まどか「目を覚ますとそこは……」(127)

「……ねぇ……おきて」

まどか「う……うん……?」

ほむら「私よ、まどか。あなた、私がわかる?」

まどか「ほむらちゃ……わたし……」


そこは病院の一室でした。

何度も何度もみてきた、始まりの場所です。

驚きながら、そして、物憂げにほむらちゃんがわたしを見つめているのでした。


いつも見ている景色は、実体を持っていると何もかも違っていました。

匂いがします。病院特有の注射を思い出させるアルコールの匂いでしょうか?

――身体がある。

手を動かし、その指を動かして、私は思わず涙ぐんでしまったのでした。

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

まどか「あ……」

その瞬間、私は私自身が誰なのか、何をしにここへ来たのか、分かったのです。

まどか「っ――」

声にならない声で、ほむらちゃんにしがみつきました。

――ああ、触れる。ほむらちゃんに、触れることができる。

ほむらちゃんは、どうしていいかわからないといった顔で、こちらを見つめています。

私の涙は止まりませんでした。

人ではなくなった、私の目から、涙が出てくるのにも驚きましたが、

きっとこの世界では一人の人として身体が与えられているのでしょう。

ほむら「覚えてるの? 私のことがわかるのね?」

うん――忘れるわけがないよ。


私の中には既に時間という概念すら存在しませんでしたから、

一言で『長かった』と口にするのは語弊があります。

無限の時間を経てきたような気もしますし、

ここまでの道のりが一瞬だったと言えば、そのような気もするのです。


ただ、私の知らなかったほむらちゃんを、

長い時間をかけて私を諦めないでいたほむらちゃんを知り、

想いだけがダンボール箱のように積み上げられてきたのです。

ほむら「ねえ、まどか。あなたはもしかして私と一緒に時間を飛び越えてきたの?」

時間を飛び越えて?

ああ、なるほど。

きっと前の時間軸から一緒にワープしてきたと勘違いしているのでしょう。

ただ、『本当のこと』を話してもきっと混乱しますし、信じてもらえないかもしれません。

まどか「うん!そう、ずっとほむらちゃんといっしょにいたかったから……」

私は嘘ではない嘘を吐きました。

ほむら「けど、あなた魔力を使い果たして、魔女になってしまったはずじゃ……」

まどか「えっと……わたしもわかんないよ」

どうしてなんだろうね。

ふふふ。頑張って考えてね。ほむらちゃん。

意地悪だとお思いでしょうか?

でも、私はそうは思いません。

今まで私がほむらちゃんの頑張りに気づかなかったように、

一つの概念となった私の存在も、ほむらちゃんには気づいてもらえませんでした。

それは当たり前だと思われるかもしれません。でも寂しいことなのですよ……。

自分が傷つくならまだしも、大事なお友だちが苦しんでる姿を見せられるのです。

何回も、何回も。

頑張ったほむらちゃんを抱きしめることもできなければ、

一緒に泣いて、『次は頑張ろうね』って言っても、その声は届かないのです。

わたしは、『わたし』という存在に気づいて欲しかったのです。

世界から外れた存在となった身でも、その想いは捨て去ることはできませんでした。

ほむらちゃ!

ほむら「そう……」

ほむら「本当にあなたなのね……まどか」

まどか「うん!」

暫くほむらちゃんの胸の中で泣いていると、何か異変に気づいたのか

彼女は周りをキョロキョロと見渡していたのです。

わたしにはすぐに何を探しているかが分かったのです。

ほむら「ない!」

――ソウルジェムがないんだね。

慌てるのも無理はありません。

あれはほむらちゃんの魂。命そのものなのですから。

あれがなければ魔法を使うどころか、動くことさえままならないのです。

私は自分がしたことの一部始終を話すか迷いました。

それを話すとなんだかほむらちゃんが泣いてしまうような気がしたからです。

この先に待っている運命を告げることは、あまりに酷ではないかと。


とりあえず、安心させるために何か言わなきゃ――。


まどか「えっと……ないよ。どこにも……」

ほむら「まどか?」

まどか「大丈夫、あんしんして、無くてもちゃんと動けるようになってるから」

ほむら「どういうこと?」

まどか「ほむらちゃんは今、普通の女の子なの――魔法少女じゃなくて」

――わたしが、そういう世界を作ったから。

ここはどの時間軸とも外れた、異質な空間です。

わたしはこの時間軸に存在しないことになってるし、

ほむらちゃんは、ここでは普通の女の子として生きて存在しているのです。

わたしがこの時間軸に存在しないのは、

同じ時間に二人の鹿目まどかが存在することができないためです。


ほむら「……」

ほむらちゃんは、わたしの言葉に込められた意味を読み解こうとしているようでした。


ほむら「あなた、もしかして前の時間軸で!?」

――魔法少女の契約の引換にこの世界を願ったの?

そう続くのがわかり、わたしはため息がでました。

――ちがうよ。ほむらちゃん。

わたしはQBにお願いしてこんな世界を作ってもらったわけじゃないんだよ。

でもいいんです。――こんなこと。
ずっと見ていた私の存在に気付くはずがないのです。

それに私は再びほむらちゃんに会えただけで、言葉に出来ないほど幸せでいっぱいだったんですから。

支援

頑張れ

ほむら「あ……もうこんな時間!」

まどか「7時だね」

――どうしょう。

まどか「学校行くの?」

ほむら「そうね……サボってしまってもいいのだけど――」

学校に行けば、この世界の秘密――わたしがいないことに気づいてしまうでしょう。

でも、それはいずれバレることでした。

ほむら「とにかく学校には行ったほうがいいわね」

まどか「そう……だね」


まどか「じゃあ、またあとでね」

わたしは結局ほむらちゃんを引き止めることはできませんでした。

これからどうしましょうか。

わたしのことを覚えている人などいないのですから、

学校に行く事はできません。

家に帰ろうにも、パパもママも、わたしを受け入れてくれないでしょう。


まどか「う~ん」

――遠くから眺めるだけならいいかな。

もしかしたらID:T2BIAXy/0の脳内では凄い壮大な物語が繰り広げられてるのかも知れないけど
全く伝わってこないよ?^^;

まどか「自分の家なのに、なんでベランダからこそこそやってるんだろ、わたし」

苦笑いをしつつ、土埃をかぶりながら、窓を覗きました。

鹿目家は、朝食をとっている最中です。

ママは新聞を眺めながら、パパの作ったトーストを咥え、

パパはコーヒーを淹れているところでした。

それからタツヤは、フォークでゆでたまごと格闘しています。


まどか「うぇひひ。みんな元気だね!」

――よかった。

私はいつもそう思って家族を見守っています。

もちろんそこに自分がいれたら、と考えないこともありません。

でも、自分が欠けたその穴に引きずられて、パパやママが悲しむ姿だけは見たくなかったのです。


――それに。

ゆでたまごに気をとられていたタツヤだけ、

わたしの存在に気づいてこちらに手を伸ばしてきました。

タツヤ「まろか~~」

当然のように、私の名前を呼んでくれるタツヤ。

その様子がきになったのか、パパが窓の側までやってきて、

私は一目散に逃げ出しました。

まどか「もぉ~、気付くのが早いよ、タツヤ~」

息を切らしながら、わたしはなんだか可笑しくなって笑い出しました。

――それに、わたしは知っていたのです。

どんなに薄くなったとしても、つながりが残っていることを。

わたしは結局行き場を失って、ほむらちゃんの家に行きました。

鍵が掛かっていますが、消化器の下に置いてあるのを知っていたのでそれを使って開けます。

まどか「ふう~。ほむらちゃんが帰ってくるまでゆっくりしてようかな……」

住居侵入を犯している意識はありませんでした。

以前の私なら、躊躇いもしたでしょうが、むしろこの家こそが私の家なのです。

なんでこのほむらはまどかのしたことを知らないんだろう……?

まどか「さて、お掃除でもしようかなぁ」

掃除機を探しだして、コンセントを挿すと廊下から何者かが姿を現しました。

「やぁ!」

わたしは『それ』に向かって掃除機の吸い込み口をむけます。

白い毛並みが形を変えて、どんどん引き寄せられていくのがわかりました。

QB「ちょ……ちょっと待ってよ、いきなりあんまりじゃないか!」

この地球外生命体も、この世界の一員なのです。

できるだけ元の世界との因果を変えないように作らねばいけなかったのです。

苦渋の選択でした。

世界が変わるたびに、この子の口車に載せられて、

浅はかにも願いを口ずさんでしまうのを何度も見せられました。

契約の秘密も、ほむらちゃんが頑張っていることも知らないわたしは――。


QB「キミは僕のことを知ってるみたいだね? 鹿目まどか」

QB「どこかで会ったことがあったかな?」

まどか「……」

わたしは無言でスイッチを弱から、強へと変えました。

長い尻尾の付け根ぐらいまでが吸い込まれていきます。

QB「やめて、やめてよ!まどか」

ほむ

世界が変わるたびに、この子の口車に載せられて、

浅はかにも願いを口ずさんでしまうのを何度も見せられました。

契約の秘密も、ほむらちゃんが頑張っていることも知らないわたしは――。


QB「キミは僕のことを知ってるみたいだね? 鹿目まどか」

QB「どこかで会ったことがあったかな?」

まどか「……」

わたしは無言でスイッチを弱から、強へと変えました。

長い尻尾の付け根ぐらいまでが吸い込まれていきます。

QB「やめて、やめてよ!まどか」

QBは「ひどいじゃないか」と口にしてその場を後にします。


嫌なものを見てしまったなぁと思いました。

せめて、この時間ぐらいは何もかも忘れて、ほむらちゃんと遊びたかったのですが。


まどか「そろそろほむらちゃんが帰ってくるかな……」


きっと血相を変えていることでしょう。

なぜなら、誰も私のことを知らないと言うからです。

私はほむらちゃんのベッドでごろん、ごろんと横になって待ちました。

まどか「なんて言い訳しようかな……」

ドン!

案の定、帰宅したほむらちゃんは息を切らしていました。

身体が丈夫じゃないころのままだから、体中が悲鳴を上げてるはずです。

まどか「大丈夫?お水、お水」

私が平然としているのを見て、ほむらちゃんは唖然と口を開けています。

まどか「学校はどうだった?」

ほむら「みんな、あなたのことを忘れていたわ!」

ほむら「どういうこと!?説明して」

まどか「うん……えっとね……」

そうですよね。気になりますよね?

まどか「えっと……黙秘」

ほむら「いいから答えなさい!」

ほむらちゃんは気がたっているのか、私のほっぺをぐいっと掴んでひっぱりました。

まどか「い、いひゃいよ~」

か、顔が近いってば……。

メガネのほむらちゃん。……出会ったときを思い出すなぁ。

まどか「えへへ、めがねのほむらちゃんに怒られると、なんか変な感じがするよ」

あの頃はよかったなぁ……。

めがほむであったか

ほむら「あなた昔のわたしを知ってるの?」

まどか「その赤いメガネと、三編してたよね?ほむらちゃん。」

そう伝えると、ほむらちゃんは、何故か顔を真赤にしていました。

まどか「どうしてそこで顔が赤くなるの?」

まどか「とっても可愛かったよ、あの頃のほむらちゃん」

いまの格好いいほむらちゃんも素敵だけど。

ほむら「そ、そのことはもういいわ。それより、まどか」

ほむら「みんなあなたのことを忘れていたわ。あなたの家族でさえ」

ずん……とココロが軋むような気しました。

何故か私のことを認識できるタツヤと違って、二人は私のことがわからないのです。


まどか「――わざわざ家までいってくれたんだね」

……ほむらちゃんには見られたくなかったなぁ。

まどか「でもね、みんなに忘れられてるのは、仕方ないことなんだよ」

何が何だか、わけがわからないという目をするほむらちゃんでした。

こうなるのはわかっていたんですが……。仕方ないですね。

ほむら「……ねえ、あなた、ほんとうにまどかなの?」


……もちろん違います。

何十回も世界を超えたほむらちゃんのことを、私が知らなかったように。

ここにいるのは、ほむらちゃんの知らないわたしです。

――私だって比べ物にならないほどの世界を見てきたんだもの。

――人格だって、あの頃のままじゃないんだよ。

――それでもね……

まどか「私はわたしだよ。ほむらちゃん」

『ほむらちゃんの背負ったものを知った時』から、ずっと変わらないんだ。

私はお友達ってなんなんだろうって、ずっとずっと考えていました。

どの時間軸でも、それは同じです。

本当にお友達がいるのかなって……。

こんなことをいうと、さやかちゃんや仁美ちゃんは傷つくかもしれないのですが

二人に何をしてあげられたのかな?

ただお世話になりっぱなしで、私は本当は必要とされてないんじゃないかな…って。

それにいつか、お別れする日が来ることも知っていました。

友達がずっといっしょに居続けることはできないのです。

そうしたら、私は一人ぼっちで……。

それがとても怖くて。

わたしはぎゅうっとほむらちゃんにだきつきました。

わたしには、こんなに自分のことを思ってくれるお友達がいたのです。

本当に嬉しくて。

その気持ちを、私は今でも忘れません。

誰かに「あなたには友達がいますか?」と訊かれたら、まっすぐ頷くことができます。

そのことに、うじうじと悩んでいる私に、何度も伝えてあげたいなと思いました。

まどか「きっとほむらちゃんもずっと、こんな気持ちだったんだね」

まどか「わたしに分かってもらえなくても――ありがとうね。ほむらちゃん」


ほむら「こうなった理由、聞いてはダメなの? まどか」

私はこくりとうなずきました。

猿にきをつけろ
支援

支援

ほむら「そんなわけにはいかないわ。話して」

ほむらちゃんの目には、まだ戦いの意志が感じられました。

彼女は常に、戦いの中にいるのです。

それは魔法少女でなくなった今も変わらないようでした。

――なんの為にわざわざ魔法少女でなくしたのかわかんないよ。

もう。頑張り過ぎだよ。

まどか「ほむらちゃんならそう言うと思った」

苦笑しながら、ほむらちゃんの顔を見上げました。

こんなほむらちゃんだから、きっと今の私があるんだろうな、と思います。

それに、どんな状況になってもわたしを守ろうとしてくれていることは、やはり嬉しかったのです。

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                   `j、 l;l ゙ii::::::::::::::,; -メ‐、 ヽ::::::::::::::::::::ノ  ,irメ /
                  /:lトヾ,, ヾ--./ / ./ヽ, `──‐‐´ ,r/l_/::::\
                /:::::|iiilヾヽ,_/ , '  /  i          !;i liiil::::::::::\ _
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まどか「ここはね――」

なんと表現するのがいいんでしょうか?

どう言えばほむらちゃんは納得してくれるでしょうか?


まどか「ここは未来なんだよ」

とっさに私は未来という言葉が思いつきました。

ほむらちゃんが「私、未来から来たの」といったときのことを思い出したのです。

ほむら「未来?」

まどか「正確には、これからほむらちゃんに待ってるかもしれない未来なの」

まどか「未来では、私のことはみんなに忘れられてて……」

魔女の代わりに魔獣がいたりとか、ほむらちゃんは魔法少女のままなんだけど……。

>>16
黙って見てろ。

まどか「あくまでもしかしたらの未来だからね」

ほむら「そ、そう……」

まどか「ほむらちゃんの頑張り次第でどうにでもなるんだよ」


私は、知っています。

これから起こること。

ほむらちゃんがどんな選択をして、どんな世界にたどり着くのかも。

帰結が覆ることは決してありません。

読みにくい糞文章だな

ほむら「ねえ、未来のあなたはただ忘れられてるだけで、あなた自身はいるのよね?」

何か必死でわたしに助けを乞うように尋ねるほむらちゃんを見て、心が締め付けられそうでした。

まどか「うん――ずっと一緒だよ」


ほむらちゃんが寂しくならないように……。

ずっとずっと、わたしはあなたのそばに……。

ほむらちゃんはまだ、何が何だか分からないという顔をしてました。

わたしはクスリと笑って、ほむらちゃんにそっとささやきました。


まどか「信じてくれなくてもいいよ」

まどか「私は私の目的を果たすだけだから」

ほむら「目的?」

まどか「あ……えっと……」

ついつい口が滑ってしまいました。


ほむら「まどか、目的って――」

まどか「か、買い物いこっかほむらちゃん!」


私はそれ以上を決して教えてあげませんでした。

ついに諦めたのか、ほむらちゃんは私の手に引かれ、商店街へと歩き出しました。

まどっ?

まどまど

まどか「えへへ、今晩は、私が夕食作ってあげるね?」

いつも軽い食事で済ませてしまうほむらちゃんに、温かいものを食べさせてあげたかったんです。


ほむら「なんだか久しぶりね……あなたとこうして遊びに来るなんて」

ぼそっとつぶやくほむらちゃん。

まどか「そうだね。本当……ひさしぶり」


私にはほむらちゃんとこうやって、買い物を楽しんだりする記憶があります。

でも、『それを知らない私』 本当のほむらちゃんを知らない私だって、いままでにはたくさんいたのです。


その子が大事なお友達のことを、知らないまま散っていくのが……悔しかったです。

ほむら「ねえ、いい加減手の内を見せてくれてもいいんじゃないの?」

まどか「十分お話したと思うんだけどなぁ」

だって、人じゃなくなったなんて言えるわけないよ。

もし知られてしまうなら、ほむらちゃんに気づいて欲しい。

それでずっといっしょに居られるってわけじゃないけど……。

これ前の続き?

>>51
まどか視点でかいてます

>>52
前のスレタイ教えて

>>53
ほむら「目を覚ますとそこには……」

まど

ほむら「だって、未来にあなたがいないなんて信じられるわけないじゃない」

いないなんて言ってないのですが……。

随分とこういうことは頭が回るんだなぁと感心しました。

ほむら「そうならないように、私が頑張ってるのだし」

まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃんは最後まで諦めないもん!」


そんなに悪い未来が待ってるわけじゃないよ。

ちょっとご飯買いに行ってきます

しえん

ほむ

まど

http://i.imgur.com/Pwh6B.jpg

まど

madomado

まどまど

まどまど

madomado

ウェヒヒヒヒ

まどか「『さやか「オイデゲェェェェェェ!!!」』みたいな奴は可愛げがあるけどね初心者みたいだったし」

まどか「問題なのは、突っ込みを入れず、それどころか逆に持ち上げる読み手」

まどか「ほんと読む側の質が下がったよ」

まどか「>>1が上手くネタを振れば称賛されるし、そうでなければ叩かれるのがVIP。それはSSスレも同様」

まどか「>>1とそれ以外の人は対等なんだよ」

まどか「だから昔はSS経験者も合いの手入れてた。むしろ読み専の人よりセンスのある合いの手を入れることができた」

まどか「今は目も当てられないよ……。読み専どころか作者を崇め馴れ合おうとする始末」

まどか「百合SS……、特に気持ち悪い百合SSほどその傾向が強いんだよ」

QB「ふーん」

まどまど

ほむ

マドカァー

madomado

まどか「ほら、あっちでアイス売ってる!アイス食べようよ」

ほむら「待って、そんなに走るとわたし、喘息で……」

私はほむらちゃんが少しでも楽しんでくれるように、昔のままの自分を演じました。

なんだか懐かしいなぁとしみじみ思いました。

ほむら「……」

ほむらちゃんも、アイスを食べながら何か、遠い昔を見るような目をしていました。

ほむら「ねえまどか、アイスが食べ終わったら行きたいところがあるのだけど、いいかしら?」

まどか「うん!」

なんかこのスレ前も見た気がする

>>74
>>54

~空き地~

ほむら「おいで……」

ほむらちゃんが手を振ると、一匹の猫がこちらに向かってやってきました。

まどか「エイミー!?」

ほむらちゃん……。

この猫さんには随分と優しくしてくれてたよね。

私と引き合わせないように……。


実体のない私は、ほむらちゃんが抱いているのを、いいなぁと思いながら見ているだけでした。

まどか「ほむらちゃん、次、私もいいかな?」

ほむら「ほら」

まどか「うわぁ!可愛い。エイミー私だよ?覚えてる?」


私とエイミーを見て微笑むほむらちゃん。

私は始終エイミーとじゃれあっていましたけど、本当はずっとほむらちゃんのことを見ていました。


こんな風に笑ってくれるほむらちゃんを、見たかったのです。

『もう誰にも頼らない』



彼女の決心を否定することをできませんが、私はその日からほむらちゃんが笑ったのを見たことがありません。

回を重ねるごとに、私やさやかちゃんに刺々しくなっていき、

次第にほむらちゃんが何か別の存在に変わってしまうんじゃないか……怖くなる時があったんです。

現在と違って、まだ魔女のいた世界では、十分それが起こりえることでした。

未来は決まっているはずなのに、起こりえるはずのないことが、起こってしまう。

そんな不安を、私は抱えるようになったのです。


ほむらちゃんが変わっていくのを見るたびに、私は胸が貫かれるような気分でした。

まどかちゃん

マドカァー

自分との約束のせいだろ…

何か、私にできることはないか……。

なんでもいいから、ほむらちゃんの力になりたい。

そんな願いが、ささやかな形で、実ったのがこの世界です。



大方、私がこの世界を作った理由は分かっていただけたかと思います。

でも、きっとほむらちゃんは今日のことを忘れてしまうでしょう。

今日という日が終わってしまえば、私の魔法も解けてしまいます。

それだけ世界に干渉するというのは難しいのです

まどまど

まどかちゃん

~ほむホーム~

ほむらちゃんがオムライスを食べてる姿を、にこにこしながら眺めていました。

ほむら「美味しいわね……」

その一言が嬉しくて、ああ作ってよかったなぁと思えました。

まどか「どんどん食べてね。なんなら私の分もあげるよ」

ほむら「いいわよ」

まどか「ちゃんと美味しいもの食べなきゃダメだよ?」

ほむら「あなた、随分わたしのことを知ってるみたいね……」

まどか「うん。なんでも知ってるよ!」

ほむらちゃんは、大きな嘆息をつきました。

まどか「なんで?何が不満なの?」

ほむら「色々見られてるというのは、いい気分がしないものだって思ったの」

――ああ、ほむらちゃんは昔の自分を知られたのが恥ずかしいんだなぁ。

まどか「可愛いのになあ……」

支援

まどか「ねえ、ほむらちゃん、お泊りしてもいいですか」

今更言うことでもありませんが、私には帰る場所がありません。

ほむら「好きにしてちょうだい」

言葉に棘があるように聞こえますが、そんなことはないのです。

ほむらちゃんが、今の私に同情してくれているのはわかりました。

――気遣ってくれてありがとう。

まどかぁー

目から汗が出てきた

終わりが近い。

私は時計の短針が10を指すのを見て、少し焦りました。

――終わってしまう。

こんなカタチで私の願いは叶いましたが

次はないのです。

その予感はきっと正しい。

まど

しえん

けど、何を伝えたところで、ほむらちゃんはきっと忘れてしまう。

ほむらちゃんは、少しでも変わってくれるでしょうか?

何も知らない私に笑いかけてくれるでしょうか?

――少しでもいいの。

――この時間でのことを覚えていて欲しい。

ウェヒヒヒヒ

ほむらちゃんは、ベッドに。

私には敷き布団が用意されていました。

まどか「ねえ、隣で寝てもいいかな?」

ほむら「もしかして、寂しいの?」

まどか「寂しい? ……違うよ。私はその……」

その時、はっとしました。

ほむらちゃんの指摘が間違いでない可能性を考えたのです。

私は、ただ寂しいと感じたから、こうしてほむらちゃんに擦り寄ってるだけなのでしょうか?

ほむら「ほら、来なさい。 あなたも色々苦労してるみたいだし、今夜だけなら許してあげるわ」

首を振って、ほむらちゃんの布団に潜り込みます。

まどか「……違うのに」

しえん

まどかちゃん

暫く無言のままでいました。

なんとなく恥ずかしかったので、ほむらちゃんには背を向けて寝ています。

ほむらちゃんの体温を感じられて――それがとても嬉しかったのです。

――これからもずっと一緒にいるからね。

しえん

madomado

まどか「ねえ、ほむらちゃん? 神様って信じてる?」

ほむら「そうね……人並みには」

人並みに、いないと思ってるってことですね。

なんだか自分の存在を否定されたみたいで寂しいです。


まどか「なんでいないって思うの?いるかもしれないじゃん!」

ほむら「誰もそんなこといってないでしょう?」

ほむら「あなたの言う神がどんなものかはしらないけど、私はそれに頼らないだけよ」

しえん

マドカァー

『もう、誰にも頼らない』

再びその言葉が浮かびました。

神様とて例外ではないようです。

さすがに胸が痛みました。

ほむら「いてもいいと思う。でもきまぐれなものだろうから、それをあてにしても仕方ないじゃない」

まどか「――気まぐれでここまでしたりしないよ」

ほむら「まどか?」

まどか「なんでもないよ。ほむらちゃんのばか」

しえん


私はふて腐れるふりをして、ほむらちゃんに抱きつきました。

胸の間に、顔をうずめて、強く抱き締めます。

ほむら「あの、まどか? さすがに布団の中でこういうことをするのは、気がひけるのだけど」

ほむらちゃんは焦るような、もどかしいような何ともいえない表情をしていました。

まどか「知らないもん!」

ほむら「――やっぱり寂しいの?」


まどか「ほむらちゃんのばか!」

ウェヒヒヒヒ

しえん

ああ。

寂しいというのならそうなのでしょう。

私には、『別れ』という概念がありません。

無限の時間を生きる私には、それを観測することは不可能なのです。

たとえ、ほむらちゃんが終わりを迎えたとしても、私の意識は過去、未来へと向かうのです。


ですが、あと2時間でこの世界は収束し、終わりを迎えます。

お友だちのぬくもりを感じることも無ければ、

こうして抱きしめてあげることもできない私に還るのです。

惜しくないはずがないのです。

http://youtu.be/dHgOETmtu4E

あ、やべ、誤爆

それでも私は、じんじんとこの胸が脈うっていることに感謝しました。

彼女に何が残せたか、何が伝えられたかはわかりません。

ですが『終わり』を感じられたたこと。

限られた時の中で生きる存在に、僅かな時間でも戻れたこと。

お友達と一緒に遊んで、一緒に笑えたこと。


いつまでも、忘れません。

しえん

願わくば、再び目を覚ました私の親友が、

『あの頃のわたし』に優しい眼差しを向けてくれることを。


そしていずれ出会う私が、ずっとずっと、彼女を支えてくれることを。


その祈りを込め、私の人としての意識は途絶えたのでした。


おしまい

で、百合ックスは?

百合ックス!!!

百合ックスはよ


よかった

麻呂は百合ックスが見たいなぁと思いました
もちろん強制ではありませんが百合ックスが(ry

いい加減百合ックスはよ
百合ックスが無いせいでイイハナシダナーで終わり
これじゃ台無し、百合ックスが無いなんて何の意味も無いよ

百合ックスはよ

ぼくは「百合ックス!」と叫びました。
叫んでいるだけで要求しているわけではありません。
でもぼくは「百合ックス!」と叫びました。

YuriXはよ

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