ほむら「目を覚ますとそこには……」(232)

ほむら「どうして? どうして、ここにまどかが?」

病院の一室、いつもの始まり。

悲しみと後悔から始まる場所に――


無垢に眠るその姿があった。


ほむら(まさか、前の時間軸のまどかを連れて来てしまったとか?)

そんなはずがない。

この子はいったい誰なの?



こんな感じでこれから書いて行きます。

ほむら「ねえ、起きて?」

まどか「う……うん……?」

ほむら「私よ、まどか。あなた、私がわかる?」

まどか「ほむらちゃ……わたし……」

まどか「あ……」

ほむら「覚えてるの? 私のことがわかるのね?」

まどかは私の姿を認めると、何かを思い出したようにその目に涙を貯めていた。

そのまま何も言わず、私に抱きついてくる。

まどか「ほむらちゃん、私……」

まどかは何かを伝えたいように見えた。

それが、なんなのかわからないけれど――

私は
>>5
1 何か素敵なことが起ころうとしているのだと思った。

2 何か悪いことが起ころうとしているのだと思った。

1

きっと何か素敵なことが起ころうとしているに違いない。

ほむら「ねえ、まどか。あなたはもしかして私と一緒に時間を飛び越えてきたの?」

まどか「うん!そう。ずっとほむらちゃんといっしょにいたいって」

やっぱり!

ほむら「けど、あなた魔力を使い果たして、魔女になってしまったはずじゃ?」

まどか「えっと……わたしもわかんないよ」

ほむら「そう……」

きっと時間が経てばまどかも何かを思い出すかもしれない。

それよりも、私の心は躍っていた。

だって――何を言わずとも私のことを理解してくれているまどかが、腕の中にいる。

ほむら「本当にあなたなのね……まどか」

まどか「うん!」

暫く抱擁をかわした後に、視界がぐらついていることに気がついた。

そうだ、目を治さなければ。

そのとき、私は異変に気がついた。

ほむら「ない!」

肌に離さず身に着けているはずの、ソウルジェムがどこかへ行ってしまった。

部屋の中を見渡す限りどこにもないのだ。


まどか「――ないよ。どこにも……」

ほむら「まどか?」

まどか「大丈夫。安心して、無くてもちゃんと動けるようになってるから」

ほむら「どういうこと?」

まどか「ほむらちゃんは今、普通の女の子なんだ――魔法少女じゃない」

まどかは何を言ってるの? 

一度契約した魔法少女が、元の人間にもどれるはずがないのは、私が一番知っている。


まさか――これはまどかがやったの?

ほむら「あなた、前の時間軸で!?」

顔がすっかり青ざめた私を、まどかは私の手を握って落ち着かせようと微笑んだ。

まどか「大丈夫、ほむらちゃんの考えてるようなことしてないから」

まどか「私も、ほら!」

まどかは私に爪を差し出してみせる。

そこには、魔法少女の証である刻印が刻まれているはずだが――見当たらない。

まどか「大丈夫だよ。安心してね」

ああ……。私は思わずまどかを引き寄せた。

これがどんな事態なのか、全く理解できなかった。


でも、やはり私の予感どおり、きっと素敵なことが起きているに違いない。


だって、まどかは――本当に幸せそうに笑っていて。

まるで今まで何もなかったかのように、窓辺からは涼しげな朝の風が流れてくるのだ。


私はもう一度まどかを引き寄せ、そのぬくもりを確かめた。

間違いない。

まどかだ。

私がずっと守りたかった女の子だ。

ほむら「あ……もうこんな時間!」

まどか「7時だね」

もし、魔法少女でなくなったと仮定するなら、私はまた病弱な身体に戻ってしまうのだろうか?

だとすると、走って家に戻るだけで発作を起こしてしまうかもしれない。

まどか「学校行くの?」

ほむら「そうね……サボってしまってもいいのだけど――」

まどか「大丈夫、ほむらちゃんと別れてる間に契約なんてしないよ」

そういうことではなくて。

今まで、あなたの為に生きていた。

私はこの世界で、何をしていいのかわからない。

ほむら「とにかく学校には行ったほうがいいわね」

まどか「そう……だね」

状況がいろいろつかめないし転校初日にサボるという事態は避けたい。

いろいろな経験があるとはいえ、私は弱々しい暁美ほむらに戻ったことも気がかりだ。



まどか「じゃあ、またあとでね!」

私はまどかと一度別れて、家へ向かった。

着替えの最中、いろんな想像をした。

何故、私は魔法少女でなくなってしまったのか?

まどかが私を魔法少女でなくして欲しいと願ったのなら

代わりに彼女がなっていなくてはおかしい。

それに、魔法少女のちからを失った私がどうやって、この時間へわたってきたというのか?


恐らく、前の時間軸のまどかの契約が鍵になっているに違いないのだけど

その内容が全く読めなかった。

朝食を食べずに学校へと急ぎ足で向かった。

少し走っただけでも、息を切らしてしまうこの身体が、とても懐かしいものだと感じる。

――ああ、本当に懐かしい。

こんな貧弱な身体でよくまどかを守ろうと決心したものだ。

我ながら感心してしまう。

魔女と戦うだけの意志も、強さもなかった私が、まさか魔法少女になるなんて。

学校にたどり着くと、真っ先に職員室に向かった。

走ったせいでまだ肺に痛みが残っている。

早乙女「どうしたんですか、暁美さん? 何か顔がにやけてますけど」

ほむら「いいえ、なんでもないんです」

肺が痛いのが嬉しいんです、なんて言えばどんな目で見られることやら。

当然私にはそんな趣味はなかった。

教室のドア。

これをくぐれば、また新しい一日が。

新しいあの子との時間が始まる。

でも今回は違う。

まどかは、私のことを知っている。

壇上で『初めまして』と挨拶をしても

まどかに『初めまして』と言われることはないんだ。

早乙女「さあ、暁美さん、どうぞ」

先生に呼ばれ――ドアをくぐった。


壇上に立ち何度と見たその風景を私は呆然と見下ろした。


――いない。

早乙女「暁美さん? どうかしましたか?」

ほむら「……」

早乙女「暁美さん!?」

蒼白になる私の顔を見て、『身体の事情』を知っている彼女に両肩をしっかりと掴むのだ。

大方、自己紹介で貧血になったと勘違いしているのだろう。


私が気にしてるのはそんなことではない。

なぜ、あの子が教室のどこにもいないかというこだ!

ほむら「大丈夫ですから……」

私は先生の手をはらって、一歩下がり淡々と自己紹介をした。

それを見たクラスメイト達は戸惑うように拍手をしている。

早乙女「暁美さんは、つい最近まで病院にいました。ですからいろいろ気遣ってあげて下さいね」

そう付け足すと、みんなは「なるほど」と納得したようだ。

そんなことはどうでもいい。

『まどかは、どうしたの!?』

そう叫びだしたい気持ちを抑え、私は自分の座席についた。

>蒼白になる私の顔を見て、『身体の事情』を知っている彼女に両肩をしっかりと掴むのだ。
蒼白になる私の顔を見て、『身体の事情』を知っている彼女は私の両肩を掴んだ。
>なぜ、あの子が教室のどこにもいないかというこだ!
なぜあの子がどこにもいないかということだ!

すまん、誤字がひどい……。
大分焦って書いてる。

ホームルームの立て続けに英語の授業が始まる。

休み時間になったら、美樹さやかに聞いてみよう。


――きっと何か事情があって遅れているのだ。

まさかQBと契約を済ます為に……なんてことはない。

だって、まどかは約束していたし、あの時は嘘をついている気配はなかった。

他の誰かはともかく、あの子の嘘だけは見破れる自信がある。

生徒たちが群がる前に、席を立ち上がり、その足で美樹さやかの前まで急いだ。

ほむら「まどかは、まどかはどうしたの?」

さやか「まどか? っていうか、アンタ身体悪いんじゃなかったの?」

教室中の視線が、私に集まっていた。

――面倒ね。

ほむら「ここじゃなんだから、ちょっと付き合ってくれるかしら?」

さやか「ちょ、ちょっと」

さやかの手を引いて、教室から引きずり出す。



仁美「こ、これは……」

仁美「美樹さんと転校生さんのイケない恋の始まりですのねぇ~~~!!!!」

さやか「痛いから、離せってば!」

この身体でも、やろうと思えば人一人引っ張ることができたのね……。

おかげで、息が切れてしまったが。

さやか「おい、大丈夫か?」

息を整え――と言っても、肺はまだ痛むが、それを堪えながらさやかに問いかける。

ほむら「平気よ。それよりあなたに聞きたいことがあるのだけど」

さやか「ああ、まどかがどうとか言ってたっけ?」

ほむら「ええ。あなた何か彼女から聞いてる?」


さやか「聞いてるも何も、まどかって誰だよ?」

ほむら「……えっ?」

さやかちゃんの口調がおかしいなあと思いました
別に構わないのですが僕はさやかちゃんの口調がおかしいなあと思いました

かなり似た展開見たことあるな
リメイク?

ほむら「鹿目まどかよ。あなたの小学校の時から友達の」

さやか「いやいや。あたしの小学校の友達をなんで、アンタが知ってんのさ?」

ほむら「いいから、質問に答えなさいっ!」

さやか「って言ってもなぁ……まどか……まどか。鹿目なんて名字いたら忘れるわけないけど……」

彼女が嘘を言っているようには見えなかった。

同じように教室のクラスメイト一人一人にたずねて見た。

誰もが不審そうに私のことを見つめ、誰一人まどかのことを知っているという子はいなかった。

そうしているうちに休み時間は終わってしまった。

何が起きているのか全くわからなくない。

まるで、私の知らない世界へワープしてしまった気分だ。

まどかはいるのに、まどかのことを誰も覚えてないなんて……。

>>61
左遷。指摘あり。
>>62
そうなん?
たしかにあるかも知れんね。

まずはまどかを探さなくては。

教室を飛び出して、真っ先に病院へと向かう。

今朝は痛みや喘息を懐かしいと言ったが、この身体やはり不便だと実感した。


ほむら「今朝私と一緒にいた女の子知りませんか?見滝原中の制服を来てたんですけど」

受付「ああ、暁美さんと出てったね。何かあったんですか?」

病院には戻ってない……?

じゃあ、もしかしたらまどかの家に。


この時、ドクドクっと、胸が鳴るのが聴こえた。

――嫌な予感がする。

私はタクシーを使って、まどかの家へと向かった。

運転手「早退かい? 顔色が随分悪いようだけど」

ほむら「大丈夫です。でも、できるだけ早く……お願いします」


まどかの安否を確認したい気持ちと、

なぜわざわざ現実を見せつけられに行くのか?
と自分を咎めるような、心の声がした。

何が待っていても受け止めよう。

覚悟を決めて、まどかの家の呼び鈴を押した。

現れたのは、父親の方だった。

――たしかお母さんは、働きに出てるんだっけ?

知久「えっと……どちらさんでしょうか?」

……ああ。

その表情を見てわたしは分かってしまった。

この人は、まどかを知らないんだと。

まどかの友達がやってきたと考えるのが筋なのに、

この人には心当たりがないみたいだった。


ほむら「この家に私の友達は――まどかという女の子はいませんか?」

それでも、希望を棄てずにはいられなかった。


しかし結果は私の予測した通りだった。

ちょっと飯行ってきます。

まどかはどこへ行ってしまったのか……。

今まで何度もあの子を見てきたけれど、まどかの行きそうな場所に検討がつかない。

あくまで、魔法少女のちからがあればこそ、いつでも居場所がわかる。

途方にくれ、手当たりしだいに見滝原の町を探しまわった。


その時だ。

白い毛並み、赤い瞳をした獣が私を見降ろしていることに気づいた。

こいつなら何か知っているかもしれない。

QB「やぁ、ボクのなまえはQB。きみは魔法少――」

ほむら「まどかは? まどかを知らない?」

もはや藁にも敵にもすがりたい気持ちだった。

QB「まどか? 君が言ってるのはもしかして鹿目まどかのことかい?」

ほむら「知ってるのね!」

QB「君はボクを見てもちっとも驚かないんだね。こんな子に出会ったのは久しぶりだよ」

QB「というか、ボクのことを知っているみたいだけど……どこかで会ったかい?」

ほむら「時間がないの。まどかがどこにいるか教えなさい!」

QBに口をわらせると、あまりにも意外な場所を告げられた。

ほむら「嘘でしょう?どうしてまどかがうちにいるの?」

QB「ボクに言われても……」

ほむら「ってことは、性懲りもなくまどかを付け回してるってこと?」

QB「どうやら、君は僕達の正体を知ってるみたいだね」

ほむら「質問に答えなさい」

QB「無論、わずかでもエネルギーの足しになるのであれば、それを拾わない手はないからね」

ほむら「僅か?」

おかしい。この侵略者は、まどかに秘められた膨大な魔力を巡って契約を交わそうと躍起になっていたはず。

QB「そう。むしろ、ボクとしては君に契約してもらったほうがありがたいくらいだよ」

ほむら「残念だけど、あなたの思うようにはいかないわ――インキュベーター」

QBを無視していると、諦めたのかどこかへ消えてしまった。

――あいつはうちにいるって言っていたけれど。

ほむら「鍵かけたわよね?」

いや、そんなことはどうでもいいのだ。


今はまどかの安否が一番大事。

持てる限りのちからを使って、家へと急いだ。


まどか「お帰りなさい、ほむらちゃん!」

何事もなかったかのように、にっこりと微笑むまどかがそこにいた。

まどか「あ、疲れてるみたいだね。お水、お水」

コップを受け取り私は固まってしまった。

あっけに取られる私を見て、まどかは整然とした声で訊く。


まどか「学校はどうだった?」

私は歯を食い縛りながら答える。

ほむら「みんな、あなたのことを忘れていたわ!」

ほむら「どういうこと!?説明しなさい」

まどか「うん……えっとね……」

まどか「えっと……黙秘」

ほむら「いいから答えなさい!」

わたしはまどかのほっぺを両手で引っ張った。

まどか「い、いひゃいよ」

まどか「えへへ、めがねのほむらちゃんに怒られると、なんか変な感じがするよ」

――あの頃のわたしを知ってるの?

前回、そこまで詳しく話しただろうか?

ほむら「あなたあの頃のわたしを知ってるの?」

まどか「うん。その赤いメガネと、三つ編みしてた時のほむらちゃん。初めて、わたしと会ったのも――」

――うわぁ。

まどか「ど、どうしてそこで赤くなるの?」

まどか「とっても可愛かったよ、あの頃のほむらちゃん」

そうだ。照れている場合ではない。

ほむら「さやかはともかく、あなた自分の家族に忘れられてたのだけど?」

まどか「そっか……私の家まで行ってくれたんだね」

まどか「そうだね。この世界に私はいないことになってる」

まどか「でもそれは仕方ないことなんだよ」

仕方ないこと? 何を言ってるの?

ほむら「それだけじゃない。QBがあなたのことを随分過小評価してたわ」

ほむら「あなた、本当にまどかなの?」


まどか「私は、私だよ。ほむらちゃん――」

その目には、諦めも、悲しみも篭っていなかった。

まどか「ほむらちゃん……」

まどかにぎゅっと抱き締められて、私は何がなんだかわからなくなった。

彼女が何故そのようなことをするのかも。

まどか「きっと、ほむらちゃんもずっと、こんな気持ちだったんだね……」

まどか「わたしに分かってもらえなくても――ありがとうね。ほむらちゃん」


わけがわからない。

わからないけど、何故か胸の奥がじんと熱くなった。


ほむら「理由、聞いてはだめなの? まどか……」

こくりと、私の腕の中でうなずいた。

>>137

1 ほむら「あなたがいいというのなら」

2 ほむら「そんなわけにはいかないわ。話してちょうだい」

2

ほむら「そんなわけにはいかないわ。話して」

あなたの望みは、私が知るところではない。

――できればその願いも叶えてあげたいけど、そんな余裕はないの。

私には、私の戦いがあるのだから。


まどか「そうだよね……ほむらちゃんなら、そういうと思ったよ」

困ったような顔でわたしを見上げるまどか。

その表情に、何か心を動かされ、一瞬よろめいてしまった。


まどか「ここはね――未来なんだよ」

ほむら「未来?」

まどか「正確には、これからほむらちゃんに待ってるかもしれない未来なの」

まって……まどかは何を言ってるの?

まどか「いろいろ違うことはあるんだけどね……」

まどか「例えばほむらちゃんは普通に魔法少女のままだったり――」

ほむら「待って、待って」

まどかが言っていることが本当だとすれば

彼女はどうしてみんなから忘れられているの?

さやかや、家族から、なぜ忘れられなければならないの?

まどか「残念ながら、私はいないんだけどね。えへへ」

まどか「あくまで、待っているかもしれない未来だけどね」

ほむら「そ、そう……」

まどか「ほむらちゃんの頑張り次第でどうにでもなるからさ」

ほむら「……」


――なんで?

私にはわかる。

まどかが嘘をついていることが。

私のがんばりとか、選択とかそんなものは関係なく、この未来が必然。

すでに確定しているということになる。

ほむら「ねえ、忘れられてるだけで、あなたはいるのよね?私の傍に」

まどか「うん――ずっと一緒だよ」

…………そう。


私には信じることができなかった。

そもそもあなたは、なぜそんなことが予知できるの?

ここが未来というのなら、どうして私はここへきたの?


その問いにこのまどかは答えられるだろうか?

しかし私はこれ以上触れないことにした。

どちらにしろ、こんなものを信じる気はないからだ。

まどか「信じてくれなくてもいいよ」

まどか「私は私の目的を果たすだけだから……」

ほむら「目的?」

まどか「あ……えっと……」

まどかは照れながら、手を伸ばしてきた。

握ればいいのだろうか?

ほむら「まどか目的って――」

まどか「か、買い物いこっか、ほむらちゃん!」

まどかは、それ以上何も応えてくれず、

仕方ないので夕飯の買い出しをしに商店街までやってきた。


まどか「えへへ、今晩は私が作ってあげるね?」

うまくはぐらかされている気がしてならないが、まあいいか。

私としても、まどかとふたり歩くのは、悪い気分ではなかった。


ほむら「久しぶりね、あなたとこうして遊びに来るなんて」

まどか「そうだね。本当……ひさしぶり」

やっぱりまどかは、ずっとむかしの記憶があるようだった。

ほむら「ねえ、いい加減手の内を見せてくれてもいいんじゃないの?」

まどか「十分お話したと思うんだけど……納得出来ないの?」


ほむら「だって、未来にあなたはいないなんて信じられるわけないじゃない」

ほむら「そうならないように、私が頑張っているのだし……」

もしそんなのを認めてしまったら、私はきっと……

――魔女に。

まどか「大丈夫だよ――ほむらちゃんは、最後まで諦めないもん」

まるで見てきたかのように言うまどか。

納得はできない上に意味がわからないその笑顔に免じて、これ以上言及するのはやめておこうか。

本人は触れてほしくないみたいだし。


なんだか、私が見ている夢のような気がしてならない。

まどかのことをみんなが忘れていることは納得出来ないが

もしかしたら、四六時中まどかとずっといられるのかもしれない。

この世界に居座り続けるができるのだろうか?

夢だとしたら、いつか終わりが来てしまうのか――。



まどか「ほむらちゃん。あっちでアイス売ってる!アイス食べようよ」

ほむら「待って!そんなに走ると私、喘息で……」

まどか「美味しいね!」

ほむら「え、ええ……」

なんだか落ち着かない。

まどかの方はすっかり楽しんでいるみたいだけど、私はいつもと勝手が違いすぎて

まどかとの距離のとり方がわからなくなってしまっていた。

――ああ、そうだ。

私はいつかこんな風に過ごしていたのに、

ずっとずっと……

ほむら「ねえ、まどか、アイス食べ終わったら、寄りたいところがあるのだけどいいかしら?」

まどか「うん!」


~空き地~

ほむら「おいで……」

私が手を振ると、一匹の猫がこちらに向かってきた。

まどか「エイミー!?」

抱き上げると、まどかが物欲しそうな目で見てくる。

まどか「ほむらちゃん、次、私もいいかな?」

ほむら「ほら」

猫を撫でるその姿を見ていると、昔を思い出さずにはいられなかった。

巴さんと、私と、まどか……3人で。

何も知らなかったあの頃を。

なぜこんな場所にきたのか。

私は少しでも思い出したかったのかもしれない。

このことの距離を。

本当のまどかと、私の間柄を。


これが私の夢だとするなら、なんて幸福な夢なんだろう。


たとえ、覚めてしまったとしても、この気持ちを忘れずにいたい。


そうすれば、きっといつか、まどかを救えたときに、また、あの頃のように、戻れる気がするから。

~ほむホーム~


まどかの手料理、オムライスが机の上に並んでいる。

いかにもまどかの手料理っぽいなぁと、思わず微笑んでしまった。

まどか「半熟具合いとか、結構こだわってるんだよ!」

自慢気に胸を張る姿は、わたしを引っ張ってくれた力強さを感じさせた。

ほむら「ええ……美味しいわね。 」


毎日食べたいぐらい。

そうしてまどかと話しているうちに、夜が遅くなった。

まどか「お泊りしてっていいですか?」

ほむら「……」

帰る場所がないというのは、どういう気分なのだろう?

不思議なのはその事実をまどかが平然と受け止めているということなのだけど


ほむら「好きにしてちょうだい」

まどか「隣で寝てもいいかな?」

ほむら「もしかして、寂しいの?」

まどか「寂しい? ……違うよ。わたしはその……」

顔を赤らめるまどか。

ほむら「ほら、来なさい。 あなたもいろいろ苦労してるみたいだし、今夜だけなら許してあげるわ」

まどか「……違うのに」

そうは言いつつも、きっちりと布団のなかに入ってくる。


まあ……いいか。別に変なことしようってわけじゃないし。

まどか「ねえ、ほむらちゃん? ほむらちゃんは神様って信じてる?」

ほむら「そうね……人並みには」

まどか「え~、それいないって思ってるってことだよね?」

ほむら「誰もそんなこと言ってないでしょう?」

ほむら「あなたの言う神がどんなものか知らないけれど、私は頼らないだけ」

ほむら「いてもいいと思うけどね。どうせ気まぐれなものだろうから、あてにはできないでしょ?」


まどか「――気まぐれでここまでしたりしないよ」

ほむら「まどか?」

まどか「なんでもないよ。ほむらちゃんのばか……」

と、ふて腐れて、どうして私に抱きついてくるの?

ほむら「あの、まどか? さすがに布団の中でこういう事するのは、気がひけるのだけど」

まどか「知らないもん!」

ほむら「……やっぱり寂しいの?」


まどか「ほむらちゃんのばか!」

またそれか。

結局、まどかの目的はなんだったんだろう?

胸の中にうずくまるまどかを見つめながら、私はぼんやりとした意識で考える。

そもそも、このまどかが何者なのか?

どうやって未来?らしき場所に来たのか。

私には考えが及ばなかった。


QBと契約したとしても、1度にこれだけの願いを実現するのは不可能だろう。


――それこそ神でない限りは。

――私はいつも通り白いベッドの中にいた。

薬の匂いのするそこは、後悔と悲しみから始まる場所だった。

――またダメだった。


何度目の辛酸を舐めさせられたのだろう。


しかし、私の気分はなぜかそこまで悪くない。

むしろ心地良さ。何かいいことがあったような晴れやかな気がしていた。

前の時間軸でいいことなんてあっただろうか?

何か重要なことを忘れている気がする。

それが何なのか、私には思い出せなかった。

ほむら「あなたは覚えてない?」

私はいるはずのない『誰か』に向かって話しかけていた。

なぜそんなことをしたのだろう?

私はソウルジェムを握り締め、

いつも通り視力を回復させようとする。

が、なぜか気がすすまない。


私は傍にあったメガネを手にとった。

ほむら「たまには、あの子に優しくしてみるのも悪くない……か」

そんなもの甘えかもしれない。

こんな気持ちで、まどかが救えるのかは知らない。


ただ、もう一度『あの頃の自分』を見つめなおしてみたいと思ったのだ。



おしまい。

解説とかなしの方向でいきたいのだが、どうだろう?

まどかの側から見ないとわけワカメなSSを書いたったwww
気持ち悪いと思うけど
頑張って考えてください。

えー?
そんなにイミフかいな?

ラストのまど神が最終周以前の、再構築前の旧世界のほむらに干渉しただけだろ。
それも、「もう誰も信じない」と「今のまどかなら、10日もかからずに~」の間の、どこかの周回。

「未来」というのは、再構築後世界のことで、一日だけそこに飛ばされたんじゃないかと。

【まどか☆マギカ】巴マミ×キュゥべえスレ4 【キュゥマミ】
幾多のキュゥマミSSを見たがいまだにこのネタを使ったキュゥマミSSはない
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」
パターン1
マミ「あなた誰なの?違う! 私のキュウべえはあの子だけよ!」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
パターン2
QB「うううっ……マミ、どうして、死んじゃったんだよ、マミを蘇らせて欲しい」
まどか「私の願い事はマミさんの蘇生。叶えてよQB!」
パターン3
マミ「あなた誰なの?」 QB「前の個体は処分した」
QB「『前の僕』、は精神疾患を『患い』かけていたからね。『僕達』にとっては、『煩わしい』存在でもあったしね」
マミ「違う! 私のキュウべえはあの子だけよ!」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

>>218
あってるけど、ごめん。
わけわかんなすぎた。
書き溜めないと無理だとわかりました。

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