池田「華菜-Kana-…?」(120)

代行 ID:NV4CEW7b0


田中「とうとう来たな…」

門松「今まで色々あったけど…」

棟居「ここまで来たら全力を尽くすだけ!」

上柿「あたしゃいつも通り打って、大将に託しますよ」

池田(アカン)


はじまるよ!

上柿や田中の活躍が見られる誰得スレはここだけ!

まとめてくれた人がいました
http://blog.livedoor.jp/dpdmx702/archives/17032383.html
ログはこのへんから
池田「華菜-Kana-…?」 - SSまとめ速報
(http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1346853582-0.html)

・前回のおさらい
~副将戦終了時~
千曲東100000 清澄74700 龍門渕108700 敦賀116600

超絶支援

~対局室~

池田(大将戦…ここまでいろんなことがあったな…)

池田(いや、思い出に浸るのは後。チームの運命と、咲ちゃんの運命、私がにぎってるんだ…負けられない)

衣「む…そこに見えるは華菜ではないか。さっきは世話になったな」

池田「あ、天江衣だし」

衣「華菜も大将だったとはな…今宵は満月、すまぬが衣は、恩人のことを傷つけてしまうかもしれん」

池田「…遠慮すんな、華菜ちゃんはそんなやわじゃないし!」

衣「そ、そうか! ならば衣も全力で相手をするのが筋というものだな!」ゴオオォォォ

池田(ちょっと手加減してくれって言ったほうが良かったかな…)

衣「それと…この対局が終わったら、衣と友達になってくれぬか?」

池田「…にししっ、くだらないことを」

衣「だ、だめなのか?」

池田「もう友達、だろう?」

衣「華菜…ありがとうな」

衣(対局の後も…そうであってくれることを願うぞ)

~~~

加治木「まさかこんなところで会うことになろうとはな…」

池田「久しぶりだし! この間は世話になったし」

加治木「あんたがくれた清澄対策はなかなか役立った。だが、ここは勝たせてもらう。優勝は鶴賀のものだ」

池田「何を! うちが優勝するし!」

加治木「ふふっ、まあお互い宜しくな」

池田「ああ、よろしく!」

池田「…咲ちゃん」

咲「…」

池田「私が勝ったら、お姉さんとの約束、守ってもらうし」

咲「…勝ってから言ってよ」

池田「…負けないし」

咲「せいぜい、退屈させないでよ」

池田「…」

~~~~

アナ『さあ、大会もいよいよ大詰め! 大将戦の開始です!』

~~~~

~~東一局~~

衣「…」トンッ

咲「…」トンッ

池田「…」トンッ

加治木(なんだ、一向聴から手が進まないぞ…)トンッ

衣「リーチ!」

池田(! やはり来たか…最終巡リーチ!)


衣「ツモ、リーチ一発ツモ海底撈月、4000オールだ!」


加治木(なんだこいつ…話は聞いていたが、ツモ切りからの一発海底なんて規格外すぎるだろう!)

池田(…加治木ゆみが動揺してる、何事もなければいいけど)

咲「…ふぅん」

加治木(これでうちの一位が陥落か…)


衣「リーチ一発ツモ、海底撈月! 4000は4100オール!」

加治木(くっ…また海底)

~~~

上柿「うわあ…華菜先輩、あんなのに勝てるんですかね」

田中「…天江衣、海底まで全員の聴牌を封じ、海底で必ず和了る…」

照「その通り。でも…」

佳織「華菜ちゃんは、二回の裏目がなかったら和了ってましたからね」

照「妹尾、気づいてたのか…。その通り、今の華菜は、支配に抗える。天江衣から和了るのも難しくない」

照(…でも、咲が大人しいのは気になる。何か仕掛けてくる…気をつけて)

加治木(…こんな規格外の奴に挑むには、自分の常識を捨てる他ないということか)

加治木「ポン!(よし…安手になるが、これで聴牌!)」トンッ

衣「…凡百よ、昏鐘鳴の音が聞こえるか」

加治木「…は?」

衣「ロン、3900は4500…くれぐれも、衣の興を削ぐようなことはしてくれるなよ」ニヤッ

加治木(くっ…出和了りもあったか…どうすれば…)

衣(…それにしても華菜が大人しいな。先ほどの衣を相手に屹然とした態度、虚勢とは思わなかったが)


咲(…ふぅ~ん。結構やるみたいね。そろそろ始めてもいい頃かな…)ゴッ

加治木(…ううん、このままではまた天江が海底に向かってしまうが)トンッ

咲「…カン」

衣(!? 暗槓、清澄が動いた!)

咲「…もいっこ、カン」

池田(咲ちゃん…来たか)


咲「…ツモ、嶺上開放、三暗刻、三槓子、3300、6300」

~~~~

上柿「妹さんも来ましたね…あれがうわさの嶺上開花ですか」

照「…いや、おそらく今のは余興…」

上柿「えっ」

照「…何かもっとまずいことをやってくる…気がする」

衣(これが清澄の嶺上使い…衣の支配があるというのに、噂に違わぬ化け物か)

加治木(天江に続いてこんなのが…私はどうすれば)


咲(…ふん、お姉ちゃんが何か言ってるからどれほどのものかと思ったけど、大したことないじゃん)

咲(このまま私が決めて…)

池田「…にゃあー!」

衣・咲・加治木「!?」

池田「ツモ! 3900オール!」


衣(華菜、衣と嶺上使いの支配をいとも容易く?!)

池田「…そろそろ混ぜろよ!」

咲(…ちっ、少しはやるみたいじゃない)

咲(…まあいいよ。あなたが私の邪魔をするなら…)

咲「カン」

加治木(くっ、またカン!)

咲「嶺上ツモドラ2、2100、4100」

咲(私にも、私なりの考えがあるんだからね…)ニコッ

加治木「!」ビクッ

加治木(な…なんだ、今の悪寒は…)

~~~~

照「…! 咲が何かやってくる…」

上柿「何かって、何です?」

照「…わからない、でも…止められなければ、多分このまま試合が終わってしまう!」

上柿「はぁっ?!」

佳織「…華菜ちゃんを信じましょう」

照「それしかない…」

咲「…華菜さん、とか言ったっけ」

池田「? 何だし?」

咲「私はあなたと勝負するつもりはないから」ニコッ

池田「…」

加治木(…なんだ? いきなり)コトッ

咲「それ、カン」

加治木(!?)

咲「…もいっこ、カン」

衣(これは…なんだとっ?!)


咲「カン、嶺上開花、ドラ12。48000です」ニコッ

加治木「ななななっ!?」カタカタカタカタ

池田「…咲ちゃん」

咲「あなたが何を言っても…私は照さんを許すつもりはない」

加治木(くそっ…こんなバカなことが…)カタカタカタ

加治木(…とりあえず、清澄にカンされるのはまずいが…どうしろと言うんだ)コトッ

咲「残念、カン」

加治木「」ビクッ

咲「カン…対々嶺上開花ドラ6、24000は24300です」

加治木(み…みんな…)ガクガク

~~~~

上柿「こ、これじゃ鶴賀が飛ばされちゃいますよ!?」

田中「こんなのどうしろって言うんだ…」

佳織「…諦めないでください!」

田中・上柿「!」

佳織「華菜ちゃんも必死に戦ってるんです、私達が諦めてどうするんですか!」

田中「妹尾…」

照「ああ、妹尾の言うとおりだ。華菜の表情、決して諦めてはいない」

照「きっと…あれは何かやってくれる」

~~~~

衣(このままではこの局にでも鶴賀が飛ばされてしまうが…)

池田「…」コトッ

衣(…ふぅん? 華菜の奴、落ち着いているようだな。それでこそ、衣と踊るに相応しい奴)ニヤッ

加治木「くそぅ…」ガタガタガタガタ

咲(…清一三暗刻一向聴。考えるまでもなく、鶴賀から出る)スッ

咲(あっけなかったな…あの子供みたいのといい、もう少しくらいやると思ったけど)

咲(これで張った…じゃあこれを切って…)


ゴォッ


咲(!? 何、今の気配?)

衣「…どうした嶺上使い、早く切らぬか。それとも切るのが怖いのか?」

咲「くっ…(この私が、牌を切るのを怖がっているというの!?)」

咲(そんなこと、あるはずない…私は最強…こんな奴ら、叩き潰す!)ターンッ

池田「ロン! 16000は…16600!」パタンッ

咲(!? 清一八門張、何を切っても当たっていた!?)


池田「咲ちゃん…そんな悲しそうな顔で麻雀してるあんたは見たくない…」

咲「ぐ…」

池田「だから…私が、死んでも咲ちゃんを止めてみせる!」

~~~~

照「…華菜」

佳織「華菜ちゃん!」

~~~~

咲(こいつ…私を、この私をここまでコケにして…)ギリギリギリ

咲「うるさい…うるさいうるさいうるさい!」ゴオッ


衣(嶺上使い…それだけの才覚を持ち合わせながら、己に住まう魔物に食われてしまったか。悲しき奴よ…)

加治木(ぐぅ…私は、私は…)ガタガタガタ

池田(加治木ゆみ…あんたもそんなところで終わるような奴じゃないはずだし!)

池田(いい加減…目ぇ覚ませよ!)トンッ

加治木(! 地獄に仏の特急券!)

加治木「ポンッ!」

加治木(これで…これで…!)


加治木「ツモ、4000オール!」

加治木(すまん池田、借りを作ってしまったようだな…)

池田(どうってことないし!)


衣(凡百…息を吹き返したか。まあ、そうでなくては面白くない)

咲(あいつめ…余計なことを…)ギリッ

咲(でも優位はまだ私にある! このまま叩き潰してやる!)ターンッ

衣「ロン、8000は8300! どうした嶺上使い、足元が浮ついているのではないか?」

咲(く…どいつもこいつも!)

~~~~

佳織「華菜ちゃん!」

上柿「咲さんが押されている…華菜先輩の力が…?」

照「咲…」

~~~~

池田(混一一向聴…でも、浮いた二萬はたぶん、咲ちゃんの槓材)

池田(それを抱えたら、安手になるけど…)トンッ

池田(このゴミ手にも、何か意味はあるはず…)

池田(…今まで私が、通ってきた道)

池田(…上柿、あのとき部室にお前がいなかったら、私はいま、ここにいなかったし)

池田(一人だけの一年で寂しい思いをさせたけど、お前は、本当に強くなったし!)

池田「ツモ! 300、500!」ゴォゥ…

衣(! 華菜から風を感じたような…これは何だ?)

加治木(ここに来ての安手…いったい何を)

咲(…!)ギリッ


池田(…不思議、ゴミ手を和了っただけなのに…力が沸いてくる)

超絶支援

池田(田中先輩…あんなボロボロだった麻雀部に戻ってきてくれて、ありがとう)

池田(先輩はちょっと頼りないところもあるけど、面倒見が良くて優しくて、本当にいい先輩だったし)

池田「ツモ、700、1300!」ゴォォウ…

~~~~

上柿「あの雰囲気…まさか?!」

田中「そんな…照の連続和了と同じ…」

~~~~

衣(…華菜、やはりまだ何か隠し持っておったか。底の知れぬ奴だ)

咲「くっ!」ギリギリギリギリ

咲(三下が…お姉ちゃんの物真似? 私を馬鹿にするのも大概にしてよ!)

池田(佳織…佳織はこっちに来てから一番長い時間を過ごした…私の一番の友達だし)

池田(私のわがままも、無茶も、全部笑顔で受け入れてくれた、私は…あなたに何か返せていたら、いいな)


咲(そんな紛いもの…この手で粉砕してやる!)

咲「リーチ!」

池田「ロン! 5200!」

咲(うぅっ…! 紛い物…紛い物の分際で私に傷を…!)ポタポタ

~~~~

佳織「三連続和了! 華菜ちゃん!」

~~~~

池田(照…私が知っていた宮永照と、この世界のあなたは、あまりにもかけ離れていたし)

池田(咲ちゃんに負けて打ちひしがれた心、姉であろうとする苦悩、その姿に、私は気づけば自分を重ねていた…)

池田(二人の日常…私が取り戻す!)


衣(華菜…奇異なものだな。衣と華菜は今日出合ったばかりだというのに…)

衣(この気持ちは、まるで長年の好敵手と会い見えたかのよう!)

衣(…いや、今この瞬間から、華菜は衣の好敵手!)

衣(衣も…華菜と一緒に走ってみたくなったぞ!)


衣「リーチ!」

~~~~

アナ『天江衣選手、本日初のリーチです!』

藤田(衣…支配を捨ててきたか…)

池田(衣…)

衣(…)スッ

衣(…ふふっ…衣が支配を捨てても、お前を止められぬか。ならば、前に進むがよい!)コトッ

池田「…ロン! 12300!」


咲(池田華菜…大人しくしていれば良かったのに、よりにもよってお姉ちゃんの連続和了なんて…)

咲(最悪…私のプライド、めちゃくちゃにしてくれたね)


咲(地獄を見せてあげる!)ゴォッ

~~~~

咲(…三暗刻一向聴、準備は整った!)

加治木「」トン

咲「ポンッ!」

咲(…これで…これで…)


池田(咲ちゃん…)コトッ

咲「カンッ!」

咲(泣いて喚いて謝っても…もう許してやらないから!)

咲「もいっこ、カンッ!」

咲「もいっこ…カン!」

咲(あとひとつ…!)

~~~~

上柿「ちょ、ちょっと、これまずいんじゃないですか?!」

田中「四槓子の責任払い…妹尾の和了ったのぐらいしか見たことがないが」

妹尾「…華菜ちゃん!」

照「…」

~~~~

咲(これで終わり!)

咲「カン!」



照・池田「『ロン、搶槓』」

咲「?!」

衣「油断したな、嶺上使い?」ニヤッ

咲「そ、そんな…ま、まさか…」


加治木(…心臓が止まるかと思ったが…借りは返したぞ。池田)


咲(ふふ…あは、あはははははは…はは…)ガクッ

~~~~

咲「カン! これで嶺上…」

照「ロン、搶槓。そのカン、成立せず」

咲「ええ?! 搶槓なんて、そんなの聞いてないよぉ…」

照「…咲、咲の嶺上は確かに強い…でも、こういう弱点もある」

照「どんなに強い人でも、負けることはある。それが麻雀…」

咲「お姉ちゃん…」

照「でも、そんな結果の分からないものだからこそ、人は麻雀を打つ」

照「ね、咲…」


~~~~

照・池田「『麻雀って、楽しいだろう?』」

咲「…あはは…そっか…そうだったよね…」ポタ…ポタ…


上柿「と、止めた…」

田中「あいつ…最初からわかってやってたのか」

佳織「華菜ちゃん!」パァア

照「華菜……咲……」ポタポタ

~~~~

咲(あーあ…惨めだなあ)

咲(私は、最強の力を手に入れて…邪魔するものは全部、叩き潰して…そんな気でいたのに)

咲(結局、こんな人にあっけなくやられちゃって…馬鹿みたいだ)


咲(…お姉ちゃん、皮肉だね。私達は、麻雀を通して通じ合っていたのに…)

咲(いつの間にか、麻雀を傷つけあう道具にしてしまってた)

咲(…気づいたら、私を理解してくれるような人はお姉ちゃんしかいなくて…)

咲(私は、嫉妬と衝動で、そのお姉ちゃんすらも壊してしまった)

咲(そうなってしまったら、もう誰も私を止めてくれなくて…)

咲(私は、自分が存在している実感が欲しくて、麻雀でみんなを叩き潰し始めた)


咲(そうやっても心を満たすのは、虚しさだけで…麻雀なんか、打ってても全然楽しくなくて)

咲(このまま勝って、全部ぶっ壊して、それで終わりにしちゃおうかなと思ってたけど)

咲(…もう、何か切れちゃったみたい)


咲「…そう、麻雀は楽しいものだよね」フフッ

池田「…咲ちゃん」

咲「なんだか馬鹿馬鹿しくなっちゃった…さ、再開しよ」

衣(嶺上使い…いい顔になったな!)


咲(もう…清澄のみんなに、カッコ悪いとこ見せられないしね)

咲「カン…ツモ、嶺上ツモ、1300、2600」

池田(…咲ちゃん)

池田(…これで、良かったのかな)フフ

~~~~

照「咲の…表情が変わった…」

上柿「…ここからだとよくわからないですけど」

田中「ああ、でも…」

佳織「姉妹にしかわからない、そんなこともあるんです…かね」


照(あんな生き生きと打つ咲は…いつ以来だろう…)ポタポタ

照(ありがとう…華菜)

~~~~

~~後半戦・南四局 親・加治木ゆみ~~

加治木「ぐぅ…ハァ…ハァ」

加治木(牌をツモって切るごとに…まるで命を削るような重い感覚…!)

加治木(でもその位のことをしなければ…私は、こいつらと戦うことはできない!)

加治木「っ…ツモ! 4000オール!」


アナ『鶴賀、加治木ゆみ選手、この土壇場で執念の満貫ツモ!』


加治木(これで射程圏内…! 待ってろ怪物ども!)

衣(凡百…お前も染まってきたな! この狂乱の宴に!)

池田(加治木ゆみ…やはりただでは終わらない奴!)

咲(この人、執念深いなあ…)

~~南四局・二本場~~
千曲東109000 清澄106000 龍門渕115000 敦賀70000


咲(…一筒が四枚、揃った!)

咲(これを暗槓して嶺上でツモれば…問答無用で私の勝ち!)

咲「っ…!」スチャッ

~~~~

『リンシャンカイホー? 何それ』

『麻雀の役の名前だよ、山の上で花が咲くって意味なんだ』

『咲く? おんなじだ!あたしの名前と!』

『そうだね。咲。 森林限界を超えた高い山でさえ可憐な花が咲くこともあるんだ』

『咲、お前もそんな花のように強く咲けば―――』

~~~~

咲(…お姉ちゃん)

咲(あれだけ憎んで憎んで…憎んで憎んで憎み倒したつもりだったのに…)

咲(お姉ちゃんは私の心の根っこにいたんだね…)

咲(結局、私は全然、お姉ちゃんから離れられてなかった…)


咲「…リーチ!」

~~~~

まこ「咲が…嶺上を捨てた?」

久「不思議なこともあるのね…でも、咲なら勝ってきてくれるわ!」

和「…咲さん」

~~~~

池田「咲ちゃん! その勝負受けて立つ!」

咲「!」

池田「追っかけリーチ!」

咲「ふふ、まったく、あなたって人は…」

~~~~

上柿「先輩…頼みますよ!」

田中「華菜…勝って、いや、華菜なら勝つ!」

佳織「華菜ちゃん、お願い!」

照「華菜…咲を、救って!」

~~~~

衣(…依然として海底は衣にある! 華菜、嶺上使い、引けるものなら引いてみよ!)トンッ

加治木「」トンッ

咲(…)スッ





「ツモ!」



~~~~

アナ『試合、終了です!』

~~~~

~~大将戦・終了~~
千曲東121300(+21300) 清澄102900(+28200) 龍門渕111900(+3200) 敦賀63900(-52700)

※エピローグへ向かう前に10分ほど休憩

加治木「…」

加治木ゆみ・手牌
東 南 西 北 白 発 中 中 一 九 I IX ⑨


加治木「…終わったか」パタンッ

加治木(…いい、夢だった…)


池田「…加治木ゆみ、その手牌…」

加治木「なんだ、見てたのか…まあ、和了れなかったなら同じことさ」

加治木「…私は先に行かせてもらうよ…これ以上ここにいると、恥の上塗りをしそうだからな」

池田「あなたには…敬意を表します。加治木さん」

加治木「…縁があれば、またどこかでな」

~~~~

衣「…負けてしまったか。華菜は、強いんだな」

池田「お前も強かったし…衣」

衣「華菜、華菜は衣を友達だと言ってくれたが…」

衣「華菜との戦いは、実に心躍るものだった! 友情と競争心…これが、らいばるというものなのだな!」

衣「…次は負けぬぞ。嶺上使いともども、衣がなぎ倒してくれよう!」

池田「ふふ、いつでもかかって来いだし!」

衣「華菜がいるなら、これから衣は無聊を託つことにならず済みそうだ」

衣「また会おう、その日まで、勝負は華菜に預けておくぞ!」

ギュッ

池田「ああ、また会うときまで!」

咲「…華菜さん」

池田「咲ちゃん…」

咲「あはは…さんざん酷いこといって、こんな終わり方だなんて、ほんと、救えないですよね」

咲「許して貰えないかもしれないけど…いままで、すみませんでした」

池田「もういいし…私は、最初から、怒ってないから」

咲「…優しいんですね」

咲「…虚勢張るのも…なんか疲れちゃいました」クスッ

池田「咲ちゃん…」

咲「泣いても、いいですかね…ぐすっ」

池田「>>80

1.咲ちゃんには、もっと相応しい場所があるはずだし!
2.私の胸で泣くといいし!

池田「咲ちゃんには…私の隣より、もっと相応しい場所があるし」

咲「…」グスッ

池田「私も妹がいるけど…やっぱり、姉妹がバラバラだなんて、そんなの良くないし」

池田「だから…お姉さんと、照さんと、仲直りしてきて欲しいし!」

咲「はい…約束、ですもんね」グスッ


池田「…これで、丸く収まったし」


~~~~

菫「未春、私達が引退したらお前がキャプテンだ…頑張れよ!」

福路「未春、大変だと思うけど、私も手伝うからね」

未春「は、はい!」

菫「…それじゃ、私達は先に帰るとするか」

菫「すまなかったな…全国に連れて行ってやれなくて」

福路「…菫、これで良かったの? 白糸台に残る選択肢もあったんでしょ?」

菫「私は、私の選択に後悔してないさ」

福路「でも…どうして」

菫「…風越に見学に来たとき、お前の開いた目を見てな…」

福路「えっ…」

菫「その綺麗な瞳に、この手で全国の舞台を見せてあげたいと思ったんだ」

福路「そ、そんなこと一言も言ってくれなかったじゃない!//」カァー

菫「い、言えるわけないだろう、こんな恥ずかしいこと! //」

福路「恥ずかしいとか言わないでください! その…う、嬉しいですから!」

菫「美穂子…」フフッ

~~~~

~~~~

蒲原「ゆみちん、おつかれー」ワハハ

加治木「蒲原…すまん、お前達が繋いでくれた点、守れなかった」

蒲原「ワハハー、まあ、私の胸で泣くといいさ。モモたちにこんな恥ずかしいところは見せられないからなー」

加治木「…ぐすっ、ひっく…ありがとう、蒲原」

蒲原「ゆみちんこそ…私の夢につき合わせて、すまなかったなー」

加治木「…いや、いい夢だったよ。でも…」

蒲原「でも?」

加治木「モモを全国に連れて行くという約束、果たせなかったのは心残りだ…」


蒲原「だとさー、モモ」

モモ「せーんぱい♪」ギュッ

加治木「!?」

加治木「蒲原、知っていたな!」

蒲原「さあなー? それじゃあごゆっくりなー」ワハハ

モモ「先輩…後半戦の先輩、最高にカッコ良かったっすよ」

加治木「モモ…」

モモ「でも、約束は守って欲しいっす…」

モモ「引退しても、私達が全国に行けるように、ときどきでもいいから、指導に来てくださいっす」

加治木「…私の指導は厳しいぞ、ついて来れるか?」

モモ「…先輩となら、どこまでも! っす」

南浦「…智美さん」

蒲原「おお、数絵じゃないかー」ワハハ

南浦「すみません、私がもっと稼いでいれば…」

蒲原「いやいや、数絵はよく頑張ったぞー」ワハハ

南浦「…智美さん、私は、東横さんと同じ…あなたが見つけてくれるまで、私は、一人ぼっちでした」

南浦「それなのに…やっと、誰かのために打ちたい、そう思える人に出会えたのに…」

南浦「ここでお別れなんて…辛すぎる…!」ポロポロ

蒲原「…数絵、ちょっと顔あげて欲しいぞー」

南浦「智美さん…」


チュッ

南浦「…! ぷはっ、いきなり何するんですか! こんなところで!///」

蒲原「寂しくなくなるおまじないだぞー」ワハハ

蒲原「…それに、数絵が望むなら個人的に一緒に居てやるぞー?」ワハハ

南浦「えっ、それって…」

蒲原「私でよければだがなー」ワハハ

ギュッ

蒲原「…数絵、これからは、モモと一緒に数絵がむっきーを支えてやってくれー」

南浦「はい…頑張ります!」

~~~~

衣「すまぬなみんな、負けてしまった…」

国広「その割には…随分満足そうだね」

衣「うむ、衣はこの戦いで、勝利よりも得がたきものを得たからな!」

智樹「私の失点がなければ…申し訳ない」

国広「智樹、気にすることないよ。僕も普段の力を発揮できなかった…」

純「まあ、あいつらのほうが勝ちたい気持ちが少しだけ強かった。そういうことだろう」

透華「…私は必死に打っていて、いつのまにか試合が終わっていましたわ…」ドヨーン

国広「と、透華は凄かったよ! かっこよかったよ! 目立ってたよ!」

透華「そ、そうですの…?// まあ、一が言うのでしたら…」

国広「う、うん…とにかく、来年また、みんなで全国に行こうよ!」

国広(あの上柿とかいうのには、やられっぱなしじゃ気がすまないもんね!)

透華「…そうですわね!(のどっち…)」

純「ああ(妹尾佳織…また戦ってみたいもんだ)」

智樹「」コクリ

衣「うむ!(華菜…次は負けぬぞ!)」

~~???~~

池田「あれ…ここは…」

??「おめでとうございます…池田華菜、試練を乗り越えたのですね」

池田「お前…久々過ぎて忘れてたけど、誰だし?」

霞「…私です、池田さん」

池田「お前は…永水のおっぱいお化けだし!」

霞「…」グニー

池田「痛いし! ごめんだし! 頬を引っ張るのはやめて欲しいし!」

霞「まったくもう…とにかく、今あなたが置かれている情況について簡単に説明しましょう」

池田「華菜ちゃん、SFとオカルトは苦手だからかいつまんで説明してほしいし!」

霞「世話が焼けますね…」

霞「池田さん、あなたがこの世界に来たのは、『安価』と呼ばれるものが原因ですね」

池田「アンカ? なんだしそれ」

霞「ごく近い未来を捻じ曲げる、不思議な力…そんなものだと思ってください」

霞「世の中には安価の力を受けやすい人がいて、池田さんはその一人です」

霞「今回は安価の暴走によって、今の世界に来てしまったわけですね」

池田「はあ…なんとなくわかったし」

霞「疑わないのですね」

池田「疑わないというか、今置かれてる情況が全ての証拠というか…」

霞「まあ、とにかく安価の力を介してこちらの世界と交信を取れる私が、今回は池田さんにメッセージを送っていたわけですね」

霞「ちなみに池田さんが長野大会でボコボコにやられてしまったのは安価のせいです」

池田「ひどっ!」

霞「それで戻るための条件なのですが、まず、こちらの世界の時間が、元の世界の時間と近づくこと」

霞「もうひとつは、安価による力を撥ね退けるほど、池田さんの力が強くなること、ですね」

池田「だから、”長野県で優勝”が目安だったってことだし?」

霞「その通りです。それで池田さん…あなたはどうするのですか?」

池田「…どっちの世界を選ぶか、ということ?」

霞「…おそらく、今このタイミングを逃すと、二度と元に戻るチャンスはなくなってしまうと思います」

霞「けれど、あなたにとってはそちらの世界も偽りならぬ世界…」

霞「そちらに残るというのであれば、それも可能です」

池田「…私は…」


>>100
1.今の世界を選ぶし!
2.元の世界に帰るし!

2

池田(私は…私はいままで、元の世界に帰ることを目標に、頑張ってきたし)

池田(なのに…わかっていたのに今、このときになって、こんなに辛くなるなんて…)

池田「…私は、元の世界に帰るし」

霞「…後悔はしませんか?」

池田「…するに決まってる…でも、私が居るべき場所は、やっぱり向こうの世界なんだし」

池田「辛いことも、苦しいこともあったけど…私は、戻らなきゃいけないし」

霞「では、目を閉じてください…」


~~~~~

~~エピローグ~~

『なあ竜華…もうひとつの世界、なんて話、信じるか?』

『いきなりどうしたん?』

『昔、私が生死の境を彷徨ったとき…うちはもうひとつの世界で全国優勝を果たしたんや!』

『一巡先を見る能力も、そのとき手に入れたもんやで~』

『あはは、そりゃあ面白い話やなあ』

『あ、信じてへんやろ?』

『はいはい、ほな練習始めよか~』


福路「…華菜? 華菜ったら!」

池田「あれ…ここは…キャプテン」

池田(戻って…来たみたいだし)

福路「もう、急に倒れちゃうから心配したのよ!」

池田「あはは、迷惑かけました」

福路「…安静にしててね。あなたは、大事なチームの一員なんだから」

池田「…はい」


池田(…上柿、田中先輩、佳織、照…最後まで一緒に戦えなくて、ごめん)

池田(でも、私はこっちの世界を捨てることができないし…)

~~一年後~~

アナ『さあ長野県予選、決勝は早くも大将戦です』

アナ『奇しくも前年と同じ四校が集まりましたが…』

~~~~

池田「よろしくだし!」

咲「よろしくお願いしますね(去年とほとんど同じメンバー…)」

衣「うむ、よろしくな!」

佳織「よ、よろしくお願いします…(なんで私が大将に…)」

~~~~

藤田『この一年…池田華菜と妹尾佳織の成長は目覚しいものがあった』

藤田『実力差はほんの僅かだろう。点差も平らだし、どこが勝ってもおかしくないな』

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上柿(風越の池田さん、どーも他人とは思えないんですよねえ)

上柿(なんかあの闘牌を見てると胸が熱くなるような…もしかして、これが恋?//)

上柿(そんなまさかね…)


照(…咲を見に来たけど…あの池田とかいう選手、どこか見覚えがあるような…)

照(私と同じ、連続和了を使うって本当かな?)

田中「あの、このカバン落としませんでした?」

照「あ、どうも…ってあれ」

田中「あ、インターハイチャンプの」

照「…どこかでお会いしませんでした?」

田中「? 初対面だと思いますけど」

照「」ジーッ

田中「な、なんか顔についてますか?」

照「」カマエッ

田中「」パシッ ハイタッチ

田中「あ、あれ、すいません。なんだか体が勝手に」

照「いえいえ、こちらこそ…」ウーム?

照(どっかで戦ってる…はずもないよね。ここ長野だし)

照(そういえば、前の席にいる小さい子もなんか見覚えあるような…)

~~~~

池田(…あれから月日は流れたけど、やっぱりあの数ヶ月が嘘だったとは到底思えなかった)

池田(永水の霞さんに聞いても、あらあらうふふで何も言ってくれないし…)

池田「佳織…」ジーッ

佳織「…?」

佳織(あれ? なんか顔が熱い…緊張してるのかな。やっぱり今日は変だよ…)


池田(…この手に確かに感じる…連続和了の力…)

池田(上柿、田中先輩、佳織、そして照…)

池田(私はいつまでも、みんなと過ごした日々を忘れないし!)


「リーチ!」



カン!

深夜テンションで始めたスレがこんなに長くなると思ってなかった
支援等、最後までお付き合いありがとうございました

こんなSSを書いてたら、なんかだんだん上柿が凄く可愛く見えてきた…もしかして、これが恋?!
もっと上柿が出てくるSS増えればいいよ!

~おまけ・テンション次第であったかもしれない物語~

??「突如として飛ばされた廃部寸前の麻雀部!」

??「部員は私を含めて二人、自動卓すらない完全なニワカ高校!」

??「あの…本気なんですか?」

??「まあニワカならここで諦めているところだが…残念ながら私は諦めが悪いものでな」

??「なーに心配しなさんな、私にかかれば全国優勝も容易いものさ!」



小走「見せてやろう! 王者の打ち筋を!」

玄「なんかとんでもない人と出会っちゃったなあ…」


 小走「やえ-Yae-!」

カン!

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