ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part Ⅲ (1000)

■前スレ■
ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part II
ヒイロ「IS学園。…任務を開始する」 Part II - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386692122/)

稚拙な文ですが、暇つぶし程度に読んで頂ければ幸いです。

基本的に雑談歓迎ですが、スレ内での喧嘩のようなやり取りは皆さんに申し訳ないので御控え願いたいです。

出来たら皆さんで楽しく進行していきたいのでご協力宜しくお願いします。

そして、前スレよりお付き合い頂いている方々には感謝の意を表したいと思います。

皆さんの大切な時間を共有でき大変嬉しく思い、出来ることなら最後までお付き合い頂ければ、この上なく幸せです。

どうか宜しくお願い致します。

雑談が嫌だという方は、まとめから読んで頂きたく思います。

■まとめ■
http://ssmatomesokuho.com/character/ss/%E3%83%92%E3%82%A4%E3%83%AD





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388287290

~約10分後~

戦闘後しばらくの間千冬は泣いていた

ヒイロ「…。」

千冬「…。」

ヒイロ「…。」

千冬「…すまない、もう大丈夫だ。落ち着いた」

ヒイロ「…そうか」

千冬「ふふ、流石のお前も女の涙には弱いのだな」

ヒイロ「…以前に女に泣かれて自爆が出来なかったと話を聞かされた事があった。」

千冬「…それで?」

ヒイロ「…どうやら俺にも無理らしい」

千冬「ふふ、ならお前が自爆なんて馬鹿な真似をしそうになったら私がまた泣いてやるか」

ヒイロ「…。」

千冬「そう言えばトロワ・バートンが派遣されるに当たって国際IS委員会より学園監査を名目に男女1名ずつ調査に来る事になった。」

ヒイロ「…。」

千冬「…だが真の目的は、サンクキングダムの動向視察。要は、ヒイロお前の調査だろう」

千冬「まぁ今考えてみても遅すぎる位の対応だ。学園に起こった事件のほとんどをサンクキングダム出身のしかも、男のお前が解決しているんだ、にも関わらず愛機であるW-0の情報はほぼ分からず、操縦者のお前についても同様と来ている。」

千冬「国が国だけに手を出しにくかったのもあるんだろうが、流石に痺れを切らした様だな。トロワ・バートンの派遣に際して学園に巧く介入する大義名分が出来たつもりなんだろう」

ヒイロ「…すまない。また迷惑をかける事になるかもしれない」

千冬「いいさ。お前の為になれるのなら、私はどんなことでもしたいんだ」

ヒイロ「…。」

千冬「ふふ、そんな顔をしないでくれ。今はまだ何もお前に求めるつもりもない。」

ヒイロ「すまない。自分でも理解出来る様に最善を尽くそうと思っている。」

千冬「ふふ、そうしてくれると助かるな。」

ヒイロ「あぁ。」

千冬「…今までのリリーナ様の苦労が見える様だな♪」

ヒイロ「…。」

~ヒイロ・一夏寮室 夜~

ガチャ

スタスタ

ヒイロ「…。」

一夏「お、ヒイロ!おかえり!」

ヒイロ「あぁ。」


一夏「千冬ねぇの用はすんだのか?」

ヒイロ「あぁ。」

一夏「…。」

ヒイロ「…。」

一夏「…。」

ヒイロ「…。」

一夏「…俺には何も教えてくれないんだな?」

ヒイロ「…。」

一夏「…俺、見てたよ。」

ヒイロ「…。」

一夏「…黙るなよ。」

ヒイロ「…。」

一夏「なんか言えよ!!!!」

ヒイロ「…。」

一夏「…もういいヒイロ、明日俺とも戦ってくれ」

ヒイロ「いいだろう。だが覚悟はいいか?」

一夏「なに!?」

ヒイロ「俺はお前には遠慮はしない。最悪、お前は命を落とす危険性がある。」

一夏「望むところだ!俺だって今まで何もしてこなかった訳じゃない!ずっと鍛えて、お前の戦いを見て学んだんだ!!!」

ヒイロ「…。」

一夏「今度こそ必ずお前に、ヒイロ・ユイに勝ってみせる!!」

ヒイロ「…いいだろう、一夏」

一夏「っ!」

ヒイロ「お前を殺す」

~翌日 午前中 体育館 全校集会~

楯無「はいは~い、みんな朝早くから集まって貰ってごめんね!今日は全校生徒のみんなに紹介したい人達がいます。」

ガヤガヤ

体育館内がざわめく

楯無「は~い、注目!みんなご存知学園のヒーローで私のフィアンセことサンクキングダム代表候補生1年1組ヒイロ・ユイ君の専用機の整備、及び調整の為に国際IS委員会と学園上層部より派遣が認められ本国より今日から我が校の研究室に配属されることになったトロワ・バートン君です♪みんなイケメンだからって手だしちゃ駄目だからね!トロワ君はもう簪ちゃんが契約済みだから♪」

簪「ち、ちょっとお姉ちゃん!?///」

トロワ「トロワ・バートンです。ここの生徒という訳ではないですが、学園には常駐しているので不慣れな内は宜しくお願いします。」

女子生徒「キャーッ!イケメンきたぁ!」

女子生徒「あ!前にリリーナ様と一緒に来てた手品の人だぁ!」

女子生徒「ねぇねぇ!簪さんのってどういうこと!?」

簪「え、えとっ」

女子生徒「ていうか会長ヒイロ君は私の旦那様です!」

わいわい ガヤガヤ

ドンッ!

千冬「騒ぐな!静かにしろ!更識、不用意に皆を煽るな!」

楯無「あはは、怒られちゃったよ。まぁ兎に角トロワ君です、みんな宜しくね。」

楯無「そして、あと二人国際IS委員会より学園の治安調査の為に今日から3日間学園に滞在して頂く調査員の方をご紹介します。では挨拶の方をお願いします。」

ラルフ「ご紹介にあずかりました、国際IS委員会より今日から3日間この学園を視察させて頂きます、視察員のラルフ・カートです。皆さん短い間ですが宜しくお願いします。」

ミディ「同じく視察員のミディ・アンです。視察員と言っても皆さんの日常を少し視させて頂くだけですので、皆さんは普段通りの学生生活を送って下さい。それと学園内を見て回っていることが多いと思いますので、ラルフ共々見掛けたら気軽に声をかけて下さいね。」

トロワ(ラルフの奴が国際IS委員会に所属していたとはな。)

トロワ(それにミディ・アン…。まさかこんな形で再会するとは、因果なものだな)

ラルフ「…。」

ミディ「…。」

~研究室隣 トロワ自室~

ヒイロ「…。」

トロワ「…なるほど。状況は理解した。だがヒイロ、らしくない行動だな。」

ヒイロ「…我ながらそう思う。」

トロワ「それがお前の感情に従っての行動なら俺に文句はない」

ヒイロ「…。」

トロワ「…それにしても、まさかこんなに快適な部屋を提供されるとはな。些か驚いた。」

ヒイロ「感謝なら更識簪にでもしてやれ。資金は学園からだが家財道具はあいつが選び調達した。」

トロワ「…なるほど。それで納得した。」

ヒイロ「何がだ?」

トロワ「…家具の選択基準がお前では選択不能なものばかりだからな」

ヒイロ「…。」

ヒイロ「…国際IS委員会にあの男がいたのは、お前が手を回したのか?」

トロワ「ラルフの事か?あいつの事は俺にとっても予想外だった。」

ヒイロ「…そうか、なら奴も障害となるようなら排除対象となるな。奴は俺達の事を知りすぎている。」

トロワ「そうだな。」

ガチャ

スタスタ

ラルフ「…おいおい、勘弁してくれよ。」

チャキ チャキ

ヒイロ「…。」

トロワ「…。」

ラルフ「…おいおい、ホントに待ってくれ。少なくとも俺はお前達の敵のつもりはない」

ヒイロ「…。」

トロワ「…ふ、冗談だ。」

ラルフ「…とりあえず二人とも銃を下ろしてくれないか。」

ヒイロ「…。」

トロワ「委員会はやはりヒイロを調べに学園にお前達を派遣したのか?」

ラルフ「あぁ、そうだ。委員会は彼というよりは『サンクキングダムの専用機と操縦者』に強い関心を持っている。少なくとも俺が知る限りでは、お前達ガンダムパイロットについては何も知らない様だった。」

ラルフ「今回の調査でサンクキングダムの操縦者名を見てまさかと思い俺が志願してきたという訳だ。」

ヒイロ「お前はあの事件以来コロニーの平和維持組織に参加していると聞いていたが?」

ラルフ「その通りだ。だが、白騎士事件以来地球圏ではISへの注目度が爆発的に高まり、それが不穏な方向に世界を導いてしまっている様に感じた俺は地球圏側から平和維持を行う為に国際IS委員会に身を置いていたというわけだ。コロニーの方はクリスがいてくれるしな。」

トロワ「…なるほどな」

ラルフ「だがお前達が学園にいるなら何も心配はいらないな。委員会には俺の方から体よく報告しておく。」

ヒイロ「…助かる。」

ラルフ「意外だな、お前が礼を言うなんて」

ヒイロ「…。」

ラルフ「…後はミディを巧くやり過ごすだけだな。」

ヒイロ「お前の方で巧く誤魔化せないのか?」

ラルフ「…ミディはあぁ見えてかなりのやり手だ。頭も良くあの容姿だ、委員会でも有望視されていた。なかなか簡単にはいかないだろう。それに元々調査員ではない彼女が自分から同伴調査に立候補して参加してきたのにも少し引っかかる。」

トロワ「…。」

トロワ「…彼女に関しては、俺に任せてくれ。」

ヒイロ「…何か考えがあるのか?」

トロワ「あぁ。」

ヒイロ「…了解した。」

ラルフ「俺も微力だが協力しよう。」

トロワ「ヒイロ、お前は自分の事に集中しろ。外野は俺達に任せればいい、元々サポートの為に俺が来たんだ。」

ヒイロ「…了解した。頼りにさせて貰う。」

~同時刻 太平洋サルベージ船~

ドクターJ「ワシ宛のプライベート通信、ヒイロ以外からとはな」

???『少しお話しませんか?』

ドクターJ(変声期に位置探知不能ジャマー、手が込んどるの~、無駄な事じゃが)

ドクターJ「…いいじゃろ。年寄りは暇なんじゃ、いくらでも付き合うよ。無論、命に限りはあるがの。何を話せばいいんじゃ?」

???『お題は、あなたは今のこの世界をどう思っているのかとヒイロ・ユイについて』

ドクターJ「ふむ、そうじゃな」

ドクターJ「我々の心は2つの大きな病気を持っている。1つは世代を越えて復讐心を伝えていく衝動、そして人々を個人として見るのではなく集団としてのレッテルを貼りたがる傾向じゃ」

ドクターJ「確かにサンクキングダムの理想は何世紀にも渡る憎しみの連鎖を一時的に断ち切る事には成功した。だが、理想が作り上げた平和主義を唱える集団は、如何なる意見の不一致をも許さない。その結果どういうことが起こっているかは分かっているとは思うが…。」

ドクターJ「まぁ、これはあくまで古い世界と価値観しか知らず退廃した考えを棄てきれない老人の憂い、戯言でしかない。ワシらは任せたんじゃよ、任せても良いと思えた若人達にな。」

???『…。』

ドクターJ「…奴の話じゃったな?№1じゃったよ。予想以上だった。如何なる障壁があっても彼は諦める事を知らない。彼の名前、そう、あれはワシの考えた名じゃったな、『ヒイロ・ユイ』。ハッタリにしては良い名だったとは思わんかね篠ノ之束?」ニヤリ

束『…。』

ドクターJ「…無駄じゃよ、お前さんがいくら優秀でも彼を止める事は出来ない。彼は自分の心で歩み始めた、その歩みを止めることは誰にも出来はしない。」

ドクターJ「ヒイロ・ユイは誰にも止められない。」ニヤリ

束『…。』

プツン

~???~

束「っ!!!!」

カタカタカタカタカタカタッ

ドイツ軍ミサイル発射システム侵入完了

束「っっ!!!」

デュオ「…やめときな」

束「!!!」

束「…デュオ」

デュオ「…あんなじいさんを殺したところで何が変わるって言うんだ?」

束「…分かってる」

デュオ「…はぁ」

束「…滑稽で惨めでしょ?」

デュオ「…そんなことよりそんなに眉間に皺寄せてたら折角の美人が台無しだぜ?♪」

束「へ?」

デュオ「あんな老いぼれの疫病神なんか相手にしてないで、どうせなら死神とティータイムを楽しもうぜ、お嬢さん?♪」

束「…なんかあなた見てたら色んな事がどうでも良くなってきちゃうな。…ホント、怖い人だなぁ」

デュオ「ま、死神なもんで♪」

束「…ふふ、じゃあ私はアップルティお願いしようかな♪」

デュオ「って俺が淹れんのかよ…。」

束「大至急よろしく~♪」

デュオ「はいはい、分かりましたよ~」

スタスタ

束「…ホント、不思議な人だ」

~太平洋サルベージ船~

ハワード「…くだらない挑発で木っ端微塵は勘弁してくれよ」

ドクターJ「なぁに、前にも一度同じ話を別の少女にしてやったがワシはピンピンしとるよ」

ハワード「ふん、完全平和主義の姫様と天才テロリストじゃ訳が違うじゃろうが」

ドクターJ「同じじゃよ」

ハワード「…相変わらず喰えん年寄りだ」

ドクターJ「それはお互い様じゃよ」

~深夜 トロワ自室~

珈琲を口にしながら1人PCに向かう

トロワ「…。」

カタカタカタ

ウィーン

ミディ「…。」

トロワ「…。」

カタカタカタ

トロワ「…感心しないな」

ミディ「…。」

トロワ「お前は珈琲か紅茶どっちが好みだ?この部屋には今ならドラゴンフルーツクッキーなんて物まであるぞ?」

ミディ「…久しぶり?それとも初めまして?どちらが正解なのかしら?」

トロワ「好きな方を選べばいい。今は自分で何でも選んでいい時代だ。」

ミディ「…そう、もう『涙を流さない仮面』のままという訳ではないようね」

トロワ「…。」

ミディ「…あの時のあなたは『生きている限りずっとだ』って言ってたのに変わったのね」

トロワ「人は変わる事が出来る。闘いを通じて仲間から教わった事だ。」

ミディ「あなたから『仲間』なんて言葉を聞くとはね、ホントに変わったのね」

ミディ「それに比べて私は…。」

トロワ「お前も変わったと思うがな。」

ミディ「え?」

トロワ「少なくともあの頃より綺麗になった。」

ミディ「………。」

ミディ「ふふ、口まで巧くなってるなんて反則ね♪」

トロワ「今は道化師が本業だからな。」

ミディ「なにそれ♪」

トロワ「ふふ」

ミディ「…あなたにもやっと『帰る場所』が出来たのね」

トロワ「あぁ。」

ミディ「あなたは今はサンクキングダムに身を寄せているの?」

トロワ「…あくまで便宜的に借りているだけだ。」

ミディ「…あなたは今まで何をしてきて、これから何をしようとしているの?委員会であなたの写真を見た時私は…」

トロワ「委員会では十分な金は手に入っているのか?」

ミディ「…。3人の弟達と元気な父親、そして今の私が人として十分にやっていける金額はね。」

トロワ「…そうか。」

トロワ「少し長くなる。さっきの回答を先に聞こうか。」

ミディ「え?」

トロワ「…。」

ミディ「…はぁ。」

ミディ「…紅茶をお願い。」

トロワ「…了解した。」

ミディ「…あと」

トロワ「ん?」

ミディ「…ドラゴンフルーツクッキーも。」

トロワ「了解だ」

その後、トロワとミディの会話は朝まで続いた

~夜 ヒイロ・一夏寮室 近辺廊下~

女子生徒A「あ、ヒイロ君こんばんは~」

女子生徒B「ヒイロ君今からは部屋戻るの?」

ヒイロ「あぁ。」

女子生徒A「良かったら今度私達の部屋に遊びにきてよ♪」

女子生徒B「うんうん♪ヒイロ君忙しそうで折角一緒の学校なのにお話する機会もあんまないしさ~♪」

女子生徒A「それにさ、何か困った事や分からない事とかはない?」

ヒイロ「…。」

女子生徒A「あ、えと、そのうちの学校女子ばっかりだし、やっぱり不自由はあると思うし、何かあったら言ってね…。」

女子生徒B「私達ヒイロ君に守られてばっかりだしなれることなら力になりたいから…。」

ヒイロ「…了解した。だが今は必要ない」

女子生徒A「…そっか。」

ヒイロ「…何かあったら頼むかもしれない。」

女子生徒A「えぇ♪いつでもいいから♪いこっ♪」

女子生徒B「うん♪おやすみヒイロ君♪」

ヒイロ「…。」

ヒイロ(笑いあう人々、楽しげな学生達、みんなが待ち望んでいた平和と自由が現実のものとなって今のこの世界には満ちている。そして、その中に俺はいる。あの戦いが終わった時、ガンダムパイロットとしての任務も終わっていた。生き残ることなど、まして、普通の生活を送る事など考えた事もなかった。それも悪くはないと思えるのは、あいつに出会って俺が変わったからだろうか?)

ヒイロ「…。」

ヒイロ(…平和とは儚いものだ、全ての人類が憎悪や欲望といった感情を捨てきれない限り戦いはいつでも起こりうるという危険を孕んでいる。たった1つの大きな力が振るわれるだけで些細な幸福など簡単に壊れるのだ。だからこそ人は強く平和を望まずにはいられない。ガンダムパイロットとして俺の使命は確かに終わっていた、だが俺は今また戦いに身を投じている。俺自身が自分に科した任務だ。)

ヒイロ「…。」

ヒイロ(…今日この後、一夏から戦いを挑まれている。それを俺は受け入れた。千冬の時とはまた違う不思議な感情だ。戦いなど任務を遂行する為の手段でしかなかったはずなのに…。あいつと明日戦えばこの感情も少しは理解出来る様な気さえしている)

ヒイロ「…。」

ヒイロ(…千冬は俺との戦いで答えを見つけたと言った。『愛している』と言われたが俺にはそれに応えるだけの答えがない。俺も一夏との戦いで何かしらの答えを得ようとしているのかもしれない)

ヒイロ「…。」

スタスタ

>>193はミスで

ヒイロ(笑いあう人々、楽しげな学生達、みんなが待ち望んでいた平和と自由が現実のものとなって今のこの世界には満ちている。そして、その中に俺はいる。あの戦いが終わった時、ガンダムパイロットとしての任務も終わっていた。生き残ることなど、まして、普通の生活を送る事など考えた事もなかった。それも悪くはないと思えるのは、あいつに出会って俺が変わったからだろうか?)

ヒイロ「…。」

ヒイロ(…平和とは儚いものだ、全ての人類が憎悪や欲望といった感情を捨てきれない限り戦いはいつでも起こりうるという危険を孕んでいる。たった1つの大きな力が振るわれるだけで些細な幸福など簡単に壊れるのだ。だからこそ人は強く平和を望まずにはいられない。ガンダムパイロットとして俺の使命は確かに終わっていた、だが俺は今また戦いに身を投じている。俺自身が自分に科した任務だ。)

ヒイロ「…。」

ヒイロ(…今日この後、一夏から戦いを挑まれている。それを俺は受け入れた。千冬の時とはまた違う不思議な感情だ。戦いなど任務を遂行する為の手段でしかなかったはずなのに…。あいつと戦えばこの感情も少しは理解出来る様な気さえしている)

ヒイロ「…。」

ヒイロ(…千冬は俺との戦いで答えを見つけたと言った。『愛している』と言われたが俺にはそれに応えるだけの答えがない。俺も一夏との戦いで何かしらの答えを得ようとしているのかもしれない)

ヒイロ「…。」

スタスタ

~夜 第3アリーナ~

アリーナの中心に一夏は佇んでいる

一夏「…。」

一夏(千冬ねぇに夜のアリーナの使用許可を求めたらあっさり許可をくれた。オマケにアリーナ内のバリアの出力と消音機能も最大限にしてくれたらしい。)

一夏「…まったく、相変わらず手の懸かる弟のまんまだな。」

一夏(正直、がむしゃらにやってきたけど強くなってる自信はあった。)

一夏「…あんなもん見せられたら、なんか色んなもんが一辺に吹っ飛んじまったよ。」

一夏「…千冬ねぇ、ヒイロを愛してるってよ。どうするよ、織斑一夏?」

一夏「…………。」

一夏(…駄目だ、やっぱり考えが纏まらない。勢いでヒイロに戦いを挑んだけど、正直勝てるわけがない。)

一夏「…。」

一夏「あ~~~~、駄目だ!分からん!もうこんな時は、筋肉に相談だ!!」


一夏「…ふむふむ。分からん!」

一夏「…でも兎に角、ヒイロに今の俺と筋肉の全てをぶつけてやるぜぇ!!!」

スタスタ

ヒイロ「…。」

一夏「…来たな、ヒイロ!!!」

ヒイロ「…覚悟はいいか、織斑一夏?」

一夏「覚悟も準備も筋肉も全部含めて、産まれた時から出来てるぜ!!!」

一夏「んでもって今あるもん全部お前にぶつけてやる!!!」

ヒイロ「…いいだろう。さっさと始めるぞ。」

一夏「ぶっ潰す!!!!」

ヒイロ「…。」

お互いのISが展開される

そこには天使が降臨していた。

一夏「…本気でやってくれるなんて、嬉しいぜ」

ヒイロ「言ったはずだ、覚悟はいいか?と」

一夏「…あぁ。」

一夏(なんだよ、敵として前に立たれたらこうまで違うのかよ…。前にやった時はこんなじゃなかったのに、…なんなんだよ、この震えは。)

一夏「…自分に腹が立つな。」

ヒイロ「…。」

一夏「…よし!やるぜヒイロ!!!!!!」

ヒイロ「来い!一夏っ!!!」

二人だけの戦争が開始される

寝ます

~第3アリーナ 周辺通路~

ラルフ「…始まったか。」

千冬「…委員会としての監視ですか?」

ラルフ「…織斑千冬教諭」

千冬「申し訳ないですが、この案件を委員会に報告させる訳にはいきません。」キッ

ラルフ「…はぁ」

千冬「え?」

ラルフ「そんな野望な事はしませんよ」

千冬「…どういうことですか?」

ラルフ「呆れた男だ。君にすら何も語らないのか。まぁ、彼らしいか」

千冬「…。」

ラルフ「…はぁ。」

ラルフ「…かつての戦争の最終局面、地球側とコロニー側双方に意味のないMS2機の戦いが地球圏全てに放送されたことがあった。」

千冬「…知っています。私も見ていましたから。」

ラルフ「その戦いを、『悲しい戦い』『平和への問題提起』だと映像が流れる中、当時のレディ・アン代表は言っていた。私はその戦いを見て、この戦いだけは生涯忘れる事はないと思った。」

千冬「同感です、あの戦いには今の時代を迎える為に必要な十分な悲しみがありました。」

ラルフ「…私はただ、そんな戦いを演じた者が自ら望んだ戦いが、どんなものなのか見てみたいだけだ」

千冬「…え?」

ラルフ「…君はもう少し彼らを知った方がいい」

千冬「…え?」

ラルフ「柄ではないが、私の知っている限りの事を私の独断で君に話したいと思う。聞いて、知る覚悟はあるかい?」

千冬「………。」

千冬「…はい。お願いします!」

~第1アリーナ 周辺通路~

鈴「…はぁ、なんか寝付けないなぁ。ウロウロしてたらアリーナまで来ちゃってるし。烏龍茶でも買って部屋戻ろ」

ズドン

鈴「…あれ?今なんか音した様な」

ズダダダダダダダッ

鈴「やっぱり!第3アリーナの方からだ」

スタスタッ

~第3アリーナ 観客席~

鈴「え、ちょっと、なんでヒイロと一夏が戦ってんのよ!!!?」

鈴「ってあの反対側にいるの千冬さんに委員会の人じゃない!一体どうなってんのよ!」

楯無「し~っ!静かに!」

鈴「っ!生徒会長!?」

楯無「…あなたも来たんだ。…偶然でも居合わせたなら見る権利はある。でも、この戦いはあの二人だけのもの。」

鈴「…え」

楯無「だから、外野は静かに見ていましょう」

鈴「…なんなのよもぅ。」

~第3アリーナ~

戦闘が開始され、暫く同じ様な光景が続いている

ギュンッ

一夏「っく!」

ギュンッ

ヒイロ「…。」

ギュンッ

ズガガガガガガガガガッ!

一定の距離を保ちつつ、W-0はマシンキャノンを放ち、一夏はダメージを最小限に抑えつつ追い縋る。

一夏「ちぃっっ!」

一夏(駄目だっ!追い付けない!どうしてだよっ!!!)

一夏「どうして!!!なんでだよ!?ヒイロ!!!?」

ヒイロ「…。」

ズガガガガガガガガガッ!

ギュンッ

一夏(このままじゃ、ヒイロに触れもしないままシールドエネルギーが尽きちまうっ!イグニッションブーストでもタイミングを読まれて加速されちまうし、荷電粒子砲を撃っても当たらないし、シールドを解いたら蜂の巣だしっ!)

一夏「俺に一体どうしろって言うんだよヒイロ!!!」

一夏「…こんなの、こんなのってねぇよ!!!」

ヒイロ「…。」

ズガガガガガガガガガッ!

ギュンッ

一夏「ヒイロっ!正々堂々俺と戦ってくれよ!!!千冬ねぇと戦った時みたいに!!!俺とも戦ってくれよ!!!」

ヒイロ「…。」

ズガガガガガガガガガッ!

ギュンッ ギュンッ ギュンッ

ヒイロ「…言いたい事はそれだけか?」

ギュンッ

ブンッ

一夏(っ!急反転してサーベル!?避けられないっ)

ズドンッ!

一夏「うわぁぁぁぁぁっ!」

ギュンッ ギュンッ

ズガガガガガガガガガッ!

一夏「ぐわぁぁぁっ!」

一夏(やばい、残りシールドエネルギーが3%しか…)

………。

一夏(…マシンキャノンが止んだ?)

一夏「…弾切れか!?」

一夏「なっ!?」

ヒイロ「…ターゲット完全にロック、これよりバスターライフルによる攻撃を開始する」

一夏「…なぁ、ヒイロ?」

ヒイロ「…。」

一夏「…冗談だよな?」

ヒイロ「…。」

一夏「…俺もうシールドエネルギー3%しかないんだぜ?」

ヒイロ「…。」

一夏「今さらバスターライフル使う必要なんて…。あんな破壊力の攻撃今受けたら、俺マジで死んじまうよ?」

ヒイロ「…。」

一夏「…なぁ、ヒイロ?」

ヒイロ「…。」

ヒイロ「…攻撃開始。」

ギュゥーン

一夏「うわぁぁぁぁぁっ!ヒイロ、マジなのかよ!?」

ズガーンッ!

ヒイロ「…任務、完了」

アリーナは土煙に包まれている

~第3アリーナ 観客席~

楯無「…う、嘘?嘘よね?」

鈴「…いやぁぁぁぁぁぁっ!!!一夏!?い、一夏が、一夏ぁぁぁぁっ!!!」

~第3アリーナ 周辺通路~

ラルフ「なっ!?」

千冬「…え?一夏…。ヒイロ?」

千冬「…え?なんだこれは?なんなんだ?なぁ?え?」

~第3アリーナ~

ヒイロ「…。」

一夏「…。」

一夏「…あれ?白式が強制解除されて、俺、生きてる…」

白式シールドエネルギー0

ヒイロ「…当然だ。今のはシングルのバスターライフルを最小限の出力で照射しただけだ。」

一夏「…な、なんだよ、ほ、ホントに死ぬかと思った…。ヒイロ冗談キツいぜ…。」

ヒイロ「…冗談?」

一夏「え?」

ヒイロ「…お前は今確実に死んだ。」

一夏「…ヒイロ何言って」

ヒイロ「俺は言ったはずだ?覚悟はいいかと、命を懸ける覚悟はあるのかと」

一夏「…ぁ、いや」

ヒイロ「…お前は言ったな?戦って欲しいと。これも前にも言ったはずた、ISは玩具じゃない。人を殺せる兵器だ。これが実戦ならお前は確実に死んでいた。」

一夏「…いや、でもこれは」

ヒイロ「…お前は心のどこかで自分は死なないと思っていた。ISを兵器とは認識せず、口では本気だと言ってもただの試合だと軽んじていた」

一夏「そ、そんなことは」

ヒイロ「正々堂々?千冬と同じ様に?…俺は敵戦力を認識し、最も効率的で最大限効果を発揮出来る戦略を実戦しただけだ。」

一夏「…ぁ」

ヒイロ「…軽いな、お前の本気と言うのは」

一夏「…ぁぁ」

ヒイロ「少なくとも千冬の本気は、確実に俺に届いていた」

一夏「…。」

ヒイロ「一夏、殺すよりも守るのは遥かに難しい。お前が求めている強さは世界の理想に近い。お前が本当にその強さを求めるのなら、考えを改めろ」

一夏「…。」

ヒイロ「お前の優しさは人としては必要なものだ。優しくなくては生きている意味はない。…だが戦いにおいては不要だ。」

一夏「…。」

ヒイロ「戦いを舐めるな」

一夏「…っ」

土煙が晴れていく、そこには力なく膝まずく一夏と、哀しげに背を向けアリーナ出口へ歩くヒイロがいた

寝ます

~第3アリーナ 観客席~

鈴「…一夏、生きてる、よ、良かった。ホントに良かったぁ…。」

楯無「…。」

スタスタ

~第3アリーナ 周辺通路~

ラルフ「…ふぅ、本気で殺したのかと思っちまった。流石に焦ったな、何考えてんだあいつは。」

千冬「…ヒイロ、お前は」

~校庭から寮への通路~

スタスタ

ヒイロ「…。」

楯無「ヒイロ君、ちょっと待って」

ヒイロ「…何か用か?」

楯無「…見てたわ、一夏君との一戦」

ヒイロ「…そうか」

楯無「…知ってたくせに。」

ヒイロ「…。」

楯無「…あなたが一夏君に伝えたかった事、私は何となく分かるわ」

ヒイロ「…。」

楯無「でも、いくらなんでもやり方が強引すぎないかしら?強すぎる衝撃は、一夏君自体を壊しかねないわ!少なくとも今彼の心はズタズタよ!一夏君は私やあなたとは違うの!」

ヒイロ「…。」

楯無「…一夏君このままじゃ潰れちゃうよ?いいの?」

ヒイロ「この程度で潰れるならその方がいい。」

楯無「そ、そんな…」

ヒイロ「…その方が死ななくて済む」

楯無「…ぁっ」

ヒイロ「…それにあいつはそんなに弱くはないだろう」

楯無「…。」

ヒイロ「用はそれだけか?」

楯無「…ふふ、そうだね♪」

楯無「ねぇ、ヒイロ君お腹空いてない?私何か作ってあげる♪」

ヒイロ「必要ない」

楯無「もぅ、相変わらず連れないなぁ~、でも私は減ってるから付き合ってね♪部屋は私の部屋でいいから♪」

ヒイロ「刀奈」

楯無「え!?なに!?」

ヒイロ「…この時間帯に食事を摂るのは女の場合不味いんじゃないのか?」

楯無「い、いきなり何よ、ま、まさか私、太って見える!?」

ヒイロ「…いや、そうじゃない。意味はよくわからないが前にリリーナにそう教えられた」

楯無「…流石はリリーナ様、ヒイロ君相手にそんな高度な教育を…」

ヒイロ「それにお前の体型は理想的と言ってもいいだろう。」

楯無「え!?///本気で言ってる!?嘘じゃないよね!?///私ヒイロ君の好みのスタイルになってるって考えていいの!?///」

ヒイロ「…好みとかは分からん。だが、女の肉体で言えば無駄のない理想的なスタイルだとは思う。胸が大きいという事は、マイナスではなく女にとっては高い素養なのだとリリーナも言っていた。それを踏まえれば高い身体操作が可能な肉体と言ってもいいだろう。千冬ともお前ならいい勝負になりそうだ。」

楯無「………何となく分かってたわ」

ヒイロ「…何がだ?」

楯無「リリーナ様の苦労が何だか見えるようね。あと今のセリフ今度織斑先生にも言ってあげてね♪」

ヒイロ「?了解した。」

楯無「私だけが天国から地獄を味わうのは我慢出来ないからね~♪」

ヒイロ「…なんの話だ?」

楯無「何でもな~い♪さ、早く私の部屋で食事にしましょ♪」グイッ

ヒイロ「あぁ」

~第3アリーナ~

一夏「…。」

スタスタッ

鈴「一夏!!」

一夏「…。」

鈴「…一夏、その、だ、大丈夫?怪我はない!?特に目立った怪我はなさそうだけど…」

一夏「…っ」

一夏「…怪我もないのか俺。ホントに無事で何よりなんだな、俺は」

鈴「ち、ちょっとあんた何言って…」

一夏「…何が守りたいだよ、何が強くなっただよ、何が千冬ねぇみたいにだよっ!!!」

鈴「ち、ちょっと一夏」

一夏「…っ」

一夏「ただのガキの思い上がりもいい所じゃねぇかよ!!!」

鈴「あんまり自分を責めないで!相手はヒイロだったんだし仕方な…」

一夏「…っ!仕方なくねぇよ!!!」

鈴「…一夏」

一夏「仕方ないなんて言わないでくれよ…」

鈴「………なら」

一夏「…ぇ?」

鈴「ならこんなとこでメソメソしてないで頑張りなさいよ!!!あんた男でしょ!?」

一夏「…ぁ」

鈴「今のあんたなんかがヒイロに勝てる訳ないじゃない!!!あんただって知ってるでしょ!?ヒイロは強い!しかも心まで!!!はっきり言って最強よ!あんたが努力した所で一生勝てないかもしれないくらい強いのよ!!!しかも優しくて、厳しくて、常にみんなを守ってくれるあんたの理想なんでしょ!?当たり前じゃない!」

鈴「…でもね、だからって落ち込んで諦めたらそこで終わりなんだよ?」

一夏「…鈴」

鈴「あんたの良いところは常に前向きな所じゃない。そこだけならあんたは世界中の誰にも負けない。ヒイロにだって!少なくとも私はそう思ってる。信じてる。」

鈴「…だからあんたは、そんな顔しちゃダメでしょ♪」

一夏「…鈴、俺は」

鈴「…流石に今日はヒイロに顔合わせ難いでしょうし私の部屋、今1人だから使っていいわよ」

一夏「いや、でも流石に」

鈴「ただし!」

一夏「ぇ?」

鈴「明日ヒイロに顔合わせたら必ず笑顔でいること!」

一夏「…ぁ」

鈴「しかも最高の笑顔ね♪」

一夏「…鈴、俺」

鈴「…まぁ今日はいっぱい泣きなさいな。みんなには黙っててあげるからさ」

一夏「ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

一夏は暫くその場で泣き続けた

~第3アリーナ 出入口~

千冬「…。」

ラルフ「…姉の出番をとられたみたいだな」

千冬「…いえ、そんなことはありません。家族だからこそ伝えられないこともありますから、ヒイロはそれを伝えてくれて凰は支えてくれた。贅沢な愚弟です。」

ラルフ「やれやれ、厳しい教育方針ですね」

千冬「…愛していますから」

ラルフ「少しヒイロと一夏君には妬けますね。こんないい女にここまで想われて」

千冬「ふふ、本人達に言ってやって下さい。」

ラルフ「はは、そうだな」

~サンクキングダム~

カトル「…やはりそうですか」

ラシード『はい、やはりカトル様のご推察の通りでした。まさかあのオースターインダストリーがファントム・タスクと繋がっているとは』

カトル「オースターインダストリー自体はヒイロやリリーナさんの活躍もあってMSの製造は不可能になりました。ですが最近になり不穏な動きあるとドロシーが僕に知らせてくれたんです。」

ラシード『あのドロシー嬢が?変われば変わるものですな。』

カトル「あ、酷いこと言わないで下さいラシード。ドロシーは元々とても平和を愛している優しい女性ですよ。」

ラシード『ははは、カトル様にかかれば誰だって善人ですからね。』

ラシード『…ですがどうなさるおつもりですか?敵の戦力は今は未知数ですが、間違いなく強大でしょう』

カトル「ふふ、心配しないで下さいラシード。こちらにも手はあります。実はさっき新しい馬車も届いたばかりなんですよ。」

ラシード『新しい馬車?ま、まさかカトル様!』

カトル「…ただ僕が危惧しているのは、オースターインダストリーの背後にいる何者かの存在です。」

ラシード『背後?どういうことですか?』

カトル「考えても見て下さい。一度壊滅仕掛けた組織をあのファントム・タスクが簡単に受け入れるとは考え難い。」

ラシード『確かにそうですな。』

カトル「何者かが裏で糸を引き、何かを企んでいる可能性があると考えるのが自然です」

ラシード『ですが、一体誰が?まさかこれも例の篠ノ之束ですか?』

カトル「…それは僕も考えましたが、正直分かりません。ただ何か情報はないかとデュオに秘匿メールを送り、その疑問も含めて聞いて見たんですが、『それはない』と否定されてしまいました。」

ラシード『デュオ・マックスウェルが!?そうだとしたら一体誰が?』

カトル「…どうやら今回も一筋縄ではいきそうもないですね」

ラシード『このことはヒイロ・ユイには?』

カトル「いえ、まだ連絡はしていません。不確かな情報で不要な苦労を彼にかけたくはないですから、もう少し調べてからにしようと思っています。」

ラシード『確かに彼ならいきなり学園を離れ自分から調査に乗り出しかねませんからな』

カトル「はい。今あの学園にはヒイロは必要な存在です。出来るだけ彼には学園にいて欲しいですからね。」

ラシード『そうですな、もしそんなことにでもなったら学園の女子生徒達からカトル様が恨まれかねませんしな』

カトル「ふふ、そうですね。そんな怖い思いはしたくないですね」

短いですが明日早いので寝ます

~とある街 ショッピングモール~

束「く~ちゃん、買い物だよ~♪」

クロエ「はい」

束「いっぱいお洋服買ってあげるね♪」

クロエ「はい、ありがとうございます。」

デュオ「いやいや」

束「どうしたのパパ♪」

クロエ「パパは買い物はお嫌いですか?」

デュオ「いや、もう何から突っ込んだらいいのか分からねぇよ。」

デュオ「…お前ら一応世界中の機関から狙われてるの理解してんのかよ?」

束「うん♪」

スタスタッ

デュオ「おい、ちょっと待てって!」

デュオ「ったく…」

クロエ「…前までは、二人で隠れてコソコソ食料なども購入していました。」

デュオ「え?」

クロエ「…初めてです。あんなに楽しげな束さまは。」

デュオ「…。」

クロエ「…パパのお陰です。」

デュオ「…。」

クロエ「…それに私もとても楽しいです。」

デュオ「…はぁ。」

クロエ「パパ?」

デュオ「…んなこと言われたらなぁ~」

クロエ「…。」

デュオ「よし!じゃあ今日はこのデュオ様が二人のお姫様に最高に楽しい時間をプレゼントしてやるよ♪」

束「お~い!はやくこっちこっちぃ♪」

デュオ「行こうぜ、クロエ。お前達は俺が何があっても守ってやるからさ♪」

クロエ「はい!」

~ショッピングモール 歩道~

スタスタ

束「よ~し!買い物もばっちりだね!流石は天才束さん♪」

クロエ「はい。とても楽しかったです。」

デュオ「…いや、買いすぎだろ。」ドッサリ

束「荷物係はパパの担当って相場が決まってるでしょ♪」

クロエ「助かります。」

デュオ「…まぁ構わないけどよ」

束「うん♪」

デュオ「…なぁ、1つ聞いていいか?」

束「なに?♪」

デュオ「…結局、織斑まどかにISを作ってやったんだな」

束「そうだね。」

束「ダメだった?」

クロエ「…。」

デュオ「…いや、好きにすりゃいい。」

束「…。」

デュオ「後悔さえしなきゃいいさ」

束「…。」

デュオ「言っただろ?ケツ持ちは俺がしてやるって。だからお前は安心して自分の想いをぶつければいい」

束「…。」

束「ふふ♪元からそのつもりだも~ん♪」ダキッ

クロエ「…私も」ダキッ

デュオ「お、おいっ」

束「離さな~い♪」

クロエ「私もです。」

デュオ「歩きにくいってのっ」

束「…ヒルデ・シュバイカー」

デュオ「っ!なんでその名前を!?」

クロエ「?」

束「くーちゃん、この名前絶対に忘れちゃダメだからね♪」

クロエ「誰ですか?」

束「私達の最大の敵!パパを私達から奪っちゃうかもしれない敵!」

クロエ「絶対にさせません。」

デュオ「おいおい…」

束「…本気だからね?」

デュオ「え?」

クロエ「…浮気は許しません。」

デュオ「いや、ちょっとま…」

チュッ

デュオ「え?」

束「…口付け。本気だから」

デュオ「…。」

クロエ「…パパ、お願いします。」

デュオ「…はぁ。まぁもう暫くは好きにしてくれ。」

束「ずっとだけどね♪」

今日はやたらと板エラー多いのでこの辺にします。

~???~

マドカ「…これが私の新しいIS。これさえあれば私は!」

マドカ「もうすぐだ…。織斑千冬、ヒイロ・ユイ。」

???「無理じゃな」

マドカ「っ!誰だっ!?」チャカッ

???「ひっひっひ、まぁそういきり立つでない小娘。」

スコール「銃を下ろしなさい、M」

マドカ「…。」

スコール「…はぁ、まったく獣みたいにいちいち噛みつかないの。この人は、最近ウチと提携したオースターインダストリーの技術顧問よ。あなたのISを見たいんですって」

マドカ「必要ない。このIS『黒騎士』があれば私は誰にも負けない。」

???「…認識が酷く甘いな。マインドコントロールにも問題がありそうじゃな」

マドカ「何だと!?」

???「無理じゃと言った。」

スコール「お言葉ですがMの実力は本物です。それにこの機体は篠ノ之束博士が自ら開発したもので性能は問題ないかと思いますが」

???「篠ノ之束などワシにしてみたら小便臭い小娘に過ぎんよ。問題はあの死に損ないの疫病神どもの方じゃ。しかも操縦者もあの戦争の英雄、機体も操縦者も格が違うわい。どう考えても勝てんよ」

マドカ「ふざけるな!私は必ず倒してみせる!」

???「五月蝿い小娘じゃのぉ~。程度が知れる」

???「忌々しい話じゃが、あのガキどもは完璧じゃ。戦闘能力、判断力、精神力、経験、どれをとっても最強じゃ。今のこの世界では奴らを倒せる人間はおらんじゃろうて」

スコール「…ではどうしろと仰るのですか?」

???「だからワシが勝てる様にしてやると言っとるんじゃ。そのISをワシが最強のISにしてな、なぁに操縦者が劣っていても、ワシの技術でその位の溝は埋めてやるわ」

マドカ「何だと貴様っ!?」

スコール「M!!」

マドカ「っく!!」

スコール「…あまりMを挑発しないで下さい。」

???「ひっひっひ、すまんな。どうも歳をとると嫌味っぽくなっていかんわ」

???「ワシの夢は最強のMSを生み出す事じゃった。だが今となってはそれはもう叶わん。忌まわしい事じゃがな、だからそれをワシはISで成し遂げる。ついでにワシの夢を壊した原因の根源たるあのガキどもと疫病神の生き残りに復讐も兼ねられて一石二鳥じゃ。勿論、直接的原因にもいずれは後悔させてやるつもりじゃ」

マドカ「っ……。」

スコール「…。」

~一夏戦翌日 早朝 ヒイロ・一夏寮室~

部屋には一夏の姿はない

ヒイロ「…。」

コンコンッ

千冬「…ヒイロ、入るぞ」

ヒイロ「…。」

千冬「…。」

千冬「…ありがとう。」

ヒイロ「…何がだ?」

千冬「一夏のことだ。」

ヒイロ「礼を言われる様な事はした覚えがない」

千冬「…ホントに変わらないんだな」

千冬「…ラルフ調査官にお前達の事は聞いた。」

千冬「…元から私程度が勝てる相手ではなかったと言うわけだ。とんだお笑い草だ」

ヒイロ「…。」

千冬「…すまない。気を悪くはしないでくれ。私も色々と納得出来て意外にもスッキリしているんだ。無論、私のお前への想いも変わってはいない。むしろ自分の男を見る目に自信がついたくらいだ」

ヒイロ「…。」

千冬「…1つ答えて欲しい。嘘偽りなくあなたの心で」

ヒイロ「…。」

千冬「…私達の事をどこまで知っている?」

ヒイロ「…。」

ヒイロ「…織斑一夏、そして織斑マドカが織斑千冬のクローン体だという話か?」

千冬「…っ。あぁ」

ヒイロ「…産まれながらにして特異な程に優れた才能を持っていた娘を見て、お前の両親は兼ねてから行われていたクローン人間の研究の被験者に自らの娘を選んだ。」

千冬「…。」

ヒイロ「まず行われたのは、そのままコピーしただけのクローン体を産み出すこと。そして、次に性染色体を改変し調整を行い、性別を逆転させたクローン体を産み出すこと。この2体においてコピーしただけの方にはテロメアに影響が出てしまい、成長が普通よりも遅くなる欠陥が出る結果となった。それを踏まえ性別逆転体に対しては調整が行われている。ただ、実際の能力はコピー体の方が遥かに高く、性別逆転体は破棄されることとなった。」

ヒイロ「前者が織斑マドカで後者が織斑一夏。つまり家族構成的には織斑マドカは一夏にとっては双子の姉ということになる。一夏が小学校の頃以前の記憶がないと言っているのは、記憶喪失ではなく元から存在しないからだろう。さらに言えば一夏がISを起動出来たのはDNAがお前とほぼ同じだったことにも原因があるのだろう」

ヒイロ「1体目に関してを言えば、恐らくお前が織斑マドカの存在を知ったのは、お前が両親を問い詰め、織斑一夏をお前が保護した随分後なんじゃないかと推測している。お前は破棄される寸前の一夏を救出し、もう1人も捜したが見つからなかったのだろう。」

ヒイロ「…お前はそんな世界に絶望し、世界を憎んだ。そんな時にもう一人の世界に絶望した少女と出会うことになる」

ヒイロ「…そして引き起こされた『白騎士事件』世界は否応なくISという新たな大きな力に注目していく。二人の少女の想いを置き去りにしたままに。」

ヒイロ「…1人はさらに世界を憎み世界に混乱と答えを求めた。もう1人は内側からの小さな抵抗を始めた。」

千冬「…。」

ヒイロ「俺は後者に祝福を与えてやりたいとすら感じている。以上だ…」

千冬「まるでずっと見られていたみたいだな…」

ヒイロ「…。」

千冬「…ヒイロ、私はもう駄目だ。妹1人捜し出してはやれなかった、しかも今になって私を恨み敵として対峙してくる」

千冬「私はどうしたらいい!?一夏に説明なんて出来やしない!親にまるでゴミの様に破棄されかけたなんて言えるもんか!私が守らなければいけないのに妹のマドカと戦うことなんて出来るわけがない。両親も捜したがまったく行方が分からない。」

千冬「…もう私は、どうしたら…」

ヒイロ「千冬、前にも言ったはずだ。お前は俺が守ってやる。お前は本当によく戦った。たった1人で。」


ヒイロ「あとは俺が代わってやる。お前が守りたいものも含めて、俺が守ってやる。だからお前は少し休んでいいんだ」

千冬「…ヒイロ」

ヒイロ「世界が狂っていると言うのなら、俺は自分を信じて戦う。」

今日はこの辺で終わります。多分ここからはオリ展開凄いんで覚悟だけはしておいてください

~ヒイロ戦後 翌朝 鈴 自室~

鈴「さぁ、朝よ!起きなさい、一夏!」

一夏「…鈴」

鈴「約束!」

一夏「…分かってる。もう大丈夫。」

鈴「そう、良かったわね。」

一夏「…鈴、ありがとう。ホントに」

鈴「だ~か~ら~!」

一夏「わ、分かってるって」

一夏「…でも、鈴にはホントに感謝してるんだ。だからちゃんとお礼が言いたい。」

鈴「…変なとこ律義なんだから」

一夏「…鈴。」

鈴「…。」

一夏「筋肉ありがとうございマッスル!!!」土下座

鈴「…さっさと教室に行きなさい。」

~1組 教室 朝~

女子生徒A「おはよー」

女子生徒B「あ、おはよー!昨日の筋肉の祭典見たぁ?」

女子生徒A「見た見たぁ♪すんごいコンモリしててもう最高だったよね~」

わいわい

ヒイロ「…。」

セシリア「ヒイロさんお早うございます。」

ヒイロ「あぁ」

シャル「ヒイロ、おはよう」

ヒイロ「…。」

ラウラ「ヒイロ?」

ヒイロ「あぁ、すまない。考え事をしていた。」

シャル「…何か悩みがあるなら言ってねヒイロ」

セシリア「そうですわ!私、ヒイロさんの為ならなんだってしますわ!」

ラウラ「何かあったのか?」

ヒイロ「…大したことじゃない。」

シャル「…ヒイロ」

スタスタスタスタッ

一夏「Goodmorning!!!!!みんなおはよッス!!!」

女子生徒A「織斑君、朝からテンション高いね…」

一夏「オウよ!任せてくれ!」

女子生徒B「なんか無駄に頼もしいね…」

箒「うるさいぞ、一夏。」

一夏「なんだよ、もっと熱くなれよ箒も!」

わいわい

セシリア「…相変わらずですわね」

シャル「ははは、そうだね」

ラウラ「あいつは恥を知らないのか」

ヒイロ「…ふっ」

シャル(ヒイロが笑った?)

バタバタッ

一夏「ヒイロ!ちぃ~っす!」

ヒイロ「あぁ」

~1組前 廊下~

鈴「ふふ、まったく馬鹿なんだから」

スタスタ

千冬「凰」

鈴「あ、すみません。すぐに教室に…」

千冬「一夏が世話になった。その、あ、ありがとう」

鈴「…ふふ、やっぱり姉と弟だけあってそっくりですね」

千冬「な、何がだ?」

鈴「その不器用な所がですよ。」

千冬「な…。まぁいい。」

鈴「ふふ」

千冬「…これからも一夏を宜しく頼む」

鈴「なんかヒイロにも前に言われましたよそれ。」

千冬「なっ///」

鈴「似た者同士でお似合いだと思いますよ♪」

千冬「ち、ちがっ///凰!!」

鈴「ははは♪教室に戻りま~す♪」

スタスタッ

千冬「似た者同士…。お、お似合い///」

寝ます

~授業後 昼休み~

一夏「うわぁぁぁぁぁっ!メシだぁぁぁぁぁっ!ヒイロ、メシ食おうぜ!!」

ヒイロ「あぁ。」

セシリア「ヒイロさん、私もご一緒に。今日は特別にうまくサンドイッチが出来ましたの♪」

ヒイロ・一夏「!!?」

一夏「…ヒイロ、特別だってよ。良かったな」

ヒイロ「…一夏、覚悟はいいか?」

一夏「いや、悪いけどみすみす死ぬ覚悟なんかねぇよ」

セシリア「なんのお話ですの?」

一夏「…いや、なんでもないよ」

セシリア「はぁ、安心してくださいな。今回はあまりにも調子が良すぎて本当に沢山作ってしまいましたの。あなたにも特別に食べさせて差し上げますわ。」

一夏「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ヒイロ「ふっ」

ラウラ「こんなに泣いている男は初めてみた…」

セシリア「さ、参りましょうヒイロさん。」グイッ

ヒイロ「…。」

千冬「ヒイロ、少し話せるか?」

シャル「…織斑先生?」

ヒイロ「あぁ、問題ない。」

スタスタ

セシリア「あ、ヒイロさん。お昼は?」

ヒイロ「千冬に呼ばれている。すまないが、またの機会に頼む」

セシリア「そんなぁ~。はぁ、まぁ先生の用なら仕方ないですわ、光栄に思いなさい。今回はあなたに全て差し上げますわ」

一夏「…まじなの?タスケテリンスブタタベタイ」

~廊下~

千冬「…。」

スタスタ

ヒイロ「…。」

千冬「昼時にすまないな」

ヒイロ「いや、構わない。むしろ助かった。」

千冬「??ま、まぁいい」

ヒイロ「で、用件は何だ?」

千冬「そ、その来週には修学旅行だな」

ヒイロ「あぁ」

千冬「…。」

千冬「あ、明後日の日曜日は何か予定はあるかっ?///」

ヒイロ「トロワとISの整備と調整をしようかと考えている。」

千冬「…。」

トロワ「…悪いが日曜は予定がある。それならば土曜にやってしまおう」

千冬「!!と、トロワ・バートン!いつからいたんだ!?」

トロワ「…すまない、気配を消すのが癖になっている様だ。」

ヒイロ「そうか、なら土曜にするか。千冬、日曜は何も予定はない」

千冬「そ、そうか!な、なら、わ、私の家に来て、て、手料理を食べさせてくれないか?///久しぶりにお前の料理が食べたいんだ///」

トロワ「いいじゃないか、行ってやればいい。お前にもたまには息抜きが必要だ。」

ヒイロ「…。」

千冬「っ///」

ヒイロ「…了解した。前に一度約束もしてあったしな。」

千冬「ほ、本当か!?」

ヒイロ「あぁ、それにお前にはさっき借りも出来た所だからな。」

千冬「よしっ!!…トロワ・バートン、感謝する」

トロワ「礼には及ばない、ただリリーナには内密に頼む」

ヒイロ「??」

千冬「…重々承知している」

一夏は藤木を目指しとけ

>>448
一夏「痛くなければ覚えませぬ」


一夏「もし縮めんと欲すれば、まずは伸ばすべし。もし弱めんと欲すれば、まずは強めるべし。もし奪わんと欲すれば、まずは与えるべし。而して、もし開かんと欲すれば。まずは 蓋をすべし!」

~休日 織斑家~

千冬「…♪」

ピンポーン♪

千冬「来たか!」

千冬「今開ける、ちょっと待っていてくれヒイロ♪」

スタスタッ

ガチャ

一夏「ただいま!千冬ねぇ♪」

千冬「…。」

一夏「いやぁ、鍵寮の部屋に忘れちゃってさぁ!自分の家でインターホン鳴らしたの初めてだ…」

バタンッ

ガチャン

一夏「ちょ…、ちょっと!千冬ねぇ!なんで閉めるんだよ、開けてくれよ!」

~玄関~

千冬「…。」

ガチャ

一夏「酷いよ、千冬ねぇ。なんで閉めたんだよ…」

千冬「…一夏、どうしてここにいる?」

一夏「いや、どうしてって休みだし久しぶりに帰省してきたんだよ。冷蔵庫の中身とかも気になってたしさ。というか千冬ねぇどっかいくのか?なんかやたら服装気合入ってるし」

千冬(どうして今日に限って帰ってくるんだこいつは!?私はてっきりヒイロかと…)

ヒイロ「…。」

一夏「あれ?ヒイロ?なんでここに?」

千冬「!!ひ、ヒイロ!?」

ヒイロ「千冬と約束があってな。入ってもいいか?」

一夏「え?あ、あぁ、いいぜ。でも約束って何だ?」

ヒイロ「千冬に料理を作る様に頼まれた。食材は既に購入してきている。」

一夏「…え?」

千冬(うわぁぁぁぁぁっ!///)

一夏「…あぁ、なるほどな。千冬ねぇヒイロの料理好きだったもんな。なんだよ千冬ねぇ、それなら言ってくれよ~、俺もヒイロの料理スゲー好きなの知ってるくせに~♪」

ヒイロ「…兎に角上がらせて貰うぞ。早く食材を冷蔵庫に保管したい。」

一夏「おっと!俺としたことが♪料理は食材の鮮度が命だからな♪遠慮なく上がってくれ」

ヒイロ「あぁ」

千冬「…。」

ヒイロ「…千冬、今日はいつもと雰囲気が違うな。」

千冬「!?///」

一夏「そりゃあ服装が違うからだろヒイロ♪」

ヒイロ「…そうか」

スタスタ

千冬(一夏ぁぁぁぁっ!!)

一夏(あれ?なんか千冬ねぇ俺のこと睨んでね?なんで?ま、いっか♪久しぶりにヒイロの料理でテンション上がってんだろうなきっと)

一夏「あ、そうだヒイロ!どうせならみんなも呼ぶか?きっとみんな喜んで飛んでくるぜ?♪」

ヒイロ「…好きにしろ」

一夏「任務了解♪」

ガシッ

一夏「ん?何だ?千冬ねぇ、腕が超痛いんだけど…」ミシミシッ

千冬「…。」

一夏「…いや、ちょっとホントに痛いよ千冬ねぇ!!これ折れちゃぅぅぅぅぅっ!!」

ヒイロ「…。」

千冬「…。」涙目

ヒイロ「…一夏、やはり今日はこの人数のままでいく。食材に余裕がない。」

千冬「ヒイロ…///」ぱっ

一夏「痛ってぇ…、あぁ、食材なら俺が今から追加で買いに…」

千冬「…。」ギロッ

ヒイロ「…作るのが面倒だ。悪いがまた次にしてくれ」

一夏「…あぁ、そうだよな。悪いな、俺ヒイロのこと考えてなかったわ」

千冬「♪」ニコニコ

一夏(今日の千冬ねぇ、なんかマジで怖いんだけど…)

ヒイロ「…はぁ」

一夏「…あ」

ヒイロ「…今度はなんだ?」

一夏「…悪いヒイロ、多分後で鈴が来る。俺も今日は鈴に酢豚食べさせて貰う約束してたんだ…」

ヒイロ「…凰鈴音か、構わない。千冬いいか?」

千冬「…ま、まぁ凰なら仕方ない」

ヒイロ「…了解した。1名分くらいなら追加食材なしでも対応出来るだろう」

一夏「…良かった。なんか、良かった。」

ヒイロ「人数の確定を確認。調理を開始する」

千冬「♪」

寝ます

~20分後 織斑家~

ピンポン~

鈴「一夏、酢豚作りに来たわよ♪」

ガチャ

一夏「おう、待ってたぜ!まぁ上がれよ」

鈴「うん♪おじゃましま~す…って!ヒイロに千冬さん!?」

一夏「あぁ、今日はヒイロも千冬ねぇとの約束でメシ作りに来てくれてるんだよ。ラッキーだった。というかマッスルだった♪」

鈴「…いやいや、あんた完全にお邪魔じゃないの。…私もか。」

千冬「…まぁ、折角だ、ゆっくりしていけ凰」

鈴「…なんか、ホントにすみません。タイミング悪くて」

鈴(千冬さん服装まで滅茶苦茶気合入ってるし…)

千冬「…いや、もういい。諦めた。」

鈴「…じゃあ、ちょっと台所借りますね」

千冬「…あぁ、好きに使ってくれ。」

鈴「…はい」

鈴(なんか異常に緊張するわ…。)

ヒイロ「…。」

ヒイロは黙々と料理を始めていた

鈴「…うわ、凄い良い匂い。あんたは何作ってるの?」

ヒイロ「凰鈴音か。今は卵料理の『黄身返し』を調理している。今日は、この他に『ルクジュー』と『カニウブルー』、『マハタの炊き込み飯』を作るつもりだ。」

鈴「…ごめん、まったく分からないわ」

ヒイロ「…お前はお前の調理に集中すればいい。お前の分の調理スペースは空けてある。」

鈴「…ありがとう、相変わらず卒がないわねヒイロ」

二人の調理は順調に進んだ

鈴「…ねぇヒイロ、1つ提案があるんだけど?」

ヒイロ「なんだ?」

鈴「千冬さんにだけ1品多くデザートなんか作れないかな?勿論ヒイロが1人で」

ヒイロ「出来なくはないが必要性を感じない」

鈴「ここは1つ私を助けると思ってお願いします!」

ヒイロ「…いいだろう。お前には借りもある」

鈴「借り?借りなんて私の方がアンタにあっても逆は有り得ないでしょ!?何のことよ!?」

ヒイロ「…さぁな」

そして料理は完成した

料理がテーブル一杯に並べられる

一夏「うおぉぉっ!!スゲー、なんか見たことない料理ばっかりだな!旨そうだな!」

鈴「ちゃんと手洗ってから食べなさいよ一夏。」

一夏「分かってるって!」

千冬(ヒイロの料理だ///)

鈴「千冬さん、ヒイロが千冬さんだけにもう1品デザートも用意してるんですよ♪」

千冬「なっ///本当かヒイロ!?」

ヒイロ「あぁ、今ちょうど出来た所だ」

スッ

千冬「…これは?」

ヒイロ「三不粘だ。」

一夏「…なんだそりゃ?」

鈴「三不粘ですって!?幻の宮廷料理じゃないの!?なんでアンタが作れるの!?」

ヒイロ「…パーガンに教え込まれただけだ。大したことはない、手間で言えば『黄身返し』の方がかかる」

鈴「パーガンって何者よ一体…」

食事は滞りなく進んだ

寝ます

~食事中~

一夏「うっめぇぇ!!鈴の酢豚はやっぱり最高だな!」

鈴「そ、そう?ならまた作ってあげるわよっ///」

一夏「おう!マジで頼むわ!」

鈴「うん♪」

一夏「…ただ、相変わらずヒイロの料理は桁違いに美味いな。正直、食べながら常に衝撃だったよ」
鈴「…確かに。正直完全敗北だよ。女子としてはちょっと屈辱な筈なんだけど相手がヒイロなだけに負けたことに納得しちゃって、なんか複雑な感じ…」

千冬「いや、凰の酢豚は本当に美味しかったよ」

鈴「あ、ありがとうございますっ!」

千冬「ただ」

鈴「え?」

千冬「相手が悪かっただけだ♪」

鈴「…。」

一夏「…なんで千冬ねぇがドヤ顔なんだよ」

ヒイロ「…。」

適当な会話が続いた

鈴「そういえばもうすぐ修学旅行で京都だね」

一夏「そういえばそうか、ササミとコーラの準備しとかねぇと」

鈴「…あんたいい加減にしなさいよね」

千冬「お前達あまり面倒なことはするなよ。いちいち諫めるのが面倒だ。特に一夏」

一夏「なんでだよ!!」

鈴「ちゃんと目を光らせておきますよ」

千冬「はぁ、頼む。凰には色々迷惑をかけるな」

鈴「いえいえ、私もヒイロに助けられてばっかりですからお互い様ですよ♪」

一夏「なんでヒイロに助けられてばっかりなのが千冬ねぇとお互い様なんだよ」

千冬・鈴「うるさい」ニコニコ

一夏「…なんなんだよ、一体。ってヒイロは?」

スタスタ

ヒイロ「洗い物は今出ている器以外は片付けた。一夏、後は頼めるか?」

一夏「あぁ。てか相変わらず無駄がねぇな」

鈴「あのぶれない所が魅力なんですよね?♪」

千冬「あぁ。心底安心する」

千冬「…って何を!?///」

鈴「千冬さんカワイイ♪」

千冬「凰!!///」

一夏「…。」

一夏「そうだ、ヒイロは京都の自由時間は何か予定考えてるのか?」

ヒイロ「特に予定はない。その場の状況に応じて行動するつもりだ。」

一夏「そうか、なら俺と一緒に適当にぶらぶらしようぜ!」

ヒイロ「考えておく」

一夏「おう!」

ヒイロ「千冬、旅行先での警備体制はどうなっている?」

千冬「え?あ、あぁ、基本的には私と山田先生の二人がメインで同行して警備することになっているが…。他にも教職員が何名か同行することになっている」

ヒイロ「…。」

鈴「ヒイロ?」

一夏「…警備体制が甘過ぎるってか?」

ヒイロ「千冬。」

千冬「な、なんだ?」

ヒイロ「俺とトロワも警護に加わる。」

千冬「い、いやしかし学生や客員を警護になど…」

一夏「…千冬ねぇ、そんなの今さらだろ?」

千冬「…っく」

一夏「…それに」

鈴「…一夏?」

一夏「ヒイロは誰にも止められない」

千冬「…いや、駄目だ。」

ヒイロ「…何故だ?」

千冬「わ、私は、ヒイロにも皆と同じ様に学生として参加して欲しい…」

鈴「…千冬さん。」

鈴「…ヒイロ、その、さ。やっぱり警護にヒイロは必要かな?いざとなったら私や一夏も専用機でみんな守れるしさっ」

ヒイロ「そもそもお前達も警護対象だ。」

鈴「…あ、でも」

一夏「…ヒイロ、千冬ねぇの気持ちを汲んでやることは出来ないのか?」

ヒイロ「…。」

ヒイロ「一夏、私情は冷静な判断を鈍らせる」

一夏「ふふ」

ヒイロ「なんだ?」

一夏「良かったな千冬ねぇ。」

千冬「何がだ?」

一夏「ヒイロにとって千冬ねぇは私情だってさ」

ヒイロ「!!」

千冬「なっ!?///」

コンコン

トロワ「…悪いが失礼する」

千冬「トロワ・バートン!?」


一夏「まったく気配を感じなかったんだけど」

鈴「…てか何で窓から?」


ヒイロ「…。」

トロワ「…織斑教諭、野暮な真似をしてすまない。だが、少々急ぎの用が出来た。今からヒイロを借りる。この穴埋めはさせて貰うつもりだ、許して欲しい。」

千冬「あ、あぁ」

ヒイロ「トロワ、何があった?」

トロワ「…。」

ヒイロ「…。」

千冬「ぁ…」

千冬「…すまない、私達は席を外そう」

ヒイロ「…。」

トロワ「…。」

ヒイロ「…構わない。トロワ内容を話してくれ。」

トロワ「…冷静な判断とは思えないな。」

ヒイロ「…。」

トロワ「…まぁ、いいだろう」

千冬「ヒイロ…。」

一夏「…。」

鈴「何なのよ、一体…」

トロワ「…10分前に高度1万メートル付近で複数の爆発を確認した。」

ヒイロ「…妙な言い方だな?」

トロワ「言葉の通りだ。今も爆発は続いているが何も情報は手に入らない、まるで超強力なジャミングが辺りを支配している様に。」

ヒイロ「…ハイパージャマーシステム」

トロワ「…陽気な死神は、篠ノ之束捜索の任務以来、独自の判断で動いている」

千冬「束が絡んでいるのか!?」

トロワ「…そう考えるのが妥当だろう」

ヒイロ「…。」

トロワ「どうするヒイロ?」

ヒイロ「…あいつがそこにいるのなら何か意味があるはずだ。俺はそれを確認しに行く。」

トロワ「…なるほど、了解した。敵の数は確認出来てはいないがデュオとお前なら問題ないだろう」

ヒイロ「…考えが足りないぞトロワ。」

トロワ「…。」

ヒイロ「…あいつが今味方である確証はない」

トロワ「…。」

~織斑家 庭~

ヒイロIS展開

鈴「何度見ても綺麗…」

一夏「…今の俺にはそうは感じられないな」

千冬「…ヒイロ」

ヒイロ「…何だ?」

千冬「…気をつけて」

ヒイロ「あぁ。」

ビュンッ

天使が夜の闇に翼を広げ羽ばたいた

トロワ「…天使VS死神か。考えたくないシナリオだな。」

寝ます

一夏「…。」

千冬「…さぁ、今日はもうこの辺でお開きにしよう。凰、今日は泊まっていくといい。寮には私から連絡しておく。」

一夏「…。」

千冬「…一夏?」

一夏「…悪い、千冬ねぇ。俺、行ってくるわ」

千冬「一夏、お前何を言って…」
トロワ「やめておけ、お前が行っても足手まといにしかならない。」

鈴「ちょっと、いくらなんでも言いすぎよ!!!」

一夏「鈴!!」

鈴「一夏!?」

一夏「…いいんだ。事実だしな。」

鈴「…。」

一夏「…トロワ、それでも俺はいく。止めたければ止めてくれていい。お前なら俺を止めることなんか簡単だろ。抵抗はするけどそれならそれで俺は納得するから」

トロワ「…。」

トロワ「…目的を聞こうか?」

一夏「見てみたいんだ。」

トロワ「何をだ?」

一夏「…ヒイロの戦いを。いや、違うな。ヒイロ・ユイの本当の戦いをだ」

トロワ「…。」

スタスタ

千冬「トロワ・バートン!どこへ行く!?」

トロワ「…学園の自室に戻る。俺にもまだやることがあってな。」

トロワ「…織斑一夏、お前にはこれから先、耐え難い未来が待っているだろう」

千冬「!?」

トロワ「…お前は強くならなくてはならない。何を信じ、何を守りたいのかを確実に認識しておくことが必要だ。」

一夏「トロワ?」

トロワ「…行くといい。あいつはそういう強さをこの世界の誰よりも持っている。」

一夏「…あぁ。」

トロワ「……悪いが俺はもう帰らせて貰う。こちらも時間があまりないのでな。やることがありすぎる。」

鈴「やること多いって一体なにしてんのよアンタ?」

トロワ「そうだな。まずは手始めに修学旅行の準備だな。この分ではヒイロの準備もしておく必要がありそうだ、修学旅行中の効率的なプランも練らねばならない。限られた時間しかないが『深泥池』と『樂美術館』、『引接寺』には是非とも行ってみたいからな。」

鈴「…あんたって」

一夏IS展開

鈴「一夏!?」

一夏「…じゃあ行ってくる。」

千冬「待て一夏!!」

鈴「…もう!!わかったわよ!私も行くわ!」

千冬「凰、お前まで何を言っている!」

鈴「…大丈夫ですよ。無理はさせませんから力ずくでもね、私を信用して下さい。」

千冬「…凰」

鈴IS展開

一夏「…鈴無理すんなよ?」

鈴「…あんたに言われたくないわ」

一夏「鈴、ありがとな」

鈴「…なによ///」

一夏「行こうぜ!」

鈴「えぇ!」

ビュンッ

ビュンッ

2機のISが夜闇に飛びさった

トロワ「…。」

千冬「…トロワ・バートン」

トロワ「…隠せば隠すほど深くなるものもある。お前の弟はそんなに弱くはない。少しは信じてやれ。」

千冬「…。」

寝ます

~上空1万メートル 束ラボ空域~

デュオ「ちっ、一体何なんだよこいつら!?いきなり襲ってきやがって!どこのどいつだってんだ!?」

ピピッ

クロエ『パパ、残りの反応は52機です。頑張って下さい。』

デュオ「簡単に言ってくれるぜ…。もう100機近くは破壊してるのにまだそんなにいるのかよ!?無人機とはいえ体力的に厳しいっての!」

クロエ『でも相手機はパパを認識出来てはいないですし一方的に破壊出来るじゃないですか』

デュオ「それが逆に厄介なんだよ!俺を完全に無視してお前らの方に一目散にいっちまう!こんなに数が多いんじゃ1機も通さず守るのが相当難しい!」

クロエ『…。』

束『…強い愛を感じる///』

クロエ『…はい、私にも感じました』

デュオ「もう通信切るぞ!残りの52機も上がって来やがった!」

束『…。』

デュオ「心配すんな束。最悪ハイパージャマーを切って、足止めしながらでも守ってやるから」

束『…違うよ』

デュオ「何がだよ!?」

束『…死なないで。…もう私はあなたなしの世界なんて』

デュオ「お~っと、そこまでだ!それ以上は口にすんなよ。」

束『デュオ…』

デュオ「お前は黙って俺の帰りを珈琲入れて待ってりゃいい!いいな?」

束『ぇ…、は、はぃ!///』

デュオ「通信終わり!戦闘に戻る。」

束『頑張って///』

ピッ

デュオ「さぁて、いっちょ行きますか!!!」

デュオ(にしてもマジで一体どこのどいつの攻撃だ?移動中のラボは常にデスサイズのハイパージャマーでレーダー感知やシステム検知はされないはずだし、可能性としては肉眼で偵察するしかないはずなんだけどな。それにこの物量作戦、ある程度の組織力がなけりゃ不可能な手段だ。それに無人機のこの行動アルゴリズムは束のゴーレムと違う。まるでMDみたいだ)

デュオ「まったくどうなってやがるんだ!」

ブンッ

ズガーン

死神が次々と敵無人機を撃墜していく

~???~

???「くくく、今頃はあの小僧も首を傾げとることじゃろうな」

スタスタ

スコール「博士、篠ノ之束の所在が分かったというのは本当ですか?」

???「ん?あぁ、本当じゃよ。今ちょうどからかってやってる所じゃ」

スコール「からかう?一体何を!?」

???「ただのお人形遊びじゃよ」

スコール「…。」

スコール「…しかし一体どうやって?あれほど各国が探しても見つからないというのに」

???「それは皆が無能でワシが真の天才じゃからじゃよ」

スコール「…」

???「なぁに、簡単な話じゃよ」

???「あの小娘が見つからない理由は2つあった。1つは一ヶ所に留まらず、常に移動しているということ。そしてもう1つはジャミングを発生させ感知を逃れていることじゃな」

スコール「はい。さらに最近ではあの『陽気な死神』まで行動を供にしている様で発見はほぼ不可能と考えていました。」

???「そこがお前達凡人の限界というわけじゃよ」

スコール「…っ、では博士はどの様にして」

???「要するに変化を探ればいいわけじゃよ。」

スコール「…変化?」

???「まだ分からんか?篠ノ之束を取り巻く環境で最近変化があった事はお前自身さっき言っとったじゃろうが」

スコール「…陽気な死神?」

???「その通り」

スコール「ですが、そのせいでさらに発見が難しく…」

???「なぜ?」

スコール「え、それは彼が『告死天使』と同格の戦力を持ち、さらに強力なジャミングを発生させているからです!」

???「そこじゃよ。」

スコール「…え?」

???「ハイパージャマーシステム、ワシも認めよう。あれはジャミングシステムとしては究極のシステムじゃ。それをさらにあの疫病神どもが改良したんじゃ、使用されれば現代の兵器のレーダーやそれに類する感知機はほぼ無効化されるじゃろ。」

スコール「…なら」

???「ただな、強すぎる力というものは否応なしに周囲に影響を与え目立ってしまうんじゃよ」

スコール「どういうことですか?」

???「あのシステム自体は完璧じゃ、ただあのシステムはあくまでも単体の隠密行動を目的に造られておる。死神の小僧は、その機能を上手く応用し篠ノ之束を完全に感知不可対象にしたんじゃ」

スコール「…」

???「言ったじゃろ、強すぎる力は周囲にも影響を与えると。死神と小娘が行動を供にする以前と今とで地球圏内の衛星軌道上やその付近での観測データを照合し少しでも何かの変化のある所で、尚且奴らの地上での目撃情報や出没履歴から移動速度を推定し範囲を絞り込み、そこにソナーミサイルを撃ち込んでやり、それが無効化、もしくは消息不明になった付近を少しずつ慎重に探ってやれば奴らの居場所なんぞ簡単に分かるんじゃよ」

スコール「!?」

???「強すぎた死神の盲点とでも言っておこうかの」

スコール(…この男なら本当に英雄達すら退けられるかもしれないわね)

スコール「…流石です。博士」

???「この程度の事にいちいち驚かれてはワシががっかりなんじゃがな。まぁ今回は、回収されたコアのコピーの運用試験を兼ねた挨拶がわりじゃ、結果は期待するなよ」

スコール「…はい。」

???「しかし、この程度の事に誰も気付けんとは聖夜前日戦然り各国軍部の弱体化は嘆かわしいことじゃな。…覇権を狙うなら今なのかもしれんな。」

スコール「…」

数年前→政府「テロだと!?よし、プリベンター出動せよ!!」
現在→政府「テロだと!?よし、IS学園の生徒を出動させろ!」

いったいこの数年で何があったの…

確かにあれだが、ぶっちゃけガンダムによくいる程度のレベルだろ。少なからず学生に頼るなんて政治家なんて一人もいなかったよ。
きっとIS世界のキチガイ政治家にW世界の政治界は乗っ取られちまったんだ。

確かにあれだが、ぶっちゃけガンダムによくいる程度のレベルだろ。少なからず学生に頼るなんて政治家なんて一人もいなかったよ。
きっとIS世界のキチガイ政治家にW世界の政治界は乗っ取られちまったんだ。

~束ラボ付近 戦闘空域~

次々と無人機が撃墜されていく

デュオ「あらよっ、もういっちょ!」

ブンッ

ズガーン

デュオ「残り31機!!1機も通さねぇ!!」

デュオ「!?」

ギュゥゥンッ

ズガガガガガガガガガガガッ

ピピッ

クロエ『パパ、大丈夫ですか?』

デュオ「…あぁ、大丈夫だ。今の一撃で無人機は壊滅したみたいだしな…。」

クロエ『レーダー外からの超長距離射撃?今の攻撃のエネルギー量は測定不能です。一体誰が?』

デュオ「…んなの決まってる。」

束『…デュオ』

デュオ「ヒイロだ。」

束『…。』

デュオ「やっぱり無人機との戦闘で周囲に居場所はバレちまってたか…。」

デュオ「…でも、よりにもよって今一番会いたくない奴が来ちまったよ」

束『…。』

クロエ『ヒイロ・ユイ…。最強の敵…』

デュオ「心配すんな。自慢じゃねぇが俺は前にヒイロとトロワを同時に相手にして勝ってる!」

束・クロエ『え!?』

デュオ(まぁ、嘘にはならないよな)

デュオ「まぁだから、安心してろ」

束『うん!///』

デュオ「…久しぶりだな、ヒイロ!」

そこには寡黙な天使が降臨していた

ヒイロ「…。」

寝ます

ヒイロ「…。」

デュオ「おいおい、いきなり現れてダンマリかよ~。一応援護射撃の礼は言っとくぜ」

ヒイロ「…あのおかしな艦に篠ノ之束がいるのか?」

デュオ「…。」

ヒイロ「答えろ、デュオ」

デュオ「だったらどうするんだ?」

ヒイロ「…艦を鹵獲した後、篠ノ之束から直接情報を収集する」

デュオ「…。」

ヒイロ「デュオ、そこをどけ」

デュオ「…ヒイロ、悪いんだけど黙って帰ってくれないか?」

ヒイロ「…。」

デュオ「俺も仲間にあまり手荒な真似はしたくない。」

ヒイロ「もう一度言う、デュオそこをどけ」

デュオ「…お前の為に言ってるんだぜヒイロ、お前に怪我はさせたくない。…それにお前に何かあったら色々な奴から恨まれそうだしな」

ヒイロ「安心しろ。お前には出来ない。」

デュオ「…へぇ、言ってくれるじゃねぇの。そういや前からお前との決着着いてないんだっけな。ここらで白黒つけとくのも悪くはないか…。」

ヒイロ「…ターゲット確認、デスサイズヘルISタイプを障害と認定。」

デュオ「いっくぜぇぇぇっ!!!」

ヒイロ「…排除開始」

天使と死神の戦闘が開始された

~上空9000m付近~

一夏「くっそ、ヒイロのやつ一体どんなスピードで飛んでるんだよ!全然追い付かない!」

鈴「仕方ないわよ!W-0のスピードは正確にはまだ学園すら把握出来てないらしいし、実際前の『福音事件』の時も世代差あるはずの箒の紅椿より速く飛んでたみたいだし、後追いの私達が追い付けるわけないわよ!」

一夏「あぁもう!!なんかさっきからレーダーや計器なんかも機能しないし、これちゃんとヒイロのとこいけんのかよ!」

鈴「カリカリしないの!大丈夫よ、なんかさっき私の秘匿回線にトロワから爆発のあった付近のデータ送られてきたから。レーダー機能してる間は確認しながら飛んでたし方角はあってるはずよ。多分高度がもう少し上よ。」

鈴(ていうかトロワなんで私の専用機の秘匿回線知ってるのよ…)

一夏「サンキューな、鈴。よし、張り切って上昇していこうぜ!」

鈴「ちょっと一夏待ってよ!」

ギュンッ

ギュンッ

2機が上空へさらに上昇していく

~上空1万m付近~

ギュンッ

ギュンッ

鈴「っ!!一夏あれ!」

一夏「ヒイロだ!戦ってる!?敵は…」

鈴「黒い翼…?それにビームの鎌?」

一夏「…死神みたいだ」

鈴「ていうかあの死神みたいなISなんなのよ!?操縦者、あれって男じゃないの!?」

一夏「鈴、ストップだ!これ以上近づくのはまずい。」

鈴「え!?でもまだ結構距離が」

一夏「…駄目だ。これ以上は近付けない」

鈴「…一夏?」

一夏「…すげぇ、あの黒い方ヒイロと互角に戦ってる」

一夏「…すげぇ。俺もいつかは」

鈴「…一夏。」

~戦闘空域~

デュオ「ちぃっ!」

ヒイロ「っ!!」

デュオ(ISのハイパーセンサーはハイパージャマーで無力化してるはずなのになんて反応速度だよ!ゼロシステムもまだ起動していないみたいだし、相変わらず無茶苦茶なやつだぜ)

ヒイロ(やはり疾いな…、敵に回すと厄介なやつだ)

ヒイロ「…手こずるかもしれないが排除してみせる」

デュオ「おらおら、死神様のお通りだぁっ!!」

ブンッ

ズガーンッ

ヒイロ「っ!!機体損傷率20%、やるな…」

~上空1万m付近~

一夏「あの鎌、シールドを貫通してる!?」

鈴「あんたの剣と同じ特性ってこと!?」

一夏「あぁ、でもただ自分のシールドエネルギーは消費していないみたいだな…」

鈴「…そんなチートな」

一夏「というかあの黒い方、ヒイロを押し始めてる!」

鈴「あのヒイロを!?一体何者よ!?」

一夏「…あぁ、一体どんなトレーニングでどんな筋肉をしているんだ?…是非とも拝見したい」Gokuri

鈴「…。」

寝ます

~戦闘空域~

デュオ「どうだいヒイロ!俺もなかなかやるもんだろ?」

ヒイロ「…お前の技術は最初から認めている」

デュオ「お♪なんだよ、ずいぶん汐らしくなったじゃねぇか!なら早く負けを認めて帰って欲しいんだけどな、束が珈琲入れて待ってくれてんだ。冷めないうちに頂きたいんでね」

ヒイロ「…どうして篠ノ之束を庇おうとする?あいつが今の世界の混乱の元凶なのは分かってるはずだ」

デュオ「…表面上はな。確かに世界で起きている事件の元凶はあいつだ。束を捕まえれば事件の収束にはなるだろうな。…でもなぁ、あいつをどうにかした所で本当の意味で世界は変わらない。あいつも犠牲者なんだぜ?」

ヒイロ「…。」

デュオ「ヒイロ、俺がさっきまで戦っていた正体不明の無人機はどこのどいつが寄越したもんなんだ?」

ヒイロ「…。」

デュオ「戦ってて分かったんだが、あの無人機は束の作ったゴーレムとは根本から違う。システムこそはISのそれだが戦闘アルゴリズムがMDにそっくりだ。」

ヒイロ「…。」

デュオ「ヒイロ、何かがおかしい。束の存在の裏に誰かが隠れて何かをしようとしてる。俺はその根本を叩くまでは少なくとも束を守る側につく。その過程であいつがやることは道を踏み外さない限り俺は止める気はない。それが俺の答えだ。」

ヒイロ「…もし、篠ノ之束が間違えてお前がそれを止められなかった場合はどうする気だ?」

デュオ「……その時は俺があいつを殺す」

ヒイロ「…了解した。」

デュオ「分かってくれたかヒイロ!」

ppppppppp……

デュオ「!?おい、ヒイロ。何してんだよお前!!!」

ヒイロ「ターゲットに攻撃を再開する。」

デュオ「お、お前ゼロシステム起動しただろ!?ち、ちょっと待てって!マジかよ!」

ヒイロ「…ゼロ、俺を導いてくれ。」

デュオ「ちっくしょぉがぁぁ!」

ギュンッ

ブンッ

シュンッ

デュオ「くそ、疾すぎ…」

シュンッ シュンッ

ヒイロ「…破壊する」

ブンッ

ズガーンッ

デュオ「うわぁぁぁぁぁっ!」

デュオ「くそ、ダメージ甚大!まともにサーベル貰っちまった!…ヒイロ!どういうつもりだてめぇ!!!」

ヒイロ「…。」

デュオ「…やっぱり俺達はここで決着つけなきゃなんねぇみたいだな」

ヒイロ「…。」

スッ

ヒイロ武装解除

デュオ「ヒイロ?」

ヒイロ「…篠ノ之束はお前に任せる。俺は背後のやつを叩く。」

デュオ「え?…いいのか?」

ヒイロ「…ゼロが教えてくれた未来に篠ノ之束は存在していた。」

ヒイロ「俺にははっきり見える、俺の敵が。」

デュオ「………ん?」

デュオ「おい!じゃあなんで今俺に攻撃してきたんだよ!?あれいらないだろ!!!」

ヒイロ「…一回は一回だ。」

デュオ「ま、マジかよ…。完全に食らい損じゃねぇか…」

ヒイロ「相変わらず無駄口の多いやつだ。状況は理解出来た、もうここに用はない。俺は学園に戻ってトロワと対策を講じる」

デュオ「ってお前、いくらなんでも勝手すぎ…」

ヒイロ「それに修学旅行の準備もまだ出来ていない。トロワの事だ、俺の準備も進めているだろう。早急に合流する必要がある」

デュオ「…。」

ヒイロ「お前も早く艦に戻って任務を遂行しろ。任務の遅延は死を意味する」

ギュンッ

ヒイロのISは急降下し、学園の方角に消えていく

デュオ「…ヒイロ、お前変わったよ」

~上空1万メートル付近~


鈴「…終わったみたいね」

一夏「…あぁ」

鈴「…なんか、次元が違うっていうか、…なんか」

一夏「あれがヒイロの本気。…ヒイロの世界の戦い。」

鈴「でもまぁヒイロが凄いのは分かってたことだしさっ!」

一夏「…凄い?」

鈴「え?」

一夏「ちゃんと見てたかよ鈴!!あのヒイロの動き!それにあの鎌の奴も!」

鈴「み、見てたわよ!」

一夏「あの鎌の奴がヒイロを押し始めたと思ったら、最後ヒイロが信じられない様な反撃みせてさっ!」

鈴「ち、ちょっと一夏落ち着いてよ!ちゃんと私も見てたから!」

一夏「最後の方のヒイロの動きなんか見てたけど見えなかったよな!!!」

鈴「う、うんっ」

一夏「…すげぇよ!やっぱりヒイロは最強だ!!!!」

鈴「…でも相手のあの黒いのと知り合いっぽかったわね。なんか話してたみたいだし」

一夏「そうだっけ?」

鈴「…あんたねぇ。まぁでも集音装置もエラー起こしてたし、何にも聞こえなかったけどね」


一夏「まぁでも関係ねぇよ」

鈴「はい?」

一夏「ヒイロが前から言ってるだろ?」

鈴「だから何がよ!?」

一夏「…みんなを守るってさ」

鈴「ぁ…」

一夏「だから、あいつの判断は必ずみんなを守ってくれる。」

一夏「ヒイロの意思の力は何よりも強いんだ。だから千冬ねぇもヒイロを…」

鈴「…一夏」

一夏「…それに」

鈴「え?」

一夏「今度何かあった時は俺もみんなを守り抜いてみせる!今度こそ本気で意思を貫いてみせる!」

鈴「一夏…うん!!♪」

~束移動ラボ~

デュオ帰艦

束「おかえりぃ~♪」

デュオ「酷いめにあったぜ、まったく…。」

束「ISの修復は私がちゃっちゃと終わらせとくね♪」

デュオ「悪いな、頼むわ」

束「内助の功って奴だよ♪」

クロエ「素晴らしき夫婦愛ですね」

デュオ「今日はもうツッコむ気にもなれねぇよ…。あぁぁぁぁぁぁもうヒイロのせいで精根尽き果てたぜまったく!」

束(これってもしかして!?)

クロエ「束さまチャンスです」(小声耳打ち)

デュオ「…」

束「お、お疲れ様。先にお、お風呂にします?それともご飯にします?そ、それともわ、わたしっ?///」

クロエ「良ければトッピングに私も付けられます。」

デュオ「…」

束「…あれれ?」

デュオ「zzz...」

クロエ「…寝てしまってます。よっぽどお疲れだったみたいですね。」

束「もう!!せっかくのLoveチャンスだと思ったのにさ~」

クロエ「寝顔…」

束「あ!そうだ今日は3人で川の字になって寝ようよ、くーちゃん♪」

クロエ「いいですね、ベッドの準備をしてきます」

束「お願いね♪」

クロエ「はい♪」

スタスタ

デュオ「zzz... 」

束「…ホントに守ってくれたね。口だけじゃないんだもんなぁ。…あなたのせいで私、今『幸せ』感じちゃってるよ。」

束「ホントに変な人だよ、私なんかの為に命懸けで仲間とまで戦ってくれてさ。…もう好きになるなって方が無理だょ。」

束「あなたとならこの世界も…」
スタスタ

クロエ「ベッドの準備出来ました。」

束「ありがと♪先にシャワー浴びてくるね♪」

スタスタ

クロエ「デュオ・マックスウェル様、本当にありがとうございます。…パパがいれば束様も、もしかしたら」

デュオ「…。」

~週明け 修学旅行当日 電車内(教員座席付近)~

千冬(あの日は結局ヒイロは戻っては来なかった。帰ってきたのは一夏と凰だけでしかも、なぜか一夏はそれ以来男前な発言とキリッとした顔をやたらしている。…一体何があってアイツにあんな変化をもたらしたのかが凄く気になるが…。ヒイロに聞いたら『知らん』と言われてしまって、それ以上は聞けなかった。…正直ちょっと傷付いた。『知らん』の一言は流石に酷くはないか?…あぁ、でも亭主関白な感じの夫婦生活も悪くはないかな、なんて…///)

山田「織斑先生!!」

千冬「はっ!?なんだ?どうした?」

山田「…どうした?じゃないですよ。何度も呼んだんですよ?はい、これです。京都についてからの行動予定の最終確認のプリントです、どうぞ」

千冬「あぁ、そうか、すまない。」

山田「…何か悩み事ですか?難しい顔してましたけど」

千冬「い、いや少しな、まぁ色々あってな」

山田「…当ててあげましょうか?ヒイロ君絡みですよね?♪」

千冬「な、なぜヒイロが出てくる!?」

山田「…ビックリするくらい分かりやすいですよ。…途中ニヤけてましたし。」

千冬「///」

山田「…まぁ、じっくり今夜にでも聞かせて貰いましょうか♪」

~電車内(生徒座席付近)~

ガサゴソッ

スチャッ

一夏「…ふふ♪」

シャル「それ、一夏のカメラ?」

一夏「おう!修学旅行の記念写真撮るのに家から持ってきたんだ。」キリッ

箒「記念写真?」

一夏「あぁ、俺とヒイロはみんなと別行動で旅行風景とかを撮ってまわるんだってさ。生徒ではないけど同行してきてるトロワも手伝ってくれるらしい」キリッ

箒「別行動!?」

ラウラ「班行動はしないというのか!?」

セシリア「ヒイロさんもですの!?そんなのあなた1人でおやりになれば宜しいじゃないですか!!」

一夏「な、何だよ、どうして怒ってるんだよ」キリッ

シャル「…一夏、いちいちキメ顔の意味が分からないよ。何か変な物でも食べたの?」

一夏「変な物なんて食ってねぇよ。朝はちゃんとタンパク質とアミノ酸が豊富な中国の蛾を食べたしな」キリッ

シャル「蛾!!!?」

セシリア「…冗談ですわよね?」

一夏「…セシリア、俺は女に嘘は言わない漢だぜ?」キリッ

ラウラ「…流石に」(ドン引き)

一夏「な、何だよ!虫は、次世代を担う食文化になりえる食材だぞ!しかも中国のは大きくてボリュームがだな…」

バシッ

一夏「いてっ」

鈴「何、私の母国の評判下げようとしてんのよアンタは…」

一夏「誤解だって!今俺は中国の虫食材の素晴らしさをだな…」

バシッ

鈴「それが下げてんのよ!!!」

一夏「何でだ…、意味わかんねぇ」

~反対側座席付近~

トロワ「ヒイロ、効率的に考えてやはり先に『深泥池』からの方がスムーズだと思うが」

ヒイロ「効率的というなら、『樂美術館』からの方が交通手段が確保しやすいだろう」

トロワ「…なるほど、難しい問題だな」

簪(…折角トロワさんの隣の席確保したのに話がマニアック過ぎてはいれないよ。二人とも無茶苦茶真剣だし、っていうか京都の名所って普通は『金閣寺』とかじゃないの?なんなの『深泥池』って…)

~京都 宿~

山田「皆さんいいですか?この後は各班ごとに自由行動になりますからね」

千冬「夕方の清水寺の拝観は集団行動だ。その時間までには現地に集合すること、分かったな?では解散!」

生徒一同「はい!!」

トロワ「…正気とは思えんな。」

千冬「何がだ?」

トロワ「これまで学園の各イベントは全て襲撃されている。今回もあると考えておくのが当然だろう。にも関わらず、自由行動によって対象を分散させてしまうのは愚かな行為だと思うがな。」

山田「…それはっ」

千冬「山田先生、いいんだ。君の言う通りだと思う。ただ皆はまだ学生なんだ。その青春イベントの最たる修学旅行くらいは、縛らずに楽しませてやりたいんだ。無論、警護の為に教員は相当数連れて来て各所に配置もしてある。十分とは言えないかもしれないが…」

トロワ「…甘い考えだな。それで本当に守るべきものを守れるのか?もし、守るべき対象を人質に取られるような事になればこちらは手出しが出来なくなる。…あれは本当に辛い状況だ。」

千冬「…。」

ヒイロ「トロワ、そこまでにしておけ」

千冬「…ヒイロ」

ヒイロ「千冬の甘さは人間に必要な優しさだ。そこから生じる隙は、俺達が埋めればいい。」

トロワ「…そうだな。念のためゼクスにも応援をこちらに寄越す様に連絡はしておいた。少しは警護の足しになるだろう。」

ヒイロ「…すまない。」

トロワ「気にするな。元より俺達も遊撃班として巡回しながら観光も楽しまなければならないしな」

ヒイロ「そうだったな。」

トロワ「それとリリーナに土産くらいは買っておいてやれ」

ヒイロ「…了解。」

千冬「…ヒイロ、色々とすまない。」

ヒイロ「気にするな。お前も生徒も俺が守り抜く。」

千冬「はぃ///」

スタスタッ

一夏「お~い、ヒイロ、トロワ、何やってんだよ!筋トレか?」

千冬「…一夏」

山田「あ、そういえばヒイロ君宛てにお荷物が届いてますよ?」

一夏「ヒイロに荷物?ダンベルとかか?」

ヒイロ「…。」

トロワ「…スーツケースの様だな。差出人は『ひみつ』となっているな。ヒイロ、明らかな不審物だ、心当たりがないなら爆破処理するか?」

一夏「爆破!?」

スーツケース「!!!?」ビクッ!

ヒイロ「確かにそれが最も有効な方法だな」

山田「ち、ちょっと爆破なんてダメですよ!」

千冬「ヒイロ!?」

トロワ「安心していいスーツケースを完全に抹消する為の小規模な爆破だ。周りに影響が出ることはない。」

ヒイロ「トロワの技術はアテにしていい。」

一夏「ま、マジで爆破すんの!?」

スーツケース(ち、ちょっと、本気!?)ビクビク

スタスタ

簪「どうしたんですか?」

トロワ「…ヒイロ宛てに届いた心当たりのない不審物を念のため爆破処理しようと話していた所だ。」

簪「爆破ですか!?」

トロワ「あぁ。」

簪「手伝わせて下さい!トロワさんのお陰でISが完成して以来ミサイルや爆発物に対して勉強したんで少しは手伝えると思います!!!」

トロワ「そうか、なら頼む。跡形もなく粉々にするのが任務だ。」

簪「はい!!」

スーツケース(ち、ちょっとぉ!!!簪ちゃんなんでノリノリで協力しようとしてんのよ!ってか誰かお願いだから止めてよ!)

千冬「…まぁヒイロとトロワの判断なら任せて大丈夫か。」

山田「…そうですね♪」

スーツケース(え!?嘘でしょ!?)

トロワ「…始めるか、俺の爆破ショーを」

スーツケース(こ、このままじゃ殺されちゃうっ!!!)

ガタガタガタガタッ パカッ

楯無「ち、ちょっと待って!私よ!更識楯無、爆破ストップ!」

トロワ「…やっと出てきたか」

簪「…お姉ちゃん」

楯無「へ?」

ヒイロ「…トロワ、気はすんだか?」

トロワ「あぁ、気がすんだ」

山田「楯無さんが入ってるの分かってたんですか!?」

トロワ「…人の気配には最初から気づいてはいた。中にいるのが誰かまでは分からなかったがな。」

千冬「爆破は中の人間への脅しか」

トロワ「あぁ、てっきり俺はエスパー伊東かと期待していたんだがな。期待外れもいいところだ。時間が勿体無い、行こうかヒイロ。」

スタスタ

ヒイロ「あぁ。」

楯無「えぇっ!?」

ヒイロ「…刀奈、トロワの冗談は半分は本気だ。気をつけた方がいい。」

スタスタ

楯無「…ま、まさかの放置」

簪「…お姉ちゃん」

千冬「…楯無」

山田「…なんか可哀想」

一夏「おいおい、二人とも俺こと筋肉の申し子織斑一夏を置いてかないでくれよ!」

スタスタッ

~玉山稲荷社 階段付近~

セシリア「儚き想い…。すっかり恋の季節になりましたわね。」

一夏「お~い、セシリア!」

セシリア「…最低のタイミングですわね。何の用ですか?プロテインマン改めモスマン。」

一夏「モスマン?なんだそれ?まぁいいや、…凄く綺麗だな」

スッ (カメラを覗き込む)

セシリア「…やめて下さい。不愉快です、盗撮で訴えますわよ」

一夏「え!?いや俺は、紅葉を…」

スタスタ

ヒイロ「どうした一夏、記録用の写真なら早く済ませろ。予定が狂う。」

セシリア「ヒイロさん!!!///」

一夏「…いや、それがさ」

一夏はヒイロに事情説明

一夏「…というわけなんだ。」

ヒイロ「…。」

セシリア「ち、違います!私、いきなりカメラを向けられたので驚いてしまって!」

トロワ「…なるほど、話は聞かせて貰った。」

ヒイロ「トロワ」

トロワ「一夏、お前はやはり思慮に欠けるようだ。誰でもいきなりカメラを向けられたらいい気はしないだろう。」

ヒイロ「…確かに、俺なら反射的に反撃姿勢に入るかもしれん」

一夏「確かに一声かけるのがマナーだよな、ごめんなセシリア。次からは気をつける。」(深々と頭を下げる)

セシリア「い、いえそこまでして頂かなくても。こちらこそ、少し言いすぎましたわ。」

トロワ「お互いに落ち度はあったということだ。理解しあえたなら速やかに仕事を済ませろ、時間は有限だ」

一夏「お、おう!」

カシャッ

トロワ「次に向かおう」

ヒイロ「あぁ」

スタスタッ

一夏「ち、ちょっと置いてくなって!」

セシリア「…。」

ヒイロ「セシリア」

セシリア「は、はい!」

ヒイロ「…あまり単独行動はするな。少なくとも2、3人でのグループ行動を行え。それともし何かあればすぐに俺に連絡しろ。」

セシリア「心配して下さっているのですか?」

ヒイロ「…当たり前だ。」

セシリア「はい!///」

~南禅寺 水路閣~

ガサゴソ

一夏「くっそぉ、取れねぇ…。」

トロワ「…何をモタモタしている早くしろ。」

ヒイロ「…。」

スタスタ

シャル「ん?どうしたの一夏?」

一夏「…いや、レンズキャップをこの木製ベンチの隙間に落としちゃってさ」

シャル「ふ~ん、私なら手が入るかも。やってみようか?」

一夏「あ、すまん」

ヒイロ「シャル、俺がやる」

シャル「え?ヒイロが?でもここ狭いよ?」

一夏「そうだぜ、狭いんだぜ?」

トロワ「…お前は黙って見ていろ」

ヒイロ「くっ!!」グイッ

シャル「持ち上げちゃった!?」

一夏「マジかよ!?俺も最初に試したけどビクともしなかったのに!?てかボルトで固定されてたはずだぜ?」

トロワ「…レンズキャップは回収した。ヒイロもういいぞ。」

ヒイロ「…了解」ドスーン

一夏「…すげぇ」

シャル「…でもそんなことしなくても私なら手伸ばせば取れたと思うよ。…どうして?ヒイロ」

ヒイロ「…材質は古い木材だ。無闇に手で作業すれば怪我の恐れがある。それに」

シャル「え?」

ヒイロ「服が汚れたら女は嫌だろう」

トロワ「…ふっ」

シャル「ヒイロはやっぱり優しいね///♪」

一夏「…俺はいいのかよ」

シャル「ヒイロ、私もヒイロと一緒に行ってもいいかな?♪」

ヒイロ「…あぁ。」

シャル「やったぁ♪」

トロワ「話がついたなら先を急ごう。」

シャル「次はどこに行くの?」

トロワ「次は清水寺の予定だ」

シャル「清水寺!?じゃあ一ヶ所清水寺の境内でいきたい所があるんだけどいいかな!?」

ヒイロ「トロワ、いいか?」

トロワ「境内なら構わない。撮影の仕事の範疇だ。」

シャル「ありがとうヒイロ、トロワ♪」

一夏「…いや、俺も一緒なんだけど」

~清水寺境内 地主神社~

鈴「神頼みってのは性に合わないけど恋愛成就でこんなに有名ならなんかご利益があるかもしれないわよね♪」

鈴(…どうか、あの馬鹿がちょっとでも気付いてくれますように。)

スタスタ

セシリア「あ、鈴さん!」

鈴「セシリアじゃない!?」

鈴「…。」

セシリア「…。」

セシリア「…心中、御察し致しますわ。」

鈴「…あんたも敵多くて大変よね。お互い頑張りましょ」

セシリア「そうですわね…」

ラウラ「子宝に恵まれますように」

セシリア「ラウラさん!?」

鈴「…あんたもいたんだ。って子宝ってあんた」

ラウラ「ん?こうやって願うと聞いたのだが…」

鈴・セシリア「はぁ…」

スタスタ

シャル「み、みんな!?」

一夏「お、なんだよ。みんないるじゃん♪」

ヒイロ「…。」

ラウラ「ヒイロ!!」

セシリア「ヒイロさん♪」

鈴「…流石ね、あんた」

シャル「ぅ…」

セシリア「シャルロットさん!これはどういうことですの!?」

シャル「えと、これはその…違うというか」

セシリア「…まさか抜け駆けしてデートを」

一夏「そんなわけないだろ♪」

シャル「……」

一夏「それにあんまり怒ると小皺が増えるって聞いたぞ♪折角旅行来たんだし楽しもうぜ♪」

セシリア「…お黙りなさい、蛾男。」

一夏「へ?」

鈴「…はぁ、あんたは」

スタスタ

トロワ「ヒイロ、ここはどうやら女生徒に人気のスポットらしい。リリーナへの土産はここで買うのはどうだ?これなんか渡せば必ずリリーナは喜ぶと思うが」

スッ

「ふたりの愛」DEEP RELATIONSHIPと書かれてある御守り

ヒイロ「…なんだこれは?」

トロワ「女が男から貰うと嬉しいアイテムだ」

ヒイロ「…そうか、ならそれでいい。会計を済ませてくる」

トロワ「あぁ」(ニヤッ)

スタスタッ

千冬「ま、待てヒイロ!!」ガシッ

ヒイロ「…千冬か、なんだ?」

千冬「そ、それをリリーナ様に渡すつもりか!?」

ヒイロ「…あぁ、トロワのオススメだしな」

千冬「…それだけは駄目だ。代わりにこれにしておけ!トロワより同じ女の私の意見の方が信頼性は高いはずだ!」

スッ

「長寿守」LONGEVITY

ヒイロ「…これは?」

千冬「…人気アイテムだ」

ヒイロ「…了解した。だがもう会計は済ませてしまっている。」

千冬「な、何だと!?」

ヒイロ「…問題はない。それも購入し、リリーナにはそっちを渡せばいい。アドバイスの礼に最初のやつはお前にやる」

千冬「え!?いいのか!?本当だな!?」

ヒイロ「あぁ」

千冬「…///」

千冬「…じゃぁ、こっちはヒイロが持っていてくれ。2つで1組だから男女で1つずつ持っていないと意味がない///」

ヒイロ「?了解した」

トロワ(これはこれで面白くなりそうだ。後でデュオにも連絡しておいてやるか)

~2時間前 太秦周辺~

女子A「ねぇねぇ!あれ、ヒイロ君じゃない?」

女子B「あ、ホントだ!お~い、ヒイロく~ん」

ヒイロ「…。」

スタスタスタスタ

女子B「あ、あれ、ヒイロ君?」
女子A「気付かなかったのかな?」

女子B「う、うん…。でも目もあったんだけどな」

女子A「ヒイロ君の事だし急いでたんだよ」

女子B「でも、なんかいつものヒイロ君より目が冷たかったような…」

女子C「何言ってんのよ!ヒイロ様はそこがいいんじゃない!!!あの刺す様な視線で見つめられて罵られたらご飯3杯はいけるわよ!!!」

女子AB「…う、うん」

女子A「というかヒイロ君、制服でもなかったよね。」

~同時刻 渡月橋付近~

スタスタ

ヒイロ「…。」

女子D「ヒイロ君だ!お~い!」

ヒイロ「…。」

スタスタ

ドンッ

女子E「痛っ!」

ヒイロ「…。」

スタスタ

女子E「ちょっと、ヒイロ君無視とか酷いよ~」

女子F「何を言ってんのよ!!!完全にご褒美じゃない!!!」

女子E「え??」

~清水寺~

トロワ「一夏、清水寺の記録撮影は終わったのか?」

一夏「おう!後はみんなの写真を適当に撮ればいい感じだ!」

ヒイロ「千冬、この後は宿への集合時刻までは自由行動なんだな?」

千冬「ふふ♪ヒイロとお揃いの御守り///」

ヒイロ「…。」

山田「…大丈夫ですよ。この後は自由行動で間違いないです。」

ヒイロ「…そうか、なら俺とトロワは集合時刻までは引き続き遊撃巡回を行う。」

山田「すみません、お願いします。」

千冬「ふふ♪」

ヒイロ「…。」

山田「…。」

トロワ「ヒイロ、ではまず樂美術館を目的地として移動を開始しよう。一夏は、凰鈴音達と一緒にいてやれ」

一夏「え?俺も一緒に行っちゃ駄目なのか?」

ヒイロ「トロワはお前の実力を見込んで別行動を提案しているんだ。」

一夏「な、本当かトロワ!?」

トロワ「…。」

一夏「いやっほぉぉぉぉ!!!」

ヒイロ「…。」

トロワ「…。」

トロワ「凰鈴音、あいつを頼めるか」

鈴「…なんか本当にごめんなさい。」

女子E「あ、ヒイロ君!どうしてさっきぶつかった時無視したの~?お尻痛かったんだから」

ヒイロ「…俺と?」

女子E「うん!…まぁでも傷物になったら責任とって貰うしいいんだけどさ///」

トロワ「…ヒイロとはどこでいつ会ったんだ?」

女子E「え?2時間位前に渡月橋のあたりでだけど」

ヒイロ「…。」

トロワ「…。」

一夏「いやいや、その時間なら俺達3人は一緒にいたけど渡月橋には行ってないぜ?」

女子E「え、でも…」

女子D「でも私も見たよ!」

女子A「人違いだよ!だってその時間なら私達、太秦でヒイロ君見たし、ねぇ?」

女子B「うん!間違いなくヒイロ君!」

一夏「…いや太秦も行ってないんだけど」

女子G「いやいや、ヒイロ君は新京極にいたよ!」

女子H「なに言ってんのよ!ヒイロ君は鞍馬山にいたわよ!」

女子I「全員間違いです。ヒイロ様は24時間365日私の中にいます。」

一夏「どうなってんだぁ???」

トロワ「…どういうことだ」

ヒイロ「…。」

一夏「…ん?なんだヒイロ?」

トロワ「…。」

トロワ「…なるほど」

ヒイロ「…。」

トロワ「…どうやらお前にはたくさんの兄弟がいるようだな」

ヒイロ「…その様だな」

一夏「え!?ヒイロ、兄弟がいたのか!?」

千冬「なんだと!?」

トロワ「…。」

ヒイロ「…。」

トロワ「…残念だが観光は最後まで楽しめそうもないな」

ヒイロ「…あぁ。」

スタスタ

簪「あ、トロワさん!」

トロワ「簪か、何かあったのか?」

簪「いえ、その全然自由行動中にお会い出来なかったので…、あれ?トロワさんその逆クロスのネックレスどうしたんですか?」

トロワ「安心していい。今回は発信器の類いは入っていない。」

簪「…え?」

トロワ「…そうだな。自作の御守り、とでも言っておこうか。」

簪「御守り、ですか??」

トロワ「あぁ、出来れば効力を発揮するような事態は避けたいがな。」

ヒイロ「…。」

~???~

スコール「博士、お呼びでしょうか?」

???「あぁ、お前に見せておきたい物があってな。」

スコール「…なんでしょう?」

???「なに、あんまりお前達があの小僧供にいいようにやられておるんでな、ワシも老婆心ながら協力してやろうと思ってな、面白い物を作ってみたんじゃよ」

スコール「面白い物…ですか?」

???「あぁ、なかなかに笑えるぞ。さぁ、お前達出てきて挨拶をしなさい」

ぞろぞろ…

ヒイロ1「…ヒイロ・ユイです。よろしく。」

ヒイロ2「…ヒイロ・ユイです。よろしく。」

ヒイロ3「…ヒイロ・ユイです。よろしく。」

スコール「なっ!?」

ヒイロ4「…ヒイロ・ユイです。よろしく。」

ヒイロ5「…ヒイロ・ユイです。よろしく。」

ヒイロ6「…ヒイロ・ユイです。よろしく。」

ヒイロ7「ヒイロ・ユイです!よろしくにゃん♪」

スコール「一体これは!?あと何か最後おかしくありませんでした!?」

???「とりあえず7体の作成には成功した。時間的にもこの数が限界じゃな、クローン研究は専門外じゃったが中々に面白かったわ。だが奴のDNAサンプルを手に入れるのは流石に苦労したんじゃぞ?元地球圏統一連合の軍事研究施設に奴が一度捕縛された時に採取された血液と毛髪から作成したんじゃ。こいつらにあの小娘とワシの最高傑作のISがあれば戦力差も逆転出来るじゃろうし無能なお前達でも奴らに勝てるじゃろ。…あと最後の奴は気にするな。何故かあぁなった、だが固体の中では戦闘力は飛び抜けて高いし問題ないじゃろ…多分。」

スコール「…クローンですか。しかし、クローンではオリジナルに勝てるとは思えませんが?」

???「ひっひっひ、あの小娘が聞いたらさぞ激昂することを言いおるわ。確かにテロメアを無茶苦茶にいじって急速成長させた粗悪品じゃしな、あと1週間も寿命はないじゃろな。」

スコール「なっ!?」

???「まぁだが、時間は十分じゃろ。それに必要な戦闘力はあるはずじゃ」

スコール「…作りたてのクローンに本当に戦闘力などあるのですか?」

???「問題ない。全ての固体の脳にオリジナルの『ヒイロ・ユイ』の過去の戦闘データと戦闘スキルを経験として刷り込んでおいた。身体能力も薬物投与によりオリジナルと同等にはしておいた。シュミレータと実技テストもやらせてみたが問題もなかった。まぁ、体内はボロボロじゃから寿命はないがの、ひっひっひ。やはりワシはどの分野においても天才の様じゃな。今日なぞ京都の街を散策させてやったわ」

スコール「なっ!?何をしているんですか!?今はIS学園の生徒が京都に来ているのですよ!?もしヒイロ・ユイ本人と遭遇でもしたら…」

???「ひっひっひ、だからじゃよ。…まぁオリジナルに遭遇はしなかったみたいじゃがな、したらしたで面白いことにはなったじゃろな」

スコール「…ですが博士、彼らクローン体はISを扱えるのですか?オリジナルは何故か扱えてはいますが…」

???「何故かじゃと?本当に無能じゃな」

スコール「くっ…」

???「オリジナルのヒイロ・ユイのISはそもそも篠ノ之束の作るISコアとは全くの別物じゃよ、死に損ないの疫病神はワシには劣るがやはり天才じゃ、それくらいはやってのける。ならワシに出来んわけがないじゃろ?」

スコール「コアの生成に成功したのですか!?」

???「まぁ落ち着け。…残念じゃが一からの生成はまだ出来てはおらん。ワシにはあの疫病神と違ってやることが多いんじゃ、まぁだが時間の問題じゃろうな。それにこいつらが扱えるISは既に用意してある。」

スコール「…コアは反応したのですか?」

???「当たり前じゃ。オリジナルコアのコピーをちょっといじってやれば訳なかったわ。まぁ、一度しか起動出来ない欠点はあるが、使い捨ての兵器なんじゃ、問題なかろうて。アビリティにもとっておきの物を採用してやったしのぅ、ひっひっひっ」

スコール(下衆な…)

~京都駅周辺~

ラシード「…はい、分かりました。こちらは引き続き監視と巡回体制を続けます。カトル様もあまり無理はしないでください。…では。」

ピッ

サリィ「あなたも大変ね」

ラシード「あなた程ではないですよ。私では張五飛の相手は無理でしょうから」

サリィ「そんなことないわ。彼はとても知的で紳士的よ?流石は既婚者って所かしら、包容力もあるしね」

ラシード「絶賛ですな。…既婚者ですか、カトル様も異性に興味を持たれても良い年頃だと思うのですが…」

サリィ「あら、彼にはドロシーさんいるじゃない?」

ラシード「私は、あの眉毛が気にいらんのです!!!!」

ガヤガヤ

通行人A「なんだ?」

通行人B「喧嘩か?」

サリィ「……ラシード、ちょっと落ち着いて」

ラシード「…申し訳ない、少し取り乱しました。」

サリィ「…。」

ラシード「…。」

サリィ「…聞かなかった事にしておくわね」

ラシード「…重ね重ね申し訳ない。」

サリィ「…本題に入りましょうか」

ラシード「…そうですな」

サリィ「私と五飛の調査の結果、デュオ君を襲った無人機の残骸から紛い物のISコアとMDビルゴのAIデータが見つかったわ。あとその少し前に多量のネオチタニウムが宇宙からこの地球に移送されていたわ、巧く偽装したつもりでしょうけど調べたらオースターインダストリが絡んでいたわ。」

ラシード「すると、やはり…」

サリィ「えぇ、襲撃の背後にいるのはファントム・タスクで間違いないようね」

ラシード「…ファントム・タスク、やはり一筋縄ではいかない相手の様だな。」

サリィ「それと五飛はオースターインダストリを傀儡にしている人物がいると言っていたわ。」

ラシード「それはカトル様も同じ様な事を言っておられた。だが、こんな大掛かりな事を一体誰が?」

サリィ「さぁ、でも五飛は何か既に掴んだみたいよ。私を置いて独自に動きだしちゃったしね」

ラシード「ふふ、彼らしいですな」

サリィ「ホントにね。…優しすぎるのよ、あの子達は」

ラシード「…。」

サリィ「…移送されたネオチタニウムの量から考えてデュオ君に破壊された無人機ISじゃまだ数が合わないわ。あの量のネオチタニウムが全てISの製造に使われていたとしたら…。戦力の劣勢は否めないわよ、今実際に戦力に考えられるのはヒイロとデュオ君くらいだし、あの二人がいくら頼りになると言っても厳しいわよ…。」

ラシード「その点は心配いらないそうだ。」

サリィ「え?」

ラシード「先程カトル様から連絡があった。『降霊術師の慣らしは済んだみたいです』とな」

サリィ「…全く、頼りになりすぎるのも困りものね」

ラシード「全くですな。」

~サンクキングダム 個室~

PCの画面に1つの創作詩が表示されている

『まばゆい光』

闇の向こうに一点の光を見た

その光に向かって走った

ただひたすらに走った無我夢中で走った


走り続けていると

まるでトンネルを抜けたかのような

まばゆい光の世界に飛び込んだ

それは充足に満ちた世界だった


これが私の求めるもの?

求めていたもの?


いや、違う

私は安息を求めていたのではない

私はこの心が欲しかったのではない


私は後ろに振り返る

そこには自分が通ってきた

暗いトンネルの出口がある


私が求めていたのは結果ではない

経過こそが重要なのだ

だとすると

私の救いは

あの暗黒の闇の中にこそあったのだ


では己に問う


何故

走り続けたのか?


AC187 summer TK


???「…。」

???「私は、もう迷う訳にはいかないのだ」

スタスタスタ

~清水寺~

一夏「なぁ鈴、まだしばらくはみんなでここにいるのか?」

鈴「え?まぁそうね、私はまだ境内全て見て回れてないしね」

シャル「私もヒイロとトロワ君の邪魔しちゃ悪いしここにいるよ」

ラウラ「私も同じだ。シャルロットと一緒に行動する」

セシリア「では私もそうしますわ。ヒイロさんにみんなと一緒にいるよう言われていますし」

一夏「そうか、じゃあちょっと俺は他を見て回ってくるよ」

鈴「いやいや、あんたさっきヒイロとトロワに私達といるように言われてたじゃない、もう忘れたの?」

セシリア「鳥頭ですわね」

一夏「そうなんだけどさ、さっきから箒を全然見かけないんだよ。夕方の参拝は全員参加だから周辺にはいると思うんだけど、ちょっと探してこようかと思ってさ」

シャル「そういえば見かけないね、私も探すの手伝おうか?」

ラウラ「そうだな。それなら私も手を貸すぞ」

一夏「いや俺だけでいいよ。すぐに戻ってくるしさ」

簪「そうだね。みんなで探して行き違いになっちゃう可能性もあるしね」

一夏「まぁそういう事だからちょっと行ってくるわ!」

鈴「仕方ないわね、あんたも気をつけなさいよ。」

一夏「あぁ、サンキューな、鈴!」

スタスタッ

シャル「ふふ♪」

鈴「な、何よ?」

シャル「正妻の余裕だね♪」

鈴「なっ!?///」

セシリア「…一体あのモスマンのどこがよろしいの?」

鈴「…まぁ、優しくてまっすぐで前向きなところとか、かな///」

ラウラ「理解出来んな」

簪「多分、幼なじみ補正とか入ってるんだよ」

~竹林の道~

箒「…。」

スタスタ

箒(…昔はよく一夏と道場裏の竹林を散歩していたな。最近一夏とも全然会話らしい会話もしてないな、ヒイロにも叱られてばかりだし、私は…)

スタスタッ

一夏「お~い!」

箒「一夏!」

一夏「やっと見つけた、もうみんな清水寺の近くに集まりだしてるぜ?」

箒「あぁ、すまない。もうそんな時間か…、迷惑を掛けてしまったな」

一夏「どうしたんだよ箒?なんか雰囲気暗いぞ?」

箒「そうかな?普通だと思うが」

一夏「いや明らかに暗いよ。悩み事があるなら俺で良ければ相談に乗るぜ?」

箒「うん。ありがとう、その時には頼む。」

一夏「あぁ!いつでも頼ってくれていい、俺はいつもの明るい箒のが好きだからな♪」

箒「えっ///」

一夏「そうだ、折角だし竹林を背景に写真撮ってやるよ♪」

箒「う、うん///」

一夏「そういや昔はよく一緒に道場近くの竹林を二人で散歩したよな」

箒「一夏も憶えていたのか。」

一夏「そりゃぁな。幼なじみとの思い出くらい憶えてるさ」

箒「ふふ♪そうか。」

一夏(そういや昔から過去に誰がいたかちゃんと憶えておくように千冬ねぇに言われてたっけ…)

スタスタ

スコール「よろしかったらお撮りしましょうか?二人一緒の方がいいでしょう?」

一夏「え?…じゃあ、お願いします。」

スコール「ふふ」

カシャッ

箒「ありがとうございました!」

スコール「とっても素敵だったわ、二人とも」

一夏「ぁぁ、どうも。」

スコール「どうか良い旅を、織斑一夏…君。」

スタスタ

一夏「あれ?俺名前言ったっけ?」

箒「…いや」

一夏「…まぁいいや、そろそろ清水寺に行こうぜ」

箒「うん」

~清水寺舞台~

山田「清水の舞台は、高さ13メートルの断崖にあって通称『地獄止め』といわれる139本の組み木が合わさって建てられているそうですよ。」

女子一同「へぇ~、凄~い」

シャル「綺麗だねぇ!」

セシリア「絶景ですわぁ!」

山田「それでは皆さん、時間になったらモノレール乗り場に集合してくださいね♪」

女子一同「は~い」

ガヤガヤ

女子A「私お土産見に行く!」

女子B「ねぇねぇ、あっち行ってみようよ!」

一夏「お!ヒイロ、トロワこっちだこっち!」

スタスタ

トロワ「やはり少し時間が足りなかったな。」

ヒイロ「イレギュラーな事態は常に存在する。最悪の事態になる前に対処出来たんだ、上出来だろう。」

トロワ「そうだな。まぁ樂美術館に行けただけでも善しとするか、やはり初代長次郎の『二彩獅子像』には樂焼きのルーツを感じさせられたな、ヒイロはどうだった?」

ヒイロ「…俺は十二代弘入の十二支香合のひとつ『猿香合』のユーモラスな表情が趣深く印象に残っている」

トロワ「なるほど。それなら俺は十一代慶入の樂焼きとしては最大作品である『鵞鳥大香炉』の細部の写実的な所と鵞鳥の生き生きとした表情が趣深かった。作品作成に当たり、実際に鵞鳥を飼い慣らしたというエピソードも興味深い。」

ヒイロ「確かにその点は同意だ。」

一夏「……。」

千冬「ヒイロ戻っていたのか」

ヒイロ「あぁ」

千冬「少しは楽しめているのか?」

ヒイロ「修学旅行の本分は果たせてはいるつもりだ」

トロワ「ヒイロ、俺は音羽の滝付近を見てくる。お前は舞台の方を頼む。」

ヒイロ「了解。」

トロワ「また後で合流しよう。」

スタスタ

千冬「…ヒイロ折角だ、一緒にし、写真でも撮らないか?///」

ヒイロ「あまり写真を撮られるのは得意ではないんだが…」

千冬「…ダメか?」

ヒイロ「……いや、いいだろう」

千冬「そうか♪///」

千冬「一夏、一枚写真を頼む!!」

一夏「……まぁ、はぃ」

カシャッ

千冬「よし、後で3枚貰おう♪」

一夏「…。」

女子C「あ~、織斑先生だけずるい!ヒイロ君私とも撮って!」

女子D「ヒイロ様、私は踏まれている所をお願いします!」

一夏「……。」

女子C「織斑君!早く写真お願い!」

セシリア「何をぐずぐずしていますの?早くして下さいな!」

一夏「………。」

ポイッ

ひゅ~ん カサッ

セシリア「あなた何をしていますの!?どうしてカメラを…」

一夏「ごめん、カメラ舞台下に落としちゃったから取ってくるわ。」

スタスタ

鈴「一夏、あんた…」

シャル「この高さじゃカメラ絶対に壊れちゃってるよね」

箒「一夏も嫉妬したりするんだな」

~舞台下~

一夏(なんか心がモヤモヤしてアホなことしちまったな…。カメラ無事かな、というかさっきのモヤモヤ感は何なんだ?生まれて初めての感覚だった気がする)

一夏「…え~と、確かこの辺に」

カチャ

一夏「ん?」

一夏「…お前は!?」

マドカ「…織斑一夏、お前の命を貰う」

一夏「くっ!」

マドカ「来い!黒騎士!」

~音羽の滝周辺~

スタスタッ

箒「…。」

鈴「あ、箒!そろそろ集合時間なのにあんたどこいくのよ?」

箒「一夏の戻りが遅いからちょっと様子を見にいくんだ」

鈴「一夏が?」

~モノレール内~

山田「皆さん、隣の席の人はいますか?」

女子A「先生、織斑君がいません!」

女子B「あと、篠ノ之さんと凰さんも!」

女子C「ねぇ、あれ!窓の外、森の所光ってるよ!?」

千冬「…。」

千冬「…山田先生、先に宿に戻ってくれ。あいつらを見つけたら戻る。」

山田「は、はい!」

五飛「必要ない」

千冬「な、君は!?」

山田(いやぁぁぁぁぁぁ、あの怖い人だぁぁ…)

五飛「お前達は今からこちらの用意した車両で宿まで避難して貰う」

千冬「どういうことだ?」

五飛「ヒイロとトロワが巡回中にこのモノレールのシステムが何者かにハッキングされていることに気付き連絡を受けた。」

千冬「何だと!?」

五飛「調査の結果、モノレールのコントロールシステムへの干渉と車両への爆発物が確認された。不要な混乱を避ける為、そして、敵対勢力に悟らせない為、俺の指示でお前達に知らせていなかった。爆発物は既にヒイロとトロワが処理してある、コントロールシステムは後数分で奪われるだろう。だから早くこのモノレールから移動を行え。」

山田「でもまだ織斑君達が…」

五飛「察しの悪い女だ。織斑一夏達の方はヒイロとトロワが既に向かっている。今は速やかにモノレールを降りて移動を開始しろ」

千冬「…分かった。山田先生、生徒に指示を」

ラウラ「…。」

シャル「…。」

セシリア「…。」

簪「…。」

山田「は、はい!」

千冬「ヒイロ達だけで大丈夫なのか?敵対勢力の戦力は分かっているのか?」

五飛「敵戦力はまだ把握は出来てはいない。」

千冬「なら私も出よう。量産機だが戦力にはなるはずだ。」

五飛「必要ない」

千冬「何故だ!?こちらの戦力は多いに越したことはないはずだ!」

五飛「敵戦力が分からない以上、不用意にこちらも戦力を展開すべきではない。それに…」

千冬「え?」

五飛「ヒイロから織斑千冬の安全圏への避難を任されている」

千冬「…ヒイロ」

五飛「…女なら惚れた男を信じて貫いてみせろ。少なくともリリーナ・ピースクラフトはイヴウォーの際にはその覚悟をみせた。」

千冬「リリーナ様が」

山田「生徒全員、モノレールから降車完了しました。」

五飛「行くぞ、移動を開始する」

千冬「分かった!山田先生、我々は生徒の安全を第一に安全圏への避難行動を開始する。」

山田「了解しました!状況、開始します!」

~京都某所~

???(今になって改めて思う。彼は私にとって運命の人だ。彼が私の前に現れてから私の世界は一変した。……最初に彼を認識したのは、いつもの様に私に課せられた『私の役目』の資料に目を通した時だ。)

~数ヶ月前~

??「…目は通したか?それが今回のお前の仕事だ」

???「監視ですか」

??「あぁ。新入生として入学してくる事になっている。」

???「入学?男…ですよね?織斑一夏以外にも男でISを操縦出来る人間が現れた、ということですか?」

??「…データに不審な点はない。だが、出身国が出身国なだけに警戒が必要だということだ。高度な訓練を受けたエージェントの可能性もある。対象がこちらにとって不都合な存在なら監視から排除へと移行だ。…いずれにせよ、サンクキングダムが絡んでいる。対応は慎重かつ隠密に実行してくれ。以上だ、下がっていい。」

???「はい。」

???(…新入生、サンクキングダムのヒイロ・ユイ)

~京都某所~

???(初めて会った時には一目見て彼は私と同じ種類の人間だと感じた。役目を与えられ、それを忠実にこなす人形。素直にそう思い、危険を感じ彼を排除対象に選定した。……でも、それは結局叶わなかった。彼は一切の隙を見せず、そしてその戦闘力は他の追随を許さない程に圧倒的だった。…それに彼は優しかった。私も何度か守って貰った、守られるなんて初めてだった。…そしていつしか私は。)

???「『お前が望むなら、力くらいは貸してやる』だってさ。ふふ、今まで私にあんな上からの台詞言った人いたかな。…あの子とのわだかまりもいつの間にか解消出来ちゃったし、ホントに良いことづくしで怖いな、ふふ♪」

楯無(でも私は『更識』の人間で彼は『告死天使』。)

楯無「やっぱりこの想いも叶わないんだろうな」

楯無「……さて私もそろそろ行動開始といきますか。」

~京都タワー~

スコール「…ふふ」

楯無「こんなところで優雅に街を眺めてるなんて、セレブは考える事が違うわね」

スコール「『モスクワの深い霧』だったかしら、あなたの機体。」
楯無「それは前の名前よ。今は『霧纏の淑女』と言うの」

スコール「そう」

楯無「何を企んでいるの?ファントム・タスク!」

スコール「あら、どこまでご存知なのかしら、更識楯無さん」

楯無「あなた達の好きにはさせないわ。」

スコール「ふふ、良いシチュエーションが出来たのに、ちょっと遅かったみたいね!」

スコールIS一部展開攻撃

ブンッ

ガシッ

楯無「ぐわっ…」

スコール「もう始まってるのよ!!」

楯無「くぅっ…」

システムハッキングされたモノレール発進

~清水寺 舞台下付近~

スタスタッ

スタスタッ

箒「一夏ぁ!」

鈴「一夏返事しなさい、どこにいるの!」

ギュゥーン

ズガーンッ!

鈴「くっ、何よいきなり…」

箒「っつぅ…」

オータム「ははははは!させるかよ、糞餓鬼が!!」

箒「貴様は!」

オータム「オータム様だよ!忘れたか!?」

鈴「…く」

~清水寺 舞台下 森近く~

一夏「…マドカって言ったな?どうして俺を狙う?…ま、まさか俺の筋肉に嫉妬して…!?」

マドカ「ふん、貴様は敵ではない。」

一夏「…???なら、味方って事か???ん、あれ??」

マドカ「違う!!!何を言っている!お前は私が殺す!!」

一夏「…え?でも今敵じゃないって言ったじゃん!!!訳わかんねぇよ!!!」

マドカ「い、いやあれは…、お、お前前後の内容から言葉の意味くらい読み取れ!!」

一夏「だから!!わかんねぇよ!!!どういうことなんだ!!!説明を求める!!!要求する!!!」

マドカ「う、うるさい!!!もういい!!」

一夏「何なんだよ一体…。やれやれだぜ…」(辟易)

マドカ「くっ!…まぁいい、私の真の目的は織斑千冬を殺す事だ。」

一夏(勝手に話進めやがった…)

一夏「…ん?あれ?俺を殺すんじゃなくて?あれ?おかしくね?」

マドカ「うるさい!!!要するにお前を殺した後で織斑千冬も殺すんだよ!!!」

一夏「なるほど。…じゃあ最初にそう言ってくれよ!!!ややこしいわ!!!」

マドカ(なんで私がキレられているんだ…。)

マドカ「っもういい!!死ね!!!」

ギュゥゥゥゥゥンッ!ズガーンッ!

一夏「ちょっ、いきなりはせこくね?」

ズドーン

一夏「…。」グッタリ

マドカ「ふん、これなら戦える。…織斑千冬。」

ギュンッ ビュワッ

マドカその場から離脱

~宿への移動中車両内~

千冬「状況はどうなっている?」

五飛「モノレールは予定通りシステムハッキングされた様だ。今は相手コントロール下で動いている。この分なら相手は自分達の計画通りに事が進んでいると考え、疑っていない様だ。」

千冬「…。」

山田「…流石ですね。」

千冬「…また君達に迷惑をかけてしまった様だ。ホントにすまない。」

五飛「勘違いするな。」

千冬「え?」

五飛「お前達は戦士でもなければ兵士でもない。ただの教育者だ、お前達の使命はこれからを担う人間に道を示してやることに本分がある。こんなことには本来なら関わるべきではない、そしてこんなことに慣れて貰っては困る。こういう事は元々俺達の領分だ。…だからお前達が気にすることでは元からないのだ。」

山田「…五飛さん」

千冬「まったく、君達には敵わんな」

ピピ

ヒイロ『五飛、避難の方はどうなっている?』

五飛「心配は無用だ。全て順調に進んでいる。お前達の現在位置を教えろ」

ヒイロ『織斑一夏の方はトロワに任せた。俺は今別件で移動中だ。』

五飛「イレギュラーか?」

ヒイロ『いや、想定内だ。だが、この件は俺が処理しなければならない問題だ。』

五飛「いいだろう。学園の生徒の安全は俺に任せろ。宿にはラシード達も待機させてある、お前は好きに動いて構わん。」

ヒイロ『了解。』

~京都タワー~

楯無「っく…」メキメキッ

楯無「…思い通りにはさせてあげないんだからっ」

スコール「あなたの学園のモノレールをご存知?そこに爆弾をセットしてあるの」

楯無「なっ…」

スコール「全力で阻止してご覧なさい」ニヤッ

楯無「…そうね、そうさせて貰うわ。」

スコール「出来るかしら?」ニヤッ

ガシッ ギュゥッ

楯無「くっっ…!」

スコール「ふふ♪」

スコール「これでさよならね」

楯無「っ!!」

シュパァッ

楯無IS展開後霧散

スコール「なっ!?」

楯無「ファントム・タスクさん、あなたとはまた今度」

ギュンッ

楯無モノレール目指し離脱

スコール「あら、連れないわねぇ」

ギュン

スコールIS展開後追撃

ズガガガガッ

ギュン

楯無「くっ、しつこいなぁもう!」

~清水寺 舞台下 森近く~

一夏「……はっ!あっぶね、もうちょいで川渡るとこだったぜ…。へへ、ササミ喰いてぇ」ジュルリ
一夏「…いやいや、今はササミより千冬ねぇだ千冬ねぇ!待っててくれよ、すぐに俺の前腕伸筋で守ってやるからな!!せいや!!!」

一夏IS展開

一夏「うむ、相変わらず歪みねぇボディだ。いくぜ!」

ギュン

一夏、マドカ追撃

~清水寺 舞台下付近~

箒「来い!紅椿!」

鈴「もう!」

箒・鈴IS展開

オータム「オラ、オラ、オラ、オラ!!」


ズドン ズドン ズドン ズドンッ!

ビュン ビュン

箒「鈴、こんなところで時間をかけてはいられないぞ!早く一夏と合流しないと!」

鈴「そんなの分かってるわよ!仕方ないから二人でとっととアイツ片付けるわよ!」

オータム「あぁ!?誰が誰を片付けるってぇ!? 糞餓鬼が何人よってもこのオータム様に敵うわけねぇだろうが!お前らはここで終わりなんだよ!!」

鈴「…はぁ、完全に三下の台詞じゃない。」

オータム「あ゛?」

箒「まったくだ。相手との実力差が分からない時点で未熟さは露呈している」

オータム「何だと糞餓鬼風情が…」

鈴「…遅いよ、アンタ」

シュン

ブンッ

オータム「なっ!?」

ズガーン

オータム「ちっ!貴さ…」

箒「隙だらけだ!」

ブン ブンッ

オータム「ぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

ズガーン

オータム「な、何だ!?何でこんな糞餓鬼供の動きにこのオータム様がついていけない!?」

鈴「…あんた、私達が一体誰に鍛えられてると思ってんのよ?」

オータム「何ぃ!?」

箒「私達はただあいつに守られてきただけではない」

鈴「そう、放課後はいっつもアイツにボコボコにされてきたの!!!」

箒「あぁ、あいつは容赦がないからな。何度…何度挫けそうになったか…」

鈴「私も正直何回か部屋で泣いたわ…」

オータム「何が言いたいんだてめぇら!?」

鈴「はぁ、だからね」

箒「私達が…」

鈴・箒「あのヒイロ・ユイを知る私達がお前なんかに負ける道理がないって言ってるんだ!!!!!」

紅椿の雨月・空裂、甲龍の崩山によるツインアタック

オータム「あ゛ァぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ズガーンッ!!!

オータム沈黙

鈴「あんたじゃ役不足なのよ」

箒「あぁ、私達は天使の加護を受けているからな」

~京都タワー~

ズガガガガッ

楯無「ちっ」

シュンッ

スコール「甘いわね」

ブンッ

楯無「なっ!?」

ガキーンッ

楯無「…あれ?」

スコール「ッ!!!?」

ヒイロ「刀奈、怪我はないか?」

楯無「ヒイロ君!?」

スコール「告死天使…!」

ヒイロ「あまり1人で勝手に動くな。前に言ったはずだ、力くらいは貸してやると」

楯無「…心配してくれているの?」

ヒイロ「お前が傷つけば悲しむ奴がいる。お前はもう1人で抱え込む必要はない、俺の任務はお前の護衛も含む。理解しろ。」

楯無「…はぃっ///」

スコール「…呑気にお喋りなんかしてて随分余裕ね。いいのかしら?」

楯無「!!ヒイロ君、みんなの乗ってるモノレールに爆弾が仕掛けられているの!!早く助けないとみんなが!!」

ヒイロ「…。」

~モノレール上空~

マドカ「ふん、あれか」

ギュゥゥゥゥゥン ズガーン

ギュンッ

一夏「うおぉぉぉぉぉ!!!マッスルサンクタム!!!」

バシューン

マドカ「なっ!腕でガードしたただと!?」

一夏(シールドエネルギーがやべぇ…)

一夏「……き、筋肉を舐めるな」

マドカ「気持ち悪いやつめ、生きていたのか」

一夏「あの程度で俺の歪みねぇボディが傷つくか!!説明してやろう!!!実は俺の腹斜筋にはココナッツ臭のしない特別なサンオイルが…」

ギュゥゥゥゥゥンッ ズガーン

ドカーン

モノレール大破

一夏「……ちっ、ちょっと、あのまだ俺のターンじゃ?あれ、モノレール跡形もなくなってないですか?」

マドカ「気持ち悪い話など誰が聞くか。死ね」

一夏「…マジ?」

~京都タワー~

ドカーン

楯無「…え?」

スコール「あらあら、どうやらモノレールは間に合わなかったみたいね」

楯無「そ、そんな…簪ちゃん…いやぁぁぁぁぁっ!!!」

スコール「アハハハ!残念だったわね英雄さん!あなたは結局守れなかったのよ!!!」

ヒイロ「刀奈、安心していい。更識簪は無事だ、あのモノレールは誰も乗ってはいない」

楯無「…え?」

スコール「なんですって!?」

ヒイロ「あんな杜撰な計画に俺達が気付かないとでも思っていたのか?IS学園生徒の行動計画範囲の事前調査を俺達がしないはずがないだろう。生徒や教員含め、全て安全圏へ避難済みだ。」

スコール「なっ!?じゃあ私達は」

ヒイロ「後はお前達を捕縛し、ファントム・タスクを壊滅させれば任務完了だ」

スコール「告死天使ぃぃぃぃ!!!」

ギュンッ

ヒイロ「ターゲット、敵IS。破壊する」

                                 /ィ:::::::!:::::/::::ヽ:::ヽ
                                   //::::::ヘノ:::!ヽ:::ヽ::ヽ
                                /::!::!:ヘ≧ヽ:!≦マ::::! `
                                 ´ フ ハ`ゞ' .iヽゞ'/)ハ! 今の俺ならヒイロにだって!
                                  !ハ、 _ _ ,人!
                           ,,.ィ'''フ''.>-==,≧- イ./ i,, `ヽr''"`ヽ、ヽ、
                         ,r'"´ ノ"    )=、.,_ゝニ ノ,,..ィ'"´i      ヽ、
                         (       ノ  ´ ̄ `Y"´            i
                           )     __,,..         レ      _,,,,、       j、、
                        r''ヽ. ,.ィ'''i"        J   ,,.ィ'"~  `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
                       / ,,.イ')'"  人        ,,l、        ノt   ) `ヽヽ
                      /   /   / `ゝ、       人       ,,イ  jt、 ヽ    i
                     f ,   ノ   /、   `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''"    ノ ヽ、 ヽ  t、、
                     )'  f   ノ ヽ、 r  、 f"   `i´ ̄` Y  `ヽ /   ゝ-,ヲ'''   )
                  .   ( ,.ィ''ーr"~    ヽj  ミi      !    j'   | /       ,r"    ft
                     ノ、,ノ   ヽ,     `i  、〉、.__,人,___,..イ、,i" j''       (   ,ノ j
                    ( t、    l      i  ヽf     Y    ,j,.  ,/      ) ,.イ´ ノ
                    fヽ ヽ、   l      l ヽ、    .|   ノ ,. /     ,.イ '"ノ   ノ
                    t i   l、.  t      l  、j`ー‐‐'`ー="レ' j'     // / ,/
                    ヽ、 i、   i      l  ヽ  -ニ-  ノ  l     /,,,,ノ ,ィ/
                      ヽ、`i  `i、     l   `i     /  ,l    /-,=、ヽv
                  ′   ヽ ヽ、 'i,     人  ヽ    /   ノヽ   ノ''"Y,..ト-、
                        `i、,,..=,i、   / ヽ、       /=ィ''i'i''j"  .`=(i-/、
                         ヽ ,f`i-、   /   ヽ      /.`ー=''''"t.___  (,,ノ=、
                         r-l =f,,ノゝ-''`=''フ  i、:' " ゛ ` ,i' :.    .l、  `ー=''=t_,i

~束移動ラボ~

束「色々始まってるみたいだよ?どうするの?」

デュオ「そんなこと聞くまでもないだろ?」

束「…。」

クロエ「…私達よりも大事なことなのですか?」

デュオ「おいおい、なんでそんな深刻な感じなんだよ?ただちょっとパーティーに参加しにいくだけだぜ?♪」

束「…。」

クロエ「この前襲ってきた無人機の残骸を調べたら、使われているコアは束様が作ったコアを回収し、それをコピー、改造されたものでした。これは簡単に行える技術ではありません。敵対勢力には確実に束様クラスのオーバーテクノロジーを駆使出来る何者かが存在しています。それにコピーコアは量産が可能な様に改造されていました。敵はどれだけの戦力を用意しているか分かりません…。」

束「…。」

クロエ「…いくらヒイロ・ユイやパパでも不利は否めません。正直、行って欲しくないです…。」

デュオ「それなら余計に逃げるわけにはいかねぇな」

クロエ「どうしてですか!?」

束「…。」

デュオ「そんなもんが簡単に量産される世の中になっちまったらまたどっかのバカが戦争を始めかねないからな。ここで誰かが根絶しとかねぇとな」

束「…。」

クロエ「でも!」

デュオ「それに…」

クロエ「え?」

デュオ「束の力を、想いをそんなくだらねぇ事に利用させてたまるか。束やクロエの存在を隠れ蓑に好き勝手しようとしてる奴がいる。俺はそれがどうしても許せない。久しぶりに本気で頭に来てるんだ。」

クロエ「…パパ」

束「…。」

デュオ「なぁに、そんな難しく考えなくていいって♪何せ俺は『死神デュオ・マックスウェル』なんだぜ?ま、軽く終わらせてくるさ」

束「………ごめんなさい」

デュオ「おいおい、何汐らしくなってるんだよ?らしくねぇな~。お前が謝る必要はないさ」

束「でも元はといえば私の迂闊で幼稚な行動が…!!」

デュオ「お~っと!そこまでにしとけよ。前に言っただろ?お前は好きにしていい、ケツは俺が拭いてやるって。まぁ責任とか言い出したら放置してた俺にも責任はあるしな。」

束「でもそれは!」

デュオ「束、そんなに背負い込むな。もっと肩の力抜けよ、そうしたら世界はもっと違う景色に見えてくるはずだから。それに今回もこれからも何かあれば俺が何とかしてやるから、お願いだからそんな顔しないでくれ」

束「デュオ…」

デュオ「お前は笑顔が一番キュートだと思うぜ?」

束「なっ///」

クロエ「…まさかのこのタイミングで」

デュオ「じゃあパーティーに遅刻したらヒイロや五飛が五月蝿いしちょっと行ってくるわ!あ、帰ってきたらいつもの珈琲と菓子頼むわ!これが今回の束とクロエの役割な♪」

クロエ「…パパ」

束「…うん」

デュオ「束、お前に今の世界も捨てたもんじゃないって事を俺がこれから時間をかけて教えてやるよ」

バシュッ!

デュオIS展開後、移動ラボより出撃

束「…うん。信じてる、あなただけは」

クロエ「束様…」

~京都タワー~

楯無「気を付けてヒイロ君!!彼女今までの奴より実力は数段上よ!」

ヒイロ「下がっていろ刀奈、邪魔だ」

楯無「なっ、邪魔って何よ!?」

ギュンッ

W-0、ゴールデン・ドーン目掛け急加速

楯無「ちょっとヒイロ君!!」

ヒイロ「…。」

W-0ビームサーベルにて攻撃

ブンッ

スッ

スコール「あらまぁ、随分生ぬるい攻撃ねぇ。手加減してくれてるのかしら?」

ズガガガガッ

スッ

ヒイロ「…。」

スコール「ほらほらもっと逃げないと黒焦げよ?」

ズガガガガッ

スッ

ヒイロ「…。」

W-0マシンキャノンにて反撃

ヒイロ「…。」

ズガガガガッ

スコール「ふふ♪」

ジュワッ

楯無「届く前に蒸発した!?」

スコール「そんなちゃちな攻撃じゃあ私には傷1つつけられないわよ?これで分かったかしら、私を手を抜いた攻撃で倒せるなんてことが思い上がりもいいところだったってことが!」

ヒイロ「…。」

スコール「…まだそんな態度なのね。その思い上がりを、私が矯正してあげるわ!」

ゴールデン・ドーンから火の粉が漏れだし頭上に巨大な火球が出現する

楯無「表面温度4795℃ですって!?あんなのまともに受けたら…」

スコール「さぁ、どうするのかしら!?告死天使!」

シュンッ

スコール「!?」

ブンッ ブンッ ブンッ

ズドンッ!

スコール「ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!


ズガーン!!

コントロールを失った火球が爆発

楯無「…え?」

ヒイロ「…無駄口の多い奴だ。」

スコール「ッ!何が!?」

楯無「…何、今のスピード。え?ヒイロ君が一瞬で背後に…」

ヒイロ「…ISゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)データ収集完了。機体周囲への熱線バリアは厄介だが、その火球は隙が大きすぎる。」

スコール「データ収集を、この私相手にデータ収集をしていたというの!?」

ヒイロ「…スコール・ミューゼル、10年以上前に米軍にて死亡を認定。当時の容姿ともかなり違うがその動き、身体の一部を機械化しているようだな。」

スコール「私のデータまでっ!どこまで私をコケにすればっ」

シュンッ

ヒイロ「…喋りすぎだ。」

ブンッ

ズガーン!!

スコール「ッッッッ!」

ヒイロ「対象IS破壊完了。」ダキッ

スコール「………」

スコール完全に沈黙

楯無「…手加減とかないのかしら」

ヒイロ「捕縛は完了した。刀奈、一度五飛のところにこいつを連れて戻るぞ」

楯無「え、あ、うん。でも大丈夫かな?」

ヒイロ「ISは完全に破壊している。動きも封じた。問題はない」

楯無「いや、でも五飛君のところにはみんなもいるし、気がついて暴れだしたら…」

ヒイロ「五飛がいる時点で問題はない」

楯無「そ、そう…。」

ヒイロ「あぁ」

楯無(てか、お姫様抱っこずっとされてるの羨まし過ぎる)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月15日 (水) 22:45:57   ID: xWbpCrEH

面白い!!今まで見たssでダントツの一番です。

ゆっくりでいいので是非とも完結させて下さい。

楽しみにしてます!!

2 :  SS好きのsikiさん   2014年02月13日 (木) 10:33:37   ID: n4ZYKFBn

見ていてとても面白いです。
これからも書き続けてください。
お願いします。

3 :  SS好きの774さん   2014年02月19日 (水) 06:50:50   ID: 8Ad5y5ZH

続きをはやく

4 :  SS好きの774さん   2014年02月19日 (水) 22:13:24   ID: haBZkArb

多分サーバ落ちで書き込めないんだろ

5 :  SS好きの774さん   2014年04月05日 (土) 18:02:28   ID: 3UbGHKuo

続きを早く〜

6 :  SS好きの774さん   2014年04月25日 (金) 00:00:09   ID: ouxtx0yX

続きが気になってしょうがない
完結してからこのSSを開くべきだったよ

7 :  SS好きの774さん   2014年04月27日 (日) 21:55:04   ID: 34nZKspB

頼む、続きを早く書いてくれ〜

8 :  SS好きの774さん   2014年05月17日 (土) 09:21:17   ID: JIct7eea

続きが気になるな〜
この調子で頑張って下さい
応援しています

9 :  SS好きの774さん   2014年05月21日 (水) 22:22:51   ID: gQeBtvh2

次がとても楽しみです
頑張って下さい

10 :  SS好きの774さん   2014年06月05日 (木) 02:43:57   ID: oswTEPqj

続き楽しみ

11 :  SS好きの774さん   2014年06月15日 (日) 22:13:27   ID: errCmMzO

面白いので是非続きをお願いします。

12 :  SS好きの774さん   2014年07月09日 (水) 13:08:51   ID: SmKPAa2B

続き期待してます。
敵の科学者はG-UNITのドクター・ペルゲかな?

13 :  SS好きの774さん   2014年08月26日 (火) 10:55:33   ID: AwQrvuio

期待してます!♪ 特にデュオ束との熱々っぷりにも期待してます!♪(  ̄▽ ̄)

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