コニー「巨人をくるしめる魔法をおぼえたぞ!」(28)

コニー「これで、巨人を駆逐してやる……!なんてな」ニコニコ

ライナー「!?」

ジャン「へえ、すげえな」

ジャン「(ま、どうせ冗談か勘違いかなんかだろ)」

コニー「あっ、ジャン信じてないだろ!」

ジャン「当たり前だろ」

コニー「いいぜ、手始めに巨人の『目が乾く』魔法を使ってやるから見てろ!」

コニー「ちちーんぷぃぷぃ!それっ!」

ライナー「(コニーのことだ、何か夢でも見たのだろう)」

ジャン「……魔法っていうわりには光とか出ないんだな?」

ライナー「(んっ!?)」

コニー「演出には力入れてねーからな!質を重視したんだぜ!」

ライナー「(な、なんだ!?俺の目の辺りにだけ強い風が……!)」

コニー「んー、まあ暇が出来たら光を出す練習でもすっかなー」

ライナー「(があああ!目が乾く!痛い!助けてくれ!)」ウルウル

ジャン「つかよ……まず巨人がいねえじゃねーか」

コニー「あ、そういやそうだったな!ははっ!」

ライナー「(まっ……まさか、これがコニーの魔法か!?)」ウルウル

ジャン「コニー、お前知ってて使ったんだろ?どうせ効果ないだろうしな」

コニー「は?ちげーよ!」

ライナー「(だがここで目が乾いたなんてバレたら巨人ですと言ってるようなものだ……!)」

ライナー「(耐えろ……耐えるんだ……!)」ウルウル

ジャン「おいライナー、何泣いてんだ?」

ライナー「あ?泣いてないぞ」ウルウル

コニー「瞬きしすぎじゃね?」

ライナー「と、ところでコニー、魔法はかけたらどうやって解くんだ?」

コニー「………………それはなぁ」

ライナー「(はやくしろ!目が燃えるようにヒリヒリする!)」

コニー「知らん」

ライナー「なっ!?」

コニー「つーか忘れてた……」

コニー「そうだよな、魔法はかけたら解く呪文も覚えなきゃ駄目だよな!」

ライナー「じゃあ俺は一生このまま……!?」ガタガタ

ジャン「かけられたらもう解除できない、か……おっかねえな」ハハ

コニー「まあ巨人を苦しめる魔法だしいいんじゃね!」

ライナー「よくないぞコニー!」ウルウル

コニー「え?」

アルミン「なんか騒がしいね、何してるの?」

コニー「あ、アルミン、実は俺巨人をくるしめる魔法をおぼえたんだぜ!」

アルミン「へえ、そうなんだ」

コニー「アルミンは信じてくれるよな?」

アルミン「ああ、もちろん」

ジャン「アルミン、お前まで馬鹿になっちまったのか?」

アルミン「さあね、でもクリスタも魔法が使えるって言ってたし実際使ってたし……」

ジャン「はあ?クリスタが?」

コニー「まじかよ!」

クリスタ「本当だよ」ニコッ

ライナー「(クリスタの声!だが目が乾きすぎて開けられない……くそぅ!)」

コニー「おまえも魔法が使えるのか!?」

クリスタ「え?ええ、まだ少しだけどね」

コニー「じゃあ魔法の解き方知ってるか!?」

クリスタ「そうね……魔法よ魔法よとんでけー!って言えばいいんじゃない?」

ジャン「(あー、みんなコニーにあわせてやってんのか)」

コニー「魔法よ魔法よとんでけー!」

ライナー「(本当だ……みるみる目が潤っていく……さすがクリスタ!)」

コニー「なるほどな、サンキュークリスタ!」

クリスタ「ふふっ、いいのよ」ニコッ

コニー「なあ、クリスタはどんな魔法が使えるんだ?」

クリスタ「痛みが消える魔法だよ!」

アルミン「クリスタが魔法をかけたらみるみる痛みが引いたらしいよ」

コニー「す、すげえええ!!」キラキラ

ジャン「ま、クリスタなら使えそうな気もするな」

アルミン「コニーは、何の魔法が使えるの?」

コニー「さっきは、巨人の『目が乾く』魔法だ!」

アルミン「巨人の?」

コニー「そ、俺の魔法の効果があるのは俺から一定範囲にいる巨人のみ」

ライナー「(そうだったのか……つまりコニーから離れればいいんだな)」ソソッ

アルミン「ライナー、どこいくの?」

ライナー「え?あ、俺はそうだな……便所に……」

コニー「あっ、俺も行くー!」

ライナー「あ、そ、そうか?じゃあ行くか!」アセアセ

アルミン「僕も行こうかな」

コニー「おう!行こうぜ!」


ライナー「(コニーから早く離れないとマズイな……)」

トイレ

ライナー「(とにかく魔法の話をしないようにしないとな…)」

アルミン「コニー、他にどんな魔法が使えるの?」

ライナー「」ギクッ

コニー「ん?そうだな……」

ライナー「あ、コニー!そういやこの間サシャがお前のパン食ってたぞ!」

コニー「え?サシャだったのか!あいつ、食い意地有りすぎだろ!」

アルミン「コニーもそこそこ食い意地張ってるけどね」ハハハ

ライナー「(よし!いい感じに話がそれたな!)」

コニー「ちちーんぷぃぷい!そりゃっ!」

ライナー「!?!?」

アルミン「ど、どうしたの?」

コニー「巨人が『食べようとするものが空を飛び回る』魔法を使ってみたぜ!」

ライナー「……!?」

アルミン「それは実用的な魔法だね、いいと思うよ」

コニー「そうか?俺正直使えないと思ってたんだが」

アルミン「だって、巨人が食べようとするもの……すなわちヒトだろ?」

アルミン「それを使えば巨人がヒトを食べようとしてもヒトが飛び回って結果食べられないということだ!」

コニー「おお、確かに!」

ライナー「(コニーとアルミンが組むと厄介だ……)」

コニー「」グゥゥ

コニー「腹減ったー」

アルミン「そろそろ昼食の時間だ、行こうか」

ライナー「(ま、まずい……)」

コニー「はやくしろよライナー」

ライナー「あ、ああ、すまんすまん」アセアセ

ライナー「(どうする……どうする俺……!)」

食堂

イタダキマス!

コニー「サシャ、この間俺のパンくっただろ!」モグモグ

サシャ「ええ!?気のせいですって!」ムシャムシャ


ライナー「………………」

ベルトルト「あれ?食べないのライナー?」

ライナー「あ、ああ……食欲がなくてな」

ライナー「(食べようとしなければいい……これで大丈夫だ)」

ライナー「ベルトルト、お前これ食………なっ!?」ギョッ

ベルトルト「何にビックリしてるの?こっちもビックリするよ!」

クリスタ「ベルトルトのパン……浮いてる……?」

ベルトルト「え?あ、そうそう、なんかさっきから食べようとしてもさ…」

ライナー「クリスタに食べてほしいんだろ!ほらクリスタ食べろ!」ハイッ

ベルトルト「あっ、それ僕の……」

クリスタ「そうよライナー、勝手に人のパンを……」

ライナー「サシャ!パンやる!」ダダダハイッ

サシャ「あっ!ありがとうございます!神!」

コニー「うわ!ずりーよサシャ!」

ライナー「コニーにもやる!」ハイッ

コニー「サンキュー!恩にきるぜ!」

ライナー「(何故だ……何故ベルトルトのパンまで……)」


ベルトルト「変なライナー……」

クリスタ「どうしたのかな?いつものライナーじゃないみたい」

ライナー「(まさか、コニーの魔法は範囲内にいる巨人に随時効果があるのか!?)」

ライナー「(なら、エレンにも効果が出るはずだ!)」フイッ


エレン「ミカサ、たまには俺が肩でも叩いてやろうか?」モグモグ

ミカサ「えっ!?本当に?いいの?エレン?でも突然どうしたの?」キラキラ

エレン「いや、ミカサにいつも迷惑かけてるしさ……悪いか?」モグモグ

ミカサ「嬉しい!すごく嬉しい!でもエレンに対して迷惑なんて思ったことはない!」


ライナー「フツーに食べている……!」

コニー「ベルトルト、お前のスープなんで浮いてんだ?」モグモグ

ベルトルト「分からないけど、さっきもパンを食べようとしたら浮いちゃって」

ライナー「!!」

「うわー!なんかスープが空を飛んでるぞー!」ワーワー


ライナー「(ベルトルトのスープがみんなの上を飛んでいる!)」

コニー「すっげー!ベルトルトはエスパーかよ!」

アルミン「……………………」

エレン「おいおい、どうなってんだ!?」

クリスタ「心霊現象……?こ……怖い……!」ガタガタ

ユミル「いやねーだろ、ベルトルさんの手品かなんかだろ?なあ?」ヘラヘラ

ベルトルト「え?いや……僕は何も……」

ライナー「実はな!あのスープにはひもがついてて天井に繋いであったんだ!」

ライナー「ビックリしたか?」アセアセ

ユミル「ほらみろ」

クリスタ「そうだったんだ……ビックリした」フウ

コニー「なーんだ、俺はてっきりベルトルトが巨人なのかと思っちゃったぜ」

ベルトルト「え」

ライナー「コニー、そんなわけないだろう!なあベルトルト!」

ベルトルト「う……うん、そうだよコニー!」アセアセ

コニー「だよな、すまん!」

サシャ「なんでスープが飛んだら巨人なんですか?」

ライナー「(もう何も聞くなサシャ!)」

コニー「ん、まあいろいろな」モグモグ

サシャ「いろいろって何ですか!」

コニー「サシャ、はやくしねえとパン食うぞ」

サシャ「あー!ダメです!コニー!」モグモグ


ライナー「(このままだとまたベルトルトのパンが浮くはめに……)」

ライナー「ベルトルト、後で事情を話すからお前の飯を全部コニーにあげろ」

ベルトルト「ええ!?」

ライナー「……巨人っていうことがばれる危険があるんだ、頼む!」ヒソヒソ


・・・・・・・・・・・・・・

ベルトルト「それで、コニーが何で僕を巨人とか言ったの?」

ライナー「実は、厄介なことにコニーが魔法を覚えたらしいんだ……」

ベルトルト「……ああ、それってさっきトイレでいってたやつ?」

ライナー「ん?聞いてたのか?」

ベルトルト「あの時、実は僕洋式使ってたんだけど」

ベルトルト「ちょっと取り込んでたから恥ずかしくていないフリしてたんだ」

ライナー「ああ、だからか!お前コニーが魔法を唱えたのを聞いてたか?」

ベルトルト「うん、ちんちーんぷいぷいみたいなやつでしょ?」

ライナー「ちちんぷいぷい、な……」

ライナー「その魔法が、巨人が食べようとするものが空を飛び回る効果があるみたいなんだ」

ベルトルト「ああ!だから僕の食べようとしたものが飛び回ってたんだね」

ベルトルト「…………厄介だ」

ライナー「…………厄介だろ?」

ライナー「まあ原因がわかってよかった」

ライナー「やはりコニーの魔法はかけたときに一定範囲にいるやつにかかるんだな」

ベルトルト「つまり、近寄らなければいいんだね」

クリスタ「ライナー!」タッタッタ

ライナー「クリスタ?どうしたんだ?」

クリスタ「これ……さっき何も食べてなかったから……」ハイッ

ライナー「果物?」

クリスタ「食欲がなくても何か食べた方がいいと思って」

クリスタ「果物なら、さっぱりしてるから食べれるかなって思って」

ライナー「クリスタ……!」ウルウル

クリスタ「無理して食べなくていいから、食べれそうだったら食べて!」ニコッ

ライナー「何言ってるんだ、食べれるぞ!当たり前だ!」

ライナー「(クリスタが俺のために持ってきてくれたのに、食べれないわけないだろう!)」

ライナー「(それに今は腹がペコペコだ!!)」

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