モバP「渋谷凛との主従な関係」 (37)


俺は変態だ。

間違いない。それだけは確かだ。
担当しているアイドル…つまり、渋谷凛。
彼女とそういう関係になったのは、いつだろうか。

名は体を表すと言ったように、彼女の凛とした姿。

俺はその姿に惹かれ、彼女もまた、俺に好意を抱いていた。
見事にその願いは成就し、愛の形が形成された。
けれど…その形は、少しだけ、特殊だ。

俺の部屋、雑多なワンルームに置かれた大量のDVDに目をやる。

緊縛、束縛、SM、ご奉仕…俺が最も愛するジャンルだ。
俺はそれを…彼女と共有しているのだ。
ああ、彼女が待ち遠しい。

早く、夜のお散歩に行きたい。



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早朝の6時に起床した。

顔を洗い、髪型を整えた。
よし。これで清潔感はあるだろう。
さて、とりあえずは、朝食を作らなければ。

俺は、こんがりと狐色に焼けたトーストに口をつけた。

たっぷりとジャムを塗り、糖分を補給しておく。
その手元にはブラックコーヒーを置いて。
仕事中に眠くなってはならない。

俺は変態的な趣味を持っているが、仕事はきちんとしている。

それは社会人として当然のことだろう。
食器を片付けようと一歩を踏み出した。

足が何かを踏みつけてしまったようだった。
慌てて俺のコレクションを確認する。ああ、なんともない。
これが割れてしまっては、俺は性欲を抑えることができないではないか。

無論、神崎かおりのDVDだ。


朝から振り向きソフマップのおかげで、朝の生理現象が収まった。

彼女にはいつもお世話になっている。そして谷亮子にも。
ああ、貶しているのではない。感謝している。
彼女らはとても崇高な存在なのだ。

俺の無意味な性欲の発散を抑えてくれる。まさに女神のような存在だ。

皿に落ちたジャムが乾かないように、先にきちんと洗っておいた。
これで問題はないだろう。清潔感は大事にしなければ。
ああ、もう出社時間ではないか。急がねば。

俺はスーツに袖を通し、時計をはめ、バッグを持ち、家を出た。

忘れ物はないだろうか。ないはずだ。
俺は家に行ってきますを告げた。
行ってきます。神崎かおり。

返事はなかった。


凛は学校を終えてから来るだろう。

今日は平日だ。…ならば、夕方には来るだろうか。
俺は歩きながら、スマートフォンを操作した。
夜のお散歩、楽しみにしているから、と。

よし、これでいい。

携帯をしまい歩き出すと、すぐに着信音が鳴った。
差出人は渋谷凛。愛を感じられる。
メールはたった一言。

…変態。

その隣には可愛らしい顔文字が添えてある。
凛も丸くなったと、変態的なメールから想像した。
…女子高生のメールは、文面だけで興奮できるのだから。

俺は何気なくポケットに手を入れ、そっと位置を修正した。


よし。誰にも気付かれてはいないだろう。

俺のマグナム…違う、ポークビッツか。
見栄をはるべきではないと社長から教わった。
けれど、日本人の平均的な長さは超えているつもりだ。

ああ、朝のしっとりとした空気、木々の奏でる音。
小鳥のさえずり。わずかながらの生活音。
なんと心を癒してくれるのだろう。

想いを馳せていないと、俺は進化を抑えられなかった。
羽化が止まらない。決して被ってはいない。
アグモンが進化しているだけだ。

もうすぐ、事務所に着いてしまう。

…急いでこのグレイモンを沈めなければ。
俺は急いで社員証の裏にある写真を取り出した。
そこには、金メダルを持った彼女が、嬉しそうに微笑んでいた。

一気に萎んだ。


「おはようございます!」

俺はさわやかに挨拶をした。
事務所のどこからも返事が帰ってくる。
この素晴らしい職場を与えてくれた社長に感謝だ。

当然、彼女…凛と出会う機会を与えてくれたことにも、だ。

おかげで、俺は毎夜毎晩に渡り、お散歩にいくことができるのだ。
ああ、彼女の潤んだ瞳。紅潮した頬。震える手。
ウォーグレイモンになった。

だが、今の俺は誰にも止められない。
椅子に座っていれば不自然な膨らみも自然になる。
ホームセンターコーナンのチェアに多大な感謝を覚えていた。

さて、仕事をはじめよう。


昼休憩に入り、社長とちひろさんは昼食をとっていた。

このまま、残っている仕事を先に片付けてしまおうか。
夕方には凛が来る。そして夜にはお散歩だ。
俺のデスクの引き出しを開けた。

縄、鎖、首輪…あらゆるコレクションが揃っている。
たまに社長に貸出を行っていた。使い道は聞かない。

さて、今日はこの中のどれを使って楽しもうか。
俺はその事で頭がいっぱいだった。
凛。早く会いたい。

凛の方も慣れてきたのか、癖になっているのだろう。

お散歩をするぞ、と言った途端、口数が減るのだ。
そしてこくり、と頷き、準備をはじめる。
縄をつけ、首輪をつけ…ああ。

もうすぐ日が暮れる。


「おはよう…ございます」

事務所では常におはようだ。
そろそろ学生組も揃いつつある。

『おはよう、凛』

「………おはよう」

なんだか彼女の様子がおかしい。
まさか、もう、想像しているというのか。
なんということだ。それでは、変態ではないか。

そこまでSMに興味を持ってくれるとは嬉しいばかりだ。

今まで、語れる相手など、社長しかいなかったというのに。
素晴らしい。俺はその才能を開花させたというのだろうか。

「ねえ。今日も、本当に…その、するの?」

『当たり前だろ?今日も凛が恥ずかしがっているところ、みてるから』

「…もう。本当に変態なんだけど…わかった」

俺は女子高生になんという表情をさせているのか。
快感を覚えた。もうイっちゃったんですか。早くないですか。
ああ、ますます、夜が楽しみになってきた。もうすぐ、仕事が終わる頃だ。

また、夜が来る。


仕事を終えた俺と凛は、そのまま事務所を出て行った。

他のアイドルから、何の話をしているのか、と聞かれ、お散歩と答えた。
すぐに凛は頬を朱に染め、慌ててそれを否定した。
可愛いところが多くて困る。

今日、インターネットをしていると、渋谷凛についての書き込みがあった。
調べてみると、それは凛わんわんなるジャンルであった。
なんということだ。先を越されていた。

そのジャンルを発掘した者はひどく頭が冴えるのだろう。
確かに以前発売CDでも犬の鳴き真似をしていた。
そこからここまで発展させているとは。

もう既に外は薄暗く、街灯も光を放ち始めていたが、まだだ。

けれど、完全に暗くなってはいけない。
それでは、スリルが感じられないではないか。
見つかるかもしれない、という心理こそが大事なのだ。

俺はとある店に向かった。


アダルトグッズ専門店だった。

制服姿のままの凛と、リーマンの俺。
明らかに巡回中の警官が俺に声をかけるだろう。
そうなってしまわぬよう、細心の注意を払ってはいるが。

ここには、上質なものばかりしか陳列されていないのだ。

打ちっぱなしの壁のある階段を降りてすぐのドアをくぐる。
入って左がカウンター、右がSMグッズの陳列。奥はアダルトDVDだ。
左奥には多数のTENGAが置かれているが、凛はどうにもそれが気になるらしい。

俺は以前インテリアの一種として家に飾っていたことがある。気持ちはわかる。

「…プロデューサー。これ」

『首輪、か…新しいのが、欲しいのか』

「………」

「うん」

チョーカーというよりは、明らかに首輪だった。
しかし、凛からのおねだりだ。買わないわけにはいかない。
店員も俺たちの事に干渉しない。やはり、ここは一流の店と言える。

さて、奥へ行ってみよう。



暖簾の奥は既知の世界ではあったが、それでも非常に興奮する。

凛はあちらこちらに目をやり、すぐに頬を染め、視線の落ち着きどころがない。
それでも、いくつか気になったDVDのパッケージを眺め、困惑している。
上の棚には、紳士から淑女にまで対応している玩具があった。

わたしは留まることを知りませんよ、というように積極的に振動していた。

ふむ。そういえば、そのようなものを買ったことがない。
俺は迷わずピンクローターを手にとった。
なるほど。振動数も調節可。

科学の発展はめざましいものだ、と俺は感嘆した。

「プロデューサー…って、こういうのが好き、なんでしょ」

俺の趣味をぴたりと当てるかのようにご奉仕モノのDVDを持ってきていた。
そこに映る女性は頬を紅潮させ、喜んでいるようだった。
他にもSMモノをいくつか。さすがだった。

俺は捕まるのではないだろうか。


ひと通りの購入を終え、俺と凛は外へ歩き出した。

凛はそっと俺の服の裾をつかみ、後ろをついてきていた。
振り返って彼女の顔をみると、それはいやらしいものだった。

その瞳はたっぷりと潤んで、なんだか呼吸も荒いのだ。
もう、待ちきれないとでも言うかのように。
普段の凛からは想像もできない。

あの凛が、このような表情をするなんて。

だが、本番はまだ、これからだ。
その前に準備がある。早くしなければ。
もちろん、それは、お散歩の準備に決まっている。

予定していた公園のトイレに、凛と共に入り込んだ。


犬耳と、犬のしっぽをつけて散歩するだけならば、楽しくはない。

今日は趣向を変えると決めていたのだ。
何時の世でも慣れというものは恐ろしいと感じた。
トイレという密室に、衣擦れの音だけが響き、それが俺の興奮を煽る。

凛が恥ずかしくないように、明るいところでは俺は後ろを向いていた。
それでも、暗いところでは見えてしまうのだが。
気持ちの問題、だそうだ。

「えっと…もう、落ち着いたから…こっち向いて、いいよ」

俺は後ろを振り返った。凛の紅潮は目に見えてわかるほどだった。
それも無理はない。下着も何もかも、つけていないのだから。
単刀直入に明言するのならば、全裸だ。一糸纏わぬ姿だ。

「プロデューサー、私のバッグ、取って…」

声も震えている。俺の興奮も最高潮に達していた。
ああ、これから、こんな顔をしている凛とお散歩をするのだ。
どんな声で懇願するのだろう。もうダメ、帰ろう。バレちゃうから、と。

彼女は慣れた手つきで犬耳と犬の尻尾をつけた。
尻尾のささる先は、ああ…言うまでもないことだった。

俺は凛にピンクローターを手渡した。
なんだろう、と首をかしげていたので、教えた。
いくつか買っておいたので、それを乳首に張り付けていた。

2つを乳首に張り終えた凛は、最後の1つを股間に貼りつけた。


首輪もつけて、準備完了だ。

彼女は自らのネクタイで目隠しをした。
人通りも少ない公園だ。人の姿は見えない。
ただ、風に揺れる木々の音だけが聞こえている。

『じゃ、行こうか…凛』

「…うん」

俺たちは明るいトイレの周りを素早く出て、歩き出した。
俺からは彼女の顔が見えないが、さぞかし興奮しているだろう。
女子高生が夜のお散歩をしているのだ。見つかったら、ただでは済まない。

相変わらず、人の姿は見えない。

けれど、それなのに…俺はもう限界を超えて興奮していた。
これ以上は耐えられないというほどに、だ。
凛もそれを感じたのだろう。

「プロデューサー…いつもの、しよっか」

熱がこもった声で、彼女は呟く。
やっと彼女も、これに慣れてきたのだろう。
震える声で、けれど、熱のこもった声で、彼女は言った。










「おすわり」

                        おわり



以上です。ありがとうございました。
html化依頼を出させていただきます。

今度は上手く騙せるよう努力しようと思います。
一度趣向を変えてみては、と言われ髪ネタとこれを書きました。
次はそろそろ真面目な恋愛モノを書こうと思います。ありがとうございました。

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