まどか「ごめん、ね……ほむらちゃん……」(170)

まどか「わ、たし……もう、ダメ、かも……」

ほむら「まどか……!しっかりして、まどかぁ!!」

さやか「あれ、まどかにほむら?何やってんの?」

ほむら「大変なの!まどかが、まどかが……!紙で指を……!」

さやか「ッ……!?う、うそでしょ!?」

ほむら「嘘なんかじゃないわ!見れば分かるでしょう!?」

さやか「……!う、うっすら血が滲んで……!」

まどか「はぁっ……はぁっ……」

ほむら「まどかぁ!しっかりして、まどかぁ!」

さやか「ど、どうしよ、どうしよ……そうだ!あ、あたし、マミさん呼んでくる!
    マミさんならきっと、なんとかしてくれるはずだよ!」

ほむら「さやか……!」

さやか「待っててね、まどか!すぐ戻ってくるからね!」

さやか「こっちです、マミさん!」

マミ「お待たせ!2人とも!」

ほむら「巴さんっ……!」

マミ「大丈夫、鹿目さ……!?ひ、酷い……!」

さやか「そんな!?さっきまで滲んでる程度だったのに……血が、垂れてきちゃってる……!」

ほむら「は、早くなんとかしてあげて!私にはもう、指を心臓より高い位置に上げるくらいしか……!」

マミ「で、でも、こんなのどうすれば……あっ!そうだわ!」

さやか「何か良い方法があるんですか!?」

ほむら「ポーチなんか取り出して、何を……まさか!」

マミ「あったわ!これを鹿目さんに!」

さやか「ば、絆創膏!!」

ほむら「すごい……これがあれば、傷を治せる……!」

ほむら「まどか、指を出して!」

まどか「ぁ、ぅ……」

ほむら「くっ……!片手でまどかの手を支えながらじゃ、テープが上手くはがせない……!」

さやか「そ、そんな!せっかく絆創膏があるのに、そんなことって……!」

マミ「っ……暁美さん!私も手伝うわ!」

ほむら「巴さん……!」

マミ「私が鹿目さんの手と指を支えるから、あなたが絆創膏を貼ってあげて!」

ほむら「で、でもそんなことをすれば、ゴミを捨てる人が……」

さやか「ご、ゴミならあたしが捨てるよ!」

マミ「美樹さん、あなた……!」

さやか「だからほむら、早くテープをはがして!!急がないと、まどかが……!」

ほむら「っ……ありがとう……!」

ほむら(巴さんが手を支えてくれる。さやかがゴミを捨ててくれる。
    すごい、これなら……これならきっと……まどかを救える!)

マミ「支えたわ……!今よ、暁美さん!」

ほむら「えぇ!」

さやか「ほむら、ゴミを!」

ほむら「頼んだわ、さやか!あなたが戻る頃には、きっとまどかは、元気な顔を見せてくれるから……。
    だから、絶対に戻ってくるのよ!約束して……!」

さやか「もっちろん!じゃあね、絆創膏、頼んだよ!」

ほむら「まどか、お願い……これで、目を覚まして!」

マミ「……!傷が、絆創膏で覆われて……!」

まどか「……ぅ……ぁ、あれ、わたし……」

ほむら「まどか……!」

まどか「ほむらちゃん、マミさん……。あ、そっか、わたし、紙で指を切っちゃって……
    そしたら血が滲んできて、それで……わ、わたし、わたし……!」

マミ「鹿目さん……」

まどか「ひっ……えぐっ、ぐすっ……」

ほむら「怖かったのね、まどか……でも、もう大丈夫よ」

まどか「うっ……ぅわぁああああん!!怖かった、怖かったよぉおお!!」

ほむら「安心して、もう絆創膏を貼ったから。ね?」

マミ「えぇ。だからもう、何も怖がることはないわ。そんな傷なんて、すぐに治っちゃうから」

まどか「えっく……ぅく……ほむらちゃん、マミさん……」

さやか「まどか!」

まどか「っ!さ、さやか、ちゃん……」

ほむら「あなた、ゴミを無事に捨てて来れたのね……!」

さやか「良かった……良かったぁ!助かったんだね、まどかぁ!」

まどか「うん、うん……!でもさやかちゃん、その、ゴミって……?」

マミ「美樹さんはね……絆創膏のゴミを捨ててきてくれたの。それも、自分の意志で」

まどか「そ、そんなっ……どうして……!?」

さやか「あはは、なんていうんだろ……。
    目の前でまどかが苦しんでるの見てたら、居ても立っても居られなかったっていうか、
    あんまり深いこと考えてなかったや。ただただ、まどかを助けなきゃって、そう思ってさ」

まどか「さやか、ちゃん……ごめんね、ありがとう……!本当に、ありがとう……!」

ほむら「さやかは向こう見ずだけれど……でもそのおかげで、まどかを救うことができた」

マミ「えぇ。美樹さんも鹿目さんも、本当に無事で良かったわ」

放課後

マミ「あら、今日は志筑さんは一緒じゃないの?」

まどか「はい、今日もお稽古事らしくて。
    今日は新作パフェが出るから仁美ちゃんも連れて行ってあげたかったんですけど」

さやか「あぁ、かわいそうな仁美……。
    仕方ない、明日も仁美のためにパフェを食べに付き合ってあげますか!」

ほむら「あなたが食べたいだけでしょう」

さやか「あはっ、バレた?まーとにかく、早く喫茶店行こうよ!」

まどか「うん、楽しみだなー、新しいパ……」グゥゥウ~

マミ「……え?」

まどか「……!」

マミ「鹿目、さん……?今、何か……」

ほむら「……そんな、まさか……」

さやか「あ、あははは……き、きっと聞き間違えだよ!

まどか「そ、そう、だよね?聞き間違え、だよn」グゥウウゥウウ~

ほむら「うそ、そんな……!」

マミ「聞き間違えじゃない!これは……!」

さやか「お、お腹の音!?そんな、なんで……!?」

まどか「や、やだ、やだっ!どうして、どうしてこんな……!」

ほむら「いけない、このままじゃ、まどかが……!」

まどか「や、やだぁ……そんなの、やだよぉ……!」

マミ「い、急いで何か口に入れないと!」

さやか「き、喫茶店に行こう!早く!」

ほむら「駄目、遠すぎる……ここからじゃ、どんなに急いでも5分はかかるわ!」

さやか「で、でも……」

ほむら「喫茶店に着くまでの間、ずっとまどかにお腹の音を響かせ続けろと言うの!?
    冗談じゃないわ!そんなの、あんまりよ……!」

マミ「暁美さん……」

ほむら「何か、何か別の方法を考えないと、何か、喫茶店に行く意外で、別の方法を……。
    そ、そうだわ!2人とも、何か食べるものは持ってないの!?」

さやか「あっ、そうか!今ここで何か食べさせてあげれば、喫茶店まで行かなくて済むんだ!」

まどか「あ、あぁあ……」グゥウウウ~

さやか「え、待って、うそ、やだ……!な、何もない……!」

マミ「わ、私も……非常用のカロリーメイトしか持ってないなんて!こんな時に……!」

ほむら「そん、な……。それじゃあ、どうすれば良いの!?
    何か別の方法を探さないと、何か、何か……!」

まどか「良い、よ……」

ほむら「え……?」

まどか「喫茶店、行こ……?わたし、我慢、できるから……」

ほむら「まどか……駄目!そんなことしたら、あなたが……!」

まどか「ううん、良いの……私は平気……。
    それにね……喫茶店のパフェ、すっごく楽しみだったから……えへへ」

マミ「鹿目さん、あなた……」

まどか「だから、ね……?みんなで一緒に、喫茶店に……」グゥウウウゥウ~

さやか「っ……!まどかぁああ……!」

杏子「ん……?よぉ、あんたら何やってんだ?」

マミ「佐倉さん……!」

杏子「……なんだ。何かただ事じゃないみたいだね」

さやか「ま、まどかが大変なの!」

杏子「まどかが……!?おい、まどか!どうした、何があった!?」

まどか「杏子、ちゃん……」

杏子「腹なんか押さえて……痛いのか!?どうしたんだ!」

ほむら「お腹の……お腹の音が鳴ったの……!」

杏子「……腹の音……?え、何?腹が減ってんのかい?」

さやか「杏子、あんた……!」

杏子「いてっ!?な、なんだよ!急に肩なんか掴んで……」

マミ「佐倉さん……!?そんな、はっきり……!」

杏子「はぁ……?」

まどか「う、ううん……良いの……。わたし、分かってたから……」

ほむら「まどか、あなた……!」

まどか「ほんとはね、気付いてたんだ……わたし、お腹が空いてるんだ、って」グゥゥウウウ~

ほむら「まどか、そんなことない、あなたは……!」

さやか「ぅくっ……ぐすっ……」

杏子「なんで泣いてんの?」

まどか「そうだよ、泣かないで、さやかちゃん……」

マミ「……えぇ、泣いてる暇なんてないわ。今は一刻でも早く、鹿目さんに何か食べさせてあげないと……!」

さやか「で、でも……あたしもほむらも何も持ってないし、マミさんだって、非常用のカロリーメイトしか……」

杏子「その非常用のカロリーメイトとやらを食わせてやれよ」

さやか「なっ……!?」

ほむら「佐倉杏子……あなた、そこまで思慮分別のつかない人間だったかしら」

マミ「佐倉さん、話を聞いてなかったの……?」

杏子「は……?」

さやか「良い!?マミさんのカロリーメイトは非常用なの!取っておかなきゃいけないの!わかる!?」

杏子「いや、まぁそりゃ非常用ってんなら、こんなくだらないとこで使わないのが普通だろうけどさ……」

ほむら「……あなた、今なんて?」

杏子「え?」

ほむら「あなた、今……なんて言ったの……?」

杏子「だから、非常用ってんなら、こんなくだらないとこじゃあ……」

ほむら「ふざけないで!!」

杏子「なっ!銃!?」

マミ「暁美さん!駄目!」

ほむら「ッ……!」パァン

杏子「こ、こいつ!マジで撃ちやがった!」

マミ「暁美さん、今は仲間割れなんてしてる場合じゃないわ!」

ほむら「フーッ……フーッ……!くだらないですって……!?
    まどかのお腹が鳴ってるのに、くだらないですって……!?」

さやか「杏子……謝ってよ」

杏子「はぁ!?なんでだよ!?いきなり発砲されて、謝って欲しいのはこっちだっつーの!」

さやか「良いから謝って!今すぐ謝って!訂正して!!」

マミ「……佐倉さん、やっぱりあなた、そうなのね」

杏子「は、はぁ?」

マミ「人が困ってるところを助けるなんてくだらない……また、そんな考え。
   最近は昔のあなたに戻ってきたと思っていたのは、私だけだったのね……」

さやか「……幻滅したよ、杏子」

ほむら「消えて……私が殺してしまう前に、早く消えて……!」

杏子「っ……どうしちまったんだよ、あんたたち……!」

杏子「あぁクソ!わかったよ!消えりゃ良いんだろ!」

マミ「っ!待って!」

杏子「あん!?なんだよ!」

マミ「あなた、今口に加えてるそれ……何なの……?」

杏子「見りゃわかんだろ。ロッキーだよ」

さやか「ロッキーって……あのロッキー!?お菓子の!?」

杏子「それ以外何があんだよ……」

ほむら「杏子……お願い。そのロッキーを、まどかにあげて……!」

杏子「ちっ……なんだよ、急に手のひら返しやがって」

さやか「あたしからもお願い……。まどかもあんたが咥えたやつなら気にしないはずだよ!ね、まどか!」

まどか「うん……わたしは、気にしないよ。杏子ちゃんなら……」

杏子「しかも今咥えてるやつかよ!?だったら箱ごとやるわ!」

マミ「えっ……!?」

マミ「他にもロッキーがあるの!?しかも箱ごと!?」

杏子「どこにロッキー1本だけ加えて出歩く人間が居るんだよ……」

さやか「ほ、ほんとに、くれるの……?箱ごと、まどかに……?」

杏子「あーもうどうでも良いよ。ほら、さっさと食えってんだ」

ほむら「あ、ありがとう……!杏子、本当にありがとう……!」

杏子「はぁ……わっけわかんね。なんか疲れたしあたしはもう行くわ。じゃあね」

ほむら「良かった……これでまどかのお腹の音がおさまるわ」

マミ「さぁ鹿目さん、早く食べて!」

まどか「はい、それじゃ……」グゥウウウゥウ~

さやか「!ちょっと待って!」

ほむら「どうしたの。早く食べさせてあげないとお腹の音が……」

さやか「あのさ……あたしたち今から、新作パフェ食べに行くんだよね?」

マミ「えぇ、そうよ。鹿目さんのお腹の音が止んだらすぐにでも行きましょう」

ほむら「そのためにも早くまどかのお腹に何か入れないと」

さやか「ちょっと思ったんだけどさ……。
    ロッキー食べちゃったら、パフェが入らなくならない?」

まどか「っ……!ほ、ほんとだ……!」

さやか「ただでさえまどか少食なんだから、ロッキー1箱なんて食べちゃったりしたら……」

ほむら「……きっと、せっかくの新作パフェも美味しく食べられないわね」

マミ「確かに、美樹さんの言う通りね。危ないところだったわ……。
  もう少しで大変な間違いを犯してしまうところだったわね」

さやか「でも、1つ問題があって……。まどかに空腹を我慢してもらわないと……」

ほむら「まどか、大丈夫?我慢できる?」

まどか「うん、大丈夫……。今までも、我慢してきたんだもん……わたし、頑張るよ」

ほむら「……あなたは本当に強い子ね、まどか。でも、我慢できなさそうだったらすぐに言うのよ。
    その時はみんなで全力で走りましょう」

マミ「そうね。それじゃあ、行きましょうか!」

さやか「ごちそうさま!いやー、美味しかったぁ!」

マミ「これはきっと定番メニューになるわね。私、毎日通っちゃおうかしら、ふふっ」

ほむら「少し量が多めだったわね。まどか、大丈夫?」

まどか「うん、大丈夫!でもやっぱりちょっとお腹いっぱいかな?」

さやか「あ、そう言えば杏子にもらったロッキーどうしよ?」

まどか「うーん……わたしはもうお腹いっぱいだし、みんなで食べて良いよっ」

マミ「残念だけど、それは無理かな……。だってそのロッキーは鹿目さんがもらったものですもの」

まどか「あ、そうですよね……。うーん、じゃあどうしよう」

ほむら「幸い箱ごと貰ったから持ち歩くのには苦労しないから……杏子に返すというのはどうかしら」

マミ「そうね、それしかなさそうね」

さやか「それじゃ今からみんなで杏子探しに行きますか!」

マミ「どうする?手分けして探しましょうか?」

ほむら「えぇ、それが一番効率的ね」

ほむら「それじゃ、私はまどかと探すわ」

マミ「私は美樹さんとね」

まどか「うん、そうだね。あ、ロッキーは私が持ってても良いかな?」

さやか「そりゃまぁ、まどかが貰ったやつだし」

ほむら「そうと決まれば早速探しに行きましょう」

マミ「えぇ!また後でね、2人とも!」

杏子「……大体、この辺りだと思うんだけどな……」

まどか「あ、居た!杏子ちゃーん!」

杏子「あん?まどか、それにほむら……?」

ほむら「こんなところに居たのね、探したわよ」

杏子「何よ、また何か用?」

ほむら「ちょっと待って。今、美樹さんとさやかを呼ぶから」

杏子「……?」

さやか「おー、居た居た!」

マミ「良かったぁ、見付かったのね」

杏子「なんだかよく分からないが……あ、そう言えばまどか。腹の音はおさまったのかい」

まどか「うん!パフェ食べたら治ったよ!」

杏子「ん?パフェ?ロッキーじゃ足らなかったってか?」

まどか「ううん、ロッキーは食べなかったの」

杏子「は?」

ほむら「ロッキーを食べてしまったら新作パフェが美味しく食べられないから、結局我慢したの」

杏子「……なんだそりゃ……」

まどか「でも気持ちはとっても嬉しかったよ!ありがとう!」

杏子「……まぁ良いや。で?用事ってのはなんだよ。
    わざわざみんな集まったんだ。大事な話じゃないの?」

さやか「えっ?用事なら済んだよ」

杏子「は?」

マミ「鹿目さんがパフェでお腹いっぱいになったから、ロッキーを返しに来たのよ」

杏子「…………」

まどか「杏子ちゃん?どうしたの?」

杏子「いや、なんでもない。もうツッコむ気力も失せただけだ」

ほむら「……?」

杏子「それより、あんたら気付いてないの?まぁ気付いてないんだろうな……」

マミ「なぁに?どうしたの?」

杏子「魔力探知してみなって。この辺りでもうすぐ結界が出来るよ」

まどか「えっ!ほ、ほんと!?」

マミ「じゃあ鹿目さんは結界の外で……」

ほむら「駄目よ、まどかを1人にするなんて出来ないわ!」

さやか「それじゃ、結界の中に連れてくの?そんな危ないこと、もっと出来ないよ!」

杏子「いや、誰かが外に残ってやれば……」

QB「それなら僕に良い考えがあるよ」

まどか「キュゥべえ!」

さやか「良い考えって何よ?」

QB「君たちが問題にしてるのは、まどかが自分の身を守れないということだろう?
  だから1人には出来ないし、連れて行くことも危険だから出来ない。そういうことだね?」

マミ「えぇ、その通りよ」

QB「だったら簡単なことじゃないか。まどかが僕と契約して、魔法少女になれば良いんだよ!」

杏子「……あのさぁ。いつになったら懲りるのさ。何回勧誘しようが……」

ほむら「確かに……キュゥべえの言う通りね」

杏子「ッ!?」

まどか「そっか、わたしが契約すれば良いんだ。そうすればみんなと一緒に結界に入って行けるよね!」

マミ「盲点だったわ。さすがはキュゥべえね!」

さやか「たまにはやるじゃん!」

ほむら「そうと決まれば早速契約しましょう、まどか」

まどか「うん!わたしの願いごとは……」

杏子「ま、待てよてめぇら!何言ってんだ!」

杏子「特にほむら!あんたが一番まどかが魔法少女になるのに反対してただろ!?」

ほむら「でも仕方ないじゃない。
    今のままじゃまどかを1人残すことも出来ない、連れて行くことも出来ない。
    このまま結界の外で立ち往生しろと言うの?」

マミ「あなたもしかして……魔女を見逃す気……?」

さやか「杏子あんた、使い魔だけじゃなくて魔女まで見逃すの!?」

まどか「ひ、酷いよ杏子ちゃん!そんなのあんまりだよ……!」

杏子「は、はぁ!?」

杏子「そうじゃねえよ!だから、誰か1人でも結界の外に残ってまどかと居れば……」

マミ「誰かって、誰?」

さやか「あたしたちはみんな、正義の魔法少女なんだよ。
    魔女と戦わずにただ見てるだけだなんて出来るわけないじゃん!
    そんなことしたら正義の魔法少女失格だもん!」

ほむら「だったらあなたが残る?杏子」

杏子「っ……」

杏子(駄目だ、今のこいつらだけで魔女とマトモに戦えるなんて、到底思えない!
    せめてあたしが居ないと……!)

杏子「くそっ……!じゃあもう分かった!まどかも連れて行くぞ!」

ほむら「あなた……話を聞いてたの?それは危険だってさっき……」

杏子「うるせぇ!こいつはあたしが守る!何か文句あるか!?」

ほむら「!」

まどか「杏子ちゃん……」

杏子「心配すんな、まどか。あんたはあたしが責任を持って守ってやるからさ」

さやか「あ、あたしだってまどかを守るよ!」

マミ「私も!後輩にばかり良い格好させられないもの!」

ほむら「まどかを守るのはこの私よ。今までも、これからも」

まどか「み、みんな……ありがとう……!」

杏子「じゃあ全員で結界に入るってことで良いな!行くぞ!」



QB「やれやれ……みんな入って行ったね。無事で済むと良いんだけど」

結界内

さやか「これはまた不気味な結界だね……」

マミ「もう結構歩いたけど……」

ほむら「……まどか?」

まどか「……い……痛い……」

杏子「!?なんだ、どうした!?」

まどか「わ、わき腹が……」

ほむら「まさか……食べてすぐ歩き回ったから……!?」

杏子「わき腹って……」

さやか「そ、そんなことって……!」

まどか「ごめん、なさい……。わたし、もう……歩けそうに、ない……」

マミ「……私のせいだわ」

ほむら「巴さん……?」

マミ「私が今日、新作パフェを食べに行こうなんて提案したから……私のせいで……!」

マミ「ごめんなさい、ごめんなさい……!私のせいで、鹿目さんが……!ごめんなさい……!」

ほむら「そんな……それを言ったら、私だって!杏子を探しに行こうと言い出したのは私よ!
    私があんなことを提案しなければ、まどかが歩き回ることもなかった!
    まどかのわき腹が痛くなることだって、なかった!全部、私が悪いのよ!」

さやか「ち、違うよ……。2人とも、悪くないよ。あ、あたしが……。
    あたしが、ロッキーを食べずにパフェを食べようなんて言わなければ……。
    あ、あたしがあんなこと言わなかったら、まどかのわき腹は……」

杏子「あんたたち、今そんなこと言ってる場合かよ!?」

ほむら「杏子……!」

杏子「わき腹が痛くなってんだぞ!まずまどかを心配してやるべきだろうが!」

さやか「……杏子の言う通りだ。そうだよ、まずはまどかだ」

マミ「そうね……。後悔も落ち込むのも、鹿目さんが元気になってから!
   まずは鹿目さんのわき腹の痛みを抑えてあげなきゃ!」

まどか「き、杏子、ちゃん……わたし……」

杏子「もう喋るな、まどか……。ここで少し休もう」

まどか「でも、魔女は……」

杏子「魔女なんかより、まどかの方を優先するべきだよ」

杏子「しかし、どうやって痛みを抑えるか……。そうだ!」

ほむら「何か良い手があるの……!?」

杏子「魔法だよ……魔法を使うんだ!」

さやか「えっ!?で、でもわき腹の痛みをなくす魔法なんて……」

マミ「美樹さん……魔法にはいくらでも応用が利くのよ!」

さやか「あぁ!マミさんのリボンがまるで包帯のように……!」

マミ「応急処置みたいなものだけど、やらないよりはずっと良いでしょ?たぶん」

まどか「あ、ありがとうございます……!ずいぶん楽になったような気がします!」

杏子「さすがはマミだな!」

最深部

ほむら「もう痛みは大丈夫?まどか」

まどか「うん、もう平気だよ!マミさん、ありがとうございました!」

マミ「ふふっ、どういたしまして」

さやか「いやー、魔法にあんな応用の仕方があったとは。勉強になります」

杏子「しかし、まどかに何事もなくて本当に良かっ……」

魔女「オォオオオオオオオオ!!」

さやか「げえっ!魔女!いつの間に!」

まどか「電車ごっこしようよ」の作者だコレ
懐かしいな

杏子「ちっ!まどか、あんたはこの中に入ってろ!」

マミ「私も保護結界を張るわ!」

さやか「あ、あたしも!」

ほむら「まどか、ここから動かないでね!」

まどか「み、みんなありが……」

魔女「オォオオオオオオ!!」

まどか「きゃっ!?」

さやか「ま、まどか!?」

杏子「し、しまっ……」

マミ「よろけて、こけ……」

ほむら「まっ……まどかぁああああああああ!!」

まどか「……ほむら、ちゃん……」

ほむら「まどか、しっかりして、まどかぁああ!!」

まどか「……え、へへ……ごめん、ね……ほむらちゃん……こけちゃった……」

マミ「そん、な……魔女に怯んでバランスを崩すなんて……!」

さやか「や、やだ!まどかぁ、まどかぁ!!」

杏子「くそっ……くそっ、くそっ、くそぉおおお!!
   まどかのことを考えれば怯んでこけるくらいのこと、想定できたはずなのに!!
   馬鹿野郎……あたしの、大馬鹿野郎がっ……!」

まどか「どうして、だろ……なんだかね、すごく、眠いんだ……」

ほむら「い、いや、いやぁ!目を開けて、まどか、お願い、まどかぁあ!!」

まどか「甘いもの食べて、お腹、いっぱいになって……歩き回って……疲れちゃったから、かな……。
    今ね、とっても、 眠いの……えへへ……」

ほむら「だ、だめ!まどか!目を開けて!お願い!目を開けてぇ!」

まどか「……みん、な……わたしのことは、放っておいて……。
    わたし、なんかより……魔女、を……」

マミ「か……鹿目、さん?」

まどか「…………」

さやか「ま、まどか、やだ、まどか……。まどか、まどかぁ、まどかぁああ……!ぅわぁあああああん!!」

杏子「……許さねぇ……殺してやる……殺してやる……ぶっ殺す、絶対に、ぶっ殺す!
   てめぇだけは、絶対にぶっ殺してやる!うぁあああああああああ!!」

魔女「オォオオオオオオ!!」

ほむら「……私の戦場は……もう、ここじゃない……。でも……お前だけは、殺してやるわ」

マミ「鹿目さんが眠っちゃったのなら……死ぬしかないじゃない!あなたが!!」

さやか「死ねぇえええええええぇえええ!!」

杏子「だぁらぁあああああああああああ!!」

ほむら「まどか……ごめんね。すぐ、終わらせるからね」

魔女「ギャァアアアアアアアアアアア……!」

QB「いくらなんでもやりすぎじゃないかな」

さやか「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

ほむら「……終わったわね」

マミ「……あら……?」

杏子「ん、なんだ……?なんか、記憶が……」

まどか「ん……ふわぁあ……あれ?わたし、なんで寝ちゃってるの?」

QB「どうやら元に戻ったようだね」

さやか「キュゥべえ!どういうこと?」

QB「君たちは今の今まで、魔女の呪いの影響を受けていたんだよ。
  今日1日の記憶がところどころぼやけてるのは、そのせいだ」

ほむら「……?」

マミ「私たちが、魔女の呪いを……?どんな魔女なの?」

QB「簡単に言うと、人間の庇護欲に付け込む魔女さ。
  杏子、君は結界に入る頃から急に記憶が曖昧になってはいないかい?」

杏子「あぁ、確かに。まどかを守ると決めてから……あぁ、そういうことかい」

QB「まぁ、何はともあれ魔女も倒せたし、みんなが元に戻って良かった」

マミ「よく分からないけど……一件落着ね。それじゃ、帰りましょうか」

まどか「はい!……あっ!」

さやか「おわっ!まどか、大丈夫?」

杏子「おいおい、何もないとこでこけるとか、しっかりしなよ?」

マミ「怪我はない?一応絆創膏は持ってるけど。酷いようなら魔法で治しましょうか?」

まどか「いたた……いえ、ちょっとお尻打っちゃったけど、大丈夫で……」

ほむら「まっ……まどかぁああ!!大丈夫!?本当になんともない!?あざになったりしてない!?」

まどか「あはは、平気だよ。ありがとう、ほむらちゃん」

QB「うん、みんな元通りだね。一件落着だ」



    おしまい

付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ。

>>136は知らない

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