良いやつはいるし・・・爺勇者は認めてなかったけど、できるなら仲良くしたいですよ」

猫美「だったらそれでいいじゃない」

猫美「後はそれを広めるだけよ」

戦士「そう、ですね」

猫美「うん。あ、お腹減った? 何かつくろっか?」

戦士「ではお粥をもらえると嬉しいのですが」

猫美「あいよ、待っててね」

――――――――――――

勇者「それで?」

村長「話しつかれたからちょっと休憩じゃ」

勇者「なんでだよ、これから良いところだろ」

村長「あ~あ。ワシはパンを食ってくるからのぅ」ヨイショ

勇者(魔物もパンを食べるのかぁ)

勇者「にしても、人間と魔物の共存ねぇ」

勇者「思えば親父も似たようなこと言ってたっけ」

勇者(エルフたんとかいるしそれも良いかもなぁ)

―とある倉庫―

女戦士「ああっ! ありましたー金玉みっけぇ」ヒョイ

猫広「でかした女戦士。次は戦争に出るであろう面子を暗殺だ」

女戦士「はい先輩!」




―とある研究所―

魔法使い「ここにありそうなんだけど、兵器」ボソ

魔法使い「勘が外れたわね」ボソ


「ったく闇エルフボスも人使いが荒いなー」

闇エルフ「良いから黙って資料を見せろ」


魔法使い(誰かきたみたいね)カクレル

・・・・・・

闇エルフ「もう使えるレベルにはなっているみたいだな」

「まぁ試行錯誤を重ねた結果ですよ」

闇エルフ「ふん、良くやったと言っておこう」

闇エルフ「それで? 最凶兵器 matatabiはどこにあるんだ?」

「北の倉庫ですよ」

闇エルフ「そうか。後で使うから用意しておけ」

・・・・・・

魔法使い(matatabi? 危険な感じがするわね。早めに片付けましょう)

―ニャンコ村―

僧侶「お母さん?」キョロキョロ

僧侶「どこにいるんだろう」


 ガサガサ・・・

僧侶「ん?」

僧侶「きゃああ、あ・・・」バタッ


「フふふ、人質確保ー」

「では行くかな」

・・・・・・

ニャンパソ~「ふぇえぇええ」←目撃した

―村長宅―

勇者「爺さん、そろそろ続き」

村長「ああ。そうじゃな」

村長「戦士が来て四年後くらいかの」

――――――――――――

猫美「貴方、結局人間界には戻らないのね」

戦士「仕方ないだろ、子供が出来ちまったんだから」

「おぎゃーーおぎゃー」

猫美「ふふっ名前はどうすんの?」

戦士「うーん考え中なんだ」

猫美「まったく。人化した私があまりにも美しいからって、襲ってこなくてもいいじゃない」

戦士「なっ、襲ってきたのは猫美だろう!?」


 カンカンカンカンカンカンカンカン...

戦士「何の音だ?」

猫美「・・・村長のところに行こう。特別警戒のベルだ」

戦士「もしかしてエルフ族か?」

猫美「いや、これは魔王様関係だね」



・・・・・・

戦士「何が起きたんです?」

村長「側近様が来ておられる・・・」

猫美「こんなところにかい?」

村長「目的は恐らく、お前だ。戦士」

戦士「・・・殺しに来たってわけですか」

戦士「53代目の勇者は?」

村長「聞かんでも分かるだろう。殺された」

戦士「・・・ッ!」グッ

戦士「やっぱり共存なんて無理なんだ・・・」

猫美「戦士」

猫美「この子を見てよ。人間と魔物のハーフ」

猫美「私たちの子供」

戦士「ああ・・・」

猫美「私たちは共存できてる」

戦士「……ああ」

村長「きたぞ...隠れろ戦士!」

・・・・・・

側近「やぁ」

村長「これはこれは・・・よくいらっしゃいました」

側近「単刀直入に言う。ここに49代目勇者のパーティであった、戦士がいるはずだ」

猫美「はい。確かに居られましたが、数日前に出て行かれました」

側近「そうか」

村長「・・・」ゴクリ

側近「ところでその腕に抱いてる赤子はなんだ?」

猫美「!」

側近「見たところ、人間と貴様ら種族のミックスみたいだな」

猫美「・・・」

側近「まさか、戦士と交わったなんて言わないだろうね」


猫美「お、お許しください側近様」ドゲザ

猫美「この子はまだ赤ん坊でございます・・・」

猫美「どうか、殺すのだけは・・・」

側近「ふん。まぁ良いだろう」

猫美「あっありがとうございます」





側近「転移魔法」ピュイ

猫美「えっ!?」


戦士(赤ん坊が消えた!? ヤツの魔法か)

猫美「こ、殺さないって言ったじゃないか!」

側近「殺しちゃいないよ。ただ転移させただけさ」

側近「まぁ、転移先がどこかは知らないから、そこで死んじゃってるかもね」

猫美「悪魔ぁ! なんてことするんだい!」

村長(ック・・・)


戦士「貴様! よくもッ・・・」グッ


側近「馬鹿だねぇ。実に愚かだ」

側近「予想通り出てきおった」


戦士「ぶっ殺すッ!」チャキ


側近「『究極火炎魔法』」

 ボオオオオオウン・・・ドオオオオン...



・・・・・・

村長「村が滅茶苦茶だ……」

側近「どうやら戦士は消し飛んだみたいだね」

猫美「なんてことするんだい!」

猫美「死んでしまえ!」


側近「同じ目に遭いたいのかい?」

猫美「ゥウ」ビクッ

側近「ふん。じゃあね、邪魔したよ」


――――――――――――

村長「おしまい」


勇者「バットエンドじゃねぇか!?」

村長「これが真実じゃ」

勇者「まじかよ・・・」

村長「でも続きがある」


勇者「続き?」

村長「戦士は生きとった。戦死してなかったんじゃ」

勇者「・・・」

村長「・・・数年後に手紙をよこしおっての、見るか」ヒョイ

勇者「ああ」ドレドレ


 ニャンコ族の皆へ

 俺は何とか生き残りました。

 近くに居た魔女に「気まぐれ」と言われ助けていただいたのです。

 あれから9年。あの子が生きているならば9歳になっているだろう。

 猫美には悪いけど、人間界に帰らせてもらいました。

 俺は今日、旅に出ます。

 魔王討伐の旅です。

 でも安心してください。

 数年待って、俺と似たような考えを持つ勇者に会えました。

 考えとは、人間と魔物が共存できる世界をつくることです。

 彼の名前は勇者父。

 もしも旅先で出会うことがあるのなら、そのときはお世話になります。

 



 猫美へ。

 会いに行くから必ず待ってろ。

 愛してる。








勇者「って、これ俺の親父じゃねぇか」

村長「そうなのか?」

勇者「ああ、また新たな事実が分かった」

勇者「そうか。親父のパーティには僧侶のお父さんが居たのか」




村長「運命というやつじゃな」

勇者「確かにな。それで? 戦士さんは来たのか?」

村長「いんや。来なかった」

村長「お前の親父はどうしたんじゃ?」

勇者「・・・俺がこうやって旅に出てんだ。死んだよ」

村長「そうか・・・」

村長「ワシは最近分からなくなってのぉ」

勇者「何が?」

村長「何が正しくて、何が悪いのかじゃ」

勇者「まぁ、確かにな」

村長「お前にとっての魔王は悪かの?」

勇者「当然だ。魔王がいなければ親父が死ぬことはなかった」

村長「・・・そうじゃの。ならお前は魔王を討伐するが良い」

勇者「言われなくてもそのつもりだ」

村長「お前の親父と戦士は、人間と魔物の共存を目指しとったがの」

勇者「……魔王はいうなればアンタらの本親だろう。強い魔物はやつが生み出している。アンタらはただ繁栄してくだけだ」

勇者「とりあえずは魔王を殺さなければならない」

村長「それで未来は良くなるのか?」

勇者「俺はそう思ってる」

「戦争だあー」

「エルフが仕掛けて来やがったー」


村長「っく、こんな時に」

勇者「しゃーねぇなぁ。俺が行ってくるよ」

村長「なっ 無理をするな。完治しちゃおらんだろう」

勇者「……爺さん、勇者を信頼しろ」

勇者「心配しなくてもアンタの無駄話で疲労は回復したよ」

村長「まったく・・・人間って種族は」

勇者「剣、貸してくれ」


―エルフの村―

女戦士「姉御!」

魔法使い「どうやら始まったみたいね」

猫広「ッチ、猫美はまだか」

魔法使い「僧侶、遅いわね」

猫広「とりあえずニャンコ村を守るぞ」ダッシュ

魔法使い「私は兵器とやらを破壊してくるから、女戦士は勇者様のところへ行ってきて」

女戦士「了解っす」





―ニャンコ村―

勇者「うらッ」ザシュ

勇者「ふんッ」ザシュ

勇者「くそっ、頭がふらつく・・・」


ニャンパソ~「ふえぇええ」トオセンボ

勇者「なっなんだ?」

ニャンパソ~「ふえぇえぇ」ウッタエカケル

勇者「分からねぇよ」


猫太郎「ふむ。僧侶がさらわれたと言っている」


勇者「そうなのか!?」

ニャンパソ~「ふぇえええ」


猫太郎「あっちだそうだ」


勇者「分かった、ありがとう」


ニャンパソ~「気にスンナ」


勇者「えっ」


ニャンパソ~「・・・」

ニャンパソ~「ふぇええ」

とりあえずここまでにして寝ます

今回の勇者はマジメだった・・・はず

乙だ

おつ



何言ってんだ。勇者はいつだってマジメに変態やってるんじゃないか!

―エルフの村―

闇エルフボス「侵入者ですか」

「はい、北倉庫の辺りをうろついておりました」

闇エルフボス「そうか、ご苦労だった。持ち場に戻ると良い」


魔法使い「・・・私をどうするつもりですか」

闇エルフボス「とりあえずは人質だ」

魔法使い「……離した方が身のためですよ」

魔法使い「私は勇者パーティの一員ですから」

闇エルフボス「勇者?」

闇エルフボス「なんだ、勇者か・・・はっはっは」

魔法使い「何がおかしいんですか?」

魔法使い「言っておきますけど、勇者様は強いですよ」


闇エルフボス「んー。どれほど強いのかは知らん」

闇エルフボス「そして、今何代目なのかも知らん」

闇エルフボス「けどな、私は過去に勇者を4人は殺してる」


魔法使い(!?)

闇エルフボス「ははっ楽しくなってきたぞ」


闇エルフボス「今宵は血祭りだ」



勇者「はて、そううまくはいくかねぇ」


闇エルフボス「!?」

魔法使い「勇者様? な、何故ここに!?」


勇者「何故も何も・・・勇者だからな、悪者を倒しに来たんだ」

勇者「にしてもアンタ。うちの僧侶をどこへやったんだ」


闇エルフボス「フフッ。私は知らんよ」

魔法使い「戦ってはいけません! まだ全快ではないでしょう!」

勇者「心配すんな。こんな他よりちょっと強いだけのエルフ・・・今の俺で十分だ」

闇エルフボス「言ってくれるなぁ」


魔法使い「でもっ・・・」

勇者「行けよ魔法使い。なんか知らんが危険な兵器があるんだろ?」

勇者「僧侶は行方不明だし、女戦士は前線で戦ってる」

勇者「もう魔法使いしかいないんだ。行ってくれ」

魔法使い「・・・」

勇者「信頼できるからパーティだろ?」

魔法使い「!・・・行ってきます!」タタッ





闇エルフボス「良かったのか? 彼女が居れば、まだ、私に勝てたかもしれんのに」

勇者「悪いが俺はな、白いエルフだと思ってたのに黒いエルフだったことに腸が煮えくり返るほど怒ってんだ」

勇者「しかも、お前は男ときた」

勇者「なんなら今度からはダークエルフの村と名乗れ。そしてニャンコの連中にはエルフではなく、ちゃんとダークエルフと言わせろ」


闇エルフボス「・・・君はどうやら、勇者の中で一番クレイジーなやつとみた」


勇者「いいとこついてるが……おしい」

勇者「俺はただ、」


勇者「ヘンタイ紳士なだけだ!!」チャキ









これだから童貞は…

闇エルフボス「くははっ、面白いヤツだ」

勇者「だろ?」シュッ

闇エルフボス「ああ、殺しがいがあるよ」ヒュン


 バキイィン・・・

 ヒュンヒュン・・・・・・ザクッ

勇者「……嘘だろ」

闇エルフボス「悪いがこの刀は特別製でねぇ」

闇エルフボス「並みの剣じゃあすぐに折れてしまうんだよ」


勇者「っく、チクショウ」

勇者(また剣が折られちまった・・・)

勇者(女戦士の剣ならまだ戦えたかもしれねぇが・・・)


闇エルフボス「さぁ、どうする?」

勇者(流石に魔法を使っちまうと次は持たねぇな・・・)

勇者(魔法使いにカッコつけといてなんてザマだ、なさけねぇ)ガクッ










猫広「挫折する前に、できるだけ戦えよ勇者」


勇者「猫広? アンタなんで・・・」

猫広「よぉ闇エルフボス。お前らの兵士は全員倒しちまったぜ」

闇エルフボス「なに!?」

勇者「すっげぇな・・・」

猫広「ッチ。お前のとこの女戦士が思いの他強かったんだよ」




闇エルフボス「そうか。ははっ、だが問題ない」

猫広「あん?」

闇エルフボス「我々にはまだ最終兵器がある」

猫広「ああ、matatabiとかいうやつか。それなら魔法使いが壊しに行ってたぜ」

勇者(matatabi?)

勇者「って、マタタビ!?」


闇エルフボス「悪いがもう、起動済みだ」ニヤリ


勇者(マタタビってあれだよな・・・昔本で読んだやつ)

勇者(起動済み? ってことは今頃村は・・・)

勇者「パーリィナイット!?」

猫広「お前、さっきからどうした」

猫広「邪魔をするなら村に戻れ」

勇者「分かりました。後はお任せします」ダッシュ

猫広「っておい!?」

猫広「・・・」


闇エルフボス「さしずめ村魔物を守りに行ったってとこか」

猫広「絶対違う」


闇エルフボス「それよりどうするんだ? お前じゃ私に勝てんぞ」

猫広「ッチ。自惚れんな、俺だって強くなってる」

闇エルフボス「ははっ。今回は猫美は助けてくれんぞ」

猫広「...分かってるさァ!」


――――――――――――

―数年前―

「いててぇ」

猫美「まったく、勝てないと分かっててなんで挑むんだか」

猫広「お前は凄いよ。戦士が居なくなってから体を鍛え始め、今じゃ俺より強いんだから」

猫美「へぇ、貴方人を認めれたんだ」

猫広「ッチ。当たり前だ、戦士のことだって認めてた」

猫美「過去形かい?」

猫広「今だって認めてるさ」

猫美「・・・ま。今後アイツには挑まないことだね」

猫広「ッチ、でもなァ。あの闇ダークエルフは絶対、悪巧みしてるぜ」

猫美「ならせめて強くなってから挑みなさい」

――――――――――――

猫広「あんときの俺よりは、倍は強くなってんだ!」シュッ

闇ダークエルフ「それじゃ駄目だ」ヒュン

闇ダークエルフ「私は四倍は強くなってる」キンッ

猫広「っく」キンッ


闇ダークエルフ「あきらめろ」ザシュ

猫広「ぐァっ!」


闇ダークエルフ「っ」ザシュ

闇ダークエルフ「ッ」ザシュ

闇ダークエルフ「!」ザシュ


猫広「」


闇ダークエルフ「分かったか? これが実力の差だ」



猫広「ま...だ、まだ」ヨロヨロ

闇ダークエルフ「へぇ、よく立ってられるもんだ」


――――――――――――

「っぐす...ばか...ホントは生きてるんでしょ?」


猫広「・・・猫美?」

猫美「!」ゴシゴシ

猫美「恥ずかしいとこみせたね」

猫広「戦士のこと思ってたのか?」

猫美「...まぁね」

猫広「あいつが居なくなって、もう6年だな」

猫美「・・・ええ」

猫広「涙を流せるってことは、それだけ思ってるってことだ」

猫広「なんなら俺の胸に飛び込んでないても良いんだぜ? ほら、もふもふするか?」

猫美「...うん」モフモフ


猫広「おおう!」ビクッ

猫広「どうした!? 素直で怖いわっ」


猫美「たまには誰かに甘えたいわよ」

猫広「・・・」

猫広「ならいつでも甘えて来い。戦士が帰ってくるまで、俺がお前の柱に・・・支えになる」

猫美「貴方が...?」

猫広「ああ、それまでは何があっても倒れねえよ」

猫美「ふぅん。ならせめて私よりも強くなってよね」

猫美「それと、アンタのこと好きじゃないから」

猫広「お、んなことは分かってるよ」

猫広「お前は戦士のモンだ。そうだろ?」

猫美「違うね。戦士がわたしのものなの」

猫広「っへ。そうかい」


猫美「まぁ・・・貴方のことは尊敬してる」

猫美「だから、絶対に居なくならないでね」


猫広「わぁってるよ」

猫広「俺はお前の第二の柱だからな」


猫美「そんな言い方したら私が不倫してるみたいじゃないか」

猫広「・・・」


――――――――――――


猫広「あたりめぇだ。俺には意地ってもんがある」

闇ダークエルフ「ならば、立てないように殺してやろう」チャキ

猫広(言っても正直限界に近い・・・)

闇ダークエルフ「今度こそ、死ねぇ!」

猫広(悪いな猫美。どうやらこれまでのようだ)


 ギインッッ...!


勇者「頑張ったなぁ。猫広」

闇ダークエルフ「な...」

猫広(っへ、勇者の野郎)ドサッ

勇者「少し休んどけ」

あれ、いつからか闇エルフボスが

闇ダークエルフになっとる・・・

闇エルフボスがより悪く強くなって、

闇ダークエルフになったってことにしといて

闇ダークエルフ「何故戻ってきた?」

勇者「なぁに特別製の剣を取りに行ってただけだ」

勇者(ニャンコ村行こうとしたけど、猫広が心配になったなんて言えない)

勇者(だって、俺はヘンタイ紳士だから・・・!)

勇者「うらぁ!」ブンッ

闇ダークエルフ「ふんっ」ギイン

勇者「てぁッ」ヒュン

闇ダークエルフ「ちィ」キイン


勇者「しゃッ」ビュン

勇者「セヤッ」バッ

勇者「ッツ」ザシュ


闇ダークエルフ「ッィ(バカな...私が防ぐことで手一杯になるなど・・・)」


勇者「っふっ」ドシュ

勇者「らぁ! (イケる、倒せる)」ヂュス


闇ダークエルフ「...ッ」キインッ


 キイン...ギイン...ドシュッッ


闇ダークエルフ「」バタ


勇者「」


勇者(あい、うち)ドサッ


猫広「・・・ぃや、お前の勝ちだ。勇者」

猫広「・・・」ヨイショ

猫広「いてて。ッチ。帰るぞ」ユウシャヲダッコ


―ニャンコ村―

魔法使い「はぁ、本当に良かった」

猫美「ええ。私が先にエルフの村に忍び込んで、matatabiに中和剤を打ち込んでおく・・・うまくいったわ」

猫太郎「これで我々の完全勝利になったのか」

ニャンパソ~「ふえぇ」

猫美「ところで、僧侶はどこだい?」

魔法使い「ああ。女戦士が見つけてくれました」

僧侶「ども~」

猫美「あら、どこに居たの?」

僧侶「エルフに誘拐されたんですけど、魔法で眠らせて逃げてきました」ドヤ

猫美「あら、凄いじゃない」

魔法使い「! 勇者様です!」


猫広「・・・」←人に化けて、勇者を抱っこ

猫美「あらあら。二人ともボロボロじゃない」

女戦士「師匠ー先輩ー。ご無事でなにより」



村長「・・・流石は勇者か」


村長(やつなら魔王までたどり着けるやもしれん)


勇者「zz・・・」スヤスヤ

―数日後―

勇者「まったく。酷い目にあったぞ」

魔法使い「まぁまぁ、儀式が始まりますよ」


村長「これより、力の儀式を行う」

僧侶「・・・」ゴクリ

村長「これによりお前は賢者レベルにまで成長する」

勇者(僕もあることで賢者になれるんですよ)

村長「覚悟はいいか?」

僧侶「・・・」コクリ


村長「では。はじめる」



村長「にゃんぱす~」テヲアゲ

猫太郎「にゃんぱす~」

猫広「・・・にゃんぱす~」

猫美「にゃんぱす~」

ニャンパソ~「ふぇええぇ」

「「「にゃんぱす~」」」


魔法使い(何だこれ)


女戦士「にゃんぱすU」

勇者「にゃんぱす~^^」


 ドオオオオぉオオオオオオオオオオオン


 ピカアアア・・・

俺も賢者になれます!

僧侶「うわわっ力がみなぎって来る」ドオオ

女戦士「みなwぎっwってwきたwww」

勇者「ふぇえぇ」


・・・

村長「これで終了じゃ」

僧侶「凄いです・・・」

村長「予想外に強くなったのぅ」

村長「補助魔法で言えば側近以上じゃな」

魔法使い「側近って・・・あの側近さんですか?」

村長「しっとるのか?」

魔法使い「ええ、まぁ。私の師匠です」

村長「なんと・・・」

勇者「うおー凄いな僧侶」

僧侶「えへへ」ドヤ


猫太郎「じゃあ、このまま山を降りると、鬼の町があるから」

女戦士「怖そうな町っすね」

猫美「鬼の町かぁ。いいなぁ、温泉入りたい」

女戦士「なんすかそれ」

猫美「知らないの? お肌に良くて、疲労回復効果もあるのよ」

猫美「確か・・・混浴だったかしら」

勇者「!?」


・・・・・・


猫美「じゃあ気をつけてね」ギュッ

僧侶「はい」ギュウ

僧侶「また来ても良いですか?」

猫美「当たり前よ。ていうか帰ってきなさい」


魔法使い「お世話になりました」

女戦士「またねっす」

猫広「死ぬんじゃねぇぞ」


村長「バカ勇者よ。無謀と勇気は違う。そこは間違えるなよ」

勇者「分かってるよ」イソギ

勇者「それより皆、次の町に出発だぁ!」イソギイソギ


僧侶・魔法使い・女戦士「「「おー」」」



続きは書けたら夜に、ということで



猫広がもう猫ひろしで
再生されていくんだが
どうしよう

おつ

>>197
あんなゴミと一緒にするな

>>198
ゴミのこと猫ひろしっていうのやめろよ!!!

未だにまとまな剣もってねえよこの勇者

持ってるだろ
立派なモノを!!!

>>201
ほう、君の立派な剣も見てみたいな

ゾワゾワゾワ
怖いよ

おt

―道中―

魔物「ピぎー」

勇者「ほわちゃあ!」ドゴッ

魔物「」


女戦士「素手で魔物を倒せるのは師匠くらいっすね」

僧侶「勇者様ー怪我されてませんかー」

勇者「大丈夫だ!」

魔法使い「なんか今日の勇者様、すごい気合ですね」


勇者「ほぁたああああ」ドゴ


勇者「ほあたたたたたあああ」ドゴ


勇者「ほおおおおッッ」ドゴ


勇者「おおおおおおおわったあああああ」ドゴオン



魔物(魔王様。ドーテーというのは未知なる力を秘めているのやもしれませぬ)

魔物(我々に足りないものがあるとするのならば、それは)



勇者「ひゃっはあぁあああ」

魔物(強い、探究心でしょうか)


―鬼の町―

魔法使い「ここが鬼の町ですか」

勇者「とりあえず、暗くなってきたし宿行くべ」



女戦士「んーなつかしいっすなー」

僧侶「? 来たことあるんですか?」

女戦士「いや、来たことはないけど知り合いに鬼さんがいましてね」

僧侶「へぇ。凄いですねぇ」

女戦士「まぁそいつ、死んじゃったんですけど」

僧侶「・・・ガチ?」

女戦士「yes」

―宿―

勇者「おっす、皆さん」

勇者「えー、最近ですねぇ。私は仲間達の部屋に入っていません」

勇者「というか鍵が掛けられているので諦めました」

勇者「でも!」

勇者「今回ですねー、なんと・・・風呂が混浴らしいのですよ」

勇者「ええ、鬼の町...最高です」

勇者「とりあえず今の時刻は午後6時ですか」

勇者「まぁすることは一つですわな」






勇者「今から営業終了までの9時。つまりは3時間を風呂場で過ごす」

・・・・・・

勇者「ひゃっはー」ザブン

勇者「いや~温泉あったかいねぇ」ヌクヌク


勇者(いかんいかん。これでは3時間も耐えられんじゃないか)



勇者「・・・」ヌクヌク

勇者「・・・」ヌクヌク

勇者「・・・」ヌクヌク


勇者「はぁ・・・」ホッコリ




―女部屋―

僧侶「え! じゃあその鬼さんのことが好きだったんですか?」

女戦士「ま、まぁ」テレテレ

僧侶「良いですねぇ」

僧侶「なんかこういうガールズトークってやつ初めてじゃないですか?」

魔法使い「...そうね」

魔法使い「・・・貴方は好きな人いるの?」

僧侶「えぇ~今はいませんねぇ」

女戦士「今は?」

僧侶「ああ。もちろん誰かを好きになったってことはないですよ」

僧侶「ただ・・・」

魔法使い「ただ?」


僧侶「勇者様がカッコいいかなって」


女戦士「あぁー師匠は逞しいですからねぇ」

魔法使い「・・・そうね」

僧侶「なんていうか、たまに見せる優しさ?」

女戦士「分かるっす。でも顔が^^になってますよねぇ」

僧侶「あはは、この前なんかそれでニャンパソ~ちゃん泣かしてたもんね」


魔法使い(皆よく見てるんだなぁ)


その^ ^は抜作先生のアレでしょうか

魔法使い(私はどうなんだろう・・・)

魔法使い(最初のほうで出会ったおばちゃんに勇者様のこといわれて...)

魔法使い(それでだんだん意識しちゃって……)

魔法使い(最近なんかは勇者様のことを考えると顔がにやけて・・・)

魔法使い(これじゃまるで...)



僧侶「それで~魔法使いさんは好きな人いるの?」


魔法使い「わっ私!? いるわけないじゃない。魔王討伐って危険な旅なのよ? 恋愛なんかに興味ないわ」

魔法使い(そうよ。こんな感情持ったって彼の重荷になるだけだわ)


僧侶「その反応」

女戦士「実に怪しい」


魔法使い「えっ」


女戦士「姉御ッ! 誰かいるんでしょう? ズコバコ突かれたいと思う人がっ!?」

魔法使い「なっ居ないってば」カオマッカ


僧侶「ほう。言わないと言うのなら」

女戦士「奥の手を取るのみ」ギロ

魔法使い「な、何よ」



・・・


僧侶「こちょこちょ~」クスグリ

女戦士「はぁっはぁっ」クスグリ


魔法使い「らめぇ//それ以上はっらめなのぉ//」





魔法使い「おっかしくなるぅうう//」ビクビク


僧侶「イったらやめるわよ」コチョコチョ

女戦士「ここがええんやろ!?」クスグリ

魔法使い「いっ言うから許してぇっ」


魔法使い「きちゃううっなんかきたぅのぉ!//」ビクビク


僧侶「いい加減にイったらどうだい!?」クスグリ



魔法使い「わっ私はぁ! ゆしゃ...んっ様がきぃ//」ビクビク


女戦士「聞こえんわい!」クスグリ


魔法使い「はぁっはぁっ」




僧侶「さっさとイって、楽になっちまいなぁ!」コチョコチョ












魔法使い「私はぁんっ勇者様が好きれすぅううう//」ビクンビクン

―温泉―

(俺は今、何をしているんだ?)

(どうして死にそうになってんだよ...)


(いや・・・このまま死ぬのも悪くねぇかもなぁ)

(頭がボーッとしてきやがる)

(魔法を使った後のようだ・・・)

勇者「あと...一時間、か」バタッ

(悪りぃ、みんな)

(俺はたぶん。ここで死ぬ)

(最後に・・・皆の姿を拝みたかった・・・)



 ガラガラガラガラ


勇者「!?」

(か...神様っ! 俺の、皆の願いを聞き入れてくださったのですね)


勇者「この...球の、すべ、てに感・・・謝しま、す」カオヲアゲル


(きっと、天使が――きれいな女神がいるんだろうな)

・・・・・・

「あのっ大丈夫ですか?」

勇者(...ん)

「私が入ったとき、丁度あなたが倒れたんですよ」

勇者(ここは・・・女神の膝の上...?)

「きっとのぼせてしまったのでしょうね」

勇者「もう、悔いはない」

「? 何を言ってるんですか」


勇者(あれ。こんな妙に高い声の女性がうちのパーティに居たか?)

勇者(それに仲間なら俺のことを勇者と呼ぶはずだ)


「しっかりしてください」


勇者「うっ(顔が見たい!)」

勇者(なぜ瞼が開かないんだ・・・)


「……人工呼吸とかしたほうがいいのかしら」


勇者(そうだ。まるで体が拒否反応を起こしているみたいに・・・)

勇者(何かが...本能が目を開けるなと言っているんだ)

「あのっ、しますよ?」


勇者(……悪いな、俺。このまま光が見えないようなら、きっと俺は一生後悔する)


・・・・・・

「あのっ大丈夫ですか?」

勇者(...ん)

「私が入ったとき、丁度あなたが倒れたんですよ」

勇者(ここは・・・女神の膝の上...?)

「きっとのぼせてしまったのでしょうね」

勇者「もう、悔いはない」

「? 何を言ってるんですか」


勇者(あれ。こんな妙に高い声の女性がうちのパーティに居たか?)

勇者(それに仲間なら俺のことを勇者と呼ぶはずだ)


「しっかりしてください」


勇者「うっ(顔が見たい!)」

勇者(なぜ瞼が開かないんだ・・・)


「……人工呼吸とかしたほうがいいのかしら」


勇者(そうだ。まるで体が拒否反応を起こしているみたいに・・・)

勇者(何かが...本能が目を開けるなと言っているんだ)

「あのっ、しますよ?」


勇者(……悪いな、俺。このまま光が見えないようなら、きっと俺は一生後悔する)




神「私だ」

これは┌(┌^o^)┐かな

「で、では」ゴクリ

勇者(なぁ。なんで勇者が勇者って呼ばれてんのか知ってるか)

勇者(勇者はな、昔から先頭に立ち、闇を切り裂いてきたんだ。)

勇者(それは勇気のある者にしか勤まらない)


勇者(おい、思い出せよ)

勇者(お前は何のために勇者になったんだ?)



勇者『俺は魔王を殺して、魔物滅ぼして、国王になる』

勇者『親父の敵を取るため。不幸な人を増やさないため』



勇者(ここで死ぬような雄じゃあないはずだ、俺は)

勇者(魔法使いが、僧侶が、女戦士が待っている)



勇者『案外、人間と魔物の共存も良いかもな』

勇者『魔王を殺すことは、新たな未来に繋がる』




勇者(起きろ。自分!)



 カッ...

・・・

勇者(この世はとても醜い)

勇者(壊してやりたいくらいに醜く汚い世界だ)



勇者(あの時の村長の言葉、やっと分かったよ)


勇者(無謀と勇気は違う。)

勇者(俺は...ただのバカだ)


勇者(ごめんな。お前が気絶した理由が分かった)

勇者(現実を受け入れたくなかったからなんだな)


勇者(なのに俺はそれを無理やり……)



勇者(もう、殺してくれよ)

おいどうしたwwwなにがあったwwww

――――――――――――

―数年前―


勇者『父ちゃんっ・・・』グスッ

勇者父『どうした...ってまたいじめられたのか?』

勇者『・・・』コクリ

勇者父『そうか。そんなんじゃあ勇者にはなれないな』

勇者『! ...』グッ


勇者父『勇者。闇と戦え。それが先頭に立つものとして、やらなければいけないことだ』

勇者『だって……』


勇者父『母ちゃんのことでいじめられたんだろ』

勇者『う、ん』

勇者『俺に...母ちゃんが居ないから・・・』


勇者父『勇者。お前の母ちゃんはな、自分が死に掛けてるっていうのに頑張って、頑張って、それでやっとお前を産んだんだ』


勇者父『あいつはいっつもこう言っていた。』


『こんな屑みたいな世界にも希望がある。でも、希望を掴むためには戦うことが必要なんだ。自分の力で立ち向かうしかない。どうしても生き残りたいのなら』


勇者父『お前はどうなんだ?』

勇者父『いじめられたら、死ぬのか?』

勇者『!』クビヲヨコニフル


勇者父『そうだよ、それが当たり前だ。なら、どうするんだ?』


勇者『た、戦う! ボコボコに殴ってやる』


勇者父『ああ。勇者としていい回答だ。一言余計だがな』

勇者父『結局は生きるも死ぬもお前しだいなんだ、勇者』


勇者父『余裕のないときは相手のことなど考えるな。ただ思いっきり右手で殴れ』


――――――――――――


勇者(・・・)


勇者(・・!)

勇者(・!!)

勇者(!!!)





勇者「ウがアアアアアアアアァァアアアアアアアアァァァアアアア!」


 ボゴオッ

ゲイブスキモ子「ぶべらっ!?」

まってる

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\    ベイベベイベベイベベイベベイベベイベ

  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   ベイベベイベベイベベイベベイベベイベ
  |     |r┬-|     |
  \____`ー'´____/
     (( ( つ ヽ、

       〉 とノ ) ))
      (__ノ^(_)

       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \     アンドゥットウベンデラデレデンデケ
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \   ボンベンベケベケデンデケデケドン
  |     (__人__)    |
  \____` ⌒´____/
     (( ( つ ヽ、

       〉 とノ ) ))
      (__ノ^(_)

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\    ベイベベイベベイベベイベベイベベイベ

  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   ベイベベイベベイベベイベベイベベイベ
  |     |r┬-|     |
  \____`ー'´____/
     (( ( つ ヽ、

       〉 とノ ) ))
      (__ノ^(_)

ゲイブスキモ子wwwwwwwwww

勇者「ハッハッハッハッハ(っく、もう少しで唇が当たるとこだったじゃねぇか)」


ゲイブスキモ子「」


勇者「っち」


勇者「親父、勝ったぞ」



勇者「胸を張って言える」


勇者「俺は・・・!」







勇者「勇者だァああ!」

さすが紳士もとい勇者!!

〈魔王城〉

側近「! 魔王様・・・」



魔王「……分かっている。」


側近「どうやらやつは鬼の町にいるみたいです」


魔王「ああ、とてつもない波動を感じた」


側近(今の波動は魔王様並だった...あの小僧、一体何をしたんだい!?)

側近(やはり、船で殺しておくべきだった・・・)

側近(まさか魔界全域に伝わるほどとは・・・)



魔王「我々の計画を早めねばならん」


側近「御意」



魔王「...それにしても初めてだな」


側近「ハッ?」

魔王「今の勇者は何代目だ?」

側近「え、ええと・・・」



魔王「まぁ良い。今回の勇者は強敵だということだ」

側近「どういたしましょうか?」



魔王「ふむ。少し考えさせてくれ」


魔王「なにしろ初めてのことだからな」





魔王「『覚醒』した勇者は」




もう寝ますね。

朝に起きれたら朝から書きます。

おつおつ



まさか魔法使いとして
覚醒したのか…

こんな方法で覚醒とかありかよwwww
覚醒というか悟りの境地な気がするな

―一方―

魔法使い「さっきのはやりすぎですっ」

僧侶「ごめんなさい」

女戦士「反省してます・・・」


僧侶「気を取り直して、温泉行きましょ? あと40分しかないですよ」

魔法使い「・・・分かったわ。さっきのことは絶対に話しちゃ駄目よ」


「あれ・・・女戦士」


女戦士「……鬼人(おにひと)...」


僧侶「知り合いですか?」


鬼人「なんでお前、こんなところへ・・・」

女戦士「鬼人こそ、死んだはずじゃあ・・・」


僧侶「えっもしかして好きだったって言う」

魔法使い「僧侶、温泉行くんでしょ」

魔法使い「女戦士。先に行ってるわね」

女戦士「はい(お気遣い、ありがとうございます)」




女戦士「それで、どういうこと」


鬼人「...すまない、ちょっと来てもらってもいいか?」

―草むら―

勇者「ったく、酷い目にあったぜ」

勇者「ん?」


勇者(あれは・・・女戦士と、鬼?)





・・・

女戦士「・・・何年前か忘れちゃったけど、あんた戦争に行ったでしょ」

鬼人「ああ」

女戦士「僕はそのときにあんたは死んだって聞かされた」

鬼人「僕?」

女戦士「...あんなたが死んでから強くなろうと思って戦士になったんだ」

女戦士「今の・・・パーティの人と出会ってからは、男のように強くなろうと僕って言ってる」

女戦士「そんなことより、今までどうしてたのよ」



鬼人「・・・ああ、全部話そう」




鬼人「七年前、お前が10歳のときか。俺は15歳で戦争に行かされた」

鬼人「鬼と魔王軍の戦争にだ」


鬼人「元々鬼は人間と仲が良かったからな。それがどうも気に入らなかったらしい」



鬼人「・・・戦争はひどい有様だった」



鬼人「草木は有毒なもので枯れ、同じ仲間はたくさん死んだ」


鬼人「多くの血が流れた」


鬼人「俺は怖くて逃げ出したんだ」

鬼人「必死に逃げて、俺は生きた」


鬼人「しばらくして俺たちの長は魔王と条約を結んだ」

鬼人「それで俺たちは今を平和に過ごしている」



女戦士「西の町に戻ってくれば良かったじゃない・・・」


鬼人「条約の内容は人と出会ったら殺せってものだ」

鬼人「戻ることはできなかった・・・」

女戦士「そんな...」


鬼人「お前らも早くこの街から出たほうが良い。今は宿の親父は泊めてくれるだろうが、」

鬼人「この先の町は誰も泊めてくれる奴なんていない。・・・人間界へ戻れ」


女戦士「それは・・・無理よ」

鬼人「なんでだ? 俺はお前に長生きして欲しいんだ」

女戦士「...僕は勇者パーティの一員だから」

鬼人「なっ!?」

女戦士「・・・じゃあね」



鬼人「ま、待てよッ!」


鬼人「俺はお前が好きだった!」

これは!戦士さんが
人妻になるフラグか

女戦士「・・・私も好きだった」


女戦士「でも! 僕はししょ・・・勇者様を裏切れない」

女戦士「邪魔をするなら、お前を切る」

鬼人「...お前になら切られても良い」

鬼人「この町はもう駄目だ。」


鬼人「この町の町長が死んで、新たに魔王の下からミスターXというやつが町長になった」

鬼人「どうやら近々人間と戦争を起こす気らしい」

女戦士「なに!?」


鬼人「なぁ。俺と一緒に逃げないか?」

女戦士「えっ?」

鬼人「・・・悪いが勇者はこの先で必ず死ぬ」

鬼人「あまり魔物を舐めないほうが良い」

鬼人「その勇者に付いて行くというのなら、お前も死ぬぞ」


女戦士「……違う。お前こそ人間を舐めるなッ」

女戦士「彼は強い。僕よりも遥かに強い」

鬼人「これは脅しじゃない、頼む。」


鬼人「一緒に逃げよう?」


 ガサガサ・・・

勇者「悪いがナンパなら別の人にやってくれ」


女戦士「あっ・・・」

鬼人「……お前が勇者か」


勇者「ああ。悪いが彼女は俺のもんだ。アンタに渡すわけにはいかない」


鬼人「今の話を聞いていたのだろう? お前はこの先で必ず死ぬ」

勇者「死なないさ。縁起でもないこと言うな」

鬼人「いいや、お前は死ぬ」

鬼人「ドラゴン、イエティ、ゴーレム...世界は多くの魔物で一杯だ。支配されてんだよ」

勇者「だから奪い返しに行くんだろ」


鬼人「お前は分かっていないからそんなことが言えるんだ」

鬼人「人間はこの先、死んでいく」

鬼人「できて奴隷として生きるくらいだ」


勇者「じゃあ何故、女戦士を連れて行く?」

勇者「そんなクソみたいな未来なら女戦士は悲しむだけだぞ」


鬼人「・・・仕方ないだろ...俺だって共存の道を探してたさ!」

鬼人「でも・・・魔物は強すぎる」

勇者「勝てないから逃げる。」

勇者「それじゃ未来は変わらない」


鬼人「・・・せめて、女戦士を人間界へ送ってくれ」

鬼人「彼女の変わりに、俺がお前の仲間になる」


勇者「……()」

勇者「駄目だ」

勇者「大切なのは力じゃねぇ。信頼関係だ」

勇者「俺は安心して背中を任せられるやつを仲間にしたい」

勇者「お前じゃ俺は強くなれない」


鬼人「女戦士を殺す気かよ」


勇者「馬鹿かアンタ。どうしてそうなる」

勇者「仲間は決して死なせない」


鬼人「...ああ、そうかい。じゃ好きにしな」

鬼人「さっさと魔王のところへ行くが良い」


勇者「いや、その前にすることがある」

鬼人「あ?」

勇者「どうやらこの町の町長が悪巧みしてるらしいんでな」


勇者「それをぶっ潰してくる」

―次の日―

ガヤガヤガヤガヤ

「おい、聞いたか」

「ああ。町長のとこに入った侵入者がいるんだろ」

「おうおう、あっさり捕まって明日処刑らしいぜ」

「にしても他所からの泥棒か? だったらついてなさ過ぎるぜ」

「まぁ町長のところに忍び込むくらいだからな。余程の大馬鹿だな」



魔法使い「で、それが勇者様だっていうのは本当なの?」

女戦士「はい...」

鬼人「あの馬鹿」

僧侶「助けましょう!」グッ

―監獄―

勇者「Xさまぁああ」

「それで、貴方はなにを盗もうとしたのです?」

勇者「それはあぁああ。貴方の心です」

「ふざけているのかしら?」

勇者「いえ」キリッ

「やっぱり処刑を早めましょうか」

勇者「Xさまああああぁあぁ」

「うるさい、豚」

勇者「ぶひいいいいいい」

勇者wwww

「はぁ。貴方、何者?」

勇者「そうですね。勇気のある者...勇者と呼んでいただければ」

「嫌よ。豚に名前なんて要らない。そうでしょ」

勇者「はい。仰るとおりです」

「・・・鞭で拷問でもしましょうか」

勇者「是非!」キラキラ

「きもい」

勇者「」

「はぁ。大人しくしてなさい」

ガチャン


勇者「・・・」


・・・

勇者「ふぅ・・・」

―監獄所前―

女戦士「夜になった」

魔法使い「忍び込むなら今がチャンスよ」

鬼人「あれだけ言っておいて捕まるってどうなんだ」

僧侶「行くぜよ」タタタッ



・・・


「ぶひいいいいいい」


僧侶「な、なんでしょうか今の声は」

魔法使い「家畜の鳴き声なんじゃないの?」

・・・・・・

勇者「ぶひひいぃ」

「あら、良い声ね」

勇者「ありがとうございますぅ」

「・・・豚が喋るの?」パアン

勇者「ぶひぃぃぃ」

「それでいいのよ」パアン



勇者「ぶっひいいい(気持ちええ)」


勇者(でも俺は何をやっているんだ?)

勇者(これじゃあまるで・・・)



勇者(か ち く みたいじゃないかッッ!)


「ふんっ」パアン


勇者「ぶひはぁひぃ」


勇者(もう、いいや)


勇者(欲に溺れる)

・・・・・・

僧侶「いませんねぇ」ボソ

女戦士「鬼人は天井から見るって言ってました」


・・・

ガタッ


「あら?」

勇者(天井から、音?)

勇者(まさか仲間が!?)

勇者(やっべ、こんなとこ見られたら軽蔑もんだぞ・・・)


「鼠かしら」


勇者「誰かぁあああ助けてくれえええ!」

勇者「拷問だああ!」


勇者「殺されるぅううう!」

「ちょっ貴方」

・・・

     「殺されるぅううう!」


魔法使い「勇者様の声ですっ!」

僧侶「拷問!? 早く行きましょう!」

・・・・・・

「汚いぞっ!」

勇者「助けてえええええ」


ガタッ

スタッ


鬼人「・・・」


「あら、鬼人じゃない」


鬼人「お久しぶりです。ミスターX」


「なに? この豚の知り合いなの?」

鬼人「・・・」

勇者「おい! 誰が豚だ! 俺は勇者だぞっ」

女戦士「師匠!」

魔法使い「勇者様っ!」

僧侶「無事ですか!?」


勇者「あ、ああ。大分痛むが平気だ」


「なるほど、皆さん集結ということで」


女戦士「あんたっすか! 師匠をこんなにしたのはっ」


「ええ。でも喜んでたわよ」

勇者「誰が喜ぶか! 拷問されたんだぞ! 鞭で叩かれたんだ!」


「気持ちよくはなかった?」

勇者「当たり前だ!」

「本当にッ?」

勇者「・・・」

「本当に?」


勇者「あっ当たり前だぁ・・・」

「・・・そういえば貴方。なんで入ってきたんだっけ?」

勇者「お、お前の悪さを止めるためだ!」

「あら、悪さって戦争のことかしら」

勇者「そうだ。今すぐにやめるんだ」

勇者「やらないのならアンタを殺す」

「へぇ。面白い冗談ね」

勇者「本気だぞ」

「・・・良いわ、殺しなさい」

「私は何もしていないけれど、殺しなさい」

勇者「・・・」プルプル


「早く、殺しなさい」


勇者「っち」プルプル



勇者(ご主人様を殺せるかよ)プルプル

調教済みだと…

「・・・殺さないのなら、勝手に死ぬわ」チャキ

魔法使い「やめなさい!」


「私はただの駒に過ぎないもの」ザシュ



「」


僧侶「ああっ」

鬼人「・・・」

女戦士「・・・」


勇者「っ」ポカーン













勇者(その夜、俺は泣いた)

勇者(おかしいだろ。鞭であれほど叩かれたのに...)


勇者「はぁ・・・」


勇者(心に一つ、でっかい穴が開いたような気がした)

勇者(彼女はこう言った)


『私はただの駒に過ぎないもの』


勇者(もし誰かが彼女を操ったのだとしたら、俺は許さない)

勇者(俺は明日、町の人から色々な情報を聞くつもりだ)



勇者「惜しい人を失った」


勇者(もう二度と、彼女のようにすばらしい才能を持った女性は現れないだろう・・・もっとも彼女は魔物だったが)


勇者(あれは本当にすごい女だった)



勇者「だって...」






勇者(俺をここまで調教したのだから・・・)

また夜に書きやす

ここらで丁度、物語の半分です



変態M魔法使い勇者に
なったのか…

こういう勇者も好きだな

急展開すぎてわけがわからないよ

強い仲間じゃなくて、仲間に強くしてもらう(調教)方向になってきてる?

彼女は大事なものを盗んで行きました

僕の心です キリッ

ミスターXは女という設定でいいのか?

>>256がとっつあんの声で脳内再生されたwww

―次の日・とある一室―

勇者「つまり、以前の町長が死んですぐに、魔王のところから新しい町長が送られてきた」

勇者「その町長があの女だったというわけだね?」

町民Y「はい。でも彼女は自殺してしまった・・・」

町民Y「きっとまたすぐに新たな町長となる者が送られてくるでしょう」

勇者「分かりました」

勇者「ご協力ありがとうございました」



勇者「では、次の方」

町民Z「はい」

勇者「貴方は彼女について何か知っていますか?」

町民Z「えっと、戦争を起こそうとしてたらしいです」

勇者「それはもう知っています」

町民Z「そう言われましても、私はコレくらいしか・・・」

勇者「では、彼女について気になる点はありますか?」

町民Z「うーん」

勇者「とくにありませんか・・・」

町民Z「あっ。そういえばあの女が魔王軍で下っ端で弱いやつだったと聞きます」

勇者「というと?」

町民Z「実は我々、過去に魔王軍と戦争を起こしまして・・・」

勇者「ええ、聞いたことがあります」

町民Z「それ以来、魔王様は強い力を持った者を町長として送り込んでいました」

町民Z「以前の町長は優しい人物だったのですが、今回は性格の悪い女が来た。と皆不満がありました」

勇者「おかしいですねぇ。弱い町長でもこの町の魔物は反乱を起こさないと思ったんじゃないですか、魔王は」

町民Z「あと今日、新しい町長が顔を見せるらしいですよ」

勇者「? もう新しい魔物が来たのですか?」

町民Z「みたいですね」


勇者「変だな。手際が良すぎる」

勇者「反乱を起こさないと思っているのなら、別にすぐに新しい魔物を送り込む必要なんてないでしょう」

町民Z「なんなんでしょうね」

勇者「・・・分かりました」

勇者「ご協力ありがとうございました」








・・・

魔法使い「勇者様。何か分かりましたか?」


勇者「ああ。26の町民に訊いて色々分かったよ」


勇者「彼女、ミスターXは何者かの影武者だ」

鬼人「ほう。何故そう思う」


勇者「理由は3つ」


勇者「一つ目に彼女は、私はただの駒に過ぎないと言ったこと」

勇者「二つ目は彼女が女だったのに、ミスターXと名乗り、そう呼ばれていたこと」


勇者「三つ目に彼女が自殺してしまったこと」


勇者「証拠は次の町長を見ると分かると思う」


勇者「次の町長はきっと、男だ」

・・・

町長「やぁ皆さん。私が次の町長です」

「おうー」

「わぁ。伯爵みたい!」



・・・

僧侶「勇者様の言ったとおり、男でしたね」

勇者「ああ。恐らく彼女はあいつのために自らの命を絶ったんだ」






・・・・・・


―夜・パーティ会場―

女戦士「パーティ楽しかったっすねー」

魔法使い「人間も入れたのが意外だったわ」


勇者「おい、やつが立ったぞ。後を追おう」

鬼人「待てよ。さっきからなんなんだ。町長の後を追ってどうする」


勇者「いいから。あいつが戦争を企ててる張本人かもしれないんだ」

 バタンッ

勇者(部屋に入ったか)


魔法使い「どうします?」

勇者「俺たちも普通に入る」

―町長の部屋―

町長「話があるなら受付を通してきてくれないと困りますよ」

勇者「いや~すいません」


町長「それで、なんです? 話って」

勇者「ええ。彼女についてです。以前の町長」

町長「ああーミスターXですか」

勇者「そう。何故彼女は死んでしまったのでしょうか?」

町長「確か、自殺。ときいております」

町長「それが何か?」

勇者「いえいえ。もう一つ訊いても良いですか?」

町長「ええ。構いませんよ」


勇者「何故、彼女はミスターXと名乗ったのでしょう。」

勇者「普通はミスXでしょう?」

町長「・・・言われて見ると、確かにそうですねぇ」

町長「まぁ。私には分かりませんね」

勇者「そうですか。あの、もう一つだけ良いですか?」

勇者「どうしてアンタは人間と話しているんだ?」

町長「はい?」

勇者「魔王の下から来たんだろう。普通に話してて良いのか?」

町長「・・・私は人間の方達とも仲良くしていきたいと思っています」

町長「それは、いけないことですか?」


勇者「下手な芝居はやめな」

勇者「そろそろ居場所がばれる時期だってことは分かってんだ」

町長「さっきから...何を?」



勇者「アンタがミスターXだ」

町長「・・・やめてください。彼女でしょう。ミスターXは」

勇者「彼女は死ぬ間際に、自分は駒にすぎないって言ったんだ」

勇者「それと、アンタが戦争を企ててるってな」

町長「彼女が?」

勇者「ああ、アンタの正体も教えてくれたぜ」


町長「...っち。ならばもう隠す必要はない」

 ボンッ

吸血鬼「出会えて光栄だよ。勇者」


勇者「っは。嘘だ。彼女は自分は駒に過ぎないとしか言ってない」

吸血鬼「なぁっ・・・はめやがったな!」


勇者「アンタは吸血鬼だな。確か夜にしか行動できない」

勇者「・・・町民Cが言ってた。最近、この町には晴れた日が一度もないと。」

勇者「アンタは初めから自分がこの町の町長になるつもりだった」

勇者「でも、昼は太陽で行動できないから、彼女にミスターXと名乗らせ、町長にならせた。」

勇者「その間に結界をこの町にはったんだ。お陰でアンタは昼にも活動が出来る」


勇者「そして代わりが必要となくなったため、彼女は処分された」

吸血鬼「よく分かってるじゃないか」


勇者「戦争を起こそうとしてるのもお前だ」

吸血鬼「そう。戦争は良いぞ。金になる」

勇者「アンタの汚い計画のために彼女は死んだ」

吸血鬼「だからどうした。大きな利益のためには一つの犠牲など仕方がない」

吸血鬼「それに死んだのは君が憎む魔物なんだよ」


勇者「俺が恨んでる魔物は、汚くて、屑みたいな魔物だけだ」

勇者「そう。丁度、アンタのような」

吸血鬼「・・・人間にだってそういうやつはいるだろう」

勇者「当たり前だ。昼からエロ画像を見てニートしてるやつだっている」

勇者「おかしい話だ。年々、人口は減少しているって言うのに皆魔物と戦わない。恐れてる」

吸血鬼「当然だよ。弱いものは死ぬしかないんだ」

吸血鬼「彼女みたいに」


勇者「...その、彼女の名前、なんて言うんだ?」グッ

吸血鬼「ふん。下っ端の名前なぞ知るか」


勇者「そうかい。後悔しろよ。俺は今からお前を灰にする」

吸血鬼「ほう。やってみるが良い」



吸血鬼「私の戦闘力は152,1万だ」

勇者「ふっ。たったそれだけか。俺の戦闘力は200万だ」

吸血鬼「・・・というのは嘘だ。本当は293,3万だ」

勇者「そうか。俺は超勇者になることで戦闘力が1億になる」

吸血鬼「なに!? ・・・悪いが俺だって吸血をすることによって戦闘力が2億になる」

勇者「へぇ。さらに俺は賢者モードになることによって戦闘力が10億になる」

吸血鬼「っく。残念だったな。私は大魔物化すると戦闘力が53億になる。まぁ、理性が失われるがな」

勇者「やるじゃねぇか。でもな、超勇者2になることで戦闘力が51億に、超勇者3になることで戦闘力が100億になれる」

勇者「さらに快感拳を使うことにより、戦闘力は120億だ」

吸血鬼「う……ま、負けました」

さすが勇者!!!

 パササアアア...

勇者「灰になったか・・・」

勇者「吸血鬼はプライドが高いからな。」

勇者「・・・戦わずして勝つ。大きな経験になった」


勇者「……名前は分からない貴方。ミスX」


勇者「どうか安らかに...」

勇者「敵は取りましたよ・・・」


・・・・・・

―鬼の町―

魔法使い「ふぅ、やっと結界が解けたわ」

鬼人「お疲れ様」

鬼人「それにしても...あの勇者を一人にしてよかったのか?」

僧侶「勇者様はめちゃくちゃ強いんですよ」

女戦士「そっ。負けるわけがない」

鬼人「でも確か、剣も持っていなかったぞ。あの勇者」



―宿―

勇者「で、勝ったはいいけど、なんでアンタが同じ部屋にいんの?」

鬼人「お前に少し話があるだけだ」

勇者「なんだよ?」

鬼人「お前の力は本物だ。信用できる。女戦士を任せたい」

勇者「・・・任せろ(なんかしらんが結婚してもいい許可をもらった)」

勇者「かならず幸せにしてみせる」

鬼人「...ああ、ありがとう。勇者」


鬼人「それと、これ」スッ

勇者「これは?」ヒョイ

鬼人「お前。剣を持っていないだろ」

勇者「え? 持ってるけど」

鬼人「ん? どこにあるんだ?」


勇者「えっ、お前にもあるだろ?」


勇者「ここに」ツンツン

鬼人「ちょ///」

鬼人「やめろっ俺にその趣味はない」


勇者「馬鹿っ。冗談だよ」

勇者「それで、だから剣をくれるってか」


鬼人「あ、ああ」

勇者「でもこれさぁ。こん棒じゃん」

鬼人「それが我ら鬼にとっての剣なんだ」


勇者「へぇ・・・僕に付いてる剣はカチカチでデカいですよって意味か」

鬼人「やめろっ! 下ネタに向かうな」

勇者「冗談だっつの。じゃあこのこん棒はありがたくもらっとくよ」


鬼人「ったくいい加減にしないと、仲間にぶたれるぞ」

勇者「んっ///」

鬼人「はぁ!?」

勇者「お前、豚なんて言うなよ」


鬼人「」



鬼人(忘れてた。監獄で見たが、こいつはヘンタイだった・・・)

鬼人「やっぱり女戦士は任せられん」


勇者「えっ? それはないっすよ」

勇者「ちょっと。え? 本気? え。おとうさーん」

鬼人「誰がおとうさんだ!」

もう処女じゃ満足できんはずだわ

この勇者

―ドア前―

勇者「ったく。鬼人の野郎め」

勇者「・・・まぁいいや」


勇者「うーん。まだ眠くねぇなぁ」

勇者「ナニしようかなぁ」


勇者「そうだ! (久しぶりにピッキングするお!)」


勇者「よっしゃ」ダッシュ

―女部屋前―

勇者(魔法使いがカギ魔法を掛けていないこと祈るお)

勇者(・・・いや、でも大丈夫なはずだお。この長いたびで信頼関係が生まれたはずだお)

勇者(だから・・・)ピッキング


 カチャガチャ・・・カタカタ・・・・・・ガチャン


勇者(これで開くはずだお!)ドアニテヲ


 ギィ・・・


勇者「あっ、開いた...」ボソ


勇者(やった・・・とうとう壁を超えたんだ...)

勇者(ここが――)


勇者「新世界」ボソ



 俺は夢の花園へと足を踏み入れた。

 そこはどことなく新鮮なように感じられた。

 今から俺は仲間との信頼関係を壊してしまうかもしれない。そんな背徳感が襲ってくる。

 俺は今にも飛び出してきそうな心臓を押さえ、ゆっくりと胸を撫で下ろした。

 だんだん口の中が乾いてくる。

 額にはうっすらと冷たい汗が感じられた。

 一歩一歩ゆっくりと布団に近づく。

 鼻一杯にその匂いを充満させた。

 僅かに出ている少女の足が見えた。

 どことなく筋肉質なその足が、女戦士を連想させる。

 ただただ触ってみたいと思った。

 

 やってはいけないことだと考えつつも、俺はそれに手を伸ばした。

 まるで生卵を扱うかのように優しく、いじらしく撫でた。

 
勇者「っくぅ」ハアハア

 
 もう我慢の限界だった。

 今すぐにでも自分の邪悪な思いを開放させたかった。

 今度は恐る恐る、布団に手を伸ばした。

 ゆっくりと布団を捲る。

 
勇者「」


 俺の意識はそこで途切れた。

 布団を捲った瞬間の自分の顔。その顔はきっと、この世の全てに絶望した顔をしていただろう。

・・・ⅠⅡⅢⅣⅤ・・・

「ようこそ、地獄へ」


勇者「な、んだ?」

勇者「誰だ。アンタ?」


「俺かい? 俺は勇者だ」

勇者「あぁ? 何言ってんだ。勇者は俺だぞ」

裏勇者「確かにそうだ。でもお前はもう死んだだろ」

勇者「死んだ? 俺がか?」

裏勇者「ああ。お前は死んだんだ」

勇者「何でだよ。誰かに殺された記憶なんてないぞ」

裏勇者「お前は自分に殺されたんだ」

勇者「はぁ!? 訳分からないこと言うなよ」


裏勇者「本当の話だ。お前はこの世の全てを恨み、憎み、絶望し、自分自身を殺した」

裏勇者「お前は全てを否定した」


勇者「ははっ。そんなわけないだろう。お前が勇者だって言うなら分かるはずだ」

勇者「この世の美しさを」


勇者「金髪天使の魔法使い。猫耳女神の僧侶。黒髪天女の女戦士」

勇者「ちょっと考えただけでも多くの美しさが存在している」


裏勇者「だが、それと同時に間逆の存在がある」

裏勇者「光があれば、闇もある。それはお前が一番よく分かってる」

勇者「何が言いたい?」

裏勇者「もう楽になれ、勇者。お前は頑張った」

勇者「待て待て、俺はまだ魔王を倒してないし、やらなければいけないことがたくさんある」


裏勇者「言ったろ。お前は死んだんだ。もう魔王に立ち向かわなくても良いんだぞ」

勇者「・・・本当なのか?」


裏勇者「ああ」


勇者「そうか。それで地獄に来てしまったのか」

勇者「まぁ命あるものを殺してきたんだ。それは仕方ない」

勇者「...なぁ、俺を生き返らせてくれよ」


裏勇者「無理だ。お前の人格ではこの先を耐えることが出来ない」


勇者「耐えれない? 何に?」

裏勇者「それは...うぐぅ!」

勇者「大丈夫か!?」


裏勇者「あ、ああ。どうやら俺も耐えることが出来ないらしい」

勇者「アンタ・・・」

裏勇者「はぁ。死ぬしかないようだな」

裏勇者「どう足掻いたって、勝てない」

勇者「待てよっ。俺はまだ死ぬわけにはいかない」

勇者「どうしてもだ!」


裏勇者「……しいて言うなら、あれはこの世の全ての闇だ」

勇者「闇・・・」

裏勇者「人が見てはいけない、禁断の代物。命の狩人、死神。例えることならできる」

裏勇者「いい加減に分かれ。俺たちじゃあ、駄目なんだ」

勇者「そんな・・・」

裏勇者「...一緒に逝こう」


勇者(せっかく、ここまで来たのに・・・)

勇者「ああ。分かったよ」

勇者(ごめんな、皆)

勇者(今度こそ、これで終わりだ)

最大のピンチか…
勇者の処女は平気なんだろうか

『選んで頂けて光栄です。勇者様。頑張って魔王を倒しましょう!』

『僕に勝てたら何でもしてあげるよ』

『師匠! 稽古付けてください』

『分かりました。私、頑張って強くなります!』

『勇者様、私はけが人の治療をしてきます』

『私は勇者パーティの一員です。諦めたくない』

『師匠! 僕も強くなったんですよ!』

『あ、あ~ん』

『ほら、口開けてくださいよ』

『私が全力でサポートします!』

『にゃんぱす~』

『...僕は勇者パーティの一員だから』

『勇者様っ!』




勇者「っ!」

勇者「……変わる」ボソ

裏勇者「あん?」

勇者「俺、変わるよ」

裏勇者「何言ってんだ?」


勇者「俺の人格がいけないってんなら変わる。変態勇者はやめる。」

勇者「生きたい。まだ、死にたくない」


裏勇者「・・・できんのか、お前」


勇者「人は変われる」


勇者「きっと変われる。誰かのためになら、命だって投げ出せるんだ」

勇者「...変われなかったら、ここに戻ってくるだけだ」


裏勇者「・・・馬鹿だな。お前は」


勇者「っへ。」




勇者「ヘンタイ勇者は、これにて終了だぁ!」



 ピカッ

・・・

ゲイブスキモ子「zz...」


勇者「!!?」


勇者「くうっそォッ」ダンッ


勇者「こういう、ことかよ」


勇者「はぁ・・・っく。うう、っがあ」ビキビキ


勇者(今にも死んでしまいそうだっ・・・)


勇者「っく、うあああああああああああああふぁあああ」プシューーーーー



勇者「あっ(やばい、倒れる)」


 ドンッ


勇者「ははっ(脳がオーバーヒートしたか・・・)」


勇者(視界が・・・霞んできた...)

・・・ⅥⅦⅧⅨ・・・

勇者「まだ、駄目なんだ」

勇者「俺じゃあ」


勇者「もっと、変わる。本気で」



 





    「Are you going to use the wise man mode?」



勇者「...Pardon?」




・・・Ⅹ・・・




 シュウウウウウウウウウ・・・


ゲイブスキモ子「zz・・・」


勇者「...世界の平和のために」シュン


勇者「抹殺する」


 ドゴオ・・・


ゲイブスキモ子「」



勇者「どうして、戦争がなくならないんだ」





・・・



―三分後―

―自室―


勇者「はうううう!」ギリギリギリ


勇者「あったま痛いいいいいい」



勇者「今日はもう寝る!」ギリギリギリ

―次の日―

僧侶「大丈夫です?」


勇者「うん、やっと頭痛が治まった」


女戦士「よかったすね」


勇者「ああ。ところで魔法使い」


魔法使い「はい?」

勇者「the wiseとかwise manとかってどういう意味だ?」

魔法使い「確か・・・賢いとか賢者とかって意味だったかと」

勇者「……そっか、ありがとう。」

魔法使い「? いえ」

僧侶「そういえばー。次の町、迂回して一気に行くと、もうドラゴンの町とかに行けるそうですよ」

勇者「へぇ」

魔法使い「あれ? ってことは魔王城近い?」

僧侶「ええ、あと少しですねぇ」

勇者「んで、ドラゴンの町だか竜の町だかの次は?」

僧侶「ええと。山越えて、どっかの町行って・・・あれ、その次はもう魔王城です」

女戦士「まじっすか」

魔法使い「そう・・・いよいよね」


勇者(えっ 淫魔の町は?)


僧侶「じゃあ、頑張って生きましょう!」

魔法使い・女戦士「「おー」」


勇者「おー・・・」

続きはまた昼にでも書きます

乙。

結局賢者モードじゃねーかww

まさにお約束

勇者のやつ変わる気ないだろww

・・・

魔法使い「勇者様、あれってなんっでしょう?」

勇者「んー。・・・何かの洞窟じゃないか」

僧侶「行って見ません?」

女戦士「いかにも伝説の装備がありそうっす」


 

〈死の洞窟〉


勇者「大げさなネーミングの洞窟だなぁ」

魔法使い「でも、一応気を引き締めたほうが良いですね」

僧侶「魔物の感じはしませんね。でも何か奥のほうに嫌な感じがします」

勇者「まぁ・・・俺たちなら何が来ても大丈夫だろ」




・・・・・・


勇者「ん、急に開けた場所に出たな」

女戦士「明るいっすね」

僧侶「あの、何か音が聞こえませんか?」


勇者「ん? とくに音なんて聞こえないぞ」

魔法使い「あっ・・・確かに何か音が・・・」

女戦士「聞こえるッッす」


勇者「えーどこから聞こえるんだよ」


女戦士「これは・・・」


僧侶「上ですっ!」


「グルウウウオ」

ドンッ


勇者「うおっ。今あそこの地面が凹んだぞ」

魔法使い「ええ...結構強そうですね」

女戦士「師匠、あれはなんの魔物ですか?」


勇者「ああ? 魔物なんてどこにいんだよ」

まさかゲイブスキモ子
じゃないだろうなォイ

女戦士「そこにいるじゃないっすか」

勇者「ええっ。・・・居ないけど?」


魔法使い「もしかして・・・男には見えない魔物なのかしら」

勇者「えっ本当に魔物がいるの?」

僧侶「すっごく強そうな敵がいます。こっちを見てる」


勇者「女にだけ見える魔物なんていたかな・・・」

勇者「うーん」


「グオオオオオ!」


僧侶「っひ」ビク

魔法使い「勇者様! こっちに来ました、避けて!」


勇者「ええ!?」

勇者「よっ」ヒョイ

勇者「これでいいのか?」


魔法使い「大火炎魔法!」ボッ


・・・


「グオオオオオオオウ!」

魔法使い「ック・・・あれをくらっても無傷ですかっ」

僧侶「回復魔法っ!」パアア

魔法使い「ありがとう」



勇者「っちょ、何がおきてんのっ」

女戦士「やぁああ」ブンッ...キン


女戦士「ちぃい」

女戦士「まるで竜の鱗みたいっす...」


勇者「竜? なにドラゴンなの?」

魔法使い「とっておきの技・・・大雷魔法!」ピカッ


勇者「僧侶、一体何が見えてるんだ?」

僧侶「ええと、竜みたいな牙と鱗があって・・・」

僧侶「でも馬のような体系で、角があります」

勇者「竜のような馬か・・・翼はあるか?」

僧侶「ありませんっ!」ヒョイ




勇者「・・・・・・あっ(察し)」

魔法使い「勇者様、何かあの魔物はあなたを狙ってるみたいです!」



勇者「わ、分かったぞ。そいつの正体が・・・」

女戦士「うっと、本当っすか?」ヒョイ

「グオオオッ」


勇者「ああ。そいつは合成獣...キメラだ!」


魔法使い「・・・なるほど」


魔法使い「しかし何故、勇者様は見えないのですか?」

女戦士「しかもこいつ、師匠を狙ってますよォ!」ブン


勇者(理由は簡単だ。)

勇者(そいつはたぶん、ドラゴンとユニコーンのキメラ...)


勇者(ゆえに固い鱗を持ち、恐ろしい牙がある)




勇者(そしてユニコーン・・・やつは俺と同じヘンタイだ・・・)

勇者(新車を愛し、中古を憎む)


勇者(きっと皆は新車だから襲われず、見えるのだろう)


勇者(俺は・・・新車じゃない、中古だからぁ!)


勇者「まぁ、俺が襲われる理由はわからないなぁー(棒」



勇者(ミスX・・・今ばっかりはアンタを恨むぜ・・・)

魔法使い「とりあえず、勇者様が見えない以上は私たちで倒すしかありません」

僧侶「幸い、何故か私たちには攻撃してきませんしね」


勇者(ひぃ! 見えない敵なんて怖いようぉ)


女戦士「はぁっく、どうしますかぁ?」ブンッ


「グオオオオウ...ヒショジョオオオオオ」


勇者(ふぇええぇええ)


魔法使い「私に考えがあります...」


女戦士「なんっすか!?」ブン


魔法使い「まず、私があれの皮膚を高温で炙り、急速に冷やします」

魔法使い「さらにそこに電撃を食らわせ、女戦士が叩き切る・・・」


僧侶「良いですね、その案。じゃあ私は補助に徹底します」



魔法使い「行きますよ・・・」


魔法使い「大火炎魔法」ボウ


魔法使い「中水魔法・大凍結魔法・・・水氷」カチン


魔法使い「はっ大雷魔法・・・凝縮、雷撃」ビリ


・・・

女戦士「うおおッ」ブンッ


 ザクッ


「グオオオ...ショジョオオオオオオ」


女戦士「いけます! これなら倒せるッ!」



「ヒショジョ・・・ゴロオオオオオスウ」ブオン



魔法使い「勇者様!」


勇者「えっ、何?(ふええええ)」

女戦士「危ない!」バッ


・・・ザクッ...


女戦士「ウッ」バタッ


勇者「ええっ!? なんで急に血を吐いて倒れたの!?」


魔法使い「女戦士!」タタタ

魔法使い「あなた...勇者様を庇って・・・」ダキアゲル


僧侶「あっキメラが・・・」


「ショジョ、コロシタ。オレ、シヌ・・・」サアア


僧侶「灰になった・・・」


勇者「え、勝ったの? って女戦士ぃ!」


勇者「・・・顔色が...汗もひどい・・・」

勇者「もしかして、毒か」


魔法使い「そんなっぅう」


勇者「僧侶っ、解毒魔法だ!」


僧侶「勇者様・・・もうやってます。けど・・・」

僧侶「全然血が……止まらない」


勇者「そんな・・・」


勇者「うっそうだ! 竜の町に行けば何か分かるはずだ!」


勇者「急いで連れて行こう」ダキアゲ

―竜の町―

勇者「ふざけるなっ!」

勇者「何が人間は見ない、だ!」


医者「私は魔物だ。人竜だ。なぜ人間を助けなければならない」

勇者「てめぇ、それでも医者かよ」

医者「っふ。どちらにしてもこの子はもう駄目だろう」

勇者「ああ?」

医者「この子が食らった毒はバジリスクの毒だ。しかもかなり毒性が強い」

医者「たぶん、何かと合成されたキメラだろう」

勇者「……頼むよ、助けてくれ・・・」


医者「悪いが、無理だ」


僧侶「ううっ」

魔法使い「女戦士・・・」


勇者「・・・」


 ドンッ


勇者「ここに10万ある。足りないなら、不足分は用意する」

勇者「だから、どうか、助けてください」ドゲザ

医者「・・・頭を上げろ。」

医者「悪いが私には何もできない」


勇者「・・・」


医者「ただ、助ける方法がないということもない」

勇者「! 本当か?」パアア

医者「嘘は言わない。ただ、どっちにしろこの方法は不可能に近いものだ」

勇者「教えてくれ。助けたい・・・たった一人の大事な戦士なんだ」

医者「……神竜だ。」

勇者「神竜・・・?」

医者「伝説の山に住む、竜の神。その血を飲むと死に掛けの命は復活し、莫大な力を手に出来る」

勇者「・・・その山はどこにあるんだ?」


医者「この町の先にある山だ。普通のものは決して行かない場所」


勇者「行くよ。どっちにしろ魔王城に行く通り道なんだ」

医者「神竜は実在するか分からない。それに居たとしても血をくれるかどうか・・・」


勇者「っへ。くれなきゃ・・・殺してでも奪う」


医者「っふ。貴様、それでも勇者か」

勇者「ああ、ありがとう、ヤブ医者」

医者「おいおい、私はこれでもこの町で一番の医者だぞ」

医者「それと行くなら仲間は置いていけ」

勇者「あ? なんで」


医者「神竜は一人でいる者の前にしか現れん」






勇者「魔法使い、僧侶」

魔法使い「・・・勇者様」

僧侶「・・・」

魔法使い「分かってます。一人で行くんでしょう?」

勇者「ああ。俺しかいないだろ、彼女を助けれんのは」

僧侶「ひっううっ」ポロポロ

勇者「僧侶、泣くな。俺だって泣きたいんだ」

僧侶「おき、をつけて」ポロポロ

勇者「ああ」


勇者「今はヤブ医者が女戦士を延命してくれている」

勇者「彼女が死ぬ前に、俺は血を持って帰ってくる」

僧侶「...待ってます」ッグ











魔法使い「勇者様」

勇者「なんだ?」


魔法使い「私、魔法使いは、あなたが好きです」

勇者「・・・んなぁ!?」ビックリ

魔法使い「途中で気付いたんです。いつの間にかあなたに惚れていた自分に」

勇者「魔法使い・・・」


勇者「俺も、おま「返事は、」

魔法使い「帰ってから、お聞かせください」

勇者「...分かった」

魔法使い「死んだら許しませんから」

勇者「分かった」

魔法使い「あなたが死んだら私も死にますから」

勇者「わかっ・・・おい!」

魔法使い「ふふっ。冗談です」

魔法使い「お気をつけて」




勇者「・・・おう」

・・・

―伝説の山―


勇者「タイムリミットはあと4時間」

勇者「帰る時間を入れて、あと3時間」

勇者「・・・くそっ」


 ヒュオオオオ・・・


勇者「風が冷てぇ・・・」

勇者「待ってろ、女戦士」



 ゴロゴロ...ドゴオオオオン


勇者「はは、雷まで落ちてきやがった・・・」


勇者「やっぱさっきのは死亡フラグだったか...」


勇者「くそ・・・俺は...」

・・・・・・

僧侶「曇ってきましたね...」

魔法使い「大丈夫でしょうか、彼は」


僧侶「告白、したんですね」

魔法使い「ええ。」

僧侶「私も...」

魔法使い「どうしたの?」

僧侶「私も勇者様が好きですっ」

魔法使い「僧侶・・・」


僧侶「鬼の町で魔法使いさんから好きな人を聞いたとき、実はちょっと焦ったんです」

魔法使い「・・・そうだったの?」

僧侶「はい。私と違って魔法使いさんは魅力的ですから」

魔法使い「そんなことないわ。あなたの方が魅力的よ」

僧侶「お世辞ならいりません!」

僧侶「私なんか、こんな猫耳もついてて・・・」

魔法使い「勇者様ならそんなことは気にしないわ」

魔法使い「それに私は、可愛いと思う」

僧侶「・・・」

魔法使い「でも、彼を渡す気もないわ」

僧侶「・・・分かってます」

魔法使い「諦めちゃうの?」

僧侶「・・・嫌です。...勇者さまぁ」グスッ

僧侶「勇者様は私を助けてくれた。優しくしてくれた・・・」

魔法使い「だったら、伝えてみれば?」

魔法使い「私、まだ返事もらってないのよ」

僧侶「魔法使いさん・・・」

魔法使い「あ~あ、ライバルが増えちゃった」

僧侶「ありがとう、ございます」グスッ


・・・・・・

勇者「っち、あと二時間かよ」


勇者「頼む神竜! 出てきてくれ!」

勇者「仲間が死にそうなんだ!」


勇者「なぁ! し」グラッ


勇者(足元が...落ちるッ)


勇者「うわああああ」

・・・

勇者「うっ」

勇者「ここは・・・」


勇者(何もない暗い空間。地面は砂か?)

勇者「いてて」ウエヲミル


勇者「うおー。結構な高さから落ちたんじゃねぇか、俺」

勇者「無傷なのは・・・この砂のお陰か?」

勇者「それかアドレナリンってやつかな」

勇者「まぁいい。進もう」ヨイショ




・・・・・・

「親父。どうする?」

「どうするとは何がだ」

「いや、人間が俺らの住処に入ったんだぜ?」

「放っておけ。ここまでたどり着けたのなら、相手をしてやる」

「っけ。どうせ相手をするのは俺なんだろ」

・・・・・・


勇者(本当に何もないところだな)

勇者(魔物・・・いや、虫すらいないんじゃないか)

普通に冒険してるだと…

勇者「あれ? 行き止まりだ」

勇者「・・・参ったな。時間がないってんのに」

勇者「とりあえず上に上がったほうが良いのかな」

勇者(いやいや、どうやって上がるんだよ)


・・・・・・

「親父、真実の壁の前にいるぞ。あの人間」

「放っておけと言ったはずだ」

「でもよ、・・・まぁいいか」

「息子よ。お前はあの人間を何者だと思う?」

「何って、魔界に来た冒険者じゃないのか」

「ほう。読みは良い。・・・数日前、鬼の町で何か大きな波動を感じただろう」

「ん。ああ」

「我は昔、あれと近い大きさの波動を感じたことがある」

「へぇ。波動って言うのは、確か覚醒? だっけ。それになったとき起こるんだよな」

「そうだ。その昔、波動を起こした者は、あの魔王だ」

「あーなんとなく分かるわ。実際魔王が一番魔物の中で強いしな」

「そう、魔王が魔物の中で一番強い。じゃあ覚醒した人間はどうだ?」

「・・・そいつが一番人間の中で強いんじゃないの」

「多分、それで正解だろう。では、あの真実の壁の前に居る人間はどうだ? 何か感じんか?」

「・・・感じる。邪悪な心も感じるけど、焦りや勇気、優しさなども」

「先日の波動はかなり大きな波動であった。それに近い大きさを持ったものが魔王だ。波動の力というのは、近いようで実は遠い」

「んー? 何が言いたいの」

「魔王とは間逆のものが先日の波動を起こした。それをやってのけたのは、あの人間だよ」

「へー面白そう。魔王とは間逆の者ってつまり...」

「ああ、勇者とよばれる者だ」

・・・・・・


勇者「行き止まりだし、時間ないし、この壁壊そうかな」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ...

勇者「なんだ!?」


 ドスン・・・


勇者(急に壁が四方から出てきて囲まれた・・・)


勇者「おーい」




続きはまた後で書きます

勇者「・・・参ったな」

勇者「あれ、使うか」


――――――――――――

―早朝・鬼の町図書館―

勇者『くうううう』ギリギリギリ

勇者『なんだこの頭痛の原因・・・いたいいいい」ギリギリギリ


おじさん『そこの人、図書館では静かにしなさい』

勇者『んん! アンタ人間じゃねぇか。魔界にどうした?』ギリギリ

おじさん『この町は人間に優しいからのぉ。気に入って住んどるだけじゃ』

おじさん『それより、頭が痛いのか? さっきから騒いでおるが』

勇者『ああ、本で原因探してんだけど・・・』ギリギリ

おじさん『ふむ。そうだ。薬をあげよう』スッ

勇者『・・・怪しいもんじゃないだろうな』ヒョイ

おじさん『ただの特製頭痛薬じゃ』

おじさん『その代わりに、ちょっと来ておくれ』


・・・

勇者『なんだここ?』スッキリ

おじさん『頭痛はもう大丈夫なようじゃな。ここはワシの研究室』

勇者『へぇ。図書館に研究室が持てるなんざ、もしかして結構偉い人?』

おじさん『まぁの』

おじさん『それよりも、あなたが覚醒者じゃな?』

勇者『・・・?」

おじさん『ふむ。無自覚か』

おじさん『だが確かにあなたで間違いはないはず』

勇者『うーん。まぁなんだか分からないけど、薬ありがとうな』

おじさん『あぁ、その薬だがな、魔王も飲んでおるんじゃ』

勇者『っへ!?』

おじさん『実は魔王も覚醒者での』

勇者『詳しく教えてもらえるか?』


・・・


勇者『つまり、頭痛の原因は俺が覚醒した力を使ったから?』

おじさん『そうじゃ。どうやらお前の力は・・・』

おじさん『力が大幅に上がり、推理力や計算力も上がり、正義感が増え、素早さも上がり、何をしても疲れなくなり、回復力が上がる能力のようじゃの』

勇者『ナニソレスゴイ』

おじさん『ただし、デメリットとしてその頭痛が残る』

勇者『それで魔王も薬を使ってるってことは、やつも何らかの力を持ってるってことだな』



勇者『アンタ、何者?』

おじさん『なに、ただの老いぼれ冒険者じゃ』

勇者『へぇ。なのに魔王と繋がりがあんのか』

おじさん『それより、魔王の能力を知りたくはないか?』

勇者『知りたい。知ってるんだな?』

おじさん『ああ、やつの能力はマインドコントロール。つまりは心を操ることができる』

おじさん『ちなみに、魔王は能力を使いこなしているので何時間でも使えるが、お前はもって三分と言ったところかの』

勇者『へぇ、ったく本当に何者なんだよ』

おじさん『さっき言ったとおりじゃ』

勇者『そうかい。で、その覚醒した能力っていうのはどうやって使えるんだ?』

おじさん『なに、頭の中で強く念じれば使えるはずじゃ』

おじさん『名前でも付けてやると良い』

勇者『名前? 能力にか?』

おじさん『ああ、ちなみに魔王は心理掌握と名づけとったぞ』

勇者『っぷ。なんだそれ』

勇者『ところで、覚醒したのって俺と魔王しかいないの?』

おじさん『いや、あなた達のほかに3人ほどいる。覚醒者は全部で5じゃの』

おじさん『でも一番覚醒したときの波動が強かったのは、あなたと魔王じゃ』

勇者『よくそんなことが分かるな』

おじさん『まぁの』

おじさん『それよりもお前さんの能力・・・』

勇者『なんだよ』

おじさん『もしかして覚醒したお前さんのほうが、よっぽど勇者に向いてるんじゃないか?」

勇者『』


――――――――――――


勇者「運が良かったら、何か分かるかもしれねぇ」


勇者「……よし」

勇者「頭の中で、」

勇者(念じる)







  勇者(賢者モード!!)



 プシュウウウウウウウウ




・・・

勇者「ふぅ」

勇者(四方から突然迫ってきた壁)

勇者(奇妙な出来事)

勇者(伝説の山)

勇者(神竜)

勇者(・・・なるほど)



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


・・・・・・

「親父、壁が消えた・・・こっちにくるぞ」

「ほう。真実の壁を見破ったか」

「俺が戦うよ」

「待て。少し勇者と話がしたい」

「・・・分かった」

「まさかここまで来るとは……真実の壁は邪悪な心がない者のみを通す。流石は勇者か」


・・・・・・

勇者(行くか。残り2分33秒しか持たない)タタタッ






賢w者wモードwww
クソワロタ

・・・

「よく来たな。勇者」

勇者「俺を知ってるのか?」

「ああ」

勇者「・・・なるほど、お前が神竜か。そばにいる竜はお前のガキだな」

「ガキ呼ばわりしてんじゃねぇ。お前より年上だぞ!」

勇者「精神がガキだ。お前、名前は?」


竜子「竜子だ。文句あっか」

勇者「特にはない(残り1分15秒...)」

勇者「神竜、お前に頼みがある」

神竜「なんだ。勇者」


勇者「俺の仲間がバジリスクの毒で死に掛けている。聞けばお前の血はそれを治すことができるそうだ」

勇者「どうか、俺にお前の血を少し、分けてくれ」

竜子「てめぇ。やっぱりそれ目的か」

神竜「・・・過去にも我の血を欲するものが大勢、この山に登ってきた」

神竜「我がこの血を飲ませたものは二人いる」

神竜「真実の壁を越えてきたということは、邪悪な心を持たず、ただ本当に仲間を助けたいということなのだろう」

勇者「ああ。そうだ」

神竜「良いぞ。持っていくがいい」

勇者「感謝する」

神竜「ただし、我が子を倒すことができたらな」

竜子「へいへい」シュッ

竜子「うらぁ」ブンッ


勇者「こいつを殺せばいいのか」ヒョイ

竜子「ちぃ、っふ」ブン

神竜「・・・倒せばそれでいい」


勇者「分かった」



勇者「『超究極雷魔法』」


・・・

竜子「」

勇者「これでいいか?」

神竜「なんと...」


勇者「心配するな。殺してはいな・・・いってええええええええ」

神竜「! ・・・?」

勇者「ええと、おじさんから貰った頭痛薬っと」ギリギリ...ゴク


勇者「ふぅ」スッキリ


神竜「おかしなやつだな。急に邪心が戻った」

勇者「その邪心をなくして、肉体強化するのが俺の覚醒能力だ」

神竜「ほう。では、真実の壁を越えれたのはまぐれだったということか」

勇者「……あ」


勇者「でも! 約束ではアンタの子供倒せば良いって言ったろ」

神竜「言ったは言ったが、邪心を持っているものに渡すつもりはない」



勇者「そんな・・・頼むよ、俺はただ仲間を助けたいってだけなんだ」

神竜「心の端にいやらしいことを考えているのが分かる」

勇者「それは・・・っく」

勇者(もう一度賢者モードを使うか? でも・・・)


神竜「...では、一度だけチャンスをやろう」

勇者「チャンス・・・」

神竜「今、そこに剣を置いた」


勇者「これか? 確かに」

神竜「それにはバジリスクの毒が塗られている」

勇者「ええ!?」

神竜「その剣を、自分に刺せ」


勇者「はぁっ!?」

神竜「刺したら、我の血をくれてやる」

勇者「・・・」

神竜「この言葉に嘘偽りはない」


勇者「・・・」ガシッ!


 ザクッ


勇者「さぁ。血を、く...れ」バタッ


神竜「・・・本当に刺すとは意外だな。お前の心に偽りはなかったか」

神竜「良いだろう。我が血、くれてやる」

―竜の町―

医者「いい加減起きたらどうだね。魔王様にお前のことがばれるとまずい」


勇者「・・・っち。もう少し寝かせろよ、ヤブ医者」

医者「ふん。お前が竜に連れられて飛んで来た時は焦ったぞ」

勇者「悪いが俺はそのとき意識が朦朧としてたんでな、覚えてないわ」

医者「ふん。ざまぁみろ。それにしてもお前は馬鹿だな。どこの世界に自分に毒が塗られた剣を刺すやつがいるんだ」

勇者「・・・ここにいるよ」

勇者「そんなことより、女戦士は助かったんだろうな?」

医者「ああ。バジリスクの毒は竜の血によって完全に死んだ」

医者「お陰で彼女は今、莫大な力を有している」

医者「まぁそれは……お前も同じか」


勇者「ああ」ムキムキ



医者「彼女はさほど筋肉は付かなかったが・・・お前はどうした」

勇者「知るか。ただ、お陰で助かった。感謝してるよ。竜にも、アンタにも」ムキムキ

医者「だったら早く出て行きたまえ。竜の力を持つ人間よ」

勇者「言われなくても、そのつもりだ」

医者「・・・彼女達はもう外で待ってるぞ」




勇者「世話になったな。ヤブ医者!」

医者「ふん。さっさと魔王様に殺されに行け」

・・・

女戦士「師匠!」

勇者「おう」ヨッ

女戦士「助けていただき、ありがとうございます!」

勇者「元気そうで何よりだ」

勇者「それに皆も」

僧侶「とーぜんです」


魔法使い「勇者様。僧侶からお話があるそうです」

勇者「え? なに?」


僧侶「え、ええと」モジモジ

勇者「?」

僧侶「私・・・は、貴方が...好きですぅ」

勇者「・・・」


勇者「ええ!?」



女戦士「ちょ、ズルいっすよ。それを言うなら僕、いや」

女戦士「私だって勇者さんが好きです」

勇者「ええ!?」

魔法使い「女戦士も!?」

僧侶「貴方も!?」

女戦士「え、ええええ?」


勇者「えっなになに、何が起きてるの」



魔法使い「つまり、皆が勇者様に惚れているということです」ハア



勇者「・・・」


勇者「わーお」

魔法使い「・・・で」ギロ

僧侶「誰を」ギロ

女戦士「選ぶんすか?」ギロ


勇者「・・・(ふえええぇええ)」

勇者(まさかのハーレム展開きたよぉ)

勇者(僕どうしたらいいのぉ)


勇者(安価したほうがいいのかなぁ)

勇者(ていうか安価ってなんだよ安価って)


勇者(てか、その前に皆が俺を好きってなに? あっ、友達としてってやつ?)



魔法使い「・・・」ジッー

僧侶「・・・」ジッー

女戦士「・・・」ジッー


勇者「っ(ふええええええええ)」


勇者(おい、ガチでどうする)


勇者(・・・)




勇者(あれしか、ないね)

あなたは私達の大切なものを盗みましたそれは
私達の心です




勇者(賢者モード!)



 プシュウウウウウウウ



魔法使い「勇者様!?」

僧侶「体から・・・」

女戦士「湯気が・・・」






勇者「いや、なんでもない。大丈夫だ」キリッ

やると思ったわw

だが解決してへんやん

勇者「皆。俺は今、とても嬉しい気持ちでいる」

勇者「それは皆から告白されたからだ」

勇者「本当にありがとう」


勇者「でも、今の俺は君達の期待に応えることはできない」

勇者「勘違いをしないで欲しいが、何も君達が嫌いな訳ではない」

勇者「むしろ、大好きだ」


勇者「そりゃ長旅して、皆で一緒にいるんだから好きにもなるさ」

勇者「でも俺はまず、やらなければならないことがある」


勇者「...魔王討伐だ」


勇者「世界中の人々が困ってるっていうのに、俺達だけ幸せになるなんてことはできない」


勇者「だから、どうか・・・魔王を倒すまで、俺からの返事を待っていてはくれないか?」



魔法使い「・・・分かりました。確かにあなたの言うとおりです」

僧侶「でも、魔王を倒したら、必ず返事をしてくださいね」

女戦士「さすがは、師匠っす。いつまでも待っています」


勇者「ああ。ありがとう」


勇者(そろそろ3分か)



勇者(……ん?)




・・・


―トイレ―

勇者「そうか、竜の血によって賢者タイムが5分まで使えるようになったのか」


勇者「って、なんだよ。あの返事はああああああああああ」


勇者「あれじゃ、ただ先送りにしただけじゃん!」


勇者「魔王倒したらやばいことになっちゃうよ!」


勇者「・・・はぁ」

 ガチャ

勇者「もう、知らね。魔王倒したらまた使えばいいや」


・・・

魔法使い「あっ来ましたよ」

勇者「おっす」

僧侶「じゃあ、行きましょうか」

勇者「ああ、そうだな」

女戦士「いざ、最後の町へ!」



勇者「あ。でも、その前にあの山があるわ」

―伝説の山・前―

勇者「はぁ。この山越えなくちゃならないのか」

魔法使い「あ、あの勇者様?」

勇者「んー?」

魔法使い「あそこに竜が居るんですけど・・・」

勇者「えっ」タタタ



竜子「・・・よお」


勇者「アンタ...どうした?」

竜子「・・・あんなに早く負けたのは、お前が初めてだ」

竜子「俺はお前を尊敬してる」

勇者「お、おう」

竜子「だから次の町まで運んで行ってやるよ」ノゾ

竜子「のれ」スッ


・・・


僧侶「わああ! 見てください! まるで蟻のように小さいですよ、建物!」

女戦士「ドラゴンの背中なんて初めてっす」

勇者「オロロロロロロ」ボエー

魔法使い「大丈夫ですかぁー?」

勇者「気分悪いぃーーー」


 ガコンッ


竜子「悪い、急降下しちまって」

僧侶「いえいえー」


勇者「オエエエエエエエエーーー」





―町―

竜子「ん、じゃあ。まぁ頑張れや」

魔法使い「ありがとう」

女戦士「またっす」

僧侶「楽しかったー」

勇者「お、う」


・・・


女戦士「何もない町っすねぇ」

勇者「ゴーストタウンってやつか? ここって何の町?」

僧侶「とくに○○の町っていうのはないみたいですー」

勇者「ふぇ、ある意味で不気味だな」

勇者「だれもいないし、民家すらない」

魔法使い「もしかして敵のわなでしょうか?」

勇者「罠?」

魔法使い「ええ。この前、船の上で側近さんから地図を見せてもらったんですけど、こんな町はありませんでした」

勇者「ってすると、ここは急遽につくられたでっかい罠・・・まぁそう考えるのが妥当か」

勇者「じゃあまだ夕方だしさっさとこの町抜けて野宿するか?」

魔法使い「・・・でももう魔王城が近いですよね、野宿は危険かも・・・」

勇者「言ってもこの町も危険があるかも知れないしなぁ」


勇者「・・・じゃあ多数決だ」

勇者「野宿が良いと思う人ー」スッ

魔法使い「・・・」

女戦士「はい」スッ

僧侶「・・・」


勇者「結局決まらないかぁ・・・」

勇者「でも、この町にも民家がないんだから結局は野宿だぜ」


魔法使い「いえ、なんらかの建物ならありますよ」スッ


勇者「ん? 本当だ。あれ? あんな建物さっきまであったっけ」

魔法使い「行ってみません?」

勇者「ん...そうするか」

・・・

女戦士「病院みたいっすね」

僧侶「ベットもありますよ」

勇者「ちょっと怖いけどここにするか」

魔法使い「皆で一緒に寝ません?」

勇者「え?」

僧侶「良いですねぇ。勇者様も一人じゃ心細そうですし」

女戦士「丁度一部屋にベッドが四つありますもんね」

勇者「...ありがとう」


・・・

―夜―


勇者「じゃ、電気切るぞ」

僧侶「あっ薄い照明を点けません? ちょっと怖いです・・・」

勇者「ああ、分かった」カチカチ


魔法使い「おやすみなさい」

女戦士「おやすみっす」


期待するべきか

―三時間後―

勇者(寝れん!)

女戦士「zz...」

魔法使い「zz...」

勇者(おいおい、勘弁してくれよ。明日はいよいよ魔王城だってのに)

僧侶「...」


勇者(はぁ。倒せるのかなぁ、魔王)

勇者(今までに50を超える勇者が魔王を倒すために旅に出た)

勇者(結果は、全員が死んだとされている)

勇者(・・・弱気になってちゃ駄目だな)


勇者(アンタの首は、必ず俺が討ち取る。誰も殺させはしない)

勇者(首を洗って待ってろ。魔王)



僧侶「はぁ。眠れない」ヨイショ

勇者(ん・・・)

僧侶(トイレ行こうっと)タタタッ


勇者(トイレかな?)

―10分後―

勇者(僧侶がまだ帰ってこない・・・)


・・・・・・

僧侶「はぁ。スッキリしたー」

僧侶「緊張しちゃって眠れないよ」

僧侶「魔法使いさん起こして、催眠魔法かけてもらおうかなぁ」

 パキンッ

僧侶「! 誰!?」バッ

「死ね」ヒュン

僧侶「うっ」バタッ

「・・・」

・・・・・・

―20分後―

勇者(おそい。まさか・・・生理か?)


―30分後―

勇者「・・・」ヨイショ

勇者「俺もトイレ行こっと」タタタ

・・・

勇者「! 僧侶!」ダッシュ

勇者「何故こんなところで・・・」


僧侶「・・・」

勇者「これは、血?」ベタッ

僧侶「ゆ、しゃ」

勇者「僧侶? 分かるか?」




僧侶「勇者、殺す」ガッ

勇者「っぐ」クビシメラレ

勇者「ど、した?」

僧侶「殺す、殺す、殺す」ググッ

勇者「は、なせ。そ、りょ」


勇者(まさか、本当に生理なのか!?)

勇者(ってことは、この血は)

勇者(僧侶の・・・)

僧侶「・・・」グググッ


勇者(やべっ。本気で苦しい・・・)

勇者「ッ」

勇者(仲間に、殺される)


「死ね、勇者」ブンッ


勇者「ぐはぁっ」ザクッ

勇者(・・・胸を...)

勇者(やはり・・・罠だったのか)


「よくやりました。僧侶」

僧侶「いえ、炎帝様」

炎帝「これで、貴方は私の仲間です」

僧侶「はい」

炎帝「あとは魔法使いと女戦士ですか」

僧侶「はい」ポロ...

炎帝「おや」

僧侶「・・・」ポロポロ

炎帝「泣いているのですか?」

僧侶「いえ」ポロポロ

炎帝「泣いているではありませんか。やはり、勇者が死ぬのは辛いですか?」

僧侶「いいえ」ポロポロ

炎帝「辛くないと。では、他の仲間も殺しましょうね」

僧侶「は...い」



・・・

魔法使い「zz///」

女戦士「zz・・・」


炎帝「ぐっすり寝ていますね」

僧侶「はい」

炎帝「では、行ってきなさい」

僧侶「・・・」


炎帝「行け」プシュウウ

僧侶「はい」タタタ

僧侶「女戦士、殺す、殺す」ガッ

女戦士「うぐっ・・・」クビシメラレ

僧侶「殺す、殺す」ググッ

女戦士「...何するっすか・・・」ギュ

女戦士(瞳が、紫になっている?)

女戦士「はなすっす」ブンッ

僧侶「っ」グオン

 ガシャン

女戦士「投げてしまってすみません」

魔法使い「ん・・・何の音?」

女戦士「姉御! 何かがおかしいっす」キョロキョロ

女戦士「師匠もいません!」


炎帝「やぁ」

女戦士「誰っすか!?」

炎帝「魔王軍特別精鋭隊・四天王の一人、炎帝と申します」

炎帝「僧侶、起きなさい」

僧侶「はい」ムクッ

魔法使い「なるほど、あなた。魔法で僧侶を操ってるのね」

炎帝「魔法、ではありませんよ」

炎帝「能力です」プシュウウウ

炎帝「ちなみに、勇者は死にました」

女戦士「なっ・・・」

魔法使い「・・・」

女戦士「師匠!」

魔法使い「・・・」


炎帝「そこまで驚くことはないでしょう。人間なのだから死んでs」ドゴオン

炎帝「痛いですねぇ」ゴホッ


勇者「お前を倒し、僧侶の心を取り戻す」

炎帝「あれ・・・傷が治ってる...貴方、人間ですか?」

勇者「黙れ」ゴッ

炎帝「そのこん棒、私の皮膚よりも固くないですね」

勇者「これは俺の剣だ。お前に文句を言われる筋合いはない」ゴッ

炎帝「文句? とんでもない。アドバイスをしてあげただけですよ」...


勇者「! 皆、ふせろ!」


 ドゴオオオオオン


・・・


勇者「詠唱なしで魔法が使えるのか」ボロボロ

炎帝「ええ。でないと魔王様の精鋭は務まりませんから」

炎帝「それにしても、...凄い再生力ですね」

勇者「それが俺の能力だ」

生理って余裕あるな

魔法使い「」

僧侶「」

女戦士「」


炎帝「彼女達は全員気絶したみたいですよ」

勇者「そうだな」

炎帝「魔法使いが結界を張らなかったら、彼女達は死んでいたでしょうね」

勇者「お前はこれから死ぬんだ」

炎帝「面白いですねぇ。しかし貴方に勝ち目があるでしょうか」

勇者「悪いが時間がない。遊びは終わりだ」

炎帝「遊び?」


勇者「『超究極雷魔法』」



・・・

―翌朝―

勇者「魔法使い、起きて」ツンツン

魔法使い「ん・・・」

魔法使い「はっ!」

勇者「おはよう」


魔法使い「あのっどうなったんですか?」

勇者「とりあえず、僧侶は無事だよ」


僧侶「迷惑かけてすみません・・・」


勇者「実はかくかくしかじかって訳」

魔法使い「そんなことが・・・」


勇者(かくかくしかじかって伝わるもんなんだな)

キンクリかよ~

勇者あんなことやこんなことを

勇者「とりあえず、あいつは四天王って言った。他にも3人いるはずだ」

勇者「そいつらが来る前にここを離れよう」

魔法使い「先に進むんですか?」

勇者「ああ。俺たちにはもう余裕がない」

勇者「俺も結構限界だ」

女戦士「一度、竜の町に戻るっていうのはどうでしょう?」

勇者「駄目だ。そのためには伝説の山を越える必要がある」

勇者「それに竜の町に行っても休めるとは限らない・・・」


勇者「こんなことなら竜子に魔王城まで運んでもらえばよかった」


魔法使い「多数決はどうですか?」

魔法使い「進み気がある者は手を、挙げてください」スッ

女戦士「・・・」スッ

僧侶「・・・」スッ


魔法使い「皆、戦う準備はできてるみたいですよ」

勇者「・・・ああ」スッ


勇者「じゃあ行こう。休みは抜きだ」

勇者「いざ、魔王城へ!」


「「「おー」」」

・・・

〈毒の沼〉

勇者「もう、目と鼻の先に見えるぞ」

女戦士「どうやってこれを渡るんすか」

勇者「うん。凍結魔法だ」

魔法使い「分かりました。やってみます」


魔法使い「大凍結魔法×3」パキ


 パキ・・・パキパキパキ・・・


魔法使い「うまくいきました」

勇者「よしっ。僧侶、魔力回復してやってくれ」

僧侶「はいっ回復魔法」パアア

勇者「...渡ろう」





・・・



勇者「っ」ブン

女戦士「やぁああ」ブン


魔物「」


勇者「ふぅ。僧侶、女戦士に回復魔法を」

僧侶「はいっ回復魔法」パアア



・・・


勇者「ッ」ブン

魔法使い「大風魔法・凝縮・・・カマイタチ!」ヒュン


魔物「」


勇者「僧侶」

僧侶「はいっ回復魔法」パアア


〈魔王城・前〉

勇者「・・・」ゴクリ

勇者「ついにここまで来た」ボロボロ

僧侶「あのっ勇者様?」

勇者「ん?」ボロボロ

僧侶「なんで貴方には回復魔法をかけさせてくれないのですかっ」

勇者「ああ。俺には必要ないから」

僧侶「必要ないって・・・」

勇者「本当だ...皆には黙っていたが、俺には再生能力がある」

女戦士「まじっすか!」

勇者「大マジだ」


勇者「それよりも、進もう」


魔法使い(心なしか勇者様が急いでいるような気がするわ・・・)

〈魔王城〉

勇者「っち。いきなり四本の道で分かれてやがる」

僧侶「あきらかな罠ですね」

勇者「本来なら、一つに絞るべきだけど・・・分かれて進もう」

魔法使い「……確かにそうしたほうが効率的ですね」

勇者「うん。でも僧侶は回復魔法がメインだ。だから俺に付いて来てくれても良い」

勇者「どうする?」

僧侶「私は、分かれます」グッ


勇者「・・・分かった。じゃあ女戦士もそれでいいな?」

女戦士「うっす!」



勇者「皆、約束してほしい」

勇者「絶対に死ぬな!」

勇者「次会う場所は、魔王の間だ」


女戦士「はい!」

魔法使い「あなたも死なないで下さい。勇者様」

僧侶「皆さん、お気をつけて」


・・・


勇者「よーし、全員道の前に立ったな」

魔法使い「はい、勇者様が一番右端で、私が右から二番目。僧侶が一番左で、女戦士が左から二番目」

僧侶「おーけーです」

女戦士「あー。ワクワクしてきましたー」


勇者「次に会う場所は?」


 「「「魔王の間!」」」


勇者「俺との約束は?」


 「「「絶対に死なない!」」」


勇者「うし。じゃあ...行くぞぉ!」ダッシュ


 「「「おぉー!」」」ダッシュ




保守

・・・・・・

側近「ついに来たみたいですよ」

魔王「...ここまで来た勇者は、これで4人目になる」

側近「彼は過去最大の脅威です」

魔王「ああ、初代勇者よりも強い」

魔王「俺と似た能力を持つ炎帝は死んだようだ」

魔王「勇者の能力は分かったか」

側近「ええ。炎帝と勇者が戦ったときの記録によると、勇者の能力は」

側近「『再生能力』でございます」

魔王「そうか。ではお前が勇者の相手をしろ」


側近「...魔王様、一つお願いがあります」

魔王「聞いてやろう」

側近「魔法使いと戦わせてください」

魔王「? 何故だ」

側近「・・・ただ単に戦ってみたいだけです」

魔王「いいだろう。許可する。お前が自分から戦いと言い出すのは初めてのことだからな」

側近「ありがたき幸せでございます」

・・・・・・

>>363
あれ?ここって保守必要なんだっけ?

〈僧侶ルート〉

 ヒュオオオオオオ


僧侶「凍えるように寒い・・・」

僧侶「頑張らなきゃ・・・」

 
「そう、頑張らなきゃ。アタシも」

僧侶「! 貴方は誰ですか!」


氷帝「四天王の一人・氷帝」

氷帝「あんたを凍らせる」


僧侶「そうはいきませんよ!」

氷帝「あんた、補助魔法がメインでしょ」

僧侶「それがなにか」

氷帝「どうして一人で来たの?」

僧侶「・・・いけませんか?」

氷帝「いいや。ただ、人間は馬鹿しかいないんだなと思って」


僧侶「私は馬鹿ではありませんよ」

氷帝「そう」

氷帝「そんなことはどうでもいい」

氷帝「消えな」...


僧侶「防御結界!」


 キイイイイイン・・・


僧侶「勇者様から聞きました。詠唱なしで魔法をこなすとか」

氷帝「そう。アタシが攻撃力のない魔物でよかったね」

氷帝「でもね。目的はそれじゃないの」

僧侶「え? っは」

僧侶(周りが氷柱で囲まれている...)


氷帝「あんたは抜け出せない」

氷帝「一歩でも動いてみな、串刺しになるよ」

僧侶「っく」

氷帝「やっぱりあんたは馬鹿だった」

僧侶「・・・」


氷帝「もう打つ手はないの?」

僧侶「悔しいですが、ありません」


僧侶(勇者様に救われたこの身。どうか、最後まで)

氷帝「じゃあ、さよならだね」


僧侶「打つ手はありません。私には」

氷帝「え?」


僧侶「でも、私には仲間がいるッ!」

僧侶「魔方陣!」キュオオ

僧侶「にゃんぱす~」


 ポンッポンッ


氷帝「なるほどね...」



「いてて、どこだここ?」

「あら」

僧侶「久しぶりです」


猫広「ッチ。僧侶か」

猫美「会いたかったわー」

僧侶「私に力を貸してください!」

猫広「あぁ把握した。そこのやつを倒せば良いんだな?」

僧侶「はいっ」

猫美「ふーん。ここが魔王城ねぇ」

僧侶「持って5分しか居られません。お願いします、一緒に」

猫広「分かったっていってるだろ」


猫美「でもさ、こんなに氷柱だらけじゃ動けないよ。今は猫だから良いものの」


氷帝「一人じゃ勝てないから仲間を呼ぶ。利口な判断だよ」


猫広「ふんっ」キン

猫広「はぁ!」ヒュン

 ズババババババ

僧侶「すごい! 氷柱を切ってる!」


氷帝「二匹増えたところで、結果は同じよ」

猫広「お前さん、あまり俺たちを舐めないほうが良い」

氷帝「だってそうでしょ」

猫広「ふん。俺たちが居られるのは後4分程度か。十分すぎるな」

猫美「ええ。その女を倒すくらいならね」


氷帝「舐めやがって...」...

僧侶「! 防御魔法・多重結界」


 キイイイイイイイイン

猫広「遅い」ヒュン


猫美「っはっ」ヒュン

 ズバババババ

猫美(私は氷を壊すから、アンタが首を切りな)ウインク


猫広「ああ。もうやってる」ボソッ


猫広「うおおお!」




 ズバッ・・・ドスン

猫広「ふん。人間も魔物も、首が落ちちまえば同じだ」

猫広「お前は魔法に頼りすぎるあまり、すばやさがねぇ。それが敗因だ」


氷帝「」



猫美「あら、やるじゃん」

僧侶「すごいですっ!」


猫広「っけ。丁度時間だろう」

僧侶「ああ・・・はい」

猫美「そうなの。残念だわぁ。僧侶、帰りにニャンコ村によっていきなさいね」

僧侶「うん、皆も連れて行くね」


猫広「ッチ。僧侶、頑張れよ」

僧侶「はい、猫広さん。ありがとう」ニコッ

猫広「・・・ッチ」


猫美・猫広「じゃあね(な)」


 スシュウウウウ


・・・

僧侶「本当にありがとう」

僧侶「よしっ先を急がなきゃ!」






これで終わります。

明日、というかもう今日ですが、明日の夜には完結させたいと思います

乙乙。


せっかくバランスの取れたパーティーなのに戦力を分散させるとか愚の骨頂。
とか思ったけど1人で四天王倒せる実力があるなら確かに時間の節約になるか。




変態紳士はどこ行った?

おつおつ

〈女戦士ルート〉

女戦士「へぇ。四天王のクセにたいして強くないっすね」


風帝「あまり舐めないほうが良いよ~?」

女戦士「けど、あんたの風攻撃は僕には通じないよ」

風帝「うん。だからこれからはもっと頑張るよ」

風帝「とりあえず・・・」...


 ブオオーーン

風帝「ミニ竜巻6つで動きを封じてみようかな」ニコッ


女戦士「っち。気味の悪いやつっす」ヒュン


女戦士「ふっ」ブンッ

 
 ヒュオオ...


女戦士「くそッ(やつに近づこうとすれば竜巻が邪魔をしてくる・・・)」


風帝「じゃあ次はカマイタチでカットしようかな」...


風帝「ほい」ブンッブンッ


女戦士「クウッ」キンキンキンッ


女戦士(風を切っても、余りが鎧を切り裂いてくる...)











風帝「じゃあ次は、風圧で君の息を止めよう」...


 ブビュオオオオオオオオ


女戦士「っ(体が飛ばされる...呼吸が出来ない。)」

女戦士「う、あああ」ブアッ

風帝「おおっ吹っ飛んだ」


女戦士「・・・っ」ガシャン


風帝「あはっ頭打ったね。ちゃんと受身を取らないと」

風帝「・・・ねぇ」


女戦士「は...はぁ」

風帝「僕に切り刻まれるのと、窒息させられるの。どっちがいい?」

女戦士「っつ・・・」

風帝「喋れないか。じゃあ風を止めてあげる」...



風帝「これなら話せるでしょ?」

風帝「どっちが良い?」

風帝「じゃあ次は、風圧で君の息を止めよう」...


 ブビュオオオオオオオオ


女戦士「っ(体が飛ばされる...呼吸が出来ない。)」

女戦士「う、あああ」ブアッ

風帝「おおっ吹っ飛んだ」


女戦士「・・・っ」ガシャン


風帝「あはっ頭打ったね。ちゃんと受身を取らないと」

風帝「・・・ねぇ」


女戦士「は...はぁ」

風帝「僕に切り刻まれるのと、窒息させられるの。どっちがいい?」

女戦士「っつ・・・」

風帝「喋れないか。じゃあ風を止めてあげる」...



風帝「これなら話せるでしょ?」

風帝「どっちが良い?」

女戦士「はぁ...女に訊く質問じゃないよ」

風帝「じゃあ、窒息でいいね?」

女戦士「・・・この悪趣味・・・」

風帝「じゃあ・・・」



女戦士「もう分かったよ」

風帝「何が?」ニコッ

女戦士「あんたには勝てない」

風帝「・・・素直に認められるとなぁ」


女戦士「自分は戦士っす」

女戦士「どうせやられるなら、剣を交えて戦いたい」


風帝「...嫌だよ。接近戦は不利だもん」ニコッ

風帝「君の作戦には乗らない」

女戦士「っと」ヨイショ

女戦士「作戦なんかじゃない。ただ戦いたい」


風帝「ふぅん。さすがは魔王様に挑むだけある」

風帝「逝かれた頭だ」

女戦士(あんたにだけは言われたくない)


女戦士「どうっすか?」チャキ


風帝「言っただろう。君と接近戦をしても、僕には得するものがない」





風帝「・・・ふぁ~。なんか飽きてきちゃった」

女戦士「っと」ヨイショ

女戦士「作戦なんかじゃない。ただ戦いたい」


風帝「ふぅん。さすがは魔王様に挑むだけある」

風帝「逝かれた頭だ」

女戦士(あんたにだけは言われたくない)


女戦士「どうっすか?」チャキ


風帝「言っただろう。君と接近戦をしても、僕には得するものがない」





風帝「・・・ふぁ~。なんか飽きてきちゃった」

女戦士「っと」ヨイショ

女戦士「作戦なんかじゃない。ただ戦いたい」


風帝「ふぅん。さすがは魔王様に挑むだけある」

風帝「逝かれた頭だ」

女戦士(あんたにだけは言われたくない)


女戦士「どうっすか?」チャキ


風帝「言っただろう。君と接近戦をしても、僕には得するものがない」





風帝「・・・ふぁ~。なんか飽きてきちゃった」ネムネム



女戦士(油断してる。風はない。今の自分なら・・・)


女戦士(行ける!)ダッ



風帝「ふう。……ん!」




女戦士「やぁ!」ザクッ


風帝「うっ腕がああああぁ」プシャー


女戦士「はっ」ザクッ


風帝「っく。離れろ、この女ぁ!」...


 ブオオオオオオ


女戦士「あんたの手を掴んだ! 僕は飛ばされない!」ギュッ


風帝「くそぉ! どうやってここまで来た! まさか、能力かぁ!」

女戦士「能力? ただのドラゴンの力っすよぉ!」ブンッ


女戦士「とどめだッッ!」ッザク!






風帝「」



女戦士「は、やった...」


女戦士(これは、勇者様が竜の血を取ってきたお陰ですね)バタッ





女戦士「ちょっと・・・休んでから次に行こう...」

〈勇者ルート〉


勇者「・・・」キョロキョロ


勇者「罠はないみたいだな」ホッ


 ピチャッ


勇者「ん? あんなとこから水が垂れてる」

勇者「・・・はっ。不気味な演出でもしようってか?」


勇者「甘いねぇ。魔王も。俺がそんなのでビビる分けないじゃん」



勇者(俺は早く魔王を倒して、三人に伝えなければならないことがある)


勇者「うっし、ちょっと走るか」



 ビシャアアアアアアアアア


勇者「うお!? 滝のように水が落ちた」


「はぁい。ミスター」ボイン

勇者「おおっ!」

水帝「四天王の す い て い。ですっ」ボイン


勇者「スバラシイ」


勇者「いやぁ。魔王を見直したぜ」

水帝「ふふっ。何故?」


勇者「そりゃ、こんな美しいお姉さんを従えてるんだからなぁ」

水帝「あらぁ、嬉しいこと言ってくれるじゃない」


水帝「ちなみに私、49歳よ?」

勇者「」



水帝「ついでに、さっきの滝のような水あったじゃない?」

勇者「・・・あ、ああ」

水帝「あれね。」


水帝「私の潮吹き」


勇者「」チーン


これは酷い!!!!!!!!

勇者「やっぱ魔王ないわ」オエ

水帝「あら、急に意見を変えるのね」


勇者「だって俺に熟女趣味ないし」

水帝「・・・」


勇者「淫乱はちょっと・・・」

水帝「・・・」


勇者「それにアンタ。中古やろ? ないわぁ」

水帝「・・・」


勇者「アンタも魔王もないわぁ。良かった。お姉さんだったら戦いにくかったんだ」

水帝「・・・」

勇者「これで、楽な気持ちで戦うことが出来る。ありがとな」

水帝「・・・」...


 ドッガアアアアアアアアアン



水帝「水を気化させ、爆発させたわ」

水帝「49年間も生きた私」

水帝「たかだか17年間しか生きていない貴方」


勇者「・・・」ボロボロ


水帝「ちょっとしか生きてないクソがきがぁ! 女を語ってるんじゃないわよ!」

勇者「・・・」


水帝「大体貴方。女性とそういう経験したことあるの?」

勇者「・・・」


水帝「熟女のテクのうまさを知らないから、貴方はそんなことが言えるの」

勇者「・・・」


水帝「まさか、やったことはないけど、動画で見た知識で語ったんじゃないでしょうね?」

勇者「・・・」

中古差別反対~

水帝「どうなの? 経験あるの? ないの?」

勇者「・・・っ」ボソッ


水帝「聞こえないわっ! 男ならもっと大きな声で発しなさい!!」


勇者「...あ、り。ま・・・せん」グスッ

水帝「・・・」




水帝「ップwwww」

勇者「」グスッ




水帝「ほらああああああwwwねぇじゃねぇかwwwワロタ、ワロタわwwwこいつ、チィエリイイボーイwww」

勇者「っ・・・」ボソッ


水帝「んんwww何か言いました? ww帝王ww」


水帝「どう、帝王www・・・ぷっww」




勇者「そ、そんなに言わなくてもいいじゃなぃかああああぁぁッ」



勇者「童貞で何が悪い! 何がいけないんだ! てめぇみたいなぁ、中古と違うんだよ。俺は・・・あっ」


勇者「はっははは・・・」


勇者(よく考えたら俺、中古じゃねぇか)




勇者「・・・ってやる...!」





勇者「殺してやるッッッ!」


勇者「全人類...いや、全童貞に・・・」





勇者「死んで詫びろおおおおおお!」











勇者「賢者モード!!(賢者モード!!)



 プシュウウウウウウウウウ




水帝「ちょw何言ってんの?」


勇者「お前の寿命は、後5分以内に尽きる」キリッ

水帝「はああw?」


勇者(こいつは水蒸気爆発を起こすことができる)ブンッ

水帝(な...早い・・・)シュッ


勇者(やつが爆発を起こしたら、俺はそのまま爆発に飛び込む)ブンッ

水帝(まずいわね。本当に5分いないになっちゃうかも・・・)シュッ



水帝(そういえば・・・彼は能力持ちだったのよね)プッシャー

勇者(今思えば、あの図書館のおじさんは全員で5人の覚醒能力者がいるといった)シュッ


水帝(確かそれは再生能力)プッシャー

勇者(一人はあの炎帝。そして俺と魔王)シュン


水帝(ならどうして彼はこんなにも強いのかしら。元々?)プッシャア!

勇者(あと二人・・・普通に考えると、魔王の護衛的ポジションの者だ)シュッ


水帝(元々でこんなに強いのなら、かなりマズい...)ナシジルプッシャー

勇者(こいつが能力者である確立は極めて高い)シュッ

水帝(こうなったら、能力を使うしかないわね)


水帝(テレポート!)



 プッシャーアアァアアァ




勇者「...消えた? (やはり能力者か)」ピタッ


勇者(おそらく転移能力)

勇者(普通はすぐに向かってきたりするが...)


勇者(やつは四天王。強さは俺のほうが上だろうが、やつにも手がないわけではないだろう)

勇者(きっとどこかで大技を仕掛けているはずだ…)



勇者「ッチ。面倒になった」


勇者(5分以上掛けられたら、俺の負けだ)

・・・・・・

水帝「はァ、はァ、はァ」プッシュウウ


水帝「出来たわ。特大の水球・・・」


水帝「この中の水圧は物凄く高い。勇者をこれに封じこめて、私の勝ちだ」ククク

・・・・・・


勇者「・・・」


 シュンッ

水帝「(移動完了)喰らえ!」ブンッ


勇者「悪いな...」


 ドグシャアアアアアアアアアアアアア!!




水帝「」クロコゲ



勇者「お前がいない間に、この空間に魔法を掛けておいた」


勇者「超究極雷魔法の応用、『雷世界』」



勇者「ここに来た瞬間、お前の負けは確定していた」ドンッ




勇者(時間か...)


勇者「頭痛薬の残りは二個・・・」



勇者「魔王、待っていろ」ガクッ

〈魔法使いルート〉


側近「・・・やァ」


魔法使い「側近さん?」

魔法使い「わっ。お久しぶりです」


側近「ああ。久しぶりだね」


魔法使い「いや~・・・っていうか何故魔王城に? 危険ですよ」


側近「……お前ももう感づいただろう...」


魔法使い「側近、さん」


側近「アタシは魔王様の護衛兵、側近」


側近「お前を打つ」チャキ

魔法使い「・・・私は、悩んでいました」


側近「? 何の話をしているんだ」


魔法使い「聞いてください」

魔法使い「昔、といってもちょっと前ですね」


魔法使い「実は私、勇者様のパーティで一番弱くて、そんなことに悩んでいました」

魔法使い「まぁけど、そんなことを勇者様に相談したんです」


魔法使い「そしたら、彼は弱いなら強くなればいいって言ったんです」


魔法使い「私は強くなりました」


魔法使い「強くなれたのは、貴方と勇者様のお陰だと思っています」


側近「...今はどうでいいだろ、そんな話」


魔法使い「・・・あなたとは戦いたくない」


側近「駄目だ。戦え」


魔法使い「嫌です」


側近「はぁ・・・」

側近「まったく。困った弟子だよ」


側近「じゃあ戦わなくて良いから、アタシを殺しな」


魔法使い「え?」


側近「...アタシは今まで魔王様に付き合ってさまざまな悪さをしたと思ってる」

側近「もう、魔王にはうんざりなんだ」



側近「だから、お前の手で、アタシを殺しな」

魔法使い「そんな...できる訳ないでしょう!」


側近「一人しかいないアタシの弟子だから言ってるんだ」

側近「結局はアタシを討たないと先には進めないよ」


魔法使い「嫌です・・・」


側近「嫌々ってあまったれてんじゃないよ!」

側近「お前は何のためにここに来たんだ!」


魔法使い「...魔王を倒して、世界を平和にする」


側近「だったら、アタシを倒さなきゃ」

魔法使い「・・・そこをどいてください、側近さん」

側近「駄目だ」

魔法使い「あなたがどいてくれればいいんです」


側近「駄目だと言ってるだろう」



魔法使い「...そこをどけぇ! 側近! 大火炎魔法!」



 ボオオオオオオオオン!...



側近「・・・っく。中途半端な威力だよ。老いぼれにとっては」


側近「まぁ・・・これでようやく...死ねそうだ」バタ


魔法使い「側近さ...ん」タタッ


側近「っけ。出来の良い弟子だよ」

魔法使い「ううっ」ポロポロ


側近「泣くんじゃないよ...おでこをだしな」

魔法使い「えっ」

側近「良いから・・・ん」ピュワアアア


魔法使い「えっつえっ」

側近「あぁ。今お前の魔力の流れを邪魔してる石をとった」

魔法使い「石?」

側近「そうさ。船のときに、仕掛けさせ、てもらっ、たよ」


側近「・・・これ、で。お前はぁ、究極ま、ほがつか...える」

魔法使い「そ、側近さん!」ダキッ



側近(お別れだ。魔法使い)ガシッ


側近「はぁ...ぜぇ、この先の道は、いき...どまり、だよ」バタッ


魔法使い「うっううう、うわぁああぁああ」ポロポロ



・・・


・・・

魔法使い「お世話になりました」

魔法使い「かならず魔王を討ち取ります。側近さん」タタタ



・・・



―女戦士ルート―



女戦士「あれ。行き止まりだ・・・ってことは・・・」



―勇者ルート―



勇者「あー賢者しすぎて頭がフラフラするー」

勇者「んー? ・・・行き止まり?」


・・・

〈魔王城・一番初め〉


魔法使い「あっ勇者様」

勇者「おお、魔法使い」

女戦士「師匠!」

勇者「それに女戦士」


勇者「なんだよー。次に会う場所は魔王の間だっていったろー」


魔法使い「それが、行き止まりらしいんです。この道」

勇者「え。魔法使いもか」

魔法使い「ってことは、あなたも?」

勇者「ああ」


女戦士「僕も行き止まりでした!」

勇者「マジかよ・・・」




勇者「ってことはだ」


勇者「正解は、僧侶が進んだ道...」


魔法使い「ああ・・・行きましょう!」

女戦士「走るッす」ダッ

勇者「分かってるよ!」ダッシュ

サーセン、続きは夜で

まっとるで

面白い舞ってる

       ∧_∧
      (´・ω・`)
      ノ ⊂ ) ))
    (( ( ヽ'つ〈
      (_)^ヽ__)

            ,.-─- 、
        ∧_,,∧\●/
   /\  (`・ω・´)∩‐
   | ● ⊂     /
   ヽ/ r‐'   /
      `""ヽ_ノ

―僧侶ルート―

僧侶「あれ、ここからは階段ですか」

僧侶「ふぅ・・・」ヨイショ


・・・


僧侶「はぁ~やっとついた。一体、何段あったのでしょうか」


僧侶「ん。また分かれ道。右か左・・・右に行きましょうか」


・・・


僧侶「えぇーまた分かれ道・・・左!」



・・・


僧侶「あら。ここだけでっかい扉がある・・・」


僧侶「押してみましょうか」ゴクリ


 ギイイイイイイイイ


〈魔王の間〉


僧侶「ここは・・・」


魔王「ほう、勇者より先にたどり着いたか」


僧侶「もしかして...魔王?」



魔王「貴様の魂。貰い受ける」プシュウウ

―僧侶ルートin勇者ズ―


勇者「はぁ・・・階段?」

魔法使い「うわっ凄い段数ですね」

勇者「よし、駆け上がろう」ダダダ




・・・


勇者「っち、分かれ道だ」

魔法使い「あなたの勘ではどちらに行ったのだと思います?」

勇者「・・・左、だと思う」

魔法使い「女戦士は?」

女戦士「右っす」キッパリ

魔法使い「勇者様、私も左かと・・・」


勇者「ん。分かった、女の勘に掛けよう」タタッ


・・・


女戦士「また分かれ道っす」


勇者「ああ。それにしても変じゃないか?」

魔法使い「分かれ道が多いことですか? それなら敵の混乱させるための・・・」

勇者「違うよ。俺が言いたいのは、魔物が見当たらないってこと」

魔法使い「・・・確かにそうですね。普通なら魔物を配備させるはず・・・」


勇者「...まぁ今は僧侶が優先だ。俺は右の道だと思うが・・・」

魔法使い「私は左です」

女戦士「me to」


勇者「・・・おーけー」


・・・


女戦士「うおっおでかい扉」クビアゲ


勇者「・・・ビンゴだ...凄いな、女の勘」

勇者(無事でいてくれよ、僧侶)


魔法使い「大火炎魔法!」ボウッ


 ドガアアアアアアン・・・



勇者「危ねぇ...思い切ったな。・・・お陰で扉が木っ端微塵だ」ニッ




〈魔王の間〉


勇者「...よぉ」


魔王「……ここまで来た勇者は久しぶりだ」


勇者「魔王っていうくらいだからどんな姿かと思えば・・・もやしみたいな野郎だな」

魔王「っふ。体重250kg。身長3mの俺がもやしに見えるのか」


勇者「で、僧侶はどこだ?」

魔王「そこにいるではないか?」


勇者「あ? ・・・」


勇者「そうか、てめぇの能力はマインドコントロールだったか」


僧侶「マッサツする」ギロッ


魔法使い「僧侶! 目を覚ましなさい!」


魔王「俺の心理掌握はただ操るだけではない。力、速さ、防御力。全てを底上げし、俺の最強の奴隷となる」

勇者「てめぇ...」ギリッ


魔王「なんなら、自殺させるようにだってできるぞ」

勇者「ッチ・・・」


魔王「勇者、貴様はそこから一歩も動いてはならない」

魔王「動けば僧侶は死ぬ」

勇者「ぐッゥ」ギリッ



魔王「さぁ、ゲームといこう」

魔王「今から、魔法使い、女戦士に25分の時間をやる」

勇者「一体何を...」


魔王「25分以内に僧侶の洗脳を解いてみせろ」

魔王「その間、5分ごとに勇者の腕と足を折る」

魔法使い「!?」

女戦士「っッ...」


魔王「最後の25分が過ぎても、洗脳を解けない場合、勇者の首を折る」


魔法使い「そんな下種なゲーム、するわけがないでしょ!」

魔王「フハハッ」

魔王「何か勘違いを起こしているな?」


魔王「貴様らに決定権はないのだよ」


魔王「勇者、動くでないぞ。なぁに、腕の一本や二本・・・お前なら再生できるだろう?」

勇者「……」ギリッ



魔王「では、始めよう」


魔王「僧侶、あの二人を抹殺しろ」


僧侶「はい。マッサツします」ギロッ

・・・

魔法使い「やめて、僧侶!」バッ


女戦士「くゥ...僕よりも強いなんて・・・」


僧侶「きゃっきゃ、マッサツする♪」


魔王「ふむ。5分経過だ」

魔王「まずは右腕を折るとしよう」スッ


女戦士「やめろォ! 魔王ッ」


魔王「ふんっ」ググッ

勇者「っつ...」



 
 ...ボキッ



勇者「っぐゥゥウッア!! ックッハァ...」プラーン


魔法使い「あ……あぁあああっ」


女戦士「貴様ぁああああ!」ダダッ

僧侶「きゃは♪」ガシッ

女戦士「離せッ」

僧侶「マッサツー」





勇者「ッへ、魔王。アンタいい趣味してるぜ...」


魔王「そうか? ハハハッ人間に褒められたのは初めてだ」

魔王「貴様、痛みのせいで狂ったか?」


勇者「っけ。どうやら世界の魔王様は嫌味も分からない馬鹿らしいな」

魔王「フンッ」ガッ

勇者「っがぁ」

魔王「今すぐにでも首を折ってもいいのだぞ?」ギリギリ

勇者「は、なせ・・・」

魔王「ッチ」パッ




女戦士「このッ」ガッ

僧侶「きゃっいたーい」

女戦士「絶望的だ...」



魔法使い「……狂ってる」ボソッ

魔王「ああ」ニヤッ


魔王「そろそろ10分だ」

魔王「次は...左足を折ろう」スッ


勇者「...」ビクッ


魔王「ハハハハハっ。すっかりおびえる様になったじゃないか」


魔王「いい顔だ。さっきまでの威勢はどうした?」


魔王「やはりお前も、今までの勇者と変わりはない」



勇者「……あまり俺たちを舐めないほうがいい」


魔王「そうか」グググッ



 ...バキッ



勇者「ッ...っアァ!!」


魔王「ああ、もっといい顔になった」ニイ



勇者「ハッハッハ...」


勇者「あァ。魔王...」


魔王「どうした、勇者よ」



勇者「俺の仲間は、サクッとお前を倒すために集めた、最強の仲間だっ」


勇者「お前如きが、俺たちを倒せると思うな」





魔王「ッフ、口だけは達者だな」



女戦士「あぁ!」ドン

僧侶「きゃは」

魔法使い「お願い、もうやめて・・・」





勇者「このままじゃ、俺たちはお前に殺されるだけだ」

魔王「ああ、今頃になって気付いたか」


勇者「だから俺は、僧侶を信じる」

魔王「あ?」



勇者「いや、違うな。仲間を信じる」

勇者「俺たちは、決してアンタに屈しない」


魔王「まぁ考えたいことは好きにしろ」

魔王「それよりも、あと2分で右足いくぞ」



勇者「それはもう、必要ない」


勇者(賢者モード)


 ...プシュウウウウウウウ


勇者「ゲームは終わりだ」


魔王「……ああ、使いやがったな」



魔王「クソガキが...」


勇者「お前に彼女を操る権利はない」ブンッ

勇者「返してもらうぞ。俺の仲間を」ッド

魔王「ッチィ、もう右腕が治ったか」ヒュン



勇者「違うな」スタッ

勇者「左足も治ってる」チャキ



魔王「・・・愚かだ」

魔王「動いた、ということは、お前は仲間を見捨てたということだ」



勇者「言っただろう。僧侶を、仲間を信じると」


魔王「...ならば信じるがいい。お前の選択を!」ギイイ



魔王「僧侶、自害しろ」



僧侶「はい。魔王様」スッ


女戦士「やめろ!」バッ

僧侶「邪魔をするな」ググッ

女戦士「ック(この力、竜の力を超えている)」



魔法使い「やめなさい、僧侶」


魔法使い「そんなことをしたら、勇者様が悲しむわよ?」

僧侶「……関係ない」


魔法使い「死んじゃったら、彼にはもう、二度と会えなくなるわよ?」

僧侶「……」

魔法使い「それでも、良いの?」


 ...カラン。






『熱心なお祈りですね』

『僧侶はクラーケンのときに真っ先に人の救助に向かった。それって十分すごいことだぜ?』

『皆、約束してほしい。絶対に死ぬな!』



僧侶「いや、だ。」

僧侶「死にたく...ない」バタッ


魔法使い「僧侶!」

女戦士「大丈夫っすか!?」

魔法使い「……ふぅ。ただ気絶しただけみたいね」




魔王「あ、ありえん・・・」

勇者「お前は人間の絆を舐めていたな」

魔王「この、能力が...」



勇者「さぁ。人類の痛みを思い知れ」







勇者「フッ」ブオン

魔王「ぐぁっ、伝説の剣でもない、ただのこん棒で俺を殺せると思うなぁ!」ピキッ


勇者「ふむ。やはり竜の血で俺の力は上がったらしい」

勇者「一撃で、このザマだ」


魔王「ぁ?」ピキピキ

勇者「お前の着てる、その鎧は『覇者の衣』というものだろう」

勇者「どんな魔法をも無効化する鎧だ」


勇者「だから俺はそれを壊した」

魔王「!」バキンッ


魔王「貴様...」


勇者「魔法使い!」

魔法使い「はい!」



魔王「これで・・・終わったと思うなよ...」

魔王「計画はまだ...」







魔法使い「『究極火炎魔法』」ボウッ


勇者「『超究極雷魔法』」ビリ



 シュッ・・・・・・・・・・・・




・・・











   魔王だったもの「」




勇者「親父...人間が初めて魔王を倒したぞ」

・・・







僧侶「・・・っは」ガバッ

女戦士「あっ起きましたー」


勇者「おう」

魔法使い「まったく」


僧侶「あ、ああああすみません!」

勇者「ん? 記憶が残ってるのか?」


僧侶「は、はい。どうなったんですか?」


魔法使い「・・・」ニコ

女戦士「・・・」ニヤ

勇者「・・・」^^


僧侶「え、え? 勝ったんですか!?」




勇者「当たり前だ。最強の勇者パーティだぞ」

魔法使い「このことはすぐに全町や国に伝わるわ」


僧侶「・・・お、お役に立てずに申し訳ございません!」


勇者「んなことねーよ」

僧侶「え?」

勇者「お前が居たから、魔王に勝てたんだ」

勇者「いや、俺たち4人がいたから勝てたんだ」




女戦士「いったいー。回復ほしーなー」

僧侶「あっはい!」タタタ





魔法使い「良かったですね、勇者様」

勇者「ああ(骨折られたときはチビるかと思ったわ)」

勇者(てか、魔王怖すぎワロエない)






魔法使い「二人ともー」

魔法使い「勇者様が呼んでるわよー」



勇者「え?」



魔法使い「返事、聞かせてくれるんでしょ?」


勇者「あ、ああ。」ゴクリ

勇者「聞かせてやろうじゃないか」

・・・

―三ヵ月後―

〈南の町〉


勇者「うおーすっげぇ、人居すぎだろ。この海」

僧侶「魔王を倒して皆がお祭り騒ぎですからねぇ」

魔法使い「あれからもう、三ヶ月ですか」

勇者「ああ。ちょっと寄り道しすぎたな」


女戦士「勇者、国王目指して頑張ってね」

勇者「……おう」



―――――――――

魔法使い『返事、聞かせてくれるんでしょ?』

勇者『あ、ああ。』ゴクリ

勇者『聞かせてやろうじゃないか』


僧侶『どうしましたー』


女戦士『僕には分かる。ズバリ、この間の告白の返事でしょう!』


魔法使い『そうよ。よく分かったわね』

魔法使い『じゃあ勇者様?』



勇者『お、おう』

ゴクリ


勇者『正直、俺が今から言うことは、皆を失望させてしまうかもしれない』


女戦士『覚悟なら出来てるッす』



勇者『あの、そのだな・・・』


魔法使い『・・・』ゴクリ

僧侶『・・・』ゴクリ

女戦士『・・・』ゴクリ


勇者『皆貰うってことでいいかな? なんて・・・』ハハ


三人『『『は?』』』


勇者『うう(後は頼んだ。)』


勇者(賢者モード!!!)


 プシュウウウウウウ



勇者『ああ...聞いてほしい』


勇者『俺は魔法使いが大好きだ』

魔法使い『そう///』


勇者『でも、僧侶も大好きだ』

僧侶『へぇ///』


勇者『さらに、女戦士も大好きだ』

女戦士『知ってた///』


魔法使い『待って。結局皆が好きなんじゃない』


勇者『ああ。俺は三人ともと結婚したい』


三人『えっ』


勇者『一夫多妻制だ』

さすが勇者!このDIO様にできない事を平然とやってのける!
そこにしびれす憧れるぜぇ

僧侶『ちょ、ちょっと待ってください。確か一夫多妻制は認められていないはずですよ』


勇者『そう。だから俺が国王になって、法律を変える』


魔法使い『でも、そんなことどうや……あっ!』

魔法使い『魔王討伐の・・・』


勇者『そう。報酬だ。それで俺は国王になる』


女戦士『でもそれって、うまくいきますかね?』

勇者『どうにかしてみせる』

女戦士『あ、いや。そうじゃなくて、僕たちの仲ですよ』


女戦士『姉御、いや。魔法使いとか師匠を独り占めしそうですけど』

魔法使い『しないわよ! (するけど)』

僧侶『まぁ、そこは大丈夫じゃないですかね』



勇者『じゃあ・・・』


三人『認める』



女戦士『その代わりに、これからは勇者と呼びますね』

魔法使い『良いわね、それ』

僧侶『えへ、勇者!』



――――――――――――


勇者「まぁ頑張りますよ」


勇者「それより、せっかくの南のリゾートなんだ」


勇者「泳ぐべ?」

さーせん、眠たいです。

続きはまだ長いので明日書きます。終わりませんでした

^^乙

乙乙!

おつ

報酬で法律変えるんじゃ駄目なんですかね(小声)

ありがちなオチになって正直悲しい

エロゲかよ




いいけど

>>433



>>433
おまえは漢の浪漫というものがまったくわかっていない



この1が普通に終わらせる
わけがない

q

女戦士「いやーそれよりも早く王様のとこへ行ったほうがいいんじゃないすか?」

勇者「・・・それもそだね」


僧侶「あの、勇者」

勇者「ん、どした」

僧侶「一度北の町に行ってきても良いかな?」

勇者「北の町? 協会に行くのか?」

僧侶「ええ、実はマフラーを置いてきちゃってて・・・」

勇者「あー、俺も行くよ」

僧侶「いえ。勇者は王様に会いに行ってあげてください」

勇者「でもあの神父がいるんだぞ?」


魔法使い「なんなら私が僧侶について行きます」

僧侶「本当ですか?」

魔法使い「もちろん。私もおばさんのところに寄りたいしね」



女戦士「ならミーも西の町へ行ってきていいですか?」

勇者「女戦士も? ・・・別にいいけど」



勇者「じゃあ皆とは一旦、ここでお別れか」

魔法使い「そうなりますね」

女戦士「5日後くらいには東の町へ行きますよ」


僧侶「私はマフラーだけなのですぐに・・・」

魔法使い「あら、私に付き合ってはくれないの?」

僧侶「うう、分かりましたー。お供いたします」



勇者「す~・・・わかった」

勇者「俺は先に東の町に行ってる。んで王様に会ってくる」



勇者「用事が終わり次第、来てくれ」



・・・

〈東の町〉


勇者「ふぃーやっとついた」

勇者「とりあえず暗いし、一休みしてくか」



〈北の町〉


魔法使い「僧侶、やったわ、おばさんが泊めてくれるって」

僧侶「へぇ。私もマフラー見つかりました」



〈西の町〉


女戦士「あれ・・・なにしに戻ってきたんでしたっけ・・・」

―東の町・翌朝―


勇者「おっさん。世話になったな」

おっさん「おう、宿代はまけといてやる。勇者特権だよ」

勇者「サンキュー」ニッ





―城―


兵士「ヨクゾオカエリニナリマシタ! ユウシャサマ」

勇者「おっす」



・・・


勇者「うし。この先が王様んとこだ」


 ガチャッ


・・・


王様「・・・ヒサシブリダナ。ユウシャヨ」

勇者「はい。ご無沙汰しておりました」


王様「ヨクゾ、マオウヲタイジシテクレタ」

勇者「いえ、仲間に恵まれたおかげです」


勇者「とはいえ、これで世はかなり明るくなるでしょう」

王様「アア。ソウダ。ナニカホウビヲヨウイシヨウ」


勇者(ご褒美キターーー)


勇者「褒美、ですか・・・」

王様「ウム」

勇者「正直・・・私は魔王を倒すことばかりを考えていたため、欲しいものなどは浮かばないのです」

王様「ホウ」


勇者「ただ、私の子供の頃の目標が勇者になって、魔王を倒し、父の敵をとり、国王になることだったのです」

王様「フム」

勇者「今述べた中で、一つだけ叶っていないことが、国王になること。なのです」

国王「ヘエ」


勇者「なので、国王になりたいなー・・・なんて」

国王「ダメジャ」


勇者「・・・そこを何とか! ほら、あの強大な魔王を倒したんですよ!」

国王「・・・」


勇者「褒美をくれるって言ったじゃないですか」

国王「...マオウ・・・」ボソッ


勇者「え?」


国王「スマナイ。キョウハカエッテクレナイカ。イマハチョウシガワルイ」



国王「フラフラスル。マルデアタマノネジガトレソウダ」


勇者「分かりました。ちゃんと褒美のことは考えておいてくださいね」




勇者「それと王様」

国王「・・・ナンジャ?」




勇者「風邪、ひかれました?」


・・・

大臣「お。これは勇者殿。お帰りですか?」

勇者「ああ、大臣か。久しぶり」

大臣「お久しぶりです。そうか、王に会ってきたのですね」

勇者「ああ。どうやら調子が悪いから帰ってくれって言われたよ」



大臣「・・・ほう。風邪ですかね」

勇者「多分そうだろう。声もおかしかったし」



大臣「勇者殿はこれからどちらへ?」

勇者「さぁ。今、仲間が里帰り? しててね。一人なんだ」


勇者「まぁ気分に任せてぶらり歩いてるよ」


大臣「へぇ・・・お気をつけて」


勇者「おう。大臣も風邪には気をつけなよ」



・・・


町娘「あれ? もしかして勇者様ですか?」

勇者「ん。そうだけど」


町娘「えぇ! やった! 私、大ファンなんです!」

勇者「そうなんだ...サイン、いる?」

町娘「良いんですか! 下さい!」ニコッ


勇者(この娘、乳でけぇ)


町娘「そうだ、良かったら家に来ません?」


勇者「・・・いいんですか?」


町娘「ええ、勇者様なら大歓迎ですから」


勇者(けど・・・俺には皆が...)




勇者「行きましょう!」

―とあるBAR―


勇者(ッチ。どうせこのパターンだと思ったよ)


町娘「何を飲みます?」


勇者「そうだな...ワインを頂こう」


町娘「はーい。・・・って駄目ですよ。勇者様はまだ未成年でしょう」


勇者「えぇー」


町娘「オレンジジュース、おいしいですよ」


勇者「・・・いや、ブドウジュースをください」


町娘「はい、ワイン一丁!」ブドウジュース


勇者「ありがとう」


勇者「……」


勇者「・・・ところで、ここは町娘ちゃんの店なの?」


町娘「はい!」


勇者「へぇ、経営とかどう? 儲かってる?」


町娘「ん~ぼちぼちですかねぇ」


勇者「ふーん」

勇者「そうそう、この飲み物ってなに?」


町娘「ふふっ。ワインじゃありませんよ」


勇者「分かってるよ・・・」


町娘「? 勇者様?」




勇者「君は誰かに雇われた殺し屋なのかな?」


町娘「・・・え?」


勇者「入ってるよね。毒」


町娘「・・・まぁ。勇者様は失礼なお人ですね」

町娘「飲んでもないのにそんなことを言うなんて」


勇者「・・・」ガシッ


勇者「・・・」ゴクッ


勇者「っこれでいいかい?」


町娘「・・・ええ」ニヤッ




勇者「悪いけど、俺にバジリスクの毒は効かないよ」



町娘「...ど、どういう意味?」


勇者「ん? 説明して欲しいの?」


町娘「私は毒なんて入れてないわ」



勇者「・・・君は知らないかも知れないけど、竜の血を持った者は強力な毒が緑色に見えるんだ」


勇者「本来なら紫色のこれ。俺には緑見えるんだ」


勇者「それにこの臭いは前に嗅いだことがある。バジリスクの毒で間違いない」


町娘「...そう」



町娘「全部お見通しってわけね」


勇者「ああ」

勇者「それともう一言いいか?」


町娘「ええ。どうぞ」





勇者「俺はヘンタイだ」



町娘「・・・は?」



勇者「ヘンタイだから、分かったことがある」


勇者「アンタの胸、体臭、けつ...とくに胸は姿が変わっても同じだったな」


勇者「俺は以前、似たようなものを見た」


勇者「なぁ気まぐれ女」


町娘「・・・流石は魔王様を倒した人間だ」



勇者「どうやって生き延びた? アンタは死んだはずだろう」










勇者「魔女」

なんだってー

町娘「今は君と戦う時じゃない」

勇者「悪いが親父の敵が生きてたんだ」


勇者「仕返しさせてもらうぞ」


町娘「・・・」


 ボンッ


魔女「...分かったわ。来なさい」


勇者「ッチ」シュン...ブンッ




魔女「また、会いましょう。転移魔法」ヒュン




・・・

勇者「……逃げやがったな、野郎...」








勇者「・・・クソッタレェッッ!!」ガンッ

・・・

おっさん「どうした。そんな土の上に寝て。汚れるぞ」

勇者「・・・おっさんか」

おっさん「悪かったな。おっさんで」

勇者「...いや、丁度話し相手が欲しかったところだ」



おっさん「そうか。んじゃ話してみろ」


勇者「ああ...俺はこの町で生まれ、ここで育ち、強くなった」




――――――――――――

―5年前―



『先日言ったとおり、俺はお前の親父の友人だ』

『お前が強くなりたいというのなら、稽古をつけてやる』

『やる気があるなら、剣を取れ』ポイッ


勇者『はいっ師匠!』


師匠『よし。やるからには、途中で抜けさせんぞ』

勇者『分かってます』


師匠『まず、構えはこうだ。俺の真似をしろ』チャキッ


勇者『はいっ』チャキッ


勇者『・・・ところで、何故師匠は女性なのに俺。というんですか』

師匠『...それは、訓練に関係あるか?』ギロッ


勇者『い、いえ』アセアセ

師匠『ならば集中しろ』




・・・

師匠『良いだろう。今日はここまでだ』

勇者『ありがとう、ございましたぁ』ハアハア


師匠『・・・そうだ、飯行くぞ』

勇者『えっ。はい』タタタ


・・・


勇者『飯って、師匠の手作りですか』

師匠『なんか文句あるか?』

勇者『ないですよー。おいしそうー(棒』


師匠『ほう、死に急ぐか』ギロッ


勇者『い、いや、いや。食べます』パクッ

勇者『・・・』


勇者『(アカン)』


勇者『オエエエエエエエェ』


師匠『なっ!』


勇者『す...すみません』





・・・



師匠『なぁ。勇者』


勇者『な、なんですか』ビクッ


師匠『・・・さっきのことはもういい』


勇者『あ、はい』ホッ


師匠『俺は来年、勇者試験を受けようと思う』


勇者『ええ! 本当ですか!』


師匠『ああ。受かると思うか?』


勇者『はい、師匠なら必ず!』



師匠『そうか...俺は守りたい。この美しい町を』



――――――――――――



勇者「変わったよ、この町は」


おっさん「そうかぁ?」


勇者「あぁ。感じないか? どことなく空気がピリピリしてる」


おっさん「・・・俺には分かんねェ」

おっさん「なんか分かんねーけど、無理しすぎんなよ?」


勇者「・・・おう。てか、今日も泊めてくれよ。無料で」


おっさん「ばーか。勇者特権は一日限定だ」



・・・

―宿―


勇者「で、なんだかんだで泊めてくれんのね。無料で」


おっさん「無料無料うるせーよ。乞食勇者。さっさと寝やがれ」


勇者「はいはい。おやすみー」




おっさん(お前は色々背負いすぎだ。勇者)







 夢を見た。

 親父が、仲間が、大切な人が魔物に食われる夢だ。

 そこでの俺は、ただ、泣いていた。

 
 いや。もしかしたら、死んでいたのかもしれない。






―翌朝―



勇者「ふぁ~。おはよう」


おっさん「オウ。オハヨウ」


勇者「・・・ん? アンタも風邪かい?」


おっさん「カゼ? バーカ。オレノトリエハガンジョウサダ」


勇者「・・・ふーん。まぁ、王様のとこ行ってくる」


おっさん「キヲツケテナ」


勇者「ああ...」

―城―


勇者(・・・おかしい。何かがズレてる。なんだ? この異様な感覚は)



 ガチャッ



勇者「おはようございます。王様」


王様「・・・」


勇者「? 昨日のことは、考えてくれましたか?」テクテク


王様「・・・」


勇者「...ちょっとー無視はひどいでしょー」ツンツン










王様「」ポトッ


なんか来てたwktk




勇者「なっ!(首が落ちただと...)」



「た、大変だー! 王様殺しだー」


勇者「!?」


「誰かー! すぐに来い!」



勇者「アンタ、どういうつもりだ?」



「早く来いよぉー俺も殺されるー!」



勇者「答えろ大臣!」



大臣「・・・ッチ」





兵士「ドウカシマシタカ?」タタタッ



大臣「はっあそこにいる勇者が王様を・・・殺したんだ!」


兵士「アレハ・・・ユウシャドノガ...」


大臣「ああ、早く捕らえろ!」


兵士「シ、シカシアイテハアノ・・・」


大臣「大丈夫だ」



大臣「まさか王様殺しという大罪を起こしておいて、これ以上罪を重ねるはずがあるまい」ニヤッ





兵士「・・・ワカリマシタ。ユウシャドノヲドクボウマデ、ツレテイキマス」オソルオソル



勇者「・・・」


兵士「カクホ」ガチャ


大臣「良くやったー! そのまま連れて行け!」


兵士「ハッ」


兵士「コイ」テクテク


勇者「・・・」テクテク



大臣「フフッ」



勇者「・・・てめェも魔物か」ボソッ


・・・

 ガチャンッ!


兵士「オトナシクシテオケ」

勇者「...ああ」

兵士「ヨシ」タタタッ









勇者「誰が、王様を殺したッ」ギリッ



勇者「・・・クソッ。魔王が消え、平和になったはずなのに・・・」




・・・


―翌朝・北の町―


僧侶「たたた、大変です!」


魔法使い「なによ・・・こんな朝早くから」


僧侶「今日の新聞ですっ見てください!」スッ


魔法使い「んー」ペラッ




 魔王を倒した勇者、国王を暗殺か!?



魔法使い「・・・ゴホッ。...なによこれぇ!」

魔法使い「なんで一面に王様を刺してる勇者の姿が・・・」


僧侶「分かりません。とりあえず会いに行きましょう」


魔法使い「ええ(彼は剣なんて持ってないはず。つまりこれは偽者よね)」


―東の町・独居房―


 ギイイイイイイイ...



大臣「やぁ」


勇者「...あぁ丁度良いタイミングだ」ガシャンッ!


勇者「どうにも怒りが収まらない。一発殴らせろ」


大臣「クハハッ。それが勇者の台詞か!」


大臣「あぁ・・・お前は審議にかけられる」


勇者「審議?」


大臣「お偉いさんが会議をするわけだよ」


大臣「お前を殺すかどうか」ニヤッ



勇者「・・・アンタが王様殺したのか?」


大臣「あん?」


勇者「てめぇが王様殺したのかって訊いてるんだ!」



大臣「フハハ、殺したのは・・・」



大臣「...お前だろう。勇者」


続きは明日書きます

乙!

あぁ胸糞わりぃ

まぉこうゆうのほど解決した時の喜びは大きいんだけどな

おつー

乙!!

全く同じ内容のSSが6つ7つはありそうな展開になって来たな…

>>471
じゃあそのまったく同じ内容のSSとやらを教えてくれよ。読んでくるから。
楽しく読んでるのもいるんだよ。

勇者「・・・やっぱ人間にも屑はいるな」


大臣「...ッフ。逃げようなんて考えは起こさぬことだ」テクテク


大臣「では、また明日会おう」テクテク





勇者「...クぅううあああ”あ”あ”ァァアぁあああ”」ガシャン







大臣「・・・うるさい犬め」ボソッ



大臣(俺の勝ちだ。勇者)ニヤッ

・・・・・・

兵士「ダイジンサマ」


大臣「どうした、兵士」


兵士「ユウシャトメンカイシタイトイウモノガキテオリマス」


大臣「ほぅ」


兵士「ドウヤラ、カレノナカマノマホウツカイトソウリョトイウモノミタイデス」」


大臣「ふむ。俺が行こう」




・・・


大臣「待たせましたね」


魔法使い「いえ、それよりあの事件は本当なんですか?」



大臣「もちろんです。新聞に写真が載っていたでしょう? ・・・あれは酷い有様だった」


僧侶「そんな、彼が人を殺すなんて・・・」


大臣「・・・魔物をたくさん殺してきて、人も殺したくなったんじゃないですか」


僧侶「...貴方ッ!」


魔法使い「僧侶。・・・仮に彼が王様を殺したとしましょう」

魔法使い「しかし、彼は剣を持っていません」


大臣「そんなもの、どこぞの店で買ったのだろう」


魔法使い「それは有り得ません。彼の武器はこん棒ですから」

魔法使い「もしやるとしたら、撲殺するんじゃないでしょうか」



大臣「...つまりはあの写真が捏造されたものだと?」


魔法使い「ええ。私はそう思っています」



大臣「・・・怪しいな」

大臣「お前もそう思うだろう?」


兵士「ハイ」


魔法使い「何が怪しいんです?」


大臣「君たちだよ」


魔法使い「はっ?」


大臣「そういえば二人は勇者の仲間だったね」


大臣「もしかして、王様が死んだのには君たちも関係してるんじゃないの?」


魔法使い「そんなわけないでしょう!」

僧侶「しませんよ!」



大臣「・・・怪しいなぁ」


大臣「危険かもしれないから、一応捕まえておこう」


兵士「ハイ」スッ


魔法使い「良いの? その気なら戦うわよ」



大臣「フハハ・・・君たち、勇者に生きていて欲しくはないのか?」

大臣「もし、死んで欲しくないのなら、どうすればいいか分かるよね」



魔法使い「・・・汚いわね」

僧侶「・・・」


 ガチャ、ガチャ


兵士「トラエマシタ」


大臣「よし。別々の独房にいれておけ」


兵士「ハイ」テクテク



・・・・・・





 また、夢を見た。

 今度は違う夢だった。


――――――――――――

 4年前


 ガチャンっ


勇者『!』タタタッ


勇者『お帰りなさい、師匠』


師匠『おう、・・・ただいま』



勇者『勇者試験、どうでした?』ワクワク



師匠『...受かったよ』ニッ



勇者『う、あ、やったー!』


勇者『おめでとうございます!』



師匠『ははっよくそんなに他人のことで喜べるものだな』

勇者『はい! ...あの』

師匠『ん』



勇者『俺も旅に連れて行ってください!』


師匠『・・・駄目だ。お前が居ては足手まといになる』


勇者『っそこをどうにか!』


師匠『無理だ……仲間がいる。俺一人じゃないんだ。連れて行くことは出来ない』


勇者『うぅ』


師匠『ふぅ・・・お前は自分の夢を捨てるのか?』


勇者『え?』


師匠『勇者になるのだろう。俺と来たら駄目じゃないか』


勇者『・・・はい』



師匠『ふっ。物分りの良い弟子で助かるよ』


師匠『...旅立ちは一ヵ月後だ。それまでは俺が稽古をつける』


勇者『・・・はい!』





―2週間後―


師匠『勇者。悪いが今日から稽古はなしだ』



勇者『えっ何故ですか?』


師匠『分かってくれ、俺は準備をしなければならないんだ』


勇者『まぁ・・・勇者は大変ですからねぇ』


師匠『ああ』


勇者『わかりました。今まで、お世話になりました。絶対に魔王を倒してきてくださいね』ニコ


師匠『・・・アア』


師匠『勇者。お前は自分の夢を諦めるなよ。絶対に勇者になれ』



―――――――――――

「コケコッコーコケー」

勇者「・・・ん」



勇者「・・・朝か」ボリボリ


勇者「冷えるなぁ」ブルッ


勇者「師匠・・・か」





―西の町―


売り子「本当なんだって、ほら」スッ


女戦士「駄目だよー。大人をからかったら」


売り子「まぁ良いから見てみなって、昨日の新聞だけど」



女戦士「・・・分かったよ、見ればいいんでしょー」




・・・


女戦士「なんで勇者がぁ!?」


売り子「な?」


女戦士「これ、買うっす」


売り子「へへっ、昨日のだから10でいいよ」


女戦士「はいっ」チャリン



女戦士(とにかく東の町に行かなきゃ・・・)




俺大臣ルートもあっていいと思う(大声)

大臣フルボッコでいいと思う(小声)

・・・・・・

大臣「ええー以上が彼を死刑にした方がよいという理由です」


「ところで、何故彼はここに来ていない? なにか弁明はないのか」


大臣「ええー彼は大変危険なため、独房に閉じ込めています」


大臣「弁明は・・・必要ありますかね」



「ふむ。しかし魔王を倒したと聞くぞ。そんな強い男を殺して良いものか・・・」



大臣「・・・では、皆さんにも訊いて見ましょう」


大臣「どうですか?」


「ワタシハシケイニシタホウガイイトオモイマス」

「アタシモオナジイケンデス」

「ボクモシケイノホウガクニノタメニナルトオモウ」


大臣「どうです?  皆さんは死刑にすることを希望しているようですが」


「ううむ・・・しかし...勇者だぞ? あの勇者だ」




大臣「……あぁ。もういいよ。無能め」キイイ


大臣「お前は俺のいうことを聞けばいいんだ」



「...はい」



大臣「勇者は、死刑だ。いいな?」


「はい。仰せの通りに」


・・・・・・


・・・



―独房―



 ギイイイイイイィ...



勇者「・・・」


大臣「ッフフ。やぁ勇者」



勇者「風の噂で聞いた・・・どうやら俺の仲間も捕まえたようだな」



大臣「ああ。後は女戦士、ただ一人だ」


勇者「分からないな・・・アンタは何が目的なんだ」


大臣「目的・・・か。」


大臣「しいて言うなら、復讐」



勇者「・・・? どういう意味だ」


大臣「さぁな。それよりも、」


大臣「お前は死刑に処すということになったぞ・・・」


大臣「王殺し」



勇者「・・・へぇ。それで?」


大臣「ふっ、...それだけだ」


勇者「魔法使いと僧侶はどうするつもりだ?」


大臣「殺して欲しいのか?」



勇者「・・・いや」



大臣「お前が素直に死を受け入れるというのなら、やつらは助けてやろう」



勇者「...そうかい。ありがたいことだな」


大臣「あぁ感謝しろよ」ニイイ


勇者「ッチ・・・気味悪い顔しやがって」


勇者「アンタは魔物と変わらない。下種な魔物と同等だ」


大臣「・・・俺にはお前ら人間の方が下種に見えるがな」


勇者「俺が何かしたのか?」


大臣「フン・・・自分の胸に訊いてみろ」テクテク


大臣「刑は明日実行する」テクテク



 ガシャンッ。





勇者「...そろそろ、だな」ボソッ



 ・・・


―夜―


女戦士「そこをなんとかっ!」


兵士「メンカイハキンシサレテイル。・・・ダイジンヲツレテコヨウ」テクテク



女戦士「・・・よし、忍び込む・・・」タタッ





・・・



 ギイイイイイィ・・・



勇者「...待ってたぜ」ニッ


勇者「女戦士」



女戦士「いや~遅れてすみませんっす」


勇者「いや、割かし良いタイミングだったよ」


女戦士「そうっすか?」


勇者「ああ。早く出してくれ」


勇者「僧侶と魔法使いも捕まってるらしいんだ」


女戦士「お二人が?」カタカチャ


勇者「そうだ。何かが裏で動いてる」



女戦士「あった! これが鍵ですね」


女戦士「うっしょ」カチャカチャ...カチ


勇者「ありがとう」



勇者「ふぅーやっと外に出れるな」


女戦士「でも脱走なんておーけーなんすか」



勇者「脱走も何も、俺は王様なんて殺してない。無実だ。だから・・・犯人を捕まえてくる」



勇者「女戦士は魔法使いと僧侶の救出を頼む」


女戦士「了解」



・・・・・・


魔女「困ったものね。勇者は」


大臣「気にするな。明日でやつも終わりだ」


魔女「そう・・・うまくいくといいわね」


大臣「うまくいくさ」


魔女「彼は計画には入らないの?」


大臣「・・・それは考えたが、やつの強さは俺にとって危険だ」


大臣「殺したほうが良い」



魔女「そう。分かったわ。アタシはもう寝るわ」


大臣「フフッ。貴様には必要ないだろう?」


魔女「気分よ気分」ジャアネ


魔女「あ、そうそう・・・鼠がいるわよ。この城」


大臣「ネズミ?」


魔女「ええ。じゃ。転移魔法」ヒュン



大臣「・・・なるほど」ニヤ



・・・


大臣「そういうわけか」



勇者「!」


勇者「・・・見つけたぜ。大臣」



大臣「脱獄などして良かったのか?」


勇者「ふざけやがって・・・アンタが王様殺しの犯人だろう」


大臣「クハハっそれは前にも言ったはず」


大臣「世間は皆、貴様が犯人だと思っている」


大臣「王殺しは、貴様だ」



勇者「・・・そこに大臣殺しも加えとけ」チャキ



勇者「俺の剣(こん棒)は兵士の野郎が処理しちまったからな、仲間から剣を借りた」


勇者「...俺と戦え。大臣」




大臣「フッ。野蛮だな。勇者というやつは」


大臣「良いだろう。俺の力をみせてやる」チャキ


・・・


 ガンッキンッ・・・キンッッ



勇者「っく・・・」キンッ


大臣「どうした? 俺はまだ全力でもないぞ」キンッ


勇者「...おかしい」


勇者「アンタ、何故そんなに強いんだ?」


大臣「さぁ?」ブンッ


勇者「ッ・・・」キンッ


勇者(こいつ...あきらかに魔王よりも強い・・・)


勇者「一体何者なんだッ!」ブンッ


大臣「ハハハッ。それを知ってどうする」ヒュッ ザシュ



勇者「うッゥ」ガクッ



大臣「・・・勇者ともあろう者が膝をつくとは・・・」


大臣「情けないな。貴様は弱い」



勇者「はぁ・・・っは。てめぇがおかしいんだよ・・・」


勇者「どうみても、人間が出せる力じゃねぇ」ボロボロ



大臣「貴様の剣は、弱い」


大臣「かつ、脆い」


大臣「よくもそんな弱い剣術で勇者になれたものだ」



勇者「...」


勇者「弱い、剣術だと?」



――――――――――――


『へぇーアノ人が新勇者か。誠実そうな人だ』


勇者『ん? おいちゃん、新勇者って?』


『ああ、あそこにいる男が今期の新しい勇者様だ』


勇者『え? 何言ってんだよ。今期の勇者は女性なんだぜ。俺の師匠』


『あん? 馬鹿いうな。王様があの人を任命したんだぞ。勇者に』


勇者『はぁっ嘘だろ』


『嘘じゃねぇって』


おっさん『おおーい、坊主!』


勇者『・・・なんだよ、おっさんか』


おっさん『悪かったな、おっさんで』


おっさん『それよりも、お前の師匠が――』






勇者『・・・え』



―病院―


師匠『はぁ...はぁ』


勇者『師匠!』


師匠『勇者・・・』


勇者『アンタ! なんで病気のことを黙ってたんだよ!?』



師匠『・・・すまない...俺はもう、長くない』


勇者『勇者はどうしたんだよ! 試験は受かったんだろ!』



師匠『悪い・・・あれは、嘘だ』


師匠『ふっ、ふ。サプライズ・・・だ。驚いたか』



勇者『...馬鹿野郎ぅ』


師匠『ふ、ふ、お前、には。俺が教えた...剣がある』


師匠『努力しろ! そして、強く、なれ・・・』


勇者『師匠・・・』


師匠(魔王を倒すのはお前しかいないんだよ。勇者)ニコッ


 ピーーーーッ・・・



勇者『・・・馬鹿な師匠だったよ。誰が・・・』


勇者『くそっ...ちくしょうぅ』



――――――――――――



大臣「貴様のその軟弱な剣と技では俺を刺せんぞ」


勇者「っ!」ダンッ







勇者「俺の技はッ大切な人から受け継いだものだ。弱いなんて言わせねぇ!」



大臣「弱い剣術など捨ててしまえ。そんなもので、魔王を倒せると思うなよ」



勇者「ハッ。魔王はもう死んでんだよ!」ダッ


大臣「・・・こい」



勇者「うら”あ”ああぁああああ!」ブンッ


 ギィイィインッ!



勇者「・・・なんの音だ」




大臣「貴様の言うとおり、俺は人間ではない」スッ




勇者「!?(切ったところから機械のようなものが見える・・・)」



勇者「アンタ・・・」



 ボンッ・・・・・・

魔王「久し振りだな。この姿は」


勇者「・・・あ、あぁ」


勇者「なんで、お前が・・・」ブツブツ



魔王「ふっ。体は機械だが、能力は使える」


魔王「魔道核によって力はより強く、魔力はより多くなった」



魔王「全ては・・・計画通りよォッ!」ニヤ



勇者「・・・」ボー



魔王「...戦意喪失か。残念だ」


勇者「...」ボー


魔王「さらばだ。つかの間を平和を作った勇者よ」ブンッ



・・・


おじさん「おおっとぅ」キン



魔王「! 貴様、邪魔をする気か・・・」


おじさん「約束を裏切ったのはお前さんが先じゃろう」ググ



おじさん「おい、しっかりせんか。勇者」


勇者「・・・」ボー


おじさん「・・・美女のパンティーが落ちとる」



勇者「!」バッ


おじさん「やれやれ・・・」



勇者「あれ...アンタ・・・」


魔王「っち、初代勇者と勇者が揃いおったか」



勇者「初代...勇者?」



おじさん「残念じゃが、お喋りはここまでじゃ」


勇者「もう訳が分からないよ」



おじさん「勇者、こっちへ」



魔王「...誰にも俺の計画は止められんぞ。全種族統一計画は」




おじさん「転移!」ヒュン


・・・・・・


女戦士「平気っすか」


魔法使い「おかげでね」


僧侶「助かりましたー」



魔法使い「勇者は助けたんでしょ?」


女戦士「はいっす」


女戦士「それよりも勇者がすぐに城を出ろと、言ってました」


僧侶「えぇ」


女戦士「この城は危険だって」



・・・・・・



・・・


おじさん「落ちついたか」


勇者「なんで...魔王が・・・」


おじさん「・・・」


おじさん「真実を聞いても、あなたは戦いますか?」



勇者「・・・当たり前だ」

続きは明日で

乙!

おつ!

みてるぞ

続き楽しみだわ!
久々の良SS

>>1

クズ女騎士が好きだったんだけど、ダラダラ長すぎてもうssじゃないから飽きた。そんなときに、いいタイミングでこのSS発見してラッキーだわ

ワクワク

おじさん「ではお教えいたしましょう」


おじさん「あれはもう、約半世紀前ほどの話だ」


おじさん「ワシは魔王を倒すために魔王城へと乗り込んだんじゃ」



――――――――――――


―数十年前―


おじさん(初代勇者)「こんばんは」ギロッ


魔王「俺を殺しにきたか。人間」


おじさん「そうだ。国はあなたたちと和解することは不可能だ、と判断した」


魔王「・・・作っておいて勝手なもんだ」


おじさん「つくった、か。錬金術師がつくったと言われるホムンクルス・・・それがあなたですね」



魔王「ああ、人間が俺を生み出したんだ。それなのに・・・何故人間は俺を殺そうとする」



おじさん「あなたが人に危害を加えるからではないですか」



魔王「ッフ・・・当たり前だ。俺は戦争のために貴様らによって生み出された兵器なんだからな」



おじさん「ああ...お陰で・・・私の仲間は数多く死んだ」



おじさん「魔物にせいで」




魔王「...自業自得だろう」



魔王「俺は絶対に許さない。人間を。皆魔物によって食われればいいのだ」


おじさん「・・・それもありかもしれないですね」


魔王「? なに?」


おじさん「・・・しかし、私は人間だ。そして、その代表と言っても過言ではない『勇者』に選ばれた」


おじさん「...人間は屑ばかり・・・でも私は彼らを守らなくてはならない」



おじさん「なぜなら人々の希望の存在である勇者だから」



魔王「っふ・・・はっはっはっは...あー・・・」



魔王「ふざけるなよ塵共が」



おじさん「私たちはただ、自分の穴を拭こうとしているだけです」


おじさん「人間に有害なあなたを消す義務がある」チャキ


おじさん「さあ、剣を取れ。私と一騎打ちだ」


魔王「・・・剣は! 必要ない・・・」


おじさん「ん...?」


魔王「消せるものなら、消してみろ」...




 ゴオオオオオオオオオオ...!




・・・




おじさん「ぁ・・・・・・」ズタズタ


魔王「...弱い」


魔王「故に強くあろうとし、限界を感じる」


魔王「それを超えようと新しいものをつくりだす」


おじさん「っ......」ボロボロ



魔王「その結果がこれだ。」


魔王「・・・」パアア



・・・


おじさん「うっ・・・」


魔王「貴様に選ばせてやる」


おじさん「・・・何を...(なぜ魔王は私に傷の回復をしてくれたんだ?)」



魔王「一つはこのまま死ぬこと」



魔王「もう一つは俺と共に理想の世界をつくること」



おじさん「...理想の世界?」



魔王「人が考えたように、魔物と人間の共存は不可能だ」



魔王「そこで一つ、考え付いたことがある」




魔王「・・・全種族統一計画だ」

おじさん「・・・なんです? それは」




魔王「名前の通り、全種族。人間、魔物を統一化する」


おじさん「...そんなことが・・・」



魔王「可能だ。俺は今、ドワーフに魔道核というものを作らせている」




魔王「魔道核はこの計画の一番の要になるものだ」



おじさん「魔道核・・・」



魔王「ああ。俺たちはそれを使って、機械の体になる」



おじさん「・・・・・・」



魔王「機械生物、という種族に生まれ変わるのだ」



おじさん「・・・は」

おじさん「はははははっ。まったく・・・魔物も面白いことを考える」


魔王「・・・っふ。乗るのか?」



おじさん「ああ! ぜひ協力させてくれ」



おじさん「どうせこのままの世界じゃ、両方が破滅の未来を辿ってしまう」



魔王「・・・分かる人間がいて良かった」



魔王「...ありがとう」



おじさん「! あ、ああ」




――――――――――――



勇者「・・・そんなことが...」


おじさん「ああ。しかし、魔王は裏切りおった」


勇者「裏切り・・・?」



おじさん「・・・当初の奴の計画では、意思を持ち、考えることが出来るまま機械生物として生きていく予定だった」



おじさん「・・・魔王は変わった」



おじさん「意思をもたず、全ての感情をなくし、痛覚も快楽も消し、全種族の意を機械に任せようとしておる」



勇者「な、なんだよそれ・・・」




おじさん「魔道核を使えば、半永久に生きられると魔王は言っておったが、人間らしさがないのであれば、そんなものは無意味じゃ」




おじさん「・・・すでにこの町の半分の人は機械化されておる」



勇者「! う・・・嘘だろ...?」



おじさん「本当じゃ。王に兵士、宿の親父も機械化されとった」



勇者「・・・そういえば声が・・・まるで風邪でも引いたかのようにおかしかった」



おじさん「うむ。勇者、機械化された者は救うことができん。でも、被害を抑えることはできる」



おじさん「...魔王を討て。・・・奴は一度死んだ。そして機械の体になることで蘇るった」



勇者「ああ・・・」



おじさん「今度は、細胞の一片も残さず、消し飛ばしてしまえ」



勇者「...分かったよ。初代勇者」







おじさん「・・・手助けになるかは分からんが...」スッ



勇者「頭痛薬・・・頂くよ」ヒョイ




おじさん「良いか? 絶対にそれなしで能力は使っちゃいかんぞ」



勇者「うん。使って5時間が経過すると死んでしまうんだろ? 誰がそんな馬鹿なことするかよ」




おじさん「・・・ははっ・・・死ぬなよ」



勇者「おう。アンタは老衰まで粘ってな」



勇者「・・・じゃ」タタタッ





魔法使い「・・・彼女は強いわ。僧侶、大丈夫なの?」



僧侶「はい。私は勇者の妻ですからっ」



女戦士「それは僕っすよ!」



魔法使い「・・・分かった。女戦士はここにいてあげて」



魔法使い「じゃあ」タタタ





女戦士「っふ」チャキ


僧侶「・・・」スッ


魔女「フフッ」


魔女「ねぇ...」




魔女「私と同種族になるましょう?」

↑ 間違えた、スルーして・・・




勇者「馬鹿だ。俺は」



勇者「以前からチャンスはあったはずなのに・・・」




魔女『......心配しなくても、いつか私たちは同じ種族になれるわ』


魔王『これで・・・終わったと思うなよ...計画はまだ...』




勇者「・・・悔やんでも仕方ねぇ」タタタッ





・・・


魔法使い「一体勇者はどこへ・・・」


僧侶「さぁ? ・・・それより...城からでなくて良かったんですか?」


女戦士「そうっすよ。一番高いところなんかに来て・・・」


魔法使い「だってまだ勇者がいるかもしれないでしょ」



僧侶「きゃっ!」



女戦士「ん? どうしたんすか、こし抜かして」


僧侶「そ、外・・・町のはずれ、奥」



魔法使い「?」ノソ




魔法使い・女戦士「!」


・・・・・・


勇者「よかった、そう遠くまで転移はしてないな。城が見える」ジイ



勇者「・・・」キョロキョロ



女「デネー」


男「マジカヨー」


少女「オニイチャーン」


ガチムチ「ウホッ」


少年「ナッ・・・」



勇者「・・・あの人たちも機械化されてしまったのか」



勇者(弱い者ほど機械に意を乗っ取られるのが短い・・・魔王は機械化してから2~3ヶ月は経っているだろう)


勇者(それに魔道核によって力はかなりupしている)



勇者(……)



・・・・・・



魔法使い「な、なんであんなに・・・」


僧侶「せ、千はいるんじゃないですか・・・魔物」



 ドドドドドドドドドッ



魔法使い「・・・なるほど、この町を一気に攻め落とす気ね」


女戦士「どうしますか・・・」


魔法使い「...流石にあの数には対応できないわ・・・」




僧侶「下に降りませんか」


魔法使い「・・・そうね」




女戦士「シッ!...誰かが近づいてきてます」


 

 コツコツコツコツ...



魔女「はっあっい」ボイン


僧侶「・・・」イラッ



女戦士「誰っすか」



魔女「ん~魔王の愛人ってか」


魔法使い「魔王・・・」



魔女「あ、そーだ。今から祭りになるわよー」



魔女「楽しみ♪」


僧侶「祭り? そのような感じではないでしょう」


魔女「フフッ。・・・言い忘れてたけど、魔王様は生きてるから」



・・・


・・・



女戦士「はぁはぁ...っく」ボロッ


僧侶「そんな・・・」パアア


女戦士「回復どうも・・・」



魔法使い(強いわね、あの魔女。・・・それにしても機械化だなんて・・・)




僧侶「皆さん! このままではらちが明きません! 私が倒すので先に進んでください」



魔法使い「僧侶!?」


女戦士「えっ!」



僧侶「大丈夫です。魔王城のときと同じです」


僧侶「それよりも、広範囲での攻撃が行える魔法使いはあの魔物の大群をどうにか・・・」


魔法使い「・・・彼女は強いわ。僧侶、大丈夫なの?」



僧侶「はい。私は勇者の妻ですからっ」


女戦士「それは僕っすよ!」



魔法使い「・・・分かった。女戦士はここにいてあげて」



魔法使い「じゃあ」タタタ





女戦士「っふ」チャキ




僧侶「・・・」スッ


魔女「フフッ」


魔女「ねぇ...」




魔女「私と同種族になるましょう?」

・・・


〈城〉


勇者「はぁ・・・ついたぞ」


勇者「この中に魔王が・・・」



・・・・・・


魔王「感じるな」


「何がですか」


魔王「勇者だ」


「へぇ」


魔王「あれに勝てるか、側近」


側近「ええ、まぁ」


側近「その前に魔法使いを始末してきますよ・・・魔王様」


・・・・・・


勇者「待ってろ、王さん。アンタはもう詰んでんだ」


―僧侶側―


女戦士「っち(予備の短剣が...)」ピキッ


女戦士(せめて勇者に貸した剣さえあれば)ピキッ



魔女「ほいっ」ブンッ


女戦士「ぃ」バキンッ


女戦士「! そんな・・・剣が折れちゃった」ガクッ



魔女「フフッ。僧侶は何をしてるの?」



僧侶「っ」ビクッ


僧侶(なんで魔方陣が使えないのっ!?)



魔女「ふぅん・・・これ、アタシの勝ちだね」




僧侶「女戦士・・・」


女戦士「...くそっ・・・」




魔女「!」



魔女「フフッ」ニヤ




魔女「・・・いいわ。見逃してあげる」



女戦士「え!?」


僧侶「えっ?」




魔女「気まぐれよ。転移」ヒュン




・・・



 シュン



魔女「やぁ」シュッ


勇者「うおっ!」



勇者「・・・アンタ。魔女...」


魔女「リベンジに来たわよ」


勇者「アンタも機械なんだろ?」



魔女「ええ。あなたもなる?」


勇者「・・・馬鹿か。なるわけがないだろ」



魔女「そうね、そうだった」



勇者「・・・今度はちゃんと仕留められるように努力するよ」



魔女「頑張ってね」



勇者「ぃぃッ」ブンッ



魔女「きゃっ。と」ヒョイ


魔女「いきなりの攻撃なんて酷いじゃない」



勇者「時間がないんだ。おとなしくつかまれ」シュッ

切り悪いけど、今日はここまでで

乙。

おt

おつ



魔女「凍結魔法」カチーン


勇者「な・・・自分の腕を凍らせてどうする・・・」


魔女「こうするのよ」バキッ



魔女「ほら、剣ができた」シャキーン



勇者「...そうか。痛覚がないのか。ならば腕ごと切り落としてやる」




魔女「ふっ」ブン


勇者「はぁッ!」ブンッ




・・・




勇者「はぁ(強さは互角・・・いや、やつのが強い)」


魔女「アタシの勝ちね。魔王様には悪いけれど・・・」シュッ


勇者(仕方ない・・・一個しかない頭痛薬だが・・・)




勇者( 賢者モード )プシュウウウウウウ







勇者「フンッ」ブンッ


魔女「ぉつ」ガキイイン



魔女(氷の剣が折れた・・・? 変ね、パワーの増加・・・)




魔女「大火炎魔」ググッ



 ザシュッ。ドスンッ



魔女「うっああああぁぁぁ」ズズ



勇者「騒ぐな。腕を一本斬っただけだ」



勇者「・・・ッチ。切り口からニョロニョロと機械が動いてんな。...気持ちわりぃ」



魔女「うっっぐぁ」ブンッ




勇者「・・・」ヒョイ






勇者「俺はその体がどうなっているのか、どうやったら壊せるのか知らない」




勇者「だから実験台になってもらう」チャキッ




・・・


・・・

―5分後―



勇者「っく」ゴクッ


勇者「はぁはぁ・・・これで薬のストックはもうない・・・」




魔女「」



勇者(どうやら弱点は男性でいうタマタマの部分・・・)


勇者「そして、女性で言うマンマンの部分だ!」カイメイ





勇者「実に面白い」キリッ






勇者「・ ・ ・よし行こう」

―魔法使い側―



魔法使い「ぅ...」ボロボロ


魔法使い「あ、のときの、言葉は、嘘だっ、たのですか?」



側近「何の話だい。アタシは元々魔王様側だよ」


側近「本当に裏切るとでも思ったのかい?」



魔法使い「ま、おう、じょう、でまた強く...して、くれた、じゃない」


側近「あんなもの・・・他者の言葉を借りるけど、気まぐれさ」



側近「じゃあね、馬鹿弟子」...



 
 ズドオオオオオオン










勇者「! 今・・・上のほうから大きな爆発音が・・・」タタタッ



・・・

・・・



勇者「はっ・・・」


勇者「魔法使いぃ!」ダタッ



魔法使い「あ、なた...」



勇者「どうして・・・大丈夫か...」


魔法使い「う、ん。側近さん、を...助け・・・」ガクッ



勇者「魔法使い? おい……おい!」ユサユサ




勇者「・・・うううぅ。魔法使い...」





勇者「ぅ・・・僧侶を呼んでくる。一人で危険だろうが...待っていてくれ」


勇者「・・・」タタッ



・・・


―女戦士側―



女戦士「勇者ぁあ!」



勇者「女戦士っ!」



勇者「っく、大変なんだ、魔法使いが・・・」


女戦士「え」


勇者「僧侶は!?」


女戦士「さっき兵士と戦ったときに怪我をして・・・自分で治療をしている最中です」



勇者「怪我・・・じゃあそれが終わったら下の階に向かうように言ってくれ」



女戦士「了解、あなたは・・・どこへ?」




勇者「……地獄だ」


勇者「死にに行くんじゃない、地獄を終わらせに行くんだ」



女戦士「・・・お気をつけて」


勇者「ああ」


勇者「じゃあ、また会おう」タタッ





女戦士「ゆっ勇者!」ゴクッ



勇者「っと、なんだよ」クルッ



 ちゅっ



・・・



勇者(・・・・・・・・・・・・)


女戦士「っ」バッ



勇者「・・・今...」



女戦士「か、勘違いするな//」


女戦士「僕がキスしたのは・・・怖かったから。・・・絶対に、死なないでね」



勇者「...っへ。分かったよ・・・じゃあ...行くよ」ダッシュ





勇者「・・・ありがとう」ボソッ



・・・

・・・

・・・


―勇者側―


〈王の間〉


 ヒュー......ガチャッ...


 コツコツコツ............ザッ




勇者「ここは、最後の戦いとなる場だ」


勇者「今は亡き王に敬意の心を抱きつつ、アンタに戦いを挑む」










スクッ......コツコツコツ...


 ......ザッ



魔王「望むところだ。勇者」





・・・・・・



 ドドドドドドドドドドドッ


「止まれえええええええええええぇええぇぇ!」


 ピタッ



「・・・一体どうなさいました。側近様」



側近「どうもなにも、アタシはお前達の進攻を防ぐだけさ」



「・・・魔王様を裏切るおつもりですか」



側近「裏切る? とんでもないね。アタシは彼を救ってあげるのさ」


側近「身勝手な人間の手からね」



「・・・そこをどいてください」



側近「そりゃできない相談だ」



「・・・なら我々は貴方を倒して、先へと進む」



側近「やってみな。ここにはアタシ一人しか居ない」


側近「馬鹿弟子がついてくるって言ったんだけどね、邪魔になるだけだから気絶させておいたのよ」



「・・・一人で我が魔王軍、総勢千を超える輩を相手にするつもりですか」



側近「あんまり舐めなさんな。これでも魔王軍№2だよ」ケケケッ


側近「究極火炎魔法×10!」



・・・・・・


勇者「・・・国のため、魔物のために死ぬ覚悟はアンタにあるか?」チャキッ


魔王「ない、と言っておこう」チャキッ


勇者「俺にもないぞ。生憎、国のため、人のために死ねる立派な勇者やってないんでね」シュッ


魔王「やはり貴様は・・・どこか違うようだ」シュッ



・・・


勇者「いい加減にして早く楽になったらどうだ?」キンッ


魔王「...ああ。計画が完成したらそうするとしよう」キンッ



勇者「ッ今すぐ壊れたらどうだい」


勇者「心配するな、アンタの代わりに俺が豊かな国を気付いてみせるから」ブンッ



魔王「忘れたか。貴様が口先だけの勇者だということを」ブンッ



 ギイイーーッイン


勇者「ック! どうしてっ」キン


勇者「アンタは機械化なんて望んだぁああ!?」ブンッ



魔王「決まっているだろう。人間と共に生きることは不可能だと悟ったからだ!」ガキインッ




・・・



勇者「はぁっはぁっ」


魔王「ぜぇっぜぇっ」





勇者「...ッチ・・・」


勇者「分かってやってることなのか」


魔王「何がだ」


勇者「機械化だ。もし、分かってやってるのなら、てめぇは馬鹿だ」


勇者「分からずにやっているのなら、てめぇは大馬鹿だ」


魔王「何が言いたいのだ。貴様は」





勇者「機械になっちまったら、誰かと愛することも! 感じること(快感)も! できなくなるんだぞ!?」



魔王「・・・そんなことか」


勇者「な...そんなことだと・・・」



魔王「ふざけるのも大概にせいッ! 人間!」



魔王「貴様達が勝手につくっておきながら...」ググッ






―――――――――――――――


―数十年前―

〈研究所〉


「成功だ」


眼鏡女「本当ですか? マ・オウ教授」


教授「ああ。見てくれ」ヒラッ



 「・・・・・・」コポコポ



教授「最強の兵器の完成だ」




―その翌日―



 新聞〈○○研究所のマ・オウ教授が初の自立増殖型殺人兵器を開発。その名も『魔王』〉



眼鏡女「教授ーすごいですね。ほら、全部教授のことについてですよ」



教授「そうかい? あと一週間もしたら魔王を起動させてみるよ」



眼鏡女「・・・その兵器って生きてるんですよね」



教授「うん。繁殖させる事だって可能だ。こいつ一匹でね」




―数週間後―


・・・




教授「」


眼鏡女「あ・・・あ...失敗だ・・・」


魔王「グゥゥゥゥゥウ」ギラ



眼鏡女「じ、人類は・・・滅亡する・・・」ガタガタ


魔王「ウオオオオ__」シュッ



 ガッ



魔王「が、あ、あ、・・・い、た、い」



眼鏡女「」



魔王「こ、ころが痛い」



魔王「人間、殺す」



 ブシュウウウウウウウウウウウウ



「ぉあぉあぉあ」ギャー



魔王「お前、俺が、生んだ。名前、側近」



側近「ぁおぁおぁお」ギャー



――――――――――――



魔王「はぁ、はぁ」


魔王「ッチ・・・特別だ。お前を機械生物にしてやル」




勇者「ふざけるな。何が機械生物だ」


勇者「聞けばお前。最終的には機械に体を乗っ取られるそうじゃないか」



魔王「あア」




勇者「クッ・・・」



勇者「人間の思想はどうなる!? 人の思想、思考、想像力、妄想力・・・何が今まで世界を変えてきたと思っているんだッ!」


勇者「機械に頼って何も考えなければ確かに楽だろう。けどな、そんな世界を俺は生きていけない」



勇者「気持ちよくもなれない。妄想もできない。そんな世界・・・」







勇者「腐ってるも同然なんだよッッッッ!」













魔王「ハア...ハア...ナラバ、オレニコロサレロ」



勇者「! ・・・俺はお前を『壊す』」チャキッ




勇者「これで最後にしよう」





勇者「 賢者モード 」




 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

 ―三時間後―



 瓦礫の山と化した城の中から一人の少年が救出された。



勇者「あぁ、おい、おじさんを呼んでくれ」ギリギリギリ


魔法使い「おじさん?」


女戦士「それより魔王は・・・」


僧侶「回復、回復、回復!」




 丁度、東の町の入り口に当たるところ。そこは魔物の死骸で埋め尽くされていた。


 生存者はゼロ。




魔法使い「早くっ!」


おじさん「待ってくれって」



おじさん「ふぅ・・・これは・・・倒したのか・・・魔王を...」



僧侶「それよりも!」



勇者「」



おじさん「あ...つ、使ったな、勇者・・・」


おじさん「あれほど頭痛薬なしで能力を使うなと・・・」



女戦士「まだ息はあります!」



勇者「...」



おじさん「・・・すまない。彼を助ける方法は、ない」



魔法使い「そんな・・・」


僧侶「助けてください!」





おじさん「・・・私が今から言うことは迷信かもしれない」


おじさん「...ある異世界の国、ジャポンでは、こんな言い伝えがあった」


女戦士「ジャパン?」


魔法使い「ジャポンよ」





おじさん「それは・・・」





おじさん「三人の美女から接吻を受けし者、いかなる魂をも取り戻す」



おじさん「つまり、お前さん達がちゅーをしたら、勇者は復活する可能性があるってことじゃ」





三人「「「えええっ!」」」




おじさん「やるかやらないかは、お前さん達の自由じゃ」



魔法使い「・・・ヤります」


僧侶「ok」


女戦士「把握」



おじさん「では、やるがよいッ!」




―After 3 years―


 この年、魔物は一匹残らず居なくなった。


 人類は暗黒の時代を終え、新たな未来を歩もうとしている。



魔法使い「準備は良い?」


僧侶「はいっ」


女戦士「うふっ」



 そして今日、新国王により、法が一新された。




 〈北の町・協会〉



新神父「貴方はこの三人を妻に迎え、幸せにすると誓いますか?」



勇者「・・・はい」ニッ



新神父「貴方達は夫のために精一杯の御奉仕()をすると誓いますか?」



僧侶「はい。勿論です」


魔法使い「誓います」


女戦士「幸せにしましょう」



新神父「では、誓いのキスを」



勇者「はい」スッ



勇者「魔法使い。愛してるよ」チュッ


勇者「僧侶。愛してる」チュッ


勇者「女戦士。愛してるぜ」チュッ




 その夜、この世に3つの魂が舞い降りる。




 〈勇者「超強い仲間見つけてサクッと魔王倒す」・完〉

これで終わりです

14日間初ssに付き合っていただきありがとうございました


後半は勇者がまじめ? なので、ぶっちゃけ見るのは一回目に魔王倒すまでで良いかもしれません


そうか初だったのか
次回作にも期待

乙乙

お疲れ!
楽しく読ませてもらったよ

ところで薬をくれたオッサンは最初の方に
出て来たのと同一人物?

婚姻に関しては世俗法じゃなくて教会法の範疇だから国王になっても意味なうわなにをするやめくぁwwせdrftgyふじこlp

おもしろかった

なかなかよかった


船にいた女戦士の師匠の騎士って誰だったん?
なんか見落としてる?

おt

真面目になっててわろた
よかったおつ


なんだかんだで面白かったなあ
あまりサクッとしていなかったけどw
しかもせっかく機械の弱点設定丸々カットかよw
勇者の変態属性が機械魔王の弱点直撃!
とかやるつもりだったんじゃないの?

>>548
おまえはどこの世界のはなしをしてるんだ?

>>499
あのスレはID真っ赤にしてまでレスするキチガイが多数居るだけ
ゴミクズ自体の書き込みはさほど多くない
容認してるゴミクズにも問題有るけどあのSSは周りが駄目過ぎなんだよ周りが

連すまぬ
>>1
面白かった次回作期待してます

側近………

個人的には前半のテンションのままのほうがよかったな
最初と最後見ると誰だこいつ、てなる

乙乙!

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