忍「アリス、初詣に行きましょう」アリス「だ、ダメだよシノっ!」 (23)

アリス「初詣なんて絶対にダメっ!」

忍「どうしてですか?」

アリス「どうしてもこうしても、私神社になんか絶対に行けないよっ」

忍「??」

アリス「鳥居をくぐったら仏罰が下るんだよ!?」


♪異教(もんだい)なんか 何も無いよ
偶像 崇拝 イケもんね
終末(しっぱい)だって 笑顔でさぁ
神といっしょ 乗り越えて行こう!

忍「なりほどっ!」ぱぁぁ

アリス「シノ、わかってくれた?」

忍「はいっ!つまり、アリスは鳥居をくぐったら罰が当たると思いこんでいるのですね?」にこっ

アリス「思い込みじゃないよっ!仏罰は絶対に下るんだからっ!」

忍「そうですかそうですか」ガシッ

アリス「えっ?」

忍「アリスの思い込みを、私が正してあげますね!」ぐいぐい

アリス「ちょ、ちょっとシノ!?」ズルズル

忍「さぁ、もうすぐ鳥居ですよ~」にこっ

アリス「ちょっ、シノっ!やめっ、やだっ・・・!!」ズルズル

忍「あはははっ!あはははっ!」グイグイ

アリス「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!」バタバタバタバタ

忍「アリスは臆病なんですね」にこにこ

アリス「あぁあああああああっ!!!」バタバタバタバタ

忍「ううっ、アリスを怒らせてしまいました・・・」ぐすっ

カレン「Oh! シノ、どうかしたデース?」

忍「あ、カレン。実はカクカクシカジカで」

カレン「マルマルモリモリデスね?」

忍「はい、どうやって仲直りしたらいいのか・・・」

カレン「そんな時には、お祈りするデース!」

忍「お祈り?」

カレン「そうデース!至高神の教えを信じて祈れば、全ての争いは解決するデース!」にっ

忍「まぁまぁ!」ぱぁぁ

カレン「シノも至高神を信じるデース!」

忍「それはスゴい神様がいるのですね」

カレン「そうデース!至高神の生まれかわりの教主様は、世界の偉人の霊とチャネリングする事だってできるデース!」

忍「そのような方がいらっしゃるのですねっ!」

カレン「そうデース!至高神の現世での姿デース!」

カレン「私がこんなに明るい性格になれたのも、至高神の教えのおかげデース!」

忍「そうなのですか~」にこにこ

陽子「おー、二人とも」

カレン「陽子!」
忍「あけましておめでとうございます」

陽子「二人でどうしたんだ?」

忍「実はアリスを怒らせてしまいまして・・・」

カレン「アリスに謝る方法を探しながら散歩デース!」

陽子「そうかそうか」

忍「それにしても、新年の街並みというのも良いものですね」

カレン「玄関に国旗が飾ってあるデース!」

忍「祝日に国旗を飾るのは日本の文化ですね」

陽子「ウチではやらないけどな」

カレン「日本では、新年に国歌を歌ったりしないデース?」

忍「うーん、最近は歌うところもあるようですよ?」

陽子「まー、私は歌わないけどな」

忍「そうなのですか?」

陽子「うーん。ちょっと事情があってさ」

綾「よ、陽子っ!」

陽子「あれ?綾?」

綾「陽子、みんな、あけましておめでとう」

忍「おめでとうございます」
カレン「ハッピーニューイヤー!」
陽子「おめでとう」

陽子「それで、どうしたんだ?」

綾「え、えっと、その、陽子に私といっしょに修行してほしくてっ」

陽子「え?」

綾「陽子には、私といっしょにこのお薬を飲んで欲しいのよ!」

陽子「何?これ・・・?」

綾「尊師様から頂いたのよ!水中クンパカをたくさん頑張ったご褒美だ、って!」にこっ

陽子「水中、何だって?」

綾「修行の一瞬よ!それで、このお薬を飲むのも修行の一つなんだけど、一人じゃなんだか怖くって」

陽子「うーん、まぁ、血液製剤じゃない薬ならなんだっていいよ」

綾「そ、そう?」

忍「新年から修行だなんて、なんだかすごい話になってきましたね」

カレン「あややと陽子はとってもマジメデース!」

陽子「それで、この薬を飲んでどうすればいいんだ?」

綾「頭に電気を流すのよ!」

陽子「・・・えっ?」

綾「大丈夫!」ふんすっ

綾「陽子の記憶が全部吹っ飛んだ後は、私がしっかり面倒見てあげるからね!」にこ

陽子「えっ?えー?」

アリス「南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経」

アリス「えへへ。きっと新聞をたくさん契約して、お題目を唱えれば仏罰は当たらないよね?」

アリス「南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経」

ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ


♪ありふれた信仰(ひび)の素晴らしさに
気づくまでに
二人はただ異教(いたずら)に祈りを捧げて過ごしたね

おしまい(ハルマゲドン)

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