男「アイドルの巴マミと同じクラスなんだけど…」 (1000)

男「だったら土下座してもらおうか!」

杏子「あぁ!?」

男「これは俺が幼少期から持っていた大事なカブトムシだ。暴力女によこせと言われてはいどうぞと渡せる物じゃないんでなww」

男「欲しければそれなりの誠意を見せてもらわないとな。ギャハハハ!」

杏子「……っ。くそっ!」

男「どうした、やるなら早くやって見せろ! 俺は別にこのまま帰っても何も困らないんだぜ!?」

男「早く俺に噂に聞く土下座っていうこの上なく情けない姿勢を見せてくれよwwwwww」

杏子「……」

男「ド!ゲ!ザ! あそっれ ド!ゲ!ザ!」

杏子「……わかった」

男「お、やる気になったかww」

杏子「お前にとって大事なモンだっていうなら無理にとは言わねぇ」

杏子「行けよ……ここに居ると多分巻き込まれるからさ」

男「何!?」

杏子「さっき言っただろ。ソウルジェムが濁った魔法少女は魔女になるって」

男「↓2」


1.はい! さようなら!
2.ふっ、お前の覚悟、見せてもらったぜ……。
3.死ぬ前にレイプしてやる!

男「ふっ、お前の覚悟、見せてもらったぜ……」

男「こいつはくれてやる。受け取りな」シュッ

杏子「? ……いいのかよ」

男「もし命惜しさにみっともなく土下座をしていたなら、俺は君の事を躊躇なく見殺しにしていただろう」

男「しかし杏子ちゃんはそうはしなかった。命よりも人としての矜持を取る……そういう誇り高い人間が好きなんだ」

杏子「別に誇りでそうしたわけじゃねえし」

杏子「ま……グリーフシードはありがたくもらっとくけどな……」

カチッ シュウゥゥゥ……

杏子「……また、命拾いしたな……」

男「また?」

杏子「この街に来る前にちょっとな」

男「よくわからんけどどうせ倒したと思った魔女が反撃してきて殺されかけたけどゆまちゃんに助けてもらったとかだろ?」

男「偉そうにしてるけど意外と弱いんだな、杏子ちゃんは。ははは」

杏子「うるせえ!」ゲシッ

男「痛い!」

男「それより早く巴さんのところに戻ろう。早くしないと飯を作ってもらえないかもしれないぞ」

杏子「……」

杏子「いや……アタシはあいつらのところには戻らない」

男「おいおい、家出した厨房じゃないんだぞ。数少ない仲間なのに絶縁でもする気か? 意地を張っても何にもならないぞ」

杏子「うるせえ、お前には関係ねーだろ……」

男「まさか俺の家に泊まる気じゃないだろうな」

杏子「ねーよ馬鹿」

男「しょうがないな……せめて口でくらいはしてもらえるんだろうな?」

杏子「行かないっつってんだろ!」

男「じゃあどうするんだよ!?」

杏子「だからお前には関係ないだろ!」

男「↓2!!!」

男「関係ない訳がないだろ!」

杏子「うわっ!? いきなり大声出すな!」

男「俺達は今日まで助け合ってきた仲間だろ!」

杏子「仲間じゃねーし。いつ助け合ったんだよ……」

男「さっきカブトムシあげただろ」

杏子「それくらいで仲間面すんなよ」

男「助けてもらっておいてその発言とはどういう神経してるんだ?」

杏子「うるせえし。知ったこっちゃない」

男「うるせえうるせえってそれしか言えないのか? そういえば俺は杏子ちゃんを助けたけど杏子ちゃんが俺を助けた事は一度もないな」

杏子「なんでアタシがお前を助けなきゃいけないんだよ」

男「なんて奴だ。杏子ちゃんは盗みもやるし暴力も振るう上に恩知らずの人間のクズだ。こんな奴助けるんじゃなかった」

杏子「はいはい。で、言いたい事はそれだけか?」

男「↓2!!!」

男「ゆまちゃんを泣かせるのか!!!」

杏子「うるせえ!」バキッ

男「おぎゃ!」ドテッ

杏子「ゆまは……アタシが居なくても平気だろ? あいつ、マミの方がいいって言ってたじゃねーか……」

男「確かに……こんな礼儀も何も無い、よわっちい癖に凶暴な糞女よりも強くて優しい巴さんといた方がいいに決まってるからな……」

男「……」ササッ

男(俺は飛んでくるであろう杏子ちゃんの鉄拳に備えて防御の姿勢を取った)

杏子「……

男「……」

杏子「……」

男「な、何とか言ったらどうなんだ?」

杏子「……いや、お前のいう通りだからさ」

男「な、何?」

杏子「だからさ……アタシなんかといるよりも、マミのやつと一緒にいた方がいいんだよあいつは」

男「↓2」

男「それでいいのか」

杏子「いいに決まってるだろ? あいつ自身がそう言ってるんだ」

男「そうじゃない……! 俺が聞きたいのは杏子ちゃんの気持ちだ! 杏子ちゃんはそれでいいのか聞いてるんだ!」

杏子「……!」

男「ゆまちゃんの存在は杏子ちゃんにとって一体なんなんだ?」

男「二人はそんな風に、簡単に切り捨てられるような関係だったのか? 俺にはそうは見えなかったぞ!」

杏子「だけど、あいつが……!」

男「ゆまちゃんは子供なんだ! 馬鹿で、無責任なんだよ! 相手がどう思うかも、自分の言葉がもたらす結果も何も考えずに喋る事だってある!」

男「それをうまくフォローしてやるのは俺達年長者の役目じゃないのかよ!?」

杏子「っ!」

男「杏子ちゃんがいなくなって、あの子が本当に平気でいられると思っているのか?」

男「本当にこのまま彼女の元を去っているつもりなのかよ……! だとしたら俺は、杏子ちゃんの事を心底軽蔑するぜ!」

杏子「……だ、だったら、どうしろっていうんだよ!? ノコノコとマミのところに帰れっていうのか!」

男「……きっと今頃、ゆまちゃんは自分が杏子ちゃんを傷つけた事を悔やんで落ち込んでいるはずだ……」

男「まずはその姿を見て、それから自分がどうしたいのかよく考えて決めればいい」

杏子「……」

男(俺達はマミさんのマンションへと向かった。そして窓からこっそり覗いた先にあった光景は……)



ゆま「おいっしーーー!! やっぱりマミおねえちゃんってお料理じょうずだね!!」

マミ「うふふ、ありがとう」

ゆま「おねえちゃん、おかわりしてもいいかな!」

マミ「えーと、ハンバーグはもうないからカレーだけでもいいかしら?」

ゆま「えー?? ハンバーグそこにあるよ?」

マミ「これは佐倉さんの分だから……」

ゆま「キョーコはたぶん今日は帰ってこないよぉ。ねねね、いいでしょ? わたしマミおねえちゃんのお料理もっとたべたいなぁ」

マミ「う、うーん……」

ゆま「キョーコがもしかえってきたら、最初からなかったことにすればいいんだよ。ねー、おねがいマミおねえちゃん……」

マミ「仕方ないわねえ……佐倉さんには内緒よ?」

ゆま「やったー!」



杏子「……」

男「さて帰るか」

杏子「……おい、ゆまがアタシがいなくてどうしてるって?」

男「まあ子供はあんなもんだろう……」

杏子「ちくしょう……」

男(杏子ちゃんはマジへこみしている……)

男「↓2」

男「ハンバーグなら俺の得意料理だから作ろうか?」

杏子「あ? ……あー……」

男「よし、買い物行くか。杏子ちゃんは先に俺の家に戻っててくれ」

杏子「あー……」



男「ただいま、うまく肉が4割引になったところを買えたぞ」

杏子「……」

男「今日はもう遅いから、今からカレーは難しいけど……ハンバーグは好きなだけ食えるように作ってやるからな!」

杏子「おー……」

男「……なんだ、まだ落ち込んでるのか!?」

男「↓2!」

男「そして俺はおちんこ出ます」ボロン

男「会心のギャグだが……どうだ!?」ブルンブルン ペチペチ

杏子「……はぁ」

杏子「飯作る前にちゃんと手洗えよ……」ゴロン

ピッ 続いてのニュースです―――

男「……」ブルンブルン ペチペチ

男「うっ」ドピュ



男「出来たぞ、食え」

杏子「ああ」

杏子「……」カチャカチャ モグモグ

杏子「あちち……はふはふ」

杏子「なんだ、料理できたんだな」

男「まあ一人暮らしだからな。簡単な料理くらい出来ないとな」

杏子「ふうん……」モグモグ

男「……」モグモグ

杏子「おい」

男「ん?」

杏子「おかわり」

男「え、もう食ったのか」

杏子「腹いっぱい食わせてくれるんだろ。早くしろよな」

男「↓2」

男「次はもっとゆっくりかんで食えよ」

杏子「おー」

男「ほら」コトッ

杏子「……」モグモグ

男「スープも用意しようか?」

杏子「おー」

男「ちょっと待ってろ」

杏子「あ、溶き卵も入れてくれ」

男「わかった」

男(俺は杏子ちゃんに↓2味のスープを振舞った)

今日はここまでです。ありがとうございました。

男「コンソメスープお待ち」コトッ

杏子「お、早いじゃん」

男「早さなら誰にも負けない自信があるんだ」

杏子「ふーん」ズズズ



杏子「ごちそうさん。思ったより悪くなかったよ」

男「そうか。ところで……」

男「↓2」


1.ちょっと臭いから風呂に入れよ
2.巴さんのところに戻らないならこれからどうするんだ?
3.食器は自分で片付けろよ

男(さっきからちょっと臭うんだよな……)

男(風呂に入るように勧めてみるか。だけど言い方に気をつけないとまた殴られそうだ)

杏子「? なんだよ」

男「いや、えっとな……」

男「↓2」


1.さっきからずっと臭いんだよ! この悪臭女、早く風呂に行け!!
2.言いにくいけどちょっと臭うぞ。風呂貸してやるから入れよ。
3.その……よかったら風呂に入らないか? 留置場暮らしで疲れてるだろ?

男「言いにくい事なんだけどさぁ……」

杏子「だからなんだよ」

男「怒らないで聞いてくれるかな?」

杏子「いいから早く言えって。聞かないと怒るかどうかなんてわからないだろ」

男「さっきここに来たときからちょっと臭うぞ」

杏子「んなっ!?」クンクン

杏子「……い、いや、気のせいだろ?」

男「いや、服じゃなくてな? ぶっちゃけ臭いのは杏子ちゃん自身だと思うわけよ」

男「風呂貸してやるから入れよ」

杏子「……」

男「ん、どうした、顔真っ赤だぞ」

杏子「う、うるせえ!」バキッ

男「おぎゃ!」ドテッ

男(結局殴られた……というかどう言っても殴られていた気がする)

男「杏子ちゃんは風呂に行ったか。さて……」

男(幼馴染の家からパクってきた服の中に、お古のウチの中学の制服も混ざっていた)

男「下着もあるし、とりあえずこれを着てもらうとしよう。おーい! 着替えここに置いとくぞ!」

『あ、ああ。わかったよ』

男「よし、杏子ちゃんが風呂から出てくるまでの間何をしようかな?」

↓2

男「汚物は洗濯しないといけないよな」

男(俺は杏子ちゃんの服と下着が入ったカゴを持って脱衣所を後にした)

男「さて、まずはパンツを洗うぞ。特に汚れている部分にはプレケアが必要なので、匂いを嗅いで重点的に洗う場所を確かめよう」クンクン

男「……ふむ」クンクン

男「うーん……」クンクン

男「どうかな?」クンクン

男「……よし、これは要プレケアだな」ヌリヌリ

男「次はブラ……あれ?」

男「ブラがないぞ。どこいった?」ゴソゴソ

男「あ、あれ? 本当にどこだ? カゴの中のどこにもないぞ!」

男「ま、まさか……」

↓2


1.盗まれた?
2.ノーブラで過ごしてる?
3.金欲しさに売った?

男「まさかノーブラで過ごしてるんじゃ……」ゴクリ

男「もしそうだとすると、普段の杏子ちゃんのあの格好がいやらしいものに思えてきたぞ……」

男「はぁ……はぁ……」

男「せ、洗濯機は適当に回してオナニーしに行こう」ピピッ

ドドドドドドッ

男「はぁはぁ……」シコシコ

男「杏子ちゃん……パーカー脱いだら乳首が浮いているよぉ……?」シコシコ

男「……うっ!」ドピュ

男「ふぅ……」

『……制服!? おい、着替えってこれのことかよ!』

男「丁度杏子ちゃんが風呂から出たようだ」

『おい! 聞こえてんのかよ!』ドンドン

男「そうだ。杏子ちゃんが着られるのはそれしかないんだ、我慢してくれ」

『じゃあさっきまで着てた服でいいだろ! どこやったんだよ!』

男「あれは洗濯した」

『はぁ!? 勝手な事すんなよ馬鹿!!』

男「どうせ臭くて着られないんだしいいだろ別に……それよりさっさと服着ろよ」

『……チッ!』



ガラガラッ

杏子「人の服勝手に洗濯なんて普通しねーだろ……」ブツブツ

男「↓2!」

1.似合ってるよ!
2.乳首浮いてるよ!

男「ちゃんとブラジャーつけたか?」

杏子「はぁ? あ、当たり前だろ! 馬鹿じゃねーの!」

男「でも乳首浮いてるよ! だめじゃないか、ちゃんと着けないと!」

杏子「う、嘘つけ! そんなわけないだろ!」

男「……じゃあちょっと上着の前を開いて見せてくれよ。本当に乳首が浮いてないなら別に恥ずかしくないはずだよな?」

杏子「……お断りだね。お前の目つきがなんとなく嫌だ」

男「ふーん……」

杏子「……」

男「まあ着けてる事にしておいてやるか」

杏子「うっぜえ……」

すみません、今日はここまでにします。
また明日来ます

男「じゃあ次は俺が入るから」

杏子「おい、アタシの服は今洗濯機の中にあるのか?」

男「そうだが?」

杏子「乾燥機能はないのかよ」

男「あるかそんなもん。ベランダ干しに決まってるだろ」

杏子「……自分で干すから、お前はもう触んな」

男「プッ。なんだ、一丁前に恥ずかしがってるのかよw 杏子ちゃんのパンツになんて誰も欲情しないだろwww」

杏子「ふっ!」バシーン

男「おぼぉっ」ドテッ

男「ロ、ローリングソバットだと……」

杏子「触んなよ!」



男「ふう、全く……世話してやってるのにあの態度はなんとかならないのか?」

男「……このお湯、さっきまで杏子ちゃんが浸かってたんだよな……」

↓2


1.ちょっと飲んでみる
2.病気になりそうなのでやめる
3.杏子ちゃんの中に全身包まれる

男「ここは上級者向けの楽しみ方をするか」

男「ストローを持って杏子ちゃん汁の中に頭まで浸かって胎児ごっこだ!」

男「ああ……杏子ちゃんの中、あったかいナリィ……」ザバザバ



杏子「……なんだ、顔真っ赤じゃねえか。熱い風呂が好きなのか?」

男「うん、そうだよママ」

杏子「き、気持ち悪い呼び方すんな!」

ピンポーン

男「ん? こんな時間に客か」

ガラッ

男「はいどちらさん?」

ショウ「おう、俺だ」

男「なんだショウさんか」

ショウ「ちょっと入るぞ」

男「↓2!」

男「待ってくれ。今DG細胞が増殖して大変な事になってるんだ!」

ショウ「Gガンダムはガンダムじゃねーから。上がるぞ」



杏子「……げ!」

ショウ「……ん? なんでこの子がここにいるんだ」

杏子「て、てめえ……! アタシをコイツに引き渡そうとしてここに呼んだのかよ! 騙したな!」グイッ

男「ご、誤解だ! やめろ、離せ!」

杏子「くそっ、今度はただじゃやられねーぞ!」

ショウ「まあいいや、引き取りに行く手間が省けたわ」

ショウ「おい、一昨日言った事についてこれからゆっくり話し合おうぜ」

男「一昨日? ……警察署で何かあったのか」

杏子「し、知らねーよ! こいつが突然わけわかんねー事言い出して……!」

ショウ「わけわからんって……お前の父親がやった事だぞ?」

杏子「そんな与太話信じるかよ! バッカじゃねーの!?」

男「なんだなんだ。話が見えないぞ」

杏子「……アタシの親父がこいつから借金してたって! そんなワケねーだろ! 親父を馬鹿にすんなよ!」

ショウ「いや、借用書もちゃんと見せただろ……」

杏子「うるせえ、この詐欺野郎!」

ショウ「詐欺って……俺は法に触れる事をした事は一度もないぞ? 善良な一市民だって」

ショウ「お前には親の借金を返す義務があるんだよ。借金踏み倒す方がよっぽどの悪党だろうが」

杏子「うるさいんだよ! 誰が信じるか、馬鹿!」

ショウ「……おい、男。なんとか言い聞かせろよ」

男「相続放ショウ「いや、やっぱり黙ってろ」

男「ちょっとその借用書見せてくれ」

ショウ「ああ」

男「……400万? 何に使ったんだ、こんなに」

ショウ「知らねーよ」

杏子「やっぱりデタラメだろ! 400万もあったら、アタシ達家族は食うのにも困るあんな生活なんてしてなかったはずだ!」

男「いや、でも……これって手書きだろ? この署名って杏子ちゃんの父親のとは違うのか?」

杏子「見せてみろ!」パシッ

杏子「……確かに親父の字だけど……」

ショウ「だろ?」

杏子「で、でも! 親父がこんな金持ってた事なんて一度も……」

ショウ「だから使い道なんて俺は知らねーよ。娘に隠れてなんかやってたんだろ? 貸した事実だけ見ろよ、なんのために書面にしたんだよ」

杏子「……」

ショウ「返せよな、400万」

男「……ショウさん」

ショウ「なんだよ」

男「ショウさんはなんで杏子ちゃんの父親に400万も貸したんだ?」

ショウ「俺は金融もやってるんだよ。お前も知ってるだろ」

男「でもこの借用書には利息が書かれてないじゃないか」

男「それに、食うのにも困ってるような宗教家がこんな大金を都合できるとも思えない。あんたは帰ってこないかも知れない借金を許す人じゃないはずだ」

男「何かワケありなんだろ?」

ショウ「……無駄に知恵が回るようになりやがって」

男「……詐欺、なんだな?」

ショウ「いや、ちげーし。確かに貸したわボケ」



ショウ「ふう……確かにこの案件には俺と佐倉神父が交わした口約束が絡んでいる」

杏子「な、なんだよその約束って」

ショウ「それは……約束した本人が死んでるんだからもう無効だ。忘れろ」

杏子「か、隠すって言う事はこっちに有利な条件なんだろ!? 言えよ!」

ショウ「いや、そういうわけでもないんだけどな……」

男「まあまあ。このままじゃ杏子ちゃんが納得できなさそうだし、言うだけ言ってやればどうだ?」

杏子「そうだ、聞かせてみろよ!」

ショウ「……そうか?」

ショウ「いい機会だし、それなら言うけどな……」

ショウ「5年以内に金を完済出来なかったら、貸した金と引き換えに二人いる娘の内どちらかを俺の息子の嫁に貰うって約束だよ」

杏子「な……!?」

男「ショウさん息子なんていたのか!?」

ショウ「息子っていうのは男の事だ」

杏子「に……!?」

男「え! 俺の親って海外で働いてるんじゃなかったのか!?」

ショウ「あれは嘘だよ」

男「な、なんでそんな嘘を……!?」

ショウ「……だって、お前みたいな奴が息子だったら恥だろ」

ショウ「それでも放置するわけにはいかないから、お前みたいなキチガイでも結婚出来るようにお膳立てしてやったんだよ」

杏子「ふ、ふざけんじゃねーーー!! そんなの無効だ! 誰がこんな奴と……!」

ショウ「だから無効だって言っただろ!? あの時は俺も若かったから、これでもよかれと思ってやってたんだよ!」

男「↓2!!」

今日はここまでです。ありがとうございました。

男「俺にも選ぶ権利くらいはあるんだぞ! こんな犯罪者の暴力女なんかと結婚なんて冗談じゃない!!」

杏子「はぁ!? アタシだってお前なんか願い下げだっての!」

ショウ「わかったから落ち着けって……! お互い嫌なんだから揉める必要なんてないだろ?」

ショウ「それに最初っから無効だって言ってるんだからよ。この話は忘れろ、な?」

杏子「……チッ」

男「ふん、言われなくてもだな……」

ショウ「でだ、お前。杏子ちゃんだったっけ? お前から400万返して貰わないといけないんだけど」

杏子「……ねえよ、そんな金」

ショウ「無いのは見ればわかるんだよ」

男「無いなら体でもパンツでも売って稼いでこいや」

ショウ「お前黙ってろ」バシッ

杏子「……くそっ、返せばいいんだろ」

杏子「ちょっと危ない橋だけど、ATMいくつか襲えばそれくらいすぐに……」

ショウ「そんな金受け取れるか!」

杏子「なんでだよ。どんな方法で稼いでこようが金は金だろ」

ショウ「それは稼いだとは言わねーんだよ馬鹿」

ショウ「……つーかやるなら黙って一人でやれ。俺が知った上でやられたんじゃ、俺がお前に教唆したみたいになるだろうが」

杏子「じゃあどうすればいいんだよ! 400万なんてどこかから持ってこなけりゃ用意出来るわけないだろ!」

ショウ「お前には働いて金を稼ぐって発想はないのか!?」

杏子「な……!!」

杏子「は、働く……!?」

男(目を見開いて、青天の霹靂とでも言わんばかりに驚いているな……)

ショウ「そうだよ。金を稼ぐにはまず働く、当たり前の事だろ?」

杏子「む、無理だろ。働いた経験ないし、向いてないから……」

ショウ「誰でも最初は未経験だし、それでも世の中の大人はみんな働いてるだろ」

杏子「……あ、アタシまだ子供だし、どこも雇ってくれないから」

ショウ「仕事は俺が用意するから大丈夫だ。男は中一の時から働いて自分の小遣いを稼いでるぞ」

男「まあな……」

杏子「嫌だ……働くなんてアタシには無理だ……」

ショウ「……」

男「↓2」


1.俺がついてるから大丈夫だ!
2.じゃあ借金を踏み倒す気か!? この泥棒親子め!!
3.じゃあ俺が返すから代わりにまんこ貸してくれ

男「経験が無くても俺がついてるから大丈夫だ! 一緒にがんばって借金を返そう!」

杏子「ほ、本気か!? あんたらマジでアタシを働かせるつもりなのかよ!?」

男「まあ落ち着けよ。杏子ちゃんの父親がショウさんに金を借りた事は紛れも無い事実なんだからさ」

男「ぐだぐだ文句言って父親の名誉を傷つけるくらいなら、さくっと稼いでさっさと借金を返した方がいいんじゃないか? ん? 仕事まで用意してくれるなんていい話じゃないか」

杏子「……それは……」

男(さっきの態度だと、杏子ちゃんは父親にある程度の敬意を持っているはずだからな)

男(親の立場を引き合いに出せばきっと言う事を聞くだろう。ここでごねられたら割を食うのはきっと俺だろうし、大人しく働いてもらわないとな……)

男「まあ親のやった事なんて関係ないって言うなら無理には言わないけどな」

男「その場合、杏子ちゃんの父親はショウさんから400万を騙し取った詐欺師って事になるが……」

杏子「……!」

男「どうする? 働く? 働かない?」

杏子「……ぐ……」

杏子「は、働く……」

男「ショウさん、働いてくれるそうだぞ」

ショウ「そうか。よし、ウチで働くからには俺の指示には絶対従えよ」

男「そうだぞ、ショウさんの指示は絶対だ。例えそれが杏子ちゃんの尊厳を徹底的に破壊するようなものでもな……クク」

杏子「……」

ショウ「お、おい、そんな目で見るな。おかしな事は言わねーって」



ショウ「さて、こうは言ったが今は何も手伝って貰うような事はないんだ」

ショウ「用事が出来たらまた連絡するから、その時はしっかり頼むぞ」

男(そういってショウさんは帰って行った)

杏子「……はぁぁぁぁぁぁ……」

男「↓2!」

男「それでどこで働くんだろうな? 風俗かな!?」

杏子「は!? あのおっさんそんな事までやってるのかよ!」

男「ショウさんは本業がホストのオーナー権店長だからな。風俗も当然経営してるはずだ」

男「きっと杏子ちゃんはそこで働かされるんだろうな。まあ親の借金返すために風俗で働くなんて世間じゃよくある事だ、そう気を落とすなよw」

杏子「ふざけんなよ、誰がそんなところで働くか!」

男「杏子ちゃんが風俗嬢になったら俺だったら絶対通うな。生意気で反抗的な女を金で言う事聞かせるなんてシチュエーションだけでも最高だからなw」

杏子「このセクハラ野郎……! それ以上喋ったらマジで殺すぞ!」

男「↓2」

男「あっははははははは!! やってみろよこのあばずれ! 貧乏人が偉そうな口を利いちゃってさあ!」

男「借金がある限り、お前は俺に逆らう事はできないんだよ! それともここで俺を殺して逃げて、父親に詐欺師だけじゃなく殺人犯の親の汚名でも着せてみるかぁ!?」

杏子「くたばれ、クズ野朗ーーーーーっ!!」バキッ

男「おぎゃあああああああ!!!」ズザザザザァァァ

杏子「親父がアタシ達に隠し事してたのは、ショックだけど……!」

杏子「たかが400万の借金がなんだよ! それくらいすぐに稼いで、あっという間に返してやるよ!」

杏子「アタシは魔法少女だ! どんな仕事だって簡単にこなしてやるし、その気になれば金くらいいくらでも稼げるんだよ!」

杏子「こんな事くらいでアタシを縛れると思ってんじゃねーよ……!」

男「↓2」


1.今ので怪我したから治療費も加算だな
2.ふっ、その意気だ。発破をかけた甲斐があったぜ
3.じゃあ今すぐ返せや。利息がないのは温情だと言う事を忘れるなよ?

男「ふっ、その意気だ。発破をかけた甲斐があったぜ」

杏子「はぁ?」

男「余り乗り気じゃないみたいだったからな。今のはわざと挑発するような事を言って、杏子ちゃんにやる気を出させる俺の作戦だったのさ」

杏子「絶対嘘だろ……」

男「本当だ。さっき言っただろう、俺がついていると。仲間のモチベーションを保つのもバイトリーダーである俺の務めなんだ」

杏子「……まあどっちでもいいけどさ。親父を馬鹿にするような事言うなよ。今度は冗談じゃ済まさないからな」

男「それは杏子ちゃん次第だな。杏子ちゃんが真面目に働いてくれれば俺は何も言わない」

杏子「……チッ」

男「おっ、早速ショウさんからメールがきたぞ。仕事かな?」

杏子「えっ、もうかよ」

男「どれどれ……ほう、ボウリング場の駐車場で夜中にたむろしている不良達を追い払ってほしいそうだ」

杏子「へっ。なんだ、簡単じゃん」

男「確かに杏子ちゃんの得意分野だな」

杏子「それでいくら貰えるんだ?」

男「2万」

杏子「……すくねー」

男「いや、十分だろ……二人で割ったら一万だな」

杏子「あ? なんでお前と分けなきゃいけないんだよ」

男「それはまだ杏子ちゃんには一人じゃ任せられないからだな」

杏子「これくらい一人で十分だっての……」

男「まあ来ればわかる」

不良1「へへへ、あいつまじダセェわ!」

不良2「ぎゃはは、ありえねー」

不良3「やべえ、マジやべえ!」



男「あそこで頭の悪そうな会話をしている奴らがターゲットのようだな」

杏子「はん、さっさと片付けて終わりにしてやるよ」

男「とりあえず今日は俺がやるから杏子ちゃんは物陰から見学していてくれ」

杏子「冗談。あんな奴らアタシ一人で瞬殺してきてやる」バッ

男「ま、待て待て待て!」



不良1「あ? なんだてめえ」

不良2「カワイイ子だね! もしかして俺らと遊びたいのぉ?」

杏子「よっ」バキドカボコッ

不良「「「ぎゃあああああああ!」」」ドサッ

杏子「人様の敷地に勝手に入り込んで遊んでんじゃねーよ。死にたくなけりゃさっさと消えな」

男「お前が言うなよ」

不良3「ひぃぃっ、いきなり何しやがる……!」

不良1「ち、ちくしょう! おい不良2! 警察呼べ!」

不良2「わ、わかった!」

杏子「警察って……おいおい、警察が来たらお前らが困るだけだろ?」

男「だから言ったのに……おいお前ら! ちょっと待て!」

不良1「な、なんなんだよお前ら! いきなり殴りかかってくるなんて、絶対許さねえぞ!」

不良3「お前らなんか警察の世話になっちまえ!」

男「ふう……確かに今は先に手を出したこっちが不利かも知れない」

男「だけどな、警察が来たらお前らだってただじゃ済まないんだぞ? 凡々高校2年A組の田中、佐藤、鈴木君よぉ?」

不良「「「な……!」」」

男「お前らの身元はとっくに調べてあるんだよ。度重なる不法侵入と傷害で痛みわけになるか? 進学校のお坊ちゃん達」

不良1「……な、何者だよお前ら」

男「誰だっていいんだよ。冷静になって考えろよ、俺達はお前らがここで溜まりさえしなければそれでいいんだ」

男「大人しくここを出て他所に行くならよし。そうでなければ学校にも親にも連絡が行く事になるぞ」

不良2「お、おい、親はやべぇよ……」

不良1「……わ、わかった。出て行く。だから学校には報せないでくれ……」

男「さすが名門校の生徒だな。物分りがよくて助かるぜ」

男「おら、さっさと行けよ」

不良「「「……」」」ソソクサ

男「ふぅ……杏子ちゃんの脳筋ぶりには困ったものだな……」

杏子「なんだよ、警察が来たって向こうが悪いんだから別にいいだろ」

男「あのなあ、こっちは一応会社として仕事請けてるんだ」

男「ここのボウリング場の店長は、揉め事にしたくないから金払ってウチに頼んだんだぞ。スマートに立ち退かせないと意味がないんだよ」

杏子「……」

男「大体、杏子ちゃんは警察から逃げ出して来た身じゃないのか? それでよく警察上等だなんて啖呵を切れたもんだな」

杏子「ああもう、うるせーな! わかったよ、アタシが悪かったんだろ!?」

男「↓2!!」

男「金儲けをなめるな!!」

杏子「!!」

男「今回は俺がついていたからよかったが、もし杏子ちゃん一人だったら間違いなく警察沙汰になっていただろう!」

男「そうなればショウさんが今まで地道に築いてきたクライアントからの信用はどうなる!?」

男「父親に金を貸してくれた上に杏子ちゃんに働き口まで用意してくれたショウさんへの恩を仇で返すつもりか!? おお!?」

杏子「く……」

男「ただ相手より強い力を以って殴れば解決するような事柄ばかりだと思うなよ! 魔法少女だかなんだか知らんが、先輩の言う事も聞かずに突っ走るような奴はどこへ行っても誰からも必要とされないんだよ!!」

杏子「……」

杏子「悪かったよ……」

杏子「次はお前の言う事に従う。それでいいんだろ……」

男「↓2」

男「いや、従うだけじゃ駄目だ。俺の指示がないと動けないようじゃ使い物にならないからな」

男「先は長いんだ。俺の指示に従いながらも、ちゃんと自分でもその意味を考えて貰う。その上で行動してしっかり成長してくれ」

杏子「んなややこしい事できるかよ!」

男「金を稼ぐためにはみんなやってるんだよ! 杏子ちゃんが盗みを働いた店の人達もな!」

杏子「ぐ……」

男「きっと杏子ちゃんの父親だってそうだったはずだ。大人はみんなそうなんだよ」

杏子「……」

男「なんにしても今日はここまでだ。帰るぞ」

今日はこれだけです。間が開いてすみませんでした。

男「杏子ちゃんはしばらくはあの教会で寝泊りしろ。ホテルを無断で使うな」

杏子「なんでだよ」

男「借金を返してウチと縁が切れるまでは犯罪行為は禁止だ。犯罪者と一緒に働いていては俺達の名誉にかかわるからな」

杏子「バレなきゃどーってことないだろ。ちょっと忍び込むだけだ。今まで一度だってバレた事なんてないんだからさ」

男「駄目だ駄目だ! 今まで大丈夫だったからってこれからもそうとは限らないだろ!」

男「忍び込んでる最中にはバレなくても、ベッドを使えば後から気づかれてるはずだ! 同じ界隈でそんな事が続けば対策だって当然立てられる!」

杏子「教会は掃除してないし、埃っぽいんだよな……」

男「だったら巴さんの部屋にでも泊めてもらえ」

杏子「……それだけは絶対に嫌だ」

男「この際巴さんに謝ってゆまちゃんとも仲直りしたらどうだ? みんな仲良しでハッピーエンドだ」

杏子「嫌だって言ったら嫌なんだよ! お前に関係ないだろ、アタシ達の問題に口出しするんじゃねえ!」

男「↓2」


1.暁美さんの所なんてどうだ?
2.じゃあやっぱり教会で寝ろよ

男「それなら暁美さんのところなんてどうだ? 近いし一人暮らしだし、ワルプルギスの夜と戦う仲間同士だから泊めてくれるんじゃないか?」

杏子「! そうか、それはいいな」

杏子「よし、じゃあアタシはほむらの部屋で泊まる事にするぜ」

男「いや、勝手に決めるのは……まあいいか」

杏子「そうと決まれば早速行ってくる。おい、ゆまやマミにアタシの居場所を聞かれても言うんじゃねえぞ!」

男「わかったわかった」



男「ふう。さて、今日はもう寝るか……」

男「いや、寝る前にオナニーしよう。誰でオナニーしようかな?」

↓2

男「杏子ちゃんでオナニーだ」

男「依頼を受けて深夜のボウリング場に向かった杏子ちゃん。しかしそれは俺による巧妙な罠だった……」シコシコ




杏子「はん、さっさと片付けて終わりにしてやるよ」

男「おやおや、大した自信ですね。ですがもう少し慎重になった方がよろしいのでは?」

杏子「冗談。あんな奴らアタシ一人で瞬殺してきてやる」バッ

男「……ククク……」



不良1「あ? なんだてめえ」

不良2「カワイイ子だね! もしかして俺らと遊びたいのぉ?」

杏子「よっ」バキドカボコッ

不良「「「ぎゃあああああああ!」」」ドサッ

杏子「人様の敷地に勝手に入り込んで遊んでんじゃねーよ。死にたくなけりゃさっさと消えな」

パスッ

杏子「……な……」

男「ふふふ、獲物を仕留めて緊張を緩めたその一瞬を待っていましたよ」

男「今吹き矢で飛ばしたのはインド象すらも一瞬で倒す麻酔針です。尤も、魔法少女にとっては手足が動かなくなる程度の痺れ薬ほどの効果でしょうが……」

杏子「くっ、ちくしょう……」

男「ふふふ……ふふふふふ……」

杏子「く、来るな……アタシに触るんじゃねえ!!」

男「さあ、夜は長い。ゆっくりと楽しもうじゃありませんか……!」

杏子「や、やめろーーーっ!」



男「うっ」ドピュ

男「ふう、寝るか……」

男「Zzzzz...」

男「……ふぁ、朝か……」

男「パン食いながらニュース番組でも見るか」ピッ

男「む……占いか。他のチャンネルにしよう」

男「ん、待て。ちょうど俺の星座だこれだけ見よう」

『--座のあなた。今日はあなたの行動が人の運命に影響を及ぼしやすい日です』

男「……」

『限られた時間を有効に使いましょう。周りのみんなが幸せになれるかはあなた次第です』

男「うーむ、つまらん。やっぱりチャンネルを変えよう」プチッ

男「……ん?なんで消えるんだ?」

男「あ、コンセント抜けてるじゃないか……」プスッ

男「……よし、改めてニュースを見るぞ」



男「特に目を引くニュースは無かったな。さて、どうしよう」

↓2

男「杏子ちゃんを迎えに行こう。放っておいたら逃げ出すかもしれないし、そうでなくても昼まで寝ているに決まっているからな」

男「暁美さんの部屋に行くぞ」



男「……」ピンポーン

男「……」

ほむら『はい』

男「俺だ!!! 杏子ちゃんを出せ!!!」

ほむら『……近所迷惑だから大声を出さないで』

男「わかった。じゃあ杏子ちゃんを出してくれ」

ほむら『寝てるわ。出直しなさい』

男「寝てたら駄目だから迎えに来たんだよ。早く起こしてくれ」

ほむら『はぁ……』

ガチャ

ほむら「上がって」

男「え、セックスしたいのか?」

ほむら「上がらないのならもう帰って。朝は忙しいの」

男「わかった、上がる」

男「杏子ちゃんはどこだ」

ほむら「寝室にいるから。ちょっと待ってて」



男「……遅い。もう10分も経つぞ」

男「どうしたんだ、一体?」


1.もしかすると二人に命の危険が迫っているのかもしれない
2.きっと杏子ちゃんが起きたくなくてぐずってるんだな
3.もう帰る

男「魔法少女のあの二人が揃ってこんなに時間がかかるなんて……異常じゃないか?」

男「もしかすると生命にかかわる危険に晒されているかもしれない。少し様子を見に行こう」



男「寝室はここだな」

ガラッ

男「二人とも無事か!?」

ほむら「え?」

杏子「へ……?」

男「む、いかん! 既に杏子ちゃんが下着姿になるまでボロボロになっているじゃないか!」

男「こいつは朝からとんだToLoveるだな。杏子ちゃんをこんな姿にした敵はどこにいるんだ?」

杏子「お前が女の敵だろうがーーーーーっ!!」

バキッ

男(杏子ちゃんの延髄斬りが俺に命中してしまった)

ゴツッ

男「うっ」

男(俺は柱の角に頭をぶつけて気を失った)

男「う、うーん……」

男「はっ、ここは一体?」

男「暁美さんのアパートの前のゴミ捨て場か……そうか、俺は杏子ちゃんに蹴られて……」

男(暁美さんの部屋に戻ってみたが、既に二人共部屋を出た後のようだった)

男「これからどうしよう?」

↓1でした

ミスです
↓2でした
これの↓1にします

男「二人を探そう」

prrrrrrr prrrrrrr

男「む、メールだ。ショウさんからか」



『仕事だ。明日の土曜日、野球するから高校生以下のメンバーを集めろ。お前と杏子ちゃんを含めて最低9人以上だ』
『詳細は後で説明する。今はまず急いで人数を揃えろ』



男「野球のメンバー集めか……二人を探すついでにやってみるか」

男「さて、暁美さんは学校だろうし、杏子ちゃんはどこにいるかわからないぞ」

男「どこを探す?」


↓2

男「まさか借金塗れの身で働きもせず開店直後からゲーセンに行ってるんじゃないだろうな……!?」

男「もしそうだとしたら許せん。ここはまずゲーセンに行ってみることにしよう」



男「着いたぞ、ゲーセンだ!」

男「今まさに杏子ちゃんが中に入っていくのが見えた。やはり杏子ちゃんはクズだったんだな!!」

男「よし、踏み込もう!」



杏子「……」



男「ダンスゲームの前でポケットから100円玉を取り出したぞ……」

男「投入した瞬間に捕まえてやる。杏子ちゃんがクズであるという証拠となる決定的瞬間を抑えるんだ」



杏子「……」

杏子「無駄遣い、だよな……」

杏子「はぁ……」



男「ん、入れないのか……?」

男「うおっ、こっちに歩いてくる!」

男「やばい、隠れないと! ……うっ!」ドテッ

杏子「ん? お前そんなところで何寝転がってるんだよ……邪魔だろ」

男「↓2!!」

男「ショウさんから仕事の依頼だ! 明日野球するから俺と杏子ちゃん含め最低9人以上のメンバーを確保しにいくぞ!!」

杏子「お、大声出すなよ……わかった、行くから落ち着けって」

杏子「えーと、野球? 遊んでて金が貰えるのかよ」

杏子「へへっ、ラッキー。で、いくら貰えるんだ?」

男「知らん。まだ詳細は聞いてないが、余り時間が無いみたいだから急いでメンバーを集めないといけないんだ」

杏子「なんだよそれ」

男「まあ言うとおりにしよう。俺達は仕事を選り好みできる立場じゃないんだ」

杏子「……」

男「そんな不満そうな顔をするな。7人なんてすぐだろ? なんなら魔法少女ばかりで固めてしまっても……」

杏子「ゆまとマミは呼ぶなよ!」

男「あ? ああ……まあいいか。暁美さんや鹿目さん、美樹さんとかなら顔見知りだし杏子ちゃんも安心だろ?」

杏子「……別に人見知りじゃねえよ。どっからでも適当に連れてこいよ」

男「そうか。じゃあ↓2に行くぞ」

男「俺の教室に行くぞ」

杏子「ああ、行って来い」

男「杏子ちゃんも行こう」

杏子「いや、教室は目立つだろ……。お前だけで行けよ」

男「↓2」


1.君の力が必要だ
2.わかった、待っててくれ

男「君の力が必要だ。ついてきてくれ」

杏子「頭大丈夫か……? 別にアタシはいいけどさ。いざとなったら逃げれば終わりだし、困るのはお前だけだからな」

男「ああ、それでいい」

杏子「何考えてんだか……」



男「丁度休み時間に入ったようだな。早速窓から入ろう」

杏子「なんで窓からなんだよ。生徒だろ……」

男「どっこいしょ」

杏子「よっ」

うわなんだなんだ 男じゃん 一緒にいる子誰だ?

男(マミさんはいないようだ。休みかな?)

男(誰に話しかけよう)


1.生徒会長
2.幼馴染
3.委員長
4.ビッチ三銃士

男「委員長!」

委員長「あんた停学中の癖して何入ってきてんの!?」

男「明日暇か? 暇ならバイトしようぜ」

委員長「しないわよ! さっさと出て行きなさいよ!」

男「そんな事言わずにしようぜ。ちょっと遊んでくれるだけでいいんだ。玉と棒をにぎにぎしながら一緒に汗を流そうぜ」

委員長「ま、まさかいかがわしい仕事に誘ってるんじゃ……」

男「なあ、いいだろ? 遊ぶ金が欲しくないのか?」

委員長「こ、この事は先生に報告しておくから! 覚悟しなさいよ!」



男「うーむ、取り付くしまもない……」

キーンコーンカーンコーン

男「しまった、もう授業が始まってしまった!」

男「ずらかるぞ、杏子ちゃん!」

杏子「お、おう……」

今日はここまでにします。ありがとうございました。

男「さて、次はどこに行こうかな? 昼前に何人かは集めておきたいところだが……」

男「杏子ちゃんは来てくれそうな奴に心当たりとかないのか?」

杏子「無えよ」

男「友達いないんだな。可哀想に」

杏子「うるせえ!」

男「じゃあ↓2に行くか」

男「鹿目さんの家に行こう」

杏子「まどかって確かあのピンクの奴だったよな?」

男「そうだ」

杏子「ふーん。でもあいつって今は学校にいるんじゃないのか? 今行ってもしょうがないんじゃねえの?」

男「ふっ……いけばわかる。あいつならきっと俺達の仲間になってくれるはずだ」

杏子「???」



男「えーと、多分この辺に……あった。ここが鹿目さんの家だ」ピンポーン

男「……」

『はい、どちらさまですか?』

男「俺は見滝原中学の男だ!」

『う、うん? まどかのお友達かな……』

『ちょっと待っててね』

ガチャ

男(玄関の入り口が開き、中から眼鏡をかけた優男が現れた)

「こんにちは。こんな時間にどうしたのかな?」

男「おい」

「?」

男「俺は名乗ったのにお前は名乗らないのか!?」

「あ、ああ、これは失礼したね」

知久「僕は鹿目知久。まどかの父親だよ。男君、君はまどかの友達なのかい?」

男「↓2」

男「俺の事を鹿目さんがどう思ってるかは知りませんがね、少なくともこの子はまどかの友達です」

杏子「え、アタシ?」

男「そうです、この子がまどかの友達です」

知久「そうなのかい。それじゃあそっちの子の名前も聞かせてもらえるかな」

杏子「……まあいいか。佐倉杏子だ」

知久「佐倉さんだね。よろしく。今日は佐倉さんが何か用があって来たっていうことでいいのかな?」

杏子「あー、うん。そうそう」

知久「じゃあ何の用なのかな? というか、僕としてはまどかと同じくらい歳の子が学校に行かずに出歩いてるのが気になるんだけど……」

杏子「あー……おい、ちょっと」グイ

男「うわっ、なんだひっぱるな!」

知久「?」

杏子「結局何しに来たんだよ。あのオッサンは高校生以下じゃ通らねえだろ」

男「↓2」


1.いけるだろ、学ラン着せれば
2.鹿目さんには弟がいると聞いている
3.知るか、なんとかしろ

男「何もあのオッサンに野球をさせようというわけじゃない」

杏子「……」

男「鹿目さんには弟がいると聞いている。今回の目当てはその弟の方だ」

杏子「なるほどな……あいつの弟なら中一か、少なくとも小学校中学年以上ってところだろうな」

杏子「それくらいの無駄に元気がいい年頃の男子ならあのトロくさそうな姉よかよっぽど役に立ちそうだ」

男「そうだろう? それじゃあ貸してもらえるように頼んでみよう」



知久「ええと、二人とも何を話してるのかな……?」

男「いや、ちょっとな。それより知久に頼みがあるんだが」

知久「呼び捨て……。た、頼みってなんだい?」

男「実は、諸事情で明日野球をするから、そのためのメンバーを集めてるんだが……」

知久「なるほど、まどかにも参加してほしいんだね?」

男「違う。鹿目さんに参加して欲しいなら直接鹿目さんに言うだろ!」

知久「あ、ああ。それもそうだね。ごめんね」

知久「となると、もしかすると僕に参加してほしいってことなのかな……?」

男「違う! 高校生以下しか参加出来ないんだよ! 馬鹿じゃないのか!?」

知久「そ、そんなに怒らなくったっていいじゃないか!?」

男「鹿目さんに弟がいる事は調査済みだ。その弟に出て欲しいから取り次いでもらいたい」

知久「ええっ、タツヤに?」

男「うむ」

知久「……あの、男君。まどかの弟の事についてどのくらい知ってるのかな……?」

男「弟だという事しか知らん」

知久「あ、あははは。なるほどね、そういう事か。わかった、今連れてくるからちょっと待っててね」

男「うむ、頼んだぞ」

男「よし、うまくいきそうだな」

杏子「ああ。これで三人目は確保できたな」

男「何はともあれ人数を確保しないと、その時点で任務失敗だ。俺達はショウさんに無能の烙印を押される事になる」

杏子「それは嫌だな、なんとなく……」

男「質より量だ。とにかく数を集めて、その中から優秀な奴だけ使えばいい。この調子でどんどんメンバーを集めていこう」

杏子「だよな。とにかく数だよな」




知久「お待たせ。はい、まどかの弟のタツヤだよ」

知久「ほらタツヤ、お兄さん達に挨拶して」

タツヤ「かなめタツヤ、です! よろしくね!」

男「……」

杏子「……」

知久「クスクス……悪いね、せっかく来てくれたのに。タツヤはまだ3歳なんだ」

男「いや……別にいいよ。参加してくれればそれで」

知久「えっ?」

男「高校生より上の年齢制限はあるけど、下限は別にないから。3歳でも0歳でも数に入れば別になんでもいい」

知久「い、いや、こっちが困るんだけど……」

男「おいタツヤ、野球……好きか?」

タツヤ「やきゅうすき!」

男「そうか、明日は俺達と一緒に野球しような?」

タツヤ「うん! やきゅうするー!!」

男「よし、交渉成立だ! よろしくな!」

知久「え、ええええー……?」

男「これで三人だな」

杏子「ああ、そうだな。……でも出来れば10人以上集めような」

男「まあ可能ならな」

男「次はどこに行こう?」


↓2

今日はここまでです。ありがとうございました。
明日は朝7時か12時頃にきます。

男「鹿目さんの教室に行こう」

杏子「また学校かよ。あんまり行ったり来たりさせんなよ……」

男「何の考えもなく往復したわけじゃない。時計をよく見てみろ」

男(俺は杏子ちゃんの前にスマホを差し出した)

杏子「ん? ……なるほどな、もう昼休みに入るころってワケか」

男「そうだ。昼休みならば余裕を持って勧誘が出来る。というか学校に行ってる奴を勧誘するには、ここか放課後のわずかな時間しかない」

杏子「じゃあなんでさっき学校に行ったんだよ……」

男「無駄口を叩くな、行くぞ!」



男「着いたぞ、早速窓から入ろう。着いて来い」スルスル

杏子「ああ」スルスル

男「邪魔するぞ」ガラッ

中沢「ええっ! お、男先輩!? どこから入ってくるんですか!」

男「うるさい。それより鹿目さん達はどこにいる」

中沢「鹿目さん達なら弁当持って教室から出て行きましたけど……」

男「そうか……」

ほむら「……」

男(暁美さんが一人でプリントの整理をしているようだな)


1.中沢を誘う
2.ほむらを誘う
3.屋上に行く
4.中庭に行く

男「おい、中沢。お前明日暇?」

中沢「え!? まあ予定はありませんが……」

男「明日野球やるんだけど来る?」

中沢「野球ですか? 人数が足りてないとかですかね。まあ自分はどっちでもいいです」

男「どっちでもいいじゃダメなんだよ! やる気がないなら消えろ! 明日、暁美さんにはお前は逃げたって言っておくからな!?」

中沢「暁美さんが来るんですか!?」

男「当たり前だ!」

中沢「行きます!」

男「よし、しょうがないから特別に参加させてやるよ」

中沢「あ、ありがとうございます……!」

男「これで4人目だな。なんだ簡単じゃないか」

杏子「結構楽勝だな」

中沢「俺と暁美さんとこの二人とで4人かな……? よし、明日はいいとこ見せるぞ……!」



男「中沢と無駄話している間に暁美さんがいなくなってしまった。次はどうしよう?」


1.屋上に行く
2.中庭に行く
3.自分の教室に行く

男「屋上に行くぞ!」

男「私服で階段を行くのは目立つし、壁伝いに行くか」ガラッ



男「着いたぞ。……おっ」

まどか「お、男さん!? 今外から来ませんでしたか……?」

男「気のせいだろ。ちゃんと入り口から入ってきたぞ」

男(屋上では鹿目さん、美樹さん、志筑さんが弁当を食っていた)

まどか「気のせい、かなぁ? うーん、そう言われればそういう気も……」

さやか「いやいやいや、どう見ても外から登って来てたから!」

仁美「控えた方がいいですよ。危険です」

杏子「うるっせーな。どこから来ようと勝手だろ」

仁美「まあ……!」

男「↓2!!」

男「そんな事より、俺達と楽しい事しようぜ!!」

さやか「うわ……あんた、また何かおかしな事始めようとしてるんじゃないでしょうね」

男「へへ……おかしな事? 知らないね。俺達は君らと楽しい事をしようとしているだけだ」

仁美「……」

まどか「えと、楽しい事ってなんですか? わたし達もいっしょに出来るのかな?」

さやか「ちょっとまどか!」

まどか「大丈夫だよ、さやかちゃん。男さんのすることだもん。変な事なわけないよ」

さやか「こいつのする事だから怪しいんでしょうが!」

まどか「心配症だなぁ、さやかちゃんは……」

仁美「それで、具体的に何をしようというのでしょうか?」

男「野球だ! 少年野球みたいなもんだ。明日参加できる高校生以下の有志を探してる」

さやか「や、野球……! あ、何かの隠語でしょ。犯罪行為の……!」

まどか「さ、さやかちゃん、それは無理があるよぉ」

さやか「だよねー。冗談冗談てへ」

杏子「何言ってんだか。野球は野球だろ、お前知らないのかよ。馬鹿じゃねえの?」

さやか「……イラッ!」

さやか「ちょっとあんた! さっきから失礼じゃないの!」

杏子「あ?」

男「↓2!」

男「美樹さん、許してやってくれ! こいつは口はこんなんだが、本当は優しい子なんだ!」

杏子「なっ……」

さやか「優しいって……こいつが? そうは見えないんだけど」

男「詳しくは話せないが、亡くなった家族のために一生懸命なんだ。少し乱暴なのは焦りがあるからなんだ……」

男「それにあの時いっしょにいた女の子……ゆまちゃんが懐いているのを見ただろう? 子供に好かれるのは性根が優しい何よりの証拠だ」

杏子「てめえ、ふざけた事言ってんじゃねえ!」バキッ

男「ぐあっ!」

まどか「男さん! や、やめてよ杏子ちゃん!」

さやか「あんたやっぱり……!」

男「い、いいんだ。彼女はちょっと照れているだけだ……本当は寂しいんだよな? ゆまちゃんがいないから気が立っているだけなんだろ?」

杏子「その口二度と開けなくしてやろうか……!」

男「ツンツンしてるけど、みんなに助けてほしいのは本当の事なんだ。ただ相手に心を開くのが苦手で……」

男「仲良くなりさえすれば、きっとその心優しさがみんなにも伝わると思う。彼女はそういう子なんだ」

男「俺は平気だ。暴言に関しては俺から謝罪させてもらう……! みんな彼女を許してやってくれ。そして、可能ならば俺達に力を貸してくれ!」

男(俺は深く勢いよく頭を下げて見せた!)

杏子「……!」

まどか「そんな、男さんが謝る事なんてないです……!」

さやか「まあ……殴られたやつにそこまで言われちゃ、ちょっとした悪口で腹立ててたらこっちが人間小さいみたいだし……」

仁美「私は別に始めから気にしていませんよ。少し驚いただけですから、どうか頭を上げてください」

杏子「……」

男「そ、そうか。じゃあみんな、明日は一緒に戦ってくれるのか……!?」

まどか「はい! だけどわたし、運動苦手だし……男さんの役に立てるかなぁ」

さやか「別にいいよ、明日は暇だしまどかが行くんなら見張りもいるだろうしね」

男「ありがとう、二人共!」

仁美「私は……すみません、明日は親戚の子と先約がありまして」

男「え? ↓2!!」

男「え? じゃあその親戚の子も一緒に野球しようぜ!」

仁美「ええと、そう出来ればいいのですけれど……何かのテレビに出られるだとかですごく張り切っていて、とても他の用事に引っ張り出せそうにありませんの」

男「テレビなんていつでも出られるだろ。明日は野球にしてくれ」

さやか「いや、いつでもは無理でしょ……」

仁美「ごめんなさい、こればかりは……」

男「ちっ、しょうがないな」

仁美「また今度誘ってください」

男「機会があればな。それじゃあ鹿目さんと美樹さん、明日は頼んだぞ」

まどか「はーい!」

さやか「あいよ」

まどか「あ、男さん。ほむらちゃんも誘ってみたらどうかな? 先生に用事頼まれてたから、教室か職員室にいると思います」

さやか「いやいや、こいつ私服だよ。もうさっさと帰った方がいいって」

まどか「あっ! そ、そっか」

男「うん、ちょっと考えてみる。ほら、いくぞ杏子ちゃん」

杏子「チッ……」

まどか「……」



男「昼休みも残りわずかか。次はどこに行こうかな?」


1.職員室に行く
2.自分の教室に行く

男「職員室に行くか」

杏子「職員室ってどこにあるんだ?」

男「一階だ」

杏子「……教師に見つからずにほむらを誘うのは無理じゃないか?」

男「大丈夫大丈夫



男「着いたぞ。職員室だ」

早乙女「あっ、そこにいるのは男君!?」

男「し……しまった! 見つかったか!」

杏子「当たり前だろ!」ダダダッ

男(先に逃げやがった!)

早乙女「男君! 貴方は停学中だったはずです! それがどうしてこんなところにいるんですか!?」

男(くっ……どうする!?)


1.早乙女を誘う
2.逃げる

男「じ、実はどうしても今日学校に来ないといけない理由があって……」

早乙女「それは男君の都合でしょう? 停学は男君に与えられた罰なんです。ちゃんと受けないといけませんよ!」

男(もっともらしい事を言いやがって……! そんな事だからいつまでも結婚出来ないんだ!)

男「まあまあそう言わずに! 俺、本当に困ってるんです!」

早乙女「……どういう事情があるのか、先生に話してみなさい。本当は遊びに来たんじゃないんですか?」

男「明日の土曜日、ちょっとした野球大会があるんですが……それに参加するメンバーを急遽集めないといけなくなりまして……」

早乙女「やっぱり遊びじゃない! もう、指導に先生に言いつけますよ!」

男「違うんです! 俺が一人暮らしである事は先生はご存じかと思うんですが、これはお金を稼ぐための止むを得ない手段なんです!」

早乙女「……」

男「メンバーを集めないとバイト代が出なくて……食うのにも困ってるのに、この上バイト代まで減らされたら俺、学校やめて働かないと……」

男「うう……せっかく今までの二年間早乙女先生のクラスでがんばってきたのに……俺もみんなと卒業してえよぉぉぉぉ……!」

早乙女「男君……!」

男「はい」

早乙女「そんな事情があるなら、もっと早くに先生を頼りなさい!」

早乙女「先生はいつだって生徒のみんなの味方です! 遠慮する事なんてないんですよ!」

男「見逃してくれるのか? ありがとう、先生……!」

早乙女「つまり、先生がその野球のメンバーになればいいんですね?」

男「え? いや、それは……」

早乙女「子供が遠慮なんてするんじゃありません!」

男「……」

早乙女「明日は男君のために空けておきます。だから今日は他の先生に見つかる前に帰りましょうね?」

男「わ、わかった……」



杏子「おー、遅かったな。説教でも食らってたのか?」

男「いや。別に……それより午後の授業が始まったからもう学校には入れないぞ」

男「そうだな、次は↓2に行こう」

男「巴さんの部屋に行こう」

杏子「は?」

男「巴さんがいればどんな敵も瞬殺だからな。スポーツ全般得意だし」

杏子「いや、さっきマミは呼ぶなって言っただろ」

男「↓2」


1.そんな事言える立場か?
2.じゃあ他のところに行くか(場所指定)

すみません、用事があるので今日はここまでにします。
また明日来ます。

男「そんな事言える立場か? 顔を合わせづらいのはわかるが、公私を混同してもらっては困る」

杏子「別にマミやゆまがいなくたって、アタシが居るんだからそれで十分だろ」

杏子「なんでマミに拘るんだよ……あいつは融通利かなくて面倒くさいし、いない方がいいだろ……」

男「↓2」


1.杏子ちゃんの方が面倒くさい
2.負けたら何でもいう事聞くなら呼ばなくていい
3.そこまで言うなら呼ばなくていい

今日はこれだけにします。

男「自分が居れば十分だと……? 随分とでかい口を叩くじゃないか」

男「確かに杏子ちゃんは魔法が使えるし、戦力としてはこの上ない人材だ。しかし野球は知っての通り、9人でやるスポーツなんだ」

男「一人強力な選手がいただけで必勝出来るとは思えないんだが? ん?」

杏子「アタシが投げて全員三振にして、打つほうも全部ホームランにすれば勝てるだろ」

男「ふーん、それで勝てると思ってるんだな」

杏子「当たり前だろ。魔法少女を見くびってんじゃねーぞ」

男「……」

男「まあそこまで言うなら巴さんを誘うのは見送ってもいい」

杏子「よっし!」

男「でも杏子ちゃんのいう事に従って強力な戦力を敢えて見送るんだ。当然有言実行で勝って貰わないと困る」

杏子「だから余裕だっての」

男「口では誰だってなんとでも言えるんだよ」

男「いいか、もし負けたら責任は杏子ちゃんにあるんだぞ。そこはわかってるよな?」

男「もし負けたら責任取ってなんでも言う事聞いてもらうからな」

杏子「あーもう、うっせーな! わかったから早く次に行こうぜ、時間が無いんだろ!」

男「ふう……まあそこまで言うなら諦めるか」

男「じゃあ次は↓2に行くぞ」

男「幼馴染の家に行くぞ」

杏子「それはどんな奴なんだよ」

男「小学校のときから俺とずっとクラスが一緒の女だ」

男「俺ほどではないが運動も出来るし、まあ使えるだろう」

杏子「なんで家に行くんだよ」

杏子「ていうかさ、同じクラスならさっき行った時に誘えよ」

男「さっきはあいつの存在を忘れてたんだ。それに今日は奴は家に居る気がする」

杏子「大丈夫かよ……」



男「ついたぞ」ピンポーン

男「……」

杏子「……」

男「あれ、いないのかな?」

杏子「だから学校だろ!」

男「待て待て、決め付けるのは早い。とりあえず↓してみよう」


1.ドアを強打
2.放火
3.窓から侵入

男「窓から侵入しよう」

男「この間割った窓がガムテープで応急処置されている。これをまた壊して中に入るぞ」

杏子「マジかよ……? お前、友達の家でそんな事すんのかよ」

男「ああ、家が隣同士だからな。昔からよくある事なんだ。お互い様だな」ガシャン

杏子「本当に割りやがった……」

男「さて入るぞ」



男「えーと、幼馴染はどこだ?」

幼馴染「ちょっと、勝手に入らないで」

男「あっ、やっぱり居たな! 居るならちゃんと出てこないと駄目だろ、勝手に入ってしまったじゃないか!」

幼馴染「居ない事にしたかったの。そもそも居なかったら普通は諦めて帰るでしょ」

幼馴染「あなたもだよ。男に付いていってたら駄目。馬鹿になっても知らないよ」

杏子「……」

男「明日野球するんだ。お前も来い」

幼馴染「えー」

男「どうせ暇なんだろ? お前は土曜日なんて一日中家でオナニーしてるだけじゃないか」

幼馴染「してないし。あー……別にいいけど、それってお金もらえるやつ?」

男「貰えない」

幼馴染「じゃあ行かない」

男「嘘だ。本当は貰える」

幼馴染「じゃあ行く」

杏子「いや、騙そうとすんなよ」

男「聞いたか杏子ちゃん。こいつは金でしか動かない金の亡者なんだ。金のために身体も売るとんでもない女なんだ」

幼馴染「失礼な事言ったからやっぱり行かない」

男「一度行くって言ったんだから来いよ」

幼馴染「んーーー……」

幼馴染「行けたら行くわ」

男「じゃあこれでまた一人確保できたから……今何人だ?」

杏子「え、あいつ来るのか? 行けたら行く、って来ない奴の台詞じゃないのかよ」

男「あいつはああ見えて一度した約束は必ず守るんだ。それに人が困る事はしない、それがいい所だな」

杏子「ふーん。面倒臭そうにしてたから来る気がないと思ったけど、案外そうでもないんだな」

男「まあな。ええと、俺と杏子ちゃんと、タツヤと、鹿目さんに美樹さん、あと中沢と幼馴染で7人か」

杏子「まどかの弟は数に入れないでいいだろ……」

男「じゃあ次は↓2に行くか」

男「暁美さんのところに行くぞ」

男「やっぱり魔法少女の味方は多いほうがいいしな。暁美さんはなんとしてでも引き入れるべきだろう」

杏子「また学校かよ!」

男「フゥ……杏子ちゃんは大正生まれか何かなのか?」

杏子「ああ?」

男「これを見ろ」ズイッ

男(俺は杏子ちゃんの前に勢いよくスマホを突き出した)

杏子「な、なんだよ……」

男「俺は暁美さんと連絡先の交換をしている。わざわざ学校に行かずとも、これでメールを送って誘えば済む」

杏子「へー、じゃあ早速送れよ」

男「ああ」ポチポチ

男「鹿目さんも来るので是非来てね……と」

男「よし、ついでだから美樹さんにからかいのメールでも送るか」ポチポチ

杏子「ん?」

男「鹿目さんにも送ろう」ポチポチ

杏子「……」

杏子「おい……そいつらともメールアドレス交換してたのか?」

男「まあな」

杏子「じゃあわざわざ二回も学校に行かなくても誘えただろ!」

男「……」

男「あ、暁美さん来るって返信きたぞ」

杏子「おい!」

男「じゃあ次はどこに行くかな」

杏子「さっきから女ばっかり誘ってるけど、男友達はいねーのかよ」

杏子「さやかとかまどかよりもそっちの方が強いだろ」

男「うーむ、いるにはいるんだが……乱闘しそうだしな……」

男「まあどうしても人数が足りなくなったらだな」

杏子「んだよ、使えねーな」

男「知り合い関連以外でも探さないといけないな。どこかでスカウトでもするか……」

男「よし、次はどこに行くかな」

↓2

しばらく離席します

男「友でも呼ぶか」ポチポチポチ

prrrrrrr prrrrrrr

ガチャ

友「どうした男!? 何か用か!!」

男「おい、友。明日暇か?」

友「明日は……暇!」

男「そうかそうか。じゃあバイト入れられるよな?」

友「おう!」

男「野球やるから空けとけ。ついでにバットとグローブも10人分ほど用意しろ」

友「わかった! 学校で盗んでくる!!」ガチャ

ツーツー

男「ふぅ……お望みどおり男友達を一人確保出来たぞ」

杏子「ふーん。友達居たんだな」

男「当たり前だ。俺は人気者なんだぞ、その気になれば9人くらい10分で集められる」

杏子「じゃあやれよ……」

男「次は↓2にいくぞ」

織莉子を助けに

男「織莉子ちゃんを助けに行こう」

杏子「は?」

男「織莉子ちゃんは暁美さんが監禁しているはずだ。早速暁美さんの部屋に行くぞ」

杏子「いや、待てって。意味わかんねー」

杏子「助けるって解放するっていう意味か? あいつが何やったか忘れたのかよ」

杏子「あいつの目的がなんだかわかんねーけどさ、目的のために関係ない奴を魔法少女にしちまう身勝手で独善的な奴なんだぞ……ゆまだってあいつのせいで魔法少女に……」

男「……そういう奴だから見殺しにしても構わないっていうのか、杏子ちゃんは」

杏子「少なくとも外に出して自由にさせていい奴じゃないだろ。ほむらに任せとけばきついお灸をすえてくれるはずだ」

男「杏子ちゃんは何もわかってないな」

杏子「……どういう意味だ」

男「このまま放っておいたら二人共死ぬぜ。間違いなくな」

杏子「なんだと……?」

男「↓2」


1.暁美さんのあの二人を見る目には尋常じゃない憎しみが込められていた。
2.あの二人の目的への執着心は尋常じゃなかった。

2

男「あの二人の目的への執着心は尋常じゃなかった」

男「考えてもみろ。白昼堂々学校に乗り込んでまで成し遂げようとするなんて半端な覚悟で出来る事じゃない」

男「もし学校にグリーフシードがあっても、杏子ちゃんならわざわざ人前で魔法を使ったりしないだろう?」

杏子「それはまあそうだけど……」

男「それが答えだ」

杏子「……つまり、どういう事なんだよ」

男「あの二人には、あの日、人目を集めてまでああしなければいけない理由があったんだ。恐らく時間がなくて切羽詰った結果の判断だ」

男「このまま二人を身動きできないまま放置すれば、何をしでかすかわからないぞ」

杏子「はん、何を考えてても監禁されてちゃどうしようもねーだろうが」

男「……本当にそうか? 杏子ちゃんが二人が今どんな状態かその目で確かめたのか?」

杏子「ほむらはしっかり拘束してるって言ってたぜ」

男「そもそもその暁美さんの言うことが今ひとつ納得できないんだよ」

杏子「?」

男「俺達だって事件に巻き込まれた当事者なのに、犯人がどこで何をしてるのか知らされてないなんておかしいだろ」

男「それどころか織莉子ちゃんが何をしようとしていたのかすらわかってないんだぞ」

杏子「……」

男「暁美さんの一存でなにもかも決めてしまって俺達はまるで部外者。その癖この街に来るというワルプルギスの夜とは命を張って戦えって言うんだぞ。杏子ちゃんは不満じゃないのか?」

杏子「……」

杏子「そう言われれば、アタシはほむらから何も聞かされてない……」

男「だろ? だからここは織莉子ちゃんとキリカちゃんの居場所を突き止めて彼女達を話をしようじゃないか」

男「それが彼女達を救うことにもなると俺は思う。と俺は最初からそう言ってたんだよ」

杏子「……まあ、いいか」

男「そういうわけで暁美さんの部屋に来たぞ」

杏子「どうやって入るんだよ。窓でも割るのか?」

男「心配ない。ポストの裏に鍵が……あった」

杏子「そんなトコに隠してんのかよ。無用心だな」

ガチャ

男「開いたぞ」



男「さて、どこを探そうかな?」

1.押入れ
2.戸棚
3.トイレ
4.風呂
5.壁
6.天井
7.床
8.机
9.PC
10.冷蔵庫
11.布団
12.オナニー
13.帰宅

↓2

男(いや、そんなわけは無い。俺は確かに玄関の扉を開けたはずだ。今見たのはきっと幻か何かだろう)

男(俺は再び玄関のドアノブに手を掛けた)

ガチャ

織莉子「え?」

キリカ「何だい?」

男「は?」

バタン

まどか「?」

男「……」

男(なんだ今のは……なんで玄関のドアを開けたら別の部屋に出て、しかも織莉子ちゃんがいるんだ……)

男(いや、そんな事は有り得ない。これは確かに俺達が入ってきた玄関の扉だ。俺が見たのは恐らく疲れから来る幻覚か何かだろう)

男(俺は再び玄関のドアノブに手を掛けた)

ガチャ

織莉子「ちょ、ちょっと……」

キリカ「うん?」

男「は?」

バタン

男(ここはとりあえずオナニーをしよう。もう我慢できない)

男「杏子ちゃんはあっちの寝室を探してくれ。俺はキッチンを探してみる」

杏子「わかった」スタスタ

男「さて、暁美さんの部屋だし暁美さんでオナニーしるのは当然なんだが、何を使ってオナニーしようかな?」

1.押入れ
2.戸棚
3.トイレ
4.風呂
5.壁
6.天井
7.床
8.机
9.PC
10.冷蔵庫
11.布団


↓2

男「暁美さんの匂いが染み込んだ布団と枕でオナニーしよう」

男「寝室に行くぞ」スタスタ

杏子「ん? 何かわかったのか」

男「布団どこ?」

杏子「押入れの中じゃねーの」

男「ふむ」ガラッ

男「ふがっ」ボスッ

男(俺は畳まれたままの布団の中に無造作に顔を突っ込んだ)

男「スーハー……スーハー……」

杏子「??? ……何やってんだ?」

男(顔を突っ込んだまま股間を床に擦り付ける……すると暁美さんがひざ枕したまま手コキをしてくれているように感じられる……)

男「スーハー……スーハー……」

杏子「お、おい。大丈夫かよ」

男「ふぅぅぅぅうっ!!」ドピュッビクンビクン

杏子「!?」

男「……」ズボッ

男「こんな事してる場合じゃないな。早く織莉子ちゃんたちを探さないと」

杏子「あ、ああ……」

男「まずいな。授業がもう終わりそうだ。次は↓2を探そう」


1.押入れ
2.戸棚
3.トイレ
4.風呂
5.壁
6.天井
7.床
8.机
9.PC
10.冷蔵庫

今日hあここまでです。ありがとうございました。

男「……」ゴンゴン

男(試しに壁を叩いてみた)

杏子「? 何やってんだ」

男「全部の部屋を見たけど二人は居なかった。となると隠し部屋でもあると考えるのが妥当じゃないか?」ゴンゴン

杏子「いや、ここって賃貸アパートだろ? そんなのあるかよ」

男「わからんぞ。暁美さんのする事だし……」ゴンゴン

ドン!!

男「うおっ、びっくりした!」

杏子「なっ、向こうから叩き返してきたのか!?」

男「まさか本当に隠し部屋に二人が閉じ込められてたのか!?」

男「おい、しっかりしろ! 今開けてやるからな!」ゴンゴン

ドン!

「うるさいわね! 壁叩いてんじゃないわよ!」

杏子「……」

男「なんだ、隣の住人か」



男「うーむ、もう授業が終わる時間だ」

杏子「もういいだろ。さっさとずらかろうぜ」

男「仕方ないな」

男(俺達は二人で玄関に向かった)

ガチャ

織莉子「え?」

キリカ「うん?」

男「うおっ、居た!」

男(玄関の扉を開けると、そこには外ではなく見知らぬ空間があった。そして織莉子ちゃんとキリカちゃんも……)

杏子「……なるほどな。盾の魔法の応用ってところか」

織莉子「え、男……? 来てくれたの……」

男「ああ。二人に話があってな」

杏子「あんたらに拒否権なんてない。こっちの質問には全部答えて貰うからな」

織莉子「……」

杏子「どうしてゆまを魔法少女になるように誘導した? お前に何のメリットがある?」

織莉子「それは……」

男「待て、今は時間がない。質問は厳選すべきだ」

杏子「ああ?」

男「織莉子ちゃん。↓2?」

男「俺達って小さい頃に会っているような気がするんだが気のせいか?」

織莉子「あ……」

杏子「おい、そっちの方がどうでもいいだろ!」

男「なんだと? 巨乳美女の幼馴染が出来るかもしれないのにどうでもいいわけがあるか! 俺にとっては大事な事なんだよ!」

杏子「だったらアタシにとってもゆまの事は……!」

男「……ほう? ゆまちゃんの事はなんだ?」ニヤニヤ

杏子「~~~!!」バキッ

男「おぎゃ!」ドテッ

杏子「チッ……! おい、どうしてお前達はゆまを魔法少女になるように誘導したんだ!」

織莉子「……」

キリカ「あのさあ。大声を出さないで貰えないかな? それに聞き苦しい舌打ちもやめてくれ。織莉子の耳にそういうのは入れてほしくないんだ」

杏子「……あ?」

キリカ「聞こえなかったかい? だ・ま・れ。って言ってるんだよ」

杏子「……」

ドカッ

男(杏子ちゃんがキリカちゃんの腹の前蹴りを喰らわせた!)

キリカ「ぐっ……!」

織莉子「キリカ!」

男(呻き声を上げながら床に膝をつくキリカちゃんに織莉子ちゃんが駆け寄る……)

織莉子「キリカ、大丈夫……!?」

キリカ「……は、はぁ、はぁ……! ぐっ……」

織莉子「なんて事をするの……! 魔法少女の力で無力なキリカに暴力を……」

織莉子「あっ……」

杏子「どの口で言ってんだ? 馬鹿じゃねーの」

織莉子「……」

男「まあキリカちゃんの事は置いといて、二人の目的を教えてくれ。もちろん話せるよな?」

織莉子「わかった、何でも話す! でもお願い、キリカを治療してあげて!」

杏子「無理だな。アタシそんな魔法使えねーし」

織莉子「そんな……」

男「おらっ、早く話しな! でないと今度は俺の足が滑ってキリカちゃんに痛い目を見せるかも知れないぜ?」

織莉子「……男……」

男「話が早く済めばキリカちゃんも助かるかもなあ? ヒャハハハハハッ!!」

織莉子「……」

織莉子「ごめんなさい、キリカ……少しだけ待っていて……」



織莉子「……これが私達の目的。世界を魔女になった鹿目まどかから救う事が私達の役目です」

杏子「キュゥべえの目をまどかから逸らすための時間稼ぎにゆまを使っただと……!?」

男「学校を襲ったのは、トチ狂ったように見せかけてキュゥべえに悟られずに自分達のターゲットである鹿目さんを始末するためか……」

男「↓2」


1.無関係な被害者が多すぎる
2.たった二人でよく頑張ったな
3.話は済んだ。もう帰る
4.どうでもいいから野球しようぜ!

男「よく考えたらそんな事どうでもよかったな。それより野球のメンバーが足りないから織莉子ちゃんとキリカちゃん出てくれないか?」

織莉子「え?」

杏子「は?」

織莉子「ここから出してくれるの?」

男「ああ。その代わり暁美さんには内緒だぞ!」

杏子「ふざけてんじゃねーぞ! こんな奴らを外に出したらまたまどかを狙ってくるに決まってんだろ!」

男「その時はその時さ。また阻止してやるまでだぜ!」

杏子「てめえはあの時も何もしてねーだろうがーーーっ!!」ドゴッ

男(杏子ちゃんの延髄斬りが後頭部に炸裂。俺は意識を失った)

杏子「もうしらねー! お前もここでずっと反省してろ!!」



男(そして……)



男「キリカちゃんの死体が腐ってきた……」

織莉子「……」

男「織莉子ちゃんは心を病んでしまうし、どうすればいいんだ……どうして誰も助けに来ない……?」

男「外に出られないから腹が減って意識が朦朧としてきた……くそっ、どうしてこんな事に……」


GAME OVER

男「はっ夢か……」

男「↓2」


1.無関係な被害者が多すぎる
2.たった二人でよく頑張ったな
3.話は済んだ。もう帰る

男「たった二人でよく頑張ったな……!」

男「犠牲も出たけど死んだ人はいない。世界のために戦った二人の頑張りは俺が評価するぞ!」

織莉子「……」

杏子「言ってろ。アタシは絶対許さねえからな」

男「ゆまちゃんの事か? 誘導されたって言っても結局のところ契約する事を決めたのはゆまちゃん自身なんだぞ」

男「後で他人がどうこう言う事じゃないだろ。ゆまちゃん本人が騙されたと騒ぐのはもっとだが」

杏子「アタシはただ気にくわねーんだよ! 世界のためだかなんだか知らねーけどガキを巻き込んでんじゃねーよ!」

男「ヒステリーかな? しょうがない子だな」

杏子「[ピーーー]ぞ、てめえ……!」グイッ

男「ぐっ……ふん、暴力に訴えるということは自分の矮小さを認めると言う事だな」

杏子「……マジで死にてえみたいだな」

男「やってみろ。魔法があれば普通の人間には絶対に負けないと思ったら大間違いだ」

杏子「言ったな」

織莉子「……やめて!」

男「……」

杏子「……」

織莉子「いいの、もう。かばってくれてありがとう」

織莉子「私達が正義だったなんて最初から思っていない。例え上手くいってたとしても英雄を気取るつもりもない。こうやって恨まれる事もわかっていたの……」

織莉子「償いが出来るのであればなんでもするわ。だけど……キリカは助けてあげて……」

織莉子「この子も私に利用されていただけの子なの……」

男「まあ、手当てくらいはしてやってもいいんじゃないか?」

杏子「冗談じゃねえ。やりたいなら勝手にやれ」



キリカ「……はぁ、はぁ……!」



男「……あの苦しみ方はどう見ても骨折か内臓破裂してるんだが……」

杏子「知らねーよ」

男「いや、ほっといたらたぶん死ぬぞ。本当にいいのか? 杏子ちゃんが人殺しになるんだぞ」

杏子「……」

男「治療、本当に出来ないのか? 今まで魔女と戦って怪我したらどうしてたんだ」

杏子「……わかったよ、うぜーな」

杏子「もう用は済んだ。さっさと帰んぞ」

男「おう。まだやる事あるしな」

織莉子「帰るの?」

男「ああ」

織莉子「鹿目まどかに気をつけて。私を信じなくてもいい。だけど私の予知の魔法は本物なの」

織莉子「きっとこのままだと……」

男「織莉子ちゃん。鹿目さんならもう心配ないんだ」

織莉子「どういう事?」

男「鹿目さんはワルプルギスの夜と戦うために契約をするんだろう?」

織莉子「……そうね」

男「織莉子ちゃんが街や学校で暴れたおかげで、この街には今4人もの魔法少女がいる。これだけいればどんな魔女が来てもまあ安心だろう」

男「思ってたのとは違うだろうけど、一応鹿目さんを魔女にさせないという目標は達成されるんだ」

織莉子「……4人いるからって、勝てるかどうかなんてわからないわ」

男「うるさいな、俺がやれるって言ったらやれるんだよ!!」

織莉子「……!」

男「わかったな?」

織莉子「……わかったわ」

織莉子「ここで貴方達が勝つことを祈っています。私達にはもう、それくらいしか出来る事が残されていないから」

今日はこれだけにします。ありがとうございました。

男「鍵を元の場所に戻して……さて、引き続きメンバーを探すぞ」

男「えー、俺と杏子ちゃんとタツヤと、鹿目さんと美樹さんと暁美さん、友と中沢と幼馴染でちょうど9人か」

杏子「だからまどかの弟は外せって」

男「うーむ、確かにタツヤの代わりに最低でもあと一人は見つけないと試合にならんな」

「にゃー」

杏子「ん、なんだこいつ? あっちいけよ、餌ならねーぞ」

男「む、お前はエイミー!」

男「決まったな……お前が10人目の戦士だ」

杏子「こいつも似たようなもんだろ!」

男「来いエイミー」

男(俺はズボンのベルトを緩め、エイミーの入るスペースを作ってやった)

エイミー「にゃ」ゴソゴソ

男「よし、次はどこを探すか。もう活動時間はあんまり残されていないぞ」

杏子「連れてくのかよ……」


1.駅前
2.商店街

↓2

男「商店街に向かうぞ」

杏子「なんかアテがあんのか?」

男「いや、全然……」

杏子「なんだよ、もうタネ切れかよ」

男「一人も連れてこないどころかメンバーに制限までかけてくる杏子ちゃんに言われたくないんだが……」

杏子「……ふん、まあいいさ。運動出来そうな奴を引っ張ってくればいいんだろ」

男「まあそうなるな」



男「あ、あの子2年のソフト部の子だ」

杏子「へー、いいじゃん。連れて行こうぜ」

男「おい、そこの君」

「え、なんですか……」

男「明日暇? 野球出来る奴探してるんだけど一緒にしない?」

「い、いえ、すみません……」

男「え、なんか用事あんの? いいじゃん、やろうよ」

杏子「おい、なんで来られないんだよ。断るっていうなら構わないけどさー、ちゃんと理由を説明してくれる?」

「ひっ……ご、ごめんなさい!!」タタタッ

杏子「あっ、待てよてめえ!!」

男「逃げるなーーーーーっ、殺されたいのか!!」

「ひぃーーー!!」ダダダッ

男「うーむ、さすが運動部、足が速い。追いつけなくもないが目立ってしまうからな」

杏子「ちっ、面倒くせえ」

DQN1「へへへっ、ちょろいもんだぜ」

DQN2「可哀相に、あの店潰れるぜw ま、ババアの店員なんか置くから悪いんだがなw」

DQN3「うひゃひゃひゃひゃ」

男「おい、お前ら」

DQN1「あ? ……げえっ!」

DQN2「お、お前はこの前の中学生……!」

男「ん? ああ、なんだこの前のDQN共か」

DQN3「なんだじゃねえよ、お前のせいで俺ら全員停学食らったんだぞ!」

男「そんなもん俺もだ。というかお前らは停学じゃなくても学校行かないだろうが」

DQN2「ギリギリ進級出来るようには出席してるんだよ!」

DQN1「DQN4はお前のせいで更生しちまって家で勉強してるしよぉ……」

男「いい事じゃないか」

DQN1「俺らはずっと仲間だって誓い合ったダチ同士なんだよ! それがお前のせいで……」

男「なんだ、こらーーー! 文句あるならかかってこい、また殴ってやるぞ!!」

「「「うひぃー!」」」

男「あ、そうだ、お前ら野球好きか?」

DQN2「え、野球?」

男「そうだ、明日暇じゃなくても俺達のチームに入れ。まあ草野球みたいなもんだ、日当も出るぞ」

DQN1「だ、誰がお前なんかと……」

杏子「おーい、こっちは全然駄目だ。商店街なんてジジババしかいやしねえ」

「「「ヒィィィィー!!」」」

杏子「あん?」

DQN2「あ、赤髪の長いポニーテールにその服装……」

DQN3「ク、クリムゾン・デビルだ……」

杏子「なんだそれ」

男「なんだなんだ?」

DQN3「お前知らないのかよ!?」

DQN1「神出鬼没で突然現れてはカツアゲやリイジメをしてる街の不良をボコって去っていく、悪魔のような強さの女……」

男「いい奴じゃないか」

DQN3「や、やべえよ! 東校のギガンテス狭間もやられたそうだぞ……!」

DQN2「で、でも最近子供を連れてるって話じゃないか? その子供を人質にとろうとした不良が逆に子供にボコられたからそいつはグリーン・ドワーフと呼ばれてるとか……!」

DQN3「わからねえ……だけど、身体的特徴はクリムゾン・デビルそのものだぞ!」

DQN1「おい! お、お前がクリムゾン・デビルなのか!?」

杏子「……」

男「おい、呼んでるぞクリムゾン・デビルちゃん」

杏子「死ね!」ドゴッ

男「おぼおおおおおおぉっ!」ドサッ

男「ぐ、ぐええ……」ゴロゴロ

DQN1「ひいいいいっ! あの中学生が一撃でやられた!!」

DQN3「やっぱりクリムゾン・デビルだぁーーー!」

杏子「変な名前で呼ぶな、殺すぞ!」

「「「ヒィィィィー!」」」

男「ぐぎぎ……お、おい、お前ら」

DQN1「な、なんだよ!?」

男「野球……しろ。クリデビちゃんはメンバーを求めている」

男「もし断ったら……」

杏子「ああ? こんな失礼な奴らにやらせんのかよ」

杏子「こいつらはいらねーよ、ぶっ飛ばして次に行こうぜ」

DQN1「い、いえ! あの、是非自分を仲間に入れてください!」

DQN2「あっ、ず、ずるいぞ! 俺だって……!」

DQN3「お、俺も俺も!」

男「よし、決まりだ」

杏子「ちっ……まあいいか、人数も足りないし」

男「お前ら名前は?」

DQN1「一宮です……」

DQN2「二宮です……」

DQN3「三宮です……」

男「……そうか」

杏子「……」

男「ちなみに更生した奴はなんて名前なんだ?」

一堂「佐々木です……」

杏子「四宮じゃないのかよ!」

「「「ヒィィィー、すいません!!」」」

男「ぐぎぎ……お、おい、お前ら」

DQN1「な、なんだよ!?」

男「野球……しろ。クリデビちゃんはメンバーを求めている」

男「もし断ったら……」

杏子「ああ? こんな失礼な奴らにやらせんのかよ」

杏子「こいつらはいらねーよ、ぶっ飛ばして次に行こうぜ」

DQN1「い、いえ! あの、是非自分を仲間に入れてください!」

DQN2「あっ、ず、ずるいぞ! 俺だって……!」

DQN3「お、俺も俺も!」

男「よし、決まりだ」

杏子「ちっ……まあいいか、人数も足りないし」

男「お前ら名前は?」

DQN1「一宮です……」

DQN2「二宮です……」

DQN3「三宮です……」

男「……そうか」

杏子「……」

男「ちなみに更生した奴はなんて名前なんだ?」

一宮「佐々木です……」

杏子「四宮じゃないのかよ!」

「「「ヒィィィー、すいません!!」」」

男「ええと、これで13人か」

杏子「11人な」

男「もうそろそろ暗くなりそうだしここまでだな」

杏子「まあそうだな」

男「杏子ちゃん……」

杏子「ん?」

男「↓2」

男「おっぱい見せてくれ」

杏子「死ね!」バキッ

男「おほおおおおおおおぉぉっ!!」ビクンッ

杏子「!?」

男「も、もっとぉ……」

杏子「お、おい、大丈夫か……?」

男「杏子ちゃん、エッチしようよ」

杏子「!?」バキッ

男「んっひいいいぃぃぃぃぃぃっ!!」ビクンビクンッ

杏子「な、なんだ!? お前どうしちまったんだ!?」

男「お、俺……!」

男「杏子ちゃんに殴られるのが気持ちよくなってきちまったみたいだ……」

杏子「……!?」

男「最初は痛いだけだったし、杏子ちゃんにムカついたりしたけど……」

男「回数を重ねていく内にだんだん慣れて、痛くなくなって……」

男「気がついたら逆に気持よくなってたんだ……!」

杏子「じょ、冗談はやめろ! 変態すぎるぞお前!?」

男「な、へ、変態だと……!?」


1.嘘に決まってるだろ!
2.そうか、俺って変態だったんだな……。

男「そうか、俺って変態だったんだな……」

男「でも別にいいんだ、変態でも……自分に嘘ついて生きてたってしょうがないもんな……」

杏子「よくねーよ、気持ち悪いだろ!」

男「えへへへ、杏子ちゃん、もっと痛めつけてぇ……♪」

杏子「来んな馬鹿! あっちいけ!」

男「俺がこうなったのは杏子ちゃんのせいだぞ。杏子ちゃんが何度も何度も俺の事殴るから……」

男「目覚めちゃったじゃないかぁ」

杏子「し、知らねーよ! もうアタシ帰るからな!」ダダダッ

男「待ってぇ!」

男「……行ってしまった」

prrrrrrr prrrrrrr

男「ん? ショウさんからか」

男「もしもし?」

ショウ『おう。今いいか?』

男「ああ、大丈夫だ」

ショウ『そうか。で、メンバーは集まったのかよ?』

男「当然だ。俺達を含めて全部で13人集まった」

ショウ『ほー、急だったのに大したもんだ! 上出来だぞ』

男「ふふん。で、どこに何時に集合すればいい?」

ショウ『ああ。時間は朝9時、場所は見滝原霊園前のグラウンドだ』

男「わかった。で、相手は? どいつをぶちのめせばいいんだ」

ショウ『ああ、それなんだけどな』

ショウ『今回はお前達が勝つんじゃなくて、あるチームを勝たせてもらいたい』

男「? どういうことだ」

ショウ『テレビの企画でな。アイドルチーム対地方民で色々な種目で対決していくって番組があるんだが……』

男「ああ、あの番組か。……ここに来るのか?」

ショウ『そうだ。見滝原でアイドルチーム2チームと地元チーム2チームが野球で総当り戦をする事になってる』

男「勝たせてほしいチームっていうのは?」

ショウ『アイドルチームの一方、竹見プロダクションだ』

男「じゃあ、その竹見プロダクションにだけ負けてあとのチームには勝てばいいんだな?」

ショウ『そういう事だな』

男「ちなみに依頼をしてきたのは……」

ショウ『もちろん竹見プロダクションの社長だ。娘でもあるアイドルの竹見桃子を勝たせるために手を回してきたってわけだ』

男「なるほどなあ」

男「……で、もう片方のアイドルチームっていうのは」

ショウ『そっちは所属も出身もバラバラの混成チームだ。女だからって甘く見るなよ、アイドルの基礎体力は高い。その辺の男よりずっと動けることもある』

ショウ『ああ、そうそう。お前と同じクラスの巴マミもそっちのチームに入ってるからな。知り合いだからって手ぇ抜くなよ……ってお前にはんなこと言うまでもないな』

男「……そうか」

ショウ『じゃあメンバーへの連絡はしっかり頼むぞ。今回は注文が難しいのもあって報酬が高額だ。しっかり仕事してくれればそっちも期待していいからな』

プツッ ツーツー

男「……うーむ」

男「もうちょっと真面目にメンバーを集めるべきだったかもしれん」

男「さて、寝る前に何かするか」

↓2

今日はこれだけにします。また明日きます。ありがとうございました。

男「そうそう、メンバーに連絡を入れておかないとな」



男「えーと、杏子ちゃんは暁美さんに、タツヤは鹿目さんに頼んだからいいとして……早乙女の連絡先がわからん」

男「まあいいか、どうせ来ても参加出来ないしほっとこう……」

男「じゃあ寝るか」

「にゃー」

男「なんだエイミー、お前俺に抱かれたいのか?」

「なー?」

男「モテる男は辛いな」ゴソゴソ

男「Zzzz....」



男「Zzzzzzz……はっ」

男「……」ムクリ

男「朝7時半か」

男「どうしよう。誰かと一緒に集合場所に向かおうかな?」


1.エイミーと行こう
2.杏子ちゃんと行こう
3.鹿目さんと行こう
4.美樹さんと行こう
5.友と行こう
6.幼馴染と行こう
7.DQN達と行こう
8.中沢と行こう

男「鹿目さんと行こう」

「にゃー」



男「鹿目さんの家に着いたぞ。インターホンを押してみよう」ピンポーン

男「……」

知久『はい?』

男「俺だ!!! 鹿目さんとタツヤを迎えに来たぞ!」

知久『あ、ああ。ちょっと待っててね』



男(少し待つと玄関からジャージ姿の鹿目さんが現れた)

まどか「おはようございます、男さん!」

まどか「ほら、タツヤも挨拶して」

タツヤ「おあよー!」

まどか「てぃひひ。よくできました」

まどか「男さん、わたしの家知ってたんですね。昨日パ……お父さんから聞いてビックリしました」

男「↓2」


1.たまたま見つけたんだ
2.ククク、将来は俺の財産になる家だからな……
3.父親の事パパって呼んでるの? ちょっと幼稚すぎない?

男「たまたま見つけたんだ。この間会ったときもこの近くだったし、鹿目っていう表札を見つけて間違いないと思ってね」

男「嬉しくてついお父さんに声をかけてしまったんだけど……うーん、迷惑だったかな……?」

まどか「い、いえ! 迷惑とかじゃなくて、ちょっとビックリしただけです!」

男「それならよかった! 鹿目さんに嫌われたらどうしようかと思ったよ!」

まどか「嫌いになんてなるわけないです。あ、でも」

まどか「タツヤも連れて行って本当に大丈夫なのかなぁ……」

男「ああ、大丈夫。実は控えのメンバーが足りなくてね、ただの数合わせだから安心してくれ」

まどか「う、うん。それもなんですけど、わたしが試合に出てる間どうしようって思って……」

男「む……」

男「……」

男「……あ、大丈夫だ。早乙女先生に引率を頼んでるから、鹿目さんがいない間はお願いしよう」

まどか「和子先生も来てるんですか!?」

男「和子?」

まどか「あ、和子先生っていうのは早乙女先生の下の名前です。お母さんと先生が仲良くって、たまに家にも遊びに来るんです」

男「へー、そうだったのか」

男「あ、着いたぞ。もう来てる連中もいるな」

まどか「おはようさやかちゃん!」

さやか「おはよーまどかっ!」

仁美「おはようございます」

さやか「ってなんで先輩と一緒に来てんの?」

まどか「え? えと……その……」

男(鹿目さんは困ったような表情でこっちを見ている……)

男「実は……」


1.俺達付き合ってるんだ
2.たまたまそこで会ったんだ
3.昨日は鹿目さんの家で泊まったんだ

↓2

男「実はたまたまそこで会ったんだ。タツヤもいるし、一応付き添いをと思ってな」

さやか「へー、じゃあその手に持ってるのはまどかの荷物? なんでカバン二つあるのかと思ってたけど、いいとこあるじゃん」

まどか「そうなんだ。ちょっと誤解されやすいだけで男さんはすごくいい人だよ!」

さやか「う、うーん」

男「ところで志筑さんはどうしてここに? 今日は親戚と……あっ」

仁美「はい。奇遇なことですね、私達もこれからみなさんと同じテレビ番組の企画に参加させていただきます」

まどか「そうなんだ!?」

仁美「もっとも、みなさんとは別のチームということになってしまいますけれど……」

さやか「うーん、仁美が相手かあ。これは手強いぞ」

まどか「だねー、仁美ちゃんわたしと違って運動得意だもん……」

男「↓2」


1.ふん、俺達の敵じゃないな。尻尾を巻いて逃げ出すなら今のうちだぞ?
2.お互い全力でがんばろう。せっかくだし楽しまないとな
3.か、勝てっこない……もう駄目だ、帰りたい……

男「ふん、俺達の敵じゃないな。尻尾を巻いて逃げ出すなら今のうちだぞ?」

男「俺達のチームは全員が全員百戦錬磨の猛者揃いだ。全国ネットで恥かく前に帰った方がいいと思うがな」

まどか「えー……?」

さやか「あんた、ハッタリにも程があるでしょ!」

仁美「ふふ……こっちだって負けませんよ?」

「お姉さま、この方達はどちらさまですか?」

男「ん?」

仁美「ああ、ごめんなさいね。今紹介しますから」

「はい」

まどか「あ、昨日言ってた親戚の子かな?」

仁美「ええ。先輩、まどかさん。こちら、私の親戚で霞凛(かすみ りん)さんです」

凛「霞凛です。よろしくおねがいします」

仁美「凛さんは小学一年生です。

仁美「凛さん。こちら私の学校での先輩で三年生の男先輩です。こちらはクラスメイトでお友達の鹿目まどかさん」

まどか「よろしくね、凛ちゃん」

男「↓2」

男「……」

まどか「男さん?」

「にゃー」ゴソゴソ

男(まずい、ズボンの中のエイミーが動き出した……)

仁美「猫の声?」

男「はぁ……はぁ……こ、こすれる……」

男「うっ……!」ドピュ

「にゃーっ!」バッ

まどか「わっ!」

仁美「まあ……!」ギュッ

「にゃ」

男(ズボンから飛び出したエイミーは、そのまま志筑さんの腕の中へ収まった)

まどか「え、エイミー? 男さんの服の中に隠れてたの?」

男「実はそうなんだ」

仁美「先輩、猫を飼っていらしたんですか」

男「いや、飼ってるわけじゃないんだが……」

男「ああ、そうそう。よろしくな凛ちゃん。俺は男だ」

凛「はい、よろしくお願いします! お姉さまのお友達のみなさん!」

さやか「いやー、凛ちゃんは礼儀正しいねえ。あたしにも同じくらいの歳のいとこがいるけど、もうとんだ悪ガキでさ」

さやか「あたしの事呼び捨てにするんだよ、信じらんないよね! 凛ちゃんの爪の垢でも飲ませてやりたいわー」

凛「いえいえ、わたしなどまだまだですから」

まどか「てぃひひひ。さやかちゃん、親戚の話するといとこの子の文句ばっかり」

さやか「え、そ、そうかな……?」

凛「……」

まどか「そうだよぉ。だけどそういう時のさやかちゃんってなんかちょっと嬉しそうなんだ!」

さやか「ええー!? 嘘でしょ、それはまどかの気のせいだって!」

まどか「してるよー」

さやか「してないってー!」

仁美「……」

まどか「ほんとだって。ほら、鏡みて」

さやか「どれどれー? うん、不機嫌そうな絶世の美女しか映ってないよ!」

まどか「あはははは!」

さやか「笑うな、失礼だぞー!」

仁美「……今日は、まどかさんがやや攻め気味ですのね」

まどか「え、何が?」

凛「ところでさやかさんとまどかさんって本当に恋人同士だったんですね」

さやか「は!?」

まどか「え!?」

凛「お姉さまから話には聞いていましたが、実際に見ないことには信じきれない部分もありまして……」

凛「中々いいものですね、こういうのも」

さやか「いやいやいやいや、違うよ!? ていうか仁美、凛ちゃんに何吹き込んでるの!?」



男(俺の入る隙間が無くなってきた……)

男(他のメンバーに話しかけてみるか)


1.杏子ちゃんと暁美さんに話しかける
2.友に話しかける
3.DQN達に話しかける
4.中沢に話しかける
5.早乙女に話しかける

男「杏子ちゃんに暁美さん、おはよう」

杏子「ん? おー……」

ほむら「……」チラッ

ほむら「……」

男「二人揃ってまともに挨拶も出来んのか」

杏子「うっせーな」

ほむら「……おはようございます、先輩。何か用ですか」

男「ふん、まあいい。ちょっとしたミーティングだ」

男「敵に巴さんがいるのは昨日連絡した通りだ。二人が居れば適当にやっていても勝てると思っていたが、これでそうはいかなくなった」

杏子「はあ、面倒くせー」

男「軽く練習するぞ。今日のピッチャーは↓2にしようと思ってる」


1.杏子ちゃん
2.暁美さん
3.俺

男「ピッチャーは杏子ちゃんだ。巴さんに勝つためにはそれしかない」

杏子「なんでアタシなんだよ。ほむらでいいだろ」

ほむら「頑張ってね、杏子」

杏子「うぜー」

男「暁美さんから昨日メールで教えてもらったぞ。単純な身体能力は杏子ちゃんのほうがずっと上だってな」

杏子「ほむらは時間止められるだろ。それで全員三振にしちまえよ、投げたフリしてミットに直接持っていけば楽勝じゃん」

男「お前には魔法を隠そうとかバレないように使おうとかそういう考えがないのか」

杏子「しらねーよ、勝てばいいんだろうが」

ほむら「……時間を止めるには変身する必要があるわ」

ほむら「さすがにあの姿でテレビに映るのは嫌。絶対にお断りよ。やるなら貴女がそうして」

杏子「アタシだって嫌だ!」

男「二人とも、変身して得意な魔法を使う事が出来ないんだ。それなら変身しなくても高い能力を発揮出来る杏子ちゃんがやるしかないだろう」

杏子「じゃあお前がやれよ」

男「……まあそれも考えておくけど、とりあえず杏子ちゃんがどれくらい投げられるのか見てみたい」

杏子「はぁ……面倒くせーな……」

杏子「じゃあいくぞー」

男「よし、まずは全力で来い」

杏子「おらっ!」ブン

バシィィィィィィッ

ほむら「167km/h」

男「おい、ふざけるな。こんな球百球以上も受けられるか」ピシュッ

杏子「お前が全力でやれって言ったんだろーが!」パシッ

男「もうちょっと手加減しろ。巴さんに投げる時だけ今のでいいから」

杏子「注文が多いんだ……よ!」ブン

バシィィィッ

ほむら「149km/h」

男「まあそんなもんでいいか」

ほむら「……個人的な感想を言わせてもらうけれど」

ほむら「女子中学生が時速149kmの球を投げたら球団もマスコミも黙っていないと思う」

男「大丈夫だ。スピードガンはその一つしか用意されてなかったから」

男「それを破壊すれば正確な球速は計れない。素人には打てない球は140も150も同じようなもんだ」

ほむら「それなら平気ね」

杏子「じゃあちょっと向こうでぶっ壊してくる」

男「任せた」

今日はこれだけにします。ありがとうございました。

男「さて、キャッチャーは俺がやるとして、今のうちに暁美さんのポジションも決めてしまうか」

ほむら「まだ決めてないの?」

男「うむ。昨日突然言われたからな」

ほむら「……」

男「そうだな、↓2をやってもらおうか」

男「センターをやってもらおうか」

ほむら「……」

男「なんだ、不満そうだな」

ほむら「杏子が投げたら打球はセンターには来ないわ」

男「いや、巴さんだけはどうなるかわからんからな。ランニングホームランでもされたらそれで試合が決まるかもしれない」

男「二塁でもいいけどここは安全策だ。活躍の機会は少ないけど頑張れ」

ほむら「そう」

男「……」

ほむら「……」

男「もしかして野球好きなのか?」

ほむら「……」

ほむら「病室で過ごす事が多くて暇だった。それだけよ」ファサァ

男「そうか……」

ほむら「まどかに挨拶してくるわ」スタスタ

杏子「へへ、ぶっ壊してきて捨ててやった」

男「よし、いいぞ。これで剛速球投げ放題だ」

幼女「おい、お前」クイクイ

男「ん?」

幼女「お前が男か」

男「そうだけど」

杏子「なんだこいつ」

幼女「今日はしっかりやれよ。われら武田騎馬軍が目立つためにな。わっはっは」テクテク

男「???」

友「あれはアイドルの竹見桃子だな。小さいがあれでも小学生なんだそうだ」

男「友。そうか、あれが今回俺達が勝たせないといけない奴か」

友「ああ」

男「なんか武田騎馬軍とか言ってたんだが……」

友「ああ、それはだな。竹見桃子といえば昔から子役として活躍していたんだが……」

友「時代劇や戦国時代の大河ドラマに出続ける内に段々変なしゃべり方になっていって、自分の事を武田信玄の生まれ変わりだと思い込むようになったらしい」

男「アホだ」

友「取り巻きを見ろ。男子高校生ばかりだろ? 今日のために甲子園にも出た事のある強豪校から金で引っ張ってきたやつらで固めてるんだぜ」

友「金の力で従えて、自分の事を甲斐の虎とか猛虎だとか呼ばせてるみたいだな」

男「うーむ、さすが芸能界は汚いな」

男「ぼちぼち他の奴らのポジションも決めないとな」

男「よーし、全員集合!!!!」パンパン



男「おい、一人足りないぞ」

まどか「え、誰か来てないんですか?」

男「全部で13人いるはずなんだが……」

一宮「え、俺らは全員いるぞ?」

二宮「ああ」

三宮「うん」

男「おい早乙女、点呼取れ。得意技だろ」

早乙女「先生を呼び捨てにするんじゃありません!」

早乙女「……幼馴染さんがいないんじゃないですか?」

男「ああ、そういえば見てないな……」

男「む、メールが来てるぞ」

用事出来たので休みます 幼馴染

男「……ビッチめ」

男「仕方ない、時間もないしポジションを決めるぞ」

俺がキャッチャーで杏子ちゃんがピッチャー。暁美さんはセンターで鹿目さんは控えだ。
美樹さん、↓2
中沢、↓3
友、↓4
一宮、↓5
二宮、↓6
三宮、↓7だな。

今日はここまでにします。ありがとうございました。

男「美樹さんファースト」

さやか「オッケー!」

男「中沢セカンド」

中沢「え、俺? だ、大丈夫かな……」

男「友、ライト」

友「わかった!」

男「一宮、サード」

一宮「へへへ、アイドルの子とクロスプレーになったりして……」

男「二宮、レフト」

二宮「わ、わかった」

男「三宮、応援団長」

三宮「!?」

男「みんなを応援してやってくれ」

ほむら「先輩、ショートが不在なのだけど」

まどか「えと、わ、わたしかな? ちょっと不安なんですけど……」

男「何言ってるんだ、鹿目さんはタツヤの面倒見ないといけないだろ」

杏子「じゃあどうするんだよ」

男「ショートは早乙女」

早乙女「わかりました! 先生に任せなさい!」

「「「「「「「「え!!!???」」」」」」」」

男(そう、俺は高校生以下のみの大会である事を忘れていた。ついでに早乙女にだけその事を伝えるのも忘れていた)

男(その後、みんなの反対を受けた俺だったが、結局無理やり早乙女をショートとしてそのまま出場させることにする)

男(周りから指摘を受けたが、ミスを認めたくなくて意地を張ってしまったのだ)

男(試合が始まり、嬉しそうにグラウンドに駆け出していく早乙女和子。番組スタッフや見物人が騒ぎ出す……)

男(無理もない。高校生以下の大会に突然老婆が乱入してきたら誰だって驚くだろう。俺だってもし敵のチームに老婆が混ざっていたら絶対に物言いをつけるからな)

男(その結果……)


「見滝原第二チーム、反則で失格!」


男(まさかの失格で社会的信用を完全に失った俺は、家を飛び出し、当てのない旅へと出た……)

男(そして、10年の歳月が流れた)



男「帰ってきたぞ、見滝原……」

男「10年前、俺はあの女のせいで全てを失った」

男「早乙女和子……あいつが婚期を逃した年増女だったために、俺はこんな目に……」

男(復讐の先には何もない。また、復讐心は人間の成長を妨げる)

男(早乙女を憎み続けた俺の時間は、中学三年生だったあの時で止まったままだ)

男(それでも俺は……俺を陥れたあの女が今もまだのうのうと教師を続けている事が許せなかった)

男「さあ、舞台の幕を上げよう……お前の教え子達は全てこの俺が始末してやる!」


GAME OVER

男「はっ、夢か……」

杏子「何がだよ。三宮が応援団長ってどういう意味だ?」

男「冗談だ。三宮はもちろんショートにいくしかないだろ!」

三宮「あ、ああ。わかった!」

男「よし、次は打順を決めるぞ!」

男(俺と杏子ちゃんと暁美さんで1,2,3番を固めて後は適当でいいな)

男「暁美さん、俺、杏子ちゃん、友、一宮、二宮、三宮、中沢、美樹さんで」

さやか「え、あたし最後? ……まあしょうがないか、この中じゃ一番力なさそうだし」

男「↓2」

今朝はこれだけです、ありがとうございました。

男「あ? 出してもらえるだけありがたいと思え!」

さやか「だ、だからしょうがないって言ってるだろ!」

男「しょうがないだと……? そんな受け身の姿勢じゃ困るぞ!」

男「美樹さんは9番打者の役割に気づいていないのか? 後に俺達が続くんだぞ?」

さやか「……あ、そうか。あたしが塁に出られないと、アウトカウントがついたまま1番に打順が回って……」

男「そうだ。このチームにおいての1番から3番の重要性は美樹さんならよくわかっているだろう」

男「君はそんな大事な9番打者を任されたんだぞ! もっと気合を入れてくれないと困る!」

さやか「そ、そうか……あんたが2番なのは意味がわからないけど、ほむらや杏子ちゃんの前だって考えると9番も大役だね」

男「わかってくれたか……じゃあ2アウトで美樹さんに回ってきたらしっかりわざとアウトになってくれよ?」

さやか「おい!」

男「くじ引きの結果、俺達の一回戦の相手は見滝原第一チームになった」

杏子「アタシらが第二チームだっけ?」

男「そうだ。第一チームには志筑さんたちがいるぞ」

男「鹿目さん、美樹さん。志筑さんは野球は得意なのか?」

まどか「う、うん。体育の時間にソフトボールやった時はもうすごかったよ」

さやか「打っても走っても投げてもハイレベル。本当に同い年なのかよって思ったよ……」

まどか「あ、でも、わたしとさやかちゃんが打つときだけ投げるの手加減してくれてたよね」

まどか「わたしそれでも打てなかったんですけどね。あはは……」

男「うーむ、なるほどなあ。志筑さんには要注意だな」

男(まあ、いくら出来るとはいえ所詮は人間レベルだろう。魔法少女の敵じゃないぞ)

男「向こうのチーム、年齢層は高めなのに高校生は控えに回ってるな」

中沢「小さい子を優先的に出してあげようとしてるんじゃないですか?」

男「ふん、エンジョイ志向というわけだな。やる気がないならこっちにとっても都合がいいぞ」




審判「それでは全員整列! 礼!」


「よろしくお願いします!」


仁美「先輩はそちらのチームのリーダーでしたのね。今日はどうぞよろしくお願いします」

男「……」


1.舌を出しながら中指を立てる
2.舌を出しながら親指を下に向ける
3.舌を出しながら親指で首を切る動作をする
4.ああ、お互いスポーツマンシップにのっとって全力で戦おう!

↓2

男「ウヒヒ……おめえは地獄のデビルとでもよろしくしてな」

男(俺は舌を出し、親指で首をかき切る動作をしながら志筑さんを挑発した)

凛「……!」

仁美「まあ……!」

さやか「ちょ、ちょっとあんたね! カメラの前で何やってんのさ!」

男「ふっ、馬鹿め……カメラの前だからやるんだよ」

さやか「何言って……」

「カット! いいよー、そのヒールっぷり! 他の出演者のみんなもどんどん自分にキャラ付けして行ってねー!」

ほむら「あれは確か有名な番組ディレクターの……」

男「所詮俺達も相手チームもぽっと出の無名な子供達でしかない。そんな俺達同士の戦いは番組には本来不要なんだ。映るべきはアイドルだけなんだよ」

杏子「まあそりゃそうか」

男「このまま淡々と試合をしてたら、放送時には結果だけ流して試合は全部カットされるのがオチだ。番組自体が味気ない物となってしまってはせっかくの勝利も色あせてクライアントに満足いただけないだろう?」

さやか「ああ、そっか。ただ楽しめばいいってわけじゃないんだったね……」

男「そういう事だから悪役として活躍して、後に竹見プロダクションに華々しく倒されるのが俺達の仕事だ」

ほむら「随分とダーティーね」

審判「プレイボール!」

凛「よろしくおねがいします」

男「俺達は後攻だ。一番は志筑さんの親戚の……誰だっけ……」

凛「霞凛です」

男「そうそう、凛ちゃんだった」

男(よし、とりあえずストレートの球速でビビらせて泣かすか)



杏子「……」コクッ

杏子「おらっ!」ビシュッ



凛「!」

バシィィーーッ

審判「ストライク!」

男「よし!」

凛「速い……150キロくらい出てますね……」

男「む……」

凛「女の子のなげる球だとはおもえません」

男「気のせいだろ。そんなにはでてないよ」

男(……少し球速を落とさせるか)

男(もっと球速を落とせ)



杏子「チッ……」コクッ

杏子「おらよっ!」ビシュッ



凛「……!」

凛「えいっ!」コツッ

男「バントだと!?」ダダッ

凛「……」シュタタタタタタッ

男「捕球!」パシッ

男「美樹さん……何!?」



凛「余裕でセーフ!」ダンッ

凛「二塁! 二塁は……残念、キャッチャーがにらんでる……」



杏子「おい、何やってんだよ! いきなり塁に出られてるじゃねえか!」

男「いや、あんなに足が速いとは思わないだろ普通……」

仁美「どうぞお手柔らかに」

男「次は志筑さんか」

男「……」

男(牽制しろ)



杏子「……」ビシュッ

凛「!」ササッ

さやか「ひゃあぁっ!?」バシィィッ

杏子「チッ……」

さやか「こらー、いきなりこっちに投げるなー!!」ポイ

杏子「牽制はいきなりするもんだろ……」パシッ



男「……」


1.もう一回牽制
2.全力ストレート
3.150キロストレート

男(もう一回牽制だ)



杏子「……」ビシュッ

凛「!」ササッ

さやか「わわっ、と!」バシィィッ

さやか「こらー! 恐いからやめなさいって言ってるでしょ!」ポイ

杏子「しょうがねえだろ」パシッ




男「……」


1.全力で牽制
2.全力ストレート
3.150キロストレート

↓2

男(一球目の速さのストレートで来い!)



杏子「……」コクッ

杏子「おらっ!」ビシュッ



凛「!」シュタタタタ

男(やっぱり走った!)



仁美「……」

バシィィーーッ

男(二塁送球だ!)

男「中沢死ねーーーーーーっ!!」ビシュッ



中沢「ひいぃぃっ!?」バスッ

コロコロ……

杏子「てめえ何落としてんだ殺すぞ!!!」

凛「……」シュタタタタタタッ

さやか「ランナー二塁蹴ったよ!」

男「中沢ーーーーッ!! お前は後で必ず殺す!!」

友「2年!! お前敵のスパイか!? 殺す!!」

中沢「あ、あわわわ……」

ほむら「中沢君、早く拾って!」

中沢「は、ははははははい!」スッ

中沢「さ、三塁!」シュッ

男「あっ待て! 投げるな!」



凛「……」シュタタタタタタタッ

一宮「三塁蹴ったぞ!?」パシッ

一宮「くそっ、ホーム間に合え!」シュッ

男「くっ……!」

凛「生還!」ズザァァァァァ

男「……」パシッ

中沢「あー……先制されちゃったぁ……」

男「先制されちゃったぁ……」

男「じゃないだろ!!!!」

中沢「ひぃっ!?」

友「お前何貧弱な肩で勝手に送球してるんだ? お前の家族全員殺してからお前も殺すからな!!」

中沢「ええええぇっ!?」

杏子「ていうかさー、何落としてんの? キャッチボールもまともに出来ないわけ? だらしねえ奴……」

中沢「あ、暁美さん……」

ほむら「……」

ほむら「はぁ……だから私が二塁に行きたかったのに……」

中沢「う、うぅぅぅぅ……」

男「お前そんなんでよく二塁に入ろうっていう気になったな?」

中沢「だ、だって先輩が行けっていうから……」

友「お前まさか男のせいにする気か!? 自分から二塁がいいって言ったんだろうが!」

中沢「い、言ってません!」

友「この上俺を嘘つき呼ばわりだと!? もう我慢ならねえ、お前は今すぐ八つ裂きにしてやる!!!」

中沢「ひぃぃぃーーーっ!」

男「もういい友! そんな奴は殺す価値もない……今は試合に集中しろ!」

友「ケッ……命拾いしたな!」

中沢「な、なんでこんな目に……」

一宮「ド、ドンマイ中坊!」

二宮「あれは取れなくてもしょうがねえって!」

三宮「ランナーが速すぎたんだよ! 気持ち切り替えていこうぜ!」

中沢「あ、ありがとうございます。悪そうな人達……」

男(もう一回さっきのストレートだ)



杏子「……」コクッ

杏子「ふんっ!」ビシュッ



バシィィーーッ

仁美「……」

審判「ストライク!」

男(これで2ストライク……最後はインコースで速球への恐怖を心に植えつけて終了だ!)



杏子「っらぁ!」ビシュッ



仁美「やぁぁぁっ!」

キィンッ!!

男(……完璧に捉えられた!?)

杏子「な……!」

ギュイィィィンッ

中沢「ぴぇぇぇぇぇぇ!」

バシィィィーーーッ

中沢「ぇぇぇぇっ……」

中沢「……」

中沢「……あ、あれ?」

審判「アウトォ!」

男(運良く中沢のグラブに収まったか……)

中沢「え、えへへへ……」

二宮「ナイス中坊!」

三宮「見たかよ今の! 超ファインプレーじゃん!」

一宮「ヒュゥ! やれば出来るんじゃねえか!」

中沢「どうもどうも。えへへ……」

男「↓2」

男「やれば出来るじゃん♪ 次も今の調子で頼むよ☆」

中沢「え!? い、今のはまぐれで……」

男「えぇぇぇ! 出来ないの!? なんで!!」

中沢「だって今みたいな打球は速すぎるし……」

男「……ああそう」

男「暁美さん。中沢今のまぐれなんだって。次はもう捕れないんだってさ……残念だね……」

ほむら「そんな事見ればわかるわ。やっぱり今からでも私がセカンドに……」

中沢「い、いえいえいえいえ! 次も捕ります! 頑張りますので!」

男「おっ、いい返事だね♪」

男(続く打者を三振に取り、一回の表が終わった)



男「よし、行け暁美さん! さっさと逆転してしまうぞ!」

ほむら「すー……はー……」

ほむら「……行ってくるわ」



凛「よろしくおねがいします」



まどか「あ、あれ? 仁美ちゃんが投げるんじゃないんだ」

男「むう、あの子がピッチャーなのか……」

さやか「仁美はキャッチャーかよ! イメージに合わないなあ」



凛「……」シュッ



ほむら「……!」ブンッ

審判「ストライク!」

ほむら「……!」ブンッ

審判「ストライク!」

ほむら「!!!!!」ブンッ

審判「ストライーク! バッターアウト!」



ほむら「気をつけなさい。思ったよりは出来るみたいだから」

男「だせぇ……期待外れすぎる……」

ほむら「や、野球は初めてなのよ!」

男「さて、俺の打席だな」



凛「よろしくおねがいします」ペコッ



男「↓2」


1.フッ……手加減はしないぜ?
2.ああ、こちらこそよろしく!
3.お子ちゃまなのにきちんと挨拶が出来てえらいでちゅねえ!

少し離席します

男「お子ちゃまなのにきちんと挨拶が出来てえらいでちゅねえ!」

男「でもこれは真剣勝負なので手加減は出来まちぇんよぉぉぉぉ? 残念でちたねえ!!」

仁美「ふふふ……」

仁美「先輩。凛さんにはそういった挑発行為は通用しませんよ」

男「ふん。勝つためには通用しなくてもとりあえずやってみるのがプロだ」



凛「……行きます」シュッ



男(棒球かよwwww 貰ったな!)

男「おらぁ!」ブンッ

バシィッ

審判「ストライク!」

男「む……」

男(おかしいな。完璧に捉えたと思ったのに)

男(ちょっと一球見てみるか……)



凛「……」シュッ



バシィッ

審判「ストライク!」

男「……」

男(やっぱりただの棒球だな……)



凛「……」シュッ



男「死ねぇ!!」ブンッ

バシィッ

審判「ストライク! バッターアウト!」

男「あれ?」

杏子「何やってんだよ、ほむらにあんなこと言っといてお前も口だけかよ」

男「おかしいな? いや、違うんだよ。俺が悪いんじゃなくてあの球はおかしいんだよ」

杏子「何言ってんだよ、言い訳にもなってない言い訳してんじゃねえよ。バッカじゃねえの」

杏子「あーあ、二人揃ってだらしねえの。ランナーの一人も用意できねえのかよ」

男「く……」

ほむら「……」

杏子「見てなよ、アタシがバットの振り方のお手本を見せてやるからさ」



杏子「っらぁ!」ブンッ

審判「ストライーク! バッターアウト!」



杏子「……」

男「いやぁ、見事なバットの振り方だったなあ!」

ほむら「いいお手本ね。すごく勉強になったわ」

杏子「ぐ、くそっ……」

3回表


男「2アウトからまた凛ちゃんか……」

男「どうしよう?」


1.死球
2.四球
3.直球

↓2

今日はこれだけにします。ありがとうございました。

男(よし、狙って当てろ!)



杏子「!?」

杏子「……」ブンブン



男(何、拒否するつもりか?)

男(馬鹿な事はやめろ。いいから当てるんだ! ぶっ殺せ!)



杏子「……」ブンブン



男(ええい、いう事を聞かないか! キャッチャーの指示は絶対だぞ!)



杏子「……」コクッ



男(ふふふ、最初からそうやって素直になればいいんだ)



杏子「……」ビシュッ

ギュィィィィィィン



凛「!」

ドゴォッ

男「おぎゃあ!」ドテッ

男(167キロの剛速球がキャッチャーマスクに直撃した!)

男「ば、馬鹿か! どこを狙っている!」

杏子(馬鹿はお前だ)

男「なんだと!」

凛「あの、大丈夫ですか?」

男「あ、ああ、平気だよ。凛ちゃんは優しいね。勝負の最中でも相手を気遣うその気持ちを忘れたらいけないよ」

凛「え? は、はあ」

男(くそっ、杏子ちゃんのせいでボールカウントがついてしまった)


1.死球
2.四球
3.直球

男(しょうがない、インローに直球だ)



杏子「おらっ!」ビシュッ



凛「……!」ブン

バシィィィーーーッ

審判「ストライク!」

凛「……!」ブン

バシィィィーーーッ

審判「ストライクツー!」

男「おいおいどうした? さっきみたいにバントはしないのかなぁ~???」

凛「……」

男(くくく、これが俺の真の狙いだ)

男(あの剛速球を見せることによってボールへの恐怖心を植え付け、バントのためにストライクゾーンに身体を近づけるのを躊躇させる作戦だったんだ)

杏子(お、お前なぁ。子供相手に……)

男(これでもうバントは出来まい。あの脚もボールを飛ばさなければ発揮されることはない。俺の勝ちだ)

凛「!」ブン

バシィィィーーーッ

審判「ストライク! バッターアウト!」

男「ぎゃはははははは! ざまあ見ろ! バーカバーカ!」

男「お前らにはもう点はやらねーよ! まぐれで取った一点もあっという間に返してやるからな!!!www」

男「3回裏、こっちの攻撃だ!」



三宮「だぁっ!」ブンッ

審判「ストライク! バッターアウト!」

中沢「はぁんっ!」ブンッ

審判「ストライク! バッターアウト!」



さやか「うへ~……次はあたしかぁ」



男「……おい、今まで誰もバットにかすりもしてないじゃないか」

ほむら「全員三球三振なんて……ありえないわ」

男「おい、まさか凛ちゃんが魔法少女だとかいうことはないだろうな!?」

杏子「ねえよ。もし魔法が使われてたらアタシらには一発でわかる」

ほむら「使う魔法を肉体強化のみに留めれば、ある程度はごまかせるけれど……それでも魔法少女が疑いの目で見れば隠し通せるものではないわ」

まどか「うーん」

まどか「あのねみんな、ちょっといいかなぁ……」

男「なんだ」

まどか「へ、ヘンなこと言っちゃったらごめんね?」

まどか「えと、さっきからずっとベンチで見てたんだけど……凛ちゃんの投げた球って、バットを避けてるように見える……ような……」

杏子「はぁ?」

男「球がバットを避けるだと? そんな事あるわけないだろ!」

まどか「そ、そうだよね! ごめんね、ヘンな事言って! みんな忘れて! 本当にごめん!」

ほむら「気にする事はないわ、まどか」

ほむら「先輩、まどかはまどかなりに私達の助けになろうとしてくれてるのよ。あまりきつい言い方をしないで」

男「はいはい」

さやか「えいっ!」ブンッ

キンッ

さやか「おっ、当たった!」タタタタッ

「ファースト!」シュッ

「オーライ!」パシッ

塁審「アウト!」

さやか「あっちゃ~……」



男「あ、当たっただと?」

さやか「あははは。当たってもあんなボテボテのゴロじゃ全然だめじゃん!」

まどか「当てただけでもすごいよさやかちゃん!」

さやか「そ、そう? いや~、大きすぎる才能は隠そうとしても隠し切れないものですなぁ!」

まどか「てぃひひひ……」

男「おらぁ! ここからは一点も渡さないぞ!」

男「気合入れて守れお前ら!!!」

「「「「「「おー!」」」」」」



仁美「やぁ!」キン

男「暁美さん行ったぞ!」



ほむら「……」タタタタタタ

ほむら「……」ピタッ

パスッ



審判「ホームラン!」

男「……」

杏子「……」

男(おい、何打たれてるんだ!?)

杏子(知るかよ! お前の出したコースにお前の言った速さで投げたんだろーが!)

男「くそっ、これで2対0か……」

男「4回の表、2巡目の1番からだ!」

男「暁美さん、しっかり頼むぞ!」

ほむら「ふぅ……」

男「↓2!」

男「いいか、君の仕事は敵の魔法を見抜く事だ」

ほむら「魔法は使ってないと言ったでしょう?」

男「そんなのわからないだろう! 一瞬だけ使ってばれないようにしたのかもしれない!」

男「打つ事よりも相手をよく観察することに力を入れるんだ! いいな!?」

ほむら「はぁ……わかったわ。だけど期待はしないで」



ほむら「……」

バシィッ

審判「ストライク!」

ほむら「……」

バシィッ

審判「ストライク!」

ほむら「…………」

バシィッ

審判「ストライーク! バッターアウト!」



ほむら「やっぱり魔法は使ってないけれど?」

男「どうしてバットを振りもしないんだ!? 馬鹿か!? 振らないと当たらないんだぞ!!」

ほむら「……」ドスッ

男「おぶぉぉぉぉっ!!」ガクッ

男「バ、バットは人の腹を小突くための道具じゃないんだぞ……!」

ほむら「貴方が振るよりも観察しろと言ったんでしょう……」

男「次は俺か……」



凛「よろしくお願いします」



男「澄ました顔しやがって……」


1.ホームランだ!
2.よく観察する!
3.バントで足の勝負だ!

↓1です

男(こうなったらバントして足で勝負してやる……)

男「敬遠だけはしてくれるなよ? ピッチャー返しでてめえの顔面グチャグチャにしてやるぜ!!」

男(俺はバットの先を凛ちゃんの顔面に向けた)



凛「……」シュッ



男「死ね!! バントピッチャー返し!!」バッ

コツッ

男「うおおおおおおおおお!!」ダダダッ

シュタタタタタタッ

凛「!」パシッ

男「あれっ速い!?」

凛「ファースト!」シュッ

「オーライ!」パシッ

塁審「アウトォ!」



男「ふぅ……」

杏子「あいつが足速いのなんてわかってた事だろ。馬鹿じゃねーの」

男「……」

男「フッ……俺の狙いに気づかなかったのか?」

杏子「あ?」

男「杏子ちゃん、次の打席だが……↓2してみてくれ」

男「プッシュバントしてみてくれ。今俺がやって見せた押し出すようなバントだ」

杏子「……なんでだよ」

男「プッシュバントならボールはちゃんとバットに当たるだろ」

杏子「はっ、なんだよそれ。勝負を捨てるつもりかよ!」

杏子「当たるだけじゃ意味ねーだろ! お前だって一塁まで全然間に合ってなかったじゃん!」

男「それはそうだけどな……でも、ただ当たるっていうだけでも今はそれが重要な気がする。更なる対策はまた考えるから、今は当てる事を優先してくれ」

男「このまま闇雲にバットを振り続けても三振の山を築かれるだけだ。わかるだろ?」

杏子「……」

男「……」

杏子「2ストライクまでは勝負させろ……追い込まれたらいうとおりにしてやるよ」

男「わかった、それでいい」

男「でも俺は杏子ちゃんがバントを失敗するとは思ってないからOKしたんだからな? 絶対にミスるなよ? フリとかじゃないからな」

杏子「うるせー」

男「さて、どうなるか……」



杏子「おらぁ!」ブンッ

バシィッ

審判「ストライク!」



男「……ん?」



杏子「この……やろ!」ブンッ

バシィッ

審判「ストライク!」



男「ん、んんんん?」



杏子「……ちくしょう」コツッ

凛「ファースト!」シュッ

塁審「アウト!」



さやか「あー、また三者凡退で終わりかぁ……」

男「切り替えていくぞ! 全員守備につけ!」

男「さて、5回の表の攻撃だが……」

友「あのメスガキャァ……試合が終わったらぶっ殺してやるぜ……」

男「待て、友。俺にはあの球の正体が掴めたぞ」

友「本当かよ男ぉ!?」

男「もちろんマジだ。みんなも聞いてくれ! 全員集合!」

ゾロゾロ...

男「あの球の正体、それは……」


1.超回転のかかった魔球だ
2.球威を極限まで落とした魔球だ
3.魔法の力で変化する魔球だ

↓2

男「あの球の正体、それは……球威を極限まで落とす事によって『ボールがバットを避ける』魔球だったんだ!」

男「さっき杏子ちゃんの打席をよく観察して確信した。なかなかすごい魔球だったがこの俺の慧眼であっさり見破ってしまったんだ」

まどか「えー……」

ほむら「……」

一宮「な、なんだって!?」

二宮「そんな球投げれんのかよ!」

三宮「まるで星飛雄馬じゃねーか!」

友「よっしゃあああああああ!! そうとわかればもう安心だぜぇぇぇぇぇ!!」

友「魔球を投げる前にピッチャーをボコボコにすれば魔球は来ない!! これで俺たちの勝ちだなぁ!!」

男「待て友! それだと見破った意味がない! 攻略法は別にあるんだ!」

友「え……?」

男「魔球の攻略法、それは……↓2が示してくれた!」


1.美樹さん
2.杏子ちゃん
3.中沢

男「攻略法は美樹さんが示してくれている!」

さやか「え、あたし?」

男「わからないのか? 美樹さんは本当に馬鹿だなあ……」

さやか「うっさいわ! どういうことか早く言いなさいよ!」

男「美樹さんがなぜ9番に置かれているのかを思い出せ!」

さやか「そりゃあ1番に繋がる大事な打順だからでしょ?」

男「違う、馬鹿か! あんなの適当におだてたに決まってるだろ!」

さやか「……」

男「美樹さんが9番に置かれている理由は……一番パワーがないからだ!」

さやか「それが一体何に……あっ」

男「ふっ、ようやく気づいたようだな」

さやか「そうか、球威がなさすぎてスイングの風圧に弾き飛ばされるボールなら……」

男「そう、手加減したスイングでやさしく当てればいい!!」

さやか「なるほどね! いやー、さっすがさやかちゃん。知らぬ間に魔球を打ち破ってしまっていましたか!」

杏子「いや、でもさ。それだと……」

ほむら「……そうね。まだ攻略には至らないわ」

男「よし、行け友!」

友「おう!」



友「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブン

コツン

友「よっしゃあああああ当たったぜぇぇぇぇぇぇ!!」ダダダッ

「オーライ!」パシッ

塁審「アウト!」



ほむら「……やっぱり、ある程度は力を込めて打たないと内野ゴロにしかならないわ」

男「ふっ……それも考えてある」

男「攻略法の第二の矢は……↓2が示してくれた!」

1.杏子ちゃん
2.中沢
3.友

男「杏子ちゃんのやった姑息で卑劣な手を使えばあの魔球はもはや死んだも同じだ!」

杏子「ああ!? どういう意味だよ! アタシのどこが卑劣だってんだ!」

男「いくら打てない球を投げることが出来ても所詮は小学一年女子……俺たちとは基礎体力が違うんだ!」

男「全員掛かりで杏子ちゃんのやったように2球投げさせた上でバント処理もピッチャーにやらせろ! すぐにスタミナが切れるに決まってる! そうなればこっちのものだ!」

友「さすがは男だぜぇぇぇぇ!! 頭脳プレイとはまさにこのことだな!!」

さやか「姑息で卑劣なのがあんたの方なのはよくわかったわ……」

男「行け、友! あの生意気なガキを正々堂々とルールにのっとってぶっつぶせ!」

友「おう!」



男(その後、6回表の攻撃で更に1点を失った俺たちだったが……)

男(続く6回裏の攻撃……)

中沢「はぅんっ」コツッ

コロコロ...

凛「は……!」パシッ

凛「ファースト! ……あっ」シュッ

「ちょ、高い!」



男「よっしゃ暴投しやがった! ざまあないぜ!」

杏子「っしゃ! 初めてのランナーだな!」

さやか「よーっし! さやかちゃんも続いちゃおう! ヒット打っちゃうよ、ヒット!」

仁美「タイム!」

さやか「おや?」

仁美「凛さん……!」タタタッ



凛「大丈夫です、平気です……まだ打たれたわけじゃありません……」

仁美「頑張ってくれるのは嬉しいですけれど、この後にも試合はまだ2つ残ってるんですよ。それでも平気だと言うんですか?」

仁美「そもそもここは無理をするような舞台ではないのに。貴女は自分の実力をわかっていて、自分に出来る事と出来ない事を正しく把握してくれる子だと思っていましたけれど……それは私の過大評価だったんですか?」

凛「……」

凛「ごめんなさい、お姉さま……後の試合では必ず役に立って見せます……」

仁美「大丈夫ですよ。これまで凛さんががんばってくれたおかげで3点差がついていますから。後は他の人達に任せましょうね」

仁美「あの……ピッチャーを交代します!」



さやか「うげ、仁美かよ……」

仁美「さやかさん……お互い全力での勝負をしましょうね?」

仁美「いいえ、さやかさんにそのつもりが無くても私は全力で行かせて貰います」

仁美「凛さんは私にとって大切な……妹のような人なのに。それをさやかさん達の姑息で卑劣な手管であんなに疲れさせるなんて……」

仁美「あんまりだとは思いませんの!?」シュッ

さやか「あ、あたしは!」ブンッ

ズバンッ

さやか「卑怯な事は!」ブンッ

ズバンッ

さやか「別にやってないよ!?」ブンッ

ズバンッ

審判「バッターアウト!」

仁美「わかっています。ほんの冗談ですから」



男「結構速いな……」

ほむら「120km/hというところじゃないかしら」

杏子「……へっ」

ほむら(だけど、ただ少し速いだけの球なら……)

ほむら「……!」キンッ

男(ぷっ。こんなの打ち頃じゃないか)

男「おらっ!」キンッ

杏子(悪いな。これ仕事だし……)

杏子「うらっ!」キンッ



仁美「交代してあっという間に2点も……まさかここまで実力差があるなんて」

友「2アウト2塁か……これじゃあ……」

仁美「……私は志筑の娘。例え負けるとしても潔く……」

仁美「全力勝負、ですわっ!!」ビシュッ

友「ホームラン打っても2点しかはいらないじゃねえかよぉ!?」

ガキィィィィン



男「4対5で9回裏を残してゲームセット」

まどか「やっぱり仁美ちゃんってすごいなぁ……魔法少女の杏子ちゃんからホームラン2本も打っちゃうんだもん……」

杏子「おい、言っとくけどかなり手加減してるからな」

まどか「あ、う、うん。わかってるよ。それでもすごいなぁって。わたしじゃ絶対ムリだし……」

杏子「……ま、根性は認めてやるよ」

男「ところで竹見プロのチームはどうなってるんだ?」

杏子「おっ、ちょうど今終わったみたいだぜ」

男「ほう。どれどれ? 金で集めたあの高校球児の集団が簡単に負けるとは思えんが。甲斐の虎の実力を見せてもらうか」



アイドル混成チーム 33-4 竹見プロダクション



桃子「なんでじゃ!?」

男「いや、こっちが聞きたいんだが……」

杏子「何をどうやったら1試合で33点も入れられるんだよ!?」

桃子「おかしいのう、2回までは完封だったんじゃがのう……」

桃子「敵がよわっちいからわたしもマウンドで投げたくなって、そこから交代してもらったらいつの間にかこうなってた……」

男「周りも止めろよ!」

「いや、桃子さんに逆らうと給料出ないって社長が……」

杏子「バカ親とバカ娘のコンビかよ、タチ悪いな……」

桃子「む、おぬし今わたしのことバカっていいおったか!? 給料減らすぞ!」

杏子「言ってねえよ、気のせいだ」

桃子「おお、そうじゃったか? すまんのう」

男「素直だ……」

杏子「おい、お前はもう次の試合から投げんなよ。他の奴らに任せとけ」

桃子「ふん、言われんでもそうするわ。いっぱい投げて疲れたからのう」

桃子「ああ、次はキャッチャーがやってみたいぞ! ピッチャーにあれこれ命令するのは面白そうじゃ!」

杏子「ちょ、やめろ! これ以上負けられたらフォローできねーぞ!」

男「外野とかにしとけ。ああ、ベンチなら尚良いぞ!」

桃子「なんでおぬしらにそんなこと決められないといかんのじゃ……」

桃子「まあよい、やっぱり疲れたし次の試合はベンチで休んでやるとするかの」

男「次はアイドル混成チームか」

杏子「マミのやつがいるチームか……」

男「4番でピッチャーみたいだぞ、巴さん」

杏子「どうでもいいっての、あんな奴のことなんて。それより絶対勝つぞ」

男「当たり前だ」



審判「それでは全員整列! 礼!」


「よろしくお願いします!」


マミ「まさかあなた達が見滝原代表になっているなんてね……」

マミ「悪いけど、私には事務所の期待がかかっているの。負けてあげるわけにはいかないわ」

男「↓2」

男「うっわきもちわる」

マミ「!?」

男「何マジになってんの? きも……」

杏子「あーだりー……さっさと勝って終わらせて帰ろうぜ」

杏子「ん、巴マミじゃん。あんたいたの? 全然気づかなかった」

男「あ、本当だ。よく見ると巴さんじゃん。きも」

マミ「あ、あなた達がそういう態度でも、私のこの企画に懸ける想いは変わらないわ!」

まどか「マミさん、今日はよろしくお願いします!」

さやか「あたしらも本気で行くんでよろしくっす!」

マミ「え、ええ。お互いベストを尽くしましょう?」

「「はい!」」



男「今度も向こうの先攻か……」



杏子「おらっ!」ビシュッ

審判「バッターアウト! チェンジ!」

男「まあ楽勝だな」



ほむら「はぁ、また私からなのね……」

男「↓2!」

あ、もう書いた後だったので……
連呼は禁止ではないし有効だけど個々の判断で遠慮するということでお願いします。

すみません、今日はここまでにします。ありがとうございました。

男「巨乳に負けるな! 貧乳の意地を見せてやれ!wwwww」

ほむら「……」

男「スポーツするなら巨乳なんて邪魔なだけだろw貧乳の方が強いって!w」

ほむら「……」

男(……なんだ? まるでゴミを見るような目で何を見ている……?)

男「俺の後ろに何かいるのかな?」クルッ

ほむら「……行ってくるわ」スタスタ

男「あ、ああ」



マミ「一番は暁美さん? ふーん、最初に運動の出来る人を固めているってわけね」

ほむら「あまり私好みのやり方じゃなのだけど。無理に変えさせる必要もないから従っているだけ」

デブ「フフフ……巴さんの球を見て驚くといいわ!」

ほむら「……誰?」



男「おい、あのキャッチャーのデブ女は何だ」

友「ありゃハンプティダンプティっていう女芸人グループのリーダーだな」

男「なんで芸人が混ざってるんだ……」

友「アイドルの引き立て役じゃないか?」

男「他のメンバーもデブなのか?」

友「ハンプティダンプティは一人グループなんだ」

男「存在自体がギャグじゃないか」

マミ「行くわよ!」ビシュッ

ほむら「速い……でも!」

ブンッ

バシィィィーーッ

ほむら「……!」

審判「ストライク!」



男「今のって……」

友「ああ……シンカーだな」

友「球速も120は出てた。中学生のレベルじゃないぜ」



ほむら「……!」ブンッ

バシィィーーッ

友「あれはフォーク」

ほむら「……!」ブンッ

バシィィーーッ

友「あれはストレート」

審判「ストライク! バッターアウト!」



ほむら「気をつけなさい。思ったよりは出来るみたいだから」

男「それさっきも聞いたぞ。暁美さんが気をつけろよ」

ほむら「……次は打つわ!」

男「さて、次は俺だ」

マミ「あら、佐倉さんじゃないのね。男君が相手なら手加減してあげないとね」

男「打たれたときの言い訳の準備か? それなら全力で来てくれた方がいいんだけどな」

マミ「……へえ。暁美さんと佐倉さんが相手の時だけにしようかと思っていたけど」

マミ「私が本気を出すっていうのがどういうことか、わかって言ってるのよね?」

男「↓2」


1.いいから早く投げろよ、ハンプティダンプティの二人目
2.そっちこそ俺の本気を知らないのか?
3.や、やっぱり手加減してくれるとうれしいなあ……^^;

男「いいから早く投げろよ、ハンプティダンプティの二人目」

マミ「……!?」

デブ「あら! 巴さん私とコンビ組んでくれるの!? 歓迎するわよ!」

マミ「い、いえ、私は……」

男「だから喋ってないで早く投げろよ。指が太くてボールが掴めないのか?」

男「ピッチャー太ってる! ヘイヘイヘイ!! ピッチャー太ってる! ヘイヘイヘイ!!」



杏子「ピッチャー太ってる! へいへいへい! ひひひ、おっかしー!」



マミ「さ、佐倉さんまで……!」

マミ「あなた達……私だって怒るのよ!?」ビシュッ

男(……来たか!)

男「うおおおおおおおおお!」


1.意識を集中させろ……ボールに!
2.意識を集中させろ……おっぱいに!
3.意識を集中させろ……カメラに!

↓2

男(意識を集中させろ……おっぱいに!)

マミ「どうかしら!?」ブルルン

男「おお……」

バシィィィーン

審判「ストライク!」

マミ「目で追うこともできないみたいね? だけど……今更謝っても遅いわよ!」ビシュッ ブルルン

男「おほほっwwww」

バシィィィーーーッ

審判「ストライク!」

マミ「これで2ストライク! 追い込まれた気分はどうかしら!?」ブルンブルン

男「なかなか悪くないぜ」

マミ「まだ強がるの? 手も足も出ないのに強情ね!」ビシュッ

男「↓2」


1.その気の緩みを待ってた……!
2.今こそ漫画で見た秘打を試す!
3.手も足も出ないけどちんこは出る!

男「その気の緩みを待ってた……!」

マミ「えっ?」

男「うおおおおおおおおっ!」

キィンッ

マミ「!」バッ

男(頭上を通る打球に向けて咄嗟に飛び上がるマミさん。しかしわずかにグラブが間に合わない……)

男「ふっ、実はさっきのやりとりも油断を引き出すための作戦だったんだ」ダダダッ

マミ「……っ! センター江槌さん! 急いで!」



「えっ、わっ、とっ、いきなり来ないでぇ~!」



男「外野がザルなおかげで三塁まで来られたぞ」

ゆま「おにーちゃん……」

男「あれ、ゆまちゃん? なんでここに……」

ゆま「アイドルのチームのひとが一人やすんだんだって。だからゆまも出てるんだよ」

男「ふーん」

ゆま「ねー、おにーちゃん……」

男「なんだ」

ゆま「キョーコ、ゆまのこと怒ってるよね……?」

男「↓2」

男「そんな事俺に聞くな。俺は杏子ちゃんじゃない」

ゆま「う……」

ゆま「……」

ゆま「じゃあ……おにーちゃんは怒ってるの?」

男「↓2」

ちょっと用事が出来たので今日はここまでにします

男「当たり前だ。俺はまじおこだぞ」

男「いや……もっとだな。激おこぷんぷん丸だ」

ゆま「……」

男「↓2」


1.ゆまちゃんのせいで俺が学校で変態扱いされてるじゃないか!
2.俺はもっとゆまちゃんと居たかったのに出て行くなんて酷いじゃないか!
3.せっかく杏子ちゃんが迎えに行ったのにあの態度はなんだ!

男「せっかく杏子ちゃんが迎えに行ったのにあの態度はなんだ!」

ストライーク! バッターアウト!



杏子「くそっ、変化球なんて卑怯だろ!」



男「ほら、ゆまちゃんのせいで杏子ちゃんは傷ついて、結果的にアウトになってしまった」

男「これがゆまちゃんの作戦だとしたら大した物だ。勝負に勝つために世話になった杏子ちゃんを陥れるなんて普通は出来ないぞ」

ゆま「ち、ちがうもん! わたし、そんな事かんがえてない!」

男「あーあ、杏子ちゃんかわいそ。ゆまちゃんのために警察にまで捕まったのに」

ゆま「ちがうもん……」

男「言い訳なら俺じゃなくて杏子ちゃんにしたらどうだ?」

男「ゆまちゃんが本当に知りたいのは杏子ちゃんがどう思ってるのかだろ? 本当は俺の事なんてどうでもいいんだろ」

ゆま「うん……」

男「え?」

カキィィィーン



マミ「ライト瀬楠さん! お願い!」



ゆま「走らなくていいの?」

男「あ、うん……」タタタッ



男(その後、5番が三振して0-1で一回の裏が終了した)

男(二回表、最初のバッターはマミさんか……)

男(ここは↓2だな)


1.全力ストレート
2.全力デッドボール
3.敬遠

男(ここは全力デッドボールだ!)

杏子「!?」

男(殺す気で投げろ! 俺じゃなくて巴さんをだぞ!)

杏子「……」

杏子「……」コクン

杏子「おらっ!」ビシュッ

ギュィィィィィィン



マミ「……えっ、きゃあっ!?」ステン

バシィィィィィッ

審判「ボール!」

男「おいおい、ちゃんとストライクゾーンに投げなきゃ駄目じゃないかぁ~w」シュッ

杏子「あーわりぃわりぃ。ごめんな、みっともない尻餅つかせちまって!」パシッ

杏子「でもそのでっけえ尻なら打ってもあんまり痛くないだろ? はははっ!」

男「違いないな! ぎゃははは!」

マミ「……あ、あなた達……!」

男(次もデッドボールだ! もう一回尻餅つかせてやれ!)

杏子「……」コクッ

杏子「おらっ!」ビシュッ

ギュィィィィィィン



マミ「……甘く見ないで貰える?」スッ

男「む……」

バシィィィィィッ

審判「ボール!」

男(最小限の動きでかわされた……)

審判「君、危ないじゃないか! 注意しなさい!」

男「わかったわかった」

マミ「最初は驚いたけれど、来る可能性があるとわかっていれば見切るのは簡単よ」

マミ「私達にとっては、ね」

男「そうみたいだな」シュッ

杏子「……」パシッ

男(もう遊ぶのはやめだ。↓2しろ!)

男(極限まで球威を落とせ。前の投球のイメージが巴さん残っていれば、そのギャップでバットを振るタイミングを見失うはずだ!)

杏子(なるほどな。わかった)

杏子「くらえ!」シュッ



マミ「……!」ガクッ

男(よし、姿勢を崩した!)

マミ「……甘いわ!」

杏子「! しまった!」

男「何!?」

男(崩れたのは一瞬の事。マミさんはすぐに体勢を立て直し、瞬時にボールに向き合った!)

マミ「はっ!」ブンッ

キンッ



中沢「うわっ!?」バシッ

審判「アウト!」



男「……」

杏子「……」

マミ「……」

男「……甘いわ!」キリッ

杏子「……ぷーーーっ! だっせえ! カッコつけといてアウトになってやんの!」

マミ「ちょ、ちょっと失敗しただけじゃない! からかわないで!」

杏子「……甘いわ!」キリッ

マミ「く……」

男「ほら、赤面してないで早くベンチに戻れ。次のバッターが入れないだろ」

マミ「わ、わかってるわ……」スタスタ

杏子「甘いわ! 甘いわ! ははははは!」

マミ「……」カァァァァァァ

男「0-1のまま三回裏、1アウトから暁美さんか」

ほむら「今回は打つわ。さっきまでの投球で巴マミの配球パターンは見切ったから」

男「↓2」

今日はこれだけです、ありがとうございました。

男「おっ、さっきまでの投球で巴マミの配球パターンは見切ったのなら期待出来そうだな!」

男「おーいみんな! 暁美さんがさっきまでの投球で巴マミの配球パターンを見切ったそうだぞ!」

まどか「えっ? ほんとに、ほむらちゃん!?」

ほむら「……え、ええ」

杏子「へー。じゃあ打てそうだな」

男「当然だ。今回は打つと宣言したからな。暁美さんはやると言ったら何がなんでもやる女だ」

一宮「じゃあ俺らの三振も無駄じゃなかったって事か!」

さやか「やるじゃんほむら、さすが完璧少女! 後であたしにもマミさんの球の打ち方教えてよ!」

中沢「やっぱりすごいなぁ、暁美さん……」

まどか「だよね! ほむらちゃんってばすごいんだよ。えへへ」

タツヤ「ほむあー! ほむあー!」

ほむら「い、行ってくるわ……」



ほむら「!!!!!」ブンッ

審判「ストライーク! バッターアウト!」



ほむら「……」トボトボ

男「↓2」

中沢「……」

一宮「……」

さやか「……」

男「……なんかごめんな。期待が重かったのかな?」

ほむら「……」

まどか「ほ、ほむらちゃん。大丈夫だよ、またほむらちゃんにも回ってくるよ。それに1点こっちが勝ってるから、落ち込まないで。ね!」

ほむら「まどか……だけど私は、貴女の期待を裏切って……それに一点なんて野球ではあっという間に逆転されるものなのよ……」

まどか「え、えーと……」

男「おい、中沢。男を見せるなら今だぞ。暁美さんを励ましてやれ。女を落とすなら弱ってる時がチャンスだぞ」ヒソヒソ

中沢「! そ、そうだよ暁美さん! 次の打席があるじゃないか。点差だってみんなで力を合わせればきっともっと広げられるさ!」

ほむら「……中沢君、今日は一本もヒットを打ってないわよね? 貴方達が頼りないから一点じゃ不安なのよ」

中沢「は、はひ?」

ほむら「っ……! ごめんなさい、私、どうかしてるのかもしれない……。少し頭を冷やしてくるわ」

男「中沢、お前…………↓2」


1.ここで追いかけなきゃ男じゃないぜ!
2.ちょっと黙ってろよ。暁美さんがかわいそうだろ。
3.結果で報いるしかないぜ! 頑張れよ!

男「こうなったらもうどんなかっこつけた言葉も意味を為さないな」

中沢「はひ?」

男「結果で報いるしかないぜ! 頑張れよ!」

中沢「あ、あああ……そんな、僕には巴先輩の球を打つなんて……」

男「しっかりしろよ! 確かに巴さんは強敵だが、もしそれでも打てたら……お前の暁美さんへの想いは必ず彼女に届くはずだぞ!」

一宮「そうだぞ! 頑張れよ中房! 見ていてわかるぞ、あの子が好きなんだろ!」

二宮「あの高スペックな美少女はお前には釣り合ってない気がするが……ここで一緒になったのも何かの縁だ!」

三宮「俺達も応援するぜ!」

中沢「あ、ありがとうございます怖い人達……」

中沢「俺、やります……! 暁美さんのために!」



男「プッ、マジになっててうけるわ……暁美さんはレズなのに中沢になびくわけないだろ」

男「さて、俺の打席だ。かかってこい、今度はホームラン打ってやるよ」



マミ「……悪いけど、もうこれ以上点をあげるわけにはいかないの」

マミ「もう油断はしない……貴方や友君にも暁美さんや佐倉さんと同じ、本気の本気で相手をさせてもらうわ」

男「来い!」


↓2
コンマ00-09 ホームラン
    10-19 二塁打
    20-29 シングルヒット
    30-99 凡退

今日はここまでにします。また明日来ます。

男「おらっ、くらえや!」キンッ

マミ「……くっ!」バッ

男(俺の打球を捕ろうと跳び上がるマミさん。しかし変身しているならともかく、わずかに身体能力が上がった程度の今の状態ではまるで届かず……)

男「こりゃまた三塁打コースだなwww」ダダダッ



「あ~もっと下がってればよかった~!」シュッ



男「ちっ、あのセンター今度は後ろに下がってたのか」

男「しょうがない、二塁で止まっとくか」

男「次は2アウト二塁で杏子ちゃんか……打てばもう一点入りそうだが……」



杏子「おらっ!」キンッ

男(おっ、やるじゃないか)ダダダッ

杏子「へへ、あてずっぽうでフォーク狙いしてやった!」

0-2

友「女の球なんて飛ばしやすくて仕方が無いぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ガキィィィィン

マミ「……!」

「やだ、グラウンドの外まで飛んでいっちゃった……」

0-4

すみません、急用できたのでこれだけです。また明日きます

男「5回の表まで来て0-4のままか……これまで向こうのチームは一回も出塁できていないぞ」

杏子「当たり前だろ、向こうはマミ以外は全員ザコじゃん。マミさえ抑えればこうなるっしょ」

男「そうだな。この回、先頭打者は巴さんだ。ホームランさえ打たれなければ点が入る事はないだろう」



マミ「このままじゃ終われない……私は4番でエースなの。みんなの期待を背負っているのよ」

男「単にちょっと運動が出来るから押し付けられただけだろ。あんまり動けるのって人によってはアイドルとしてマイナスだろうしな」

マミ「そんな事はないわ! この番組は新人アイドルにとっての希望なのよ! みんなは私に希望を託してくれたのよ!」

杏子「だったらその希望ってやつを……アタシが絶望に変えてやるよ!」

男「悪役みたいな台詞だな……」

杏子「くらいな!」ビシュッ

ギュイィィィィィィン

男(ま、待て! まだどこに投げるか指示してないぞ!)

マミ「……私の一番得意なコース!」

マミ「はっ!」

キィン!

男(マミさんの打った球が強烈な勢いで一塁に向かって……)

杏子「! さやか!!」



さやか「ひゃぁ!?」ビクッ



マミ「抜けた!」ダダダダッ

マミ「ごめんなさいね、怖かったでしょう!」

さやか「あんな打球捕れないっすよー!?」

マミ「この埋め合わせは今度のお茶会でね!」ダダダダッ

友「ガア!」パシッ

友「二塁死ねえええええええっ!!」ビシュッ



中沢「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」

杏子「どけ、アタシが受ける!」ドン

中沢「ぁはんっ!」ドテッ

マミ「ツーベース!」タンッ

杏子「……チッ」バシッ

マミ「悪いわね、佐倉さん。これで打率5割……私と貴女との勝負に限って言えば私の圧勝ね?」

杏子「知るかようぜえ。おい、いつまで座ってんだ。さっさと立てよ」

中沢「あ、は、はい」



デブ「グフ。巴さんが頑張って塁に出たんだから5番の私もちゃんと仕事しないとねえ」

男(……杏子ちゃん。こいつはパワーはありそうだ。慎重に行くぞ)

杏子(うるせえ、黙ってろ!)ビシュッ

男「おい、ど真ん中に投げるな!」

デブ「フガァァァァァァァ!!」ブンッ

ガッキィィィィィン

杏子「……!!」



ほむら「……」

男(打球は暁美さんに見送られ、場外へと消えていった……)

2-4

男(俺はチャットルームに飛び込み、FORMULAに応援を要請した)

~~~~~

OKOTO「ちょっとFORMULA。美樹さやかコラ作りをするから手伝って欲しいんだけど」

FORMULA「ごめんなさい、今3年○組男のコラ作りで忙しいのよ。むしろそっちに手伝って欲しいくらいなのだけど」

OKOTO「うーん、残念。こっちも今日は外せないから。じゃあお互い頑張ろうね」

FORMULA「ええ」

~~~~~

男(俺は美樹さやかコラ作りに励んだ。男としてここまで自分を馬鹿にしたコラを貼り付けられて黙ってはいられないからだ)

男(俺が美樹さやかコラスレを立てまくったが、その間にも美樹さんは俺のコラスレを立て続けていた)

男(全面戦争かよ……!面白い、とことんやってやるよ!!)

男(俺達の戦いは深夜まで続いたのだった)

男「傭兵の仕事だよ。鹿目さんは兵士となって硝煙の匂い漂う戦場を駆け巡るんだ」

まどか「ちょ、ちょっと待ってください!わたしそんなこと出来ません!」

男「大丈夫、土日だけだから」

まどか「土日だけでも死んじゃいますよ!?」

男「ちなみにこのバイトは一度出たら二度と家には生きて帰れない」

まどか「もう曜日関係ないです!」

男「冗談だ。お小遣いの金額にはその家の教育方針も含まれるから余所の人が勝手に口出ししちゃいけないぞ!」

まどか「も、もう……!……ぷっ。二度と生きて帰れないバイトだって。そんなのってないよ、うぇひひひ……」


ゲームセンター

男「着いたぞ。よし、まずは からだな」

1.スーパーDQNカート
2.ストマックパンチャーHITOMI
3.バイオリンの達人
4.パチンコ魔法少女まだかマギカ

男「うーん……今日のことで気がついたが」

男「安価にしたがって動いたせいで、俺→鹿目さんと鹿目さん→俺で好感度にかなり差があるみたいだぞ」

男「ちなみに俺からの好感度一覧はこんな感じだ」

鹿目さん★★☆☆☆
美樹さん☆☆☆☆☆
マミさん★★★★☆
暁美さん(FORMULA)★★★☆☆
杏子ちゃん☆☆☆☆☆
ゆまちゃん☆☆☆☆☆
織莉子ちゃん☆☆☆☆☆

男「そして鹿目さんからの俺への好感度は★4つくらいある気がする」

男「これは重要な選択だぞ。以上のことを踏まえて、明日から俺は鹿目さんに対して……」

1.もっと知る努力をしよう(まどか)
2.面倒なので無視してしまおう(さやか)
3.一度告白は無かったことにしよう(マミ)
4.付き合ってしまおう(ほむら)
5.引け目があるので登校拒否しよう(杏子・ゆま)
6.ぶっ殺してやろう(織莉子)

男「!?」

杏子「コラァ!!」ボカッ

男「ぐあっ!」ドサッ

男「な……何を!?」

杏子「何をじゃねえ!!」グイッ

男(胸倉をつかまれてしまった)

杏子「どういう座り方したらああなるんだよ、オイ……!!」

杏子「どうやったら洋式トイレでウンコハミ出させられるんだよ!!!」

ほむら「騒がしいわ。どうしたの、杏子」

杏子「ほむら!……見りゃわかる。トイレに入りな……」

ほむら「……?」ガチャ

ほむら「……」ビキビキ

さやか「ど、どーしたのさ?  !?」

マミ「なんか騒いでるみたいだけど……  !?」

さやか(あ、あのクールキャラがウリのほむらが……)

マミ(顔を見てわかるほどに怒っているわ……!一体何があったというの!?)

さやか「あー、ほむら。今日はあたし親に連絡してないからさ。一足お先に帰るとするわ!」

マミ「えっ!?あ、わ、私もキュウべぇにご飯を作ってあげないといけないから!この辺でお暇するわね!」

ほむら「……」ビキビキ

男「手品……?本当に?マジで一瞬で消え去ったぞ?ていうか誰も見てないはずだったのにやってたのか?」

まどか「は、はい!私まだまだへたくそだから、練習したくって!」

マミ「ええ、そうなのよ、鹿目さんったら気がつけば手品の練習してるんだから!」

男「ふーん……?」

まどか「……うう」

男「じゃあさ、これも消して見せてよ。ほら、メントス」

まどか「あ、はい……ちちんぷいぷい、えい!」

ぱっ

男「うーん……じゃあ液体ならどう?ほら、このコーラ使っていいからちょっとやって見せてよ」

まどか「は、はい……ちちんぷいぷい!」

じゃぼじゃぼ スゥー

男「お、おお……!すげえ!鹿目さん手品の天才じゃん!!」

まどか「うぇひひひ……」

シュワア

男「ん?」

プシャアアアアアアアアアっ!!

まどか「ひゃあああああああぁっ!?」

マミ「キュウべぇ!?」

男「うおっ!なんもないところからいきなりコーラの噴水が!?」

マミ「い、嫌あああああっ!キュウべえ!キュウべえ!しっかりしてえぇっ!」

男「ちょ、ちょっと落ち着けよ巴さん。後輩の前だぞ?」

マミ「あ、そ、そうよね!私が取り乱しちゃ、鹿目さんに示しがつかないわ!」

男「ほら、メントス食って」

マミ「ありがとう!」クッチャクッチャ

男「特別大サービスだ。コーラもやるから落ち着いて対処しようぜ」

マミ「オーケーっ!」ゴクゴク

マミ「今助けるわ!待っててねキュウヴぇええええええええええぇぇぇぇっ!」ブシャアアアアアアアアアアアアッ ビチャビチャッ

まどか「マミさん!?」

男「さて、鹿目さん」

まどか「ひゃ、ひゃい!」

男(背筋ピーンとしちゃって、かわいいなあ……)

まどか(うう、噛んじゃった……)

男「今朝の返事、考えててくれたかな?」

まどか「えっ、えっと……どういうこと、でしょうか……」

男「あれ?伝わってなかったのかな」

男「俺、鹿目さんに一目ぼれしちゃったんだよ」

男「だから……鹿目さんさえよければ、俺と付き合ってほしい」

男「もちろん半端な気持ちで言ってるわけじゃない。鹿目さんがOKしてくれるなら、俺は一生かけて君の事を守ると誓うよ」

まどか「はう、はうぅ……///」

男「……真剣さが足りなく見える、のかな……?でも、俺だってこう見えてかなり緊張してるんだ」

男「ほら、聞いてごらん。俺の心臓の音」ギュ

まどか「あっ……」ポフッ

まどか(コーラ、くさい……///これって一度男さんの口に入ってから出たコーラなんだよね……。なんでだろう、わたし、あんまり不快に思わない……)

男「さて、今日も裏サイトをチェックするか」

カチャカチャ

男「!?……な、なんだこれは!?」


1.半魚人の美樹さやかがドヤ顔で3年○組男を串刺しにしている画像ください
2.美樹さやかがドヤ顔でワンダースワンを3年○組男にぶつけている画像ください
3.美樹さやかがドヤ顔で生み出した呪いが3年○組男を殺してる画像ください
4.何のひねりもなくただ美樹さやかがドヤ顔で3年○組男を殴ってる画像ください
... 
...
...

男「酷い……!俺のコラスレばっかりじゃないか!!」

男「ちくしょう!誰だよこんなスレ立てた奴は!!」カチッ



1.FORMULA
これがないと私の最高の友達が助からないんです!!!



男「またFORMULAかよくそっ!!」

男「くそっ、くそっ!!やり返そうにもFORMULAが誰かわからないからどうにも出来ないぞ!!」

男「ちくしょう……ちくしょおおおおおおおおーーーーっ!!!」

男「……なーんちゃって!」

男「……」カタカタ


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FORMULA

期間:24時間


男「へ、へへへ……wwwざまああああああ!!!www」

男「ばーーーか!誰にも内緒にしているが実はこの裏サイトを立ち上げたのは俺の従兄弟なんだよ!!!www」

男「従兄弟が卒業してからは俺がここを管理している。残念だったなあFORMULA!!www」

男「さーて、あとは奴が立てたスレをひとつずつ削除していって……」

男「……ん?」


1.不良の美樹さやかがドヤ顔でタバコの火を3年○組男に押し付けてる画像ください!
2.巴マミの大雪山おろしが見事3年○組男に決まったときの画像ください!
3.美樹さやかが3年○組男危機一髪!!でドヤ顔しながら一発ツモしてる画像ください!
...
...
...

男「な、なんでだよ……なんで俺のスレが今もまだ増え続けてるんだ!?」カチッ


1.Formula
この画像がないと4月のループが乗り越えられないんです!!!


男「小文字にしただけでアク禁すり抜けられるのかよ!!!」

男(おい、リードに従え! ただでさえ直球しか投げられないのにこれ以上隙を見せるな!)

杏子(うっせーな、たまたまだろ。ていうかあと2点も勝ってるんだから別にいいだろ)

男(いいわけあるか、こっちだってさっき杏子ちゃんのヤマが当たってなかったらまだ2点なんだぞ。そしたら同点だったんだぞ)

杏子(でも現実に今4点あるんだからいいだろ。ほら、さっさと構えろよ)

男(いいや、杏子ちゃんが俺のリードに従うって約束するまで構えない)

杏子(あっそ。じゃあ勝手に投げるし。怪我しても知んねーからな)

男(おい!)

杏子「おらっ!」ビシュッ

「えいっ!」ブンッ

男「くっ!」バシィィィッ



杏子「ほらな。やっぱりマミと5番のふとっちょ以外は雑魚じゃん」

男「そんな事言って負けたら杏子ちゃんのせいだからな……」

杏子「負けるわけねーだろ。余裕余裕」

さやか「次はまたあたしからかぁ」

さやか「やあっ!」ブンッ

審判「ストライク! バッターアウト!」

さやか「ま、マミさん手加減してくださいよ~! さっき怖がらせた埋め合わせを今しましょうよ!」

マミ「ダーメ。私だけの事じゃないのよ? そもそもこっちが負けてるのに手加減なんて出来るわけないじゃない」

さやか「ちぇー」



ほむら「……打つわ。お願いまどか、私に力を貸して」

まどか「え、力って? ど、どうすればいいの?」

ほむら「応援してくれるだけでいいの。それだけで私は全力を出し切る事が出来るから……」

まどか「あ、うん。もちろんずっと応援してるよ!」

ほむら「ありがとう、まどか。それじゃあ行ってくるわね」



ほむら「……!」キンッ

ボテボテ....

ほむら「当たった……!」タタタタッ

マミ「ファースト!」シュッ

「オーライ!」パシッ



まどか「マミさんの球にバットを当てるなんてすごいよほむらちゃん!」

ほむら「そ、それほどでもないわ」

まどか「さっきまでよりも上手になってるってことだよね。次はヒットになるんじゃないかな! すごいなぁ、わたしだったら絶対できないなぁ」

ほむら「そんな事ない。まどかだって練習すればきっとすぐに打てるようになるわ」

まどか「えー、そうかなぁ?」

ほむら「本当よ。もしよかったら今度教えてあげるわ」

男「おいおい、ちゃんと塁に出てから偉そうにしてくれよ」

ほむら「!」ギロッ

まどか「あ、あはは……」

マミ「……」

男「どうした、早く投げてこないか」

マミ「……」バッ

マミ「はっ!」ビシュッ

ギュィィィィィン

男「……何!? くそっ!」ブンッ

ククッ

バシィィィィィッ

審判「ストライーク!」

デブ「ナイスボール、巴さん!」シュッ

男(150キロの変化球だと……! なりふり構わんのか!)

マミ「手は大丈夫なのかしら……」

デブ「構えてるところに必ず投げてくれるもの。こっちだってこれくらいの根性見せないとね!」

男「くっ……」

マミ「ごめんなさいね、男君。今度こそ本気の本気の更に本気で行かせてもらうわ!」ビシュッ



審判「ストライク! バッターアウト! チェンジ!」

男(続く6回の裏でもマミさんの勢いは続き……)

杏子「くそっ、あんなの変身してなきゃ打てねーよ! 反則だろ!」

男「変身したらしたで向こうも変身してもっと早い球を投げてきそうだな……」



バシィィィィィィッ!

友「んん? 巴さん、球速くなったか!?」

マミ「悪いわね、友君。負けるわけにはいかないの。手加減無しでいかせてもらうわ」

友「いいよ別に!」

マミ「はっ!」ビシュッ

ギュィィィィィン

友「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ガギィィィィィンッ

マミ「な……!」



「やだ、またホームラン!?」



マミ「嘘でしょ、今の球が打たれるなんて……」

2-5

男「よし、よくやったぞ友。俺がワザと空振りしてお前に球を見せてやった甲斐があったな!」

杏子「嘘つけ。悔しがってたじゃねーか」

友「へへ、バッティングなら任せてくれよ~! 球も頭も叩き慣れてるからな♪」

男「さすがいつも金属バットを持ち歩いているだけの事はあるな!」

ほむら「まどか。あの友という先輩には近づいてはいけないわ」

まどか「あはは……」



男(そして5番、6番が空振り三振に倒れ、6回の裏が終わり……)

男「お前らちょっとは活躍しろよ……まじで使えん奴らだな」

一宮「ち、ちくしょう……これでも中学の時は野球部だったんだぞ……」

二宮「なんで相手のピッチャーは化け物ばっかりなんだ……」

男「まあいい。この3点差を守り抜けば勝ちなんだ、こいつらはいないものとして扱おう」

男「……ん? 相手のベンチが騒がしいな」



「ふざけないでよ! 遅れて来ておいて何様のつもり!?」

「あたし達ここまでこのメンバーで頑張ってきたのよ! 今更しゃしゃり出てこないでよ!」

マミ「ま、まあまあ落ち着いて? 江槌さん、真倉さん、瀬楠さん、マグワイヤさん」

「貴様等はテレビに映りたいだけだろう? そんな個人の事情など知った事ではない。実力のある者が試合に出るべきだ」

マミ「怪力さんもあまりわがまま言わないで! 貴女だけならともかく、お友達まで一緒にっていうのはさすがに私も納得出来ないわ!」

「友達? 違うな、こいつらはただの手下だ。それに貴様が納得しようとしまいと既に局に話は通してある」

マミ「え? ど、どういうこと?」

「選手交代! 3番、ライト瀬楠好子に代わって神名あすみ!」

あすみ「はいはい。ちゃちゃっと片付けようね」

男(なんだ、こいつが休んでたっていうアイドルか?)

男「それにしても変な服だなあ。精神病院に行ったほうがいいんじゃないのか?」

あすみ「あ? てめーを病院送りにすんぞ。このタコ」

男「うわっ、口悪いな。アイドルってやっぱり腹黒い子が多いんだな」

あすみ「アイドルじゃねーよ、くっだらねえ、あんなもん」

男「何?」

杏子(おい、そいつ魔法少女だぞ……)

男(え?)

杏子(変身してテレビ番組に出るなんて何考えてやがる……!)

男(これって魔法少女の衣装なのか? おい、どうするんだ! 勝負になるのか!?)

杏子「おらぁっ!」ビシュッ



あすみ「はん……」

あすみ「そんなおっせえ球!」キンッ



ほむら「……」ジー

パサッ

ほむら「何度目かしら、ホームランボールを見送るのは……」

男「おい、どういう事だ?」

マミ「……」

男「変身した魔法少女が試合に出てくるなんて卑怯だぞ。お互いの立場のため、俺達の間では最低限の暗黙の了解があると思ってたんだけどな」

マミ「ごめんなさいね、こんな事になってしまって……」

男「何があったんだ? 説明しろ」

マミ「……」

マミ(怪力あやめさんって知ってる?)

男(ああ、最近色んなドラマに出てる女だろ)

マミ(ゆまちゃんから聞いてると思うけれど、こっちのチームで今日急遽お休みすることになったのはその子なの)

マミ(それがどうしてか、さっき急にここに現れたの……魔法少女のお友達を二人も連れて、三人で途中参加するって)

男(それでさっき揉めていたのか)

マミ(ええ。もちろん本当ならみんな納得しないし、認めるわけないのだけど。彼女、強引に制作側に参加を認めさせたらしくって……)

男(怪力あやめの噂は俺も聞いた事があるな。ゴリ押しで番組のレギュラーや色んな賞をもぎ取るのが奴のやり口だって)

マミ(……噂の真偽はともかく、今回に限っては彼女の意思がまかり通っているのは確かね)

マミ(私と5番の彼女は得点があったおかげで難を逃れたけれど、3番と6・7番の子達は交代させられてしまうみたい)

男(全員魔法少女なのか?)

マミ(……ええ、気をつけて。出来ればもう棄権してほしいわ。変身した魔法少女とスポーツとはいえぶつかり合えば、みんなが怪我をしてしまうかもしれない……)

男(棄権なんてするわけないだろ。ショウさんに殺されてしまう)

マミ(ショウさんというのが誰かはわからないけれど……本当に気をつけて)

杏子「おらっ!」ビシュッ

マミ「はっ!」キンッ

マミ「……二塁は無理ね」タタッ

男「おい、コース甘いぞ! ちゃんと指示通りに投げろ!」

杏子「うるせえな、お前は黙ってボールを受けてろ!」

男「ボールがミットまで来ないから文句を言ってるんだよ!!」

杏子「ああ!?」

デブ「ちょっとちょっと、喧嘩しないでよ」

デブ「うふふふっ、あたしってば野球の才能もあるのかも知れないわね!」

男(ノーアウトで1・3塁、バッターは……)

「選手交代! 6番センター真倉営子に代わって優木沙々!」

沙々「わぁ、テレビに出るなんて初めて! お手柔らかにお願いしますねっ、お兄さん!」

男「かわいいコスプレだね、見た事ないけど新人アイドルの子かな?^^」

沙々「そうなんですゥ。まだまだ駆け出しだけど、がんばりますから応援してくださいね!」

男「そうかそうか、駆け出しアイドルか。ソウルジェムがあるからてっきり魔法少女かと思ったよ♪」

沙々「あァ?」

男「……」ニヤニヤ

沙々「チッ……からかって遊ぼうと思ったのに冷やかしかよ。知ってるなら最初から言えってーの」

男「おい、お前ら変身してテレビに出るなんて何考えてるんだ。頭おかしいんじゃないのか」

沙々「それはですねェ……わたしの魔法で映像を編集して、オンエアでは映らないように出来るから気にしてないだけですっ!」

男「そんな事出来るのか、すごいな」

沙々「すごいでしょう? もっと褒めてもいいんですよ?」

男「こっちのチームの魔法少女も変身して出られるようにしてくれよ。フェアにいこうぜ、フェアに」

沙々「え、うーん……どうしようかなぁ……」

沙々「うーん、うーん、考えに考えた結果……」

沙々「嫌に決まってんだろ、バァ~~~カ!」

男「……まあ、いいって言われても信用しないけどな」

男(おい、相手は魔法少女だ。どうせ打たれるんだからこいつも次の打者も敬遠してしまおう。押し出しで一点入るが、上手くいけばその一点で済むぞ)

杏子(敬遠? 馬鹿かよてめーは)

男(ああ?)

杏子(んなことして勝っても意味ねーだろ。大体対戦した事もない相手から逃げるなんてありえねーし)

男(おい、目的を忘れるな。勝つために、金のために来てるんだぞ)

杏子「くらえ!」ビシュッ

男(おい!)



バシィィィィィーーッ

審判「ストライク!」

沙々「あらら、流石に速いですねェ」

杏子(見ろよ、手出しも出来てねえじゃねーか)

男(まだ一球投げただけだろ。いいから敬遠しろ!)

沙々「うーん、わたしってほら、他の魔法少女と比べて体力的には大した事ないじゃないですか?」

男「知らんわ」

沙々「だからヒットもホームランも難しいかも? 困りましたねっ」

男「……」

杏子「おらっ!」ビシュッ

沙々「普通に打つのは難しそうなので……」

ギュィィィィィィン

沙々「バントしちゃいますねっ!」

コツッ

男(スクイズ!? いや、でもピッチャー真正面まで真っ直ぐ転がっていく!)

杏子「よしっ!」パシッ

男「……!」ギロッ

男(当然の早めの捕球。俺は三塁のマミさんに視線で釘を刺す!)



マミ「……!」タタタタタッ

男(しかし生還が間に合うと判断したのか、マミさんはそのままホームへと突っ込んでくる……)

男「杏子ちゃん、ホームだ!」

杏子「くらえ!」ビシュッ

一宮「え、うおっ!?」バシッ

男(……杏子ちゃんは何故かランナーのいない三塁に送球……)

マミ「ホームイン!」タンッ

4-5

男(おい、何やってるんだ!?)

杏子(あ? あそこは三塁でいいだろ)

男(いや、最悪だろ! 他のところに投げればどこでもアウト一つ取れてたぞ!)

杏子(あー? ……)

杏子(そういや、なんでだ……? なんでアタシは三塁に投げちまったんだ……)

杏子(いや、悪い悪い。なんでだか三塁に投げないといけない気がしてさ)

男(↓2!!!)

幼馴染「男」

男「ん?幼馴染か」

幼馴染「聞いてた。バイトがあるって。私も参加したい」

幼馴染「男の持ってくるバイトは割がいいから好き」

男「あー駄目駄目。もう定員埋まってるから」

男(嘘だけど)

幼馴染「……」ゲシッ

男「やめろ。ズボンが汚れる」

幼馴染「……ねじ込んで」

男「嫌。つーかいつも俺の事無視する癖に金が絡んだときだけはなしかけてくんな、このアバズレクソビッチが!」

幼馴染「アバズレクソビッチでも淫乱公衆肉便器でもいいからお金は欲しい」

男「わかったわかった。じゃあキャンセル待ちにしといてやる。感謝しろ淫売」

幼馴染「ちっ……それで手を打つ」ゲシッ

男(最後に蹴りを入れて去っていった)

男(口ではああ言ったものの、実は予備人員が出来るのはありがたい。定員を用意出来なかったら声をかけよう)

男(魔法か?!!!)

男(魔法で精神を支配されて三塁に投げてしまったんじゃないのか?!)

杏子(……)

男(おい、どうなんだ!)

杏子(ない……と言いたいところだけど、正直その可能性が高い……)

男(なんだと! まさか今この時も魔法を受けて操られてるんじゃないだろうな!?)

杏子(いや、もしそうなら気をつけていればさすがにわかると思うんだけどな……)

男(おいおい、しっかりしてくれよ!? ピッチャーが敵に操られてたらどうしようもないだろ!)

杏子(うるっせーな、ピーピー騒ぐな! 頭に響くだろ!)

男(ででででも、このままだとまずいだろ!?)

杏子(あーうるせえ! もうテレパシー切るからな!)

男(ちょ、待てよ!)

男(……)

男(くそっ、本当に切りやがった……)

男(状況はノーアウト1・2塁で4-5。一点のリードだけど一打で同点、下手すれば逆転されるぞ)

男(更に次のバッターは……)

「選手交代! 7番、サードマグワイヤに代わって怪力あやめ!」

あやめ「おい、監督」

「?」

あやめ「……」ガシッ

「ぎうっ!?」

男(なんだあの女!自分のチームの監督の首を掴んで体ごと持ち上げたぞ!?)

あやめ「あやめさん、だ。豚が……」ギリギリギリ

「ぐ、ぐげ……か、怪力、あ……あやめさん」

あやめ「……ふん」ポイッ

「ぐあっ!」ドサッ

杏子「……」

男「……」

あやめ「どうした、投げないのか」



あすみ「早くしろー。びびってんのかー?」

沙々「あらら、駄目ですよあすみちゃん。図星突いたら怒られちゃいますっ!」



男(あいつらうざいな……)

男(しかし、くそっ! こんなの反則だろ……どうすればいいんだ……)

杏子「……やーめた」

男「え?」

杏子「馬鹿らしいっての、こんな試合」

杏子「おい、ほむら。ピッチャー代わってやるよ」ポイッ

ほむら「え? ちょ、ちょっと……」パシッ

男「おい、勝手な事するな! 馬鹿か!」



あすみ「うわっ、マジで逃げたよあのピッチャー! だっさ! すげー笑える!!」

沙々「ぷーーーっ、くすくすくすくすくふふふふふふふふ!!!」



杏子「試合が終わったら覚えとけよ。喧嘩売ったのはそっちだからな……」

ほむら「……杏子。外野用のグローブ」

杏子「あー? ああ……」

男「だから勝手に代わるな! マウンドに戻れ!」

ほむら(やめて、先輩)

男(なんでだ!?)

ほむら(杏子は一度言い出したら聞かないわ。無理に投げさせようとすれば帰ってしまうかもしれない。外野に入ってくれるだけでもマシだと思って)

ほむら(これ以上人数が減って、まどかが出ないといけないような状態になるなら……私も抜けて試合を続けられないようにする。まどかを危険な目には遭わせられない)

男(……)

ほむら(それに、敬遠を拒む杏子よりは、私の方が被害を抑える事が出来るかもしれない……)

男(ちっ……)

男(なら早速↓2をしろ)


1.敬遠
2.全力投球
3.ストリップショー

男(全力投球だ! なんならぶつけても構わないぞ!)

ほむら(ぶつけはしないわ。だけど彼女の体型からしてインコースは打ちにくいはず……)

男(よし、ここはぎりぎりストライクになる程度に体に近づけてビビらせてやろう!)

ほむら(……)コクッ

ほむら「……!」ビシュッ



あやめ「!」

バシィィィィッ

審判「ストライク!」

男(ふふふ、やはりビビッて手も足も出ないようだな)

ほむら(もう一度同じコースに投げる?)

男(うむ。やってしまえ!)

あやめ「……」

ほむら「……!」ビシュッ

ギュィィィィィン



あやめ「やはりそれで全力なのか?」

あやめ「ならば貴様は私の敵ではない」

ガギィィィィィィン!!

男「何っ!?」

ギュンッ!

ほむら「ひぅっ!?」

男(打球は暁美さんの頭上を物凄い速さで通り過ぎ……)



杏子「……」

男(そのまま場外にまで飛び去っていった……)


7-5

すみません、ひとまずここまでにします

男(その後8番を抑え、9番のゆまちゃんの打席が回ってきた……)



ゆま「……」



ほむら(どうするの?)

男(どうするって? 普通に投げればいいだろ)

ほむら(……さっきまでの2打席は、彼女にはまるで打つつもりがないようだった)

ほむら(それは多分、杏子が投げていたからだと思う……杏子がマウンドを降りた以上、彼女に対しても警戒すべきだわ)

男(そんな事ないだろ。ゆまちゃんは杏子ちゃんと喧嘩中だ、わざと負けるような事はしないぞ。大体魔法少女って言ってもゆまちゃんは変身はしないみたいだし、同じ条件なら子供だから楽勝だろ)

ほむら(……)

男(↓2!)

男(球威を極限まで落とす事によって『ボールがバットを避ける』魔球を再現しろ!)

ほむら(無理)

男(無理なものか。いいか、あの魔球は体重の軽い者ならではのものだ)

男(スレンダーな暁美さんならばその気になれば投げられるに違いないぞ。さあ、先輩の指示にはとりあえず従うんだ。文句はやってみてから言え!)

ほむら「……」

ほむら「……」スッ

ほむら「……」シュッ

フワァ



ゆま「???」

ブンッ

キィンッ!



男(うーむ、1アウト2塁か……)

男「暁美さん、↓2!」

男「暁美さん、まじ使えねえな! 野球ファンが聞いて呆れるぜ!」

ほむら「……!」

ほむら(貴方がああしろと言ったんでしょう!? あんな気の抜けた球でアウトが取れるわけないわ!)

男(言い訳乙

男「暁美さん、まじ使えねえな! 野球ファンが聞いて呆れるぜ!」

ほむら「……!」

ほむら(貴方がああしろと言ったんでしょう!? あんな気の抜けた球でアウトが取れるわけないわ!)

男(言い訳乙。俺はバットを避ける球を投げろと言ったんだ。言うとおりにしなかった暁美さんに非がある)

ほむら(それは無理だって……! ……も、もういいわ。次の打者に取り掛かるから)



男(その後、1番2番を難なく三振にして7回表を終わらせた)

「守備位置変更! ピッチャー巴マミとサード怪力あやめ……さんを入れ替えます」



男「なんだ、巴さんはもう投げないのか?」

ほむら「……まずいわね」

男「うーむ、確かに……変身した魔法少女の投げる球なんて打てる奴がいるのか?」

男「まだ巴さんにこのまま投げてもらった方が可能性があるぞ……」



あやめ「ジョアッ!」ビシュッ

三宮「うおおっ!」ブンッ

デブ「……!」バシィィィッ



男「……ん? 変身してないぞ」

まどか「あ、はい。投げる時は怪力さん、変身しないって言ってました」

男「どういうことだ?」

まどか「えと……さっきタツヤをトイレに連れて行った時に、あの人達が話してるのを聞いて」

まどか「結城さんも神名さんも、キャッチャーは足を開いて座らないといけないから変身してやるのは嫌だって……」

まどか「怪力さんは無理やりやらせようとしてましたけど、二人とも泣きながら抵抗してたので諦めたみたいで……変身しなければキャッチャーは今の人のままでもいけるだろうって事らしいです」

男「そうか……完全にこっちを舐めてるな。それはこっちにとっては反撃の目になるぞ」

まどか「で、でもあんな球打てるんですか? もし体に当たったりしたら大変だし……」

まどか「……もうやめようよ。降参したほうがいいよ……」

男「↓2!!」

男「諦めてたまるかよ、意地があるんだよ!!」

まどか「ご、ごめんなさい!」

男「鹿目さんは女の子だからわからないだろうけど、こういう時に退いたら男は終わりなんだ」

男「俺は日本男児として、例えここで死ぬ事になったとしても最後まで戦う。だから鹿目さんは俺の無事を祈って待っていてくれ……それが女、大和撫子というものだろう?」

まどか「あはは、わたしが大和撫子ですか……似合わないよ……」

まどか「でも、男さんが行くなら、わたしも逃げたくないですから……うん、待ってます」

まどか「怪我にだけは気をつけてください。わたしには見守る事しかできないけど、応援してますから……」

男「ありがとう、鹿目さん……! 最高の彼女を持って俺は幸せだ!」

まどか「てぃひひ……うん、わたしも男さんが彼氏になってくれてよかったなって思います」



さやか「いやー、あれは無理だわ。全然打てないわー。あっはっは」

男「む、もう3アウトになってしまったか……」

男(またこいつか……)

あすみ「おら、どうしたよ? 早く投げて来いよ」

ほむら(どうするの、先輩? まともに投げても勝負には……)

男(↓2)


1.ぶつけるぞ
2.敬遠だ

男(よし、ぶつけてしまえ! 打たれるくらいなら少しでもダメージを与えて歩かせた方がマシだからな!)

ほむら(スポーツマンシップの欠片も感じられない言葉ね)

男(おいおい、俺がいつそんな物に則るって言ったんだよ! 俺は最初から勝ちさえすればなんでもいいと思ってたんだよ!)

ほむら(……別に構わないけれど、仮に避けられずに当たったところでダメージは皆無よ)

男(別にいい。舐めんなよって意思表示みたいなもんだから)

ほむら「……」バッ

ほむら「……!」ビシュッ



あすみ「う?」

ギュイィィィィン

あすみ「うおっと!」バッ

バシィィィィッ

審判「ボール!」

あすみ「あっぶねーな! 気をつけろや!」

男(おい、一応帽子脱いで頭下げとけ)

ほむら「……」ペコッ

あすみ「ったく……」

男(よっしゃ、もう一球ぶつけにいこうぜ!)

ほむら「……」バッ

ほむら「……!」ビシュッ

ギュイィィィィン

あすみ「っと!」バッ

審判「ボール!」

審判「君、気をつけなさい!」

ほむら「……」ペコッ

男「いやーすみませんねえ! 暁美さん、テレビに映って緊張してるのかな?wwwwww」

あすみ「……糞が……」

男(よし、だんだん楽しくなってきたからあと10球くらいぶつけようぜ♪)

ほむら(……)

男(……)

男(おい、暁美さん?)

ほむら(……)

男(おーい、返事しろよ! あれ、テレパシー切れちゃったのか?)

ほむら「……」

ガクッ

ほむら「っ……! はぁ、はぁ……!」

男(俯いたまま黙り込んだかと思えば、今度はマウンドの上で膝をついて呼吸を荒くしている)

男(おいおい、もうバテたのか? まだちょっとしか投げてないだろ……)

ほむら「……っ!」

男「タイム!」

男「おーい、何やってるんだ!?」タタタタタッ

男(尋常ではない暁美さんの様子に不安になり、俺はマウンド上の彼女の元へ駆け寄った)

男「おい、おいって!」モミモミ

ほむら「……う、うぁぁぁ……!」

男「本当にどうしたんだ!? しっかりしろ!」フニフニ

ほむら「……はっ……!?」

男「おっ、気がついたか!」

ほむら「こ、ここは……どこ……?」

ほむら「まどか! まどかはどこ!?」

男「え、何言ってるんだ? 鹿目さんはベンチだろ……」

ほむら「まどかぁーーー!!」スタタタッ

男「おい、どこに行くんだ!?」

ほむら「ううっ、まどかぁ……」

まどか「ど、どうしちゃったのほむらちゃん? えーと、よしよし……」

ほむら「ぐすぐす……まどかぁ……」

男「うーむ、暁美さんが突然キチガイになってしまった。一体何があったんだ」

杏子「……多分なんかの魔法でやられたんだろ」

男「魔法だと?」

杏子「嫌な幻でも見せられたか、過去のトラウマでもほじくり返されたか……そういうことが出来る魔法少女もいるんだよ」

杏子「多分今のバッターの奴だろうな。ボールをぶつけられそうになって頭にきてやったんだろ」

男「そうか、暁美さんが自主的にわざとデッドボールをしようとしたせいで相手のバッターを怒らせてしまったんだな」

男「自業自得だぜ、全く……」

杏子「いや、絶対お前がやれって言っただろ」

男「こうなったら仕方ない。もう一度杏子ちゃんに投げてもらおう」

杏子「嫌だ」

男「なんでだよ!?」

杏子「いや、ほむらがされた事を見てなんでもう一度投げないといけないんだよ」

杏子「一方的に魔法で攻撃されるのなんてゴメンだね」

男「くっ……」

とりあえずここまでにします

男「じゃあ暁美さん」

ほむら「まどかぁー……」

まどか「よしよし……」ナデナデ

男「杏子ちゃん」

杏子「嫌だ。今からまたピッチャーやるくらいならあいつらボコボコにしてカメラもぶっ壊して試合なんか終わらせてやる」

男「やっぱりチンピラだろお前……」

杏子「うるせえ」

男「……ふう……」

男「仕方が無い……友はデッドボールしか投げられないし、俺が投げるか」

杏子「ああ、それがいいな。元々お前が始めたんだからそれしかないだろ」

男「杏子ちゃんも俺と同じ立場だからな?」

杏子「うるせーって。早く投げてこいよ」

男「いや、ちょっと待て。俺がピッチャーをやるってことは誰かが代わりにキャッチャーをやらなければいけないぞ」

男「これぐらいは頼めるよな?」

杏子「……」

男「嫌そうな顔をするな。こればっかりは素人だらけの他の奴じゃ勤まらないぞ」

杏子「はいはい。わかったよ……」

男「よし、じゃあサインを決めるぞ。しっかりリードしてくれ。まずは球種だが」

男「これがフォーク、これがカーブ」

杏子「ああ」

男「これがスライダー、これがシュート、これがシンカー、これがカットボール……」

杏子「多いんだよ!」バキッ

男「ぐあっ!」ドテッ

男「な、殴ることはないだろ!」

杏子「そんなにサイン決めてどうすんだよ! 全部投げれんのかよ!」

男「俺は変化球は32種類投げられるから全部覚えてくれ」

杏子「嘘つけ! つーかテレパシーでやりとりすればいいんだから覚える必要ねーだろ!」

男「そ、そうだったな。じゃあ行くか」



あすみ「おっせーぞ! いつまで待たせんだ!」

男「ごめんね♪」

男(くそっ、お前のせいでこんな事になったんだぞ……よくそんな事が言えるな!)

杏子(こいつ……)

あすみ「あん? 聴こえてんぞ。言いがかりつけんのやめろや」

男「え?」

杏子「……!?」

あすみ「あ、やべ。まあいいか」

男(お、おい! こっちの考えてる事が読まれてるんじゃないのか!?)

杏子(あー……そうかもな)

あすみ「ああ、うん。読んでる読んでる。丸わかり」

杏子(まあ魔法少女なんてなんでもアリだしな。心を読む魔法を使える奴が居ても不思議じゃねーよ)

男(そ、そうか。よし、ここはとりあえず……)

男「……た、タイム」

あすみ「はぁ!? またかよ!」

杏子「で? どうするんだよ」

男「こうなったらしょうがない……投げた本人にもどう曲がるかわからない魔球、ナックルボールを使う!」

杏子「ふーん」

男「まずは投球練習だ! 漫画で見ただけで投げるのは初めてだから練習は必要だ!」

杏子「試合中に練習するなよ……」

男「いくぞ! おらぁ!」ビシュッ

グンッ

杏子「……っとと……」

パスッ コロコロ...

男「おい、ちゃんと捕らないか!」

杏子「結構曲がるんだな……」

男「もう一回投げるぞ!」ビシュッ

グググッ

杏子「うわっ!?」

バシッ

男(俺の投げた球は斜め下に曲がり、グラブをすり抜け杏子ちゃんの足にあたってしまった……)

杏子「いってぇ……」

男「↓2」


1.だ、大丈夫か!?
2.しっかり捕ってくれ。これしかもう勝ち筋がないんだ。
3.何をしている、このチンピラの糞アマが! 少しは役に立て!

3


男「な、なんで……『ロッソ・ファンタズマ』は使えないんじゃ……」

杏子「その名前で呼ぶんじゃねえ」

杏子「なんでだろうね。使えなくなったとばかり思ってたけど……」

杏子「アンタに対する怒りで封印が解けた。ってとこかね? まあ、なんでもいいさ」

男「……」

男「何をしている、このチンピラの糞アマが! 少しは役に立て!」

杏子「ああ!?」

男「全く、大物気取りで参加をもったいぶってるから少しは期待していたのにな!」

男「投げては打たれ、煽られながらマウンドから逃げて! キャッチャーやらせりゃ変化球が取れませんときた! その辺のボウズ頭の野球少年捕まえてきた方がマシだったんじゃないか!?」

杏子「……」

男「何やらせても文句ばっかりで自分から働こうともしないし、いい加減うんざりだ! やる気がないなら帰ってくれ!」

杏子「…………たよ」

男「え、何?」

杏子「アタシが悪かったよ……」

男「え? え? 何が?」

杏子「だから……文句ばっかり言って悪かったって言ってるんだよ!」バキッ

男「おぎゃあ!」ドテッ

男「な……何故謝りながら殴る!?」

杏子「うるせえな! 早く次投げろ!」

男「くっ……」

男「くそっ、死ね!」ビシュッ

ググググッ

杏子「……う、うわっ!?」

バシッ

杏子「いたっ……!」

男(今度は膝に……)

杏子「なんで一球ごとに曲がり方が鋭くなっていくんだよ……」

男「……」

杏子「くそっ、次は捕るからな……」

男「も、もうちょっとゆっくり投げようかな?」

杏子「あ? なんでだよ、全力で投げないと勝てないだろ」

男「でも、杏子ちゃん痛そうだし……」


1.なんだか嗜虐心がそそられてきた♪
2.もう君が傷つくのを見ていられない……。
3.そもそも捕れなきゃ意味がないからな

男「そもそも捕れなきゃ意味がないからな。杏子ちゃんが俺に追いつくのを待っている時間はない。ここは変化のキレを敢えて抑えて投げるのがいいだろう」

杏子「……わかったよ」

男「それじゃあいくぞ」ビシュッ

ググググググッ

杏子「わああっ!?」

バシッ

杏子「~~~~っ!!」

男(脛に直撃してしまった……)

杏子「て、てめえ……抑えて投げるんじゃなかったのかよ……」

男「い、いや……抑えたつもりだったんだが」

ほむら「……ナックルボールは元々肩や肘にあまり力を入れずに投げる球種よ」

男「暁美さん、生きてたのか」

ほむら「余計な力を抜くよう意識し実行したことで、先輩のナックルボールは更に洗練され、変化も大きくなった……といったところかしら」

杏子「……ちくしょう」

男「暁美さんなら捕れるか?」

ほむら「杏子が無理なら、私にも無理」

男「くっ……」

今日はこれだけにします。
時間がとれずにすみません。

男「くっ……ふぇ……ふぇぇぇぇぇ……」

ほむら「……先輩?」

男「ひどいよぉ……こっちはお金がかかってるのに……絶対に勝たないといけないのに……」

男「魔法少女を使ってよってたかっていじめるなんてずるいよぉ」

男「ぶぇぇぇぇぇぇ……」ボロボロ

杏子「マ、マジ泣きしてやがる……」

ほむら「なんて情けない……これが中学三年にもなった男子の姿なの……?」

男「うるさいうるさい!! お前らなんて俺の球を捕れない役立たずじゃないか! 偉そうな口を利くな!!」

杏子「八つ当たりまで始めやがった……」

ほむら「救い様がないわね……」

男「お前らまで俺をいじめるのかぁぁぁぁぁ!?」

杏子「わかったから落ち着けよ。みっともないだろ」

男「アアアアァァァァ!!」ブンッ

ほむら「ちょっと、ボールを投げないで。人に当たったら危な……」

グググッ バシッ 

ほむら「いたっ……!」

ほむら「~~~っ! ま、曲がりすぎよ……!」

コロコロ...

男「返せぇぇぇぇぇ! 俺のボールだぞ!!」ダダダッ パシッ

杏子「てめえ、いい加減にしろ!」

ほむら「ボールをこっちに渡しなさい!」

男「あああああああああぁぁぁっ!!」ブンッ

一宮「なんだなんだ?」

二宮「俺達に向けてボール何個も投げてきてるぞ……」

三宮「何やってるんだ?」

中沢「うわ、こっちにもボールが来てる……」

一宮「とりあえず捕っとくか」

グググッ バシッ

一宮「痛てぇ!」

グググッ バシッ

二宮「あぎゃ!」

グググッ バシッ

三宮「おごっ!?」

グググッ

中沢「うわ……すごい変化」パシッ



ほむら「え?」

杏子「あれ? 今あいつ……」

男「下級生の癖に捕るなぁぁぁぁぁ!! 当たれぇぇぇぇぇぇ!!! 生意気なんだよぉぉぉぉぉ!!!」ビシュッ



中沢「捕るなって言われても……」

グググッ パシッ



男「あああああああぁぁぁぁぁぁ!!」ビシュッ

杏子「だからいい加減にしろっつってんだろ!!」バキッ

男「おぎゃあ!」ドテッ



中沢「な、なんなんだろ一体……?」パシッ

杏子「……で、どういうことなんだよ?」

ほむら「私達でも捕れないボールを何故中沢君が捕球出来たの?」

中沢「さあ……」

杏子「野球、やってたのか? だったら最初からそう言えよ……」

中沢「や、やってません! 体育の授業でもいつも外野だったし……!」

男「ふむ……」

男「なるほど、もしかするとこういうことかもしれん」

ほむら「何かわかったの? 先輩」

男「つまり……どう変化するか本人にもわからないナックルボールを捕るには、どのような変化でも受け入れられる柔軟性のある精神が必要だ」

男「普段から細かな選択肢に対しても、『どっちでもいい』で自ら選択をしようとしない中沢の優柔不断な性格は、ナックルボールを受けるのにうってつけだった……ということだ」

ほむら「……」

杏子「……」

中沢「え、ええと……」

杏子「もうなんでもいいから捕れるならお前がキャッチャーやれよ」

中沢「ええっ!? む、無理です無理です!」

男「↓2!」

すみません、また明日来ます

男「頑張れ頑張れ!! 出来る出来る!!」

中沢「そ、そんな事言われたって絶対無理ですよ!? 先輩の球速いし……!」

ほむら「先輩、無理強いはよくないわ」

男「絶対出来る!! 頑張れ!!」

中沢「俺キャッチャーなんてした事ないし、きっと無理ですよ……俺なんて本当は外野がいいところなんだ……」

杏子「……ちょっとキャッチが出来るからってこんな及び腰の奴にやらせるのはアタシは反対だね」

男「もっとやれるって! やれる!! 気持ちの問題だって!!」

中沢「そ、そうかなぁ? じゃあ試しにやってみようかな……?」

男「よし、防具をつけろ!」

杏子「折れるの早えぇよ!」

ほむら「なんというか……流石ね……」



男「フッ……心配ない。もやしの中沢でも俺の投球技術を以ってすれば超絶巧守の神捕手に早代わりだ」

中沢「よ、よろしくお願いします」

男「サインは簡単だ。ストレートがこれで変化球はこれ。以上だ」

中沢「はい。……え?」

男「ストレートは構えた場所に必ず収めるから絶対にミットを動かすな。変化球は気合で捕れ」

中沢「ええっ!? あの、変化球ってナックル以外にもあるんですか!?」

男「……」

男「よし、全員守備につけ!!」

中沢「あ、あの!?」

男「タイム終了だ」

あすみ「やっとかよ。いい加減にしてほしいんですけどー」

男「悪いな。さーて、自分が強いと勘違いした馬鹿女共を血祭りに上げていくか」

あすみ「……はん」

男「フッ……余裕ぶっていられるのも今のうちだ」

男(カウントはノーアウトで2ボール。まずはストライクを取りに行くぞ)

男(中沢……いきなりナックルボールだ!)クイッ

中沢(……)コクリ

男「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーっ!!」ビシュッ

あすみ「……」ニヤッ

グググッ…

あすみ「遅いんだよ!」

男(ボールの軌道を見極めたらしい神名あすみがバットを振り始める……)

男(馬鹿め……やはりお前は魔力で強化されただけの素人だ! 俺のような本物の野球人には勝てないんだよ!)

ググググッ…

あすみ「なっ……」

ブンッ
バシィーッ!

「ストライーーーク!!」

あすみ「なんだよ、今の球……」

男「フッ……↓2」

男「超能力さ。異能の力を使えるのが自分達だけだと思ったら大間違いだぞ?」

男「超能力による俺の魔球『フィストファック』はあらゆる方向に自由自在に軌道を変化させることが出来る。お前の負けだ、いくらパワーがあってもバットが当たらなければ無意味だからな」

あすみ「何が超能力だよ。ハッタリだろ? まぐれでストライクとったくらいでいい気になってんな」

男「フッ……」



バシィーッ!

ストライク! バッターアウト!



あすみ「……ちっ!」

男「いい気になってるのはそっちだったようだなw ん、どうした?w 顔面蒼白になってるぞw」

あすみ「なってねーよ! てめえ、試合が終わったら覚えてろよ……!」

男「今度は真っ赤じゃないかw お前はアシュラマンか?w」

あすみ「ぐ、ぐぎぎ……!」

審判「君、挑発行為はやめなさい」

男「おっと、失礼」

男「さて、次のバッターは……」

マミ「私の番ね」

マミ「男君。どうやったのか知らないけど、私に同じ手が通用するとは思わないでね」



バシィーッ!

ストライク! バッターアウト!



マミ「……」

男「……」

男「……哀れ過ぎてかける言葉が見つからないな……」

マミ「ぐすん……」トボトボ

男(続く5番のデブも三振に討ち取り、8回の表の攻撃は終了した)



男「7-5で点差は2点。1番から始まるこの回の攻撃で最低でも同点に追いつけなければ俺達の負けは確実だ」

ほむら「……確かにそうね。地力で負けているのは変わらないし、先輩の変化球も、魔法少女が相手なら二順目には対応されてしまう可能性が高いわ」

ほむら「上位打線で同点とは言わずに逆転して、9回表で試合を終わらせないと勝つのは厳しいと思う」

男「そういうことだな。暁美さん、やってくれるんだろうな? 敵のピッチャーの球速は巴さん以上だぞ」

ほむら「……秘策があるわ。さやか、ちょっとこっちへ」

さやか「え、何?」

男「?」



ほむら「お待たせ」コンモリ

男「……」

杏子「……」

まどか「……ほむらちゃん……」

ほむら「何かしら?」

まどか「ず、ずいぶんと着膨れしちゃったね?」

ほむら「そうかしら? 自分ではよくわからないわ」

杏子「さやかはどこに行ったんだよ」

ほむら「トイレよ」

杏子「つーかそのジャージさやかがさっきまで着てたのだろ」

ほむら「記憶違いよ」

男「ジャージの左手首の部分がはちきれそうなくらい膨れ上がってるんだが……」

ほむら「気のせいよ」

まどか「え、えーと……が、がんばってね!」

ほむら「ありがとう、まどか。必ず打って見せるわ」

男「もう必死すぎてなりふり構わなくなってきてるな……」

ほむら「さあ、来なさい! 今の私はまどかとの友情でさっきまでとは比べ物にならない程強くなっているわ!」

あやめ「ほう」

キンッ!

あやめ「貴様……『使った』な!」

ほむら「何の事かしら。妙な言いがかりはやめてもらえる?」



まどか「あはは……」

男「まあ打ってくれるならなんでもいいか……よし、鹿目さんのジャージを杏子ちゃんに貸してやってくれ! 同じ手を使うぞ!」

まどか「ええっ? うーん、男さんが言うなら構いませんけど」

杏子「いや、ふざけんな。アタシが嫌だ。絶対ピチピチになるだろ」

まどか「だ、だよね? ごめんね、わたし背が低いから……」

男「おい、杏子ちゃん!」

杏子「あ?」

男「↓2」


1.そんな言い方したら鹿目さんに失礼だろ! このデブ!
2.美樹さんのジャージなら着られるんじゃないか?
3.取れる手段を取らなかった以上責任を持って打ってくれよ!

男「美樹さんのジャージなら着られるんじゃないか? 暁美さんもいけたし、あのジャージなら上から重ね着しても大丈夫だろ」

杏子「さやかのはほむらが今着てるだろ。で、そのほむらは今塁に出てる。馬鹿じゃねえのお前……」

男「フッ……馬鹿はそっちだな」

杏子「あぁ!?」

男「ひぃっ! ち、違うんだ。つまり暁美さんがホームインして戻ってくればいいんだろ? そうすれば美樹さんのジャージも脱げるだろ?」

杏子「……ああ、まあな」

男「だから……俺がヒットを打って暁美さんをホームインさせればいいわけだ。簡単じゃないか!」

杏子「出来んのかよ?」

男「当然だ。俺には作戦がある」

男「↓2という作戦がな」

男「俺には作戦がある。本気を出すという作戦がな」

杏子「いや、それ作戦じゃねーし」

男「それはどうかな? 俺は今の今まで本気を出していない。俺の本気を見てもまだ同じ事が言えるか?」

杏子「どうせ大した事ないんだろ? いいから早く空振りしてこいよ」

男「そうやって相手を軽く見るのが杏子ちゃんの短所だな。まあ見ていろ。俺の本気はもはや戦略と言っていいほどのものだと思い知れ」

杏子「だから早く行けって。ごちゃごちゃうるせえ奴だな」



男「さあ、来い!」

あやめ「……」ビシュッ

男「おらぁ!」ブンッ

バシィィィィッ

「ストライーク!」

デブ「つぅっ……」

男「?」

男(キャッチャーのデブが小さく呻き声を出している……)

男「ふむ……」

あやめ「……」ビシュッ

男「……」

バシィィィィィッ

「ストライーク!」

デブ「く……」

男(……なるほどな。デブとはいえ所詮は女、魔法少女の球を受けるのは負担が大きすぎたか)

男(よし、当然ここは弱点を攻めるべきだろう。次の投球に併せて↓2を仕掛けるぞ!)

男「あへっ♪」

あやめ「!」

男「あへ、あへあへぇ……あへへww」

あやめ「……!!」

男(効いてるな……眉間に微妙に皺が寄ってるぞ)

あやめ「貴様、私を馬鹿にしてるのか」

男「え、何がだ? いいから早く投げてくれよ」

あやめ「……」チッ

スッ...

男(怪力あやめが腕を振りかぶるのに合わせ、俺はもう一度アヘ顔をお見舞いしてやった)

男「あへっ♪」

あやめ「!! くっ!」ビシュッ

ゴォォォォォッ!

男(な……俺の顔面に球が向かってくるだと!?)

男「うおっ!」バッ

ゴウッ!

男(なんとかかわせたがなんて勢いだ! しかしこれはキャッチャーも取れないだろう!)

男(今走れば塁には出られるだろうが、どうする!?)


1.当然走る!
2.敢えて走らない!

↓2

[ピザ]「ぎゃおっ! なんてとこ投げてんのよぉ!」ドテドテ

男(いや……ここは走らない! ここで走っても俺と暁美さんで1・2塁止まり。次の杏子ちゃんと友の打席で最低2点を返すには厳しい状況に変わりは無い)

男(はっきり言って杏子ちゃんには期待していないし、勝つためには最低でもここで1点返すか、もしくは……)

[ピザ]「はあ、はあ……」ドテドテ

男(壁にぶつかったボールを持って[ピザ]が戻ってきた。その間に暁美さんが2塁まで走ってくれたぞ)

あやめ「……何故走らなかった? 貴様は千載一遇の機会を逃したんだぞ」

男「フッ……↓2だからな」

デブ「ぎゃおっ! なんてとこ投げてんのよぉ!」ドテドテ

男(いや……ここは走らない! ここで走っても俺と暁美さんで1・2塁止まり。次の杏子ちゃんと友の打席で最低2点を返すには厳しい状況に変わりは無い)

男(はっきり言って杏子ちゃんには期待していないし、勝つためには最低でもここで1点返すか、もしくは……)

デブ「はあ、はあ……」ドテドテ

男(壁にぶつかったボールを持ってデブが戻ってきた。その間に暁美さんが2塁まで走ってくれたぞ)

あやめ「……何故走らなかった? 貴様は千載一遇の機会を逃したんだぞ」

男「フッ……↓2だからな」

男「あまりに綺麗な失投で見とれてしまってたからなwwwww」

男「よくあんな糞ボールが投げられるな……w ストライクゾーンって知ってるか?w 早く投げるだけじゃだめなんだぞぉ?w」

あやめ「……!」

男(怪力あやめは一瞬眉をひそめたが、すぐに持ち直し俺に冷ややかな視線を投げてきた)

あやめ「ふん……下らん。貴様の狙いはわかっているぞ。私を挑発して更なる失投を誘おうとしているな」

あやめ「言ったはずだ、さっきのは千載一遇の機会であったと。私に同じ手は二度は通用しない」

あやめ「貴様は欲に溺れ自滅しろ」

男(そう言って奴は再びボールを握った)

男「……あへ♪」

あやめ「……」

男「あへっ、あへあへっ♪」

あやめ「つまらん男だ。二度は通用しないと言った筈だ!」バッ

男(怪力あやめが大きく手を振りかぶる。……今だ!)

男「……」クルッ

男「パニエロケット」

ブッ! ブボボッ!

男(怪力がボールを放つその直前、俺は怪力に向けてカウンターの屁をお見舞いした!)

あやめ「!?」ビシュッ

ギュイィィィィィン ガツッ!

デブ「うぎぃぃぃ!?」

男(ワンバウンドした球がデブの脛に命中した! デブはその場で倒れ、球は弾かれてベンチの方へとゆっくり転がって行く!)

ほむら「……」スタタタッ


男「よし、上等だ」ダダダダッ

デブ「ボ、ボール! ボールは……あった!」

デブ「やあっ!」シュッ

男「おらあっ!」ズザザザァッ

一塁「キャッチ!」パシッ

塁審「セーフ!」

一塁「バ、バックホーム!」

あやめ「待て、投げるな!」

一塁「え!? あ!」



デブ「う、ううぅ……」

ほむら「……」スタタタタッ

ほむら「……」タンッ

審判「セーフ!」

ほむら「……」ファサァ



男(ホームではデブが蹲って足を押さえていた。その間に暁美さんがホームインし、7-6の一点差になった)

あやめ「あれでは受けられない。その男を更に進ませるだけだ」

男「チッ……タイムだ!」



ほむら「杏子、来て」

杏子「げっ……マ、マジで着せる気なのかよ」

ほむら「着たくないなら仕方ないわ。だけど、どういう事情かは知らないけれど貴女はこの試合に勝たないといけないのではないの?」

杏子「ぐ……」



あやめ「どうやら……私は貴様達を過小評価していたようだ」

あやめ「もう手は抜かない。次からは全力であたらせてもらう」

男「↓2」

男「かっこつけんなよ。”必死です”って言い直せ」

あやめ「黙れ! すぐに減らず口を叩けなくしてやる!」

男(こいつ挑発に弱いな。すぐに怒るぞ)

男「やっぱり必死じゃないかあw ほら、早くボクは必死ですって言えよぉw」

あやめ「貴様……!」ザッザッ

男「おおーーっと、こっちに来てどうするつもりだ!? ま、まさか暴力を振るうつもりなのかーーー!? なんということだあーーーーっ!!!www」

あやめ「ぐっ!」

審判「君、マウンドに戻って! そっちに君もいい加減にしなさい!!」

男「やれやれ、喧嘩っぱやい奴のせいで俺まで怒られてしまったぜ」

あやめ「……」



杏子「……」コンモリ

ほむら「精々励みなさい」

杏子「うるせー……くそっ、こうなったら開き直って今までの分倍にして返してやる」

ほむら「どうするの? 相手だって魔法少女なのよ。何か作戦でもあるの?」

杏子「へっ、見てろよ。こうやってバットに魔力を流し込んで……」

杏子「ほら、金属バットより硬い魔法バットだ。これならどんな球が来ても場外ホームランっしょ!」

ほむら「そう。まあ単純なだけに確実な効果が見込めるわね」

杏子「だろー? スポーツは結局はしんぷるいずべすとなんだよ! いい道具を使った奴が勝つんだって!」

ほむら「……」

杏子「なんだよ」

ほむら「いえ、なんでもないわ」

杏子「おかしな奴だな。んじゃ行ってくるか」

あやめ「……」ビシュッ

杏子「うらっ!」ブンッ

バシィィィーーーッ

審判「ストライーク!」

杏子「は、はえー……」

男「おい、ド真ん中だぞ! ちゃんと当てんかい!」

杏子「チッ……」

あやめ「……」ビシュッ

杏子「このっ!」ブンッ

バシィィィーーーッ

審判「ストライクツー!」

杏子「くっ、このやろ……」

あやめ「……」ビシュッ

杏子「! 貰った!」ブンッ

ゴッ

杏子「……んなっ!」

バキィッ

男(バットが……折れただと!?)

バシィィーーーッ

審判「ストライーク! バッターアウト!」

杏子「嘘だろ……」

男「↓2!!!」

男「タ、タイム!」

男「杏子ちゃん、こっちに来てくれ! は、早く!」

杏子「な、なんだよ!?」ツカツカ

男「杏子ちゃん……使えね!」

杏子「!!」

男「つっっっかえねえ! ほんっっっっとつっっっっかえねええええええ!!」

杏子「ぐっ……」

男「どうしてくれるんだよ……もう後がないだろ……!」

杏子「……知らねえし。アタシは元から野球とかやりたくなかったんだよ」

男「何!?」

杏子「負けたのはアタシのせいじゃないし。ザコばっかの寄せ集めで参加したのが悪いんだよ。そこに参加してやっただけでもありがたく思えよ」

杏子「あーあ、野球じゃなくて戦いだったら勝つのにな」

男「な、なんて奴だ……」

友「よっしゃぁぁぁああああああ!! 俺の出番だぜぇぇぇぇぇええええ!!」

友「男ォォォ! 絶対にホームに帰してやるからなぁぁぁぁぁ!?」

ほむら「待って先輩。少しバットを貸して」

友「えっ! チンコしゃぶってくれるのか!?」

ほむら「……」

ほむら「バットです。バットを、貸してください」

友「ああ、こっちのバットか……すぐ返してくれよ」スッ

ほむら「……」

ほむら「……」ペタペタ

ほむら「……はい、もういいです」

友「おっ! なんだか硬くなってる!? 君に触られて硬くなっちゃったのかな!? へへへ!」

ほむら「だからもういいです。早く行ってください」

友「おう! 後で俺のチンコも触って硬くしてくれよ!」テクテク

まどか「ほ、ほむらちゃん。あの人って危ない人なんじゃ……? その、男さんがいない時はあんまり話しかけない方がいいような」

ほむら「……そうね。今ので懲りたわ」

友「うおおおおおおおお! 打つぜぇぇぇええええええ!!」

友「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

男(まずい、友がたまにある謎のハイテンション状態になっている!)

男(あの状態の時はまともな判断が一切出来なくなるぞ! 大丈夫なのか……!?)

男「お、おい友! ボールを打ったら俺が今いる場所に走るんだぞ!」

友「わかってるぜえええええ!! とにかく男を追いかければいいんだよな!? あんまり遠くまで逃げないでくれよぉぉぉぉぉおおおお!!」

男「ち、違う! 俺が今いる一塁ベースに停まるんだ! 間違っても二塁に走る俺の方に走るんじゃないぞ!!」

友「そうだったか!? まあ適当にやるぜェェェェエエエエエ!」

友「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

男「くっ、しかし今の友なら何か……何かやってくれるかもしれん! ピッチャーを再起不能にしてくれれば文句ないんだが……!」



友「うおおおおおおおおおおおお!! うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



「ディレクター。見苦しいですねー、彼の空元気。テレビに出られるからって無理に目立とうとしてるんでしょうね」
「全く、キチガイ気取りとかいい迷惑っす。こんな映像使えませんしアイドル達のベンチでの会話でも写しますか」

「い、いや……! これは使えるぞ! 長く業界にいる俺にはわかる! あれは本物だ!」
「奴は将来必ず何か事件を起こすぞ! そうなったらこの映像は精神病持ちの犯罪者とアイドルとが共演する大変なVTRになる! いいか、奴をきっちり写せ!」

「マ、マジっすか!? わかりました!」



友「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! しぇ、しぇしぇしぇのしぇえええええええええええええええ!!!」

あやめ「うるさい男だ……。虚勢を張らねば恐ろしくてその場所には立てないという訳か。情けない」

あやめ「まあいい、そんなに怖いのならばすぐにそこから帰してやろう」

あやめ「この私の必殺のボールで、な!」ビシュッ

友「ああああああああああああああああああああああ!!!」ポイッ

あやめ「なっ……!」



ほむら「……!?」

杏子「バットを……!?」

男「捨てた……だと!?」



友「バットじゃ折られて打てないのはさっきのでわかってるんだよぉおおおおおおおお!!!」

友「だったら……バットより硬い……俺の骨で打つしかないだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!?」

友「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ブンッ



早乙女「や、止めなさい友君!」

マミ「あやめさん、やめてーーーっ!」

ほむら「ちょ、待っ……」

まどか「ダメ……! 危ないよ!!」

男「よっしゃ行けーーーっ! ぶっとばせ友ーーーー!!!」

友「ガアアッ!」ブンッ

メキメキィッッッ

友「ギャアアアアアアアアア!!」

男(ボールが友の右腕にめり込む! 骨の軋む音がここまで聞こえて来そうな痛ましい光景だ!)

友「ゴアッ、ギャアアアアアアッ!!」

男「頑張れ友! 根性見せろ!!」

メキッ、メリメリメリィィィッ!

パァァァァンッ!

男「あ……腕がハジケた」

ブシャアアアアアアアッ!!

ピチャピチャッ

デブ「ひぎゃああああああああ!!」バタッ

男(ハジケた腕から噴出した鮮血がマスクをすり抜けデブの顔にかかる! そのままデブは気を失ってしまった!)

あやめ「愚かな……! だがその蛮勇に免じ、最低限の治療だけは施してやろう!」

男「……おいおい、それで勝ったつもりでいるのか?」

あやめ「何!?」



友「まだだぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブンッ



あやめ「な……残った腕まで差し出すつもりか!?」



メキメキッッッ!! パァァァァン!!

ブシャアアアアア!!

友「ギャアアアアア!! ギャアアアアアアアアアア!!」

男(両腕を失い悶絶する友。しかし……これで終わる奴ではないという事を俺はよく知っていた)

男「おい、まだ足が残ってるぞ!」

友「ガアアアアアアアッ!!」ブンッ

メキメキメキッ!! パァァァァァァン!!

ブシャアアアアアアアア!!

友「ゴアアアアアアアアアッ!!!!」

男「いいぞ友! ボールの勢いが死んできた気がする! トドメのヘッドバットだ!!!」ダダダダッ

友「アアアアアアッ!!!」ブンッ

ゴツッ! メキメキメキメキィィィッ!!!

パァァァァァン!! ブッシャアアアアアアァァァァァ!!

男(ついに友の頭部が破壊されてしまった!)

男「む、しまった……まだ左足が残っていたのに頭が無くてはもう振れないじゃないか……」ダダダダッ

友「」バタッ

男「しかしショッキングな映像を見たせいでキャッチャーのデブは気絶している! 他のメンバー守備の連中も呆気に取られている今がチャンスだ!」ダダダダッ

男「おらぁぁぁ!! ホームイン!!」ズザザザァ

男「よっしゃ同点だ! ……あれ、友はどこに行った?」

友「」死ーん

男「おっ、根性で一塁まで進んだのか。よしよし、なかなかやるな」



ほむら「はぁ、はぁ……ぅっ」



男「と思ったがあそこで息を切らせてえづいている暁美さんが移動させてくれたのかな?」

男「おーい、ご苦労さん! いやー、暁美さんって地味に役立つよな♪」

ほむら「あな、た……!」

ほむら「友達が死んだのに、なにも感じないの……!? 私達魔法少女の力は、傷は治せても失われた命は取り戻せないのよ……!」

男「↓2」

男「黙れ! このアバズレが!!」

ほむら「!?」

男「友達が死んだのに何も感じないかだと……?」

男「大きなお世話だ! お前に俺と友の何がわかるっていうんだ!」

男「ここで俺が泣いて立ち止まってどうなる? 俺が悲しめばそれで友が報われるっていうのか!? あいつが俺にしてほしいのはそんな事じゃないんだよ!」

ほむら「……!」

男「泣いたって友はもう帰って来ない。だったら……俺があいつのために出来るのはただ一つ」

男「あいつが命をかけてまで成し得たかった、この戦いに勝つ事だけだろうが! それだけが先に逝ってしまったあいつへの餞になる! そのためなら俺は阿修羅にでもなってみせるぜ!」

ほむら「……そう」

ほむら「貴方の気持ち、少しだけなら理解してあげられるわ」

男「わかってくれたか……これに懲りたらもう俺に口答えするなよ?」

ほむら「……」

審判「き、君! 随分酷い怪我のようだが大丈夫かね!?」

「いくらなんでも死人が出たら番組自体放送出来んぞ!」

男「ああ、大丈夫です。こいつちょっと血の気が多いから大げさに血なんて噴出しちゃったんですよ」

男「な、大丈夫だよな友?」

友「」死ーん

男『あ、はい大丈夫です。絆創膏貼っといたら治りますんでw』

審判「そ、そうか……だがそんな血まみれじゃプレイは続行出来ないだろう。代走を出しなさい。あと一応病院には行っておいたほうがいいぞ?」

「全く、若いし多少の無茶は仕方ないが常識の範囲内でプレイしてくれよ!」

男『はーい、反省してまーす』



男「よし、代走は……↓2に頼む!」

1.鹿目さん
2.タツヤ
3.エイミー
4.早乙女

男「よっこいしょ」ポイ

友「」ドサッ

男(俺は友の死体をベンチの下に隠すように放り入れた)

男「おーい、鹿目さん」

まどか「お、男さん! あの、友さん大丈夫なんですか!?」

男「ああ、日陰で休んだら治るってさ」

まどか「ええっ!? すぐ病院に行ったほうがいいんじゃ!?」

男「いや、平気だって。せっかくあんなに頑張ったんだから最後まで試合を見届けたいんだってさ」

まどか「そ、そうなんですか」

男「うん。それより鹿目さんに頼みたい事があるんだけど。友はもうあんなんだから試合は続けられないだろ? 代走が要るんだ」

まどか「あ……はい。それじゃあタツヤは先生に預けて……」

男「おいおい、預けちゃ駄目だろう。タツヤにはこれから代走に出てもらわなきゃいけないんだぞ!」

まどか「え……!? む、無理だよそんなの! タツヤはまだ3歳なんだよ!?」

男「↓2!」

男「遊びじゃねえんだよ!」

まどか「えっ!」

男「まだ3歳だからとか、そんな理由で戦いを避けられる状況じゃないんだよ、もう……」

まどか「で、でも……」

男「鹿目さんにはわからないのかよ。友の男気に中てられて、俺もタツヤも血が滾ってるんだよ」

男「お姉ちゃんに言われたって止まらねえよ。タツヤ自身がもうこのままじっとしてられない段階までキレてるんだよ……!」

まどか「そ、そんなことないよ! タツヤだってあんな危ないところに出たくないに決まって……」

男「タツヤぁ!! お前、いつまで黙ってるんだよ!! お前の意思を聞かせろよ!!」

タツヤ「……あー?」

まどか「タツヤ……い、行かないよね? 危ないことはしないよね?」

タツヤ「やー?」

男「やるのか、やらねえのかどっちなんだ!!」

タツヤ「んあー」

タツヤ「やきゅう! やきゅう! やるー!」

まどか「そんな……!」

男「へっ……男だぜ、お前」

男「おい、代走だ! 鹿目タツヤ、出るぜ!」

タツヤ「あー」

一塁「やーかわいいー!」

一塁「ほら、ボールが飛んだらあっちに走るんだよー?」

タツヤ「うん!」テクテク

一塁「あっ、もう、まだ早いわよー!」

あやめ「むっ……二塁。タッチアウトにしろ」ポイ

二塁「えー!? ダメダメ! あんな小さい子にかわいそうでしょ!?」パシッ

二塁「はい、パス!」ポイ

一塁「ナイスボール!」パシッ

タツヤ「きゃー!」

二塁「わあ、すごーい! 盗塁成功だね!」

一塁「おめでとー!」

あやめ「き、貴様……!」



男「よし、タツヤが逆転への道を切り開いてくれた! あと一打だぞ、頑張れお前ら!」

一宮「あ、ああ! 俺達も命張って見せるぜ!」

二宮「中学生には負けてられないからな!」



審判「ストライーク! バッターアウト!! チェンジ!!」

男「はぁ……」

一宮「ぐっ、す、すまん……」

二宮「面目ねえ……」

男「ついに最終回だ。8回裏で逆転出来なかったのは辛いが、まだ試合が終わったわけじゃない」

男「まずはこの回を無失点で切り抜けるぞ。話はそれからだ」

中沢「う、うう、上手く出来るかな……」

男「出来なかったら他はともかく中沢はもう二度と学校に顔を出せずに中卒の人生あるのみだな……」

中沢「なんで俺だけ!?」

男「守備位置に付くぞ」

中沢「……え、冗談ですよね?」

男「暁美さん、タツヤをレフトまで連れて行ってやってくれ」

ほむら「タツヤ君のところに打球が行ったらどうするの?」

男「そんなもん暁美さんが捕るに決まってるだろ」

ほむら「……だったらレフト不在にして彼を私の後ろに座っていて貰っても構わない?」

男「ああ、好きにしろ」

まどか「あのー……やっぱりわたしが行った方がいいんじゃないかなって……」

ほむら「まどかはいいの。ベンチで見ていて。タツヤ君は私が責任を持って守るわ」

まどか「う、うーん? それは安心だけど……」

ほむら「まどか。私を信じて。私は貴女も貴女の家族も守ってみせるわ」

まどか「そ、そうなんだ?」

男「ん? 美樹さんがいないぞ。どこに行ったんだ」

ほむら「あら、本当ね」

まどか「えっ、もしかしてまだトイレにいるんじゃ!?」

ほむら「……あ……」

杏子「そーいやジャージ脱がせてそのままだったっけ」

まどか「す、すぐにそれ届けにいかないと!」

杏子「慌てんなよ。今日は暖かいし大丈夫だろ」

まどか「そういう問題じゃないよ!?」タッタッタ



さやか「あ、あんたらねえ……! 女の子をいきなり脱がせてそのまま忘れるなんてどういう事だー!?」

ほむら「……」

杏子「いや、脱がせたのほむらだし。アタシ知ーらね」

ほむら「これはその……勝つために必要な事だったから……」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「ご、ごめんなさい……」

男「↓2!!」

男「許してちょんまげ!! 暁美さんのおかげで点取れたし美樹さんが辱めを受けてもオールオッケー♪」

さやか「全然オッケーじゃない! ……って同点にしたの!?」

男「うむ。杏子ちゃんはゴミのように三球三振だったけど暁美さんと俺と友とで2点入れたんだ」

杏子「……」

さやか「あー……まあちゃんと結果にしてくれたのなら、酷い目にあったのも意味があるのかもしれないけど……」

男「そうだろ? チームに貢献出来たんだからここは涙を飲んでくれよ!」

さやか「あんたが偉そうにしてるのはムカつくけど、まあわかったよ……でもほむら! これは貸しだからね!」

ほむら「貸し?」

さやか「そうだよ。あんたは一つだけこのさやかちゃんのいう事をなんでも聞かなきゃいけないのだ」

ほむら「え、絶対に嫌なのだけど……」

さやか「うるさーい! 問答無用! ほらほら、みんな早く守備につくよ!」タッタッタ

杏子「はいはい」タッタッタ

男「フッ、暁美さんもこれで処女喪失確定だなw」タッタッタ

ほむら「え……」ゾーッ



沙々「いちいち人を待たせるのが好きな人達ですねェ。そんなに怖いなら棄権してとっととおウチへ帰ったらどうです?」

男「そういう君はいちいち煽るような事ばかり言うよな。育ちの悪さが出てるぞw」

沙々「すみませんねェ。でも自分より弱い相手に気を遣ってもしょうがないじゃないですか。わたし、向上心があって意識の高い人なのでー」

男「自分でそういう事言う奴で本当に大した人間だった奴はいないんだよなぁw」

沙々「あーそうですか。まあ貴方とわたしのどっちが強いかは今すぐはっきりするんじゃないでしょうかねェ? 言っておきますけどわたしもう貴方の球はもう見切ってますんで。打席に立たずとも見ただけで攻略済みでーす」

男「ほうほうそうかそうか。それじゃあどう攻略したのか見せてもらおうかw」

沙々「くふふ……」

男(それにしてもムカつく女だ……見たところ下級生か? 雑魚の癖に生意気なんだよ)

男(この収録が終わったら一度痛い目に遭わせてやらないといけないな)

男(そうだな……監禁して中沢やDQN達辺りにレイプさせるのが面白そうだな)

男(俺は遠慮しておこう。なんかこいつ性病とか持ってそうだし……)

沙々「持ってねーよふざけんな!!!」

男「うおっびっくりした!」

審判「君、大声で投手を威嚇するのはよしなさい」

沙々「ケッ……」

男(あれ、なんか心読まれたかな?)

男(まあいいか。で、4人に輪姦させたら中沢はむっつりスケベだから一番はりきるだろうな。俺が最初! 俺が最初! とか言いそうだ)

男(そう、こんな感じに……)



中沢『俺が最初! 俺が最初! 俺は処女以外とはやらない! 非処女は便公衆便所! 処女最高~!』

一宮『そ、そうか。まあ中坊は頑張ったからな。功労賞としてメス豚の処女くらいはくれてやろう』

中沢『うひょ~!』ズブリ

沙々『ひぎぃぃぃ!』

中沢『処女最高! 処女最高!』パンパン

中沢『あ、あれ……?』

中沢『なんか……ちんこ痒くなってきた……』



沙々「だから持ってねーっつってんだろ殺すぞ!!!」

男「うおっびっくりした!」

審判「君! 投手を脅かすのはやめなさい! いい加減にしないと退場してもらう事になるよ!」

沙々「こ、このクズが……!」

男(やれやれ、あまり人の心を勝手に読まないでほしいもんだぜ)

男(そんなんだから中沢にこんな目に遭わされるんだ)



中沢『はぁはぁ……魔法少女って言ってもこうなっちまえばどの女も同じだなw そろそろイクぜ、魔法妊婦様の誕生だ!』パンパン

沙々『ひっ!? い、嫌! 中は駄目、それだけはやめてぇぇぇ!!』ガクガク

中沢『うるせえ! 俺は中沢だから中に出すって決まってるんだよ!』パンパン

中沢『うっ!』ビュルルルルッ

沙々『嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!』

中沢『どうだよ中沢の中出しの味は!? 妊娠確実だぜ!』

沙々『イヤァァァァァ! う、産まれるーーーっ!』

スポーーーン

友『おんぎゃあああああ! おんぎゃああああああああ!!』



沙々「コノヤローいい加減にしやがれよ気持悪い妄想してんなよ今すぐぶっ殺すぞ!!!」

男「うおっびっくりした!」

審判「こらっ! 何度も注意したのに君は! もういい、君は今すぐ退場しなさい!!」

沙々「……え……」

男「う、うーむ。俺に敵わないと知って勝負を避けるために自滅するのが君の攻略法だったのか……」

男「流石に予想外だ。度肝を抜かれたぜ……」

男(その後、代わりに出てきた控えのアイドルを三振にして俺はアウトを一つとることが出来た)

男「次はお前か……」

あやめ「フン……神名あすみといい、揃いも揃って情けない奴らだ」

あやめ「私を奴らと同じだと思わない事だ。私には小細工など通用しない」

男「フッ……↓2」

男「フッ……典型的なやられ役の台詞だなそれは」

あやめ「何、そうなのか? ならば今日、この時を以ってさっきの台詞は勝利する者が敗れる者へと投げかけるものとなるだろう」

男「ほざくなよ? この球を初見で打てた奴は今まで一人もいない。よって俺の勝ちだ」

あやめ「他の人間には通用しても私には通用しない、それだけの話だ」

男「もういい、お前とは話しても無駄なようだな。過ぎた自信が身を滅ぼすという事を思い知るがいい!」

男(中沢、↓2だ。↓2を投げる)

男(中沢、俺は勝負を投げる事にした。立て)

中沢「!」スクッ

男(俺は怪力あやめとの勝負を投げ、敬遠をするために中沢を立たせストライクゾーンから大きく離れた位置へボールを投げた)

男「ウェーイwww」ポイッ

あやめ「!?」

中沢「……」パシッ

あやめ「貴様……!」

男「なんかお前怖いし。まぐれで当たったらホームランになりそうだからここは敬遠一択だろ」ポイッ

中沢「……」パシッ

あやめ「……」

男「ウェーイw」ポイッ

あやめ「……クク」

あやめ「言ったはずだ、小細工は通用しないと!」バッ

男「何!?」

男(怪力め、つま先で立ってまで無理矢理バットをボールの軌道上に入れてきやがった!)

あやめ「ジョアアアアアアッ!!」ブンッ

ゴッ! キィィィィィィン!!

男「ぐおおっ!」

男(ボールは俺のやや頭上、右側を通る!)

男(暁美さんに……駄目だ、余裕で入るぞこれは!)

男(俺が捕る!? グラブを! 駄目だ間に合わない!)

男「うおおおおおおおおっ!!!」バッ

バチィィィィィッ!!

マミ「え……!」

ほむら「……!」

杏子「な……!」

さやか「うっそ……」

まどか「ふえ……」

男「ぐ……」

シュゥゥゥ……

男(怪力の打った、俺の頭上をすり抜けすのままスタンドへと放り込まれるはずだった球は)

男(1秒に満たない時間の中で反応し、考え、それを防ぐための唯一の方法を導き出した俺の……)

男(裸の手の平の中へと納まっていた)

男「痛ってぇ……痛ってぇよ」

男「全く、魔法少女って奴はどいつもこいつも俺に手間をかけさせてくれる……」

男「たまには、もうちょっと楽に勝たせてくれてもいいんじゃないか?」

あやめ「……」

男「素直にフォアボールで歩いていればストライクゾーンの小さいゆまちゃんの打席でお前達が勝つ可能性はまだあったんだ」

男「だが……歩く事をよしとせず、その可能性を放棄し、無理な勝負に出た。それがお前らの敗因だ」

男「悪いな、この勝負……俺達の勝ちだ」

あやめ「何を勘違いしている?」

男「ヒョ?」

ギュルルルルルルル……

男「あ、あれ? なんか手の中が熱くなってきたんだが……」

杏子「馬鹿、手を離せ!」

ほむら「ボールを捨てて、先輩!」

男「え、でも……」

ギャアアアアアアッ!!!

男「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

ピューッ

男(手に取ったボールが……俺の妨害など知った事ではないと言わんばかりに、元に軌道のまま再びスタンドに向けて飛び始めた!)

男「ま、待てこのっ!」グッ

男(両手を使い、必死でしがみ付くが勢いは止まらない! 気がつけば俺の足まで地面についてはいなかった!)

男「な、なんだこれは!? 魔法か!? おい、誰かなんとかしろ!」

杏子「だから離せって言ってるだろ!!」

ほむら「早く!」

男「↓2!」

男「ボールに亀裂を入れて空気抵抗でファールラインまで持っていく!! それで仕切りなおしだぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

杏子「弾道が違いすぎんだろ、馬鹿か!!」

ほむら「……っ!」ダッ

男「うるせええええええ!! やるって言ったらやるんだよ!!」

男(俺は回転しながら飛び続けるボールに鉄拳を食らわせ続けた!)

ゴツッ! ゴツッ!

男「くそっ、この野郎!」

男(まずい……全く勢いが衰えない! というかこのままスタンドに入ったら俺の身がやばい!)

男「お、おい! お前らなんでもっとちゃんと俺を止めなかったんだ!? やばいじゃないか、早く助けろ!」

シュルルルルルッ……

男「!? なんだこの布は! マミさんのか!?」

グイッ

男(急に現れたマミさんのリボンが俺の右の下腕をきつく締め上げてきた!)

男「うおっ!」パッ

男(それによって俺の右腕には力が入らなくなり、必然的にボールも手放してしまった!)

男「おい、守備妨害だぞ馬鹿か!? くそっ、インチキ女! 卑怯者! おっぱい見せろ!!」

男「ぐおおおおおおおっ! お、落ちる! 背中から落ちる! 助けろ誰か! 早く!!」

ほむら「……」タタタタタッ

ほむら「……!」バッ

男「ぐわあああああっ! 死ぬーーーーー……!」

ズザザザザーーーッ

男「……む……」

ほむら「うるさい人……そんなに大声で騒がなくても、まどかの前で見殺しになんてしないわ……」

男(気がつけば俺は暁美さんを下敷きにスタンドの直前で倒れていた)

男「暁美さんがキャッチしてくれたのか……っておい」

男「頭から血が出てるじゃないか……」

ほむら「……」

ほむら「平気よ。これくらい」

男「↓2!」

男「れ、礼なんて言わないんだからね!」

ほむら「別にそんな事、期待していないわ」

男「な、何よ! あんたなんてアタマ打って死んじゃえばよかったのよ!」

ほむら「は?」

男「ふん、何よ。怒ったの? 別にあんたなんか怒っても全然怖くないんだから!」

ほむら「……」

ほむら「先輩こそ頭を打ったんじゃないですか? 正気を失っているようにしか見えませんが」

男「で、でも……ホントはちょっとだけ感謝してるような気も……ホントにちょっとだけなんだからね……!」

ほむら「……これは本当に重症かもしれない……」

ほむら「あの、これ、何本かわかりますか」

男(暁美さんは指を三本立てて手を出してきた)

男「↓2」


1.3本だろ
2.5本かな?
3.はむっ。ちゅぱちゅぱ。

男「はむっ」パクッ

ほむら「……!?」

男「んぅー……」チュパチュパ

男「れぃほん!」ニタァッ

ほむら「ひっ」

ゴツッ

男(暁美さんのグローブを持つ手でのパンチがこめかみに突き刺さった)

男「オゴッ」ドタッ

男「い、いてて……」ヨロヨロ

男「なんだ? 突然頭にすごい衝撃が……」

ほむら「……」

男「え、なんでそんな凄い顔で俺を見てるんだ……?」

男「あーっ糞!! ホームランになってるじゃないか!!」

男「畜生、もうこれ以上追加点をやるわけにはいかないぞ! おい、気合を入れて守って打つぞ!」

男「おい、聞いてるのか!? 何を芝生に指をこすりつけてるんだ! さっさと守備位置につけ!!」ザッザッザ

ほむら「……」ゴシゴシ

ゆま「やあっ」ブンッ

バシィッ

審判「ストライク! バッターアウト、チェンジ!」

ゆま「うぅ……ぜんぜん当たらないよ……」

男「ふう、ひとまず攻撃は終わったか」



男「9回裏、延長はないからこの攻撃で終わりになるんだが……」

三宮「よし、行ってくる! 病院送りになった中学生のためにも絶対勝ってやるぜ!」

中沢「お、俺も頑張ります!」

三宮「だあっ!」ブンッ

審判「バッターアウト!」

中沢「あんっ!」ブンッ

審判「バッターアウト!」

男「くっ……予想はしていたが……」

三宮「くぅっ! すまねえ!」

中沢「面目次第もございません……」

一宮「馬鹿、落ち込むなよ! お前らは一生懸命やっただろ!」

二宮「そうだぜ! 中学生もきっと許してくれるって!」

男「……」

まどか「スポーツで結ばれる男の子同士の友情って素敵ですね……!」

男「はぁ!? 何腐女子みたいな事言ってるんだ、勝たないと意味ないんだけど!?」

まどか「ご、ごめんなさい……」

ほむら「……まどか、私の後ろに隠れて」

まどか「だ、大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけだから。男さんも大変なんだよ……」

さやか「ちょっとちょっとー! 試合に一生懸命なのは結構だけど、こんな風にまどかをビビらせてどうすんのさ! 女の子に対してその態度はないわー!」

男「↓2」

男「そうだぞ暁美さん。鹿目さんがビビッてるからやめろ」

ほむら「……」

さやか「いや、あんたに言ってるんだって。ほら、まどかとほむらのあんたを見る目がもう完全に不審者を見る目じゃん」

男「……何?」

まどか「わ、わたしはそんな事ないよ! ほむらちゃんもそうだよね!?」

ほむら「まどか。あの男は危険よ。近づいたら何をされるかわからないわ」

まどか「ほむらちゃん!?」

男「おいおい、ずいぶんな物言いだな!? 俺が鹿目さんに何をするって言うんだ!」

ほむら「近づいたら……指や髪を舐められるかもしれないわ」

まどか「男さんはそんな事しないよぉ!」

男「そうだぞ! 酷いじゃないか。妄想を事実であるかのように言って人を貶めるのはやめろ」

ほむら「妄想ですって? 貴方、自分が何をしたか……」

男「指や髪を舐めるだと? 俺がそんな事するわけないだろう! それは実は暁美さんが鹿目さんにやりたいことじゃないのか?」

ほむら「そんなわけないわ」『何故なら既に魔法で時間を止めて飽きるまで舐めたからよ』

男(俺は暁美さんの声真似で後に続く言葉を付け足した)

ほむら「!?」

まどか「ほむら、ちゃん……!?」

さやか「う……うわぁ……ちょ、ちょっとマジなの……」

杏子「魔法を自分の欲望のために使いすぎだろ、おい……!」

ほむら「ち、違うわ! 今のは……!」『失言だったわ。忘れてもらえるかしら』

さやか「忘れられるかよこんなの!」

男「鹿目さん、俺の後ろに隠れるんだ」

まどか「ほ、ほむらちゃん……?」ササッ

ほむら「違うの! 話を聞いて、まどか!」

さやか「ちょ、落ち着け! とりあえずまどかから離れろって!」グイグイ

杏子「思ってたよりヤバイ奴だったんだな……」

さやか「ほら、ネクストバッターズサークルに入れよ! あたしの次はあんただろ!」グイグイ

ほむら「待って! まどか! まどかぁー!」ズルズル

男「うーむ、恐ろしい子だったな。まさに一番怖いのは幽霊でも妖怪でもなく生きた人間という奴だ」

まどか「うう……なんで私なんかの髪や指を舐めるの……?」

男「それはきっとレズビアンだからだな」

まどか「きっと何か誤解があるんだよぉ……」

杏子「まあどうでもいいんじゃね? つーかどうすんのさ。さやかじゃあのピッチャーから絶対ヒットなんて打てねーだろ」

男「あーなんかもうどうでもよくなってきたな。面子クソすぎてどうにもならないだろこれ。全部役立たずのDQN達と中沢と美樹さんが悪い」

杏子「なんだよ、諦めんのかよ」

男「だってもうどうしようもないだろ。後は美樹さんが三振して終わりだ」

杏子「……ま、しゃあねーか。たかが野球の試合でムキになんのもバカらしいし、今回は負けといてやるか」



さやか「だああっ!」ブンッ

バシィィィィィィッ!

審判「ストライクツー!」

さやか「……いやー、参った参った。全然見えないし、こりゃかなわないわ……あはは」

あやめ「……最後だ」スッ

あやめ「ジョアッ!」ビシュッ

さやか「……」ニッ

さやか「ここだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ブンッ

ィンッ

あやめ「……!?」



男「あ、あれ?」

杏子「な……!」

まどか「うわぁ……!」



ほむら「……!!」

ほむら「そんな……さやか、貴女、まさか……」



さやか「ツーベースっと」タンッ

さやか「後は任せたよ、ほむら」

男(杏子ちゃんと暁美さんが問い詰めたところ、美樹さんは魔法少女の契約をトイレに閉じ込められている間に済ませた事をあっさりと白状した)

男(願い事は『幼馴染の動かなくなった手を治す』こと。何故か暁美さんの狼狽ぶりが半端じゃなかったが、三人で少しの間、恐らくはテレパシーでのやり取りをした後にこの場は取り敢えず抑えて次の打席に立つ事になった)



ほむら「……」

男(打席に立つ暁美さんは魔法少女の姿だ。一体どういうつもりなのか……)

あやめ「ほう……さっきのをまたやるつもりか」

ほむら「……」

あやめ「どうやら余計な話は好まないタイプのようだな」

あやめ「まあ、いい」スッ

あやめ「ジョアッ!」ビシュッ

ほむら「……!」カチッ









バシィィィィィッ!!

審判「ストライーク!」

ほむら「……え……?」

あやめ「まるで天地が逆さまになったような顔をしているな」パシッ

あやめ「クッ、クク。私は自分の力で他人がそういった顔になるのを見るのがこの上無く好きだ」

あやめ「土産に、教えてやろう。私の魔法は……自分と、自分の魔力を込めた人や物の、状態や移動する方向や速度をあらゆる干渉を無効化して保存する事が出来る」

あやめ「たとえ止まった時間の中でも関係無い。魔法さえ展開していれば問題無く攻撃を続けられるのだ」

あやめ「お前のように小細工に頼らねば戦えない者にとっては……」

あやめ「悪夢のような、魔法だろう?」ビシュッ

ほむら「……っ!」ブンッ

ギンッ、バキィッ

審判「ストライクツー!」

デブ「またバット折れたの!? 怖いわよもう、勘弁してよー! 手も痛いのにさー!」シュッ

ほむら「……」

あやめ「……クク、冷や汗が出ているぞ」

あやめ「次の一球で終わりだ」



さやか「ほむら……!」



男「くっ……」

杏子「……」



「タイム!」

男「タイムだと!? おい、誰だ俺の許可無くタイムを取った奴は!!」

男「杏子ちゃんか!?」

杏子「違げーよ」

男「じゃあ鹿目さんか!?」

まどか「わ、わたしじゃないです」

男「まさか糞沢か!?」

中沢「違います、あと中沢です!」

男「じゃあ一体誰なんだよ!」

早乙女「あ」

男「早乙女だったのか!! 先公が勝手な事をするんじゃない!!」

早乙女「先公とはなんですか! ほら、後ろを見てください!」

男「後ろだと!?」クルッ

幼馴染「来てあげたけど?」

男「遅いんだよ!!! 何考えてるんだ!!!」

早乙女「男君! 女の子は準備に色々時間がかかるものなのです! ちょっと待ち合わせに遅れたくらいで怒鳴りつけてはいけませんよ、男性は寛容さがないといけません!」 

男「黙れババア!!!」

早乙女「んまあ!」

幼馴染「状況を聞こうか」

男「9回裏1点ビハインド、2アウト2ストライク、ランナー二塁でピッチャーが卑怯な奴だ!」

男「本当ならボロ負けしていたが、試合中に卑怯な手を使ってくる相手に対してここまで善戦出来たのは俺の采配のおかげなんだ。だから勝手な事をするな」

幼馴染「一打逆転のすごい重要な場面だね」

幼馴染「まあ私、もっと早く来て一番いい場面になるまで陰から見てたんだけどね」

男「なんでそんな事をする?」

幼馴染「それは……どうしてだと思う? 当ててみ? 当てたらいいことあるかも?」

男「↓2!!」

男「そんなに俺より目立ちたかったのか、この卑怯者め!」

男「お前は本当に卑怯な事ばかりする奴だな……!」

幼馴染「そ、そうかな? えへへ」

男「だが、そんな卑怯なお前よりも更に卑怯な奴が今マウンドに立っている怪力あやめだ!」

幼馴染「えっ、私より卑怯だなんて……」

男「そうだ、奴はそこそこ卑怯な暁美さんの唯一の存在意義を卑怯な手で失くさせた卑怯な女だ! だから……俺はあいつを許せない!」

男「そこでお前にこの局面を打開してもらいたい! お前にはここでヒットを打って次の俺の打席までつないでもらう!」

幼馴染「わかったよ男。ところで友がいないけどどこ行ったの?」

男「あいつは死んだ」

幼馴染「そう」

男「よし、行って来い幼馴染! だが実は俺はお前には全然期待していないぞ! 遅れた罰として最後の最後に打席に立って恥をかいてこい!」

幼馴染「わかったよ男。でも恥をかくのは構わないけど……」

男「なんだ?」

幼馴染「別にサヨナラ勝ちしてしまっても構わないんでしょ?」

男「ははっ、それは無理だな。だってホームランを打たないといけないんだぞぉ?www」

幼馴染「w」

男「おい、代打だ! 暁美さんに代わってこいつ!」

幼馴染「はい、後は任せてね」

ほむら「……?」

男「やれやれ、得意の魔法が使えないと本当に役に立たないな暁美さんは」

ほむら「……そう」

ほむら「ごめんなさい、まどか。貴女の期待に応えられなくて」

まどか「え? そ、そんなのいいよ! ほむらちゃんは頑張ったよ! わたしなんて何もしてないし……!」

ほむら「……貴女はこんな私にいつもそう言ってくれるわ……」

まどか「? ほ、ほむらちゃん?」

男「また暁美さんの鹿目さんに対する意味深な物言いが始まったか……鹿目さんも大変だな」



幼馴染「さて……」

あやめ「お前、こんなところで何を?」

幼馴染「それはこっちの台詞だよ。この子達にはまだ手を出さないでって言ったでしょ」

あやめ「別に戦おうとして戦ったわけではない。芸能活動の一環としてここに来たら奴らがいただけのこと」

幼馴染「どうだか。それなら沙々とあすみちゃんまでいる意味がわからないし」

あやめ「来たいと言ったから連れてきただけだ」

幼馴染「……もういい、後でゆっくり話そう。まずは試合を終わらせようよ」

幼馴染「お互い魔法はナシの一球勝負ね。そっちが使ったらこっちも使うし、そうなれば勝負はつかないから二人共魔力を損することになる」

あやめ「……いいだろう」

あやめ「正々堂々と、勝負をつけてやろう!」ビシュッ

幼馴染「と見せかけてやっぱり私だけ魔法使う方向でいくね」ブンッ

あやめ「何!?」

ガキィィィィィィンッ

幼馴染「重っ……流石はあやめだね」ダダダッ



レフト「うわっ、入る!? 入らない!? どっち!?」タッタッタ

ゴンッ

レフト「ほっ、ギリギリセーフ……」パシッ



さやか「よし、同点だー!」ダンッ



レフト「って速!! もうホームインしてるの!?」

沙々「あーーーっもう、すットロイですねェ! 早くボール渡してください! 早く!」

レフト「え、あ、うん」



沙々「バックホーム!」ビシュッ



幼馴染「……」ダダダダダッ

デブ「三塁蹴ったわね! ランニングホームランにするつもり!? させないわよ!!」

あやめ「どけ!」ドン

デブ「ぎゃっ!」ドテッ

あやめ「……」パシッ

幼馴染「私と真っ向勝負するつもり! いい度胸だよあやめ!」ダダダダダッ

あやめ「来い……!」

幼馴染「だあああああああっ!!!」

あやめ「ジョアアアアアアアアッ!!!」

幼馴染「八艘飛び!!」ピョン

あやめ「貴様の考えなどお見通しだ!」バッ

ほむら「……」カチッ







幼馴染「ホーーームイン!!」ダンッ

あやめ「……!?」

審判「セーフ! ゲームセット!」

幼馴染「いやーごめんねえ。目にも留まらぬ早業で決めちゃったよ」

あやめ「……」

あやめ「……奴か」ギロッ



ほむら「……」

男「おい、なんか睨んでるぞ」

ほむら「知らないわ」



幼馴染「あやめの魔法は戦いではほとんど無敵だけど、スポーツだとガバガバだね」

あやめ「……」

あやめ「まあいい、所詮は、遊びだ」

まどか「すごいです、先輩! 本当にサヨナラ勝ちにしちゃうなんて……!」

幼馴染「ふん、まあね」

中沢「すごいなあ、先輩」

さやか「いやー、でもでも! やっぱりヒーローインタビューは絶体絶命の危機からチームを救ったこのあたしだと思うんだよ!」

まどか「あ……そ、そうだ、さやかちゃん、契約……」

さやか「まあまあいいのいいの。今はおめでたい場面なんだからさ! ほらほら、笑って!」

まどか「……う、うん」



杏子「おい、あいつ何者だ?」

ほむら「私は知らない。ただ、魔力で出来た糸を手にくくり付けられて……」

ほむら「必要な時にはよろしく、とだけ……」

杏子「なんだそりゃ!? お前はあいつの事を知らないのに向こうはほむらの魔法の事まで知ってるって事かよ!」

ほむら「……」

杏子「おい、お前はあいつは何なのか知ってるんだろ!」

男「↓2!」

男「奴はこの世界の"調停者"だ」

ほむら「?」

杏子「ちょう……なんだって?」

男「だから"調停者"だ!」

ほむら「???」

マミ「"調停者"……ですって!?」

男「うおっ、いきなり出てくるな!」

マミ「わかりやすく説明すると、、和解と調停の神と呼ばれているフォルセティがもたらした正義を司る力のこの世に顕現した姿が幼馴染さんだという事なのね?」

男「あ、ああ」

ほむら「……?????」

杏子「余計にわかんねーよ! あいつは魔法少女じゃないのかよ! ほむらの事を知ってるのは神様だからなのか!?」

マミ「佐倉さん、貴女話をちゃんと聞いていたの……? 彼女は神様ではないわ。調停者だったのよ」

杏子「だからその……うがーっ、もういい! あいつに直接話をつけてくる!」

杏子「っておい、さっきの奴はどこ行ったんだよ!」

まどか「よ、用事あるって行って帰ったけど……」

杏子「はぁ!? それではいそうですかって帰らせたワケ? ウソだろ、しんじらんねーボケっとしすぎだろ……」

まどか「はう……ごめんなさい……」

さやか「こらー! しょうがないでしょ、止める間もなく帰っちゃったんだからさ! そんなに言うならあんたが捕まえいればよかったんだろ!」

杏子「ああ!?」

マミ「もう、佐倉さん落ち着いて! 彼女なら私や男君と同じクラスだし、いつでも話くらい聞けるんだから!」

杏子「チッ……あーもう、マミは早く自分のチームに帰れよ! なんでここにいるんだよ!」

マミ「あ、そうそう。最後の整列があるからみんな早く来てねって言いに来たのよ」


審判「アイドル混成チーム対見滝原第二チーム、8-9で見滝原第二チームの勝ちとします!」

ありがとうございました!!
男「あれ、途中参加の三人はどこ行ったんだ?」

マミ「帰ってしまったわ。用事があるだとかで」

男「なんだ、煽ってやろうと思ってたのに……」

マミ「もう、変な事考えないの」



男「よし、何はともあれこれで俺たちの2勝だ」

男「竹見プロダクションの連中はどうなった?」

桃子「もちろん勝ったぞ? 当然じゃな。さすがわたしのチームじゃ」

男「そうだな。素人チームに高校球児の集団じゃ負けるわけはないわ」

杏子「余計なのが出てなかったしな」

男「だな」

桃子「ああ、そうなんじゃ。一試合目のキャッチャーな、クビにしてやったわ。おかげで今回は2点しか取られなかったぞ」

男「いや、キャッチャーの事じゃないんだが……まあいいか」

桃子「次はいよいよおぬしらとわたし達の対決じゃな! 父上に言われたからって遠慮せずともよいぞ? 全力でかかってこい! やおちょうとかはわたしはキライじゃからな!」

男「ああ、わかった」


1.まあ仕事は仕事だしちゃんと負けてやるか
2.野球って面白ェ! 燃えてきたぜ!

男「おらあああああぁぁぁぁぁぁ!! やっちまえ!! 遠慮ナシだあああああああああ!!」

杏子「さっきまの奴らと比べてこいつらよえー!」ブンッ
ガキィィィィィィン

ほむら「……」ブンッ
キィィィィン

さやか「だああーーっ!」ブンッ
キィィィィィンッ



男「おらああああああ!! どうだ、完全試合だああああああ!!」

桃子「な、なんでじゃ……ひどい、ひどいのじゃ! うわーーーーん! 父上に言いつけてやるからなーーー!」



男(そして俺は……職務放棄の罪に問われ、ショウさんにボコボコにされた。今後は仕事は俺には任せてくれないらしい)

男(だが、今日の戦いは決して無駄なんかじゃなかったんだ。野球の面白さに目覚めた俺は新しい生き方を得る事が出来た!)



~三年後~

男「ついに来たか……泣いても笑っても、今日がこのチームの最後の戦いの時だ」

中沢「ううっ、グズッ……! 俺が、俺なんかがこんな大舞台に立てるなんて……感無量です……!」

一宮「おいおい、本当に泣く奴があるか!」

二宮「試合はこれからだぜ? そんなんで本番大丈夫かよ!」

三宮「でもよ、考えてみりゃ奇妙な縁だよな。あの時街中でたまたま出会って喧嘩になった中学生とこうして一緒に甲子園にいく事になるなんて思いもしなかったし」

男「おいおい、三宮まで思い出に浸り始めたぜ! しっかりしてくれよ!」

三宮「ははは、すまんな男!」

一宮「なあ、この流れだから先に言っとくけど……この試合の結果がどうなっても、俺はこのチームこそ最高のチームだと思ってる。俺はお前らと野球が出来て本当によかった」

二宮「おいおい、そんなの俺だって同じ事思ってるぜ!」

三宮「お、俺もだよ」

友「俺も俺も!」

中沢「ばい、おでもでずぅぅぅ!」

上条「僕も中沢に頼まれて助っ人なんて頼まれた時はどうなることかと思いましたが、今ではバイオリンを諦めてすっかり野球一筋ですからね。行方不明になった幼馴染のためにも今日の試合に勝たないと!」

中沢「おでもゆぐえぶめいになっだぢゅうがぐのどぎにどなりのぜぎにいだすぎだっだごのだめにがんばりまずうううううう!!」

男「お前ら青春しすぎだろ! よし、じゃあ俺も行方不明になった同じクラスの巨乳の子と行方不明になったピンク頭の彼女と行方不明になった知り合いのホームレスの子達のために今日の試合、必ず勝つぜ!」

男「よっしゃ行くぞお前ら! 俺たちの戦いはこれからだ!!」

GAME OVER

男「はっ夢か……」

男「やはり職務放棄はよくないな。ここはしっかり負けておこう」

男「おいお前ら、怪しまれない程度に打って、守って、最終的に負けるぞ! いいな!」

まどか「はーい」

さやか「あー、やっぱりワザと負けるんだ……」

ほむら「……まあ、いいけれど」

杏子「はいはい」



審判「竹見プロダクション対見滝原第二の試合は、6-3で竹見プロダクションの勝ちとします!」

ありがとうございました!!



男(その後、アイドル混成チームと見滝原第一チームが引き分け……)

男(俺達と竹見プロダクションが同じ勝ち点になったが、直接対決で勝利していた竹見プロダクションの優勝という事で企画は終了した)



男「いやー、終わったな! 無事に仕事を終える事が出来たのはこのチーム全員の力が合わさったからこそだ! みんなありがとう!」

男「だけど……俺個人として、特に一番感謝したいのは↓2だな」

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