穏乃「私達の学校が廃校になるって!?」 (58)

立つかな

穏乃「和、憧。おっはよー」

憧「おはよう」

和「おはようございます」

穏乃「へへっ……早速で悪いんだけど、どっちか昨日の数学の宿題見せてくれない?」

憧「なによー、またやってないのか!あんたは!」

和「穏乃、宿題は自分でするものだと何度も注意したはずですが」


ピンポンパンポーン

久「一年生、二年生、三年生の生徒のみなさん。全員講堂に集まって下さい。学園長から大切なお話があります」

講堂

憧「大切な話って何かしらね」

穏乃「学食のメニューが増えるとか!?」

和「それのどこが大切なお話なんですか。もっとこう真面目な話でしょう」

憧「次のテストで全教科赤点の生徒は退学とか……ニシシシ」

穏乃「そ、それは困るよおぉぉぉぉぉ」カタカタ

和「もしや……、誰かうちの生徒が不純同性交遊したとか……」



~~~~~~~~~~

霞「こんにちわ。学園長の石戸霞、17歳です☆非常に残念なお知らせがあります、国立音ノ木坂iPS学院が廃校になる事が決定致しました!」

穏乃「」

憧・和「ふぁっ!?」

霞「~~~~~~であるかしらして。~~~~~で」

穏乃「は、廃校って……。あばばばばばばば」パタン

憧「ちょ、ちょっとシズ!」

和「すいません、一年生が一人倒れました!」



保健室

穏乃「……」パチリ

穏乃「うーん、悪い夢を見てたみたいだ。まさか学校が無くなるなんてオカルトありえないよねー」ムクリ

和「残念ながらオカルトじゃありませんよ」

憧「廃校だってさー」

穏乃「ええっ!本当に本当に廃校なの?」

憧「そうよ」

穏乃「私、バカだから編入試験なんて絶対受からないよーーーー!もう実家継ぐしかないじゃん!?」

和「安心して下さい穏乃。今すぐ廃校になるわけではありません」

穏乃「え?」

憧「今居る一年生が卒業したら廃校だって。私達は無事にここで卒業式を迎えられるわよ」

和「後輩は出来ませんけどね。私達が最後の国立音ノ木坂iPS学院の生徒になります」

穏乃「ははははっ、何だーそれなら編入試験受けなくて済むじゃん。あー良かった」

穏乃「安心したら、お腹すいたよ。ご飯食べよう」

和「では食堂に行きましょう」



食堂

憧「シズが気を失ってたせいで、めちゃくちゃ混んでるじゃん」

穏乃「仕方ないだろ。あの時はショックだったんだから」

和「ここしか空いてませんね。すいません、隣いいですか?」

咲「あっ……は、はい。どうぞ」ガタッ

穏乃「けどさー、なんで廃校なんだろう?」モグモグ

憧「そりゃ生徒が少ないからじゃない?一年生も一クラスしかないし」

穏乃「そっかぁ。ここの学食美味しいし、この学校好きだよ。無くなって欲しくない」モキュモキュ

和「私も無くなって欲しくありませんよ。同性愛に理解のある学校と聞いて受験を決意して、まだ入って間もないのに」

憧「レズの子も減ったんじゃないのかしらね?最近は」



咲「……」パクパク

穏乃「ねぇねぇ」

咲「は、はい!私ですか?」

穏乃「この学校に入ったって事は君もレズなのかな?」

咲「わ、わ、私は……男の人同士の恋愛見たり書いたりするのは好きだけど、ま、まだ私自身の事はわかりません」

咲「し、し、失礼します」ドヒュー



穏乃「あーあー逃げられちゃった」

憧「初対面でレズかどうか何て聞くからよ。バカねぇ」

和「……」ジーーーー

和「今の女の子、すごく可愛くなかったですか?」

穏乃「普通の子じゃなかった?」

憧「そうね。特に目立つタイプの子じゃないし……。そんなに可愛かった?」

和「えぇ……何にかこう…胸に来る物がありました」プルルルン

穏乃「まぁまたその内会えるんじゃないかな。同じ学校なんだし」

憧「廃校の件なんだけど、もしかしたら来年度の生徒を集めれば何とか回避出来るかもしれないわね」

穏乃「ホントに?」

和「しかし私達に出来る事があるのでしょうか?」

穏乃「考えようよ!みんなでさ!」

穏乃の和菓子屋


穏乃「しっかし、なんか出来ないかなーと思って資料集めて見たけど、うちの学校の部活ってパッとしないな」

穏乃「女子サッカーと弓道がそこそこ強いくらい」

穏乃「全国大会出るくらい強ければ目立って生徒も集まると思うんだけど」

穏乃「むむむっ……、生徒を集めるためにいいアイデアないもんか」


ガラガラ

妹「ヘイ、モンキー!難しい顔してどうしたデース?」

穏乃「姉に向かってモンキーとは何だ!お姉ちゃんだよ、私は」

妹「oh……ソーリー、チョコあげるから許して下さーい。アンコ入りですが」

穏乃「チョコ?あんこ入ってないならちょうだい」アーン

妹「シュート!」ポイッ

穏乃「ふーん、こりゃ美味し……ってアンコ入ってんじゃん!」ペペッ

妹「言いましたデース」

穏乃「アンコ!アンコ飽きた!飽ーきーた」バタバタ

綾乃「穏乃、和菓子屋の娘が何て事言うんだい!」ポカッ

穏乃「妹のせいで怒られた」サスリサスリ

妹「アンコ入りチョコ美味しいデース」ペラッ

穏乃「何、読んでるの?」

妹「来年受験だから、学校の資料とかデスよ」

穏乃「は?うちの高校入ればいいじゃん」

妹「私はノンケデース。レズではありまセーン」

穏乃「私だってレズかどうかわからないよ!でも、私のお婆ちゃんもお母さんも音ノ木坂に通ってたんだよ」

妹「私には関係ありまセーン。インターナショナルなスクールに通いたいデス」

穏乃「何がインターナショナルだ。外国かぶれめ」

妹「何とでもいいなサーイ。私はイギリス人が大好きデース」ペラッ

妹「だいたいお姉ちゃんの学校は廃校するって決まってるじゃないデスカ」

穏乃「なんだもう知ってたのか」

妹「中等部の子がラインで回して来ました」

穏乃「ちょっと資料、見せて。何か参考になるかもしれない」

妹「じゃあ龍門渕学園の資料どうぞー」



穏乃「……」ペラッ

穏乃「こ、こ、ここここここれだーーーーーーー!!!!!!!」ピキーン

そして翌日

穏乃「ここが噂の龍門渕学園か」


ワイワイ、ガヤガヤ

穏乃「この学園の看板アイドルユニットがスクールアイドルの中ではかなりの人気を誇ってるんだって」

穏乃「学校のパンフレットに載っていて、学校側が生徒集めの一環として公認しているらしい。」

穏乃「そのせいか県内で人気ナンバーワンの高校だとか」



ドン!

穏乃「す、すいません」

桃子「気をつけて下さいっす。って私の姿が見えないから悪いんっすね。すいませんでした」

穏乃「いえいえ……こちらこそ。ってあれ?」

穏乃「人にぶつかったような気がするけど、気のせいだったか」



ワ―――――!

穏乃「もうすぐ始まるッッ、彼らのライブが!」



京太郎『シャーベット☆爽♪』

ゆみ『夢の豚野郎♪』

桃子「きゃあああああああああ!加治木先輩ッッ!!!!」

咲「京ちゃあああああああああんんんんんん!!!!!」

観客「イラッシャイ」

セーラ『空耳歌おう♪』

観客「徹子」

誠子『弾けるモノが足りぬ!ちっちゃいな☆翔♪』

純『未来の☆チーズ☆王』

観客「ユッケ」


京太郎・ゆみ・セーラ・純・誠子『君と描くぉ(^ω^)ホモ☆レボリューション』



穏乃(あれがスクールアイドルランキング3位の牌の王子様のパフォーマンス)

咲「きゃあああああああああ」

桃子「すてきいいぃぃぃぃぃぃぃ」

そして学校に戻って来た穏乃

憧「シズ、また学校サボって山にでも行ってたの?」

和「今日の宿題見せませんからね」

穏乃「違う!私、すっっっっっごくいい事思いついちゃった!」

憧「あぁ廃校を何とかしたいってアレ?」

和「何かいい考えがあるんですか?顔を見てたらロクな事思いついてないように思えるんですが」



穏乃「私、スクールアイドルになる!有名になって学校を宣伝するんだ!!!!!!!」

憧「確かにスクールアイドルの宣伝効果は抜群だけどさ」

和「……はぁ。無理に決まってるでしょう」

穏乃「無理じゃないよ!私、ライブ見て来たよ」

憧「スクールアイドルの?」

穏乃「そうそう。龍門渕学園のスクールアイドル」

憧「確かイケメンの男の子五人で結成されてるグループね」

和「人気ありますね。よくテレビや雑誌に出てますし」

穏乃「見て思ったよ。私達もアイドルすればいいんだって!」

憧「簡単に言うけどねぇ……」

そしてアイドル部を作るために生徒会に申請をしに行く穏乃だったが



生徒会室

久「却下ね」

穏乃「えっ?なんでですか?」

久「部活動は最低五人居ないと認められないの」

憧「同好会とか五人以下の所が多いのに……不公平よ」

竜華「どこも申請した時は五人以上おったんや」

和「五人集めれば認めて貰えるんですね?」



久「いいえ、五人揃っても認めないわ。って言うか……辞めときなさい。廃校を阻止するためにスクールアイドルになるなんて」

穏乃・憧「!?」

和「……」


久「残された時間は自分のために使いなさいよ。三年もあれば何だって出来るでしょ。勉強していい大学に行く事だって出来るし」

穏乃「私、この学校が好きなんです!廃校になんかなって欲しくないんです」

憧「まっ……穏乃が決めた事だからね。私も全力でサポートするわよ」

和「私はまだ……、やると決めてませんが」



穏乃「必ず五人見つけて、もう一度申請に来ますから!では失礼します」

バターン!


久「……」

竜華「……」

竜華「いい子達やないの。部活動くらい認めてあげたら?」

久「……五人集めたら話くらい聞いてあげる」

竜華「どこかの誰かさんも、廃校を阻止したいからって麻雀大会の個人戦にエントリーしたっけ?」

久「しばらくやってないから腕が錆ついてるかもしれないけどね」

竜華「うちもエントリーしとこか?この学校を廃校にしたくない思いは同じやで」パラララララ

久「何やってんの?副会長の仕事は?」

竜華「終ったから遊んでるんや。これタロットカード言うんやけどな。おおっカードがうちに告げとるで」



竜華「だって可能性を感じたんやとな」ピッ

穏乃「……とは言ったものの」ウーン

憧「どうすんのよー、後二人アテあるの?」

和(なぜ私が頭数に入ってるんでしょうか)

穏乃「いやー、わかんない!でも、何とかする!勧誘してくる」シュババババ



ピュー―――ン

憧「行っちゃった。さて、私は衣装でも作ってやるか」

和「作れるんですか?」

憧「中川カノンちゃんと川島瑞樹さんのDVD持ってるから大丈夫でしょ。見ながら適当に作るし」

和「へぇー、憧がアイドルのDVDですか。意外です」

憧「まぁねー。シズのサイズは完璧に把握してるけど、和は日々成長してるから最初から測らないとね」

音楽室

偶然がいくつも~かさなりあって♪あなたと出会って~恋に落ちた♪


穏乃「あれピアノの音がする?しかしキレイな歌声だなぁ~」

穏乃「誰か居るのかな?」



ガラガラ

穏乃「失礼します!」

美穂子「聞こえそうな鼓動が~恥ずかしいよ♪どうしてわたしらし……って、どちら様でしょうか!?」

穏乃「一年、高鴨穏乃です。失礼しました。つい美しい歌声に惹かれて」

美穂子「えっ///そ、そんな聞かれてたなんて恥ずかしいわね///」

穏乃「いつもここで歌を歌ってるんですか?」

美穂子「たまにね。ピアノがあるから弾きたくなるの」

穏乃(ピアノも弾けるのか……。美人な人だし……勧誘してみよう)

穏乃「すいません!私達と一緒にアイドルやりませんか!?」

美穂子「はい?」



~~~~~~~~~~~

穏乃「断わられてしまった……。まぁいきなりアイドルやりませんかは不味かったかな」

穏乃「三年生の福路さんって言うらしい。あっそうだ!作曲だけでもして貰えないかな!?」

穏乃「和も憧も作曲なんて出来ないだろうし。よーーーーし、また三年生の教室に行って勧誘だあぁぁぁぁぁ!」

最初は幼馴染三人組で始めたアイドル活動だったが



穏乃「アイドル研究部?部員は一人ですか?」

桃子「そうっすよ。みんな辞めて行きましたっす。私は影が薄いからキラキラした物が大好きなんっすよ。自分にはない圧倒的存在感があるっすからね」

穏乃「アイドルやって存在感をアピールしましょうよ!」

桃子「!?」



~~~~~~~~~~~~~

咲「あの……ユニット名を投票したの私です……、iPS'sって書いて……」

穏乃「君、牌の王子様のライブに居たよね!?アイドルとか好きなの?」

咲「えっ……まぁ結構好きですけど……」

穏乃「よーし、採用。私と一緒にスクールアイドルしよう」

久「講堂のライブ見たわよ。やる気は認めてあげる」

穏乃「五人集めました!」

久「まっあんな気合の入ったライブ見せられた後じゃ認めざる負えないわね」

憧「それじゃあ……」

和「部活動を認めて貰えるんですね!」

久「認めるわ。スクールアイドル部、そう私を含めてこの六人のね!」

穏乃「六人!?」


次々と集まるメンバー

美穂子「えっ、上埜さんも入ったんですか?」

穏乃「はい、何か私達のライブ見て火がついたみたいで。一緒に練習してますよ」

美穂子「上埜さんと一緒に練習……、放課後ティータイム……、うぇへへへへへ」

穏乃「で、この六人でレズライブの大会に出ようと」

美穂子「あっ私も加入します!」

穏乃「ふぁっ!?」


七人目

灼「ちょっと……、ボウリングのマネージャー取らないで欲しいと思……」

咲「あっ先輩」

美穂子「えっ、上埜さんも入ったんですか?」

穏乃「はい、何か私達のライブ見て火がついたみたいで。一緒に練習してますよ」

美穂子「上埜さんと一緒に練習……、放課後ティータイム……、うぇへへへへへ」

穏乃「で、この六人でレズライブの大会に出ようと」

美穂子「あっ私も加入します!」

穏乃「ふぁっ!?」

無事七人目も加入して


~~~~~~~~~~~~~~~

灼「ちょっと……、ボウリングのマネージャー取らないで欲しいと思……」

咲「あっ先輩」

和「咲さん、マネージャーなんてしてたんですか?」

咲「うん、そうだよ」

灼「返して欲しいと思……」

桃子「そう言えば私、伝説のスクールアイドルのDVD持ってるんっすけどね」

灼「も、もしかしてハルちゃんのスクールアイドル時代の超プレミアDVDの事!?」

桃子「そうっすね。もうオクでも手に入らない品物かもしれませんっす」

桃子「レズライブ優勝出来たらプレゼントしてもいいっす」

灼「ホントに!?」

咲「灼先輩はボウリング上手いし、運動神経いいから私なんかより全然アイドル出来ますよ~」

灼「ううっ……欲しい…欲しい……ハルちゃんの若かりし頃のDVD」

穏乃「一緒にスクールアイドルしましょうよ!ボウリング部兼任で構いません」

灼「……」コクン

灼「わかった。やってみる」

八人揃って



穏乃「いやー、八人も揃っちゃったよ」

竜華「まだや!うちを入れて9人やろ?」

久「副生徒会長!」

美穂子「幼馴染の子の世話はいいんですか?」

竜華「いやー、なー」


怜『いつも病室に来てくれてありがとう。でもな、竜華。聞いたで廃校の話』

竜華『うちには……関係のない事や……。あの子らのライブが成功したら廃校は阻止出来るかもしれん』

怜『竜華はそれでいいんか?』

竜華『うち、部外者やし』

怜『うちが寝てる時、竜華がダンスの振り付けを練習してるの知ってるんやで』

竜華『あああああ、あれはちゃうねん!』

怜『寝たふりして薄目開けて観察しててん。竜華はスクールアイドルしたいはずや』

竜華『せやかて……怜の事が心配やし』


バン!

怜『うちの事、舐め過ぎやで!そんな弱い女やない』

怜『毎日来てくれんでもええねん。たまに気が向いた時だけ来て欲しい』

竜華『でもでも……』

怜『最後の高校生活や。竜華がしたい事して欲しい。それがスクールアイドルなんやったら、うちはここから応援してる』

怜『ゴホゴホ、テレビでしか見られへんけどな。もっともテレビに出るくらい有名なアイドルになって貰わんと困るで』

竜華「なははははは、そんな感じのやりとりがあってな。テレビで紹介されるくらい有名なスクールアイドル目指すで」

穏乃「よーし、9人で新生iPS'sだああぁぁぁぁぁぁ」



久・美穂子・竜華・桃子「叶え!」

咲・和・灼「私達の!」

穏乃・憧「夢!」



終わる

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月19日 (日) 02:04:24   ID: gUfMpdx4

iPSの作者ってカプ厨だよね

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