魔王「いい魔王」(229)

代行ID:bmalK8qN0


魔王「我は魔王」

魔王「魔王と言っても、まだ己の世界を持っていない雛魔王だけどな」

魔王「いや、魔王の卵という表現がもっと似合うのか?」

魔王「まだ127才しかなっていない我は魔王の中では魔王と呼ばれることも出来ない子供」

魔王「だけど、いつかは必ず立派な魔王になってみせる」

魔王「そして、今日はなんと、大魔王さまが各地の有名な魔王たちを集めさせて宴会を開く日だ」

魔王「無論己の世界すら配分されていない我が行けるような場所ではないが」

魔王「他の子供たちがそうであるように駄目と言われたらもっと見たくなる」

魔王「すごいだろうな、魔王たちの宴会…」

魔王たちの宴会場

魔王(おお、すごいなー)トウメイマホウなう

??「おいい!酒が足りぬぞ!酒はどこだ!!」ドガーン

メイド「ひっ!す、直ぐに持っていきます!」

魔王(うわ、あそこにいる魔王って【破壊神】の二名を持つ超有名な魔王だ。あんな人まで来てるのか)

魔王(もし我みたいな奴が入ってきてるのがバレたら塵も残らず消し去る!)

人間女「魔王さま、はい、あーん」

妖精「魔王さま、こちらの方が美味しいですよ」

??「うむ、確かにどれも美味だが、そろそろお前たちの方も食べたくなってきたぞ」モミモミ

女「いやん、魔王さま、こんな人目の多いところで…♡」

妖精「仕方なのない方ですわね。この女たらし」

??「うはは!」

魔王(あそこには居るのはハーレム魔王……両側に居る人間の女と妖精ってめっちゃ綺麗じゃないか。くそっ、我もあんな魔王になりたい!)

母魔(王)「はーい、子勇ちゃん、あーんして」

子勇「あーん」

母魔「美味しい?」

子勇「うん、すっごく美味しい♪」

母魔「そう、良かった」

魔王(あれは…誰だ?良く判らない。なんか子供連れてきてるし)

大魔王「楽しんでるようだな」

魔王(げっ!大魔王さま!?)

母魔「ええ、招待してくれてありがとう」

大魔王「隠居したと聞いたら、まさか人間の子供を連れ込んで来るとは…大した自信じゃないか」

母魔「連れてくるわよ。自慢の息子だもの」

大魔王「【破壊神】に並ぶ凶悪な魔王と呼ばれたお前も、すっかり丸くなったものだな」

母魔「もうやめたけどね。そういうあなたこそ、随分と丸くなったみたいじゃない?」

大魔王「……何の話だ」

母魔「……」ジー

魔王(なっ!こっちを見てる?そんな馬鹿な……)

魔王(ま、まさか、魔法が効いていないのか)

魔王(そんなはずは……)

子勇「……」ジー

魔王(って、この男の子までもこっち見てる?!)

魔王(まずい…取り敢えずここを離れよう)クルリ

メイド「きゃっ!!」

魔王「うわっ!」魔法解除

子勇「あ、解けた」

母魔「しかも料理の残りを持ってるメイドにぶつかったせいで全身に生ゴミぶっかけられちゃったわね」アラアラ

魔王「うわぁ……」

大魔王「…この魔王の恥めが!」

魔王「ひっ!」

大魔王「ここに居る魔王たちは皆して魔王たちの歴史に刻まれるほどの有名な魔王どもばかり」

大魔王「そんな魔王たちが貴様ごときの魔法を見抜けなかったと思ったのか」

魔王「じゃ、じゃあどうして…」

大魔王「…宴会を楽しむために見逃していたのだ。なのにこんな失態を見せるとは…」

大魔王「貴様のようなものが魔王になっても全ての魔王たちの恥になるだけだ」

大魔王「この場でその命を絶ってやる」

魔王「た、たすけ…」

魔王(わ、我はただちょっと見たかっただけなのに、こんなところで死ぬのか?)

支援

母魔「……」

子勇「…」グイグイ

母魔「うん?」

子勇「……あれ、助けてあげて」

母魔「あぁ…うーん、でも魔王たちの宴会を台無しにした罪って結構重いのよね…」

子勇「…うん?」ウルウル

母魔「…もう、わかったわ」ハァ


大魔王「せめて痛みなく殺してやることをありがたく思え」

魔王(も、もう終わりか。ちゃんとした魔王にもなれずにこのまま…)

母魔「はい、そこちょっとストップ―」

大魔王「…なんだ」

母魔「うちの子がいい事思いついたんだけどね」

母魔「きっとあのまま殺すよりも皆楽しめると思うわよ」

破壊神「何だと?」

ハーレム魔王「聞こうではないか」

母魔「ねえ、君。魔王になってどれぐらい経つの?」

魔王「い、いいいま127才です」

母魔「じゃあまだ人間たちが居る世界に行ったことないわね」

魔王「は、はい…」

大魔王「何を考えている」

母魔「ねえ、この子に世界一つ任せてみない?」

大魔王「……!」

母魔「で、次の宴会にまでアイツが【良い魔王】になれたら、今回のこと許して次の宴会に参加させてやるってどう?」

大魔王「…こんな魔王に次元一つを渡せというのか」

母魔「別に新生のところなら構わないでしょう。逆に考えてみてよ。ここに命賭けてまで来る馬鹿な奴って普通居ないでしょ」

母魔「逆に大物かもしれないわよ」

大魔王「……」

破壊神「面白そうじゃないか。やらせてみたらどうだ、大魔王」

大魔王「…ふむ」

魔王「あ、ありがとうございま…」

破壊神「しかし!もし失態を見せるなら、今回のことも含めてそれ相応の罰を受けることになるだろう」

破壊神「今日ここで死んだ方がマシだったと思うぐらいにな」

魔王「……!!」ゾク

お、おう

魔王(どの道、我に選択の余地はない。寧ろこれはチャンスだ!)

魔王(良い魔王になって、ここに居る魔王たちに認められれば、我も立派な魔王になれる!)

魔王「やります!」

魔王「必ず【良い魔王】になってみせます!」

大魔王「……良いだろう」

大魔王「次の宴会が開くまで機会をやる。それまで良い魔王になっておけ」

大魔王「万が一にでも、貴様がここに居る魔王たちが納得するほどに良い魔王になれば、貴様がここに来るのを許してやる」

大魔王「だがその逆だった場合は…わかってるな

魔王「わ、わかりました!」

魔王「結局、新しく造られた世界に行くことになった」

魔王「一応生きるために言ったものの、我に出来るのだろうか」ハァ

母魔「そこの雛魔王ちゃん」

魔王「!あ、あなたは…」

母魔「危機一髪だったわね」

魔王「さ、先ほどはありがとうございました。この恩、必ずや…」

母魔「良いの、良いの。礼なら子勇に言いなさい。この子が言わなかったら、私もあなたなんか助けるつもりはなかったわ」

子勇「……」ネムイ

魔王「あ、…ありがとう…」

子勇「…頑張って」ニコッ

子勇のSS前読んだが同じ人か?

母魔「じゃあ、私たちはもう先に帰るわ。子勇も眠そうにしてるし」

子勇「…」スー

母魔「ああ、立ったまま寝ちゃ駄目」

魔王「あの、もう一つ、質問しても宜しいでしょうか」

母魔「なに?年と体重とスリーサイズ以外なら答えてあげるわ」

魔王「あの…【良い魔王】というのはどうすればなれるのでしょうか」

母魔「……それはあなたが見つけ出さないと駄目ね」

母魔「ただし一つだけ言ってあげれることはある」

魔王「なんですか」

母魔「魔王たるもの、自分が選んだ道を貫くための力を持ってなければ駄目ってこと」

魔王「……」

母魔「じゃあ、私は失礼するわね。もう会うことはないでしょうけど」テレポート

魔王「良い魔王、どうすればなれるんだろう」

新生の世界

魔王「ここが我に任せられた世界か」

魔王「ってここ何も居ないじゃないか」荒野

魔王「そうか。新しくできた世界。しかも我が初めての魔王」

魔王「城も、魔物もろくにいないわけだ」

魔王「まったくのゼロからはじめなければならないのか」

魔王「これはどうすれば良い魔王になれるのか更に分からなくなってきた」

魔王「…取り敢えず、歩くか」

魔王「荒野から出て緑陰のあるところに来たのは良いものの」森

魔王「本当に何もないな。魔物の魔力も感じないし」

魔王「一体こんな世界で何をどうすれば……」

??「ぴぃー、助けてー」

魔王「うん?」



少年A「なんだ、これ」

少年B「ぷよぷよしてる。おもしれー」チョンチョン

スライム「うええ、いじめないで」

魔王「何だ、スライムか。最弱の魔物じゃないか」

魔王「道理で気配を感じないわけだ」

魔王「となると…あの少年たちが例の【勇者】というものなのか?」

どうせ勇者とくっつく話なんだろ

魔王「まあ、スライムでもないよりはマシだろ。助けるか」

魔王「ちょっと魔王としての威厳とか出した方が良いな」

魔王「こらぁ!!」

少年A「な、何だ?」

スライム「ふえ?」

魔王「我が眷属を弄ぶ不届き者は誰だ!」魔力全開

少年B「な、何だあれ」

少年A「なんかヤバそう。逃げるぞ」

少年ズ「うわぁーー!」

魔王「ふん、気迫だけで逃げるとは…勇者も大したことないな」

スライム「」気絶中

魔王「」

魔王「おい、起きろ」

スライム「ひぇっ!」

魔王「情けない奴だ。あんな子供どもになめられて恥ずかしくないのか」

スライム「あ、あなたは、誰ですか」

魔王「我を知らぬとは愚かな」

魔王「我は魔王。お前たち魔物の主だ」

スライム「魔物…?」

魔王「…そこから知らぬのか」

スライム「ボクって【魔物】ですか?」

魔王「そうだ。そしてお前は魔王である我の第一の部下となるのだ。喜ぶが良い」

スライム「【魔王】…ってなんですか?」

魔王「それも知らぬのか。良いか。魔王とは……」

スライム「……?」

魔王(…って、我も魔王って何やるのか知らないじゃん。どうすれば良い魔王になるのか知らないし)

魔王「と、とにかく、とても強い存在なのだ」

魔王「あの勇者どもが我を見て逃げるのを汝も見ただろ」

スライム「…!」

スライム「ボクのこと助けてくれたんですか」

魔王「そうだ。元々なら我ほどの存在がスライムごときに話をかけるなどありえぬが」

魔王「良い魔王を目指している我であるから特別に話をしてやっているのだ」

スライム「【良い魔王】…?」

スライム「魔王さまは良い魔王さまなんですか」

魔王「いかにも」

スライム「…良い魔王さまだー」ピョンピョン

魔王(なんかはしゃいでる)

魔王「と、とにかく、汝はこれより我の眷属だ。どこまでも我に付いてくるが良い」

スライム「はい、魔王さま」

魔王(よし、他の魔王たちが見れば大したことのない一歩だが、我にとっては良い魔王への大きな第一歩だ)

スライム「これからどうするんですか、魔王さま」

魔王「そ、そうだな…どうしようか」

魔王(この先のことまったく考えてないからな…)

少年A「アイツだよ」

少年B「アイツが俺たちのことを…」

??「おい、お前」

魔王「はぁ?」

少女「お前があたしの弟たちのこと虐めたのか」

魔王(なんだありゃ……)

子勇て半年位前のアレか、>>1は受験大丈夫だったのか?

魔王「貴様は何者だ」

少女「あたしはこいつらの姉だ。あたしの弟を泣かせた奴は許さない」

魔王「健気な人間だな。だが、先に我の眷属を虐めたのは汝の弟の方だ」

少女「え?…そうなの?」

少年A「そ、そんなことしてないよ」

少年B「ちょっと面白そうだったから見てただけだ」

スライム「嘘だ。ボクのこと虐めたもん」ピョンピョン

少年B「い、いつだよ。何時何分何秒」

魔王(まるで子供喧嘩だな)

魔王「くだらん。スライム、行くぞ」クルリ

少女「あ、待って。まだ話が」道遮断

魔王「我の行く道を塞ぐな」強く横に押す

少女「きゃっ!」クギッ

少年ズ「お姉ちゃん!」

少女「あ、足首が…」

少年A「血、出てるよ」

魔王「ふん…」

スライム「……」

魔王「何をしている、行くぞ」

スライム「魔王さま」

魔王「なんだ」

スライム「先のは酷いと思います」

魔王「何の話だ」

スライム「さっきの人間の女の子、怪我してました」

魔王「だからなんだ。我の道を塞ぐ不届きもの、その場で殺してないだけマシだ」

スライム「でも……うーん……魔王さま、良い魔王って言ったのに。あんなことしたら、ボクのこと虐めた人間たちと変わらないです」

魔王「…我に【悪い】というのか」

スライム「…!」ゾクッ

スライム「で、でも……」

スライム「あ、あんな、ことしたら、……【良い魔王】じゃないと思います!」


魔王「……」スッ

スライム「ひっ!」ブルブル

魔王「…」ホイミ

少女「うぅ……あ、あれ?もう痛くない?」

魔王「これで良いだろ。行くぞ」

スライム「……?」

少女「どうして…あ、ちょっと!」

少年A「お姉ちゃん、もう大丈夫?」

少年B「あ、怪我なくなってる。血ももう流れない」

少女「……」

スライム「魔王さま、さっきのってなんですか?」

魔王「魔法だ」

スライム「【魔法】?」

魔王「魔王と、選ばれしごく一部の存在しか使えない力だ」

魔王「さっきのは回復の魔法だ」

スライム「あの人間の怪我を治してくれたんですか」

魔王「汝が言ったろ。あの人間を怪我させたら【悪い魔王】と」

魔王「我は【良い魔王】になるのだ。こんなところで汚点を残すつもりはない」

スライム「……」

魔王「汝は元からここに住んでいたのか」

スライム「住む?」

魔王「……」

スライム「…ボク、判らない。目覺めたらここに居て、いきなりさっきの奴らが虐めてきて…」

魔王「生まれたばかりなのか。スライムなら自然発生しやすいからな」

スライム「ごめんなさい」

魔王「謝る必要はない。しかし、となるとこれからどこかに城を作らないといかないな」

スライム「お城?」

魔王「うむ、魔王城だ」

魔王「いや、さすがに部下がスライム一匹じゃ大したものはつくれないな。せいぜい臨時基地と言ったところだ」

スライム「でも、どうやって造るのですか」

魔王「ふっ、我の力を見るが良い」スッ

スライム「あ!森の木たちが斬られていく!」

ラハール様、とはなんか違うかほす

魔王「まぁ、こんなものだ」

スライム「森の木であっという間に丸太の家が…」

魔王「暫くはこれで我慢するとしよう。入るぞ」

スライム「はい」ピョンピョン

家の中 居間

スライム「おお!!」キラキラ

魔王「材料が木しかなかったから取り敢えず木製のテーブルと椅子ぐらいしか置いてないが」

スライム「すごいです!魔王さま、すごいです!」

魔王「ふ、ふふん、褒めても何も出ぬぞ」ニヤニヤ

魔王「それに、まだまだ始まったばかりだ」

スライム「まだあるんですか」

読んでないけどおもんないことは確かだ

部屋

魔王「一変何も居ないこの部屋だが…」

スライム「何もないですね」

魔王「見てろ」スッ

スライム「おお、部屋の床に変な紋様が……」

魔王「転送」ウィーン

スライム「おおお!」キラキラ

魔王「我の元の世界にいた頃の部屋のものたちをここに持ってきた」

スライム「すごいです!あ、これなんかふかふかします」布団の上でピョンピョン

魔王「おい、我の布団の上ではしゃぐんじゃない」

スライム「この色んな色してる水入った瓶ってなんですか」

魔王「水ではない。我が趣味で作っているポーションだ」

スライム「ぽーしょん?」

魔王「魔法の力が入った薬だ。飲めばさっきのように回復できる薬から、状態異常回復出来る薬、投げたら爆発する薬とか色んなものが造れる」

スライム「ああ、これなんかボクと同じ色だ。美味しそう」キイテナイ

魔王「間違ってでも呑んだりするんじゃないぞ」

スライム「…ん?」ゴクゴク

魔王「おい!」

ボーン!

スライム「けほっ!けほっ!」真っ黒

魔王「……」

魔王「お前この部屋に入るの禁止な」

スライム「えー!そんなー」

魔王「また飲んだりしたら偉いことになるからな」

スライム「もう飲みませんから!せめてベッドで一緒に寝かせてください」

魔王「うるさい。お前なんか床で寝て十分だろ」

スライム「うぅぅ…」シクシク

魔王「…あ、素が出ちゃった」

スライム「?」

魔王「コイツはあまり差を感じないようだが…」

魔王「まあ、いいや。なんか面倒くさくなってきたし」

魔王「取り敢えず、今日はもう日が暮れたから寝るぞ。お前はそこで適当に寝てろ」

スライム「ガーン」

子勇てあれかー懐かしい


人間の村、教会

少女「今日のアイツは一体なんだったんだろう。この村の人ではなさそうだったし」ガチャガチャ

少年A「お姉ちゃん」

少年B「ご飯まだー」

少女「はい、はい、今行きますよ」

少女「それはそうとお前たち、あたしは森で薬草を採ってきたさいと言ったはずだけど、明らかに森の奥まで入ってたよね」

少年ズ「ギクッ」

少女「サボる気満々だったよね」

少年A「うっ…Bがサボろうって言ったんだ」

少年B「あ、お前!」

少女「どっちも一緒よ」ゴン ゴン

少年ズ「いて!」

少女「まったく」

神父「少女」

少女「あ、神父さま」

少女「他の子たちはもう寝ました」

神父「そうですか」

神父「今日は坊主たちが仕事をせず森に行っていたと」

少女「すみません。あたしがちゃんと監督してなかったせいで…」

神父「子供の習性というものです。仕方のないことです」

神父「に比べると、少女はもうちょっと遊びまわる年だと思いますけどね」

少女「あ、神父さま、実は今日森で変な人に会ったのですけど…」

神父「変な人…?」


少女説明中

神父「……」

少女「不思議ですよね。手を伸ばしただけで傷が治るって…」

神父「…少女、明日から子供たちにあの森に近づかないように言っておいてください。もちろんあなたもですよ」

少女「え、いきなりどうしてですか?」

神父「貴女が言っていたその者、危険な存在かもしれません」

少女「…わかりました」

少女(ちょっとおかしな人ではあったけど、危なげな人には見えなかったけどな…)

わふ

前に書いたssの話が出た時はスレタイを具体的に書くべし
気になるだろうが

展開が遅い

翌日

魔王の家

魔王「第一回【良い魔王】になろうの会を始める」

スライム「わーい」ピョンピョン

魔王「まず、良い魔王とは何か、それからしっかりしなければならない」

魔王「魔王とは元々多くの魔物たちを司る存在と言って魔王と呼ばれた。だからこそ魔王にはどの魔物よりも強くなければならない」

魔王「だが、それは基本的な条件でしかないのだ」

魔王「【良い魔王】という更なる高みを目指すには何をすればいいか。それを考えなければならない」

スライム「はい」ピョン

魔王「よし、スライム、言ってみろ」

スライム「良い魔王なら良い事をすると思います」

魔王「ふむ、それは具体的にどんなものだ?」

スライム「例えば、昨日魔王さまがやったように傷ついた人を癒してあげるとか」

魔王「ふむ」

スライム「後は…困ってるところを助けてくれたらいい魔王になれると思います」

魔王「…なんか地味だよな」

スライム「?」

魔王「魔王ならもっとこう…大きくでないといけないと思うんだがな」

スライム「魔王さまそんなに大きくないですし」

魔王「体躯のことではない!」プヨ

スライム「いた」

魔王「…」

スライム「ひぅー」シクシク

魔王「…わるい、痛かったか?」オロオロ

魔王「ごほん!とにかく、我は動き回ることは嫌いだ。魔王なら、そういうことは部下たちに任せて、自分は統率だけしていればいいんだ」

スライム「部下ってボクのことですか?」

魔王「そうだ。だからお前が外で困ってる奴らが居たら我に伝えろ」

スライム「で、でも、ボク昨日みたいに虐められたりしたら嫌です」

魔王「狼狽えるな。我の部下であるなら勇ましく進むのだ!」

スライム「無理ですー」ブルブル

コンコン

魔王「?」

魔王「誰だ。昨日建てたばかりの家の門を叩くとは」ガチャ

少女「あ」

魔王「…貴様は」

少女「やっぱり、お前の家だったんだ」

魔王「分かって尚この門を叩いたというのか。いい度胸しているな」

少女「あのさ、ちょっと入れさせてくれない」

魔王「何故我が貴様などを家に上がらせなければならぬ」

少女「聞きたいことがあるの」

魔王「……何だ」

少女「ね、お前って悪い奴なの?」

魔王「…は?」

支援

少女「今日神父さまが村の人たち集めて言ったのよ。森に危険な奴が現れたから、子供たちがそっちに遊びにいけないようにしてって」

少女「昨夜あたしがお前のこと話たら神父さま顔色悪くなってたし」

少女「お前何者なの?」

魔王「我は魔王だ」

少女「魔王?なにそれ」

魔王「魔王は……えっと……」

少女「…」

魔王「偉くて良い奴だ」

少女「……」

魔王「なんか言えよ」

スライム「魔王さま、誰ですか?」ひょこ

少女「あ、昨日の変なのだ」

スライム「ひっ!」

魔王「我の眷属にへんなの呼ばわりするな」

少女「だって変だもん。ぷよぷよしてるし、喋るし…ねえ、ちょっと触ってみていい?」

スライム「い、いやだ」ブルブル

少女「昨日はうちの子たちが虐めてごめんなさい」

少女「怖かったよね」ペコッ

スライム「…え?」

少女「許してくれる?」

スライム「あ、の……うん…」

少女「あはっ、冷たくて気持ちいい」なでなで

スライム「うーん」

魔王「嫌がってるだろ、やめろ」

少女「え、嫌だったの?」

スライム「ふえ?い、いえ、別に…」

少女「本人がいいって言ってるじゃん」

魔王「ええい、一体貴様は何しに来たのだ!」

少女「あ、そうだった。でもお前結局悪い奴なの、どうなの?」

魔王「我はいい魔王と言っているだろ!」


少女「じゃあ、悪い奴じゃないと」なでなで

魔王「当たり前だ。悪い魔王なんかなって何になるというのだ」

少女「…じゃあ、いっか」

魔王「は?」

少女「お前ここで住むの?」

魔王「あ、まあ、暫くはな」

少女「そっか。じゃああたし帰るから」

少女「スライムちゃん、またね」

魔王「…なんだったんだ」

スライム「…」

スライム「……」ジー

魔王「…なんだ、お前。なんでさっきからそんなじっと見てるんだ」

スライム「…魔王さま」

魔王「何だ、早く言え」

スライム「ボクの頭撫でてくれませんか」

魔王「は?」

スライム「さっきの人間に撫でられた時、最初に触られた時とは違ってちょっと心地よかったです」

魔王「あっそ」

スライム「でも、なんか魔王さまに撫でてもらいたいんです」

魔王「まあ、しないがな」

スライム「えー、やってください」ピョンピョン

魔王「何が好きでお前みたいなぷよぷよしてるの手で触んなきゃならないんだ」

スライム「うぅぅ……」ウルウル

スライム「ねえ、撫でて、撫でて!魔王さまー!」ピョンピョン

魔王「ああ、うるさい!」

スライム「撫でて!撫でてー!!」ピョンピョン

魔王「…判った。撫でてやるからちょっと黙ってろ」

スライム「はい!」ビシッ

魔王「……ここか?」なでなで

スライム「…!」

魔王「もういいだろ」

スライム「ま、まだ、もうちょっとだけ」

魔王「……」なでなで

スライム「……ふにゃー」

魔王(なんだこのスライム…)

かわゆす

少女「危ない奴…じゃないよね」

少女「スライムちゃん可愛いし」

少女「一応ちょくちょく顔出して確認しよう」

少女「別にスライムちゃんを触りたくて行くわけではない、うん」

た…すけ…て……

少女「うん?」

旅人「たす…け…」

少女「な、なんでこんな所に人が倒れ…あの崖から落ちた?!」

少女「大丈夫ですかぁ!」

旅人「うぅぅ…」

少女「酷い傷……っ!」

『うぅ……あ、あれ?もう痛くない?』

少女「アイツなら…」

少女「ちょっとここで待っててください。人を呼んできます!」

ドンドン

魔王「また誰だ」スッ

スライム「ふ…あれ?」

ガチャ

少女「お前ちょっと来て!」

魔王「何だ、お前。また来たのか」

少女「今あそこに怪我人が居るの。だから来てよ!前みたいに治して!」

魔王「ま、待て、慌てるな」

少女「早く!」

魔王「落ち着けつってんだろ!」

少女「」ビクッ

魔王「……怪我人がどうしたって」

少女「かくかくしかじかで」

魔王「……」

少女「だから早く来てよ」

魔王「ちょっと待て」

少女「何?それより早く…」



魔王「これを持っていって飲ませろ」ホイ

少女「な、何これ」

魔王「高濃縮回復ポーションだ。飲ませたら傷も治る。じゃあ、閉めるぞ」バタン

少女「あ、ちょっと、こんな小瓶に入ったのであんな傷が治るわけ…」

少女「……」

少女「嘘…」

旅人「き、傷が…全部治った」

少女「すごい」

旅人「き、君、今飲ませたのは一体!」

少女「わ、判りません。あたしももらったもので…」

旅人「飲むだけで傷が治るなんて…」

旅人「一体誰がこんなものを作れたんだ」

少女「え、えーと…」

旅人「頼む!私は商人なんだが、こんなものがあれば幾らでも払うという連中が列を並んで…」ガシッ

少女「さ、触らないで!」パンチ

旅人「うおっ!」気絶

少女「あ!…つい【本気】で殴っちゃった」

少女「と、取り敢えず村に運んでおこう」

スライム「魔王さま、怪我した人大丈夫でしょうか」

魔王「我が作ったポーションだ、骨が折れたぐらいならすぐに治る」

スライム「魔王さまが行ったほうが良かったんじゃないですか」

魔王「あんなの我が行くまでもないということだ」

スライム「でも…」

魔王「それに、お前ももっと頭撫でられたいんだろ」なでなで

スライム「ふにゃ…」

コンコン

魔王「三度目か…」ガチャ

少女「……」

魔王「何のようだ」

少女「これ返しに来た」瓶

魔王「そうか。別に返さんでも良かったのだがな」

少女「…あのさ、お前こんなのもっと作れるの?」

しえん

魔王「作れるが、それがなんだ」

少女「…他にも作れる薬ってあるの」

魔王「種類による。どんなのが欲しい」

少女「死んだ人を蘇らせる薬」

魔王「……作れるぞ」

少女「ほんと!?」

魔王「だが作ってやるつもりはない」

少女「!…どうして」

魔王「確かに死んだ人を蘇らせる薬はある。でも、それは決して以前生きていた存在ではない。魂のないただの殻だ」

少女「……」

魔王「誰を活かしたかったんだ?」

少女「…お母さん」

SS速報向きかもしれんね

魔王「…何時死んだ?」

少女「あたしがもっと小さい頃に…お父さんと一緒に洪水に流されて…」

魔王「…なるほど」

魔王「でも、だとすれば死体も残っていないだろうな。ますます不可能なことだ」

少女「…そうだね。ごめん、無理なこと言っちゃって…」

魔王「……」

少女「あの人の傷が治るのを見てちょっと期待しちゃったんだ…」

魔王「…我も万能ではない」

少女「うん…」

魔王「だが、これからも貴様らに困ったことがあるなら助けてやろう」

少女「え?」

魔王「困ったことがあれば我の元に来るが良い。我の力の限り助けてやろう」

少女「…どうして、あたしたちを助けてくれるの?」

魔王「我は【いい魔王】だからな」

それから

少女「魔王、また人が怪我したんだけど!」

少女は困ったことがあれば魔王の家に訪れた。

少女「魔王、村の畑にパッタの群れが現れたの!」

魔王はその度に自分が持っている力で少女のことを助けてやった。

少女「魔王、村が旱でヤバイ!」

魔王が居るその村は傷や病のある者は癒され、悪気候より守られ農事はいつも豊作、幸せな時を行きた。

村の人々は彼のことを【いい魔王】と呼ぶようになっていた。

少女「まおえもーん!」

魔王「何だその呼び方は!」

なんとも統治力がなさそうな魔王だ

俺のしおり
>>35
までよんだ

数年後

魔王「こっちは、村の村長の腰薬で、こっちは畑の肥料……えっと、……おい、スライム!アレどこ行ったっけ」

スライム「お茶を持って参りました」トコ

魔王「お茶は良い。それよりアレ、どこに置いたんだ」

スライム「あれ、って仰りますと…」

魔王「アレだよ!アイツが持ってきた村の新しい特産品!菌に強くなるように改良頼まれてここに置いたんだけど…」

スライム「……あ」

魔王「知ってるならさっさと持って来い」

スライム「これです」お茶

魔王「…は?」

スライム「良い香りがしましたので、お茶に淹れてみました」

魔王「オイ」

魔王「あぁ…このスライム頭が…」ガクシ

スライム「申し訳ございません」ペコリ

魔王「…つか、お前そのカッコ気に入ってるのか」

スライム「はい、これ、今村で流行っているカッコなんですよ」

魔王「メイド服がか…何故に?」

スライム「この前あったミス村娘コンテストで一位をした娘がこの服を来て行って優勝しましたので」

魔王「この前ミス村娘一位したのお前だよね」

スライム「左様でございます」

魔王「……反則だよな。スライムだから顔とかすぐに整形できるし」

スライム「恐縮です」

魔王「褒めてねー」

スライム「しかし、これも毎日のように魔王さまに激しく愛された結果です」

魔王「頭撫でただけだから変な言い方するな」

スライム「魔王さまに毎日のように愛されてる間、魔王さまの魔力を少しずつ吸い取ってここまで成長したのですよ」

魔王「その言い方やめろっつってるだろ」

魔王「あぁん、もうここに来て何年もしてるのに部下とあるのはメイドコスプレ好きなスライム一匹とか馬鹿げてる」

スライム「魔王さまがいつまでも家に引きこもってることも原因の一つかと」

魔王「引き篭もりじゃねーし!忙しいだけだし!」

スライム「左様ですか」

魔王「……」

スライム「それでは、わたくしは村に言って少女さまにわたくしがお茶にしてしまったそれをまたもらってきます」

魔王「…ああ、頼んだぞ」

スライム「では…」ペコ

魔王「……ニガッ」珈琲



にゃー

スライム「?」

幼女「ふええ、お姉ちゃん」

スライム「なんでしょうか。お困りですか?」

幼女「猫が木に登って降りられなくなっちゃったの」

スライム「まあ」

にゃー、にゃー

スライム「しばし…」両腕をスライム化して木に

スライム「おとなしくしていなさい」ヌルッ

にゃー

スライム「はい、できました」スライムー>腕

幼女「わーっ、ありがとう、お姉ちゃん!」

スライム「いいえ、お助け出来てわたくしの方が嬉しいです」ニコッ

怖っ


少女「えぇ、それ淹れちゃったの?」

スライム「申し訳ありません」ペコッ

少女「いやいや、別に謝ることじゃないよ。すぐに持ってくるから」

スライム「すみません」

少女「しかし…」ペターン

スライム「……」ボヨン

少女「…反則だよね」

スライム「少女さんも美しく成長なさったと思います」

少女「そういうフォローは更に傷つく」

ふむ

少女「お茶の味どうだった?」

スライム「ご感想は聞かぬまま出てきてしまいました。でも香りはとても良かったです」

少女「だよね。これを村の特産品にしたら、うちも結構豊かになると思うの」

スライム「しかし、今まででも魔王さまのおかげで豊作が続いていましたのに、どうしてわざわざ特産品などを…?」

少女「ああ…実はね。最近国王がどっかと戦争してるらしくてさ」

少女「米とか穀物は半分以上は税金で持っていっちゃったんだよ」

スライム「戦争…ですか」

少女「うん、でもこれなら新しい作物だし、税も取られないから良いと思ってね」

スライム「少女さんも考えましたね」

少女「まあ、あたしがやったわけではないけどね」にひっ

神父「少女……むっ」

少女「あ、神父さま」

スライム「お邪魔しています」ペコッ

神父「…ここは魔物などが来て良い場所ではありませんが」

少女「ちょ、ちょっと、神父さま!」

スライム「…申し訳ありません。用事が済んだら直ちに出ていきます」

神父「そうしてもらいましょう。ここは神の居場所。あなたのような化物が来て良い場所ではありません」サッ

スライム「……」

少女「ごめんなさいね、スライムちゃん」

スライム「わたくしは平気です。ただ、魔王さまにまで悪いことが起きないかそれが心配なばかりです」

少女「……」

少女「神父さま」

神父「…少女」祈祷中

少女「どうしてスライムちゃんにあんなことを言ったのですか?」

神父「…少女、わたしが昔言ったことを覚えていますか」

少女「?」

神父「彼ら、魔物は危険な存在です。いつ我々を殺しに来るか分からぬ存在」

少女「まだそんな話を…あの人のおかげで、あたしたちがここまで楽に過ごしているんですよ。今じゃ村の人たちも普通に接してます」

神父「……」

少女「どうしてあの人たちのことをそんなに警戒するんですか」

神父「……教会にはこういう伝説があります」

神父「いつか別の世界から来た『魔』の存在がその眷属らを連れ人間を殺戮し、人々を不安と恐怖に陥らせると」

少女「魔……」

神父「そう、彼らが名乗る魔王、魔物などがそれです」

少女「……」

神父「彼らが持っているその力。人間では決して持てぬ力です。今はまだその数が少ないですが、いつかその『魔王』が人間にその牙を見せるなら…」

少女「魔王はそんな【悪い】ことはしません!」

神父「…」

少女「魔王は…あたしに言ったんです。自分は良い魔王になるって。だから、神父さまがいうその伝説に出る【悪い魔王】なんかにはなりません!」

神父「少女」

少女「…失礼します」タッ

神父「……」

支援

うほwwwいい魔王ww
その発想はなかった面白いwww支援

支援

へっくしょん

まもの

ドンドンドンドンドンドン

スライム「少女さん、どうしたのですか?」

少女「魔王は居る?」

スライム「はい、いつものように」

少女「入らせて」

スライム「今は仕事中…あ、少女さん」

がちゃ

少女「魔王!」

魔王「!」ビクッ

>>瓶からヤバイ煙

魔王「やべぇ…入れすぎた」

さるよけ

さるよけ

さるよけ支援

さるよけ

支援

さるよけ支援

支援

なんだ
いつものSSに湧くキチガイか

はよ

支援

支援

NGでスッキリ

はやく投下しろ

はよ

少女「魔王…あなた…」

魔王「出て行け」

少女「…へ?」

魔王「出て行け。全部家から出ろ!スライム!」

スライム「かしこまりました」

スライム「失礼します」ガシッ

少女「え、ちょっと、魔王!」強制離脱

魔王「出来るだけ爆発を収めないと家だけじゃなくて森全体が消え去るぞ」魔力全開

魔王「あぁ、【良い魔王】にもなれずこんな所で死んでたまるかよー!」

この迫力…

>>1は天才

家の外

少女「魔王!」

スライム「入っては駄目です。魔王さまは出て行けと仰っていました!」

少女「放して!魔王に聞きたいことが」

ボーン!!!

女・スラ「!」

スライム「魔王さま!」

はよ

さるさんって連続?レス数/時間?レス数/全体レス数?
最後ならさるよけにはなってるな

この展開は胸が高鳴る

はよ

パソコンと携帯使ってるのが何とも

はやく

きたい

>>112
連投だけと思う

さるよけ

はよせい

>>118
そうかわかった

さるよけ

保守

魔王「けほっ!」真っ黒

魔王「あぁ…なんだこれ、けほっ!」

少女「あ…な…」

魔王「…我の家が…資材全部なくなってしまった」

魔王「なんてことをしてくれるんだ、お前は」

少女「い、今の爆発って…」

魔王「調合を間違えたんだ」

魔王「薬というのは、作り方によって体を癒す回復ポーションになれるけど、ちょっとだけ違ったら街一つぶっ壊すことも出来るんだよ」

少女「…じゃあ、魔王はその気になればそんなものも作れるの?」

魔王「作れるぞ。まあ、造らないけどな」

魔王「それに道具がなんであっても使う奴の良し悪しで良く使うか悪く使うかが変わるものだ」

少女「………」

はよ

保守

>>112
1.一つのスレに
2.ある時間(H)内に
3.最近の投稿(N)のうち沢山投稿(M回)したら
4.「バイバイさるさん」になる

昔は1hだったが今年入ってから変更されてるっぽい

ペース落ちてる

保守

さるよけ

さるよけ

スライム「家がなくなってしまいましたね」

魔王「うーん、家は立て直せば良いけど研究材料がな……この世界では手に入らないのも多いし」

スライム「また転送で持ってくるのですか?」

魔王「さっき爆発抑えるのに魔力使いすぎて暫く無理だわ。てか家立て直す気力もねえ」ヨロヨロ

スライム「魔王さま!」ガシッ

魔王「あぁ…スライムのスライムは落ち着くなぁ…」ぷよぷよ

スライム「ま、魔王さま」カァ

少女「あの、魔王、良かったら暫く村で過ごしてみない」

魔王「あぁ?」

保守



村人A「お、スライムちゃんに少女ちゃんじゃん」

村人B「村娘コンテストの一位と二位か。絵になるな」

村人A「で、あの真ん中に居るのは…誰だ?」

村人B「さあ」

村の広場

少女「あー、あー、皆さんココに注目」

少女「こちらに居る人は今まで影からあたしたちを助けてくれた魔王さんです」

>>魔王?

>>アイツが良い魔王って人?

>>初めてみた

少女「今回、諸事情によって、これから村で住むことになりました」

魔王「…おい、誰がずっとここに居ると言った。今日だけだからな。魔力の補充ができたらまた森に…」

>>おおおお!!!

超展開

盛り上がって参りました

これはwwおもしれ

はよはよ

保守

保守

期待せざる負えない

保守

教会

魔王「…で、村人たちの泊まっていけとの誘いも断って来たのがここか」

少女「ここあたしが住んでる所よ」

魔王「不気味なところに住んでるな」

少女「え?…ここ不気味なの?」

魔王「不気味だろ?こんな神々しい所、我は苦手だ」

神父「あなたたちの敵である女神の居場所であるから当然でしょう」

少女「神父さま」

魔王「女神か……」

ほす

神父「ここはあなたたちのような連中が出入りしていいところではありません」

少女「神父さま、もういい加減に」

魔王「生意気な言動だな。我が今まで汝らを何度も助けてきたというのに」

神父「悪魔の果実であるほど甘いもの…」

魔王「勝手に言え、と言いたいところだが我もここに居ることは好かない。ここに居ることはこっちから願い下げだ」

少女「ちょ、ちょっと魔王」

スライム「……失礼します」

少女「……」

なんだよお前ら

もっと>>1のメンタリティに配慮していけよな

盛り上げろもっと
気がきかねえ奴らだ本当に

ほす

これはまとめにのるな

ほす

魔王「……」

スライム「魔王さま…」

魔王「俺は間違っていたのかもしれない」

スライム「はい?」

魔王「俺は良い魔王になるつもりで人間ども助けてきた。だがその恩を受けても尚我を悪と呼ぶ連中も居る」

魔王「結局魔王とは、魔物に対して良い王であれば良いって意味だったのかもしれない」

スライム「……しかし、多くの人々は魔王さまのことを讃えています」

魔王「それも自分たちに良いうちだ」

魔王「都合が悪くなればどう変わるか見えている」

スライム「しかし……この世界には魔物はわたくししか居ません」

魔王「…そうだな。この当たりで魔物は確かにお前しかない」

魔王「だから他の所へ行ってみようと思う」

スライム「…ここを去るのですか」

魔王「丁度家も壊された。明日にでも出発するぞ」

スライム「…分かりました」

スレ主はよ

さらなる超展開きたか

さるよけ

普段小説とか書いてるの?
すごく読みやすい

少女「神父さま!人の前で言っていいことと悪いことがあると思います!」

神父「奴らは人ではなく魔な存在です」

少女「どっちでも同じです!大体あんな古臭い伝説が何の意味があるというのですか。今があの人が良い魔王であることがその証拠じゃないですか」

神父「……」

神父「そうかもしれませんね」

少女「!」

神父「私の口が過ぎてました」

神父「少女、行ってあの方々を連れ戻してください。私も謝罪しましょう」

少女「わかりました」パァッ

神父怪しいな

絶対会心してないよこの神父

スライム「寝場所はどうしましょうか。村長に頼めば良いところではなくとも寝られる部屋を手配してくれるはずです」

魔王「そうしよう」

少女「魔王ーー!」

魔王「うん?」

少女「はぁ…はぁ…良かった。まだどっか他の所に行ってなくて」

魔王「どうした。教会になら…」

少女「帰ろうよ。神父さまも謝るって。さっきは言いすぎたって言ってるから」

魔王「…」

魔王(怪しいな)

魔王「いや、やっぱ他の所で寝るわ。教会なんて気味悪いし」

少女「だ、だけど…」

しんぷぁ~い ないさ~~~~

スライム「魔王さま、ここは少女さんの言葉に甘えた方が…」

魔王「甘えるも何も我が嫌だと…」

スライム「ここは一つ、少女さんの顔を立たせる意味でも、お願いします」

魔王「……」

少女「そ、そうよ。元を言えばあたしのせいで家も壊れたんだから…お詫びぐらいさせてくれてもいいでしょ」

魔王「…あぁ、分かったよ。行く」

少女「!」パァ

少女「良し、早く、早く行こう」

魔王「分かったから引っ張るなって」

寝室

少女「夕食って…どうだった?口に合った?」

スライム「美味でした」

魔王「我は食べることはあまり必要性を感じないからどうとも…まあ、食えなくはなかったな」

少女「…」ムッ

魔王「しかし、教会になんでこんな部屋があるんだ。しかも布団が二つも」

スライム「あ…魔王さま、それは…」

少女「…ここ、実は弟たちの部屋なの」


魔王「弟?…あ、そういえばそういう奴ら居たな。今はどうした」

少女「死んだよ。戦争に連れて行かれて…」

スライム「……」

魔王「ふーん」

少女「…それだけなの?」

魔王「戦争って元々死を覚悟して行く所だ。特に悲しむこともない」

少女「それはそうかもしれないけど…」

魔王「しかし、人間どもも救えない奴らが多い。他に戦う相手がないからって自分たち同士で戦うとは」

魔王「我よりももっと悪魔らしいことするではないか」

少女「……お休み」バタン

スライム「…魔王さま、もう少し気の利いた話でも」

魔王「なんでアイツにそんなこと言わないといけない。我は寝る。明日出発するからそう思っておけ」

スライム「……」

深夜

神父「……この部屋です」

??「間違いありませんな?」

神父「はい、料理にも深く眠る薬を使ってますので、寝ているでしょう」

??「教会の伝説に出る魔の存在…まさか本当に存在するとは…」

神父「奴らを首都の教会に連れていき、宗教裁判で裁き罰を下すのですな」

??「ええ、魔の存在たちは伝説によれば神に敵対する不届きものたち」

??「自分が魔王であることを認めた途端、火刑にされるでしょう」

神父「…宜しくお願いします」

??「神のご加護が」

ここの魔王は良い魔王~
子供に優しく金持ちだ~
おお魔王よフォーエバー
ソーファイン~

魔王「…」Zzzz

スライム「……」

バサッ

スライム「…?」

??「縛り付け」

スライム「な、なんですか?ひゃっ!」

??「袋に入れろ!」

スライム「ま、魔王さま!」

魔王「…」寝てるまま袋に入られる

スライム(大変…わたくしだけでもなんとか脱出しなければ…)スライム化

??「な、何だ?おい、捕まえろ」

??「駄目だ。水みたいで袋に入れても漏れてくる!」

スライム「ここは先ず逃げなければ…」スッ

しんぷぁ~い…
あったか

まぁ神父がまともっちゃまともなんか

翌朝

少女「魔王!魔王!!」タッタッタッ

神父「少女、騒がしいですね。どうしたのですか」

少女「神父さま!魔王が居ません!スライムちゃんも!」

神父「…はて、もう森に帰ったのでは」

少女「そんなはずはありません!あそこにはもう家も残ってないのに…それにあたしに何も言わずに…」

神父「もしかすると完全にどこかに消え去ってしまったのかもしれませんね」

少女「はい?」

神父「……」祈祷

少女「…神父さま、何か知ってますよね」

神父「何のことやら…」

少女「神父さま!何か知っているなら言ってください!」

神父「私は彼らに関しては一切知りません」



スライム「その言葉、あなたの神に誓ってもそう言えますか?」

少女「スライムちゃん!」

スライム「昨夜、覆面をした者たちが魔王さまを拉致しました。わたくしだけなんとか逃げ切りましたが」

少女「!」

スライム「わたくしは魔王さまの第一の部下。あの方の志に従い良き魔物であることを誓いました」

スライム「ですが、わたくしの主の身の安全なら、あなたが言っていた邪悪な存在に成り下がろうとも魔王さまをどこに連れて行ったのか聞き出しましょう」

神父「…とうとう本性を表しましたか」

スライム「吐きなさい、さもなくば」

神父「言えませんね。人間のためにも、あの魔王には死んでもらわなければなりません」

スライム「…あの方はあなたたちのためにあれほど尽くしたのに、どうして…」

神父「あなたのその姿がその理由です」

神父「人でもないのに人の姿をして人の術ではない力で人々を惑わした」

神父「その姿、まさに悪魔」

スライム「…あの方【良い魔王】でした」

神父「【良い魔王】とは、即ち【良い悪魔】のこと」

神父「人を惑わし、苦しめてこそ、【良い魔王】と呼べるのでは?」

スライム「……」

少女「首都よ」

スライム「…?」

少女「間違いない。魔王は首都の教会の総本山に連れて行かれたはず」

神父「な、何故それを…」

少女「最近神父さまが良く首都の方に手紙を送っていることを思い出しました」

少女「以前から仕掛けていたんですね」

神父「…少女、これは…」

少女「黙ってください!」

神父「!」

少女「…神父さま、人の力ではない力を使うのが魔物って言いましたか?」

神父「…少女、それは…」

少女「なら、この教会の女神像を片手だけで持ち上げられるあたしも…魔物ですか?」

神父「そ、それをどうするつも…や、やめ

まさかの

少女「こんなのが…!」ドコーン

神父「!!」潰される

血まみれの女神像

スライム「少女さん…あなたは…」

少女「小さい時から、他の子供たちよりもずっと力が強かった。それが大きくなるとどんどん増して…」

少女「他の人たちに知られたら怖がられると思って隠していた」

スライム「…そうだったのですか」

少女「…行こう、魔王を助けに」

スライム「宜しいのですか?下手すれば、あなたも殺されるかもしれません」

少女「それでも、魔王を助けに行く。アイツが【悪い魔王】でないことはあたしが一番良く知っているつもりだから」

少女「あたしが証明してやる」

スライム「……分かりました。一緒に行きましょう」

ひいい

ふぇぇ…

そもそも女神自体、人ではないし、人の力でないものも持ってるはずだよな?じゃないと拝まないし

一方、魔王

魔王「…起きてみればなんか回りが暗い」

魔王「手脚も縛られてるみたいだし」

魔王「このまま解いて出ていっても良いけど」

魔王「どんな礼儀知らずな奴がこんなことを仕掛けたのか見ておくためにも、もう少し黙っているか」

魔王「まぁ…大体見当はつくけどな」

魔王「…止まった…か?」

??「袋を開けろ」

魔王「うおっ、眩しい」

??「…お前が魔王を名乗る奴か」

魔王「貴様は誰だ。何故我をここに連れてきた」

??「私は神に仕える使者、教会の頂点である教皇だ」

魔王(うわ、宗教裁判だ、これ)

魔王「で、最近の教会では人の拉致とかもするのか?」

教皇「もう一度とおう、汝が魔王か」

魔王「だとすれば何だ」

教皇「…この者を捕縛しろ」

魔王(えぇ…)

しえ

人間共逃げてー

こりゃ抗いたくても抗えない
いわゆる詰みってやつだな(白目

衛兵ズ「神妙にしろ」

魔王「これ食らって寝てろ」ブシュッ

衛兵ズ「うっ!」

教皇「…!呪いか」

魔王「ただの眠り薬だ。貴様らが使うと聖水で我が使うと呪いの毒かよ」

ふぇぇ…こないよぉ…

ふぇぇ…きてたよぉ…

わらたww

教皇「貴様は人間を苦しめる存在だ。ここで排除しなければならない。既に教会の外にも百以上の兵士と魔導師たちが集まっている」

魔王「貴様らが我をどう言うかは我は構わん。我はただ良い魔王になろうとしているだけだ」

教皇「おとなしく捕まれ。でないと貴様を隠していた村の人々を皆殺しにする」

魔王「っ!!」

魔王「…貴様、それでも人間か」

教皇「大のために小を犠牲にするまで…」

魔王(…村の人たちを巻き込むわけには…取り敢えず捕まるしかないか)

魔王「好きにしろ」

教皇「この魔王を牢に入れろ。明日首都の広場で火刑を行う」

牢屋

魔王「脆いな、牢屋」

魔王「今すぐにでもぶち壊したいぐらい脆い」

魔王「でもこれを壊したら村の人たちが…」

魔王「…少女も……」

看守「ふごぉ!い…きが…」バタン

魔王「ん?」

スライム「魔王さま」スライム状態

魔王「スライム!」

スライム「直ぐにここから出します」

魔王「お前、どうやってここが分かったんだ」

スライム「少女さんが教えてくれました。一緒に来ています」

魔王「!」

教皇「魔王が居た村の代表?

少女「はい、村長の代わりにあたしが来ました。魔王を放して欲しいんです」

少女「魔王はあたしたちの村のために色んなことをしてくれました。決して悪い人じゃありません。ですから…」

教皇「…あなたの話は神父から聞いています。人並み以上の力を持った人間とか」

少女「…!」

教皇「教会の伝説によると、魔王と倒すのは選ばれし勇者でしか出来ないといいます」

教皇「あなたがその【勇者】なのかもしれませんね」

少女「勇者…あたしが?」

教皇「あなたが勇者としてあの魔王を倒すなら、我ら教会はあなたの名を全ての人々に広めましょう」

教皇「そしたらあなたはこの国の王以上に人々に愛される存在になれます」

少女「……」

殿下「魔王か…」

教皇「さあ、少女、いや、勇者、あなたの使命を果たしてください」

少女「……あの魔王は【良い魔王】です」

少女「例えあなたが言う通りに魔王を倒すのがあたしの使命だとしても、あたしは魔王を倒すことは出来ない」

教皇「そうか…残念ですね」

教皇「では私は、教会の名の元に、魔王を隠していたあなたと村の人々を処罰しなければなりません」

少女「そんな!」

教皇「魔王は邪悪な存在でなければなりません」

教皇「人を女神という良い存在に従わせるために……」

魔王「じゃあ、悪はお前がやれ。我は引退するよ」

教皇「なに…うごぉ」

スライム「魔王さまを殺そうとした罰です」教皇の頭を包む

教皇「い、息が……神よ…うっ」

魔王「あぁ、これだから神は…なんでこんあ狂信者量産するかな」

スライム「早く村に戻りましょう」

魔王「そうだな…なんか教会の兵が村を包囲してるらしいし」

少女「あ、それなら心配ないよ」

魔王「え?」

スライム「来てる途中それらしき連中が居たので倒しておきました」

魔王「」

少女「ちなみに神父さまも殺っちゃった」

魔王「お前ら…」

魔王「そこまでやらかしたのなら、もう一つ、行くべきところがある」



国王「なっ、教皇が死んだだと」

大臣「はい、何も床で溺れ死んでいたとか。口の中に水ではない液体が沢山詰まっていたそうです」

国王「なんということだ…こんな時期に教皇が死んだとなると軍の士気が…」

>>何者だ!

>>はい、はい、退いた、退いた。

>>うぉっ!

国王「な、何の騒ぎだ」

魔王「お前が人間の王か。初めてあって早速悪いが聞きたいことがある」

魔王「なんか最近戦争とかやってるそうじゃないか。重税のせいで人々も悲鳴を上げてるというのに」

魔王「一体どこの国と喧嘩してるんだ」

国王「…我々が戦っているのは他の国ではない」

少女「じゃあ、誰なんですか」

国王「魔物だ」

魔王「…!」


国王「一年ぐらい前、人が住まない荒野に城が一つ出現、その城が現れた以来、そこからどんどん人間ではない怪物たちが現れている」

国王「各地から兵を集めて対応しているが、奴らが人間の領地まで来るのも時間の問題だろう」

魔王「魔物が…?」

魔王(我は何もしていない。となると…嫌な予感がする)

魔王「ちょっとその城というものに行ってみる必要があるな」

少女「城って?」

魔王「多分、魔王城だろう。どっかの魔王が自分の城ごとこの世界に来たのだ」

スライム「他の魔王ですか?」

魔王「…この世界を自分のものにしようとしているのだろう」

少女「じゃあ、どうするの?」

魔王「取り敢えず、様子を見てくる。お前たちはここで待っていろ」

スライム「一人では危険です。一緒に…」

魔王「すぐに戻ってくる。お前たちが居ると無駄に魔力だけ消耗するまでだ

魔王「普通の人間や魔物ならまだしも、魔王が相手だと二人では歯がたたない」

魔王(それは我も一緒だが…)

スライム「…分かりました」

少女「気をつけてね」

魔王「ああ」スッ

しえn

魔王 スッ

魔王「立派なお城だな…我も出来ればこんな所に住みたかった」

魔物「!曲者!」

魔王「あぁん?」ギロッ

魔物「ひっ!」

魔王「何お前、その爪我に向けて立ててるのか?」

魔物「はっ、い、いえ、これは…申し訳ありません」

魔王「ったく…一体どの魔王だ。こんなことをしたのは…」

大魔王「余だ」

魔王「…え?」

魔王(だ、だだだ大魔王…さま?)


魔王「な、な何故」

大魔王「貴様の様子を見に来たのだが、やはり貴様は出来損ないだったようだ」

大魔王「この世界に来て何年も経つのに、この世界にはろくな魔物もない」

大魔王「人々が苦しみ、恐怖を知れば、魔物は自然と増えていくもの。なのに、貴様は魔王としての業務を怠った」

大魔王「貴様は【良い魔王】ではない」

魔王「……!」

魔王(やはり…そうだったのか。薄々感じていた)

魔王(【良い魔王】とは、つまり【悪い魔王】が良い魔王だったのだ)

魔王(そして、魔王たちの目からすれば、我は【悪い魔王】だ)

大魔王「この世界は我が支配する。貴様は約束どおり消えてもらおう」

魔王(だが逆に考えてみると…大魔王はこの世界が平和だったと言っていたのだ)

魔王(それはつまり、我は我が目指していた【良い魔王】の任務をちゃんと行なっていたというわけではないか)

魔王(それを壊させたくない。大魔王がなんだ。我の世界だ)


『魔王たるもの、自分が選んだ道を貫くための力を持ってなければ駄目ってこと』

魔王(女魔王の言った通りだ。我は強くなければならない。我の世界をこの大魔王に渡しはしない!)

魔王「こ、ここは我の世界だ。ベタに手を出すことは控えてもらおう」

大魔王「…ほう?」

魔王「わ、我には我の計画があるのだ。この世界に魔王は二つも要らない。最初に我とした約束を果たしてもらおう」

大魔王「随分と良い度胸しているではないか」

大魔王「ここに来て数年、貴様がこの世界に来て魔王として何をやった」

魔王「色んなこと…しかし、それが結果を出すにはもう少し時間がかかる」

魔王「そして、その結果を出すために大魔王、汝にはこの世界を去ってもらおう」

大魔王「我は既に汝を殺すと心を決めた。何故汝に更にチャンスを与えねばならない」

魔王「一週間だ」

大魔王「…!」

魔王「一週間で、この世界を我の支配下に入れて見せよう」

ohayo-
asadayo-

大魔王「……面白い」

魔王「何も持たぬ雛魔王が、たった一週間で人間の大国を制覇し支配できると?」

魔王「いかにも」

大魔王「…良いだろう。汝の言う通りに一週間だけ時間をやる。連れてきた魔物も消そう」

大魔王「しかし、一週間が過ぎても何にも変わらないのなら」

魔王「その時はこの世界も我の命も好きにすれば良い」

魔王「」スッ

スライム「魔王さま!大丈夫ですか」

少女「魔王」

魔王「…大魔王だった」

スラ・女「…え?」

魔王「この世界に降りてきた魔王は大魔王だった」

スライム「大魔王ということは…魔王さまよりも偉い魔王なんですか」

魔王「多分、魔王の中でも最強だ」

少女「そんな奴に目をつけられたの?この世界」

魔王「我のせいだ…我がアイツと【良い魔王】なると賭けをしたせいで、こんなことになってしまった」

スライム「勇者さま…」

国王「戦線から報告が上がった。突然魔物たちが全て消え去ったらしい」

魔王「時間を稼いだだけだ。一週間後には戻ってくる」

スライム「…その間、どうするのですか?」

魔王「…我に時間をくれ」

少女「方法があるの?」

魔王「……」

6日後

スライム「それから魔王さまは何も言わないまま城の部屋に閉じこもってます」

少女「外は戦争が終わったってお祝い雰囲気なのに…」

スライム「…まさか、圧迫されすぎて自殺とか…」

少女「!」

少女「勇者!勇者!生きてるんだったら返事して」ドンドンドンドンドンドン

魔王「お前が扉ドンドンするのうるさいんだよ!!」がちゃ

少女「きゃーっ!」

魔王「幽霊みたような顔すんな!」

スライム「魔王さま、心配してました」

魔王「悪い、悪い。ちょっと大魔王に勝つ方法を考えてたらね…」

少女「勝てるの?大魔王に」

魔王「ああ、方法はある」

スライム「どうすればいいんですか?」

魔王「まあ、案外簡単だったよ。取り敢えず、二人ともちょっと寄って、テレポートするから」

スライム「あ、はい」

少女「こう?」

魔王「行くぞ」ス

荒野

少女「ここって…?」

魔王「魔王城が居た場所だ」

スライム「今は荒野ではないですか。どうしてこんな所に……」

魔王「後…30分で約束した時間だな」

少女「30分後には大魔王が戻ってくるの?」

スライム「戦う準備をしなければ……」

魔王「……」

二十分後

スライム「後十分……」

少女「……」

魔王「じゃあ、そろそろ始めるか」

少女「え?何、その大量の瓶、ポーションなの?」

魔王「この前我の家をぶっ飛ばした爆発物だ」

スラ・女「…!」

魔王「この前は抑えてたけど、そのまま使ったらこの荒野が地図から消えるだろう」

スライム「ま、まさかそれを……」

少女「自爆するつもり?!」

魔王「違う、違う」

魔王「なんで魔王たちが全部この荒野で現れるか知ってる?それはこの荒野でしか魔王が自らを召喚できないからだよ」

魔王「つまりこの荒野を完膚なきまで破壊すれば、魔王はこの世界に入ることも、出ることもできない」

少女「でも、そんなことしたら魔王も戻れなくなるでしょ?」

魔王「どうせ戻っても死んだ命だし別にいいんだよ。それより、他の魔王たちからこの世界を守ることが大事だ」

スライム「時間まだ後5分です」

魔王「じゃあ、これの封を開けて」

スライム「なっ」ボヨン

少女「きゃっ、ちょっと、どこ触って」

魔王「にっげろーー!!」スッ

ボーーーーーーーーーン!!!

魔王「よっしゃー!大魔王ざまぁーm9(^Д^)プギャー」

スライム「……」

少女「…魔王」

魔王「ん?何だ?お前らなんでそんな顔してるんだ?もうちょっと喜べよ。これで平和に…」

少女「どさくさに紛れて人の胸を…」

スライム「魔王さま…なら…良いです」カァ

魔王「え、いや、あの…というかスライムお前は胸も何もないだろ(全部スライムだし)」

少女「ちょっとだけはあるんだよー!!!」

魔王「お前のこと言ってねーよ!」

少女「それはあたしの胸が語ることもないほどないってことか!」

魔王「お前落ち着け!」

しえん

その後、平和になった人間の国は、魔物のない世界になった。

いるとすれば、スライムが一匹、勇者であるべきだった少女が一人、そして両手に華を持った魔王が一人居るだけだった。

三人はそれからも自分たちの村で暮らしながら、困っている人々を助けることを生き甲斐に過ごしている。

人々を助けることが好きなこの優しい魔王を人々は【良い魔王】と称え、彼のことは世界の歴史に長らく残ることになった。



おわり


神父と教皇は天罰だな

よし、終わった、やっと寝れる。
最後に投げやりだと思う人が居るかもしれないけどそんなことはありません。
ちゃんと元ネタ通りにやりました。

ではおやすみ


面白かったよ

投げやりだと思ったけどそんなことないのか

乙、面白かった

誰か産業

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