凛(おかしい……間違って召喚したかも) カービィ「ぽよ」 (158)

衛宮邸・居間。

カービィ「ぽよ……ぽよ……」スピー

リズ「かわいい」

セイバー「ぽよぽよ、本当に良く眠っていますね」

凛「ええ」

桜「先輩、このくらいで良いですか?」

士郎「ああ。それが終わったら、ちょっとこっちを手伝ってくれ」

凛(平和だわ。まるで今、聖杯戦争なんて起きていないと思うくらいに。駄目なのに、悪くない気分)ナデナデ

カービィ「ぷー……ぷすー……」スピー

凛(ずっと、この時間が続けば――――)

イリヤ「ぽよぽよー!」ガタン!

カービィ「ぷえっ……!?」ビク

凛(……なんかうるせえのが来た)

セラ「イリヤスフィール様、お静かに……!」

リズ「イリヤ、しー」

セイバー「イリヤスフィール、ぽよぽよが起きてしまいます」シー

凛「……もう、起きたっつの」

カービィ「ぽよ? ぽよ? ……ぽよ?」キョロキョロ

カービィ「くあー……ぽよ」ピョン

イリヤ「あ、あくびした……かわいいっ……」

セイバー「こ、これは……欠伸をするぽよぽよを見られた事に感謝するべきか、起こしてしまった事に怒るべきか……!」

カービィ「ぽよ?」

凛「はあ……。まあ、起こしちゃったもんは仕方ないわ」

イリヤ「そうよ、だからぽよぽよ、こっちおいでー」パンパン

セイバー「待て、じゃんけんです! じゃんけん!」

凛「あーもう。起き抜けくらいぽよぽよから離れなさいよ。嫌われても知らないわよ」

イリヤ「むっ。ちぇー、仕方ないなぁ」

セイバー「ぐっ……分かりました」

リズ「イリヤ、我慢も大事」

イリヤ「分かってるよ。あーあ、セラにも触らせてあげようと思ったのに」

リズ「ねー。非常に残念だ」チラ

セラ「わ、私は関係ありませんから……」プイ

凛(……あれ。アインツベルン、まさか全滅?)

飯食ってくる休憩

カービィーってしゃべれなっかったっけ?

カービィ「ぽよ」テケテケ

カービィ「ぽよ……ぽよ!」

士郎「ん? どうしたぽよぽよ?」

カービィ「ぽーよ、ぽよ?」フリフリ

桜「これ、ですか? お昼ご飯です」

カービィ「ぽよっ。ぽよー……」ジュルリ

士郎「相変わらずの食い気だな、起き抜けでも。まだ時間が掛かるだろうから、待っていてくれ」

カービィ「ぽよ!」テケテケ

士郎「……よし、頑張るか。昼飯を待つぽよぽよの為にも」

桜「はい、先輩」

士郎「ぽよぽよ、安眠すらさせてもらえないからな」

桜「そうですね」


イリヤ「あー! リズずるーい!」

リズ「私は嫌われる心配、ないから」ムギュー

カービィ「むぷー!」モゾモゾ


士郎「常に誰かに抱っこされてるからな」

桜「そうですね……」

士郎「……ぽよぽよ、本当に大変だよな」

桜「マスコットの宿命……」

数十分後。

カービィ「ぽよ、ぽよっ」モシャモシャ

凛「あーもう、がっつかないの」

イリヤ「ぽよぽよ、美味しい?」

カービィ「ぽよ!」モシャモシャ

士郎「良かった。そうして嬉しそうに食べてくれると、急いで作った甲斐があるよ」

士郎(食事の時間が、ぽよぽよにとって貴重な憩いと言える時間だろうし……)

桜「セラさんが手伝ってくれたから、すぐに作り終えられました」

セラ「働かないのは、性に合わないので」パク

セイバー(何故でしょう、耳に痛い言葉だ)モグモグ

リズ「シロウとサクラは料理、上手。セラにも負けない」

セラ「癪ですが、それは認められます。あなた方のスキルは確かに素晴らしいでしょう」

士郎「そりゃ、どうも」

カービィ「ぽよ!」

桜「あ、お代わりですか? はい……どうぞ、ぽよぽよちゃん」

カービィ「ぽーよ。ぽよ、ぽよ」モシャモシャ

セラ「懐かれていますね……」

桜「え?」

セラ「あっ、イリヤスフィール様! 食事の時はピンクボールに餌付けするのをお止め下さい!」

イリヤ「ちぇー……」

カービィ「あっ……」

凛「まったく、油断も隙もない……ぽよぽよも、まだあるんだからしょんぼりしない」

カービィ「ぽよ……ぽよっ」モシャモシャ

士郎「……ああ、そうだ。遠坂」

凛「なに、士郎?」

士郎「後で、少し良いか? ぽよぽよも、一緒に」

凛「ぽよぽよも?」

カービィ「ぽよ?」

士郎「ああ。話が、あるんだ」

凛「……あー、そ。良いわよ、便利な通訳としてついてってあげる」

士郎「おま……そんな言い方してないだろ」

セイバー「シロウ、まさかあなたもぽよぽよを狙っていたのですか!?」

イリヤ「え!? シロウってば、ぽよぽよみたいな一頭身が好みなの?」

セイバー「なんですって! シロウ、流石にそれはどうかと思います!」

士郎「お前ら揃って混ぜ返すなって」

桜「セイバーさん……」

カービィ「ぽよ、ぽよ」モシャモシャ

カービィ「ぽよ」ペフ

リズ「ごちそうさま」

セイバー「今日も美味しかったです」

桜「はい、お粗末様でした」カチャカチャ

凛「さて……話って何よ、士郎」

士郎「ああ、ちょっと待ってくれ。片付けが終わってから……」

桜「あ、それなら任せてください。私一人でできますから」

セラ「私も手伝いましょう」

リズ「がんばれー」

セラ「あなたも少しは手伝ったらどうですか……!」

桜「ま、まあまあ……ですから、先輩」

士郎「そうか、じゃあ、頼む」

セイバー「シロウ、私も……」

士郎「大丈夫だって、セイバー。遠坂はともかく、ぽよぽよは違うんだから」

凛「ちょっと、どう言う意味よ」

セイバー「……分かりました」スッ

士郎「ん。行こう、遠坂」

凛「はいはい。おいで、ぽよぽよ」

カービィ「ぽよ!」ピョン テケテケ

衛宮邸・土蔵。

士郎「……遠坂。昨日のぽよぽよの剣、憶えているか?」

凛「ええ。忘れるわけもないわ」

カービィ「ぽよっ、ぱーう」キャッキャ

凛「虹色の剣……ダークマターが暗黒の塊なら、対抗したあれはまるで希望の塊」

凛「アレが、どうかしたって?」

士郎「あれは、投影で作られた剣だ」

凛「投影……まさか」

士郎「間違いない。さっき、ぽよぽよが出したって言う葉っぱだってそうだ」

士郎「何故かは知らないが、ぽよぽよは投影のノウハウを持っている」

凛「士郎あんた、まさかとは思うけど、ぽよぽよに教えを乞うわけじゃないでしょうね」

士郎「だけど、ヒントがあるんだ」

カービィ「ぽよー」チョイチョイ

凛「……士郎、間違いないように確認して良い?」

士郎「ああ」

カービィ「ぽよ?」チョン

グラ……がしゃーん!

カービィ「ぷゃあああああ!?」

凛「『アレ』に?」

士郎「じゃなくて助けてやれよ! ぽよぽよ大丈夫かっ?」

士郎「あーあー……置き方が悪かったんだな」

カービィ「ぽよー……」

凛「はいはい、痛かった。これに懲りたら変なとこ触らない事」

カービィ「ぽよ……」

士郎「話が途切れたけど……遠坂」

凛「私に許可取るのは結構だけど、肝心の相手に話すべきじゃあない?」

カービィ「ぽよ?」

士郎「……ぽよぽよ」

カービィ「ぽよ」

士郎「さっきの葉っぱ……いや、昨夜のあの武器。もう一度、出せるか?」

凛「虹色の剣よ。ダークマターを倒すのに使った……『是・射殺す百頭』だったかしら?」

カービィ「ぽよ!」ピョン テケテケ

凛「あっ、ぽよぽよ」

カービィ「ぽよっ……」ジリ

――――キィイイイイイン

凛「これ……魔力が」

シュオオオ……キュイン

カービィ「ぽよっ!」

キラキラキラ

凛「昨日と同じ、虹色の剣――――」

士郎「……ぽよぽよ、見せてくれ」

カービィ「ぽよ」ヒョイ

チャキ

士郎「同調、開始。…………間違いない、やっぱり、これは」

キィン……パキン

士郎「うわっ……消えた」

凛「……明確な役割が無いから、すぐに消えてしまうんだわ。ただ、普通の投影とは違って」

凛「役割を終えるまでは、世界に留まり続ける。だから昨夜は」

凛(まるで士郎の投影のように……その異質さは、確かに似ている)

カービィ「ぽーよ?」

凛「ううん、もういいわ。どう、士郎?」

士郎「……遠坂。ぽよぽよを貸してくれ」

凛「ものじゃないっつの。でも、珍しいじゃない」

士郎「もう二度と、桜を救えないなんて事、したくない……」ギリ

凛「で、無茶を重ねるわけ? 強化の魔術ですら、儘ならない今で!」

士郎「頼む、遠坂」

凛「頭を下げられたって」

カービィ「ぽよー」クイクイ

凛「…………アンタまで」

凛「分かったわよ!」

士郎「遠坂」

カービィ「ぽよっ」

凛「士郎はともかく、ぽよぽよはこうと決めたら人の話聞かないんだから」ムニムニ

カービィ「ぽよぽよ」

凛「ただし、私が前に言った魔術回路の起動、憶えてるわね?」

士郎「ああ」

凛「もしもアレ通りにできないようなら……また以前みたいに、一から魔術回路を作り直すような真似をするなら」

凛「即刻、何が何でも、止める事! ぽよぽよ、士郎が苦しそうなら、止める。分かった?」

カービィ「ぽよ!」

士郎「分かってる」

凛「どうだか……邪魔にならないように、私は戻るわ」

士郎「ああ。桜たちには、伝えてくれ」

凛「はいはい」


凛(……魔術師として士郎を生かすなら、この選択で間違っていなかったと思いたい)

凛(だけど、私自身の魔術師としてで言うなら、敵の強化に繋がるこんな真似は……)

凛(……今更ね。魔術師なら、「弟子」に対してどうするべきかなんて!)


士郎「……よし、頑張るぞ」

カービィ「ぽよ!」

士郎「トレース、オン!」キィイン

衛宮邸・居間。

凛「ただいま」

セイバー「おかえりなさい、リン。ぽよぽよはどうしました?」

凛「置いてきた。なんか士郎が、どうしても必要って言うから」

イリヤ「えー! リンってば、何してんのよ」

凛「は?」

リズ「「は?」って……」

イリヤ「知性が失せてるわよ、リン」

凛「黙りなさいイリヤスフィール。黙らせなさい、メイド」

リズ「今の所イーブンだから、のーたっち」

凛「フン。桜、お茶どこー?」

桜「あ、お茶ならそこにありますよ」

凛「んー」

桜「……姉さん。先輩は、一体何を」

凛「誰かさんを自分の手で、どうしても守りたいんだってさ」

桜「えっ……」

凛「幸せ者よ、桜」

桜「…………先輩」

セラ「手が止まっていますよ、サクラ」

桜「へ? あっ、ご、ごめんなさいっ」

今日はここまで

あと>>1で張り忘れていた雑談スレ↓

衛宮邸・土蔵。

カービィ「ぽよ……」

キィイイイン……

士郎(足りない物はなんだ。今の俺に足りないもの――――)

バチ パキン!

士郎「がッ!?」

カービィ「ぽよ!? ぽよっ……」

士郎「くそっ……すまん、ぽよぽよ。大丈夫、大丈夫だから……」

カービィ「ぽよ、ぽよー!」フリフリブンブン

士郎「大丈夫だって。遠坂に言われてるんだから……今に無茶を重ねて、後で遠坂にどやされる方が恐ろしい」

カービィ「ぽよ」

士郎「……まだ、いける。全く、到達できていないんだから」

士郎「――――トレース、オン」キィイイイン

士郎(さっきのぽよぽよの姿を思い出せ。どんな感じだったか、見ていたじゃないか)

士郎(その工程を見た、作られる様を見た! それをただ、同じように真似れば……!)

バチバチ バキッ

士郎「ウグッ!」

カービィ「ぽーよ、ぽよ!」

士郎「はぁ、はぁ!」

士郎(神経が痛い……魔術回路が。たかが数十回の投影で、無茶だって言うのか。これくらいで……!)

カービィ「ぽよ、ぷい!」フリフリブンブン

士郎「……ぽよぽよ、もう一度だけ、投影して見せてくれ」

カービィ「ぽよっ!」ブンブン

士郎「駄目だって、言うのか?」

カービィ「ぽよ!」

士郎「頼む、ぽよぽよ。あと一度だけ……そうしたら、休憩するから」

士郎「あと一度なら、まだ」

カービィ「ぽよ……」キィイイン


――――キラキラキラ


士郎(ぽよぽよの手元に集まる虹色の輝き。それが、剣の形を作って――――)


シュオオオ……キュイン


カービィ「ぽよっ」キラキラ

士郎「全行程完了……『虹の剣』が、完成する」

カービィ「ぽよ……」パキン

士郎(それが分かっていながら、その真似がどうしてできないんだ? 真似するだけでは、駄目な事があるのか?)

士郎「……見ているだけでは為し得ない、投影する俺にできる事があるんだな?」

カービィ「…………ぽよ」コクン

士郎(ぽよぽよの言葉が分からない以上、結局は、俺自身が見つけなければならない)

士郎(遠坂に頼っちゃいけないんだ。俺が、俺の力で、この投影を会得しなければ、俺は助けられる側の人間のまま)

士郎「だから――――トレース、オン!」キィイイン!

カービィ「ぽよー……」


士郎(ぽよぽよは何をしながらあの剣を造る? 何を元に、あの剣を造る?)

士郎(自分の中にある剣の姿……イメージ! 必要なのは、明確なイメージ!)

士郎(それだけじゃ駄目だ、中身の伴わない贋物は、昨夜のように価値無く砕ける!)


(ならば、中身を知ればいい、分からなければ作ればいい。望むなら、遂行の刃を)

(作り成すのは願望と幻想、元よりそれならば、そのままイメージしてしまえ)


士郎(『虹の剣』……いや、違う。局所的な用途じゃだめだ!)

士郎(もっと強い剣を。セイバーの持つ剣のような――――――――)


ギチ


士郎「こ、の」

バチバチ

士郎「あと、少し、で」



バキン!

士郎「う、が」フラ

カービィ「ぽよー!」

士郎「ぽよ、ぽよ……」

カービィ「ぽよ、ぽよ!」ブンブン

士郎「ああ、分かってる……休む」

カービィ「ぽよ……」


ドサ ポテ


士郎「……ぽよぽよ」

カービィ「ぽよ?」

士郎「どうして、お前は投影ができるんだ? って、聞いても仕方ないか……」

カービィ「ぽよ……」

士郎「……何かが、掴めた」

カービィ「ぽよ」

士郎「おぼろげで……必死でやったから、よく憶えていないけど。一歩分、進んだ気がする」

士郎「そのまま進んで、桜を守れるとは限らないけれど……他の大切な物を、守れるかなんて」

士郎「だけど」ムク

カービィ「ぽーよ……?」

士郎「なんだか、信じられるような気がする。ぽよぽよを見ていると、何故だか」

カービィ「ぽよ」

士郎「って……良い迷惑だよな、ぽよぽよにとっては」ナデナデ

カービィ「ぽよ、ぽよ」

衛宮邸・居間。

桜「先輩、遅いですね……」

凛「心配なら見に行けば?」

桜「でも……私が、邪魔したら」

凛「邪魔も何も、かれこれ二時間も向こうに居るんだから。止めさせるには切りがいいでしょ」

桜「……私、迎えに行ってきます」

凛「ええ、ゆっくりしてきなさい」

桜「すぐ戻ってきますっ!」パタパタ……

凛「……こらイリヤ、行こうとしないの野暮なんだからストップストップ」


衛宮邸・土蔵。

士郎「くっ……!」キィイイン

カービィ「ぽよ……」

桜「先輩、ぽよぽよちゃーん……」


ぱきん!


桜「きゃっ」

士郎「うぐっ! ……くそ、また駄目か」

カービィ「……ぽよ? ぽよ!」

士郎「え? ああ、桜。なんだ、居たのか」

桜「いえ、今来たばかりです……先輩、そろそろ止めた方が良いと思います」

士郎「いや、まだ」

桜「もう二時間なんですっ。先輩が、「それ」を始めてから」

士郎「げっ、そんなにやっていたのか……」

桜「魔術の訓練は、危険を伴う事もあるんです。先輩には……」

士郎「ああ、悪かったよ。今日はもう止める。ぽよぽよ、手伝ってくれてありがとう」

カービィ「ぽーよ。ぽよ」

桜「戻りましょう、先輩。ぽよぽよちゃん」

カービィ「ぽよ!」テケテケ

士郎(……結局、一度も成功しなかった。こんな調子じゃあ、何も)

カービィ「ぽーよ、ぱうっ」テケテケ

士郎(いや……それで、ぽよぽよに付き合わせて、こうして桜にまで心配かけて)

士郎(それも、駄目じゃないか。見えている事がいつまでも一つだけ、突っ走ってばかり)

士郎(桜を安心させるなら……こうしているのが、一番なのかもな)

桜「なんだか……こうしていると」

士郎「ん?」

桜「ぽよぽよちゃんが子供で……わっ、私たちが夫婦みたいですねっ」

士郎「ぶっ!?」

カービィ「ぽーよぃ、ぷい」テケテケ

衛宮邸・居間。

カービィ「ぽよ!」ガラッ

イリヤ「あっ、ぽよぽよ!」

凛「お帰り、士郎。どうだった?」

士郎「ん……いや、全然」

凛「まあ、そんなもんよ。ぽよぽよ相手に何かを学べると思う方が、頭どうかしてるわ」

士郎「そこまで言わなくても」

イリヤ「ぽよぽよー」モギュ

カービィ「ぷえ」

リズ「なんも言わないの?」

セラ「もうくどいでしょう」

セイバー「シロウ、ぽよぽよとの訓練はどうでしたか」

士郎「セイバー。今言ったろ、全然駄目だったって」

セイバー「そうですか。では次は私との鍛錬ですね」ガシ

士郎「……いや、いやいや」

セイバー「行きますよシロウ。昨日は色々あってできませんでしたから、今日は詰めます」

士郎「ほら、ぽよぽよと戯れるのも良いんじゃないか? 待ってくれ少し休憩を魔術回路が痛いんだ――――」ズルズル

凛「ほら桜、連れてかれたわよ……何、俯いてんの?」

桜「なんでも、ありません……」

凛「でも顔赤いし……ははーん、そー」

桜「なんでもありませんでしたっ! 待ってください、セイバーさん!」パタパタ

イリヤ「あれ? シロウ、どこ行くの?」ムギュ

カービィ「むー……」

凛「セイバーにシバいてもらうのよ。強くなりたいからって。あとぽよぽよを離しなさい、不服そうよ」

イリヤ「へー、面白そう。ぽよぽよ、一緒に行きましょ」

カービィ「ぽよ……ぽよ、ぽーよ!」ジタバタ

イリヤ「わわっ!」

セラ「イリヤスフィール様、お放しください!」

カービィ「ぽよ、ぽよっ!」ピョン

イリヤ「あー、ぽよぽよー!」

リズ「イリヤ、諦めよ? ぽよぽよにも、やりたい事があるんだよ、きっと」

カービィ「ぽよっ!」

イリヤ「わ、分かったよう……また後でね、ぽよぽよ」

凛「……あんたの嫌がる条件って何?」

カービィ「ぽーよ」

正直カービィってサーヴァントなら当たりの部類だよな
唯一の欠点は食費くらいで

衛宮邸・道場。

セイバー「シロウ、覚悟はよろしいですか」

士郎「一つ良いか、セイバー」

セイバー「なんでしょう」

士郎「ぽよぽよを二時間ほど独占した事、怒っているのか?」

セイバー「半分正解です。しかし、もう一つ別の理由があります」

士郎(半分は正解なのか……)

セイバー「シロウ、あなたは無茶を重ね過ぎる。何度言っても、誰が言っても、分かっていても自分でも止められないのでしょう」

士郎「うっ……」

セイバー「今日は、その行為が如何に無謀か、知ってもらいます」

士郎「その言葉、この訓練を始めた時にも聞いたような気がするぞ……」

セイバー「構えなさい! 望むなら、いくらでも相手をしよう!」

士郎「いや、俺は休憩が欲し」

セイバー「問答無用!」ダッ

士郎「なんでさ!?」

セイバー「防がなければッ」ヒュ

士郎「くっ……そォ!」ブン

セイバー「いくらでも!」ヒュオ

ばしん!

士郎「ぎゃあっ!」


桜「ああっ、先輩……!」

イリヤ「サクラ、そわそわしないの」

桜「でも……」

リズ「逆に考える。シロウが傷めつけられれば痛めつけられるほど、後でサクラの看病が感謝される」

リズ「痛めつけられちゃってもいいさ、と」

桜「それも良いかも……違う違う、私、そんな愛し方はもう止めるんですっ」

イリヤ「それが賢明ね」

リズ「やるって言ったらどん引きだった」

桜「もう、二人とも……」


バシン! ヒュ ドス!

士郎「はあ、はア!」

セイバー「この程度で音を上げるあなたでは無かったはずだ。シロウ」

士郎「当、然! うおお!」


桜「……先輩、頑張って」

イリヤ「こんなの、やっても無駄だと思うけれど」

リズ「気が済むようにしたいんだよ、シロウは」

イリヤ「子供ね、まだまだ」

リズ「羨ましい?」

イリヤ「別に。でも、嬉しいかも」

リズ「そっか。イリヤが嬉しいと、私も嬉しい」

イリヤ「うん……そう言えば、セラは?」

リズ「さあ。なんか、どっか行った」

イリヤ「まさか、ぽよぽよを一人占めしようと!」

リズ「まさかー。あのセラがそんな事、するわけない」

イリヤ「そうだよね。口を開けば触っちゃダメ、近寄っちゃダメ……セラってば、ぽよぽよ相手でも口うるさいまま」

リズ「ねー」

リズ(ごめんね、イリヤ。嘘、吐いちゃった)

リズ(でも、セラの為だから、許してくれるよね)

バシン!

士郎「うげぇ!」ドサ

桜「きゃー、先輩!」

イリヤ「サクラ、タオルタオル!」

リズ「レフェリー、今の反則」

衛宮邸・居間。

凛「さて。アインツベルン組も向こうに行ったし、士郎たちもいないし」

凛「ゆっくりすると良いわ、一人で」ナデナデ

カービィ「ぽよ!」

凛「お茶を飲む時は気を付ける事。熱いから、慎重に扱うのよ?」

カービィ「ぽよ」

凛「私は、ちょっと土蔵に行くわ。師匠として、何か見ておかないとね」

カービィ「ぽよ、ぽーよー」フリフリ



カービィ「ぽよー……」ズズズ

セラ(あのピンクボール、すっかり気を抜いて寛いでいる……)コソ

カービィ「ぷい……」

セラ(今なら……)

セラ「あの」

カービィ「ぽよ?」

セラ「もしよければ、これを……市販の物ですが、ケーキです」

カービィ「ぽよっ! ぽよい!」ピョン

セラ「フォークは、使えますか?」

カービィ「ぽよ!」ヒョイ

カービィ「よー……」ジュルリ

セラ「…………」ドキドキ


カービィ「ぽよっ」パク

セラ(食べた)


カービィ「……ぽよ、ぽーよー!」パク

セラ「……美味しいですか?」

カービィ「ぽよ!」コク パク

セラ「ホッ……良かった」

カービィ「ぽよ、ぽよ」パクパク

カービィ「ぽよっ!」ペロン

セラ「……かわ、いい」

カービィ「ぽーよ」ペコリ

セラ「ハッ。ど、どういたしまして。片付けます」カチャカチャ

カービィ「ぽよ……ぽよ」トポトポ


セラ(可愛い……自然にそう思う事はあっても、あんなものに感じる事は無かった)

セラ(動物ならまだしも……だって、アレを動物扱いしても良いのかしら? 流石に失礼よね)


カービィ「ぽよ!」

セラ「む……なんですか?」

カービィ「ぽよ! おちゃ!」スッ

セラ「はうっ…………頂きます」

カービィ「ぽよ、ぽよ!」キャッキャ

セラ「…………ふう。美味しいわ」

カービィ「ぽよ、ぽよ」ズズズ

セラ(この一杯を飲んだら、さっさと離れてしまおう。もう気は済んだじゃない、セラ)

セラ(これ以上このピンクボールと戯れていては、イリヤスフィール様の教育係として失格)

セラ(あれだけ駄目だと言っておきながら、主人の目を盗んでこんな真似……もう、失格だわ)

セラ「あなたの所為よ……」ギロリ

カービィ「ぺふ」ホッ

セラ「うぐ……そうね、八つ当たりはいけないわ、誘惑に負けた私が悪いんだもの」

カービィ「ぽよ?」

セラ「……いえ、何でもありません」ズズズ

カービィ「ぽよ。ぽよ……」ズズ

セラ「ふう……ごちそうさま。あなたなりのお返し、きちんと受け取りました」

カービィ「ぽよ」

セラ「あの、できればこの事は誰にも言わないでくれますか? 特に、イリヤスフィール様には……」

カービィ「ぽよ? ぽよ、ぽよい!」

セラ(了承した、と受け取っていいのかしら……あのマスター、どうして言葉が分かるのでしょう)

セラ「では、失礼します」ササッ

カービィ「ぽーよー」フリフリ


カービィ「……ぽよ、ぽよ」ズズズ

カービィ「ぺふ」ホッ

衛宮邸・土蔵。

凛(うーん……一応隈なく調べてみたけれど)

凛(投影した品は、前に見た物から増えていない。本当に、成果無しみたいね)

凛(あれだけ言ったけど、正直、或いはと思った。偶然にしては、だもの)

凛(まあ、それもぽよぽよの所為かもしれないけど。事態を何となく楽観視させる、「ぽよぽよ効果」って奴かしら)

凛「成果無しなら無しで、それもそれね」

凛(もしも、投影を戦闘で応用できるレベルで習得してしまったら……士郎はますます自らを省みなくなる)

凛(その時泣くのは、誰だかも分からないまま……ええ、きっと士郎ならそうなりかねない)

凛(せめてこの聖杯戦争の間だけは、できないまま終わってほしいわ)

凛(とは言っても、残りサーヴァントはランサー、アサシン、そしてセイバー……内二体は挙動が全く不明)

凛(私たちとセイバーが手を組んでいるのはばれているから、後はどちらが痺れを切らすかのチキンレース)

凛(ランサー、アサシンのどちらかが襲ってくるか、私たちの決着を付けるか)

凛(そうなった時、投影を戦闘に転用できる士郎を相手にするのが面倒なのよね)

凛(それに、ぽよぽよがセイバーと戦いたくないとか言い出したら……令呪も、もう無いのに)

凛(……その時は、その時ね)

凛「さーて、士郎は今どうなってるかなっと」

凛「……その前に、ぽよぽよの様子を見ないと」


衛宮邸・居間。

凛(ぽよぽよはっと……)コソ

カービィ「ぽよ……ぺふー」ホッ

凛(……大丈夫そうね。ちょっと、過保護だったかしら。嫌だわ、変な癖が付いたみたい)

カービィ「ぽよ」ズズ

凛(……あれ。なんで湯呑が二つあるんだろ?)

衛宮邸・道場。

セイバー「ふっ!」

士郎「うおおお!」ブン

セイバー「そこッ!」ヒュ

ドガッ!

士郎「ぎぃっ……!」


桜「せ、先輩……!」

凛「わー、やられてるわねー」

桜「姉さんっ。あんなの……良いんですか!?」

凛「良いも悪いも、最初にやりたいって言ったのは士郎なんだから。セイバーだって、最初は乗り気じゃ無かったし」


士郎「セイバー、なんか今日、厳しくないか……?」

セイバー「ええ。三割増しほど。ですから、詰めると言ったではありませんか」

士郎「ああ、聞いたさ……ええい、こなくそ!」ダッ


イリヤ「無茶にも程があるわ」

セラ「野蛮ですね……」

リズ「正気を疑う」

凛「ええ、本当に。でも士郎は、いつもそうだから」

士郎「ぎゃあ!」

凛「……まあ、その結果痛い目を見ても自業自得って事で」

桜「先輩休憩しましょう! セイバーさん竹刀置いてくださーい!」

士郎「ええい、クソ……やっぱり、全然駄目だ」ゼェゼェ

桜「先輩、お水です……」

士郎「ああ、悪い……ぷは」

桜「先輩、もう止めた方が良いと思います」

士郎「いや、大丈夫。いつもなら、もっとやってるんだから……これくらいで」

士郎「それに今回はセイバーって言うきちんと働くストッパーもいるんだ。心配無い」

桜「……はい、気を付けて、くださいね」

士郎「ああ……心配させて、悪い」

イリヤ「セイバー、すごいのね。あれだけ動いて眉一つ動かさないんだから」

凛「それ、もう私言ったって」

セイバー「サーヴァントとして当然です。まして、人間相手ならば」

イリヤ「まあ、私のバーサーカーの方がすごかったけど!」フン

凛「威張んな、張り合うな」

セイバー「いえ、彼は確かに優れた武人でした……間違いなく」

イリヤ「……セイバー、シロウの事ぼっこぼこにしちゃって」

士郎「おーい、イリヤー?」

セイバー「はい。元よりそのつもりです。シロウが学ぶまで、完膚なきまでに」

リズ「うわぁ、えげつない。セイバー、厳しい」

士郎「……大丈夫だよ桜、うん、たぶん」

今日はここまで。ピンとくれば続き書く。

>>5
あれだよ、外国に行った時に日本語通じないのと同じだよ。聖杯による知識の補完とかシラネ

>>38
ギルと組んだら完璧だね、凛みたいな感じで

ドガッ!

士郎「うぎゃっ!」

バシン!

士郎「ぎえっ!」

ズバン!

士郎「ごうっ!」

バキッ!

士郎「ぐはっ!」

ドスッ!

士郎「ぐ、おおお……!」


ドムッ!

士郎「ギッ! ……く、ハアッ!」ドサ

桜「先輩っ!」タタッ

士郎「はぁ、はぁ……桜。一本くらいは、と思ったのに……」

桜「あれだけ打たれて目立つ所に痣が無い……すごい」

セイバー「ですがシロウ。中々、良い動きをするようになりました」

イリヤ「そうなの? ひたすらにボコボコにされていたようにしか見えないけど」

凛「セイバーが言うんだから間違いないわ」

セラ「一本も取れていないようですが」

リズ「手も足も出てなかったけど」

凛「それ以上士郎をいじめると、桜が怒って晩飯抜くわよ」

桜「そんな事しません!」

セイバー「今日はこのくらいにしておきましょう。これ以上続けても、後に響くだけです」

士郎「そうしてくれると、助かるな……痛ぅ」

一方、遡って少し前。

衛宮邸・庭。

カービィ「ぽよ……」


士郎『もう二度と、桜を救えないなんて事、したくない……』

セイバー『そうですか。では次は私との鍛錬ですね』


カービィ「……ぽよ!」キリッ


カービィ「ぽよ! ぽよっ!」ズサー

カービィ「ぽよー!」ピョン

カービィ「ぽよっ!」クルクルクル

カービィ「むーーー…………ぽよ!」ヒュン

カービィ「ぷー……ぽよ!」ポヘ

カービィ「ぽよーーー!」スゥウウウウウウウウウウウウウ


数十分後。

衛宮邸・居間。

カービィ「ぽよー」グデーン

ガヤガヤ……

カービィ「ぽよ?」ムク

ガラッ

凛「ただいま、ぽよぽよ。ちゃんと良い子にしてた?」

カービィ「ぽよ。ぽよっ!」ピョン

凛(まあ、知ってたんだけど)

イリヤ「ぽよぽよー、おいでー……」チョイチョイ

カービィ「ぽよ? ぽよ」テケテケ

イリヤ「おっ、おっ、おっ……ゲット!」ムギュ

カービィ「ぽよ」

イリヤ「見てリズ、ぽよぽよゲット!」ギュー

リズ「うん。良かったね、イリヤ」

セラ「きっと、無理矢理抱っこされるのが嫌なのでしょう」

リズ「え?」

セラ「んンッ! イリヤスフィール様、程々になさいますよう」

セイバー「……不満ですね。最近、ぽよぽよを満足に触れない」

イリヤ「私が満足したら、セイバーにもあげるわ」モニモニ

リズ「イリヤ、やっさしい」ツンツン

カービィ「ぽよぽよ」

士郎「なんか言ってやれよ、遠坂……」

凛「今更私が言ってどうなるのよ」

士郎「さて……少し休んだら、夕食作るぞ」

桜「え? もう、ですか?」

士郎「ああ。そろそろ、藤ねえがくる。あまり待たせるとうるさいからな」

桜「でも、ぽよぽよちゃんもいますから、多少の誤魔化しも……」

凛「うちの子をスケープゴートにしないの」

士郎(うちの子って言ったぞ……)

桜(姉さん、うっかりですか……?)

凛「士郎は休んでなさい。今日は私が作るから」

イリヤ「えー。リン、大丈夫なの?」

凛「黙らっしゃい。交代でやるって約束だったのに、最近は士郎に任せてばかりだったじゃない? だから」

士郎「そうか。頼むよ……セイバーの扱き、今日はちょっと応えてさ……」

凛「桜、アンタも。そんだけ打たれて手当てもしないんじゃ、それこそ後に響くんだから」

桜「姉さん……では、お言葉に甘えて……」

士郎「いや、手当くらいは自分で」

凛「士郎?」

士郎「……はい」

リズ「力関係、えぐすぎ」

凛「セラ、手伝いなさい。士郎と桜がいない分手間取るわよ」

セラ「命令される筋合いはありませんが、仕方ありません」

凛「へー……士郎の時も思ったけど、そんなやり方が……」

セラ「中華ですか……他の料理に比べて時間配分に気を配らないと……遣り甲斐がある」


イリヤ「あ、なんか相性よさげ」

リズ「セラが人間相手に、珍しいね」

カービィ「ぽよ?」

リズ「セラ、あまり人間って好きじゃないみたいだから」

イリヤ「でも、リンと仲良くなれるようにも見えないのよね」

リズ「ほら、セラはツンデレだから」

イリヤ「つんでれ?」

セラ「リーゼリット? イリヤスフィール様に碌でも無い事を吹き込むと、どうなるか分かっていますね?」ギラン

リズ「ごめんイリヤ。これ以上は言えないや。いくら私でも、『約束された折檻の包丁』はこわい」

カービィ「ぽよ?」

イリヤ「ああ言う行為こそ悪影響を与えるって、いつ気付くかな?」

リズ「暫く掛かるよね。たぶん」

イリヤ「ぽよぽよ、うちのサーヴァントじゃなくて良かったねー」ツンツン

カービィ「ぽえ」


セイバー「イリヤスフィール……早く飽きてくれませんか」ソワソワ

士郎「セイバー、そわそわするなって。いててっ」

桜「あっ、ごめんなさい先輩……セイバーさんが変な所を叩くから」

大河「しろおー! ごはーーーーーん!」ガターン


イリヤ「あ、誰か来た」

リズ「誰?」

カービィ「ぽよ、ぽよよ!」

士郎「声でかいな藤ねえ……リズとセラは、まだ会っていなかったな。ちょうどいい、紹介するよ」

桜「……大丈夫ですか?」

士郎「間髪入れずに説明すれば、静まってくれるだろう……」


大河「お腹空いたー……む?」


セラ「あなたは……?」

リズ「ぽよぽよー」ツンツン


大河「だっ、誰っ!?」

士郎「藤ねえ、この人たちは今朝言ってた、ほらイリヤの使用人だよ! 忘れたか!?」

セラ「……失礼致しました。私、イリヤスフィール様のお仕えしております、セラと申します」

リズ「あ。同じく、リーゼリットです」

イリヤ「二人共々、よろしくお願いしますわ、お姉様」

大河「あ、そ、そーなの。ごめんなさいね、なんか驚いちゃって!」

士郎「ほっ……セラ、リズ。この人は藤村大河。俺が通っている学校の担任なんだ……」

大河「む、士郎。お姉ちゃん的な感じっていう説明が抜けてるわよー」

士郎「要らないって、そんなの」

セラ「タイガ様。この姿での出迎えを、お許しください」

大河「いえいえ! お客様なのに、料理だなんて……士郎、あんた手伝いなさいよ」

リズ「タイガ……あれだ、虎だね」

士郎「あ……」

桜「り、リズさん……」

凛「あーらら……」

セイバー「どうかしましたか?」

リズ「タイガだから、タイガーで、虎じゃん」

セラ「リーゼリット! 失礼ですよ。申し訳ありません、無礼をお許しください……」


大河「…………」プルプルプル


セイバー「タイガ……?」

カービィ「ぽよ!? ぽよっ……」ビクッ ピョン

イリヤ「あっ、ぽよぽよどうしたの」

カービィ「ぽよっ!」テケテケ

凛「勘が良いわね、あんた……」

カービィ「ぽよー……」

士郎「あ、あのな藤ねえ。リズは外国の人だから、そう言うジョークがよく出てくるんだ」

桜「そうです、悪気があって言ったわけじゃ……」


大河「…………だ」


セイバー「だ?」

リズ「だ」

大河「誰がタイガーだああああああああ――――」

大河「うわーん……ぽよぽよちゃん慰めてー」シクシク

カービィ「ぽよー」ポンポン

士郎「や、やっと鎮まった……」

桜「お疲れ様です、先輩……」

イリヤ「なんか、すごかったね……」

リズ「ごめんイリヤ、シロウ。迂闊だった」

士郎「いや……これから気を付けてくれれば良いんだ」

士郎(どうせリズじゃあ遅かれ早かれだったろうし)

凛「お疲れ様。できたわよー」

セラ「お待たせしました」

士郎「……あの状況で、よく料理を続行できたな」

セイバー「タイガ、夕食です。食べましょう」ポンポン

カービィ「ぽーよ」ポンポン

大河「うん、食べる……」


大河「美味しー! これ作ったの遠坂さん? やっぱりすごいわね、十分お嫁さんにいけるレベル!」パクパク

遠坂「私も手伝いましたが、それは彼女が作ったものですよ、藤村先生」

大河「セラさん? やっぱりメイドさんは違うわねー」

セラ「光栄です」

士郎「……現金だな」

カービィ「ぽよ、ぽよ……ぽよ!」

桜「はい、お代わりですね。……どうぞ」

カービィ「ぽーよ。ぽよ、ぽよ」モシャモシャ

大河「いやー、賑やかになったねー。イリヤちゃんが来て、セラさんとリズさんも来て」パクパク

カービィ「ぽよ、ぽよ……ぽよっ」

セイバー「ぽよぽよ? 麻婆豆腐が、どうしました?」モグモグ

イリヤ「嫌いなの?」

大河「セイバーさんに遠坂さんに、ぽよぽよちゃん。士郎と桜ちゃんと私」パクパク

大河「士郎、いったいどうしちゃったらこんなに増えるの?」パクパク

士郎「いや、それは……成り行き、かな」

大河「ま、それもそっか。おかげで、こんな美味しいご飯を食べられるんだし!」パクパク

士郎「結局、そこに行きつくのか」

大河「良いじゃない。桜ちゃん、おかわり!」

桜「はい。……どうぞ、藤村先生」

大河「ありがとー」パクパク

凛「…………むう」

桜「……姉さん?」

凛「これだけの食費を毎日……自ら作って分かる出費の手痛さ……」パク

桜「……姉さん」

大河「はー、ごちそおさまー……」

カービィ「ぽよー」

イリヤ「美味しかったー」コロン

凛「お粗末様でした」

セラ「イリヤスフィール様、はしたないですよ」

イリヤ「はーい……」

大河「ぽよぽよちゃん、おいでおいでー」

カービィ「ぽよっ」テケテケ

イリヤ「ああ~、一瞬の隙にぽよぽよー……」

大河「よーしよし、良い子だー」ポフ

カービィ「ぽよ」

大河「食後のこの時間が特に幸せよねー」ナデナデ

カービィ「ぽーよ」

士郎「藤ねえ、あまりぽよぽよを独占するなよ。遠坂のペットだからな」

凛「だからペットじゃないって」

大河「え?」

凛「いえ。藤村先生、ぽよぽよはあまり生態の分からない生き物ですから、無闇に触らない方が良いと思います」

リズ「まあ確かによく分からない生き物だ」

イリヤ「しっ」

大河「大丈夫だもんね、ぽよぽよちゃん?」

カービィ「ぽよ!」

士郎「あのなあ、藤ねえ……」

セイバー「私は大丈夫ではありません」

凛「……まあ、ぽよぽよが良いって言うなら良いけど」

セラ「そんなにあの生き物が気になるなら、片付けは私に任せてください」

凛「はいはい八つ当たりしないの。ちゃんと働くわ」

桜「先輩、私も手伝ってきますね」

士郎「ああ」

イリヤ「ぽよぽよ、おせんべー」

セイバー「イリヤスフィール、食後のおやつにはまだ早い。没収です」

カービィ「ぽよー……」

大河「……ほんと、賑やか。切嗣さんの時だって、こんなに人は入らなかったのに」

士郎「え? 爺さんが、なんだって?」

大河「士郎、ちゃんとみんなが寝られるだけの部屋、あるの? 駄目なんだからね、ちゃんとした生活しなきゃ」

士郎「自堕落な藤ねえが言っても説得力無いぞ」

大河「仕方ないなあ、だったらお姉ちゃんも一緒に住んであげても」

士郎「いや、それはいい」

大河「即答っ!?」

大河「もう怒った。いいもん、士郎なんか知らないんだから!」ヒョイ ポフ

カービィ「ぽよ」

士郎「怒ってもぽよぽよはそっと置くんだな」

大河「桜ちゃん、一緒に帰ろ」

士郎「あー……」

桜「……その、藤村先生」

大河「ん? なになに?」

士郎「……まあ、とりあえず外に出よう。行くぞ、藤ねえ」

大河「えっ? ここじゃ言えない話って事? 桜ちゃんまで!?」

士郎「違う、こうやって藤ねえがうるさくなるから、連れ出すんだ!」

桜「あっちで話しますから、行きましょう」

大河「納得しないぞ、私だけ仲間外れなんてー!」


セラ「騒がしい人ですね」

凛「仕方ないわ、そう言う人だから」

セイバー「ぽよぽよ、こちらへ」

イリヤ「ぽよぽよ、こっち!」

カービィ「ぽよ?」

凛「藤村先生がいなくなった途端に争奪戦始めるな」

士郎「まったく、藤ねえと来たら……良い歳していじけるなって」

セイバー「お帰りなさいシロウ、サクラ。長引きましたね」

凛「ちゃんと言い訳できた?」

桜「なんとか。人が多くなったから、私も泊まり込みで手伝う事にしたと、伝えました」

士郎「仲間外れにされたって、恨み言たらしながら帰ったけどな」

凛「そう。まあ、これ以上ここにいても危険なだけだから。半ば強引でも仕方ないわ」

桜「藤村先生まで……聖杯戦争に、巻き込めませんからね」

士郎「ああ……ここまで来たら、それだけはあっちゃいけないんだ」

凛「バーサーカーと戦って、昨夜の事もあって、実際私たちは疲弊している。普通なら攻めない道理は無い」

セイバー「どうなるにしても、危険があるならば、遠ざけるべきです」

士郎「……ぽよぽよは、イリヤに取られたんだな、セイバー」

セイバー「取られたのではありません。譲ったのです」


イリヤ「やーい、負け惜しみー」

リズ「駄目サーヴァントー」


セイバー「ぐぬぬ……」

凛「……風呂沸かして先入らせましょう。その間にぽよぽよ没収で」

士郎「だな」

衛宮邸・浴室。

カービィ「ぽよっ」パチャパチャ

凛「こら、はしゃがないの」

凛(まあ、結局ぽよぽよと一緒に入るのは私なんだけど。他の連中に任せられますかっての)

カービィ「ぽよ、ぷい!」プカプカ

凛「ほんと、ゴムボールみたいな浮き方するわよね、ぽよぽよ」

カービィ「よー」プカプカ

凛「はあ……良いお湯」

カービィ「ぷぃー……」プカプカ

凛「……そう言えば」

カービィ「ぽよ?」

凛(ぽよぽよって……男? 女? ……どっち?)


ピチョン。


カービィ「ぽよ、ぽよ……」プカー

凛(……まあ、今更どうでもいいか。なんか、性別とかそう言う分類なさそうだし)チョン

カービィ「ぽよ?」プカー

ポヨン。

カービィ「ぽよ」プカー

凛「……なんでサーヴァントと一緒にお風呂入って、和んでんだろ、私……」

カービィ「ぽよー」プカプカ

衛宮邸・居間。

カービィ「ぽよー」ホカホカ

凛「はー、良いお湯だった……あら?」

カービィ「ぽよ?」


イリヤ「むー……」ムス

セイバー「…………」ジー


凛「何ガン付けてんのよ、揃って」

イリヤ「ずるいわ、リン! 一人だけ!」

カービィ「ぽよっ……」

セイバー「どうして私に託してくれなかったのですか。私がぽよぽよを如何に大切に扱うか、あなたならば知っているはずです」

凛「知ってるから渡さないって思わないのね」

セイバー「先ほどのあなたの言葉から、てっきり私に預けてくれるものと思っていたのに!」

士郎「……じゃあ、最後に俺が入って終わりだな。行ってくる」

リズ「あ、逃げた」

イリヤ「いいじゃないいつもリンはいっしょに入ってるんだから!」

凛「桜、ぽよぽよ預かって」ヒョイ

カービィ「ぽよ」

桜「はい姉さん。あ、あったかい……」

セイバー「裏切りです、これは裏切りです……」

凛「あんたたちねえ、いい加減にしなさい。別に嫌がらせじゃなくて……」

凛「――――だから、そうするのはおかしいの。分かった?」

セイバー「納得できません」

イリヤ「だから私はそんなつもりは無いって言ったじゃない」

凛「セラ、イリヤの方をお願い」

セラ「任せなさい。イリヤスフィール様」

イリヤ「セラ……」

セラ「リーゼリットが、そろそろです」

リズ「しんどい、です」

イリヤ「むっ……分かったわよ。私たち、そろそろ寝るわ」

凛「そう。お休みなさい」

セイバー「リン、ですが私は……」

凛「これ以上、ぽよぽよを困らせないであげて……?」ポン

セイバー「……ぽ、ぽよぽよ! 申し訳ありませんでした!」

カービィ「ぽーよー」フリフリ


凛「はあ、しんどかった」

桜「お疲れさまでした、姉さん」

凛「ここに来て、まさかあの二人に聖杯戦争についてこんこんと説教するとは思わなかったわ……」ハァ

カービィ「ぽよ」

凛「しかも納得させた理由は、ぽよぽよとは関係無い事だし……」

凛(ぽよぽよの周囲にいるみんなの意識が、緩くなってる気がする)

>>73
× 凛「しかも納得させた理由は、「ぽよぽよ」とは関係無い事だし……」

○ 凛「しかも納得させた理由は、聖杯戦争とは関係無い事だし……」

士郎「ふー、さっぱりした……あれ、イリヤたちは?」

セイバー「先に眠ったようです」ムニムニ

カービィ「ぽよ」モニモニ

士郎「そうか。なんか、急に静かになった気がするな」

桜「そうですね」

凛「アインツベルンの連中が、妙にうるさいのよ……話があるわ。シロウ、座って」

士郎「ああ……どうした?

凛「当然、聖杯戦争の事よ」

セイバー「…………」ピク

カービィ「ぽよ」

桜「私……席、外しましょうか?」

凛「ええ、お願いするわ。ついでに、使う部屋でも探してきなさい」

桜「はい……先輩、失礼します」

士郎「ああ……」


凛「……ごめんね、桜」

士郎「……続けてくれ、遠坂」

凛「先ず状況を整理するわ。残っているのは――――」

凛「……つまり、今まで様子見だけをしてきたランサーが、今日に姿を現す可能性は低い」

セイバー「まだサーヴァントの半分も落ちていない今に、戦いを挑む理由はほぼ皆無です」

士郎「少なくとも俺たちのどちらかが倒されるか、アサシンが死ぬまで、か……」

凛「アサシンの方も、私たちの事を警戒して襲ってこない。サーヴァント一体で二騎を相手にするのは、不可能に近いわ」

凛「そしてアサシンのマスターは間桐臓硯……自分に不利になるような状況は好まない男よ」

セイバー「よって、アサシンの襲撃も、可能性が低い」

士郎「そして恐らく、ランサーとアサシンは共に、相手の場所が分からない……?」

凛「たぶんね。どっかで片方が落とされていたとしても、結局は……」

セイバー「我々が同盟を辞め、私かぽよぽよのどちらかが倒されるまで、残った方は様子見が安定となる」

カービィ「ぽよ」

凛「……ええ、こっちを先に話しましょう」


凛「今ここで戦うか、それともこちらも敵を待つか」


カービィ「ぽよっ……?」

士郎「……そう、なるのか」

凛「当然よ。むしろ、ここまで慣れ合ったのが不思議なくらいなんだから」

カービィ「ぽよ、ぽよ!」

凛「我が儘、言わないの。あんただって、納得して現界したんでしょう?」

カービィ「ぽーよ、ぽーよ……!」

セイバー「私は、今すぐにでも戦えます」

士郎「セイバー……!」


セイバー「ですが!」


セイバー「……そうしても、敵の思うつぼです」

凛「その通りよ。結局、ランサーやアサシン側からすれば、厄介な一角が勝手に崩れてくれただけ」

凛「あまりにも、癪だわ」

カービィ「……ぽよ」

士郎「でも、このままじゃ状況が動かない」

凛「そこで、後回しにした質問よ。見回りに行くか、どうかっていう」

凛「見つからない相手は、最後には足で探すしかない。もしかしたら、相手の方から釣られてくれるかもしれない」

凛「まあ、可能性は万に一つもないだろうけど。やらないよりかは、きっと確実よ」

セイバー「ですが、守りが薄くなる危険も伴う。今、この屋敷には人が多すぎる」

凛「イリヤスフィールたちはどうだっていいけれど……桜だけは」

士郎「いや、みんなだ。みんな、危険な目には遭わせたくない」

カービィ「ぽよ! ぽよ!」

凛「こう言う奴もいるんだから……」

セイバー「結論が出ましたね。我々からは、何もしない。敵を待ちましょう」

士郎「でも、そんな悠長に待って……またキャスターやライダーみたいな真似をしてきたら」

凛「そんなの、狙って下さいって言っているようなものよ。好都合だわ」

凛「見過ごしはしないわ。私だって土地の管理者ですからね。すぐにでも、叩き潰す」

士郎「…………分かった」

凛「……変な話をして、悪かったわ。行きましょう、ぽよぽよ」

カービィ「ぽよ……」チラ

セイバー「…………」コク

カービィ「……ぽよ」テケテケ

凛「おやすみなさい」

士郎「……ああ、おやすみ」

セイバー「お休みなさいぽよぽよ、リン……」


衛宮邸・凛の部屋。

凛「はあ……」ドサ

カービィ「ぽよ……」

凛「……ちょっと、悪い事しちゃったかもね」

カービィ「ぽーよー、ぽよ」

凛「そうね。でも、こうでもしなくちゃ……」

衛宮邸・居間。

桜「先輩、姉さん……?」

セイバー「サクラ」

桜「話は、終わったみたいですね……」

士郎「ああ……」

桜「……先輩、あまり、無理をしないでください」

士郎「俺は、別に」

桜「そう言う意味じゃなくて……いえ、ごめんなさい。変な事を言いました」

士郎「……そうか」

桜「先輩は、無理をしている方が……気が楽なんですよね」

士郎「え?」

桜「姉さんは、部屋に?」

セイバー「はい。ぽよぽよと共に、戻ったようです」

桜「私も、寝ます……お休みなさい、先輩。セイバーさん……」

セイバー「お休みなさい、サクラ」

士郎「……おやすみ」

セイバー「……申し訳ありませんでした」

士郎「セイバー?」

セイバー「私があの時、同盟を拒否していれば、あなたが苦しむ事は無かった」

セイバー「私も、ぽよぽよを斬る事に躊躇いを持たず、また恐れる事も無かった」

セイバー「ですが、これで分かったでしょう、シロウ」

士郎「……ああ」

セイバー「……今日は早く、寝ると良い。疲れも溜まっている事でしょう」


衛宮邸・庭。

士郎「…………聖杯戦争のあるべき姿」

士郎「セイバーと、ぽよぽよが戦わなければならない……」

士郎「そんな事……」

士郎(それが、聖杯戦争だったんだ)

士郎「……勘違い、していたんだな。ずっと……」

士郎「ぽよぽよに会ったあの日から……」



カービィ『ぽよ!』

士郎「違う!」

士郎「勘違いなんかじゃない、間違いなんかじゃない」

士郎「ぽよぽよがいなければ、桜を助ける事はできなかった」

士郎「ぽよぽよがいなければ、バーサーカーを倒す事はできなかった」

士郎「俺は、俺で無くなっていたかもしれない……」

士郎「そんな事が、間違いであるものか!」

士郎「……まだ、そんな事を言うのか。セイバーと遠坂に、怒られるな」

士郎「でも、俺は……」


(その事を)
                     トレース オン
士郎「――――――――.同調、開始」

(間違っていない事を)

士郎「――――――――創造理念、鑑定」

(あの賑やかな時間を!)

士郎「――――――――基本骨子、想定」

(証明したい――――)


バチ……バキン!


士郎「ぐあっ!」

キィイ……イン

士郎「……この幻想が、壊されてたまるか――――」

深夜。

冬木市・教会。

言峰「聖杯戦争に参加しているマスターがこの教会に訪れる意味を、事も有ろうにあなたが知らぬはずもあるまい」


言峰「何用だ、間桐臓硯?」

臓硯「なに。お主も同じ事で悩んでいるだろうと思ってな」


言峰「ほう……?」

臓硯「未だ手を組む奴らを、アサシン一騎で相手取るには心許ない」

言峰「それで、我々も手を組み、セイバーとアーチャーを討とうと?」

臓硯「如何にも」

言峰「…………クク」

臓硯「何が可笑しい?」

言峰「戯言を」

臓硯「何――――」

言峰「貴様程の狡猾な男が、自分の不利を招くような真似をするはずが無い」

言峰「三体のサーヴァントを葬った奴らに戦いを挑むのは、自殺行為に等しい」

ギシ。

臓硯「む……」

言峰「私との『仲』だ、互いに隠さず話そうではないか」


言峰「主の許へ帰りたいのではないか、『ダークマター』?」

臓硯「ク――――カッカッカ!」

臓硯「いやあ、愉快愉快……『儂』に気付くとは、見込んだだけの事はある」

臓硯「だがのう……仮にも間桐を探るでない。余計な真似をすれば、食ろうてしまうぞ、小童」

ギチギチギチ――――

言峰「フン。魂を失えど、その身に染み付く蟲を操る術は失われていない、か」

臓硯「話を続けようではないか。なに、邪魔さえしなければ良いのだ。彼奴等が死ぬまでな」

言峰「……良かろう。気が変わった。ただ、聖杯を得る者を見極めるだけにするつもりだったが」


言峰「共に、セイバーとアーチャーを討とうではないか」


臓硯「それでこそ。時は明日の夕暮れ、全てが決定するだろう」

言峰「共に、『望む聖杯』を得ようではないか」

臓硯「さらばだ、言峰綺礼。また会う時が、愉しみじゃ……」

ギチギチギチ……


言峰「聞いていたな、ランサーよ」

ランサー「――――うさんくせえ爺だ。言峰、てめえにも負けず劣らず」

言峰「間桐の御老体は、我々と共闘する気はないようだ。ただ、『互いに邪魔をしない』事が条件」

ランサー「横から掻っ攫う気だな。まさかてめえが、そんなモンに乗るわけじゃねえだろうな?」

言峰「フフ……私としても、停滞したこの状況を打開したいのでね」

ランサー「チッ……何企んでんだか知らねえが、気に入らねえぜ」

言峰「アサシンは、お前がどちらか片方のサーヴァントを相手している間に、もう片方を討つ」

言峰「心置きなく、存分に戦うが良い」

ランサー「ああ。どうせ最期だろうさ。盛大にやってやるぜ」

言峰「望む方と戦え。セイバーのサーヴァントか、アーチャーのサーヴァントか」

ランサー「考えさせてもらうわ。どうせ時間は、たっぷりあるんだからよ」

言峰「今までご苦労だった、ランサー」

ランサー「虫唾が走るぜ。あばよ、言峰」フッ


言峰「…………もう少しだ。もう少しで、お前と会える」





言峰「我が歪みの生まれ帰る世界――――至る根源、『ゼロ』よ」

ここまで。次回「紅、その生き様」もしくは「決着! ダークの行方」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月08日 (土) 23:17:32   ID: M_3D41g5

もしこの続きがどこかで作られていたら是非…!

2 :  SS好きの774さん   2014年12月04日 (木) 10:28:50   ID: 1awHgGDX

安心しろ、続いてるぞ
探してみろ

3 :  SS好きの774さん   2015年05月07日 (木) 21:57:09   ID: iRobJ9bg

※2
久々に来てみたらまじですか!
探してみます!

4 :  SS好きの774さん   2017年01月14日 (土) 12:56:58   ID: -NAdkyOI

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