次元「怪盗キッドって坊主が、俺達と同じお宝を狙ってるらしいぜ」(134)

銭形にフルボッコされる怪盗キッドください!!

ルパン「怪盗キッドぉ?んな名前聞いたこたねぇなぁ、なぁ五右衛門?」

五右衛門「拙者も知らん」

ルパン「んな?そんなしょーもない与太話、どっから強いれて来たんだよ次元」

次元「いやいやいや、何でもここ数年日本、それも一部の都市で話題になってるんだとよ」

ルパン「ほう?」

ワッフルワッフル!

次元「何でもそいつが初めて出たのが今から10年以上前って話だ」

次元「んで、ある時を境に忽然と足取りが掴めなくなってたんだが、最近になってひょっこり戻って来たんだとよ」

ルパン「はぁ?お前さんさっきガキとかいってなかったっけ?」

次元「ああ、見た目は恐らく10代かそこらのガキんちょらしい」

ルパン「今10代ってアータ、10年前なんて下手すりゃ鼻水タレタレのクソガキじゃねえか」

次元「ああ、だからこそ話題になったのさ」

いいぞもっとやれ

ルパン「ほう?」

次元「何でもその、10年以上前の奴さんとやりあってる警部ってのが今また担当してるらしくてな?」

ルパン「なるほどぉ?自分はすっかりめっきり老け込んだのに、怪盗のおぼっちゃんは若いまま、か」

ルパン「そーりゃあ尾鰭どころか胸ビレ背ビレまで広めたくなる話だなぁ」

次元「しかもそれだけじゃない」

ルパン「んだよ、まだあんのかよ」

次元「いやな?なんでもこの怪盗キッドって奴、盗みに入る前には必ず予告状を出すんだとよ…おい五右衛門、そこのビール取ってくれ」

ルパン「かーっ!予告状だぁあ?キザったらしいヤローだな!今時そんな事する奴なんて居てたまりますかってーの!」

次元「だもんで奴さん、警察の中じゃ『平成のアルセーヌルパン』なんて呼ぶ声もあるみてえだぜ?」

ルパン「なんだと?」

次元「どうよ?ルパン?ここらで一つその若造に先輩からガツーンとキツいお灸をかますってのはよ?」

ルパン「あーあーあー、丁度俺も腑煮えくりかえってジックリコトコト煮込み始めた所だ!やろうぜぇ次元、五右衛門!」


ルパン「あ、ありゃ?五右衛門?」

次元「あいつ何時の間に居なくなったんだ?まあいい、取りあえずルパン」

ルパン「おうよ!早速支度に取り掛かるか?」

次元「ビール取ってくれ」

~米花町 杯戸シティホテル~

小五郎「なるほど…つまりあなたはこの名探偵毛利小五郎に、明後日の朝まで護衛を依頼したいという事ですな?美しいお嬢さん」

不二子「第一秘書の不二峰子ですわ、毛利さん」

小五郎「いやぁあはははは!大船に乗った気持ちでお任せください!」

小五郎「この毛利小五郎!貴女の様な美しい女性を困らせる悪党は徹底的に叩きのめしてみせますよ!グハハハハハ!」

不二子「あら…とても心強い事、ウフフ」

蘭「もう…お父さんったら」

コナン「たはは…」(ったくこのオッサンは…)

小五郎「いやしかし、護衛と仰いますが肝心の御本人はどちらに?」

峰子「ああ、先生でしたら少し到着が遅くなると先程連絡が」

小五郎「成る程成る程。いやあ、先生ほどご高名なお方なら寧ろ時間の方が先生のご予定に合わせるべきですもんなぁ!」


蘭「ねえお父さん、私達はどうしたらいい?」

小五郎「あぁん?、お前らまだ居たのか?良い子はさっさと帰って寝る時間だぞ?」

蘭「あー!なにそれひどーい!」

コナン(ったく、よく言うぜこのヒゲおやじ…)

コナン(依頼人が女の人だったからってめかしこんでタクシーに載ったはいいけど、財布忘れて蘭に届けさせたのは何処の誰だよバーロー…)

不二子「あの…」

コナン「ん?」(この人…)

不二子「この様子だと先生の御帰りもいつになるか分かりませんし、もし宜しければお部屋の御用意をさせて頂きますが」

蘭「え?本当ですか!?あ、でもそんなの悪いですよ…」

小五郎「そーそー!こいつら体力だけはあるんで、何なら歩いてでも帰れますって!」

小五郎「それより峰子さん…いかがですか?先生がお戻りになるまで最上階のバーで大人の会話をつまみにお酒でもぐはん!?」

蘭「ったく…お母さんに言いつけるわよ!?」

不二子「す、素晴らしい側頭蹴りですね…」

コナン(…今日は白か)

~同時刻 ルパン~

ルパン「よっし、後はこいつをこうして…」

次元「おうルパン、頼まれてたもん持って来たぞ」

ルパン「お、さーんきゅー次元、ちょっとそこにでも置いといてちょー」

次元「はいはい…ん?パソコンなんか開いて何してんだ?ルパン」

ルパン「いんやぁ?大した事じゃないのよ?ただちょっと、お仕事を上手く行かせる為のおまじない?」

次元「はっ、天下のルパン三世様ともあろうお方が、とうとう神様にまで頼る様になっちまったか」

ルパン「馬鹿な事言っちゃいけねえよ?俺はこう見えてとーっても信心深いの」

次元「はいはい」

ルパン「そーいやよー次元ー」

次元「なんだよ」

ルパン「五右衛門と連絡とれねーんだけど、何か聞いてないか?」

次元「いや?何も?」

ルパン「そっか…いやな?こないだお前さんがこの話を持って来てからどーも音沙汰が無いのよアイツ」

次元「ほぅ…?」

ルパン「まああいつが修行だなんだ堅っ苦しい事ウダウダ言って参加しないのは今に始まった事じゃねーんだけんどもよ?」

次元「歯切れが悪いなルパン」

ルパン「ん?いやー特に深い意味はねえよ?」
()
ルパン「ただ、今回の作戦は事によっちゃ五右衛門抜きで考えねーといけねーかもなーって話だ」

次元「おい、まさかそれって」

ルパン「深い意味はない、わかったな?」

次元「あ、ああ」

ルパン「よし…策は流々、後は仕上げをご覧じろ…ってか?」

次元「お、終わったか?」

ルパン「ああ、これで神様も助けてくれるでしょーよ、きっと」

次元「結局五右衛門のヤロー来なかったな…」

ルパン「んまぁ、昔みたいに二人だけってのも悪かぁないんでない?」

次元「まあな」

ルパン「さてさて、次元が持ってきてくれたのはっと…」

ルパン「ふむふむ?これはドイツの記事だな?『日本を騒がせている平成のルパン、時価2億のサファイア盗む』…てやんでぃばっきゃろちっくしょー、平成のルパンはこの俺様だってんだ!」

ルパン「ふぅ…ふぅ…こっちは日本のかか…」

ルパン「んでぇ、日本だと何件か、盗むの失敗してやがんじゃねーの!だっせー!」

次元「いやそれがよ、ルパン」

ルパン「あん?」

次元「あれから仕入れた情報だと、どうも奴さんにはお目当ての宝石があるらしいんだ」

ルパン「お目当ての宝石だぁ?」

次元「おう。詳しい事ぁ分からんが、そのお目当ての宝石じゃなかった場合、大体後になって持ち主に送り返したりしてるらしい」

ルパン「ケッ!なんでーなんでー!キザな奴!!」

ワッフルワッフルワッフルワッフル!

次元「だから奴にしてみりゃ、本物の宝石以外は盗もうが盗むまいがどうでもいいってこったな」

ルパン「チッ、ますます気に食わねえガキだなこいつ」

次元「それよりルパン、時間の方はまだいいのか?」

ルパン「ん?ああ、心配ねぇよ」

ルパン「そろそろ銭形のとっつぁんも到着する頃でしょーよ」

次元「なに!?」

~杯戸ホテル~

小五郎「うぅ…英理ぃ………はっ!」

蘭「あ、お父さん気が付いた?今ルームサービス届いたよー」

小五郎「つー…つつ…あれ?ここは…」

コナン「峰子さんが取ってくれた部屋だよ。峰子さん達の部屋の隣が丁度空いてたんだ」

蘭「お父さんどれがいい?好きな方選んでいいよ」

小五郎「あ、ああ…なーんかこめかみがズキズキするんだが…」

小五郎「それに倒れる前の記憶が曖昧というか…」
()
コナン(はは…そりゃあんだけクリティカルヒットすりゃな…)

蘭「やーねーお父さん、滑って転んでテーブルに頭ぶつけたの覚えてないの?」

コナン小五郎「テーブル!?」

蘭「そうよー?おかげでこっちは運ぶのに大変だったんだからね?」

小五郎「お、おう…そりゃすまん…?」

コナン「ははは…」(何も言うまい…)

小五郎「んかー!やっぱスイートルームだと運ばれてくる飯のレベルも違うなー!」

蘭「美味しいよねー!コナン君も沢山食べなね?」

コナン「う、うん」

ppppp

小五郎「んだあ?誰だこんな時に電話なんて…目暮警部?」pi

目暮「ああ、毛利君かね?今大丈夫か?」

小五郎「は、目暮警部。実は今護衛の仕事中でありまして…」


目暮「ああ、ああ、それは分かってる」

小五郎「は?分かってる、と申されますと?」
コンコン
蘭「あら?誰かしら?はーい」

目暮「いや実はな?」

ガチャ


銭形「ICPOの銭形です!ルパン逮捕にご協力を!!」

小五郎「は?あ?あぁ?」

目暮「ああ、どうやら到着したみたいだな…詳しくはそちらで聞いてくれ」ガチャ

小五郎「え?いやちょっと!?目暮警部!?」ツーツーツー

小五郎「…クソっ!」

蘭「あ、あの…どちら様ですか?」

銭形「おおっと?これはお嬢さん、ご挨拶が遅れました」

銭形「私、ICPOの銭形です。ルパン逮捕にご協力を!」

蘭「それはさっき聞きました…」

銭形「実は…」

小五郎「ほほう…あのルパン三世が…」

銭形「奴を追ってはやン十年…この銭形幸一、そろそろここらでルパンを捕まえたいっ!」

小五郎「いやまあ銭形さん、取り敢えず落ち着いて…」

銭形「しかし毛利さんでしたかな?あなたはどうしてこちらの護衛を?」

毛利「ふふふ…こちらにも予告状が届いたんですよ」

銭形「なぬ?ルパンからですか!」

毛利「いや、こちらのはルパンではなく…」

銭形「怪盗…キッド?」

コナン(怪盗キッド…)

コナン(あのキザったらしい顔、思い出すだけで腹が立つ…)

コナン(意識の無い蘭を着替えさせた事もありやがるし…)

コナン(しかも何だぁ?言うに事欠いてあのセリフ…)

コナン(怪盗はあざやかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが?)

コナン(探偵はその跡を見て難癖つけるただの批評家に過ぎねーんだぜ?(ドヤ)だぁ?)

コナン「あー殺してぇ」

蘭「こ、コナン君!?」

コナンやさぐれてんな

コナン「え?どうしたの?蘭ねーちゃん?」

蘭「え?いや、今何か不穏な言葉がコナン君から…え?」

銭形「成る程…」

小五郎「つまり、今回は偶然にも、二人のコソ泥から同時に犯行予告が出ている訳ですな?」

銭形「ええ、しかもルパンの奴はおそらくそのキッドとやらに対抗したのでしょうな」

小五郎「ほぅ?それはまたどうして?」

銭形「今回奴が予告状を出した時間ですよ。そちらのキッドからの予告状が発見されたのはいつですか?」


小五郎「は、依頼人の話だと今週の頭…つまり少なくとも4日前には届いていた事になりますが」

銭形「ルパンから予告状があったのは昨夜です」

小五郎「昨夜?これまた随分と急な話ですな?」

銭形「ええ、今まで基本的に奴は犯行に及ぶ数日前には予告状を出しています」

銭形「それに、予告状の文面、こちらですが」

「明日中に月下美人の涙を先に戴きに参上します ルパン三世」

小五郎「先に…ですか…まるで誰かと競ってでもいるかの様な書き方ですな」

銭形「ええ、ですから恐らく、ルパンはその怪盗キッドとやらと対決するつもりのんじゃあないかと」

小五郎「ほう…これは面白くなってきましたな…」

銭形「ええ…我がICPOが誇るこの私と」

小五郎「眠りの小五郎として名を馳せているこの私が組めば」

二人「一網打尽にするチャンス!!」

銭形(ぐふふ…待っとれよルパン…今こそ白黒はっきりさせてやるからな…)

小五郎(ぐふふ…キッドだけでなくルパンも捕まえたとなればきっと峰子さんは…)

二人「よっしゃー!やるぞー!!」


不二子「…ふふ」

すまんちと休憩

pi
不二子「…もしもし?…ええ、ええ」

不二子「ご安心を、今銭形が来て毛利さんと手を組んだ所ですわ」

不二子「え?…ふふ…わかってるわよ…あなたこそ、約束、忘れないでよね?」

不二子「ふふ…それならいいのよ…じゃあ切るわね…」



キッド(今回の宝石…ビッグジュエルである可能性は恐らく高い…)

キッド(親父…)

キッド(見ててくれよ…)

~ルパンサイド~

ルパン「ぬーほほほほっ!これかー!杯戸ホテルってのは!」

次元「おいルパン、さっきの話は本気なのか?」

ルパン「ああん?さっきの話だぁ?」

次元「わざわざ銭形のとっつぁん宛に予告状を送ったって話だよ」

ルパン「ああ、あれね?マジよ?マジ」

次元「ったく…そうやって無駄にとっつぁんからかって遊んでたら、そのうちストレスでぽっくり逝っちまうぞとっつぁん」

ルパン「まあまあ、そん時ゃ墓前の前でタマネギ無しで泣く位はするって」

次元「ったくこいつは…」

ルパン「お、ここだな?」

次元「この宿が取り敢えずの待機地点か?」

ルパン「そーそ、ターゲットのど真ん前だから何時でも覗き放題よ?」

次元「んで?いつ盗るんだ?」

ルパン「そう慌てなさんなって…実は今回の持ち主はもう捕まえてあんのよね」

次元「…は?」

ルパン「いやさ?だーって奴さん、何を考えてるのか今日の予定終わったら一人でぷらーっぷら歓楽街まで足伸ばしやーってさ?」

ルパン「んで、ちょちょいっと捕まえたはいいものの、肝心のお宝は秘書に預けてあるーなんて言い出しやがったもんだからあのやろー」
()
次元「お、おい!まさか殺したのか!?」

ルパン「…まっさかー?赤ジャケットに変えてから殺しは殆どしてないぜ?おりゃあ」

次元「赤ジャケット…?ま、まぁ、それならいいが…」

ルパン「まあそんで、だ」

次元「お、おう」

ルパン「取り敢えず動くのは夜だ。だからそれまで寝る」

次元「は?」

ルパン「どーせ次元は寝ないんだろ?5時間したら起こしてねー」

次元「おま、ちょ」

次元「…たく…マジで寝やがった」

次元「…しょうがねえな」

あれ?ID変わった

ああ、びっくりした

~杯戸ホテル~

小五郎「しかし遅いですな…」

不二子「ええ…そろそろ連絡なりが来てもおかしくは無いんですが…」

銭形「まったくルパンの奴…何しておるんだ…」

不二子小五郎「え?」
()
不二子「その、今は先生の話をしているんですが…」

銭形「へ?ああ、いや、そうでしたな!遅いですな!ははは!」

小五郎「はぁ…」

不二子「兎に角、先生に何があったのかも知れません。私ちょっと様子を見て来ます!」

次元「おい、ルパン!」

ルパン「んーむにゃむにゃ…ふーじこちゃーん…」

次元「ったくこいつは…起きろ!」

ルパン「うわぁなんだなんだなんだ!?」

次元「時間にはまだ早いが動いたぞ」

ルパン「あらぁ?気が早い事」

次元「女が一人部屋から出て行った、例の宝石も持っていったな」

ルパン「どれどれ?双眼鏡貸してみそ?」

ルパン「あららぁ?後ろからとっつぁんともう一人尾行してんなぁ」

次元「あれは確か毛利とかいう探偵だぜ?」

ルパン「探偵ぃ?そんなもんがなーんでとっつぁんと一緒にいんだよぉ?」

次元「知らん」

次元「貸してくれ」

ルパン「あいよ」

次元「…なあ、ルパン」

ルパン「あいよ?」

次元「銭形のとっつぁんが持ってる棒っきれはなんだ?あれ」

ルパン「さぁーね?」

ルパン「さて、そろそろ行きますか?」

次元「漸く本気になったか」

ルパン「馬鹿いってんじゃないよ?俺は何時でも本気よー?」

次元「はいはい」

ルパン「んじゃま、行きますか!乗れ次元!」

次元「おう!」

ブロロロッ
ルパン「なあ次元よ」

次元「なんだ?」

ルパン「お前酒弱くなった?」

次元「は?」

ルパン「いやよ?こないだお前にビール取ったじゃん?」

ルパン「そん時お前、一口飲んで捨ててたしじゃんよ」

次元「ああ、あん時か…酒飲んでる気分じゃなかったんだよ」

ルパン「ほー?お前からビール取ってくれって頼んだのに?」

次元「俺にだってそういう気分の時位あるんだよ…」

ルパン「んまぁ、そりゃそーだぁ?俺だってひでぇ二日酔いの時は迎え酒するのも嫌んなっちまう時もあるかんな」

次元「それよりルパン、あいつさっきの女じゃねーか?」

ルパン「…ああ、さっきの女、だな」

次元「建物に入るぞ?追うか?」

ルパン「いや、裏口から入る!」

次元「裏口?」

ルパン「不二子は今尾行されている!下手に追うとマズい!」

休憩

すまん眠い

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月02日 (土) 06:43:32   ID: udN9tJfl

くそ

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